(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】加湿器を備えた呼吸可能なガス供給装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/16 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
A61M16/16 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018228939
(22)【出願日】2018-12-06
(62)【分割の表示】P 2017058875の分割
【原出願日】2004-06-21
【審査請求日】2019-01-04
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-09
(32)【優先日】2003-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2003-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2004-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】500046450
【氏名又は名称】レスメド・プロプライエタリー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】バートン・ジョン・ケンヨン
(72)【発明者】
【氏名】アーサー・キン-ウェイ・イー
(72)【発明者】
【氏名】ローアン・ニール・プリムローズ
(72)【発明者】
【氏名】ジム・サーダ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・マイケル・スノー
(72)【発明者】
【氏名】マレック・トーマス・サプラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・クランブリン
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン・ラヴル・トレヴァー-ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】ペリー・デイヴィッド・リスゴー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ヴィアー
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・アンガス・リッチモンド
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・チャールズ・マレー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジョン・ペイン
(72)【発明者】
【氏名】シモネ・マリー・ジェハ
【合議体】
【審判長】佐々木 一浩
【審判官】内藤 真徳
【審判官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0066526(US,A1)
【文献】特開2000-237316(JP,A)
【文献】特開平6-238002(JP,A)
【文献】特開平11-137692(JP,A)
【文献】特開昭56-152654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00 - 16/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸障害の処置の際に利用するために加圧且つ加湿された呼吸可能ガスを患者に搬送するための呼吸可能ガス供給装置であって、
前記呼吸可能ガスの流れを加圧するように構成されている流れ発生器であって、流れ発生器空気入口と流れ発生器空気出口とを備えている前記流れ発生器と、
水容器であって、
前記呼吸可能ガスの流れによって加圧されるように構成されているチャンバであって、前記呼吸可能ガスの流れを加湿するための水を保持するように構成されている前記チャンバ、
前記チャンバの外側の平面、
前記流れ発生器からの前記呼吸可能ガスの流れを受容するように構成されている水容器空気入口、
前記呼吸可能ガスの流れを前記水容器から流出するように方向づけるように構成されている水容器空気出口であって、前記平面が前記水容器空気出口の境界を形成すると共に前記水容器空気出口を囲むように、前記平面を貫通して形成されている前記水容器空気出口、及び
熱伝導性金属から成る底部分、
を備えている前記水容器と、
前記呼吸可能ガスの加湿且つ加圧された流れを処置の際に患者に装着されたマスクに向けて方向づけるために、空気導管に接続されるように構成されている加湿空気出口パイプと、
前記水容器の一部分を取り外し可能に受容するように構成されている凹状部分と、
前記凹状部分が前記水容器の一部分を取り外し可能に受容している場合に、前記水容器の前記底部分を加熱するように構成されている電気ヒータパッドと、
前記凹状部分が前記水容器の一部分を取り外し可能に受容している場合に、前記水容器と前記加湿空気出口パイプとの間に位置決めされるように、前記平面に接触すると共に前記平面を密封するように、且つ、前記水容器空気出口を囲むように構成されている弾性的
なシールと
、
を備えていることを特徴とする呼吸可能ガス供給装置。
【請求項2】
前
記弾性的
なシー
ルが、
前記水容器の一部が前
記弾性的
なシー
ルによって形成されてい
る開口
部に侵入していない状態で密閉するように構成されており、これにより前記水容器を取り外すと、前記水容器が前
記弾性的
なシー
ルから結合解除されることを特徴とする請求項1に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項3】
前記水容器空気入口が、前記水容器の側面に配置されており、
前記水容器空気入口を囲んでいる前記水容器の一部分が、空気流れが前記水容器空気入口に侵入する方向に対して垂直とされる前記水容器の外面であることを特徴とする請求項1又は2に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項4】
前記呼吸可能ガス供給装置が、
前記凹状部分が前記水容器の一部分を取り外し可能に受容することによって前記水容器が前記流れ発生器と流通可能に接続された場合に
、前
記弾性的
なシール及び前記水容器空気入口を通じて前記水容器の
前記チャンバに至る、密閉空気通路を備えており、
前記密閉空気通路が、
前記水容器を通じて前記流れ発生器から延在して
いることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項5】
前記呼吸可能ガス供給装置が、
外部ケースと、
前記外部ケースに位置決めされているユーザーインターフェースと、
前記呼吸可能ガスの流れを加圧するように、且つ、前記呼吸可能ガスの加圧された流れを前記流れ発生器空気出口に向けて方向づけるように構成されているモータ及び同軸羽根車
から成るファンと、
を備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項6】
前記水容器が、水槽と水槽蓋とを備えており、
前記水槽と前記水槽蓋とが、前記水槽及び前記水槽蓋それぞれの周囲部分において結合されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項7】
前記呼吸可能ガス供給装置が、前記水槽及び前記水槽蓋それぞれの周囲部分に対応する形状及び寸法とされる水容器シールを備えており、
前記水容器シールが、前記水槽及び前記水槽蓋それぞれの周囲部分において前記水槽と前記水槽蓋との間を密閉するように、前記水槽と前記水槽蓋との間に位置決めされていることを特徴とする請求項6に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項8】
前記水容器空気入口と前記水容器空気出口とが、前記水槽蓋に形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項9】
前記水槽が、水の充填高さを示すための充填レベル目盛を備えていることを特徴とする請求項6~8のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項10】
前記水槽蓋が、前記水容器を水で充填するために取り外されるように構成されていることを特徴とする請求項6~
9のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項11】
前
記弾性的
なシー
ルが、前記呼吸可能ガスの加圧された流れの圧力によって前記水容器の
前記平面に対して付勢され、これにより密閉係合状態を形成するように構成されていることを特徴とする請求項1~
10のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項12】
前記水容器が、前記水容器の内部の水によって前記呼吸可能ガスの加圧された流れを加湿するためのヘッドスペースを形成しており、
前記水容器空気入口が、前記呼吸可能ガスの加圧された流れが前記ヘッドスペースに下向きに流入するように配置されており、
前記水容器空気出口が、前記呼吸可能ガスの加圧された流れが前記ヘッドスペースから上向きに流出するように配置されていることを特徴とする請求項1~
11のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項13】
前記呼吸可能ガスの加圧された流れが、第1の高さにおいて前記水容器空気入口を通じて前記ヘッドスペースに流入するように、且つ、第2の高さにおいて前記水容器空気出口を通じて前記ヘッドスペースから流出するように、前記水容器空気入口と前記水容器空気出口とが位置決めされており、
垂直方向において、前記第1の高さが前記第2の高さより低いことを特徴とする請求項
12に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項14】
前記水容器空気入口を囲んでいる前記水容器の一部分が、略平坦とされることを特徴とする請求項1~
13のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項15】
前記水容器空気出口を囲んでいる前記水容器の一部分が、略平坦とされることを特徴とする請求項1~
14のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項16】
前
記弾性的
なシールが、シリコーンから構成されていることを特徴とする請求項1~
15のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項17】
前記水容器が、少なくとも1つの壁によって形成されている細長い通路を備えており、
前記壁が、前記水容器空気入口から前記チャンバに向かって空気流を方向づけるために、前記細長い通路の軸線方向において前記水容器に向かって内方に延在していることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項18】
前記凹状部分が前記水容器の一部分を取り外し可能に受容している場合に、前記弾性的なシールの全体が、前記水容器の外部に位置決めされていることを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項19】
前記凹状部分が前記水容器の一部分を取り外し可能に受容している場合に、前記弾性的なシールが、前記水容器空気出口のみを囲むように構成されていることを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項20】
前記弾性的なシールが、前記弾性的なシールを貫通する穴を形成するように内方に向かって片持ち支持されているリップシール部分を備えており、前記弾性的なシールが、前記穴を囲んでいることを特徴とする請求項1~19のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項21】
前記平面と前記水容器空気出口とが、同一平面上に配置されていることを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【請求項22】
前記凹状部分が前記水容器の一部分を取り外し可能に受容している場合に、さらなる弾性的なシールが、前記水容器空気入口を囲んでいる平面を密閉するように構成されていることを特徴とする請求項1~21のいずれか一項に記載の呼吸可能ガス供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸可能なガス供給装置に関し、特に、限定するものではないが、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)及び呼吸器障害、ならびに気腫等の疾患のような状況の持続性気道陽圧(CPAP)治療に使用されるそのような装置に関する。本願明細書ではCPAP治療装置へのその応用について記載するが、本発明の特徴は機械的人工呼吸及び補助呼吸等の他の応用分野へ応用できることを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
非侵襲的陽圧換気法(NIPPV)の一形態であるOSAのCPAPは、導管及びマスクを用いて、加圧した呼吸可能なガス、通常は空気の患者の気道への送出を伴う。CPAPに採用されるガス圧は典型的には、患者要件に応じて、流速が最大で180L/分(マスクで測定時)の4cm水柱~28cm水柱の範囲である。加圧されたガスは患者の気道用の空圧式の副木として働き、特に呼吸の陽気相中に気道虚脱を防ぐ。
【0003】
加圧空気を患者に供給する空気流発生器を備えたCPAP機が知られており、この数年はより小型のCPAP機を求めることが商業的に不可欠になっている。しかしCPAP機の大きさを縮小しようとする場合、例えば、Malinckrodt/Tyco/Puritan Bennet「Goodnight」シリーズ等、一方では大きさを縮小することと他方では性能低減及び/又は雑音増大との間の矛盾があった。
【0004】
患者への空気供給に加湿を組み入れることの利点が知られており、空気流発生器とは別個か、又は空気流発生器内に統合されるかのいずれかで加湿デバイスを組み込んだCPAP機が知られている。統合された空気流発生器/加湿器ユニットの一例は、本出願人によって販売されているResMed(登録商標)S7がある。
【0005】
いくつかの空気流発生器に関する別の問題は吸音のために空気経路に発泡体を大量に使用することである。発泡体は経時的に劣化する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第20030168064号
【文献】国際公開第99/64747号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の1つは、製造、小型化及び使い易さの点で単純かつ経済的な加湿器を組み込んだ単純かつ小型の呼吸可能なガス供給装置を提供することにある。本発明の他の目的及び利点を本願明細書に亘って考察する。
【0008】
本願明細書に記載の装置は先行技術に対してその多くが独立した発明である多数の利点を含むが、それらは上記に明示の全般的な目的の実現にともに寄与することを理解されたい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願明細書に記載の装置は、同様の性能を有する既知のユニットに比して寸法の縮小に寄与する、空気流発生器及び加湿器両方の構造の新規な態様及びそれらの統合の新規な態様を組み入れている。そのようなより小さな機械が既知のより大きな機械と少なくともほぼ同じ雑音性能を有することを可能にする雑音の低減及び減衰の技術を記載する。
【0010】
本願明細書に記載の装置は、2つのデバイスが物理的に係合すると他の相互接続のプロセスを何ら必要とせずに空気流発生器と加湿器との間に空気流の接続、電気的接続、及び必要があればデータ接続が自動的に提供されるという意味において、空気流発生器への加湿器の完全な統合を達成する。
【0011】
そのような統合されたデバイスでは、加湿器タンクから空気流発生器への水の逆流に対して保護を提供することが重要であり、新規な密封構成及び逆流の発生を最小にすると同時に加湿器内の水蒸気の取り込みを改善する新規な構成も記載する。本加湿器は機械上で取外し及び交換が容易であり、清掃中に分解すべきパーツ数はごく僅かである。
【0012】
本願明細書では、使用者又は医療従事者によって選択的に取り付けられるメモリカード、スマートカード、通信ポート等のデータ格納デバイスの接続等の、装置とのデータ接続を可能にする改善されたモジュラー式デバイスも記載する。
【0013】
本発明の別の態様は空気経路における発泡体の使用を抑えること又は除去することにある。
【0014】
一形態では、本発明は、空気流発生器ケースと、前記ケース内の動力付きガス流発生器と、前記ケース内のドロップインアセンブリに構成された電源ユニットであり、プリント基板、前記プリント基板に強固に取り付けられた電力入力コネクタ及び電力出力コネクタ、及び前記電力入力コネクタが前記ケースの電力入力ポートと整列するように前記ケース内に前記電源ユニットを設置する電源ユニット取付け部とを含んだ電源ユニットとを備えた患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器ユニットを提供する。
【0015】
本発明のさらなる形態は、音響を減衰させるポリマーライニングでオーバーモールドされた金属容器を含んだ、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のブロワエンクロージャを提供する。
【0016】
本発明のさらなる形態は、封入されたブロワからの雑音を低減させるように構成された患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のブロワエンクロージャを提供し、前記エンクロージャは、側壁及びベースによって定められた、空気流発生器の筐体内にある空洞であり、前記エンクロージャは前記空洞内にブロワを収容かつ設置するように構成されている空洞と、前記空洞の最上面を形成するように前記筐体上に設置されるように構成された蓋と、を備えており、筐体及び蓋の少なくとも1つは金属及びプラスチックを含んだ複合材料から成形される。
【0017】
本発明のさらなる形態は、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のブロワを提供し、前記ブロワは軸を備えた電気モータと、前記軸上に設置されるように構成された羽根車と、空気入口及び空気出口を有するボリュートと、を備え、該ボリュートは圧力がかかると空気の流れが生み出されるチャンバを画定し、該ボリュートは第1のプラスチック材料及び第2のプラスチック材料を含んだ複合材料から成形され、該第1のプラスチック材料は実質的に剛性があり、該第2のプラスチック材料は実質的にエラストマー性である。
【0018】
第1のプラスチック材料は第2のプラスチック材料でオーバーモールドされるのが好ましい。
【0019】
ボリュートは上部ボリュート及び下部ボリュートを含み、下部ボリュートは空気入口を組み込んでいることが好ましい。下部ボリュートは第2のプラスチック材料から成形された脚部を含むことも好ましい。
【0020】
上部ボリュートは空気出口を含むことが好ましい。上部ボリュートは、第2のプラスチック材料から製造され、かつ使用中に上部ボリュートと下部ボリュートとの間に密封を与えるように構成されるシールを含むことも好ましい。
【0021】
一実施形態では、上部及び下部ボリュートは共にスナップ嵌めされる。
【0022】
本発明のさらなる形態は、エラストマー性ライニングでオーバーモールドされた硬質プラスチックのシェルを備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用の空気流発生器ケースを提供する。
【0023】
前記エラストマー性ライニングは前記空気流発生器ケースの外脚部を形成することが好ましい。
【0024】
本発明のさらなる形態は、モータ及びファンを含んだファンハウジングを備えた患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のファン支持構造体提供し、前記支持構成は複数の設置用ばねを含んでおり、前記ばね、ファンハウジング、モータ、及びファンは前記ファンの最低の動作速度の周波数の1/10未満の固有共振周波数を有するばねシステムを形成する。
【0025】
本発明のさらなる形態は、患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器を提供し、空気出口を有する空気流発生器ケースと、前記ケース内に含まれたファンボリュートとを備え、2つ以上の波形をその中に有する、前記ファンボリュートの出口を前記空気出口に接続する可撓管をさらに備える。
【0026】
本発明のさらなる形態は、空気流発生器及び該空気流発生器に取外し可能に取り付けられた加湿器を備えた、患者の持続性気道陽圧治療用の空気流発生器及び加湿器の組み合わせを提供し、前記空気流発生器は光送信器及び光センサを含んだ加湿器取付け検出器を含み、かつ前記空気流発生器及び加湿器が取り付けられるときに前記光送信器と前記光センサとの間に光路を完成する前記加湿器は光路コネクタを含む。
【0027】
本発明のさらなる形態は、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器の空気流路内に消音器を提供し、第1の消音器容積、第2の消音器容積、及び前記第1及び第2の消音器部分を連結する接続部分を備えており、前記接続部分は前記両消音器部分に対して狭くなっており、かつ前記第1の消音器部分から離れた方向に狭くなっている引き込み部分を含んでいる。
【0028】
前記引き込み部分はベンチュリ管を含むことが好ましい。
【0029】
本発明のさらなる形態は、空気流発生器ケースと、前記ケースの個々のトラック内に受け取られる突出部を各々有する1対の取付けアームを供えたハンドルと、前記トラックに沿った行路に対して前記ハンドル突出部を保持するように前記ケースに取り付けられるハンドル保持部材と、を備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のハンドルアセンブリ提供する。
【0030】
本発明のさらなる形態はハンドルを空気流発生器ケースに取り付ける方法を提供し、前記ハンドルは前記ケースの個々のトラック内に受け取られる突出部を各々有する1対の取付けアームを供え、前記ハンドル突出部を前記トラックのそれぞれに沿って滑らせる工程と、前記個々のトラックに沿った行路に対して前記突出部を保持するように前記ケースにハンドル保持部材を取り付ける工程と、を含む。
【0031】
前記トラックに沿った前記ハンドル突出部の滑動は、前記取付アームの歪みが実質的に生ぜずに起こることが好ましい。
【0032】
本発明のさらなる形態は、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器を提供し、加湿器ケースと、水容器と、前記水容器と熱伝導的に連通して設けられたヒータと、ガス入口、加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流経路を含んだガス流経路とを備え、前記ヒータを通過した水を前記加湿器ケースの外に排水できるようにする前記ヒータに隣接した排水開口部をさらに備える。
【0033】
本発明のさらなる形態は、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器を提供し、加湿器ケースと、水容器と、前記水容器と熱伝導的に連通して設けられたヒータパッドと、ガス入口、加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流経路を含んだガス流経路とを備え、前記ヒータパッドは上部加熱表面及び前記ヒータパッドの側壁を含む周縁加熱表面を有し、かつ前記水容器の熱伝導表面は、前記ヒータパッドの前記上部加熱表面及び周縁加熱表面と近接した熱伝導を維持するように前記ヒータパッドに対応するように成形されている。
【0034】
前記水容器は、前記加熱パッドの上部加熱表面の高さを超えてかつ下に延びる水容量を定めることが好ましい。
【0035】
本発明のさらなる形態は、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器を提供し、ヒンジ付き蓋を有する加湿器ケースと、前記ケース内のドロップインアセンブリに構成された水容器と、前記水容器と熱電動的に連通するヒータと、ガス入口、加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流経路を含んだガス流経路とを備え、前記水容器は前記ガス流経路と連通するガス通路入口を有し、前記加湿器は前記ガス通路入口を前記ガス流経路へ密封接続するガス通路入口シールをさらに含み、前記密封接続は前記水容器のドロップインアセンブリ及び前記蓋のヒンジによる閉鎖によって起動される。
【0036】
前記ガス通路入口は前記水容器の後面上に設けられ、前記ケースの反対面上のガス通路開口部と整列することが好ましい。
【0037】
本発明のさらなる形態は、入口を有する水槽と、ブロワ出口及び水槽受取り部分を含んだベースと、係合可能なロック機構を備えたヒンジ付きの蓋とを備えた、睡眠時呼吸障害の治療のために患者に呼吸可能なガスの供給物を送出する際に使用される空気流発生器用の加湿器アセンブリにおいて、前記入口及び出口を相互に近接して位置決めするように前記ベースの前記水槽受取り部分内に水槽を設置する工程と、前記ヒンジ付きの蓋を閉じる工程と、前記ロック機構を係合させる工程と含む水槽入口とベースのブロワ出口との間に封止を成す方法を提供する。
【0038】
前記ブロワ出口は前向きのシール形成表面を含み、かつベースの水槽受取り部分内に水槽を設置する工程はブロワ出口のシール形成表面に対して水槽を設置する工程をさらに含むことが好ましい。
【0039】
本発明のさらなる形態は、空気出口及び係合可能なロック機構を備えたヒンジ付きの蓋を有する水槽と、呼吸可能なガスの供給物が患者インタフェースに提供されるように空気送出導管と結合されるように構成された空気送出部とを備えた睡眠時呼吸障害治療のために患者に呼吸可能なガスの供給物を送出する際に使用される空気流発生器用の加湿器アセンブリにおいて、水容器の空気出口と空気送出部との間に封止を形成する方法を提供し、該方法はヒンジ付き蓋を閉鎖する工程とロック機構を係合させる工程とを含む。
【0040】
ヒンジ付き蓋は下面を有し、かつ該下面は取外し可能に取付け可能なガスケットを含んだシール形成表面を含むことが好ましい。
【0041】
本発明のさらなる形態は、空気入口及び空気出口を有する水槽と、ブロワ出口及び水槽受取り部分を含んだ加湿器ベースと、呼吸可能なガスの供給物が患者インタフェースに提供されるように空気送出導管と結合するように構成された空気送出部を有するヒンジ付きの蓋とを備えた、睡眠時呼吸障害の治療のために患者に呼吸可能なガスの供給物を送出する際に使用される空気流発生器用の加湿器アセンブリを提供し、前記水槽受取り部分及び水槽は、前記水槽のドロップイン位置決めを誘導して前記空気入口を前記ブロワ出口に対して整列させるように構成された相補的構造体有している。
【0042】
前記相補的構成は、前記蓋が閉じられるときに前記空気出口を前記蓋の前記空気送出部の位置に対して整列させるように、前記水槽の位置決めをさらに誘導することが好ましい。
【0043】
本発明のさらなる形態は、蓋を有する加湿器ケースと、前記ケース内の水容器と、前記水容器と熱伝導的に連通するヒータと、ガス入口、前記蓋内の加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流路を含んだガス流路と、前記蓋と協働的に関連するガス出口シールであり、これにより前記蓋を閉鎖して前記加湿ガス出口封止と前記水容器のガス空間との間に封止された連通を形成するガス出口シールとを備えた、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器を提供する。
【0044】
加湿器は、前記水容器の表面と協同してガス通路入口とガス入口との間にガス空間に続く密封されたガス通路を形成する前記蓋の下面に取り付けられたガス通路シールをさらに備えることが好ましい。
【0045】
前記ガス出口シール及び前記ガス通路シールは一体形成されることが好ましい。
【0046】
本発明のさらなる形態は、水容器と、前記水容器と熱伝導的に連通するヒータと、ガス入口、前記蓋内の加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流路を含んだガス流路とを備えた、患者に加湿された呼吸可能なガスを送出する加湿器を提供し、前記中間ガス流路は、ガス通路入口とガス入口との間に前記ガス空間に続くガス通路を含み、該ガス通路は前記ガス通路入口から前記ガス入口へと下方に傾斜している床を有する。
【0047】
前記ガス通路は、前記ガス通路入口の高さの下に前部壁を有する前記ガス通路の最前部分である、ガス通路入口の高さより下にある排水部を備えることが好ましい。
【0048】
本発明のさらなる形態は、水容器と、ガス入口、前記蓋内の加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流路を含んだガス流路とを備えた患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器を提供し、前記ガス流路は渦巻動作によって前記水容器のヘッドスペース内に前記ガスを導入するように構成されている。
【0049】
前記中間ガス流路は前記容器のヘッドスペース内に略接線方向にガスを導入するように構成された容器空気入口を含むことが好ましい。
【0050】
前記中間ガス流経路は前記容器空気入口に通じる弓形のガス流経路を含み、前記ヘッドスペースの概ね中央に位置決めされた容器空気出口をさらに含むことも好ましい。
【0051】
本発明のさらなる形態は、所望のガス湿度設定を選択するユーザが操作可能な制御と前記湿度設定に対応する目標のヒータ温度を決定しかつ前記温度を達成するようにヒータを制御するヒータ制御回路と、を備えた、患者に加湿された呼吸可能なガスを送出する加湿器用の制御回路を提供し、前記ユーザが操作可能な制御は前記ヒータ制御部が前記加湿器の最低の動作温度未満の目標のヒータ温度を選択するためのオフ設定を含む。
【0052】
本発明のさらなる形態は、所望のガス湿度設定を選択するユーザが操作可能な制御とヒータ電流を湿度設定に対応する値に制御するヒータ制御回路と、を備えた、患者に加湿された呼吸可能なガスを送出する加湿器用の制御回路を提供し、前記ユーザが操作可能な制御は前記ユーザが制御可能な制御に応答して基準電圧を設定すること及び前記電圧を制御して前記ヒータ電流を制御することを含む。
【0053】
本発明のさらなる形態は、プロセッサと、タイマと、ユーザ入力手段と、ディスプレイと、を備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器を提供し、前記プロセッサはリマインダ要求入力を受け取るように、かつ前記リマインダ要求入力において指定された時間にリマインダディスプレイを生成するようにプログラムされる。
【0054】
前記プロセッサは前記ユーザ入力手段からキャンセル入力を受け取るとリマインダ要求をキャンセルするように構成されることが好ましい。
【0055】
本願明細書には、ユーザによって又は医療従事者によって選択的に取り付けられるメモリカード、スマートカード、通信ポート等のデータ格納デバイスの接続部を備えた、本装置とのデータ接続を可能にする改善されたモジュラー型のデバイスも記載する。
【0056】
本発明のさらなる形態は、開口部を含んだ空気流発生器ケースと、ガス流発生器と、前記開口部を介して外部デバイスとデータ的又は電気的に連通するようにアクセス可能に位置決めされたコネクタを含んだ、前記空気流発生器用の制御回路と、前記ケースに取り付けられて前記開口部を覆うように各々構成された複数のクロージャモジュールであり、前記クロージャモジュールの少なくとも1つは前記制御回路コネクタと接続されるように構成された内部コネクタ、前記外部デバイスに接続されるように構成された外部のデータポート又は電気的ポート、及び前記内部コネクタと前記外部コネクタとの間のデータ経路又は電気的経路を含んだクロージャモジュールと、を備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器ユニット用のモジュラー型のデータコネクタ装置又は電気的コネクタ装置を提供する。
【0057】
ここで、本願明細書で提案されている実施形態を示す添付図面を参照して本発明の種々の態様を記載する。
[付記項1]
患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器ユニットであって、
空気流発生器ケースと、
前記ケース内の動力付きガス流発生器と、
前記ケース内のドロップインアセンブリに構成された電源ユニットであって、プリント基板、前記プリント基板に強固に取り付けられた電力入力コネクタ及び電力出力コネクタ、及び前記電力入力コネクタが前記ケースの電力入力ポートと整列するように前記ケース内に前記電源ユニットを設置する電源ユニット取付け部とを含んだ電源ユニットと、
を備えた空気流発生器ユニット。
[付記項2]
前記電力入力コネクタ及び電力出力コネクタは、前記プリント基板に直に接続された、付記項1に記載の空気流発生器ユニット。
[付記項3]
前記電力入力コネクタ及び電力出力コネクタは、前記プリント基板に直にはんだ付けされる、付記項2に記載の空気流発生器ユニット。
[付記項4]
前記電源ユニットは前記ケースの電源コンパートメント内に受け取られ、
前記電源空洞は前記ケースの空気流発生器コンパートメント内に存在する液体の進入に対して密封される、付記項1に記載の空気流発生器ユニット。
[付記項5]
音響を減衰させるポリマーライニングでオーバーモールドされた金属容器を含んだ、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のブロワエンクロージャ。
[付記項6]
前記ポリマーはポリプロピレンを含む、付記項5に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項7]
前記ポリマーは10~40%のガラス繊維を含む、付記項6に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項8]
前記ポリマーは約30%の前記ガラス繊維を含む、付記項7に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項9]
前記ガラス繊維充填ポリマーは前記金属製容器と類似する熱膨張特性を有する、付記項8に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項10]
前記金属製容器は鋼製水槽である、付記項5に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項11]
前記ポリマーライニングは前記金属製容器の内面及び外面上にオーバーモールドされる、付記項5に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項12]
前記容器内面の前記ポリマーライニングはモータハウジングと係合するためのフォーメーションを有する、付記項11に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項13]
患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のブロワエンクロージャであって、封入されたブロワからの雑音を低減させるように構成されており、
(i)側壁及びベースによって定められた、前記空気流発生器の筐体内にある空洞であり、前記エンクロージャは前記空洞内にブロワを収容かつ設置するように構成されている空洞と、
(ii)前記空洞の最上面を形成するように前記筐体上に設置されるように構成された蓋と、を備え、
前記筐体及び蓋の少なくとも1つは金属及びプラスチックを含んだ複合材料から成形されるブロワエンクロージャ。
[付記項14]
前記金属及び前記プラスチックは概ね類似する熱膨張係数を有するように構成される、付記項13に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項15]
前記金属及びプラスチックは共に成形される、付記項13に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項16]
前記金属はニッケルめっき軟鋼である、付記項13に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項17]
前記プラスチックはポリプロピレンである、付記項13に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項18]
前記ポリプロピレンはガラス充填剤を含む、付記項17に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項19]
前記ガラス充填剤はガラス繊維である、付記項18に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項20]
前記ポリプロピレンは10~40%のガラス繊維を含む、付記項19に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項21]
前記ポリマーは約30%の前記ガラス繊維を含む、付記項20に記載のブロワエンクロージャ。
[付記項22]
患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のブロワであって、軸を備えた電気モータと、前記軸上に設置されるように構成された羽根車と、空気入口及び空気出口を有するボリュートと、を備え、該ボリュートは圧力がかかると空気の流れが生み出されるチャンバを画定し、該ボリュートは第1のプラスチック材料及び第2のプラスチック材料を含んだ複合材料から成形され、該第1のプラスチック材料は概ね剛性があり、該第2のプラスチック材料は概ねエラストマー性であるブロワ。
[付記項23]
前記ボリュートは上部ボリュート及び下部ボリュートを含む、付記項22に記載のブロワ。
[付記項24]
前記下部ボリュートは前記空気入口を組み込む、付記項23に記載のブロワ。
[付記項25]
前記下部ボリュートは脚を含む、付記項24に記載のブロワ。
[付記項26]
前記脚は前記第2のプラスチック材料から成形される、付記項25に記載のブロワ。
[付記項27]
前記下部ボリュートはばねで設置されるように構成される、付記項23に記載のブロワ。
[付記項28]
前記上部ボリュートは前記空気出口を含む、付記項23に記載のブロワ。
[付記項29]
前記上部ボリュートは、前記第2のプラスチック材料から製造され、かつ使用中に前記上部ボリュートと前記下部ボリュートとの間に密封を与えるように構成されたシールを含む、付記項28に記載のブロワ。
[付記項30]
前記第1のプラスチック材料は前記第2のプラスチック材料でオーバーモールドされる、付記項22に記載のブロワ。
[付記項31]
前記第1のプラスチック材料はポリプロピレン及びABSの混合物である、付記項22に記載のブロワ。
[付記項32]
前記第2のプラスチック材料は熱可塑性エラストマーである、付記項22に記載のブロワ。
[付記項33]
前記上部及び下部ボリュートは共にスナップ嵌めされるように構成される、付記項23に記載のブロワ。
[付記項34]
エラストマー性ライニングでオーバーモールドされた硬質プラスチックのシェルを含む、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器ケース。
[付記項35]
前記エラストマー性ライニングは前記空気流発生器ケースの外脚部を形成する、付記項34に記載の空気流発生器ケース。
[付記項36]
前記エラストマー性ライニングは前記空気流発生器ケースの空洞の内面を形成する、付記項34に記載の空気流発生器ケース。
[付記項37]
前記空気流発生器ケースは第1及び第2のパーツを含み、
前記エラストマー性ライニングは前記第1のパーツと前記第2のパーツとの間にシールを形成する、付記項34に記載の空気流発生器ケース。
[付記項38]
モータ及びファンを含んだファンハウジングを備えた患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のファン支持構成であって、前記支持構成は複数の設置用ばねを含み、前記ばね、ファンハウジング、モータ、及びファンは前記ファンの最低の動作速度の周波数の1/10未満の固有共振周波数を有するばねシステムを形成するファン支持構成。
[付記項39]
前記設置用ばねは金属製設置用ばねである、付記項38に記載のファン支持構成。
[付記項40]
患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器ユニットであって、空気出口を有する空気流発生器ケースと、前記ケース内に含まれたファンボリュートとを備え、2つ以上の波形をその中に有する、前記ファンボリュートの出口を前記空気出口に接続する可撓管をさらに備える空気流発生器ユニット。
[付記項41]
空気流発生器及び該空気流発生器に取外し可能に取り付けられた加湿器を備えた、患者の持続性気道陽圧治療用の空気流発生器及び加湿器の組み合わせであって、前記空気流発生器は光送信器及び光センサを含んだ加湿器取付け検出器を含み、かつ前記空気流発生器及び加湿器が取り付けられるときに前記光送信器と前記光センサとの間に光路を完成する前記加湿器は光路コネクタを含む空気流発生器及び加湿器の組合せ。
[付記項42]
前記光路コネクタは前記送信器によって伝えられる光を前記センサに反射する反射器を含む、付記項41に記載の空気流発生器及び加湿器の組合せ。
[付記項43]
前記反射器は前記加湿器のケース内で湾曲した反射器である、付記項42に記載の空気流発生器及び加湿器の組合せ。
[付記項44]
第1の消音器容積、第2の消音器容積、及び前記第1及び第2の消音器部分を連結する接続部分を備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器の空気流路内の消音器であって、前記接続部分は前記両消音器部分に対して狭くなっており、かつ前記第1の消音器部分から離れた方向に狭くなっている引込み部分を含んだ消音器。
[付記項45]
前記接続部分はベンチュリ管である、付記項44に記載の消音器構成。
[付記項46]
空気流発生器ケースと、前記ケースの個々のトラック内に受け取られる突出部を各々有する1対の取付けアームと、前記トラックに沿った移動に対して前記ハンドル突出部を保持するように前記ケースに取り付けられるハンドル保持部材とを備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する際に使用される空気流発生器用のハンドルアセンブリ。
[付記項47]
前記ハンドル保持部材は前記ケースの外部の一部を形成する、取り付けるカバープレートである、付記項46に記載のハンドルアセンブリ。
[付記項48]
前記ハンドル保持部材は、前記トラックに沿った前記ハンドル突出部の移動を制限するように前記トラック内に延びる保持突出部を有する、付記項46または付記項47に記載のハンドルアセンブリ。
[付記項49]
前記ハンドル保持部材は前記トラックの閉鎖端に近接して前記ハンドル突出部を保持する、付記項46に記載のハンドルアセンブリ。
[付記項50]
ハンドルを空気流発生器ケースに取り付ける方法であって、
前記ハンドルは前記ケースの個々のトラック内に受け取られる突出部を各々有する1対の取付けアームを供え、
前記ハンドル突出部を前記トラックのそれぞれに沿って滑らせる工程と、
前記個々のトラックに沿った行路に対して前記突出部を保持するように前記ケースにハンドル保持部材を取り付ける工程と、を含む方法。
[付記項51]
前記トラックに沿った前記ハンドル突出部の滑動は、前記取付けアームの実質的な歪みが生ぜずに起こる、付記項50に記載の方法。
[付記項52]
患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器であって、加湿器ケースと、水容器と、前記水容器と熱伝導的に連通して設けられたヒータと、ガス入口、加湿ガス出口、及び前記水容器から水蒸気にガスを接触させる中間ガス流経路を含んだガス流経路と、を備え、
前記ヒータを通過した水を前記加湿器ケースの外に排水できるようにする前記ヒータに隣接した排水開口部をさらに備えた加湿器。
[付記項53]
前記ヒータは前記ケースの底部内に位置するヒータパッドを含み、
前記ケースの底部部分は前記排水用開口部を提供するように開いている、付記項52に記載の加湿器。
[付記項54]
前記排水用開口部は前記ヒータパッドを囲繞する略U字形の開口部である、付記項53に記載の加湿器。
[付記項55]
患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器であって、加湿器ケースと、水容器と、前記水容器と熱伝導的に連通して設けられたヒータパッドと、ガス入口、加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流経路を含んだガス流経路と、を備え、
前記ヒータパッドは上部加熱表面及び前記ヒータパッドの側壁を含む周縁加熱表面を有し、かつ前記水容器の熱伝導表面は、前記ヒータパッドの前記上部加熱表面及び周縁加熱表面と近接した熱伝導連通を維持するように前記ヒータパッドに対応するように成形された加湿器。
[付記項56]
前記水容器の熱伝導表面は、前記上部加熱表面に対応する略水平部分及び前記周囲加熱表面に対応する前記水平部分の下の略垂直部分を含む、付記項55に記載の加湿器。
[付記項57]
前記水容器は前記ヒータパッドの上部加熱表面の高さより上及び下の両方に延びる水容量を定める、付記項56に記載の加湿器。
[付記項58]
前記水容器のベースは、前記略水平部分を有する前記ベースの隆起部分及び前記略垂直部分を有する前記ベースのより下方の部分を含む、付記項57に記載の加湿器。
[付記項59]
前記略垂直部分は前記ベースの前記より下方の部分の1つ又は複数の側壁として形成された、付記項58に記載の加湿器。
[付記項60]
前記ベースの前記より下方の部分は前記ヒータパッド周囲に略U字形として形成された、付記項58に記載の加湿器。
[付記項61]
ヒンジ付き蓋を有する加湿器ケースと、
前記ケース内にドロップインアセンブリに構成された水容器と、
前記水容器と熱伝導連通するヒータと、
ガス入口、加湿ガス出口、及び前記水容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流経路を含んだガス流経路と、を備えた、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器であって、
前記水容器は前記ガス流経路と連通するガス通路入口を有し、
前記加湿器は前記ガス通路入口を前記ガス流経路へ密封接続するガス通路入口シールをさらに含み、
前記密封接続は前記水容器のドロップインアセンブリ及び前記蓋のヒンジによる閉鎖によって起動される加湿器。
[付記項62]
前記ガス通路入口は前記水容器の後面上に配置され、
前記ケースの反対面上のガス通路開口部と整列する、付記項61に記載の加湿器。
[付記項63]
前記蓋を閉鎖すると、前記水容器は後方に押されて前記水容器の前記ガス通路入口と前 記ケースの前記ガス通路開口部との間の前記シールを起動する、付記項62に記載の加湿器。
[付記項64]
前記ガス通路入口シールは前記ガス通路開口部に取り付けられ、かつ前記蓋を閉鎖すると、前記水容器は前記ガス通路入口ツールの上に押されて前記シールと前記ガス通路入口を囲繞する座内の前記後面との間に密封接触を生じさせる、付記項63に記載の加湿器。
[付記項65]
入口を有する水槽と、ブロワ出口及び水槽受取り部分を含んだベースと、係合可能なロック機構を備えたヒンジ付きの蓋と、を備えた、睡眠時呼吸障害の治療のために患者に呼吸可能なガスの供給物を送出する際に使用される空気流発生器用の加湿器アセンブリにおいて前記水槽入口と前記ベースのブロワ出口との間のシールを形成する方法であって、
(i)前記入口及び出口を相互に近接して位置決めするように前記ベースの前記水槽受取り部分内に水槽を設置する工程と、
(ii)前記ヒンジ付きの蓋を閉じる工程と、
(iii)前記ロック機構を係合させる工程と、を含む方法。
[付記項66]
前記ブロワ出口は前方に向いたシール形成表面を有する、付記項65に記載の方法。
[付記項67]
前記ベースの水槽受取り部分内に水槽を設置する工程は、前記ブロワ出口のシール形成表面に対して水槽を設置する工程をさらに含む、付記項66に記載の方法。
[付記項68]
前記ヒンジ付き蓋は、患者インタフェースに呼吸可能なガスを供給することができるように空気送出導管と結合するように構成された略円筒形部分をさらに含む、付記項65に記載の方法。
[付記項69]
空気出口及び係合可能なロック機構を備えたヒンジ付きの蓋を有する水槽と、呼吸可能なガスの供給物が患者インタフェースに提供されるように空気送出導管と結合されるように構成された空気送出部とを備えた、睡眠時呼吸障害の治療のために患者に呼吸可能なガスの供給物を送出する際に使用される空気流発生器用の加湿器アセンブリにおいて、
(i)ヒンジ付き蓋を閉鎖する工程と、
(ii)ロック機構を係合させる工程と、を含む水槽空気出口と空気送出部との間にシールを形成する方法。
[付記項70]
前記ヒンジ付き蓋は下面を有し、かつ前記下面はシール形成表面を含む、付記項69に記載の方法。
[付記項71]
前記シール形成表面は取外し可能に取付け可能なガスケットを含んだ、付記項70に記載の方法。
[付記項72]
前記取外し可能に取付け可能なガスケットはシリコーンから形成される、付記項71に記載の方法。
[付記項73]
空気入口及び空気出口を有する水槽と、ブロワ出口及び水槽受取り部分を含んだ加湿器ベースと、呼吸可能なガスの供給物が患者に提供されるように空気送出導管と結合するように構成された空気送出部を有する蓋と、を備えた、睡眠時呼吸障害の治療のために患者に呼吸可能なガスの供給物を送出する際に使用される空気流発生器用の加湿器アセンブリであって、
前記水槽受取り部分及び水槽は、前記水槽のドロップイン位置決めを誘導して前記空気入口を前記ブロワ出口に対して整列させるように構成された相補的構造体有する加湿器アセンブリ。
[付記項74]
前記相補的構成は、前記蓋が閉じられるときに前記空気出口を前記蓋の前記空気送出部の位置に対して整列させるように、前記水槽の位置決めをさらに誘導する、付記項73に記載の加湿器。
[付記項75]
蓋を有する加湿器ケースと、
前記ケース内の水容器と、
前記水容器と熱伝導的に連通するヒータと、
ガス入口、前記蓋内の加湿ガス出口、及び前記容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流路を含んだガス流路と、
前記蓋と協働的に関連するガス出口シールであり、これにより前記蓋を閉鎖して前記加湿ガス出口封止と前記水容器のガス空間との間に封止された連通を形成するガス出口シールと、を備えた、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器。
[付記項76]
前記ガス出口シールは前記蓋の下側に取り付けられ、かつ前記蓋が閉じられるときに前記水容器と接触する、付記項75に記載の加湿器。
[付記項77]
前記ガス出口シールは前記ガス空間の出口を囲繞する座内で前記水容器の上面と接触する、付記項76に記載の加湿器。
[付記項78]
前記蓋は前記ケースにヒンジで取り付けられた、付記項77に記載の加湿器。
[付記項79]
前記水容器のある表面と協働してガス通路入口と前記ガス空間へのガス入口との間に密封されたガス通路を形成する、前記蓋の下側に取り付けられたガス通路シールをさらに含む、付記項76に記載の加湿器。
[付記項80]
前記密封されたガス通路を形成する前記水容器表面は、前記水容器の上面内にチャネルを含む、付記項79に記載の加湿器。
[付記項81]
前記ガス出口シール及び前記ガス通路シールは一体成形される、付記項79に記載の加湿器。
[付記項82]
水容器と、
前記水容器と熱伝導的に連通するヒータと、
ガス入口、前記蓋内の加湿ガス出口、及び前記容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流路を含んだガス流路と、を備えた、患者に加湿された呼吸可能なガスを送出する加湿器であって、
前記中間ガス流路は、ガス通路入口とガス入口との間に前記ガス空間に続くガス通路を含み、該ガス通路は前記ガス通路入口から前記ガス入口へと下方に傾斜している床を有する加湿器。
[付記項83]
前記ガス通路は、前記ガス通路入口の高さの下に排水部分を備える、付記項82に記載の加湿器。
[付記項84]
前記排水部分は、前記ガス通路入口の高さの下に前部壁を有する前記ガス通路の最前部分である、付記項83に記載の加湿器。
[付記項85]
前記ガス通路は実質的にU字形である、付記項84に記載の加湿器。
[付記項86]
前記ガス通路は前記水容器の上面内にチャネルを含む、付記項82に記載の加湿器。
[付記項87]
水容器と、ガス入口、前記蓋内の加湿ガス出口、及び前記容器からの水蒸気にガスを接触させる中間ガス流路を含んだガス流路と、を備えた患者に加湿したガスを送出する加湿器であって、
前記ガス流路は渦巻動作によって前記水容器のヘッドスペース内に前記ガスを導入するように構成された加湿器。
[付記項88]
前記中間ガス流路は前記容器のヘッドスペース内に略接線方向にガスを導入するように構成された容器空気入口を含む、付記項87に記載の加湿器。
[付記項89]
前記中間ガス流路は前記容器空気入口に至る弓形のガス流路を含む、付記項88に記載の加湿器。
[付記項90]
前記ヘッドスペースの概ね中央に位置決めされた容器空気出口をさらに含む、付記項88に記載の加湿器。
[付記項91]
所望のガス湿度設定を選択するユーザが操作可能な制御部と、湿度設定に対応する目標のヒータ温度を決定し、かつ前記温度を達成するようにヒータを制御するヒータ制御回路と、を備えた、患者に加湿した呼吸可能なガスを送出する加湿器用の制御回路であって、
前記ユーザが操作可能な制御部は前記ヒータ制御部が前記加湿器の最低の動作温度未満の目標のヒータ温度を選択するためのオフ設定を含んだ制御回路。
[付記項92]
プロセッサと、タイマと、ユーザ入力手段と、ディスプレイと、を備えた、患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器であって、
前記プロセッサはリマインダ要求入力を受け取るように、かつ前記リマインダ要求入力において指定された時間にリマインダディスプレイを生成するようにプログラムされる空気流発生器。
[付記項93]
前記プロセッサは、マスク交換リマインダ、データ取り込みリマインダ、フィルタ交換リマインダ、及びヘルスケア専門家に連絡を取るためのリマインダのうち1つ又は複数に関連するリマインダ事象に関係する表示を生成するように構成された、付記項92に記載の空気流発生器。
[付記項94]
前記プロセッサは前記ユーザ入力手段からキャンセル入力を受け取るとリマインダ要求をキャンセルするように構成された、付記項92又は93に記載の空気流発生器。
[付記項95]
開口部を含んだ空気流発生器ケースと、
ガス流発生器と、
前記開口部を介して外部デバイスとデータ的又は電気的に連通するようにアクセス可能に位置決めされたコネクタを含んだ前記空気流発生器用の制御回路と、
前記ケースに取り付けられて前記開口部を覆うように各々構成された複数のクロージャモジュールであって、前記クロージャモジュールの少なくとも1つは前記制御回路コネクタと接続されるように構成された内部コネクタ、前記外部デバイスに接続されるように構成された外部のデータポート又は電気的ポート、及び前記内部コネクタと前記外部コネクタとの間のデータ経路又は電気的経路を含んだクロージャモジュールと、を備えた、
患者に呼吸可能なガスを送出する空気流発生器ユニット用のモジュラー型のデータコネクタ又は電気的コネクタ構成。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明の種々のフィーチャを具現化する呼吸可能なガス供給装置を示す全体図である。
【
図5】空気流発生器の構成要素を示す分解図である。
【
図6】空気流発生器を示す垂直方向の横断断面図である。
【
図7】
図5の底部ケース及び電源を示すより詳細な分解図である。
【
図8】
図5の筐体、筐体蓋、及びファンハウジングを示すより詳細な分解図である。
【
図9】
図5のPCB、上部ケース、及び取付け具を示すより詳細な分解図である。
【
図9A】空気流発生器上部ケースへのハンドルの接続を示す略縦断面図の細部である。
【
図10】空気流発生器の一部を形成する筐体を示す下部図である。
【
図11】空気流発生器の消音器空洞を接続するベンチュリ通路を通る筐体を示す縦断面図である。
【
図12】空気流発生器の一部を形成するファンを示す全体図である。
【
図14】
図5の空気流発生器と共に使用されるように構成された加湿器を示す分解図である。
【
図16】空気流経路用のシールを示す斜視図である。
【
図22】加湿器設定に対するヒータの目標温度を示すグラフである。
【
図23】加湿器ヒータへの電力制御回路を示す略回路図である。
【
図24】空気流発生器制御のリマインダメニューを示すフローチャートである。
【
図25】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図26】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図27】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図28】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図29】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図29A】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図30】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図31】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図32】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図33】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【
図34】モジュール式データ接続構造体示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図示の装置は空気流発生器50及び加湿器150を備えており、
図1にはそれらが組み立てられた状態で、
図2及び3には別個の状態でそれぞれ示している。
図2に示すように、空気流発生器は係合面52において分離可能な加湿器と係合しており、該係合面からファンから加湿器容器への空気送出用の空気コネクタ53、及び加湿器ヒータならびに以下にさらに記載する光結合送信器200及びセンサ201への電力送出用の電気的コネクタ54が突出している。
【0060】
面52は加湿器係合面157上に設けられた対応する舌部156(
図15)によって係合された1対の溝55も有し、以下に詳細に説明するように、それにより空気流発生器50及び加湿器150が共に接続される。
【0061】
[空気流発生器]
空気流発生器50は外側にLCDスクリーン58及びユーザがそれを用いて本ユニットの動作パラメータを設定することのできる関連するキー59も備えている。
【0062】
[空気流発生器ケース]
空気流発生器50は2つのパーツである上部ケース60及び底部ケース61として成形された硬質プラスチック材料の外部ケースを有する。上部ケース60の下方端は段状であり、底部ケース61の周囲と結合するように62(
図9)にフランジが付いている。
【0063】
図7を参照すると、空気流発生器50の底部ケース61はポリカーボネート/ABS混合物等の硬質プラスチック材料のシェル120を有し、これは上部及び底部ケースと筐体64との間で封止部63を形成しかつケースの外部脚も形成する(
図6を参照)合成ゴム又は熱可塑性エラストマー等のエラストマーのライニング121で一体的にオーバーモールドされたケースの構造体を形成する。ライニング121は底部ケースの筐体受取り空洞の内面及び電源空洞65と筐体受取り空洞との間の隔壁123も覆い、その結果、壁の音響共鳴を低減させることによって空気流発生器からの放射雑音を低減させるように働くエラストマー性ライニングを有する剛性シェルの複合体が得られる。
【0064】
底部ケース61内には、下部パーツがケースの外壁を連結する壁によって、かつそれぞれ電源空洞65及び第1の消音器空洞134から形成されている。この空洞の上部パーツは以下に記載の筐体64によって形成されている。
【0065】
第1の消音器空洞は空気入口85からブロワへの空気流路の一部を形成し、以下に示すような筐体64によって画定された空気入口路から空気を受け取る。
【0066】
筐体64はブロワすなわちファンの空洞70、入口空気流路及び出口空気流路、及び電源空洞65の上部を形成する。ファン空洞70は下記に示すような筐体内にインサートモールドされた金属ライナー槽73を含む。
【0067】
[空気流発生器筐体]
筐体64はオーバーモールドされた密封フランジ63の内側周囲部と係合するようにその下端周囲にフランジが取り付けられた周囲壁69と共に形成されている。筐体64は以下に示すようなファン90がその中に設けられた下方に延びるファン空洞70を含む。この空洞70は、挿入された鋼製ライナー槽73周囲に熱可塑性プラスチックの内部層及び外部層を成形することによって形成された、成形された側壁71及びベース72によって形成されている。この槽はステンレス鋼、ニッケルめっき軟鋼、又は他の適した耐食性金属であってよい。ファン空洞70はファン90を挿入できるように筐体64の上面に開放されており、この開口部は蓋74によって閉じられる。
【0068】
この鋼の槽の密度及び剛性はモータ及びファンの雑音の伝達に対して非常に効果的な障壁を成しており、他方、種々の材料からインサートモールドすることによる空洞70の形成によって、既に記載し、また以下にさらに記載する硬質及び軟質プラスチックの共成形による組み合わせが提供するように、非常に効果的な音響低減が得られる。本発明のこの態様では、異なる、好適には幅広く異なる材料、剛性、及び異なる、好適には幅広く異なる密度の組み合わせで共形成又はオーバーモールドを使用することは、音響低減を提供する際に特に有利であることがわかった。
【0069】
筐体及びライナー槽に好適な材料は、筐体用にはポリプロピレン熱可塑性プラスチックであり、ライナー槽用には金属、好適には鋼(任意には、ステンレス鋼)である。本出願人は、密度の差が5倍、好適には約7~8倍を超え、剛性及び低減特性も著しく異なった金属とポリマーとの複合体としてファン空洞を形成することによって、本複合構造体の共鳴のピークはファンが発生する雑音がファン空洞構造によって十分に減衰されるように十分に低減されることを見出した。
【0070】
筐体64は10~40%、より好適には約30%のガラス繊維を含んだガラス繊維充填ポリマーであることが特に好ましい。本出願人は鋼製のライナー槽73と共にこの材料を複合材として使用すれば、効果的なファン雑音の減衰及び熱膨張特性の良好なマッチングの両方が得られるので複合材料の筐体が幅広い動作温度にわたって良好に機能することを見出した。さらに、本出願人はガラス繊維の使用は、滑石、青銅、ガラスビードの充填材料よりもこの目的には優れていることを見出した。
【0071】
ファン空洞の最上部は、音響を低減しかつファン空洞70の最上部を密封するためにエラストマーでインサートオーバーモールドされた埋め込み鋼で形成された筐体蓋74によって形成される。蓋用の好ましいポリマーライニングは、例えば、底部ケースのライニング121に用いられるものと同じタイプのエラストマーである。
【0072】
また、鋼及びポリマーの複合体を使用すれば、ファン及びモータの雑音の伝達に対して有効かつ十分に低減される障壁が形成される。
【0073】
[ドロップイン型電源]
電源空洞65の上部は筐体64の屋根から下方に延びる側壁75によって形成され、この側壁はこの空洞の下方部分の反対の壁を密封的に係合する。この下方の壁はこの目的のために共成形又はオーバーモールドされたゴム製封止フランジ76を備えていることが好ましい。この電源コンパートメントはこのようにして、加湿器からの逆流がある場合にはユニット内部からの湿気の進入に対して密封される。同じく、空気経路は電源コンパートメントから密封される。これと同時に内部は電源空洞から音響的に密封されるが、空洞の後壁及び前壁の開口部78及び80内にそれぞれ設けられたコネクタ77及び79を介して加湿器に主電力入力及び低電圧の電力出力を加湿器に提供する必要性があるために、及び必要に応じて冷却のためにコンパートメントの外気との通気のために、外部から完全に密封されなくてよい。これによって組立時間は短縮され、デバイス全体をより小さくすることが可能となる。
【0074】
図7を参照すると、ファン、制御機能、及び加湿器ヒータパッドの動作用の電気出力を提供する電源ユニット124は電源空洞65内に収容される。この電源は電力入口コネクタ77、ファンモータ用のファン電力出口コネクタ126、及び加湿器電力出口79がはんだ付け又は他の適した手段によって直に取り付けられたプリント基板133を含んでいる。電源空洞65の各端部は、電源の設置がドロップイン式組立で達成されるように電源のPCBを直立した位置で支持する設置ガイド136を有する。PCBに直にはんだ付けすることによってコネクタがしっかりと取り付けられることによって、PCBにワイヤリングルームを接続しなくて済み、電源が挿入されるときにコネクタが底部ケース61内の個々のポートに対して整列する。
【0075】
[PCB]
図8を参照すると、ファン90及びファンハウジング93、94が筐体のファン空洞70内に収まり、電源PCBの上部にある電気的コネクタ26と接続される。ファンハウジングのベース94をエラストマーでオーバーモールドすることによって、ハウジングが密封され、ファンハウジングベースの音響減衰が提供され、ユニットが衝突されるか又は落とされる場合にファンを防護するバンプストップとして働く脚がベースの底部上に形成される。
【0076】
図9に示すように、ユニットの電子制御部品を保持するプリント基板81は筐体64の上部で筐体と上部ケース60との間に形成された空間内に支持される。プリント基板81はLCDディスプレイ58を含むことが好ましい。任意には、基板の後ろ側において、エッジコネクタ1082よび滑動コネクタ1082Aがケース60の後ろ側のコネクタ開口部からアクセス可能で、
図25~34に関してさらに詳細に記載するモジュラー式コネクタ装置を提供してよい。
【0077】
[空気入口経路及び消音器]
上部ケースの後部壁内には空気入口84も設けられており、これは電源空洞65の上部部分の屋根の上の筐体内に形成された空気入口通路85に通じており、次にこの通路は筐体のファン空洞の底部を囲繞する第1の消音器空洞134に向かって開放されている。
【0078】
上部ケースは空気流発生器への空気入口をさらに定め、発泡体又は繊維等の任意の適した材料の交換可能なフィルタ129及び上部ケース60に取り付けられたフィルタカバー130を有する。入口楔部131は空気流ガイドとして働く。ブランクカバー132はコネクタ1082、1082Aと整列するケースの開口部を覆って適所で留められて通信等のためにPCB上のポートを提供する。この空気流発生器ケース内の通信及び他の電気的ポートのさらなる詳細を
図25~34を参照して以下に記載する。
【0079】
入口空気通路はファン空洞70の下の第1の消音器容積134から接続通路137(
図11)を通って、ファン空洞70とファンとの間の空洞によって定められた第2の消音器容積内に通じている。
【0080】
このようにして、ファン空洞及び底部ケースと筐体との間の空間は1対の直列接続された容積の消音器を形成し、その間の通路は直径が制限されている。消音器システムによって生まれる雑音減衰は、その消音器の容積の代表的な直径とくびれ部分との比に概ね比例するので、最適な消音器構成はこのくびれ部分を通る、受容できない空気流の制限を回避しながら、利用可能な消音器容積の制限に対し、特にコンパクトな機械において、最適な雑音減衰を釣り合せなければならない。
【0081】
本出願人はこの釣合いの好ましい調整は、第1の消音器に近接する端部において比較的短く、直径が滑らかに変動する導入部137aを備え、下流側の端部において中間くびれ部分137b及び徐々に広がる導出部137cを備えた中間接続路137を
図10及び11に示すように消音器容積間にベンチュリ管として形成することによって達成し得ることを見出した。このように消音器システムは、最小の直径部分の代表的直径に従って雑音減衰を達成することができ、よりよい圧力低下特性が得られる。
【0082】
[ファン]
ここで、
図12及び
図13に示すファンのフィーチャを説明することが都合がよいであろう。
【0083】
ファン90はカバー93及びベース94から成るファンハウジング内に垂直に設置された、同軸羽根車92を備えたモータ91、好適にはブラシレスDCモータを含んでいる。空気入口95は羽根車軸上のベース94の床内に設けられており、カバー及びベースの空洞が羽根車から空気出口97に至るボリュート96を形成している。カバー93及びベース94は、ベースから上方に延びて段状リブ99の上でカチッと閉まる溝穴付きタブ98によって連結され、タブ98はカバー93の平行のリブの間に収まることによってさらに位置決めされる。カバー93とベース94との間の連結部はエラストマーでオーバーモールド又は共成形された密封リング101によって密封される。
【0084】
ファンハウジングベース94の底面は放射状の補鋼リブを備え、リブ間の底面をカバーするエラストマー性減衰部材103がベース94にオーバーモールドされており、フランジ部分及び周縁に離間されたタブによってベースのエッジ周囲に延在している。硬質プラスチックのベース94にオーバーモールドすることによって、非常に剛性の低い実質的に音響減衰のエラストマーがファンハウジングに提供される。
【0085】
オーバーモールドされたエラストマー部材103を突き出て延びる脚106は、ファンハウジングベースの硬質プラスチック部分に一体成形されており、好適には金属製の取付け用つる巻ばね102(
図13)を収容し、このばねによってファン空洞のベース72上にファンが設置される。
【0086】
本発明の目的である寸法縮小の程度は、特にモータ及びファン90の羽根車からの雑音及び振動の伝達を最小化するように注意されなければならない。したがって、設置用ばねは動作中に遭遇する振動周波数の伝達を確実に最小にするように選択される。これはばね及びファンを含んだシステムの固有周波数が、その最低の動作速度で動作しているときにモータの軸速度の約1/10未満になるように、ファン90の質量を参照してばねを選択することによって達成される。
【0087】
ファンがファン空洞に入ると、空気出口97は熱可塑性エラストマー又はシリコーンゴム結合部材108を用いて、ファン空洞の側壁から、接続のために空気流発生器の前面に設けられた開口部を通って延びる接続ノズル110まで延びる空気通路と接続される。結合部材108は接続部に可撓性を提供しかつファンから空気流発生器ケースへの振動伝達に対する抵抗性を改善する少なくとも2つの波形を含むことが好ましい。
【0088】
したがって、ファン90は空気流発生器の残りの部分に対する音響カップリングが最小の状態で筐体64のその空洞70内で浮いている。設置用ばね及び結合部材108の特性はファンの固有振動周波数の伝達を最小にするように選択される。
【0089】
ファン構造及びファン設置のさらなる詳細は、特許文献1及び特許文献2に記載されており、その内容を本願明細書に援用している。
【0090】
図示の空気流発生器構造及び材料の組合せは、総容積が2L以下の空気流発生器において、例えば、4~20cm水柱圧、流速120L/分、及び10cm水柱で動作するときに、総放射雑音の大きさが33dbA未満、好適には30dbA未満を生成することのできるより大きなユニットと同様の性能及び雑音特性の小型のCPAP流れ発生器ユニットが得られるように構成されている。
【0091】
[ハンドル取付]
キーパッド59、計器盤127、及び運搬用ハンドル128は上部ケース60に取り付けられている。
【0092】
図9及び9Aを参照すると、新規で簡単に組み立てられるハンドル取付けアセンブリを記載し、図示している。ハンドル128は遠位端において内側に突出するピン140を備えた対向するアームを有している。上部ケース60はピンの各々を受け取るための一方は開いて一方は閉じられた端部を有する1対の溝形トラック141を含んでいる。ハンドルを上部ケースに組み付けるために、ピンはその個々のチャネルの開放端から挿入されて、閉鎖端に向かって滑り込ませる。計器盤127は上部ケース60の上に留められ、ピン140をトラック141の端部内に捉える突出部142を含んでいる。
【0093】
このようにしてこのハンドル取付構造は、ハンドルアームを屈曲させて先行技術のような小さな凹部にピンを位置決めさせる必要のない迅速かつ簡単な組立の手段を提供する。
【0094】
[加湿器]
図14~21に示すように、加湿器150は空気流発生器50への取付け及び取外しが簡単になるように構成されたベースユニットを含んでおり、これは次に該ベースユニットに取付け可能かつそこから取外し可能である水容器用架台を形成する。
【0095】
加湿器構成要素の全体的配置は、水槽(水槽ベース698、シール699、及び水槽蓋700)を支持するヒータプレート(セラミック製ヒータパッド800を備えたプレート632)及び水槽蓋700に対して密封して水槽蓋を通る水槽内への空気経路を形成するヒンジ付き加湿器蓋648を含んだヒータがその上に取り付けられるベース(後面カバー803及び前面カバー602)を備える。
【0096】
ベースの後面は、当該2つのユニットが互いに向かう線形的な動きによって一緒にされるときに、空気流発生器50の前面を囲繞する対応する周囲凹部113内に収まる周囲フランジ153を有する。ラッチ404は、舌部156が溝穴55内に係合し、カチッと元の位置に戻って、舌部の端部にある下方に延びるフィンガー部158を用いて2つのユニットを係合させるように、ばね404bにより垂直方向にかつ弾性的に強制されて下方に可動である。ラッチ固定具404aによって適所に保持される。
【0097】
[空気流発生器と加湿器の結合]
発生器のPCBは加湿器に近接する端部に、空気流発生器ケースの端面からの光の周期的な閃光を放出する光送信器200及び加湿器の有無を検出する光センサ201を備えている。加湿器の後面は、空気流発生器PCBが加湿器の存在を検出し、それに応じて制御アルゴリズムを調節するように、加湿器が空気流発生器に取り付けられるときに送信器からセンサまでの光路を完成する湾曲状反射器202を含んでいる。
【0098】
ベースユニットの後面は、電源空洞65の電源から加湿器ヒータに電力を供給するように、この実施形態では1対の平形オスコネクタである、空気流発生器の前面上の結合コネクタ114と係合するためのコネクタ162も有する。図示の実施形態には示していないが、他の電気的接続又はデータ接続を空気流発生器と加湿器又は空気導管又はマスクを含む下流のデバイスとの間に確立する必要がある場合には、個々の面はさらなる相互接続デバイスを有してもよい。そのようなデバイスは光結合デバイス又は他の適した種類のコネクタの形態を取ってよい。
【0099】
そのような光結合コネクタを使用すれば、空気流発生器と加湿器との間で通信を行うために簡単なプロトコルを実行することが可能となる。例えば、空気流発生器の電流レベルを所定のアルゴリズムに応じて加湿器の動作を制御する加湿器制御器に送ることができる。
【0100】
この加湿器構造では、前カバー602に取り付けられる裏カバー803は空気接続、電気的接続、及び通信接続を空気流発生器に提供し、制御PCB804及び留めアセンブリを支持する。留めアセンブリは固定具404a及びばね404bによって固定されるラッチ404を含み、先の実施形態について全般的に記載したように空気流発生器に加湿器を取り付けるように働く。前カバー602の上部にある制御ノブ805はPCB804に接続されて、患者が加湿の程度にわたって患者が制御できるようにする。
【0101】
加湿器と空気流発生器との間の電気的接続のため、又は加湿器との電気的接続又は信号接続のために、開口部264も設けられている(
図15)。
【0102】
加湿器後面の空気ポート807は空気流発生器の出口110と結合する。
【0103】
エラストマー性気道シール722は前部カバーと後部カバーとの間に収まって後部カバー803の空気ポート807を前部カバー602の開口部626に接続する。シール(
図16により詳細に示す)は、後部カバー803内に形成された空気ポート807を介して空気流発生器出力に接続される入口コネクタ部分722aと、カバー602の前面の開口部626周囲に延在する周囲シール部分722bと、を有する。シールの壁部分722cはシールによって定められたより小さな開口部722dを残した状態で開口部626の下方部分を閉鎖する。
【0104】
その結果、気道シール722は円形の空気ポート807から前部カバーの垂直壁にある矩形の開口部722dまでの閉鎖された通路を定める。
【0105】
[ヒータパッド]
ヒータパッドは下部パーツ806及び上部パーツ800ならびにヒータパッドカバー632を備える。
【0106】
ヒータパッドカバー632は上部加熱表面634、さらなる加熱表面として働く下方に延びる周囲壁636、及び前部カバー602の後部上の管状突出部628にヒータパッドを取り付けるための1対の取付部分640を備えた後部フランジを有する。
【0107】
ヒータパッドカバー632は加湿器水容器内の水を加熱させるために、ヒータパッド又は誘導加熱器等の他の加熱手段を上部壁634の下方及び壁636の範囲内に収容するように構成されている。
【0108】
ヒータパッドカバー632の前部は、加湿器架台前部カバー632の前部まで延びてヒータを支持するとともに加湿器蓋648用の留め具も提供する、くの字形の前方に延びるタブ646を有する。
【0109】
[水槽]
水容器は水槽698、シール699、及び水槽蓋700から構成される。
【0110】
水槽698の床はヒータパッドと相補的な形状になっており、ヒータパッドから水槽の水に熱を伝えるのに金属又は他の適した材料から形成される。床はヒータパッドの上部加熱面634及びヒータパッドの上面の高さより低いU字形部分に対応する略水平部分900を有し、略垂直の熱伝導部分902を周囲の加熱表面に対応する水平部分の下に含む。水容器が加湿器架台内に設置され、ヒンジ付き蓋648が閉じられると、水槽ベースは水槽の水に熱を伝達するようにヒータパッドに密接して保持される。
【0111】
水槽容積の一部及び熱伝導面をヒータパッド周囲に提供することによって、先行技術の加湿器と同様の水量及び加熱面積をより小型のアセンブリにおいて得ることができる。
【0112】
図20に示すように、水槽蓋の後面はU字形の空気通路718の入口端部に至る空気入口開口部801を有する。加湿器蓋648が閉じられると、水槽698及び水槽蓋700は周囲シール722bが入口開口部801の後部開口部を囲繞する座内の水槽蓋の後面に接するように後方に押圧されて、空気流発生器出口から空気通路718までの、及び加湿器水槽のヘッドスペース内への密封された空気経路を形成する。これによって加湿器水槽を再充填のために取り外し、空気流を接続するために別個の操作をする必要なく交換することが可能となる。
【0113】
図21を参照すると、水槽蓋700の内壁は、水槽ベース698上への水槽蓋の圧入を制限するように働く突出部802a、802bを有する。1つの突出部802aは水槽の前部に設けられ、さらなる突出部802b又は突出部のセットは水槽の後部の前方の水槽蓋の反対側の側壁に設けられる。突出部802bのこの位置決めにより、ベース及び蓋をその後方端で強く握って、接続部を側部突出部802bの周りに回転させ、かつ水槽及び蓋を前部で分離することによって、水槽ベース及び水槽蓋を片手で外すことが可能となる。これら構成部品を片手で分離できる能力は、特に脳卒中患者又はあまり器用ではない他の使用者にとって非常に有用なフィーチャである。
【0114】
図20及び21において最もよくわかるように、水容器蓋700は水容器のヘッドスペース内への加湿空気入口開口部720に至るU字形チャネルとして形成された空気通路718を有する。このチャネルの床は空気入口の端部から空気が水容器に入る端部まで空気流の方向に傾斜している。水容器蓋は楕円系の加湿空気出口開口部722も有する。以下に記載するように、このような空気通路及び開口部は加湿器内に空気通路を定めるように閉じられたときに、加湿器蓋648と協働する。
【0115】
水は水槽蓋が適所にある状態で空気出口開口部722を介してか、又は水槽蓋を取り外すことによって水容器に加えられてよい。
【0116】
タンクは空気出口722を介して充填されることが意図されており、開口部はその出口と都合よく構成するような寸法になっている流れ口を有する充填ボトルを備えてよい。このようなボトルはタンクが正確な所定の高さまで充填することを可能にする空気ブリード通路を組み込んだタイプの流れ口を備えてよい。
【0117】
別の実施形態では、例えば、水槽蓋を取り外すことによって、他の充填構成が採用されてよい。正確な充填高さは、水槽の壁上にけがきされているか、又は印が付けられたレベル目盛を満たすことによって示してもよい。
【0118】
蓋が開いたときにかつ/又は水容器が取り外されたときにヒータパッドへの電流を停止するように、マイクロスイッチ(図示せず)又は他の感知手段が設けられてよい。
【0119】
[加湿器蓋及び空気通路]
図17~19は加湿器蓋648の下側及びU字形通路718及び加湿空気出口開口部716の周囲で水槽蓋700に密封を提供するシール676を示している。
図18及び19に示すように、シール676は端部シール部分676a及び膜部分676bを含む。
【0120】
蓋648は上部壁650及び上部壁から下方にかつ外方向に延びる前部壁652を有する。凹部の各側の上部壁及び前部壁652の一部が後方に突出するアーム656を構成するように、上部壁650はその後部側に凹部を有する。各アーム656の最後部の末端には、内側に突出するハブ658がある。各ハブ及びそれに対応するソケットが蓋648を前部カバーに取り付けるためのヒンジ接続を構成するように、ハブ658は加湿器前部カバー602のソケット622内に受け取られるように構成されている。
【0121】
蓋648を開ける間、通常の行路最大範囲に達するまで、それは90°を超えて自由にハブ周囲に回転されてよい。蓋及び前部カバーは、蓋が次にさらに回転される場合に、ハブがソケット622から飛び出るように構成されている。当業者には理解されるように、これは蓋が撓んでソケットからハブを解放するように、適した溝をハブ及び/又はソケット上に提供することによって、又は他の適したフォーメーションを蓋又はカバーの上に提供することによって達成され得る。
【0122】
各アーム656の下方端は蓋648が閉位置にあるときにアームの下方端を収容するように、前部カバーの上方部分の形状と相補的に成形されている。
【0123】
蓋648は加湿空気を患者に供給するためのホースを取り付けるための上部壁650を通って上方壁の上部から鋭角で上方かつ前方に延びる加湿空気出口パイプ662を備える。パイプ662は上部壁650の下面より下にあるままで、楕円形リム664を定める。
【0124】
閉鎖された経路を、故にU字形の閉じられた領域668を壁の境界内に定めるように構成された壁666は、上部壁650の下方表面から下方に延びている。
【0125】
前部壁652の前部末端では、すなわちその壁の下方端に隣接して、凹状切欠き674がヒータパッドカバーのタブ646とカチッと係合して蓋用の留め具として働くために壁の後部(内側)表面に設けられている。蓋はアセンブリを屈曲させて切欠きからタブを解放することによって開放され得る。
【0126】
エラストマー性蓋シール676が蓋648に取り付けられており、これを
図18及び20に示している。蓋シールの端部シール部分676aは、水槽蓋上のU字形チャネル718とシール膜の間の空間が水槽の入口空気通路を形成するように、かつ水槽蓋の空気出口開口部722が蓋シールの楕円形の開口部676eを介して加湿器蓋648の空気出口パイプ662に通じるように、蓋648の底部の壁664及びリム666の上に構成するチャネル676c、及び水槽蓋の上面に対して密封する湾曲した封止フランジ676dを含む。これは水容器を取り外すために空気管を接続かつ取外しなくても達成される。
【0127】
空気流発生器から供給される空気が加圧されるので、この圧力は延長部分を外方向かつ下方に延ばすことによって、密封部材676の封止フランジ676dが凹部718周囲に確実な密封を形成しやすいようにする。水容器を出る空気の圧力があるので、同様の効果が水槽蓋の楕円形の開口部716を囲繞するシール上で発生する。
【0128】
一旦空気流発生器からの空気が水容器に入れば、次に空気は空気が湿らされるように水の表面にわたって移動する。ヒータパッドによる水の加熱はこの加湿を増強する。次に、空気は出口開口部716を通って水容器を出て加湿空気を患者に供給するに適したホース(図示せず)に取り付けられた空気出口パイプ662に至る。
【0129】
弓形の経路を用いて水槽ヘッドスペースに空気入口を提供することによって、水容器内の水塊は渦巻かされるので、水槽に入っている水からの水蒸気の取り込みが増強される。
【0130】
本発明の別の実施形態では、空気がタンクを通過するときに空気の渦巻を含むことによって達成されるこの水蒸気の取り込みの増強によって、水槽の水を加熱することが省かれる。そのような実施形態では、加熱要素及びその制御部ならびに加熱板及び金属製タンクベースを含んだ熱伝導構成要素は省かれ、加湿器がより単純で、受動的なデバイスになる。
【0131】
本発明の加湿器アセンブリは先行技術に対して多数の利点を有する。1つの利点は使用の利便性に関する。使用の利便性はすべての患者、特にあまり器用でない人には重要である。
【0132】
加湿器アセンブリのベースは「下向き」の略U字形のチャネルを含む。水槽の底部はこれに対応する「上向き」のU字形を有する。U字の外壁は傾斜になっているが、内壁は概ね垂直である。ベース及び水槽が相補的構造体有するので、水槽を概ね正確な位置に置くことは、以下に記載のように密封位置である程度正しい位置に自己整合することを意味する。
【0133】
本発明の構成の水槽は患者が先行技術で用いられるような面倒な小さい管を接続しなくても、密封位置に容易に設置することができる。この一態様は密封が対応する平坦な表面を呈する個々のシリコーン製ガスケットに対して、水槽の後部等の略平坦な表面、すなわち水槽の上面を設置することによって提供されることである。個々の密封はその2つの平坦な表面が接するときに形成される。したがって、加湿器アセンブリは非常に便利な「ドロップイン」構造体有する。
【0134】
水槽は旋回する蓋を完全に開いた状態から閉じた状態まで約90°揺り動かすという単純な動作によって適所に保持される。蓋は係合されると可聴的で安心できる「カチッ」という音を出す強力な機構によって適所に固定される。この好適な実施形態では、旋回動作が蓋に用いられるが、滑動及び並進を含む他の動作も想定される。
【0135】
加湿器アセンブリの蓋は好適な形態では略円筒形の空気送出管コネクタを含む。空気送出管の蓋への接続は水槽が適所にあるかどうかに関係なく達成され得る。この構成は必要に応じて加湿器アセンブリから空気送出管を外さなくても、水槽を取り外して水を再充填することができることを意味する。
【0136】
図示の加湿器構造は製造及び使用が簡単になるように構成された小型の加湿器を提供し、加湿器ユニット及び空気流発生器ユニットが一緒に組み立てられるときに空気流発生器内への水の逆流に対する防止をさらに提供する。逆流防止は空気通路の床が斜めになっていること及び空気通路718から加湿器水槽698のヘッドスペース内への空気入口720に対する空気入口開口部801及びシール722の開口部722dの位置によって達成される。特に、水槽がその水平位置にある間に過剰に充填されると、水はU字形の空気通路718に沿って、空気入口開口部801より低い前部壁717を有するその最も最前の部分にまでだけ逆流し、本装置の前部に向かって排出される。本装置が後部の上に傾けられると、空気通路718の中間部分は開口部720の高さを超えるので水は水槽から空気入口801までの空気通路に沿って逆流するのが妨げられる。そして、一旦、本装置が正しい位置に戻ると水は水槽内に逆流する。
【0137】
本装置がその側部に傾けられると、空気入口開口部720又は空気入口801は水位よりも高くなるので、水は低い空気流発生器に逆流しないはずである。また、一旦、本装置が正しい位置に戻ると、水槽から漏れる水は水槽内に逆流する。
【0138】
必要に応じて、適した地点に逆止弁、例えば、加湿器の空気入口の口内に支持される可撓性膜を位置決めすることによって、逆流に対するさらなる防止を提供することができる。
【0139】
既に記載のそのようなフィーチャ及び利点に加え、本発明の構成要素及び加湿器は種々の利点を有する。
【0140】
加湿器蓋の一部として上部シールを水容器に提供することによって、使用の容易さの改善が得られると同時に、水の溢出のリスクが最小に抑えられる。さらに、蓋シールの輪郭は蓋空洞及び水容器のヘッドスペース内に形成されるかもしれない結露を集めるように構成されており、蓋が開けられたときにこの結露の空気流発生器への逆流が妨げられる。
【0141】
さらに、加湿器の前部カバー及び後部カバーの構成並びにヒータパッドの構成は、製造ラインで加湿器ユニットを組み立てる間に再方向付けする必要性が最小になるように共に垂直配向で収まることができるように構成されている。
【0142】
また、蓋シールによって提供される蓋と水容器との間の接続部の弾性は、複雑で費用のかかるばね負荷によるヒータパッドの設置を加えなくても、水容器のベースとヒータパッドとの間に良好な熱伝導接触を維持するために、蓋が閉められても圧力を水容器に対して下方に維持するように構成されている。
【0143】
[加湿器電源]
加湿器は患者への空気供給湿度の調整を可能にする制御ノブを備える。湿度設定が高くなると、水容器の温度はヒータへの電力を大きくして加湿器を出ていく空気の湿度を上げることによって増大される。制御ノブは滑らかに可変する制御、すなわち一続きの離散した湿度設定を有してよく、電力がヒータパッドに供給されない「オフ」設定を有するであろう。湿度設定とヒータへの電力との相関はPCB804上の回路によって制御される。
【0144】
図22は上限及び下限を含む湿度設定(x軸)に対する目標の水容器温度(y軸)の好ましい較正曲線のグラフである。
【0145】
この相関曲線の左端では、低い湿度設定及び制御ノブのオフポジションに対応して、ヒータ制御部は、周囲温度未満で、好適には加湿器の最低の動作温度未満である非常に低い目標とするヒータ温度を選択する。このように、制御ノブがそのオフポジションにあるときには加熱は停止されると同時に、一体式のオフスイッチ又は別個のオン/オフスイッチなしでより安価なポテンショメータの使用が可能となる。制御ノブ機構の設置はユーザにヒータが停止されていることを確証するために触知性の「クリック」を制御ノブのオフポジションに提供し得る。
【0146】
図23は制御ノブ805によって起動されるポテンショメータPOT1及びヒータ800に電力を提供する演算増幅器OA1を備えた水温を制御する加湿器制御回路の回路図である。
【0147】
動作温度を設定するために、ポテンショメータが加熱要素と直列で使用されてよい。しかし、これは以下の式のようにポテンショメータを通って大きな熱損失が生じるかもしれない。
【0148】
【0149】
上式中、Vは電源電圧であり、通常は固定であり、RはRH+RPである。RHはヒータの抵抗で固定であり、RPは、可変でありかつ温度制御を行うポテンショメータの抵抗である。この電流はI=V/Rで、ポテンショメータを通る熱の比はI2*RP=RP*V2/(RP+RH)2である。この熱のリマインダは水を加熱するためにヒータ要素によって用いられる。
【0150】
このようなポテンショメータにおける熱損失はオーバーヒートを防ぐために大きな熱放散表面を必要とする。
【0151】
本実施形態では、動作温度を設定するために、ポテンショメータは半導体構成の制御経路において使用される。ポテンショメータはここではヒータ要素を駆動するのに必要な負荷電流よりはむしろ半導体制御電流を運ぶだけなので、これは実質的にポテンショメータを通る電流を低減させる。
【0152】
好適な実施形態では、ポテンショメータはヒータを直に的か又は高電流半導体スイッチを介して駆動する演算増幅器を制御するように温度感知要素と併せて使用される。
【0153】
図23は演算増幅器OA1を介して温度を制御する構造体示している。
【0154】
演算増幅器n1はV+が加算入力でV-が減算入力である1対の入力を有する。この増幅器の出力は入力V+の電圧と入力V-の電圧との間の差に比例する。
【0155】
入力V-は抵抗器R21とR17との比によって決定される基準電圧に接続される。
【0156】
【0157】
水の温度は感温性抵抗素子、すなわちサーミスタTH1によって感知され、動作点はポテンショメータPOT1によって設定される。演算増幅器入力V+はR106及びサーミスタTH1のジャンクションに接続される。演算増幅器のスイッチング閾値は、ポテンショメータPO1+抵抗器R106の抵抗と抵抗器R10+抵抗器R10と並列のサーミスタTH1+抵抗器R11によって形成された抵抗ネットワーク抵抗との比によって決定され、抵抗器R17と抵抗器R21との比に等しい。すなわち、サーミスタTH1と抵抗器R106と間のジャンクションがV-の電位をクロスオーバーするときに、演算増幅器は切り替わる。
【0158】
演算増幅器は供給地点Vss及びVoから給電されるので、駆動電流はポテンショメータを通過しない。VssはVsと同じであってよく、Vo0vと同じであってよい。演算増幅器はヒータ要素を直に駆動し得るか、又はヒータ要素を駆動するパワートランジスタを制御し得る。
【0159】
この構成はポテンショメータを通る消失を著しく低減させて、冷却の必要性が小さいより小さなポテンショメータの使用が可能となる。この構成はまた、
図22に関して上に記載の「柔らかい」オフ設定構造体実施する際に使用されるように構成されている。
【0160】
[リマインダメニュー]
図24は患者に特定の事象、例えばそれらのマスクを交換するとき、Data Card(それらのデバイスがData Cardを使用可能な場合)を挿入するとき等をアラートするように多数のリマインダを設定するためのリマインダメニューのフローチャートである。それは特別にカスタマイズされたリマインダを設定するのに使用することもできる。
【0161】
あるリマインダが予定される場合、あるメッセージがLCD上に表示され、デバイスが治療を送り届けないときは常に残ったままである。メッセージが表示されると、LCDのバックライトが点滅する。患者に対する2つ以上のリマインダが同じ日付に予定されると、予定されたリマインダのすべてがその日の間ずっと表示される。患者はLEFTキーを押すことによって(又はData Cardリマインダの場合には、Data Cardを挿入することによって)メッセージを消去することができる。
【0162】
すべてのリマインダに対するデフォルト設定は、それらが使用不可能ということである。本リマインダメニューを使用するためには、患者はスタンバイスクリーンから少なくとも3秒間LEFT及びDOWNを押すことによってReminder Menuを入力する。
【0163】
図24はReminder Menuスクリーンをまとめたものである。
【0164】
REPLACE MASK-時限式のリマインダを設定してマスク交換の必要なときを患者に知らせるためのものである。患者はLEFT(clear)キーを押してLCDからそのメッセージを消すことができる。
【0165】
CALL PROVIDER-ある時間に療法士に電話するために患者のためのリマインダを設定するものである。例えば、療法がどのように行われているかを検討するためのものである。患者はLEFT(clear)キーを押してLCDからそのメッセージを消すことができる。
【0166】
INSERT CARD-患者の空気流発生器がData Card使用可能である場合、療法士は患者のデータを伝達するためにData Cardを挿入が必要であることを患者に知らせるために空気流発生器に時限式のリマインダを設定することができる。これによって療法士はコンプライアンスを確立することができる。LCDからそのメッセージを消すためには、患者はData Cardを実際に挿入すべきである。(患者はLEFT(clear)キーを押してそのメッセージを消すこともできる)
【0167】
REPLACE FILTER-患者に空気フィルタを交換する時を知らせるために時限式のリマインダを設定するためのものである。患者はLEFT(clear)キーを押してLCDからそのメッセージを消すことができる。
【0168】
図25~32は空気流発生器の背面図であり、先に示すモジュラー式データ接続の種々の形式を示しており、空気流発生器ハウジングの後部に溝穴83を用いている。
【0169】
図25を参照すると、溝穴83は矩形凹部1115の壁に設けられている。以下に記載のように、凹部からクロージャ要素を取り外しやすいように、弓形凹部1123がユニットの上面で凹部1115の上に設けられている。
【0170】
プリント基板81の後部には、エッジコネクタ1082及び滑動コネクタ1082Aがケース60の後部のコネクタ溝穴83と整列され、それを通してアクセス可能であり、以下により詳細に記載するモジュール式のコネクタ構造体提供する。
【0171】
図26に示すように、対象の空気流発生器が任意のデータ接続とともに採用されないことが意図される場合、溝穴83は凹部1115内に収まるように成形されたブランククロージャ要素132によって閉鎖される。このクロージャ要素を
図27により詳細に示す。このクロージャ要素は、凹部1115の壁にある1122等の対応する凹部に構成する下方タブ1118及び上方タブ1119を用いて凹部にカチッと収まって、溝穴83を閉鎖してユニットの取り囲んでいる表面の輪郭と一致する。
【0172】
異なる種類のデータデバイスを受け取るために、相補的に成形されたクロージャ要素が提供され得る。スマートカード1120を受け取るための溝穴を備えた要素1116aを
図28に示している。要素1116a又はプリント基板自体が必要なスマートカード用ソケットを有してよい。
【0173】
DB型データソケットを備えたクロージャ要素1116bを
図29に示している。この場合、要素1116bは下方の前部凹部1121を受け取って関連するプラグの把持を容易にするように成形されている。この構成の変形例の断面を
図29に示しており、要素1116bの内部コネクタ1086及びPCBのエッジコネクタ1082と外部DB9コネクタ1088との間の接続を示している。
【0174】
必要に応じてメモリカード及び事前プログラムされたデバイス等のデバイスの接続を可能にするために、他の形態の要素1116を設けることができる。この便利さによって種々のデバイスを、例えば、空気流発生器コントローラに含まれたシステムクロックを利用し得るクロックディスプレイ、音声起動ユニット、酸素測定、ECG、及び他の診断補助物、録音装置、照明をモジュール形態で本装置と統合することがさらに可能になる。
【0175】
図30~32は一続きの空気流発生器の後部の斜視図であり、モジュール式データ接続構成の一実施形態を示している。
図33は前部のUSBクロージャ要素モジュールの内面を示し、
図34は空気流発生器の縦断面図である。
【0176】
図30は開いた状態でエッジコネクタ1082及び空気流発生器PCB81の後部側の滑動コネクタ(図面では見えず)を露出した溝穴83を示している。コネクタ1082、1082AはPCBと外部デバイスとの間でデータ及び/又は電力を運ぶ複数の電気的接点を含む。
【0177】
図31はデータ接続が必要とされない
図31の構造体示しており、
図25~27を参照して上に全体的に記載したブランククロージャ要素132によって溝穴がカバーされている。
【0178】
図32は標準的なユニバーサルシリアルバス(USB)ポート1084をその後面に有する取外し可能なクロージャ要素モジュール1116cを示している。要素1116cは電気的伝送及び/又はデータ伝送用のPCBコネクタ1082の接点の全部又は選択された1つと接続されるように構成されたその前方の内面(
図33及び34)において、電気的/データ経路を電気的コネクタ1090に組み込んでいる。このクロージャモジュール1116cは、モジュールがPCBコネクタと標準的なUSBポートとの間のアダプタとして働くように、その内部コネクタと外部コネクタとの間にデータ経路及び/又は電気的経路を完成させる内部電気的構成要素を有する。
【0179】
複数の相互に交換可能な接続モジュールが1つ又は複数のPCB上の固定された標準的コネクタに構成する上記のようなモジュール式データ接続構造体提供することによって、ユニットはその患者が要求する上記コネクタのみが設けられてよく、かつ必要が生じた場合に限り付加的なコネクタモジュールが供給されてよいので、空気流発生器ユニットのコスト及び大きさは低減され得る。さらに、この構成は技術的進歩又は世界的なデータ接続規格の変化について行くために、空気流発生器のデータ接続構成の更新を容易にする。
【0180】
本願明細書では、「comprising」という用語は、その「オープン」な意味で、すなわち「including」の意味であり、故に、その「閉鎖的」な意味で、すなわち「consisiting only of」の意味に限定されるものではないことを理解されたい。これに相当する意味は、登場する場合には、それに相当する単語「comprise、 comprised及びcomprises」に属すべきである。
【0181】
この発明の特定の実施形態を記載してきたが、本発明はその本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化されてよいことは、当業者には明白であろう。したがって、本発明の実施形態及び実施例はあらゆる点において例示であって限定的でないとみなされるべきであり、本発明の範囲は上記の記載ではなくむしろ添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の意味及び同等性の範囲に入るすべての変更は本願明細書に包含されることを意図している。本願明細書におけるすべての先行技術に関する参考文献は、反対の示唆が登場しない限り、そのような先行技術は本発明が関連する当業者に一般に知られたものであることをさらに理解されたい。
【符号の説明】
【0182】
60 上部ケース
61 底部ケース
63 封止部
68 ディスプレイ
70 空洞
71 側壁
72 ベース
73 金属ライナー槽
74 蓋
81 プリント基板
102 取付け用つる巻ばね
106 脚
120 シェル
121 エラストマー性ライニング
137 接続通路