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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
F16K31/06 310B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018189746
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060202
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000106760
【氏名又は名称】CKD株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 新治
(72)【発明者】
【氏名】小杉 光弘
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-020185(JP,A)
【文献】特開2004-293678(JP,A)
【文献】特開2004-036841(JP,A)
【文献】特開2018-076901(JP,A)
【文献】特開2006-349042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポート、及び前記各ポートが連通するとともにスプール弁が往復動可能に収容される弁孔が形成されたバルブケーシングと、
前記スプール弁を移動させる電磁ソレノイドと、
前記複数のポートのいずれかを流れる流体の圧力を検出する圧力センサと、を有する電磁弁本体を備え、
外部制御機器から前記電磁ソレノイドへ送信される駆動信号に基づいて前記電磁ソレノイドが駆動することにより、前記スプール弁が前記弁孔内を往復動して、前記各ポート間の連通が切り換えられる電磁弁であって、
前記外部制御機器から前記電磁ソレノイドへ送信される駆動信号を検出したタイミングから、前記圧力センサからの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算して、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、前記スプール弁の移動状態が不良か否かを判断する制御基板と、
前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続するとともに前記外部制御機器からの前記駆動信号を前記制御基板へ送信する外部側駆動信号線と、
前記制御基板と前記電磁ソレノイドとを電気的に接続するとともに前記外部側駆動信号線からの前記駆動信号を前記電磁ソレノイドへ送信するバルブ側駆動信号線と、
前記圧力センサと前記制御基板とを電気的に接続するとともに前記圧力センサからの出力信号を前記制御基板へ送信するセンサ側出力信号線と、
前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続する外部側電源線と、
前記圧力センサと前記制御基板とを電気的に接続するセンサ側電源線と、
前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続する外部側グランド線と、
前記制御基板と前記電磁ソレノイドとを電気的に接続するバルブ側グランド線と、
前記圧力センサと前記制御基板とを電気的に接続するセンサ側グランド線と、
前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続するとともに、前記制御基板によって前記スプール弁の移動状態が不良と判断された際に、前記スプール弁の移動状態が不良である旨を知らせる信号を前記外部制御機器へ送信する報知用出力信号線と、
前記制御基板と前記電磁ソレノイドとを接続するとともに前記バルブ側駆動信号線及び前記バルブ側グランド線を含むバルブ側配線と、
前記制御基板と前記圧力センサとを接続するとともに前記センサ側出力信号線、前記センサ側電源線、及び前記センサ側グランド線を含むセンサ側配線と、を有する制御ユニットを備え、
前記電磁弁本体は、
前記バルブ側配線における前記電磁ソレノイド側の端部であるバルブ側配線接続部が着脱される第1電磁弁接続部と、
前記センサ側配線における前記圧力センサ側の端部であるセンサ側配線接続部が着脱される第2電磁弁接続部と、を有し、
前記バルブ側配線接続部と前記第1電磁弁接続部とが接続されることにより前記バルブ側駆動信号線及び前記バルブ側グランド線と前記電磁ソレノイドとが電気的に接続されるとともに、前記センサ側配線接続部と前記第2電磁弁接続部とが接続されることにより前記センサ側出力信号線、前記センサ側電源線、及び前記センサ側グランド線と前記圧力センサとが電気的に接続され、
前記制御ユニットは、前記バルブ側配線接続部と前記第1電磁弁接続部との着脱、及び前記センサ側配線接続部と前記第2電磁弁接続部との着脱によって、前記電磁弁本体に対して着脱可能になっていることを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記外部制御機器と前記制御基板とを接続するとともに前記外部側駆動信号線、前記外部側電源線、前記外部側グランド線、及び前記報知用出力信号線を含む外部側配線を有していることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記制御基板を収容するケースを有し、
前記ケースは、前記電磁弁本体に支持される支持部を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁弁は、複数のポート、及び各ポートが連通するとともにスプール弁が往復動可能に収容される弁孔が形成されたバルブケーシングと、各ポート間の連通を切り換えるためにスプール弁を移動させる電磁ソレノイドと、を有する電磁弁本体を備えている。そして、例えば、ユーザ側で予め用意されているプログラマブルロジックコントローラ(PLC)から電磁ソレノイドへ送信される駆動信号に基づいて電磁ソレノイドが駆動することにより、スプール弁が弁孔内を往復動して、各ポート間の連通が切り換えられる。
【0003】
このような電磁弁においては、例えば特許文献1に開示されているように、スプール弁の動作状態を、圧力センサを用いて検出する方法がある。圧力センサは、複数のポートのいずれかを流れる流体の圧力を検出する。特許文献1では、圧力センサが、電磁弁に一体化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第3524723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、圧力センサによって検出される圧力に関する情報は、例えば、ユーザ側で予め用意されているプログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部制御機器へ圧力センサからの出力信号として送信される。そして、外部制御機器は、例えば、電磁ソレノイドへ送信される駆動信号が送信されたタイミングから、圧力センサからの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算し、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁の移動状態が不良であるか否かを判断する。このように、特許文献1では、圧力センサが電磁弁に一体化されてはいるものの、外部制御機器が、スプール弁の動作状態が不良であるか否かを判断するために演算処理等を行う必要があるため、外部制御機器の負担が増大してしまう。
【0006】
そこで、例えば、外部制御機器から電磁ソレノイドへ送信される駆動信号を検出したタイミングから、圧力センサからの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算して、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁の移動状態が不良か否かを判断する制御基板を、電磁弁本体に内蔵することが考えられる。これによれば、制御基板によってスプール弁の移動状態が不良と判断された際に、スプール弁の移動状態が不良である旨を知らせる信号を外部制御機器に出力するだけで、スプール弁の移動状態が不良であることをユーザが把握することができる。よって、外部制御機器が、スプール弁の動作状態が不良であるか否かを判断するために演算処理等を行う必要が無いため、外部制御機器の負担が軽減される。
【0007】
しかし、制御基板を電磁弁本体に内蔵すると、メンテナンス時において、電磁弁本体を交換する必要がある場合に、交換する必要の無い制御基板まで交換することになってしまうため、メンテナンス性が悪化してしまう。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザ側の外部制御機器の負担を軽減しつつも、メンテナンス性の向上を図ることができる電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する電磁弁は、複数のポート、及び前記各ポートが連通するとともにスプール弁が往復動可能に収容される弁孔が形成されたバルブケーシングと、前記スプール弁を移動させる電磁ソレノイドと、前記複数のポートのいずれかを流れる流体の圧力を検出する圧力センサと、を有する電磁弁本体を備え、外部制御機器から前記電磁ソレノイドへ送信される駆動信号に基づいて前記電磁ソレノイドが駆動することにより、前記スプール弁が前記弁孔内を往復動して、前記各ポート間の連通が切り換えられる電磁弁であって、前記外部制御機器から前記電磁ソレノイドへ送信される駆動信号を検出したタイミングから、前記圧力センサからの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算して、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、前記スプール弁の移動状態が不良か否かを判断する制御基板と、前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続するとともに前記外部制御機器からの前記駆動信号を前記制御基板へ送信する外部側駆動信号線と、前記制御基板と前記電磁ソレノイドとを電気的に接続するとともに前記外部側駆動信号線からの前記駆動信号を前記電磁ソレノイドへ送信するバルブ側駆動信号線と、前記圧力センサと前記制御基板とを電気的に接続するとともに前記圧力センサからの出力信号を前記制御基板へ送信するセンサ側出力信号線と、前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続する外部側電源線と、前記圧力センサと前記制御基板とを電気的に接続するセンサ側電源線と、前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続する外部側グランド線と、前記制御基板と前記電磁ソレノイドとを電気的に接続するバルブ側グランド線と、前記圧力センサと前記制御基板とを電気的に接続するセンサ側グランド線と、前記外部制御機器と前記制御基板とを電気的に接続するとともに、前記制御基板によって前記スプール弁の移動状態が不良と判断された際に、前記スプール弁の移動状態が不良である旨を知らせる信号を前記外部制御機器へ送信する報知用出力信号線と、前記制御基板と前記電磁ソレノイドとを接続するとともに前記バルブ側駆動信号線及び前記バルブ側グランド線を含むバルブ側配線と、前記制御基板と前記圧力センサとを接続するとともに前記センサ側出力信号線、前記センサ側電源線、及び前記センサ側グランド線を含むセンサ側配線と、を有する制御ユニットを備え、前記電磁弁本体は、前記バルブ側配線における前記電磁ソレノイド側の端部であるバルブ側配線接続部が着脱される第1電磁弁接続部と、前記センサ側配線における前記圧力センサ側の端部であるセンサ側配線接続部が着脱される第2電磁弁接続部と、を有し、前記バルブ側配線接続部と前記第1電磁弁接続部とが接続されることにより前記バルブ側駆動信号線及び前記バルブ側グランド線と前記電磁ソレノイドとが電気的に接続されるとともに、前記センサ側配線接続部と前記第2電磁弁接続部とが接続されることにより前記センサ側出力信号線、前記センサ側電源線、及び前記センサ側グランド線と前記圧力センサとが電気的に接続され、前記制御ユニットは、前記バルブ側配線接続部と前記第1電磁弁接続部との着脱、及び前記センサ側配線接続部と前記第2電磁弁接続部との着脱によって、前記電磁弁本体に対して着脱可能になっている。
【0010】
上記電磁弁において、前記制御ユニットは、前記外部制御機器と前記制御基板とを接続するとともに前記外部側駆動信号線、前記外部側電源線、前記外部側グランド線、及び前記報知用出力信号線を含む外部側配線を有しているとよい。
【0011】
上記電磁弁において、前記制御ユニットは、前記制御基板を収容するケースを有し、前記ケースは、前記電磁弁本体に支持される支持部を有しているとよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、ユーザ側の外部制御機器の負担を軽減しつつも、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態における電磁弁の縦断面図。
図2】制御ユニットの電気的構成を模式的に示す図。
図3】制御基板の回路構成を説明するための回路図。
図4】スプール弁が第1切換位置に切り換えられた状態を示す断面図。
図5】電磁弁本体及び制御ユニットを示す側面図。
図6】マイコンの制御を説明するためのフローチャート。
図7】電磁ソレノイドへの駆動信号及び第1圧力センサからの出力信号の変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、電磁弁を具体化した一実施形態を図1図7にしたがって説明する。
図1に示すように、電磁弁10は、バルブケーシング11を有する電磁弁本体12を備えている。バルブケーシング11は、略直方体状である。バルブケーシング11は、略直方体状である弁ボディ13と、弁ボディ13の長手方向の一端部に連結される第1連結ブロック14と、弁ボディ13の長手方向の他端部に連結される第2連結ブロック15と、を有する。
【0015】
弁ボディ13には、供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20が形成されている。よって、供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20は、バルブケーシング11に形成されたポートである。したがって、バルブケーシング11には、複数のポートが形成されている。本実施形態の電磁弁10は、5ポート電磁弁である。供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20は、弁ボディ13の長手方向において、一端側から他端側にかけて第1排出ポート19、第1出力ポート17、供給ポート16、第2出力ポート18、及び第2排出ポート20の順に並んで配置されている。
【0016】
弁ボディ13には、円孔状の弁孔21が形成されている。弁孔21は、弁ボディ13の長手方向に延びている。弁孔21の一端は、弁ボディ13の長手方向の一端面に開口するとともに、弁孔21の他端は、弁ボディ13の長手方向の他端面に開口している。よって、弁孔21は、弁ボディ13の長手方向に貫通している。弁孔21内には、スプール弁22が往復動可能に収容されている。
【0017】
供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20は、弁孔21に連通している。したがって、バルブケーシング11には、供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20が連通するとともにスプール弁22が往復動可能に収容される弁孔21が形成されている。供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20における弁孔21とは反対側の端部は、弁ボディ13の一側面(底面)に開口している。
【0018】
スプール弁22の軸方向の一方の端部には、円板状の第1ピストン23が設けられている。バルブケーシング11には、第1ピストン23が往復動可能に収容される第1ピストン室24が形成されている。第1ピストン室24は、弁ボディ13における長手方向の一端面と第1連結ブロック14に形成された円孔状の凹部14aとにより区画されている。そして、第1ピストン室24には、第1ピストン23により第1パイロット圧作用室25が区画されている。第1パイロット圧作用室25にはパイロット流体が給排される。
【0019】
スプール弁22の軸方向の他方の端部には、円板状の第2ピストン26が設けられている。バルブケーシング11には、第2ピストン26が往復動可能に収容される第2ピストン室27が形成されている。第2ピストン室27は、弁ボディ13における長手方向の他端面と第2連結ブロック15に形成された円孔状の凹部15aとにより区画されている。そして、第2ピストン室27には、第2ピストン26により第2パイロット圧作用室28が区画されている。第2パイロット圧作用室28にはパイロット流体が給気される。
【0020】
第2連結ブロック15の凹部15aの内径は、第1連結ブロック14の凹部14aの内径よりも小さい。そして、第2ピストン26の外径は、第1ピストン23の外径よりも小さい。よって、第2ピストン26における第2パイロット圧作用室28内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積は、第1ピストン23における第1パイロット圧作用室25内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積よりも小さい。
【0021】
電磁弁本体12は、パイロット弁部30を備えている。パイロット弁部30は、第1連結ブロック14における弁ボディ13とは反対側の端部に連結されている。本実施形態の電磁弁10は、パイロット弁部30が一つ設けられた所謂シングルパイロット型である。パイロット弁部30は、スプール弁22を移動させる電磁ソレノイド31を備えている。また、パイロット弁部30は、電磁ソレノイド31への通電を制御する回路基板32を備えている。回路基板32には、バルブ給電端子33が電気的に接続されている。パイロット弁部30は、バルブ給電端子33を取り囲む筒状のソレノイドコネクタ部34を有している。ソレノイドコネクタ部34は、第1連結ブロック14とは反対側に向けて突出している。そして、ソレノイドコネクタ部34の接続口は、第1連結ブロック14とは反対側に開口している。
【0022】
弁ボディ13には、弁孔21を介して供給ポート16に連通するパイロット流体供給流路35が形成されている。パイロット流体供給流路35は、弁孔21において、スプール弁22の位置とは無関係に供給ポート16に連通する位置に開口している。また、パイロット流体供給流路35は、途中で分岐してパイロット弁部30と第2パイロット圧作用室28とにそれぞれ接続されている。供給ポート16に供給された流体の一部は、パイロット流体供給流路35を介して、パイロット流体として第2パイロット圧作用室28に常に供給されている。
【0023】
また、第1連結ブロック14には、パイロット弁部30と第1パイロット圧作用室25とを接続するパイロット流体出力流路36が形成されている。さらに、第1連結ブロック14には、パイロット流体を排出するパイロット流体排出流路37が形成されている。パイロット流体排出流路37の一端はパイロット弁部30に接続されるとともに、パイロット流体排出流路37の他端は、第1連結ブロック14の一側面(底面)に開口している。
【0024】
弁ボディ13には、弁孔21に連通する第1連通孔41が形成されている。第1連通孔41は、弁孔21に対して、弁孔21を介して第1出力ポート17と対向する位置に開口している。よって、第1連通孔41は、弁孔21を介して第1出力ポート17に連通している。第1連通孔41における弁孔21とは反対側の端部は、弁ボディ13において、供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20における弁孔21とは反対側の端部が開口されている一側面とは反対側の他側面である上面13aに開口している。
【0025】
弁ボディ13には、弁孔21に連通する第2連通孔42が形成されている。第2連通孔42は、弁孔21に対して、弁孔21を介して第2出力ポート18と対向する位置に開口している。よって、第2連通孔42は、弁孔21を介して第2出力ポート18に連通している。第2連通孔42における弁孔21とは反対側の端部は、弁ボディ13の上面13aに開口している。
【0026】
電磁弁本体12は、弁ボディ13の上面13aに取り付けられる板状のスペーサ43を有している。スペーサ43には、第1連通孔41に連通する第1貫通孔43aと、第2連通孔42に連通する第2貫通孔43bとが形成されている。スペーサ43における弁ボディ13側の端面と弁ボディ13の上面13aとの間には、板状のガスケット44が設けられている。ガスケット44は、弁ボディ13の上面13aとスペーサ43との間からの流体の洩れを抑止する。
【0027】
電磁弁本体12は、スペーサ43における弁ボディ13とは反対側の端面に取り付けられる略直方体状の筐体45を有している。筐体45の内部には、圧力センサとしての第1圧力センサ46及び第2圧力センサ47が内蔵されている。
【0028】
また、筐体45には、第1貫通孔43aに連通する第1導入通路45aが形成されている。第1導入通路45aは、第1貫通孔43aからの流体を第1圧力センサ46に導く。そして、第1出力ポート17の流体は、第1連通孔41、第1貫通孔43a、及び第1導入通路45aを介して第1圧力センサ46に導かれる。よって、第1圧力センサ46は、第1出力ポート17を流れる流体の圧力を検出する。
【0029】
また、筐体45には、第2貫通孔43bに連通する第2導入通路45bが形成されている。第2導入通路45bは、第2貫通孔43bからの流体を第2圧力センサ47に導く。そして、第2出力ポート18の流体は、第2連通孔42、第2貫通孔43b、及び第2導入通路45bを介して第2圧力センサ47に導かれる。よって、第2圧力センサ47は、第2出力ポート18を流れる流体の圧力を検出する。したがって、電磁弁本体12は、供給ポート16、第1出力ポート17、第2出力ポート18、第1排出ポート19、及び第2排出ポート20のいずれかを流れる流体の圧力を検出する圧力センサを有している。
【0030】
筐体45の内部には、第1圧力センサ46が搭載される第1基板46aが収容されている。第1基板46aには、第1センサ給電端子46bが電気的に接続されている。筐体45は、第1センサ給電端子46bを取り囲む筒状の第1センサ用コネクタ部46cを有している。第1センサ用コネクタ部46cの接続口は、スペーサ43とは反対側に開口している。
【0031】
筐体45の内部には、第2圧力センサ47が搭載される第2基板47aが収容されている。第2基板47aには、第2センサ給電端子47bが電気的に接続されている。筐体45は、第2センサ給電端子47bを取り囲む筒状の第2センサ用コネクタ部47cを有している。第2センサ用コネクタ部47cの接続口は、スペーサ43とは反対側に開口している。よって、第1センサ用コネクタ部46cの接続口の開口向きと、第2センサ用コネクタ部47cの接続口の開口向きとは同じである。
【0032】
電磁弁10は、制御ユニット50を備えている。制御ユニット50は、制御基板51と、制御基板51を収容するケース52と、を有している。
図2に示すように、制御基板51は、マイコン51aを有している。マイコン51aには、各種の制御プログラムや各種の演算プログラムが予め記憶されている。また、マイコン51aは、タイマー機能を備えている。
【0033】
制御ユニット50は、外部制御機器53と制御基板51とを電気的に接続するとともに外部制御機器53からの駆動信号を制御基板51へ送信する外部側駆動信号線54を有している。外部制御機器53は、例えば、ユーザ側で予め用意されているプログラマブルロジックコントローラ(PLC)である。
【0034】
また、制御ユニット50は、制御基板51と電磁ソレノイド31とを電気的に接続するとともに外部側駆動信号線54からの駆動信号を電磁ソレノイド31へ送信するバルブ側駆動信号線55を有している。そして、外部制御機器53から外部側駆動信号線54及びバルブ側駆動信号線55を介して電磁ソレノイド31へ駆動信号が送信されることにより、電磁ソレノイド31が駆動する。
【0035】
制御ユニット50は、第1圧力センサ46と制御基板51とを電気的に接続するとともに第1圧力センサ46からの出力信号を制御基板51へ送信するセンサ側出力信号線としての第1センサ側出力信号線56を有している。また、制御ユニット50は、第2圧力センサ47と制御基板51とを電気的に接続するとともに第2圧力センサ47からの出力信号を制御基板51へ送信するセンサ側出力信号線としての第2センサ側出力信号線57を有している。
【0036】
制御ユニット50は、外部制御機器53と制御基板51とを電気的に接続する外部側電源線58を有している。そして、マイコン51aは、外部制御機器53から外部側電源線58を介して制御基板51に電力が供給されることにより起動する。
【0037】
また、制御ユニット50は、第1圧力センサ46と制御基板51とを電気的に接続するセンサ側電源線としての第1センサ側電源線59を有している。そして、第1圧力センサ46は、外部制御機器53から外部側電源線58、制御基板51、及び第1センサ側電源線59を介して電力が供給されることにより起動する。
【0038】
さらに、制御ユニット50は、第2圧力センサ47と制御基板51とを電気的に接続するセンサ側電源線としての第2センサ側電源線60を有している。そして、第2圧力センサ47は、外部制御機器53から外部側電源線58、制御基板51、及び第2センサ側電源線60を介して電力が供給されることにより起動する。
【0039】
制御ユニット50は、外部制御機器53と制御基板51とを電気的に接続する外部側グランド線61を有している。また、制御ユニット50は、制御基板51と電磁ソレノイド31とを電気的に接続するバルブ側グランド線62を有している。制御ユニット50は、第1圧力センサ46と制御基板51とを電気的に接続するセンサ側グランド線としての第1センサ側グランド線63を有している。また、制御ユニット50は、第2圧力センサ47と制御基板51とを電気的に接続するセンサ側グランド線としての第2センサ側グランド線64を有している。
【0040】
マイコン51aは、外部制御機器53から外部側駆動信号線54を介して制御基板51へ送信される駆動信号を検出する。よって、マイコン51aは、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出可能である。また、マイコン51aは、第1圧力センサ46から第1センサ側出力信号線56を介して制御基板51へ送信される出力信号を受信可能である。さらに、マイコン51aは、第2圧力センサ47から第2センサ側出力信号線57を介して制御基板51へ送信される出力信号を受信可能である。
【0041】
マイコン51aには、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出したタイミングから、第1圧力センサ46からの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算する演算処理を実行する第1演算プログラムが予め記憶されている。また、マイコン51aには、第1演算プログラムによって演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する判断処理を実行する第1判断プログラムが予め記憶されている。したがって、マイコン51aは、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出したタイミングから、第1圧力センサ46からの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算して、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する。
【0042】
マイコン51aには、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出したタイミングから、第2圧力センサ47からの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算する演算処理を実行する第2演算プログラムが予め記憶されている。また、マイコン51aには、第2演算プログラムによって演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する判断処理を実行する第2判断プログラムが予め記憶されている。したがって、マイコン51aは、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出したタイミングから、第2圧力センサ47からの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算して、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する。
【0043】
制御ユニット50は、報知用出力信号線65を有している。報知用出力信号線65は、外部制御機器53と制御基板51とを電気的に接続するとともに、マイコン51aによってスプール弁22の移動状態が不良と判断された際に、スプール弁22の移動状態が不良である旨を知らせる信号を外部制御機器53へ送信する。
【0044】
図1に示すように、制御ユニット50は、制御基板51と電磁ソレノイド31とを接続するバルブ側配線70を有している。バルブ側配線70の内部には、バルブ側駆動信号線55及びバルブ側グランド線62が通過している。よって、バルブ側配線70は、バルブ側駆動信号線55及びバルブ側グランド線62を含んでいる。
【0045】
制御ユニット50は、制御基板51と第1圧力センサ46とを接続するセンサ側配線としての第1センサ側配線71を有している。第1センサ側配線71の内部には、第1センサ側出力信号線56、第1センサ側電源線59、及び第1センサ側グランド線63が通過している。よって、第1センサ側配線71は、第1センサ側出力信号線56、第1センサ側電源線59、及び第1センサ側グランド線63を含んでいる。
【0046】
制御ユニット50は、制御基板51と第2圧力センサ47とを接続するセンサ側配線としての第2センサ側配線72を有している。第2センサ側配線72の内部には、第2センサ側出力信号線57、第2センサ側電源線60、及び第2センサ側グランド線64が通過している。よって、第2センサ側配線72は、第2センサ側出力信号線57、第2センサ側電源線60、及び第2センサ側グランド線64を含んでいる。
【0047】
制御ユニット50は、外部制御機器53と制御基板51とを接続する外部側配線73を有している。外部側配線73の内部には、外部側駆動信号線54、外部側電源線58、外部側グランド線61、及び報知用出力信号線65が通過している。よって、外部側配線73は、外部側駆動信号線54、外部側電源線58、外部側グランド線61、及び報知用出力信号線65を含んでいる。
【0048】
バルブ側配線70における電磁ソレノイド31側の端部は、バルブ側配線接続部である金属端子70aになっている。金属端子70aは、バルブ給電端子33に電気的に接続されている。金属端子70aは、バルブ給電端子33に対して着脱可能である。よって、バルブ給電端子33は、バルブ側配線70における電磁ソレノイド31側の端部である金属端子70aが着脱される第1電磁弁接続部になっている。したがって、電磁弁本体12は、バルブ側配線70における電磁ソレノイド31側の端部であるバルブ側配線接続部が着脱される第1電磁弁接続部を有している。そして、金属端子70aとバルブ給電端子33とが接続されることによりバルブ側駆動信号線55及びバルブ側グランド線62と電磁ソレノイド31とが電気的に接続されている。
【0049】
第1センサ側配線71における第1圧力センサ46側の端部は、センサ側配線接続部である第1接続端子71aになっている。第1接続端子71aは、第1センサ給電端子46bに電気的に接続されている。第1接続端子71aは、第1センサ給電端子46bに対して着脱可能である。よって、第1センサ給電端子46bは、第1センサ側配線71における第1圧力センサ46側の端部である第1接続端子71aが着脱される第2電磁弁接続部になっている。したがって、電磁弁本体12は、第1センサ側配線71における第1圧力センサ46側の端部であるセンサ側配線接続部が着脱される第2電磁弁接続部を有している。そして、第1接続端子71aと第1センサ給電端子46bとが接続されることにより第1センサ側出力信号線56、第1センサ側電源線59、及び第1センサ側グランド線63と第1圧力センサ46とが電気的に接続されている。
【0050】
第2センサ側配線72における第2圧力センサ47側の端部は、センサ側配線接続部である第2接続端子72aになっている。第2接続端子72aは、第2センサ給電端子47bに電気的に接続されている。第2接続端子72aは、第2センサ給電端子47bに対して着脱可能である。よって、第2センサ給電端子47bは、第2センサ側配線72における第2圧力センサ47側の端部である第2接続端子72aが着脱される第2電磁弁接続部になっている。したがって、電磁弁本体12は、第2センサ側配線72における第2圧力センサ47側の端部であるセンサ側配線接続部が着脱される第2電磁弁接続部を有している。そして、第2接続端子72aと第2センサ給電端子47bとが接続されることにより第2センサ側出力信号線57、第2センサ側電源線60、及び第2センサ側グランド線64と第2圧力センサ47とが電気的に接続されている。
【0051】
図3に示すように、制御基板51は、コンパレータ51b及び閾値電圧回路51cを有している。閾値電圧回路51cは、一対の分圧抵抗51dを有している。コンパレータ51bの非反転入力端子は、第1センサ側出力信号線56又は第2センサ側出力信号線57に接続されている。コンパレータ51bの反転入力端子は、一対の分圧抵抗51dの間に接続されている。コンパレータ51bの出力端子は、マイコン51aに接続されている。コンパレータ51bは、第1センサ側出力信号線56又は第2センサ側出力信号線57からの出力信号に基づく電圧と、閾値電圧回路51cにより生成される閾値電圧とを比較する。そして、コンパレータ51bは、第1センサ側出力信号線56又は第2センサ側出力信号線57からの出力信号に基づく電圧が閾値電圧を越えたときに、第1センサ側出力信号線56又は第2センサ側出力信号線57からの出力信号をマイコン51aに出力する。
【0052】
図4に示すように、パイロット弁部30は、外部制御機器53からの外部側駆動信号線54及びバルブ側駆動信号線55を介した電磁ソレノイド31への駆動信号の送信が行われると、パイロット流体供給流路35とパイロット流体出力流路36とを連通させるとともに、パイロット流体出力流路36とパイロット流体排出流路37との連通を遮断する。すると、供給ポート16に供給された流体の一部が、パイロット流体供給流路35及びパイロット流体出力流路36を介して、パイロット流体として第1パイロット圧作用室25に供給される。
【0053】
このとき、第2ピストン26における第2パイロット圧作用室28内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積が、第1ピストン23における第1パイロット圧作用室25内のパイロット流体の圧力を受ける受圧面積よりも小さいことから、スプール弁22が、第2連結ブロック15の凹部15aに向けて移動する。その結果、スプール弁22が、供給ポート16と第1出力ポート17とが連通するとともに第2出力ポート18と第2排出ポート20とが連通し、供給ポート16と第2出力ポート18との連通が遮断されるとともに、第1出力ポート17と第1排出ポート19との連通が遮断される第1切換位置に切り換えられる。そして、供給ポート16に供給された流体が第1出力ポート17を介して図示しない流体圧機器に出力される。また、流体圧機器からの流体が、第2出力ポート18及び第2排出ポート20を介して大気に排出される。
【0054】
図1に示すように、パイロット弁部30は、外部制御機器53からの外部側駆動信号線54及びバルブ側駆動信号線55を介した電磁ソレノイド31への駆動信号の送信が停止されると、パイロット流体出力流路36とパイロット流体排出流路37とを連通させるとともに、パイロット流体供給流路35とパイロット流体出力流路36との連通を遮断する。すると、供給ポート16からパイロット流体供給流路35及びパイロット流体出力流路36を介したパイロット流体としての流体の第1パイロット圧作用室25への供給が遮断される。そして、第1パイロット圧作用室25内の流体が、パイロット流体出力流路36及びパイロット流体排出流路37を介して大気に排出される。これにより、スプール弁22が、第1連結ブロック14の凹部14aに向けて移動する。その結果、スプール弁22が、供給ポート16と第2出力ポート18とが連通するとともに第1出力ポート17と第1排出ポート19とが連通し、供給ポート16と第1出力ポート17との連通が遮断されるとともに、第2出力ポート18と第2排出ポート20との連通が遮断される第2切換位置に切り換えられる。そして、供給ポート16に供給された流体が第2出力ポート18を介して流体圧機器に供給される。また、流体圧機器からの流体が、第1出力ポート17及び第1排出ポート19を介して大気に排出される。
【0055】
よって、本実施形態の電磁弁10は、供給ポート16に供給された流体の一部を第1パイロット圧作用室25及び第2パイロット圧作用室28に供給する内部パイロット式である。そして、電磁弁10においては、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号に基づいて電磁ソレノイド31が駆動することにより、スプール弁22がパイロット流体により弁孔21内を往復動して、各ポート間の連通が切り換えられる。
【0056】
図5に示すように、制御ユニット50は、金属端子70aとバルブ給電端子33との着脱、第1接続端子71aと第1センサ給電端子46bとの着脱、及び第2接続端子72aと第2センサ給電端子47bとの着脱によって、電磁弁本体12に対して着脱可能になっている。また、ケース52におけるパイロット弁部30と対向する側面には、柱状の支持部52aが突出している。パイロット弁部30のハウジング30Aには、支持部52aが圧入される凹部30aが形成されている。そして、支持部52aが凹部30aに圧入されることにより、ケース52がパイロット弁部30に支持されている。したがって、ケース52は、電磁弁本体12に支持される支持部52aを有している。
【0057】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の制御ユニット50は、スプール弁22のスプールパッキンが経年劣化する等して、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する。よって、制御ユニット50は、電磁弁10の寿命が近いか否かを診断する寿命診断ユニットとして機能する。
【0058】
図6に示すように、マイコン51aは、まず、ステップS10において外部制御機器53から外部側駆動信号線54を介して制御基板51へ送信される駆動信号を検出する。次に、マイコン51aは、駆動信号を検出すると、ステップS11においてタクト時間T1の計測を開始する。タクト時間T1とは、スプール弁22が第1切換位置と第2切換位置との間を一往復する時間である。
【0059】
マイコン51aは、ステップS12において外部制御機器53から外部側駆動信号線54を介して制御基板51へ送信される2回目の駆動信号を検出する。次に、マイコン51aは、ステップS13において応答時間T2の計測を開始する。ここで、応答時間T2は、ステップS11において計測を開始したタクト時間T1とは別の時間である。
【0060】
マイコン51aは、ステップS14においてタクト時間T1の計測を停止し、タクト時間T1を算出する。そして、マイコン51aは、ステップS15においてステップS14で算出したタクト時間T1が予め定められた所定時間Thr(例えば1時間)以下であるか否かを判定する。マイコン51aは、ステップS15においてタクト時間T1が所定時間Thr以下ではないと判定すると、ステップS16に移行する。
【0061】
電磁弁10においては、長期に亘って停止していると、例えば、スプール弁22のスプールパッキンと弁孔21との間に存在するグリスが界面よりも少なくなり、摺動抵抗が大きくなることがある。この場合、電磁弁10を駆動させると、電磁弁10の寿命がまだ近くないにも拘わらず、スプール弁22がスムーズに移動しない場合がある。本実施形態の制御ユニット50では、マイコン51aが、ステップS15においてタクト時間T1が所定時間Thr以下ではないと判定した場合には、長期に亘って電磁弁10が停止していたことによる動作不良と判断し、電磁弁10の寿命が近いか否かの診断を行わずに、ステップS16に移行する。そして、マイコン51aは、ステップS16においてタクト時間T1をリセットする。さらに、マイコン51aは、ステップS17においてタクト時間T1の計測を再び開始し、ステップS12に移行する。
【0062】
一方、マイコン51aは、ステップS15においてタクト時間T1が所定時間Thr以下であると判定すると、ステップS20に移行する。そして、マイコン51aは、ステップS20においてタクト時間T1をリセットする。さらに、マイコン51aは、ステップS21においてタクト時間T1の計測を再び開始する。
【0063】
マイコン51aは、ステップS22において第1圧力センサ46からの出力信号を受信する。なお、この第1圧力センサ46からの出力信号は、第1センサ側出力信号線56からの出力信号に基づく電圧が閾値電圧を越えたときにコンパレータ51bから出力される出力信号である。すると、マイコン51aは、ステップS23において応答時間T2の計測を停止し、応答時間T2を算出する。
【0064】
図7に示すように、マイコン51aは、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出したタイミングP1から、第1圧力センサ46からの出力信号を受信したタイミングP2までの時間である応答時間T2を演算する。ここで、マイコン51aは、第1圧力センサ46によって検出された圧力が、検出用閾値(例えば0.1MPa)に達したときの出力信号を受信したタイミングを、第1圧力センサ46からの出力信号を受信したタイミングP2とする。そして、図6に示すように、マイコン51aは、ステップS24においてステップS23で算出した応答時間T2が予め定められた閾値Tx以上であるか否かを判定する。図7において実線で示すように、マイコン51aは、ステップS24において応答時間T2が閾値Tx以上ではないと判定すると、ステップS12に移行する。
【0065】
図7において二点鎖線で示すように、マイコン51aは、ステップS24において応答時間T2が閾値Tx以上であると判定すると、図6に示すように、ステップS25に移行し、スプール弁22の移動状態が不良である旨を知らせる信号を、報知用出力信号線65を介して外部制御機器53へ送信する。したがって、マイコン51aは、演算された応答時間T2が予め定められた閾値Tx以上か否かによって、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する。その後、マイコン51aは、ステップS12に移行する。
【0066】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)電磁弁10は、制御基板51を有する制御ユニット50を備えている。制御基板51は、外部制御機器53から電磁ソレノイド31へ送信される駆動信号を検出したタイミングから、第1圧力センサ46又は第2圧力センサ47からの出力信号を受信したタイミングまでの時間を演算して、演算された時間が予め定められた閾値以上か否かによって、スプール弁22の移動状態が不良か否かを判断する。よって、外部制御機器53が、スプール弁22の動作状態が不良であるか否かを判断するために演算処理等を行う必要が無いため、外部制御機器53の負担が軽減される。そして、制御ユニット50は、金属端子70aとバルブ給電端子33との着脱、第1接続端子71aと第1センサ給電端子46bとの着脱、及び第2接続端子72aと第2センサ給電端子47bとの着脱によって、電磁弁本体12に対して着脱可能になっている。よって、メンテナンス時において、電磁弁本体12を交換する必要がある場合には、バルブ給電端子33に対して金属端子70aを取り外すとともに、第1センサ給電端子46b及び第2センサ給電端子47bに対して第1接続端子71a及び第2接続端子72aを取り外すことにより、制御ユニット50を電磁弁本体12から取り外すことができる。したがって、電磁弁本体12を交換する必要がある場合に、交換する必要の無い制御基板51まで交換してしまうことが無い。以上のことから、ユーザ側の外部制御機器53の負担を軽減しつつも、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0067】
(2)制御ユニット50は、外部側配線73を有している。外部側配線73は、外部側駆動信号線54、外部側電源線58、外部側グランド線61、及び報知用出力信号線65を含んでいる。これによれば、外部側駆動信号線54、外部側電源線58、外部側グランド線61、及び報知用出力信号線65がそれぞれ別の配線である場合に比べると、制御ユニット50から引き出される配線の本数を少なくすることができる。
【0068】
(3)ケース52は、電磁弁本体12に支持される支持部52aを有している。これによれば、支持部52aが電磁弁本体12に支持されることにより、ケース52が電磁弁本体12に対して移動し難くなる。よって、電磁弁本体12に対する制御ユニット50の取付状態を安定させることができる。
【0069】
(4)制御基板51が、電磁弁本体12とは別のユニットである制御ユニット50のケース52内に収容されている。よって、例えば、バルブケーシング11が載置されるマニホールドベース内に制御基板51を内蔵したり、バルブケーシング11とマニホールドベースとの間に介在されるスペーサ内に制御基板51を内蔵したりする必要が無く、既存の構成のマニホールドベース及びスペーサを用いることができる。
【0070】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0071】
・ 実施形態において、電磁弁10は、マイコン51aが、ステップS24において応答時間T2が閾値Tx以上であると判定した場合に点灯するランプを有していてもよい。また、電磁弁10は、マイコン51aが、ステップS24において応答時間T2が閾値Tx以上であると判定した場合に、音声が出力される音声出力部を有していてもよい。
【0072】
・ 実施形態において、マイコン51aは、第2圧力センサ47からの出力信号を受信すると、応答時間T2の計測を停止し、応答時間T2を算出するようにしてもよい。
・ 実施形態において、電磁弁本体12は、例えば、第2圧力センサ47を備えていなくてもよい。
【0073】
・ 実施形態において、第1圧力センサ46は、例えば、第1排出ポート19を流れる流体の圧力を検出してもよい。また、第2圧力センサ47は、例えば、第2排出ポート20を流れる流体の圧力を検出してもよい。
【0074】
・ 実施形態において、外部側駆動信号線54、外部側電源線58、外部側グランド線61、及び報知用出力信号線65がそれぞれ別の配線であってもよい。
・ 実施形態において、ケース52が支持部52aを有していなくてもよい。
【0075】
・ 実施形態において、電磁弁10は、第1ピストン23の外径と第2ピストン26の外径とが同じであり、第2連結ブロック15の凹部15a内に、スプール弁22を第1連結ブロック14の凹部14aに向けて付勢する付勢ばねが収容されている構成であってもよい。そして、例えば、第1パイロット圧作用室25内の圧力が、付勢ばねの付勢力に抗することにより、スプール弁22が第2連結ブロック15の凹部15aに向けて移動するようにしてもよい。
【0076】
・ 実施形態において、供給ポート16とは別の外部から供給された流体を第1パイロット圧作用室25及び第2パイロット圧作用室28に供給する外部パイロット式であってもよい。
【0077】
・ 実施形態において、電磁弁10は、パイロット弁部が二つ設けられた所謂ダブルパイロット型であってもよい。
・ 実施形態において、電磁弁10は、例えば、3ポート電磁弁であってもよい。よって、バルブケーシング11に形成されるポートの数は適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…電磁弁、11…バルブケーシング、12…電磁弁本体、16…ポートとしての供給ポート、17…ポートとしての第1出力ポート、18…ポートとしての第2出力ポート、19…ポートとしての第1排出ポート、20…ポートとしての第2排出ポート、21…弁孔、22…スプール弁、31…電磁ソレノイド、33…第1電磁弁接続部であるバルブ給電端子、46…圧力センサとしての第1圧力センサ、46b…第2電磁弁接続部である第1センサ給電端子、47…圧力センサとしての第2圧力センサ、47b…第2電磁弁接続部である第2センサ給電端子、50…制御ユニット、51…制御基板、52…ケース、52a…支持部、53…外部制御機器、54…外部側駆動信号線、55…バルブ側駆動信号線、56…センサ側出力信号線としての第1センサ側出力信号線、57…センサ側出力信号線としての第2センサ側出力信号線、58…外部側電源線、59…センサ側電源線としての第1センサ側電源線、60…センサ側電源線としての第2センサ側電源線、61…外部側グランド線、62…バルブ側グランド線、63…センサ側グランド線としての第1センサ側グランド線、64…センサ側グランド線としての第2センサ側グランド線、65…報知用出力信号線、70…バルブ側配線、70a…バルブ側配線接続部である金属端子、71…センサ側配線としての第1センサ側配線、71a…センサ側配線接続部である第1接続端子、72…センサ側配線としての第2センサ側配線、72a…センサ側配線接続部である第2接続端子、73…外部側配線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7