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特許7131904生活習慣管理装置、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】生活習慣管理装置、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20220830BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20220830BHJP
【FI】
G16H10/40
G16H50/30
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017241925
(22)【出願日】2017-12-18
(65)【公開番号】P2019109685
(43)【公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-11-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】出野 徹
(72)【発明者】
【氏名】土屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】臼井 弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 皓介
(72)【発明者】
【氏名】森田 善之
(72)【発明者】
【氏名】松岡 和
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/235440(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/164484(WO,A1)
【文献】特開2010-026855(JP,A)
【文献】特表2009-529730(JP,A)
【文献】特開2009-261669(JP,A)
【文献】特開2006-102086(JP,A)
【文献】大内 一成,ウェアラブル機器を用いたヘルスケアサービス,情報処理学会研究報告 Vol.2007 No.14,日本,社団法人情報処理学会,2007年02月23日,第29-36ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の時間期間にわたるユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する生体情報取得部と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つと、喫煙と、を含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する生体情報変動検出部と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記特定の時間期間中に前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する生活習慣情報生成部と、
を備える生活習慣管理装置。
【請求項2】
前記生体情報変動検出部は、前記測定結果に基づく前記収縮期血圧又は拡張期血圧の波形に対してパターン認識を行うことにより、前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する、請求項1に記載の生活習慣管理装置。
【請求項3】
ユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する生体情報取得部と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つを含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する生体情報変動検出部と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する生活習慣情報生成部と、
を備え、
前記生体情報変動検出部は、
前記測定結果に基づく前記収縮期血圧又は拡張期血圧の波形に対して、予め設定された条件を満たす変動部分を特定する波形変動特定部と、
管理対象となる複数の生活習慣から、前記特定された変動部分を引き起こした生活習慣を選択する生活習慣選択部と、
前記選択された生活習慣を示す情報を含む前記検出結果を生成する検出結果生成部と、
を含む、生活習慣管理装置。
【請求項4】
ユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する生体情報取得部と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つを含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する生体情報変動検出部と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示し、前記ユーザが前記生活習慣を実施した回数を示す情報を含む生活習慣情報を生成する生活習慣情報生成部と、
を備える生活習慣管理装置。
【請求項5】
ユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する生体情報取得部と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つを含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する生体情報変動検出部と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する生活習慣情報生成部と、
前記生活習慣情報に基づいて、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価する危険度評価部と、
を備える生活習慣管理装置。
【請求項6】
生活習慣管理装置により実行される生活習慣管理方法であって、
特定の時間期間にわたるユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する過程と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つと、喫煙と、を含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する過程と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記特定の時間期間中に前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する過程と、
を備える生活習慣管理方法。
【請求項7】
生活習慣管理装置により実行される生活習慣管理方法であって、
ユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する過程と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つを含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する過程と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する過程と、
を備え、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する過程は、
前記測定結果に基づく前記収縮期血圧又は拡張期血圧の波形に対して、予め設定された条件を満たす変動部分を特定することと、
管理対象となる複数の生活習慣から、前記特定された変動部分を引き起こした生活習慣を選択することと、
前記選択された生活習慣を示す情報を含む前記検出結果を生成することと、
を含む、生活習慣管理方法。
【請求項8】
生活習慣管理装置により実行される生活習慣管理方法であって、
ユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する過程と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つを含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する過程と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示し、前記ユーザが前記生活習慣を実施した回数を示す情報を含む生活習慣情報を生成する過程と、
を備える生活習慣管理方法。
【請求項9】
生活習慣管理装置により実行される生活習慣管理方法であって、
ユーザの収縮期血圧又は拡張期血圧の測定結果を取得する過程と、
前記測定結果から、飲酒と服薬との少なくとも1つを含む管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動を検出する過程と、
前記収縮期血圧又は拡張期血圧の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する過程と、
前記生活習慣情報に基づいて、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価する過程と、
を備える生活習慣管理方法。
【請求項10】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の生活習慣管理装置が備える各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによる生活習慣の実施を管理する生活習慣管理装置、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウェアラブル型の生体情報測定装置の開発が進められている。ウェアラブル型の生体情報測定装置を用いると、ユーザが通常の生活を送りながら自身の生体情報を常時測定することが可能になる。ウェアラブル型の生体情報測定装置で測定された生体情報は、健康管理などの様々な場面で利用することができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ウェアラブル端末で血圧または心拍数などの生体情報を測定した測定結果を含むユーザ情報に基づいてユーザの健康状態を推定し、推定結果に基づいて適切な保険をユーザに提案する提案装置が開示されている。この提案装置では、ユーザ情報は、ユーザが吸ったタバコの本数を示す喫煙状況を含む。この喫煙状況は、スマートライターなどの端末装置でタバコに火をつけた回数に基づいて管理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-27157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示される提案装置では、例えば、汎用のライターでタバコに火をつけた場合などには、ユーザが喫煙したことが喫煙状況に反映されない。このため、この提案装置で得られる喫煙状況は正確ではない可能性がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に着目してなされたものであり、その目的は、ユーザによる生活習慣の実施を正確に管理することができる生活習慣管理装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明の一態様に係る生活習慣管理装置は、ユーザの生体情報の測定結果を取得する生体情報取得部と、管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記生体情報の変動を検出する生体情報変動検出部と、前記生体情報の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する生活習慣情報生成部と、を備える。
【0009】
上記構成によれば、ユーザの生体情報の測定結果から、ユーザが管理対象となる生活習慣を実施したことを検出することが可能となる。このため、ユーザは特定の端末装置を用いてタバコに火をつけるなどといった予め定められた動作をする必要がない。その結果、ユーザによる生活習慣の実施を正確に管理することができる。
【0010】
上記態様に係る生活習慣管理装置において、前記生体情報変動検出部は、前記測定結果に基づく前記生体情報の波形に対してパターン認識を行うことにより、前記生体情報の変動を検出してもよい。当該構成によれば、管理対象となる生活習慣に起因して生じた生体情報の変動を正確に検出することが可能になる。例えば、生体情報の変動が管理対象となる生活習慣により生じたものであるか、他の要因により生じたのかを判別することが可能である。
【0011】
上記態様に係る生活習慣管理装置において、前記生体情報変動検出部は、前記測定結果に基づく前記生体情報の波形に対して、予め設定された条件を満たす変動部分を特定する波形変動特定部と、管理対象となる複数の生活習慣から、前記特定された変動部分を引き起こした生活習慣を選択する生活習慣選択部と、前記選択された生活習慣を示す情報を含む前記検出結果を生成する検出結果生成部と、を含んでもよい。
上記構成によれば、管理対象となる生活習慣が複数ある場合において、これらの生活習慣のいずれの生活習慣をユーザが実施したのかを判別することが可能となる。この結果、ユーザによる種々の生活習慣の実施を管理することができる。
【0012】
上記態様に係る生活習慣管理装置において、前記生活習慣情報生成部は、前記ユーザが前記生活習慣を実施した回数を示す情報を含む前記生活習慣情報を生成してもよい。当該構成によれば、喫煙本数など、ユーザが管理対象となる生活習慣を実施した履歴を定量的に管理することが可能となる。
【0013】
上記態様に係る生活習慣管理装置において、前記生活習慣は、例えば、喫煙と飲酒と服薬との少なくとも1つを含む。当該構成によれば、ユーザが喫煙と飲酒と服薬との少なくとも1つを実施した履歴を管理することが可能となる。
【0014】
上記態様に係る生活習慣管理装置において、前記生体情報は、例えば、血圧を含む。当該構成によれば、血圧変動に基づいて、ユーザが管理対象となる生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報が生成される。喫煙や飲酒、服薬など、ユーザがその生活習慣を実施することに応答して血圧が変動する生活習慣について管理を行うことができる。
【0015】
上記態様に係る生活習慣管理装置は、前記生活習慣情報に基づいて、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価する危険度評価部をさらに備えてもよい。当該構成によれば、ユーザが管理対象となる生活習慣の実施に関する情報を入力することなしに、ユーザの生体情報の測定結果だけでなく、生活習慣情報も考慮して、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザによる生活習慣の実施を正確に管理することができる生活習慣管理装置および方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態に係る生活習慣管理システムを例示するブロック図。
図2】一実施形態に係る生活習慣管理システムの概略構成を例示するブロック図。
図3図2に示した血圧測定装置のハードウェア構成の一例を例示するブロック図。
図4図2に示した生活習慣管理装置のハードウェア構成の一例を例示するブロック図。
図5図2に示した血圧測定装置のソフトウェア構成の一例を例示するブロック図。
図6図2に示した生活習慣管理装置のソフトウェア構成の一例を例示するブロック図。
図7図6に示した変動検出部の構成例を例示するブロック図。
図8】血圧に対する喫煙の影響を模式的に例示するグラフ。
図9】一実施形態に係る血圧測定装置の処理手順の一例を例示するフローチャート。
図10】一実施形態に係る生活習慣管理装置の処理手順の一例を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る生活習慣管理システム10を例示している。図1に示されるように、生活習慣管理システム10は、生体情報測定装置20および生活習慣管理装置30を含む。この例では、生活習慣管理装置30は、生体情報測定装置20とは別の装置である。なお、生活習慣管理装置30は、生体情報測定装置20内に備わっていてもよい。
【0020】
生体情報測定装置20は、被測定者であるユーザに装着されるウェアラブルデバイス21に設けられ、ユーザの生体情報を測定する。図1に示される例では、ウェアラブルデバイス21は手首装着型のデバイスであり、生体情報測定装置20は、被測定部位としての手首に対して生体情報の測定を行う。なお、被測定部位は、手首に限らず、上腕などの他の部位であってもよい。生体情報は、ユーザの身体から得ることができる情報を指す。生体情報としては、血圧、脈拍、心拍、動脈血酸素飽和度、血中アルコール濃度などが例として挙げられる。生体情報測定装置20は、1種類の生体情報を測定してもよく、複数種類の生体情報を測定してもよい。
【0021】
生体情報測定装置20は、生体情報を測定した測定結果を含む測定データを生活習慣管理装置30に送信する。生体情報測定装置20と生活習慣管理装置30との間の通信は、有線通信、無線通信、または有線通信と無線通信との組み合わせにより実施される。なお、測定データは、メモリカードなどのリムーバブルメディアを用いて生活習慣管理装置30に提供されてもよい。
【0022】
生活習慣管理装置30は、生体情報測定装置20から受信した測定結果に基づいてユーザによる管理対象となる生活習慣の実施を管理する。生活習慣は、食事、運動、休養、喫煙、飲酒、服薬などに代表される、生活する上での習慣を指す。一例として、喫煙、飲酒、または服薬など、脳および心血管疾患の発症に密接に関与する生活習慣が管理対象とされる。管理対象となる生活習慣は、1種類の生活習慣であってもよく、複数種類の生活習慣であってもよい。以下では、管理対象となる生活習慣を対象生活習慣と称することもある。
【0023】
生活習慣管理装置30は、生体情報取得部31、生体情報変動検出部32、および生活習慣情報生成部33を備える。
生体情報取得部31は、ユーザの生体情報を生体情報測定装置20で測定した測定結果を取得する。
【0024】
生体情報変動検出部32は、生体情報取得部31から測定結果を受け取り、対象生活習慣に起因して生じた生体情報の変動を検出する。言い換えると、生体情報変動検出部32は、測定結果から得られる生体情報の変動に基づいて、対象生活習慣を特定する。例えば、生体情報変動検出部32は、測定結果に基づく生体情報の波形に対してパターン認識を行うことにより、対象生活習慣に起因して生じた生体情報の変動を検出する。
【0025】
生活習慣情報生成部33は、生体情報の変動の検出結果に基づいて、ユーザが対象生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する。生活習慣情報は、例えば、ユーザが対象生活習慣を実施した回数を示す情報、ユーザが対象生活習慣を実施したか否かを示す情報、またはユーザが対象生活習慣を実施した時間長を示す情報などを含む。一例として、生活習慣情報は、毎日の喫煙本数を示す情報を含む。
【0026】
上述の構成を有する生活習慣管理装置30は、生体情報測定装置20によって測定されたユーザの生体情報からユーザが対象生活習慣を実施したことを検出することができ、その検出結果に基づいて生活習慣情報を生成する。ユーザが特定の端末を操作するなどのユーザからの入力に依存することなく、生活習慣情報が生成される。このため、ユーザによる生活習慣の実施を正確に管理することができる。
【0027】
このようにして生成された生活習慣情報は、様々な場面で利用することができる。例えば、生活習慣管理装置30は、生活習慣の改善を促すために、生活習慣情報をユーザに提示してもよい。また、生活習慣管理装置30は、生活習慣情報を保険会社などの第三者に提供してもよい。保険会社は、提供された生活習慣情報を保険料の算定に利用することができる。例えば、喫煙者であるユーザが保険加入後に禁煙に成功したことが生活習慣情報により示された場合、保険の契約更新の際に保険料を引き下げることが考えられる。また、その逆もあり得る。
【0028】
以下に、本実施形態に係る生活習慣管理システムの具体例を説明する。
(システム構成)
図2は、本実施形態の一例に係る生活習慣管理システム40の概略構成を例示する。図2に示されるように、生活習慣管理システム40は、腕時計型の血圧測定装置50、生活習慣管理装置60、およびサーバ70を備える。
【0029】
血圧測定装置50は、図1に示した生体情報測定装置20に相当するものである。血圧測定装置50は、ユーザの手首に装着される。血圧測定装置50は、ユーザの血圧を測定し、測定結果を生成する。測定結果は、収縮期血圧(SBP;Systolic Blood Pressure)または拡張期血圧(DBP;Diastolic Blood Pressure)などの血圧値の時系列データを含むが、これに限定されない。例えば、測定結果は、脈波(例えば圧脈波または容積脈波)の時系列データを含んでもよい。
【0030】
生活習慣管理装置60は、図1に示した生活習慣管理装置30に相当するものである。この例では、生活習慣管理装置60は、ユーザが所有する携帯端末装置上に実装される。携帯端末装置は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット型PC(Personal Computer)、ノート型PCなどである。なお、生活習慣管理装置60は、デスクトップPCなどの据え置き型の情報処理装置(コンピュータ)上に実装されてもよい。生活習慣管理装置60は、血圧測定装置50と直接通信し、さらに、インターネットまたはモバイルネットワークなどのネットワークNWを介してサーバ70と通信する。なお、生活習慣管理装置60は、ネットワークNWを介して血圧測定装置50と通信してもよい。
【0031】
生活習慣管理装置60は、血圧測定装置50から測定結果を含む測定データを受信する。生活習慣管理装置60は、後述するように、血圧測定装置50から受信した測定結果に基づいて生活習慣情報および危険度情報を生成する。生活習慣管理装置60は、生活習慣情報と危険度情報とを含むユーザ情報を、ネットワークNWを介してサーバ70に送信する。サーバ70は、生活習慣管理装置60を含む複数の生活習慣管理装置から、複数のユーザに関するユーザ情報を収集して管理する。サーバ70は、例えば、ユーザ情報を保険会社などの第三者に提供する。
【0032】
(ハードウェア構成)
<血圧測定装置>
図3は、血圧測定装置50のハードウェア構成の一例を例示している。図3に示される血圧測定装置50は、トノメトリ法により圧脈波を測定する。ここで、トノメトリ法とは、皮膚の上から動脈を適切な圧力で押圧して動脈に扁平部を形成し、動脈内部と外部とのバランスがとれた状態で圧力センサにより非侵襲的に圧脈波を計測する方法をいう。トノメトリ法では、一心拍ごとの血圧値を得ることができる。
【0033】
血圧測定装置50は、制御部501、記憶部502、表示部503、操作部504、通信部505、電池506、センサ部507、および押圧部508を備える。
【0034】
制御部501は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。例えば、制御部501は、センサ部507の出力信号に基づいて血圧値を算出する。
【0035】
記憶部502は、例えば、半導体メモリ(例えばフラッシュメモリ)などの補助記憶装置である。記憶部502は、制御部501で実行される血圧測定プログラム、制御部501によって算出された血圧値を含む測定結果のデータなどを記憶する。血圧測定プログラムは、血圧測定装置50にユーザの血圧を測定させるためのプログラムである。
【0036】
表示部503は、測定結果などの情報を表示する。表示部503としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどを用いることができる。操作部504は、ユーザが血圧測定装置50に対する指示を入力することを可能にする。操作部504は、ユーザによる操作に応じた指示信号を制御部501に与える。操作部504は、例えば、複数のプッシュ式ボタンを含む。なお、表示部503および操作部504の組み合わせとして、タッチスクリーンが用いられてもよい。
【0037】
通信部505は、外部装置80と通信するためのインタフェースである。通信部505は、Bluetooth(登録商標)モジュールなどの近距離無線通信モジュールを含むが、これに限定されない。通信部505は、Wi-Fi(登録商標)モジュールなどの他のタイプの無線通信モジュールを含んでいてもよい。また、通信部505は、有線通信モジュールを含んでいてもよい。例えば、通信部505は、マイクロUSBコネクタを含み、USBケーブルにより外部装置80に接続されてもよい。通信部505は、外部装置80とデータをやり取りする。例えば、通信部505は、制御部501から測定結果を含む測定データを受け取り、この測定データを外部装置80に送信する。外部装置80は、例えば、図2に示される生活習慣管理装置60である。
【0038】
電池506は、例えば、充電可能な2次電池である。電池506は、血圧測定装置50内の各構成要素へ電力を供給する。電池506は、例えば、制御部501、記憶部502、表示部503、操作部504、通信部505、センサ部507、および押圧部508へ電力を供給する。
【0039】
センサ部507は、橈骨動脈が内部に存在する部位(この例では手首)に接触するように配置される。センサ部507は、その主面(手首に接触する面)に少なくとも1つの圧力センサアレイを備え、圧力センサアレイは、一方向に配列された複数の(例えば46個の)圧力センサを有する。圧力センサの配列方向は、血圧測定装置50がユーザに装着された状態において橈骨動脈が延在する方向と交差する方向である。各圧力センサは、圧力を検出し、検出した圧力を示す圧力信号を生成する。圧力センサとしては、例えば、ピエゾ抵抗式圧力センサを用いることができる。圧力信号は、増幅器で増幅され、アナログデジタル変換器でデジタル信号に変換された後に、制御部501に与えられる。サンプリング周波数は、例えば、125Hzである。
【0040】
押圧部508は、センサ部507を手首に対して押圧する。トノメトリ法では、最適な押圧条件下では圧脈波と血圧が等しくなる。押圧部508は、空気袋508A、空気袋に空気を供給するポンプ508B、および空気袋から空気を排気するための排気弁508Cを含む。制御部501による制御の下でポンプが空気袋の内圧を高めるように駆動されると、空気袋の膨張によりセンサ部507が手首に押し当てられる。なお、押圧部508は、空気袋を用いた構造に限定されず、センサ部507を手首に押し当てる力を調整できれば、いかなる構造により実現されてもよい。
【0041】
血圧測定装置50では、押圧部508によりセンサ部507が測定に適した配置に保持された状態で、血圧測定が実行される。制御部501は、例えば、圧力センサの中から選択された1つの圧力センサから出力された圧力信号に基づいて、血圧値を算出する。血圧値は、SBPおよびDBPを含むが、これに限定されない。制御部501は、算出した血圧値を、時刻情報を含む付加情報と紐付けて記憶部502に記憶させる。
【0042】
血圧測定装置50は、加速度センサ511、気圧センサ512、温湿度センサ513、およびGPS(Global Positioning System)受信機514をさらに備えていてもよい。
【0043】
加速度センサ511は、例えば、3軸加速度センサである。加速度センサ511は、互いに直交する3方向の加速度を表す加速度信号を制御部501へ出力する。制御部501は、加速度信号に基づいてユーザの活動量を算出することができる。活動量は、歩行、家事、デスクワークなどのユーザの身体活動に関連する指標である。活動量の例は、歩数、早歩き歩数、階段上がり歩数、歩行距離、消費カロリー、脂肪燃焼量を含む。制御部501は、加速度信号に基づいてユーザの寝返りの状態を検出することで、ユーザの睡眠状態を推定することもできる。
【0044】
気圧センサ512は、気圧を検出し、気圧データを制御部501へ出力する。気圧データは、活動量の算出に利用されることができる。加速度信号とともに気圧データを用いることにより、階段のぼり歩数などをより正確に算出することが可能になる。
【0045】
温湿度センサ513は、血圧測定装置50の周辺の環境温度および湿度を計測する。温湿度センサ513は、環境温度および湿度を表す環境データを制御部501へ出力する。制御部501は、環境データを時刻情報と紐付けて記憶部502に記憶させる。例えば、気温(気温の変化)は、人間の血圧変動を引き起こしうる要素の1つとして考えられる。このため、環境データは、ユーザの血圧変動の要因となりうる情報である。
【0046】
GPS受信機514は、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、受信したGPS信号を制御部501へ出力する。制御部501は、GPS信号に基づいて、血圧測定装置50の位置情報、つまり血圧測定装置50を装着しているユーザの位置を算出する。
【0047】
測定結果に紐付ける上述の付加情報は、加速度信号、気圧データ、環境データ、および位置情報を含んでもよい。
【0048】
なお、血圧測定装置50の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換および追加が可能である。例えば、制御部501は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0049】
<生活習慣管理装置>
図4は、生活習慣管理装置60のハードウェア構成の一例を例示している。図4に示されるように、生活習慣管理装置60は、制御部601、記憶部602、表示部603、操作部604、通信部605、および電池606を備える。
【0050】
制御部601は、CPU、RAM、ROMなどを含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部602は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体メモリ(例えばソリッドステートドライブ(SSD))などの補助記憶装置である。記憶部602は、制御部601で実行される生活習慣管理プログラム、および血圧測定装置50から受信された測定データなどの各種データを記憶する。生活習慣管理プログラムは、生活習慣管理装置60にユーザによる生活習慣の実施を管理させるためのプログラムである。
【0051】
表示部603および操作部604の組み合わせは、タッチスクリーンにより実現される。タッチスクリーンは、感圧式(抵抗式)または近接式(静電容量式)のいずれのものでもよい。表示部603としては、例えば、LCD、OLEDディスプレイなどを用いることができる。操作部604は、ユーザが生活習慣管理装置60に対する指示を入力することを可能にする。操作部604は、ユーザによる操作に応じた指示信号を制御部601に与える。操作部604は、複数のプッシュ式ボタンをさらに含んでもよい。なお、表示部603および操作部604は別個の装置として実現されてもよい。例えば、操作部604は、キーボードを含んでもよい。
【0052】
通信部605は、外部装置と通信するためのインタフェースである。この例では、通信部605は、外部装置81と通信するための無線通信モジュールと、外部装置82と通信するための無線通信モジュールと、を含む。例えば、通信部605は、Bluetoothモジュールを含み、外部装置81と1対1で通信する。さらに、通信部605は、Wi-Fiモジュールを含み、Wi-Fi基地局を経由してネットワークNWに接続され、ネットワークNWを介して外部装置82と通信する。なお、通信部605は、有線通信モジュールを含んでいてもよい。例えば、通信部605は、USBコネクタを含み、USBケーブルにより外部装置81に接続されてもよい。なお、外部装置81との通信は、外部装置82との通信と同じ無線通信規格に従ってもよい。
【0053】
外部装置81は、例えば、図2に示される血圧測定装置50であり、外部装置82は、例えば、図2に示されるサーバ70である。通信部605は、血圧測定装置50から測定データを受信し、この測定データを制御部601に送る。通信部605は、制御部601からユーザ情報を受け取り、このユーザ情報を、ネットワークNWを介してサーバ70に送信する。
【0054】
電池606は、例えば、充電可能な2次電池である。電池606は、生活習慣管理装置60内の各構成要素へ電力を供給する。電池606は、例えば、制御部601、記憶部602、表示部603、操作部604、および通信部605へ電力を供給する。
【0055】
生活習慣管理装置60は、加速度センサ、気圧センサ、温湿度センサ、およびGPS受信機をさらに備えていてもよい。これらは、図3に示される加速度センサ511、気圧センサ512、温湿度センサ513、およびGPS受信機514と同様であるので、これらについての説明は省略する。また、制御部601は、図3に示される制御部501に関して説明したものと同様にして、活動量および位置情報などを算出することができる。
【0056】
なお、生活習慣管理装置60の具体的なハードウェア構成に関して、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換および追加が可能である。例えば、制御部601は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、生活習慣管理装置60は、複数台の情報処理装置により実現されてもよい。
【0057】
<サーバ>
図2に示されるサーバ70のハードウェア構成の一例について簡単に説明する。
サーバ70は、例えば、制御部、記憶部および通信部を備えるコンピュータである。制御部は、CPU、RAM、ROMなどを含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行う。記憶部は、例えば、HDD、SSDなどの補助記憶装置である。記憶部は、制御部で実行される各種プログラム、生活習慣管理装置60から受信したユーザ情報などの各種データを記憶する。通信部は、外部装置と通信するためのインタフェースである。通信部は、有線通信モジュールを含むが、これに限定されない。通信部は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルによりルーターに接続され、ルーターおよびONU(Optical Network Unit)を経由してネットワークNWに接続される。通信部は、ネットワークNWを介して外部装置(例えば図2に示される生活習慣管理装置60)と通信する。
【0058】
(ソフトウェア構成)
<血圧測定装置>
図5を参照して、血圧測定装置50のソフトウェア構成の一例を説明する。
血圧測定装置50の制御部501(図3)は、記憶部502に記憶された血圧測定プログラムをRAMに展開する。そして、制御部501は、RAMに展開された血圧測定プログラムをCPUにより解釈および実行して、各構成要素を制御する。これによって、図5に示されるように、血圧測定装置50は、押圧制御部551、最適圧力センサ選択部552、および血圧値算出部553を備えるコンピュータとして機能する。
【0059】
押圧制御部551は、押圧部508を制御する。具体的には、押圧制御部551は、ポンプ508Bの駆動および排気弁508Cの開閉を制御する。押圧制御部551は、空気袋508Aへ空気を供給するために、ポンプ508Bを駆動するための駆動信号を押圧部508に与える。押圧制御部551は、空気袋508Aから空気を排気するために、排気弁508Cを開くための駆動信号を押圧部508に与える。
【0060】
最適圧力センサ選択部552は、センサ部507の圧力センサの中から最適圧力センサを選択する。センサ部507が押圧部508により手首に押圧されると、橈骨動脈に平坦な部分が生じる。橈骨動脈のこの平坦部分に位置する圧力センサによって検出される圧脈波は、橈骨動脈の壁の張力の影響がなく、振幅が最も大きくなる。また、この圧脈波は血圧値との相関が最も高い。このため、最適圧力センサ選択部552は、最大振幅の圧脈波を検出した圧力センサを最適圧力センサとして決定する。最適圧力センサ選択部552は、最適圧力センサとして選択した圧力センサを識別する識別情報を血圧値算出部553に与える。
【0061】
血圧値算出部553は、最適圧力センサ選択部552から識別情報を受け取り、識別情報により示される最適圧力センサからの圧力信号に基づいて、血圧値を算出する。血圧値算出部553は、一心拍分の圧脈波の波形を抽出し、抽出した圧脈波の波形における最大値に基づいてSBPを算出し、抽出した圧脈波の波形における最小値に基づいてDBPを算出する。
【0062】
本実施形態では、血圧測定装置50の機能がいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、以上の機能の一部または全部が、1つまたは複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。
【0063】
<生活習慣管理装置>
図6を参照して、生活習慣管理装置60のソフトウェア構成の一例について説明する。
【0064】
生活習慣管理装置60の制御部601(図4)は、記憶部602に記憶された生活習慣管理プログラムをRAMに展開する。そして、制御部601は、RAMに展開された生活習慣管理プログラムをCPUにより解釈および実行して、各構成要素を制御する。これによって、図6に示されるように、生活習慣管理装置60は、血圧情報取得部651、血圧変動検出部652、生活習慣情報生成部653、危険度評価部654、情報提示部655、血圧情報記憶部656、生活習慣情報記憶部657、および危険度情報記憶部658を備えるコンピュータとして機能する。血圧情報取得部651、血圧変動検出部652、および生活習慣情報生成部653はそれぞれ、図1に示した生体情報取得部31、生体情報変動検出部32、および生活習慣情報生成部33に相当するものである。血圧情報記憶部656、生活習慣情報記憶部657、および危険度情報記憶部658は、記憶部602により実現される。
【0065】
血圧情報取得部651は、血圧測定装置50によりユーザの血圧を測定した測定結果を取得し、取得した測定結果を血圧情報記憶部656に記憶させる。例えば、血圧情報取得部651は、通信部605を介して血圧測定装置50から測定結果を取得する。前述したように、血圧測定装置50は、トノメトリ法により圧脈波を測定するものであり、測定結果は、一心拍ごとの血圧値を示す情報を含む。
【0066】
血圧変動検出部652は、血圧情報記憶部656から測定結果を読み出し、対象生活習慣に起因して生じた血圧の変動を検出する。以下では、対象生活習慣に起因して生じた血圧変動を注目血圧変動と称することもある。一例として、血圧変動検出部652は、測定結果に基づいて生成される血圧波形に対してパターン認識を行うことにより、注目血圧変動を検出する。血圧波形は、例えば、SBPまたはDBPの時系列データに対応する。測定結果が圧脈波の測定結果を含む例では、血圧波形は、圧脈波の波形の包絡線に対応する。血圧変動検出部652は、注目血圧変動の検出結果を生活習慣情報生成部653に与える。検出結果は、例えば、注目血圧変動の開始時刻および終了時刻を示す時間情報を含むが、これに限定されない。検出結果に含まれる情報は、対象生活習慣を管理する方法に応じて変更することができる。例えば、検出結果は、注目血圧変動のピーク値を示す情報、注目血圧変動の振幅(例えば、注目血圧変動のピーク値と注目血圧変動の発生直前の血圧値との差分)を示す情報などを含んでもよい。
【0067】
生活習慣情報生成部653は、注目血圧変動の検出結果に基づいて、ユーザが対象生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成し、生成した生活習慣情報を生活習慣情報記憶部657に記憶させる。例えば、生活習慣情報生成部653は、ユーザが対象生活習慣を実施した回数を含む生活習慣情報を生成する。生活習慣情報は、対象生活習慣の実施の有無を示す情報を含んでもよい。一例として、生活習慣情報は、喫煙本数、飲酒の有無、および服薬回数を一日単位で示す情報を含む。生活習慣情報を参照することにより、タバコを吸う回数が減ったかどうかや、定められた服薬管理がなされているかどうかといった評価をすることが可能になる。
【0068】
危険度評価部654は、生活習慣情報記憶部657から生活習慣情報を読み出す。危険度評価部654は、読み出した生活習慣情報に基づいて、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価し、危険度を示す危険度情報を危険度情報記憶部658に記憶させる。危険度は、例えば、区分(レベル)で表現される。簡単な例として、危険度評価部654は、一日平均の喫煙本数がゼロである場合に危険度「低」、一日平均の喫煙本数が1~9本である場合に危険度「中」、一日平均の喫煙本数が10本以上である場合に危険度「高」と評価する。なお、危険度は、数値で表現されてもよい。危険度評価部654は、複数種類の対象生活習慣に関する生活習慣情報に基づいて危険度を評価してもよい。また、危険度評価部654は、測定結果にさらに基づいて危険度を評価してもよい。
【0069】
情報提示部655は、生活習慣情報記憶部657から生活習慣情報を読み出し、この生活習慣情報をユーザに提示する。具体的には、情報提示部655は、生活習慣情報を表示部603に表示させる。なお、提示方法は表示に限らず、印刷などの他の方法が用いられてもよい。また、情報提示部655は、危険度情報記憶部658から危険度情報を読み出し、この危険度情報をユーザに提示する。
【0070】
図7を参照して、血圧変動検出部652の一例について説明する。
図7は、血圧変動検出部652の一例を例示している。図7に示されるように、血圧変動検出部652は、波形変動特定部661、生活習慣選択部662、および検出結果生成部663を備える。
【0071】
波形変動特定部661は、測定結果に基づく血圧波形から、予め設定された判定条件を満たす変動部分を特定する。血圧波形は、平滑化を含む前処理が施される。上記の判定条件は、例えば、所定時間当たりの血圧値の変化量を含む。対象生活習慣が複数種類ある場合、判定条件は対象生活習慣それぞれに対して設定することができる。なお、判定条件は、ユーザの身体的特徴を表す身体情報、例えば、年齢、性別、身長、体重なども考慮して設定されてもよい。具体的には、判定条件は、身体情報に基づいて作成された属性グループごとに設定されてもよい。例えば、男性用の判定条件と女性用の判定条件が設定される。この場合、波形変動特定部661は、ユーザが属する属性グループの判定条件を使用する。波形変動特定部661は、特定した血圧波形の変動部分を生活習慣選択部662に与える。
【0072】
なお、測定データに加速度情報が含まれる場合、加速度情報からユーザが運動をしたことを検出することができる。この場合、波形変動特定部661は、運動している期間中の血圧波形を処理対象から除外してもよい。これにより、制御部501による処理量を軽減することができる。
【0073】
図8を参照して、対象生活習慣が喫煙である場合の判定条件の設定例について説明する。図8は、血圧に対する喫煙の影響を模式的に例示している。図8において、横軸は時間であり、縦軸は血圧である。図8に示されるように、一般に、血圧値は、喫煙開始直後に急激に上昇し、喫煙開始2~4分後に最大となり、喫煙終了後に徐々に下降する。血圧値は、喫煙終了後5分程度で基準値(すなわち喫煙直前の血圧値)近くに戻るが、基準値より僅かに高い値を示し、基準値に戻るのに30分程度要する。脈拍数も血圧値と同様の挙動を示す。判定条件は、例えば、SBPのピーク値(極大値)がピーク値をとる時刻より前に存在する立ち上がり点でのSBPの値よりN[mmHg]以上高く、ピーク値の時刻と立ち上がり点の時刻との差がM[分]以上であるという条件を含む。ここで、MおよびNには具体的な正の数値が入る。代替としてまたは追加として、DBPが判定条件に用いられてもよい。
【0074】
上記の判定条件が使用される場合、波形変動特定部661は、前処理された血圧波形からピーク点(極大点)を検出し、検出したピーク点の時刻より前の時間において立ち上がり点を検出する。そして、波形変動特定部661は、ピーク点での血圧値から立ち上がり点での血圧値を引いた血圧値差が血圧閾値(例えば10mmHg)以上であるか否かを判定し、さらに、ピーク点の時刻から立ち上がり点の時刻を引いた時間差が時間閾値(例えば1.5分)以上であるかを判定する。波形変動特定部661は、血圧値差が血圧閾値以上であり、かつ、時間差が時間閾値以上であると判定した場合に、立ち上がり点の時刻から、ピーク点の時刻から一定時間(例えば5分)後の時刻までの時間範囲の血圧波形を変動部分として抽出する。
【0075】
また、対象生活習慣が降圧剤の服用である場合の判定条件の設定例について簡単に説明する。一般に、降圧剤の服用による血圧の低下の仕方は、降圧剤の種類に応じて異なる。このため、ユーザが処方された降圧剤の種類を入力し、入力された降圧剤の種類に応じて判定条件が設定される。判定条件は、例えば、ある時点のSBPがその時点からS分前のSBPよりT[mmHg]以上低いという条件を含む。ここで、SおよびTには具体的な正の数値が入る。なお、食後に服用する薬の場合、波形変動特定部661は、血圧変動から食事の終了時刻を推定し、食事の終了時刻の後の時間区間の血圧波形を変動部分として特定してもよい。
【0076】
生活習慣選択部662は、複数の対象生活習慣から、波形変動特定部661によって特定された血圧波形の変動部分を引き起こした生活習慣を選択する。選択には、例えば、パターン認識を用いる。例えば、対象生活習慣に対応する参照波形(波形パターン)を予め用意しておき、生活習慣選択部662は、血圧波形の変動部分に対して参照波形を用いたパターンマッチングを行う。各対象生活習慣に対して複数の参照波形が用意されてもよい。生活習慣選択部662は、血圧波形の変動部分と参照波形との類似度が予め設定された類似度閾値を超える場合に、その参照波形に対応する対象生活習慣を選択する。類似度閾値を超える類似度が複数ある場合、生活習慣選択部662は、最大の類似度を示す参照波形に対応する対象生活習慣を選択する。血圧波形の変動部分との類似度が予め設定された類似度閾値を超える参照波形がない場合、生活習慣選択部662は、波形変動特定部661によって特定された血圧波形の変動部分をノイズまたは他の要因によるものと判断し、それを破棄する。
【0077】
例えば、多数の被験者について測定により得られた喫煙時の血圧波形を収集し、血圧波形を複数のグループに分類し、グループごとに当該グループに属する血圧波形を平均化することで代表血圧波形を生成する。グループごとの代表波形が参照波形として使用される。グループは、例えば、立ち上がり点とピーク点との間での血圧上昇量に基づいて作成される。具体的には、上昇量が10~12mmHgであるグループ、上昇量が12~14mmHgであるグループ、上昇量が14~16mmHgであるグループなどが作成される。また、収集された血圧波形そのものが参照波形として使用されてもよい。服薬など他の対象生活習慣についても同様に参照波形が生成されることができる。
【0078】
また、参照波形は、上述した属性グループごとに用意されてもよい。この場合、生活習慣選択部662は、ユーザが属する属性グループの参照波形を使用する。
【0079】
なお、パターン認識には、サポートベクターマシン(SVM)やニューラルネットワークなどの学習器を用いてもよい。学習器は、波形変動特定部661によって特定された血圧波形の変動部分を入力すると、それに対応する対象生活習慣を決定するように、作成される。例えば、多数の被験者について測定により得られた喫煙時の血圧波形が学習データとして収集され、学習器はこの学習データを用いて学習を行う。
【0080】
検出結果生成部663は、生活習慣選択部662によって選択された対象生活習慣を示す情報を含む検出結果を生成する。例えば、検出結果は、各血圧変動について、識別情報、開始時刻、終了時刻、要因(対象生活習慣の種類)などを含む。
【0081】
なお、血圧変動検出部652は、パターン認識を用いた上述の方法とは異なる方法で注目血圧変動を検出してもよい。例えば、血圧変動検出部652は、波形変動特定部661によって特定された血圧波形の変動部分について波形特徴量を算出し、算出した波形特徴量に基づいて、その血圧波形の変動部分が注目血圧変動であるか否かを判定してもよい。
【0082】
本実施形態では、生活習慣管理装置60の機能がいずれも汎用のCPUによって実現される例について説明している。しかしながら、以上の機能の一部または全部が、1つまたは複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。
【0083】
(動作)
<血圧測定装置>
本実施形態に係る血圧測定装置50の動作例について説明する。
図9は、血圧測定装置50の連続血圧測定モードにおける動作の一例を例示している。ステップS901において、血圧測定装置50の制御部501は、押圧制御部551として機能し、押圧部508の空気袋に空気を供給するようにポンプを駆動し、それにより押圧部508の主面による橈骨動脈への押圧力が徐々に増大する。
【0084】
ステップS902において、制御部501は、最適圧力センサ選択部552として機能し、圧力センサの中から最適圧力センサを選択する。具体的には、制御部501は、押圧力の増大過程において最大振幅の圧脈波を検出した圧力センサを最適圧力センサとして決定する。さらに、制御部501は、最大振幅の圧脈波が検出されたときの空気袋の内圧を最適内圧として決定する。
【0085】
ステップS903において、制御部501は、最適圧力センサ選択部552として機能し、ポンプを停止し、空気袋の空気を排気するように排気弁を開ける。ステップS904において、制御部501は、排気弁を閉じ、空気袋の内圧が最適内圧となるようにポンプを駆動し、空気袋の内圧が最適内圧となっている状態を保持する。これにより、センサ部507が適切な押圧力で手首に押し付けられた状態が保持される。
【0086】
ステップS905において、制御部501は、血圧値算出部553として機能し、ステップS902において決定した最適圧力センサにより検出された圧脈波を取得する。ステップS906において、制御部501は、一心拍分の圧脈波からSBPおよびDBPを算出する。
【0087】
制御部501は、連続血圧測定の終了指示を受けない場合(ステップS907:No)、ステップS905に処理を戻し、連続血圧測定の終了指示を受けた場合(ステップS907:Yes)、処理を終了する。言い換えると、制御部501は、連続血圧測定の終了指示を受けるまで血圧測定を継続する。
【0088】
このようにして得られた測定結果は、生活習慣管理装置60に適宜提供される。一例として、制御部501は、生活習慣管理装置60との無線接続を確立する処理を定期的に試み、無線接続が確立されると、未送信の測定結果を含む測定データを生活習慣管理装置60に送信するように、通信部505を制御する。
【0089】
<生活習慣管理装置>
次に、本実施形態に係る生活習慣管理装置60の動作例について説明する。
図10は、本実施形態に係る生活習慣管理装置60の処理手順の一例を例示している。この例では、対象生活習慣は、喫煙、飲酒、および服薬の3種類である。
【0090】
ステップS1001において、生活習慣管理装置60の制御部601は、血圧情報取得部651として機能し、通信部605を介して血圧測定装置50から、ユーザの血圧を測定した測定結果を含む測定データを取得する。ステップS1002において、制御部601は、血圧変動検出部652の波形変動特定部661として機能し、予め設定された判定条件を血圧波形に適用することにより、血圧波形の変動部分を特定する。
【0091】
ステップS1003において、制御部601は、ステップS1002において特定された血圧波形の変動部分の中から処理する血圧波形の変動部分を選択する。
【0092】
ステップS1004において、制御部601は、血圧変動検出部652の生活習慣選択部662として機能し、ステップS1003において選択された血圧波形の変動部分を引き起こした対象生活習慣を選択する。例えば、ステップS1004Aにおいて、制御部601は、血圧波形の変動部分が喫煙、飲酒、および服薬のいずれかによって生じたか否かを判定する。具体的には、制御部601は、血圧波形の変動部分と喫煙、飲酒、および服薬それぞれに対応する参照波形とのパターンマッチングを行う。なお、血圧波形の変動部分がステップS1003において例えば喫煙に関する条件に基づいて特定されたものである場合、制御部601は、血圧波形の変動部分と喫煙に対応する参照波形とのパターンマッチングを行えば十分である。血圧波形の変動部分と参照波形との類似度がすべて予め設定された類似度閾値以下である場合、制御部601は、血圧波形の変動部分が喫煙、飲酒、および服薬と異なる要因によるものであると判断し、処理をステップS1005に進める。血圧波形の変動部分と参照波形との類似度の少なくとも1つが類似度閾値を超える場合、制御部601は、処理をステップS1004Bに進める。ステップS1004Bにおいて、制御部601は、最も高い類似度を示す参照波形に対応する対象生活習慣を選択する。これにより、血圧波形の変動部分を引き起こした要因として、喫煙、飲酒、および服薬のいずれか1つが選択される。
【0093】
ステップS1005において、制御部601は、ステップS1002において特定された血圧波形の変動部分の中に未処理のものがあるか否かを判断する。未処理のものがある場合、制御部601は、処理をステップS1003に戻す。ステップS1003およびステップS1004の処理が繰り返される。ステップS1002において特定された血圧波形の変動部分がすべて処理されると、制御部601は、処理をステップS1006に進める。
【0094】
ステップS1006において、制御部601は、生活習慣情報生成部653として機能し、血圧変動の検出結果に基づいて、ユーザが対象生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成する。例えば、1日間の測定結果に対してステップS1002からステップS1006の処理が実行され、それにより生活習慣情報が更新される。例えば、生活習慣情報は、喫煙本数、飲酒の有無、薬を適切に服用したか否かを一日単位で示す情報を含む。
【0095】
ステップS1007において、制御部601は、危険度評価部654として機能し、ステップS1006において生成された生活習慣情報に基づいて、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価し、危険度を示す危険度情報を生成する。
【0096】
ステップS1008において、制御部601は、情報提示部655として機能し、ステップS1006において生成された生活習慣情報およびステップS1007において生成された危険度情報をユーザに提示する。これにより、処理が終了となる。
【0097】
制御部601は、生活習慣情報および危険度情報を含むユーザ情報をサーバ70に送信するように、通信部605を制御してもよい。ユーザ情報は、例えば、定期的に(例えば1週間ごとに)、または、ユーザが指示したタイミングで、または、サーバ70からの要求に応答して、サーバ70に送信される。
【0098】
(効果)
以上のように、本実施形態に係る生活習慣管理装置60は、血圧測定装置50によって連続的に測定されたユーザの血圧からユーザが対象生活習慣を実施したことを検出することができ、その検出結果に基づいて生活習慣情報を生成する。ユーザが特定の端末を操作するなどのユーザ入力に依存することなく、生活習慣情報が生成される。このため、ユーザによる生活習慣の実施を正確に管理することができる。測定結果を用いるので、ユーザがその生活習慣を実施することに応答して血圧が変動する生活習慣、例えば、喫煙や飲酒、服薬などについて管理を行うことができる。
【0099】
対象生活習慣に起因した生じた血圧変動を検出するために、パターン認識を用いてもよい。パターン認識用いることにより、対象生活習慣に起因して生じた血圧変動を正確に検出することが可能になる。例えば、血圧変動が対象生活習慣により生じたものであるか、それ以外の要因により生じたのかを判別することが可能になる。対象生活習慣が複数ある場合には、対象生活習慣それぞれについて判定条件または参照波形が用意される。このようにすることで、いずれの対象生活習慣をユーザが実施したのかを判別することが可能となる。この結果、ユーザによる種々の生活習慣の実施を管理することができる。
【0100】
対象生活習慣は、例えば、喫煙と飲酒と服薬との少なくとも1つを含んでもよい。これにより、ユーザが喫煙と飲酒と服薬との少なくとも1つを実施した履歴を管理することが可能となる。生活習慣情報は、ユーザが対象生活習慣を実施した回数を示す情報を含んでもよい。これにより、喫煙本数など、ユーザが対象生活習慣を実施した履歴を定量的に管理することが可能となる。
【0101】
生活習慣管理装置60は、生活習慣情報に基づいて、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価することもできる。これにより、ユーザが対象生活習慣の実施に関する情報を入力することなしに、ユーザの生体情報を測定した測定結果だけでなく、生活習慣情報も考慮して、脳および心血管疾患の発症を引き起こす危険度を評価することが可能となる。
【0102】
(変形例)
上述した例では、生活習慣管理装置60は携帯端末装置上に実装されている。生活習慣管理装置60は、他の装置、例えば、血圧測定装置50またはサーバ70上に実装されていてもよい。また、生活習慣管理装置60は、複数の装置に分散されてもよい。例えば、血圧情報取得部651、血圧変動検出部652、生活習慣情報生成部653、情報提示部655、血圧情報記憶部656、および生活習慣情報記憶部657が携帯端末装置に備わり、危険度評価部654および危険度情報記憶部658がサーバ70に備わっていてもよい。
【0103】
上述した例では、血圧測定装置50はトノメトリ法を採用している。血圧測定装置50は、一心拍ごとの血圧を得ることができるような、血圧を連続的に測定することができる任意のタイプの血圧測定装置であってもよい。例えば、動脈を伝播する脈波の伝播時間である脈波伝播時間(PTT;Pulse Transit Time)を検出し、検出した脈波伝播時間に基づいて血圧値(例えばSBPおよびDBP)を推定する血圧測定装置を用いてもよい。また、容積脈波を光学的に測定し、測定結果から血圧値を算出する血圧測定装置を用いてもよい。また、超音波を用いて血圧を測定する血圧測定装置を用いてもよい。
【0104】
血圧測定装置50は、ユーザの被測定部位を圧迫するカフをさらに備え、例えばオシロメトリック法に従って、血圧を測定する機能を有していてもよい。カフを用いて測定された血圧のデータは、連続測定により得られた血圧を校正するために使用されてもよい。
【0105】
トノメトリ法を採用した血圧測定装置50は、血圧と同時に脈拍を測定することができる。血圧変動とともに、脈拍数の変動も考慮することにより、管理対象となる生活習慣に起因して生じた血圧変動をより正確に検出することが可能になる。
【0106】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0107】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られるものではない。
(付記1)
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたメモリと、
を具備し、
前記プロセッサは、
ユーザの生体情報を測定した測定結果を取得することと、
管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記生体情報の変動を検出することと、
前記生体情報の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成することと、
を行うように構成される、生活習慣管理装置。
【0108】
(付記2)
少なくとも1つのプロセッサを用いて、ユーザの生体情報を測定した測定結果を取得することと、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、管理対象となる生活習慣に起因して生じた前記生体情報の変動を検出することと、
少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記生体情報の変動の検出結果に基づいて、前記ユーザが前記生活習慣を実施した履歴を示す生活習慣情報を生成することと、
を具備する生活習慣管理方法。
【符号の説明】
【0109】
10…生活習慣管理システム、
20…生体情報測定装置、21…ウェアラブルデバイス、
30…生活習慣管理装置、
31…生体情報取得部、32…生体情報変動検出部、33…生活習慣情報生成部、
40…生活習慣管理システム、70…サーバ、80,81,82…外部装置、
50…血圧測定装置、
501…制御部、502…記憶部、503…表示部、504…操作部、
505…通信部、506…電池、507…センサ部、508…押圧部、
508A…空気袋、508B…ポンプ、508C…排気弁、511…加速度センサ、
512…気圧センサ、513…温湿度センサ、514…GPS受信機、
551…押圧制御部、552…最適圧力センサ選択部、553…血圧値算出部、
60…生活習慣管理装置、
601…制御部、602…記憶部、603…表示部、604…操作部、
605…通信部、606…電池、
651…血圧情報取得部、652…血圧変動検出部、653…生活習慣情報生成部、
654…危険度評価部、655…情報提示部、656…血圧情報記憶部、
657…生活習慣情報記憶部、658…危険度情報記憶部、
661…波形変動特定部、662…生活習慣選択部、663…検出結果生成部。
図1
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図10