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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】折りたたみ式通い箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
B65D6/18 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018502960
(86)(22)【出願日】2017-02-01
(86)【国際出願番号】 JP2017003574
(87)【国際公開番号】W WO2017150057
(87)【国際公開日】2017-09-08
【審査請求日】2019-09-02
(31)【優先権主張番号】P 2016042034
(32)【優先日】2016-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506303845
【氏名又は名称】エコビズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】澤地 克明
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特許第5523818(JP,B2)
【文献】特表2008-500469(JP,A)
【文献】特開2002-293319(JP,A)
【文献】登録実用新案第3078180(JP,U)
【文献】特開平4-201844(JP,A)
【文献】特開2000-33938(JP,A)
【文献】特開平10-147337(JP,A)
【文献】登録実用新案第3119111(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0117072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正方形ないし長方形の底面部と、底面部の各辺に対応した前後および左右の側壁部と、後の側壁部の上辺から延設された蓋部と、底面部を補強する補強板とを備える箱本体を備え、
前記補強板は、前または後の側壁部の下辺に回動自在に取り付けられ、
前記底面部の中央部を引き上げると前記左右の側壁部は内側に折り曲げ可能とされており、
前記側壁部が、外郭を規定しかつ形状を維持する枠部材と、該枠部材に支持された織布または不織布製のシート材とで構成され、
該シート材が透明部を有し、そのことにより、内容物が視認可能に構成されており、
前後の側壁部では、前記枠部材は、前記前後の側壁部の外郭に対応した枠形状を有する単一の枠部材であり、左右の側壁部では、2つの前記枠部材が、所定の間隔を空けて横に並んだ状態で前記シート材に内包され、当該2つの枠部材の間で前記シート材が縫合されることにより、折り曲げ可能に構成されており、
該枠部材は金属で構成されており、4隅がR形状を有する、
折りたたみ式通い箱。
【請求項2】
前記透明部が前記シート材の打ち抜き部に縫い付けられた、エンボス加工された樹脂シートで構成されている、請求項1に記載の折りたたみ式通い箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたみ式通い箱に関する。より詳細には、本発明は、内容物を視認可能な折りたたみ式通い箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から製品等の輸送に用いられている紙段ボールは、通常、使い捨てであることから、プラスチック製の通い箱が使用されている。輸送コストの面から、製品等を輸送した後は、通い箱を折りたたんでコンパクト化することが望まれているが、プラスチック製の場合、ヒンジなどの部品が必要となる上に、さらなるコンパクト化が望まれている。
【0003】
そこで、本出願人は、特許文献1に記載の折りたたみ式通い箱を上市している。この折りたたみ式通い箱は、容易に折りたため、かつ、外部からの衝撃に強く、積載時の安定性に優れており、非常に好評を博している。一方で、蓋部を閉めた状態で内容物を確認できる通い箱に対する要望が強まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許5523818号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、蓋部を閉めた状態で内容物を視認可能な折りたたみ式通い箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の折りたたみ式通い箱は、正方形ないし長方形の底面部と、底面部の各辺に対応した前後および左右の側壁部と、後の側壁部の上辺から延設された蓋部と、底面部を補強する補強板とを備える箱本体を備える。上記補強板は、前または後の側壁部の下辺に回動自在に取り付けられ、上記底面部の中央部を引き上げると上記左右の側壁部は内側に折り曲げ可能とされている。さらに、上記側壁部は、外郭を規定しかつ形状を維持する枠部材と、該枠部材に支持されたシート材とで構成され、該シート材が透明部を有し、そのことにより、本発明の折りたたみ式通い箱は内容物が視認可能に構成されている。
1つの実施形態においては、上記枠部材は金属で構成されている。
1つの実施形態においては、上記透明部は樹脂シートで構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、正方形ないし長方形の底面部と、底面部の各辺に対応した前後および左右の側壁部と、後の側壁部の上辺から延設された蓋部と、底面部を補強する補強板とを備える箱本体を備える折りたたみ式通い箱において、側壁部を、外郭を規定しかつ形状を維持する枠部材と該枠部材に支持されたシート材とで構成し、シート材に透明部を設けることにより、蓋部を閉めた状態で内容物を視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の1つの実施形態による折りたたみ式通い箱を前方から見た斜視図である。
図2図1の折りたたみ式通い箱の蓋部を閉じた状態を後方から見た斜視図である。
図3図1の折りたたみ式通い箱のカバーを示す図である。
図4図1の折りたたみ式通い箱の折りたたみ方を説明する図である。
図5】本発明の別の実施形態による折りたたみ式通い箱の縦断面図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態による折りたたみ式通い箱を前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の代表的な実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0010】
図1は、本発明の1つの実施形態による折りたたみ式通い箱を前方から見た斜視図であり、図2は、その折りたたみ式通い箱の蓋部を閉じた状態を後方から見た斜視図であり、図3は、図1の折りたたみ式通い箱のカバーを示す図であり、図4は、図1の折りたたみ式通い箱の折りたたみ方を説明する図である。この折りたたみ式通い箱100は、箱本体10を備える。折りたたみ式通い箱100は、図示例のように、必要に応じて折りたたんだ状態の箱本体10を包囲するカバー20をさらに備えてもよい。箱本体10は、底面部11と、前後の側壁部12,12および左右の側壁部13,13と、蓋部14と、底面部11に対応する形状を有する補強板15とを備えて構成され、底面部11が補強板15で補強された状態で、箱本体10に製品等を収納する。なお、本明細書において「右」、「左」、「前」および「後」は、通い箱における各部分の相対的な位置関係を説明するためのものであり、「右」と「左」、「前」と「後」を逆に読み変えても差し支えない。
【0011】
底面部11は、正方形ないし長方形とされ、図示例では、底面部11は長方形状とされている。蓋部14は、底面部11と略同一形状とされる。したがって、図示例では、蓋部14は、長方形状とされている。蓋部14は、前後の側壁部12、12のいずれかの上辺から延設され、この上辺を回動軸として回動し、箱本体10の開口部は開閉自在とされている。前後の側壁部12,12および左右の側壁部13,13は、底面部11の各辺に対応して正方形ないし長方形とされている。
【0012】
底面部11は、折りたたみ時に変形自在なシート材で形成されている。蓋部14および補強板15は、シート材に板材を内包して形成されている。このような構成により、箱本体の中身を外部の衝撃から守り、かつ、安定して輸送することができる。また、板材をシート材で内包して構成することにより、箱本体は外観に優れ、板材は汚れたり溶けたりすることがなく良好にリサイクル(マテリアルまたはケミカル)される。さらに、板材に傷(例えば、縫い目)をつけることがないので、リユースしやすい。
【0013】
シート材としては、好ましくは、織布または不織布が用いられる。助燃材などへのマテリアルリサイクルが可能だからである。織布または不織布を構成する繊維としては、例えば、ポリエステル繊維が挙げられる。また、シート材としては、レジャーシートに用いられるようなポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンシート、農業用シートに用いられるような塩化ビニルシート、ナイロンシート、ポリウレタンシート、生分解性樹脂シート等も好ましく用いられる。防水性に優れ、油汚れなどを拭き取ることができるからである。シート材は、表面に撥水処理や帯電防止処理が施されていてもよい。板材としては、箱本体に収納される製品等の重量に応じて、任意の適切な板材が用いられる。好ましくは、プラスチック板が用いられ、特に好ましくは、プラスチック段ボール板が用いられる。軽量であるからである。中身の重量が重い場合は、合板や平板等が好ましく用いられる。また、箱本体10を構成する材料としては、難燃性、不燃性、防水性、防湿性、断熱性(保冷)等の機能を備え得る。
【0014】
本発明の実施形態においては、前後の側壁部12,12および左右の側壁部13,13(以下、単に側壁部と称する場合がある)は、枠部材31と枠部材31に支持されたシート材とで構成されている。具体的には、前後の側壁部12,12は、枠部材31がシート材に内包され、枠部材31によりシート材(結果として、前後の側壁部12,12)の外郭が規定され、かつ、その形状が維持される。枠部材は、図示されるように、前後の側壁部12,12の外郭に対応した枠形状を有する。従来の通い箱では、形状および強度等を実用上許容可能な程度に維持しようとすると、シート材に板材を内包した構成としなければならず、板材は実質的に不透明な材料で構成されるので蓋部を閉めた状態で内容物を視認可能とすることは実質的に不可能であった。一方、本発明の実施形態によれば、このような枠部材を採用し、かつ、シート材に透明部を形成することにより、形状および強度等を実用上許容可能な程度に維持ししつつ、内容物を視認することができる。その結果、製品等の輸送における操作性および利便性が格段に向上し得る。左右の側壁部13,13は、図1および図2に示すように、2つの枠部材31a、31aが所定の間隔をあけて横に並んだ状態で透明シートに内包され、当該2つの枠部材31a、31aの間で透明シートが縫合されている。このようにして、左右の側壁部は、図1および図2に示すように2つの分割部13a,13aからなり、この2つの分割部の間の分割線13bに沿って折り曲げ可能に構成されている。
【0015】
枠部材は、側壁部の外郭を規定しかつ形状を維持し得る強度を有する任意の適切な材料で構成される。枠部材の構成材料は、重さ、必要とされる強度等に応じて適切に選択され得る。枠の各辺の太さもまた、重さ、必要とされる強度等に応じて適切に選択され得る。枠の各辺の太さは、例えば5mm程度であり得る。このような太さであれば、強度と重さ(軽さ)とのバランスに優れる。枠の各辺は、中空のパイプで構成されてもよく、中実の棒で構成されてもよい。枠の4隅は代表的にはR形状を有する。枠部材の構成材料の代表例としては、金属、プラスチック、セラミクス、木材が挙げられる。好ましくは金属である。強度に優れ、折れにくく、かつ、割れにくいからである。金属の具体例としては、鉄、アルミニウム、ステンレスが挙げられる。好ましくは鉄である。
【0016】
シート材は、蓋部14および補強板15に関して上記で説明したとおりである。
【0017】
上記のとおり、シート材は透明部32を有する。透明部32は、蓋部を閉めた状態で内容物を視認可能な程度の透明性を有していればよい。透明部は、代表的には樹脂シートで構成されている。樹脂シートを構成する樹脂の具体例としては、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が挙げられる。好ましくは塩化ビニル樹脂である。透明部は、シート材の所定の位置を打ち抜き、当該打ち抜いた位置に樹脂シートを縫い付けることにより形成され得る。透明部(樹脂シート)の厚みは、例えば0.5mm程度である。厚みがこのような範囲であれば、内容物の視認可能性を維持しつつ、実用上許容可能な強度を実現することができる。透明部は、1つの実施形態においては、エンボス加工されている。エンボス加工を施すことにより、透明部の強度を高めることができる。
【0018】
透明部の面積(サイズ)、設置数、設置位置等は、内容物の視認性確保と通い箱の強度とのバランスを考慮して適切に設定され得る。なお、図示例では、透明部32は、後ろの側壁部12の中央部に設けられている。
【0019】
1つの実施形態においては、前後の側壁部12,12および左右の側壁部13,13の少なくとも1つを上記の透明部32を構成する樹脂シートで構成し、側壁部の少なくとも1つを実質的に全面を透明としてもよい。このような構成であれば、内容物の視認性がさらに向上し得る。このような構成は、上記の枠部材を用いることによりはじめて可能となったものである。図6は、前後の側壁部12,12および左右の側壁部13,13の全面が透明である形態を示している。
【0020】
側壁部12,12,13,13は、接続位置において互いのシート材が縫合されている。
【0021】
左右の側壁部13,13の外側には、それぞれ、帯状の持ち手3が設けられている。持ち手3は、分割線13bを跨ぐように、その両端がシート材に縫着されている。前後の側壁部12、12、左右の側壁部13,13および/または蓋部14には、透明なポケット4が設けられてもよい。図示例では、透明ポケット4は、前の側壁部の右下部分に設けられている。透明ポケット4のサイズ、設置数、設置位置等は目的に応じて適切に設定され得る。この透明なポケット4には、伝票を入れたりシールを貼着したりして使用する他、トレーサビリティを目的として使用することもできる。透明ポケットは、シート材に例えば四角形状の樹脂シートの3辺を縫着することにより設けられ得る。
【0022】
底面部11は、上述のとおり、一枚のシート材で構成され、その周縁は縁取りテープ5で縁取られている。そして、この縁取りテープ5を介して、底面部11のシート材と側壁部とが縫合されている。なお、側壁部の上端も縁取りテープ5で縁取られている。
【0023】
底面部11の中央部には取っ手11aが設けられていてもよい。この取っ手11aで変形自在な底面部11を引き上げると、連設される左右の側壁部13,13は、分割板13a,13aどうしが重なるようにして内側に折り曲げられ、箱本体10が折りたたまれる。このように、容易に折りたたむことができ、作業性が向上する。また、底面部11を引き上げて箱本体10を折りたたむので、折りたたんだ状態では、底面部11は前後の側壁部12から外方に延出せずに、コンパクトに折りたたまれる。
【0024】
補強板15は前後の側壁部12、12のいずれかの下辺に回動自在に取り付けられており、図4に示すように、補強板15を前の側壁12に重ね合わせて、箱本体10が折りたたまれる。補強板15の上面には、取っ手15aが設けられており、この取っ手15aで補強板15を回動させる。補強板15(底面部11)は、前後の側壁部12と略同一形状もしくは前後の側壁部12よりも小さく設計されており、折りたたみ時には箱本体10内に収納される。補強板15は、そのシート材の端部が前の側壁部12を構成するシート材および/または底面部11のシート材と縫合されている。
【0025】
別の実施形態においては、図5に示すように、底面部11の中央部と補強板15とを連結する連結部材11bが設けられている。連結部材11bは、補強板15の下面中央部と底面部11の中央部とを連結している。本実施形態では、補強板15を上方に回動させると同時に、底面部11が引き上げられて、左右の側壁部13,13は内側に折り曲げられる。このように、ワンタッチで箱本体10が折りたたまれ、作業性がさらに向上する。また、箱本体10を折りたたんだ状態では、底面部11は補強板15に引っ張られて前後の側壁部12から外方に延出することがないので、確実に、箱本体をコンパクトに折りたたむことができる。連結部材11bは、例えば、ポリプロピレン製等のベルトやゴムバンドで構成され、その両端が底面部11および補強板15に縫着されている。連結部材11bは、例えば、面ファスナーを用いて、取り換え可能に設けられていてもよい。連結部材が劣化した場合(例えば、ゴムが伸びきった場合)、新しい連結部材に取り換えることができる。
【0026】
蓋部14には、その3つの端辺から延び出た延出部14a,14b,14aが折り曲げ可能に設けられ、これらの延出部は、帯状のシート材で構成されている。延出部14a,14b,14aの内面には、面ファスナー6aが縫着されている。この面ファスナー6aに対応する面ファスナー6bは、側壁部の上端部に縫着されている。図示例では、蓋部と側壁部との係着手段として、延出部が設けられ、面ファスナーが採用されているが、これに限らず、例えば、スナップ、ホック、ファスナー等が用いられる。このように、係着手段を設けることにより、密閉性に優れ、ほこりや水等の箱本体内への浸入を防止することができる。
【0027】
蓋部14の上面には、面ファスナー7が縫着されている。この面ファスナー7に対応する面ファスナー(図示せず)は、底面部11の下面に縫着されており、箱本体10を積載した際に、通い箱どうしを固定させることができ、荷崩れを確実に防止することができる。
【0028】
蓋部14前端部、前の側壁部12の上端部および蓋部14の前辺に形成された延出部14bには、それぞれ、ピンホール8が形成されている。これらのピンホール8には、例えば、南京錠やピンが挿通され、盗難防止などを目的として用いられる。
【0029】
別の実施形態においては、図6に示すように、蓋部14は、ファスナー40により開閉可能に構成してもよい。
【0030】
カバー20は、紛失を防ぐため、箱本体10から外れないように、箱本体10の開口部(側壁部の上端)に付設されている。図示例では、後の側壁部13の上辺中央部に、幅広のゴム9を介して付設されている。カバー20は、図3に示すように、シート材で形成されたキャップ部21と、キャップ部21の開口に設けられたギャザー部22とを備える。ギャザー部22は、キャップ部21の開口に伸縮自在に縫着されたゴム紐で形成されている。図4に示すように、カバー20は、折りたたんだ状態の箱本体10全体を覆う構成でなくてもよい。箱本体10には、カバー20を収容する収容部16が設けられている。図示例では、蓋部14の内面に設けられている。
【0031】
別の実施形態においては、カバーの代わりに結束ベルトを用いてもよい(図示せず)。結束ベルトは、例えば、蓋部14の収納部側の適切な位置に弾性帯状ベルトを縫い付けて設けられ得る。このような構成であれば、図4(c)のように折りたたんだ際に蓋部14の収納部側は外側に位置するので、弾性帯状ベルトを折り返すことにより折りたたんだ通い箱を結束することができる。したがって、弾性帯状ベルトは、好ましくは、蓋部14の収納部側における折り返して結束可能な位置に設けられ得る。より具体的には、弾性帯状ベルトは、蓋部14において、通い箱を折りたたんだ際に側壁部の上辺近傍または下辺近傍になるような位置に設けられ得る。
【0032】
図示しないが、箱本体の内面に、納品書などを収容可能なポケットが設けられていてもよい。また、食品などを輸送する場合は、好ましくは、蓄冷剤や保冷剤用のポケットが箱本体内面に設けられていてもよい。
【0033】
製品等の輸送に際し、製品等を箱本体10内に収納し、箱本体10開口部を蓋部14で閉じ、蓋部の延出部14a,14bの面ファスナー6aを側壁部の面ファスナー6bに係着する。そして、製品等を収納した箱本体10を持ち手3,3により持ち上げる等して搬送する。なお、箱本体10の中身が重量物である場合、箱本体10を引きずって持ち運んでも底面部11が破れないように、底面部11の下面やその縁に、補強手段を設けてもよい。
【0034】
輸送後、図4に示すように、空箱となった箱本体10の蓋部14を後方に回動させて、後の側壁部12に重ね合わせる。また、補強板15を上方に回動させて、前の側壁部12に重ね合わせる。次に、底面部11の取っ手11aを引き上げ、左右の側壁部13,13を内側に折り曲げて箱本体10を折りたたむ。そして、折りたたんだ箱本体10をカバー20で包囲する。カバー20を用いることで、箱本体10が汚れるのを防止することができる。また、左右の側壁部13,13が広がらず、蓋部14が回動しないように保持するので、コンパクト化に寄与し得る。このように、非常に簡易な作業で箱本体10をコンパクトに折りたたむことができ、輸送効率の向上につながる。
【0035】
なお、本発明の折りたたみ式通い箱は、上記実施形態の構成に限らず、適宜、変更可能である。例えば、カバー、カバーの収容部、持ち手、ポケット、ピンホール等の位置は適宜変更可能である。持ち手、ポケット、ピンホール等の数は適宜変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の折りたたみ式通い箱は、製品等の輸送に、好適に用いられる。
【符号の説明】
【0037】
10 箱本体
11 底面部
12 前後の側壁部
13 左右の側壁部
14 蓋部
15 補強板
16 収容部
31 枠部材
32 透明部
100 折りたたみ式通い箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6