(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】マシンツーマシンネットワーク最適化およびオンライン課金
(51)【国際特許分類】
H04W 76/34 20180101AFI20220830BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20220830BHJP
H04W 76/19 20180101ALI20220830BHJP
H04W 4/24 20090101ALI20220830BHJP
【FI】
H04W76/34
H04W4/70
H04W76/19
H04W4/24
(21)【出願番号】P 2019551921
(86)(22)【出願日】2017-12-13
(86)【国際出願番号】 US2017066023
(87)【国際公開番号】W WO2018112003
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-14
(32)【優先日】2016-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ナイール,ギリッシュ
(72)【発明者】
【氏名】カップラ,シュリニヴァス
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-527785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信ネットワーク内のネットワークリソースを保存する方法であって、
第1ネットワークノードによって実装され、当該方法が、
デバイス・ユーザ・グループ(「DUG」)の複数のメンバのそれぞれが所定の時間間隔より長く非アクティブであるかを判定することであって、前記複数のメンバが、既存のユーザー端末(「UE」)セッションと関連付けられた
、M2MデバイスであるUEを含む、ことと、
前記複数のメンバのそれぞれが前記所定の時間期間より長く非アクティブであるとの判定に応じて、
前記既存のUEセッションに関連する情報のサブセットを識別することであって、前記情報のサブセットを使用して、前記UEと関連付けられた新たなUEセッションを作成することが可能である、ことと、
前記情報のサブセットを記憶することと、
前記第1ネットワークノードにおいて、前記既存のUEセッションと関連付けられたネットワークリソースを解放することであって、前記UEは前記解放が通知されない、ことと、
解放原因コードを第2ネットワークノードに送信することであって、前記解放原因コードが、前記第2ネットワークノードでローカル・ネットワーク・リソースを、前記ローカル・ネットワーク・リソースの解放について前記UEに通知することなく、前記第2ネットワークノードに解放させる、ことと、
前記UEにデータを転送する要求を
第2ネットワークノードから受信することと、
前記
セッション情報のサブセットを使用して
、前記UEおよび前記モバイル通信ネットワークの間に前記新たなUEセッションを作成し、かつ前記
第1ネットワークノード
および前記第2ネットワークノードにおいて、前記新たなUEセッションと関連付けられたネットワークリソースを確立することと、
前記新たなUEセッションを使用して前記UEに前記データを転送することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記情報のサブセットが、UE IP Addressと、Page情報と、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(SGW)情報とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報のサブセットを前記記憶することが、パケットゲートウェイ(「PGW」)に情報を記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記情報のサブセットを前記記憶することが、パケットゲートウェイ(「PGW」)に
接続されたノードに
おいて情報を記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記情報のサブセットを前記記憶することが、セッションデータベースに情報を記憶することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記DUGの複数のメンバのそれぞれが前記所定の時間間隔より長く非アクティブであるかを判定するのよりも前に、前記第1ネットワークノードが前記情報のサブセットと前記既存のUEセッションに関連する追加の情報とを含んでおり、
前記DUGの複数のメンバのそれぞれが前記所定の時間間隔より長く非アクティブであると判定したのに応じて、前記情報のサブセットがセッションデータベースに記憶され、
前記ネットワークリソースを前記解放することが、前記追加の情報を前記セッションデータベースに記憶することなく、前記追加の情報を前記第1ネットワークノードからパージすることを含む、方法。
【請求項7】
前記第1ネットワークノードがパケットゲートウェイ(「PGW」)を含み、前記第2ネットワークノードがサービングゲートウェイ(SGW)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1ネットワークノードがパケットゲートウェイ(「SGW」)を含み、前記第2ネットワークノードがモビリティ管理エンティティ(MME)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つ以上のプロセッサーによって実行可能な命令群を記録した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プロセッサー実行可能命令が、第1ネットワークノードに、
デバイス・ユーザ・グループ(「DUG」)の複数のメンバのそれぞれが所定の時間間隔より長く非アクティブであるかを判定させ、前記複数のメンバが、既存のユーザー端末(「UE」)セッションと関連付けられた
、M2MデバイスであるUEを含み、
前記複数のメンバのそれぞれが前記所定の時間期間より長く非アクティブであるとの判定に応じて、
前記既存のUEセッションに関連する情報のサブセットを識別
させ、前記UEと関連付けられた新たなUEセッションを作成するために
、前記情報のサブセットを使用することが
可能であり、
前記情報のサブセットを記憶
させ、
前記第1ネットワークノードにおいて、前記既存のUEセッションと関連付けられたネットワークリソースを解放
させ、前記UEは前記解放
が通知されず、
解放原因コードを第2ネットワークノードに送信させ、前記解放原因コードが、前記第2ネットワークノードでローカル・ネットワーク・リソースを、前記ローカル・ネットワーク・リソースの解放について前記UEに通知することなく、前記第2ネットワークノードに解放させ、
前記UEにデータを転送する要求を
第2ネットワークノードから受信
させ、
前記
セッション情報のサブセットを使用して
、前記UEおよび前記モバイル通信ネットワークの間に前記新たなUEセッションを作成
させ、かつ前記第1ネットワークノード
および前記第2ネットワークノードにおいて前記新たなUEセッションと関連付けられたネットワークリソースを確立
させ、
前記新たなUEセッションを使用して前記UEに前記データを転送
させる
、
非一時的コンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項10】
前記情報のサブセットが、UE IP Addressと、Page情報と、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(SGW)情報とを含む、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項11】
前記
第1ネットワークノードが、パケットゲートウェイ(「PGW」)
、またはPGWに接続されたノードを含む、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読
記憶媒体。
【請求項12】
前記情報のサブセットの前記記憶することが、セッションデータベースに情報を記憶することを含む、請求項
9に記載の非一時的コンピュータ可読
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「MACHINE-TO-MACHINE NETWORK OPTIMIZATION AND ONLINE CHARGING」と題する、2016年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/433,412号に対する米国特許法119(e)に基づく利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して遠距離通信システムに関し、具体的には「マシンツーマシン」(machine to machine、M2M)および無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)通信システムに関する。
【背景技術】
【0003】
マシンツーマシン(M2M)通信は、無線ネットワーク技術において急速に拡大している分野である。M2Mデバイスは、リアルタイムまたは非リアルタイム、低スループットまたは高スループット、およびモビリティ型または非モビリティ型とすることができる。M2Mデバイスの数は、2020年頃までに10億デバイスに達すると予測されている。このような劇的な規模の増大があると、従来の加入者トラフィックモデルおよび請求/課金プランは実用性が高くはなさそうである。その上、ロングタームエボリューション(long-term evolution、LTE)ネットワークに接続されるM2Mデバイスの数は非常に多いが、運営者は各M2Mデバイスに対する収益を受け取らない。一部のM2Mデバイスは既存の第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP)によって規定された課金に適合し得るが、すべてのタイプのM2Mデバイスが適応するわけではない。
【0004】
運営者は、多くの場合、運営者の加入者総数に比例してLTE設備に投資する必要があるが、関連の収益発生は投資に比例しない。M2Mが出現したことで、運営者は、数が増加したモビリティ管理エンティティ(mobility management entities、MME)、サービングゲートウェイ(serving gateway、SGW)、パケットゲートウェイ(packet gateway、PGW)、ポリシーおよび課金ルール機能(policy and charging rules function、PCRF)、ホームロケーションレジスタ(home location register、HLR)、オンライン課金システム(online charging system、OCS)およびオフライン課金システム(offline charging system、OFCS)をサポートする必要がある場合もある。また、エネルギー/電力計報告および自動販売機課金などのM2M機能は、異なる課金パラメータを有することができる。このような仕組みにおいて、関連のM2Mデバイスのユーザーが運営者に直接支払いをするのではなく、ユーザーにM2Mデバイスを提供するエネルギー会社または販売会社が、例えば、利用全体に基づいておよび/または帯域一括販売に対して、ユーザーに支払いをする。これらのM2Mネットワークを企業ネットワークモデルに従うものとして扱っている運営者があり、関連の運営サポートシステム(operations support system、OSS)の費用は相当なものとなる可能性がある。M2M運営者は、企業顧客と同じレートを支払うことができない場合がある。
【0005】
本開示の主題の様々な実施形態をより完全に理解するために、添付の図面と関連してなされる次の説明をここで参照する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】加入者コールフローを例示するフロー図である。
【
図2】ユーザー端末(user equipment、UE)によって開始されるコールフローを例示するフロー図である。
【
図3】ネットワーク(network、NW)によって開始されるコールフローを例示するフロー図である。
【
図4】本開示の主題のいくつかの実施形態による、Diameterクレジット制御アプリケーション(Diameter credit-control application、DCCA)セッションを例示するブロック図である。
【
図5】本開示の主題のいくつかの実施形態による、グループDCCAセッションを例示するブロック図である。
【
図6】本開示の主題のいくつかの実施形態による、初期の加入者コールフローを例示するフロー図である。
【
図7】本開示の主題のいくつかの実施形態による、加入者終了コールフローを例示するフロー図である。
【
図8】本開示の主題のいくつかの実施形態による、更新コールフローを例示するフロー図である。
【
図9】本開示の主題のいくつかの実施形態による、初期の加入者コールフローを例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、M2M型デバイスをより良好に収容するために、エボルブドパケットコア(Evolved Packet Core、EPC)および他の同様のネットワークの容量を解放することに関する。例えば、運営者がEPCリソースをより効率的に使用することができるように、所与の量のネットワーク要素にサービスするのに必要とされるOCSサーバーセッションの数を本明細書に記載の方法およびシステムを使用して低減することができる。他の実施形態は、個々のデバイスとは対照的に、グループ化されたM2Mデバイスのオンライン課金に関する。
【0008】
コアネットワークにおける無線アクセスネットワーク(RAN)最適化
エボルブドパケットコア(EPC)ネットワークの状況では、ある一定のタイプのM2Mデバイスは必ずしも連続してオンライン状態を保つ必要がない。それにも関わらず、既存の4G LTEネットワークアーキテクチャは、すべての加入者セッションを「常時オン」に保つ。したがって、加入者セッションを維持するために、すべての関連のネットワーク要素(例えば、モビリティ管理エンティティ(MME)、ホーム加入者サーバー(home subscriber server、HSS)、サービングゲートウェイ(SGW)、パケットゲートウェイ(PGW)、ポリシーおよび課金ルール機能(PCRF)、オンライン課金システム(OCS)およびオフライン課金システム(OFCS)は、連続して動作している。加入者/M2Mデバイスの数字が増加するにつれて、このようなネットワーク要素の対応する必要性が直線的に増加する。ネットワーク要素MME、HSS、SGW、PGW、PCRF、OCS、OFCSにおいて10億のセッションを維持することは、大規模な基盤および極端に高い運営者費用を伴う可能性がある。ある一定の要素の仮想化は、費用を削減するのに役立つ可能性があるが、それでも経済上実用性が高くない、または正当ではない場合がある。
【0009】
ある一定のタイプのM2Mデバイスは、連続してオンライン状態のままにしておく必要はない。しかし、現行のLTEアーキテクチャは、ネットワーク要素がネットワーク要素(network element、NE)側のセッションを解放することを許容せず、またたとえセッションが解放される場合でも、ユーザー端末(UE)は直ちに復帰することになる。また、UEがUEのセッションを解放する場合に、ネットワークは、UEに到達して再接続することができない場合がある。
【0010】
本明細書に記載の、NEリソース利用を向上させる方法は、ユーザー端末(UE)セッションを維持しながら、M2Mデバイス/UEによって消費されているNEセッションリソースを解放することを含む。セッションが開設状態になったままである間、すべてのネットワーク要素MME、HSS、SGW、PGW、PCRF、OCS、OFCSは、加入者セッションを維持する必要がある。いくつかの実施形態では、1)UEとネットワークとの間のセッションを維持し(すなわち、UEはUEがネットワークに接続されていると考え)、セッション情報を圧縮またはトランケートされた様式でPGW(またはクラウドなどのPGWと通信する任意の他のノード)に記憶することにより、セッションリソースを解放するにも関わらずこれらのデバイスに対して接続性を維持する。例えば、いくつかの実施形態において、セッション情報のサブセットを記憶することができる。例えば、ネットワークが後にUEに接続すること(例えば、データパケットを送信すること)を試行する場合、記憶されたセッション情報を使用して、以前に解放されたセッションリソースを確立することができる。いくつかの実施形態において、他のネットワーク要素のいくつかまたはすべてにおいてセッションリソースを解放することなく、セッション情報を、圧縮またはトランケートされた形式でPGW(または他のノード)に記憶することができる。
【0011】
本明細書に記載の技法は、異なるネットワーク要素レベル、例えば、
●PGWのみ(PCRF、OCSなどの+外部ノードリソース)
●PGWおよびSGW(+外部ノードリソース)
●SGW、MME、およびPGW(+外部ノードリソース)に対して適用することができる。
【0012】
本明細書に記載の技法は、例えばM2Mデバイスタイプに応じて、異なるタイムアウト期間(例えば、6時間、24~28時間、日または週のオーダーで、など)で実装することができる。セッションの閉鎖は、例えば、デバイスユーザーグループ(Device User Group、「DUG」)に基づいて(例えば、DUG内のすべてのメンバーが所定期間より長く非アクティブである(inactive、活動していない、加わっていない)ときに)、または(例えば、所定のセッション期間を特定する)認証、認可、および課金(authentication、authorization and accounting、「AAA」)サーバーからの情報に基づいて、開始することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、トランザクション指向システムとして作用することができるセッションデータベースがPGW上(またはクラウドなどの、PGWと通信する任意の他のノード上)で作成および/または維持される。例えば、セッションデータベース内にいくつかまたはすべてのセッションを配置することができる。続いて、セッションに対してサーブする必要があるときは常に、セッションは、ゲートウェイ(「GW」)、または各GW上の負荷に基づいて制御プレーンの見地から1つ以上のゲートウェイ機能を特定することができるワークフロー(「WF」)に、割り当てることが可能である。各セッションのある一定のアイドル期間後に、セッションをGWからパージすることができるが、セッションデータベースに記憶することができ、任意で圧縮またはトランケートすることができる。いくつかの実施形態では、ネットワークパケットが受信されると、PGWはDBを調べ、セッションに対する閉鎖を開始する。
【0014】
いくつかの実装形態では、セッション作成要求(create session request、CSR)、(MBR)内のGTPv2 Control SignalにPageBlock Info IEが追加される。例えば、MMEは、PageBlock Info IEをUEのページ詳細と共に送信する。MMEがセッション解放についてUEに通知しないがローカルリソースを解放するように、解放原因コードセットに新たな原因コード(例えば、NW_REL_ONLY)が追加される。言い換えれば、従来のシステムと異なり、MMEは、UEに関するPageBlock Info IEなどの情報をもはや保持しない。それに代えてまたはそれに加えて、ネットワークノード要素を追加することができ、当該ネットワークノード要素にMMEおよび/またはPGWから解放されたデータを記憶することができる。PGWは、セッション情報の圧縮またはトランケートされたコピーを維持しながら、UEセッションリソースを解放することができる。いくつかの実施形態において、PGWは、次の情報、すなわちUE IP Address、Page Information、およびMME/SGW Informationを維持することができる。
【0015】
ここで図面を参照すると、
図1は、いくつかの実施形態に従う、加入者コールフロー100を示す。図示されるように、加入者のUE102は、モビリティ管理エンティティ(MME)104に「アタッチ」要求を送信し、MME104はセッション作成要求(CSR)(PageInfoデータを含む)を生成してセッション作成要求をサービングゲートウェイ(SGW)106に送信する。SGW106はCSRメッセージをPGW108に転送し、PGW108は、それに応じて、セッションを開始するためにCCR-Iメッセージを生成してOCSサーバー110に送信する。OCSサーバー110は、CCA-IメッセージをPGW108に返信し、セッションを確立する。PGW108は、セッション作成応答(CS Resp)を生成してSGW106に送信し、SGW106はCS RespをMME104に転送し、MME104は次いでアタッチ応答(Attach Resp)をUE102に送信する。続いて、PGW108は、いくつかのネットワークリソースを解放することを決定し、原因コードネットワーク解放「cc-NW_REL」を特定するベアラ削除要求(delete bearer request、DBR)をSGW106に送信する。ネットワークリソースを解放するPGW108の決定は、特定のリソースが使用中である期間、ネットワーク負荷、最も長い間使用されていないアルゴリズム、所定の閾値を超過する容量、および最も長い間使用されていない1つ以上のリソースの識別のうちの1つ以上に基づく可能性がある。PGW108はまた、クレジット制御要求終了(credit control request terminate、CCR-T)メッセージをOCSサーバー110に送信し、OCSサーバー110はクレジット制御応答終了(credit control answer terminate、CCA-T)メッセージをPGW108に返す。SGW106は、DBRメッセージをMME104に転送する。MME104は、それに応じてDBRspメッセージをSGW106に返信し、SGW106はDBRspメッセージをPGW108に転送する。加入者コールフロー100の終了時に、PGWはUEセッションリソースを解放しているが、UE102に関するセッションデータは、セッションが完全に終了しないように圧縮されてPGW108に記憶され、セッションが再度アクティブになるまでより少ないリソースを使用し続ける。圧縮されたセッションデータは、UE102のIPアドレス、ページ情報(例えば、PageBlock)およびMME/SGW情報のうちの1つ以上を含むことができる。UE102から見て、セッション状態の明らかな変化はない。
【0016】
図2は、いくつかの実施形態に従う、UEによって開始されたコールフロー200を示す。フロー200は、加入者UE202が、UEに既知であるセッションIDを含むメッセージをMME204に送信することによってコールを開始することを試行することで始まる。アクティブなセッションを検出せずに(アクティブなセッションはUE関連データをもはや記憶しないため)、MME204はUE202に「閉鎖」メッセージ(原因コード「cc=SessionNotFound」を含む)を返信する。次に、UE202はMME204に「アタッチ」メッセージを送信し、MME204はCSRメッセージ(「PageInfo」を含む)を生成してSGW206に送信する。SGW206はPGW208にCSRメッセージ(「PageInfo」を含む)を送信し、PGW208はセッションを開始するためにCCR-Iメッセージを生成してOCSサーバー210に送信する。OCSサーバー210はPGW208にCCA-Iメッセージを返し、PGW208は「CS Resp」メッセージを生成してSGW206に送信し、SGW206は次いでCS RespをMME204に転送する。MME204はその後UE202にAttach Respを送信して、セッションが開始されたことを確認する。
【0017】
図3は、いくつかの実施形態に従う、NWによって開始されるコールフロー300を示す。
図2を参照して上述したフローの多くは
図3にも存在するが、データパケットは最初にインターネット312からPGW308に送信され、そこでは圧縮またはトランケートされたセッションデータが記憶されており、そしてPGW308はDownLinkData(PageInfoを含む)を生成してMME304に送信し、MME304はUE302にページを送信する。コールフロー300は、上述したコールフロー200と同様である。ページを受信すると、UE302はMME304にメッセージを送信することによってコールを開始することを試行する。MME302は、アクティブなセッションを検出せず、UE302に「閉鎖メッセージ(原因コード「cc=SessionNotFound」を含む)を返信する。次に、UE302はMME304に「アタッチ」メッセージを送信し、MME304はCSRメッセージ(「PageInfo」を含む)を生成してSGW306に送信する。SGW306はCSRメッセージ(「PageInfo」を含む)をPGW308に送信し、PGW308はセッションを開始するためにOCSサーバー310にCCR-Iメッセージを送信する。OCSサーバー310はPGW308にCCA-Iメッセージを返し、PGW308はSGW306への「CS Resp」メッセージを生成し、SGW306は次いでCS RespをMME304に転送する。MME304はその後UE302にAttach Respを送信して、セッションが開始されたことを確認する。最初にインターネット312からPGW308に送信されたデータパケットは、その後典型的な様式でUE302に送達される。
【0018】
M2Mに対する課金最適化
既存のネットワーク課金アーキテクチャでは、単一のOCSセッションは単一の加入者に対応する。しかし、M2Mデバイスの普及が拡大するにつれて、すなわち「モノのインターネット」(internet of things、IOT)の出現で、このようなデバイスへのサービスの規模を変化させる圧力が生じるであろう。第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、例えば、同じグループに属するM2Mデバイスに対する大量の課金データレコード(CDR)を生成するために、M2Mデバイスに対する課金ガイドライン(TR 23.887に基づく)を規定しているが、オフライン課金のみがサポートされている。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態では、M2Mデバイスは、例えば共通のグループ識別子(ID)または「デバイスユーザーグループ」(DUG)を用いてまとめてグループ化され、これによりM2Mデバイスが、オンライン課金を目的として同じ(共通の)M2M運営者に対して課金することができるようになっている。このような構成により、所与のOCSが所与の時間に収容する必要があるセッションの数を低減して、OCS容量を解放し、これによってより多くの加入者がサービスを受けることができる。例えば、加入者がデータ通信可能量(例えば、10MB)を要求すると仮定すると、OCS/運営者は、加入者がいずれのデバイス(複数可)またはネットワーク要素に対するデータ通信可能量を使用しているかを知ることを要せずに当該要求を承認し、DUGに当該10MBを割り当てることができる。これにより、ユーザーデバイスと関連の加入者に課金するOCSとの間の一対一結合が解消され、複数の加入者および/またはユーザーデバイスが単一のOCSセッションを介してデータを課金することができる。言い換えれば、ネットワーク要素レベルで統合が実装される。結果として、所与の数の加入者にサービスするための、OCSサーバーとのセッションの数が低減される。OCSはまた、これにより、小規模のトランザクション/利用に基づくのではなく、より集約されたやり方で、データ通信可能量要求を処理する。
【0020】
いくつかの実装形態では、「同じサービス」のM2Mデバイスのグループは、ローカルで、または1つ以上の対応する課金サーバーを介して構成することができる。データ/ユニット許可、利用および報告レベルは、こうして、単一加入者レベルではなくグループレベルで実行することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、オンライン課金システム(OCS)は、RFC4006、32.299Gx、GyなどのDiameterクレジット制御アプリケーション(DCCA)アプリケーションを使用するが、当該プロトコルを効率化してM2Mデバイスのグループを収容する(複数のM2Mデバイスを、単一のDUGと、また任意で単一の関連のクォータと関連付ける)。例えば、オンライン課金は、次のメッセージを有するクレジット制御アプリケーションを使用して実行することができる。
●クレジット制御要求(CCR)
○INITIAL、UPDATEおよびTERMINATE
●クレジット制御応答(CCA)
○INITIAL、UPDATEおよびTERMINATE
●再認可(RAR)
【0022】
図4は、本開示の主題のいくつかの実施形態による、リアルタイムオンライン課金を容易にする単一のDCCAセッション(例えば、許可の実行)を例示するブロック図である。
図4に示されるように、単一のDCCAセッション414(例えば、OCSサーバーによってホストされる)は、例えば、それぞれ416A~416Eであるサービス識別子「A」~「E」によって識別される5つのサービスと関連付けられる。各サービスは、場合によっては複数のサービスによって共有される、対応するクォータ(418A、418Bおよび/または418C)にリンクされる。DCCAセッションの間に、加入者はデータ通信可能量要求を行い、加入者に利用可能な十分なクォータがある場合にはデータユニットは許可される可能性がある。サービス識別子(「Service-Id」)およびレーティンググループ(それぞれ417Aおよび417Bである、「1」および「n」)を使用して、許可されたユニット(複数可)を所与のサービスまたはレーティンググループと関連付ける。この構成により、運営者が有する各サービスに対して1つ以上の異なるクォータを割り当てることができるため、運営者が異なるサービスを異なるように構築/体系化することができるように、運営者に柔軟性が与えられる。例えば、コール時間などのリソースが安価であるときに、そのリソースに関連付けられたクォータはより高くなる可能性がある。言い換えれば、リソース割り当て(例えば、エネルギーユニット、データユニットなど)は、同じセッション内の異なる期間においては「より安価」であるかまたは「より高価」になる可能性がある(例えば、関連付けられたレーティンググループによって示されるように)。クォータおよび/またはレーティンググループは、多数のデバイス(例えば、電気メーター、携帯電話、コンピューティングデバイスなど)の集約に少なくとも部分的に基づく可能性がある。
【0023】
図5は、本開示の主題のいくつかの実施形態による、「グループDCCAセッション」520を例示するブロック図である。グループDCCAセッション520は、単一の加入者(例えば、水道会社)またはDUG内のデバイスのグループ(例えば、複数の水道メーター)に対応することができる。個々の加入者またはDUG内のデバイスから発せられるオンライン課金要求をサービスするために、時系列になっている従属的なセッション(それぞれ514A~514Bであるセッション「1」~「n」)はグループDCCAセッション520と相互作用することができる。各従属的なセッション514A~514Bは、その場合に、
図4を参照して上述したように動作する。言い換えれば、セッション1(514A)およびセッションn(514B)は、例えば、各々がそれぞれ516A~516Eであるサービス識別子「A」~「E」によって識別される5つのサービスと関連付けられる。各サービスは、場合によっては複数のサービスによって共有される、対応するクォータ(518A、518Bおよび/または518C)にリンクされる。セッション1~nの各々の間、加入者はデータ通信可能量要求を行い、加入者に利用可能な十分なクォータがある場合にはデータユニットを許可することができる。上記のように、サービス識別子(「Service-Id」)およびレーティンググループ(それぞれ517Aおよび517Bである「1」および「n」)を用いて、許可されたユニットを所与のサービスまたはレーティンググループに関連付ける。
【0024】
DCCA AVPの変形例
いくつかの実施形態では、Subscription-Id-Typeの属性値ペア(Attribute-Value Pair 、AVP)を使用してユーザーの加入を識別する。特定のM2Mデバイスがいずれのグループに属するかを識別するために、新たな加入識別子タイプ「END_USER_GROUP」を定義することができる。この情報は、例えば、M2M UE Deviceから、またはGTP-C V2メッセージを介してホーム加入者サーバー(HSS)から、受信される可能性がある。Subscription-Id値の一部として国際移動体装置識別番号(International Mobile Station Equipment Identity、IMEI)を送信するために別の加入識別子タイプ「END_USER_IMEI」を追加することができる。DUGを表すためにDiameter(またはクレジット制御アプリケーションに使用することができる任意の他の好適なプロトコル)にDevice-User-Group Name AVPを追加することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、Used-Service-Unit AVPを使用して、各M2Mデバイスの固有の情報を利用データと共に伝えることができる。本発明に従うUsed-Service-Unit AVPの実施形態は次の通りである(太字のパラメータを参照)。
【0026】
GTP-C V2メッセージの変形例
いくつかの実施形態では、M2M Device Group Userを識別するために、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service、GRPS)Tunneling Protocol(GTP-C)メッセージに新たな識別子が追加される。新たな識別子は、UTF8によって符号化することができ、文字列型変数とすることができる。新たな識別子を使用して、単一のアクセスポイント名(access point name、APN)の下で同じタイプのM2Mデバイスのグループ(すなわち、単一のユーザーによってサポートされる)を定義し、これによって、単一のAPN内の複数のM2Mデバイスユーザーグループメンバーをサポートする(すなわち、課金、PCRFポリシー設定などを容易にする)ことができる。ホーム加入者サーバー(HSS)またはUEデバイスはこの新たな情報/属性を送信することができる。HSSが当該情報を送信する場合に、HSSはUEによって渡された情報をオーバーライドすることができる。対応するモビリティ管理エンティティ(MME)は、その場合に、当該情報をSGWに送信することができ、SGWは当該情報をPGWに送信することができる。いくつかの実装形態では、当該情報は、初期のベアラ設定メッセージ、例えば、ベアラが一旦設定されると変更できないCreate Session Requestメッセージの一部として送信される。HSSが当該情報を変更する場合には、ベアラは終了されて新たな属性値で再作成される。
【0027】
Device Group Identifier Attributeの実施例は次の通りである。
【0028】
Device Group Identifierは、いくつかの方法のうちの1つで供給され得る。例えば、UEがそれ自体にDevice Group Identifierを(例えば、メモリ内に)保有し、当該Device Group Identifierを送信してもよい。それに代えてまたはそれに加えて、HSSは、UEの認証を実行しながらDevice Group Identifierを取得し、GTP V2/V1制御プロトコルを使用して当該Device Group IdentifierをSGW/PGWに送信することができる。それに代えてまたはそれに加えて、Device Group Identifierを、例えば29.061 Radius/Diameterプロトコルを使用して、任意の外部の認証、認可、および課金(AAA)サーバーから受信することができる。
【0029】
仮想EPC実装形態(例えば、Affirmed NetworkのゲートウェイMCCなど)は、Device Group Identifierを加入者アナライザキーとして使用することができる。例えば、各インターフェースタイプ(例えば、PCRFインターフェース、AAAインターフェース、OCSインターフェース、クレジット制御インターフェース、オフライン課金インターフェース)についてのローカル構成に基づいて、グループ内のデバイスの数を定義することができ、またはPCRF/AAA/OCSサーバーは各グループ内のデバイスの数を判定することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、各デバイスユーザーグループに対して複数のDiameterセッションが存在することができるが、個々のデバイスはDiameterセッショングループのうちの1つのみに存在することができる。特定のIMEIは単一のDUGにのみ属すことができるが、当該DUGは同時に複数のセッションと関連付けることができる。
【0031】
図6は、いくつかの実施形態による、初期の加入者コールフロー600を例示するフロー図である。MME604は、「IMSI1」という国際移動体装置識別番号(「IMSI」)と指定ユーザーグループ(DUG)「TED」とに対するセッション作成要求(CSR)をSGW606に送信し、SGW606はCSRをPGW608に渡し、PGW608は「TED」ユーザーグループに対してチェックを行う。
図6に示されるシナリオでは、PGWがCSRを受信する時点では既存のOCSセッションはなく、そのためPGWは、DUG「TED」に対するクレジット制御要求開始(「CCR-I」)メッセージをOCSサーバー610に送信し、セッションを開始することを要求する。OCSサーバーは、許可されたサービスユニット(「GSU」=100MB)と有効期間(「VT」=300秒)とを特定するクレジット制御応答(CCA-I)を返信する。セッション作成応答(「CS Resp」)がPGW608からSGW606に送信され、SGW606は当該セッション作成応答をMME604に渡す。後に、MME604は、今回はIMSI2に対するものであり、これもDUG「TED」に属する第2のCSRをSGW606に送信し、SGW606は、同じくCSRをPGW608に送信する。PGW608は、同じく「TED」ユーザーグループに対してチェックを行い、今回は既存のOCSセッションがすでにあることを検出する。そのためPGW608は、OCSに別のCCR-I要求を送信する必要がない。そうせずに、PGW608は、既存のセッション中に、「TED」に既に以前に許可されたデータユニットを使用し、それに基づいて、(PGW608がSGW606に送信する)CS Respを生成する。SGW606はその後CS RespをIMSI2に対してMME604に渡す。
【0032】
図7は、いくつかの実施形態による、加入者終了コールフロー700を例示するフロー図である。MME704は、IMSI1に対するセッション削除要求をSGW706に送信し、SGW706は、それに応じて、セッション削除要求をPGW708に送信する。PGW708は、IMSI1が、
図6を参照して上述したTEDグループ許可内の最新の加入者であるかどうかをチェックして確かめる。PGW708がIMSI1は最新のTED加入者ではないと判定する場合には、PGW708は、オンライン課金(例えば、Diameter)セッションを終了することを拒否し、「セッション削除応答」メッセージを介してその否認をSGW706に伝達し、SGW706は当該メッセージをMME704に転送する。フロー図の下部では、MME704は、IMSI2に対する別のセッション削除要求を送信する。今回は、PGW708は、IMSI1が最新のTED加入者であると判定し、OCS710にCCR-T終了要求を送信し、IMSI1およびIMSI2(DUG「TED」の両方のメンバー)に対して使用されるサービスユニット(「USU」)を特定する。
図7に示されるように、IMSI1は100,000USUを使用し、IMSI2は35,000USUを使用した。OCSサーバー710は、クレジット制御応答(CCA-T)終了確認をPGW708に送信する。PGW708はその後セッション削除応答を生成してSGW706に渡し、SGW706はセッション削除応答をMME704に転送する。
【0033】
図8は、いくつかの実施形態に従う、更新コールフロー800を例示するフロー図である。822において、eNodeBは、IMSI1に対するベアラデータパケットをSGW806に送信し、SGW806はパケットを生成して当該パケットをPGW808に送信する。PGW808はその後PGW808のローカルメモリを更新して、TEDデータ許可に対するIMSI1の(ユーザーグループ「TED」の)セッション利用を反映する。PGW808はその後DUG=TEDに対するCCR-IメッセージをOCSサーバー810に送信する。OCSサーバー810は、CCA-Iで回答し、100MBのGSUを許可する。続いて、eNodeB822は、IMSI2に対するベアラデータパケットをSGW806に送信し、SGW806は別のパケットを生成して、当該パケットをPGW808に送信する。PGW808はその後PGW808のローカルメモリを更新して、TEDデータ許可に対するIMSI2の(ユーザーグループ「TED」の)セッション利用を反映する。この時点では
図8では、PGW808は、IMSI1およびIMSI2の組み合わされた利用が、ユーザーグループTEDに対する許可されたサービスユニット(granted service unit、GSU)を現時点で超過していると判定した。そのためPGW808はその後DUG=TEDに対するCCR-UメッセージをOCSサーバー810に送信し、「USU1-100K,IMSI1」および「USU2-300K,IMSI1」を特定する。OCSサーバー810は、CCA-Aで回答し、別の100MBのGSUを許可する。PGW808はその後TEDデバイスユーザーグループに対して、100MBのGSUでトラフィック検出機能(「TDF」)および/またはポリシーおよび課金行使機能(「PCEF」)を更新する。
【0034】
Gxインターフェース最適化
いくつかの実施形態では、各加入者に対する加入者ポリシーを取得する代わりに、ポリシー制御および課金機能(PCEF)が、ポリシー制御および課金ルール機能(PCRF)からグループポリシーが既に受信されているかどうかを判定することができる。M2Mデバイスグループユーザー名および関連のAPNに基づいて、PCEFは、加入者ポリシーデータに対する要求をPCRFに送信することが可能である。加入者ポリシーデータが所与のM2Mデバイスグループユーザーに対して利用可能になると、M2Mデバイスグループユーザー(例えば、PGW)はこのポリシーデータをキャッシュすることが可能になる。いくつかの実施形態では、同じDUGおよびAPNを有する別のM2Mデバイスは、最初にローカルにチェックして、ポリシーデータが既にフェッチされているかどうかを判定することが可能である。フェッチされている場合には、当該M2Mデバイスは、当該ポリシーデータを使用することになる。PCRFまたはローカル構成データを使用して、所与のユーザーグループ内の加入者の数を判定することができる。PCRFはまた、有効期限タイマー(例えば、PCRFが更新のチェックを実行するまでの所定の時間間隔)を設定して、これらの加入者ルールの再評価を強制することができる。PCRFは、これらのデバイスグループの運営者構成の変化があるときには常に、それでもまだ再認可(RAR)メッセージを使用してユーザーグループに基づいて再認証することができる。
【0035】
図9は、いくつかの実施形態に従う、別の初期の加入者コールフロー900を例示するフロー図である。フローは、前述したように、MME904がユーザーグループ「TED」のIMSI1に対するCSRをSGW906に送信することで始まる。SGW906はPGW908にCSRを送信し、PGW908は、TEDユーザーグループに対してチェックを行い、そしてこの場合も既存のPCRFセッションが現時点ではないと判定する。そのためPGW908は、ユーザーグループTEDに対するCCR-IをPCRF924に送信することによって、PCRFセッションを(例えば、PGW908が加入者ポリシーデータを取得できるように)開始する。PCRF924は、加入者ポリシーデータとサービス(QoS)データのデフォルト品質とを含むCCA-IメッセージをPGW908に返す。PGW908はその後CS Respメッセージを生成してSGW906に送信し、SGW906は次いで当該CS RespメッセージをMME904に送信する。続いて、MME904は、ユーザーグループ「TED」のIMSI2に対するCSRをSGW906に送信し、SGW906はPGW908にCSRを送信し、PGW908はTEDユーザーグループに対してチェックを行い、そして今回は既存のPCRFセッションが現時点ではあると判定する。そのためPGW908は、TEDグループに割り当てられたポリシーを適用し、PGW908は当該ポリシーを、セッションのより早期にPCRF924から受信した以前のCCA-Iメッセージから、既に取得している。したがって、PGW908は、この段階でPCRF924と通信する必要がない。PGW908は、同じくCS Respメッセージを生成してSGW906に送信し、SGW906は次いで当該CS RespメッセージをMME904に送信する。いくつかの実装形態にでは、
図9のフロー900は、
図7を参照して上述したOCSセッション終了プロセスと同様のPCRF終了プロセスを含むことができる。例えば、ユーザーIMSI1がセッションを始動し、PCRFが応答し、IMSI1が後に離脱し、他のユーザーがセッションに参加しない場合に、PCRFはセッションを終了することができる。いくつかの実施形態では、所定のスケジュールに従って、(例えば、PGW908がPCRF924にCCR-Iメッセージを送信することにより)加入者ポリシーの再有効化を実行することができる。それに代えてまたはそれに加えて、PCRFは、サーバーレベルで検出される変更(すなわち、加入者ポリシーの変更)に応じて、PGW908に対する更新を「プッシュ」することができる(例えば、RARを介したCCA-I、終了する必要なし)。いくつかのこのような場合では、PCRF924は、PCRF924によって更新/変更が検出される時点で進行中のセッションがある場合に、に加入者ポリシーに対する変更をPGW908へとプッシュするのみである。
【0036】
本明細書に開示の技法およびシステムは、ネットワーク、コンピュータシステムまたはコンピュータ化された電子デバイスと共に使用するためのコンピュータプログラム製品として実装されてもよい。このような実装形態は、コンピュータ可読媒体(例えば、ディスケット、CD-ROM、ROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ、または固定ディスク)などのいずれかの有形の媒体上に固定された、または媒体を介してネットワークに接続された通信アダプタなどのモデムまたは他のインターフェースデバイスを介してネットワーク、コンピュータシステム、またはデバイスへと伝送可能な、一連のコンピュータ命令またはロジックを含んでもよい。
【0037】
媒体は、有形の媒体(例えば、光またはアナログ通信線)または無線技法を用いて実装される媒体(例えば、Wi-Fi、セルラー、マイクロ波、赤外または他の伝送技法)のいずれかであってもよい。一連のコンピュータ命令は、システムに関して本明細書に記載の機能性の少なくとも一部を具現化する。当業者は、このようなコンピュータ命令を、多くのコンピュータアーキテクチャまたはオペレーティングシステムで使用するための多数のプログラミング言語で書くことができることを理解するはずである。
【0038】
更に、このような命令は、半導体、磁気、光または他のメモリデバイスなどの任意の有形のメモリデバイスに記憶されてもよく、光、赤外、マイクロ波または他の伝送技術などの任意の通信技術を使用して伝送されてもよい。
【0039】
このようなコンピュータプログラム製品が、印刷または電子書類が付随するリムーバブル媒体(例えば、シュリンクラップで包装されたソフトウェア)として頒布され、コンピュータシステムに予めロードされ(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)またはサーバーまたは電子掲示板からネットワーク(例えば、インターネットまたはWorld Wide Web)を介して配信されてもよいことが予測される。当然であるが、本発明のいくつかの実施形態は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム製品)とハードウェアとの両方の組み合わせとして実装されてもよい。本発明の更に他の実施形態は、ハードドウェア全体としてまたはソフトウェア全体(例えば、コンピュータプログラム製品)として実装される。
【0040】
以上の説明では、ある一定のステップまたはプロセスは、特定のサーバー上でまたは特定のエンジンの一部として実行することができる。これらの説明は、特定のステップを、サーバーシステムおよび/またはモバイルデバイスを含むがこれらに限定されない様々なハードウェアデバイス上で実行することができることから、単なる例示である。同様に、特定のステップが実行される区分は変化する可能性があり、また区分がないことまたは異なる区分が本発明の範囲内にあることは理解される。更に、コンピュータシステム処理を説明するために使用される「モジュール」および/または他の用語の使用は、交換可能であって機能性を実行することができるロジックまたは回路を表すことが意図されている。