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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】エアロゾル発生方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20220830BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20220830BHJP
【FI】
A24F47/00
A24F40/46
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019555445
(86)(22)【出願日】2018-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 KR2018004115
(87)【国際公開番号】W WO2018199504
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】10-2017-0055757
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0009603
(32)【優先日】2018-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジャン ウク
(72)【発明者】
【氏名】イム、フン イル
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョン ソブ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、デ ナム
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン レ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジ ス
(72)【発明者】
【氏名】イム、ワン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ムン ボン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ソン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ドゥ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ソン ウォン
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03097802(EP,A1)
【文献】特表2016-510994(JP,A)
【文献】特表2011-518638(JP,A)
【文献】国際公開第2010/110226(WO,A1)
【文献】特表2017-511123(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03085257(EP,A1)
【文献】特表2010-506594(JP,A)
【文献】国際公開第2016/159013(WO,A1)
【文献】特表2016-519937(JP,A)
【文献】国際公開第2016/062777(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置において、
前記エアロゾル発生装置が動作するのに利用される電力を供給するバッテリと、
前記エアロゾル発生装置の動作を制御する電子回路と、
液状のエアロゾル発生基材を保存する保存部、及び前記エアロゾル発生基材を加熱し、エアロゾルを発生させる第1ヒータからなる霧化器を含む液状カートリッジと、
前記エアロゾル発生装置の一端に位置し、前記発生したエアロゾルに含まれる少なくとも1つの物質を吸着させるフィルタ部を含むマウスチップと、
前記液状カートリッジと前記マウスチップとを連結する気流経路と、
前記気流経路上に位置し、前記発生したエアロゾルと共に前記マウスチップ一部を加熱するエアロゾル加熱部と、を含み、
前記エアロゾル加熱部は、前記霧化器に含まれる第1ヒータと区別される、別途の第2ヒータを含み
前記マウスチップは、前記エアロゾル加熱部を含む前記エアロゾル発生装置から着脱可能であり、
前記液状カートリッジで発生したエアロゾルが前記気流経路を通じて前記マウスチップに移動して前記エアロゾル発生装置の外部に放出される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル加熱部は、前記発生したエアロゾルを20℃ないし40℃範囲の温度に加熱することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記マウスチップは、前記マウスチップの少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記エアロゾル発生装置は、ユーザがパフ動作を遂行したり、前記ユーザが前記エアロゾル発生装置に接触したりすることを感知するセンサ部をさらに含み、
前記電子回路は、前記センサ部によって信号が感知されることにより、前記霧化器、及び前記エアロゾル加熱部のうち少なくとも一つに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記エアロゾル発生基材は、エアロゾル発生物質、ニコチン、水分及び加香物質のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生物質は、プロピレングリコール(PG)及びグリセリンのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記エアロゾル発生基材は、ゲル、または固形分形態の物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置は、
前記エアロゾル発生装置が動作するのに利用される電力を供給するバッテリと、
前記エアロゾル発生装置の動作を制御する電子回路と、をさらに含み、
前記フィルタ部は、アセテートトウフィルタ、二重フィルタ、カプセルフィルタ、チューブフィルタ、リセスフィルタ、キャビティフィルタ及びTJNSフィルタのうち1以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に対する需要が高まっている。例えば、シガレットではない液状のエアロゾル発生物質を加熱することによってエアロゾルを発生させるエアロゾル発生装置に対する需要が高まっている。それにより、液状加熱式エアロゾル発生装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
一般的なエアロゾル発生装置は、液状カートリッジ及びマウスピースを含み、液状カートリッジから発生したエアロゾルが、マウスピースを介してユーザに吸入されるように構成される。一般的なエアロゾル発生装置に含まれるマウスピースは、プラスチック素材または金属素材によって製作される。従って、ユーザは、エアロゾル発生装置のマウスピースから、一般的なシガレットを吸煙するときのような柔らかい感じ(softness)を感じ難い。また、プラスチック素材または金属素材のマウスピースは、交換に半永久的に使用されるので、ユーザがエアロゾル発生装置を長期間使用する場合、ユーザの口が当たるマウスピースに衛生上の問題が生じる。
【0004】
一方、エアロゾル発生装置の液状カートリッジから発生したエアロゾルが、マウスピースを介してユーザに伝達される過程において、エアロゾルの温度が低くなるので、ユーザは、一般的なシガレットを吸煙するときのような、エアロゾルの温熱感を感じ難く、温度が低くなったエアロゾルがさらに液化されることにより、液滴発生または液飲み込み現象が生じてしまう。液状加熱式エアロゾル発生装置が、ユーザにさらに向上した喫煙経験を提供するためには、前述の問題点を解決するための技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル発生方法及びその装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の多様な実施形態は、液状のエアロゾル発生基材を保存する保存部、及びエアロゾル発生基材を加熱し、エアロゾルを発生させる霧化器を含む液状カートリッジ;エアロゾル発生装置の一端に位置し、発生したエアロゾルに含まれる少なくとも1つの物質を吸着させるフィルタ部を含むマウスチップ;及び発生したエアロゾルがマウスチップを介してユーザに吸入されるとき、発生したエアロゾルを加熱するエアロゾル加熱部を含むエアロゾル発生装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、エアロゾル発生方法及びその装置を提供することができる。具体的には、本開示によるエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の一端に位置し、エアロゾルに含まれる少なくとも1つの物質を吸着させるフィルタ部を含むマウスチップを提供することができる。本開示によるエアロゾル発生装置に含まれるマウスチップは、一般的なシガレットのマウスチップ部分と同一に構成されるので、ユーザは、エアロゾル発生装置のマウスチップから、一般的なシガレットを吸煙するときのような柔らかい感じを感じることができる。また、該マウスチップは、エアロゾル発生装置から着脱されるので、ユーザがエアロゾル発生装置を長期間使用しても、マウスチップが交換されるだけで、衛生上の問題が発生しない。
【0008】
また、本開示によるエアロゾル発生装置は、発生したエアロゾルが、マウスチップを介してユーザに吸入されるとき、発生したエアロゾルを加熱するエアロゾル加熱部を提供することができる。従って、液状カートリッジから発生したエアロゾルが、マウスチップを介してユーザに伝達される過程において、さらに加熱されるので、ユーザは、一般的なシガレットを吸煙するときのような、エアロゾルの温熱感を感じることができ、温度が低くなったエアロゾルがさらに液化されることによる液滴発生または液飲み込み現象が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一部実施形態によるエアロゾル発生装置の構成を示す図面である。
図2】一部実施形態によるエアロゾル発生装置から着脱可能なマウスチップの例示を示す図面である。
図3】一部実施形態によるエアロゾル発生装置にマウスチップを固定させるための固定手段の例示を示す図面である。
図4】一部実施形態によるマウスチップの少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜の例示を示すフローチャートである。
図5】一部実施形態によるエアロゾル発生装置の動作例示を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
エアロゾル発生装置は、液状のエアロゾル発生基材を保存する保存部、及び前記エアロゾル発生基材を加熱し、エアロゾルを発生させる霧化器を含む液状カートリッジ;前記エアロゾル発生装置の一端に位置し、前記発生したエアロゾルに含まれる少なくとも1つの物質を吸着させるフィルタ部を含むマウスチップ;及び前記発生したエアロゾルが前記マウスチップを介してユーザに吸入されるとき、前記発生したエアロゾルを加熱するエアロゾル加熱部を含んでもよい。
【0011】
前記エアロゾル加熱部は、前記液状カートリッジと前記マウスチップとを連結する気流経路上に位置することができる。
【0012】
また、前記エアロゾル加熱部は、前記霧化器に含まれるヒータと区別される、別途のヒータまたは熱発生物質を含んでもよい。
【0013】
一部実施形態において、前記エアロゾル加熱部は、前記発生したエアロゾルを20℃ないし40℃範囲の温度に加熱することができる。
【0014】
一部実施形態において、前記エアロゾル加熱部は、前記マウスチップの少なくとも一部を加熱することができる。
【0015】
一部実施形態において、前記マウスチップは、前記マウスチップの少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜を含んでもよい。
【0016】
また、前記マウスチップは、前記エアロゾル発生装置から着脱可能である。
【0017】
一方、前記エアロゾル発生装置は、負圧センサ、近接センサ及び赤外線センサのうち少なくとも一つを含むセンサ部をさらに含んでもよく、前記電子回路は、前記センサ部によって信号が感知されることにより、前記霧化器、及び前記エアロゾル加熱部のうち少なくとも一つに電力を供給することができる。
【0018】
前記エアロゾル発生基材は、エアロゾル発生物質、ニコチン、水分及び加香物質のうち少なくとも一つを含んでもよく、前記エアロゾル発生物質は、プロピレングリコール(PG)及びグリセリンのうち少なくとも一つを含んでもよい。また、前記エアロゾル発生基材は、ゲル、または固形分形態の物質を含んでもよい。
【0019】
一方、前記フィルタ部は、アセテートトウ(tow)フィルタ、二重フィルタ、カプセルフィルタ、チューブフィルタ、リセスフィルタ、キャビティフィルタ及びTJNSフィルタのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0020】
また、前記エアロゾル発生装置は、前記エアロゾル発生装置が動作するのに利用される電力を供給するバッテリと、前記エアロゾル発生装置の動作を制御する電子回路と、をさらに含んでもよい。
【0021】
以下、添付された図面を参照しながら、ただ例示のための実施形態について詳細に説明する。以下の説明は、実施形態を具体化するためのものであるのみ、発明の権利範囲を制限したり限定したりするものではないということは言うまでもない。詳細な説明、及び実施形態から、当該技術分野の当業者であるならば、容易に類推することができることは、権利範囲に属すると解釈される。
【0022】
本明細書で使用される「構成される」または「含む」というような用語は、明細書上に記載されたさまざまな構成要素、またはさまざまな段階を必ずしもいずれも含むものであると解釈されるものではなく、そのうち一部構成要素または一部段階は、含まれず、あるいは追加的な構成要素または段階をさらに含んでもよいと解釈されなければならない。
【0023】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」というような序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用することができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されるものではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0024】
本明細書で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野の当業者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたった内容を基に定義されなければならない。
【0025】
明細書全体において、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を介してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル発生物質を利用し、エアロゾルを発生させる装置でもある。
【0026】
明細書全体において、「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を介し、任意の物質をユーザの口腔内、鼻腔内または肺に引き入れる状況を意味する。
【0027】
本実施形態は、エアロゾル発生方法及びその装置に係わるものであり、以下の実施形態が属する技術分野において当業者に広く知られている事項については、詳細な説明を省略する。
【0028】
図1は、一部実施形態によるエアロゾル発生装置の構成を示す図面である。
【0029】
図1を参照すれば、エアロゾル発生装置10は、液状カートリッジ110、マウスチップ120、エアロゾル加熱部130、バッテリ140及び電子回路150を含んでもよい。一方、図1に図示されたエアロゾル発生装置10には、本実施形態と係わる構成だけが図示されている。従って、図1に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル発生装置10にさらに含まれてもよいということは、本実施形態と係わる技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0030】
液状カートリッジ110は、液状のエアロゾル発生基材を保存する保存部(図示せず)、及びエアロゾル発生基材を加熱し、エアロゾルを発生させる霧化器(図示せず)を含んでもよい。該保存部は、液状のエアロゾル発生基材を保存するために、外面の少なくとも一部が密閉された形態にも構成される。また、該保存部は、毛細管芯(capillary wick)を含んでもよい。該毛細管芯は、液体の表面張力を利用し、保存部に保存されたエアロゾル発生基材を霧化器に伝達することができる。
【0031】
該霧化器は、エアロゾル発生基材を加熱し、エアロゾルを発生させるためのヒータを含んでもよい。該ヒータは、メッシュ(mesh)形態でもあり、コイル(coil)形態でもあるが、それらに制限されるものではない。該ヒータは、保存部に保存されたエアロゾル発生基材を加熱することができる形態であるならば、制限なしに該当する。該ヒータは、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、加熱要素は、電気伝導性トラック(track)を含み、該電気伝導性トラックに電流が流れることにより、加熱要素が加熱される。ただし、それは例示に過ぎず、それに制限されるものではない。
【0032】
一方、該霧化器は、ヒータの代わりに、液状のエアロゾル発生基材を加熱せず、エアロゾルを発生させるモジュールを含んでもよい。例えば、該霧化器は、液状のエアロゾル発生基材が、拡散または蒸発を介して気流経路でエアロゾル化されるように誘導するモジュールを含んでもよい。
【0033】
また、該霧化器は、液状のエアロゾル発生基材を加熱することにより、エアロゾルを発生させるヒータ、及び液状のエアロゾル発生基材を加熱せずにエアロゾルを発生させるモジュールをいずれも含んでもよい。
【0034】
該エアロゾル発生基材は、エアロゾル発生物質、ニコチン、水分及び加香物質のうち少なくとも一つを含んでもよい。また、該エアロゾル発生基材は、桂皮、カプサイシンなど多様な添加物質を含んでもよい。該エアロゾル発生基材は、流動性が大きい液体物質だけではなく、ゲル、または固形分形態の物質を含んでもよい。
【0035】
該エアロゾル発生物質は、エアロゾルを発生させることができる物質を意味し、エアロゾル形成基質をも意味する。該エアロゾル発生物質は、揮発性化合物を含んでもよい。例えば、該エアロゾル発生物質は、プロピレングリコール(PG)及びグリセリンのうち少なくとも一つを含んでもよい。また、該エアロゾル発生物質は、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【0036】
一方、該エアロゾル発生基材に含まれるニコチンは、葉タバコ抽出液、葉タバコ抽出液から抽出された特定成分、及びニコチン誘導体のうち少なくとも一つを含んでもよい。該葉タバコ抽出液は、葉タバコから抽出されたニコチン、及びそれ以外の成分のうち一部を選択的に含んでもよい。該ニコチン誘導体は、ニコチングループのうち、特定ニコチンを化学的に分類する方式によっても選択され、ニコチン分子に作用基を結合させる方式により、新たな機能を付与される。また、該ニコチン誘導体は、ニコチン陽イオンに陰イオンを結合させることによって生成されたニコチン塩にも該当する。
【0037】
マウスチップ120は、エアロゾル発生装置10の一端に位置し、液状カートリッジ110から発生したエアロゾルに含まれる少なくとも1つの物質を吸着させるフィルタ部(図示せず)を含んでもよい。マウスチップ120は、一般的なシガレットのマウスチップ部分と同一にも構成される。それにより、マウスチップ120は、ユーザに、一般的なシガレットと類似した感じを付与することができ、柔らかい感じを付与することができる。また、マウスチップ120に含まれるフィルタ部は、液状カートリッジ110の保存部内の液状がユーザの口に流れこむ現象を防止することができる。
【0038】
マウスチップ120に含まれるフィルタ部は、アセテートトウフィルタ、二重フィルタ、カプセルフィルタ、チューブフィルタ、リセスフィルタ、キャビティフィルタ及びTJNSフィルタのうち1以上を含んでもよい。例えば、マウスチップ120に含まれるフィルタ部は、アセテートトウフィルタ、二重フィルタ、カプセルフィルタ、チューブフィルタ、リセスフィルタ、キャビティフィルタ及びTJNSフィルタのうち一つによっても構成される。また、マウスチップ120に含まれるフィルタ部は、アセテートトウフィルタ、二重フィルタ、カプセルフィルタ、チューブフィルタ、リセスフィルタ、キャビティフィルタ及びTJNSフィルタのうち2以上の組み合わせによっても構成される。
【0039】
該アセテートトウフィルタは、セルロースアセテートがトウ形態に加工されたフィルタを意味する。該二重フィルタは、アセテートトウフィルタに少なくとも1つの物質を吸着させる炭素充填物質が結合されたフィルタを意味する。該炭素充填物質は、炭素、活性炭素及び炭素質重合体のうち少なくとも一つを含んでもよい。例えば、該炭素充填物質は、ココナッツ系活性炭素、ナット皮、核果、炭、褐炭、有機重合体のうち少なくとも一つによって構成される活性炭素でもあるが、それらに制限されるものではない。該炭素充填物質は、少なくとも1つの物質を吸着させることができる任意の適切な物質を含んでもよい。
【0040】
該カプセルフィルタは、アセテートトウフィルタ内部にカプセルが含まれる形態のフィルタを意味する。カプセル内には、加香物質またはタバコ物質などが含まれてもよい。ただし、カプセル内に含まれる物質は、前述の例に限定されるものではない。
【0041】
一方、該チューブフィルタは、チューブ形状のフィルタを意味し、該リセスフィルタは、末端に空スペースまたは凹部を含むフィルタを意味する。該キャビティフィルタは、フィルタ中間に空スペースを含むフィルタを意味する。該キャビティフィルタの空洞には、加香物質、炭素、水などが含まれてもよい。該TJNSフィルタは、アセテートトウフィルタを製造する過程において、加香成分を添加することによって製造されるフィルタを意味する。
【0042】
マウスチップ120は、円柱形状でもあり、空洞を含んでもよい。ただし、マウスチップ120の形状は、前述の例に限定されるものではなく、多角形断面を有することもできる。一方、マウスチップ120は、エアロゾル発生装置10から着脱される。それにより、マウスチップ120は、エアロゾル発生装置10から分離されて交換もされる。以下、図2を参照し、マウスチップ120がエアロゾル発生装置10から着脱可能な場合について詳細に説明する。
【0043】
図2は、一部実施形態によるエアロゾル発生装置から着脱可能なマウスチップの例示を示す図面である。
【0044】
図2を参照すれば、マウスチップ120は、エアロゾル発生装置10から長手方向にも着脱される。マウスチップ120は、エアロゾル発生装置10から分離されて交換もなされる。マウスチップ120は、ユーザの口が触れる部分であり、周期的に交換される必要がある。従来のエアロゾル発生装置に含まれるマウスピースとは異なり、本開示によるエアロゾル発生装置10に含まれるマウスチップ120は、交換されるので、ユーザが、エアロゾル発生装置10を長期間使用しても衛生上問題が生じない。
【0045】
マウスチップ120は、エアロゾル発生装置10に挿入される場合、エアロゾル発生装置10に具備された固定手段(図示せず)によっても固定される。以下、図3を参照し、エアロゾル発生装置10にマウスチップ120を固定させるための固定手段について詳細に説明する。
【0046】
図3は、一部実施形態によるエアロゾル発生装置にマウスチップを固定させるための固定手段の例示を示す図面である。
【0047】
図3を参照すれば、エアロゾル発生装置10は、マウスチップ120がエアロゾル発生装置10に挿入される場合、マウスチップ120を固定させるための少なくとも1つの固定手段310を含んでもよい。少なくとも1つの固定手段310は、スプリング形態に構成され、マウスチップ120に圧力をかけることにより、マウスチップ120を固定させることができる。ただし、それは例示に過ぎず、少なくとも1つの固定手段310は、マウスチップ120を固定させるのに適切な任意の形態によっても構成され、先の例示に制限されるものではない。
【0048】
再び図1に戻り、エアロゾル加熱部130は、液状カートリッジ110によって発生したエアロゾルを加熱することができる。そして、ユーザは、エアロゾル加熱部130によって加熱されたエアロゾルを吸入することができる。エアロゾル加熱部130は、液状カートリッジ110及びマウスチップ120を連結する気流経路上に位置することができる。エアロゾル加熱部130が気流経路を通過するエアロゾルを加熱することにより、ユーザは、一般的なシガレットを吸煙するときと同じエアロゾルの温熱感を感じることができる。また、該気流経路を通過しながら、温度が低くなったエアロゾルが再び液化されることによる液滴発生または液飲み込み現象が防止される。
【0049】
エアロゾル加熱部130は、霧化器に含まれるヒータと区別される、別途のヒータ、または熱発生物質を含んでもよい。例えば、エアロゾル加熱部130は、エアロゾルを加熱するヒータを含んでもよく、エアロゾルの通過によって熱を発生させる熱発生物質を含んでもよい。ただし、それらに制限されるのではない。
【0050】
一方、エアロゾル加熱部130に含まれるヒータは、シリンダ(cylinder)形態でもある。それにより、エアロゾル加熱部130に含まれるヒータは、ヒータ内部の空スペースを通過するエアロゾルを加熱するようにも構成される。ただし、それに制限されるのではなく、エアロゾル加熱部130に含まれるヒータは、エアロゾルを加熱するために適切な任意の形態にも構成される。
【0051】
例えば、エアロゾル加熱部130は、液状カートリッジ110から発生したエアロゾルを、20℃ないし40℃範囲の温度に加熱することができる。または、エアロゾル加熱部130は、液状カートリッジ110から発生したエアロゾルを、50℃前後の範囲で加熱することもできる。しかし、エアロゾルが加熱される温度は、前述の温度に限定されるものではない。エアロゾル加熱部130は、ユーザに、一般的なシガレットを吸煙するときと同じエアロゾルの温熱感を提供するために、適切な任意の温度でエアロゾルを加熱することができる。また、エアロゾル加熱部130は、液状カートリッジ110から発生したエアロゾルが、マウスチップ120を通過する気流経路上で再び液化されることによって生じる液滴発生または液飲み込み現象を防止させる任意の適切な温度でエアロゾルを加熱することができる。
【0052】
一方、エアロゾル加熱部130は、マウスチップ120の少なくとも一部を加熱することができる。エアロゾル加熱部130は、マウスチップ120の少なくとも一部を加熱することにより、ユーザがマウスチップ120を口にする場合、温熱感を感じさせる。それにより、エアロゾルを介した温熱感だけではなく、マウスチップ120との接触から感じられる温熱感がユーザに提供される。また、一般的なシガレットを吸煙するときと同じ喫煙経験がユーザに提供される。
【0053】
マウスチップ120の少なくとも一部は、エアロゾル加熱部130に含まれるヒータまたは熱発生物質によっても加熱される。ただし、それは、例示に過ぎず、マウスチップ120の少なくとも一部は、マウスチップ120内部に含まれた発熱体によっても加熱される。一方、エアロゾル加熱部130は、マウスチップ120の性質に影響を与えない適切な温度範囲内において、マウスチップ120を加熱することができる。例えば、エアロゾル加熱部130は、マウスチップ120を、20℃ないし40℃範囲の温度に加熱することができる。ただし、前述の温度に限定されるものではない。
【0054】
マウスチップ120は、マウスチップ120の少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜を含んでもよい。それにより、マウスチップ120の少なくとも一部がエアロゾル加熱部130によって加熱されるとき、エアロゾル加熱部130からの熱伝導性が上昇する。以下、図4を参照し、マウスチップ120の少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜について詳細に説明する。
【0055】
図4は、一部実施形態によるマウスチップの少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜の例示を示すフローチャートである。
【0056】
図4を参照すれば、マウスチップ120の少なくとも一部を取り囲むアルミニウム薄膜410の例示が図示されている。アルミニウム薄膜410は、熱伝導性が高いアルミニウム素材によって製造された薄膜であるので、アルミニウム薄膜410により、マウスチップ120に伝達される熱の伝導性が上昇する。アルミニウム薄膜410は、図4に図示されているように、マウスチップ120外面の全部を取り囲むことができる。ただし、図4に図示された例に限定されるものではなく、アルミニウム薄膜410は、任意の適切な形態で、マウスチップ120の少なくとも一部を取り囲むことができる。また、アルミニウム薄膜410は、マウスチップ120の内部に位置することもできる。例えば、マウスチップ120が空洞形状である場合アルミニウム薄膜410は、マウスチップ120内面の少なくとも一部を取り囲むように位置することができる。
【0057】
再び図1に戻り、バッテリ140は、エアロゾル発生装置10が動作するのに利用される電力を供給することができる。例えば、バッテリ140は、液状カートリッジ110の霧化器に含まれるヒータ、及びエアロゾル加熱部10に含まれるヒータが加熱されるように、電力を供給することができ、電子回路150が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ140は、エアロゾル発生装置10に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0058】
バッテリ140は、リチウムリン酸鉄(LiFePO)バッテリでもあるが、前述の例に限定されるものではない。例えば、バッテリ140は、酸化リチウムコバルト(LiCoO)バッテリ、リチウムチタン酸塩バッテリなどが該当する。
【0059】
電子回路150は、エアロゾル発生装置10の動作を全般的に制御することができる。例えば、電子回路150は、液状カートリッジ110、エアロゾル加熱部130及びバッテリ140の動作を制御することができ、エアロゾル発生装置10に含まれた他の構成の動作も制御することができる。電子回路150は、バッテリ140が供給する電力、液状カートリッジ110の霧化器に含まれるヒータ、及びエアロゾル加熱部10に含まれるヒータの温度などを制御することができる。電子回路150は、エアロゾル発生装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル発生装置10が動作可能な状態であるな否かということを判断することもできる。
【0060】
電子回路150は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。例えば、該プロセッサは、MCUでもあるが、それに制限されるものではない。
【0061】
具体的には、電子回路150は、液状カートリッジ110の霧化器に含まれるヒータ、及びエアロゾル加熱部10に含まれるヒータの動作を制御することができる。電子回路150は、液状カートリッジ110の霧化器に含まれるヒータ、及びエアロゾル加熱部10に含まれるヒータが所定温度まで加熱されたり、適切な温度を維持したりするように、液状カートリッジ110の霧化器に含まれるヒータ、及びエアロゾル加熱部10に含まれるヒータに供給される電力量、及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0062】
また、電子回路150は、バッテリ140の状態(例えば、バッテリ140の残量など)を確認し、必要な場合、お知らせ信号を生成することができる。また、電子回路150は、ユーザのパフ有無及びパフ強度を確認することができ、パフ数を計数することができる。また、電子回路150は、エアロゾル発生装置10が作動している時間を続けて確認することができる。
【0063】
一方、エアロゾル発生装置10は、ユーザ入力を受信するための入力装置(図示せず)をさらに含んでもよい。該入力装置は、スイッチまたはボタンによっても具現されるが、それらに制限されるものではない。例えば、該入力装置は、タッチスクリーンによっても具現される。電子回路150は、ユーザがスイッチまたはボタンを作動させることによってエアロゾルが発生するように、エアロゾル発生装置10を制御することができる。
【0064】
また、エアロゾル発生装置10は、負圧センサ、近接センサ及び赤外線センサのうち少なくとも一つを含むセンサ部(図示せず)をさらに含んでもよい。ただし、エアロゾル発生装置10に含まれるセンサの例は、前述のセンサの種類に限定されるものではない。該センサ部は、ユーザがパフ動作を遂行したり、ユーザがエアロゾル発生装置10に接触したりすることを感知することができる。電子回路150は、センサ部によって信号が感知されることにより、液状カートリッジ110に含まれる霧化器及びエアロゾル加熱部130のうち少なくとも一つに電力を供給することができる。それにより、エアロゾル発生装置10は、別途の入力装置を具備することなしにも、ユーザがパフ動作を遂行したり、ユーザがエアロゾル発生装置10に接触したりすることを感知することにより、エアロゾルを発生させることができる。
【0065】
エアロゾル発生装置10は、メモリ(図示せず)をさらに含んでもよい。該メモリは、エアロゾル発生装置10内で処理される各種データを保存するハードウェアであり、例えば、該メモリは、エアロゾル発生装置10で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。また、該メモリは、エアロゾル発生装置10によって駆動されるアプリケーション、ドライバなどを保存することができる。
【0066】
該メモリは、DRAM(dynamic random access memory)・SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、CD-ROM(compact disc read only memory)、ブルーレイ(Blu-ray(登録商標)、または他の光学ディスクストレージ、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、あるいはフラッシュメモリを含み、さらに、エアロゾル発生装置10にアクセスされる外部の他のストレージデバイスを含んでもよい。
【0067】
以下、図5を参照してエアロゾル発生装置10が動作する具体的な方式について詳細に説明する。
【0068】
図5は、一部実施形態によるエアロゾル発生装置の動作例示を示す図面である。
【0069】
図5を参照すれば、エアロゾル発生装置10は、少なくとも1つの空気入口510を含んでもよく、少なくとも1つの空気入口510からエアロゾル発生装置10内部に流入された空気は、液状カートリッジ110及びマウスチップ120を連結する気流経路520を通過することができる。図5には、少なくとも1つの空気入口510が、液状カートリッジ110の側面に位置するように図示されているが、それに制限されるものではない。少なくとも1つの空気入口510は、エアロゾル発生装置10の任意の適切な部分に位置することができる。例えば、少なくとも1つの空気入口510は、バッテリ140及び制御部150を含むハウジングの外面の少なくとも一部に位置することができる。
【0070】
一方、液状カートリッジ110の霧化器に含まれる第1ヒータ530により、保存部に保存されていたエアロゾル発生基材が加熱され、エアロゾルが生じる。発生したエアロゾルは、少なくとも1つの空気入口510からエアロゾル発生装置10内部に流入された空気と共に、気流経路520を通過することができる。
【0071】
一方、発生したエアロゾルが気流経路520に沿って移動する過程において、エアロゾルの温度が低くなるので、ユーザは、一般的なシガレットを吸煙するとこのようなエアロゾルの温熱感を感じ難くなり、温度が低くなったエアロゾルがさらに液化されることにより、液滴発生または液飲み込み現象が生じてしまう。
【0072】
前述のような問題発生を防止するために、気流経路530上に位置するエアロゾル加熱部130に含まれる第2ヒータ540は、気流経路520上のエアロゾルをさらに加熱することができる。発生したエアロゾルがさらに加熱されることにより、ユーザは、一般的なシガレットを吸煙するときのようなエアロゾルの温熱感を感じることができ、温度が低くなったエアロゾルがさらに液化されることによる液滴発生または液飲み込み現象が防止される。
【0073】
また、エアロゾル加熱部130に含まれる第2ヒータ540は、マウスチップ120の少なくとも一部を加熱することができる。第2ヒータ540は、マウスチップ120の少なくとも一部を加熱することにより、ユーザがマウスチップ120を口にする場合、温熱感を感じさせる。それにより、エアロゾルを介した温熱感だけではなく、マウスチップ120との接触から感じられる温熱感がユーザに提供される。また、一般的なシガレットを吸煙するときのような喫煙経験がユーザに提供される。
【0074】
本実施形態と係わる技術分野で当業者であるならば、前述の記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されるということを理解することができるであろう。従って、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、本発明に含まれたものであると解釈されなければならないのである。
図1
図2
図3
図4
図5