(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】通信システム、及び通信ポート接続状態確認方法
(51)【国際特許分類】
H04L 43/0811 20220101AFI20220830BHJP
【FI】
H04L43/0811
(21)【出願番号】P 2019195861
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2021-02-04
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】金原 孝
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-102580(JP,A)
【文献】特開2013-143616(JP,A)
【文献】特開2011-066661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 43/0811
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向通信装置と接続するための通信ポートを有する通信装置とユーザが携行する携帯端末とを含む通信システムにおいて、
前記通信装置は、
前記携帯端末と無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部と、
前記通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示すコード情報を、通信回線を介して外部装置に表示させる通信ポート用コード表示部と、
を有し、
また、
前記携帯端末は、
前記通信装置と前記無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部と、
前記コード情報を読み取るコード読取部と、
該コード読取部により読み取った前記コード情報に基づいて、対応する特定の前記通信ポートの接続状態を取得し、取得した特定の前記通信ポートの接続状態を表示することにより、ユーザに通知する表示部と、
を有
し、
前記携帯端末を携行するユーザの近傍に前記通信装置が存在している場合には、
各前記通信ポート用コード表示部が表示する前記コード情報を、それぞれに対応する前記通信ポートの近傍に表示し、
前記携帯端末を携行するユーザが居るユーザ宅から離れた場所に前記通信装置が存在している場合には、
該ユーザが接続状態を知ろうとしている特定の前記通信ポートに対応する前記通信ポート用コード表示部が表示する前記コード情報を、該ユーザが居る前記ユーザ宅内に表示する、ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記携帯端末を携行するユーザの近傍に前記通信装置が存在している場合には、
前記無線ネットワークは、無線LAN(Local Area Network)であり、
かつ、
前記通信装置の各前記通信ポート用コード表示部が表示する前記コード情報として、それぞれに対応する前記通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示す通信ポート動作確認用URL(Uniform Resources Locator)の情報の他に、前記通信装置との無線LAN(Local Area Network)接続用のネットワーク名とパスワードとに関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記携帯端末を携行するユーザが居るユーザ宅から離れた場所に前記通信装置が存在している場合には、
前記無線ネットワークは、公衆回線網やインターネットであり、
かつ、
前記通信装置の各前記通信ポート用コード表示部が表示する前記コード情報として、それぞれに対応する前記通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示す通信ポート動作確認用URL(Uniform Resources Locator)の情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信ポート動作確認用URLに格納されている前記通信ポートの接続状態に関する情報として、該通信ポートの接続の有無を示す情報のみならず、該通信ポートが接続中の状態であっても動作可能な状態か否かを示す情報も含む、
ことを特徴とする請求項
2または3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信装置の各前記通信ポート用コード表示部に表示する前記コード情報は、
QR(Quick Response)コードまたはバーコードを用いて表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし
4のいずれかに記載の通信システム。
【請求項6】
各前記通信ポートは、
いずれも有線通信回線を接続する有線用の通信ポートであるか、
もしくは、
いずれも無線通信回線を接続する無線用の通信ポートであるか、
または、
1ないし複数が有線通信回線を接続する有線用の通信ポートであり、残りが無線通信回線を接続する無線用の通信ポートである、
ことを特徴とする請求項1ないし
5のいずれかに記載の通信システム。
【請求項7】
対向通信装置と接続するための通信ポートを有する通信装置とユーザが携行する携帯端末とを含む通信システムにおいて前記通信ポートの接続状態を確認する通信ポート接続状態確認方法であって、
前記通信装置は、
前記携帯端末と無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信ステップと、
前記通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示すコード情報を、通信回線を介して外部装置に表示させる通信ポート用コード表示ステップと、
を有し、
また、
前記携帯端末は、
前記通信装置と前記無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信ステップと、
前記コード情報を読み取るコード読取ステップと、
該コード読取ステップにより読み取った前記コード情報に基づいて、対応する特定の前記通信ポートの接続状態を取得し、取得した特定の前記通信ポートの接続状態を表示することにより、ユーザに通知する表示ステップと、
を有
し、
前記携帯端末を携行するユーザの近傍に前記通信装置が存在している場合には、
各前記通信ポート用コード表示ステップが表示する前記コード情報を、それぞれに対応する前記通信ポートの近傍に表示し、
前記携帯端末を携行するユーザが居るユーザ宅から離れた場所に前記通信装置が存在している場合には、
該ユーザが接続状態を知ろうとしている特定の前記通信ポートに対応する前記通信ポート用コード表示ステップが表示する前記コード情報を、該ユーザが居る前記ユーザ宅内に表示する、ことを特徴とする通信ポート接続状態確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信装置、通信ポート接続状態確認方法および通信ポート接続状態確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信装置において、ユーザが使用している通信ポートに異常があるか否かを確認する場合、通常、該通信装置に熟知している特定のユーザが、該通信装置にあらかじめ用意された特定の設定画面にアクセスすることによって対象の通信ポートの状態を確認したり、あるいは、特許文献1の特開2017-139542号公報「通信装置」等にも記載されているように、対象の通信ポートの接続有無などの特定の状態を示す状態確認用の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などの表示を目視確認したりしていた。
【0003】
しかし、現状は、特定のユーザが、該通信装置の設定を行うことがほとんどであり、他のユーザは、該通信装置の状態を確認する方法がわからなかったり、該通信装置の設定画面にアクセスすることができなかったりしている。
【0004】
つまり、通信装置の設定画面にアクセスするためには、ユーザは、該通信装置に対する接続用のURL(Uniform Resource Locator)やアクセス用のパスワードなどを事前に入力することが必要であったり、複数の通信ポートを有する通信装置の場合には、対象とする通信ポートであることを見分けることが必要になったりするので、通信装置や通信ポートの知識がないユーザには対象の通信ポートが異常状態になっているか否かを確認することが難しかった。
【0005】
また、対象の通信ポートの接続有無などに関する特定の状態確認用の発光ダイオード(LED)などの表示だけでは、対象の通信ポートの異常の有無を確認することができたとしても、異常の原因を特定することができない場合がほとんどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、本発明に関連する現状の技術においては、ユーザが使用している通信装置の通信ポートに異常があるか否かを確認しようとする場合、あらかじめ用意されている設定画面にアクセスするか、あるいは、通信ポートの接続状態等の特定の状態を示す発光ダイオード(LED)の表示を目視確認するか、のいずれかの方法しかなかった。このため、現状の技術においては以下のような解決するべき課題があった。
【0008】
第1に、通信装置の設定画面等の情報(通信ポートの接続状態を示す情報を表示する画面情報)にアクセスすることができるのは、該通信装置の管理者のような一部の特定のユーザだけであり、他の通常のユーザは使用している通信ポートの状態を確認することができない。
【0009】
第2に、通信装置の設定画面にアクセスするためには、通信装置に対する接続用のURLやアクセス用のパスワード等を入力することが必要になるが、一部の特定のユーザ以外の他の通常のユーザは、接続用のURLやアクセス用のパスワードを事前に知っていないことが通常である。
【0010】
第3に、通信装置に複数の通信ポートを有している場合には、該通信装置を管理する際に、一般に、各通信ポートそれぞれに付与している名称を用いて管理しているが、一部の特定のユーザ以外の他の通常のユーザは、たとえ、通信装置の設定画面にアクセスすることができたとしても、接続状態を知ろうとする対象の通信ポートに付与されている名称に関する知識がないので、対象とする通信ポートの状態を判別することは困難である。
【0011】
第4に、通信ポートの接続状態等に関する特定の状態を示す発光ダイオード(LED)を通信装置に設置することにより、ユーザが、該発光ダイオード(LED)の表示を目視確認したとしても、該発光ダイオード(LED)にて表示することが可能な内容には限界があり、通信ポートに如何なる異常状態が発生しているかを確認することはできない。
【0012】
(本発明の目的)
本発明の目的は、かかる課題に鑑み、通信装置に関する専門的な知識を有していない通常のユーザであっても、該通信装置の通信ポートの接続状態を容易に確認することが可能な通信システム、通信装置、通信ポート接続状態確認方法および通信ポート接続状態確認プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の課題を解決するため、本発明による通信システム、通信装置、通信ポート接続状態確認方法および通信ポート接続状態確認プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0014】
(1)本発明による通信システムは、
対向通信装置と接続するための通信ポートを有する通信装置とユーザが携行する携帯端末とからなる通信システムにおいて、
前記通信装置は、
前記携帯端末と無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部と、
前記通信ポートごとに、対応する各通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示す情報をコード情報として表示する通信ポート用コード表示部と、
を有し、
また、
前記携帯端末は、
前記通信装置と前記無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部と、
各前記通信ポートのうち、ユーザが指定した特定の前記通信ポートに対応する前記コード情報を読み取るコード読取部と、
該コード読取部により読み取った前記コード情報に基づいて、対応する特定の前記通信ポートの接続状態を取得し、取得した特定の前記通信ポートの接続状態を表示することにより、ユーザに通知する表示部と、
を有することを特徴とする。
【0015】
(2)本発明による通信装置は、
対向通信装置と接続するための通信ポートを有する通信装置であって、
ユーザが携行する携帯端末と無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信部と、
前記通信ポートごとに、対応する各通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示す情報をコード情報として表示する通信ポート用コード表示部と、
を有し、
各前記通信ポートのうち、ユーザが指定した特定の前記通信ポートに対応する前記コード情報を前記携帯端末のコード読取部によって読み取って、読み取った前記コード情報に基づいて、対応する特定の前記通信ポートの接続状態を取得し、取得した特定の前記通信ポートの接続状態を前記携帯端末に表示することにより、ユーザに通知する、
ことを特徴とする。
【0016】
(3)本発明による通信ポート接続状態確認方法は、
対向通信装置と接続するための通信ポートを有する通信装置とユーザが携行する携帯端末とからなる通信システムにおいて前記通信ポートの接続状態を確認する通信ポート接続状態確認方法であって、
前記通信装置は、
前記携帯端末と無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信ステップと、
前記通信ポートごとに、対応する各通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示す情報をコード情報として表示する通信ポート用コード表示ステップと、
を有し、
また、
前記携帯端末は、
前記通信装置と前記無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信ステップと、
各前記通信ポートのうち、ユーザが指定した特定の前記通信ポートに対応する前記コード情報を読み取るコード読取ステップと、
該コード読取ステップにより読み取った前記コード情報に基づいて、対応する特定の前記通信ポートの接続状態を取得し、取得した特定の前記通信ポートの接続状態を表示することにより、ユーザに通知する表示ステップと、
を有することを特徴とする。
【0017】
(4)本発明による通信ポート接続状態確認プログラムは、
対向通信装置と接続するための通信ポートを有する通信装置とユーザが携行する携帯端末とからなる通信システムにおいて前記通信ポートの接続状態をコンピュータによって確認する通信ポート接続状態確認プログラムであって、
前記通信装置は、
前記携帯端末と無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信工程と、
前記通信ポートごとに、対応する各通信ポートの接続状態に関する情報を格納している場所を示す情報をコード情報として表示する通信ポート用コード表示工程と、
を有し、
また、
前記携帯端末は、
前記通信装置と前記無線ネットワークを介して無線通信を行う無線通信工程と、
各前記通信ポートのうち、ユーザが指定した特定の前記通信ポートに対応する前記コード情報を読み取るコード読取工程と、
該コード読取工程により読み取った前記コード情報に基づいて、対応する特定の前記通信ポートの接続状態を取得し、取得した特定の前記通信ポートの接続状態を表示することにより、ユーザに通知する表示工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の通信システム、通信装置、通信ポート接続状態確認方法および通信ポート接続状態確認プログラムによれば、主に、以下のような効果を奏することができる。
【0019】
第1に、通信装置の設定内容を確認するためのURLやネットワーク名(SSID)やパスワードや、あるいは、通信装置の操作方法や通信装置内の各通信ポートの仕様を知らないユーザであっても、該通信装置における特定の通信ポートに関する詳細な接続状態を容易に確認することができる。
【0020】
第2に、通信装置内に同じ機能を有する通信ポートが複数存在している場合であっても、各通信ポートを識別することなく、該通信装置における特定の通信ポートに関する詳細な接続状態を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の特徴の具体例についてその通信システムの一構成例を示すシステム構成図である。
【
図2】本発明に係る通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図3】
図2に示した通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図4】
図2に示した通信装置内の通信Aポート用コード表示部が表示したQR(Quick Response)コード内に格納されている情報の一例を示すテーブルである。
【
図5】
図2に示した通信装置内の通信Aポートおよび通信Bポートの接続状態の一例を示すテーブルである。
【
図6】本発明に係る通信システムのシステム構成の
図2とは異なる例を示すシステム構成図である。
【
図7】
図6に示した通信システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明による通信システム、通信装置、通信ポート接続状態確認方法および通信ポート接続状態確認プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による通信システム、通信装置および通信ポート接続状態確認方法について説明するが、かかる通信ポート接続状態確認方法をコンピュータにより実行可能な通信ポート接続状態確認プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、通信ポート接続状態確認プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
【0023】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、他の通信装置と接続する通信装置と該通信装置のユーザが携行する携帯端末とからなる通信システムに関するものであり、該通信装置は、ユーザが携行するスマートフォン等の携帯端末と無線通信が可能な無線通信部と、他の通信装置との間を接続する通信ポートと、を有し、各通信ポートの接続状態の情報を格納した場所をQR(Quick Response)コードやバーコード等の汎用的なコードを用いて外部に表示する。そして、該通信装置に表示されたQRコード(登録商標)やバーコード等の汎用的なコード情報を、ユーザが携行するスマートフォン等の携帯端末を用いて読み取り、読み取った該コード情報が示す場所に該携帯端末からアクセスすることにより、通信装置の通信ポートの接続状態を取得して、該携帯端末に画面表示させて、該携帯端末を携行するユーザに確認させることを可能にすることを主要な特徴としている。
【0024】
本発明の特徴の具体例を、
図1の通信システムの構成例を用いてさらに説明する。
図1は、本発明の特徴の具体例についてその通信システムの一構成例を示すシステム構成図である。本発明の具体的な特徴を示す通信システムの一例として、
図1に示す通信システムは、通信装置20、ユーザが携行するスマートフォン等の携帯端末30、インタフェース21Aを介して通信装置20と接続した対向通信装置40Aからなるシステム構成例を示している。
【0025】
通信装置20は、制御部1、通信Aポート2A、通信Aポート用コード表示部3A、無線通信部4、を有して構成される。制御部1は、通信装置20の全体の動作を制御する。通信Aポート2Aは、対向通信装置40Aとインタフェース21Aを介して接続している。通信Aポート用コード表示部3Aは、通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を格納している場所を示す情報を通信ポート用コードとしてQRコードやバーコード等の汎用的なコードを用いて表示する。無線通信部4は、無線ネットワーク41を介してユーザが携行する携帯端末30と無線通信を行う。
【0026】
そして、携帯端末30は、通信装置20に表示されている通信Aポート用コード表示部3Aの表示内容(すなわち通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を格納している場所を示すコード情報)を読み取ることが可能である。そして、携帯端末30は、読み取ったコード情報が示す場所に無線ネットワーク41を介してアクセスすることにより、通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を取得することができる。
【0027】
つまり、
図1のシステム構成において、携帯端末30を携行するユーザが、通信装置20にインタフェース21Aを介して対向通信装置40Aを接続した際に、何らかの問題が発生して、通信装置20側の通信Aポート2Aの接続状態を確認しようとする場合には、まず、ユーザは、携帯端末30を操作して、通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を格納している場所を示すコード情報(通信Aポート用コード表示部3Aが通信ポート用コードとして表示するQRコードやバーコード等の汎用的なコード情報)を読み取る。
【0028】
しかる後、当該ユーザが携行する携帯端末30を、無線ネットワーク41を経由して通信装置20の無線通信部4と無線接続する。そして、通信装置20の無線通信部4と無線通信を行うことにより、携帯端末30が読み取ったQRコードやバーコード等の汎用的なコード情報が示す内容(すなわち通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を格納している場所を示す情報)に基づいて、通信装置20から、該コード情報が示す場所に格納されている情報(すなわち通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報)を取得して、携帯端末30に画面表示することにより、ユーザに通知する。
【0029】
かくのごとき仕組みを用いることにより、たとえ、通信装置20に熟知していないユーザであっても、該通信装置20における特定の通信ポート(例えば通信Aポート2A)の詳細な接続状態を、ユーザが確実に確認することが可能になっている。
【0030】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係る通信システム、通信装置の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明に係る通信システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図であり、本発明の特徴の具体例を説明するために
図1に示したシステム構成図とほぼ同じシステム構成からなっている。つまり、本発明の一実施形態として
図2に例示する通信システム100は、ユーザが使用する通信装置20、当該ユーザが携行する携帯端末30、当該ユーザが通信装置20と接続した対向通信装置40A,40Bからなるシステム構成例を示している。
【0031】
ユーザが使用する通信装置20は、制御部1、通信Aポート2A、通信Aポート用コード表示部3A、通信Bポート2B、通信Bポート用コード表示部3B、…、無線通信部4、を有して構成される。通信ポート(通信Aポート2A、通信Bポート2B、…)の個数は、必要に応じて、1ないし複数設置することが可能である。また、それぞれの通信ポートに関する詳細な接続状態を格納している場所を示す情報を通信ポート用コードとしてコード情報を用いて表示する通信ポート用コード表示部(通信Aポート用コード表示部3A、通信Bポート用コード表示部3B、…)も、通信ポートの設置個数分配備し、かつ、ユーザが判別し易いように、各通信ポート用コード表示部により表示するそれぞれの通信ポート用コード(通信Aポート用コード、通信Bポート用コード、…)を、対応するそれぞれの通信ポートの近傍に対応付けて表示する。
【0032】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、通信装置20の全体の動作を制御する。通信Aポート2Aは、対向する対向通信装置40Aと有線ケーブルからなるインタフェース21Aを介して接続している。通信Aポート用コード表示部3Aは、通信Aポート2Aの詳細な接続状態を格納している場所を示す情報を通信Aポート用コードとしてQRコードやバーコード等の汎用的なコード情報を用いて表示する。
【0033】
また、通信Bポート2Bは、対向する対向通信装置40Bと有線ケーブルからなるインタフェース21Bを介して接続している。通信Bポート用コード表示部3Bは、通信Bポート2Bの詳細な接続状態を格納している場所を示す情報を通信Bポート用コードとしてQRコードやバーコード等の汎用的なコード情報を用いて表示する。
【0034】
また、無線通信部4は、無線ネットワーク41を介して当該ユーザが携行する携帯端末30と無線通信を行い、通信装置20に表示されている通信Aポート用コード表示部3Aや通信Bポート用コード表示部3Bの表示内容(コード情報すなわち通信ポート用コード)を、携帯端末30によって読み取ることが可能な構成になっている。
【0035】
ここで、通信Aポート2A、通信Bポート2B、…それぞれのインタフェース21A、インタフェース21B、…として、例えば、IEEE802.3規格に準拠した有線LAN(Local Area Network)を用いるようにしても良い。また、無線通信部4は、無線ネットワーク41に接続することができ、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線LANを用いるようにしても良い。
【0036】
また、通信Aポート用コード表示部3A、通信Bポート用コード表示部3B、…は、前述したように、それぞれ、対応する通信Aポート2A、通信Bポート2B、…の詳細な接続状態を格納している場所を示す情報を示すコード情報(QRコードやバーコード等のコード情報)を通信ポート用コード情報として表示する。ここで、表示する該コード情報(通信ポート用コード情報)は、それぞれ、どの通信ポートに対応しているコード情報であるのかをユーザが容易に分かるように、それぞれに対応する通信Aポート2A、通信Bポート2B、…の近傍に表示する。
【0037】
また、通信Aポート用コード表示部3A、通信Bポート用コード表示部3B、…のそれぞれが通信ポート用コードとして表示するコード情報が示す場所(すなわちそれぞれの通信ポートの接続状態に関する詳細な情報を格納している場所)は、通信装置20の内部に通信ポート接続状態情報格納部として確保されている。
【0038】
また、対向通信装置40A、対向通信装置40B、…は、例えば有線LANにより通信装置20と接続することが可能なPC(Personal Computer)等の情報端末や画像処理装置、家電装置等の情報処理装置である。
【0039】
また、ユーザが携行する携帯端末30は、無線ネットワーク41例えば無線LANにより通信装置20と接続することが可能なスマートフォンやタブレット等の携帯用の通信端末であり、該携帯端末30は、さらに、通信装置20の通信Aポート用コード表示部3A、通信Bポート用コード表示部3B、…それぞれが通信ポート用コードとして表示するコード情報を読み取る機能も有している。すなわち、携帯端末30は、
図2に示すように、無線通信部31、コード読取部32、表示部33、を有して構成される。
【0040】
無線通信部31は、無線ネットワーク41例えば無線LANを介して当該ユーザが使用する通信装置20と無線通信を行い、通信装置20との間で互いの情報を送受信する。
【0041】
コード読取部32は、通信Aポート用コード表示部3A、通信Bポート用コード表示部3B、…それぞれにより通信装置20に通信ポート用コードとして表示している各通信ポートごとのコード情報のうち、ユーザが指定した特定の通信ポートに対応するコード情報(当該通信ポートに関する詳細な接続状態を格納している場所を示す情報を示す通信ポート用コード情報) を直接読み取ることが可能である。
【0042】
そして、コード読取部32は、読み取ったコード情報に基づいて、通信装置20における各通信ポート(通信Aポート2Aや通信Bポート2B)のうち、指定した特定の通信ポート例えば通信Aポート2Aに関する詳細な接続状態を格納している格納場所を参照することにより、ユーザが指定した特定の通信ポート例えば通信Aポート2Aに関する接続状態の詳細な情報を取得して、取得した接続状態の詳細な情報をユーザが確認することが可能な形式に編集する。
【0043】
また、表示部33は、ユーザが指定した特定の通信ポート例えば通信Aポート2Aに関する接続状態の詳細な情報(コード読取部32にて取得して編集した情報)がコード読取部32から送信されてくると、液晶画面(LCD:Liquid Crystal Display)等に画面表示して、ユーザに通知する。
【0044】
ここで、携帯端末30は、通信装置20のユーザが指定した特定の通信ポートの接続状態を確認するためのアプリケーションを保有していて、あらかじめ格納されている情報に基づいて、無線通信部31やコード読取部32や表示部33を動作させることを可能にしている。
【0045】
なお、以上に説明した通信システム100において、適用することが可能なIEEE802.11規格やIEEE802.3規格に準拠する機能や構成に関しては、当事者に良く知られた周知の技術を適用すれば良く、また、本発明の構成要素として直接的には関係しない技術であるので、ここでのさらなる詳細な説明は割愛する。
【0046】
(本発明の実施形態の動作例の説明)
次に、本発明に係る通信システムの一例として
図2に示した通信システム100の動作について、その一例を、図面を用いて詳細ニア説明する。
【0047】
図3は、本発明に係る通信システムの一例として
図2に示した通信システム100の動作の一例を説明するためのフローチャートであり、ユーザが携行する携帯端末30を用いて通信装置20の通信Aポート2Aの接続状態を確認する際の動作例を説明している。ここで、
図3(A)は、通信システム100を構成する携帯端末30の動作の一例を示し、
図3(B)は、通信システム100を構成する通信装置20の動作の一例を示している。
【0048】
図3のフローチャートに示す動作を説明するに当たって、その前提としている事項についてまず説明する。最初の前提事項として、通信装置20は、携帯端末30を携行するユーザが居る近傍に設置されている場合を想定している。したがって、該ユーザは、携帯端末30のコード読取部32を用いて、通信装置20の通信Aポート2Aや通信Bポート2B、…等のそれぞれの近傍に対応して通信ポート用コードとして表示されている通信Aポート用コード表示部3Aや通信Bポート用コード表示部3B、…等の表示内容(QRコード、バーコード等のコード情報)を読み取ることが可能である場合を想定している。また、通信装置20と携帯端末30とは、無線ネットワーク41として、無線LANを用いて無線接続する場合を想定している。
【0049】
次の前提事項として、
図2の通信装置20の通信Aポート用コード表示部3Aや通信Bポート用コード表示部3B、…等が通信ポート用コードとして表示するコード情報は、例えばQRコードである場合を想定している。そして、該QRコードには、
図4に示すように、対応する通信ポートに関する詳細な接続状態を格納している場所を示す情報のみならず、携帯端末30を無線ネットワーク41として無線LANを用いて通信装置20に無線接続することを可能にするために、通信装置20に関するIEEE802.11規格準拠のネットワーク名(SSID:Service Set Identifier)や暗号化キーの情報も含めて格納している場合を示している。
【0050】
図4は、
図2に示した通信装置20内の通信Aポート用コード表示部3Aが通信Aポート用コードとして表示したQRコード内に格納されている情報の一例を示すテーブルである。なお、
図4は、携帯端末30のユーザが通信装置20の通信Aポート2Aの接続状態を把握しようとしている場合を想定して、通信Aポート用コード表示部3Aが通信Aポート用コード情報としてQRコード表示した情報の一例を示している。
【0051】
図4に示すように、通信Aポート用コードとしてQRコードに格納されている情報は、通信Aポート2Aの動作状態(接続状態)を示す情報が格納されている場所すなわちURL(Uniform Resources Locator)を示す通信Aポート動作確認用URL53の他に、無線ネットワーク41の無線LANを経由して通信装置20に接続する際に必要となる情報としてIEEE802.11規格に規定されているネットワーク名(SSID)51、暗号化キー52を有する構成とされている。ここで、
図4には、通信Aポート動作確認用URL53は、例えば、通信装置20内の特定の場所を示す‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’である場合を示し、また、ネットワーク名(SSID)51は、‘AAAAAAAA-0020’であり、暗号化キー52は、‘aaaaaaaaaaaaa’である場合を示している。すなわち、通信Aポート動作確認用URL53が示す‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’は、通信装置20内に存在する情報格納部における通信Aポート接続状態の詳細情報の格納場所(ページアドレス)を示す情報である。
【0052】
次の前提事項として、
図2の通信装置20の通信Aポート2Aおよび通信Bポート2Bの現在の接続状態に関する詳細な情報は、前述したように、
図4に示す通信Aポート動作確認用URLおよび図示していない通信Bポート動作確認用URLそれぞれが示す場所に格納されているが、それぞれ、
図5に示す接続状態になっている場合を想定している。
図5は、
図2に示した通信装置20内の通信Aポート2Aおよび通信Bポート2Bの接続状態の一例を示すテーブルであり、各通信ポートにおける詳細な接続状態を示す情報が格納されている。
【0053】
図5の状態61に示すように、通信Aポート2Aの接続状態は、対向通信装置40Aと接続されているか否かに関わらず、動作停止設定中の状態にあって、動作していない状態にある。一方、通信Bポート2Bの接続状態は、対向通信装置40Bとインタフェース21Bを介して接続中の状態になっていて、かつ、動作可能な状態になっている場合を示している。したがって、ユーザは、動作停止設定中の通信Aポート2Aにインタフェース21Aを介して対向通信装置40Aを接続しても、通信を行うことができない状態になっている。一方、接続中の状態にある通信Bポート2Bは、対向通信装置40Bと通信を行っている状態であって、対向通信装置40Bとの間の通信状態として、Speed(通信速度)62、Duplexモード63、データ通信64、…が、それぞれ、1000Mbps、Full Duplexモード、データ通信中、…である旨が設定されている場合を示している。
【0054】
以上の前提事項を考慮に入れて、
図3のフローチャートについて以下に説明する。まず、
図3(A)において、携帯端末30のユーザは、通信装置20の通信Aポート2Aの接続状態を確認するためのアプリケーションを起動する(ステップS31)。そして、携帯端末30のコード読取部32によって、通信装置20の通信Aポート2Aの近傍に通信ポート用コード情報として表示されている通信Aポート用コード表示部3Aの表示内容(すなわちコード情報)を読み取る(ステップS32)。しかる後、携帯端末30は、読み取った通信Aポート用コード表示部3Aの表示内容に、
図4に示したように、ネットワーク名(SSID)51、暗号化キー52、および、通信Aポート動作確認用URL53として、それぞれ、‘AAAAAAAA-0020’、‘aaaaaaaaaaaaa’、および、‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’の各情報が含まれていることを確認する(ステップS33)。
【0055】
コード情報の確認が終了すると、携帯端末30は、無線通信部31を起動して、コード読取部32によって読み取ったネットワーク名(SSID)51の‘AAAAAAAA-0020’、暗号化キー52の‘aaaaaaaaaaaaa’を用いて、無線ネットワーク41すなわち無線LANを介して通信装置20に対して無線接続要求を行う(ステップS34)。
【0056】
通信装置20は、無線通信部4において、携帯端末30からの無線接続要求を受け取ると、
図3(B)に示すように、制御部1の制御により、該無線接続要求に含まれている無線ネットワーク名(SSID)51の‘AAAAAAAA-0020’が、自通信装置20に対する無線接続要求であるか否かを確認し、自通信装置20に対する無線接続要求ではなかった場合には、受け取った該無線接続要求を廃棄する。
【0057】
一方、携帯端末30からの無線接続要求が自通信装置20に対する無線接続要求であった場合には、次に、該無線接続要求に含まれている暗号化キー52の‘aaaaaaaaaaaaa’が自通信装置20内に認証用のキー情報としてあらかじめ登録している暗号化キーと一致するか否かを確認し、不一致であった場合には、認証することができない相手からの無線接続要求であるので、受け取った該無線接続要求を廃棄する。また、該無線接続要求に含まれている暗号化キー52の‘aaaaaaaaaaaaa’があらかじめ登録している暗号化キーと一致する場合には、接続相手として認証し、携帯端末30との間の無線接続を行い、要求元の携帯端末30に対して応答信号を返送する(ステップS21)。
【0058】
携帯端末30は、通信装置20からの応答信号を受け取ったか否かを監視することにより、通信装置20との間の無線接続が成功したか否かを確認する(ステップS35)。通信装置20との無線接続が失敗した場合には(ステップS35のNo)、携帯端末30は、表示部33に通信装置20との無線接続が不能であった旨を表示して、通信装置20の通信Aポート2Aに関する接続状態の確認を行うことができないことをユーザに対して通知する(ステップS36)。
【0059】
一方、携帯端末30は、通信装置20との間の無線接続が成功した場合には(ステップS35のYes)、無線ネットワーク41を介して、コード読取部32によって読み取った通信Aポート動作確認用URL53の‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’に対してアクセスして、通信装置20の通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を取得することを、通信装置20に対して要求する(ステップS37)。
【0060】
通信装置20は、無線通信部4において携帯端末30からの取得要求を受け取ると、制御部1の制御により、該取得要求に含まれている通信Aポート動作確認用URL53の‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’にアクセスして、通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を取得することにより、通信Aポート2Aの接続状態を確認する(ステップS22)。ここで、通信Aポート動作確認用URL53の‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’が示す場所(ページアドレス)には、
図5の状態61に示したように、通信装置20内の通信Aポート2Aは動作停止設定中の状態にある旨の情報が設定されている。しかる後、通信装置20は、確認した通信Aポート2Aの接続状態に関する情報を、無線ネットワーク41を介して、取得要求元の携帯端末30に対して返送する(ステップS23)。
【0061】
携帯端末30は、取得要求した通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を、通信装置20から受け取ると、受け取った通信Aポートの接続状態に関する詳細な情報を表示部33に表示して、携帯端末30のユーザに対して通知する(ステップS38)。すなわち、
図5の状態61において前述したような場合であれば、通信装置20の通信Aポート2Aは、動作停止設定中の状態にあって、対向通信装置40Aとの間の通信を停止している状態にある旨を、携帯端末30のユーザに対して通知する。
【0062】
したがって、携帯端末30のユーザは、通信装置20の通信Aポート2Aが動作停止状態にあり、たとえ、対向通信装置40Aを通信Aポート2Aに接続していたとしても、通信装置20と対向通信装置40Aとの間の通信を行うことができない状態にあることを容易に把握することができる。このため、該ユーザが、該通信Aポート2Aを使用して対向通信装置40Aとの間の通信を行いたい場合には、通信装置20側の通信Aポート2Aを動作可能な状態に変更して設定する操作を行うか、あるいは、通信装置20の専門的な知識を有する管理者に依頼して、通信装置20側の通信Aポート2Aを動作可能な状態に変更して設定してもらえば良いことが分かる。
【0063】
なお、
図3の以上の説明においては、通信Aポート2A専用の接続状態確認用の情報すなわち通信Aポートの接続状態に関する詳細な情報が、通信装置20内内の情報格納部に存在している場合を想定しているが、かかる場合に限るものではない。例えば、通信Aポート2A専用の接続状態確認用の情報すなわち通信Aポートの接続状態に関する詳細な情報が、通信装置20とは別個のデータ格納装置内に格納されていても良い。かかる場合には、携帯端末30が、該データ格納装置内の通信Aポート動作確認用URL53の‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’に直接アクセスする手段(無線LANや公衆回線網やインターネットを介して、‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’に対してアクセスすることができる手段)を有している構成とし、通信装置20を経由することなく、直接、該データ格納装置内に存在する通信Aポート動作確認用URL53の‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’から、通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を取得することにすれば良い。
【0064】
また、通信装置20の通信Aポート2A、通信Bポート2B、…等の各通信ポートは、いずれも、インタフェース21A、インタフェース21B、…として有線通信回線を接続した有線用の通信ポートにより構成する場合を示しているが、かかる場合に限るものではない。例えば、通信装置20の通信Aポート2A、通信Bポート2B、…等の各通信ポートは、いずれも、無線通信回線を接続した無線用の通信ポートにより構成しても良い。あるいは、1ないし複数の通信ポートには有線通信回線を接続し、残りの通信ポート(2つ以上の通信ポート)には無線通信回線を接続した構成としても構わない。
【0065】
各通信ポートのすべてまたは一部に無線通信回線を接続した構成とした場合において、例えば、ユーザが携行する携帯端末30を用いて、接続状態を確認しようとする特定の通信ポートが、無線通信回線を接続した通信ポートであった場合には、該特定の通信ポートとは異なる無線通信回線が接続された通信ポートを用いて携帯端末30と無線接続して、接続状態の確認対象としている無線通信用の特定の通信ポートの状態を確認するようにすれば良い。
【0066】
また、前述した実施形態においては、通信装置20の通信Aポート2Aと対向通信装置40Aとの間の接続状態の確認を行う際に、いずれか一方の通信装置例えば通信装置20側のいずれか指定した特定の通信ポートの接続状態を確認している場合を示した。しかし、相互接続した通信装置20の通信Aポート2Aと対向通信装置40Aとの双方の通信ポートにおける接続状態をそれぞれ読み取ることによって、通信装置20の通信ポートと対向通信装置40Aの通信ポートとの双方における接続状態を確認するようにしても、勿論構わない。そして、双方の通信装置における接続状態を携帯端末30の表示部33により表示するようにすれば、より精度が高い接続状態をユーザに通知することができる。
【0067】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、以下のような効果を奏することができる。
【0068】
第1に、通信装置20の設定内容を確認するためのURLやネットワーク名(SSID)やパスワードや通信装置20の操作方法や通信装置20内の各通信ポートの仕様を知らないユーザであっても、該通信装置20における特定の通信ポート例えば通信Aポート2Aに関する詳細な接続状態を容易に確認することができる。
【0069】
第2に、通信装置20内に同じ機能を有する通信ポートが複数存在している場合であっても、各通信ポートに付与されている名前等を用いて各通信ポートを識別することなく、該通信装置20における特定の通信ポート例えば通信Aポート2Aに関する詳細な接続状態を容易に確認することができる。
【0070】
第3に、接続状態を知りたい特定の通信ポート例えば通信Aポート2Aが、接続されている状態であっても、さらに、動作が可能であって通信することが可能な状態にあるか否かに関しても容易に確認することができる。
【0071】
(他の実施形態)
以上に説明した実施形態においては、携帯端末30を携行するユーザの近傍に、接続状態を確認したい通信Aポート2Aを有する通信装置20が存在している場合について説明した。本他の実施形態においては、接続状態を確認したい通信Aポート2Aを有する通信装置20が、ユーザが直接アクセスすることが困難な離れた場所に設置されている場合について、
図6および
図7を用いて説明する。まず、
図6を用いて、本他の実施形態におけるシステム構成例について説明する。
図6は、本発明に係る通信システムのシステム構成の
図2とは異なる例を示すシステム構成図である。
【0072】
図6の通信システム100Aにおいては、ユーザが携行する携帯端末30と通信装置20とは、互いに離れた場所にあるので、携帯端末30と通信装置20との間は、
図2の場合における無線ネットワーク41(例えば無線LAN)とは異なり、LTE(Long Term Evolution)やWi-MAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の公衆回線網やインターネット等からなる無線ネットワーク41Aを介して無線通信を行う。このため、携帯端末30と通信装置20とには、それぞれ、無線通信部31と無線通信部4との代わりに、無線ネットワーク41Aを介して無線接続することが可能な無線通信部31Aと無線通信部4Aとが備えられている。
【0073】
そして、ユーザが接続状態を確認しようとする通信装置20の特定の通信ポートに関する通信ポート用コード表示部例えば通信Aポート2Aに関する通信Aポート用コード表示部3Aが通信Aポート用コードとして表示するコード情報は、
図2に前述したような通信装置20の通信Aポート2Aの近傍に表示するだけでなく、当該ユーザが居るユーザ宅70内の特定の場所にも通信Aポート用コード3A1として表示する。したがって、ユーザは、携帯端末30のコード読取部32を用いて、ユーザ宅70内に表示されている通信Aポート用コード3A1を直接読み取ることが可能である。
【0074】
なお、ユーザ宅70内に表示される通信Aポート用コード3A1は、通信Aポート用コード表示部3Aが通信装置20の通信Aポート2Aの近傍に通信Aポート用コードとして表示するコード情報を、ユーザ宅70側にも無線通信回線または有線通信回線を介して通信装置20から転送することにより、ユーザ宅70内に表示するように良いし、通信Aポート2Aの近傍に通信Aポート用コードとして表示したコード情報を、人手を介して、任意のコード読み取り機能を用いて読み取って、ユーザ宅70に送信することにより、ユーザ宅70内に表示するように良い。
【0075】
また、
図6の通信システム100Aのようなシステム構成の場合には、携帯端末30が、通信装置20と無線ネットワーク41すなわち無線LANを介して無線接続するために必要としていた通信装置20に関するネットワーク名(SSID)、暗号化キーに関する情報を、通信Aポート用コード3A1には表示する必要はない。したがって、前述した実施形態における
図4の場合とは異なり、通信Aポート用コード3A1には、コード情報として、携帯端末30を携行するユーザが接続状態を知ろうとする特定の通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を格納している場所を示す通信Aポート動作確認用URLに関する情報のみを表示すれば良い。
【0076】
次に、
図7を用いて、本他の実施形態として
図6に示した通信システム100Aの動作例について説明する。
図7は、
図6に示した通信システム100Aの動作の一例を説明するためのフローチャートである。ここで、
図7(A)は、通信システム100Aを構成する携帯端末30の動作の一例を示し、
図7(B)は、通信システム100Aを構成する通信装置20の動作の一例を示している。
【0077】
なお、
図7のフローチャートにおいては、無線ネットワーク41Aとして、無線LANではなく、公衆回線網やインターネットを介して、携帯端末30と通信装置20との間を無線接続するので、前述した
図3のフローチャートの場合とは異なり、無線LAN接続用の接続処理ステップすなわち
図3のステップS33,S34,S35およびS21の各ステップは不要であり、
図7からは削除している。また、
図7のフローチャートに示した各ステップは、
図3のステップS33,S34,S35およびS21以外の各ステップとほぼ同じような動作を行うので、
図3と同じステップ符号を付して示している。
【0078】
まず、
図7(A)において、携帯端末30のユーザは、通信装置20の通信Aポート2Aの接続状態を確認するためのアプリケーションを起動する(ステップS31)。そして、携帯端末30のコード読取部32によって、該ユーザのユーザ宅70に表示している通信Aポート用コード3A1 (コード情報)を読み取る(ステップS32)。しかる後、携帯端末30は、読み取った通信Aポート用コード3A1 (コード情報)に、通信装置20の通信Aポート2Aに関する接続状態を示す情報が格納されている場所を示す通信Aポート動作確認用URLとして、前述の
図4に示したような‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’の情報が設定されていることを確認する(ステップS33)。ここで、通信Aポート動作確認用URLとして表示される‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’は、前述の実施形態の場合と同様、通信装置20内の特定の場所を示す情報である。
【0079】
通信Aポート用コード3A1 (コード情報)の確認が終了すると、携帯端末30は、公衆回線網やインターネットからなる無線ネットワーク41Aを介して通信装置20との間の無線通信を行う無線通信部31Aを起動して、無線ネットワーク41Aを介して、コード読取部32によって読み取った通信Aポート動作確認用URLの‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’に対してアクセスして、通信装置20の通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を取得することを、通信装置20に対して要求する(ステップS37)。
【0080】
通信装置20は、公衆回線網やインターネットからなる無線ネットワーク41Aを介して携帯端末30との間の無線通信を行う無線通信部4Aにおいて携帯端末30からの取得要求を受け取ると、
図7(B)に示すように、制御部1の制御により、該取得要求に含まれている通信Aポート動作確認用URLの‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’にアクセスして、通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を取得することにより、通信Aポート2Aの接続状態を確認する(ステップS22)。ここで、通信Aポート動作確認用URL53の‘http://aaa.aaa.aaa\tushinA’の場所(ページアドレス)には、例えば、前述した
図5の状態61に示したように、通信装置20内の通信Aポート2Aは動作停止設定中の状態にある旨の情報が設定されている。しかる後、通信装置20は、確認した通信Aポート2Aの接続状態に関する詳細な情報を、無線ネットワーク41Aを介して、取得要求元の携帯端末30に対して返送する(ステップS23)。
【0081】
携帯端末30は、取得要求した通信Aポートの接続状態に関する詳細な情報を、通信装置20から受け取ると、受け取った通信Aポートの接続状態に関する詳細な情報を表示部33に表示して、携帯端末30のユーザに対して通知する(ステップS38)。すなわち、
図5の状態61に前述したような場合であれば、通信装置20の通信Aポート2Aは、動作停止設定中の状態にあって、対向通信装置40Aとの間の通信を停止している状態にある旨を、携帯端末30のユーザに対して通知する。
【0082】
したがって、携帯端末30のユーザは、たとえ、通信装置20に対してアクセスすることが不可能な離れた場所に居る場合であっても、前述の実施形態の場合の同様、通信Aポート2Aが動作停止状態にあることを容易に把握することができる。このため、該ユーザが、動作停止状態にある該通信Aポート2Aを使用して対向通信装置40Aとの間の通信を行いたい場合には、通信装置20の近傍にいる通信装置20の管理者に依頼して、通信装置20側の通信Aポート2Aの接続状態を動作可能な状態に変更して設定する操作を行ってもらえば良いことが分かる。
【0083】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0084】
1 制御部
2A 通信Aポート
3A 通信Aポート用コード表示部
3A1 通信Aポート用コード
2B 通信Bポート
3B 通信Bポート用コード表示部
4 無線通信部
4A 無線通信部
20 通信装置
21A インタフェース
21B インタフェース
30 携帯端末
31 無線通信部
31A 無線通信部
32 コード読取部
33 表示部
40 対向通信装置
41 無線ネットワーク
41A 無線ネットワーク
51 ネットワーク名(SSID)
52 暗号化キー
53 通信Aポート動作確認用URL
61 状態
62 Speed(通信速度)
63 Duplexモード
64 データ通信
70 ユーザ宅
100 通信システム
100A 通信システム