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  • 特許-床構造、建物および吸振体 図1
  • 特許-床構造、建物および吸振体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】床構造、建物および吸振体
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/43 20060101AFI20220830BHJP
   E04F 15/18 20060101ALI20220830BHJP
   E04F 15/20 20060101ALI20220830BHJP
   E04B 1/98 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
E04B5/43 H
E04F15/18 602H
E04F15/20
E04B1/98 L
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018134666
(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公開番号】P2020012285
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 ひかり
【審査官】沖原 有里奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-037776(JP,A)
【文献】特開2016-035137(JP,A)
【文献】特開平08-177053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 5/00-5/48
E04B 1/62-1/99
E04F 15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート床と、
前記コンクリート床の上方に設けられた床仕上げ材と、
前記コンクリート床と前記床仕上げ材との間に設けられた複数の吸振体と、を備える床構造であって、
前記吸振体は、前記コンクリート床に載置されたバネ材と、
前記バネ材に載置された錘と、を備えており、
前記バネ材は、上下に積層された複数のシート材の集合体であり、袋を折り畳むことで形成されていて、
前記錘は、前記袋に収容されていることを特徴とする、床構造。
【請求項2】
前記吸振体の内部減衰が減衰定数で15%以上から35%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の床構造。
【請求項3】
前記複数の吸振体の総質量が、前記コンクリート床の質量の3%以上から15%以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の床構造。
【請求項4】
前記シート材が、平織りされたポリエチレン製の織布であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の床構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の床構造を備えることを特徴とする、建物。
【請求項6】
コンクリート床に載置されたバネ材と、前記バネ材に載置された錘と、を備えており、
前記バネ材が、上下に積層された複数のシート材の集合体であり、袋を畳むことで形成されていて、
前記錘は、前記袋に収容されていることを特徴とする、吸振体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床衝撃音や固体伝搬音を低減するための床構造、この床構造を備える建物およびこの床構造に使用可能な吸振体に関する。
【背景技術】
【0002】
住環境の快適性を確保するために、床衝撃音や固体伝搬音を低減することが可能な床構造が求められている。ここで、床衝撃音は、床部材に生じた振動が伝搬して下階室で観測される音である。このような床衝撃音には、家具の引き摺りや小物類の落下等により生じる軽量床衝撃音と、人の飛び跳ね、飛び降り等により生じる重量床衝撃音とに分けられる。また、固体伝搬音には、電車等の走行に伴う振動や、建物内外に設置された設備機器の稼動に伴う振動に起因する音がある。
床衝撃音や固体伝搬音の対策工として、床スラブの厚さ(質量)を増加させる場合がある。ところが、床スラブの質量を増加させると、建物の構造的負担を増加させることになる。
そのため、本出願人は、特許文献1に示すように、床スラブの部材厚を増加させることなく床衝撃音や固体伝搬音を低減することを可能とした床構造を開発している。特許文献1の床構造は、コンクリート床と、床仕上げ材とからなる乾式二重床において、吸振体をコンクリート床上に複数上載することにより構成されている。吸振体は、無機質材料である粒状体と、粒状体を収容する袋とを有している。この床構造では、吸振体の質量を調整することにより対象とする周波数の振動を低減することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-037776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物に生じる振動に起因する固体伝搬音は、建物の設置箇所や周辺環境等によって異なっている。また、建物等の設計時には想定されていなかった周波数の振動が生じる場合や、後発的に設置された設備等により新たな周波数の固体伝搬音が生じる場合等もある。一方、低減対象とする振動の周波数に応じて複数の吸振体の質量を調整するには手間がかかる。
そのため、本発明は、低減対象とする振動の周波数が変化した場合等であっても、簡易に調整することが可能な床構造と、この床構造を備える建物と、この床構造に使用可能な吸振体とを提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、請求項1の床構造は、コンクリート床と、前記コンクリート床の上方に設けられた床仕上げ材と、前記コンクリート床と前記床仕上げ材との間に設けられた複数の吸振体とを備えるものである。前記吸振体は、前記コンクリート床に載置されたバネ材と、前記バネ材に載置された錘とを備えており、前記バネ材は、上下に積層された複数のシート材の集合体であり、袋を折り畳むことで形成されていて、前記錘は、前記袋に収容されている。
請求項2の床構造は、前記吸振体の内部減衰を、減衰定数で15%以上から35%以下とした。
請求項3の床構造は、前記複数の吸振体の総質量を、前記コンクリート床の質量の3%以上から15%以下とした。
請求項4の床構造は、前記シート材を平織りされたポリエチレン製の織布とした。
また、本発明の建物は、請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の床構造を備えるものである。
さらに、本発明の吸振体は、コンクリート床の上面に載置されたバネ材と、前記バネ材に載置された錘とを備えており、前記バネは上下に積層された複数のシート材の集合体であり、袋を畳むことで形成されていて、前記錘は、前記袋に収容されている
【発明の効果】
【0006】
請求項1の床構造は、バネ材に錘の荷重を作用させることで、床衝撃音や固体伝搬音を低減することを可能としている。また、バネ材を構成するシート材の積層数を調整することにより、共振周波数を変化させることができる。そのため、低減対象とする振動の周波数に応じた振動低減構造を簡易に構成することができる。また、シート材として袋を使用し、錘を当該袋に内装しているため取り扱いやすい。そのため、シート材と錘とを個別に設置する場合に比べて、吸振体の移動や位置決めが容易である。
また、請求項2の床構造によれば、吸振体の内部減衰が15%~30%と、非常に大きいため、広い周波数に対して、振動低減効果を得ることができる。なお、一般的に用いられる防振ゴムや発泡樹脂製の制振材の内部減衰は5~10%程度である。
また、請求項3の床構造によれば、複数の吸振体の総質量がコンクリート床の質量の3~15%であるため、建物の構造的負担を増加させることなく効果的に固体伝搬音を低減することができる。
また、請求項4の床構造によれば、シート材として平織りしたポリエチレン製の織布を使用しているため、積層されたシート材は、弾力性を発揮し、バネ材として効果的に機能する。
請求項に記載の建物によれば、前記床構造を利用しているため、床衝撃音や固体伝搬音を低減して、住環境の快適性を確保できる。
請求項の吸振体によれば、バネ材に錘の荷重を作用させることで、床衝撃音や固体伝搬音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る床構造の概要を示す断面図である。
図2】吸振体のモデルを示す模式図である。
図3】(a)は吸振体を示す斜視図、(b)はバネ材を構成する袋の斜視図である。
図4】シート積層数が16枚の吸振体を加振したときの周波数応答特性を示すグラフである。
図5】実施例2の実験モデルと示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図6】実施例2の吸振体による振動の低減効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態では、図1に示すように、コンクリート床2とコンクリート床2の上方に設けられた床仕上げ材3とを備える乾式二重床構造(床構造1)に生じる床衝撃音や固体伝搬音を低減するための技術について説明する。本実施形態の床構造1は、コンクリート床2と床仕上げ材3との間に設けられた複数の吸振体4によって振動を低減する。吸振体4は、バネ材5と錘6とを備えて構成されている。吸振体4は、バネ材5のバネ定数や錘6の質量等を調整することで、床構造1に生じる振動を吸収することが可能となるように固有振動数が調整された、いわゆるTMD(Tuned Mass Dumper)である(図2参照)。
本実施形態の床構造1は、コンクリート床2と床仕上げ材3との間の有効高さが90mm以下である。なお、コンクリート床2と床仕上げ材3との間の高さは90mm以下に限定されるものではない。コンクリート床2と床仕上げ材3との間の有効高さは、例えば、40mm以上150mm以下の範囲内で設定してもよい。
【0009】
コンクリート床2は、版状の鉄筋コンクリート部材であって、図示しない梁により支持されている。本実施形態のコンクリート床2は、厚さが320mm以下である。なお、コンクリート床2は、必ずしも鉄筋コンクリート造である必要はなく、例えば繊維補強コンクリート造や鉄骨コンクリート造であってもよい。また、コンクリート床2の部材厚は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。また、コンクリート床2は必ずしも梁によって支持されている必要はない。
床仕上げ材3は、コンクリート床2の上面に立設された複数の支持脚3a上に敷設されている。床仕上げ材3の構成は限定されないが、例えば、パーティクルボードなどからなる床パネルと、この床パネル上に敷設されるフローリング材等の仕上げ材とを備えるものを使用することができる。また、床仕上げ材3には、所望の位置に開口部(図示せず)を形成しておいてもよい。支持脚3aは、コンクリート床2上に複数配設されている。支持脚3aの形状・材質等は限定されるものではなく、公知の支持脚3aを使用すればよい。また、支持脚3aの配置や数も限定されるものではない。
【0010】
吸振体4は、コンクリート床2と床仕上げ材3との間に形成された空間において、大梁または小梁で周囲を支持されたコンクリート床2に載置されている。なお、コンクリート床2は必ずしも大梁または小梁によって周囲が支持されている必要はない。吸振体4は、コンクリート床2に直に載置されている。吸振体4の配置や数は限定されるものではないが、複数の吸振体4の総質量が、当該コンクリート床2の質量の3%以上から15%以下になるように吸振体4を設ける。
本実施形態の吸振体4は、隣接する他の吸振体4と隙間をあけて、断続的に配置する。なお、吸振体4は等間隔で配置してもよいし、吸振体4同士の間隔を任意に設定してもよい。また、吸振体4は、必ずしも他の吸振体4と隙間をあける必要はなく、隣り合う吸振体4同士が接していてもよい。また、複数個の吸振体4を隙間なく連続して配設して吸振体4の集合体を形成し、吸振体4の集合体同士の間に隙間を形成するように配置してもよい。
【0011】
吸振体4は、コンクリート床2に載置されたバネ材5と、バネ材5に載置された錘6とを備えている。吸振体4は、バネ材5のバネ定数と錘6の質量を調整することにより、内部減衰が減衰定数で15%以上から35%以下に調整されている。
バネ材5は、図3(a)に示すように、上下に積層された複数のシート材7の集合体である。本実施形態では、折り畳まれた袋で複数のシート材7の集合体を形成する(図3(b)参照)。袋を折り畳むことで、複数のシート材7が上下に積層された状態となる。本実施形態のバネ材5を構成するシート材7は、図3に示すように、マチを有さない平らな袋であって、板状の錘6を収容可能な細長い形状である。また、シート材7は、平織りされたポリエチレン製の織布からなる。なお、バネ材5を構成するシート材7は、袋に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン製のシートであってもよい。すなわち、バネ材5は、複数の独立したシート材7を重ねることで積層したものであってもよいし、連続しているシート材7を折り畳むことで積層したものであってもよい。また、袋の形状は限定されるものではない。また、シート材7は、必ずしも平織りされた織布である必要もない。また、シート材7を構成する材料はポリエチレンに限定されるものではない。本実施形態では、錘6を含めた吸振体4の高さが20mm以下となるように、バネ材5の高さを設定する。なお、バネ材5の高さは限定されるものではないが、20mm以下とするのが望ましい。
本実施形態では、錘6として鉄板を使用する。本実施形態の錘は、縦160mm、幅180mm、高さ19mmの鉄板を使用する。錘6は、図3(a)に示すように、折り畳まれた袋からなるバネ材5の最上部において、当該袋に収容されている。なお、錘6を構成する鉄板の形状寸法は限定されるものではない。また、錘6は、必ずしも鉄板である必要はなく、例えば、袋材に封入された粒状体であってもよい。また、錘6は必ずしも板状である必要もない。また、錘6は、必ずしもバネ材5(袋)に収容されている必要はなく、バネ材5の上面に載置してもよい。
吸振体4のバネ材5は、袋(シート材7)を折り畳んだ状態で端部(角部)をタッカー等の治具8により固定することで、開かないようにする。なお、袋(シート材7)は、端部を縫い付けてもよい。また、袋(シート材7)は、四隅を固定するのが望ましい。
【0012】
本実施形態の吸振体4およびこの吸振体4が設置された床構造1によれば、バネ材5に錘6の荷重を作用させることで、床衝撃音や固体伝搬音を低減することが可能となった。また、バネ材5を構成するシート材7の積層数を調整することにより、共振周波数を変化させること(チューニング)ができる。そのため、低減対象とする振動の周波数に応じた振動低減構造を簡易に構成することができる。
また、吸振体4の内部減衰が15%~30%と、一般的に用いられる防振ゴムや発泡樹脂製等(内部減衰は5~10%程度)に比べて非常に大きいため、広い周波数に対して制振効果を得ることができる。
また、複数の吸振体4の総質量がコンクリート床2の質量の3~15%であるため、建物の構造的負担を増加させることなく効果的に振動音を低減することができる。
また、バネ材5(シート材7)として平織りしたポリエチレン製の織布からなる袋を使用しているため、積層されたシート材7は、弾力性を発揮し、バネとして効果的に機能する。
錘6は、袋状のバネ材5に内装しているため取り扱いやすい。そのため、バネ材5と錘6とを個別に設置する場合に比べて、吸振体4の移動や位置決めが容易である。また、吸振体4は、住戸の施工後に自由に配置することができる。そのため、居室の位置に合わせて吸振体4の配置を適宜設定することができ、また、居室のレイアウトの変更に応じて適宜吸振体4の配置を変更することもできる。
また、錘6として鉄板を使用し、吸振体4の高さを20mm以下に抑えているため、懐が狭い(コンクリート床2と床仕上げ材3との間隔が低い)床構造1に設置することができる。また、平板状の錘6は、載置した際に安定しているため、バネ材5に対して安定的に荷重を作用させることができる。さらに、錘6として密度の大きい鉄板を使用することで、吸振体4の小型化を図ることができる。
また、吸振体4の質量を調整することで、低減効果を生じる周波数をチューニングすることができる。
【0013】
以下、本実施形態の床構造1の作用効果を確認するために実施した実験結果について説明する。
<実施例1>
まず、吸振体4について、シート材7の積層数を変化させた際の共振周波数を測定した。なお、吸振体4のバネ材5には、ポリエチレン製の袋を使用した。また、吸振体4の錘6には、縦160mm、幅180mm、高さ19mmの鉄板を使用した。吸振体4の全高は20mm以下とした。
本実験では、吸振体4を加振機の上に載置し、加振機側と吸振体4側の周波数応答関数の周波数特性から、共振周波数を読み取った。本実験では、バネ材5のシート材7の積層数を3,7,16および32枚にした場合についてそれぞれ共振周波数を読み取った。なお、錘6(鉄板)の質量は4.33kgとした。測定結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
表1に示すように、シート材7の積層数を変化させることにより、吸振体4の共振周波数を変化させることができる。すなわち、シート材7の積層数を3枚にした場合(ケース1)は126Hzの振動に対して振動低減効果を発揮し、同様に、シート材7の積層数を7枚にした場合(ケース2)は64Hz、16枚にした場合(ケース3)は44Hz、32枚にした場合(ケース4)は26Hzの振動に対して振動低減効果を発揮する。したがって、本実施形態の吸振体4によれば、バネ材5を構成するシート材7の積層数を変化させることで、共振周波数を低減対象とする振動の周波数に調整することが可能であることが確認できた。なお、表1の共振振動数は、周波数応答関数と周波数との関係を示すグラフにおいて(図4参照)、ピークの値を読み取ったものである。図4に示すように、ケース3において、周波数応答関数と周波数との関係をグラフに示すと、非常に緩い勾配を示す結果となった。これは、バネ材5(シート材7)の内部減衰が非常に大きいことによる。周波数特性から、半値幅法によって減衰定数を求めると吸振体4は20~30%の減衰があることが分かる。
【0016】
<実施例2>
次に、コンクリート板9の上に複数の吸振体4を設置することによる振動の低減量を測定した。本実験では、図5(a)および(b)に示すように、コンクリート板9の上に吸振体4を設置した場合と、設置しない場合について、コンクリート板9の端部をハンマー10で打撃することにより生じる振動量をそれぞれ測定し、吸振体4を設置することによる低減量を算出した。なお、本実験では、幅1m、長さ6m、厚さ230mmのコンクリート板9を使用した。コンクリート板9は、間隔をあけて配設された板状のゴム製の支持材(防振材)11により支持した。吸振体4は、コンクリート板9の幅方向に対して6個並べたものを、長さ方向に17列配設した。吸振体4として、バネ材5のシート材7の積層数を3枚(ケース1)、7枚(ケース2)にした場合について、それぞれ測定した。実験結果を図6に示す。なお、吸振体4のバネ材5および錘6を構成する材料は、実施例1で使用したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
図6に示すように、ケース1では、周波数125Hz付近において最も低減効果が得られる結果となった。また、ケース2は、周波数63Hz付近において最も低減効果が得られる結果となった。したがって、シート材7の積層数を調整することで、低減対象とする振動の周波数に応じた振動低減構造を構成することができることが確認できた。
【0017】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、床構造1が適用可能な建物の使用目的は限定されない。
【符号の説明】
【0018】
1 床構造
2 コンクリート床
3 床仕上げ材
4 吸振体
5 バネ材
6 錘
7 シート材
8 治具
9 コンクリート板
10 ハンマー
図1
図2
図3
図4
図5
図6