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特許7131799歯科治療用撮像装置及び歯科治療用撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】歯科治療用撮像装置及び歯科治療用撮像方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/00 20060101AFI20220830BHJP
   A61C 19/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
A61C19/00 Z
A61C19/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018079723
(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公開番号】P2019187483
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿熊 秀雄
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102006041020(DE,A1)
【文献】特開2000-024013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/00
A61C 19/04
A61B 1/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内の歯牙に光源からの照射光を照射して、反射して来る反射光、歯牙の表面もしくは歯牙の内部の散乱による散乱光、または、歯牙の内部を透過してくる透過光の少なくともいずれか一つから歯牙の表面の画像、または、歯牙の内部の画像を得ることが可能な歯科治療用撮像装置であって、
前記照射光の照射と前記反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つの受光とが可能な第1光ファイバ部、第2光ファイバ部、及び、第3光ファイバ部を備え、
前記第1光ファイバ部の端面と、前記第2光ファイバ部の端面とは、前記歯牙を配置する歯牙配置空間を介在して対向位置に配置され、
前記第3光ファイバ部の端面は、前記第1光ファイバ部の端面と前記第2光ファイバ部の端面との垂直軸が交わる方向に配置され
前記歯科治療用撮像装置は、前記第1光ファイバ部と前記第2光ファイバ部と前記第3光ファイバ部とを三方向に配置したことで、その三方向から撮影した画像を得ることができると共に、
前記第1光ファイバ部と前記第2光ファイバ部と前記第3光ファイバ部とのうち少なくともいずれか一つは、反射光の受光に利用していること、
を特徴とする歯科治療用撮像装置。
【請求項2】
前記第3光ファイバ部の端面は、前記第1光ファイバ部の端面と前記第2光ファイバ部の端面とに対して直交する方向に配置されていること、
を特徴とする請求項1に記載の歯科治療用撮像装置。
【請求項3】
前記第1光ファイバ部、前記第2光ファイバ部、及び、前記第3光ファイバ部は、それぞれ1本の光ファイバによって形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載の歯科治療用撮像装置。
【請求項4】
前記第1光ファイバ部、前記第2光ファイバ部、及び、前記第3光ファイバ部は、
前記照射光を照射するための照射用光ファイバ部と、
前記反射光を受光するための受光用光ファイバ部と、
をそれぞれ有していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の歯科治療用撮像装置。
【請求項5】
前記第1光ファイバ部と前記第2光ファイバ部と前記第3光ファイバ部とのうちの少なくともいずれか一つは、前記照射光を照射するのに利用され、
前記第1光ファイバ部と前記第2光ファイバ部と前記第3光ファイバ部とのうちの少なくともいずれか一つは、前記反射光の受光に利用されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の歯科治療用撮像装置。
【請求項6】
照射用の前記照射光の波長と、受光用の前記反射光の波長とが、相違していること、
を特徴とする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の歯科治療用撮像装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載の歯科治療用撮像装置を用いて画像を得る歯科治療用撮像方法であって、
前記第1光ファイバ部、前記第2光ファイバ部、前記第3光ファイバ部の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、前記反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つを受光することで、前記歯牙の表面の画像、または、歯牙の内部の画像を得るステップと、
前記第1光ファイバ部、前記第2光ファイバ部、前記第3光ファイバ部の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、照射光と波長の異なる反射光を受光するステップと、
を含むことを特徴とする歯科治療用撮像方法。
【請求項8】
前記画像を得るステップの後に、前記反射光を受光するステップを行うこと
を特徴とする請求項7に記載の歯科治療用撮像方法。
【請求項9】
前記画像を得るステップ中に、前記反射光を受光するステップを行うこと
を特徴とする請求項7または請求項8に記載の歯科治療用撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科治療用撮像装置及び歯科治療用撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科の分野において、口腔内の歯牙に光を照射して、反射して来る光から歯牙
の表面の画像や、歯牙の内部の画像を得ることが可能な歯科治療用撮像装置(医療用診断装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記特許文献1に記載の歯科治療用撮像装置のハンドピースの先端部は、左右側部から左右一対の側面アームが突出形成されて、ハンドピースの先端部が三俣形状に形成されている。左右の側面アームには、光導波路の光発生端部(発光素子端部)がそれぞれ配置されている。左右の側面アームの上方には、画像キャプチャ手段に結合された鏡、プリズム、レンズ等から成るウインドウが配置されている。
【0004】
図19は、従来の歯科治療用撮像装置のヘッド部を示す要部拡大斜視図である。
図19に示すように、特許文献1等に記載の従来の歯科治療用撮像装置100は、左右一対の光発生端部200,300から光を放して、その光の反射光を上側の画像キャプチャ手段400(画像撮像手段)で受けて、画像化する構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5782018号公報(図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の歯科治療用撮像装置100は、左右の光発生端部200,300間に歯牙を介在させて、歯牙に光を透過させて画像を生成する場合、左右の光発生端部200,300間に光を遮断する異物(充填物)があると、画像キャプチャ手段400に入いる反射光も遮断される。このため、従来の歯科治療用撮像装置100は、所望とする画像を得ることができないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、そのような問題を解消すべく発明されたものであって、歯牙に光を透過させない充填物があっても画像を構築することができる歯科治療用撮像装置及び歯科治療用撮像方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は、腔内の歯牙に光源からの照射光を照射して、反射して来る反射光、歯牙の表面もしくは歯牙の内部の散乱による散乱光、または、歯牙の内部を透過してくる透過光の少なくともいずれか一つから歯牙の表面の画像、または、歯牙の内部の画像を得ることが可能な歯科治療用撮像装置であって、前記照射光の照射と前記反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つの受光とが可能な第1光ファイバ部、第2光ファイバ部、及び、第3光ファイバ部を備え、前記第1光ファイバ部の端面と、前記第2光ファイバ部の端面とは、前記歯牙を配置する歯牙配置空間を介在して対向位置に配置され、前記第3光ファイバ部の端面は、前記第1光ファイバ部の端面と前記第2光ファイバ部の端面との垂直軸が交わる方向に配置され、前記歯科治療用撮像装置は、前記第1光ファイバ部と前記第2光ファイバ部と前記第3光ファイバ部とを三方向に配置したことで、その三方向から撮影した画像を得ることができると共に、前記第1光ファイバ部と前記第2光ファイバ部と前記第3光ファイバ部とのうち少なくともいずれか一つは、反射光の受光に利用していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る歯科治療用撮像方法は、前記歯科治療用撮像装置を用いて画像を得る歯科治療用撮像方法であって、前記第1光ファイバ部、前記第2光ファイバ部、前記第3光ファイバ部の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、前記反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つを受光することで、前記歯牙の表面の画像、または、歯牙の内部の画像を得るステップと、前記第1光ファイバ部、前記第2光ファイバ部、前記第3光ファイバ部の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、照射光と波長の異なる反射光を受光するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、歯牙に光を透過させない充填物があっても画像を構築することができる歯科治療用撮像装置及び歯科治療用撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置を示す図であり、(a)は左側面図、(b)は底面図である。
図3】光ファイバ部の配置状態を示す要部拡大断面図である。
図4】第1光ファイバ部、第2光ファイバ部及び第3光ファイバ部による照射・受光の使用例を示す説明図である。
図5】撮影時の歯科治療用撮像装置を示す要部拡大縦断面図である。
図6】撮影時の歯科治療用撮像装置を示す要部拡大平面図である。
図7】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の一例を示す図であり、(a)は歯科治療用撮像装置の構成を模式的に示す構成図、(b)は光ファイバ部の中央部拡大縦断面図である。
図8】充填物の後側等にう蝕がある歯牙を撮影する場合の状態を示す光ファイバ部の要部拡大断面図である。
図9】上下方向に長いう蝕がある歯牙を撮影する場合の状態を示す光ファイバ部の要部拡大断面図である。
図10】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像方法によって表面にう蝕がある歯牙を撮影する場合の一例を示す図であり、(a)はう蝕の有無を発見するためのステップを示す説明図、(b)はう蝕の度合いを判別するステップを示す説明図である。
図11】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像方法によって表面にう蝕がある歯牙を撮影する場合の一例を示す図であり、(a)は歯牙の画像を得るためのステップを示す説明図、(b)は歯牙からの反射光を受光するステップを示す説明図である。
図12】(a)、(b)は、第1光ファイバ部の端面の向き、及び、第2光ファイバ部の端面の向きを変えたときの状態を示す説明図である。
図13】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第1変形例を示す図であり、(a)は歯科治療用撮像装置の構成を模式的に示す構成図、(b)は光ファイバ部の中央部拡大縦断面図である。
図14】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第2変形例を示す図であり、(a)は2つの光ファイバ部を組み合わせた場合を示す要部拡大縦断面図、(b)は3つの光ファイバ部を組み合わせた場合を示す要部拡大縦断面図、(c)は3つの光ファイバ部を組み合わせた場合を示す要部拡大縦断面図である。
図15】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第3変形例を示す光ファイバ部の図であり、(a)は照射用光ファイバ部と受光用光ファイバ部とを有する光ファイバ部と、照射用光ファイバ部を有する光ファイバ部との二種類の光ファイバ部を組み合わせた場合の一例を示す要部拡大断面図、(b)は照射用光ファイバ部と受光用光ファイバ部とを有する光ファイバ部を2組備えて成る場合の一例を示す要部拡大断面図である。
図16】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第4変形例を示すヘッド部の要部拡大斜視図である。
図17】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の構成のその他の変形例を示す模式図である。
図18】本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第1変形例のその他の変形例を示す模式図である。
図19】従来の歯科治療用撮像装置のヘッド部を示す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1図12を参照して本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1及び歯科治療用撮像方法について詳細に説明する。
なお、本実施形態では、図1に示す歯科治療用撮像装置1において、ヘッド部2b側を前方向、突起2e,2fが突出している側を下方向として説明する。
【0013】
≪歯科診療用撮像装置≫
図1図3に示すように、歯科治療用撮像装置1は、口腔内の歯牙Tに光源11(図7(a)参照)からの照射光を照射し、反射して来る反射光から歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を生成して、歯牙Tの疾患に対する所見を得るための撮像装置である。
【0014】
図3または図7(a)に示すように、歯科治療用撮像装置1は、光源11等を備えた光学ユニット部10と、光源11からの光の照射及び受光が可能な3本の光ファイバ部3を備えたハンドピース2と、不図示の表示装置を備えた制御ユニット部と、を主に備えて構成されている。
歯科治療用撮像装置1は、光源11から照射された光を光路用光ファイバ14、カプラ12を介して光ファイバ部3から歯牙Tに照射する照射光と、歯牙Tによって反射された反射光を光ファイバ部3及びカプラ12で分岐させて、ディテクタ13で光信号を電気信号に変換し、その電気信号を制御装置(図示省略)で画像信号に変換して表示装置(図示省略)に歯牙Tの表面画像、または、歯牙Tの内部の画像を生成する画像生成装置である。歯科治療用撮像装置1は、光照射と受光(撮像)とが同時に可能な3本の光ファイバ部3を有しているので、3本の光ファイバ部3が配置された三方向(例えば、左右上方向)のどの方からでも撮影可能になっている。
【0015】
なお、歯科治療用撮像装置1は、図3に示すように、照射光の照射と反射光の受光とが可能な第1光ファイバ部31、第2光ファイバ部32、及び、第3光ファイバ部33と、から成る3本の光ファイバ部3を有するハンドピース2を備えていればよい。
図7(a)に示すように、歯科治療用撮像装置1の一例として、1つのコア部3aと、1つのクラッド部3bと、を有する3本の光ファイバ部3(図2(a)、及び、図3参照)を備えたハンドピース2を例に挙げて説明する。そのハンドピース2を説明する前に、光学ユニット部10を説明する。
【0016】
<光学ユニット部>
図7(a)に示すように、光学ユニット部10は、予め設定した所定の波長(例えば、680nm)の光を発する光源11と、光源11で発せられた光をカプラ12に送るための光路用光ファイバ14と、光源11からの光を歯牙Tに照射すると共に、歯牙Tで乱反射した反射光を取り入れることが可能な3本の光ファイバ部3(図7(a)では1本に省略)と、光ファイバ部3から取り入れた色々な波長の反射光のうちの所定の波長(光源11が発する光の波長よりも長い波長、例えば、700nm~800nm)の光を蛍光と検出して分波させるカプラ12と、その所定の波長の光の光信号を電気信号に変換するディテクタ13と、を備えて構成されている。
【0017】
光源11は、図3に示すそれぞれの光ファイバ部3(第1~第3光ファイバ部31,32,33)に対して所定の波長の光を送り込むように配置されている。
【0018】
<ハンドピース>
図1に示すハンドピース2は、光学ユニット部10からの光を歯牙T(図5及び図6参照)に照射すると共に、歯牙Tで反射して散乱した反射光を受光して光学ユニット部10に導くものである。ハンドピース2は、グリップ部2aと、ヘッド部2bと、首部2cと、接続部2dと、突起2e,2fと、歯牙配置空間2gと、光ファイバ部3と、を備えている。ハンドピース2は、金属、または、不透明な合成樹脂で形成されている。
【0019】
グリップ部2aは、ハンドピース2で歯牙T(図5及び図6参照)を撮影する際に、術者が掴む箇所である。
ヘッド部2bは、ハンドピース2の先端部である。ヘッド部2bの左右には、厚板状の突起2e,2fが突出形成されている。そのヘッド部2bには、第1光ファイバ部31の端面31aと、第2光ファイバ部32の端面32aと、第3光ファイバ部33の端面33aと、が配置されている。
【0020】
首部2cは、グリップ部2aとヘッド部2bとの間に設けられて、グリップ部2aよりも小径な部分である。首部2cは、例えば、角筒状に形成されている。
接続部2dは、ハンドピース2の基端部から先端部に亘って配置された光ファイバ部3が、ハンドピース2内から引き出された状態で配置される箇所である。
【0021】
突起2e,2fは、ヘッド部2bから下方向に突出した左右一対の厚板状の突出片から成る。突起2e,2fは、正面視して凹溝を形成するように設けられている。ヘッド部2bの突起2e,2fの対向面には、第1光ファイバ部31の端面31aと、第2光ファイバ部32の端面32aと、が露出した状態に配置されている。また、突起2e,2f間の底面には、第3光ファイバ部33の端面33aが露出した状態で配置されている。
【0022】
歯牙配置空間2gは、突起2e,2f間に形成された空間である。歯牙配置空間2gは、歯科治療用撮像装置1で歯牙T(図5及び図6参照)を撮影する際に、撮影する歯牙Tを挿入配置可能に形成されている。
【0023】
<光ファイバ部>
図1図2(a)、(b)、あるいは、図7(a)に示すように、光ファイバ部3及び光路用光ファイバ14,15は、光を送るための通信線である。ハンドピース2に配置される光ファイバ部3は、カプラ12から接続部2dを連通してヘッド部2bまで配置されている。図7(a)に示すように、光路用光ファイバ15は、カプラ12とディテクタ13とを光学的に接続するためのものである。光路用光ファイバ14は、光源11からカプラ12まで配置されて、光学的に接続するためのものである。
【0024】
図1図2(a)、(b)に示すように、ハンドピース2に配置される光ファイバ部3は、第1光ファイバ部31と、第2光ファイバ部32と、第3光ファイバ部33と、から成る。図3に示すように、第1光ファイバ部31の端面31aと、第2光ファイバ部32の端面32aとは、歯牙Tを配置する歯牙配置空間2gを介在して対向位置に配置されている。また、第3光ファイバ部33の端面33aは、第1光ファイバ部31の端面31aと、第2光ファイバ部32の端面32aとに対して直交する方向に配置されている。
【0025】
図7(a)、(b)に示すように、第1~第3光ファイバ部31,32,33は、それぞれ1本の光ファイバ部3によって形成されている。その場合、光ファイバ部3は、石英ガラスや、プラスチック等の透明体で形成されている線状の中心部材から成るコア部3aと、コア部3aの周囲を覆ってコア部3a内の光を全反射する被覆材から成るクラッド部3bと、によって二層構造に形成されている。
【0026】
図3に示すように、第1~第3光ファイバ部31,32,33とのうちの少なくともいずれか一つは、照射光を照射するのに利用され、それ以外は、反射光の受光に利用されている。
【0027】
なお、第1~第3光ファイバ部31,32,33は、図4に示すように、一つの照射に対して、最大で3つ全ての光ファイバ部3で受光することが可能である。第1~第3光ファイバ部31,32,33は、どの光ファイバ部3で照射し、どの光ファイバ部3で受光してもよく、撮影する被写体である歯牙Tの状態等によって、適宜選択すればよい。
このため、歯科治療用撮像装置1の3つの光ファイバ部3による照射・受光の組み合わせは、多数ある。
【0028】
図4に示すように、第1~第3光ファイバ部31,32,33のそれぞれの光ファイバ部3は、どれであっても、歯牙Tへの照射と、第1~第3光ファイバ部31,32,33から照射して歯牙Tからの反射光、散乱光及び透過光の受光と、が可能である。
【0029】
つまり、第1~第3光ファイバ部31,32,33の3本の光ファイバ部3は、いずれのものを照射用及び受光用に使用してもよいし、どれを照射用、または、受光用にしても画像が生成できるようになっている。
このため、歯科治療用撮像装置1は、歯牙Tを左右(前後)上部の三方向から見た画像の取得も可能であり、また、左右(前後)上部の三方向から見た画像を合成して立体的な画像を取得することが可能になっている。
【0030】
<制御ユニット部>
不図示の制御ユニット部は、例えば、パソコン等の端末装置から成る。制御ユニット部は、歯科治療用撮像装置1を制御することで撮影を行うと共に、ディテクタ13(図7(a)参照)からの電気信号を画像信号に変換して被写体である歯牙Tの画像を生成する制御を行う制御装置と、歯牙Tの画像を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置と、を備えて構成されている。
【0031】
≪作用≫
次に、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1及び歯科治療用撮像方法の作用を説明する。図5は、撮影時の歯科治療用撮像装置1を示す要部拡大縦断面図である。図6は、撮影時の歯科治療用撮像装置1を示す要部拡大平面図である。
【0032】
歯牙Taを撮影する場合は、まず、図5及び図6に示すように、歯牙Taにハンドピース2のヘッド部2bを被せるようにして、歯牙Taの左右側面に第1及び第2光ファイバ部31,32の端面31a,32aを配置し、歯牙Taの上側に第3光ファイバ部33の端面33aを配置する。
【0033】
図3は、光ファイバ部3の配置状態を示す要部拡大断面図である。
図3に示すように、歯牙Tを撮影する場合、光ファイバ部3は、右側の第1光ファイバ部31と、左側の第2光ファイバ部32と、上側の第3光ファイバ部33とで光を照射(矢印a,c,f)して、第1光ファイバ部31、第2光ファイバ部32、及び、第3光ファイバ部33で透過光を受光(矢印b,d,e)してもよい。
これにより、歯科治療用撮像装置1は、歯牙Tの表面や内部に光を透過させない充填物Tbがあっても画像を構築することができる。
【0034】
図8は、充填物Tbの後側等にう蝕Tcがある歯牙Tを撮影する場合の状態を示す光ファイバ部3の要部拡大断面図である。
また、図8に示すように、充填物Tbの後側や、充填物Tbの内側(下側)等にう蝕Tcがある歯牙Tを撮影する場合は、歯牙Tの上側にある第3光ファイバ部33で透過光を受光(矢印e)しようとしても、充填物Tbが障害となって受光することができない領域であっても、撮影が可能となる。
このような場合は、歯牙Tの側方に端面31a,32aを配置した複数の第1及び第2光ファイバ部31,32によって受光(照射)することで、充填物Tbの下側等にあるう蝕Tcを検知することが可能である。
【0035】
図9は、上下方向に長いう蝕Tdがある歯牙Tを撮影する場合の状態を示す光ファイバ部3の要部拡大断面図である。
また、図9に示すように、上下方向に長いう蝕Tdがある歯牙Tを撮影する場合は、歯牙Tの上側にある第3光ファイバ部33で透過光を受光(矢印e)しても、横方向の長さしか把握することができない。
このような場合は、歯牙Tの側方に端面31a,32aを配置した複数の第1及び第2光ファイバ部31,32によって受光(照射)することで、う蝕Tcを検知することにより、う蝕Tcの上下方向に長さを正確に把握することができる。
【0036】
また、光ファイバ部3は、右側の第1光ファイバ部31と、左側の第2光ファイバ部32と、で光を照射(矢印a,c)して、上側の第3光ファイバ部33で受光(矢印e)してもよい。このようにすることによって、上方向から見たう蝕Tcや、虫歯の状況を把握することができる。
【0037】
また、光ファイバ部3は、上側の第3光ファイバ部33で光を照射(矢印f)して、右側の第1光ファイバ部31と左側の第2光ファイバ部32とで反射光を受光(矢印b,c)してもよい。
このように、歯牙Tを撮影する場合、光を照射する光ファイバ部3と、透過光を受光する光ファイバとを適宜変更して複数の撮影方向で歯牙Tを撮影することによって、歯牙Tのう蝕Tc,Tdや、虫歯箇所の状態や、歯垢の状態や、バクテリアによる感染の存在等を正確に把握することが可能となる。
【0038】
図3に示すように、歯牙Taを撮影するときは、第1光ファイバ部31と第2光ファイバ部32と第3光ファイバ部33とのうちの少なくともいずれか一つは、照射光を照射するのに利用され、第1光ファイバ部31と第2光ファイバ部32と第3光ファイバ部33とのうちの少なくともいずれか一つは、反射光(散乱光、透過光)の受光に利用して、撮影することが好ましい。
【0039】
一例を挙げて説明すると、第2光ファイバ部32で照射を行った場合、第1光ファイバ部31だけで受光してもよく、また、第1~第3光ファイバ部31,32,33のどれを選択して受光してもよい。このように照射光を照射する光ファイバ部3、及び、反射光(散乱光、透過光)の受光する光ファイバ部3は、少なくとも1つあれば、歯牙Tに遮蔽物があっても見ることができる。
【0040】
これにより、歯科治療用撮像装置1は、第1光ファイバ部31と第2光ファイバ部32と第3光ファイバ部33とのうちの少なくとも一つで照射光を照射し、それ以外の光ファイバ部3の少なくとも一つで反射光を受光して、受光した光を光ファイバ部3で装置本体(図示省略)にある光学ユニット部10(図7(a)参照)に送り、歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を得て、表示装置(図示省略)に映すことができる。
なお、複数の光ファイバ部3によって、複数の方向から歯牙Tからの反射光(散乱光、透過光)を受光した場合は、歯牙Tの外周面、及び、歯牙Tの上下左右方向の長さを判別することができるため、立体的な画像を得ることが可能になっている。
【0041】
図3に示すように、本発明に係る歯科治療用撮像装置1は、口腔内の歯牙Tに光源11(図7(a)参照)からの照射光を照射して、反射して来る反射光、歯牙Tの表面もしくは歯牙Tの内部の散乱による散乱光、または、歯牙Tの内部を透過してくる透過光の少なくともいずれか一つから歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を得ることが可能な歯科治療用撮像装置1であって、前記照射光の照射と前記反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つの受光とが可能な第1光ファイバ部31、第2光ファイバ部32、及び、第3光ファイバ部33を備え、第1光ファイバ部31の端面31aと、第2光ファイバ部32の端面32aとは、歯牙Tを配置する歯牙配置空間2gを介在して対向位置に配置され、第3光ファイバ部33の端面33aは、第1光ファイバ部31の端面31aと第2光ファイバ部32の端面32aとの垂直軸が交わる方向に配置されていることが好ましい。
なお、第3光ファイバ部33の端面33aは、図12(a)、(b)に示すように、第1光ファイバ部31の端面31a及び第2光ファイバ部32の端面32aに対して、必ずしも直交でなくてもよく、少し角度を変えて斜めに配置にしてもよい。換言すると、第1光ファイバ部31の端面31aの軸線及び第2光ファイバ部32の端面32aの軸線は、第3光ファイバ部33の端面33aの軸線に対して、下側斜めに配置したり、上側斜めに配置したりしてもよい。
【0042】
これにより、歯科治療用撮像装置1は、照射光と受光(画像)が同時に可能な3本の光ファイバ部3を歯牙配置空間2gの三方向(左右上側)に配置したことで、その三方向から撮影した画像に基づいた重畳画像を構築できる。このため、歯牙Tに光を透過させない充填物Tbがあっても画像を構築することが可能となる。
【0043】
また、図3図4図8図11に示すように、第3光ファイバ部33の端面33aは、第1光ファイバ部31の端面31aと第2光ファイバ部32の端面32aとに対して直交する方向に配置されていることが好ましい。
これにより、歯科治療用撮像装置1は、歯牙Tの上(下)方向と、歯牙Tの左右(前後)方向との三方向から撮影した画像を得ることが可能となる。
【0044】
図7は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1の一例を示す図であり、(a)は歯科治療用撮像装置1の構成を模式的に示す構成図、(b)は光ファイバ部3の中央部拡大縦断面図である。
また、図7(a)、(b)に示すように、第1光ファイバ部31、第2光ファイバ部32、及び、第3光ファイバ部33は、それぞれ1本の光ファイバ部3によって形成されていることが好ましい。
これにより、第1~第3光ファイバ部31,32,33は、図7(a)、(b)に示すような構造の光ファイバ部3を使用しても、照明用照射光と撮像用照射光との照射及び受光が可能なため、ハンドピース2の構造の簡素化を図ることができる。
【0045】
また、照射用の照射光の波長と、受光用の反射光の波長とは、相違していることが好ましい。
これにより、適宜な強さの励起放射光及び歯の蛍光性放射光を得ることができる。
【0046】
図10は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像方法によって表面にう蝕Teがある歯牙Tを撮影する場合の一例を示す図であり、(a)はう蝕Teの有無を発見するためのステップを示す説明図、(b)はう蝕Teの度合いを判別するステップを示す説明図である。
【0047】
また、本発明に係る歯科治療用撮像方法は、図10(a)、(b)に示すように、歯科治療用撮像装置1を用いて画像を得る歯科治療用撮像方法であって、第1光ファイバ部31、第2光ファイバ部32、第3光ファイバ部33の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つを受光することで、歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を得るステップと、第1光ファイバ部31、第2光ファイバ部32、第3光ファイバ部33の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、照射光と波長の異なる反射光を受光するステップと、を含んでいることが好ましい。
【0048】
このように、歯科治療用撮像方法では、まず、図10(a)に示すように、照射光を照射し、う蝕Teの有無を発見するためのステップを行って、歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を得る。その後、前記ステップによってう蝕を発見した場合は、図10(b)に示すように、う蝕Teと思われる箇所に、第1~第3光ファイバ部31,32,33の少なくともいずれか一つ(例えば、第1光ファイバ部31)から照射光を照射し、第1~第3光ファイバ部31,32,33の少なくともいずれか一つ(例えば、第1光ファイバ部31)によって、照射光と波長の異なる反射光を受光して蛍光検出を行い、う蝕Teの度合いを判別するステップを行う。
これにより、歯牙Tの色々な箇所にあるう蝕Teの状態を把握することができる。
【0049】
図11は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像方法によって表面にう蝕Teがある歯牙Tを撮影する場合の一例を示す図であり、(a)は歯牙Tの画像を得るためのステップを示す説明図、(b)は歯牙Tからの反射光を受光するステップを示す説明図である。
【0050】
また、画像を得るステップの後に、反射光を受光するステップを行うことが好ましい。
このように、本発明に係る歯科治療用撮像方法は、図11(a)に示すように、まず、第1~第3光ファイバ部31,32,33のいずれかから照射光を照射し、第1~第3光ファイバ部31,32,33のいずれかで反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つを受光して、う蝕Teの有無を発見するステップを行う。その後、図11(b)に示すように、う蝕Teと思われる箇所に照射光を照射し、反射光から蛍光検出を行い、う蝕Teの度合いを判別するステップを行う。
この場合、図7(a)に示す光源11は、一つの装置によって波長を切り替えることで、照射する波長を変えることができる。なお、光源11は、波長ごとに複数設けても構わない。
【0051】
また、画像を得るステップ中に、反射光を受光するステップを行うことが好ましい。
このように、本発明に係る歯科治療用撮像方法は、図11(a)に示すように、第1~第3光ファイバ部31,32,33の少なくともいずれか一つから照射光を照射し、第1~第3光ファイバ部31,32,33のいずれかで反射光、散乱光または透過光の少なくともいずれか一つを受光して、う蝕Teの有無を発見するステップを行う。
そして、そのステップによりう蝕Teを発見した場合は、図11(b)に示すように、う蝕Teと思われる箇所に照射光を照射し、反射光から蛍光検出を行い、う蝕Teの度合いを判別するステップを行う。
この場合の方法は、う蝕Teの有無を発見するステップと、う蝕Teの度合いを判別するステップとを同時に行う。そのため、う蝕Teの有無を発見するステップ時と、う蝕Teの度合いを判別するステップ時とでは、異なる波長の照射光を同時に照射するため、複数の光源11を備えている必要がある。
【0052】
≪第1変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。なお、既に説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図13は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1Aの第1変形例を示す図であり、(a)は歯科治療用撮像装置1Aの構成を模式的に示す構成図、(b)は光ファイバ部3Aの中央部拡大縦断面図である。
【0053】
前記実施形態で説明した光ファイバ部3(第1~第3光ファイバ部31,32,33)は、コア部3aと、クラッド部3bとから成るものに限定されるものではない。
図13に示すように、光ファイバ部3A(第1~第3光ファイバ部)は、光源11からの照射光を照射するための照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)と、反射光を受光するための受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)と、をそれぞれ有しているものであってもよい。
【0054】
この場合、光ファイバ部3Aは、軸芯に配置された受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)と、受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)の外周に設けられた第1クラッド部3Acと、第1クラッド部3Acの外周に設けられた照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)と、照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)の外周に設けられた第2クラッド部3Adと、から構成されている。
【0055】
光学ユニット部10Aは、照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)は光源11に光学的に接続され、受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)はディテクタ13(検出器)に光学的に接続されている。
なお、受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)と照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)との境界で光が全反射するように構成されている場合は、第1クラッド部3Acは無くてもよい。
また、照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)と、受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)とは、互いに反対に配置してもよい。
【0056】
このようにしても、口腔内の歯牙Tに光源11からの照射光を照射して、反射して来る反射光(散乱光、透過光)から歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を得ることができる。
【0057】
[第2変形例]
図14は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1の第2変形例を示す図であり、(a)は2つの光ファイバ部3を組み合わせた場合を示す要部拡大縦断面図、(b)は3つの光ファイバ部3を組み合わせた場合を示す要部拡大縦断面図、(c)は3つの光ファイバ部3を組み合わせた場合を示す要部拡大縦断面図である。
【0058】
図14(a)~(c)に示すように、光ファイバ部3B,3C,3D(第1~第3光ファイバ部)は、それぞれ単一のファイバでなくとも、複数の光ファイバ部3により構成されていてもよい。例えば、図14(a)に示すように、2本の光ファイバ部3で成る光ファイバ部3Bでもよく、図14(b)に示すように、3本の光ファイバ部3で成る光ファイバ部3Cでもよく、また、図14(c)に示すように、4本の光ファイバ部3で成る光ファイバ部3D等でもよい。
複数の光ファイバ部3を備えた光ファイバ部3B,3C,3Dの場合、少なくとも、一つは受光用、一つは照射用として配置することで、歯牙Tの表面の画像、または、歯牙Tの内部の画像を得ることが可能である。
【0059】
[第3変形例]
図15は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1の第3変形例を示す光ファイバ部3E,3Fの図であり、(a)は照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)と受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)とを併合させた光ファイバ部3Aと、照射用光ファイバ部(コア部3a)を有する光ファイバ部3との二種類を組み合わせた光ファイバ部3Eの一例を示す要部拡大断面図、(b)は照射用光ファイバ部(第2コア部3Ab)と受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)と併合させた光ファイバ部3Aを2組備えて成る光ファイバ部3Fを示す要部拡大断面図である。
【0060】
また、照射用の照射光の波長と、受光用の反射光の波長とが相違している場合に、う蝕の度合いを蛍光検出する際には、図15(a)、(b)に示すように、蛍光検出用の照射光を照射する照射用光ファイバ部(コア部3a及び第2コア部3Ab)と、蛍光検出用の受光用光ファイバ部(第1コア部3Aa)と、の複数の光ファイバ部3,3Aを備えた光ファイバ部3E,3Fから成るものであってもよい。
【0061】
また、光ファイバ部3E,3Fの構成は、図15(a)、(b)に示す構成に限らず、受光用光ファイバと、照射用光ファイバとは、光ファイバ部3のような単一の光ファイバでそれぞれ構成して、蛍光検出用光ファイバ部を追加するなどして種々の構成を取ることも可能である。
【0062】
[第4変形例]
図16は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第4変形例を示すヘッド部2Gbの要部拡大斜視図である。
【0063】
前記実施形態で説明したハンドピース2のヘッド部2bの形状、及び、第1及び第2光ファイバ部31,32の端面31a,32aに対する第3光ファイバ部33の端面33aの配置位置は、図1図2(a)、(b)に示すものに限定されるものではない。
【0064】
図16に示すように、ハンドピース2Gのヘッド部2Gbは、対向配置された第1光ファイバ部31の端面31a、及び、第2光ファイバ部32の端面32aと、第1及び第2光ファイバ部31,32に直交する方向に配置された第3光ファイバ部33の端面33aと、が配置されていればよく、その形状は特に限定されない。
つまり、第3光ファイバ部33の端面33aは、第1及び第2光ファイバ部31,32の端面31a,32aの間の歯牙配置空間2Ggの上側の限らず、その直交する方向である前方向(やや前方向)であってもよい。
その場合、第3光ファイバ部33の端面33aは、突起2Ge,2Gfの基端部から前方方向に突出した厚板状の矩形の突起2Ghの下面に配置される。
ハンドピース2Gは、この第4変形例のように形成しても、前記実施形態と同じ作用効果がある。
【0065】
[その他の変形例]
また、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置1の一例として、図7(a)に示す光学ユニット部10の光源11から発する光が、1つの波長の場合を説明したが、複数の波長であってもよい。その場合は、光源11から発せられる複数の光の波長は、例えば、600nm~670nmと、670nm~800nmと等の相違する波長である。
カプラ12またはフィルタ(図示省略)は、光ファイバ部3から取り入れた色々な波長の反射光のうちの所定の波長(光源11が発する光の波長よりも長い波長、例えば、1310nm)を分波させてディテクタ13に送るようにしてもよい。
【0066】
また、図7(a)に示すディテクタ13とカプラ12との間、及び、図9(a)に示すディテクタ13の光ファイバ部3側には、特定の波長の光を取り出すことが可能な光学フィルタをそれぞれ設けてもよい。
【0067】
図17は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の構成のその他の変形例を示す模式図である。図18は、本発明の実施形態に係る歯科治療用撮像装置の第1変形例のその他の変形例を示す模式図である。
また、図7(a)に示すディテクタ13とカプラ12との間には、上記光学フィルタの代わりに、図17に示すように、一部反射光を分光するためにカプラ16を用いて分岐させると共に、分光手段17を設けて蛍光検出を行ってもよい。
【0068】
また、これと同様に、図13(a)に示すディテクタ13の光ファイバ部3側には、上記光学フィルタの代わりに、図18に示すように、一部反射光を分光するためにカプラ16を用いて分岐させると共に、分光手段17を設けて蛍光検出を行ってもよい。
【0069】
また、ハンドピース2には、歯科治療用撮像装置1をON,OFFするための電源スイッチや、撮影を行うための操作スイッチ等を設けてもよい。また、歯科治療用撮像装置1の電源スイッチや、操作スイッチは、足で操作するフットコントローラであってもよい。その場合、操作スイッチ及びフットコントローラは、制御ユニット部(図示省略)に電気的に接続されている。
【符号の説明】
【0070】
1,1A 歯科治療用撮像装置
2,2A,2B,2G ハンドピース
2g 歯牙配置空間
3,3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G 光ファイバ
3Aa 第1コア部(受光用光ファイバ部)
3Ab 第2コア部(照射用光ファイバ部)
11 光源
31 第1光ファイバ部
31a,32a,33a 端面
32 第2光ファイバ部
33 第3光ファイバ部
T,Ta 歯牙
Tb 充填物
Tc,Td,Te う蝕
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
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