(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】シートサイドテーブル
(51)【国際特許分類】
B60N 3/00 20060101AFI20220830BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20220830BHJP
B60R 7/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
B60N3/00 A
B60N3/00 Z
A47C7/62 A
A47C7/62 B
B60R7/04 S
(21)【出願番号】P 2019022046
(22)【出願日】2019-02-08
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】309018445
【氏名又は名称】明和工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石城 光芳
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大滋
(72)【発明者】
【氏名】荻原 明広
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-214798(JP,A)
【文献】特表平02-504118(JP,A)
【文献】特開平11-334442(JP,A)
【文献】実開平01-170046(JP,U)
【文献】特開2003-312375(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0312198(US,A1)
【文献】特開2001-055091(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00
A47C 7/62
B60R 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用シートの側部に固定された基部であって、上方に向けて開口した収容部が設けられた基部と、
展開位置と格納位置の間で回動可能に前記基部に装着された天板で
あって、前記基部が嵌まる切り込み部が設けられている天板と、
を有する、シートサイドテーブル。
【請求項2】
車両用シートの側部に固定された基部であって、上方に向けて開口した収容部が設けられた基部と、
展開位置と格納位置の間で回動可能に前記基部に装着された天板と、
を有
し、
前記基部の、シートの幅方向において外側の側面は、当該側面に対向する前記天板の側縁の天板回動時の軌跡に沿った形状を有する、
シートサイドテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のシート側部に装着されたシートサイドテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
車両のシートの側部に、展開および格納可能に設けられ、展開時に小物を載置できるシートサイドテーブルが知られている。下記特許文献1には、車両用シート(1)の側部配置されたテーブル(10)が示されている。テーブル(10)は、車両用シート(1)から側方に水平方向に延びる展開状態と、車両用シート(1)の側部に沿って垂下された格納状態との間で回動可能である。テーブル(10)には、カップホルダ(11)および小物置き(12)が設けられ、展開されたときには、飲料用のカップや小物を収容または載置することができる。なお、上記の( )内の符号は、下記特許文献1で用いられている符号であり、本願の実施形態の説明で用いられる符号とは関連しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シートサイドテーブルにおいて、格納状態であっても、小物を収容したいという要望がある。
【0005】
本発明は、格納状態においても小物を収容可能なシートサイドテーブルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るシートサイドテーブルは、車両用シートの側部に固定された基部であって、上方に向けて開口した収容部が設けられた基部と、展開位置と格納位置の間で回動可能に基部に装着された天板とを有する。基部は車両様シートの側部に固定されているため、その収容部の開口は天板の位置にかかわらず常に上方を向く。
【0007】
天板には、基部が嵌まる切り込み部を設けることができる。基部と切り込み部が嵌まり合うことにより、天板を展開したときにシートサイドテーブルが平面視において全体として略長方形となる。
【0008】
基部の、シートの幅方向において外側の側面は、当該側面に対向する天板の側縁の天板回動時の軌跡に沿った形状を有するものとすることができる。これにより、基部の外側の側面と天板の側縁の隙間の変化を抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
車両用シートの側部に固定された基部に収容部を設けることにより、天板を格納位置としたときも、基部の収容部に小物を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】シートサイドテーブルを備えた車両用シートを示す斜視図である。
【
図2】展開状態のシートサイドテーブルを示す斜視図である。
【
図3】格納状態のシートサイドテーブルを示す斜視図である。
【
図4】シートサイドテーブルの、前後方向に直交する断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は、車両用シート10を示す斜視図である。以下の説明において、特段の断りがない限り、前後左右上下等の方向および向きを表す語句は、車両用シート10に着座した乗員(以下、着座者と記す。)に関する方向および向きを表す。また、車両用シート10の左右方向(幅方向)において、前後方向に延びる中心線に近い側を幅方向内側、遠い側を幅方向外側と記す。各図において、矢印FRの向きが前方、矢印UPの向きが上方、矢印LHの向きが左方、矢印OUTの向きが幅方向外側である。
【0012】
車両用シート10は、3列のシートを備えた自動車の2列目のシート、特に進行方向右側のシートである。3列シートの自動車においては、2列目の左右のシートの間を通って3列目に乗り込むタイプのものがある。この場合、2列目の左右のシートの間は通路を確保するために開けられている。車両用シート10は、3列目の乗降時以外のときに、シート間の空間を有効利用するために、格納可能なシートサイドテーブル12をシートクッション14の側部に備えている。
【0013】
シートサイドテーブル12は、車両用シート10、特にシートクッション14に固定された基部16と、基部16に装着され、展開位置と格納位置の間で回動可能な天板18とを有する。
図1において、展開位置にある天板18が実線で示され、格納位置にある天板の概形が一点鎖線で示されている。天板18は、展開位置において、シートクッション14の側部から幅方向外側に水平方向に延びるように配置される。天板18は、基部16を貫き、前後方向に延びる軸線周りに回動可能であり、展開位置から図中の矢印Aの向きに約90°回動させると、格納位置となる。
【0014】
図2から
図4は、シートサイドテーブル12を単体で示す図であり、
図2は天板18が展開位置にある展開状態を、
図3は天板18が格納位置にある格納状態を示す図である。
図4は、シートサイドテーブル12の、前後方向に対して直交する断面による端面図である。
【0015】
基部16は、平面視において略長方形であり、上面から下向きに窪んだ凹部が設けられている。この凹部は、上方に向けて開口した収容部20を形成し、スマートフォンなどの小物を収容することができる。また、基部16の上面には、通信および給電用のケーブルを接続するレセプタクル、例えばUSBポート22が設けられている。
【0016】
天板18は、基部16を前後方向に貫く軸線24の周りを回動可能に、基部16に装着されている。天板18には、展開位置にあるとき幅方向内側の辺縁に略長方形の切り込み部26が形成されている。この切り込み部26と基部16が嵌まり合い、展開状態において、シートサイドテーブル12は、平面視したとき全体として略長方形となっている。また、格納状態においては、天板18が、基部16の幅方向外側の端面と面一になってよく、または端面より内側に収まってもよい。
【0017】
天板18の前後方向において中央部に上面が平らな平板部28が設けられ、前端部および後端部にそれぞれカップホルダ30が設けられている。平板部28は、
図4に示されるように厚みの薄い板材で形成されている。前後方向において平板部28の寸法は、基部16と同じか、それより長く、基部16の幅方向外側の側面32は、前後方向の全体にわたって平板部28に対向している。以下、この側面32を基部外側側面32と記す。また、基部外側側面32に対向する天板18の側縁を基部対向天板側縁34と記す。カップホルダ30は、天板18の、展開位置における上面から窪んで形成され、この窪みに飲料用のカップやびん、缶の底部が入れられ、カップ等が保持される。
【0018】
基部外側側面32は、天板18が回動するときの基部対向天板側縁34の軌跡に沿った形状を有する。基部対向天板側縁34が直線形状であれば、基部外側側面32は、天板18の回動の軸線24を軸とする円筒面の一部となる。このような形状とすることにより、天板18の回動中、基部外側側面32と基部対向天板側縁34の隙間は一定に保たれる。基部外側側面32と基部対向天板側縁34の隙間を狭く設定すれば、天板18の回動中、指や他の物品がこの隙間に挟まれにくくなる。
【0019】
シートサイドテーブル12の基部16は、車両用シート10に固定されているので、天板18が回動しても動かない。よって、基部16の収容部20は、天板18を回動させて格納しても、上方に向けて開口した状態が維持され、収容部20に小物を収容可能である。また、乗降のために展開位置にある天板18を格納する必要が生じたとき、収容部20に収容された小物はそのままで天板18を格納することができる。
【0020】
カップホルダを備えたシートサイドテーブルは、カップを保持するためにある程度の厚さを有している。よって、シートサイドテーブルを格納した場合であっても、シートクッションよりも幅方向外側にその厚み分だけ張り出している。このシートサイドテーブル12にあっては、張り出したスペースを収容部20として有効に活用することができる。
【0021】
シートサイドテーブルは、車両の進行方向左側のシートに設けることができる。この場合、シートサイドテーブルは、上述のシートサイドテーブル12と左右対称の形状を有し、シートの右側部に配置される。
【符号の説明】
【0022】
10 車両用シート、12 シートサイドテーブル、14 シートクッション、16 基部、18 天板、20 収容部、22 USBポート、24 軸線、26 切り込み部、28 平板部、30 カップホルダ、32 基部外側側面、34 基部対向天板側縁。