(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】木部繊維ウェブからの蛍光液の光学的検出方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/89 20060101AFI20220830BHJP
G01N 21/892 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G01N21/89 K
G01N21/892 A
(21)【出願番号】P 2018530973
(86)(22)【出願日】2016-09-06
(86)【国際出願番号】 FI2016050617
(87)【国際公開番号】W WO2017042432
(87)【国際公開日】2017-03-16
【審査請求日】2019-09-05
(32)【優先日】2015-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516005120
【氏名又は名称】プロセメク オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジャリ リトニエミ
(72)【発明者】
【氏名】マルクス リトニエミ
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-145183(JP,A)
【文献】特開2014-095024(JP,A)
【文献】特開2008-268228(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2345887(EP,A2)
【文献】特開2009-047568(JP,A)
【文献】特開2002-340807(JP,A)
【文献】特開2012-047482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木部繊維ウェブの1カメラ検出方法であって、
該木部繊維ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、該ウェブのエリアを照らすこと;
該紫外光によって照らされたエリアの少なくとも一部分の第1の画像を、該紫外光源によって照らされた画像から反射されたUV光を減衰するように配置されたカラーセンサを備える画像化デバイスによって捕捉すること;
該第1の画像の画像データを、該紫外光源によって照らされた画像から蛍光性液着色を検出するように構成された画像データ処理デバイスに伝送すること;及び
該第1の画像が、蛍光を発する該蛍光性液着色を含むかどうかを解析すること
を含み、ここで該方法が
該第1の画像を捕捉した後、該木部繊維ウェブの同エリアに非紫外光源によって非紫外光を導くことによって、該ウェブのエリアを照らすこと;
該非紫外光源を用いて照らされたエリアの少なくとも一部分の第2の画像を、同画像化デバイスによって捕捉すること;
該第2の画像の画像データを、該非紫外光源によって照らされた画像から非蛍光性欠陥を検出するように構成された該画像データ処理デバイスに伝送すること;及び
該第2の画像が、該非蛍光性欠陥を含むかどうかを解析すること
をさらに含み、
該蛍光性液着色または該非蛍光性欠陥を検出するための該画像データ処理デバイスが、捕捉した画像の強度レベルを
増大させることを含む、前記方法。
【請求項2】
前記捕捉された画像が、1つおきに、前記紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、前記非紫外光を用いて照らされた画像である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記捕捉された画像のうちの一部の画像が、前記紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像が、前記非紫外光を用いて照らされた画像である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記木部繊維ウェブが紙又は板紙ウェブである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記カラーセンサが、前記画像化デバイスの一部分又は該画像化デバイスの画像化センサである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記カラーセンサが、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタ又は約640~730nmの波長を通過させる赤色フィルタを有し、前記蛍光性液着色によって発せられる蛍光が、該緑色フィルタ又は該赤色フィルタを通過する波長に対応する、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記蛍光性液着色が、蛍光マーカを液体に加えることによって製造されるか、又は該蛍光性液着色が本質的に蛍光性である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記非蛍光性欠陥が、穴、点、筋又はしわである、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記ウェブの端を同時に検出することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
木部繊維ウェブを検出するための1カメラマシンビジョンシステムであって、該マシンビジョンシステムが、紫外光源によって照らされた画像から蛍光性液着色を検出し、非紫外光源によって照らされた画像から非蛍光性欠陥を検出するように構成された画像データ処理デバイスと、カラーセンサを備える画像化デバイスとを備え、該紫外光源が、該ウェブのエリアに紫外光を導くように構成されており、該画像化デバイスが、該紫外光によって照らされた該エリアの第1の画像を、該紫外光源によって照らされた画像から反射されたUV光を減衰するように配置されたカラーセンサを用いて捕捉し、該第1の画像の画像データを該画像データ処理デバイスに伝送するように構成されており、該画像データ処理デバイスは、該第1の画像が、蛍光を発する該蛍光性液着色を含むかどうかを解析するためのデバイスであり、該非紫外光源が、該紫外光源ではなく、該第1の画像を捕捉した後に該木部繊維ウェブの同エリアに非紫外光を導くように構成されており、同画像化デバイスが、該非紫外光源を用いて照らされた該エリアの少なくとも一部分の第2の画像を捕捉し、該第2の画像の画像データを該画像データ処理デバイスに伝送するようにさらに構成されており、該画像データ処理デバイスは、該第2の画像が該非蛍光性欠陥を含むかどうかを解析するためのデバイスであり、該蛍光性液着色または該非蛍光性欠陥を検出するための該画像データ処理デバイスが、捕捉した画像の強度レベルを
増大させる、前記マシンビジョンシステム。
【請求項11】
前記捕捉された画像が、1つおきに、紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、非紫外光を用いて照らされた画像である、請求項
10記載のマシンビジョンシステム。
【請求項12】
前記捕捉された画像のうちの一部の画像が、紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像が、非紫外光を用いて照らされた画像である、請求項
10記載のマシンビジョンシステム。
【請求項13】
前記カラーセンサが、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタ、又は約640~730nmの波長を通過させる赤色フィルタを有し、前記蛍光性液着色によって発せられる前記蛍光が、該緑色フィルタ又は該赤色フィルタを通過する波長に対応する、請求項
10記載のマシンビジョンシステム。
【請求項14】
前記蛍光性液着色が、蛍光マーカを液体に加えることによって製造されるか、又は該蛍光性液着色が本質的に蛍光性である、請求項
10記載のマシンビジョンシステム。
【請求項15】
前記非蛍光性欠陥が、穴、点、筋又はしわである、請求項
10記載のマシンビジョンシステム。
【請求項16】
前記非紫外光源がLEDである、請求項
10記載のマシンビジョンシステム。
【請求項17】
非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品であって、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたときに、システムに請求項1記載の方法を実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードを含む、前記コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、連続的木部繊維ウェブ(continuous wood fibre web)を画像化する方法に関する。この方法では、UV照射を使用してウェブから蛍光液を光学的に検出するためにカメラが使用される。
【0002】
本発明はさらに、連続的木部繊維ウェブを画像化するシステムに関する。このシステムは、カメラ及びUV光を備え、カメラは、UV照射を使用してウェブから蛍光液を光学的に検出するために使用される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
連続的製造工程、例えば紙、パルプ及び板紙の製造機械では、材料又は製品が絶えず形成され、連続的材料ウェブの形態で機械の中を移動する。このような製造工程では、生じ得る逸脱物(deviation)、例えば油汚れを検出し、高品質の最終製品を得るために、例えばカメラシステムなどのマシンビジョンシステムによって製品を監視しなければならない。材料ウェブは、カメラシステムを通過するときに可視光源によって照らされ、画像化デバイスによって材料ウェブの画像が捕捉される。捕捉された画像は処理ユニットによって解析される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
ここに、改良された方法及び該方法を実装する技術機器が発明された。本発明のさまざまな態様は、方法、少なくとも1つの画像化デバイスと紫外(UV)光源とを備えるマシンビジョンシステム、及びコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読媒体を含む。これらの態様の特徴を独立請求項に記載する。本発明のさまざまな実施態様を従属請求項に開示する。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、木部繊維ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、ウェブのエリアを照らすこと、照らされたエリアの少なくとも一部分の画像を、カラーフィルタを備える画像化デバイスによって捕捉すること、捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送すること、及び捕捉した画像が、カラーフィルタを通過した蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析することを含む方法が提供される。
【0006】
一実施態様によれば、該方法はさらに、紫外光源によって照らされた画像を捕捉した後に、木部繊維ウェブのエリアに非紫外光源によって非紫外光を導くことによって、ウェブのエリアを照らすこと、非紫外光によって照らされたエリアの少なくとも一部分の画像を、画像化デバイスによって捕捉すること、及び捕捉した非紫外光によって照らされた画像が非蛍光性欠陥を含むかどうかを解析することを含む。一実施態様によれば、捕捉された画像は、1つおきに、紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、非紫外光を用いて照らされた画像である。一実施態様によれば、捕捉された画像のうちの一部の画像は、紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像は、非紫外光を用いて照らされた画像である。一実施態様によれば、木部繊維ウェブは紙又は板紙ウェブである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、画像化デバイスのレンズの前に追加される。一実施態様によれば、フィルタは、画像化デバイスの一部分又は画像化デバイスの画像化センサである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、約640~730nmの波長を通過させる赤色フィルタである。一実施態様によれば、蛍光性液着色は、ウェブを製造する機械から漏れたものである。一実施態様によれば、蛍光液は、蛍光マーカを液体に加えることによって製造される。一実施態様によれば、蛍光液は本質的に蛍光性である。一実施態様によれば、蛍光液によって発せられる蛍光は、カラーフィルタを通過する波長に対応する。一実施態様によれば、該方法はさらに、捕捉した画像の強度レベルを増大させることを含む。一実施態様によれば、該方法はさらに、非蛍光性欠陥を同時に検出することを含み、非蛍光性欠陥は、穴、点、筋、又はしわである。一実施態様によれば、この方法はさらに、ウェブの端を同時に検出することを含む。一実施態様によれば、非紫外光源はLEDである。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、木部繊維ウェブから液体着色を検出するマシンビジョンシステムであって、検出される対象となる該液体着色が蛍光性であり、マシンビジョンシステムが、カラーフィルタを備える画像化デバイスと紫外光源とを備え、紫外光源が、ウェブのエリアに紫外光を導くように構成されており、画像化デバイスが、該エリアの画像を、該カラーフィルタを用いて捕捉し、捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送するように構成されており、該画像データ処理デバイスが、捕捉した画像が、カラーフィルタを通過した波長スペクトルの蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析する、マシンビジョンシステムが提供される。
【0008】
一実施態様によれば、該システムはさらに、非紫外光を導く少なくとも1つの追加光源を備え、該少なくとも1つの光源が、ウェブのエリアに非紫外光を導くように構成されており、画像化デバイスが、紫外光によって照らされた画像を捕捉した後に、非紫外光によって照らされたエリアの画像を捕捉し、捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送するように構成されており、該画像データ処理デバイスが、非蛍性光欠陥を検出するために解析する。一実施態様によれば、捕捉された画像は、1つおきに、紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、非紫外光を用いて照らされた画像である。一実施態様によれば、捕捉された画像のうちの一部の画像は、紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像は、非紫外光を用いて照らされた画像である。一実施態様によれば、木部繊維ウェブは紙又は板紙ウェブである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、画像化デバイスのレンズの前に追加される。一実施態様によれば、該カラーフィルタは、画像化デバイスの一部分若しくは画像化デバイスの画像化センサである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、約640~730nmの波長を通過させる赤色フィルタである。一実施態様によれば、蛍光性液着色は、ウェブを製造する機械から漏れたものである。一実施態様によれば、蛍光液は、蛍光マーカを液体に加えることによって製造される。一実施態様によれば、蛍光液は本質的に蛍光性である。一実施態様によれば、蛍光液によって発せられる蛍光は、該カラーフィルタを通過する波長に対応する。一実施態様によれば、画像化デバイスはさらに、捕捉した画像の強度レベルを増大させるように構成されている。一実施態様によれば、画像化デバイスはさらに、同時に非蛍光性欠陥を検出するように構成されており、非蛍光性欠陥は、穴、点、筋又はしわである。一実施態様によれば、画像化デバイスはさらに、同時にウェブの端を検出するように構成されている。一実施態様によれば、非紫外光源はLEDである。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムコードを含み、該コンピュータプログラムコードが少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたときに、該コンピュータプログラムコードによって、システムが、木部繊維ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、該ウェブのエリアを照らし、照らされたエリアの少なくとも一部分の画像を、カラーフィルタを備える画像化デバイスによって捕捉し、捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送し、該捕捉した画像が、カラーフィルタを通過した蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析する、該コンピュータプログラム製品が提供される。
【0010】
一実施態様によれば、該方法はさらに、紫外光源によって照らされた画像を捕捉した後に、木部繊維ウェブのエリアに光源によって非紫外光を導くことによって、該ウェブのエリアを照らすこと、非紫外光によって照らされたエリアの少なくとも一部分の画像を、画像化デバイスによって捕捉すること、及び捕捉した非紫外光によって照らされた画像が非蛍光性欠陥を含むかどうかを解析することを含む。一実施態様によれば、捕捉された画像は、1つおきに、紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、非紫外光を用いて照らされた画像である。一実施態様によれば、捕捉された画像のうちの一部の画像は、紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像は、非紫外光を用いて照らされた画像である。一実施態様によれば、木部繊維ウェブは紙又は板紙ウェブである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、画像化デバイスのレンズの前に追加される。一実施態様によれば、該カラーフィルタは、画像化デバイスの一部分若しくは画像化デバイスの画像化センサである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタである。一実施態様によれば、カラーフィルタは、約640~730nmの波長を通過させる赤色フィルタである。一実施態様によれば、蛍光性液着色は、ウェブを製造する機械から漏れたものである。一実施態様によれば、蛍光液は、蛍光マーカを液体に加えることによって製造される。一実施態様によれば、蛍光液は本質的に蛍光性である。一実施態様によれば、蛍光液によって発せられる蛍光は、カラーフィルタを通過する波長に対応する。一実施態様によれば、システムはさらに、捕捉した画像の強度レベルを増大させるように構成されている。一実施態様によれば、システムはさらに、同時に非蛍光性欠陥を検出するように構成されており、非蛍光性欠陥は、穴、点、筋又はしわである。一実施態様によれば、一実施態様によれば、システムはさらに、同時にウェブの端を検出するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
(図面の説明)
以下に、添付図面を参照して、本発明のさまざまな実施態様をより詳細に説明する。
【0012】
【
図1】
図1a及び
図1bは、例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムを示す。
【
図2】
図2aは、先行技術のマシンビジョンシステムによって捕捉された、ウェブの蛍光性液着色の画像を示す。
図2bは、本発明の例示的な実施態様に基づくカラーフィルタを備えるマシンビジョンシステムによって捕捉された、
図2aの蛍光性液着色の画像を示す。
図2cは、本発明の例示的な実施態様に従って画像の強度レベルを増大させた後の
図2bの蛍光性液着色の画像を示す。
【
図3】
図3aは、蛍光性液着色を含むウェブから反射されたUV光のスペクトル応答を示す。
図3bは、蛍光性液着色を含むウェブから反射され、デバイスの例示的な実施態様に基づく緑色フィルタを備える画像化デバイスによって検出されたUV光のスペクトル応答を示す。
【
図4】
図4a及び4bは、本発明の例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムを示す。
【
図5】本発明の一実施態様に基づくマシンビジョンシステムによって木部繊維ウェブから蛍光液を検出する方法の流れ図を示す。
【
図6】
図6a及び6bは、例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(例示的な実施態様の説明)
本発明は、少なくとも1つの画像化デバイスと、ことによると1つ以上の紫外(UV)光源とを備える例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムであって、UV光で照らされた木部繊維ウェブから蛍光液を検出するために使用されるマシンビジョンシステムに関する。この文脈では、用語「木部繊維」は、適当な任意の木部繊維ウェブ、例えば紙又は板紙ウェブを含む。画像化デバイスは、監視するために配置される移動体、すなわち木部繊維ウェブの画像を捕捉する目的に使用される。このマシンビジョンシステムの画像化デバイスは、例えばカメラ、例えばc-mos又はccdカメラ、マトリックススキャン若しくはラインスキャンカメラ、白黒若しくはカラーカメラ、普通の若しくはスマートカメラ、又は適当な任意のカメラとすることができる。UV光を発するUV光源は、例えばUV発光ダイオード(LED)とすることができる。このUV光源は、370~400nmの波長を有するUV光を発することが好ましい。これよりも低い周波数は、UV光源の周囲に昆虫が集まる原因となることがあり、一方これよりも高い周波数では蛍光効果が小さくなる。1つ以上のUV光源をシステムの外部光源とすることもできる。
【0014】
工場環境では、機械液体がこぼれたり漏れたりすることがある。それらを検出することが必要であり、ウェブ上の他の物体及び欠陥から区別することも必要である。さらに、液体という用語は、全ての機械液体、例えば油及び冷却液を包含する。木部繊維ウェブから液体着色を検出し、ウェブ上の他の汚損から液体着色を区別する効果的な手法は、工場の機械の中で蛍光液を使用するものである。蛍光液は、蛍光マーカ、すなわち蛍光物質を非蛍光液に加えることによって製造することができ、又は蛍光液が本質的に蛍光性であってもよい。蛍光マーカの概念は、非蛍光液を蛍光液に変化させることにある。蛍光マーカは例えばUV染料とすることができる。液体着色は、油又は他の機械液がこぼれたり又は漏れたりすることによって生じる。UV光は、液体着色中で蛍光反応を生じさせるため、液体着色を、マシンビジョンシステムの少なくとも1つの画像化デバイスによって、非蛍光性物体及び非蛍光性欠陥に対して、より明確にかつより確実に検出することができる。
【0015】
木部繊維ウェブの蛍光性液着色を検出するように構成されたマシンビジョンシステムのこの少なくとも1つの画像化デバイスは、適当でない波長を制限し、適当な波長を通過させるカラーフィルタを備えることができる。このフィルタは、捕捉した画像の中で蛍光液がウェブよりも明るく見えるように、使用する蛍光液によって発せられる蛍光に対して適したものになるように選択され、又は、使用する蛍光液が、使用するフィルタに対して適したものになるように選択される。言い換えると、このフィルタは、蛍光液によって、すなわち液体の蛍光マーカによって又は本質的に蛍光性の液体によって生成される蛍光性の発光を通過させ、一方で、他の波長、例えばウェブから反射されたUV光を減衰するように配置される。このカラーフィルタは例えば、約520~550nmの波長を通過させる基本的な緑色フィルタ、又は約630~740nmの波長を通過させる基本的な赤色フィルタとすることができる。このカラーフィルタは、画像化デバイスのレンズの前に追加することができる。このフィルタは、着色ガラス製若しくは適当な着色プラスチック製とすることができ、又は、上述のフィルタに代わって帯域通過フィルタの役目を果たすのに適した調整可能なフィルタ又は干渉フィルタとすることもできる。このフィルタは画像化デバイスに組み込むこともできる。このことは、このフィルタを、画像化デバイスの一部分又は画像化デバイスの画像化センサとすることができることを意味する。例えば、画像化デバイスのカラーセンサを使用して、センサが露光した画像から緑色以外の色を減衰することができる。このセンサは、外部緑色フィルタと同じように機能することができる。上述の任意のタイプのフィルタを、使用する蛍光液に対して特に選ばれたようなフィルタとすることができる。その場合には、通過させる/制限する波長は、使用する蛍光液の特性に応じたものとすることができる。
【0016】
通常、UV光に対して緑色の蛍光応答を有する蛍光液の蛍光ピークは500nm付近にあり、UV光に対して赤色の蛍光応答を有する蛍光液の蛍光ピークは700nm付近にある。したがって、緑色フィルタが光を通過させる(>50%)通過帯域を例えば520~550nmとすることができ、赤色フィルタが光を通過させる(>50%)通過帯域を例えば630~740nmとすることができる。言い換えると、通過帯域は、1つの波長範囲、すなわちスペクトルの特定の部分である。スペクトルの他の部分は減衰する。しかしながら、帯域通過フィルタに加えて高域通過フィルタを使用することも可能である。UV光に対して緑色の蛍光応答(約520~550nm)を有する蛍光液の場合には、このフィルタが、例えば520nmよりも高い周波数の信号を通過させることができ、UV光に対して赤色の蛍光応答(約630~740nm)を有する蛍光液の場合には、このフィルタが、例えば640nmよりも高い周波数の信号を通過させることができる。
【0017】
カラーフィルタ、例えば追加カラーフィルタ又はカラーセンサを使用して画像を捕捉すると、画像の非蛍光部分が暗くなり、画像も全体に暗くなる。したがって、捕捉した画像を検査により適したものにするために、それらの画像の強度レベルを増大させることができる。強度レベルを増大させると画像の輝度値が大きくなる。強度レベルは、例えば露光時間若しくは露光強度を増大させることによって、又は画像に利得を追加することによって増大させることができる。強度レベルを増大させると、画像のさまざまな部分、例えば蛍光着色、存在しうる非蛍光性欠陥、ウェブ及びウェブの存在しうる端がよりはっきりと見えることがあり、よりはっきりと区別され得る。
【0018】
実施態様に基づくマシンビジョンシステムは、例えば1つ以上の画像化デバイス及び1つ以上のUV灯を支持するウェブ監視ビーム内又はウェブ監視レール内に配置することができる。
【0019】
本発明はさらに、本発明の例示的な実施態様に基づく方法に関する。この方法では、紫外光が捕捉エリアを照らしている間に、1つ以上の画像化デバイスによってウェブの1つ以上の画像を捕捉し、捕捉した1つ以上の画像を画像化デバイスによって解析し、かつ/又は解析のため外部画像データ処理デバイスに伝送する。蛍光液に起因するウェブ上の明るいエリアが検出された場合、警報を発することができる。画像化デバイス及び/又は外部画像データ処理デバイスは、蛍光性液着色以外の欠点を同時に検出し、それらの欠点について警報を発するように構成することもできる。他の欠点とは、例えば穴、灰色又は黒の点、筋又はしわである。このシステムを使用して、ウェブの端を検出することもできる。
【0020】
非蛍光性欠点、すなわち非蛍光性欠陥の検出に役立てるために、1つ以上のUV灯に加えて、1つ以上の追加の非UV光源を使用することができる。これらの追加の光源は例えば通常の非UV LEDとすることができる。これらの光源は、例えば、画像が、1つおきに、UV光を用いて照らされた画像となり、1つおきに、通常の非UV光を用いて照らされた画像となるように、又は、画像が、2つおき、3つおき若しくは4つおきに、非紫外光が使用されている間に捕捉された画像となるように、又は、画像が、2つおき、3つおき若しくは4つおきに、紫外光が使用されている間に捕捉された画像となるように、交互に使用することができる。言い換えると、捕捉された画像のうちの一部の画像が、紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像が、非紫外光を用いて照らされた画像である。
【0021】
この画像化デバイスを、捕捉した画像を解析するように配置された画像データ処理デバイス部分を備えるいわゆるスマートカメラとすることができる。この画像データ処理デバイス部分は、少なくとも1つのプロセッサと、1つ以上のプログラム単位のためのコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、トリガ信号又は捕捉した画像データを無線で又は有線接続を介して転送する手段、例えば送信機又はトランシーバとを備えることができる。多数のプロセッサ、例えば汎用プロセッサ及びグラフィックプロセッサ及びDSPプロセッサ、並びに/又は多数の異なるメモリ、例えばデータ及びプログラムを実行時に記憶する揮発性メモリ、データ及びプログラムを恒久的に記憶するハードディスクのような不揮発性メモリがあり得る。画像化デバイスの画像データ処理デバイス部分は、画像データを取り扱うのに適したコンピュータなど、任意のコンピューティングデバイスとすることができる。この画像化デバイスはさらに、コンピュータアクセサリを用いてユーザに対して生成することができる信号を生成するビデオコントローラ及びオーディオコントローラを含むことができる。このスマートカメラは、出力手段を通してユーザへの出力を生成する。このビデオコントローラをディスプレイに接続することができる。ディスプレイは、例えばフラットパネルディスプレイ又はプロジェクタとすることができる。オーディオコントローラは、スピーカ、イヤホンなどの音源に接続することができる。
【0022】
外部画像データ処理デバイスは、本発明の実施態様に基づくマシンビジョンシステムの一部分とすることができる。この外部画像データ処理デバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、1つ以上のプログラム単位のためのコンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、無線で又は有線接続を介して画像データを受け取る手段、例えば受信機又はトランシーバと、トリガ信号又は捕捉した画像データを無線で又は有線接続を介して転送する手段、例えば送信機又はトランシーバとを備えることができる。多数のプロセッサ、例えば汎用プロセッサ及びグラフィックプロセッサ及びDSPプロセッサ、並びに/又は多数の異なるメモリ、例えばデータ及びプログラムを実行時に記憶する揮発性メモリ、データ及びプログラムを恒久的に記憶するハードディスクのような不揮発性メモリがあり得る。この画像データ処理デバイスは、コンピュータなどの画像データを取り扱うのに適した、任意のコンピューティングデバイスとすることができる。カメラと画像データ処理デバイスとの間の接続は、有線又は無線ネットワークとすることができる。この画像データ処理デバイスはさらに、コンピュータアクセサリを用いてユーザに対して生成することができる信号を生成するビデオコントローラ及びオーディオコントローラを含むことができる。このビデオコントローラをディスプレイに接続することができる。ディスプレイは、例えばフラットパネルディスプレイ又はプロジェクタとすることができる。オーディオコントローラは、スピーカ、イヤホンなどの音源に接続することができる。
【0023】
画像データ処理デバイス部分及び/又は外部画像データ処理デバイスは、受け取った画像データを解析し、蛍光性液着色を検出した場合に、該液着色について知らせる警報を発することができる。
【0024】
図1a及び1bは、本発明の例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムを示す。
図1aのマシンビジョンシステム10は、フィルタ(図示せず)を備える画像化デバイス11と、UV光源12と、外部画像データ処理デバイス13とを備える。この例示的な実施態様には、1つの画像化デバイス11及び1つのUV光源12だけ備えるが、2つ以上の画像化デバイス11及び/又はUV光源12を備えることも可能である。UV光源12は、ウェブ14のエリアを照らす。この例示的な実施態様では、このエリアが蛍光性液着色Aを含む。画像化デバイス11は、UVによって照らされたウェブ14のエリアからフィルタを通して画像を捕捉するように配置されている。このフィルタは、画像化デバイス11のレンズの前の追加カラーフィルタ、例えば使用する蛍光液に応じて緑色フィルタ若しくは赤色フィルタとすることができ、又は、例えば緑色以外の色若しくは赤色以外の色を画像から減衰する、画像化デバイス11のカラーセンサとすることもできる。カラーセンサ又はカラーフィルタを用いて捕捉した画像の強度レベルを、例えば露光量を増やすことによって又は画像にゲインを加えることによって増大させることができる。少なくとも1つの画像を捕捉した後、画像化デバイス1
1は、画像データを、外部画像データ処理デバイス13に伝送する。外部画像データ処理デバイス13は、蛍光性液着色を見つけるために、受け取った画像データを解析するように構成されている。蛍光性液着色を検出した場合、外部画像データ処理デバイス13は警報を発することができる。同時に蛍光性液着色以外の欠点を検出し、それらについて警報を発するように、外部画像データ処理デバイス13を構成することもできる。
【0025】
図1bのマシンビジョンシステム15は、統合画像データ処理デバイス17及びフィルタ(図示せず)を備える画像化デバイス16と、UV光源1
2とを備える。この例示的な実施態様には、1つの画像化デバイス16及び1つのUV光源1
2だけがあるが、2つ以上の画像化デバイス16及び/又はUV光源1
2があることも可能である。UV光源1
2は、ウェブ19のエリアを照らす。この例では、このエリアが蛍光性液着色Aを含む。画像化デバイス16は、UVによって照らされたウェブ19のこのエリアからフィルタを通して画像を捕捉するように配置されている。このフィルタは、画像化デバイス16のレンズの前の追加カラーフィルタ、例えば使用する蛍光液に応じて緑色フィルタ若しくは赤色フィルタとすることができ、又は、例えば緑色以外の色若しくは赤色以外の色を画像から減衰する、画像化デバイス16のカラーセンサとすることもできる。カラーセンサ又はカラーフィルタを用いて捕捉した画像の強度レベルを、例えば露光量を増やすことによって又は画像にゲインを加えることによって増大させることができる。画像化デバイス16は、少なくとも1つの画像を捕捉した後、画像データを、統合処理デバイス17に伝送する。統合処理デバイス17は、蛍光性液着色を見つけるために、その画像データを解析するように構成されている。統合処理デバイス17は、蛍光性液着色を検出した場合、が警報を発することができる。統合処理デバイス17は、同時に蛍光性液着色以外の欠点を検出し、それらについて警報を発するように構成することもできる。
【0026】
図1a及び1bは、UV光源1
2によって発せられたUV光も示している。発せられたUV光がどのように画像化デバイス11、16に反射するのかも示されている。
【0027】
図2aは、既存のマシンビジョンシステムによって捕捉された木部繊維ウェブ22の蛍光性液着色20及び非蛍光性着色21の画像を示しており、2bは、本発明の例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムの画像化デバイスによって捕捉されたウェブ23の同じ蛍光性液着色20の画像を示している。
図2aは、カラーフィルタを持たない画像化デバイス、例えば追加の緑色フィルタ若しくは追加の赤色フィルタ又は緑色以外の色若しくは赤色以外の色を画像から減衰するカラーセンサを持たない画像化デバイスによって捕捉された画像である。一方、
図2bは、追加の緑色フィルタ又は緑色以外の色を画像から減衰するカラーセンサのいずれかを備える画像化デバイスによって捕捉された画像である。加えて、機械の中で使用される蛍光液は、緑色波長のスペクトルに含まれる520~550nmの間の蛍光を発するように選択されている。
図2bから分かるように、このカラーフィルタ又はカラーセンサを使用すると、画像の非蛍光部分が暗くなり、画像も全体に暗くなる。したがって、ウェブ22のような画像の部分、この図ではウェブよりも明るい蛍光性液着色20及び非蛍光性着色21を検出及び区別することはより難しくなり得る。
【0028】
しかしながら、例えばウェブ22が
図2aの場合とほぼ同じ輝度となるように、捕捉した画像の強度レベルを増大させることができる。
図2cは、強度レベルを増大させた後の
図2bの画像を示している。この画像から分かるように、追加の緑色フィルタ又は適当なカラーセンサを使用すると、蛍光性液着色20と非蛍光性着色21の間のコントラスト又は該液着色20とウェブ22の間のコントラストが大幅に増大し、非蛍光性着色21又はウェブ22に比べて該液着色20の明るさが増大する。
【0029】
図3aは、蛍光性液着色を含むウェブから反射されたUV光のスペクトル応答30を示す。光強度が、光の波長の関数として示されている。この例では、緑色波長のスペクトルに含まれる520~550nmの間の蛍光を発するように蛍光液が選択されている。
図3aから分かるように、400nm付近に第1の強度ピーク31があり、このピークは、画像化ターゲット、例えばウェブの表面から反射されたUV光に起因する。一方、ウェブに存在する蛍光性液着色によって発せられた蛍光のピーク32はおよそ520~550nmのところにある。スペクトル応答30からこの第1のピーク31を除去するためフィルタを使用する。このフィルタは、画像化の前の追加の緑色フィルタ、又は緑色以外の色を減衰するカラーセンサとすることができる。蛍光性液着色によって発せられた蛍光ピーク32がウェブよりも明るく見えることを保証するため、この第1の強度ピーク31を除去することが好ましい。このフィルタの通過帯域33は例えば520~550nmとすることができる。適当なフィルタは例えばフィルタの通過帯域の光の50%超を通過させる。スペクトルの他の部分は減衰する。第2のピーク32は通過帯域33に含まれており、したがって画像化デバイスには第2のピーク32がはっきりと見える。
【0030】
図3bは、画像化デバイスの例示的な実施態様に基づく緑色フィルタを備える画像化デバイスによって検出されたUV光のスペクトル応答35を示す。この例でも、蛍光液は、520~550nmの間の蛍光を発するように選択されている。この図では、第1の強度ピーク31がフィルタによって減衰されており、蛍光液によって発せられたおよそ520~550nmの蛍光ピーク32だけが通過している。
【0031】
図4aは、本発明の例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステム40を示す。マシンビジョンシステム40は画像化デバイス41を備え、画像化デバイス41は、画像化デバイス41の画像化センサ43の前に追加のカラーフィルタ42を有する。すなわち、追加のフィルタ42は、画像化センサ43と画像化ターゲット44との間に、画像化ターゲット44から反射されたUV光45を減衰するように配置されている。
【0032】
図4bは、本発明の例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステム46を示す。マシンビジョンシステム46は、画像化センサ48を有する画像化デバイス47を備える。画像化センサ48は、フィルタとしてカラーセンサを備え、このカラーセンサは、画像化ターゲット44から反射されたUV光45の緑色以外の色を減衰するように配置されている。
【0033】
図5は、本発明の一実施態様に基づくマシンビジョンシステムによって木部繊維ウェブから蛍光液を検出する方法50の流れ図を示す。工程51で、木部繊維ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、ウェブのエリアを照らす。工程52で、照らされたエリアの少なくとも一部分の画像を、カラーフィルタを備える画像化デバイスによって捕捉する。工程53で、捕捉した画像が、カラーフィルタを通過した蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを検出するために、捕捉した画像を解析する。
【0034】
図6a及び6bは、本発明の例示的な実施態様に基づくマシンビジョンシステムを示す。
図6aのマシンビジョンシステム60は、フィルタ(図示せず)を備える画像化デバイス61と、UV光源
12と、非UV光源62bと、外部画像データ処理デバイス63とを備える。光源
12、62bは、ウェブ64のエリアを照らすように配置されている。光源
12、62bは、捕捉された画像が、1つおきに、UV光を用いて照らされた画像となり、1つおきに、通常の非UV光を用いて照らされた画像となるように、交互に使用される。画像化デバイス61は、異なる照射を用いて同じエリアの2つの画像を撮影することができる。すなわち、エリアの第1の画像はUV光を用いて捕捉され、同じエリアの第2の画像は非UV光を用いて捕捉され、又は、エリアの第1の画像は非UV光を用いて捕捉され、同じエリアの第2の画像はUV光を用いて捕捉される。
【0035】
図6aでは、ウェブがUV光源
12によって照らされており、
図6bでは、ウェブが非UV光源62bによって照らされている。
図6aはさらに、UV光源
12によって発せられたUV光を示しており、
図6bはさらに、非UV光源62bによって発せられた非UV光を示している。また、発せられたUV光及び非UV光がどのように画像化デバイス61に反射するのかも示されている。
【0036】
これらの例示的な実施態様には、1つの画像化デバイス61、1つのUV光源62及び1つの非UV光源62bだけを備えるが、2つ以上の画像化デバイス61及び/又はUV光源12及び/又は非UV光源62bを備えることも可能である。この例示的な実施態様では、エリアが非蛍光性液着色Aを含む。画像化デバイス60は、画像を捕捉した後、画像データを外部画像データ処理デバイス63に伝送する。外部画像データ処理デバイス63は、UV光源12によって照らされた画像の蛍光性液着色を見つけるため、及び非UV光源62bによって照らされた画像の非蛍光性の逸脱物を見つけるために、受け取った画像データを解析するように構成されている。蛍光性液着色又は他の逸脱物を検出した場合、外部画像データ処理デバイス63は警報を発することができる。外部画像データ処理デバイス63は、UV光源12によって照らされた画像の蛍光性液着色以外の欠点を検出し、非UV光源62bによって照らされた画像の蛍光性液着色を検出するように、及びそれらについて警報を発するように構成することもできる。
【0037】
外部画像データ処理デバイス63の代わりに、マシンビジョンシステム60が、蛍光性液着色及び非蛍光性欠陥を見つけるために画像データを解析するように構成された統合画像データ処理デバイスを備えてもよい。
【0038】
メモリ内に常駐し、装置に本発明を実施させるコンピュータプログラムコードの助けを借りて、本発明のさまざまな実施態様を実装することができる。例えば、コンピューティングデバイス、例えば画像データ処理デバイスであるこの装置は、データを解析、受信及び送信するための回路及び電子部品と、メモリ内のコンピュータプログラムコードと、コンピュータプログラムコードを実行したときに例示的な実施態様の諸特徴をこの装置に実施させるプロセッサとを備えることができる。このプロセッサは、コンピュータプログラムコードを実行したときに、以下の方法の全ての工程を実施することができる:ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、ウェブのエリアを照らす工程、照らされたエリアの少なくとも一部分の画像を、カラーフィルタ、例えば緑色フィルタ又は赤色フィルタを備える画像化デバイスによって捕捉する工程、捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送する工程、及び捕捉した画像が、カラーフィルタを通過した蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析する工程。
【産業上の利用可能性】
【0039】
既存のマシンビジョンシステムが液体着色を検出するときの方法及びシステムに比べて、本発明は相当な利点を達成する。本発明の例示的な実施態様に基づく配置によって、1つ以上の画像化デバイス及び1つ以上のUV光源を使用して、蛍光マーカを含む液体着色を確実に検出することが可能である。最終製品の高い品質を保証するためには、液体で汚染された製品が製造工程から除かれることが重要である。加えて、蛍光マーカを液体の中で使用すると、液体着色を、ウェブ中の他の欠点からよりはっきりと区別することができ、捜すべき漏れを生じている機械があることが分かる。上で説明したとおり、液体汚れを検出する効果的な手法は、蛍光マーカを機械の液体に加え、又は本質的に蛍光性の液体を機械に使用すること、及び、1つ以上のUV光源がウェブを照らすときにUV光の波長を減衰する統合カラーフィルタ又は追加のカラーフィルタを備える1つ以上の画像化デバイスによって、これらの機械の中を通る又はこれらの機械の近くを通る木部繊維ウェブを監視することである。このフィルタは、使用する蛍光液によって発せられる波長スペクトルに基づいて選択される。蛍光性液着色を検出する前に、捕捉した画像の強度レベルを増大させることができる。
【0040】
本発明は、上に提示した実施態様だけに限定されないこと、及び添付の特許請求の範囲内において本発明を変更することができることは明白である。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
機械の機械液体漏れによって生じた蛍光性液着色を木部繊維ウェブから検出する方法であって、
該木部繊維ウェブを製造する該機械の中で蛍光液を使用すること;
該木部繊維ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、該ウェブのエリアを照らすこと;
該紫外光によって照らされた該エリアの少なくとも一部分の画像を、帯域通過カラーフィルタを備える画像化デバイスによって捕捉すること;
該捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送すること;及び
該捕捉した画像が、該カラーフィルタを通過した蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析し、同時に非蛍光性欠陥を検出すること
を含む、前記方法。
(構成2)
前記紫外光源によって照らされた前記画像を捕捉した後に、前記木部繊維ウェブの前記エリアに非紫外光源によって非紫外光を導くことによって、該ウェブの該エリアを照らすこと;
該非紫外光によって照らされた該エリアの少なくとも一部分の画像を、前記画像化デバイスによって捕捉すること;及び
該捕捉した該非紫外光によって照らされた該画像が非蛍光性欠陥を含むかどうかを解析すること
をさらに含む、構成1記載の方法。
(構成3)
前記捕捉された画像が、1つおきに、前記紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、前記非紫外光を用いて照らされた画像である、構成1又は2記載の方法。
(構成4)
前記捕捉された画像のうちの一部の画像が、前記紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像が、前記非紫外光を用いて照らされた画像である、構成1又は2記載の方法。
(構成5)
前記木部繊維ウェブが紙又は板紙ウェブである、構成1から4のいずれか一項記載の方法。
(構成6)
前記カラーフィルタが、画像化デバイスのレンズの前に追加される、構成1から5のいずれか一項に記載の方法。
(構成7)
前記カラ―フィルタが、前記画像化デバイスの一部分又は該画像化デバイスの画像化センサである、構成1から5のいずれか一項に記載の方法。
(構成8)
前記カラーフィルタが、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタ又は約640~730nmの波長を通過させる赤色フィルタである、構成1から7のいずれか一項に記載の方法。
(構成9)
前記蛍光液が、蛍光マーカを液体に加えることによって製造される、構成1から8のいずれか一項に記載の方法。
(構成10)
前記蛍光液が本質的に蛍光性である、構成1から8のいずれか一項に記載の方法。
(構成11)
前記蛍光液によって発せられる前記蛍光が、前記カラーフィルタを通過する波長に対応する、構成1から10のいずれか一項に記載の方法。
(構成12)
前記捕捉した画像の強度レベルを増大させることをさらに含む、構成1から11のいずれか一項に記載の方法。
(構成13)
前記非蛍光性欠陥が、穴、点、筋又はしわである、構成1から12のいずれか一項に記載の方法。
(構成14)
前記ウェブの端を同時に検出することをさらに含む、構成1から13のいずれか一項に記載の方法。
(構成15)
前記非紫外光源がLEDである、構成2から14のいずれか一項に記載の方法。
(構成16)
木部繊維ウェブから液体着色を検出するマシンビジョンシステムであって、検出される対象となる該液体着色が蛍光性であり、蛍光液を使用して該木部繊維ウェブを製造する機械から漏れたものであり、該マシンビジョンシステムが、帯域通過カラーフィルタを備える画像化デバイスと紫外光源とを備え、該紫外光源が、該ウェブのエリアに紫外光を導くように構成されており、該画像化デバイスが、該紫外光によって照らされた該エリアの画像を該カラ―フィルタを用いて捕捉し、該捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送するように構成されており、該画像データ処理デバイスは、該捕捉した画像が、該カラーフィルタを通過した波長スペクトルの蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析し、同時に非蛍光性欠陥を検出するためのデバイスである、前記マシンビジョンシステム。
(構成17)
非紫外光を導く少なくとも1つの追加光源をさらに備え、該少なくとも1つの光源が、前記ウェブのエリアに非紫外光を導くように構成されており、前記画像化デバイスが、前記紫外光によって照らされた前記画像を捕捉した後に、該非紫外光によって照らされた該エリアの画像を捕捉し、該捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送するように構成されており、該画像データ処理デバイスは、非蛍光性欠陥を検出するために解析するためのデバイスである、構成16記載のマシンビジョンシステム。
(構成18)
前記捕捉された画像が、1つおきに、紫外光を用いて照らされた画像であり、1つおきに、非紫外光を用いて照らされた画像である、構成16又は17記載のマシンビジョンシステム。
(構成19)
前記捕捉された画像のうちの一部の画像が、紫外光を用いて照らされた画像であり、残りの画像が、非紫外光を用いて照らされた画像である、構成16又は17記載のマシンビジョンシステム。
(構成20)
木部繊維ウェブが紙又は板紙ウェブである、構成16から19のいずかに記載のマシンビジョンシステム。
(構成21)
前記カラーフィルタが、画像化デバイスのレンズの前に追加されるか、又は該カラ―フィルタが、該画像化デバイスの一部分若しくは該画像化デバイスの画像化センサである、構成16から20のいずかに記載のマシンビジョンシステム。
(構成22)
前記カラーフィルタが、約520~550nmの波長を通過させる緑色フィルタである、構成16から21のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成23)
前記蛍光液が、蛍光マーカを液体に加えることによって製造される、構成16から22のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成24)
前記蛍光液が本質的に蛍光性である、構成16から23のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成25)
前記蛍光液によって発せられる前記蛍光が、前記カラーフィルタを通過する波長に対応する、構成16から24のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成26)
前記画像化デバイスがさらに、前記捕捉した画像の強度レベルを増大させるように構成された、構成16から25のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成27)
前記非蛍光性欠陥が、穴、点、筋又はしわである、構成16から26のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成28)
前記画像化デバイスがさらに、同時に前記ウェブの端を検出するように構成された、構成16から27のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成29)
前記非紫外光源がLEDである、構成17から28のいずれか一項に記載のマシンビジョンシステム。
(構成30)
非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品であって、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されたときに、システムに方法を実行させるように構成されたコンピュータプログラムコードを含み、該方法が、
木部繊維ウェブのエリアに紫外光源によって紫外光を導くことによって、該ウェブのエリアを照らすこと;
該UVによって照らされた該エリアの少なくとも一部分の画像を、帯域通過を備える画像化デバイスによって捕捉すること;
該捕捉した画像の画像データを画像データ処理デバイスに伝送すること;
該捕捉した画像が、カラーフィルタを通過した蛍光を発する蛍光性液着色を含むかどうかを解析し、同時に非蛍光性欠陥を検出すること
を含む、前記コンピュータプログラム製品。
(構成31)
前記システムに、構成3から15のいずれか一項に記載の方法をさらに実行させる、構成30に記載のコンピュータプログラム製品。