IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ヴァレオジャパンの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/16 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
H01H13/16 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018187653
(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公開番号】P2020057532
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ヴァレオジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【弁理士】
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176991
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 由布子
(72)【発明者】
【氏名】宮瀬 泰夫
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-522258(JP,A)
【文献】特開2003-151398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキペダルの操作に連動して軸線方向に進退移動するロッドと、
前記ロッドの長手方向の一端側が挿入されると共に、前記ロッドを前記軸線方向に移動可能に支持する本体ケースと、
前記本体ケース内で、前記軸線方向に変位可能に設けられた可動盤と、
前記ロッドと前記可動盤とを連結する連結機構と、を有し
前記ロッドの前記軸線方向の進退移動により、前記可動盤を前記軸線方向に変位させて、前記可動盤が持つ可動接点を固定接点に対して接離させるスイッチ装置であって、
前記ロッドを相対回転不能、かつ前記軸線方向に移動可能に支持するホルダが、前記本体ケース内に設けられており、
前記連結機構は、
前記ロッドの外周から径方向に突出する突出部と、
前記可動盤に設けられていると共に、前記ロッドの外周を囲む壁部と、を有すると共に、
前記ロッドを初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込んだのち、前記ロッドを前記軸線回りに回転させると、前記突出部の外周に設けた歯部と、前記壁部の内周に設けた歯部とが噛合して、前記ロッドと前記可動盤とが連結されるように構成されており、
前記本体ケースにおいて前記ホルダは、前記軸線回りの基準位置から所定の角度範囲内で、前記本体ケースに対して相対回転可能であり、
前記ホルダが前記基準位置に配置されると、前記突出部と前記壁部が、前記軸線周りの周方向の位相をずらして配置されることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記ホルダを、前記軸線回りの基準位置から所定の角度範囲回転させると、前記本体ケースと前記ホルダとの位置関係を固定する固定機構を有することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記固定機構は、
前記ホルダの外周で片持ち支持されていると共に、外周に係合爪が設けられた先端側が径方向に弾性変位可能な係合片と、
前記本体ケースの前記ホルダの外周を囲む周壁部に設けられていると共に、前記係合爪が係合する係合溝と、を有しており、
前記係合溝は、
前記本体ケースと前記ホルダとの前記軸線回りの相対回転を許容する第1係合溝と、
前記本体ケースと前記ホルダとの前記軸線回りの相対回転を阻止する第2係合溝と、を有しており、
前記第1係合溝と前記第2係合溝とは、前記軸線回りの周方向に間隔をあけて隣り合っていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれるまで、前記ロッドと前記本体ケースとの前記軸線周りの相対回転を規制する回転規制機構を有していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記回転規制機構は、
前記ロッドの外周から径方向外側に突出するリブと、
前記本体ケースに設けられて前記リブが係合するキー溝と、を有しており、
前記キー溝は、前記軸線方向に所定長さで形成されて、前記リブが前記キー溝に位置している間、前記ロッドと前記本体ケースとの相対回転を規制することを特徴とする請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記ロッドには、前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれるまで、前記係合片の内径側への弾性変形を阻止する変形規制リブが設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記係合片では、前記係合爪が設けられた位置の内周に、内径側に突出する突出片が設けられており、
前記突出片の内径側に、前記変規制リブが設けられていることを特徴とする請求項6に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記ロッドの外周から径方向外側に突出するリブと、
前記本体ケースに設けられて前記リブが係合するキー溝と、を有しており、
前記軸線方向から見て前記キー溝は、前記第1係合溝の前記軸線周りの角度範囲以下の角度範囲で形成されており、
前記キー溝は、前記軸線方向に所定長さで形成されて、前記リブが前記キー溝に位置している間、前記ホルダと前記本体ケースとの相対回転を、前記第1係合溝の角度範囲内に規制することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
前記突出片の内径側の端部には、前記変規制リブの上端が係合する凹部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項10】
前記軸線方向から見て前記凹部は、前記内径側に向かうにつれて、前記軸線周りの周方向の幅が広くなる形状で形成されており、
前記軸線方向から見て前記変規制リブは、外径側に向かうにつれて前記軸線周りの周方向の幅が狭くなる尖り形状で形成されていることを特徴とする請求項に記載のスイッチ装置。
【請求項11】
前記ホルダと前記本体ケースとの相対回転は、前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれるまで、前記第1係合溝の角度範囲内で許容されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のスイッチ装置。
【請求項12】
前記固定機構は、
前記ホルダの外周で片持ち支持されていると共に、外周に係合爪が設けられた先端側が径方向に弾性変位可能な係合片、を有し、
前記本体ケースの前記ホルダの外周を囲む周壁部では、
前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれるまで前記係合爪が係合して、前記本体ケースと前記ホルダとの前記軸線回りの相対回転が阻止される係合孔と、
前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれると前記係合爪が係合して、前記本体ケースと前記ホルダとの前記軸線回りの相対回転が許容される係合溝と、が設けられており、
前記係合孔と前記係合溝は、前記軸線方向に間隔をあけて設けられており、
前記ロッドには、前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれるまで、前記係合片の内径側への弾性変形を阻止するカムが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項13】
前記係合溝は、
前記本体ケースと前記ホルダとの前記軸線回りの相対回転を許容する第1係合溝と、
前記本体ケースと前記ホルダとの前記軸線回りの相対回転を阻止する第2係合溝と、を有しており、
前記第1係合溝と前記第2係合溝とは、前記軸線回りの周方向に間隔をあけて隣りあっていることを特徴とする請求項12に記載のスイッチ装置。
【請求項14】
前記ロッドには、前記カムが着脱自在に取り付けられる取付部が設けられており、
前記ホルダには、前記カムに係止される係止部が設けられており、前記ロッドが前記初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込まれた時点で、前記カムが前記係止部により前記取付部から脱落することを特徴とする請求項12または請求項13に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキペダルの踏み込み操作の検出に用いられるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブレーキペダルの踏み込み操作の検出に用いられるスイッチ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4276835号公報
【0004】
このスイッチ装置は、ブレーキペダルの操作に連動して進退移動するロッド(押し棒)と、第1ケースと第2ケースとを組み付けて構成した本体ケースと、を有している。
ロッドは、本体ケースの第1ケースを、第1ケースと第2ケースとの組み付け方向に貫通して設けられており、この状態においてロッドは、第1ケースと第2ケースとの組み付け方向に沿う軸線方向に移動可能に支持されている。
【0005】
スイッチ装置の内部では、ロッドと、可動接点を支持する可動盤とが、ロック機構を介して連結されている。スイッチ装置では、ブレーキペダルの操作に連動してロッドが軸線方向に移動すると、可動接点が、ロッドと一体に軸線方向に移動して、第2ケース側に設けられた固定接点に接触する。これにより、スイッチ装置からオン信号が出力される。
【0006】
スイッチ装置を、ブレーキペダルの操作を検出できる状態で設置する際には、ロッドを本体ケース内に所定長さ押し込む必要がある。
そのため、スイッチ装置を設置する段階では、本体ケース内の可動盤と、ロッドとが軸線方向で相対移動可能である必要がある。そして、スイッチ装置の設置完了後には、可動盤とロッドとが連結されて、軸線方向に一体移動可能である必要がある。
【0007】
ロック機構は、可動盤とは別部品であり、スイッチ装置の設置完了後に、ロッドと、可動接点を支持する可動盤とを相対回転不能に連結するために設けられている。
ロック機構は、一対の鋸歯状のロック要素から構成される。ロック要素は、ロッドの外周と、ロック機構の内周にそれぞれ設けられている。
【0008】
スイッチ装置では、ロッドを本体ケース内に所定長さ押し込んだのち、ロッドを軸線回りに回転させることで、ロッド側のロック要素と、ロック機構側のロック要素とを係合させる。これにより、可動接点を有する可動盤と、ロッドとが連結されて、ロッドが軸線方向に正しく位置決めされた状態で可動盤とともに軸線方向に一体移動可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このスイッチ装置は、ロッドと可動盤とを連結するために部品点数が多く、さらにロッドを本体ケース内に所定長さ押し込む際に、ロッド側のロック要素と、ロック機構側のロック要素との位置合わせが必要である。
そのため、組み付け作業が煩雑となり、スイッチ装置の作製コストが高くなる。
そこで、より安価にスイッチ装置を提供できるようにすることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
ブレーキペダルの操作に連動して軸線方向に進退移動するロッドと、
前記ロッドの長手方向の一端側が挿入されると共に、前記ロッドを前記軸線方向に移動可能に支持する本体ケースと、
前記本体ケース内で、前記軸線方向に変位可能に設けられた可動盤と、
前記ロッドと前記可動盤とを連結する連結機構と、を有し
前記ロッドの前記軸線方向の進退移動により、前記可動盤を前記軸線方向に変位させて、前記可動盤が持つ可動接点を固定接点に対して接離させるスイッチ装置であって、
前記ロッドを相対回転不能、かつ前記軸線方向に移動可能に支持するホルダが、前記本体ケース内に設けられており、
前記連結機構は、
前記ロッドの外周から径方向に突出する突出部と、
前記可動盤に設けられていると共に、前記ロッドの外周を囲む壁部と、を有すると共に、
前記ロッドを初期位置から前記本体ケース内に所定長さ押し込んだのち、前記ロッドを前記軸線回りに回転させると、前記突出部の外周に設けた歯部と、前記壁部の内周に設けた歯部とが噛合して、前記ロッドと前記可動盤とが連結されるように構成されており、
前記本体ケースにおいて前記ホルダは、前記軸線回りの基準位置から所定の角度範囲内で、前記本体ケースに対して相対回転可能であり、
前記ホルダが前記基準位置に配置されると、前記突出部と前記壁部が、前記軸線周りの周方向の位相をずらして配置される構成のスイッチ装置とした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ホルダが基準位置に配置されると、突出部と周壁部が、軸線周りの周方向の位相をずらして配置される。この状態でロッドを初期位置から本体ケース内に押し込むことで、ロッドを所定長さ押し込む過程で、突出部と周壁部とが干渉することを好適に防止できる。
これにより、ロッドの本体ケース内への押し込みをスムーズに行うことができる。
またロッドと可動盤との連結部に別部品が介在していないので、別部品を介在させてロッドと可動盤とを連結する場合よりもスイッチ装置の作成コストの低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】スイッチ装置を説明する図である。
図2】スイッチ装置の設置過程を説明する図である。
図3】スイッチ装置の分解斜視図である。
図4】スイッチ装置の断面図である。
図5】ロッドを説明する図である。
図6】ロックホルダを説明する図である。
図7】ロックホルダを説明する図である。
図8】ムービングブロックを説明する図である。
図9】ムービングブロックを説明する図である。
図10】極盤を説明する図である。
図11】極盤を説明する図である。
図12】カバーを説明する図である。
図13】カバーを説明する図である。
図14】カバーを説明する図である。
図15】スイッチ装置をブラケットに取り付ける際のロッドの移動とロッドの回転規制を説明する図である。
図16】第2実施形態にかかるスイッチ装置の斜視図である
図17】スイッチ装置の断面図である。
図18】スイッチ装置の分解斜視図である。
図19】ロッドを説明する図である。
図20】ロックホルダを説明する図である。
図21】ロックホルダを説明する図である。
図22】カバーを説明する図である。
図23】カバーを説明する図である。
図24】カバーを説明する図である。
図25】スイッチ装置をブラケットに取り付ける際のロッドの移動とロッドの回転規制を説明する図である。
図26】第3実施形態にかかるスイッチ装置の斜視図である
図27】スイッチ装置の断面図である。
図28】スイッチ装置の分解斜視図である。
図29】ロッドを説明する図である。
図30】カムを説明する図である。
図31】ロックホルダを説明する図である。
図32】ロックホルダを説明する図である。
図33】カバーを説明する図である。
図34】カバーを説明する図である。
図35】カバーを説明する図である。
図36】カバーを説明する図である。
図37】スイッチ装置をブラケットに取り付ける際のカムの作用を説明する図である。
図38】スイッチ装置をブラケットに取り付ける際のカムの作用を説明する図である。
図39】第4実施形態にかかるスイッチ装置の斜視図である
図40】スイッチ装置の断面図である。
図41】スイッチ装置の分解斜視図である。
図42】ロッドを説明する図である。
図43】ロックホルダを説明する図である。
図44】ロックホルダを説明する図である。
図45】カバーを説明する図である。
図46】カバーを説明する図である。
図47】極盤を説明する図である。
図48】スイッチ装置の設置過程を説明する図である。
図49】スイッチ装置の設置過程を説明する図である。
図50】スイッチ装置の設置過程を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、スイッチ装置1を説明する図であり、図1の(A)は、斜視図であり、図1の(B)は、スイッチ装置1の設置状態を説明する模式図である。
【0014】
図2は、スイッチ装置1の設置過程を説明する図であり、図2の(A)は、スイッチ装置1が取り付けられるブラケット110を説明する図である。図2の(B)は、ブラケット110の取付孔111に、スイッチ装置1の第2規制部33を挿入した状態を示した図である。図2の(C)は、図2の(B)におけるA-A断面図である。図2の(D)は、図2の(B)、(C)の状態からスイッチ装置1の本体ケース10を軸線X回りに回転させて、スイッチ装置1をブラケット110に固定した状態を示した図である。図2の(E)は、図2の(D)におけるB-B断面図である。図2の(F)は、図2の(E)におけるC-C断面図である。
【0015】
図3は、スイッチ装置1の分解斜視図である。
図4は、スイッチ装置1の断面図である。図4の(A)は、スイッチ装置1を図1における面Aで切断した断面図である。図4の(B)は、スイッチ装置1を図1における面Bで切断した断面図である。
【0016】
図1および図2に示すように、スイッチ装置1は、極盤2とカバー3とを組み付けた本体ケース10と、ブレーキペダル100の操作に連動して軸線X方向に進退移動するロッド4と、を有している。
図3および図4に示すように、本体ケース10の内部には、ロッド4に外挿されるロックホルダ5と、ロッド4に連結される可動盤6と、が収容されている。
【0017】
ロックホルダ5は、ロッド4との相対回転が規制された状態で、ロッド4を軸線X方向に移動可能に支持している。
可動盤6は、一対の可動接点7、7を有しており、ロッド4と一体に軸線X方向に進退移動する。スイッチ装置1では、可動盤6が軸線X方向に移動すると、可動盤6で支持された一対の可動接点7、7が軸線X方向に移動する。これにより、一対の可動接点7、7と、極盤2の環状壁部21の内周に露出する固定接点8、8が、ロッド4の進退移動に応じて接離して、スイッチ装置1からオン/オフ信号が出力される。
なお、図3では、モールド成形により極盤2に埋め込まれた固定接点8、8を、極盤2から抜き出して示している。
【0018】
以下、スイッチ装置1の各構成要素(極盤2、カバー3、ロッド4、ロックホルダ5、可動盤6)を説明する。なお、以下の説明では、極盤2とカバー3との組み付け方向に沿う軸線Xであって、ロッド4の中心軸に沿う軸線Xを基準として、スイッチ装置1の各構成要素の位置関係を説明する。
【0019】
[ロッド4]
図5は、ロッド4を説明する図である。図5の(A)は、ロッド4の斜視図であり、図5の(B)は、ロッド4の側面図であり、図5の(C)は、図5の(B)におけるA-A断面図であり、図5の(D)は、図5の(B)におけるB-B断面図である。
【0020】
図4の(B)に示すように、ロッド4は、円筒形状の基部40を有している。
ロッド4は、基部40の長手方向の一方の端部40a側を、本体ケース10の内部に位置させると共に、他方の端部40b側を、本体ケース10の外部に位置させた状態で、本体ケース10で軸線X方向に移動可能に支持されている。
【0021】
図5の(D)に示すように、基部40の内部には、収容穴401が設けられている。収容穴401は、基部40の一方の端部40aに開口している。収容穴401は、基部40中心線(軸線X)に沿って直線状に設けられており、基部40の他方の端部40bの近傍まで及んでいる。
収容穴401は、基部40の端部40b側が壁部402で封止されている。壁部402の中央には、収容穴401よりも小径の連通孔402aが、壁部402を厚み方向(軸線X方向)に貫通して設けられている。
【0022】
基部40の端部40bには、当接部材41が取り付けられている。当接部材41は、基部40と略整合する外径の円板部410と、円板部410の中央から延びる軸部411とを有している。
当接部材41の軸部411は、軸線X方向から壁部402の連通孔402aに挿入されている。当接部材41が、円板部410を基部40の端部40bに当接した位置に配置されると、軸部411は、壁部402から所定長さLaだけ、収容穴401内に突出する。
【0023】
収容穴401の内部には、スプリングSp2が収容されている。このスプリングSp2の一端側が、当接部材41の軸部411に外挿されている。
この状態においてスプリングSp2の一端は、軸線X方向から壁部402に当接しており、スプリングSp2の一端は、壁部402により軸線X方向の位置決めがされている。
【0024】
スプリングSp2の他端側は、収容穴401に挿入された極盤2側の支持棒24に外挿されている。スプリングSp2の他端は、支持棒24の段部242で軸線X方向の位置決めがされている。スイッチ装置1では、スプリングSp2が軸線X方向で圧縮された状態で、ロッド4側の壁部402と、支持棒24側の段部242との間で把持されている。
そのため、図4の(B)に示すように、本体ケース10においてロッド4は、スプリングSp2から作用する付勢力で、長手方向の他方の端部40b側を、本体ケース10から突出させる方向(図中、左方向)に付勢されている。
【0025】
基部40における本体ケース10の内部に位置する領域の外周には、係合部403(図4の(A)参照)と係合リブ404(図4の(B)参照)が設けられている。
【0026】
図5の(B)に示すように、基部40において係合部403は、端部40aから端部40b側(図5の(B)における左側)に離れた位置から設けられている。係合部403は、基部40の中心軸(軸線X)に沿って端部40b側に延びており、基部40の中心軸方向(軸線X方向)に所定の長さL1で形成されている。
【0027】
図5の(C)に示すように、基部40の中心軸(軸線X)に直交する断面視において、係合部403は、基部40の外周から、軸線Xの径方向外側に向けて突出している。
係合部403は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられており、係合部403、403は、基部40の直径線C1上に位置している。
【0028】
係合部403の外周部は、断面視において弧状を成しており、係合部403の外周部には、軸線X方向に所定間間隔で複数のネジ溝403aが設けられている。
断面視において係合部403は、直径線C1を挟んだ一方側の側面403bと他方側の側面403cが、互いに平行な平坦面となっている。これら側面403b、403cは、直径線C1を挟んで対称となる位置関係で設けられている。
【0029】
スイッチ装置1では、当該スイッチ装置1を車両側のブラケット110(図2参照)に取り付ける際に、ロッド4と本体ケース10を軸線X回りに相対回転させるようになっている。
この際に、ロッド4の係合部403、403が、後記する可動盤6側の係合部64、64(図3参照)に係合して、ロッド4と可動盤6とが連結されるようになっている。
【0030】
図5の(B)に示すように、ロッド4において係合リブ404は、基部40の軸線X方向に所定の長さL2で形成されている。係合リブ404の長さL2は、係合部403の長さL1よりも短くなっている(L1>L2)。
軸線Xの径方向から見て基部40では、係合リブ404が、係合部403と所定長さΔLだけ重なる範囲を持って設けられている。
【0031】
断面視において係合リブ404は、基部40の外周から軸線Xの径方向外側に向けて突出している。係合リブ404は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられている。
係合リブ404は、係合部403に対して、軸線X回りの周方向に90°位相をずらして設けられている(図5の(C)参照)。
軸線X方向から見て、係合部403と係合リブ404は、軸線X回りの周方向に90°間隔で交互に設けられている。
【0032】
断面視において係合リブ404は、直径線C1方向の一方側の側面404bと他方側の側面404cが、互いに平行な平坦面となっている。
係合リブ404の外周404aは、軸線Xに平行な平坦面となっている。係合リブ404では、前記した係合部403側の外周に、突起405が設けられている。
突起405は、軸線Xの径方向外側に向けて突出している。係合リブ404の外周404aは、突起405の部分を除き、基部40の外周40cから所定高さhaで形成されている。
【0033】
図4の(B)に示すように、ロッド4では、基部40における本体ケース10内に位置する領域に、ロックホルダ5が外挿されている。ロッド4に外挿されたロックホルダ5は、軸線X回りの周方向におけるロッド4との相対回転が規制されている。この状態で、ロッド4とロックホルダ5は、軸線X方向に相対的に移動できるようになっている。
【0034】
[ロックホルダ5]
図6および図7は、ロックホルダ5を説明する図である。
図6の(A)、(B)は、ロックホルダ5の斜視図である。図6の(C)は、ロックホルダ5を図6の(A)における面Aで切断した断面図である。図6の(D)は、図6の(C)におけるC-C矢視方向からロックホルダ5を見た図である。図6の(E)は、図6の(C)におけるD-D断面図である。
図7の(A)は、ロックホルダ5を図6の(A)における面Bで切断した断面図である。図7の(B)は、図6の(C)におけるE-E断面図である。図7の(C)は、ロックホルダ5のガイドレール54、54の間におけるロッド4の配置を説明する図である。なお、図7の(C)では、説明の便宜上、ロッド4を仮想線で示している。
【0035】
図6の(C)に示すようにロックホルダ5は、円筒状の基部50と、基部50の一端を封止する壁部51と、を有している。
軸線X方向から見て基部50には、互いに平行な二面幅部501、501が設けられている。
二面幅部501、501は、基部50の外周側の肉を、図6の(D)に示す仮想線Ln、Lnに沿って切除した形状の平坦面である。
ここで、仮想線Ln、Lnは、直径線C2を挟んで対称に位置する仮想線であって、直径線C1に直交する互いに平行な仮想線である。
【0036】
基部50において二面幅部501、501は、壁部51とは反対側(図6の(C)における右側)の端部50aの近傍まで及んで形成されている。
二面幅部501、501の外側には、軸線Xに沿う向きで設けられた係合片52、52が設けられている。
係合片52、52は、長手方向の基端が、基部50、50における二面幅部501、501よりも外側の領域(接続部502)に、軸線X方向から連結されている。
【0037】
係合片52、52は、基部50の軸線X方向の長さL3よりも短い長さL4を有している(L3>L4)。
係合片52、52の先端側の外周には、係止爪521、521が設けられている。係止爪521、521は、係合片52、52の外周から外方に突出しており、係止爪521、521の外周縁521aは、基部50の外周縁502aよりも外側に位置している。
【0038】
係合片52、52は、基部50(接続部502)で片持ち支持されており、係止爪521、521が設けられた先端側が、軸線Xの径方向に弾性的に変位できるようになっている。
【0039】
図6の(D)に示すように壁部51の中央には、ロッド4の基部40を挿通させる挿通孔510aが設けられている。
挿通孔510aの周縁部には、キー溝540、540が設けられている。キー溝540、540は、軸線X回りの周方向で180°間隔で2つ設けられている。これらキー溝540、540は、直径線C2上で互いに離れる方向に窪んで形成されている。
このキー溝540、540は、後記するガイドレール54、54(図6の(E)参照)まで延びている。
【0040】
図6の(D)に示すように、軸線X方向から見て壁部51では、キー溝540、540の外側に、係合突起53、53が設けられている。係合突起53、53は、軸線X回りの周方向で180°間隔で2つ設けられている。これら係合突起53、53は、直径線C2上で、キー溝540、540の外側に位置している。
【0041】
図7の(A)に示すように、係合突起53、53は、壁部51から離れる方向に所定の突出高さh2で突出している。
この突出高さh2は、係合突起53、53が、後記するカバー3の弧状溝320aを軸線X方向に貫通すると共に、係合突起53、53の先端が、カバー3の係合部332に接触しない高さに設定されている。
【0042】
図6の(C)、(E)に示すように、基部50には、ロッド4の軸線X方向の移動をガイドするガイドレール54、54が、軸線Xに沿う向きで設けられている。
ガイドレール54、54の一端54aは、基部50の外側に位置しており、他端54bは、壁部51における基部50側の面に接続している。
ガイドレール54、54は、壁部51から基部50の内側を通って基部50の外側まで延びている。
【0043】
図7の(B)に示すように、基部50の内側には、ガイドレール54、54を支持するための補強リブ505、506が設けられている。
補強リブ505、505は、直径線C2に沿って設けられており、ガイドレール54、54と基部50とを接続している。
【0044】
補強リブ506、506は、直径線C1挟んで対称となる位置関係で設けられており、ガイドレール54、54と、基部50における二面幅部501、501が設けられた領域とを接続している。
【0045】
軸線X方向から見てガイドレール54、54は、軸線Xを挟んで対称となる位置関係で設けられており、ガイドレール54、54における互いの対向部には、前記したキー溝540、540が開口している。
【0046】
このキー溝540、540は、前記した壁部51まで及んでおり、軸線X方向から見てガイドレール54、54の間には、壁部51に設けた挿通孔510aが位置している(図7の(B)参照)
【0047】
前記したようにロックホルダ5は、ロッド4に外挿して設けられており、ロッド4の基部40がロックホルダ5の挿通孔510aを挿通するようになっている(図7の(C)参照)。
この状態においてロッド4の係合リブ404、404が、ガイドレール54、54のキー溝540、540内に配置される一方で、ロッド4の係合部403、403が、一対の補強リブ506、506の間に配置される。
【0048】
スイッチ装置1では、ロッド4とロックホルダ5とが軸線X方向で相対的に変位する際に、ロッド4側の係合リブ404、404と、キー溝540、540との係合が保持されるようになっている。
そのため、ロッド4とロックホルダ5との軸線X方向の相対移動が、軸線Xに沿う向きで配置されたガイドレール54、54によりガイドされるので、ロッド4とロックホルダ5との相対移動がスムーズに行えるようになっている。
【0049】
そして、ロックホルダ5では、補強リブ506、506(図7の(C)参照)が、ロッド4側の係合部403との干渉を避けて設けられている。そのため、補強リブ506、506が係合部403に干渉して、ロッド4とロックホルダ5との相対移動が阻害されないようになっている。
【0050】
図4の(B)に示すように、本体ケース10内において、ロックホルダ5のガイドレール54、54の一端54a、54aは、軸線X方向から可動盤6に当接している。
【0051】
[可動盤6]
図8および図9は、可動盤6を説明する図である。
図8の(A)、(B)は、可動盤6の斜視図である。図8の(C)は、可動盤6を図8の(A)における面Aで切断した断面図である。図8の(D)は、可動盤6を図8の(A)における面Bで切断した断面図である。
図9の(A)は、可動盤6を図8の(C)におけるC-C線に沿って切断した断面図である。図9の(B)は、ロッド4の係合部403と、可動盤6の係合部64との係合過程を説明する図である。
【0052】
図8の(A)に示すように可動盤6は、環状基部60と、一対の接点支持部63、63と、一対の接点支持部63、63の互いの対向部に設けられた一対の係合部64、64と、を有している。
【0053】
図8の(C)に示すように環状基部60は、接点支持部63、63の軸線X方向の長さL5よりも短い軸線X方向の長さL6を有している。環状基部60は、接点支持部63、63の軸線X方向の一端63a、63a側に位置している。
図9の(A)に示すように、接点支持部63、63は、軸線Xを挟んで対称となる位置関係で設けられており、環状基部60は、これら接点支持部63、63の間で、接点支持部63、63同士を接続している。
【0054】
図8の(C)に示すように、環状基部60では、接点支持部63、63の他端63b側(図中、左側)の端部に、壁部61が設けられている。壁部61の中央には開口61aが設けられており、この開口61aは、前記したロッド4の係合部403が通過可能な大きさで形成されている。
【0055】
図8の(D)に示すように、軸線X方向から見て接点支持部63、63では、軸線Xとは反対側の外周に、可動接点7、7の収容部631、631が開口している。収容部631、631は、接点支持部63、63の厚みを利用して設けられている。
【0056】
図8の(D)に示すように、収容部631内では、軸線X方向における一方側の端部に、可動接点7、7の固定片70が固定されている。固定片70は、接点支持部63の幅方向に沿う向きで配置された長方形形状の部位であり、この固定片70には、固定片70から離れる方向に延びる接触片71が設けられている(図8の(A)参照)。接触片71は、固定片70の幅方向に間隔をあけて複数設けられている。接触片71の各々は、固定片70で片持ち支持されており、湾曲部が設けられた先端71a側が、収容部631から外側に突出して位置に配置されている。この状態において接触片71は、先端71a側が収容部631から出没自在となっている。
【0057】
接点支持部63、63では、軸線X方向における他端63b側の領域が、軸線Xを挟んで対向している。この対向している領域の互いの対向面に係合部64、64が設けられている(図8の(D)参照)。
係合部64、64は、ロッド4と可動盤6とを連結する際に、ロッド4側の係合部403に係合する部位である。
係合部64、64は、接点支持部63から軸線X側に突出しており、係合部64、64の軸線X側の面には、軸線X方向に所定間隔でネジ溝64aが設けられている。
【0058】
図9の(A)に示すように、軸線X方向から見て係合部64は、開口61aと同心の仮想円Im1に沿う内周を持つ第1係合部641と、直径線C1に沿う内周を持つ第2係合部642と、を有している。
第2係合部642は、仮想円Im1の接線方向に直線状に延びており、第1係合部641から離れるにつれて軸線Xからの離間距離raが大きくなっている。
【0059】
可動盤6では、軸線Xを挟んだ一方側と他方側に係合部64、64が設けられている。軸線X方向から見て、一方側の係合部64と他方側の係合部64は、軸線X回りの周方向に180°回転させた位置関係で設けられている。
図9の(A)において一方側の係合部64と他方側の係合部64では、軸線X周りの反時計回り方向に、第1係合部641と第2係合部642とが、この順番で並んでいる。
【0060】
図4の(A)に示すようにスイッチ装置1の本体ケース10内では、可動盤6の係合部64、64が、ロッド4側の係合部403、403に連結されている。
本実施形態では、スイッチ装置1をブラケット110に取り付ける際に、ロッド4を初期位置から本体ケース10内に所定長さ押し込んだのち、本体ケース10を軸線X周りに回転させることで、係合部64と、係合部403とが連結される。
【0061】
図9の(B)に示すように、ロッド4を初期位置から本体ケース10内に所定長さ押し込んだ状態では、軸線Xを挟んで対向する係合部64、64の間に、ロッド4側の係合部403、403が位置している。
この状態から本体ケース10を反時計回り方向に回転させると、可動盤6もまた、本体ケース10と一体に反時計回り方向に回転する。
そうすると、ロッド4側の係合部403、403が、本体ケース10の回転に伴って、可動盤6側の係合部64の第2係合部642に徐々に係合する。そして、最終的に、ロッド4側の係合部403、403が、可動盤6側の第1係合部641、641に係合することで、ロッド4と可動盤6が連結される。これにより、ロッド4と可動盤6とが、軸線X方向に一体移動可能に連結される。
【0062】
図4の(A)に示すように、可動盤6の壁部61では、中央の開口61aを囲む領域に、極盤2で支持されたスプリングSp1の一端が、軸線X方向から当接している。
この状態において可動盤6は、スプリングSp1の付勢力で、ロックホルダ5側(図中、左側)に付勢されており、ブレーキペダル100が踏み込まれると、ロッド4の他方の端部40b側が、ブレーキペダル100の操作量に応じて本体ケース10の外側に突出するようになっている。
【0063】
[極盤2]
図10および図11は、極盤2を説明する図である。
図10の(A)は、極盤2の斜視図であり、図10の(B)は、極盤2を図10の(A)における面Aで切断した断面図であり、図10の(C)は、極盤2を図10の(A)における面Bで切断した断面図である。図11の(A)は、極盤2を図10の(B)におけるC-C線に沿って切断した断面図である。図11の(B)は、環状壁部21内に配置された可動盤6の配置を説明する図である。
【0064】
図10の(B)に示すように、極盤2は、板状の基部20と、板状の基部20の外周縁を全周に亘って囲む環状壁部21と、を有している。
基部20と環状壁部21には、固定接点8、8の一部が埋め込まれており、固定接点8、8における基部20から突出した領域が、基部20と一体に形成された壁部23により囲まれている。
スイッチ装置1では、固定接点8、8における基部20から突出した領域と、この領域を囲む壁部23が、外部の接続端子との接続部(コネクタ部)となっている。
【0065】
極盤2の各構成要素(基部20、環状壁部21、壁部23、固定接点8、8)は、樹脂材料のモールド成形により一体に形成されている。
【0066】
図11の(A)に示すように、軸線X方向から見て基部20は、略矩形形状を成しており、軸線X方向に直交する向きで配置されている。
基部20の中央には、ロッド4の支持棒24が設けられている。支持棒24は、軸線Xに沿う向きで配置された円柱形状の部材であり、基部20と一体に形成されている。
図10の(C)に示すように、支持棒24は、軸線X上を、基部20から離れる方向に直線状に延びており、支持棒24の先端部には、支持棒24よりも外径が小さい小径部241が設けられている。
【0067】
小径部241には、軸線X方向からスプリングSp2の一端側が外挿されている。スプリングSp2の一端は、小径部241と支持棒24との境界の段部242に、軸線X方向から当接している。この状態においてスプリングSp2の一端が、支持棒24に設けた段部242で、軸線X方向の位置決めがされている。
【0068】
支持棒24の軸線X方向の長さL7は、小径部241の先端を、環状壁部21から外側に突出させない長さに設定されている(図10の(B)参照)。
【0069】
基部20では、支持棒24が設けられた面に、スプリングSp1の支持部25が設けられている。軸線X方向から見て支持部25は、支持棒24を所定間隔で囲む環状を成しており、この支持部25の外周には、スプリングSp1の一端が外挿されて、軸線X方向の位置決めがされている(図10の(C)参照)。
【0070】
図11の(A)に示すように、軸線X方向から見て環状壁部21は、一対の第1壁部210、210と、一対の第1壁部210、210の端部同士を接続する一対の第2壁部211、211とを有している。
軸線X方向から見て環状壁部21は、これら一対の第1壁部210、210と、一対の第2壁部211、211とから、略矩形形状に形成されている。
【0071】
一対の第1壁部210、210では、互いの対向面210a、210aに、固定接点8、8が露出している(図10の(C)参照)。
【0072】
図11の(A)、(B)に示すように、第2壁部211、211の内周面211a、211aでは、長手方向の中央部に、突起部214または凹部213が設けられている。
突起部214と凹部213には、スイッチ装置1を組み上げた状態で、可動盤6の突起602、601が当接するようになっている(図11の(B)参照)。
【0073】
突起部214と凹部213は、直径線C1上に位置しており、第2壁部211、211では、突起部214および凹部213(直径線C1)を挟んだ両側に、ガイド壁212、212が設けられている。
ガイド壁212、212は、直径線C1とは反対側の面が、直径線C1に対して平行な平坦面212a、212aとなっている。第2壁部211、211において、ガイド壁212、212は、軸線X方向の全長に亘って設けられている(図10の(C)参照)。
【0074】
平坦面212a、212aには、スイッチ装置1を組み上げた状態で、可動盤6の突起630、630が当接するようになっている(図11の(B)参照)。
そのため、軸線X方向に可動盤6が移動する際に、可動盤6側の突起630、630が、平坦面212a、212aを摺動し、可動盤6側の突起602、601が、突起部214と凹部213を摺動することで、可動盤6の軸線X方向の移動がガイドされるようになっている。
【0075】
第1壁部210、210の外周には、係合爪215、215が設けられている。
図4に示すように、ロックホルダ5は、極盤2にカバー3を組み付けた本体ケース10内で、カバー3の第1規制部32の内側に配置されるようになっている。
【0076】
[カバー3]
図12から図14は、カバー3を説明する図である。
図12の(A)、(B)は、カバー3の斜視図である。図12の(C)は、カバー3を図12の(A)における面Aで切断した断面図である。図12の(D)は、図12の(C)におけるC-C断面図である。図12の(E)は、カバー3を図12の(A)における面Bで切断した断面図である。
図13の(A)は、カバー3を、図12の(E)におけるD-D矢視方向から見た図である。図13の(B)は、図12の(E)におけるE-E断面図である。図13の(C)は、図12の(E)におけるF-F断面図である。図13の(D)は、図12の(E)におけるG-G断面図である。
【0077】
図14は、スイッチ装置1を、ブラケット110(図2参照)に取り付ける過程におけるカバー3(本体ケース10)の回転を説明する図である。
この図14では、カバー3(本体ケース10)が回転する過程での、ロックホルダ5側の係合片52、52の係止爪521、521の位置の変位と、ロックホルダ5側の係合突起53の位置の変位を説明している。
【0078】
図4の(A)に示すように、カバー3は、極盤2の環状壁部21に外挿される外周壁31と、カバー3におけるロックホルダ5の回動範囲を規定する第1規制部32と、ロッド4とカバー3との相対回転を、ロッド4が可動盤6に係合可能な位置に到達するまで規制する第2規制部33と、を有している。
【0079】
図12の(B)、(D)に示すように、外周壁31は、幅方向の中央に係合孔311a、311aを有する第1壁部311、311と、第1壁部311、311の端部同士を接続する第2壁部312、312とを有している。軸線X方向から見て外周壁31は、矩形形状を有しており、前記した極盤2側の環状壁部21に略隙間無く外挿される形状で形成されている。
【0080】
第1壁部311、311の係合孔311a、311aは、極盤2側の環状壁部21に設けた係合爪215、215(図4の(A)参照)に対応する位置に設けられている。カバー3と極盤2とを軸線X方向で組み付けた際に、極盤2側の係合爪215、215が、カバー3側の係合孔311a、311aに係合することで、カバー3の極盤2からの脱落が規制される。
【0081】
図12の(C)に示すように、軸線X方向における外周壁31の一端は、軸線Xに直交する壁部310で封止されており、この壁部310の中央部に、第1規制部32が設けられている。
【0082】
第1規制部32は、筒状の周壁部321と、周壁部321の一端を封止する壁部320と、を有している。前記した壁部310における周壁部321と重なる領域は開口しており、周壁部321の内側の円柱形状の空間325と、環状壁部21の内側の四角柱形状の空間315は互いに連通している。
【0083】
図13の(D)に示すように、周壁部321には、位置決め溝322と、ガイド溝323とが設けられている。
位置決め溝322と、ガイド溝323は、周壁部321を厚み方向に貫通して設けられている。
位置決め溝322は、軸線Xを通る周壁部321の直径線C2上に位置しており、軸線X回りの周方向に180°位相をずらして設けられている。
【0084】
ガイド溝323は、周壁部321を、直径線C1と重なる位置から、位置決め溝322に近づく方向(図13の(D)では時計回り方向CW)の所定範囲に亘って切り欠いて形成されている。
軸線X回りの周方向におけるガイド溝323の一方の端部323aと他方の端部323bは、直径線C1を挟んだ一方側と他方側に位置すると共に、互いに平行に設けられている。
【0085】
図13の(D)および図14の(A)では、スイッチ装置1を車両側のブラケット110(図2参照)に取り付ける前状態における、ロックホルダ5の係止爪521と、ガイド溝323との位置関係が示されている。
図14の(A)に示すように、スイッチ装置1をブラケット110に取り付ける際には、ロッド4およびロックホルダ5の回転を規制しつつ、本体ケース10を、図14(A)の状態から、軸線X回り(図中、反時計回り方向CCW)に回転させる。
【0086】
そうすると、ガイド溝323側の端部323bが、軸線X回りの周方向から係止爪521と接触する。前記したように係止爪521は、軸線X側(内径側)に弾性変位可能であるので、係止爪521が端部323bの斜面により押されて内径側に変位することで、本体ケース10の軸線X回りの回転が継続する(図14の(B)参照)。
【0087】
そして、係止爪521が端部323bを乗り越えると、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合して、本体ケース10と、ロッド4およびロックホルダ5との相対回転が規制される。
【0088】
本実施形態では、位置決め溝322とガイド溝323は、それぞれ軸線X方向に同じ幅W1(図12の(C)参照)で形成されている。
【0089】
図12の(C)に示すように、第1規制部32の周壁部321は、軸線X方向における周壁部321の一端が、軸線Xに直交する壁部320で封止されており、この壁部320の中央部に、円柱形状の第2規制部33が設けられている。
【0090】
図13の(A)、(C)に示すように壁部320では、第2規制部33に外周に沿う弧状溝320a、320aが設けられている。
弧状溝320aは、軸線Xを中心とする仮想円Im上を、軸線X回りの周方向に沿って設けられている。軸線X方向から見て弧状溝320a、320aは、軸線Xを挟んで180°位相をずらした位置関係で設けられている。
弧状溝320a、320aには、前記したロックホルダ5の係合突起53、53が、軸線X方向から挿入されるようになっている(図7の(A)参照)。
【0091】
ここで、スイッチ装置1の車両側のブラケット110(図1の(B)参照)への取り付けは、ロッド4をブレーキペダル100側のブラケット110に押し当てた状態で実施される。
この状態では、ロッド4(ロックホルダ5)の軸線X回りの回転が規制されているので、本体ケース10の方を軸線X回りに回転させる。
【0092】
弧状溝320a、320aは、この際に、ロックホルダ5と、本体ケース10との軸線X回りの相対回転を可能にすると共に、回転範囲を規定するために設けられている。
そのため、軸線X回りの周方向における弧状溝320aの角度範囲は、スイッチ装置1をブラケット110に取り付ける際に、本体ケース10に必要な回動範囲を確保できるように設定されている。
【0093】
図13の(B)に示すように、第2規制部33の中央部には、ロッド4の挿通孔330aが設けられている。挿通孔330aは、第2規制部33の規制壁330を軸線X方向に貫通しており、挿通孔330aは、第2規制部33の外部と、第1規制部32の内側の空間325とを連通させている(図12の(C)参照)。
【0094】
図13の(B)に示すように、軸線X方向から見て第2規制部33では、挿通孔330aに開口する複数の規制溝333が設けられている。
規制溝333は、軸線Xの径方向外側に窪んで形成されており、軸線X回りの周方向に90°間隔で4つ設けられており、
図12の(C)に示すように規制溝333の各々は、第2規制部33の内側の空間325に、軸線X方向から開口している。
【0095】
図13の(B)、(C)に示すように、これら規制溝333のうち、共通の直径線C1、C2上に位置する2つの規制溝333、333には、ロッド4の係合リブ404、404が係合可能となっている。
図13の(E)では、直径線C2上に位置する2つの規制溝333、333に、ロッド4の係合リブ404、404が係合した状態が示されており、この状態では、ロッド4とロックホルダ5との軸線X回りの相対回転が規制されている。
【0096】
図15の(B)に示すように、第2規制部33では、規制溝333における極盤2とは反対側(図中、左側)に、挿通孔330aを囲む規制壁330が設けられている。
図15の(A)に示すように、この規制壁330には、スプリングSp2の付勢力により押されたロッド4の係合リブ404が、軸線X方向から当接するようになっている。
規制壁330と係合リブ404は、ロッド4の本体ケース10からの脱落を規制するストッパとなっている。
【0097】
図12の(E)に示すように、第2規制部33における規制壁330側の外周には、径方向外側に突出して係合部332、332が設けられている。
図13の(A)、(B)に示すように、係合部332、332は、直径線C1を挟んで対称となる位置関係で設けられている。これら係合部332、332は、同一の直径線C2上に位置しており、軸線X周りの周方向に180°間隔で設けられている。
【0098】
図12の(E)に示すように、第2規制部33における係合部332、332が設けられた領域の外径D2は、係合部332、332が設けられていない領域の外径D1よりも大きい外径で設けられている。
図13の(A)、(B)に示すように、軸線X方向から見て、係合部332、332の外径D2は、前記した第1規制部32側の弧状溝320aの外周まで及ぶ径に設定されている。
【0099】
スイッチ装置1は、第1規制部32の係合部332、332を、ブラケット110の取付孔111の周縁に係止させて、ブラケット110を、係合部332、332と、第1規制部32との間で把持するようになっている(図2の(B)参照)
【0100】
以下、スイッチ装置1の、ブラケット110への組み付けを説明する。
図2の(A)に示すように、ブラケット110には、本体ケース10の第2規制部33の外径と整合する内径の取付孔111と、係合部332、332が通過可能な凹溝112、112が設けられている。
はじめに、スイッチ装置1において、ロッド4と本体ケース10との位置関係が、軸線X方向から見た係合部332、332の裏側に、ロックホルダ5の係合突起53が隠れる位置関係となるようにする(図2の(B)、(C)参照)。
【0101】
この状態で、スイッチ装置1の第2規制部33を、ブラケット110の取付孔111に挿入して、第1規制部32を、ブラケット110の厚み方向の一方側に位置させると共に、係合部332、332をブラケット110の厚み方向の他方側に位置させる(図2の(C)参照)。
【0102】
この状態で、ロッド4の当接部材を、ブレーキペダル100のブラケット101(図1の(B)参照)に当接させて、ブレーキペダル100側から作用する付勢力で、ロッド4を本体ケース10内に挿入する。
【0103】
そうすると、ロッド4が、本体ケース10内で係合リブ404を第2規制部33の規制壁330に当接させた基準位置(図15の(A)参照)から、本体ケース10内に押し込まれることになる。
前記したように、ロッド4の係合リブ404が、第2規制部33の規制溝333内に位置している状態では、ロッド4と本体ケース10との軸線X回りの相対回転が規制されている(図13の(E)参照)。
【0104】
そのため、図15に示すように、ロッド4が所定長さLx分だけ、本体ケース10内に押し込まれて、係合リブ404が規制溝333外に到達するまでの間、ロッド4と本体ケース10との軸線X回りの相対回転が規制された状態が継続する。これにより、ロッド4が所定長さLx分押し込まれるまでの間ロッド4が軸線方向に誤った位置で位置決めされるのを防止できる。
【0105】
図15の(B)に示すように、ロッド4が、係合リブ404が規制溝333外に到達するまで本体ケース10内に挿入されると、ロッド4と本体ケース10との軸線X回りの相対回転が許容される。
【0106】
この状態で、スイッチ装置1のブラケット110への組み付けを完了するために、本体ケース10を軸線X回りに回転させる。
そうすると、本体ケース10が、図14の(A)の状態から、軸線X回り(図中、反時計回り方向CCW)に回転して、ガイド溝323側の端部323bが、軸線X回りの周方向から係止爪521と接触する(図14の(B)参照)。
【0107】
前記したように係止爪521は、軸線X側(内径側)に弾性変位可能であるので、係止爪521が端部323bの斜面により押されて内径側に変位することで、本体ケース10の軸線X回りの回転が継続する(図14の(B)参照)。
【0108】
そして、係止爪521が端部323bを乗り越えると、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合して、本体ケース10と、ロッド4およびロックホルダ5との相対回転が規制される(図14の(C)参照)。
【0109】
本体ケース10が、図14の(A)の状態から図14の(C)の状態まで回転する過程で、本体ケース10側の係合部332、332が、ロックホルダ5の係合突起53を隠す位置から変位して、最終的に、係合部332と係合突起53とが軸線X周りに90°間隔でで交互に配置される位置に到達する(図14の(D)→(E)→(F)、図2の(D)、(E)参照)。
【0110】
そうすると、図2の(D)、(E)に示すように、本体ケース10側の係合部332、332が、ブラケット110の凹溝112から外れた角度位置に配置されて、第2規制部33の係合部332、332が、ブラケット110の取付孔111の周縁に係止される。
この状態においてブラケット110は、係合部332、332と、第1規制部32との間で把持されて(図2の(E)参照)、スイッチ装置1のブラケット110への取り付けが完了する。
【0111】
この際に、回転する本体ケース10内の可動盤6が、本体ケース10と一体に回転する(図9の(B)参照)。
これにより、本体ケース10と一体に回転する可動盤6側の係合部64、64が、ロッド4の係合部403、403に係合して、ロッド4と可動盤6とが連結される。
【0112】
このようにスイッチ装置1では、ロッド4が本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで、スイッチ装置1をブラケット110に取り付けるための本体ケース10の回転が規制される。これにより、ロッド4が所定長さLx分押し込まれるまでの間ロッド4が軸線方向に誤った位置で位置決めされるのを防止できる。
よって、ロッド4を、所定量長さLx分だけ本体ケース10内に確実に挿入した上で、ロッド4と可動盤6とを連結できる。ロッドが軸線方向に正しく位置決めされた状態で可動盤とともに軸線方向に一体移動可能になる。
【0113】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(1)スイッチ装置1は、
ブレーキペダル100の操作に連動して軸線方向に進退移動するロッド4と、
ロッド4の長手方向の一方の端部40a側が挿入されると共に、ロッド4を軸線X方向に移動可能に支持する本体ケース10と、
本体ケース10内で、軸線X方向に変位可能に設けられた可動盤6と、
ロッド4と可動盤6とを連結する連結機構と、を有する。
スイッチ装置1では、ロッド4の軸線X方向の進退移動により、可動盤6を軸線X方向に変位させて、可動盤6が持つ可動接点7を固定接点8に対して接離させる。
スイッチ装置1では、ロッド4を相対回転不能、かつ軸線X方向に移動可能に支持するロックホルダ5(ホルダ)が、本体ケース10内に設けられている。
連結機構は、
ロッド4の外周から径方向に突出する係合部403(突出部)と、
可動盤6に設けられている共に、係合部403のの突出高さよりも小さい間隔で、ロッド4の外周を囲む係合部64(壁部)と、を有する。
連結機構は、ロッド4を初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込んだのち、ロッド4と本体ケース10とを軸線X回りに相対回転させると、係合部403の外周に設けたネジ溝403aと、係合部64の内周に設けたネジ溝64aとが噛合して、ロッド4と可動盤6とが連結されるように構成されている。
本体ケース10においてロックホルダ5は、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲内で、本体ケース10に対して相対回転である。
ロックホルダ5が基準位置に配置されると、係合部403(ネジ溝403a)と係合部64(ネジ溝64a)が、軸線X周りの周方向の位相をずらして配置される。
【0114】
ロックホルダ5が基準位置に配置されると、係合部403と係合部64が、軸線X周りの周方向の位相をずらして配置される。この状態でロッド4を初期位置から本体ケース10内に押し込むことで、ロッド4を所定長さ押し込む過程で、係合部403と係合部64が、干渉することを好適に防止できる。
これにより、ロッド4の本体ケース10内への押し込みをスムーズに行うことができる。
また、ロッド4と可動盤6との連結部に別部品が介在していないので、別部品を介在させてロッドと可動盤とを連結する場合よりもスイッチ装置1の作成コストの低減が可能になる。
【0115】
スイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(2)ロックホルダ5を、基準位置から軸線X回りに所定の角度範囲回転させると、本体ケース10とロックホルダ5との位置関係を固定する固定機構を有する。
【0116】
ロッド4は、ロックホルダ5で相対回転不能に支持されているので、本体ケース10とロックホルダ5との位置関係が固定されると、ロッド4と本体ケース10との位置関係も固定される。
これにより、ロッド4側の係合部403(ネジ溝403a)と、可動盤6側の係合部64(ネジ溝64a)とを噛合させのち、係合部403と係合部64との連結が解除されることを防止できる。
【0117】
スイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(3)固定機構は、
ロックホルダ5の外周で片持ち支持されていると共に、外周に係止爪521(係合爪)が設けられた先端側が径方向に弾性変位可能な係合片52と、
本体ケース10のロックホルダ5の外周を囲む周壁部321に設けられていると共に、係止爪521が係合する係合溝(位置決め溝322、ガイド溝323)と、を有している。
係合溝は、
本体ケース10とロックホルダ5との軸線X回りの相対回転を許容するガイド溝323(第1係合溝)と、
本体ケース10とロックホルダ5との軸線X回りの相対回転を阻止する位置決め溝322(第2係合溝)と、を有している。
ガイド溝323と位置決め溝322とは、軸線X回りの周方向に間隔をあけて隣りあっている
【0118】
このように構成すると、本体ケース10と、ロッド4およびロックホルダ5とを軸線X回りに所定角度相対回転させると、ガイド溝323に係止爪521を係合させた係合片52が内径側に弾性変位して、係止爪521が、ガイド溝323と位置決め溝322との溝の間の領域を乗り越えて位置決め溝322に係合する。
これにより、本体ケース10と、ロッド4およびロックホルダ5との位置関係が固定される。
【0119】
スイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(4)ロッド4が初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで、ロッド4と本体ケース10との軸線X周りの相対回転を規制する回転規制機構を有している。
【0120】
このように構成すると、ロッド4が初期位置(図15の(A)参照)から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで(図15の(B)参照)の間で、ロッド4と本体ケース10との軸線X周りに相対回転して、係止爪521が位置決め溝322に係合することを防止できる。
これにより、ロッド4が初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれて、ロッド4と本体ケース10との相対回転の規制が解除された後に、本体ケース10と、ロッド4およびロックホルダ5との位置関係を固定できる。
【0121】
スイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(5)回転規制機構は、
ロッド4の外周から径方向外側に突出する係合リブ404(リブ)と、
本体ケース10に設けられて係合リブ404が係合する規制溝333(キー溝)と、を有する。
規制溝333は、軸線X方向に所定長さで形成されて、係合リブ404が規制溝333に位置している間、ロッド4と本体ケース10との相対回転を規制する。
【0122】
このように構成すると、ロッド4が初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで、ロッド4と本体ケース10との相対回転を規制できる。
これにより、ロッド4の位置を調節したうえで、ロッド4と本体ケース10とを相対回転させて、スイッチ装置1を固定することができる。
【0123】
[第2実施形態]
図16は、第2実施形態にかかるスイッチ装置1Aの斜視図である。
図17は、スイッチ装置1Aの断面図である。図17の(A)は、図16における面Aでスイッチ装置1Aを切断した断面図である。図17の(B)は、図16における面Bでスイッチ装置1Aを切断した断面図である。
図18は、スイッチ装置1Aの分解斜視図である。
【0124】
スイッチ装置1Aは、カバー3A、ロッド4A、ロックホルダ5Aの形状が、前記したスイッチ装置1と相違する。
【0125】
[ロッド4A]
図19は、ロッド4Aを説明する図である。
図19の(A)は、ロッド4Aの斜視図であり、図19の(B)は、ロッド4Aの側面図であり、図19の(C)は、図19の(B)におけるA-A断面図であり、図19の(D)は、図19の(B)におけるB-B断面図である。
【0126】
ロッド4Aは、係合部403と係合リブ404との間に変位規制リブ406が設けられているという点において前記したロッド4と相違する。
【0127】
ロッド4Aの円筒状の基部40では、本体ケース10の内部に位置する領域の外周に、係合部403(図17の(A)参照)と、係合リブ404(図17の(B)参照)と、変位規制リブ406(図17の(A)参照)と、が設けられている。
【0128】
図19の(B)に示すように、基部40において係合部403は、基部40の一方の端部40aから他方の端部40b側(図19の(B)における左側)に離れた位置から設けられている。係合部403は、基部40の中心軸(軸線X)に沿って端部40b側に延びており、基部40の中心軸方向(軸線X方向)に所定の長さL1Aで形成されている。
【0129】
図19の(C)に示すように、基部40の中心軸(軸線X)に直交する断面視において、係合部403は、基部40の外周から、軸線Xの径方向外側に向けて突出している。
係合部403は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられており、係合部403、403は、基部40の直径線C1上に位置している。
【0130】
係合部403の外周部は、断面視において弧状を成しており、係合部403の外周部には、軸線X方向に所定間間隔で複数のネジ溝403aが設けられている。
断面視において係合部403は、直径線C1を挟んだ一方側の側面403bと他方側の側面403cが、互いに平行な平坦面となっている。これら側面403b、403cは、直径線C1を挟んで対称となる位置関係で設けられている。
【0131】
図19の(B)に示すように、ロッド4Aにおいて係合リブ404は、基部40の軸線X方向に所定の長さL2Aで形成されている。
係合リブ404と係合部403との間には、変位規制リブ406が、軸線X方向に所定長さL8で形成されている。
変位規制リブ406は、係合部403と所定長さΔL’、係合リブ404と所定長さΔL’’だけ重なる範囲を持って設けられている。
【0132】
図19の(C)に示すように、変位規制リブ406、406は、係合部403、403と同じ直径線C1上に設けられている。変位規制リブ406、406の外周406a、406aは、係合部403、403の外周よりも僅かに外側に位置している。
【0133】
断面視において係合リブ404は、基部40の外周から軸線Xの径方向外側に向けて突出している。係合リブ404は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられている。
係合リブ404は、係合部403および変位規制リブ406に対して、軸線X回りの周方向に90°位相をずらして設けられている。
軸線X方向から見て、係合部403および変位規制リブ406と、係合リブ404は、軸線X回りの周方向に90°間隔で交互に設けられている。
【0134】
[ロックホルダ5A]
図20および図21は、ロックホルダ5Aを説明する図である。
図20の(A)、(B)は、ロックホルダ5Aの斜視図である。図20の(C)は、ロックホルダ5Aを図20の(A)における面Aで切断した断面図である。図20の(D)は、図20の(C)におけるC-C矢視方向からロックホルダ5Aを見た図である。
図21の(A)は、ロックホルダ5Aを、図20の(C)におけるD-D線に沿って切断した断面図である。図21の(B)は、ロックホルダ5Aを図20の(A)における面Bで切断した断面図である。
【0135】
図20の(C)に示すようにロックホルダ5Aは、円筒状の基部50と、基部50の一端を封止する壁部51と、を有している。
軸線X方向から見て基部50には、互いに平行な二面幅部501、501が設けられている(図21の(A)参照)。
二面幅部501、501は、基部50の外周側の肉を、図21の(A)に示す仮想線Ln、Lnに沿って切除した形状の平坦面である。
ここで、仮想線Ln、Lnは、直径線C2を挟んで対称に位置する仮想線であって、直径線C1に直交する互いに平行な仮想線である。
【0136】
二面幅部501、501の外側には、軸線Xに沿う向きで設けられた係合片52、52が設けられている。
二面幅部501、501では、軸線Xの径方向外側から見て、係合片52、52と重なる領域に切欠き508、508が設けられている(図21の(A)、(B)参照)。
基部50において切欠き508、508は、軸線X方向の全長に亘って設けられている(図21の(B)参照)。軸線X方向から見た壁部51の外周部にも切欠き508、508が開口している(図20の(D)参照)。
【0137】
係合片52、52は、壁部51側の一端が、基部50、50における二面幅部501、501よりも外側の領域(接続部502)に、軸線X方向から連結されている。
係合片52、52の先端側の外周には、係止爪521、521が設けられている。係止爪521、521は、係合片52、52の外周から外方に突出している。
係合片52、52は、係止爪521、521が設けられた先端側が、軸線Xの径方向に弾性的に変位できるようになっている。
【0138】
係合片52、52の先端側の内周には、突起523が設けられている。突起523は、係合片52、52の内周から軸線X方向(内径側)に突出しており、二面幅部501、501に設けた切欠き508内に位置している。
【0139】
スイッチ装置1Aでは、前記したロッド4A側の変位規制リブ406が、二面幅部501、501の切欠き508、508内に位置するようになっている。
そのため、ロックホルダ5Aの係合片52の突起523と、変位規制リブ406とが、軸線Xの径方向で近接して配置されるようになっている(図21の(A)参照)。
【0140】
[カバー3A]
図22から図24は、カバー3Aを説明する図である。
図22の(A)、(B)は、カバー3Aの斜視図である。図22の(C)は、カバー3Aを図22の(A)における面Aで切断した断面図である。図22の(D)は、図22の(C)におけるC-C断面図である。図22の(E)は、カバー3Aを図22の(A)における面Bで切断した断面図である。
図23の(A)は、カバー3Aを、図22の(E)におけるD-D矢視方向から見た図である。図23の(B)は、カバー3Aを、図22の(E)におけるE-E線に沿って切断した断面図である。図23の(C)は、カバー3Aを、図22の(E)におけるF-F線に沿って切断した断面図である。図23の(D)は、カバー3Aを、図22の(E)におけるG-G線に沿って切断した断面図である。図23の(E)は、図23の(B)においてカバー3Aと共にロッド4Aを示した断面図である。
【0141】
図24は、スイッチ装置1Aを、ブラケット110(図2参照)に取り付ける過程におけるカバー3A(本体ケース10)の回転を説明する図である。
図24は、カバー3A(本体ケース10)が回転する過程での、ロックホルダ5A側の係合片52、52の係止爪521、521の位置の変位と、ロックホルダ5A側の係合突起53の位置の変位を説明している。
【0142】
図22の(A)に示すように、カバー3Aは、極盤2の環状壁部21に外挿される外周壁31と、カバー3Aにおけるロックホルダ5Aの回動範囲を規制する第1規制部32と、ロッド4Aが可動盤6に係合可能な位置に到達するまで、ロッド4Aとカバー3Aとの相対回転を、所定の角度範囲内に規制する第2規制部33と、を有している。
【0143】
カバー3Aは、第2規制部33における溝(規制溝334)の配置が、前記したカバー3の規制溝333と異なる。
【0144】
図23の(B)に示すように、第2規制部33の中央部には、ロッド4Aの挿通孔330aが設けられている。挿通孔330aには、一対の規制溝334、334が軸線Xの径方向から開口している。
軸線X方向から見て規制溝334、334は、挿通孔330aの外周に沿って、直径線C1と直径線C2とに跨がる範囲に設けられており、軸線Xから見て略扇形状を成している。
【0145】
図23の(E)に示すように、規制溝334、334には、ロッド4Aの係合リブ404、404が挿入される。規制溝334、334では、ロッド4Aの軸線X回りの回転が許容されている。ロッド4Aとカバー3Aは、扇形状の規制溝334、334の範囲内で、軸線X回りに相対回転可能となっている。
【0146】
なお、カバー3Aの弧状溝320a(図23参照)と、第1規制部32の周壁部321に設けられた、位置決め溝322およびガイド溝323(図23の(D)参照)は、前記したカバー3と同一構成であるので、ここでは説明を省略する。
【0147】
図23の(D)および図24の(A)では、スイッチ装置1Aを車両側のブラケット110(図2参照)に取り付ける前の状態における、ロックホルダ5Aの係止爪521と、ガイド溝323との位置関係が示されている。
図24の(A)に示すように、スイッチ装置1Aをブラケット110に取り付ける際には、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aの回転を規制しつつ、本体ケース10を、図24(A)の状態から、軸線X回り(図中、反時計回り方向CCW)に回転させる。
【0148】
そうすると、ガイド溝323側の端部323bが、軸線X回りの周方向から係止爪521接触する。前記したように係止爪521は、軸線X側(内径側)に弾性変位可能であるので、係止爪521が端部323bの斜面により押されて内径側に変位することで、本体ケース10の軸線X回りの回転が継続する(図24の(B)参照)。
【0149】
そして、係止爪521が端部323bを乗り越えると、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合して、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとの相対回転が規制される。
【0150】
ここで、スイッチ装置1Aの車両側のブラケット110(図1の(B)参照)への取り付けは、以下の手順にて行われる。
(a)ロッド4Aをブレーキペダル100側のブラケット110に押し当てた状態で、ロッド4Aを本体ケース10内に所定長さLx挿入する。
(b)本体ケース10を軸線X回りに回転させて、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとを軸線X回りに相対的に回転させて、ロッド4Aと可動盤6とを連結する。これにより、ロッド4Aが軸線方向に正しく位置決めされた状態で可動盤とともに軸線方向に一体移動可能になる。
【0151】
ロッド4Aを本体ケース10内に挿入する前の状態では、カバー3Aの第2規制部33では、扇形状の規制溝334、334(図23の(E)参照)に、ロッド4Aの係合リブ404、404が挿入されている。
前記したように規制溝334、334では、ロッド4Aの軸線X回りの回転が許容されており、ロッド4Aとカバー3Aは、扇形状の規制溝334、334の範囲内で軸線X回りに相対回転可能となっている。
【0152】
ここで、図25の(A)の状態では、ロックホルダ5Aの係合片52(突起523)の内径側に、ロッド4Aの変位規制リブ406が位置しており、この変位規制リブ406が、ロックホルダ5Aの係合片52の内径側への変位を規制している(図25の(A)参照)。
【0153】
そのため、ロッド4Aを本体ケース10内に挿入する過程で、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとが軸線X回りに相対的に回転しても、変位規制リブ406が、係合片52の係止爪521の内径側への移動を阻止している(図24の(B)参照)。
【0154】
これにより、ロッド4Aを、図25の(A)に示す初期位置から図25の(B)に示す所定位置まで挿入する過程で、係合片52の係止爪521が、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合できないようになっている。
よって、スイッチ装置1Aをブラケット110に取り付けている途中で、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとが、係合片52の係止爪521を位置決め溝322に係合させて相対回転が規制される位置まで到達しない。
ロッド4Aが本体ケース10内に所定長さLx挿入される前に、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとの相対回転が規制されると、ロッド4Aと可動盤6とを適切な位置で連結できなくなる結果、ブラケット110へのスイッチ装置1Aの取り付けができなくなるが、かかる事態が生じないようになっている。
【0155】
そして、ロッド4Aが、本体ケース10内に所定長さLx挿入されて、図25の(B)に示す所定位置に到達すると、ロッド4Aの変位規制リブ406が、係合片52の係止爪521の直下の位置から外れた位置に配置される。
この状態では、係止爪521の軸線X側(内径側)への変位が許容されているので、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとの相対回転規制されていない。
【0156】
これにより、ロックホルダ5A側の係止爪521が端部323bを乗り越えて、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合することができ、これにより、スイッチ装置1Aとブラケット110とが、図2の(D)、(E)に示す位置に関係で保持される。
よって、スイッチ装置1Aのブラケット110への取り付けが完了することになる。
【0157】
第2実施形態にかかるスイッチ装置1Aは、以下の構成を有している。
(6)スイッチ装置1Aは、
ブレーキペダル100の操作に連動して軸線方向に進退移動するロッド4Aと、
ロッド4Aの長手方向の一方の端部40a側が挿入されると共に、ロッド4Aを軸線X方向に移動可能に支持する本体ケース10と、
本体ケース10内で、軸線X方向に変位可能に設けられた可動盤6と、
ロッド4Aと可動盤6とを連結する連結機構と、を有する。
スイッチ装置1Aでは、ロッド4Aの軸線X方向の進退移動により、可動盤6を軸線X方向に変位させて、可動盤6が持つ可動接点7を固定接点8に対して接離させる。
スイッチ装置1Aでは、ロッド4Aを相対回転不能、かつ軸線X方向に移動可能に支持するロックホルダ5A(ホルダ)が、本体ケース10内に設けられている。
連結機構は、
ロッド4Aの外周から径方向に突出する係合部403(突出部)と、
可動盤6に設けられている共に、係合部403のの突出高さよりも小さい間隔で、ロッド4Aの外周を囲む係合部64(壁部)と、を有する。
連結機構は、ロッド4Aを初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込んだのち、ロッド4Aと本体ケース10とを軸線X回りに相対回転させると、係合部403の外周に設けたネジ溝403aと、係合部64の内周に設けたネジ溝64aとが噛合して、ロッド4Aと可動盤6とが連結されるように構成されている。
本体ケース10においてロックホルダ5Aは、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲内で、本体ケース10に対して相対回転である。
ロックホルダ5Aが基準位置に配置されると、係合部403(ネジ溝403a)と係合部64(ネジ溝64a)が、軸線X周りの周方向の位相をずらして配置される。
【0158】
このように構成すると、ロックホルダ5Aが基準位置に配置されると、係合部403と係合部64が、軸線X周りの周方向の位相をずらして配置される。この状態でロッド4Aを初期位置から本体ケース10内に押し込むことで、ロッド4Aを所定長さ押し込む過程で、係合部403と係合部64が、干渉することを好適に防止できる。
これにより、ロッド4Aの本体ケース10内への押し込みをスムーズに行うことができる。
また、ロッド4Aと可動盤6との連結部に別部品が介在していないので、別部品を介在させてロッドと可動盤とを連結する場合よりもスイッチ装置1Aの作成コストの低減が可能になる。
【0159】
スイッチ装置1Aは、以下の構成を有している。
(7)スイッチ装置1Aは、ロックホルダ5Aを、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲回転させると、本体ケース10とロックホルダ5Aとの位置関係を固定する固定機構を有する。
固定機構は、
ロックホルダ5Aの外周で片持ち支持されていると共に、外周に係止爪521が設けられた先端側が径方向に弾性変位可能な係合片52と、
本体ケース10のロックホルダ5Aの外周を囲む周壁部321に設けられていると共に、係止爪521が係合する係合溝(位置決め溝322、ガイド溝323)と、を有する。
係合溝は、
本体ケース10とロックホルダ5Aとの軸線X回りの相対回転を許容するガイド溝323(第1係合溝)と、
本体ケース10とロックホルダ5Aとの軸線X回りの相対回転を阻止する位置決め溝322(第2係合溝)と、を有している。
ガイド溝323と位置決め溝322とは、軸線X回りの周方向に間隔をあけて隣り合っている。
ロッド4Aには、ロッド4Aが初期位置(図25の(A)参照)から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで(図25の(B)参照)、係合片52の内径側への弾性変形を阻止する変位規制リブ406(リブ)が設けられている。
【0160】
このように構成すると、ロッド4Aを本体ケース10内に挿入する過程で、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとが軸線X回りに相対的に回転しても、係合片52の係止爪521の内径側への移動が、変位規制リブ406により阻止される(図24の(B)参照)。
そのため、ロッド4Aを、図25の(A)に示す初期位置から図25の(B)に示す所定位置まで挿入する過程で、ロッド4Aが本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで、係合片52の係止爪521が、ガイド溝323に隣り合う位置決め溝322に係合できない。
よって、スイッチ装置1Aをブラケット110に取り付けている途中で、係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合すると、以降、本体ケース10と、ロッド4Aおよびロックホルダ5Aとの相対回転が規制されてしまう。そうすると、ロッド4Aと可動盤6とを適切な位置で連結できなくなる結果、ブラケット110へのスイッチ装置1Aの取り付けができなくなるが、かかる事態が生じないようになっている。
【0161】
スイッチ装置1Aは、以下の構成を有している。
(8)係合片52では、係止爪521が設けられた位置の内周に、内径側に突出する突起523(突出片)が設けられている。
突起523の内径側に、変位規制リブ406が設けられている。
【0162】
このように構成すると、ロッド4Aを本体ケース10内に所定長さLx挿入されるまでの間に、係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合することを好適に防止できる。
【0163】
スイッチ装置1Aは、以下の構成を有している。
(9)ロッド4Aの外周から径方向外側に突出する係合リブ404(リブ)と、
本体ケース10のカバー3Aに設けられて係合リブ404が係合する規制溝334(キー溝)と、を有している。
軸線X方向から見て規制溝334は、ガイド溝323(第1係合溝)の軸線X周りの角度範囲以下の角度範囲で形成されている。
規制溝334は、軸線X方向に所定長さで形成されて、係合リブ404が規制溝334に位置している間、ロックホルダ5Aと本体ケース10との相対回転を、ガイド溝323(第1係合溝)の角度範囲内に規制する。
【0164】
このように構成すると、ロッド4Aを本体ケース10内に所定長さLx挿入されるまでの間に、係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合することを好適に防止できる。
【0165】
[第3実施形態]
図26は、第3実施形態にかかるスイッチ装置1Bの斜視図である。
図27は、第3実施形態にかかるスイッチ装置1Bの断面図である。図27の(A)は、図26における面Aでスイッチ装置1Bを切断した断面図である。図27の(B)は、図26における面Bでスイッチ装置1Bを切断した断面図である。
図28は、第3実施形態にかかるスイッチ装置1Bの分解斜視図である。
分解斜視図である。
【0166】
スイッチ装置1Bは、カバー3B、ロッド4B、ロックホルダ5Bの形状が、前記したスイッチ装置1と相違する。
【0167】
[ロッド4B]
図29は、ロッド4Bを説明する図である。
図29の(A)は、ロッド4Bの斜視図であり、図29の(B)は、ロッド4Bの側面図であり、図29の(C)は、図29の(B)におけるA-A断面図であり、図29の(D)は、図29の(B)におけるB-B断面図である。
【0168】
ロッド4Bは、係合部403と係合リブ404との間にカム取付部407が設けられているという点において前記したロッド4と相違する。
【0169】
ロッド4Bの基部40では、本体ケース10の内部に位置する領域の外周に、係合部403(図27の(A)参照)と、係合リブ404(図27の(B)参照)と、カム取付部407(図27の(A)参照)が設けられている。
【0170】
図29の(B)に示すように、基部40において係合部403は、端部40aから端部40b側(図29の(B)における左側)に離れた位置から設けられている。係合部403は、基部40の中心軸(軸線X)に沿って端部40b側に延びており、基部40の中心軸方向(軸線X方向)に所定の長さL1Bで形成されている。
【0171】
図29の(C)に示すように、基部40の中心軸(軸線X)に直交する断面視において、係合部403は、基部40の外周から、軸線Xの径方向外側に向けて突出している。
係合部403は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられており、係合部403、403は、基部40の直径線C1上に位置している。
【0172】
係合部403の外周部は、断面視において弧状を成しており、係合部403の外周部には、軸線X方向に所定間間隔で複数のネジ溝403aが設けられている。
【0173】
係合部403における係合リブ404側(図29の(B)における左側)の端部には、カム取付部407が、係合部403と一体に設けられている。
カム取付部407は、軸線X方向に所定長さL9で形成された板状部材であり、幅方向の両側に係合凹部407aが設けられている。
【0174】
カム取付部407もまた、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられており、カム取付部407、407は、基部40の直径線C1上に位置しており、カム取付部407、407には、後記するカム45が取り付けられるようになっている。
【0175】
図29の(B)に示すように、ロッド4Bにおいて係合リブ404は、基部40の軸線X方向に所定の長さL2Bで形成されている。
係合リブ404は、カム取付部407との間に間隔をあけて設けられている。
【0176】
断面視において係合リブ404は、基部40の外周から軸線Xの径方向外側に向けて突出している。係合リブ404は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられている。
係合リブ404は、係合部403およびカム取付部407に対して、軸線X回りの周方向に90°位相をずらして設けられている。
軸線X方向から見て、係合部403およびカム取付部407と、係合リブ404は、軸線X回りの周方向に90°間隔で交互に設けられている。
【0177】
[カム45]
図30は、カム45を説明する図である。
図30の(A)は、カム45の正面図であり、図30の(B)は、カム45の斜視図であり、図30の(C)は、カム45の側面図であり、図30の(D)は、カム45の底面図である。なお、図30の(A)では、カム45が取り付けられるロッド4B側のカム取付部407を仮想線で示している。
【0178】
カム45は、幅方向に間隔をあけて互いに平行に配置された壁部452、452と、壁部452、452の上端同士を接続する接続部451と、接続部451における壁部452、452とは反対側の面に設けられた係合部454と、を有している。
【0179】
係合部454は、接続部451の幅方向(図30の(A)における左右方向)の中央部に設けられており、壁部452とは反対側に突出している。
図30の(C)に示すように、側面視において係合部454は、軸線X方向(図30の(C)における左右方向)の一方寄りの位置に、係合突起454aを有している。
【0180】
軸線X方向における係合突起454aの一方側と他方側には、係合突起454aから離れるにつれて、接続部451からの高さが低くなる向きで傾斜した傾斜面454b、454cが設けられている。
係合突起454aの傾斜面454b側の端面454a1は、軸線Xに直交する平坦面となっている。
【0181】
壁部452、452は、軸線Xを挟んで対称となる位置関係で設けられており、壁部452、452の互いの対向面には、半球形状の突起452a、452aが設けられている。カム45は、突起452a、452aを、カム45側のカム取付部407の係合凹部407a、407a(図29参照)に係合させて、ロッド4Bに取り付けられるようになっている。
カム45は、ロッド4Bと一体に軸線X方向に移動すると共に、軸線X方向の負荷が作用すると、ロッド4Bのカム取付部407から脱落するようにしてカム取付部407に取り付けられている。
【0182】
壁部452、452の傾斜面454c側の端部には、壁部452、452からガイド453、453が設けられている。
図30の(D)に示すようにガイド453、453は、壁部452、452から離れる方向に直線状に延びている。ガイド453、453は、軸線Xを挟んで互いに平行に設けられており、軸線Xの直交方向にカム取付部407を挿入可能な間隔W2をあけて設けられている。
【0183】
[ロックホルダ5B]
図31および図32は、ロックホルダ5Bを説明する図である。
図31の(A)、(B)は、ロックホルダ5Bの斜視図である。図31の(C)は、ロックホルダ5Bを図31の(A)における面Aで切断した断面図である。図31の(D)は、図31の(C)におけるC-C矢視方向からロックホルダ5Bを見た図である。
図32の(A)は、ロックホルダ5Bを、図31の(C)におけるD-D線に沿って切断した断面図である。図32の(B)は、ロックホルダ5Bを図31の(A)における面Bで切断した断面図である。
【0184】
図31の(C)に示すようにロックホルダ5Bは、円筒状の基部50と、基部50の一端を封止する壁部51と、を有している。
軸線X方向から見て基部50には、互いに平行な二面幅部501、501が設けられている(図32の(A)参照)。
二面幅部501、501は、基部50の外周側の肉を、図32の(A)に示す仮想線Ln、Lnに沿って切除した形状の平坦面である。
ここで、仮想線Ln、Lnは、直径線C2を挟んで対称に位置する仮想線であって、直径線C1に直交する互いに平行な仮想線である。
【0185】
二面幅部501、501の外側には、軸線Xに沿う向きで設けられた係合片52、52が設けられている。
二面幅部501、501では、軸線Xの径方向外側から見て、係合片52、52と重なる領域に切欠き508、508が設けられている(図31の(C)参照)。
基部50において切欠き508、508は、軸線X方向の全長に亘って設けられている(図31の(C)参照)。軸線X方向から見た壁部51の外周部にも切欠き508、508が開口している(図31の(D)参照)。
【0186】
係合片52、52は、長手方向の途中位置が、支持部522、522を介して、二面幅部501、501に支持されている。
係合片52、52の一端側(壁部51側)の外周には、係止爪521、521が設けられている。係止爪521、521は、係合片52、52の外周から外方に突出している。
係合片52、52は、係止爪521、521が設けられた先端側が、軸線Xの径方向に弾性的に変位できるようになっている。
【0187】
係合片52、52の他端側の内周には、突起523が設けられている。突起523は、係合片52、52の内周から軸線X方向に突出しており、二面幅部501、501に設けた切欠き508内に位置している。
【0188】
スイッチ装置1Bでは、前記したカム45の係合突起454aが、二面幅部501、501の切欠き508、508内に位置するようになっている。
そのため、ロックホルダ5Bの係合片52の突起523と、カム45の係合突起454aとが、軸線X方向で係合するようになっている(図31の(C)参照)。
【0189】
[カバー3B]
図33から図35は、カバー3Bを説明する図である。
図33の(A)、(B)は、カバー3Bの斜視図である。図33の(C)は、カバー3Bを図33の(A)における面Aで切断した断面図である。図33の(D)は、図33の(C)におけるC-C断面図である。
図34の(A)は、カバー3Bを図33の(A)における面Bで切断した断面図である。図34の(B)は、カバー3Bを、図34の(A)におけるA-A矢視方向から見た図である。図34の(C)は、図34の(A)におけるB-B断面図である。図34の(D)は、図34の(A)におけるC-C断面図である。図34の(E)は、図34の(A)におけるB-B断面をロッド4Bとともに示した断面図である。
図35の(A)は、図34の(A)におけるD-D断面図である。図35の(B)は、図34の(A)におけるE-E断面図である。
図36は、スイッチ装置1Bを、ブラケット110(図2参照)に取り付ける過程におけるカバー3Bの(本体ケース10)の回転により、ロックホルダ5B側の係合片52、52の係止爪521、521の位置の変位と、カム45の位置の変位を説明する図である。
図37および図38は、スイッチ装置1Bをブラケットに取り付ける際のカム45の作用を説明する図である。
【0190】
図33の(A)に示すように、カバー3Bは、極盤2の環状壁部21に外挿される外周壁31と、カバー3Bにおけるロックホルダ5Bの回動範囲を規定する第1規制部32と、ロッド4Bとカバー3Bとの相対回転を、ロッド4Bが可動盤6に係合可能な位置に到達するまで規制する第2規制部33と、を有している。
【0191】
カバー3Bは、第1規制部32における溝(位置決め溝322、ガイド溝323、保持溝324)の配置が、前記したカバー3と異なる。
【0192】
図33の(C)に示すように、第1規制部32の周壁部321では、位置決め溝322およびガイド溝323と、保持溝324とが、軸線X方向の位置をずらして設けられている。
【0193】
図34の(A)に示すように、保持溝324は、ガイド溝323から外周壁31側(図中、右側)に所定距離離間した位置に設けられている。
図35の(B)に示すように、保持溝324は、周壁部321の直径線C1上に位置しており、軸線X回りの周方向に180°位相をずらして設けられている。
保持溝324には、スイッチ装置1Bをブラケット110に取り付ける前の段階で、ロックホルダ5B側の係合片52の係止爪521が係合して、ロックホルダ5Bとカバー3Bの軸線X方向の相対移動が規制されるようになっている。
【0194】
図35の(A)に示すように、位置決め溝322と、ガイド溝323は、周壁部321を厚み方向に貫通して設けられている。
位置決め溝322は、軸線Xを通る周壁部321の直径線C2上に位置しており、軸線X回りの周方向に180°位相をずらして設けられている。
【0195】
ガイド溝323は、周壁部321を、直径線C1と重なる位置から、位置決め溝322に近づく方向(図35の(A)では時計回り方向CW)の所定範囲に亘って切り欠いて形成されている。
軸線X回りの周方向におけるガイド溝323の一方の端部323aと他方の端部323bは、直径線C1を挟んだ一方側と他方側に位置すると共に、互いに平行に設けられている。
【0196】
図33の(C)に示すように、第2規制部33の中央部には、ロッド4Bの挿通孔330aが設けられている。挿通孔330aは、第2規制部33を軸線X方向に貫通している。
【0197】
図34の(C)に示すように、軸線X方向から見て第2規制部33では、挿通孔330aに開口する複数の規制溝333が設けられている。
規制溝333は、軸線Xの径方向外側に窪んで形成されており、軸線X回りの周方向に
90°間隔で4つ設けられている。
【0198】
これら規制溝333のうち、共通の直径線C2上に位置する2つの規制溝333、333には、ロッド4Bの係合リブ404、404が係合可能となっている。
図34の(E)では、直径線C2上に位置する2つの規制溝333、333に、ロッド4Bの係合リブ404、404が係合した状態が示されており、この状態では、ロッド4とロックホルダ5Bとの軸線X回りの相対回転が規制されている。
【0199】
図34の(A)に示すように、第2規制部33における規制壁330側の外周には、径方向外側に突出して係合部332、332が設けられている。
図34の(D)に示すように、係合部332、332は、直径線C1を挟んで対称となる位置関係で設けられている。これら係合部332、332は、同一の直径線C2上に位置しており、軸線X周りの周方向に180°間隔で設けられている。
【0200】
図34の(A)に示すように、第2規制部33における係合部332、332が設けられた領域の外径D2は、係合部332、332が設けられていない領域の外径D1よりも大きい外径で設けられている。
【0201】
スイッチ装置1Bの車両側のブラケット110(図1の(B)参照)への取り付けを説明する。
【0202】
スイッチ装置1Bの車両側のブラケット110(図1の(B)参照)への取り付けは、ロッド4Bをブレーキペダル100側のブラケット101に押し当てた状態で実施される。
【0203】
図35の(B)および図37の(A)では、スイッチ装置1Bを車両側のブラケット110に取り付ける前の状態における、ロックホルダ5Bの係止爪521と、保持溝324との位置関係が示されている。
スイッチ装置1Bをブラケット110に取り付ける際には、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bの回転を規制しつつ、ロッド4Bを、図37の(A)に示す基準位置から、本体ケース10内に所定距離Lxに押し込んだカムリリース位置まで移動させる。
【0204】
この際に、係止爪521が、カバー3B側の保持溝324に係合しているので、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bと、カバー3Bとの軸線X周りの相対回転が規制された状態で、ロッド4Bが本体ケース10に挿入される(図37の(B)参照)
【0205】
なお、ロッド4Bを本体ケース10に挿入する過程で、ロッド4Bと本体ケース10とを軸線X回りに回転する力が作用しても、係合片52はカム45により内径側への変位が規制されているので、係止爪521が保持溝324から脱落しない。
【0206】
ロッド4Bが本体ケース10内に所定長さLx押し込まれて、カムリリース位置に到達すると、ロッド4Bのカム取付部407に取り付けられたカム45が、ロックホルダ5Bの突起523に係止されてカム取付部407から脱落する(図38の(B)参照)。
【0207】
そうすると、ロックホルダ5Bは、スプリングの付勢力により押されて、極盤2から離れる方向に移動する。
この際に、係合片52の係止爪521側の内径側への変位が規制されていないので、係止爪521は、保持溝324とガイド溝323との境界を乗り越えて、ガイド溝323内に移動する。
さらに、このロックホルダ5Bの軸線X方向の移動に伴って、ロックホルダ5Bの係合突起53が、カバー3Bの弧状溝320aから突出して、ブラケット110の取付孔111を囲む凹溝112、112に挿入される。
これにより、本体ケース10とブラケット110との軸線X回りの相対回転、すなわち、スイッチ装置1Bのブラケット110への組み付けを行える状態になる。
【0208】
この状態では、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bと、カバー3Bとの軸線X周りの相対回転が規制されていない。
そのため、スイッチ装置1Bをブラケット110に取り付けるために、本体ケース10(カバー3B)を、図36(A)の状態から、軸線X回り(図中、反時計回り方向CCW)に回転させる。
【0209】
そうすると、ガイド溝323側の端部323bが、軸線X回りの周方向から係止爪521に接触する。前記したように係止爪521は、軸線X側(内径側)に弾性変位可能であるので、係止爪521が端部323bの斜面により押されて内径側に変位することで、本体ケース10の軸線X回りの回転が継続する(図36の(B)参照)。
【0210】
そして、係止爪521が端部323bを乗り越えると、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合して、本体ケース10と、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bとの相対回転が規制される(図36の(C)参照)。
【0211】
これと同時に、ロッド4Bの係合部403の外周に設けたネジ溝403aと、可動盤6の係合部64の内周に設けたネジ溝64aとが噛合して、ロッド4Bと可動盤6とが連結される。これにより、ロッド4Bが軸線X方向に正しく位置決めされた状態で可動盤6とともに軸線X方向に一体移動可能になる。
そして、ロッド4Bと可動盤6は、ロッド4Bが本体ケース10内に所定長さLx挿入されるまで連結されないので、ロッド4Bが軸線X方向に誤った位置で位置決めされるのを防止できる。
【0212】
本体ケース10が、図36の(A)の状態から図36の(C)の状態まで回転する過程で、本体ケース10側の係合部332、332が、ロックホルダ5Bの係合突起53を隠す位置から変位して、最終的に、係合部332と係合突起53とが軸線X周りに90°間隔で交互に配置される位置に到達する(図36の(D)→(E)→(F)、図2の(D)、(E)参照)。
【0213】
そうすると、図2の(D)、(E)に示すように、本体ケース10側の係合部332、332が、ブラケット110の凹溝112から外れた角度位置に配置されて、第2規制部33の係合部332、332が、ブラケット110の取付孔111の周縁に係止される。
この状態においてブラケット110は、係合部332、332と、第1規制部32との間で把持されて(図2の(E)参照)、スイッチ装置1Bのブラケット110への取り付けが完了する。
【0214】
以上の通り、第3実施形態にかかるスイッチ装置1Bは、以下の構成を有している。
(10)スイッチ装置1Bは、ブレーキペダル100の操作に連動して軸線方向に進退移動するロッド4Bと、
ロッド4Bの長手方向の一方の端部40a側が挿入されると共に、ロッド4Bを軸線X方向に移動可能に支持する本体ケース10と、
本体ケース10内で、軸線X方向に変位可能に設けられた可動盤6と、
ロッド4Bと可動盤6とを連結する連結機構と、を有する。
スイッチ装置1Bでは、ロッド4Bの軸線X方向の進退移動により、可動盤6を軸線X方向に変位させて、可動盤6が持つ可動接点7を固定接点8に対して接離させる。
スイッチ装置1Bでは、ロッド4Bを相対回転不能、かつ軸線X方向に移動可能に支持するロックホルダ5B(ホルダ)が、本体ケース10内に設けられている。
連結機構は、
ロッド4Bの外周から径方向に突出する係合部403(突出部)と、
可動盤6に設けられている共に、係合部403のの突出高さよりも小さい間隔で、ロッド4Bの外周を囲む係合部64(壁部)と、を有する。
連結機構は、ロッド4Bを初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込んだのち、ロッド4Bと本体ケース10とを軸線X回りに相対回転させると、係合部403の外周に設けたネジ溝403aと、係合部64の内周に設けたネジ溝64aとが噛合して、ロッド4Bと可動盤6とが連結されるように構成されている。
本体ケース10においてロックホルダ5Bは、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲内で、本体ケース10に対して相対回転である。
ロックホルダ5Bが基準位置に配置されると、係合部403(ネジ溝403a)と係合部64(ネジ溝64a)が、軸線X周りの周方向の位相をずらして配置される。
スイッチ装置1Bは、ロックホルダ5Bを、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲回転させると、本体ケース10とロックホルダ5Bとの位置関係を固定する固定機構を有する。
固定機構は、
ロックホルダ5Bの外周で片持ち支持されていると共に、外周に係止爪(係合爪)521が設けられた先端側が径方向に弾性変位可能な係合片52を有している。
本体ケース10のロックホルダ5Bの外周を囲む周壁部321では、
ロッド4Bが初期位置(図38の(A)参照)から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで(図38の(B)参照)係止爪521(係合爪)が係合して、本体ケース10とロックホルダ5Bとの前記軸線回りの相対回転が阻止される保持溝324(係合孔)と、
ロッド4Bが初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれると係止爪521が係合して、本体ケース10とロックホルダ5Bとの軸線X回りの相対回転が許容される係合溝(位置決め溝322、ガイド溝323)と、が設けられている。
保持溝324と係合溝は、軸線X方向に間隔をあけて設けられている。
ロッド4Bには、ロッド4Bが初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで、係合片52の内径側への弾性変形を阻止するカム45が設けられている。
【0215】
このように構成すると、ロッド4Bを本体ケース10に挿入する過程で、ロッド4Bと本体ケース10とを軸線X回りに回転する力が作用しても、係合片52はカム45により内径側への変位が規制されているので、係止爪521が保持溝324から脱落しない。
よって、ロッド4Bを、初期位置(図15の(A)参照)から本体ケース10内に所定長さLx押し込む過程で、係合片52の係止爪521の係合先が、保持溝324から隣接するガイド溝323に切り替わることがない。
係止爪521の係合先がガイド溝323に切り替わると、本体ケース10とロックホルダ5Bとの軸線X回りの相対回転が可能になる。
そうすると、ロッド4Bを本体ケース10に挿入している途中で生じた相対回転により、係止爪521の係合先が、ガイド溝323から位置決め溝322に切り替わる可能性がある。
かかる場合、スイッチ装置1Bをブラケット110に取り付けている途中で、本体ケース10と、ロッド4Bおよびロックホルダ5Aとの相対回転が規制されて、ロッド4Bの本体ケース10への挿入によるスイッチ装置1Bのブラケット110への取り付けができなくなる。上記のように構成したことで、かかる事態の発生を好適に防止できる。
【0216】
以上の通り、スイッチ装置1Bは、以下の構成を有している。
(11)係合溝は、
本体ケース10とロックホルダ5Bとの軸線X回りの相対回転を許容するガイド溝323(第1係合溝)と、
本体ケース10とロックホルダ5Bとの軸線X回りの相対回転を阻止する位置決め溝322(第2係合溝)と、を有している。
ガイド溝323と位置決め溝322とは、軸線X回りの周方向に間隔をあけて隣り合っている。
ロッド4Bには、ロッド4Bが初期位置(図38の(A)参照)から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれるまで(図38の(B)参照)、係合片52の内径側への弾性変形を阻止する変位規制リブ406(リブ)が設けられている。
【0217】
このように構成すると、回転規制機構(規制溝333、係合リブ404)による相対回転の規制が解除されたのち、本体ケース10と、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bとを軸線X回りに所定角度相対回転させると、ガイド溝323に係止爪521を係合させた係合片52が内径側に弾性変位して、係止爪521が、ガイド溝323と位置決め溝322との溝の間の領域を乗り越えて位置決め溝322に係合する。
これにより、本体ケース10と、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bとを軸線X回りに所定角度相対回転させるだけで、本体ケース10と、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bとの位置関係が固定される。
【0218】
以上の通り、スイッチ装置1Bは、以下の構成を有している。
(12)ロッド4Bには、カム45が着脱自在に取り付けられるカム取付部407(取付部)が設けられている。
ロックホルダ5Bでは、カム45に係止される突起523が、係合片52、52の内周に設けられている。ロッド4Bが初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれた時点で、カム45が突起523(係止部)によりカム取付部407から脱落する。
【0219】
このように構成すると、カム45がカム取付部407から脱落することで、係止爪521の係合先を、保持溝324から係合溝(位置決め溝322、ガイド溝323)に速やかに切り替えることができる。
これにより、ロッド4Bが初期位置から本体ケース10内に所定長さLx押し込まれた時点で、本体ケース10と、ロッド4Bおよびロックホルダ5Bとを相対回転可能な状態にすることができる。
【0220】
[第4実施形態]
図39は、第4実施形態にかかるスイッチ装置1Cの斜視図である。
図40は、スイッチ装置1Cの断面図である。図40の(A)は、図39における面Aでスイッチ装置1Cを切断した断面図である。図40の(B)は、図39における面Bでスイッチ装置1Cを切断した断面図である。
図41は、スイッチ装置1Cの分解斜視図である。
【0221】
スイッチ装置1Cは、主として、カバー3Cと、ロッド4Cと、ロックホルダ5Cの形状が、前記したスイッチ装置1と相違する。
以下においては、異なる部分について主として説明し、その他の部位については、必要に応じて説明する。
【0222】
[ロッド4C]
図42は、ロッド4Cを説明する図である。
図42の(A)は、ロッド4Cの斜視図であり、図42の(B)は、ロッド4Cの側面図であり、図42の(C)は、図42の(B)におけるC-C断面図である。図42の(D)は、図42の(B)におけるD-D断面図である。
【0223】
ロッド4Cは、係合部403と係合リブ404に加えて、変位規制リブ408が設けられているという点において前記したロッド4(図5参照)と相違する。
【0224】
図40に示すように、円筒状の基部40における本体ケース10Cの内部に位置する領域には、係合部403と、係合リブ404と、変位規制リブ408が設けられている。
【0225】
図42の(B)に示すように、基部40において係合部403は、長手方向の一方の端部40aから、基部40の中心軸(軸線X)に沿って他方の端部40b側(図42の(B)における左側)に延びている。係合部403は、基部40の中心軸方向(軸線X方向)に所定の長さL1Cで形成されている。
【0226】
図42の(D)に示すように、基部40の中心軸(軸線X)に直交する断面視において、係合部403は、基部40の外周から、軸線Xの径方向外側に向けて突出している。
係合部403は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられており、係合部403、403は、基部40の直径線C1上に位置している。
【0227】
係合部403の外周部は、断面視において弧状を成しており、係合部403の外周部には、軸線X方向に所定間間隔で複数のネジ溝403aが設けられている。
【0228】
係合部403における係合リブ404側(図42の(B)における左側)の端部には、変位規制リブ408が、係合部403と一体に設けられている。
変位規制リブ408もまた、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられている。
変位規制リブ408は、係合部403の延長上を軸線Xに沿って設けられている。
基部40の中心軸(軸線X)の径方向から見て、係合部403と変位規制リブ408は、軸線X上で直列に設けられており、変位規制リブ408もまた、基部40の直径線C1(図42の(C)参照)上に位置している。
【0229】
図42の(C)に示すように、変位規制リブ408の外周部は、外周側に向かうにつれて軸線X周りの周方向の幅が狭くなる尖り形状を成しており、変位規制リブ408の外周端408Pは、直径線C1上に位置している。
【0230】
スイッチ装置1Cでは、当該スイッチ装置1Cのブラケット110への組み付けが完了する前の時点で、後記する係合片52の変位規制片524が、軸線Xの径方向から、変位規制リブ408の外周端408Pに係合する。
【0231】
図42の(B)に示すように、変位規制リブ408は、軸線X方向に所定の長さL9Cで形成されている。
係合リブ404は、基部40の軸線X方向に所定の長さL2Cで形成されている。
係合リブ404は、変位規制リブ408よりも、基部40の端部40b側に所定の長さLcだけ突出している。
【0232】
断面視において係合リブ404は、基部40の外周から軸線Xの径方向外側に向けて突出している。係合リブ404は、軸線X回りの周方向に180°間隔で2つ設けられている。係合リブ404、404は、基部40の直径線C2上に位置している。
係合リブ404は、係合部403および変位規制リブ408に対して、軸線X回りの周方向に90°位相をずらして設けられている。
軸線X方向から見て、係合部403および変位規制リブ408と、係合リブ404は、軸線X回りの周方向に90°間隔で交互に設けられている。
【0233】
図42の(D)に示すように、断面視において係合リブ404は、直径線C1方向の一方側の側面404bと他方側の側面404cが、互いに平行な平坦面となっている。
係合リブ404では、前記した係合部403側の外周に、突起405が設けられている。
【0234】
[ロックホルダ5C]
図43および図44は、ロックホルダ5Cを説明する図である。
図43の(A)、(B)は、ロックホルダ5Cの斜視図である。図43の(C)は、ロックホルダ5Cを、図43の(A)における面Bで切断した断面図である。図43の(D)は、ロックホルダ5Cを図43の(A)における面Aで切断した断面図である。
図44の(A)は、図43の(C)におけるC-C矢視方向からロックホルダ5Cを見た図である。図44の(B)は、ロックホルダ5Cを、図43の(C)におけるD-D線に沿って切断した断面図である。図44の(C)は、ロックホルダ5Cを、図43の(C)におけるE-E線に沿って切断した断面図である。
【0235】
図43の(C)、(D)に示すようにロックホルダ5Cは、円筒状の基部50と、基部50の一端を封止する壁部51と、を有している。
図44の(A)に示すように、軸線X方向から見て基部50には、互いに平行な二面幅部501、501が設けられている。二面幅部501、501は、基部50の外周側の肉を、図44の(A)に示す仮想線Ln、Lnに沿って切除した形状の平坦面である。
ここで、仮想線Ln、Lnは、直径線C2を挟んで対称に位置する仮想線であって、直径線C1に直交する互いに平行な仮想線である。
【0236】
図43の(C)に示すように、二面幅部501、501の外側には、軸線Xに沿う向きで設けられた係合片52、52が設けられている。
【0237】
係合片52、52は、長手方向の一端が、基部50における二面幅部501、501よりも外側の領域(接続部502)に、軸線X方向から連結されている。
係合片52、52の他端側の外周には、係止爪521、521が設けられている。係止爪521、521は、係合片52、52の外周から外方に突出している。
係合片52、52は、係止爪521、521が設けられた先端側が、軸線Xの径方向に弾性的に変位できるようになっている。
【0238】
図40の(A)に示すようにカバー3Cにおいてロックホルダ5Cは、係止爪521、521をカバー3C側のガイド溝323、323に係止させている。図40の(B)に示すように、ロックホルダ5Cには、スプリングSp1で付勢された可動盤6Cが軸線X方向から当接しており、ロックホルダ5Cは、カバー3Cの内側に収容されている
【0239】
図43の(C)に示すように、係合片52、52の他端側の内周には、変位規制片524、524が設けられている。変位規制片524、524は、軸線X側に延びている。そのため、基部50の二面幅部501、501では、壁部51側(図43の(c)における左側)の領域に、変位規制片524、524との干渉を避けるための切欠き503、503が設けられている。
【0240】
図44の(A)に示すように、変位規制片524、524は、軸線Xに直交する向きで設けられており、軸線X側の端部には、凹部524a、524aが設けられている。
スイッチ装置1Cでは、当該スイッチ装置1Cのブラケット110(図48参照)に対する取り付けが完了する前の時点で、変位規制片524、524の凹部524a、524aが、前記したロッド4Cの変位規制リブ408に、軸線X方向から弾性的に係合している(図40の(A)参照)。
【0241】
図42の(C)および図44の(A)に示すように変位規制リブ408の外周部は、外周側に向かうにつれて軸線X周りの周方向の幅が狭くなる尖り形状を成している。本実施形態では、変位規制片524の凹部524aが、変位規制リブ408に近づくに連れて、直径線C2方向の開口幅が広がる形状を成している。
そのため、変位規制片524の凹部524aと、変位規制リブ408とが、ロッド4Cとロックホルダ5Cとが軸線X方向に相対移動する際のガイドとして機能するようになっている。
【0242】
[カバー3C]
図45および図46は、カバー3Cを説明する図である。
図45の(A)、(B)は、カバー3Cの斜視図である。図45の(C)は、カバー3Cを図36の(A)における面Aで切断した断面図である。図45の(D)は、図45の(C)におけるC-C断面図である。
図46の(A)は、カバー3Cを図45の(A)における面Bで切断した断面図である。
図46の(B)は、カバー3Cを、図46の(A)におけるA-A矢視方向から見た図である。図46の(C)は、図46の(A)におけるB-B断面図である。図46の(D)は、図46の(A)におけるC-C断面図である。図46の(E)は、図46の(A)におけるD-D断面図である。
【0243】
図45の(A)に示すように、カバー3Cは、極盤2Cの環状壁部21(図41参照)に外挿される外周壁31と、ロックホルダ5Cの回動範囲を規定する第1規制部32と、ロッド4Cのカバー3Cからの脱落を規制する第2規制部33と、を有している。
【0244】
図45の(B)、(D)に示すように、外周壁31は、幅方向の中央に係合孔311a、311aを有する第1壁部311、311と、第1壁部311、311の端部同士を接続する第2壁部312、312とを有している。軸線X方向から見て外周壁31は、矩形形状を有しており、極盤2C側の環状壁部21(図40参照)に略隙間無く外挿される形状で形成されている。
【0245】
第1壁部311、311の係合孔311a、311aは、極盤2C側の環状壁部21に設けた係合爪215、215(図41参照)に対応する位置に設けられている。カバー3Cと極盤2Cとを軸線X方向で組み付けた際に、極盤2C側の係合爪215、215が、カバー3C側の係合孔311a、311aに係合することで、カバー3Cの極盤2Cからの脱落が規制される。
【0246】
図45の(C)に示すように、軸線X方向における外周壁31の一端は、軸線Xに直交する壁部310で封止されており、この壁部310の中央部に、第1規制部32が設けられている。
【0247】
第1規制部32は、筒状の周壁部321と、周壁部321の一端を封止する壁部320と、を有している。前記した壁部310における周壁部321と重なる領域は開口しており、周壁部321の内側の円柱形状の空間325と、外周壁31の内側の四角柱形状の空間315は互いに連通している。
【0248】
図46の(E)に示すように、周壁部321には、位置決め溝322と、ガイド溝323とが設けられている。
位置決め溝322と、ガイド溝323は、周壁部321を厚み方向に貫通して設けられている。
位置決め溝322は、軸線Xを通る周壁部321の直径線C2上に位置しており、軸線X回りの周方向に180°位相をずらして設けられている。
【0249】
ガイド溝323は、周壁部321を、直径線C1と重なる位置から、位置決め溝322に近づく方向(図46の(E)では時計回り方向CW)の所定範囲に亘って切除して形成されている。
軸線X回りの周方向におけるガイド溝323の一方の端部323aと他方の端部323bは、直径線C1を挟んだ一方側と他方側に位置すると共に、互いに平行に設けられている。
本実施形態では、位置決め溝322とガイド溝323は、それぞれ軸線X方向に同じ幅W1(図45の(C)参照)で形成されている。
【0250】
図45の(C)に示すように、第1規制部32の周壁部321は、軸線X方向における周壁部321の一端が、軸線Xに直交する壁部320で封止されており、この壁部320の中央部に、円柱形状の第2規制部33が設けられている。
【0251】
壁部320の外周には、径方向外側に突出して当接部326、326が設けられている。
図46の(B)に示すように、当接部326、326は、直径線C2を挟んで対称となる位置関係で設けられている。これら当接部326、326は、同一の直径線C1上に位置しており、軸線X周りの周方向に180°間隔で設けられている。
【0252】
図46の(B)、(D)に示すように壁部320には、弧状溝320a、320aが設けられている。弧状溝320aは、軸線Xを中心とする仮想円Im上を、軸線X回りの周方向に沿って設けられている。軸線X方向から見て弧状溝320a、320aは、軸線Xを挟んで180°位相をずらした位置関係で設けられている。
弧状溝320a、320aには、ロックホルダ5Cの係合突起53、53(図40の(B)参照)が、軸線X方向から挿入されるようになっている。
【0253】
弧状溝320a、320aは、ロックホルダ5Cと、本体ケース10C(カバー3C)との軸線X回りの相対回転を可能にすると共に、回転範囲を規定するために設けられている。
【0254】
図46の(D)に示すように、壁部320の中央部には、ロッド4(基部40)の挿通孔330aが設けられている。挿通孔330aは、壁部320を軸線X方向に貫通しており、挿通孔330aは、第2規制部33の内部と、第1規制部32の内側の空間325とを連通させている。
【0255】
図40の(B)に示すように、第2規制部33の周壁部331は、前記したロッド4Cの係合リブ404の外径よりも大きい内径r1で形成されている。
前記したスイッチ装置1と異なり、第2規制部33の周壁部321には、係合リブ404が係合する規制溝333(図13参照)が設けられていない。
そのため、スイッチ装置1Cでは、ロッド4Cの係合リブ404が、第2規制部33の内径側に位置している際に、ロッド4Cの軸線X周りの回転が許容されている。
【0256】
図45の(C)に示すように、第2規制部33では、挿通孔330aを囲む規制壁330が設けられている。
図40の(B)に示すように、この規制壁330には、スプリングSp2の付勢力により押されたロッド4Cの係合リブ404が、軸線X方向から当接するようになっており、第2規制部33の規制壁330は、ロッド4Cの本体ケース10Cからの脱落を規制するストッパとして機能する。
【0257】
図46の(B)に示すように、第2規制部33における規制壁330側の外周には、径方向外側に突出して係合部332、332が設けられている。
図46の(B)に示すように、係合部332、332は、直径線C1を挟んで対称となる位置関係で設けられている。これら係合部332、332は、同一の直径線C2上に位置しており、軸線X周りの周方向に180°間隔で設けられている。
【0258】
図46の(C)に示すように、軸線X方向から見て、係合部332、332は、前記した第1規制部32側の弧状溝320aの外周まで及ぶ外径で形成されている。
【0259】
スイッチ装置1Cは、第1規制部32の係合部332、332を、ブラケット110の取付孔111の周縁に係止させて、ブラケット110を、係合部332、332と、第1規制部32との間で把持するようになっている(図48の(C)参照)
この際に、スイッチ装置1Cの場合には、第1規制部32に設けた当接部326、326が、ブラケット110における係合部332、332とは反対側の面に当接して、スイッチ装置1Cがブラケット110で確実に支持されるようになっている。
【0260】
[可動盤6C]
図47は、可動盤6Cを説明する図である。
図47の(A)は、可動盤6Cの斜視図である。図47の(B)は、可動盤6Cを図47の(A)における面Aで切断した断面図である。図47の(C)は、可動盤6Cを図47の(A)における面Bで切断した断面図である。図47の(D)は、可動盤6Cを図47の(C)におけるC-C矢視方向から見た図である。
なお、図47の(A)では、説明の便宜上、紙面手前側の可動接点7の図示を省略している。
【0261】
図47の(A)に示すように可動盤6Cは、環状基部60と、一対の接点支持部63、63と、一対の接点支持部63、63の互いの対向部に設けられた一対の係合部64、64と、を有している。
【0262】
図47の(C)に示すように環状基部60は、接点支持部63、63の軸線X方向の長さL5よりも短い軸線X方向の長さL6を有している。環状基部60は、接点支持部63、63の軸線X方向の一端63a、63a側に位置している。
図47の(C)に示すように、接点支持部63、63は、軸線Xを挟んで対称となる位置関係で設けられており、環状基部60は、これら接点支持部63、63の間で、接点支持部63、63同士を接続している。
図47の(A)、(C)に示すように、接点支持部63、63では、軸線Xとは反対側の外周に、可動接点7、7が固定されている。
図47の(A)、(D)に示すように、接点支持部63、63では、幅方向の中央部に補強用のリブ632、632が設けられている。
【0263】
接点支持部63、63では、軸線X方向における他端63b側の領域が、軸線Xを挟んで対向している。この対向している領域の互いの対向面に係合部64、64が設けられている(図47の(C)参照)。
係合部64、64は、ロッド4Cと可動盤6Cとを連結する際に、ロッド4C側の係合部403に係合する部位である。
係合部64、64は、接点支持部63から軸線X側に突出しており、係合部64、64の軸線X側の面には、軸線X方向に所定間隔でネジ溝64aが設けられている。
【0264】
図47の(D)に示すように、軸線X方向から見て係合部64は、軸線Xを中心とする仮想円Im1に沿う内周を持つ第1係合部641と、直径線C1に沿う内周を持つ第2係合部642と、を有している。
第2係合部642は、仮想円Im1の接線方向に直線状に延びており、第1係合部641から離れるにつれて軸線Xからの離間距離raが大きくなっている。
【0265】
可動盤6Cでは、軸線Xを挟んだ一方側と他方側に係合部64、64が設けられている。軸線X方向から見て、一方側の係合部64と他方側の係合部64は、軸線X回りの周方向に180°回転させた位置関係で設けられている。
図47の(D)において一方側の係合部64と他方側の係合部64では、軸線X周りの反時計回り方向に、第1係合部641と第2係合部642とが、この順番で並んでいる。
【0266】
前記した補強用のリブ632、632は、係合部64、64の裏側まで及ぶ軸線X方向の長さL7で形成されており、係合部64、64周りの強度が、リブ632、632により補強されている。
【0267】
図49の(C)に示すように、最終的にスイッチ装置1Cでは、可動盤6Cの係合部64、64が、ロッド4C側の係合部403、403に連結される。
本実施形態では、スイッチ装置1Cをブラケット110に取り付ける際に、ロッド4Cを初期位置から本体ケース10C内に所定長さLx押し込んだのち、本体ケース10Cを軸線X周りに回転させる。そして、ロックホルダ5Cの係止爪521が、カバー3C(本体ケース10C)側の位置決め溝322に弾発的に係合した時点で、係合部64と、係合部403とが連結される。
【0268】
図49の(A)に示すように、ロッド4Cを初期位置から本体ケース10C内に所定長さLx押し込んだ状態では、軸線Xを挟んで対向する係合部64、64の間に、ロッド4C側の係合部403、403が位置している。
この状態から本体ケース10Cを反時計回り方向に回転させると、可動盤6Cもまた、本体ケース10Cと一体に反時計回り方向に回転する。
そうすると、ロッド4C側の係合部403、403が、本体ケース10Cの回転に伴って、可動盤6C側の係合部64の第2係合部642に徐々に係合する。そして、最終的に、ロッド4C側の係合部403、403が、可動盤6C側の第1係合部641、641に係合することで、ロッド4Cと可動盤6Cが連結される。これにより、ロッド4Cと可動盤6Cとが、軸線X方向に一体移動可能に連結される。
【0269】
図40の(A)に示すように、可動盤6Cの壁部61では、中央の開口61aを囲む領域に、極盤2Cで支持されたスプリングSp1の一端が軸線X方向から当接している。
この状態において可動盤6Cは、スプリングSp1の付勢力で、ロックホルダ5C側(図中、左側)に付勢されており、ブレーキペダル100が踏み込まれると、ロッド4Cの他方の端部40b側が、ブレーキペダル100の操作量に応じて本体ケース10Cの外側に突出するようになっている。
【0270】
以下、スイッチ装置1Cをブラケット110に取り付ける過程を説明する。
図48は、スイッチ装置1Cをブラケット110に取り付ける過程を説明する図である。図48の(A)は、スイッチ装置1Cが取り付けられるブラケット110を説明する図である。図48の(B)は、ブラケット110の取付孔111に、スイッチ装置1Cの第2規制部33を挿入した状態を示した図である。図48(C)は、図48の(B)において、ブラケット110のみをA-A線に沿って切断した図である。図48の(D)は、図48の(B)、(C)の状態からスイッチ装置1Cの本体ケース10Cを軸線X回りに回転させて、スイッチ装置1Cをブラケット110に固定した状態を示した図である。図48(E)は、図48の(B)において、ブラケット110のみをC-C線に沿って切断した図である。図48の(F)は、図48の(C)におけるB-B断面図である。図48の(G)は、図48の(E)におけるD-D断面図である。
【0271】
図49は、スイッチ装置1Cをブラケット110に組み付ける過程を説明する図である。図49の(A)は、ロッド4Cを本体ケース10C内に所定長さLx押し込んだ状態の断面図である。図49の(B)は、図49の(A)におけるA-A断面図である。図49の(C)は、本体ケース10Cを、図49の(B)に示す角度位置から、矢印方向に回転させた状態を示す断面図である。
【0272】
図50は、スイッチ装置1Cをブラケット110に組み付ける過程を説明する図である。図50の(A)は、ロッド4Cを本体ケース10C内に押し込む前の状態を示す断面図である。図50の(B)は、ロッド4Cを本体ケース10C内に所定長さLx押し込んだ状態の断面図である。図50の(C)は、本体ケース10Cを軸線X周りに回転させている途中の状態を示した断面図である。図50の(D)は、スイッチ装置1Cのブラケット110への組み付けが完了した時点の断面図である。
【0273】
図48の(A)に示すように、ブラケット110には、本体ケース10Cの第2規制部33の外径と整合する内径の取付孔111と、係合部332、332が通過可能な凹溝112、112が設けられている。
スイッチ装置1Cをブラケット110に取り付ける際には、はじめに、スイッチ装置1Cにおけるロッド4Cと本体ケース10Cとの位置関係が、軸線X方向から見た係合部332、332の裏側に、ロックホルダ5Cの係合突起53が隠れる位置関係となるようにする(図48の(B)、(C)参照)。
【0274】
この状態で、スイッチ装置1Cの第2規制部33を、ブラケット110の取付孔111に挿入して、第1規制部32を、ブラケット110の厚み方向の一方側に位置させると共に、係合部332、332をブラケット110の厚み方向の他方側に位置させる(図48の(C)参照)。
そうすると、第1規制部32と第2規制部33との境界の当接部326は、ブラケット110の厚み方向の一方側に当接して、スイッチ装置1Cのブラケット110に対する傾きを防止する。
【0275】
続いて、ブレーキペダル100(図1の(B)参照)の位置決めのために、ロッド4Cを本体ケース10C内に挿入する。
ロッド4Cが本体ケース10C内に挿入される前の状態では、ロッド4Cは、図40の(B)に示す基準位置に配置されている。
この基準位置では、ロッド4Cの係合リブ404が、スプリングSp2からの付勢力で、第2規制部33の規制壁330に当接している。
この状態では、変位規制片524の内径側に変位規制リブ408が位置しており、変位規制片524の内径側への変位が阻止されている。
【0276】
また、ロッド4Cの係合リブ404が、ロックホルダ5Cのキー溝540に係合しており、ロッド4Cと、キー溝540を持つロックホルダ5Cとの相対回転も規制されている。
さらに、変位規制リブ408の尖り状の外周端408Pが、変位規制片524の凹部524a内に挿入されており、変位規制片524の軸線Xの直交方向(図50の(A)における上下方向)の位置ずれが抑制されている。
【0277】
図50の(A)の状態では、ロックホルダ5Cの係止爪521は、カバー3C側のガイド溝323に係止されている。ガイド溝323は、軸線X周りの周方向に所定の長さを持って形成されているので、ロックホルダ5Cは、変位規制片524の内径側(軸線X)側への変位が規制された状態であっても、カバー3C(本体ケース10C)に対して、一定の角度範囲内で、相対回転可能となっている。
【0278】
具体的には、図50の(A)において、ロックホルダ5Cの係止爪521が、軸線X回りの周方向におけるガイド溝323の一方の端部323aおよび他方の端部323bと接触する角度範囲θc内で相対回転可能である。
【0279】
スイッチ装置1Cでは、図49の(B)に示すように、ロッド4Cが、所定長さLx分だけ本体ケース10C内に押し込まれると、変位規制リブ408が、変位規制片524の内径側から外れた位置(図中、右側に外れた位置)に配置されて、変位規制片524の内径側への変位が許容される。
図50の(B)では、変位規制リブ408が、変位規制片524よりも紙面奥側に配置されて、変位規制片524を持つ係合片52が、軸線X側に変位可能となった状態が示されている。
【0280】
そのため、図50の(B)の状態において、本体ケース10Cを、図50の(B)の状態から、軸線X回り(図中、反時計回り方向CCW)に回転させると、図50の(C)に示すように、ガイド溝323側の端部323bが、軸線X回りの周方向から係合片52の係止爪521と接触する(図50の(C)参照)。
【0281】
係止爪521を持つ係合片52は、軸線X側(内径側)に弾性変位可能である。そのため、本体ケース10Cをさらに回転させると、係止爪521が端部323bの斜面を摺動しつつ内径側に変位することで、係合片52は、係止爪521が設けられた先端側が、軸線X側(内径側)に変位する。
これにより、ロッド4Cおよびロックホルダ5Cと、カバー3C(本体ケース10C)との軸線X回りの相対回転が、阻止されることなく継続される。
【0282】
係合片52は、ロックホルダ5Cの基部50の外周の接続部502で片持ち支持されており、係止爪521が設けられた先端側が軸線Xの径方向に変位可能である。
そのため、係止爪521が、端部323bの斜面を、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322側に乗り越えると、係止爪521が、位置決め溝322に弾発的に係合する。
図50の(D)参照)。
【0283】
カバー3C(本体ケース10C)が、図50の(A)の状態から図50の(C)の状態まで回転する過程で、本体ケース10C側の係合部332、332が、ロックホルダ5Cの係合突起53を隠す位置から変位して、最終的に、係合部332と係合突起53とが軸線X周りに90°間隔で交互に配置される位置に到達する(図48の(F)→(G)、図49の(B)→(C)参照)。
【0284】
そうすると、図48の(D)、(E)に示すように、本体ケース10C側の係合部332、332が、ブラケット110の凹溝112から外れた角度位置に配置されて、第2規制部33の係合部332、332が、ブラケット110の取付孔111の周縁に係止される。
この状態においてブラケット110は、係合部332、332と、第1規制部32および当接部326との間で把持されて、スイッチ装置1Cのブラケット110への取り付けが完了する。
【0285】
この際に、回転する本体ケース10C内の可動盤6Cが、本体ケース10Cと一体に回転する(図49の(B)→(C)参照)。
これにより、本体ケース10Cと一体に回転する可動盤6C側の係合部64、64が、ロッド4Cの係合部403、403に係合して、ロッド4Cと可動盤6Cとが連結される。
【0286】
このようにスイッチ装置1Cでは、ロッド4Cが本体ケース10C内に所定長さLx押し込まれるまで、本体ケース10Cは、ロックホルダ5Cの係止爪521をガイド溝323に係合させた角度位置から、位置決め溝322に係合させた角度位置までの回転が規制される。これにより、ロッド4が所定長さLx分押し込まれるまでの間ロッド4Cが軸線方向の誤った位置で位置決めされるのを防止できる。
【0287】
そして、ロッド4が所定量長さLx分だけ本体ケース10C内に確実に挿入れた時点で、係合片52における係止爪521が設けられた先端側は、軸線X側(内径側)に弾性変位可能になる。
これにより、係止爪521が、ガイド溝323の端部323bを内径側に変位しつつ乗り越えて、ガイド溝323に隣接する位置決め溝322に係合できるようになる。よって、本体ケース10Cは、ロックホルダ5Cの係止爪521を、位置決め溝322に係合させる角度位置まで、軸線X回りに回転させることが可能になる。
このように、ロッド4Cを、所定量長さLx分だけ本体ケース10C内に確実に挿入したのちに、本体ケース10Cを、ロッド4Cに対して相対回転させて、ロッド4Cと可動盤6Cとを連結できる。これにより、ロッド4Cが軸線方向に正しく位置決めされた状態で可動盤6Cとともに軸線X方向に一体移動可能になる。
【0288】
以上の通り、第4実施形態にかかるスイッチ装置1Cは、以下の構成を有している。
(10)スイッチ装置1Cは、ブレーキペダル100の操作に連動して軸線方向に進退移動するロッド4Cと、
ロッド4Cの長手方向の一方の端部40a側が挿入されると共に、ロッド4Cを軸線X方向に移動可能に支持する本体ケース10Cと、
本体ケース10C内で、軸線X方向に変位可能に設けられた可動盤6Cと、
ロッド4Cと可動盤6Cとを連結する連結機構と、を有する。
スイッチ装置1Cでは、ロッド4Cの軸線X方向の進退移動により、可動盤6Cを軸線X方向に変位させて、可動盤6Cが持つ可動接点7を固定接点8に対して接離させる。
スイッチ装置1Cでは、ロッド4Cを相対回転不能、かつ軸線X方向に移動可能に支持するロックホルダ5C(ホルダ)が、本体ケース10C内に設けられている。
連結機構は、
ロッド4Cの外周から径方向に突出する係合部403(突出部)と、
可動盤6Cに設けられている共に、係合部403の突出高さよりも小さい間隔で、ロッド4Cの外周を囲む係合部64(壁部)と、を有する。
連結機構は、ロッド4Cを初期位置から本体ケース10C内に所定長さLx押し込んだのち、ロッド4Cと本体ケース10Cとを軸線X回りに相対回転させると、係合部403の外周に設けたネジ溝403aと、係合部64の内周に設けたネジ溝64aとが噛合して、ロッド4Cと可動盤6Cとが連結されるように構成されている。
本体ケース10Cにおいてロックホルダ5Cは、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲内で、本体ケース10Cに対して相対回転である。
ロックホルダ5Cが基準位置に配置されると、係合部403(ネジ溝403a)と係合部64(ネジ溝64a)が、軸線X周りの周方向の位相をずらして配置される。
スイッチ装置1Cは、ロックホルダ5Cを、軸線X回りの基準位置から所定の角度範囲回転させると、本体ケース10Cとロックホルダ5Cとの位置関係を固定する固定機構を有する。
固定機構は、
ロックホルダ5Cの外周で片持ち支持されていると共に、外周に係止爪(係合爪)521が設けられた先端側が径方向に弾性変位可能な係合片52と、
本体ケース10Cのロックホルダ5Cの外周を囲む周壁部321に設けられていると共に、係止爪521が係合する係合溝(位置決め溝322、ガイド溝323)と、を有する。
係合溝は、
本体ケース10Cとロックホルダ5Cとの軸線X回りの相対回転を許容するガイド溝323(第1係合溝)と、
本体ケース10Cとロックホルダ5Cとの軸線X回りの相対回転を阻止する位置決め溝322(第2係合溝)と、を有している。
ガイド溝323と位置決め溝322とは、軸線X回りの周方向に間隔をあけて隣り合っている。
ロッド4Cには、ロッド4Cが初期位置(図40参照)から本体ケース10C内に所定長さLx押し込まれるまで(図49の(A)、(B)参照)、係合片52の内径側への弾性変形を阻止する変位規制リブ408(リブ)が設けられている。
【0289】
このように構成すると、ロッド4Cと可動盤6Cとの連結部に別部品が介在していないので、別部品を介在させてロッドと可動盤とを連結する場合よりもスイッチ装置1Cの作成コストの低減が可能になる。
【0290】
ロッド4Cを本体ケース10C内に挿入する過程で、本体ケース10Cと、ロッド4Cおよびロックホルダ5Cとが軸線X回りに相対的に回転しても、係合片52の係止爪521の内径側への移動が、変位規制リブ408により阻止される(図50の(A)参照)。
そのため、ロッド4Cを、図40に示す初期位置から図49の(A)、(B)に示す所定位置まで挿入する過程で、係合片52の係止爪521が、ガイド溝323に隣り合う位置決め溝322に係合できない。
【0291】
すなわち、スイッチ装置1Cをブラケット110に取り付けている過程では、ロッド4Cが本体ケース10C内に所定長さLx挿入されるまでの間、本体ケース10Cと、ロッド4Cおよびロックホルダ5Cとの相対回転が許容されるものの、相対回転可能な範囲は、係合片52の係止爪521がガイド溝323に係合している範囲内に規制される。
【0292】
そして、ロッド4Cが本体ケース10C内に所定長さLx挿入された時点で、本体ケース10Cとロッド4Cおよびロックホルダ5Cは、係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合するまで、相対的に回転させることができるようになる。
係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合すると、本体ケース10Cと、ロッド4Cおよびロックホルダ5Cとが相対回転不能になって、スイッチ装置1Cのブラケット110への取り付けが完了する。
【0293】
これと同時に、係合部403の外周に設けたネジ溝403aと、係合部64の内周に設けたネジ溝64aとが噛合して、ロッド4Cと可動盤6Cとが連結される。
そして、ロッド4Cと可動盤6Cは、ロッド4Cが本体ケース10C内に所定長さLx挿入されるまで連結されないので、スイッチ装置1Cが、誤った位置で取り付けられないようになっている。
【0294】
このように、ロッド4Cが本体ケース10C内に所定長さLx挿入される前に、本体ケース10Cと、ロッド4Cおよびロックホルダ5Cとが相対回転しても、係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合して相対回転不能になる位置まで回転できない。
すなわち、ロッド4Cが本体ケース10C内に所定長さLx挿入されるまで、取り付けが完了しないようにされている。
【0295】
スイッチ装置1Cは、以下の構成を有している。
(13)係合片52では、係止爪521が設けられた位置の内周に、内径側に突出する変位規制片524(突出片)が設けられており、変位規制片524の内径側に、変位規制リブ408が設けられている。
【0296】
このように構成すると、ロッド4Cを本体ケース10C内に所定長さLx挿入されるまでの間に、係合片52の係止爪521が位置決め溝322に係合することを好適に防止できる。
【0297】
スイッチ装置1Cは、以下の構成を有している。
(14)変位規制片524の内径側の端部には、変位規制リブ408の外周端408P(上端)が係合する凹部524aが設けられている。
軸線X方向から見て凹部524aは、内径側に向かうにつれて、軸線X周りの周方向の幅が広くなる形状で形成されている。
軸線方向から見て変位規制リブ408の外周端408Pは、外径側に向かうにつれて軸線X周りの周方向の幅が狭くなる尖り形状で形成されている。
【0298】
このように構成すると、変位規制片524の凹部524aと、変位規制リブ408とが、ロッド4Cとロックホルダ5Cとが軸線X方向に相対移動する際のガイドとして機能する。
【0299】
スイッチ装置1Cは、以下の構成を有している。
(15)ロックホルダ5Cと本体ケース10C(カバー3C)との相対回転は、ロッド4Cが初期位置から本体ケース10C内に所定長さLx押し込まれるまで、ガイド溝323(第1係合溝)と、の角度範囲θc(図50の(A)参照)内で許容される。
【0300】
このように構成すると、スイッチ装置1Cをブラケット110に取り付ける際に、本体ケース10C周りに作用する負荷(捩り方向の負荷)が、ロッドおよびロックホルダと、本体ケースとの相対回転が完全に規制されている場合に比べると低減できる。
【0301】
以上、本願発明の実施形態および変形例を説明したが、本願発明は、これらのものに限定されるものではなく、発明の技術的な思想の範囲内で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0302】
1、1A、1B、1C :スイッチ装置
2、2C :極盤
20 :基部
21 :環状壁部
210 :第1壁部
211 :第2壁部
212 :ガイド壁
213 :凹部
214 :突起部
215 :係合爪
23 :壁部
24 :支持棒
241 :小径部
242 :段部
25 :支持部
3、3A、3B、3C :カバー
31 :外周壁
310 :壁部
311 :第1壁部
312 :第2壁部
315 :空間
32 :第1規制部
320 :壁部
320a :弧状溝
321 :周壁部
322 :位置決め溝
323 :ガイド溝
324 :保持溝
325 :空間
326 :当接部
33 :第2規制部
330 :規制壁
330a :挿通孔
331 :周壁部
332 :係合部
333 :規制溝
334 :規制溝
4、4A、4B、4C :ロッド
40 :基部
401 :収容穴
402 :壁部
402a :連通孔
403 :係合部
403a :ネジ溝
403b :側面
403c :側面
404 :係合リブ
404a :外周
404b :側面
404c :側面
405 :突起
406 :変位規制リブ
406a :外周
407 :カム取付部
407a :係合凹部
408 :変位規制リブ
408P :外周端
41 :当接部材
410 :円板部
411 :軸部
45 :カム
451 :接続部
452 :壁部
452a :突起
453 :ガイド
454 :係合部
454a :係合突起
454a1 :端面
454b :傾斜面
454c :傾斜面
5、5A、5B、5Cロックホルダ
50 :基部
501 :二面幅部
502 :接続部
502a :外周縁
503 :切欠き
505 :補強リブ
506 :補強リブ
508 :切欠き
51 :壁部
510a :挿通孔
52 :係合片
521 :係止爪
521a :外周縁
522 :支持部
523 :突起
524 :変位規制片
524a :凹部
53 :係合突起
54 :ガイドレール
540 :キー溝
6、6C :可動盤
60 :環状基部
601 :突起
602 :突起
61 :壁部
63 :接点支持部
630 :突起
631 :収容部
632 :リブ
64 :係合部
64a :ネジ溝
641 :第1係合部
642 :第2係合部
7 :可動接点
8 :固定接点
10、10C :本体ケース
100 :ブレーキペダル
101、110 :ブラケット
111 :取付孔
112 :凹溝
C1、C2 :直径線
Lx :所定距離
Sp1、Sp2 :スプリング
X :軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50