(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】人工まつげおよび人工まつげの装着方法
(51)【国際特許分類】
A41G 5/02 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
A41G5/02
(21)【出願番号】P 2021015312
(22)【出願日】2021-02-02
【審査請求日】2021-11-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514039255
【氏名又は名称】株式会社LADYCOCO JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】深山 和春
(72)【発明者】
【氏名】切石 まみ
(72)【発明者】
【氏名】君崎 由起
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-502823(JP,A)
【文献】特開2019-157288(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111789334(CN,A)
【文献】実開昭49-032886(JP,U)
【文献】意匠登録第1418137(JP,S)
【文献】実開昭50-041788(JP,U)
【文献】登録実用新案第3167976(JP,U)
【文献】特開2019-044277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
まつげエクステンションに用いる人工まつげであって、
自まつげへの接着部位を含む第1部分と、
前記第1部分よりも先端側に位置し、前記第1部分と連続して延びるとともに全体に湾曲する形状を有する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する屈曲部と、を有し、
前記第1部分が略水平方向に延び、先端が上向きに延びるように前記人工まつげを側方から見るとき、前記人工まつげは前記屈曲部において下向きに屈曲し、前記第2部分は下向きに膨らむ湾曲部分を含み、前記下向きに膨らむ湾曲部分の最下部は前記第1部分よりも低い位置に位置するとともに、前記第2部分の先端は前記第1部分よりも高い位置に位置する、人工まつげ。
【請求項2】
前記人工まつげは、前記第1部分と、前記第2部分と、前記屈曲部とからなる、請求項1に記載の人工まつげ。
【請求項3】
前記第1部分の長さが0.3mm~3mmである、請求項1または請求項2に記載の人工まつげ。
【請求項4】
自まつげへの接着部位を含む第1部分と、
前記第1部分よりも先端側に位置し、前記第1部分と連続して延びるとともに全体に湾曲する形状を有する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する屈曲部と、を有し、
前記第1部分が略水平方向に延び、先端が上向きに延びるように前記人工まつげを側方から見るとき、前記人工まつげは前記屈曲部において下向きに屈曲し、前記第2部分は下向きに膨らむ湾曲部分を含み、前記下向きに膨らむ湾曲部分の最下部は前記第1部分よりも低い位置に位置するとともに、前記第2部分の先端は前記第1部分よりも高い位置に位置する、まつげエクステンションに用いる人工まつげの作成方法であって、
湾曲形状を有する人工まつげの根本部分をツィザーで摘まむことと、
前記ツィザーで前記人工まつげを押し付けて、前記湾曲形状と逆の方向に屈曲した山折りの屈曲部を形成することと、を含む、作成方法。
【請求項5】
人工まつげをユーザの自まつげに装着する方法であって、
湾曲形状を有し、根本部分が粘着性物質によって保持部材上に保持された人工まつげをツィザーで摘まみ、前記人工まつげの全体を前記保持部材から剥がす工程と、
前記保持部材から剥がした前記人工まつげの前記根本部分を前記ツィザーで摘まみ、前記ツィザーで前記人工まつげの表面側を押し付けて、前記湾曲形状と逆の方向に屈曲部が山折りとなるよう折り曲げて、屈曲部を有する人工まつげを得る工程と、
前記根本部分の少なくとも一部に接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した部分を前記ユーザの前記自まつげに接着させる工程と、
を含み、
前記屈曲部を有する人工まつげは、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の人工まつげである、人工まつげの装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつげエクステンションに用いる人工まつげおよび人工まつげの装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
まつげにボリューム感を持たせるために、生えているまつげ(自まつげという)に、人工まつげを取り付けることが知られている。これをまつげエクステンションという。まつげエクステンションに用いるための人工まつげとして、例えば特許文献1には、複数本の人工まつげを同一部分に密集・積層して接着する方法が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、まつげエクステンションの施術方法として、1本のまつげに2本以上の人工まつげを装着すること、また、1本のまつげに装着する人工まつげのカールの曲率を変えることが記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、人工まつげの取り付け方法であって、保持部材上に保持された人工まつげを保持部材から剥離する際に、2箇所で折り目を形成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6672515号公報
【文献】特許第6406743号公報
【文献】特許第6457130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
まつげエクステンションは、目をより大きく、はっきり見せたいという希望に基づくことが多い。このため、人工まつげは、目の外側かつ上方に延びるように取り付けられる。しかしながら目の形は人によって様々に異なり、目尻の上がった形状の目(いわゆる吊り目)では、人工まつげを装着した時に目尻の上がり具合が強調されることがあった。ところがユーザの好みや流行によっては、目尻の上がりが強調されることが望まれない場合もあった。
【0007】
本発明はこの状況に鑑み、目尻の上がりを強調することなく、まつげのボリューム感を演出し、はっきりしながらも優しい雰囲気を出すことができる人工まつげを提供することを目的とする。また、このような人工まつげを装着する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは前記課題について検討を進め、次の構成によれば、前記課題を解決する人工まつげおよび人工まつげの装着方法が提供されることを見出した。すなわち本発明は、次の構成を有する。
【0009】
[1]まつげエクステンションに用いる人工まつげであって、
自まつげへの接着部位を含む第1部分と、
前記第1部分よりも先端側に位置する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する屈曲部と、を有し、
前記第2部分は全体に湾曲する形状を有しており、
前記第1部分が略水平に位置するように見るとき、前記第2部分は下向きに膨らむ湾曲部分を含み、前記下向きに膨らむ湾曲部分の最下部は前記第1部分よりも低い位置に位置するとともに、前記第2部分の先端は前記第1部分よりも高い位置に位置する、
人工まつげ。
【0010】
[2]前記人工まつげは、前記第1部分と、前記第2部分と、前記屈曲部とからなる、[1]に記載の人工まつげ。
【0011】
[3]前記第1部分の長さが0.3mm~3mmである、[1]または[2]に記載の人工まつげ。
【0012】
[4]人工まつげをユーザの自まつげに装着する方法であって、
湾曲形状を有し、根本部分が粘着性物質によって保持部材上に保持された人工まつげを、ツィザーで摘まんで前記保持部材から剥がす工程と、
前記保持部材から剥がした前記人工まつげの前記根本部分を、前記湾曲形状と逆の方向に折り曲げて、屈曲部を有する人工まつげを得る工程と、
前記根本部分の少なくとも一部に接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤を塗布した部分を前記ユーザの前記自まつげに接着させる工程と、
を含む、
人工まつげの装着方法。
【0013】
[5]前記屈曲部を有する人工まつげを得る工程は、前記保持部材から剥がした前記人工まつげの根元部分の表面側を、前記ツィザーで前記保持部材に押し付けるようにして、前記湾曲形状と逆の方向に折り曲げる工程である、
[4]に記載の人工まつげの装着方法。
【0014】
[6]前記屈曲部を有する人工まつげは、[1]から[3]のいずれか1項に記載の人工まつげである、[4]または[5]に記載の人工まつげの装着方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、目尻の上がりを強調することなく、まつげのボリューム感を演出し、はっきりしながらも優しい雰囲気を出すことができる人工まつげが提供される。また、本発明によれば、そのような人工まつげを作り出し、ユーザに装着する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の人工まつげのバリエーションの例を示す図である。
【
図3】本発明の人工まつげを装着した状態を示す模式図である。
【
図4】本発明の人工まつげを得る方法を示す図である。
【
図5】本発明の人工まつげの装着方法を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。なお、本明細書において、「ユーザ」とは自まつげに人工まつげを装着される者(施術対象者)を意味し、「施術者」とはまつげエクステンションをユーザに対して施術する美容技術者を意味する。
【0018】
図1は本発明の人工まつげ1を示す。
図1を参照して、人工まつげ1は、第1部分としての根本部10と、第2部分としての湾曲部20と、を有する。人工まつげ1は屈曲部30において屈曲しており、屈曲部30が根本部10と湾曲部20との境界である。人工まつげ1は、根本部10が相対的に太く、先端は細く形成されている。人工まつげ1は、長さ方向に直交する断面が円形に形成されていてもよい。人工まつげ1の断面の形状は、円形のほか、楕円形、四角形、角の丸い四角形、凹部のある矩形等であってもよく、特に制限されない。また、人工まつげ1の断面の形状は、根本から先端まで大きさのみが異なる同一形状であってもよいし、根本部と先端で異なる形状とされていてもよい。例えば、根本部は自まつげへの接着が容易になるように扁平断面に形成され、先端部は円形断面に形成されていてもよい。
【0019】
人工まつげ1を側方から見る状態(すなわち
図1の状態)において、人工まつげ1の根本部10は、おおむね直線的に形成されている。根本部10の長さは特に制限されず、例えば、0.3mm~3mm程度とすることができ、0.3mm~2mmとすることがより好ましい。根本部10は、ユーザの自まつげへの接着部位を含む。ユーザの自まつげの根本付近に、人工まつげ1の根本部10が接着される。人工まつげ1は、屈曲部30において屈曲している。根本部10が略水平方向に位置するように見るとき(すなわち
図1の状態)、屈曲部30において、人工まつげ1は下向きに屈曲している。「下向きに」とは、屈曲部30の先端側の部分20cが、根本部10を水平方向に延長した仮想線L
1よりも下向きに延びていることを意味する。
【0020】
人工まつげ1において、屈曲部30よりも先端側が、全体に湾曲形状を有する湾曲部20である。湾曲部20は、根本部10が略水平方向に位置するように見るとき、下向きに膨らむ下向きカーブ部20aを含む。下向きカーブ部20aの最下部は、根本部10よりも低い位置に位置する。下向きカーブ部20aは、最下部から先端20bまで、湾曲しながら上方に延びる。先端20bは、根本部10よりも高い位置に位置する。湾曲部20の曲率は、部分20cから先端20bにかけて一定であってもよいし、曲率の異なる部分が組み合わされていてもよい。
【0021】
上述のとおり人工まつげ1は、屈曲部30において下向きに屈曲し、下向きカーブ20aを有する。この構成によって、自まつげの目尻部分に人工まつげを装着した際に、上方に延びる目のラインが強調されすぎることがなく、はっきりしながらも優しい雰囲気を演出できる。
【0022】
従来、まつげエクステンションに用いる人工まつげは上方にカールするものであった。
図6は、従来の人工まつげの例を示す。
図6を参照して、人工まつげ100は、おおむね直線状である根本部110と、湾曲しつつ上方に延びる湾曲部120と、を有する。湾曲部120は、人工まつげ100が屈曲部130において上向きに屈曲することによって、上方に延びるようにされている。すなわち、
図1の人工まつげ10と、
図6の人工まつげ100とは、屈曲部において屈曲する方向が互いに異なる。
【0023】
図2は本発明に従う人工まつげ1のバリエーションを示す。
図2に示された4種類の人工まつげは、多くの構成が
図1に示された人工まつげ1と同様であり、屈曲部の角度が異なる。
図2に示されるとおり、屈曲部の屈曲の角度は多様なものとできる。自まつげの生える角度や長さ、目の形や大きさ等を考慮して、最終的な仕上がりのイメージに基づいて使用する人工まつげを選択できる。例えば、自まつげが比較的下向きの場合やまつげを下げたい程度が小さい場合は、屈曲部の屈曲角度が比較的小さいもの(
図2のa、b)を選択できる。また自まつげが比較的上向きの場合やまつげを下げたい程度が大きい場合の場合には、屈曲が大きいもの(
図2のc、d)を選択できる。仕上がりの際にまつげの下がり方が均一になるように、屈曲角度の異なる人工まつげを組み合わせて使用できる。
【0024】
図1、
図2において例示された人工まつげは根本部がほぼ直線状であるが、本発明の人工まつげはこれに制限されない。例えば、根本部の一部または全部が若干湾曲していてもよい。また、
図1、
図2において例示された人工まつげは、根本部と、屈曲部と、湾曲部とからなるが、本発明の人工まつげはさらなる部分を含んでもよい。例えば、直線状あるいは曲線状に形成された部分がさらに組み合わされていてもよく、2箇所の屈曲部を含んでもよい。
【0025】
図3は、本発明の人工まつげ1をユーザに装着した状態を示す模式図である。
図3を参照して、人工まつげ1は、ユーザの上まつげ2の目尻側に装着されている。人工まつげ1の1本1本が、上まつげ2の根本に接着されている。ユーザの目は目頭よりも目尻の位置が高い、いわゆる吊り目であるが、人工まつげ1を装着すると目尻側でのまつげのラインが下向きになり、上方に延びる目のラインが強調されにくくなる。人工まつげ1の装着位置は特に制限されず、ユーザの上まつげの目頭から目尻までの任意の位置および幅に装着できる。例えば、ユーザの上まつげの目尻付近から目の幅の1/2程度の幅にわたって装着できる。
【0026】
本発明の人工まつげは、予め所定の形状に形成されていてもよい。また、市販品されている人工まつげを施術前に施術者が折り曲げることによって、本発明の人工まつげを得ることもできる。
図4に、市販品の人工まつげを折り曲げて本発明の人工まつげを得る方法の例を示す。
【0027】
図4を参照して、市販のまつげエクステンション用人工まつげを準備する(
図4(1))。準備する人工まつげとしては特に制限されず、仕上がり状態のイメージに合わせた太さ、長さ、およびカールを有するものを適宜選択して用いる。太さは、例えば直径0.05mmから0.2mm程度の中から選択できる。ユーザの自まつげと同じ程度の太さ、あるいは、自まつげよりも太いものを選択することが好ましい。長さは、例えば5mmから15mm程度の中から選択できる。ユーザの自まつげよりも2mmから3mm程度長いものを選択することが好ましい。
【0028】
市販品であるまつげエクステンション用人工まつげは、多数の人工まつげ50が台紙51の上に保持された状態で市販されている。台紙51には、粘着性物質を含む保持部材52が取り付けられており、人工まつげ50は粘着性物質によって保持部材52上に保持されている。人工まつげ50の1本1本は、保持部材52の上に互いに近接して並ぶように配置されている。保持部材52は、平面状の粘着シートである。例えば、保持部材52の短辺は2~3mm程度であり、長辺は50~120mm程度である。人工まつげ50の根本が、保持部材52に貼り付けられて保持されている。人工まつげ50の先端側は上方にカールし、台紙51および保持部材52から離れた状態になっている。
【0029】
保持部材52から、人工まつげ50のうちの1本をツィザー61で摘まんで剥離する(
図4(2))。この時、ツィザー61で摘まむ場所は、人工まつげ50が保持部材52から離れる位置の近くであることが好ましい。人工まつげ50は、保持部材52から全体を剥がすように剥離する。
【0030】
続いて、剥がした人工まつげ50の根本部(保持部材に保持されていた部分)の表面側を、保持部材52に押し付けるようにして、人工まつげを折り曲げる(
図4(3))。言い換えると、人工まつげ50の湾曲形状と逆の方向に、人工まつげ50を山折りに折り曲げる。確実に屈曲させるために、2~5回程度繰り返してツィザー61で押し付けるようにしてもよい。この時、前工程においてツィザー61で摘まんだ位置は、所望の折り曲げ位置に応じて、そのまま保持するのでもよく、持ち替えてもよい。折り曲げる根本部分の長さが0.3mm~3mm程度となるようにできる。折り曲げる根本部分の長さは、0.3mm~2mmであればより好ましい。
図4に示す例では、保持部材52の粘着性を利用して、剥がした人工まつげ50を再び粘着部材52に保持させることで、容易に折り曲げることができる。人工まつげ50の元の湾曲と逆方向に折り曲げるために、一旦剥がした人工まつげの表面側を、粘着部材52に保持させて押し付ける。
【0031】
続いて、折り曲げた人工まつげ50を保持部材52から持ち上げる(
図4(4))。この時、折り曲げ部分の角度が所望の角度となるように微調整してもよい。持ち上げた人工まつげ50をいったん保持部材52上に立てるように保持させ、ツィザーで別の位置を摘まみ直してもよい(
図4(5))。このようにして本発明の人工まつげが得られる。
【0032】
本発明はまた、ユーザの自まつげに人工まつげを装着する方法に関する。
図5に本発明の人工まつげの装着方法のフローを示す。
図5を参照して、台紙の保持部材上に保持されている湾曲形状の人工まつげを、保持部材から剥がす(S1)。具体的には例えば、上述の手法によることができる。なお、ツィザーは、まつげエクステンションにおいて広く用いられる器具であり、ピンセットや毛抜き等、人工まつげを挟んで保持できる器具の全般を意味する。
【0033】
続いて、剥がした人工まつげの根本部分を、湾曲形状と逆方向に折り曲げる(S2)。具体的には例えば、上述の手法によることができる。なお、屈曲部の角度はこの工程によって決定されてもよいし、折り曲げ工程の後に、例えば接着の直前等に、さらに微調整されてもよい。工程S1およびS2を繰り返すことによって、施術に必要な本数の人工まつげをまとめて準備することもできる。また、工程S1およびS2は、続く工程であるユーザへの施術と連続して実施してもよいし、別の場所や別の日時において実施してもよい。
【0034】
工程S1およびS2の後に、折り曲げられた人工まつげの根本部に接着剤を塗布する(S3)。接着剤を塗布する範囲は、根本部の一部であっても全体であってもよく、根本部の長さや自まつげの状態に応じて適宜選択できる。接着剤としては、一般的にまつげエクステンションにおいてグルーと称される樹脂を適宜選択して用いることができる。
【0035】
続いて、接着剤を塗布した部分をユーザの自まつげに接着させる(S4)。本発明の人工まつげは上まつげに接着される。上まつげに人工まつげを接着させるとき、上まつげの目尻の際は避けてもよいし、目尻の際まで装着する場合もある。目頭から目尻までの任意の位置および幅に装着できるが、例えば、目尻側の1/2~1/8程度の範囲に接着させることができる。好ましくは、目尻側の1/3~1/4程度の範囲に接着させることができる。
【0036】
本発明の人工まつげの施術本数は特に制限されないが、例えば、ユーザに対して1回あたり1本~1000本程度とできる。1本の自まつげに対して1本の人工まつげを装着する、いわゆるシングルラッシュでもよく、1本の自まつげに対して複数本の人工まつげを装着する、いわゆるボリュームラッシュであってもよい。施術される人工まつげは、すべて同じ程度のカーブ、同じ長さであってもよい。また、カーブの度合いが異なるものを組み合わせて用いてもよい。さらに、長さが異なる人工まつげを組み合わせて用いてもよい。本発明の人工まつげと、他の種類の人工まつげを組み合わせて用いてもよい。
【0037】
従来、まつげエクステンションにおいて、下向きに湾曲(カール)した人工まつげは、白目にかかるため目が小さく見える等の理由で避けられていた。これに対して、本願発明の人工まつげは下向きにカーブする部分と上向きに延びる先端とを有するために、目の上向きのラインが強調されすぎることがなく、優しい雰囲気が演出される。また、目をはっきりと見せる効果にも劣ることがない。
【符号の説明】
【0038】
1、100 人工まつげ、10、110 根本部、20、120 湾曲部、20a 下向きカーブ部、20b 先端、20c 部分、30、130 屈曲部、50 人工まつげ、51 台紙、52 保持部材、61 ツィザー