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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】吐出製品
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/62 20060101AFI20220830BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220830BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20220830BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220830BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20220830BHJP
   B65D 81/18 20060101ALI20220830BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20220830BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
B65D83/62
A61Q19/00
A61K9/12
A61K47/10
A45D34/04 555
B65D81/18 F
B65D77/04 B
A61K8/34
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018119028
(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2019218326
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】391021031
【氏名又は名称】株式会社ダイゾー
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】目加多 聡
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-183467(JP,A)
【文献】特開2014-008966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/34
A61Q 19/00
A61K 9/12
A61K 47/10
A45D 34/04
B65D 81/18
B65D 77/04
B65D 83/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部容器と、前記外部容器に収容された内部容器とからなる合成樹脂製の二重ボトルと、
前記二重ボトルを封止するためのバルブとを備え、
前記バルブは、前記外部容器および前記内部容器の開口を閉止して、前記外部容器および前記内部容器を密封すると共に、前記内部容器内の空間と外部とを連通/遮断するための部材であり、
前記内部容器は、原液が充填され、
前記外部容器は、保温剤と加圧剤とが充填されており、
前記加圧剤は、気体であり、
前記保温剤の含有量は、前記内部容器と前記外部容器との間の空間の容積の、5~50容量%である、吐出製品。
【請求項2】
前記原液は、アルコール類を含む、請求項1記載の吐出製品。
【請求項3】
前記保温剤は、水を含む、請求項1または2記載の吐出製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出製品に関する。より詳細には、本発明は、冷却または加温して使用することができ、かつ、原液の保温効果が優れた吐出製品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、冷却または加温して使用する吐出製品が開示されている。この吐出製品は、冷却または加温後に手で容器を握ることができるように、容器の胴部の表面側に熱伝導率の低い材料からなる層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-81834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の吐出製品は、容器に充填された内容物からの熱を手に伝わりにくくすることを目的としており、内容物の保温効果を維持させるものではない。
【0005】
本発明は、このような従来技術とは異なり、冷却または加温して使用することができ、かつ、原液の保温効果が優れた吐出製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)外部容器と、前記外部容器に収容された内部容器とからなる合成樹脂製の二重ボトルと、前記二重ボトルを封止するためのバルブとを備え、前記内部容器は、原液が充填され、前記外部容器は、保温剤と加圧剤とが充填されている、吐出製品。
【0008】
このような構成によれば、吐出製品は、たとえば冷蔵庫や恒温槽に保持されることにより冷却または加温される。吐出製品は、合成樹脂製の外部容器を使用しており、さらに外部容器内に加圧剤(気体)を充填しているため、外気や手の温度が内部容器内の原液に伝わりにくく、さらに保温剤によって原液が保温されている。そのため、吐出製品は冷蔵庫や恒温槽から取り出された後でも、低温状態や高温状態の原液を、長く維持でき、かつ、これらを吐出することができる。
【0009】
(2)前記原液は、アルコール類を含む、(1)記載の吐出製品。
【0010】
このような構成によれば、吐出製品は、たとえば冷凍庫に保持されても原液が凍結しにくい。そのため、吐出製品は、冷凍庫から取り出された後に、すぐに使用することができ、かつ、優れた冷感を適用箇所に付与し得る。
【0011】
(3)前記保温剤は、水を含む、(1)または(2)記載の吐出製品。
【0012】
このような構成によれば、吐出製品は、たとえば冷凍庫に保持されることにより、保温剤が凍結し、膨張する。しかしながら、吐出製品は、合成樹脂製の内部容器および外部容器からなるため、保温剤の体積膨張に合わせて適宜膨張することができ、破裂することがない。そのため、吐出製品は、安全性が高く、かつ、より長く低温状態を維持することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、冷却または加温して使用することができ、かつ、原液の保温効果が優れた吐出製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の一実施形態の吐出製品の模式的な断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態の吐出製品の拡大された断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態の吐出製品の拡大された断面図である。
図4図4は、冷凍庫から取り出した吐出製品を所定の経過時間毎に吐出した原液の温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<吐出製品>
本発明の一実施形態の吐出製品について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の吐出製品1の模式的な断面図である。図2は、本実施形態の吐出製品1の拡大された断面図である。図1および図2に示される吐出製品1は、吐出動作が行われている状態(吐出状態)である。本実施形態の吐出製品1は、外部容器5と、外部容器5に収容された内部容器6とからなる合成樹脂製の二重ボトル(容器本体2)と、二重ボトルを封止するためのバルブ3とを備える。バルブ3のステム7には、吐出部材4が取り付けられている。内部容器6は、原液Cが充填されている。外部容器5は、保温剤Mと加圧剤とが充填されている。本実施形態の吐出製品1は、冷凍庫や冷蔵庫などの低温下で冷却、湯などの高温下で加温、さらには電子レンジで加温してから使用され得る。以下、それぞれについて説明する。
【0016】
(容器本体2)
容器本体2は、外部容器5と、外部容器5に収容された内部容器6とからなる合成樹脂製の二重ボトルである。
【0017】
・外部容器5
外部容器5は、合成樹脂製の容器である。外部容器5は、耐圧性を有する有底筒状であり、底部と、円筒状の胴部と、胴部の上端からテーパー状に縮径する肩部51と、その上端から延びる円筒状の首部52とから構成されている。首部52の外周には、後述するカバーキャップ31aを取り付けるためのネジが形成されている。
【0018】
外部容器5は、合成樹脂製であればよい。一例を挙げると、合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン等である。これらの中でも、外部容器5を構成する合成樹脂は、保温剤が凍結したときの容積の増大に応じで変形しやすく割れにくいという点から、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0019】
・内部容器6
内部容器6は、合成樹脂製の容器であり、外部容器5に収容される。本実施形態の吐出製品1は、内部容器6と外部容器5との間の空間(第1収容空間S1)に保温剤Mおよび加圧剤が充填され、内部容器6内の空間(第2収容空間S2)に原液が充填される。
【0020】
内部容器6は、底部と、円筒状の胴部と、胴部の上端からテーパー状に縮径する肩部と、その上端から延びる円筒状の首部と、首部の上端から径方向の外側に延びるフランジ部61とから構成されている。また、内部容器6には、フランジ部61の下面から、首部と肩部の境界にかけて、第1収容空間S1と外部とを連通するための溝62が形成されている。溝62は、周方向に複数本形成されており、吐出製品1を使用し終えた後に、保温剤Mや加圧剤を外部に吐出するための吐出経路を構成する。内部容器6の首部の上端には、後述するバルブ3が取り付けられる。
【0021】
内部容器6は、合成樹脂製であればよい。一例を挙げると、合成樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン等である。これらの中でも、外部容器5を構成する合成樹脂は、外部容器と同時にブロー成型しやすいという点から、外部容器と同じ材質であることが好ましい。また、外部容器5と内部容器6とは異なる材質であってもよく、その場合は樹脂の熱収縮率の違いからブロー成型後に内部容器6を外部容器5から剥離しやすく、第1収容空間S1を形成しやすい。また、外部容器5と内部容器6は、先にブロー成型した外部容器5に内部容器6のプリフォームを挿入し、内部容器5を外部容器6内でブロー成形してもよい。
【0022】
・原液C
原液Cは、内部容器6に充填される内容物であり、人体等の適用箇所に塗布されることにより、適用箇所に冷感または温感を付与するために配合されている。原液は特に限定されない。一例を挙げると、原液は、水、アルコール類、有効成分等を含む。
【0023】
水は、原液の主溶媒であり、適用箇所に冷感や温感を付与するために好適に配合される。
【0024】
水は特に限定されない。一例を挙げると、水は、精製水、イオン交換水、生理食塩水、海洋深層水等である。
【0025】
水が配合される場合、水の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、水の含有量は、原液中、50質量%以上であることが好ましく、60質量%であることがより好ましい。また、水の含有量は、原液中、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。水の含有量が上記範囲内であることにより、吐出製品1は、適用箇所に冷感または温感を付与する効果が得られやすい。また、原液は、凍結しにくい。
【0026】
アルコール類は、冷凍庫等で吐出製品1を冷却した際に、原液の凍結を防止し、原液を冷却された液体状態で塗布して適用箇所に冷感を付与する等の目的で好適に配合される。アルコール類を含むことにより、吐出製品1は、たとえば冷凍庫から取り出した後に、すぐに使用することができる。
【0027】
アルコール類は特に限定されない。一例を挙げると、アルコール類は、エタノール、イソプロパノール等の炭素数が2~3個の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールである。
【0028】
アルコール類が配合される場合、アルコール類の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、アルコール類の含有量は、原液中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、アルコール類の含有量は、原液中、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。アルコール類の含有量が上記範囲内であることにより、吐出製品1を冷却した際に、原液が凍結しにくく、かつ、原液温度が低くなりやすい。また、原液は、皮膚を脱脂し過ぎたり、べたつきを生じたりしにくい。その結果、吐出製品1は、使用感が優れる。
【0029】
有効成分は、塗布面に所望の効果を付与する等の目的で好適に配合される。
【0030】
有効成分は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分は、l-メントール、カンフルなどの清涼化剤、クロロヒドロキシアルミニウム、イソプロピルメチルフェノールなどの制汗剤、パラメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクレリン、オキシベンゾン、ヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸、ジヒドロキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、パラアミノ安息香酸などの紫外線吸収剤、サリチル酸メチル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどの消炎鎮痛剤、α-トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤、レチノール、dl-α-トコフェロールなどのビタミン類、グリチルレチン酸などの抗炎症剤、硝酸ミコナゾール、硝酸スルコナゾール、クロトリマゾールなどの抗真菌剤、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、フェニル酢酸メチルなどの消臭成分、N,N-ジエチル-m-トルアミド(ディート)、ジ-n-ブチルサクシネート、ヒドロキシアニソール、ロテノン、エチル-ブチルアセチルアミノプロピオネート、イカリジン(ピカリジン)、p-メンタン-3,8-ジオール、3-[アセチル(ブチル)アミノ]プロピオン酸エチル、2-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン-1-カルボン酸1-メチルプロピルなどの害虫忌避剤、香料等である。
【0031】
有効成分が配合される場合、有効成分の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、有効成分の含有量は、原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、有効成分の含有量は、原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。有効成分の含有量が上記範囲内であることにより、有効成分の効果が得られやすく、かつ、べたつき等の不具合を生じにくい。
【0032】
原液は、上記した水、アルコール類、有効成分以外に、用途や目的に応じて、界面活性剤、冷感補助剤、水溶性高分子、油分、パウダー等を含んでもよい。
【0033】
界面活性剤は、水に溶解しない有効成分、冷感補助剤、油分を乳化させたり、洗浄効果を示す洗浄成分として好適に配合される。
【0034】
界面活性剤は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオクチルドデシルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミドなどの脂肪酸アルカノールアミド、モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸POEグリセリル、モノオレイン酸POEグリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸POEセチルエーテル、イソステアリン酸POEラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、モノヤシ油脂肪酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノオレイン酸POEソルビタン、トリイソステアリン酸POEソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸ペンタグリセリル、モノミリスチン酸ペンタグリセリル、モノオレイン酸ペンタグリセリル、モノステアリン酸ペンタグリセリル、モノラウリン酸デカグルセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などのシリコーン系界面活性剤等である。
【0035】
界面活性剤が配合される場合、界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。界面活性剤の含有量が上記範囲内であることにより、原液中の有効成分等は、充分に乳化されやすい。また、原液は、べたつき等を生じにくく、使用感が優れる。
【0036】
冷感補助剤は、適用箇所に塗布された原液の乾燥を速め、気化熱により冷感を付与しやすくする等の目的で好適に配合される。
【0037】
冷感補助剤は特に限定されない。一例を挙げると、冷感補助剤は、沸点が15~50℃である低沸点溶剤であり、メチラール(42℃)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(18.3℃)、イソペンタン(27.8℃)、ノルマルペンタン(36.1℃)等である。これらの中でも、冷感補助剤は、水溶性を示すメチラールであることが好ましい。
【0038】
冷感補助剤が配合される場合、冷感補助剤の含有量は、原液中、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、冷感補助剤の含有量は、原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。冷感補助剤の含有量が上記範囲内であることにより、原液は、冷感を付与する効果が優れる。
【0039】
水溶性高分子は、冷感を保持する効果を補助する等の目的で好適に配合される。
【0040】
水溶性高分子は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース系高分子;キサンタンガム、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴム、カチオン化グアガム、グアガム、ジェランガムなどのガム質;デキストラン、カルボキシメチルデキストランナトリウム、デキストリン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー等である。
【0041】
水溶性高分子が配合される場合、水溶性高分子の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、水溶性高分子の含有量は、原液中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、水溶性高分子の含有量は、原液中、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。水溶性高分子の含有量が上記範囲内であることにより、吐出製品1は、冷感を保持する効果が得られやすい。また、原液は、粘度が高くなり過ぎず、吐出しやすい。
【0042】
油剤は、肌触りや櫛通りを良くする等の目的で好適に配合される。
【0043】
油剤は特に限定されない。一例を挙げると、油剤は、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル、流動パラフィン、イソパラフィンなどの炭化水素、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジ-2-エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジラウリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジイソステアリン酸ジエチレングリコール、ジオレイン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸トリエチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコール、ジイソステアリン酸トリエチレングリコール、ジオレイン酸トリエチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、トリ2-エチルへキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、コハク酸ジエトキシエチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロシキシステアリン酸エチルヘキシルなどのエステル油、オリーブ油、ツバキ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂、イソステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコール等である。
【0044】
油剤が配合される場合、油剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、油剤の含有量は、原液中、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、油剤の含有量は、原液中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。油剤の含有量が上記範囲内であることにより、吐出製品1は、油剤を配合することによる効果が得られやすい。また、原液は、べたつきを生じにくく、使用感が優れる。
【0045】
原液全体の説明に戻り、原液の調製方法は特に限定されない。原液は、従来公知の方法により調製することができる。たとえば、原液は、アルコール類、有効成分等を水に添加し、溶解または乳化させることにより調製され得る。
【0046】
・保温剤M
保温剤Mは、内部容器6と外部容器5との間の空間(第1収容空間S1)に、加圧剤とともに充填される。保温剤Mは、内部容器6内の原液を保温するために配合される。
【0047】
保温剤Mは特に限定されない。一例を挙げると、保温剤Mは、水、アルコール類、およびこれらの混合物等である。本実施形態の吐出製品1は、保温剤Mが水を含んでいても、安全に使用され得る。すなわち、吐出製品1は、たとえば冷凍庫に保持されることにより、水を含む保温剤Mが凍結し、膨張する。しかしながら、吐出製品1は、合成樹脂製の内部容器および外部容器からなるため、保温剤Mの体積膨張に合わせて、これらの外部容器および内部容器が適宜膨張することができ、破裂することがない。そのため、吐出製品1は、安全性が高く、かつ、より長く低温状態を維持することができる。
【0048】
保温剤Mは、吐出製品1が冷却して使用される場合には、吐出製品1を保管する温度で凍結する保温剤であることが好ましい。このような保温剤Mは、原液を冷却し、維持する効果が高い。
【0049】
保温剤Mの充填量は、第1収容空間S1の容積の5容量%以上であることが好ましく、10容量%であることがより好ましい。また、保温剤Mの充填量は、第1収容空間S1の容積の50容量%以下であることが好ましく、45容量%以下であることがより好ましい。保温剤Mの充填量が上記範囲内であることにより、保温剤Mは、内部容器6の周壁と適度に接し、保温効果が優れる。また、保温剤Mの容量が少なくても保温効果が得られるため、吐出製品1は、第1収容空間S1に、保温剤Mとともに加圧剤を適量充填しやすい。その結果、吐出製品1は、加圧剤によって原液を全量吐出しやすい。また、正立状態で吐出製品1を吐出する場合は、第1収容空間内の加圧剤が充填されている部分を手で把持しやすく、原液に手の熱が伝わりにくい。
【0050】
・加圧剤
加圧剤は、内部容器6と外部容器5との間の空間(第1収容空間S1)に、保温剤Mとともに充填される。加圧剤は、内部容器6内の原液を加圧し、バルブが解放された際に原液を外部に吐出するために配合される。
【0051】
加圧剤は、窒素、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素等の圧縮ガスが例示される。
【0052】
加圧剤の圧力は、内部容器6に充填された原液Cを押圧して外部に吐出することができる程度であればよく、特に限定されない。一例を挙げると、加圧剤の圧力は、外部容器5の25℃における圧力が0.2MPa以上となるよう充填することが好ましく、0.3MPa以上となるよう充填することがより好ましい。また、加圧剤の圧力は、外部容器5内の25℃における圧力が0.8MPa以下となるように充填することが好ましく、0.6MPa以下となるように充填することがより好ましい。加圧剤の圧力が上記範囲内となるよう第1収容空間S1に充填されることにより、吐出製品1は、バルブ3が開放された際に、内部容器6内の原液Cを適度に押圧し、バルブ3のハウジング35に取り込ませる。その後、原液Cは、第2ステム内通路72bを通過し、吐出部材4に送られ、吐出される。
【0053】
(バルブ3)
バルブ3は、外部容器5および内部容器6の開口を閉止して、外部容器5および内部容器6を密封すると共に、第2収容空間S2と外部の連通/遮断するための部材である。バルブ3は、ステム7を収容し、内部容器6の開口に装着されるバルブ本体32と、バルブ本体32を覆い、外部容器5および内部容器6の開口を閉止するよう固着されるカバーキャップ31aとを主に備える。
【0054】
カバーキャップ31aは、バルブ3を外部容器5および内部容器6に取り付けるための部材である。カバーキャップ31aは、バルブ本体部32を覆うキャップ本体33と、キャップ本体33の外周縁において下方に延設された略円筒状の縁部34とを有する。キャップ本体33は、中心に後述するステム7が挿通される挿通孔が形成されている。縁部34の内面には、外部容器5の首部52の外周面に形成されたネジと螺合するネジが形成されている。
【0055】
バルブ本体部32は、ハウジング35と、外部容器5内の第1収容空間S1と外部を連通する第1ステム孔71aおよび内部容器6内の第2収容空間S2と外部を連通する第2ステム孔71bが形成されたステム7と、第1ステム孔71aの周囲に取り付けられ、第1ステム孔71aを閉止するための第1ステムラバー36aと、第2ステム孔71bの周囲に取り付けられ、第2ステム孔71bを閉止するための第2ステムラバー36bとを主に備える。
【0056】
ハウジング35は、ステム7が収容される部材である。ハウジング35は、上部が開口した略円筒状の筒部351と、筒部351の上端から径方向の外側に延設されたフランジ部352を主に備える。筒部351の内底面には、ステム7を上方向へ付勢する樹脂製の弾性部材37が形成されている。フランジ部352は、円盤状の天面部と、天面部の上面から上方に延設された上面側延設部353と、下面から下方に延設された下面側延設部354とを備える。フランジ部352の天面部には、第1収容空間S1から上面側延設部353内に連通するための通路(排出通路38)が形成されている。排出通路38は、使用を終えた吐出製品1から加圧剤および保温剤Mを排出するための通路である。下面側延設部354は、略円筒状の部位である。下面側延設部354の外周面にはOリングを保持する環状の保持溝が形成されており、Oリングは保持溝と内部容器6の内周面との間で圧縮されてシールしている。
【0057】
ステム7は、略円筒状の部位であり、中央近傍から上部は二重円筒状である。ステム7は、排出される加圧剤および保温剤Mが通過する第1ステム内通路72aと、吐出時にハウジング35内に取り込まれた原液Cが通過する第2ステム内通路72bと、とが形成されている。ステム7の上端は、二重円筒状であり、ステム内筒部73aと、ステム内筒部73aを囲むステム外筒部73bとからなる。ステム内筒部73aの上端は、ステム外筒部73bと比較して、外部に突出している。ステム内筒部73aの突出した上端は、原液Cを吐出するための吐出部材4が取り付けられる。
【0058】
第2ステム内通路72bの下端近傍には、ハウジング35内の空間と第2ステム内通路72bとを連通する第2ステム孔71bが形成されている。第1ステム内通路72aの下端近傍には、上記排出通路38の一端が開口する空間と第1ステム内通路72aとを連通する第1ステム孔71aが形成されている。第1ステム孔71aは、非排出時には、第1ステムラバー36aの内周面により閉止される。第2ステム孔71bは、非吐出時には、第2ステムラバー36bの内周面により閉止される。
【0059】
第1ステム孔71aの断面積は特に限定されない。一例を挙げると、第1ステム孔71aの断面積は、0.03mm2以上であり、0.05mm2以上であることがより好ましい。また、第1ステム孔71aの断面積は、1mm2以下であり、0.8mm2以下であることがより好ましい。第1ステム孔71aの断面積が上記範囲内であることにより、保温剤Mや加圧剤を排出しやすい。
【0060】
第2ステム孔71bの断面積は特に限定されない。一例を挙げると、第2ステム孔71bの断面積は、0.03mm2以上であり、0.05mm2以上であることがより好ましい。また、第2ステム孔71bの断面積は、1mm2以下であり、0.8mm2以下であることがより好ましい。第2ステム孔71bの断面積が上記範囲内であることにより、原液Cは、詰まりを生じにくく、吐出されやすい。
【0061】
第1ステムラバー36aは、第1ステム孔71aの周囲に取り付けられ、排出通路38の一端が開口する空間と外部とを適宜遮断するための部材である。また、第1ステムラバー36aは、中心にステム7が挿通される挿通孔が形成された円盤状の部材である。第1ステムラバー36aの内径は、ステム7のうち、第1ステム孔71aが形成されている箇所の外径よりもわずかに小さく、非排出時において、内周面をステム7の第1ステム孔71aが形成された外周面と密着させて、第1ステム孔71aを閉止する。
【0062】
第2ステムラバー36bは、第2ステム孔71bの周囲に取り付けられ、ハウジング35の内部空間と外部とを適宜遮断するための部材である。また、第2ステムラバー36bは、中心にステム7が挿通される挿通孔が形成された円盤状の部材である。第2ステムラバー36bの内径は、ステム7のうち、第2ステム孔71bが形成されている箇所の外径よりもわずかに小さく、非吐出時において、内周面をステム7の第2ステム孔71bが形成された外周面と密着させて、第2ステム孔71bを閉止する。
【0063】
弾性部材37は、ハウジング35内に圧縮状態で保持され、ステム7を上方に付勢するスプリングの作用をする合成樹脂製の板状部材である。弾性部材37は、筒部351の内底面から上方へ延設された4つの突片から構成される。それぞれの突片の上端は、ステム7の底面と当接している。弾性部材37は、非吐出時において、ステム7を上方向へ付勢する。また、弾性部材37を構成するそれぞれの突片は樹脂製であり、ステム7が押し下げられることにより、容易に変形し得る。なお、弾性部材37は合成樹脂製の板状部材の代わりに、バルブ3において一般的に使用される金属製のスプリングであってもよい。
【0064】
(吐出部材4)
吐出部材4は、原液Cを吐出するための部材であり、ステム7の上端に取り付けられる。吐出部材4は、ステム7が取り付けられた状態において、ステム7のステム内筒部73aおよびステム外筒部73bがほぼ隙間なく嵌め込まれるための第1凹部41が形成されている。吐出部材4は、第1凹部41と連通する断面形状が略L字状の吐出通路42と、噴射治具43が嵌め込まれる第2凹部44とが形成されている。噴射治具43は、外周縁上に複数の溝431が設けられた略円筒状の治具本体43aと、治具本体43aに取り付けられる噴射ノズル43bとからなる。噴射ノズル43bは、有底筒状であり、底部には吐出孔432aと、溝431を通過した原液Cが中心の吐出孔432aに向かって流れるノズル通路432bと、ノズル通路432bの端部に形成された空間であって、原液Cを旋回させるための旋回室432cが形成されている。原液は旋回室432c内で旋回され、吐出孔から広範囲に吐出(噴霧)される。
【0065】
吐出孔432aの断面積は、0.03mm2以上であることが好ましく、0.05mm2以上であることがより好ましい。また、吐出孔432aの断面積は、2mm2以下であることが好ましく、1mm2以下であることがより好ましい。吐出孔432aの断面積が上記範囲内であることにより、原液Cは、詰まりを生じにくく、霧状で吐出されやすい。
【0066】
なお、本実施形態において、吐出孔432aの数および形状は特に限定されない。吐出孔432aは、複数であってもよい。また、吐出孔432aの形状は、略円形状、略角形状等であってもよい。
【0067】
図1および図2に示されるように、吐出部材4がステム7に取り付けられると、第1凹部41には、ステム内筒部73aおよびステム外筒部73bがほぼ隙間なく嵌め込まれる。そのため、この状態で吐出部材4が押し下げられると、第2ステムラバー36bが撓み、第2ステム孔71bが開放される。その結果、原液Cは、内部容器6からハウジング35内に取り込まれ、第2ステム孔71bを通過し、さらに、第2ステム内通路72bを通過し、吐出部材4に取り込まれ、その後、吐出孔432aから吐出される。この際、吐出部材4が押し下げられると、第1ステムラバー36aも同様に撓み、第1ステム孔71aが開放される。しかしながら、第1凹部41には、ステム内筒部73aおよびステム外筒部73bがほぼ隙間なく嵌め込まれている。そのため、排出通路38の一端が開口する空間と外部とは、連通しない。その結果、図1に示される態様では、原液Cのみが吐出され、第1収容空間S1内の保温剤Mや加圧剤は漏洩しにくい。
【0068】
また、吐出部材4は、第1凹部41が設けられている面の反対側の面に、保温剤Mおよび加圧剤を排出する際にステム内筒部73aを挿し込むための第3凹部45が設けられている。
【0069】
図3は、使用し終わった後に、保温剤Mおよび加圧剤を排出している状態(排出状態)を説明するための拡大された断面図である。吐出部材4は、上下が反転され、第3凹部45にステム内筒部73aが挿し込まれている。第3凹部45の深さは、ステム内筒部73aがステム外筒部73bに対して突出している長さよりも短い。そのため、図3に示されるように、ステム内筒部73aが第3凹部45に挿し込まれた状態において、吐出部材4が押し下げられると、第1ステムラバー36aが撓み、第1ステム孔71aが開放される。その結果、保温剤Mおよび加圧剤は、排出通路38を通過し、次いで、第1ステム孔71aを通過し、さらに、ステム内筒部73aとステム外筒部73bとの間隙を通過して、外部に排出される。
【0070】
この際、第2ステムラバー36bも撓み、第2ステム孔71bが開放される。しかしながら、原液Cが通過するステム内筒部73aの上端は、第3凹部45によって閉止されている。また、上記のとおり、加圧剤は外部に排出される。そのため、吐出製品1は、使用後に、仮にわずかに原液Cが内部容器6内に残存している場合であっても、原液Cは吐出されない。
【0071】
以上、本実施形態の吐出製品1によれば、たとえば冷蔵庫や恒温槽に保持されることにより冷却または加温される。吐出製品1は、合成樹脂製の外部容器を使用しており、さらに外部容器内の第1収容空間に加圧剤を充填しているため、外気や手の温度が内部容器内の原液に伝わりにくく、さらに保温剤Mによって原液Cが保温されている。そのため、吐出製品1は、冷蔵庫や恒温槽から取り出された後でも、低温状態や高温状態の原液Cを、長く維持でき、かつ、これらを吐出することができる。吐出製品1は、夏場の外出時、ジョギングやマラソンなどのスポーツ時に、体を冷却してリフレッシュしたり、熱中症予防などに好適に用いることができる。
【0072】
なお、本実施形態では、第3凹部45が第1凹部41の反対側に形成されている場合について例示した。しかしながら、第3凹部45は、省略されてもよい。この場合、加圧剤および保温剤Mは、吐出部材の平坦な面をステム内筒部73aの上端に押し当てることにより、排出され得る。また、第3凹部45の位置は特に限定されない。第3凹部45は、たとえば、吐出孔432aの形成されている面の反対側の面に設けられていてもよい。
【実施例
【0073】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
【0074】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート製の内部容器と、内部容器を収容したポリエチレンテレフタレート製の外部容器とからなる二重ボトルを準備した。内部容器内の収容空間(収容空間S2)に原液(水/エタノール=60/40、凝固点-30.7℃)を90g充填した。バルブを取り付け、外部容器内の収容空間(収容空間S1)に、保温剤として水を15g(収容空間S1の15容量%)入れ、加圧剤(窒素)を0.5MPa(25℃)となるよう充填し、吐出製品を作製した。
【0075】
(比較例1)
二重ボトルに代えて、ポリエチレンテレフタレート製の容器(一重ボトル)を使用し、原液のみを充填した以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0076】
(比較例2)
二重ボトルに代えて、アルミニウム製の容器(一重ボトル)を使用し、原液のみを充填した以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0077】
(比較例3)
ポリエチレン製の内部容器と、内部容器を収容したアルミニウム製の外部容器とからなる二重容器を使用し、保温剤を充填しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0078】
(比較例4)
ポリエチレン製の内部容器と、内部容器を収容したアルミニウム製の外部容器とからなる二重容器を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0079】
(比較例5)
外部容器内の収容空間(収容空間S1)に、保温剤を充填しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0080】
(比較例6)
内部容器内の収容空間(収容空間S2)に加圧剤を入れ、外部容器内の収容空間(収容空間S1)に、原液を入れた以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0081】
(比較例7)
内部容器内の収容空間(収容空間S2)に保温剤および加圧剤を入れ、外部容器内の収容空間(収容空間S1)に、原液を入れた以外は、実施例1と同様の方法により、吐出製品を作製した。
【0082】
実施例1および比較例1~7において得られた吐出製品を、-20℃の冷凍庫に24時間保管した。その後、冷凍庫から取り出して室温(23℃)に置き、所定の経過時間に原液を吐出して、吐出物の温度(℃)を、温度計(デジタルサーモメーター CT1200D、(株)カスタム製)を用いて測定した。結果を表1および図4に示す。図4は、冷凍庫から取り出した吐出製品を所定の経過時間毎に吐出した原液の温度を示すグラフである。
【0083】
【表1】
【0084】
表1または図4に示されるように、実施例1の吐出製品は、冷凍庫から取り出してから60分経過後であっても吐出物の温度は8.0℃と低く、150℃経過後であっても17.2℃と低く、測定環境温度(23℃)よりも5℃程度低かった。一方、比較例1~7の吐出製品は、取り出された後の温度上昇が速く、30分経過後には10℃を超え始め、50分経過後にはすべての吐出製品が10℃を超えた。また、比較例1~7の吐出製品は、150分経過後にはすべてが22℃程度に上昇し、測定環境温度(23℃)と同程度であった。
【符号の説明】
【0085】
1 吐出製品
2 容器本体
3 バルブ
31a カバーキャップ
32 バルブ本体部
33 キャップ本体
34 縁部
35 ハウジング
351 筒部
352 フランジ部
353 上面側延設部
354 下面側延設部
36a ステムラバー
36b ステムラバー
37 弾性部材
38 排出通路
4 吐出部材
41 第1凹部
42吐出通路
43 噴射治具
431 溝
432a 吐出孔
432b ノズル通路
432c 旋回室
43a 治具本体
43b 噴射ノズル
44 第2凹部
45 第3凹部
5 外部容器
51 肩部
52 首部
6 内部容器
61 フランジ部
62 溝
7 ステム
71a 第1ステム孔
71b 第2ステム孔
72a 第1ステム内通路
72b 第2ステム内通路
73a ステム内筒部
73b ステム外筒部
C 原液
M 保温剤
S1 第1収容空間
S2 第2収容空間
図1
図2
図3
図4