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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】印刷温度センサー
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/22 20060101AFI20220830BHJP
   H01C 7/04 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G01K7/22 A
H01C7/04
G01K7/22 N
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019548465
(86)(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 NL2018050134
(87)【国際公開番号】W WO2018164570
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-08
(31)【優先権主張番号】17159343.7
(32)【優先日】2017-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511095850
【氏名又は名称】ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト-ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】コルネリス・ヘルマニュス・アルノルドゥス・レントロープ
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲン・スウェルセン
(72)【発明者】
【氏名】ミラン・サールミンク
(72)【発明者】
【氏名】エドガー・コンスタント・ピーテル・スミッツ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルヘルム・アルベルト・フルン
【審査官】森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-538462(JP,A)
【文献】国際公開第2017/022373(WO,A1)
【文献】特開2015-082501(JP,A)
【文献】特開2006-024863(JP,A)
【文献】特開2004-335738(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0165289(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102008009817(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K7/22
H01C7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極ギャップ(G)によって分離された一対の電極(2a、2b)を含む電気回路(2)、及び、
前記電極ギャップ(G)を満たすために電極(2a、2b)の間に配されたセンサー材料(3)であって、前記センサー材料(3)が、負の温度係数(NTC)を有するNTC材料で形成されたコア(3c)、及び、前記コア(3c)の周りに半導体微粒子(3p)の外面を形成する分子の単一層によって形成された外側の緩和層(3s)を含む前記半導体微粒子(3p)を含み、前記微粒子(3p)が、前記センサー材料(3)を印刷するためのバインダーとして機能する誘電体マトリクス(3m)に混合され、前記微粒子(3p)が、互いに接触して前記誘電体マトリクス(3m)を介して相互接続ネットワークを形成し、前記微粒子(3p)の相互接続ネットワークが、前記電極(2a、2b)の間で負の温度係数を有する導電性通路として作用する、センサー材料(3)、
を含む、印刷温度センサー(10)。
【請求項2】
前記誘電体マトリクス(3m)に対する前記微粒子(3p)の体積比が、前記微粒子(3p)の浸透限界を超える、請求項1に記載の印刷温度センサー。
【請求項3】
前記センサー材料(3)の微粒子(3p)の充填密度が、0.5よりも大きい、請求項1又は2に記載の印刷温度センサー。
【請求項4】
前記誘電体マトリクス(3m)に対する微粒子(3p)の比が、純粋な形態の前記NTC材料の導電率の少なくとも50パーセントに等しい前記センサー材料(3)の導電率を有するように十分高い、請求項1から3の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項5】
前記電極ギャップ(G)の最小距離が、前記微粒子の平均直径(D)の1から10倍の範囲にある、請求項1から4の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項6】
前記微粒子(3p)が、10から50マイクロメートルの間の直径(D)を有する、請求項1から5の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項7】
前記微粒子(3p)が、前記相互接続ネットワークを形成するために融合することなく互いに接触する個々の粒子である、請求項1から6の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項8】
前記微粒子(3p)が、スピネル構造を有するセラミック酸化物材料を含む、請求項1から7の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項9】
前記外側の緩和層(3s)の厚さが2ナノメートル未満である、請求項1から8の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項10】
前記微粒子(3p)が、10を超えるアスペクト比を有する細長い粒子を含む、請求項1から9の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項11】
前記誘電体マトリクス(3m)が、ポリマー材料又は架橋可能な材料を含む電気絶縁材料を含む、請求項1から10の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項12】
前記誘電体マトリクス(3m)が、架橋後に高密度構造を形成し、最大吸水率が0.5パーセント未満である、請求項1から11の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項13】
前記印刷温度センサー(10)を備えた前記基板(1)が、可撓性及び/又は伸縮性である、請求項1から12の何れか一項に記載の印刷温度センサー。
【請求項14】
誘電体マトリクス(3m)内の前記微粒子(3p)を溶媒と混合し、センサー材料(3)を、10から100Pa・s-1の範囲の粘度を有するインク又はペーストとして生成する段階と、
前記センサー材料(3)を電気回路(2)の電極(2a、2b)の間の基板に付ける段階と、
前記誘電体マトリクス(3m)を架橋することによって前記ペーストを硬化し、及び/又は、前記微粒子(3p)を溶融又は焼結することなく前記溶媒を蒸発させる段階と、
を含む、請求項1から13の何れか一項に記載の印刷温度センサーの製造方法。
【請求項15】
前記印刷温度センサー及び基板が、摂氏150度以下の低温で処理される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、負の温度係数(NTC)を有する抵抗器に基づく印刷温度センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
サーミスタは、抵抗が温度に特有の依存性を持つ抵抗器の一種である。依存性が知られている場合、抵抗を温度の尺度として使用できる。温度検出回路は、一般に、NTCタイプのサーミスタを使用し、NTCタイプでは、温度が上昇すると抵抗が減少する。これは、抵抗が温度と十分に線形に依存するためである。このようなサーミスタに使用されるNTC材料は、通常、セラミック材料を含む。しかしながら、このような材料には、摂氏1000度を超える焼結プロセスに耐えることができる特殊なセラミック基板(アルミナ、石英)が必要である。低温処理に適したセラミックベースのNTCを作ることは、熱電特性に悪影響を与えることなく困難である。一般に、現在の高信頼性サーミスタは、PEN/PETなどのプラスチック、シリコーン又はポリウレタンなどのゴム、FR4などの複合材ボード、例えばポリイミド又はガラスである高温箔などの、電子機器における広範な基板への印刷には適さない高温処理を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、一般的な産業用及び印刷電子基板と互換性のある温度条件下で(柔軟な)基板に直接適用できる信頼できる熱電気特性を備えた印刷可能な温度センサーを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本開示は、基板上に印刷され得る温度センサーを提供する。温度センサーは、電気回路を備える。電気回路は、一対の電極を備える。電極は、電極ギャップによって分離される。センサー材料は、電極間に配され、電極ギャップを埋める。センサー材料は、半導体微粒子を含む。微粒子は、強いNTC挙動を示す材料を含む。微粒子は、非導電性の誘電体マトリクスに混合される。誘電体マトリクスは、例えば、センサー材料の印刷に適したものにし、硬化後のフィルムの機械的安定性を提供するように、バインダーとして機能し得る。有利には、微粒子は、個別(結合されていない)であってもよいが、互いに接触し、誘電体マトリクスを通して相互接続されたネットワークを形成する。相互接続された微粒子のネットワークは、電極間で負の温度係数を有する導電性経路として機能する。
【0005】
微粒子としてNTC材料を適切な誘電体マトリクスに混合することにより、材料は、印刷可能になる。セラミック微粒子は、マトリクスと混合することによってインク又はペーストを形成する前に、高温で処理されてもよい。誘電体マトリクスは、低温で材料を付けた後に蒸発する溶媒と混合することができる。センサー材料に相互接続されたネットワークを形成するために、付けた後に微粒子が互いに接触するように微粒子を混合することによって、NTC材料の熱電特性は、溶融又は焼結によって粒子を融合する必要なく保持できることが分かる。従って、印刷可能な温度センサーには、信頼性の高い熱電気特性が提供され、それは、例えば低温条件下で従来の基板に付けられ得る。
【0006】
浸透限界を遥かに超える誘電体マトリクスに対する微粒子の体積比を提供することによって、電極ギャップの大きさ程度で誘電体マトリクス全体に微粒子が接続成分を形成することが保証される。これは、典型的には、例えば、0.5(50%)を超える、好ましくは0.7を超える、比較的高い充填密度の微粒子を提供することにより達成され得る。センサー材料の導電率又は抵抗挙動から、最小の望ましい比率を実験的に測定することもできる。例えば、誘電体マトリクスに対する微粒子の比は、好ましくは、センサー材料の導電性を純粋なNTC材料の導電性に近づけるのに十分に高い、例えば50%以内で、純粋なNTC材料と実質的に同じ導電率を持つ。典型的な材料の場合、これは、3対1を超える、誘電体マトリクスに対する微粒子の質量比に相当する場合がある。
【0007】
好ましくは、センサー材料の導電特性は、隣接する微粒子間のトンネリング又はホッピングではなく、微粒子のNTC材料の強く熱的に活性化される電子特性によって主に支配される。それに加えて、微粒子から微粒子へのホッピングの数は、微粒子中のNTC材料のバルク導電特性への影響を最小限に抑えるのに十分に低く保つことが好ましく、例えば、導電率への影響は10%未満、好ましくは5%未満、又は実際には影響がないように保つことが好ましい。例えば、ギャップを越えるための粒子間ホップの数は、平均で5から20以下であることが好ましい場合がある。
【0008】
電極間のNTC材料との比較的狭いギャップを使用することによって、導電性通路を形成する微粒子の数が制限される場合がある。従って、電極ギャップの(最小)距離は、微粒子の平均直径の1から10倍の範囲に設定することが好ましい。典型的には、微粒子は、1から100マイクロメートル、好ましくは10から50マイクロメートルの平均直径を有する。従って、電極ギャップの最小距離は、例えば、10から1000マイクロメートル、好ましくは20から200マイクロメートルの範囲で選択されてもよい。
【0009】
そのコアのNTC材料の周囲に緩和(pacification)層を形成することによって、微粒子は、環境、例えば水分に対してより不活性(反応性が低い)になる場合がある。しかし、接触する微粒子間の十分な伝導を達成するために、NTC材料は、5ナノメートル以下、好ましくは3ナノメートル未満の距離で分離されることが望ましいことが分かっている。従って、緩和層は、非常に薄いことが好ましく、例えば、2ナノメートル未満である。そのような薄層は、本質的に、分子の単一層からなり、例えば、粒子コアの外表面にグラフ化された自己組織化単分子層によって達成することができる。
【0010】
本方法との組合せに有利なNTC材料は、半導体セラミック(金属酸化物)、特にNiMn、CuFe、CoMn、Feなどのスピネル酸化物構造を有するものに見られる。特に適切なのは、マンガンスピネル酸化物を含む微粒子であり得る。必要に応じて、Cu、Fe、Co、Ni、Znなどの他の元素の追加の酸化物を含めることができる。例えば、マンガンスピネル酸化物は、パレットにプレスされ、好ましくは摂氏1000度、例えば摂氏1100度以上の温度で焼成される金属酸化物前駆体粉末の均一な分布によって生成され得る。か焼されたパレットは、粉砕され、特定のサイズの微粒子、例えば、10から50マイクロメートル、好ましくは10から20マイクロメートルの範囲の大きさを有する微粒子に篩い分けされる。
【0011】
センサー基板のいくらかの曲げ及び/又は伸張を可能にするために、センサー材料は、好ましくは、比較的薄い厚さ、例えば15から100マイクロメートルの厚さを有する。センサー材料の形状(レイ)は、印刷によって付けることができる。例えば、センサー材料は、ステンシル印刷を使用して付けてもよく、例えば、ステンシルの厚さは、25から300マイクロメートル、好ましくは100から150マイクロメートルに設定される。例えば、センサー材料は、スクリーン印刷を使用して適用され、例えば、200マイクロメートル未満のメッシュサイズのメッシュを有するスクリーンが使用される。
【0012】
誘電体マトリクスに電気絶縁材料を提供することによって、微粒子のNTC材料を介してのみ伝導が本質的に行われることが保証され。例えば、誘電体マトリクスは、ポリマー材料又は架橋可能な材料を含んでもよい。中性pH(水素イオン指数、酸性度)を有する誘電体マトリクスの材料を使用することによって、マトリクスは、通常、中性に帯電し、微粒子がマトリクスの酸性度によって劣化しないようにしする。湿度に対する親和性の低い誘電体マトリクスの材料、例えば、高密度及び/又は疎水性の材料を使用することによって、伝導挙動に対する環境の影響を回避することができる。例えば、誘電体マトリクスは、架橋後に高密度構造を形成し得、例えば、水分の最大吸収量を0.5(質量)パーセント未満、好ましくは0.1パーセント以下にすることができる。例えば、誘電体マトリクスは、アクリレート、エポキシ、イソプレン又はベンゾシクロブテン部分を持つ前駆体を含む。例えば、誘電体マトリクスは、ポリウレタンエーテル、ポリイソプレン、硝酸セルロースなどの誘電体ポリマーを含む。
【0013】
電極は、典型的には金属で作られており、例えば、Al、Mo、Ag、Au、Cuなどの金属のスパッタリングによって堆積することができる。好ましくは、電極も印刷され、銀ペースト若しくはインク、又は、銅で作られる。例えば、電極は、0.1から10μmの範囲の層厚を有し得る。インターデジタルなフィンガー電極(ドライバー)を形成することによって、電極ギャップは、例えば最小ギャップ距離の少なくとも10倍であるギャップ距離を横切って比較的長くなる。これにより、センサーの全抵抗が低下する可能性があり、それは、10kΩから10MΩの範囲であることが好ましい。例えば、センサー材料のフィルムは、0.01mmより大きい断面積で電極フィンガーの間に形成されてもよい。例えば、断面積は、フィルムの幅と高さの積である。任意に、一定の割合以内、例えば10%以内で所定の値に一致させるために、レーザーによってセンサー層の抵抗を調整することができる。
【0014】
任意に、セラミック粒子は、焼結中にフィラメントに成形されてもよい。このようにして、高アスペクト比のフィラメント又はナノワイヤを作り、フィラメントの方向に高い導電率を実現することができる。
【0015】
様々なタイプの基板を使用することができる。例えば、基板は、セラミック、ポリマー又は複合材料を含むか、又は本質的にそれからなってもよい。例えば、基板は、ガラス(SiO)、シリコン、アルミナからなるセラミックを含んでもよい。あるいは、基板は、繊維ガラス強化エポキシドボード、ラミネートタイプのPCBなどのプリント回路基板(PCB)を含む。あるいは、基板は、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などのプラスチックを含む。
【0016】
好ましくは、基板は、例えば25から200マイクロメートルの厚さを有する可撓性及び/又は伸縮性の箔を含む。いくつかの実施形態では、センサーを備えた基板は、可撓性であり、例えば、本質的な機能を失うことなく、5ミリメートル未満の曲げ半径を可能にする。他の又は更なる実施形態では、センサーを備えた基板は、伸縮可能であり、例えば、本質的な機能を失うことなく、少なくとも10パーセントの伸びを可能にする。例えば、基板は、例えば熱ポリウレタン又はシリコーンを有するゴム基板を含む。例えば、マトリクスは、伸縮可能な銀ペーストを含む電極を備えたゴム材料を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付された特許請求の範囲及び添付された図面から、よりよく理解されるであろう。
【0018】
図1】センサーの一実施形態の上面図を概略的に示す図である。
図2A】微粒子の周りの緩和層に関連する様々な詳細を示す。
図2B】微粒子の周りの緩和層に関連する様々な詳細を示す。
図2C】微粒子の周りの緩和層に関連する様々な詳細を示す。
図2D】微粒子の周りの緩和層に関連する様々な詳細を示す。
図3A】センサーの第2の実施形態の側面図を概略的に示す。
図3B】センサーの第3の実施形態の側面図を概略的に示す。
図4A】センサーの第4の実施形態の上面図を概略的に示す。
図4B】センサーを備えた可撓性基板の実施形態の側面図を概略的に示す。
図5A】1つ以上のセンサーを含む回路図を概略的に示す。
図5B】1つ以上のセンサーを含む回路図を概略的に示す。
図5C】1つ以上のセンサーを含む回路図を概略的に示す。
図5D】1つ以上のセンサーを含む回路図を概略的に示す。
図6A】絡み合ったフィンガー構造を含むセンサーの2つの実施形態の写真を示す。
図6B】印刷された温度センサーのグリッドを含む可撓性箔の写真を示す。
図7A】微粒子の例示的な電子顕微鏡画像を示す。
図7B】測定された粒径分布を示すグラフを示す。
図8A】温度及び/又は湿度の関数としての抵抗の測定値のグラフを示す。
図8B】温度及び/又は湿度の関数としての抵抗の測定値のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特定の実施形態を説明するために使用される用語は、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。「及び/又は」という用語は、関連する列記されたアイテムの1つ又は複数のありとあらゆる組合せを含む。用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、述べられた特徴の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴の存在又は追加を排除しないことが理解されるであろう。方法の特定の段階が別の段階に続くと称される場合、別の指定がない限り、特定の段階を実行する前に、他の段階に直接続くか、又は1つ又は複数の中間段階を実行できることがさらに理解されよう。同様に、構造又は構成要素間の接続が記述されている場合、この接続は、特に明記しない限り、直接又は中間の構造又は構成要素を介して確立できることが理解される。
【0020】
以下、本発明の実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。図面では、明確にするために、システム、構成要素、層及び領域の絶対的な大きさと相対的な大きさが誇張されている場合がある。実施形態は、本発明の可能性のある理想的な実施形態及び中間構造の概略図及び/又は断面図を参照して説明することができる。詳細な説明及び図面において、同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。相対的な用語及びその派生語は、次に説明されるか、又は議論中の図面に示される方向を指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、特に明記しない限り、システムを特定の方向で構築又は操作する必要はない。
【0021】
図1は、例えば温度測定用のセンサー10の一実施形態の上面図を概略的に示す。
【0022】
一実施形態では、センサー10は、基板1を含むか、基板1上に形成される。電気回路2は、例えば基板1に堆積される。電気回路2は、電極ギャップGによって分離された一対の電極2a、2bを含む。センサー材料3は、電極2a、2bの間に配されて、電極ギャップGを埋める。本明細書で説明されるように、センサー材料3は、好ましくは、NTC材料を含む、すなわち抵抗の負の温度係数を有する半導体微粒子3pを含む。微粒子3pは、非導電性誘電体マトリクス3mに混合される。電気絶縁性マトリクス3mは、バインダーとして機能してもよい。示されるように、個々の微粒子3pは、互いに接触して、誘電体マトリクス3mを介して相互接続されたネットワークを形成する。勿論、この図は、2次元であるが、実際には3次元のネットワークが形成される。微粒子3pの相互接続されたネットワークは、電極2a、2b間に負の温度係数を有する導電性通路を形成し得る。この図は、考えられる1つの通路を模式的に示しているが、さらに多くの通路がある場合がある。本開示は、単一のピース(NTC)の材料を形成するために一緒に融合する必要なしに、すなわち、微粒子を一緒に焼結又は溶融するための高温処理の必要なしに、互いに密接な相対距離にあり、及び/又は互いに接触し得る個々の又は別個の(融合されていない)微粒子のネットワークを提供し得ることが理解されよう。
【0023】
一実施形態では、誘電体マトリクス3mに対する微粒子3pの体積比は、微粒子3pの浸透限界を十分に超えており、電極ギャップGの大きさのオーダーで誘電体マトリクス3mにわたって接続成分を形成する。浸透限界は、パーコレーション理論に関連する数学的概念と見なすことができ、パーコレーション理論は、ランダムシステムでの長距離接続の形成である。限界を超えると、通常、システムサイズのオーダーの巨大な接続された構成要素が存在する。
【0024】
いくつかの実施形態では、センサー材料3における微粒子3pの充填密度は、0.5よりも大きく、好ましくは0.6よりも大きく、さらには0.7よりも大きい。好ましくは、誘電体マトリクス3mに対する微粒子3pの比は、センサー材料3の導電性をNTC材料自体の導電率に近づけるのに十分なほど高く、例えば、50%以内、または純粋なNTC材料と実質的に同じ導電率を有する。別の又は更なる実施形態では、誘電体マトリクス3mに対する微粒子3pの質量比は、2対1よりも大きく、好ましくは3対1よりも大きい。
【0025】
一実施形態では、電極ギャップGの最小距離(矢印で示される)は、微粒子の平均直径又は最大直径Dの1から10倍の範囲にある。勿論、本粒子は、ボールとして描かれている、一般に様々な形状が存在し得る。例えば、電極ギャップGの最小距離は、10から1000マイクロメートル、好ましくは20から200マイクロメートルの範囲で選択される。例えば、微粒子3pは、1から100マイクロメートルの間、好ましくは10から50マイクロメートルの間の直径Dを有する。一実施形態では、セラミック粒子は、直径が約0.1から10μm、長さが10から250μmのロッド又はワイヤの形態で成長する。長い電極ギャップ(G)に対してこれを行うと、1本のワイヤでギャップを埋めることができる。
【0026】
センサー材料3の導電特性は、隣接する微粒子間のトンネリング又はホッピングではなく、微粒子のNTC材料を通る電荷輸送によって主に支配されることが好ましい。従って、微粒子3p又は少なくともNTC材料間の距離は小さいことが好ましい。一実施形態では、接触する微粒子3p内の負の温度係数NTCを有する材料3cは、5ナノメートル未満、好ましくは3ナノメートル未満の距離Dccだけ分離されている。別の又は更なる実施形態では、微粒子から微粒子へのホッピングの数は、微粒子中のNTC材料のバルク伝導特性への影響を最小限に抑えるために十分に少なく、導電率への影響は10%未満、好ましくは5%未満、又は認識できる影響がない場合さえある。例えば、ギャップを越えるためのホップの数は、平均で5から20、又はそれ以下である。
【0027】
示された実施形態では、電極2a、2b及びセンサー材料3は、基板1に堆積される。特に、センサー材料3は、電極2a、2bの間に堆積される。従って、電極ギャップGの距離は、基板1に沿ったセンサー材料3の断面寸法によって決定され得る。
【0028】
一実施形態では、センサー材料は、例えば印刷により付けられる15マイクロメートルと100マイクロメートルとの間の乾燥層厚を有する。例えば、センサー材料は、ステンシル印刷を使用して付けられ、ステンシルの厚さは、25から300マイクロメートル、好ましくは100から150マイクロメートルに設定される。例えば、センサー材料3は、スクリーン印刷を使用して付けられ、例えば、200マイクロメートル未満のメッシュサイズのメッシュを有するスクリーンが使用される。
【0029】
一実施形態では、電極は、金属で作られ、例えばAl、Mo、Ag、Au、Cuなどの金属のスパッタリングによって堆積される。別の又は更なる実施形態では、電極2aは、例えば、印刷され、例えば、Ag、Cuなどの金属で作られる。例えば、電極は、0.1から10μmの範囲の層厚を有する。一実施形態では、センサー材料によって形成されるフィルムは、0.01mmより大きい断面積を有する。例えば、断面積は、フィルムの幅と高さの積である。好ましくは、センサーの抵抗は、10kΩと10MΩとの間の範囲にある。任意に、センサー層の抵抗をレーザーで調整して、10%以内の所定の値に一致させる。
【0030】
一実施形態では、誘電体マトリクス3mは、電気絶縁材料、例えば、高分子又は架橋可能な材料である電気絶縁材料を含む。別の又は更なる実施形態では、誘電体マトリクス3mの材料は、中性pHを有する。ある実施形態では、誘電体マトリクスの材料は、湿度に対して低い親和性を有し、例えば、高密度及び/又は疎水性材料であり、例えば、0.5(質量)パーセント未満、好ましくは0.1パーセント以下の最大吸水量を可能にし、例えば、0.5(質量)パーセント未満、好ましくは0.1パーセント以下の最大吸水量を可能にし、例えば、0.5(質量)パーセント未満、好ましくは0.1パーセント以下の最大吸水量を可能にし、例えば、0.5(質量)パーセント未満、好ましくは0.1パーセント以下の最大吸水量を可能にし、例えば、0.5(質量)パーセント未満、好ましくは0.1パーセント以下の最大吸水量を可能にすることができる。好ましくは、誘電体マトリクス3mは、架橋後に高密度構造を形成する。例えば、誘電体マトリクス3mは、アクリレート、エポキシ、イソプレン又はベンゾシクロブテン部分を有する前駆体を含む。例えば、誘電体マトリクス3mは、ポリウレタンエーテル、ポリイソプレン、硝酸セルロースなどの誘電体ポリマーを含む。
【0031】
一実施形態では、基板は、セラミック、ポリマー又は複合材料を含むか、本質的にそれらからなる。例えば、基板は、ガラス(SiO)、シリコン、アルミナからなるセラミックを含む。別の実施形態では、基板は、繊維ガラス強化エポキシドボードFR4、ラミネートタイプのPCBなどの印刷回路基板(PCB)を含む。別の実施形態では、基板は、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート[PET]、ポリエチレンナフタレート[PEN]、ポリイミド[PI]、ポリカーボネート、ポリ[メチルメタクリレート][PMMA]などのプラスチックを含む。好ましい実施形態では、基板は、例えば25から200マイクロメートルの厚さを有する可撓性箔を含む。
【0032】
温度センサーを製造するための好ましい実施形態は、誘電性マトリクス中の微粒子を溶媒と混合して、センサー材料をインク又はペーストとして形成する段階を含む。例えば、ペーストは、10から100Pa・s-1の範囲の粘度を有する。別の又は更なる実施形態において、センサー材料3は、電気回路の電極間の基板に付けられる。別の又は更なる実施形態では、ペーストは、溶媒を架橋及び/又は蒸発することによって硬化される。これは、微粒子の溶融、焼結又はそうでなければ融合を必要としない、例えば、単一の冶金学的ネットワークを形成することを必要とされず、プロセスが比較的低温で実行できることが理解されるであろう。また、それは、バインダーとしてさらに金属(焼結)材料を必要としない。好ましくは、センサー及び基板は、例えば、摂氏250度以下、好ましくは、摂氏150度以下の低温で処理される。例えば、硬化プロセスは、摂氏150度以下の高温で実行される。例えば、微粒子の溶融温度(例えば、>500℃又は>1000℃)は、処理温度(<250℃)よりも遥かに高くなる可能性がある。
【0033】
一実施形態では、インクは、金属酸化物粉末とバインダーとを3:1の比で溶媒と混合することにより得られ、その後、溶媒は、均質で均一なペーストに混合される。例えば、微粒子は、卑金属酸化物粉末、例えば、MnO、Co、NiO、CuO、ZnOなどを混合することによって均一な混合物にすることにより得られる。これらは、その後、例えば、典型的には2時間にわたって約950℃で焼成されてもよい。いくつかの実施形態では、金属酸化物粉末をペレットにプレスし、1100℃で24時間再度焼成し、1時間にわたって950℃まで冷却し、次いで、急冷して焼結スピネル酸化物パレットを得る。他の実施形態又は更なる実施形態では、パレットは、より小さい片に機械的に破砕され、その後、より小さいサイズに粉砕される。
【0034】
一実施形態において、粒子は、粒子サイズのより狭い分布を提供するために、いくつかの篩を通して篩に掛けられる。例えば、10μm以下、10から20μmの間、20μm以上の粒子のサイズ分布を得るために篩に掛けられる。ある実施形態において、粒子は、不動態化剤、例えば、ホスホン酸の50mMのイソプロパノール溶液に粒子を浸すことによって不動態化される。
【0035】
図2Aから図2Dは、微粒子3pのコア3cの周りの任意の緩和層3sに関連する様々な詳細を示す。
【0036】
図2Aは、本明細書に記載の誘電体マトリクス3m内の2つの接触微粒子3pを概略的に示す。示された例示による実施形態では、微粒子3pは、それらを不活性にする及び/又は(環境)劣化を防ぐために外側の緩和層3sを含む。例えば、緩和層3sは、微粒子3pのコア3cの周囲に形成される。好ましくは、コア3cは、本質的にNTC材料からなる。
【0037】
図2Bは、図2Aの拡大部分を概略的に示す。一実施形態では、例えば。図示されているように、緩和層3sは、本質的に、微粒子3pの外表面を形成するようにグラフ化された単一の分子層からなる。例えば、緩和層3sは、粒子コア3cの外表面にグラフ化された自己組織化単分子層から構成される。
【0038】
図2Cは、緩和層3sを形成するための1つの例示的な分子の化学式を概略的に示す。好ましい実施形態では、自己組織化単層は、ホスホン酸(亜リン酸)基と疎水性鎖からなる。例えば、疎水性鎖は、脂肪族鎖又はフッ素化脂肪族鎖からなる。炭素原子の長さは、3から18原子、好ましくは6から8原子の長さである。
【0039】
図2Dは、鎖内の炭素原子の数Nの関数としての緩和層3sの予想される層厚Dsのグラフを示す。好ましい実施形態では、緩和層の厚さDsは、5ナノメートル未満であり、より好ましくは、2ナノメートル未満である。
【0040】
図3Aは、センサー10の第2の実施形態の側面図を概略的に示す。示された実施形態では、センサー10は、基板1上の垂直スタックによって形成される。スタックは、下部電極2a及び上部電極2bを形成する層間に堆積されたセンサー材料3の層を含む。従って、電極ギャップGの距離は、センサー材料3の層厚により決定され得る。
【0041】
図3Bは、センサー10の第3の実施形態の側面図を概略的に示す。示された実施形態では、電極2a、2b間のセンサー材料3は、カプセル化層4によってカプセル化されている。一実施形態では、基板1は、センサー材料3の両側の2つの部分1a、1bによって形成される。
【0042】
図4Aは、センサー10の第4の実施形態の上面図を概略的に示す。示された実施形態では、電極2a、2bは、センサー材料3を間に挟んだ細長い蛇行ギャップGを画定する絡み合ったフィンガー構造を形成する。一実施形態では、細長いギャップは、電極表面を横断するギャップ長を有し、ギャップ長は、最小ギャップ距離の少なくとも10倍である。
【0043】
図4Bは、この場合、複数のセンサー10を備えた可撓性基板1の実施形態の側面図を概略的に示す。一実施形態では、1つ以上のセンサー10を備えた基板1は、可撓性であり、例えば、(センサーが)本質的な機能を失うことなく、5ミリメートル未満の曲げ半径「r」を可能にする。別の又は更なる実施形態では、1つ又は複数のセンサー10を備えた基板1は、伸縮可能であり、例えば、本質的な機能を失うことなく、少なくとも10パーセントの伸びを可能にする。例えば、基板は、ゴム基板、例えば、ポリウレタン(TPU)又はシリコーンを有するゴム基材を含む。例えば、誘電体マトリクス3mは、ゴムマトリクスを含む。例えば、電極は、伸縮性銀ペーストを含む。
【0044】
図5Aから図5Dは、1つ又は複数のセンサー10を含む様々な回路図を概略的に示す。センサーの一実施形態は、感温材料の間にあるスクリーン印刷された銀電極を含む。このフィルムには、マルチメータに直接接続するか、分圧器の回路図を使用してADCで読み出すことができる2つの外部リードを提供する。例えば、図5Aに示されるように、センサー10の温度依存抵抗Rtは、対応する可変出力電圧Voutをもたらし得る。あるいは、図5Bは、高入力バッファステージを提供することによって、信号増幅及び/又はノイズを低減するためにオペアンプを使用する方法を示している。これらの実装では、センサーは、定電圧Vinを印加することによって駆動される。あるいは、定電流源を電流-電圧回路構成と組み合わせて使用できる。例えば、1から5ボルトの電圧がセンサーに印加される。センサーの温度は、Steinhart-Hart式を使用してセンサーから抽出できる。例えば、パラメータは、センサー材料の特定のインク組成について抽出されてもよい。代替的又は追加的に、R=Rexp(β/T)などの式を使用して温度抵抗依存性が計算される。
【0045】
図5Cは、各センサーがパッシブマトリクスアレイに接続される方法で読み出され得る温度センサーのアレイの例を示す。例えば、1つの温度センサーは、各々の行と列との交差点に配置される。一実施形態では、アレイ内の他のセンサーからの混信は、選択されていない行及び/又は列を接地することにより抑制され得る。
【0046】
図5Dは、温度センサーのアレイが設けられ、各温度センサーが薄膜トランジスタと直列に統合されている例を示す。これにより、各センサーを個別にアドレス指定できる場合がある。一実施形態において、温度感受性アレイは、本明細書に記載されるように、基板1上の複数のセンサー10によって形成される。
【0047】
図6Aは、本明細書に記載の方法により生成された絡み合ったフィンガー構造を含むセンサーの2つの実施形態の写真を示す。センサーの総抵抗は、フィンガーの数、フィンガーの長さ、フィンガー間の隙間の大きさ、材料の厚さ、例えばセンサー層の厚さ等の構造体のパラメータを変えることによって変えることができることが理解されよう。
【0048】
図6Bは、本明細書に記載の方法により製造された印刷温度センサーのグリッドを含む可撓性箔の写真を示す。
【0049】
図7Aは、微粒子3pの例示的な電子顕微鏡画像を示す。図7Bは、粒径Dの測定分布を伴うグラフを示す。好ましい実施形態では、微粒子3pは、セラミック酸化物材料を含む。例えば、微粒子3pは、NiMn、CuFe、CoMn、Feなどのスピネル酸化物構造を含む。さらにより好ましい実施形態では、微粒子3pは、マンガンスピネル酸化物(Mn)を含む。必要に応じて、Cu、Fe、Co、Ni、Znなどの他の元素の追加の酸化物を含めることができる。例えば、マンガン又は他のスピネル酸化物は、金属酸化物前駆体粉末を均一に分布させてパレットにプレスし、好ましくは摂氏1000度以上、例えば摂氏1100度で焼成することにより製造することができる。か焼されたパレットは、粉砕され、篩掛けされ、例えば、10から50マイクロメートル、好ましくは10から20マイクロメートルの範囲の平均又は最大直径を有する特定のサイズの微粒子になる。
【0050】
図8Aは、本明細書に記載の方法に従って製造されたセンサーの異なる相対加湿Hに対する温度Tの関数としての抵抗Rの測定値のグラフを示す。挿入図は、異なる加湿のラインが非常に近いことを示しており、センサーの湿度依存性が非常に低いことを示している。好ましい実施形態では、センサー10は、ケルビン当たり3パーセントを超える室温(例えば摂氏20度)での温度係数(α)、又は2500ケルビンより大きいベータ(β)係数を有する。
【0051】
図8Bは、本明細書に記載のセンサー及び基準センサーを用いた、変化する温度の測定値のグラフを示す。グラフでは線が重なっているため、この図では区別できない。グラフは、センサーが実質的に相対湿度Hの影響を受けず、様々な温度サイクルの後も持続することを示している。
【0052】
明確化及び簡潔な説明のために、本明細書では同じ又は別個の実施形態の一部として特徴を説明しているが、本発明の範囲には、説明した特徴の全て又は一部の組合せを有する実施形態が含まれることが理解されよう。例えば、実施形態がセンサー配置について示されたが、同様の機能及び結果を達成するために本開示の利益を有する当業者によって代替の方法も想定され得る。例えば、電子機器及び/又はセンサー材料を組み合わせ、又は、1つ又は複数の代替部品に分割することができる。議論及び図示した実施形態の様々な要素は、印刷可能なNTCセンサー材料などの特定の利点を提供する。当然ながら、上記の実施形態又はプロセスの何れか1つを、1つ又は複数の他の実施形態又はプロセスと組み合わせて、設計及び利点を見つけて一致させる際の更なる改善を提供できることを理解されたい。原則として、センサーの全ての部分が印刷され、又は、一部、例えばセンサー材料が印刷され、一方で、他の部分、例えば電極が他の手段によって堆積され又は配置されてもよい。センサーは、基板上に完全に又は部分的にあり、その基板は、印刷後に維持され、又は除去され得る。本開示は、温度センサーに特定の利点を提供し、一般に、同様のセンサー材料が印刷される他のタイプのセンサーに適用できることが理解される。
【0053】
最後に、上記の議論は、本システム及び/又は方法の単なる例示であることを意図しており、添付の特許請求の範囲を特定の実施形態又は実施形態群に限定するものとして解釈されるべきではない。従って、明細書及び図面は、例示的な方法でみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。添付の特許請求の範囲を解釈する際、「含む」という用語は、所定の請求項に記載されたもの以外の他の要素又は行為の存在を排除しないことを理解されたい。要素に先行する単語「a」又は「an」は、複数のそのような要素の存在を排除しない。特許請求の範囲内の参照符号は、その範囲を制限しない。いくつかの「手段」は、同じ又は異なるアイテム又は実装された構造又は機能によって表される。開示されたデバイス又はその部分のいずれも、特に明記しない限り、一緒に組み合わされるか、又は更なる部分に分離されてもよい。特定の手段が相互に異なる特許請求の範囲に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。特に、特許請求の範囲の全ての有効な組合せは、本質的に開示されていると見なされる。
【符号の説明】
【0054】
1 基板
2a 電極
2b 電極
3 センサー材料
3c コア
3m 誘電体マトリクス
3p 微粒子
3s 緩和層
4 カプセル化層
10 センサー
図1
図2A-2D】
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B