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特許7131837CSF-1R阻害活性を有するアザアリール誘導体、その製造方法および応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】CSF-1R阻害活性を有するアザアリール誘導体、その製造方法および応用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20220830BHJP
   A61K 31/513 20060101ALI20220830BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61K31/513
C07D519/00 311
A61K31/519
A61P35/00
A61P37/02
A61P3/00
A61P35/04
A61P25/00
A61P35/02
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P13/12
A61P1/04
A61P11/06
A61P11/00
A61P19/10
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019570416
(86)(22)【出願日】2018-06-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2018091045
(87)【国際公開番号】W WO2018233527
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2020-01-24
(31)【優先権主張番号】201710464777.7
(32)【優先日】2017-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519166372
【氏名又は名称】アビスコ セラピューティクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】ザオ バオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ホンピン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ヂュイ
(72)【発明者】
【氏名】シュ ヤオチャン
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-545652(JP,A)
【文献】特表2016-521255(JP,A)
【文献】国際公開第2014/145023(WO,A1)
【文献】特表2015-521634(JP,A)
【文献】国際公開第2017/046737(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/064265(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【化3】
(ただし、
R1は3-8員複素環基、5-8員ヘテロアリール基、及び-NR17R18から選ばれるか、あるいはR1とR12は直接連結する基と3-10員複素環基または5-10員ヘテロアリール基を形成しており、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18及び-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基及びジメチルアミノ基から選ばれる。
R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基及びメトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成している。
R8は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18及び-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、
前記基はまた任意にさらに重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素化C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18及び-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
R12は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アリル基、シクロブチル基、オキセタニル基及びアゼチジニルから選ばれる。
各R13は独立に水素、重水素、C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキルC1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18及び-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる。
各R14は独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C2-8アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基及び-NR17R18から選ばれ、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、水酸基、カルボニル基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基及び-NR17R18から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
各R15は独立に水素、重水素、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基及び5-10員ヘテロアリール基から選ばれ、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、水酸基、カルボニル基、シアノ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基及び-NR17R18から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
各R16は独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基及び-NR17R18から選ばれ、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、水酸基、シアノ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基及び-NR17R18から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
各R17、各R18はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びC1-8アルカノイル基から選ばれ、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びC1-8アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよいか、
あるいは、R17、R18は直接連結する窒素原子と4-10員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びC1-8アルカノイル基から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
rは0、1、または2である。)
【請求項2】
R1はイソプロピルアミノ基、N,N-イソプロピルメチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、オキセタニルアミノ基、1-メトキシプロピル-2-アミノ基、1,1,1-トリフルオロプロピル-2-アミノ基、アゼチジニル基及びピロリジル基から選ばれるか、あるいはR1とR12は直接連結する基と5-8員複素環基を形成しており、前記5-8員複素環基は任意にさらに重水素、フッ素、塩素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基及び-C0-4-O-R15から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよく、
R12は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アリル基、シクロブチル基、オキセタニル基及びアゼチジニル基から選ばれ、
R8は水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、アリル基、エチニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、5-6員ヘテロアリール基、フェニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、スルファモイル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基及びアセチルアミノ基から選ばれ、前記基はまた任意にさらに重水素、フッ素、塩素、水酸基、シアノ基、C1-4アルキル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、メトキシ基及びエトキシ基から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよく、
R 15 は請求項1に定義されているとおりである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
以下に示される化合物から選ばれることを特徴とする、請求項1または2に記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩:
【化6】
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、下記工程:
【化7】
R1、R2R 3 、R 4 R8、及びR12は請求項1に記載の通りである。)
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、下記合成工程:
【化9】
(ただし、R'は水素またはC1-8アルキル基である
R 1 、R 2 、R 8 、及びR 12 は請求項1に記載の通りである。)含むことを特徴とする製造方法。
【請求項6】
請求項に記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、R 3、R4がそれぞれ独立に水素から選ばれる場合、下記合成工程:
【化10】
R 3が水素から選ばれ、R4が非水素置換基から選ばれる場合、下記合成工程:
【化11】
R 3、R4が直接連結する炭素原子とカルボニル基を形成している場合、下記合成工程:
【化12】
または、R3、R4がそれぞれ独立に非水素置換基から選ばれる場合、下記合成工程:
【化13】
(ただし、R'は素またはC1-8アルキル基である。
R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 8 、及びR 12 は請求項1に記載の通りである。)
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、下記工程:
【化14】
(ただし、R1は3-8員複素環基、5-8員ヘテロアリール基、及び- NR17R18から選ばれ、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18及び-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。)
または、
【化15】
(ただし、R1は3-8員複素環基、5-8員ヘテロアリール基及び- NR17R18から選ばれ、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18及び-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
R12は重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アリル基、シクロブチル基、オキセタニル基及びアゼチジニル基から選ばれる。
または、
【化16】
(ただし、式(III’a)の
【化16-1】
は、
【化16-2】
であり、R"は水素または水酸基保護基から選ばれ、前記水酸基保護基はt-ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、フェニルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基、メトキシメチル基、p-メトキシベンジル基、ピバロイル基、テトラヒドロピラニル基及びC1-4アルキル基から選ばれる。
式(IIIa)において、R1とR12は直接連結する基と6員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18及び-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の置換基で置換されてもよい。
R2、R3、R4、R8、R14、R15、R16、R17、R18、rは請求項1に記載の通りである。)
により式(IIIa)の化合物を製造することを特徴とする、製造方法。
【請求項8】
請求項1~のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含む薬物組成物。
【請求項9】
癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物の製造における請求項1~のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物の製造における請求項8に記載の薬物組成物の使用。
【請求項11】
請求項1~のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の使用であって、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物の製造における使用。
【請求項12】
請求項8に記載の薬物組成物の使用であって、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物の製造における使用。
【請求項13】
請求項1~3のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の使用であって、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物の製造における使用。
【請求項14】
請求項8に記載の薬物組成物の使用であって、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物の製造における使用。
【請求項15】
癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物として利用される、請求項1~のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物として利用される、請求項8に記載の薬物組成物。
【請求項17】
卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物として利用される、請求項1~3のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物として利用される、請求項8に記載の薬物組成物。
【請求項19】
巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物として利用される、請求項1~3のいずれかに記載の式(IIIa)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩
【請求項20】
卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物として利用される、請求項8に記載の薬物組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物合成分野に属し、詳しくはCSF-1R阻害活性を有するアザアリール誘導体、その製造方法および応用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CSF-1R (cFMS)の全称は細胞コロニー刺激因子-1受容体である。CSF-1RはcKIT、FLT3、PDGFR-a&bとともにIII型成長ホルモン受容体ファミリーに属する。当該受容体は膜タンパク質であり、マクロファージと単球の表面に発現し、その細胞外部分はマクロファージコロニー刺激因子と結合することができ、細胞内部分チロシンキナーゼはマクロファージと単球下流細胞の増殖シグナル経路を活性化することができ、MAPKやPI3K等を含む。そのため、CSF-1Rシグナル経路はマクロファージ、単球の発育、分化及び腫瘍関係のマクロファージ(Tumor-Associated%Macrophage, TAM)の生理機能に重要な影響がある。
【0003】
腫瘍免疫チェックポイント阻害剤は近年来腫瘍治療分野で話題となり、この類の薬物は臨床上腫瘍成長を著しく抑制することができ、さらに一部の固形腫瘍は治療後に完全に消失したという。ところが、臨床治験により、PD-1/PD-L1などの免疫チェックポイント阻害剤がわずかほぼ30%の患者に奏効することがわかる。関連するバイオマーカーの欠如のために、奏効できる可能性がある患者たちをどのように選択することも、現在解決されていない問題である。また、免疫チェックポイント阻害剤は臨床実践において免疫系関連副作用を引き起こすことがあり、順調に治療を進めるには経験豊富な臨床医師と医療機関が必要である。そのため、いかに免疫チェックポイント阻害剤を小分子阻害剤と合わせて利用し、毒性副作用を低下し腫瘍患者に対する奏効率を向上させることは、現在抗腫瘍薬物研究開発の解決すべき課題である。
【0004】
近年の腫瘍免疫治療の進展に伴い、腫瘍関連マクロファージ(TAM)と骨髄由来抑制細胞(MDSC)は腫瘍内部免疫抑制微小環境の形成と腫瘍成長を支持する血管形成と直接関係があると考えられている。同時に、臨床研究により、TAMの含有量は腫瘍患者の予後と負の相関を呈することが明らかになった。マウス体内での薬効実験により、CSF-1Rシグナル経路を抑制することで、腫瘍内部の免疫系に対する抑制性マクロファージ数を著しく低下させ、CD8陽性のT細胞含有量を高めることができることが証明された。これらの実験結果は、CSF-1R小分子阻害剤が腫瘍内部の免疫抑制環境を逆転させ、免疫系の活性化を促進し、腫瘍患者の生命を延長させる可能性があることを示している。
【0005】
小分子キナーゼ阻害剤は、特に同じキナーゼファミリーの他のメンバーについて、選択性の問題を有することが一般である。本特許による小分子薬物は、将来の臨床試験において他の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用される可能性があるので、発明者は、長期にわたる研究において、分子構造を最適化してCSF-1R標的の阻害作用および他のキナーゼ受容体に対する選択性を向上させることにより、治療ウィンドウを向上させ、臨床毒性副作用の可能性を低下させようとしていた。したがって、どのようにしてより高い選択性を有するCSF-1R小分子阻害剤を発見し、国内の肺癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、メラノーマ、膵臓癌、頭頸部癌、神経膠腫および腱鞘巨細胞腫などの腫瘍標的治療に対する需要を満たすことは科学者達の現在の研究の重要な内容となっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、CSF-1R小分子阻害剤を提供することである。
【0007】
本発明の第1の側面は、式(I) で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩。
【0008】
【化1】
【0009】
(ただし、
X1は結合、-CH2-O-、-CH=CH-、-(CR3R4)m-、-N(R5)-または-C(O)-N(R6)-から選ばれる。
【0010】
X2はCまたはNから選ばれる。
【0011】
X3、X4、X5、X7はそれぞれ独立にC(R7)、NHまたはNから選ばれる。
【0012】
X6はC(R8)、NHまたはNから選ばれる。なお、X2、X3、X4、X6、X5、X7のうち、少なくとも一つがNまたはNHであることを条件とする。Y1、Y2はそれぞれ独立にC(R9)またはNから選ばれる。
【0013】
Z1はCまたはNから選ばれる。
【0014】
Z2、Z3はそれぞれ独立に結合、C(R10)、NHまたはNから選ばれるが、同時に結合であることがない。Z4はC(R11)またはN(R12)から選ばれる。
【0015】
R1は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)(=NR13)R14、-C0-8-B(OR15)2、-C0-8-P(O)(R16)2、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれるか、あるいは、R1とR11またはR12は直接連結する基とC3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0016】
R2は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)(=NR13)R14、-C0-8-B(OR15)2、-C0-8-P(O)(R16)2、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。R3、R4はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)(=NR13)R14、-C0-8-B(OR15)2、-C0-8-P(O)(R16)2、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C3-10シクロアルキル基、または3-10員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。R5、R6、R12はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR21R22から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置き換えられ;
R7、R9、R10、R11はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)(=NR13)R14、-C0-8-B(OR15)2、-C0-8-P(O)(R16)2、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置き換えられ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0017】
R8は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)(=NR13)R14、-C0-8-B(OR15)2、-C0-8-P(O)(R16)2、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる。前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよく、ここで、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、ヘテロアリール基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。各R13は独立に水素、重水素、C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキルC1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる。
【0018】
各R14は独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C2-8アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR17R18から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、カルボニル基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR17R18から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0019】
各R15は独立に水素、重水素、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基または5-10員ヘテロアリール基から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、カルボニル基、シアノ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR17R18から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0020】
各R16は独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR17R18から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、シアノ基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基または-NR17R18から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0021】
各R17、各R18はそれぞれ独立に水素、重水素、水酸基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、スルホニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、p?トルエンスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-8アルカノイル基から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-8アルカノイル基から選ばれる置換基で置換されてもよいか、
あるいは、R17、R18は直接連結する窒素原子と4-10員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、水酸基、C1-8アルキル基、C1-8アルコキシ基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルコキシ基、3-10員複素環基、3-10員複素環オキシ基、C5-10アリール基、C5-10アリールオキシ基、5-10員ヘテロアリール基、5-10員ヘテロアリールオキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはC1-8アルカノイル基から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0022】
mは0、1、2、3、4または5から選ばれる。
【0023】
rは0、1または2である。)好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R2は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換され、、R13、R14、R15、R16、R17、R18とrの定義は前記の通りである。
【0024】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、フェニル基、ジアゾール、トリアゾール、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、スルファモイル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれる。
【0025】
さらに好ましい形態として、式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R2は、水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、オキセタニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シアノメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0026】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0027】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、X1は-(CR3R4)m-から選ばれ、R3、R4はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、-C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、C3-8シクロアルキル基または3-8員複素環基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよく、R13、R14、R15、R16、R17、R18、r、mの定義は前記の通りである。
【0028】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、X1は-C(R3R4)-から選ばれ、R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成する。
【0029】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物は、下記式(IIa)で表される構造を有する。
【0030】
【化2】
【0031】
ただし、R1は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれるか、あるいは、R1とR12は直接連結する基と3-10員複素環基、または5-10員ヘテロアリール基を形成し、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0032】
R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0033】
R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成している。
【0034】
R12は水素、重水素、水酸基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C3-8シクロアルコキシ基、3-8員複素環基、3-8員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR21R22から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0035】
X5、X6、X7、Y1、Y2、R7、R8、R9、R13、R14、R15、R16、R17、R18、rは式(I)で表される化合物にの定義の通りである。
【0036】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、X5、X7はそれぞれ独立にCHまたはNから選ばれ、X6はC(R8)またはNから選ばれ、Y1、Y2はそれぞれ独立にCHまたはNから選ばれ、
R1はC1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、または-C0-4-NR17R18から選ばれるか、あるいは、R1とR12は直接連結する基と3-10員複素環基または5-10員ヘテロアリール基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよく、
R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれ、
R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成しており、
R12は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アリル基、シクロブチル基、オキセタニル基、アゼチジニルから選ばれる。
【0037】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物は、下記式(IIIa)で表される構造を有する。
【0038】
【化3】
【0039】
R1は3-8員複素環基、5-8員ヘテロアリール基、または-NR17R18から選ばれるか、あるいはR1とR12は直接連結する基と3-10員複素環基または5-10員ヘテロアリール基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成している。
【0040】
R8は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、
前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、重水素化C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0041】
R12は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アリル基、シクロブチル基、オキセタニル基、アゼチジニルから選ばれる。
【0042】
R13、R14、R15、R16、R17、R18、rは式(I)で表される化合物の定義の通りである。
【0043】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R1はイソプロピルアミノ基、N,N-イソプロピルメチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、オキセタニルアミノ基、1-メトキシプロピル-2-アミノ基、1,1,1-トリフルオロプロピル-2-アミノ基、アゼチジニル基またはピロリジル基から選ばれるか、あるいはR1とR12は直接連結する基と5-8員複素環基を形成しており、前記5-8員複素環基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、フッ素、塩素、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基、5-6員ヘテロアリール基または-C0-4-O-R15から選ばれる置換基で置換されてもよく、
R12は水素、重水素、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アリル基、シクロブチル基、オキセタニル基、アゼチジニル基から選ばれ、
R8は水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、アリル基、エチニル基、C3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、5-6員ヘテロアリール基、フェニル基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、スルファモイル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基、アセトキシ基、アセトキシメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、アミノメチル基、アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基またはアセチルアミノ基から選ばれ、前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、フッ素、塩素、水酸基、シアノ基、C1-4アルキル基、アリル基、エチニル基、シクロプロピル基、メトキシ基またはエトキシ基から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0044】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物は、下記式(IIb)で表される構造を有する。
【0045】
【化4】
【0046】
ただし、R1は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれるか、あるいは、R1とR11は直接連結する基とC3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基または5-8員ヘテロアリール基を形成している。前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換されてもよい。R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0047】
R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成している。
【0048】
R11はそれぞれ独立に水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0049】
X6、Y1、Y2、R8、R9、R13、R14、R15、R16、R17、R18、rは式(I)で表される化合物にの定義の通りである。
【0050】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、Y1、Y2はそれぞれ独立にCHまたはNから選ばれ、
R1とR11は直接連結する基とC3-6シクロアルキル基、3-6員複素環基、C5-6アリール基または5-6員ヘテロアリール基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置き換さてもよい。
【0051】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物は、下記式(IIIb)で表される構造を有する。
【0052】
【化5】
【0053】
ただし、R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれる。
【0054】
R3、R4は、それぞれ独立に、水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、メチル基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、メトキシエチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成している。
【0055】
R8は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基はまた任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。R19は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる。
【0056】
R13、R14、R15、R16、R17、R18、rは式(I)で表される化合物の定義の通りである。
【0057】
さらに好ましい形態として、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩において、R2は水素、重水素、フッ素、塩素、シアノ基、メチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリデューテロメチル基またはジデューテロメチル基から選ばれ、R3、R4は、それぞれ独立に水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、メチル基、シクロプロピル基またはシクロプロピルメチル基から選ばれるか、あるいは、R3、R4は直接連結する炭素原子とカルボニル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはオキセタニル基を形成しており、R8は水素、重水素、フッ素、塩素、水酸基、シアノ基、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、トリフルオロメチル基、トリデューテロメチル基、ジフルオロメチル基、ジデューテロメチル基、アミノ基またはジメチルアミノ基から選ばれ。
【0058】
最も好適な形態として、前記の式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩は以下に示されるな化合物を含むが、これらに限定されない:
【0059】
【化6】
【0060】
【0061】
【0062】
本発明の第二の側面は、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を製造する方法を提供し、下記工程
【0063】
【化7】
【0064】
ただし、Z1がCから選ばれる場合、Rは
【0065】
【化8】
【0066】
から選ばれ、Z1がNから選ばれる場合、Rは水素から選ばれる。
【0067】
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、Z4、R1、R2、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、m、rは式(I)で表される化合物の定義の通りである。
【0068】

本発明の第二の側面は、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を製造する方法を提供し、X1は-C(R3R4)-から選ばれる場合、下記合成工程
【0069】
【化9】
【0070】
ただし、R'は水素またはC1-8アルキル基から選ばれる。X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、Z4、R1、R2、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、m、rは式(I)で表される化合物の定義の通りである。
【0071】
任意に、置換基により、さらに反応して式(I)の化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法。
【0072】
本発明の第三の側面は、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩の製造方法を提供し、X1は-C(R3R4)-から選ばれ、且つR3、R4はそれぞれ独立に水素から選ばれる場合、下記の合成工程:
【0073】
【化10】
【0074】
X1が-C(R3R4)-から選ばれ、且つR3が水素から選ばれ、R4が非水素置換基から選ばれる場合、下記合成工程:
【0075】
【化11】
【0076】
X1が-C(R3R4)-から選ばれ、且つR3、R4が直接連結する炭素原子とカルボニル基を形成している場合、下記合成工程:
【0077】
【化12】

【0078】
X1が-C(R3R4)-から選ばれ、且つR3、R4がそれぞれ独立に非水素置換基から選ばれる場合、下記合成工程:
【0079】
【化13】
【0080】
ただし、R'は水素またはC1-8アルキル基から選ばれる。
【0081】
X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、Z4、R1、R2、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、m、rは式(I)で表される化合物の定義の通りである。
【0082】
任意に、前記各製造方法はまた置換基により、さらに反応して式(I)の化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法。
【0083】
本発明の第四の側面は、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を製造する方法を提供し、前記式(I)の化合物は式(IIa)の構造を有し、下記工程により製造される
【0084】
【化14】
【0085】
(ただし、R1は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。)または、
【0086】
【化15】
【0087】
(ただし、R1は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)(=NR13)R14、-C0-4-B(OR15)2、C0-4-P(O)(R16)2、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0088】
R12は重水素、水酸基、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、C3-8シクロアルキル基、C3-8シクロアルコキシ基、3-8員複素環基、3-8員複素環オキシ基、C5-8アリール基、C5-8アリールオキシ基、5-8員ヘテロアリール基、5-8員ヘテロアリールオキシ基または-NR21R22から選ばれ、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。)
または、
【0089】
【化16】
【0090】
(ただし、R"は水素または水酸基保護基から選ばれ、好ましくは、前記保護基はt?ブチルジメチルシリル基、トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、フェニルジメチルシリル基、t?ブチルジフェニルシリル基、メトキシメチル基、p?メトキシベンジル基、ピバロイル基、テトラヒドロピラニル基またはC1-4アルキル基から選ばれる。
【0091】
R1とR12は直接連結する基と3-10員複素環基または5-10員ヘテロアリール基を形成しており、前記基は任意にさらに1つまたは複数の重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-4アルキル基、C2-4アルケニル基、C2-4アルキニル基、ハロゲン置換C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基、3-8員複素環基、C5-8アリール基、5-8員ヘテロアリール基、-C0-4-S(O)rR14、-C0-4-O-R15、-C0-4-C(O)OR15、-C0-4-C(O)R16、-C0-4-O-C(O)R16、-C0-4-NR17R18、-C0-4-C(O)NR17R18または-C0-4-N(R17)-C(O)R16から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0092】
X5、X6、X7、Y1、Y2、R2、R3、R4、R7、R8、R9、R13、R14、R15、R16、R17、R18、rは式(I)で表される化合物の定義の通りである。)
により式(IIa)の化合物を製造することを特徴とする、製造方法。
【0093】
本発明の第五の側面では、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩と薬用可能な担体とを含む薬物組成物を提供する。
【0094】
本発明の第六の側面では、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物の応用を提供する。
【0095】
本発明の第七の側面では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物の使用提供する。
【0096】
好ましい形態として、本発明は卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物の製造における、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物の使用。
【0097】
本発明の第八の側面では、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療するための薬物として利用される、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物を提供する。
【0098】
本発明の第九の側面では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療するための薬物として利用される、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物を提供する;
好ましい形態として、本発明は卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移癌を治療するための薬物として利用される、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物である。
【0099】
本発明の第十の側面はでは、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療する方法であって、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、または前記医薬組成物を患者に投与することを含むことを特徴とする、方法を提供する。
【0100】
本発明の第十一の側面では、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、骨転移癌、乳頭状甲状腺癌、非小細胞肺癌、結腸癌、胃腸間質腫瘍、固形腫瘍、メラノーマ、中皮腫、膠芽腫、骨肉腫、多発性骨髄腫、過剰増殖性疾患、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移、骨髄増殖性疾患、白血病、リウマチ性関節炎、慢性関節リウマチ、骨関節炎、多発性硬化症、自己免疫腎炎、ループス、クローン病、喘息、慢性閉塞性肺疾患、骨粗鬆症、高好酸球症候群、肥満細胞増加症または肥満細胞白血病を治療する方法であって、前記式(I)で表される化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩、あるいは前記薬物組成物を患者に投与することを含むことを特徴とする、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0101】
具体的な実施形態
本願の発明者は、幅広く、深く研究したところ、初めて、式(I)の構造を有するアザアリール誘導体、その製造方法および薬学上の応用を研究・開発した。本発明の一連の化合物はCSF-1Rキナーゼ活性に対して強い抑制作用を有し、癌、腫瘍、自己免疫疾患、代謝性疾患または転移性疾患を治療する薬物、特に卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮頸癌、膠芽腫、多発性骨髄腫、代謝性疾患、神経変性疾患、原発性腫瘍部位の転移または骨転移性癌を治療する薬物の製造に幅広く応用することができ、新世代のCSF-1R阻害剤薬物として開発されることが期待されている。これに基づき、本発明を完成させた。
【0102】
詳述:相反する陳述がない限り、以下の明細書と請求の範囲で使用される用語は下記の意味となります。
【0103】
「アルキル基」とは、直鎖または分岐鎖含有の飽和の脂肪族炭化水素基をいうが、たとえば、「C1-8アルキル基」とは炭素原子を1~8個含む直鎖アルキル基および分岐鎖含有アルキル基をいい、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、n-ヘキシル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、2,2-ジメチルペンチル基、3,3-ジメチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、n-オクチル基、2,3-ジメチルヘキシル基、2,4-ジメチルヘキシル基、2,5-ジメチルヘキシル基、2,2-ジメチルヘキシル基、3,3-ジメチルヘキシル基、4,4-ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、2-メチル-2-エチルペンチル基、2-メチル-3-エチルペンチル基やその様々な分岐鎖異性体などを含むが、これらに限定されない。
【0104】
アルキル基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0105】
「シクロアルキル基」とは飽和または部分不飽和の単環または多環の環状炭化水素の置換基をいうが、たとえば、「C3-10シクロアルキル基」とは炭素原子を3~10個含むシクロアルキル基をいい、単環式シクロアルキル基、多環式シクロアルキル基に分かれ、中では、
単環式シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、シクロオクチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0106】
多環式シクロアルキル基は、スピロ環、縮合環および架橋環のシクロアルキル基を含む。「スピロシクロアルキル基」とは、単環の間で一つの炭素原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロシクロアルキル基はモノスピロシクロアルキル基、ジスピロシクロアルキル基またはポリスピロシクロアルキル基に分かれ、スピロシクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0107】
【化17】
【0108】
「縮合シクロアルキル基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、その一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合シクロアルキル基に分かれ、縮合シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0109】
【化18】
【0110】
「架橋シクロアルキル基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する全炭素多環基をいい、これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋シクロアルキル基に分かれ、架橋シクロアルキル基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0111】
【化19】
【0112】
前記シクロアルキル基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはヘテロシクロアルキルの環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はシクロアルキル基で、インダニル基、テトラヒドロナフチル基、ベンゾシクロヘプチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0113】
シクロアルキル基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0114】
「複素環基」とは、飽和または部分飽和の単環または多環の環状炭化水素の置換基で、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、-O-O-、-O-S-または-S-S-の環部分を含まず、残りの環原子が炭素である基をいう。たとえば、「5-10員複素環基」とは、5~10個の環原子を含む環基を、「3-10員複素環基」とは、3~10個の環原子を含む環基をいう。
【0115】
単環式複素環基は、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、ホモピペラジル基などを含むが、これらに限定されない。
【0116】
多環式複素環基は、スピロ環、縮合環および架橋環の複素環基を含む。「スピロ複素環基」とは、単環の間で一つの原子(スピロ原子と呼ぶ)を共有する多環式複素環基で、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である基をいう。これらの基は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がない。環と環の間で共有するスピロ原子の数によってスピロ複素環基はモノスピロ複素環基、ジスピロ複素環基またはポリスピロ複素環基に分かれる。スピロ複素環基は、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0117】
【化20】
【0118】
「縮合複素環基」とは、系における各環が系におけるほかの環と隣接する一対の原子を共有する多環式複素環基をいい、一つまたは複数の環は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の縮合複素環基に分かれ、縮合複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0119】
【化21】
【0120】
「架橋複素環基」とは、任意の二つの環が直接連結しない二つの炭素原子を共有する多環式複素環基をいい、これらの環は一つまたは複数の二重結合を含んでもよいが、完全共役のπ電子系を有する環がなく、そのうちの一つまたは複数の環原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子で、残りの環原子が炭素である。構成環の数によって二環、三環、四環または多環の架橋複素環基に分かれ、架橋複素環基は以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0121】
【化22】
【0122】
前記複素環基の環はアリール基、ヘテロアリール基またはシクロアルキル基の環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環は複素環基で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0123】
【化23】
【0124】
複素環基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0125】
「アリール基」とは全炭素の単環または縮合多環(すなわち隣接する炭素原子対を共有する環)の基で、共役のπ電子系を有する多環(すなわち隣接する炭素原子対を持つ環)の基をいい、たとえば、「C5-10アリール基」とは5~10個の炭素を含む全炭素アリール基を、「5-10員アリール基」とは5~10個の炭素を含む全炭素アリール基をいい、フェニル基やナフチル基を含むが、これらに限定されない。前記アリール基の環はヘテロアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0126】
【化24】
【0127】
アリール基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0128】
「ヘテロアリール基」とは1~4個のヘテロ原子を含むヘテロ芳香族系で、前記ヘテロ原子が窒素、酸素またはS(O)r(ここで、rは整数の0、1、2である)から選ばれるヘテロ原子である基をいうが、たとえば、5-8員ヘテロアリール基とは5~8個の環原子を含むヘテロ芳香族系を、5-10員ヘテロアリール基とは5~10個の環原子を含むヘテロ芳香族系をいい、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、N-アルキルピロリル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基などを含むが、これらに限定されない。前記ヘテロアリール基の環はアリール基、複素環基またはシクロアルキル環に縮合してもよいが、ここで、母体構造と連結した環はヘテロアリール環で、以下のものを含むが、これらに限定されない:
【0129】
【化25】
【0130】
ヘテロアリール基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0131】
「アルケニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素二重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、たとえば、C2-8アルケニル基とは2~8個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルケニル基をいう。ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基や3-ブテニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0132】
アルケニル基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0133】
「アルキニル基」とは、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素-炭素三重結合からなる、前記のように定義されるアルキル基をいうが、たとえば、C2-8アルキニル基とは2~8個の炭素を含む、直鎖または分岐鎖含有のアルキニル基をいう。エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基や3-ブチニル基などを含むが、これらに限定されない。
【0134】
アルキニル基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0135】
「アルコキシ基」とは-O-(アルキル基)をいうが、そのアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C1-8アルコキシ基」とは1~8個の炭素を含むアルキルオキシ基をいい、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0136】
アルコキシ基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0137】
「シクロアルキルオキシ基」とは-O-(無置換のシクロアルキル基)をいうが、そのシクロアルキル基の定義は前記の通りで、たとえば、「C3-10シクロアルキルオキシ基」とは3~10個の炭素を含むシクロアルキルオキシ基をいい、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0138】
シクロアルキルオキシ基は、置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0139】
「3-10員複素環オキシ基」とは-O-(無置換の3-10員複素環基)をいうが、その3-10員複素環基の定義は前記の通りで、3-10員複素環オキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0140】
「C5-10アリールオキシ基」とは-O-(無置換のC5-10アリール基)をいうが、そのC5-10アリール基の定義は前記の通りで、C5-10アリールオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0141】
「5-10員ヘテロアリールオキシ基」とは-O-(無置換の5-10員ヘテロアリール基)をいうが、その5-10員ヘテロアリール基の定義は前記の通りで、5-10員ヘテロアリールオキシ基は、任意に置換されたものまたは無置換のものでもよいが、置換されたものの場合、置換基は独立に重水素、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、アジド基、C1-8アルキル基、C2-8アルケニル基、C2-8アルキニル基、ハロゲン置換C1-8アルキル基、C3-10シクロアルキル基、3-10員複素環基、C5-10アリール基、5-10員ヘテロアリール基、-C0-8-S(O)rR14、-C0-8-O-R15、-C0-8-C(O)OR15、-C0-8-C(O)R16、-C0-8-O-C(O)R16、-C0-8-NR17R18、-C0-8-C(O)NR17R18または-C0-8-N(R17)-C(O)R16から選ばれる1つまたは複数の基であることが好ましい。
【0142】
「C1-8アルカノイル基」とはC1-8アルキル酸からヒドロキシ基を除いて残った1価の原子団をいうが、通常、「C0-7-C(O)-」とも表示され、たとえば、「C1-C(O)-」とはアセチル基を、「C2-C(O)-」とはプロピオニル基を、「C3-C(O)-」とはブチリル基またはイソブチリル基をいう。
【0143】
「-C0-8-S(O)(=NR13)R14」とは-S(O)(=NR13)R14における硫黄原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0144】
「-C0-8-B(OR15)2」とは-B(OR15)2におけるホウ素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0145】
「-C0-8-P(O)(R16)2」とは-P(O)(R16)2におけるチオリン原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0146】
「-C0-8-S(O)rR14」とは-S(O)rR14における硫黄原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0147】
「-C0-8-O-R15」とは-O-R15における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0148】
「-C0-8-C(O)OR15」とは-C(O)OR15におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0149】
「-C0-8-C(O)R16」とは-C(O)R16におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0150】
「-C0-8-O-C(O)R16」とは-O-C(O)R16における酸素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0151】
「-C0-8-NR17R18」とは-NR17R18における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0152】
「-C0-8-C(O)NR17R18」とは-C(O)NR17R18におけるカルボニル基がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0153】
「-C0-8-N(R17)-C(O)R16」とは-N(R17)-C(O)R16における窒素原子がC0-8アルキル基に連結したものをいうが、そのC0アルキル基とは結合で、C1-8アルキル基の定義は前記の通りである。
【0154】
「ハロゲン置換のC1-8アルキル基」とはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1~8個のアルキル基をいうが、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基などを含むが、これらに限定されない。
【0155】
「ハロゲン置換のC1-8アルコキシ基」とはアルキル基における水素が任意にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素の原子で置換された、炭素1~8個のアルコキシ基をいう。ジフルオロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、ジブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリブロモメトキシ基などを含むが、これらに限定されない。
【0156】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。「THF」とは、テトラヒドロフランをいう。「PE」とは石油エーテルをいう。「EA」とは酢酸エチルをいう。「DMF」とはN,N-ジメチルホルムアミドをいう。「DMSO」とはジメチルスルホキシドをいう。「CH2Cl2」とはジクロロメタンをいう。「MeOH」とはメタノールをいう。「DIPEA」とはN,N-ジイソプロピルエチルアミンをいう。「DEAD」とはアゾジカルボン酸ジエチルをいう。「SEM-Cl」とは2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドをいう。「X-phos」とは4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンをいう。「Pd(dppf)Cl2」とは[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウムジクロロメタンをいう。「HATU」とはO-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩をいう。
【0157】
「任意の」または「任意に」とは後記の事項または環境によって可能であるが必ずしも発生するわけではないという意味で、当該記述は当該事項または環境が発生する場合または発生しない場合を含む。たとえば、「任意にアルキル基で置換された複素環基」とはアルキル基が存在しうるが必ずしも存在するわけではないという意味で、当該記述は複素環基がアルキル基で置換された場合および複素環基がアルキル基で置換されていない場合を含む。
【0158】
「置換」とは基における1個または複素の水素原子が互いに独立に相応する数の置換基で置換されることをいう。もちろん、置換基はこれらが化学的に可能な位置にあるだけで、当業者は格別な努力を要することなく(実験的にまたは理論的に)置換が可能か不可能か確認することができる。たとえば、遊離水素を有するアミノ基またはヒドロキシ基は不飽和結合を有する炭素原子(たとえばオレフィン)と結合する場合不安定な可能性がある。
【0159】
「薬物組成物」とは、一つまたは複数の本明細書に記載された化合物あるいはその生理学/薬用可能な塩またはプロドラッグとほかの化学成分の混合物と、ほかの成分、たおえば、生理学/薬用可能な担体および賦形剤とを含有するものを表す。薬物組成物の目的は生物体への投与を促進し、活性成分の吸収に貢献することによって生物活性を発揮させることである。
【0160】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく、全面的に説明するが、本発明を制限するものではなく、本発明は実施例の内容のみに限定されないものでもない。
【0161】
本発明の化合物の構造は、核磁気共鳴(HNMR)および/または液相質量分析(LC-MS)によって確認された。NMRの化学シフト(δ)は百万分の一(ppm)の単位で表示する。NMRの測定は、Bruker AVANCE-400核磁気共鳴装置が使用され、測定の溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化メタノール(CD3OD)および重水素化クロロホルム(CDCl3)で、内部標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0162】
液相質量分析LC-MSの測定はAgilent 6120質量分析装置を使用した。HPLCの測定はアジレントの1200DAD高圧液相クロマトグラフ(Sunfire C18 150×4.6 mmカラム)およびWaters 2695-2996高圧液相クロマトグラフ(Gimini C18 150×4.6 mmカラム)を使用した。
【0163】
薄層クロマトグラフィーのシリカゲル板は煙台黄海HSGF254または青島GF254のシリカゲル板が使用され、TLCに使用された規格は0.15 mm~0.20 mmで、薄層クロマトグラフィー法による製品の分離・精製に用いられた規格は0.4 mm~0.5 mmである。カラムクロマトグラフィーは通常煙台黄海シリカゲルの200~300メッシュのシリカゲルが担体として使用された。
【0164】
本発明の実施例における出発原料は既知の市販品、あるいは本分野で既知の方法によって合成することができるものである。
【0165】
特別に説明しない限り、本発明のすべての反応はいずれも連続的な磁気撹拌で、乾燥窒素またはアルゴンの雰囲気において行われ、溶媒は乾燥溶媒で、反応温度の単位はセルシウス度である(℃)。
【0166】
一、中間体の製造
1、5-ブロモ-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(中間体A1)の製造
【0167】
【化26】
【0168】
5-ブロモ-2-クロロ-4-メトキシピリミジン(2.4 g、10.8 mmol)、イソプロピルアミン(6 mL、72.4mmol)およびDIPEA(4 mL、21.6 mmol)をチューブに入れ、テトラヒドロフラン(20 mL)を入れ、反応混合液を80℃まで加熱し、5時間反応させた。冷却後、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより分離して5-ブロモ-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(2.3g、収率88%)を得た。
2、(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(中間体B1)の製造
【0169】
【化27】
【0170】
5-ブロモ-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(4.4g、18 mmol)をジメチルホルムアミド(30 mL)に溶解させ、ビス(ピナコラト)ジボロン(13.7 g、53.9 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(2.6 g、3.6 mmol)および酢酸カリウム(10.6 g、107.8 mmol)を入れ、室温で三回空気を抽出し窒素ガスを入れ替わり90℃まで昇温し、2時間攪拌した。酢酸エチルと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(5:1)~石油エーテル/酢酸エチル(3:1)]、(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(4.3 g、収率81.7%)を得た。MS m/z (ESI): 212 [M+H]+
3、6-クロロ-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体C1)の製造
【0171】
【化28】

【0172】
n-ブチルリチウム(1.6M、94 mL、146.6 mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(100 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で-70℃まで降温し、ゆっくり3-ブロモ-6-クロロ-2-メチルピリジン(20 g、97.7 mmol)の乾燥テトラヒドロフラン溶液を滴下し、-70℃で15分間攪拌し続けてから-70℃で乾燥したN,N-ジメチルホルムアミド(14.6 g、195.4 mmol)を滴下し、それから室温まで昇温し、2時間攪拌した。水(200 mL)を入れ、酢酸エチル(150 mL×3)により抽出し、有機相を合併し、水(200 mL×3)と飽和食塩水(200 mL)により順次洗浄し、また無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:PE/EA(10:1)]、6-クロロ-2-メチルニコチンアルデヒド(11 g、収率72.6%)を得た。MS m/z (ESI): 156 [M+H]+
4、5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b] ピリジン (中間体D1)の製造
【0173】
【化29】
【0174】
5-ブロモ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.0 g、5.1 mmol)を1,4-ジオキサン/水(20 mL/10 mL)に溶解させ、その中に1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(1.27 g、6.1 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(0.37 g、0.51 mmol)および炭酸ナトリウム(1.62 g、15.3 mmol)を入れ、室温で三回空気を抽出し窒素ガスを入れ替わり、90℃まで昇温し、2時間攪拌してから、室温まで降温し水(100 mL)を入れ、酢酸エチルにより抽出して(50 mL×3)、有機相を合併し、飽和食塩水により三回洗浄し、濃縮してから薄層板クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(1:5)]、5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(900 mg、収率90%)を得た。MS m/z (ESI): 199 [M+H]+
5、(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノールと3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(メトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(中間体E1)の製造
【0175】
【化30】
【0176】
6-クロロ-2-メチルニコチンアルデヒド(156 mg、1.0 mmol)をメタノール(6 mL)に入れ、7-アザインドール(118 mg、1.0 mmol)と水酸化カリウム(196 mg、3.5 mmol)を入れ、反応液を室温で一晩攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(1:1)]、(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノール(115 mg、収率42%)を得た。MS m/z (ESI): 274 [M+H]+。同時に3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(メトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(50 mg、収率17%)を得た。MS m/z (ESI): 288[M+H]+
【0177】
中間体E2-8は、中間体E1の合成方法を参照して製造した:
【表A】
【0178】
【0179】
6、3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(中間体F1)の製造
【0180】
【化31】
【0181】
(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノール(115 mg、0.42mmol)と3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(メトキシ)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(50mg、0.17 mmol)をアセトニトリル(15mL)に溶解させ、トリエチルシリル(0.95 mL、5.9 mmol)とトリフルオロ酢酸(0.44 mL、5.9 mmol)を入れた。反応液を80℃で4時間撹拌した。反応が終わってから濃縮して飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(10:1)]、3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(126 mg、収率82%)を得た。MS m/z (ESI): 258 [M+H]+
【0182】
中間体F2-8は、中間体F1の合成方法を参照して製造した:
【表B】
【0183】
【0184】
7、5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(中間体G1)の製造
【0185】
【化32】
【0186】
(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(92 mg、0.43 mmol)をジオキサンと水の混合溶剤(10 mL、体積比2:1)に溶解させ、順次3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(56 mg、0.22 mmol)と炭酸カリウム(90 mg、0.65 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]二塩化パラジウム(32 mg、0.04 mmol)を入れた。混合液を窒素ガスの雰囲気で110℃で一晩攪拌した。反応液を冷却してから、濾過、濃縮してカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(12:1)]、5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(30 mg、収率35%)を得た。MS m/z (ESI): 389 [M+H]+
【0187】
中間体G2-4は、中間体G1の合成方法を参照して製造した:
【表C】
【0188】
8、6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体H1)の製造
【0189】
【化33】
【0190】
乾燥した一口フラスコに(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(814 mg、3.86 mmol)、6-クロロ-2-メチルニコチンアルデヒド(200 mg、1.29 mmol)、炭酸ナトリウム(273 mg、2.57 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(149 mg、0.13 mmol)を入れた。三回空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、1,4-ジオキサンと水の混合溶剤(12 mL、体積比2:1)を加え、85℃で3時間反応させた。反応が完了してから酢酸エチル(30 mL)により希釈し、セライトで濾過し、固体を除去し、ろ液を濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(3:1)]、6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(300 mg、収率81%)を得た。MS m/z (ESI): 287 [M+H]+
9、(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノール(中間体I1)の製造
【0191】
【化34】
【0192】
6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(590 mg、2.06 mmol)のメタノール(15 mL)溶液に1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(219 mg、1.86 mmol)と水酸化カリウム(346 mg、6.18 mmol)を入れ、混合物を室温で2日間反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:メタノール/ジクロロメタン(1:15)]、(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノール(200 mg、収率26.5%)を得た。MS m/z (ESI): 406 [M+1]+。
10、(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(中間体J1)の製造
【0193】
【化35】
【0194】
(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノール(200 mg、0.49 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に1,1-ジヒドロ-1,1,1-トリアセトキシ-1,2-ベンゾヨードオキサゾール-3(1H)-オン(315 mg、0.74mmol)を入れた。室温で3時間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと飽和亜硫酸水素ナトリウムで分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:メタノール/ジクロロメタン(1:15)]、(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(120 mg、収率61%)を得た。MS m/z (ESI): 404 [M+H]+
11、6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体K1)の製造
【0195】
【化36】
【0196】
6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(300 mg、1.05 mmol)を酢酸(15 mL)に溶解させ、40%の臭化水素酸水溶液(0.4 mL)を入れ、反応液を90℃で2時間攪拌した。冷却後濾過し、乾燥してから6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒドの臭化水素酸塩(318 mg、収率89%)を得た。MS m/z (ESI): 273 [M+H]+
12、6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体L1)の製造
【0197】
【化37】
【0198】
6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒドの臭化水素酸塩(300 mg、0.85 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(7 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(470 mg、3.4 mmol)を加え、反応液を室温で0.5時間攪拌した。ヨードメタン(0.16 mL、2.55 mmol)を加え、続けて2時間攪拌し、反応が終わってから酢酸エチル(20 mL)により希釈し、2回水洗いし、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(1:3)]、6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(139 mg、収率60%)を得た。MS m/z (ESI): 287 [M+H]+
【0199】
13、3-(エチルアミノ)プロパン-1-オール(中間体M1)の製造
【0200】
【化38】
【0201】
3-アミノプロパン-1-オール(5 g、67 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、0℃でアセトアルデヒド(1.76 g、40 mmol)を滴下し、室温で16時間反応させた。0℃まで降温して、数回に分けて水素化ホウ素ナトリウム(2.7 g、80 mmol)を加えた。半時間攪拌し続けた。水をいれ、ジクロロメタンにより抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮してから、3-(エチルアミノ)プロパン-1-オール(3 g、収率50%)の粗製品を得た。そのまま次の反応に利用した。
【0202】
14、3-(メチルアミノ)ブタン-1-オール(中間体M2)の製造
【0203】
【化39】
【0204】
4-ヒドロキシブタン-2-オン(3 g、34 mmol)とメチルアミン(12.77 g、68 mmol)をエタノール(10 mL)に溶解させ、10%の重質留分(300 mg)を入れた。室温で16時間反応させた。反応液を濾過し、ろ液を濃縮してから3-(メチルアミノ)ブタン-1-オール(3 g、収率87%)を得た。そのまま次の反応に利用した。
15、3-((5-ブロモ-4-メトキシピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(中間体N1)の製造
【0205】
【化40】
【0206】
5-ブロモ-2-クロロ-4-メトキシピリミジン(1.16 g、5.23 mmol)と3-(メチルアミノ)プロパン-1-オール(698 mg、7.84 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.35 g、10.46 mmol)をテトラヒドロフラン(10 mL)に溶解させ、80℃で16時間反応させた。反応液を濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル(1:1)]、3-((5-ブロモ-4-メトキシピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(1.25 g、収率87%)を得た。MS m/z (ESI): 276 [M+H]+
【0207】
中間体N2-3は、中間体N1の合成方法を参照して製造した:
【表D】
【0208】
16、5-ブロモ-N-(3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-4-メトキシ-N-メチルピリミジン-2-アミン(中間体O1)の製造
【0209】
【化41】
【0210】
3-((5-ブロモ-4-メトキシピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(4 g、14.49mmol)とイミダゾール(1.48 g、21.74 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、0℃でt-ブチルジメチルクロロシラン(3.26 g、27.74 mmol)を滴下して、室温で4時間反応させた。反応液を水洗いして、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:PE/EA(10:1)]、5-ブロモ-N-(3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-4-メトキシ-N-メチルピリミジン-2-アミン(5 g、収率89%)を得た。MS m/z (ESI): 390 [M+H]+
【0211】
中間体O2-3、O1-bは、中間体O1の合成方法を参照して製造した:
【表E】
【0212】
17、(2-((3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(中間体P1)の製造
【0213】
【化42】
【0214】
5-ブロモ-N-(3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-4-メトキシ-N-メチルピリミジン-2-アミン(3.5 g、9.0 mmol)、4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビス(1,3,2-ジオキサボロラン)(4.57 g、18 mmol)、酢酸カリウム(2.65g、27 mmol)と1,1'1,1'-ビスジフェニルホスフィンフェロセン二塩化パラジウム(900 mg、0.1 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、120℃で2時間反応させた。反応が終わってから水(50 mL)を入れ、酢酸エチルにより抽出し、有機層を水洗いしブラインで洗浄してから、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:PE/EA(1:1)]、(2-((3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(LCMSによりボロン酸と仮設する)(2 g、収率63%)を得た。MS m/z (ESI): 356 [M+H]+
【0215】
中間体P2-4、P1-bは、中間体P1の合成方法を参照して製造した:
【表F】
【0216】
18、N-(3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシ-N-メチルピリミジン-2-アミン(中間体Q1)の製造
【0217】
【化43】
【0218】
(2-((3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(1.22g、3.43 mmol)、5-クロロ-3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1 g、3.43 mmol)、炭酸カリウム(947 mg、6.86 mmol)と1,1'-ビスジフェニルホスフィンフェロセン二塩化パラジウム(250 mg、0.343 mmol)をジオキサン(15 mL)と水(5 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、90℃で2時間反応させた。次いで酢酸エチル(5 mL)により希釈し、水(5 mL×3)と飽和食塩水(5 mL)により順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してから薄層板クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:PE/EA(1:1)]、N-(3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシ-N-メチルピリミジン-2-アミン(1.2 g、収率62%)を得た。MS m/z (ESI): 567 [M+H]+
【0219】
中間体Q2-9は、中間体Q1の合成方法を参照して製造した:
【表G】
【0220】
【0221】
19、3-((5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(中間体R1)の製造
【0222】
【化44】
【0223】
N-(3-((t-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシ-N-メチルピリミジン-2-アミン(1.2 g、2.12mmol)をテトラヒドロフラン(15 mL)に溶解させ、テトラブチルアンモニウムフルオライド(4.24 mL、4.24 mmol)を滴下し、室温で2時間反応させた。次いで酢酸エチル(50 mL)により希釈し、水(50 mL×3)と飽和食塩水(50 mL)により順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して、3-((5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(400 mg、収率42%)を得た。MS m/z (ESI): 453 [M+H]+
【0224】
中間体R2-9は、中間体R1の合成方法を参照して製造した:
【表H】
【0225】
【0226】
20、3-((4-メトキシ-5-(5-((5-メトキシ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(中間体R10)の製造
【0227】
【化45】
【0228】
(2-((3-ヒドロキシプロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(400 mg、1.66 mmol)、3-((6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-5-メトキシ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(476 mg、1.66 mmol)、炭酸カリウム(458 mg、3.22 mmol)と1,1'-ビスジフェニルホスフィンフェロセン二塩化パラジウム(120 mg、0.166 mmol)を1,4-ジオキサン(15 mL)と水(5 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、90℃で2時間反応させた。酢酸エチル(5 mL)により希釈し、水(5mL×3)と飽和食塩水(5 mL)により順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してから薄層板クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:PE/EA(1:1)]、3-((4-メトキシ-5-(5-((5-メトキシ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)ピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(372 mg、収率50%)を得た。MS m/z (ESI): 449 [M+H]+
21、t-ブチル 3-(6-(2-((3-ヒドロキシプロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチノイル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(中間体R11)の製造
【0229】
【化46】
【0230】
第一工程:(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノンの製造
(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノール(1.6 g、5.86 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液に1,1-ジヒドロ-1,1,1-トリアセトキシ-1,2-ベンゾヨードオキサゾール-3(1H)-オン(3.7 g、8.79 mmol)を入れ、反応液を室温で2時間攪拌した。ジクロロメタンと飽和炭酸水素ナトリウムで分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル(2:1)]、(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン(600 mg、収率38%)を得た。MS m/z (ESI): 274 [M+H]+
第二工程:t-ブチル 3-(6-クロロ-2-メチルニコチノイル)-3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)(3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メタノン、(600 mg、2.2 mmol)のジクロロメタン(20 mL)溶液にジ-t-ブチルジカーボネート(724 mg、3.3mmol)とN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(27 mg、0.22 mmol)を入れた。室温で2時間撹拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル(1:5)]、t-ブチル 3-(6-クロロ-2-メチルニコチノイル)-3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(490 mg、収率60%)を得た。MS m/z (ESI): 374 [M+H]+
第三工程:t-ブチル 3-(6-(2-((3-ヒドロキシプロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2メチルニコチノイル)-3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
t-ブチル 3-(6-クロロ-2-メチルニコチノイル)-3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(200 mg、0.54 mmol)の1,4-ジオキサン/水(15 mL/5 mL)溶液に3-((4-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(346 mg、1.08 mmol)、炭酸カリウム(221 mg、1.62 mmol)および1,1'-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン二塩化パラジウム(II)(39 mg、0.054 mmol)を入れた。空気を抽出して窒素ガスを入れ替わり、90℃で2時間攪拌し反応させた。ジクロロメタンと水で分層し、有機相を水および飽和塩化ナトリウムで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、濃縮してから、カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:酢酸エチル/石油エーテル(2:1)]、t-ブチル 3-(6-(2-((3-ヒドロキシプロピル)(メチル)アミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチノイル)-3a,7a-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(120 mg、収率42%)を得た。MS m/z (ESI): 535 [M+H]+
22、1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(中間体S1)の製造
【0231】
【化47】
【0232】
第一工程:4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c] ピリジン (中間体S1-1)の製造
【0233】
【化48】
【0234】
丸フラスコに2-クロロ-3,4-ジアミノピリジン(2.87 g、20 mmol)、オルトギ酸トリメチル(40 mL)を入れ、室温で濃塩酸(3 mL)をゆっくり滴下し、それから室温で一晩攪拌した。大量の固体が析出してから濾過し、ケーキを石油エーテルにより洗浄し、乾燥してから4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c] ピリジン(3.7 g、収率98%)を得た。MS m/z (ESI): 154 [M+H]+
第二工程:4-クロロ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(中間体S1-2)の製造
【0235】
【化49】
【0236】
丸フラスコに4-クロロ-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン塩酸塩(3.7 g、19.5 mmol)を無水DMF(50mL)に溶解させ、炭酸カリウ(13.8 g、98 mmol)、臭化イソプロピル(5.6 mL、59 mmol)を入れた。反応液を80℃まで加熱し、2時間反応させ、減圧、蒸留しDMFを除去して、粗製品をカラムクロマトグラフィーにより4-クロロ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(3.3 g、収率87%)を得た。MS m/z (ESI): 195 [M+H]+
第三工程:1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(中間体S1)の製造
【0237】
【化50】
【0238】
丸フラスコに4-クロロ-1-イソプロピル-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン(2.2 g、11.2 mmol)をエタノール(88 mL)と水(88 mL)に溶解させ、濃塩酸(44 mL)を加え、混合液を100℃まで加熱し、2日間反応させた。反応が終わってから、アミノメタノール溶液を使用しアルカリ化させ、減圧、蒸留して溶剤を除去し、カラムクロマトグラフィーにより分離し、1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(1.0 g、収率47%)を得た。MS m/z (ESI): 178 [M+H]+
23、6-(1-イソプロピル-4-カルボニル-1,4-ジヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体T1)の製造
【0239】
【化51】
【0240】
第一工程:6-ヨード-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体T1-1)の製造
【0241】
【化52】
【0242】
6-クロロ-2-メチルニコチンアルデヒド(156 mg、1.0 mmol)をアセトニトリル(3.5 mL)に溶解させ、ヨウ化ナトリウム(1.05 g、7.0 mmol)、濃塩酸(0.03 mL)を加え、反応液を還流下で3時間攪拌した。冷却後、飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(4:1)]、6-ヨード-2-メチルニコチンアルデヒド(220 mg、収率89%)を得た。MS m/z (ESI): 248 [M+H]+
第二工程:6-(1-イソプロピル-4-カルボニル-1,4-ジヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(中間体T1)の製造
【0243】
【化53】
【0244】
6-ヨード-2-メチルニコチンアルデヒド(490 mg、2.0 mmol)をDMSO(13 mL)に溶解させ、順次1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(355 mg、2.0 mmol)、酢酸銅(182 mg、1.0 mmol)、炭酸カリウム(553 mg、4.0 mmol)を入れた。反応液を窒素ガスの雰囲気で150℃で1時間撹拌した。冷却後、酢酸エチルにより希釈してから濾過し、ろ液を水洗い、そして乾燥、濃縮して、カラムクロマトグラフィーにより分離して「溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(12:1)]、6-(1-イソプロピル-4-カルボニル-1,4-ジヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(70 mg、収率12%)を得た。MS m/z (ESI): 297 [M+H]+
【0245】
具体的な実施例の化合物の製造
実施例1、5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0246】
【化54】
【0247】
5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-N-イソプロピル-4-メトキシピリミジン-2-アミン(30 mg、0.08 mmol)を酢酸(3 mL)に溶解させ、40%のの臭化水素酸水溶液(0.085 mL、0.6 mmol)を入れた。反応液を90℃で6時間撹拌した。反応液を冷却してから、飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してから板クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(10:1)]、5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(6.9 mg、収率24%)を得た。MS m/z (ESI): 375 [M+H]+
【0248】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.44 (s, 1H), 10.73 (s, 1H), 8.74 - 8.57 (m, 1H), 8.18 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.83 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 7.9, 4.7 Hz, 1H), 6.61 (s, 1H), 4.19 - 3.92 (m, 3H), 2.49 (s, 3H), 1.16 (d, J = 6.5 Hz, 6H).
実施例2-6は、実施例1の合成方法を参照して製造した。
【表I】
【0249】
ここで、前記実施例化合物2~6を製造して得られた核磁気データは、以下の通りである。
【表J】
【0250】
実施例7、5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0251】
【化55】
【0252】
第一工程:t-ブチル 3-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0253】
【化56】
【0254】
5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(45 mg、0.12 mmol)をテトラヒドロフラン(3 mL)に溶解させ、二炭酸ジ-t-ブチル(39 mg、0.18 mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(46 mg、0.36 mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(1:1)]、t-ブチル 3-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(39mg、収率68%)を得た。MS m/z (ESI): 475 [M+H]+
第二工程:t-ブチル 3-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0255】
【化57】
【0256】
t-ブチル 3-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(39 mg、0.07 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(2 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(28 mg、0.2 mmol)とヨードメタン(29mg、0.2 mmol)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(2:1)]、t-ブチル 3-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(25mg、収率75%)を得た。MS m/z (ESI): 489 [M+H]+
第三工程:5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0257】
【化58】
【0258】
t-ブチル 3-((6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)メチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(25 mg、0.05mmol)をDCM(3 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(2 mL)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮してから、飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してから逆相カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:水(0.5%アンモニア水)/アセトニトリル、アセトニトリル:0~50%]、凍結乾燥後5-(5-((1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(7 mg、収率35%)を得た。MS m/z (ESI): 389 [M+H]+
【0259】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.43 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.18 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H), 8.04 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 7.86 - 7.80 (m, 1H), 7.46 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.20 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.03 - 6.95 (m, 2H), 4.40-4.25 (m, 1H), 4.03 (s, 2H), 3.35 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 1.24 - 1.20 (m, 6H).
実施例8と実施例9、5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(メトキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(実施例8)と5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(ヒドロキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(実施例9)の製造
【0260】
【化59】
【0261】
6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(24 mg、0.1 mmol)をメタノール(2 mL)に溶解させ、水酸化カリウム(20 mg、3.4mmol)と5-クロロ-7-アザインドール(13 mg、0.1 mmol)を加えた。反応液を常温で一晩攪拌した。反応が終わってから酢酸エチル(10 mL)により希釈し、2回水洗いし、有機相を乾燥、濃縮してから薄層クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(12:1)]、5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(メトキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(18 mg、収率50%)を得た。MS m/z (ESI): 453 [M+H]+
【0262】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.90 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.27 - 8.18 (m, 2H), 7.96 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 5.72 (s, 1H), 4.40 - 4.20 (m, 1H), 3.37 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 1.24 - 1.21 (m, 6H).
同時に5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(ヒドロキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(6 mg、収率16%)を得た。MS m/z (ESI): 439 [M+H]+
【0263】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.77 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.23 - 8.14 (m, 2H), 7.93 - 7.84 (m, 2H), 7.25 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.07 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 5.77 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.40 - 4.20 (m, 1H), 3.37 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 1.22 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
実施例10、5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)- オンの製造
【0264】
【化60】
【0265】
5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(メトキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(25 mg、0.06 mmol)をアセトニトリル(3 mL)に溶解させ、トリエチルシリル(0.1 mL、0.6 mmol)とトリフルオロ酢酸(0.05 mL、0.7 mmol)を加えた。反応液を80℃で2時間撹拌した。反応が終わってから濃縮して飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してから薄層クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(10:1)]、5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(10 mg、収率40%)を得た。MS m/z (ESI): 423 [M+H]+
【0266】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.70 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 8.18 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.40 - 4.20 (m, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.35 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 1.22 (d, J = 6.7 Hz, 6H).
実施例11、5-(5-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0267】
【化61】
【0268】
5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)(ヒドロキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(25 mg、0.06 mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解させ、デス-マーチン酸化剤(51 mg、0.12 mmol)を入れた。反応液を常温で2時間撹拌した。反応が終わってから飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、ジクロロメタンにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してから薄層クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(12:1)]、5-(5-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(10mg、収率40%)を得た。MS m/z (ESI): 437 [M+H]+
【0269】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.92 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.51 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.86 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.40 - 4.30 (m, 1H), 3.39 (s, 3H), 2.51 (s, 3H), 1.25 (d, J= 6.6 Hz, 6H).

実施例12、5-(5-(1-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0270】
【化62】
【0271】
第一工程:1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)エタン-1-オンの製造
【0272】
【化63】
【0273】
6-クロロ-2-メチルニコチンアルデヒド(312 mg、2.0 mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(7mL)に溶解させ、氷浴下でメチルマグネシウムブロミド溶液(1 mL、3.0 mmol)を滴下し、反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を水でクエンチし、酢酸エチルにより抽出し、有機相を乾燥、濃縮してからジクロロメタン(10 mL)に溶解させ、溶液にス-マーチン酸化剤(1.7 g、4.0mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウムでクエンチし、酢酸エチルにより抽出し、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(5:1)]、1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)エタン-1-オン(200 mg、収率60%)を得た。MS m/z (ESI): 170 [M+H]+
第二工程:5-クロロ-3-ヨード-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンの製造:
【0274】
【化64】
【0275】
5-クロロ-3-ヨード-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.25 g、4.5 mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(26 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、氷浴下で数回に分けて60%の水酸化ナトリウム(270mg、6.75 mmol)を当該溶液に加えた。反応液を氷浴下で15分間撹拌した。そしてトリイソプロピルクロロシラン(1.25 mL、5.9 mmol)を滴下した。反応液を室温まで昇温し、2時間攪拌して、飽和塩化アンモニウムの水溶液でクエンチし、酢酸エチルにより抽出し、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル]、5-クロロ-3-ヨード-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.75g、収率90%)を得た。
第三工程:1-(5-クロロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)-1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)エタン-1-オールの製造:
【0276】
【化65】
【0277】
5-クロロ-3-ヨード-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(1.2 g、2.65 mmol)を乾燥したテトラヒドロフラン(10 mL)に溶解させ、窒素ガスの保護で、-40℃でイソプロピルマグネシウムクロライド溶液(1.33 mL、2.65 mmol)を当該溶液に滴下した。反応液を当該温度で1時間撹拌した。それから1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)エタン-1-オン(150 mg、0.88mmol)のテトラヒドロフラン溶液(4 mL)を滴下した。反応液を室温まで昇温し、2時間攪拌して、飽和塩化アンモニウムの水溶液でクエンチし、酢酸エチルにより抽出し、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(9:1)]、1-(5-クロロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)-1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)エタン-1-オール(340 mg、収率80%)を得た。MS m/z (ESI): 478 [M+H]+
第四工程:5-クロロ-3-(1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンの製造
【0278】
【化66】
【0279】
1-(5-クロロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)-1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)エタン-1-オール(330 mg、0.69 mmol)を1,2-ジクロロエタン(16 mL)に溶解させた。溶液にトリフルオロ酢酸(0.52 mL)とトリエチルシリル(0.88 mL、5.52 mmol)を加えた。反応液を室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮してから、飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(6:1)]、5-クロロ-3-(1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(187 mg、収率89%)を得た。MS m/z (ESI): 304 [M+H]+
第五工程:t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0280】
【化67】
【0281】
5-クロロ-3-(1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン(100 mg、0.33 mmol)をジクロロメタン(5 mL)に溶解させた。溶液にジイソプロピルエチルアミン(0.2 mL)、4-ジメチルアミノピリジン(4 mg、0.03 mmol)、二炭酸ジ-t-ブチル(93 mg、0.43 mmol)を入れた。反応液を室温で20分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにより希釈し、水により抽出してから有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(10:1)]、t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(130mg、収率99%)を得た。MS m/z (ESI): 404 [M+H]+
第六工程:t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0282】
【化68】
【0283】
t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-クロロ-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(130 mg、0.33 mmol)を混合溶剤(1,4-ジオキサン:水=2:1、15 mL)に溶解させた。溶液に(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)ボロン酸(585 mg、2.7mmol)、炭酸ナトリウム(110 mg、1.01 mmol)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィン)フェロセン]二塩化パラジウム(49 mg、0.07 mmol)を入れた。反応液を窒素ガスの雰囲気で2回換気させ、90℃で90分間攪拌した。反応液を酢酸エチルにより希釈し、水洗いしてから有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(4:1)]、t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(156mg、収率86%)を得た。MS m/z (ESI): 535 [M+H]+
第七工程:t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0284】
【化69】
【0285】
t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)ビニル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(156 mg、0.29 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解させ、10%の重質留分(15 mg)を入れ、反応液を水素ガスの雰囲気で室温で一晩攪拌した。反応液を濾過して、ろ液を濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(4:1)]、t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(58mg、収率36%)を得た。MS m/z (ESI): 537 [M+H]+
第八工程:5-(5-(1-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0286】
【化70】
【0287】
t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-4-メトキシピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(58 mg、0.1 mmol)を酢酸(3 mL)に溶解させた。溶液に40%の臭化水素の水溶液(0.13 mL)を加えた。反応液を90℃で6時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させてから、酢酸エチルにより抽出した。有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(1:2)]、5-(5-(1-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(43mg、収率93%)を得た。MS m/z (ESI): 423 [M+H]+
第九工程:t-ブチル5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0288】
【化71】
【0289】
5-(5-(1-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)ピリミジン-4(3H)-オン(43 mg、0.1 mmol)をジクロロメタン(4 mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.05 mL)、4-ジメチルアミノピリジン(1 mg、0.01 mmol)、二炭酸ジ-t-ブチル(33 mg、0.15 mmol)を入れた。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルにより希釈し、水洗いしてから有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(4:1)]、t-ブチル5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(40 mg、収率75%)を得た。MS m/z (ESI): 523 [M+H]+
第十工程:t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレートの製造
【0290】
【化72】
【0291】
t-ブチル5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(40 mg、0.08 mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3 mL)に溶解させ、炭酸カリウム(34 mg、0.24 mmol)とヨードメタン(0.1 mL、1.5 mmol)を入れた。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:石油エーテル~石油エーテル/酢酸エチル(4:1)]、t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(20mg、収率49%)を得た。MS m/z (ESI): 537 [M+H]+
第十一工程:5-(5-(1-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オンの製造
【0292】
【化73】
【0293】
t-ブチル 5-クロロ-3-(1-(6-(2-(イソプロピルアミノ)-1-メチル-6-カルボニル-1,6-ジヒドロピリミジン-5-イル)-2-メチルピリジン-3-イル)エチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-1-カルボキシレート(20 mg、0.04 mmol)をジクロロメタン(1.5 mL)に溶解させ、トリフルオロ酢酸(1.5 mL)を加えた。反応液を室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮してから、飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してから逆相カラムクロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:水(0.5%アンモニア水)/アセトニトリル、アセトニトリル:0~50%]、凍結乾燥後5-(5-(1-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)エチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-2-(イソプロピルアミノ)-3-メチルピリミジン-4(3H)-オン(6.8 mg、収率41%)を得た。MS m/z (ESI): 437 [M+H]+
【0294】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.73 (d, J= 2.3 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.15 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 8.04 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.46 - 7.36 (m, 2H), 6.98 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.49 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 4.31 (h, J = 6.7 Hz, 1H), 3.35 (s, 3H), 2.57 (s, 3H), 1.59 (d, J= 7.0 Hz, 3H), 1.22 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
実施例13、3-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-9-メチル-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの製造
【0295】
【化74】
【0296】
3-((5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-4-メトキシピリミジン-2-イル)(メチル)アミノ)プロパン-1-オール(400 mg、0.88 mmol)を40%の臭化水素酸水溶液(10 mL)に溶解させ、90℃まで加熱し、16時間攪拌した。反応が完了してから炭酸水素ナトリウムの水溶液でpHがおよそ8になるまで調製し、酢酸エチル(20 mL×3)により抽出し、有機層を飽和食塩水(50 mL)により洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してから薄層板クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:CH2Cl2/MeOH(20:1)]、3-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-9-メチル-6,7,8,9-テトラヒドロ-4H-ピリミド[1,2-a]ピリミジン-4-オ(90 mg、収率24%)を得た。MS m/z (ESI): 421 [M+H]+
【0297】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.71 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.18 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.96 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.02 (s, 2H), 3.94 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.45 (t, J = 5.9 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.05 - 1.94 (m, 2H).
実施例14~24は、実施例13の合成方法を参照して製造した。
【表K】
【0298】
【0299】
【0300】
ここで、前記実施例化合物14~24を製造して得られた核磁気データは、以下の通りである。
【表L】
【0301】
【0302】
実施例25、5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オンの製造
【0303】
【化75】
【0304】
第一工程:5-(5-((5-クロロ-1H-インドール-3-イル)(ヒドロキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オンの製造
6-(1-イソプロピル-4-カルボニル-1,4-ジヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-2-メチルニコチンアルデヒド(70 mg、0.24 mmol)、5-クロロ-1H-インドール(36 mg、0.24 mmol)と水酸化カリウム(46 mg、0.83 mmol)をメタノール(3 mL)に溶解させ、室温で一晩反応した。反応が終わってから水を入れて希釈し、酢酸エチルにより抽出し、有機層を水洗いしブラインで洗浄してから、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮してからカラムクロマトグラフィーにより[溶離剤:PE/EA(1:1)]、5-(5-((5-クロロ-1H-インドール-3-イル)(ヒドロキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(41 mg、収率39%)を得た。MS m/z (ESI): 448 [M+H]+
第二工程:5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オンの製造
5-(5-((5-クロロ-1H-インドール-3-イル)(ヒドロキシ)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(45 mg、0.1 mmol)をアセトニトリル(4mL)に溶解させ、トリエチルシリル(0.15 mL、0.9 mmol)とトリフルオロ酢酸(0.075 mL、1.05mmol)を加えた。反応液を80℃で2時間撹拌した。反応が終わってから濃縮して飽和炭酸水素ナトリウムの水溶液でアルカリ化させ、酢酸エチルにより抽出して、有機相を乾燥、濃縮してから薄層板クロマトグラフィーにより分離して[溶離剤:ジクロロメタン~ジクロロメタン/メタノール(10:1)]、5-(5-((5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-イル)メチル)-6-メチルピリジン-2-イル)-1-イソプロピル-1,5-ジヒドロ-4H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-4-オン(15 mg、収率40%)を得た。MS m/z (ESI): 433 [M+H]+1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.80(s, 1H), 8.25 - 8.17 (m, 2H), 8.06 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.66 (dd, J= 7.8, 2.5 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 4.75 - 4.60 (m, 1H), 4.13 (s, 2H), 2.55 (s, 3H), 1.51 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
生物学的測定・評価
一、CSF-1Rのの体外の生物化学的キナーゼ分析
本発明ではCSF-1R ADP-Gloassayにより化合物のCSF-1Rに対する阻害活性の特性を測定した。化合物による阻害はADPの生成(ATPの消耗により生成)を抑止することで、ADP-Gloキット(Promega,cat. No. V9101)を使用し、化合物の活性を評価した。具体的な実験過程は以下の通りである。
【0305】
1、本発明で行われたキナーゼ反応は、384ウェルプレート(Perkinelmer,cat. No. 6007290)で行われ、それぞれ3.95nMのCSF-1Rと500μMのATPおよび0.2mg/mLのポリペプチド(Poly (Glu4, Try1)およびSigma,cat. No. P0275)を取った。
【0306】
2、40mM Tris、pH 7.5、20mM MgCl2、0.01% Triton X-100、0.1mg/ml BSA、2.5mM DTT、0.1% DMSOの反応系に入れ、グラジエントで希釈した一連の化合物を測定した。
【0307】
3、30℃で60分間反応させた。
【0308】
4、キナーゼ反応と同等体積の停止溶液ADP-Gloを添加した。
【0309】
5、25℃で60分間インキュベートしてキナーゼ反応を停止した。
【0310】
6、キナーゼ反応の2倍の体積の測定試薬を添加した。
【0311】
7、25℃で30分間インキュベートした。
【0312】
8、プレートリーダー(Tecan,M1000)によってGraphpad Prismにおける4パラメーター曲線フィッティングで化合物IC50の値を測定した。具体的な実施例の化合物のキナーゼ学活性は表1を参照する。
二、KIT/PDGFRAの体外の生物化学的キナーゼ実験
1、1倍のキナーゼ緩衝液と停止液
1.1 1倍のキナーゼ緩衝液:50 mM HEPES, pH 7.5,0.0015% Brij-35。
【0313】
1.2 停止液:100 mM HEPES, pH 7.5,0.015% Brij-35,0.2% Coating Reagent #3
50 mM EDTA
2、化合物の製造
2.1 化合物の希釈
1)化合物の測定最終濃度は40 μ Mであり、50倍濃度、すなわち2 mMに調製した。
【0314】
2) 96ウェルプレートの第二孔に80μLの100% DMSOを入れ、さらに20μL 10mMの化合物溶液を入れ、2mMの化合物溶液に調製した。他の孔に60μLの100% DMSOを入れた。第二孔から20μLの化合物を取り、第三孔に入れ、順に四倍希釈をし、合計10個の濃度に希釈した。
2.2 5倍の化合物を反応プレートに転移した。
1)前記96ウェルプレートの各孔から10μLを取り、別の96ウェルプレートに転移し、90μLのキナーゼ緩衝液を加えた。
【0315】
2)前記96ウェルプレートから5μLを384ウェル反応板に取った。
【0316】
2.3 キナーゼ反応
1)KIT/PDGFRAキナーゼを1倍のキナーゼ緩衝液に入れ、2.5倍の酵素溶液を形成した。
【0317】
2)FAM標識のポリペプチドおよびATPを1倍のキナーゼバッファーに入れ、2.5倍の基質溶液を形成した。
3)384ウェル反応プレートに10μLの2.5倍の酵素溶液を入れ、室温で10分間インキュベートした。(384ウェル反応プレートにはすでに5μLの10% DMSOで溶解した5倍化合物がある)
4)384ウェル反応プレートに10μLの2.5倍基質溶液を加えた。
【0318】
5)キナーゼ反応と停止:28℃で所定時間インキュベートしてから、25μLの停止液を加え、反応を停止させた。
【0319】
2.4 Caliper EZ Reader IIによりデータを読み取る。
2.5 阻害率、IC50の計算
1)Caliper EZ Reader IIから変換率データをコピーした。
【0320】
2)変換率を阻害率データに変換した。そのうち、maxはDMSO対照の変換率であり、minは酵素非活性対照の転化率を意味する。
【0321】
【数1】
【0322】
3)XLFit excel add-in version 5.4.0.8 によりIC50値ををフィッティングし、フィッティング公式は下記である。
【0323】
【数2】
【0324】
具体的な実施例の化合物のキナーゼ学活性は表1を参照する。
三、CSF-1R細胞増殖実験
本発明では、Cell Titer Glo(CTG)実験によって化合物の細胞増殖に対する機能的作用を評価した。中国食品薬品検定研究院由来のM-NFS-60マウス骨髄性白血病リンパ球細胞(カタログ番号CCBJ078)でRPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、10%牛胎児血清(Gibco、10099-141)、人間の10ng/mL M-CSFマクロファージコロニー刺激因子(R&D, cat. No. MVN0915101)において37℃、5% CO2インキュベーターで培養した。ATPが生細胞新陳代謝の指標であるため、CTG(Promega, #G7573)試薬を使用することはATPの定量測定により培養物における生細胞の数を測定する均質検出方法である。そのため、細胞増殖/生存の化合物による阻害は細胞のATPレベルの定量で評価し、具体的な実験過程は以下の通りである。
1、細胞を5000細胞/ウェル/80 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種した。
2、24時間後、10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
3、同時に、10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍のM-CSFマクロファージコロニー刺激因子希釈液を含む培地を入れた。
4、化合物の3倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定した。
5、細胞を37℃、5% CO2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
6、プレートリーダー(M1000,Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC50)を測定した。具体的な実施例の化合物の細胞活性を表1に示す。
四、CSF-1R細胞増殖実験
本発明では、Cell Titer Glo(CTG)実験によって化合物の細胞増殖に対する機能的作用を評価し、そして化合物が異なる細胞に対する増殖作用を観察し、その選択性の強弱状況を判断した。実験はそれぞれ南京科佰生物科技有限公司由来のM07eヒト巨核芽球白血病細胞(カタログ番号CBP60791)で、RPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、20%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)、人間の10ng/mL GM-CSF顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(R&D, cat. No. 215-GM-010)において37℃、5% Co2インキュベーターで培養した。kasumi-1ヒト急性顆粒球性白血病細胞(カタログ番号CBP60524)で、RPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、20%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)において37℃、5% CO2インキュベーターで培養した。NCI-H1703ヒト非小細胞肺癌扁平上皮癌細胞(カタログ番号CBP60115)において、RPMI1640 (Gibco, cat. No. 11875-119)、10%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)で37℃、5% CO2インキュベーターで培養した。MV-4-11ヒト急性単球白血病細胞(カタログ番号CBP60522)においてIMDM (Invitrogen, cat. No. 12440053)、20%牛胎児血清(Gibco, 10099-141)で37℃、5% CO2インキュベーターで培養した。ATPが生細胞新陳代謝の指標であるため、CTG(Promega, #G7573)試薬を使用することはATPの定量測定により培養物における生細胞の数を測定する均質検出方法である。そのため、細胞増殖/生存の化合物による阻害は細胞のATPレベルの定量で評価し、具体的な実験過程は以下の通りである。具体的な実施例の化合物の細胞活性を表1に示す。
一)、M07eヒト巨核芽球白血病細胞:
1、細胞を3500細胞/ウェル/80 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種し、24時間培養した。
2、翌日に10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
3、同時に、10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍のSCF組換えヒト幹細胞因子(R&D, cat. No. 7466-SC-010)希釈液を含む培地を入れた。
4、化合物の4倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定し、18 μMから開始した。
5、細胞を37℃、5% CO2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
6、プレートリーダー(M1000,Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC50)を測定した。
二)、NCI-H1703ヒト非小細胞肺癌扁平上皮癌細胞:
1、細胞を5000細胞/ウェル/90 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種し、24時間培養した。
2、翌日に10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
3、化合物の3倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定し、18 μMから開始した。
4、細胞を37℃、5% CO2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
5、プレートリーダー(M1000,Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC50)を測定した。
三)、MV-4-11ヒト急性単球白血病細胞:
1、細胞を5000細胞/ウェル/90 μLで新鮮な培地で組織培地で処理された96ウェルプレート(Costar #3904)に接種し、24時間培養した。
2、翌日に10 μLのその最終的に必要な濃度の10倍の化合物希釈液を含む培地を入れた。
3、化合物の3倍段階希釈によって投与量の効果・作用を測定し、18 μMから開始した。
4、細胞を37℃、5% CO2で3日インキュベートした後、50 μLのCTGを入れて発光測定した後、阻害剤の細胞生存に対する影響を定量した。
5、プレートリーダー(M1000,Tecan)によってGraphpad Prism 7における4パラメーター曲線フィッティングで半数最大生長阻害に達する化合物の濃度(IC50)および絶対半数生長阻害に達する化合物濃度(Absolute IC50)を測定した。
【0325】
【表1】
【0326】
【0327】
具体的な実施例の化合物の酵素学的活性のデータから、本発明の一連の化合物はCSF-1Rキナーゼ活性に対して強い阻害作用を有することがわかった。具体的な実施例の化合物の細胞活性のデータから、本発明の一連の化合物のCSF-1R高発現のM-NFS-60マウス骨髄性白血病リンパ球細胞の増殖活性に対して強い阻害作用を有することがわかった。また、前記実験結果から、本発明の一連の化合物はKIT、FLT3、PDGFRAに対して強い選択性を有し、臨床応用ニーズを満たすように、次世代の高選択性CSF-1R阻害剤として開発されることが期待される。
【0328】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。