(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
A63F7/02 334
(21)【出願番号】P 2017204658
(22)【出願日】2017-10-23
【審査請求日】2020-09-04
(73)【特許権者】
【識別番号】302069930
【氏名又は名称】NECエンベデッドプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】小関 雅典
【審査官】中村 祐一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-333883(JP,A)
【文献】特開2003-230132(JP,A)
【文献】特開2016-147000(JP,A)
【文献】特開2006-333913(JP,A)
【文献】特開2001-111897(JP,A)
【文献】特開2011-139872(JP,A)
【文献】特開2011-009982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得部と、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定部と、
を備え、
前記認証部は、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う
認証装置。
【請求項2】
前記プレイ開始の操作
はプレイ装置の操作子の操作である
、前記プレイ装置に含まれる請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記不正なプレイが行われていると判定された場合に
、プレイ装置の駆動を停止する処理を行う停止処理部と、
を備え
、前記プレイ装置に含まれる請求項1または請求項2の何れか一項に記載の認証装置。
【請求項4】
プレイ装置を操作してプレイする前記プレイヤに提示された価値情報の送信先
を示す価値提供許可装置であって、撮影により新たに取得した顔画像に基づく認証が成功した場合に前記価値情報に対応する物品の提供の許可判定する前記価値提供許可装置と通信接続する通信接続部と、
プレイ終了を検知した場合に少なくとも前記プレイヤの顔画像と当該プレイヤに提示された価値情報とを前記価値提供許可装置へ出力する価値情報出力部と、
を備え
、
前記プレイ装置に含まれる請求項1から請求項3の何れか一項に記載の認証装置。
【請求項5】
認証装置と価値提供許可装置とを有し、
前記認証装置が、
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得部と、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定部と、
プレイ終了を検知した場合に少なくとも前記プレイヤの顔画像と当該プレイヤに提示された価値情報とを前記価値提供許可装置へ出力する価値情報出力部と、
を備え、
前記価値提供許可装置が、
撮影により新たに取得した顔画像に基づく認証が成功した場合に前記価値情報に対応する物品の提供の許可情報を出力する物品提供許可部と、
を備える認証システム。
【請求項6】
遊技者による遊技開始の操作時とその後の前記遊技者の遊技中とにおける前記遊技者の顔画像を取得する画像取得部と、
前記遊技開始の操作時に撮影した顔画像と、前記遊技者の遊技中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、前記遊技開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記遊技者の遊技中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、
前記認証の結果に応じて不正な利用が行われているかを判定する判定部と、
を備える遊技機。
【請求項7】
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得し、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する
認証方法。
【請求項8】
認証装置のコンピュータを、
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得手段、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証手段、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームや遊技機などの装置において価値情報をプレイヤに提供するものがある。例えばパチンコ遊技機は価値情報としてパチンコ玉の出玉を管理しプレイに応じて当たりが発生した場合にはパチンコ玉の出玉の数を増加させる。なお関連する技術においてプレイヤの顔を認証する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述のようなパチンコ玉やコイン等の価値情報をプレイヤに提供する装置の中にはプレイ開始からプレイ終了までの一人のプレイヤが行うよう規定されているものがある。また価値情報を他人に提供してはならないよう規定されている装置もある。このようなゲームや遊技機などの装置における価値情報に対する店内での移転に関する不正を防止する技術が求められている。そこでこの発明は、不正の防止の精度を向上させる認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、認証装置は、プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得部と、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、認証装置と価値提供許可装置とを有し、前記認証装置が、プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得部と、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定部と、プレイ終了を検知した場合に少なくとも前記プレイヤの顔画像と当該プレイヤに提示された価値情報とを前記価値提供許可装置へ出力する価値情報出力部と、を備え、前記価値提供許可装置が、撮影により新たに取得した顔画像に基づく認証が成功した場合に前記価値情報に対応する物品の提供の許可情報を出力する物品提供許可部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、遊技機が、遊技者による遊技開始の操作時とその後の前記遊技者の遊技中とにおける前記遊技者の顔画像を取得する画像取得部と、前記遊技開始の操作時に撮影した顔画像と、前記遊技者の遊技中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、前記認証の結果に応じて不正な利用が行われているかを判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、認証方法は、プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得し、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定することを特徴とする。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、プログラムは、認証装置のコンピュータを、プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得手段、前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証手段、前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ゲームや遊技機などの装置における不正の防止の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による認証システムの概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態による認証システムの機能ブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態による認証装置、プレイ処理装置、価値提供許可装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による認証装置、価値提供許可装置の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態による認証システムの処理フローを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による認証装置の最小構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態による認証装置、認証システム、遊技機、認証方法、プログラムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態による認証システムの概略構成図である。
認証システム100は一例としては認証装置を備えたプレイ装置1と、当該プレイ装置1と通信接続された価値提供許可装置5とが通信ネットワークを介して接続されている。プレイ装置1はゲーム装置や遊技機などであってよい。プレイ装置1には、カメラ2、清算ボタン3が設けられている。なおプレイ装置1の前面にはプレイヤが座る椅子4が設けられている。価値提供許可装置5にはカメラ6と接続されている。
【0013】
図2は認証システムの機能ブロック図である。
この図が示すようにプレイ装置1はプレイ処理装置11と認証装置12とを含んで構成される。プレイ処理装置11はプレイ装置1がゲーム装置であればコンピュータゲームの制御を行う。またプレイ処理装置11はプレイ装置1が遊技機であれば遊技機の制御を行う。
【0014】
図3は認証装置、プレイ処理装置、価値提供許可装置のハードウェア構成を示す図である。
プレイ処理装置11、認証装置12、価値提供許可装置5はそれぞれコンピュータであり、それぞれが同様にCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HDD(Solid State Drive)104、インタフェース105、通信モジュール106等を備える。
【0015】
図4は認証装置、価値提供許可装置の機能ブロック図である。
認証装置12はプレイ装置1が起動されるのと同時に起動し、予め記憶する認証プログラムを実行する。これにより認証装置12には、制御部121、通信接続部122、画像取得部123、認証部124、判定部125、停止処理部126、価値情報出力部127の各機能部が備わる。
制御部121は認証装置12の各機能部を制御する。
通信接続部122は価値提供許可装置5との通信接続を制御する。
画像取得部123はプレイ装置1のカメラ2から画像を取得する。
認証部124は画像に含まれる顔画像を用いてプレイヤが開始時のプレイヤと一致するかを判定する。
停止処理部126は認証部124の認証に基づいてプレイヤが開始時にプレイヤと一致しない場合にプレイ装置1に停止要求を出力する。
価値情報出力部127はプレイ終了を検知した場合に少なくともプレイヤの顔画像と当該プレイヤに提示された価値情報とを価値提供許可装置5へ出力する。
【0016】
また価値提供許可装置5は起動されると予め記憶する価値提供判定プログラムを起動する。これにより価値提供許可装置5には、制御部51、通信接続部52、画像取得部53、認証部54、物品提供許可部55の各機能部が備わる。
制御部51は価値提供許可装置5の各機能部を制御する。
通信接続部52は認証装置12と通信接続する。
画像取得部53はカメラ6から画像を取得する。
認証部54はカメラ6から取得した画像に映る人物の顔画像と、認証装置12から受信した顔画像とが一致したかを判定する。
物品提供許可部55は認証部54において認証が成功した場合に価値情報に対応する物品のプレイヤへの提供を許可することを示す情報を出力する。
【0017】
本実施形態の認証装置12は、プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後のプレイヤのプレイ中とにおけるプレイヤの顔画像を取得し、プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う。そして認証装置12は認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する。これにより、ゲームや遊技機などのプレイ装置1における不正の防止の精度を向上させる。
【0018】
図5は認証システムの処理フローを示す図である。
次に認証システム100の処理フローを順を追って説明する。
まずプレイヤはプレイ装置1においてプレイ開始の操作を行う。プレイ装置1がパチンコ遊技機であればプレイ開始の操作は一例としてハンドルやレバーの操作であってよい。プレイ装置1がゲーム機であればプレイ開始の操作はボタンの押下であってよい。プレイ処理装置11はハンドルやレバーやボタンが操作されるとプレイ開始を検出すると認証装置12へ認証開始要求を出力する(ステップS101)。認証装置12の制御部121は認証開始要求を取得する(ステップS102)。制御部121は認証開始要求に基づいて画像取得部123と認証部124へ認証開始を指示する。
【0019】
画像取得部123は制御部121の指示に基づいてカメラ2の撮影した画像を取得する(ステップS103)。画像取得部123は取得した画像を認証部124へ出力する。認証部124は画像に映る顔画像の数(人数)を判定する(ステップS104)。顔画像の数の検知は公知の顔認識技術を用いてよい。認証部124は顔画像の数(人数)が1である場合にはその顔画像をプレイヤの顔画像と認識し、当該顔画像の特徴情報を記憶部へ記録する(ステップS105)。
【0020】
認証部124は顔画像の数(人数)が2以上である場合には画像を含む顔画像選択画面をタッチパネルモニタ107へ出力する。この顔画像選択画面は顔画像を四角枠等で囲むと共にプレイヤから顔画像の選択を受け付ける画面である。プレイヤは顔画像選択画面において表示された四角枠のうち自身の顔画像が含まれる四角枠内のタッチパネルモニタ107の位置をタッチする。
【0021】
認証部124は顔画像選択画面においてタッチされた位置に対応する枠の顔画像をプレイヤの顔画像と認識し、ステップS105と同様に当該顔画像の特徴情報を記憶部へ記録する。これによりプレイヤによるプレイ開始の操作時における顔画像を記録することができる。認証部124はプレイ処理装置11へ処理開始OKを出力する(ステップS106)。プレイ処理装置11は処理開始OKに基づいて処理を開始する(ステップS107)。これによりプレイ装置1がパチンコ遊技機であればパチンコの制御が開始される。またプレイ装置1がゲーム装置であればコンピュータゲームの処理が開始される。
【0022】
画像取得部123はプレイ処理の開始後も所定の間隔でカメラ2の撮影した画像を取得する(ステップS108)。画像取得部123はカメラ2から画像を取得する度に認証部124へ順次画像を出力する。認証部124は画像を入力するたびに、その画像に含まれる顔画像と、操作開始時に記憶部に記録した顔画像とを比較する(ステップS109)。認証部124は顔画像が一致するか一致しないかの情報を判定部125へ出力する。認証部124は画像に顔画像が含まれないことを示す情報を判定部125へ出力してもよい。
【0023】
判定部125は顔画像が一致する場合にはプレイ継続と判定する。判定部125は顔画像が一致しない場合にはプレイ継続不可と判定する。判定部125は顔画像が一致しない場合が所定の期間続いた場合にプレイ継続不可と判定してよい。判定部125は顔画像が一定期間画像に含まれないことを示す情報を取得した場合にプレイ継続不可と判定してもよい。判定部125はプレイ継続不可と判定した場合には停止処理部126へプレイ継続不可を通知する。停止処理部126はプレイ継続不可の通知を受けた場合、プレイ処理装置11へ停止要求を出力する(ステップS110)。プレイ処理装置11は停止要求を受け付けると、プレイ処理を一時停止する。このような処理により、プレイ開始からプレイ終了までの間にプレイ装置1を利用できる人物が一人であると規定されているプレイ装置1における不正を検知することができる。プレイ処理装置11は停止要求を受け付けた場合、監視装置などにプレイ装置1の識別情報が表示されるよう監視装置に識別情報を送信してもよい。これによりプレイ装置1が設置された店の店員に不正を通知することができる。
【0024】
プレイ処理装置11はプレイ処理におけるプレイヤの操作とその結果に基づいて価値情報を記録する(ステップS111)。具体的にはプレイ装置1がパチンコ遊技機であれば出玉数をカウントする。プレイ装置1がゲーム装置であればポイントをカウントする。なおプレイ装置1がパチンコ遊技機である場合には当該遊技機はパチンコ玉を排出せずに、当たりに応じた出玉数をカウントするものであってよい。この場合、遊技機はパチンコ玉を内部で循環させる機構を有する。プレイ装置1は価値情報をカウントしてタッチパネルモニタ107等に表示する。プレイ装置1は価値情報を専用のモニタやインジケータに表示するようにしてもよい。
【0025】
プレイヤはプレイを完了すると清算ボタン3を押下する。プレイ処理装置11は清算ボタン3の押下を検出すると認証装置12にプレイ終了を通知する(ステップS112)。価値情報出力部127は記憶部に記録されているプレイ終了時点の価値情報を読み取る(ステップS113)。価値情報出力部127は価値情報と、プレイ開始操作時に記録したプレイヤの顔画像と、プレイ装置1の識別番号とを含む景品交換情報を価値提供許可装置5へ送信する(ステップS114)。
【0026】
価値提供許可装置5はプレイ装置1が設けられた店内の景品交換場所等に設置されている。価値提供許可装置5の通信接続部52は景品交換情報を受信する(ステップS115)。制御部51は景品交換情報を記憶部に一時的に記録する。また制御部51は記憶部に記録する景品交換情報のうちの顔画像の一覧をタッチパネルモニタに出力する。これにより店内において複数のプレイヤがそれぞれ清算ボタン3を押下した場合の各景品交換情報に対応する顔画像が表示される。プレイヤは清算ボタン3を押下すると景品交換場所へ向かう。プレイヤは景品交換場所に設置された価値提供許可装置5のタッチパネルモニタに表示される顔画像のうち自身の顔画像をタッチする。または顔画像がタッチパネルモニタに表示されずにプレイヤがプレイ装置1の識別情報を価値提供許可装置5のインタフェースを用いて入力するようにしてもよい。プレイ装置1の識別情報は例えばプレイ装置の上部に表示されている。
【0027】
制御部51は顔画像のタッチや、プレイ装置1の識別情報の入力に基づいて画像取得部53と認証部54に認証開始を指示する。制御部51はタッチされた顔画像と共に景品交換情報に含まれるプレイ装置の識別情報または入力した識別情報を認証部54へ出力する。画像取得部53は価値提供許可装置5の前面に居るプレイヤの顔を撮影してその画像を認証部54へ出力する。認証部54は制御部51から取得したプレイ装置1の識別情報に基づいてプレイ装置1の操作時に当該プレイ装置1に記録されたプレイヤの顔画像を取得する。認証部54は画像取得部53から取得した画像に含まれる顔画像の特徴と、プレイ装置1の識別情報に基づいて取得したプレイヤの顔画像の特徴が一致するかを判定する(ステップS116)。認証部54は特徴が一致したか、または一致しないかを示す情報と、プレイ装置1の識別情報とを物品提供許可部55へ出力する。物品提供許可部55は顔画像の特徴が一致したと判定された場合、プレイ装置1の識別情報を含む景品交換情報を用いた物品の提供の許可情報をタッチパネルモニタに出力する。または物品提供許可部55は顔画像の特徴が一致したと判定された場合、プレイ装置1の識別情報を含む景品交換情報を用いた物品の提供の許可情報を印字した紙をプリントアウトしてもよい。店員はこれら物品の提供の許可情報を確認して価値情報に対応する物品の提供を行う。
【0028】
上述の処理によれば、ゲームや遊技機などの装置の利用についての不正の防止の精度を向上させることができるとともに、価値情報を物品に交換する際の、実際のプレイヤになりすまして価値情報を物品に交換しようとする人物の不正の防止の精度を向上させることができる。
【0029】
図6は認証装置の最小構成を示す図である。
認証装置12は少なくとも、画像取得部、認証部、判定部を備える。
画像取得部123は、プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後のプレイヤのプレイ中とにおけるプレイヤの顔画像を取得する。
認証部124は、プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う。
判定部125は、認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する。
【0030】
上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0031】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0032】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0033】
(付記1)
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得部と、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定部と、
を備える認証装置。
【0034】
(付記2)
前記プレイ開始の操作は自装置を備えたプレイ装置の操作子の操作である付記1に記載の認証装置。
【0035】
(付記3)
前記認証部は、前記プレイの開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う
付記1または付記2に記載の認証装置。
【0036】
(付記4)
前記不正なプレイが行われていると判定された場合に自装置を備えたプレイ装置の駆動を停止する処理を行う停止処理部と、
を備える付記1から付記3の何れか一つに記載の認証装置。
【0037】
(付記5)
自装置を備えたプレイ装置を操作してプレイする前記プレイヤに提示された価値情報の送信先の価値提供許可装置であって、撮影により新たに取得した顔画像に基づく認証が成功した場合に前記価値情報に対応する物品の提供の許可判定する前記価値提供許可装置と通信接続する通信接続部と、
プレイ終了を検知した場合に少なくとも前記プレイヤの顔画像と当該プレイヤに提示された価値情報とを前記価値提供許可装置へ出力する価値情報出力部と、
を備える付記1から付記4の何れか一つに記載の認証装置。
【0038】
(付記6)
認証装置と価値提供許可装置とを有し、
前記認証装置が、
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得部と、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定部と、
プレイ終了を検知した場合に少なくとも前記プレイヤの顔画像と当該プレイヤに提示された価値情報とを前記価値提供許可装置へ出力する価値情報出力部と、
を備え、
前記価値提供許可装置が、
撮影により新たに取得した顔画像に基づく認証が成功した場合に前記価値情報に対応する物品の提供の許可情報を出力する物品提供許可部と、
を備える認証システム。
【0039】
(付記7)
遊技者による遊技開始の操作時とその後の前記遊技者の遊技中とにおける前記遊技者の顔画像を取得する画像取得部と、
前記遊技開始の操作時に撮影した顔画像と、前記遊技者の遊技中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証部と、
前記認証の結果に応じて不正な利用が行われているかを判定する判定部と、
を備える遊技機。
【0040】
(付記8)
前記認証部は、前記遊技の開始の操作時に撮影した顔画像の中に複数の顔が含まれる場合には、そのうちの一つの選択を受け付け、当該選択された顔画像と、前記遊技者の遊技中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う
付記7に記載の遊技機。
【0041】
(付記9)
前記不正な遊技が行われていると判定された場合に自機の駆動を停止する処理を行う停止処理部と、
を備える付記7または付記8に記載の遊技機。
【0042】
(付記10)
自機を操作して遊技する前記遊技者に提示された価値情報の送信先の価値提供許可装置であって、撮影により新たに取得した顔画像に基づく認証が成功した場合に前記価値情報に対応する物品の提供の許可判定する前記価値提供許可装置と通信接続する通信接続部と、
遊技終了を検知した場合に前記遊技者の顔画像と、当該遊技者に提示された価値情報と、前記自機の識別情報とを前記価値提供許可装置へ出力する価値情報出力部と、
を備える付記7から付記9の何れか一つに記載の遊技機。
【0043】
(付記11)
パチンコ玉をパチンコ遊技機内で循環する循環機構と、
前記価値情報を表示する価値情報表示部と、
を備える付記10に記載の遊技機。
【0044】
(付記12)
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得し、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行い、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する
認証方法。
【0045】
(付記13)
認証装置のコンピュータを、
プレイヤによるプレイ開始の操作時とその後の前記プレイヤのプレイ中とにおける前記プレイヤの顔画像を取得する画像取得手段、
前記プレイ開始の操作時に撮影した顔画像と、前記プレイヤのプレイ中に所定の間隔で取得した各顔画像とを順次比較して認証を行う認証手段、
前記認証の結果に応じて不正なプレイが行われているかを判定する判定手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0046】
1・・・プレイ装置
2,6・・・カメラ
3・・・清算ボタン
4・・・椅子
5・・・価値提供許可装置
11・・・プレイ処理装置
12・・・認証装置
121,51・・・制御部
122,52・・・通信接続部
123,53・・・画像取得部
124,54・・・認証部
125・・・判定部
126・・・停止処理部
127・・・価値情報出力部
55・・・物品提供許可部