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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】防水シートの敷設方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 1/00 20060101AFI20220830BHJP
   E02D 5/18 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
B09B1/00 F
E02D5/18 102
E02D5/18 103
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019077324
(22)【出願日】2019-04-15
(65)【公開番号】P2020175314
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】安永 正道
(72)【発明者】
【氏名】若林 秀樹
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-336099(JP,A)
【文献】特開平04-272326(JP,A)
【文献】特開平03-270775(JP,A)
【文献】特開2013-252497(JP,A)
【文献】特開昭63-184609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00
E02D 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、前記地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法であって、
前記地中連続壁の構築及び前記内部空間の形成に先立って地中を鉛直方向に掘削することで地中に掘削溝を形成する掘削溝形成工程と、
鉄筋籠の一側を覆うように側部防水シートを前記鉄筋籠に取り付ける側部防水シート取付工程と、
前記側部防水シートが取り付けられた前記鉄筋籠を前記掘削溝内に挿入する鉄筋籠挿入工程と、
前記側部防水シート及び前記鉄筋籠が挿入された前記掘削溝内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の前記地中連続壁を構築する地中連続壁構築工程と、
構築された前記地中連続壁によって囲まれた地中を掘削することで前記内部空間を形成する内部空間形成工程と、
を含み、
前記鉄筋籠挿入工程では、前記鉄筋籠に取り付けられた前記側部防水シートが前記地中連続壁構築工程の後に前記地中連続壁の内周面に位置するように前記鉄筋籠を前記掘削溝内に挿入し、
前記側部防水シート取付工程では、前記鉄筋籠の一側に設けられて鉛直方向に延びるガイドレールに前記側部防水シートを取り付けることで、前記側部防水シートを前記ガイドレールを介して前記鉄筋籠に取り付け、
前記方法は、
前記地中連続壁構築工程の後に前記ガイドレールの上端部に下降装置を配置する下降装置セッティング工程と、
前記下降装置セッティング工程の後に底部防水シートの外縁部を前記下降装置に取り付ける底部防水シート取付工程と、
前記内部空間形成工程の後、かつ、前記底部防水シート取付工程の後に、前記下降装置を前記ガイドレールにより案内しつつ前記ガイドレールの上端部から下端部まで下降させることで前記底部防水シートを前記廃棄物処分場の前記底部まで下降させる底部防水シート下降工程と、
を更に含む、防水シートの敷設方法。
【請求項2】
前記地中連続壁は、その周方向に交互に並ぶ先行エレメント及び後行エレメントを含んで構成され、
前記防水シートの敷設方法は、互いに隣り合う先行エレメント及び後行エレメントの端部同士が接続された接続部を前記内部空間側から覆うように接続部防水シートを設置する接続部防水シート設置工程を更に含む、請求項1に記載の防水シートの敷設方法。
【請求項3】
前記接続部防水シート設置工程は、前記底部防水シート下降工程の後に実施され、
前記接続部防水シート設置工程は、前記接続部防水シートの下端部が前記廃棄物処分場の前記底部に到達するまで前記接続部防水シートを前記ガイドレールにより案内しつつ下降させることを含む、請求項2に記載の防水シートの敷設方法。
【請求項4】
前記底部防水シート下降工程の後、かつ、前記接続部防水シート設置工程の後に、前記底部防水シートの外縁部と前記側部防水シートの下端部と前記接続部防水シートの下端部とを覆うように押さえコンクリートを打設する押さえコンクリート打設工程を更に含む、請求項2又は請求項3に記載の防水シートの敷設方法。
【請求項5】
前記側部防水シート取付工程は、前記側部防水シートにおける前記鉄筋籠に相対する側と反対の側の表面を防護するためのシート部材を前記鉄筋籠に取り付けることを含む、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の防水シートの敷設方法。
【請求項6】
廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、前記地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法であって、
前記地中連続壁の構築及び前記内部空間の形成に先立って地中を鉛直方向に掘削することで地中に掘削溝を形成する掘削溝形成工程と、
鉄筋籠の一側を覆うように側部防水シートを前記鉄筋籠に取り付ける側部防水シート取付工程と、
前記側部防水シートが取り付けられた前記鉄筋籠を前記掘削溝内に挿入する鉄筋籠挿入工程と、
前記側部防水シート及び前記鉄筋籠が挿入された前記掘削溝内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の前記地中連続壁を構築する地中連続壁構築工程と、
構築された前記地中連続壁によって囲まれた地中を掘削することで前記内部空間を形成する内部空間形成工程と、
を含み、
前記鉄筋籠挿入工程では、前記鉄筋籠に取り付けられた前記側部防水シートが前記地中連続壁構築工程の後に前記地中連続壁の内周面に位置するように前記鉄筋籠を前記掘削溝内に挿入し、
前記側部防水シート取付工程は、前記側部防水シートにおける前記鉄筋籠に相対する側と反対の側の表面を防護するためのシート部材を前記鉄筋籠に取り付けることを含む、防水シートの敷設方法。
【請求項7】
廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、前記地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法であって、
前記地中連続壁の周方向に間隔を空けて前記地中連続壁の内周面に設けられて鉛直方向に延びる複数のガイドレールの各々の上端部に下降装置を配置する下降装置セッティング工程と、
前記下降装置セッティング工程の後に底部防水シートの外縁部を前記下降装置に取り付ける底部防水シート取付工程と、
前記底部防水シートが取り付けられた前記下降装置を前記ガイドレールにより案内しつつ前記ガイドレールの上端部から下端部まで下降させることで前記底部防水シートを前記廃棄物処分場の前記底部まで下降させる底部防水シート下降工程と、
を含む、防水シートの敷設方法。
【請求項8】
前記下降装置セッティング工程に先立って前記地中連続壁の内周面に側部防水シートが敷設されており、
前記防水シートの敷設方法は、前記底部防水シート下降工程の後に、前記底部防水シートの外縁部と前記側部防水シートの下端部とを覆うように押さえコンクリートを打設する押さえコンクリート打設工程を更に含む、請求項7に記載の防水シートの敷設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を埋立処分するための廃棄物処分場(最終処分場)内に防水シートを敷設する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分類され、一般廃棄物は、生ごみ、破砕ごみ、焼却灰などの形状で、地方自治体が準備する一般廃棄物最終処分場に埋立処分される。一般廃棄物最終処分場の形態としては、(1)陸上処分場、海面(内水面)処分場、(2)平面処分場、深型処分場、(3)屋根無し(オープン型)、屋根付き(クローズドシステム)に分けられる。いずれも、法規上は管理型廃棄物処分場に相当する。
【0003】
従来、海面(内水面)処分場内に遮水シートを敷設するための種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-066493号公報
【文献】特開2002-126683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に開示のような遮水シート敷設技術は、水深10m程度の海面処分場に用いられ得る。しかしながら、水深30~50m程度の深型・内水面処分場内に防水シートを敷設するに際して、特許文献1,2に開示のような遮水シート敷設技術を用いることが難しかった。つまり、現時点で、深型・内水面処分場内に防水シートを敷設する好適な手法が確立されていない。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑み、深型・内水面処分場内に防水シートを敷設するための好適な手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため本発明の第1及び第2態様における防水シートの敷設方法は、廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法である。本発明の第1及び第2態様における防水シートの敷設方法は、地中連続壁の構築及び内部空間の形成に先立って地中を鉛直方向に掘削することで地中に掘削溝を形成する掘削溝形成工程と、鉄筋籠の一側を覆うように側部防水シートを鉄筋籠に取り付ける側部防水シート取付工程と、側部防水シートが取り付けられた鉄筋籠を掘削溝内に挿入する鉄筋籠挿入工程と、側部防水シート及び鉄筋籠が挿入された掘削溝内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の地中連続壁を構築する地中連続壁構築工程と、構築された地中連続壁によって囲まれた地中を掘削することで前記内部空間を形成する内部空間形成工程と、を含む。鉄筋籠挿入工程では、鉄筋籠に取り付けられた側部防水シートが地中連続壁構築工程の後に地中連続壁の内周面に位置するように鉄筋籠を掘削溝内に挿入する。
本発明の第1態様における防水シートの敷設方法において、側部防水シート取付工程では、鉄筋籠の一側に設けられて鉛直方向に延びるガイドレールに側部防水シートを取り付けることで、側部防水シートをガイドレールを介して鉄筋籠に取り付ける。本発明の第1態様における防水シートの敷設方法は、地中連続壁構築工程の後にガイドレールの上端部に下降装置を配置する下降装置セッティング工程と、下降装置セッティング工程の後に底部防水シートの外縁部を下降装置に取り付ける底部防水シート取付工程と、内部空間形成工程の後、かつ、底部防水シート取付工程の後に、下降装置をガイドレールにより案内しつつガイドレールの上端部から下端部まで下降させることで底部防水シートを廃棄物処分場の底部まで下降させる底部防水シート下降工程と、を更に含む。
本発明の第2態様における防水シートの敷設方法において、側部防水シート取付工程は、側部防水シートにおける鉄筋籠に相対する側と反対の側の表面を防護するためのシート部材を鉄筋籠に取り付けることを含む。
【0008】
本発明の第3態様における防水シートの敷設方法は、廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法である。本発明の第3態様における防水シートの敷設方法は、地中連続壁の周方向に間隔を空けて地中連続壁の内周面に設けられて鉛直方向に延びる複数のガイドレールの各々の上端部に下降装置を配置する下降装置セッティング工程と、下降装置セッティング工程の後に底部防水シートの外縁部を下降装置に取り付ける底部防水シート取付工程と、底部防水シートが取り付けられた下降装置をガイドレールにより案内しつつガイドレールの上端部から下端部まで下降させることで底部防水シートを廃棄物処分場の底部まで下降させる底部防水シート下降工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1及び第2態様によれば、地中連続壁の構築と同時に地中連続壁の内周面に側部防水シートを敷設することができるので、廃棄物処分場内に防水シートを簡易に、かつ、効率よく敷設することができる。これは、深型・内水面処分場内に防水シートを敷設するのに好適である。
【0010】
本発明の第3態様によれば、底部防水シートが取り付けられた下降装置を、地中連続壁の内周面に設けられたガイドレールにより案内しつつ下降させることで、底部防水シートを廃棄物処分場の底部まで下降させることができるので、廃棄物処分場内に防水シートを簡易に、かつ、効率よく敷設することができる。これは、深型・内水面処分場内に防水シートを敷設するのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態における廃棄物処分場の概略構成を示す図
図2】同上実施形態における防水シートの敷設方法を示す図
図3】同上実施形態における防水シートの敷設方法を示す図
図4】同上実施形態における防水シートの敷設方法を示す図
図5】同上実施形態における防水シートの敷設方法を示す図
図6】同上実施形態における第1壁部(地中連続壁)の構築方法及び側部防水シートの敷設方法を示す図
図7】同上実施形態における鉄筋籠に側部防水シート及びシート部材を設置する方法を示す図
図8】同上実施形態における底部防水シートの敷設方法を示す図
図9】同上実施形態における下降装置の概略構成を示す図
図10】同上実施形態における接続部防水シートの設置方法を示す図
図11】同上実施形態における接続部防水シートユニットの概略構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態における廃棄物処分場1の概略構成を示す。
【0013】
廃棄物処分場1は、クローズドシステム・深型の廃棄物処分場であり、廃棄物を埋立処分するためのものである。廃棄物処分場1は廃棄物処分用の構造物である。本実施形態では、廃棄物処分場1は、廃棄物処分場1内の水面WS上に廃棄物が投棄される水面処分型であり、ゆえに内水面処分場である。
【0014】
廃棄物処分場1の筒状の壁体2は、地面GL2から下方に延びるように構築されている。ここで、図1において、地面GL2下は、原地盤(施工地盤)G1と盛土G2とによって構成されている。すなわち、廃棄物処分場1の壁体2は、その側方が、原地盤G1及び盛土G2によって囲まれている。
【0015】
ここで、図1に示す地面GL2は、盛土G2の上面に対応する。図1に示す地面GL1は、原地盤G1の上面(盛土G2の下面)に対応する。尚、図1には、原地盤G1の地下水位WLが例示されている。
【0016】
廃棄物処分場1は、壁体2と、屋根3と、側部防水シート4と、接続部防水シート40(図10及び図11参照)と、底部防水シート5と、押さえコンクリート6とを含んで構成される。
本実施形態では壁体2は円筒状である。壁体2は、地中(原地盤G1中及び盛土G2中)を鉛直方向に延びている。壁体2は、廃棄物埋立用の内部空間7を囲む。換言すれば、壁体2は、その内側に、廃棄物が投棄される内部空間7を有する。内部空間7内には水Wが貯留され得る。
【0017】
壁体2は、鉛直方向に延びる筒状の第1壁部11及び第2壁部12により構成されている。第1壁部11は壁体2の下側部分を構成するものであり、第2壁部12は壁体2の上側部分を構成するものである。本実施形態では第1壁部11と第2壁部12との双方が円筒状である。
【0018】
第1壁部11は、原地盤G1に埋設されている。本実施形態では、第1壁部11は、鉄筋コンクリート製の地中連続壁(RC連壁)からなる。第1壁部11は、その周方向に交互に並ぶ先行エレメント17と後行エレメント18とを含んで構成される(図6参照)。尚、本実施形態では、第1壁部11(地中連続壁)の構築方法としてコンクリートカッティング工法を用いた場合について説明するが、第1壁部11の構築方法はこれに限らない。
第1壁部11は遮水性を有し得る。ゆえに、第1壁部11は遮水壁として機能し得る。
【0019】
第2壁部12は第1壁部11の直上に立設されている。第2壁部12は、その周囲が盛土G2によって囲まれている。第2壁部12は、例えば、鉄筋コンクリート製である。第2壁部12は遮水性を有してもよい。
【0020】
第2壁部12は、その内外を連通する開口部14を有する。開口部14は、第2壁部12を貫通している。盛土G2中には、地上と開口部14とを連通する通路15が形成されている。この通路15は、廃棄物を地上から開口部14まで搬送するための搬送路として利用され得る。通路15は略水平に延びている。
【0021】
屋根3は、鉄筋コンクリート製のドーム屋根であり、第2壁部12(壁体2)の上面開口を塞ぐように第2壁部12に連結されている。本実施形態では屋根3の構築にエアードーム工法(登録商標)が用いられる。エアードーム工法(登録商標)では、まず、第2壁部12の上面開口を塞ぐように膜材(シート)を設置し、その塞がれた内部に送気することで加圧して膜材を膨らませる。次に、膜材上にラス金網を敷き、吹付コンクリートを吹き付けてモルタルドームを形成する。次に、モルタルドーム上に鉄筋を配置して、コンクリートの打設及び養生を行う。このようにして、屋根3が構築され得る。
【0022】
尚、本実施形態では屋根3が鉄筋コンクリート製のドーム屋根であるが、屋根3は鉄筋コンクリート製のドーム屋根に限らない。例えば、屋根3は、鉄筋コンクリート製の平屋根、プレストレストコンクリート製のT桁平屋根、プレストレストコンクリート製の吊り屋根、及び、テント屋根のいずれかであってもよい。
本実施形態では、屋根3は、平面視で円形状である。
【0023】
壁体2によって囲まれる内部空間7については、原地盤G1における壁体2の内側の部分を掘削することで形成される。この掘削は1次掘削(気中掘削)と2次掘削(水中掘削)とに分けられる。1次掘削は、原地盤G1の上面(地面GL1)から地下水位WLの3~4m程度下までの掘削である。1次掘削は、例えば、原地盤G1の上面上にバックホーを配置してダンプトラックへの直積みで行われる。2次掘削では、内部空間7内の水面WS上に浮かぶ作業台船上のバケットクレーン又はサンドポンプにより、所定深度まで掘り下げる。尚、この掘削中において、内部空間7内の水位が地下水位WLと同じになるように管理することで、内部空間7内への周辺地下水の流入が無く、床付け地盤が乱されることを防止することできる。
【0024】
2次掘削によって形成された掘削底面(床付け面)8上には底部防水シート5が設けられる。底部防水シート5は樹脂製又はゴム製のシート状部材であり、可撓性を有する。底部防水シート5は掘削底面8を覆うことが可能である。底部防水シート5については、水を全く透過させない性質(水不透過性)を有することが好ましいが、この他、水を略透過させない程度であってもよい(すなわち、僅かな水透過性を有してもよい)。ここで、掘削底面8が、本発明の「地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部」に対応する。
【0025】
第1壁部11の内周面には側部防水シート4が設けられる。側部防水シート4は樹脂製又はゴム製のシート状部材であり、可撓性を有する。側部防水シート4の上端部4aは、廃棄物処分場1の周辺地盤(原地盤G1)の地下水位WL以上に位置している。側部防水シート4の下端部4bは掘削底面8に達している。側部防水シート4については、水を全く透過させない性質(水不透過性)を有することが好ましいが、この他、水を略透過させない程度であってもよい(すなわち、僅かな水透過性を有してもよい)。
【0026】
第1壁部11の内周面には、その周方向に間隔を空けて、複数の接続部防水シート40が設けられる(図10参照)。接続部防水シート40は、互いに隣り合う先行エレメント17及び後行エレメント18の端部同士が接続された接続部19(図10参照)を内部空間7側から覆うように設けられている。接続部防水シート40は樹脂製又はゴム製のシート状部材であり、可撓性を有する。接続部防水シート40の上端部40a(図11参照)は、廃棄物処分場1の周辺地盤(原地盤G1)の地下水位WL以上に位置している。接続部防水シート40の下端部は掘削底面8に達している。接続部防水シート40については、水を全く透過させない性質(水不透過性)を有することが好ましいが、この他、水を略透過させない程度であってもよい(すなわち、僅かな水透過性を有してもよい)。
【0027】
押さえコンクリート6は、掘削底面8と第1壁部11の内周面との隅角部(コーナー部)にて、底部防水シート5の外縁部5aと側部防水シート4の下端部4bと接続部防水シート40の下端部とを覆うように打設されている。本実施形態では、押さえコンクリート6は、上面視で、壁体2の第1壁部11の内周面に沿う円環状である。
【0028】
本実施形態では、廃棄物処分場1の運用時に、内部空間7内の水面WSが地下水位WLより僅かに低くなるように管理され得る。この内部空間7内の水位管理には揚水管9が用いられる。
揚水管9は鉛直方向に延びており、壁体2(第1壁部11及び第2壁部12)に沿わせて配置されている。揚水管9は、屋根3の上方から屋根3を貫通して内部空間7内に達している。揚水管9の下端9aは、内部空間7内の水中に位置している。揚水管9の下端9aについては、廃棄物処分場1の運用時に内部空間7内の水面WSより10m程度低い位置となるように配置されている。尚、揚水管9の下端9aは、掘削底面8の上方に位置しており、掘削底面8から例えば10m以上離れている。
【0029】
次に、廃棄物処分場1の構築方法について説明する。
廃棄物処分場1の構築方法では、まず、原地盤G1に第1壁部11を構築しつつ、側部防水シート4を敷設する。この第1壁部11の構築方法及び側部防水シート4の敷設方法については、図6及び図7を用いて後述する。
【0030】
次に、原地盤G1における第1壁部11の内側の部分を掘削することで、内部空間7を形成する(図2参照)。この掘削では前述の1次掘削(気中掘削)と2次掘削(水中掘削)とが行われる。
次に、底部防水シート5を掘削底面8に敷設する。この底部防水シート5の敷設方法については、図3図4図8及び図9を用いて後述する。
【0031】
次に、接続部防水シート40を設置する。この接続部防水シート40の設置方法については、図10及び図11を用いて後述する。
次に、押さえコンクリート6を水中打設する(図5参照)。
【0032】
次に、第1壁部11の直上に第2壁部12を構築する。尚、第2壁部12を構築する際には開口部14が形成される。また、原地盤G1の上面(地面GL1)上には、通路15を構成するボックスカルバートが設置される。
【0033】
次に、第2壁部12の周囲を囲むように、原地盤G1の上面(地面GL1)上に盛土を行う。これにより、前述のボックスカルバートが盛土G2中に埋設されることで、通路15が盛土G2中に形成される。尚、盛土G2には、内部空間7の形成時に発生した掘削土砂が用いられ得る。
【0034】
次に、屋根3を構築する。
次に、付帯設備を設置する。ここで、付帯設備は、揚水設備、廃棄物投入設備、換気設備、水処理設備などを含み得る。揚水設備は揚水管9を含み得る。廃棄物投入設備は、廃棄物を内部空間7内に投入するためのクレーンやベルトコンベヤなどを含み得る。
以上のようにして廃棄物処分場1が構築される。
【0035】
この後、廃棄物処分場1として運用を開始し、廃棄物を内部空間7内の水面WS上に投棄する。この運用時には、前述のように、内部空間7内の水位管理が行われる。また、内部空間7内への廃棄物の投棄が進んで、廃棄物が地下水位WLを超え始めると、気中投棄に切り替える。この気中投棄では、例えばブルドーザーによる押土及び転圧が行われ得る。
【0036】
次に、廃棄物処分場1内に防水シート(側部防水シート4、接続部防水シート40、及び底部防水シート5)を敷設する方法について、図2図11を用いて説明する。
【0037】
図2図5は防水シート(側部防水シート4、接続部防水シート40、及び底部防水シート5)の敷設方法を示す。図6は第1壁部11の構築方法及び側部防水シート4の敷設方法を示す。図7は、鉄筋籠20に側部防水シート4及びシート部材25を設置する方法を示す。図8は底部防水シート5の敷設方法を示す。図9は下降装置50の概略構成を示す。図10は接続部防水シート40の設置方法を示す。図11は接続部防水シートユニット41の概略構成を示し、詳しくは、図11(ア)は接続部防水シートユニット41の上面図であり、図11(イ)は接続部防水シートユニット41の上部の部分正面図(内部空間7側から見た図)である。
【0038】
ここで、図6図8及び図10は鉄筋籠20を上から見た状態を図示しており、図6図8及び図10における紙面左右方向が第1壁部11の周方向に対応する。図6図8及び図10では第1壁部11の周方向が紙面左右方向に直線状に延びるように図示しているが、実際には、第1壁部11の周方向が曲線状(円弧状)に延びている。また、図11(ア)及び(イ)については、説明の便宜上、図10の図示に対応するように図示している。
【0039】
本実施形態における防水シートの敷設方法では、まず、地上(例えば、廃棄物処分場1の近傍の仮設ヤード上)で鉄筋籠20に、腕部材21とガイドレール22とからなる取付部材23を設ける(図7(ア)参照:取付部材設置工程)。尚、本実施形態では、1つの鉄筋籠20に3つの取付部材23を取り付けているが、1つの鉄筋籠20に取り付けられる取付部材23の個数は3つに限らず2つ以上の任意の個数であり得る。換言すれば、1つの先行エレメント17に設けられるガイドレール22は2つ以上であり得、また、1つの後行エレメント18に設けられるガイドレール22は2つ以上であり得る。
ここで、1つの鉄筋籠20に取り付けられる複数の取付部材23は、第1壁部11の周方向に間隔を空けて並び得る。
【0040】
腕部材21は、鉄筋籠20の一側面20aから外方に張り出すように延びる。腕部材21の基端部には鉄筋籠20が連結され、先端部にはガイドレール22が連結される。従って、ガイドレール22は、腕部材21を介して鉄筋籠20の一側に設けられる。ここで、腕部材21の長さは、鉄筋のかぶり厚を考慮して設定され得る。
【0041】
ガイドレール22はC字状断面を有して鉛直方向に延びる。ガイドレール22は、例えば、鉛直方向にスリット22aが入った鋼管で形成され得る。ガイドレール22のうちスリット22aが形成されている側は内部空間7に面し得る。ガイドレール22は、地面GL1から掘削底面8までの距離と同程度の長さ(高さ)を有している。
【0042】
次に、地上(例えば、廃棄物処分場1の近傍の仮設ヤード上)でガイドレール22に側部防水シート4を取り付けることで、側部防水シート4をガイドレール22及び腕部材21(取付部材23)を介して鉄筋籠20に取り付ける(図7(イ)参照:側部防水シート取付工程)。この工程では、側部防水シート4が鉄筋籠20の一側(一側面20aの大部分)を覆うようにガイドレール22及び腕部材21(取付部材23)を介して鉄筋籠20に取り付けられる。尚、図7(イ)は、側部防水シート4がピンと張った状態でガイドレール22に取り付けられる例を示しているが、これに代えて、側部防水シート4が緩んだ状態(弛緩状態)でガイドレール22に取り付けられてもよいことは言うまでもない。
側部防水シート4は、地面GL1から掘削底面8までの距離と同程度の長さ(高さ)を有することが好ましい。
【0043】
この「側部防水シート取付工程」は、側部防水シート4の外面(鉄筋籠20に相対する側と反対の側の表面)4cと、ガイドレール22のスリット22aとを覆うようにシート部材25をガイドレール22に取り付けることを含む(図7(ウ)参照)。このシート部材25は例えば土木シートである。シート部材25は、側部防水シート4の外面4cを防護する機能と、ガイドレール22内に異物等が入り込まないようにする機能とを有する。
シート部材25は、地面GL1から掘削底面8までの距離と同程度の長さ(高さ)を有することが好ましい。
【0044】
前述の「取付部材設置工程」及び「側部防水シート取付工程」に前後して、又は、「取付部材設置工程」及び「側部防水シート取付工程」に並行して、地中(原地盤G1中)を安定液を用いて鉛直方向に掘削することで、原地盤G1中に複数の先行エレメント17構築用の掘削溝30を形成する(図6(ア)参照:先行エレメント用掘削溝形成工程)。尚、この「先行エレメント用掘削溝形成工程」は本発明の「掘削溝形成工程」を構成するものである。
【0045】
次に、側部防水シート4及びシート部材25が取り付けられた鉄筋籠20を各掘削溝30内に挿入する(建て込む)(図6(イ)参照:先行エレメント用鉄筋籠挿入工程)。尚、この「先行エレメント用鉄筋籠挿入工程」は本発明の「鉄筋籠挿入工程」を構成するものである。
【0046】
次に、側部防水シート4、シート部材25及び鉄筋籠20が挿入された掘削溝30内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の先行エレメント17を構築する(図6(イ)参照:先行エレメント構築工程)。尚、この「先行エレメント構築工程」は本発明の「地中連続壁構築工程」を構成するものである。
【0047】
次に、構築された先行エレメント17間において、原地盤G1中を安定液を用いて鉛直方向に掘削することで、原地盤G1中に後行エレメント18構築用の掘削溝31を形成する(図6(ウ)参照:後行エレメント用掘削溝形成工程)。尚、この「後行エレメント用掘削溝形成工程」は本発明の「掘削溝形成工程」を構成するものである。
ここで、本実施形態では、前述のコンクリートカッティング工法を採用しているので、「後行エレメント用掘削溝形成工程」では、先行エレメント17の端部のコンクリートカッティングが実施される。
【0048】
次に、側部防水シート4及びシート部材25が取り付けられた鉄筋籠20を各掘削溝31内に挿入する(建て込む)(図6(エ)参照:後行エレメント用鉄筋籠挿入工程)。尚、この「後行エレメント用鉄筋籠挿入工程」は本発明の「鉄筋籠挿入工程」を構成するものである。
【0049】
次に、側部防水シート4、シート部材25及び鉄筋籠20が挿入された掘削溝31内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の後行エレメント18を構築する(図6(エ)参照:後行エレメント構築工程)。尚、この「後行エレメント構築工程」は本発明の「地中連続壁構築工程」を構成するものである。
【0050】
ここで、「後行エレメント構築工程」では、互いに隣り合う先行エレメント17及び後行エレメント18の端部同士が接続部19を介して接続される。ここで、接続部19は、互いに隣り合う先行エレメント17及び後行エレメント18の端部同士の連結部分である。
【0051】
このようにして、複数の先行エレメント17及び後行エレメント18からなる第1壁部11が構築される。また、第1壁部11の内周面に側部防水シート4及びシート部材25が敷設される。また、複数のガイドレール22が第1壁部11の周方向に間隔を空けて第1壁部11の内周面に設けられる。
【0052】
尚、前述の「先行エレメント用鉄筋籠挿入工程」及び「後行エレメント用鉄筋籠挿入工程」では、鉄筋籠20に取り付けられた側部防水シート4及びシート部材25が「先行エレメント構築工程」及び「後行エレメント構築工程」の後に第1壁部11の内周面に位置するように鉄筋籠20が掘削溝30,31内に挿入される。
【0053】
次に、構築された第1壁部11によって囲まれた地中(原地盤G1中)を掘削することで内部空間7を形成する(図2及び図8(ア)参照:内部空間形成工程)。この工程では前述のように1次掘削(気中掘削)と2次掘削(水中掘削)とが行われる。そして、ガイドレール22のスリット22aにカッター等を通すことで、シート部材25及び付着したスライムを剥落させる。
【0054】
次に、第1壁部11の内周面に位置する複数のガイドレール22の各々の上端部に下降装置50を配置する(下降装置セッティング工程:図8(イ)参照)。
【0055】
図9に示すように、下降装置50は、T字状断面を有して鉛直方向に延びる本体部51を有する。本体部51は、例えば、鉛直方向に延びるCT形鋼からなり、そのフランジ51aがガイドレール22内に配置され、ウェブ51bの大部分がガイドレール22のスリット22aから内部空間7内に突出して露出している。ウェブ51bの下端部は斜めにカットされている。
【0056】
ウェブ51bの露出部分には、貫通孔52,53が貫通形成されている。貫通孔52は、吊りロープ54を取り付けるためのものである。貫通孔53は、底部防水シート5の外縁部5aに固定された耳部61をひも62で本体部51に結び付けるためのものである(図8(ウ)参照)。
【0057】
ここで、図8(ウ)に示すように、底部防水シート5の外縁部5aには、その周方向に間隔を空けて複数の耳部61が固定されている。尚、本実施形態では、底部防水シート5の外縁部5aに耳部61を固定するために接着剤が用いられるが、この他の手法で当該固定を行ってもよいことは言うまでもない。耳部61は孔63を有し、好ましくは帆布で形成されている。孔63は、耳部61をひも62で本体部51に結び付けるためのものである。
【0058】
「下降装置セッティング工程」は、下降装置50の本体部51に吊りロープ54を取り付けることを含む。下降装置50の本体部51は吊りロープ54によって吊り下げ支持され得る。尚、吊りロープ54については、図示しない拘束手段によって拘束することで、下降装置50の本体部51の意図しない下降を防止することが好ましい。
【0059】
「下降装置セッティング工程」は、水面WSより上方で実施され得る。また、「下降装置セッティング工程」は、第1壁部11の上面開口部近傍で実施され得る。また、本実施形態では、「下降装置セッティング工程」に先立って、第1壁部11の内周面に側部防水シート4が設けられている。
【0060】
次に、底部防水シート5の外縁部5aに固定された耳部61の孔63と、下降装置50の本体部51の貫通孔53とにひも62を通して相互に結び付けることで、底部防水シート5の外縁部5aを下降装置50の本体部51に取り付ける(底部防水シート取付工程:図8(ウ)参照)。
【0061】
次に、前述の拘束手段による吊りロープ54の拘束を解除し、底部防水シート5が取り付けられた下降装置50の本体部51をガイドレール22により案内しつつガイドレール22の上端部から下端部まで下降させることで、底部防水シート5を掘削底面8まで下降させる(底部防水シート下降工程:図3及び図4参照)。ここで、図3は、「底部防水シート下降工程」の途中の状態を示し、図4は、「底部防水シート下降工程」が完了した状態を示す。
【0062】
この下降装置50の本体部51及び底部防水シート5の下降については、これらの自重で当該下降が行われ得る。仮に、当該下降が、下降装置50の本体部51とガイドレール22との間の摩擦等で滞る場合には、適宜の押し込み手段で地上側から下降装置50の本体部51を下方に押し込むことで対処可能である。
【0063】
「底部防水シート下降工程」では、複数のガイドレール22の各々に設けられた下降装置50の本体部51の吊りロープ54の長さ(吊り下げ長さ)を前述の拘束手段を用いて適宜調整することで、底部防水シート5をその周方向で略均等に沈めていくことが好ましい。
【0064】
次に、先行エレメント17及び後行エレメント18の端部同士を接続する接続部19を内部空間7側から覆うように接続部防水シート40(接続部防水シートユニット41)を設置する(接続部防水シート設置工程:図10(ア)及び(イ)参照)。ここで、図10(ア)は、接続部防水シートユニット41を設置する前の状態を示す。図10(イ)は、接続部防水シートユニット41を設置した後の状態を示す。
【0065】
図11(ア)及び(イ)に示すように、接続部防水シートユニット41は、接続部防水シート40と、2つのT継手42と、2つのフラットバー43とを含んで構成される。
T継手42はT字状断面を有して鉛直方向に延びており、例えばCT形鋼からなる。T継手42のフランジ42aはガイドレール22内に上方から挿入可能であり、T継手42のウェブ42bの大部分はガイドレール22のスリット22aから内部空間7内に向けて突出可能である。ここにおいて、ガイドレール22はいわゆるP継手として機能し、T継手42と共に継手部を構成し得る。この継手部を介して、接続部防水シートユニット41が第1壁部11に連結され得る。
【0066】
2つのT継手42は、各々のウェブ42b同士で間隔C1(図11(ア)参照)を空けて平行に並んでいる。ここで、間隔C1は、接続部19を挟んで隣り合う先行エレメント17及び後行エレメント18に関して、先行エレメント17のうち接続部19に最も近いガイドレール22のスリット22aと、後行エレメント18のうち接続部19に最も近いガイドレール22のスリット22aとの間の間隔C2(図10(ア)参照)と略同じになるように設定されている。
【0067】
2つのT継手42の各々のウェブ42bの先端側(フランジ42aと反対の側)には、それぞれ、フラットバー43が取り付けられている。フラットバー43は鉛直方向に延びている。これらフラットバー43に跨るように接続部防水シート40が張設されている。
【0068】
この「接続部防水シート設置工程」では、接続部防水シート40の下端部が掘削底面8に到達するまで、接続部防水シート40を含む接続部防水シートユニット41をガイドレール22により案内しつつ下降させる。
【0069】
また、「接続部防水シート設置工程」では、この接続部防水シートユニット41の下降が完了した後に、T継手42のフランジ42aが挿入されているガイドレール22内にモルタルなどの充填材を充填する。これにより、接続部防水シート40の一側縁部が、フラットバー43、T継手42、充填材、及びガイドレール22を介して、第1壁部11の先行エレメント17に固定され、また、接続部防水シート40の他側縁部が、フラットバー43、T継手42、充填材、及びガイドレール22を介して、第1壁部11の後行エレメント18に固定され得る。
【0070】
次に、底部防水シート5の外縁部5aと側部防水シート4の下端部4bと接続部防水シート40の下端部とを覆うように押さえコンクリート6を打設する(押さえコンクリート打設工程:図5参照)。
【0071】
以上のようにして、廃棄物処分場1内に防水シート(側部防水シート4、接続部防水シート40、及び底部防水シート5)が敷設される。この敷設後において、内部空間7は、その側方及び下方を、側部防水シート4、ガイドレール22、接続部防水シートユニット41(接続部防水シート40)、底部防水シート5、及び押さえコンクリート6によって囲まれる。
【0072】
本実施形態によれば、防水シートの敷設方法は、廃棄物が投棄される内部空間7を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁(第1壁部11)と、地中連続壁(第1壁部11)の下側開口部を塞ぐ底部(掘削底面8)とを有する廃棄物処分場1内に防水シート(側部防水シート4、接続部防水シート40、及び底部防水シート5)を敷設する方法である。防水シートの敷設方法は、地中連続壁(第1壁部11)の構築及び内部空間7の形成に先立って地中を鉛直方向に掘削することで地中に掘削溝30,31を形成する「掘削溝形成工程」(図6(ア)及び(ウ)参照)と、鉄筋籠20の一側を覆うように側部防水シート4を鉄筋籠20に取り付ける「側部防水シート取付工程」(図7(イ)参照)と、側部防水シート4が取り付けられた鉄筋籠20を掘削溝30,31内に挿入する「鉄筋籠挿入工程」(図6(イ)及び(エ)参照)と、側部防水シート4及び鉄筋籠20が挿入された掘削溝30,31内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の地中連続壁(第1壁部11)を構築する「地中連続壁構築工程」(図6(イ)及び(エ)参照)と、構築された地中連続壁(第1壁部11)によって囲まれた地中を掘削することで内部空間7を形成する「内部空間形成工程」(図2参照)と、を含む。「鉄筋籠挿入工程」(図6(イ)及び(エ)参照)では、鉄筋籠20に取り付けられた側部防水シート4が「地中連続壁構築工程」(図6(イ)及び(エ)参照)の後に地中連続壁(第1壁部11)の内周面に位置するように鉄筋籠20を掘削溝30,31内に挿入する。ゆえに、地中連続壁(第1壁部11)の構築と同時に地中連続壁(第1壁部11)の内周面に側部防水シート4を敷設することができるので、廃棄物処分場1内に側部防水シート4を簡易に、かつ、効率よく敷設することができる。
【0073】
また本実施形態によれば、地中連続壁(第1壁部11)は、その周方向に交互に並ぶ先行エレメント17及び後行エレメント18を含んで構成される。防水シートの敷設方法は、互いに隣り合う先行エレメント17及び後行エレメント18の端部同士が接続された接続部19を内部空間7側から覆うように接続部防水シート40を設置する「接続部防水シート設置工程」(図10(イ)参照)を含む。これにより、先行エレメント17に敷設された側部防水シート4と、後行エレメント18に敷設された側部防水シート4との間を接続部防水シート40でカバーすることができるので、第1壁部11の内周面に全周にわたって防水シートを敷設することができる。
【0074】
また本実施形態によれば、「側部防水シート取付工程」(図7(イ)参照)では、鉄筋籠20の一側に設けられて鉛直方向に延びるガイドレール22に側部防水シート4を取り付けることで、側部防水シート4をガイドレール22を介して鉄筋籠20に取り付ける。防水シートの敷設方法は、「地中連続壁構築工程」(図6(エ)参照)の後にガイドレール22の上端部に下降装置50を配置する「下降装置セッティング工程」(図8(イ)参照)と、「下降装置セッティング工程」(図8(イ)参照)の後に底部防水シート5の外縁部5aを下降装置50に取り付ける「底部防水シート取付工程」(図8(ウ)参照)と、「内部空間形成工程」(図2参照)の後、かつ、「底部防水シート取付工程」(図8(ウ)参照)の後に、下降装置50をガイドレール22により案内しつつガイドレール22の上端部から下端部まで下降させることで底部防水シート5を廃棄物処分場1の底部(掘削底面8)まで下降させる「底部防水シート下降工程」(図3及び図4参照)と、を含む。ゆえに、底部防水シート5が取り付けられた下降装置50をガイドレール22により案内しつつ下降させることで、底部防水シート5を掘削底面8まで下降させることができるので、廃棄物処分場1内に底部防水シート5を簡易に、かつ、効率よく敷設することができる。
【0075】
また本実施形態によれば、「接続部防水シート設置工程」(図10(イ)参照)は、「底部防水シート下降工程」(図3及び図4参照)の後に実施される。「接続部防水シート設置工程」(図10(イ)参照)は、接続部防水シート40の下端部が廃棄物処分場の底部(掘削底面8)に到達するまで接続部防水シート40をガイドレール22により案内しつつ下降させることを含む。これにより、底部防水シート5の敷設に使用されるガイドレール22を接続部防水シート40の設置にも使用することができる。
【0076】
また本実施形態によれば、防水シートの敷設方法は、「底部防水シート下降工程」(図3及び図4参照)の後、かつ、「接続部防水シート設置工程」(図10(イ)参照)の後に、底部防水シート5の外縁部5aと側部防水シート4の下端部4bと接続部防水シート40の下端部とを覆うように押さえコンクリート6を打設する「押さえコンクリート打設工程」(図5参照)を含む。これにより、底部防水シート5と側部防水シート4と接続部防水シート40との連続化(一体化)を図ることができる。
【0077】
また本実施形態によれば、「側部防水シート取付工程」(図7(イ)参照)は、側部防水シート4における鉄筋籠20に相対する側と反対の側の表面(外面4c)を防護するためのシート部材25を鉄筋籠20に取り付けることを含む(図7(ウ)参照)。これにより、第1壁部11の構築時及び内部空間7の形成時に側部防水シート4が破損することを防止することができる。
【0078】
また本実施形態によれば、防水シートの敷設方法は、廃棄物が投棄される内部空間7を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁(第1壁部11)と、地中連続壁(第1壁部11)の下側開口部を塞ぐ底部(掘削底面8)とを有する廃棄物処分場1内に防水シートを敷設する方法である。防水シートの敷設方法は、地中連続壁(第1壁部11)の周方向に間隔を空けて地中連続壁(第1壁部11)の内周面に設けられて鉛直方向に延びる複数のガイドレール22の各々の上端部に下降装置50を配置する「下降装置セッティング工程」(図8(イ)参照)と、「下降装置セッティング工程」(図8(イ)参照)の後に底部防水シート5の外縁部5aを下降装置50に取り付ける「底部防水シート取付工程」(図8(ウ)参照)と、底部防水シート5が取り付けられた下降装置50をガイドレール22により案内しつつガイドレール22の上端部から下端部まで下降させることで底部防水シート5を廃棄物処分場1の底部(掘削底面8)まで下降させる「底部防水シート下降工程」(図3及び図4参照)と、を含む。ゆえに、底部防水シート5が取り付けられた下降装置50をガイドレール22により案内しつつ下降させることで、底部防水シート5を掘削底面8まで下降させることができるので、廃棄物処分場1内に底部防水シート5を簡易に、かつ、効率よく敷設することができる。
【0079】
また本実施形態によれば、「下降装置セッティング工程」(図8(イ)参照)に先立って地中連続壁(第1壁部11)の内周面に側部防水シート4が敷設されている。防水シートの敷設方法は、「底部防水シート下降工程」(図3及び図4参照)の後に、底部防水シート5の外縁部5aと側部防水シート4の下端部4bとを覆うように押さえコンクリート6を打設する「押さえコンクリート打設工程」(図5参照)を含む。これにより、底部防水シート5と側部防水シート4との連続化(一体化)を図ることができる。
【0080】
本実施形態では、第1壁部11(地中連続壁)の構築方法としてコンクリートカッティング工法を用いた場合について説明したが、第1壁部11の構築方法はこれに限らず、例えば接合鋼板工法を用いてもよい。一般に、接合鋼板工法では、先行エレメント17の構築に関して、鉄筋籠20の両端部に接合鋼板が設けられており、掘削溝30内にコンクリートを打設する際に接合鋼板と掘削溝30の壁面との間の隙間からコンクリートが漏れ出ること(後行エレメント18の構築予定領域にコンクリートが回り込むこと)を防止するための土木シートを当該コンクリートの打設に先立って設置する。この土木シートを前述のシート部材25として活用することができる。
【0081】
本実施形態では、第1壁部11の直上に第2壁部12を構築するに先立って底部防水シート5及び接続部防水シート40を設置しているが、これに代えて、第1壁部11の直上に第2壁部12を構築した後に底部防水シート5及び接続部防水シート40を設置してもよい。この場合にはガイドレール22が第2壁部12の上端部に至るまで延長され得る。
【0082】
本実施形態において、掘削底面8が、水を全く透過させない性質(水不透過性)を有するか、又は、水を略透過させない程度である(すなわち、僅かな水透過性を有する程度である)場合には、底部防水シート5を省略してもよい。この場合には、前述の「下降装置セッティング工程」、「底部防水シート取付工程」、及び「底部防水シート下降工程」が省略される。また、この場合には、「押さえコンクリート打設工程」において、前述の側部防水シート4の下端部4bと接続部防水シート40の下端部とを覆うように押さえコンクリート6を打設してもよい。又は「押さえコンクリート打設工程」を省略してもよい。
【0083】
本実施形態において、第1壁部11の遮水性が十分に確保される場合には、側部防水シート4及び接続部防水シート40を省略してもよい。この場合には、前述の「側部防水シート取付工程」及び「接続部防水シート設置工程」が省略される。また、この場合には、「押さえコンクリート打設工程」において、前述の底部防水シート5の外縁部5aを覆うように押さえコンクリート6を打設してもよい。又は「押さえコンクリート打設工程」を省略してもよい。また、側部防水シート4及び接続部防水シート40を省略する場合には、接続部防水シートユニット41の設置が不要となるので、前述の「取付部材設置工程」で1つの鉄筋籠20に取り付けられる取付部材23の個数は1つ以上の任意の個数であり得る。換言すれば、1つの先行エレメント17に設けられるガイドレール22は1つ以上であり得、また、1つの後行エレメント18に設けられるガイドレール22は1つ以上であり得る。
【0084】
本実施形態では、廃棄物を地上から廃棄物処分場1の内部空間7内まで搬送するために通路15及び開口部14が設けられているが、これに加えて、又は、これに代えて、屋根3に廃棄物投棄用の貫通孔を複数形成してもよい。すなわち、廃棄物を地上から廃棄物処分場1の内部空間7内まで搬送する手法については、前述の手法に限らず、任意である。
【0085】
本実施形態では、筒状の壁体2、第1壁部11及び第2壁部12の断面形状が円形状であるが、これらの断面形状は円形状に限らず、例えば、楕円形状、又は、矩形状などの多角形状であってもよい。筒状の壁体2、第1壁部11及び第2壁部12の断面形状に対応するように、側部防水シート4、接続部防水シート40、及び底部防水シート5の形状が適宜設定され得る。また、平面視における屋根3の形状についても、筒状の壁体2、第1壁部11及び第2壁部12の断面形状に対応させて、例えば、楕円形状、又は、矩形状などの多角形状としてもよい。
【0086】
図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
尚、出願当初の請求項は以下のとおりであった。
[請求項1]
廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、前記地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法であって、
前記地中連続壁の構築及び前記内部空間の形成に先立って地中を鉛直方向に掘削することで地中に掘削溝を形成する掘削溝形成工程と、
鉄筋籠の一側を覆うように側部防水シートを前記鉄筋籠に取り付ける側部防水シート取付工程と、
前記側部防水シートが取り付けられた前記鉄筋籠を前記掘削溝内に挿入する鉄筋籠挿入工程と、
前記側部防水シート及び前記鉄筋籠が挿入された前記掘削溝内にコンクリートを打設することで、鉄筋コンクリート製の前記地中連続壁を構築する地中連続壁構築工程と、
構築された前記地中連続壁によって囲まれた地中を掘削することで前記内部空間を形成する内部空間形成工程と、
を含み、
前記鉄筋籠挿入工程では、前記鉄筋籠に取り付けられた前記側部防水シートが前記地中連続壁構築工程の後に前記地中連続壁の内周面に位置するように前記鉄筋籠を前記掘削溝内に挿入する、防水シートの敷設方法。
[請求項2]
前記地中連続壁は、その周方向に交互に並ぶ先行エレメント及び後行エレメントを含んで構成され、
前記防水シートの敷設方法は、互いに隣り合う先行エレメント及び後行エレメントの端部同士が接続された接続部を前記内部空間側から覆うように接続部防水シートを設置する接続部防水シート設置工程を更に含む、請求項1に記載の防水シートの敷設方法。
[請求項3]
前記側部防水シート取付工程では、前記鉄筋籠の一側に設けられて鉛直方向に延びるガイドレールに前記側部防水シートを取り付けることで、前記側部防水シートを前記ガイドレールを介して前記鉄筋籠に取り付け、
前記防水シートの敷設方法は、
前記地中連続壁構築工程の後に前記ガイドレールの上端部に下降装置を配置する下降装置セッティング工程と、
前記下降装置セッティング工程の後に底部防水シートの外縁部を前記下降装置に取り付ける底部防水シート取付工程と、
前記内部空間形成工程の後、かつ、前記底部防水シート取付工程の後に、前記下降装置を前記ガイドレールにより案内しつつ前記ガイドレールの上端部から下端部まで下降させることで前記底部防水シートを前記廃棄物処分場の前記底部まで下降させる底部防水シート下降工程と、
を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の防水シートの敷設方法。
[請求項4]
前記接続部防水シート設置工程は、前記底部防水シート下降工程の後に実施され、
前記接続部防水シート設置工程は、前記接続部防水シートの下端部が前記廃棄物処分場の前記底部に到達するまで前記接続部防水シートを前記ガイドレールにより案内しつつ下降させることを含む、請求項3が請求項2に従属する場合の請求項3に記載の防水シートの敷設方法。
[請求項5]
前記底部防水シート下降工程の後、かつ、前記接続部防水シート設置工程の後に、前記底部防水シートの外縁部と前記側部防水シートの下端部と前記接続部防水シートの下端部とを覆うように押さえコンクリートを打設する押さえコンクリート打設工程を更に含む、請求項3が請求項2に従属する場合の請求項3又は請求項4に記載の防水シートの敷設方法。
[請求項6]
前記側部防水シート取付工程は、前記側部防水シートにおける前記鉄筋籠に相対する側と反対の側の表面を防護するためのシート部材を前記鉄筋籠に取り付けることを含む、請求項1~請求項5のいずれか1つに記載の防水シートの敷設方法。
[請求項7]
廃棄物が投棄される内部空間を有して地中を鉛直方向に延びる筒状の地中連続壁と、前記地中連続壁の下側開口部を塞ぐ底部とを有する廃棄物処分場内に防水シートを敷設する方法であって、
前記地中連続壁の周方向に間隔を空けて前記地中連続壁の内周面に設けられて鉛直方向に延びる複数のガイドレールの各々の上端部に下降装置を配置する下降装置セッティング工程と、
前記下降装置セッティング工程の後に底部防水シートの外縁部を前記下降装置に取り付ける底部防水シート取付工程と、
前記底部防水シートが取り付けられた前記下降装置を前記ガイドレールにより案内しつつ前記ガイドレールの上端部から下端部まで下降させることで前記底部防水シートを前記廃棄物処分場の前記底部まで下降させる底部防水シート下降工程と、
を含む、防水シートの敷設方法。
[請求項8]
前記下降装置セッティング工程に先立って前記地中連続壁の内周面に側部防水シートが敷設されており、
前記防水シートの敷設方法は、前記底部防水シート下降工程の後に、前記底部防水シートの外縁部と前記側部防水シートの下端部とを覆うように押さえコンクリートを打設する押さえコンクリート打設工程を更に含む、請求項7に記載の防水シートの敷設方法。
【符号の説明】
【0087】
1…廃棄物処分場、2…壁体、3…屋根、4…側部防水シート、4a…上端部、4b…下端部、4c…外面、5…底部防水シート、5a…外縁部、6…押さえコンクリート、7…内部空間、8…掘削底面、9…揚水管、9a…下端、11…第1壁部、12…第2壁部、14…開口部、15…通路、17…先行エレメント、18…後行エレメント、19…接続部、20…鉄筋籠、20a…一側面、21…腕部材、22…ガイドレール、22a…スリット、23…取付部材、25…シート部材、30,31…掘削溝、40…接続部防水シート、40a…上端部、41…接続部防水シートユニット、42…T継手、42a…フランジ、42b…ウェブ、43…フラットバー、50…下降装置、51…本体部、51a…フランジ、51b…ウェブ、52,53…貫通孔、54…吊りロープ、61…耳部、62…ひも、63…孔、C1,C2…間隔、G1…原地盤、G2…盛土、GL1,GL2…地面、W…水、WL…地下水位、WS…水面
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