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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】検査装置、弾性部材、及び入力箱
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/25 20210101AFI20220830BHJP
   A61B 5/262 20210101ALI20220830BHJP
【FI】
A61B5/25
A61B5/262
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018082428
(22)【出願日】2018-04-23
(65)【公開番号】P2019187697
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白坂 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】清水 訓栄
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 考紀
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-099497(JP,A)
【文献】特開2004-081234(JP,A)
【文献】特開平09-266899(JP,A)
【文献】特開2001-238862(JP,A)
【文献】特表2012-505707(JP,A)
【文献】実開昭59-154204(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/25-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と接続され、生体電位を検査する検査装置であって、
前記検査装置は、前記電極に取り付けられるキャップを保持するための筒状の弾性部材を備え、
前記検査装置には、前記弾性部材を挿入可能な挿入部が設けられており、
前記弾性部材は、前記挿入部に挿入されており、
前記弾性部材は、弾性部材における入口と、前記入口とは反対の端部と、の間内周面に設けられた縮径部を有し、
前記縮径部の内径は、前記入口から前記端部へ向かうにつれて徐々に小さくなっている、検査装置。
【請求項2】
前記挿入部は貫通孔である、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記縮径部は、前記弾性部材の周方向の全てがテーパー面である、請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記弾性部材は、前記挿入部に挿入された状態で、前記挿入部に対して係止可能な係止部が設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記弾性部材の前記入口には、前記係止部として、径方向外側に延びる第一縁部が形成されている、請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記挿入部の前記入口側端部には、前記第一縁部を載置可能な載置部が形成されている、請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記弾性部材における入口とは反対の端部には、前記係止部として、径方向外側に延びる第二縁部が形成されている、請求項5または6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記弾性部材の前記入口及び前記入口とは反対の端部の少なくとも一つには、前記弾性部材の軸方向に延びるスリットが形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
生体電位を検査するための検査装置に用いられる電極を保護するキャップを保持するための筒状の弾性部材であって、
前記弾性部材は、前記検査装置に設けられた挿入部に挿入可能であり、
前記弾性部材は、弾性部材における入口と、前記入口とは反対の端部と、の間にわたる内周面に設けられた縮径部を有し、
前記縮径部の内径は、前記入口から前記端部へ向かうにつれて徐々に小さくなっている、弾性部材。
【請求項10】
前記弾性部材の前記入口には、径方向外側に延びる第一縁部が形成されている、請求項9に記載の弾性部材。
【請求項11】
前記弾性部材における前記入口とは反対の端部には、径方向外側に延びる第二縁部が形成されている、請求項10に記載の弾性部材。
【請求項12】
生体電位を検査するための検査装置に用いられる電極が接続される入力箱であって、
前記電極に取り付けられるキャップを保持するための筒状の弾性部材を備え、
前記入力箱には、前記弾性部材を挿入可能な挿入部が設けられており、
前記弾性部材は、弾性部材における入口と、前記入口とは反対の端部と、の間内周面に設けられた縮径部を有し、
前記縮径部の内径は、前記入口から前記端部へ向かうにつれて徐々に小さくなっている、入力箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、弾性部材、及び入力箱に関する。
【背景技術】
【0002】
針電極を用いて被験者の生体電位を取得する場合、医療従事者は、検査の合間などに、自分の手で針電極を保持していなければならない。このため、検査作業の際、医療従事者の片手が塞がってしまうという不便さがあった。
【0003】
また、針電極を使用した後、針部分にキャップを取り付けようとする際に、当該針に付着した血液がキャップにつかないように注意しなければならない。このため、針電極を保持するためのグローブが設けられた電極接続箱が提供されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“筋電図・誘発電位検査装置 MEB-2300シリーズ ニューロパック X1”、インターネット〈http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/documents/pdf/H901528E.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、キャップの形は様々である。また、グローブは接続箱の筐体と同質の硬質樹脂等で形成されている。そのため、グローブの持つ弾性力によって変形できる範囲は小さい。針電極用のキャップの形状がグローブの口の形状と異なる場合、キャップを付けた針電極をグローブに保持させておくことができないので、医療従事者は、自らの手で針電極を保持しながら検査を行っている。この点において、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、電極用のキャップの形状に拠らず、電極用のキャップを保持することが可能な検査装置、弾性部材、及び入力箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る検査装置は、
電極と接続され、生体電位を検査する検査装置であって、
前記検査装置は、前記電極に取り付けられるキャップを保持するための筒状の弾性部材を備え、
前記検査装置には、前記弾性部材を挿入可能な挿入部が設けられており、
前記弾性部材は異なる長さの内径を有しており、前記弾性部材には、入口側の内径よりも小さい縮径部が形成されている。
【0008】
上記構成に係る検査装置においては、電極に取り付けられるキャップを保持可能な弾性部材を挿入可能な挿入部が設けられている。弾性部材には、入口側の内径よりも小さい縮径部が形成されているため、当該キャップを保持することができる。
このように、上記構成によれば、電極用のキャップの形状に拠らず、電極用のキャップを保持することが可能な検査装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明の一態様に係る弾性部材は、
検査装置に用いられる電極を保護するキャップを保持するための筒状の弾性部材であって、
前記弾性部材は異なる長さの内径を有しており、前記弾性部材には、前記弾性部材の入口側の内径よりも小さい縮径部が形成されている。
【0010】
上記構成によれば、筒状の弾性部材には、その入口側の内径よりも小さい縮径部が形成されているため、当該キャップを保持することができる。
このように、上記構成によれば、電極用のキャップの形状に拠らず、電極用のキャップを保持することが可能な弾性部材を提供することができる。
【0011】
また、本発明の一態様に係る入力箱は、
検査装置に用いられる電極が接続される入力箱であって、
前記電極に取り付けられるキャップを保持するための筒状の弾性部材を備え、
前記入力箱には、前記弾性部材を挿入可能な挿入部が設けられており、
前記弾性部材は異なる長さの内径を有しており、前記弾性部材には、前記弾性部材の入口側の内径よりも小さい縮径部が形成されている、入力箱。
【0012】
上記構成に係る入力箱においては、電極に取り付けられるキャップを保持可能な弾性部材を挿入可能な挿入部が設けられている。弾性部材には、弾性部材の入口側の内径よりも小さい縮径部が形成されているため、当該キャップを保持することができる。
このように、上記構成によれば、電極用のキャップの形状に拠らず、電極用のキャップを保持することが可能な入力箱を提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、電極用のキャップの形状に拠らず、電極用のキャップを保持することが可能な検査装置、弾性部材、及び入力箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る検査装置を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る入力箱を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る弾性部材を示す側面図である。
図4図2におけるA-A’断面図である。
図5】針電極に装着されたキャップを弾性部材が保持している状態における、図2のA-A’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、図2に示す入力箱4、図3から図5に示す入力箱4又は弾性部材6について設定された相対的な方向である。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る検査装置1を示す図である。図1に示すように、検査装置1は、本体部10と、入力箱4と、接続部5と、を備える。本体部10は、操作端末2と、表示端末3と、を含む。検査装置1は、例えば、針電極7と接続され、生体電位を検査するための装置である。
【0018】
操作端末2は、1以上のプロセッサと1以上のメモリを有している。プロセッサとしては、CPU、MPU、GPUなどが例示されうる。プロセッサは、複数のプロセッサコアを有しうる。メモリとしては、ROMやRAMなどが例示されうる。ROMには、プロセッサにより実行される各種のプログラムなどが格納されうる。RAMは、プロセッサにより実行される各種のプログラムなどが格納される複数のワークエリアを有している。例えば、プロセッサは、ROMに格納されたプログラムの少なくとも一部を指定してプログラムをRAM上に展開し、RAMと協働して各種の処理を実行する。
【0019】
操作端末2は、操作部21を備えている。操作部21は、医療従事者の各種入力操作を受け付ける。各種入力操作には、例えば、被検者の生体電位の測定や生体情報の分析を行うための操作、生体情報や分析結果を表示端末3に表示させるための操作等が含まれる。操作端末2は、医療従事者の操作に基づき、入力箱4から送られてくる生体情報を処理する。処理内容としては、例えば、高域フィルタ処理、低域フィルタ処理、ACフィルタ処理、感度変更、平均加算処理等である。操作端末2は、処理された生体情報を表示端末3に送信する。
【0020】
表示端末3は、例えば、デスクトップタイプのPC、ノートPC、タブレット端末等の電子機器である。表示端末3は、操作端末2から送信された生体情報を表示するための表示部31を備えている。表示部31は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイである。表示部31は、波形データや測定データといった各種生体情報を表示することができる。
【0021】
表示端末3は、操作端末2と同様のプロセッサとメモリを有している。例えば、プロセッサは、ROMに格納されたプログラムの少なくとも一部を指定してプログラムをRAM上に展開し、RAMと協働して各種の処理を実行する。表示端末3は、操作端末2又は他の検査装置から受信した生体情報を保存可能である。保存された生体情報は、例えば、検査装置1に接続される印刷機(図示せず)に送信される。
【0022】
入力箱4は、例えば電極接続箱である。入力箱4には、検査用電極等が接続され得る。入力箱4は、接続部5を介して本体部10に取り付けられる。接続部5としては、例えば、可動式アームである。入力箱4は、操作端末2に対して、通信可能に接続されている。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態に係る入力箱4を示す図である。図2に示すように、入力箱4は、筐体部41と、スイッチ42と、第一コネクタ43と、第二コネクタ44と、挿入部45と、を備えている。
【0024】
筐体部41は、略直方体である。筐体部41の四隅は円弧状の曲面を有している。筐体部41は、例えば、樹脂製である。筐体部41の前面には、スイッチ42、第一コネクタ43、第二コネクタ44、挿入部45が設けられている。挿入部45は貫通孔であり、筐体部41の後面にまで延びている。一方、スイッチ42、第一コネクタ43、第二コネクタ44は、筐体部41の後面には設けられていない。
【0025】
第一コネクタ43及び第二コネクタ44は、入力箱4と電極等との接続を可能にするためのコネクタである。
【0026】
挿入部45は貫通孔である。挿入部45の出入り口は楕円形状又は長円形状であることが好ましいが、この他の形状であってもよい。挿入部45の周の長さは弾性部材6の周の長さよりも僅かに大きく、弾性部材6を挿入可能である。本実施例において、挿入部45は、入力箱4の左上側に設けられているが、この例に限られない。挿入部45は、入力箱4の他の位置に設けられてもよい。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る弾性部材6を示す側面図である。図3に示すように、弾性部材6は、筒状本体部60と、第一開口部61と、第二開口部62と、を備えている。弾性部材6は筒状である。弾性部材6はシリコーン等の弾性素材から成る。
【0028】
筒状本体部60の外径は、後ろ方向に向かうにつれて短くなっている。筒状本体部60は周面を有しており、当該周面は周方向の全てがテーパー面である。このため、筒状本体部60は、複数の異なる長さの内径を有している。筒状本体部60の形状は、側方から見て、筒状本体部60の上側の外形線601aが、後ろ方向に向かうにつれて下方向に傾斜し、筒状本体部60の下側の外形線601bが、後ろ方向に向かうにつれて上方向に傾斜しており、上下に対称な形状となっている。
【0029】
第一開口部61は、弾性部材6の入口側である、弾性部材6の前端に設けられている。第一開口部61には、第一開口部61の径方向外側に延びる第一縁部63が形成されている。第一開口部61の外径は、筒状本体部60の最大外径よりも大きい。第一縁部63は、挿入部45に対して係止可能な係止部63aとして機能し得る。
【0030】
第二開口部62は、弾性部材6の入口とは反対側に位置する、弾性部材6の後端に設けられている。第二開口部62には、第二開口部62の径方向外側に延びる第二縁部64が形成されている。第二開口部62の外径は筒状本体部60の最小外径よりも大きく、第一開口部61の外径よりも小さい。第二縁部64は、挿入部45に対して係止可能な係止部64aとして機能し得る。
【0031】
さらに、第二開口部62には、スリット65が形成されている。スリット65は、第二開口部62の略中央から、前後方向に延びている。このため、医療従事者は、第二縁部64に対し、第二開口部62の上下方向における内側に向かう力を加えることで、第二開口部62を容易に縮めることができる。
尚、本実施例では、第二開口部62にスリット65が形成されているがこの例に限られない。第一開口部61にスリット65が形成されていてもよいし、第一開口部61と、第二開口部62の双方にスリット65が形成されていてもよい。
【0032】
図4は、図2におけるA-A’断面図である。図4に示すように、挿入部45は、第一部46と、第二部47と、第三部48と、を有している。第一部46は、挿入部45の入口側に位置する挿入部45の内周面である。弾性部材6が挿入部45に挿入されている状態において、第一部46は、第一縁部63より前方に位置する。第二部47は、第一縁部63より後方で、かつ第二縁部64より前方に位置する。第三部48は、第二縁部64の前面より後方に位置する。第一部46、第二部47、第三部48は連続している。第一部46の後端部分の内径は、第二部47の前端の内径より大きい。このため、第一部46の後端には、第一載置部460(460a、460b)が形成されている。また、第三部48の前端の内径は、第二部47の後端の内径より大きい。このため、第三部48の前端には、第二載置部480(480a、480b)が形成されている。
【0033】
第二部47の内径は、後ろ方向に向かうにつれて短くなっている。第二部47は、周方向の全てがテーパー面である。第二部47の内径の縮小率は、筒状本体部60の外径の縮小率と略同じである。第二部47の各入口端部470(470a、470b)を結ぶ内径d1は、第二部47の各後端部471(471a、471b)を結ぶ内径d3よりも大きい。また、弾性部材6は厚みを有している。そのため、前後方向において内径d1と対応する、弾性部材6の内面にある各前方部66(66a、66b)を結ぶ内径d2は、内径d1よりも小さい。
【0034】
本実施例においては、第二縁部64が、第三部48内にある。第二縁部64は、それぞれ、第二載置部480によって係止されている。このため、弾性部材6に対し、前方向への力が加わっても、弾性部材6は挿入部45から外れにくい。
【0035】
弾性部材6は縮径部67(67a、67b)を有している。各縮径部67(67a、67b)を結ぶ内径d4は、内径d2よりも短い。
【0036】
第一載置部460の各端部461(461a、461b)間の長さは、内径d1の長さよりも大きい。第一縁部63の各端部630(630a、630b)間の長さは、第一載置部460の各端部461(461a、461b)間の長さと略等しい。また、第一部46の前後方向の長さは、第一縁部63の前後方向の長さと略等しい。このため、弾性部材6を挿入部45に挿入させると、第一縁部63は、第一載置部460と接し、かつ第一部46内に収まる。医療従事者は、第一縁部63が第一載置部460に接するように、弾性部材6を挿入部45に挿入させることで、弾性部材6を、挿入部45の適切な位置に留めることができる。弾性部材6が挿入部45に挿入されると、第二縁部64は、第二載置部480に接するように配置される。
【0037】
図5は、針電極7に装着されたキャップ8を弾性部材6が保持している状態における、図2のA-A’断面図である。キャップ8は針電極7を保護するためのキャップである。医療従事者は、キャップ8を、針電極7に被せて使用する。図5に示すように、針電極7に装着されたキャップ8は、前方から後ろ方向に向かって弾性部材6に挿入される。本実施例において、キャップ8の外径d5は、内径d2より小さく、内径d4より大きい。
【0038】
上述したように、弾性部材6の筒状本体部60の径は、後ろ方向に向かうにつれて短くなっている。このため、キャップ8を後ろ方向に向かって弾性部材6に挿入していくと、キャップ8の外径d5よりも僅かに内径が小さい位置Pで、キャップ8は保持される。弾性部材6は、シリコーン等の弾性素材で構成されているため、キャップ8が樹脂材等の材質で構成されていても、キャップ8を損傷させることなく、キャップ8を弾性部材6に挿入させることができる。
【0039】
キャップ8が弾性部材6に挿入されると、位置P付近において、弾性部材6が変形する。このため、位置P付近において、弾性部材6の弾性復元力により、キャップ8は、しっかりと保持される。また、キャップ8を弾性部材6から取り出すときも、弾性部材6は弾性素材で構成されているため、医療従事者は、容易にキャップ8を弾性部材6から取り出すことができる。
【0040】
上述したように、医療従事者は、弾性部材6の第二縁部64に対し、第二開口部62の内側に向かう力を加えることで、第二開口部62を容易に縮めることができる。このため、医療従事者は、弾性部材6を挿入部45から取り出したいときは、例えば、ピンセットのような器具を第三部48から挿入して第二縁部64をつまみ、弾性部材6に対して前方向の力を加えることで、弾性部材6を挿入部45から取り出すことができる(以下、第一方法という。)。
【0041】
医療従事者は、ピンセットのような器具を用いて、第一縁部63をつまみ、弾性部材6に対して後方向の力を加えることで、弾性部材6を取り出すこともできる(以下、第二方法という。)。しかし、本実施例においては、第二開口部62に、スリット65が形成されているため、第一方法を用いて弾性部材6を取り出す方が第二方法を用いる場合に比べて、容易に弾性部材6を挿入部45から取り出すことができる。
【0042】
医療機器は常に清潔な状態に保っておく必要がある。このため、医療従事者は、定期的に、弾性部材6を洗浄する必要がある。本実施例に係る弾性部材6は、挿入部45からキャップ8を取り出すことが容易なので、医療従事者は、必要に応じて、弾性部材6を挿入部45から取りだして清掃することができる。
【0043】
上記構成に係る検査装置1及び入力箱4においては、針電極7に取り付けられるキャップ8を保持可能な弾性部材6を挿入可能な挿入部45が設けられている。また、筒状の弾性部材6には、入口側の内径よりも小さい縮径部67が形成されているため、当該キャップ8を保持することができる。
このように、上記構成によれば、電極用のキャップ8の形状に拠らず、電極用のキャップ8を保持することが可能である。
【0044】
また、上記構成に係る検査装置1及び入力箱4において、挿入部45は貫通孔である。医療従事者は、挿入部45の片側の開口部から弾性部材6を引き出すことで、挿入部45から弾性部材6を取り出すことができる。また、医療従事者は、例えば、挿入部45の前側の開口部から弾性部材6を押し、挿入部45の後側の開口部から弾性部材6を押し出すこともできるようになる。このため、弾性部材6の取り出しがより容易になる。
このように、上記構成に係る検査装置1及び入力箱4によれば、弾性部材6の取り出しがより容易になる。
【0045】
また、上記構成に係る検査装置1、弾性部材6及び入力箱4によれば、弾性部材6は、針電極7に取り付けられるキャップ8を強くかつバランスよく保持することができる。
【0046】
また、上記構成に係る検査装置1、弾性部材6及び入力箱4によれば、弾性部材6には、挿入部45に対して係止可能な係止部63a、64aが設けられているため、弾性部材6は、挿入部45に挿入された状態において、検査装置1の挿入部45から外れにくい。
【0047】
また、上記構成に係る検査装置1、弾性部材6及び入力箱4によれば、弾性部材6の入口には第一縁部63が形成されているため、医療従事者は、弾性部材6を挿入部45の適切な位置に留めることができる。
【0048】
また、上記構成に係る検査装置1及び入力箱4によれば、挿入部45の端部に形成された第一載置部460に弾性部材6の第一縁部63を載置することができる。このため、医療従事者は、弾性部材6を挿入部45の適切な位置に留めることができる。
【0049】
また、上記構成に係る検査装置1、弾性部材6及び入力箱4によれば、弾性部材6における入口とは反対の端部には、第二縁部64が形成されている。針電極7を弾性部材6から取り出す際、弾性部材6に対して、入口側に引っ張る力が加わるが、第二縁部は当該力の影響を受けにくい。このため、弾性部材6が挿入部45から外れにくい。
【0050】
また、上記構成に係る検査装置1、弾性部材6及び入力箱4によれば、弾性部材6の入口及び入口とは反対の端部の少なくとも一つにはスリット65があるため、挿入部から弾性部材を取り出す際、スリット65の周辺に力を加えることで容易に弾性部材6を取り出すことができる。
このように、上記構成に係る検査装置1、弾性部材6及び入力箱4においては、弾性部材6を取り出すことが容易である。このため、医療従事者は、必要に応じて、弾性部材6を取りだして清掃することが容易になる。
【0051】
本実施例においては、キャップ8が装着される電極の例として、針電極7を用いて説明したが、この例に限られない。キャップ8が装着される電極は針電極以外の電極であってもよい。針電極以外の電極としては、例えば皿電極等である。
また、本実施例におけるキャップ8は断面視で直線形状であるが、断面視で非直線形状のキャップであってもよい。さらに、キャップ8の形状は、筒状のものであってもよいし、角状のものであってもよいし、星形等の多角形の形状であってもよい。
【0052】
本実施例において、第二部47の内径の縮小率は、筒状本体部60の外径の縮小率と略同じ縮小率であるが、この例に限られない。第二部47の内径の縮小率は、筒状本体部60の外径の縮小率よりも小さければよい。
【0053】
本実施例において、挿入部45は貫通孔であるが、挿入部45は貫通孔に限られない。挿入部45の後面は閉じられていてもよい。この場合であっても、医療従事者は、ピンセットのような器具を用いて、弾性部材6の第一縁部63をつまみ、弾性部材6に対して前方向の力を加えることで、弾性部材6を挿入部45の前方から取り出すことができる
【0054】
本実施例では、入力箱4に針電極用の挿入部45が存在する状態を説明したが、これに限られない。本体部10と入力箱4が一体化された構成において、キャップ8を保持するための挿入部45が設けられている構成でも構わない。
【0055】
本実施例では、図3に示したように、弾性部材6の筒状本体部60の外径は、後ろ方向に向かうにつれて徐々に小さくなっているが、これに限られない。弾性部材6の筒状本体部60の外径は、例えば、弾性部材6の前方から所定の位置までは、後ろ方向に向かうにつれて大きくなり、当該所定の位置から縮径部67までは、後ろ方向に向かうにつれて小さくなるように構成されていてもよい。
【0056】
また、弾性部材6の筒状本体部60の形状は、側方から見て、上下に対称な形状であるが、このような線対称の形状に限られない。例えば、筒状本体部60の形状は、側方から見て、上側の外形線が後ろ方向に向かうにつれて下方向に傾斜し、下側の外形線が前後方向に沿って平行である形状であってもよい。また、筒状本体部60の形状は、側方から見て、下側の外形線が後ろ方向に向かうにつれて上方向に傾斜し、上側の外形線が前後方向に沿って平行である形状であってもよい。また、筒状本体部60を側方から見たときの外形線は、直線に限られず、部分的又は全体的に、湾曲していてもよい。
【0057】
本実施例では、挿入部45の第一部46に第一載置部460を設ける例を説明したが、この例に限られない。挿入部45の第一部46に第一載置部460を設けず、弾性部材6の第一縁部63が入力箱4の前面に当接した状態で、弾性部材6が入力箱4に固定される構成であってもよい。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0059】
1:検査装置、2:操作端末、3:表示端末、4:入力箱、5:接続部、6:弾性部材、7:針電極、8:キャップ、10:本体部、21:操作部、31:表示部、41:筐体部、42:スイッチ、43:第一コネクタ、44:第二コネクタ、45:挿入部、46:第一部、47:第二部、48:第三部、60:筒状本体部、61:第一開口部、62:第二開口部、63:第一縁部、64:第二縁部、65:スリット、67:縮径部、460:第一載置部、480:第二載置部
図1
図2
図3
図4
図5