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特許7132314ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】ビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/55 20140101AFI20220830BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20220830BHJP
   A63F 13/60 20140101ALI20220830BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/35
A63F13/60
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020203409
(22)【出願日】2020-12-08
(65)【公開番号】P2022090853
(43)【公開日】2022-06-20
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100188662
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100177895
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 一範
(72)【発明者】
【氏名】坂田 新平
(72)【発明者】
【氏名】三宅 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】ボエダ ゴティエ
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-209574(JP,A)
【文献】特開2018-173993(JP,A)
【文献】特開2020-163108(JP,A)
【文献】荒野行動 エモートってなに?やり方や購入方法、設定方法の紹介,荒野行動とPUBG情報[online],2019年05月01日,URL:<https://pubg.v-ys.com/kouya-emote>,[令和4年1月11日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可機能と、
前記キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第2格納領域」という。)に、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納する第1情報格納機能と、
所定の評価規則に従って、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に対応付けされた評価値を算出する評価値算出機能と、
算出された評価値に基づいて、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する情報特定機能と、
前記情報特定機能により特定されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項2】
前記第1格納領域は、同一のオブジェクト性質情報を複数個格納可能であり、
前記サーバに、前記キャラクタが認識した複数のオブジェクトそれぞれに同一のオブジェクト性質情報が対応付けされている場合、かつ当該オブジェクト性質情報が前記第2格納領域に格納されている場合、当該複数のオブジェクトそれぞれに対応付けされた当該オブジェクト性質情報の個数に基づいて前記キャラクタを制御する制御機能を
実現させるための請求項1記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項3】
前記サーバに、
前記キャラクタの行動内容を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の前記行動内容のうち、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索する検索機能と、
検索された前記行動内容を前記キャラクタに実行させる行動の内容として特定する行動特定機能とを
実現させるための請求項1又は請求項2記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項4】
前記サーバに、
前記キャラクタの制御による前記ビデオゲームの進行の状況が表現された進行状況情報を前記進行状況に対応付けられた特定の格納領域(以下、「第5格納領域」という。)に格納する第2情報格納機能と、
前記第5格納領域に格納された前記進行状況情報に基づいて前記ビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定する条件判定機能とを
実現させるための請求項1から請求項3のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項5】
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理システムであって、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可手段と、
前記キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第2格納領域」という。)に、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納する第1情報格納手段と、
所定の評価規則に従って、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に対応付けされた評価値を算出する評価値算出手段と、
算出された評価値に基づいて、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する情報特定手段と、
前記情報特定手段により特定されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
【請求項6】
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可機能と、
前記キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第2格納領域」という。)に、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納する第1情報格納機能と、
所定の評価規則に従って、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に対応付けされた評価値を算出する評価値算出機能と、
算出された評価値に基づいて、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する情報特定機能と、
前記情報特定機能により特定されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の少なくとも1つは、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能を実現させるためのビデオゲーム処理プログラム、及びビデオゲーム処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビデオゲームにおいてキャラクタを出現させ、当該キャラクタを制御することで当該ビデオゲームを進行させることが行われてきた。
【0003】
例えば、特許文献1には、キャラクタに自動で動作をさせることによりビデオゲームを進行させるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5581232号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ビデオゲームにおいて、キャラクタの制御にオブジェクトの性質が影響を与える場合がある。言い換えれば、ビデオゲームにおいて、オブジェクトの性質に関する情報に基づいてキャラクタの制御を行う場合がある。例えば、キャラクタにオブジェクトを認識させ、当該オブジェクトの性質に応じた行動を起こさせることが考えられる。
【0006】
ここで、オブジェクトの性質に関する情報は、オブジェクト毎にフラグ情報として開発者により設定される。フラグ情報は、1のオブジェクトについてビデオゲームに登場する性質の種類毎に設定される必要がある。そのため、ビデオゲームにおけるオブジェクトの数や性質の種類数が大きくなるに従って、フラグ情報を開発者が設定をするときの負担や、ビデオゲームの進行に多様性を持たせるためにオブジェクトの性質を利用するときの開発者によるフラグ情報の管理の負担が大きくなっていた。
【0007】
本発明の少なくとも1つの実施形態の目的は、上記課題を解決し、ビデオゲームにおけるオブジェクトの性質に関する情報の設定や利用をする際の開発者の負担を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記サーバに、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可機能と、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用機能とを実現させるためのものである。
【0009】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理システムは、通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理システムであって、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可手段と、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
非限定的な観点によると、本発明の一実施形態に係るビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、前記ユーザ端末に、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可機能と、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用機能と実現させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するビデオゲーム処理システムの構成の例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理におけるサーバ側の動作の例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理における端末側の動作の例を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図11】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するサーバの構成を示すブロック図である。
図13】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図14】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。
図15】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示すフローチャートである。
図16】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示す説明図である。
図17】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム処理の例を示す説明図である。
図18】本発明の実施形態の少なくとも一つに対応するゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する各実施形態の例における各種構成要素は、矛盾等が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。また、ある実施形態の例として説明した内容については、他の実施形態においてその説明を省略している場合がある。また、各実施形態の特徴部分に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。さらに、以下で説明する各種フローを構成する各種処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理システム100は、ビデオゲーム処理サーバ10(サーバ10)と、ビデオゲーム処理システム100のユーザが使用するユーザ端末(20,201~20N(Nは任意の整数))とを含む。なお、ビデオゲーム処理システム100の構成はこれに限定されず、単一のユーザ端末を複数のユーザが使用する構成としてもよいし、複数のサーバを備える構成としてもよい。
【0015】
サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれインターネットなどの通信ネットワーク30に接続されている。なお、図示しないが、複数のユーザ端末20,201~20Nは、通信業者によって管理される基地局と無線通信回線によるデータ通信を行うことによって、通信ネットワーク30と接続する。
【0016】
ビデオゲーム処理システム100は、サーバ10と複数のユーザ端末20,201~20Nとを備えることにより、ユーザの操作に応じて各種処理を実行するための各種機能を実現する。
【0017】
サーバ10は、ビデオゲーム処理システム100の管理者によって管理され、複数のユーザ端末20,201~20Nに対して各種処理に関する情報を提供するための各種機能を有する。本例において、サーバ10は、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成され、各種情報を格納する記憶媒体を備える。サーバ10の構成は、制御部や通信部などコンピュータとして各種処理を行うための一般的な構成を備えていれば特に限定されない。以下、サーバ10のハードウェア構成の例について簡単に説明する。
【0018】
図1に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、記憶装置103とを少なくとも備える。
【0019】
CPU101は、各種の演算および制御を行う中央処理装置である。また、サーバ10がGPU(Graphics Processing Unit)を備える場合には、各種の演算および制御の一部をGPUによって行うようにしてもよい。サーバ10は、適宜メモリ102に読み出したデータを用いてビデオゲームの制御に必要な各種の情報処理をCPU101にて実行し、得られた処理結果を必要に応じて記憶装置103に記憶させる。
【0020】
記憶装置103は、各種情報を格納する記憶媒体としての機能を有する。記憶装置103の構成は特に限定されないが、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれにかかる処理負荷を軽減させるといった観点から、ビデオゲームの制御に必要な各種情報を全て記憶可能な構成であることが好ましい。このような例には、HDDやSSDがある。ただし、各種情報を記憶する記憶部は、サーバ10がアクセス可能な状態で記憶領域を備えていればよく、例えば専用の記憶領域をサーバ10の外部に有する構成とされていてもよい。
【0021】
図2は、サーバ10の構成の例であるサーバ10Aの構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ10Aは、利用許可部11と、情報利用部12とを少なくとも備える。
【0022】
利用許可部11は、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(第1格納領域)に格納されたオブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可する機能を有する。
【0023】
ここで、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。オブジェクトは特に限定されず、単体の物がオブジェクトとして扱われてもよいし、複数の物の集合体がオブジェクトとして扱われてもよい。単体の物のオブジェクトの例には、剣やたいまつなどのアイテムや木や岩などの自然物がある。複数の物からなるオブジェクトの例には、集合体として名前が付けられているもの(例えば木の集合体としての森)がある。
【0024】
また、第1格納領域とは、オブジェクトに対応付けされ、オブジェクト性質情報を格納可能な特定の格納領域を意味する。格納領域にオブジェクト性質情報を格納させる構成は特に限定されないが、オブジェクト性質情報を各格納領域に応じた情報形式で所定の記憶領域に記憶させる構成が好ましい。
【0025】
また、オブジェクト性質情報は、オブジェクトの性質が表現された情報を意味し、各オブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納される。また、オブジェクトの性質とは、オブジェクトに備わった特徴を意味する。オブジェクトの性質は特に限定されず、オブジェクトの物質的特徴でもよいし、オブジェクトに対して実行可能な行動を示すものでもよい。オブジェクトの物質的特徴の例には、オブジェクトの形状や色、味、状態変化がある。オブジェクトに対して実行可能な行動の例には、キャラクタによりオブジェクトを対象とした行動(例えば「投げる」や「食べる」、「振る」)がある。また、性質が表現された情報とは、性質を客観的に示す情報を意味する。性質が表現された情報は特に限定されず、性質が直接的に表現された情報でもよいし、性質が間接的に表現された情報でもよい。性質が表現された情報の例には、性質を示す文字列情報や性質毎に割り当てられた識別情報がある。
【0026】
また、キャラクタは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがある。特に、本例でのキャラクタは、ユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。自律的に行動するキャラクタの例には、周囲のオブジェクトを自律的に認識し意思決定及び行動を行うものがある。
【0027】
また、オブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用とは、キャラクタの制御処理に際してオブジェクト性質情報を用いることを意味する。オブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用は特に限定されず、キャラクタが実行する行動を決定するために用いることでもよいし、キャラクタの制御に関する判断基準の更新に用いることでもよい。オブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用の例には、キャラクタによるアイテムを用いた行動の決定がある。
【0028】
情報利用部12は、利用が許可されたオブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用する機能を有する。
【0029】
ここで、オブジェクト性質情報を利用するタイミングは特に限定されず、オブジェクト性質情報の利用が許可された後のキャラクタの行動時であれば種々のタイミングが考えられる。すなわち、オブジェクト性質情報を利用するタイミングは、当該オブジェクト性質情報の利用許可処理の直後のタイミングでもよいし、その後の必要なタイミングであってもよい。
【0030】
複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、ユーザによって管理され、例えば携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants)、携帯型ゲーム装置や所謂ウェアラブルデバイスなどのネットワーク配信型のゲームを行うことが可能な通信端末によって構成される。なお、ビデオゲーム処理システム100が含み得るユーザ端末の構成は上述した例に限定されず、ユーザが合成画像を認識し得る構成であればよい。ユーザ端末の構成の他の例には、各種通信端末を組み合わせたものやパーソナルコンピュータ、据置型ゲーム装置がある。
【0031】
また、複数のユーザ端末20,201~20Nは、それぞれ、通信ネットワーク30に接続し、サーバ10との通信を行うことにより各種処理を実行するためのハードウェア(例えば、座標に応じたブラウザ画面やゲーム画面を表示する表示装置など)及びソフトウェアを備える。なお、複数のユーザ端末20,201~20Nそれぞれは、サーバ10を介さずに互いに直接通信を行うこともできる構成とされていてもよい。
【0032】
次に、本例のビデオゲーム処理システム100(システム100)の動作について説明する。
【0033】
図3は、システム100が実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザ端末のユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御すること関連する処理が行われる。以下、サーバ10Aとユーザ端末20(端末20)とが、ゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。
【0034】
ゲーム処理は、例えば端末20が、条件の入力画面を表示した場合に開始される。以下、端末20が、条件の入力画面を表示する場合を例にして説明する。
【0035】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可する(ステップS11)。本例においてサーバ10Aは、キャラクタがオブジェクトを発見した場合に当該オブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可する。
【0036】
サーバ10Aは、オブジェクト性質情報の利用を許可すると、利用が許可されたオブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用する(ステップS12)。本例においてサーバ10Aは、オブジェクト性質情報の利用が許可されたオブジェクトに対するキャラクタの行動処理に当該オブジェクト性質情報を利用する。また、サーバ10Aは、オブジェクト性質情報の利用に関する出力情報を端末20に送信する。
【0037】
端末20は、サーバ10Aから出力情報を受信すると、所定の表示装置の表示画面にゲーム画面を出力する(ステップS13)。本例において端末20がゲーム画面を出力すると、ここでの処理を終了する。
【0038】
図4は、ゲーム処理におけるサーバ10A側の動作の例を示すフローチャートである。ここでは、システム100におけるサーバ10Aの動作について改めて説明する。
【0039】
サーバ10Aは、ゲーム処理において、先ず、第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可し(ステップS101)、利用を許可したオブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用する(ステップS102)。サーバ10Aは、オブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用すると、ここでの処理を終了する。
【0040】
図5は、端末20がゲーム処理を実行する場合の端末20側の動作の例を示すフローチャートである。以下、端末20が、単体でゲーム処理を実行する場合を例にして説明する。なお、端末20の構成については、サーバ10から各種情報を受信することを除きサーバ10の構成と同様の機能を備えるものであるため、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0041】
端末20は、ゲーム処理において、先ず、第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可し(ステップS201)、利用を許可したオブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用する(ステップS202)。端末20は、オブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用すると、ここでの処理を終了する。
【0042】
以上に説明したように、第1の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Aが、利用許可部11と、情報利用部12とを備える構成としているので、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(第1格納領域)に格納されたオブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可し、利用が許可されたオブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用し、ビデオゲームにおけるオブジェクトの性質に関する情報の設定や利用をする際の開発者の負担を軽減することが可能となる。
【0043】
すなわち、開発者によりオブジェクトが有する可能性のある性質(属性)を事前に設定し、オブジェクト毎に各性質を有するか否かを設定する必要がなくなり、オブジェクトの性質に関し設定や管理を容易とすることが可能となる。さらに、ビデオゲームに登場するオブジェクト性質情報の全体を考慮することなく、開発者がオブジェクト性質情報を用いたビデオゲームについて容易に拡張する開発を行うことが可能となる。また、オブジェクト性質情報を用いたビデオゲームの進行の仕方が、開発者の想定を超えたもの(開発者が管理可能な数を超えたビデオゲームの進行の結果になるもの)にすることが可能となる。
【0044】
[第2の実施形態]
図6は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10B(サーバ10B)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Bは、利用許可部11と、情報利用部12と、第1情報格納部13と、情報特定部14とを少なくとも備える。
【0045】
第1情報格納部13は、キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(第2格納領域)に、利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納する機能を有する。
【0046】
ここで、第2格納領域とは、キャラクタに対応付けされ、オブジェクト性質情報を格納可能な特定の格納領域を意味する。第2格納領域は、例えばキャラクタ毎に対応付けされる。
【0047】
また、第2格納領域に格納されるオブジェクト性質情報は特に限定されないが、所定の格納条件を満たすオブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報が好ましい。その場合、所定の格納条件を満たすオブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報について、利用が許可される構成としてもよい。格納条件は特に限定されないが、キャラクタとオブジェクトとの間の関係に関する条件が好ましい。格納条件の例には、キャラクタがオブジェクトを認識するという条件(認識条件)がある。認識条件の例には、キャラクタの位置からオブジェクトを視認可能であること、キャラクタとオブジェクトとの間が所定距離以下になること、キャラクタがオブジェクトを所持していること等がある。
【0048】
情報特定部14は、第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する機能を有する。
【0049】
ここで、オブジェクト性質情報を特定する構成は特に限定されないが、キャラクタの状況に関する情報に基づいて特定する構成が好ましい。オブジェクト性質情報を特定する構成の例には、キャラクタと所定の関係を有するオブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報を特定対象とする構成がある。
【0050】
図7は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Bと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Bと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0051】
サーバ10Bは、オブジェクト性質情報の利用を許可すると、キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(第2格納領域)に、利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納する(ステップS2-11)。本例においてサーバ10Bは、所定の格納条件が充足されたオブジェクトについてオブジェクト性質情報を格納する。
【0052】
サーバ10Bは、オブジェクト性質情報を格納すると、第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する(ステップS2-12)。本例においてサーバ10Bは、認識条件が満たされたオブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報を特定する。
【0053】
以上に説明したように、第2の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Bが、利用許可部11と、情報利用部12と、第1情報格納部13と、情報特定部14とを備える構成としているので、キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(第2格納領域)に、利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納し、第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定し、人間の記憶のメカニズムを再現し、より趣向性の高いキャラクタ制御を実現させることが可能となる。
【0054】
[第3の実施形態]
図8は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10C(サーバ10C)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Cは、利用許可部11と、情報利用部12と、検索部15と、行動特定部16とを少なくとも備える。
【0055】
検索部15は、キャラクタの行動内容を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の行動内容のうち、利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索する機能を有する。
【0056】
ここで、行動内容関連情報とは、キャラクタの行動内容と、その行動内容が示す行動に関連する性質であって、あるオブジェクトの性質を示す情報とが対応付けられた情報を意味する。行動内容関連情報は特に限定されないが、キャラクタの行動内容を示す情報と、オブジェクト性質情報とが1対多の関係で対応付けられることが好ましい。なお、行動内容関連情報における各オブジェクト性質情報は、ビデオゲームに登場するオブジェクトのオブジェクト性質情報のうちの何れかである。
【0057】
また、キャラクタの行動内容とは、キャラクタが実行可能な行動の種類を意味する。キャラクタの行動内容は特に限定されず、キャラクタの動作を示すものでもよいし、キャラクタの動作を伴わない行動の種類でもよい。キャラクタの動作を伴わない行動の例には、キャラクタによる会話やビデオゲーム上でキャラクタにより発せられるコメント等がある。
【0058】
また、行動内容関連情報に基づいて行動内容を検索するとは、所定の検索条件を満たすオブジェクト性質情報に対応付けられたキャラクタの行動内容を示す情報を探すことを意味する。行動内容関連情報に基づいて行動内容を検索する構成は特に限定されないが、キャラクタとの間に所定の関係があるオブジェクトのオブジェクト性質情報にさらに基づいて検索する構成が好ましい。このような構成の例には、キャラクタと所定の関係を有するオブジェクトのオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報に対応付けられたキャラクタの行動内容を示す情報を検索する構成がある。
【0059】
行動特定部16は、検索された行動内容をキャラクタに実行させる行動の内容として特定する機能を有する。
【0060】
図9は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Cと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Cと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0061】
サーバ10Cは、オブジェクト性質情報を利用すると、キャラクタの行動内容を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の行動内容のうち、利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索する(ステップS3-11)。本例においてサーバ10Cは、キャラクタの認識条件を満たしたオブジェクトのオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報に対応付けられたキャラクタの行動内容を示す情報を検索する。
【0062】
サーバ10Cは、行動内容を検索すると、検索された行動内容をキャラクタに実行させる行動の内容として特定する(ステップS3-12)。本例においてサーバ10Cは、サーバ10Cは、オブジェクト性質情報の利用に関する出力情報を端末20に送信する。
【0063】
以上に説明したように、第3の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Cが、利用許可部11と、情報利用部12と、検索部15と、行動特定部16とを備える構成としているので、キャラクタの行動内容を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の行動内容のうち、利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索し、検索された行動内容をキャラクタに実行させる行動の内容として特定し、キャラクタが実行する行動の内容に多様性を持たせることによるビデオゲームの趣向性の向上が可能となる。
【0064】
[第4の実施形態]
図10は、ビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10D(サーバ10D)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Dは、利用許可部11と、情報利用部12と、第2情報格納部17と、条件判定部18とを少なくとも備える。
【0065】
第2情報格納部17は、キャラクタの制御によるビデオゲームの進行の状況が表現された進行状況情報を進行状況に対応付けられた特定の格納領域(第5格納領域)に格納する機能を有する。
【0066】
ここで、進行状況情報とは、ビデオゲームの進行の状況が表現された情報であって、ビデオゲームの進行状況を客観的に示す情報を意味する。進行状況情報は特に限定されないが、ビデオゲームの進行状況が直接的に表現された情報でもよいし、間接的に表現された情報でもよい。ビデオゲームの進行状況が間接的に表現された情報の例には、ビデオゲームの進行に用いられるオブジェクト(例えばアイテム)を示す情報やビデオゲームの進行状況を説明する情報がある。なお、進行状況情報は、オブジェクト性質情報として扱われる情報であってもよい。その場合、オブジェクト性質情報が進行状況情報として第5格納領域に格納されることになる。
【0067】
また、ビデオゲームの進行の状況は特に限定されず、各ユーザに対応するビデオゲーム全体における進行の状況でもよいし、ビデオゲーム内で発生するイベントの進行の状況でもよい。
【0068】
また、第5格納領域とは、進行状況に対応付けられた特定の格納領域であって、所定の情報を格納可能な特定の格納領域を意味する。第5格納領域に情報を格納する構成は特に限定されないが、所定の情報を第5格納領域に応じた情報形式で所定の記憶領域に記憶させる構成が好ましい。
【0069】
条件判定部18は、第5格納領域に格納された進行状況情報に基づいてビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定する機能を有する。
【0070】
ここで、進行条件は特に限定されないが、第5格納領域に所定の進行状況情報が格納されているという条件が好ましい。進行条件の例には、予め定められた所定の進行状況情報の組み合わせのうち一部又は全部が第5格納領域に格納されているという条件がある。なお、進行条件は、充足されることでビデオゲームがキャラクタにとって有利に進行する条件が好ましい。ビデオゲームがキャラクタにとって有利に進行する構成の例には、ビデオゲーム全体がクリアするように進行する構成や、ビデオゲーム内で発生するイベントが進行する構成がある。
【0071】
図11は、システム100が実行するゲーム処理の例を示すフローチャートである。以下、サーバ10Dと、端末20の動作を例にして説明する。なお、サーバ10Dと端末20それぞれの動作を示すフローチャートについては、重複説明を避ける観点から記載を省略する。
【0072】
サーバ10Dは、オブジェクト性質情報を利用すると、キャラクタの制御によるビデオゲームの進行の状況が表現された進行状況情報を進行状況に対応付けられた特定の格納領域(第5格納領域)に格納する(ステップS4-11)。本例においてサーバ10Dは、所定の情報を第5格納領域に応じた情報形式で所定の記憶領域に記憶させる。
【0073】
サーバ10Dは、進行状況情報を第5格納領域に格納すると、第5格納領域に格納された進行状況情報に基づいてビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定する(ステップS4-12)。本例においてサーバ10Dは、オブジェクト性質情報の利用に関する出力情報を端末20に送信する。
【0074】
以上に説明したように、第4の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Dが、利用許可部11と、情報利用部12と、第2情報格納部17と、条件判定部18とを備える構成としているので、キャラクタの制御によるビデオゲームの進行の状況が表現された進行状況情報を進行状況に対応付けられた特定の格納領域(第5格納領域)に格納し、第5格納領域に格納された進行状況情報に基づいてビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定し、キャラクタが実行する行動の内容に多様性を持たせることでビデオゲームの趣向性の向上が可能となる。
【0075】
[第5の実施形態]
図12は、システム100(図1参照)におけるビデオゲーム処理サーバ10の例であるビデオゲーム処理サーバ10Z(サーバ10Z)の構成を示すブロック図である。本例において、サーバ10Zは、利用許可部11Zと、情報利用部12Zとを少なくとも備える。
【0076】
利用許可部11Zは、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(第1格納領域)に格納されたオブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可する機能を有する。
【0077】
ここで、オブジェクトとは、ビデオゲームに登場する仮想的な物を意味する。以下、オブジェクトが、剣やたいまつ、ボールなどのアイテムである場合を例に説明する。
【0078】
また、第1格納領域とは、オブジェクトに対応付けされ、所定の情報を格納可能な特定の格納領域を意味する。なお、第1格納領域が、対応付けされたオブジェクトを識別可能なオブジェクト性質情報を少なくとも格納する構成としてもよい。以下、第1格納領域が、タグを所定数まで格納可能なスロットである場合を例に説明する。
【0079】
また、オブジェクト性質情報とは、オブジェクトの性質が表現された情報を意味する。オブジェクト性質情報は、各オブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納される。上述したように、本例では、オブジェクト性質情報は、各アイテムに対応付けされたスロットに格納されたタグである。本例では、タグは、文字列で示された情報である。ビデオゲームで用いられる各タグは、全タグリストにてタグとして定義及び管理が行われる。例えば、サーバ10Zが、キャラクタの制御のための利用が許可されたタグが、全タグリストに含まれるタグである場合に当該タグをキャラクタの制御に用いて、一方で全タグリストに含まれないタグである場合には当該タグをキャラクタの制御に用いずに、例えばエラーメッセージを開発者又はユーザに通知する構成としてもよい。
【0080】
なお、第1格納領域は、対応付けられたオブジェクトを識別可能なオブジェクト性質情報を少なくとも格納してもよい。以下、対応付けられたオブジェクトを識別可能なオブジェクト性質情報は、専用タグである場合を例に説明する。その場合、例えばオブジェクト「リンゴ」の専用タグは「リンゴ」である。
【0081】
また、第1格納領域が、同様のオブジェクト性質情報を複数個格納可能であってもよい。本例では、オブジェクト「リンゴ」のスロットにタグ「甘い」が複数個格納されることが可能である。
【0082】
また、キャラクタは、ビデオゲームに登場し行動するものを意味する。キャラクタには、ユーザ操作に基づいて行動するものやユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものがある。特に本例でのキャラクタは、ユーザ操作にかかわらず自律的に行動するものとする。自律的に行動するキャラクタは特に限定されず、ビデオゲームにおいてユーザの操作を完全に受け付けないノンプレイヤキャラクタ(NPC)でもよいし、一部ユーザの操作を受付ける状況が存在し、その他の状況ではユーザの操作を受け付けないキャラクタでもよい。以下、キャラクタが、NPCである場合を例に説明する。本例では、NPCは、ビデオゲームにおいてオブジェクトを認識して意思決定を行い、行動を実行する。ここでの意思決定とは、NPCが実行する具体的な行動を決定することを意味する。
【0083】
また、オブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用とは、キャラクタの制御処理に際してオブジェクト性質情報を用いることを意味する。本例では、オブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用は、オブジェクトのスロットに格納されたタグをキャラクタによるオブジェクトの認識や意思決定等の制御に用いることである。
【0084】
情報利用部12Zは、利用が許可されたオブジェクト性質情報をキャラクタの制御のために利用する機能を有する。
【0085】
ここで、オブジェクト性質情報を利用するタイミングは特に限定されず、オブジェクト性質情報の利用が許可されたオブジェクトに対するキャラクタの行動時に利用してもよいし、当該オブジェクトが登場しないイベント時や他のオブジェクトに対する行動時に利用してもよい。
【0086】
また、サーバ10Zが、利用が許可されたオブジェクト性質情報をキャラクタに対応付けされた特定の格納領域(第2格納領域)に格納する構成としてもよい。ここで、第2格納領域とは、キャラクタに対応付けされ、所定の情報を格納可能な特定の格納領域を意味する。第2格納領域は、キャラクタ毎に対応付けされる。また、サーバ10Zが、第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する構成としてもよい。なお、キャラクタの制御のための利用が許可されるオブジェクト性質情報は、所定の格納条件を満たすオブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたものとしてもよい。以下、第2格納領域がキャラクタに対応付けられたスロット(記憶スロット)である場合を例に説明する。利用が許可されたタグは、記憶スロットに格納され、キャラクタの制御に用いられる。このような構成とすることで、自身の記憶を保持しているかのようにキャラクタを制御することが可能となる。
【0087】
さらに、サーバ10Zが、所定の評価規則に従って、第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報それぞれに対応付けされた評価値を算出し、算出された評価値に基づいて、キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する構成としてもよい。ここで、評価規則とは、第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報毎の評価値を算出するための規則を意味する。また、評価値を算出する構成は特に限定されないが、利用が許可された順番や回数に基づいて算出する構成が好ましい。
【0088】
また、第2格納領域は、オブジェクト性質情報をFIFO(First In First Out)方式で格納する格納可能数の上限が定められた特定の格納領域(第3格納領域)、及び、当該第3格納領域とは異なり、利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた許可情報を格納する特定の格納領域(第4格納領域)を含んでもよい。ここで、許可情報とは、オブジェクト性質情報の利用の許可処理が実行されたことに関する情報を意味する。以下、第3格納領域がキャラクタの短期記憶領域であり、第4格納領域がキャラクタの長期記憶領域である場合を例に説明する。このような構成とすることで、人間の脳における海馬と大脳皮質に類似する関係を持った機能をキャラクタに与えることができ、ユーザから見たキャラクタの振る舞いをより人間に近いものとすることが可能となる。
【0089】
ここで、サーバ10Zが、利用が許可されたオブジェクト性質情報を第3格納領域に格納し、第4格納領域に格納した当該オブジェクト性質情報に対応付けられた許可情報を更新する構成としてもよい。ここで、サーバ10Zが、第3格納領域及び第4格納領域の少なくとも何れかにおいて、格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する構成としてもよい。許可情報を更新する構成は特に限定されないが、オブジェクト性質情報毎の利用の許可処理が実行された回数に応じた更新を実行する構成が好ましい。
【0090】
なお、キャラクタが実行する行動を特定する場合に第3格納領域に格納されたオブジェクト性質情報又は第4格納領域に格納されたオブジェクト性質情報の何れを重視するかについては特に限定されない。例えば、サーバ10Zが、第3格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に対応付けされた評価値が、第4格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に対応付けされた評価値と比較して高くなるように評価値の算出における重みづけをする構成としてもよい。
【0091】
また、許可情報は、利用が許可された回数に応じた許可値を示す情報でもよい。ここで、サーバ10Zが、利用が許可されたオブジェクト性質情報の許可値を示す情報を利用が許可された回数に応じて更新する構成としてもよい。さらに、サーバ10Zが、第3格納領域においては、格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報の格納順に基づいて、当該複数のオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定し、第4格納領域においては、格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報それぞれの許可値に基づいて、当該少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する構成としてもよい。ここで、第3格納領域におけるオブジェクト性質情報を特定する構成は特に限定されないが、オブジェクト性質情報の格納順に基づいて各オブジェクト性質情報の評価値の算出結果に基づいて特定する構成が好ましい。なお、第3格納領域において評価値を算出する構成は特に限定されず、格納順が新しいオブジェクト性質情報が古いオブジェクト性質情報よりも高い評価値を算出する構成が好ましい。また、第4格納領域におけるオブジェクト性質情報を特定する構成は特に限定されないが、許可値に基づいて各オブジェクト性質情報の評価値を算出し、当該評価値に基づいて特定する構成が好ましい。
【0092】
また、サーバ10Zが、1つ以上のオブジェクト性質情報を有する対象を選択する構成であって、当該対象が有するオブジェクト性質情報と、第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報との一致度合いに基づいて、対象を選択する構成としてもよい。ここで、対象を選択する構成は特に限定されないが、行動の対象として選択する構成が好ましい。対象の例には、オブジェクトやオブジェクト以外のもの(例えば話題、概念)がある。
【0093】
また、オブジェクト性質情報の一致度合いを測るための構成の例には、対象が有する1つ以上のオブジェクト性質情報における第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報(一致性質情報)の割合に基づいて測る構成や、各一致性質情報についての所定値(記憶強度値)の合計に基づいて測る構成がある。ここで、第2格納領域が第3格納領域及び第4格納領域を含む場合において各一致性質情報の記憶強度値を算出する構成の例には、第3格納領域での一致性質情報と同一のオブジェクト性質情報の格納順に対応する値を当該一致性質情報の記憶強度値として算出する構成や第4格納領域での一致性質情報と同一のオブジェクト性質情報の許可値に基づいて当該一致性質情報の記憶強度値を算出する構成がある。
【0094】
本例では、対象は、アイテムであり得る。その場合、キャラクタは、アイテムが有するタグと、キャラクタの記憶として保持されたタグとの一致度合いが高いアイテムを使用する。
【0095】
また本例では、特定のオブジェクトに対応付けされないオブジェクト性質情報があり得る。また本例では、対象が話題であり得る。その場合、キャラクタは、話題が有するタグと、当該キャラクタの記憶として保持されたタグとの一致度合いが高い話題で話をすることになる。
【0096】
なお、他にもサーバ10Zにより実現される機能のうちオブジェクトに関する機能について、オブジェクト以外のものにも適用可能である。
【0097】
なお、サーバ10Zが、上述した第3格納領域及び第4格納領域に格納されたオブジェクト性質情報のうちキャラクタの制御に利用するオブジェクト性質情報を特定する処理において、第1格納領域に格納されているオブジェクト性質情報を用いずに、当該キャラクタに対応付けされた第3格納領域及び第4格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に基づいて特定してもよい。さらに、サーバ10Zが、特定したオブジェクト性質情報に基づいて定まる行動をキャラクタに実行させてもよい。第3格納領域及び第4格納領域に格納されたオブジェクト性質情報の評価値の算出における重み付けは特に限定されず、第3格納領域又は第4格納領域の何れか一方のオブジェクト性質情報の評価値がもう一方のオブジェクト性質情報の評価値よりも大きく算出されるように重み付けをしてもよい。
【0098】
また、第3格納領域と第4格納領域の双方に同一のオブジェクト性質情報が格納されていた場合(第4格納領域の場合は許可情報により格納されたか否かが判定される。)、第3格納領域と第4格納領域の双方で算出された許可値を考慮してオブジェクト性質情報の特定処理が行われてよい。例えば双方で算出された許可値の合計がオブジェクト性質情報の特定処理に用いられてもよい。このような構成とすることで、キャラクタが、オブジェクトの認識を必要としない能動的な行動をさせること(想起)をできるようになる。
【0099】
また、サーバ10Zが、キャラクタの行動内容を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の行動内容のうち、利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索し、検索された行動内容をキャラクタに実行させる行動の内容として特定する構成としてもよい。以下、キャラクタの話題を示す情報と、タグとが対応付けられた話題リストに基づいて利用が許可されたタグを含む話題をキャラクタが話す話題として特定する場合を例に説明する。なお、サーバ10Zが、所定のオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索する構成としてもよい。ここで、所定のオブジェクト性質情報は特に限定されないが、オブジェクトを識別可能なオブジェクト性質情報が好ましい。本例では、オブジェクトにおける利用が許可された専用タグを含む話題が話題リストから検索され、検索された話題がキャラクタに話させる話題として特定される(一次連想)。
【0100】
また、サーバ10Zが、オブジェクトに対応付けられた複数のオブジェクト性質情報にさらに基づいて、複数の行動内容のうち、複数のオブジェクト性質情報のうちの少なくとも何れかに対応付けられた行動内容を少なくとも1つ検索する構成としてもよい。ここで、サーバ10Zは、検索された少なくとも1つの行動内容のうち、当該行動内容に対応付けられたオブジェクト性質情報から算出される評価値に基づいて、キャラクタに実行させる行動内容を特定する。本例では、オブジェクトにおける利用が許可された通常タグを含む話題が話題リストから検索される。また本例では、当該話題の評価値(記憶強度値)が算出され、算出結果に基づいて何れかの話題がキャラクタに話させる話題として特定される(二次連想)。
【0101】
また、サーバ10Zが、オブジェクトに対応付けられたオブジェクト性質情報を含む他のオブジェクトに対応付けられたオブジェクト性質情報のうち少なくとも何れかに対応付けられた行動内容を少なくとも1つ検索する構成としてもよい。ここで、サーバ10Zは、検索された少なくとも1つの行動内容のうち、当該行動内容に対応付けられたオブジェクト性質情報から算出される評価値に基づいて、キャラクタに実行させる行動内容を特定する。本例では、オブジェクトにおける利用が許可された通常タグを含む他のオブジェクトが検索され、当該他のオブジェクトが含む通常タグを含む話題が話題リストから検索される。また本例では、当該話題の評価値(記憶強度値)が算出され、算出結果に基づいて何れかの話題がキャラクタに話させる話題として特定される(三次連想)。
【0102】
なお、サーバ10Zが、利用が許可されたオブジェクト性質情報に基づいて、特定のオブジェクトから少なくとも1回以上オブジェクト性質情報を経由して他のオブジェクトを特定する構成としてもよい。すなわち、サーバ10Zが、利用が許可されたオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報が第1格納領域に格納されたオブジェクトを特定する構成としてもよい。
【0103】
本例において、例えば、オブジェクト「リンゴ」が有するタグ「甘い」の利用が許可された場合、オブジェクト「リンゴ」が有するタグ「甘い」と同じタグを有するオブジェクト「みかん」が特定される。このようにして、チェイニングにより、オブジェクト「リンゴ」からオブジェクト「みかん」が連想される。また、タグの経由が2回以上行われるようにしてもよい。以下、タグの経由が2回行われる例について説明する。まず、オブジェクト「リンゴ」が有するタグ「甘い」の利用が許可された場合に、オブジェクト「リンゴ」が有するタグ「甘い」と同じタグを有するオブジェクト「バナナ」が特定される。次に、オブジェクト「バナナ」が有する他のタグ「細長い」(オブジェクト「リンゴ」が有していないタグであることが望ましい。)と同じタグを有するオブジェクト「バット」が特定される。このようにして、チェイニングにより、オブジェクト「リンゴ」からオブジェクト「バット」が連想される。
【0104】
また、サーバ10Zが、形状を有するオブジェクトの当該形状に関する情報を経由して他のオブジェクトを特定する構成としてもよい。すなわち、サーバ10Zが、オブジェクトの形状に関する情報に基づいて、当該形状と所定の関係を有する形状のオブジェクトを特定する構成としてもよい。所定の関係の例には、オブジェクト同士の全体又は一部の形状が類似していること(類似度が所定の度合い以上であること)等がある。なお、特定されたオブジェクトは、例えばキャラクタが実行する行動の対象となり得る。
【0105】
また、サーバ10Zが、キャラクタの制御によるビデオゲームの進行の状況が表現された進行状況情報を進行状況に対応付けられた特定の格納領域(第5格納領域)に格納する構成としてもよい。ここで、サーバ10Zは、第5格納領域に格納された進行状況情報に基づいてビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定する。本例においては、ビデオゲーム内でのシナリオの進行条件が、当該シナリオ管理用のタグスロットに所定の状況が表現されたタグが格納されているという条件になる。当該進行条件が満たされている場合、シナリオが次の段階に進行し新たなイベントが発生する。より具体的には、例えば、進行条件が、「タグA」、「タグB」、「タグC」、「タグD」がシナリオ管理用のタグスロットに格納されることである場合がある。その場合、シナリオの進行管理用のタグスロットにタグA~タグDが全て格納されると、シナリオが進行する。ここで、タグA~タグDをイベントは、タグA~タグDのうちの複数のタグを格納可能なものであってよい。同一のタグを格納可能なイベントを複数用意することでシナリオ攻略の自由度が向上する。
【0106】
なお、サーバ10Zが、オブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に基づいて、当該オブジェクトに対するキャラクタに行動を実行させるか否かを判定する構成としてもよい。オブジェクトに対するキャラクタに行動を実行させるか否かを判定する構成は特に限定されないが、オブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報に対応する行動が実行されるように判定する構成が好ましい。本例では、キャラクタが発見したオブジェクトのタグに基づいて、当該オブジェクトに対するアクションを当該キャラクタに行動を実行させるか否かが決定される。
【0107】
また、サーバ10Zが、所定の進行状況情報が格納された特定の格納領域(第6格納領域)に対応付けされたイベントをキャラクタがクリアしたと判定する構成としてもよい。すなわち、サーバ10Zが、所定の進行状況情報が第6格納領域に格納されるというクリア条件が満たされた場合、当該クリア条件に対応付けされたイベントをキャラクタがクリアしたと判定する構成としてもよい。ここで、所定の進行状況情報は、単数でもよいし複数でもよい。なお、複数の所定の進行状況情報が第6格納領域に格納されたことがクリア条件である場合の構成は特に限定されないが、格納される進行状況情報の順番にかかわらず当該クリア条件の充足が判定される構成が好ましい。また、クリア条件は、複数の所定の進行状況情報のうち所定数の進行状況情報が第6格納領域に格納されるという条件でもよい。
【0108】
図13は、サーバ10Zが備える記憶部(図示せず)に記憶される情報の格納状態の例について説明するための説明図である。図13に示すように、記憶部は、オブジェクトに関する情報として、オブジェクト名と、第1格納領域における専用タグと通常タグとを対応付けて記憶する。
【0109】
オブジェクト名は、オブジェクトの名前を示す情報を意味する。
【0110】
また、第1格納領域における専用タグとは、オブジェクトを識別可能なタグを意味する。本例では、オブジェクト名と同様の文字列情報である。
【0111】
また、第1格納領域における通常タグとは、専用タグとは異なるタグであり、オブジェクトの性質が表現された情報を意味する。本例では、オブジェクトの性質が文字列で示された情報である。また本例では、通常タグは、1つのオブジェクトについて8つを上限として第1格納領域に格納される。なお本例では、オブジェクト「リンゴB」の第1格納領域に、通常タグとしてタグ「甘い」が4つ格納されている。ここで、キャラクタの制御にタグを利用するとき、オブジェクト「リンゴB」が、タグ「甘い」が第1格納領域に1つ格納されているオブジェクト「リンゴA」と比較してより甘いものとして扱われてよい。このように同一のタグを複数個格納可能とすることで、同一種類の(同一の専用タグを有する)オブジェクトに共通する性質について差を設けることができるようになる。
【0112】
図14は、サーバ10Zが備える記憶部(図示せず)に記憶される情報の格納状態の例について説明するための説明図である。図14(A)はキャラクタの第3格納領域に対応する短期記憶領域に関する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。図14(A)に示すように、記憶部は、キャラクタの短期記憶に関するキャラクタ短期記憶関連情報として、キャラクタ名と、短期記憶領域に格納されたタグとを対応付けて記憶する。
【0113】
キャラクタ名は、キャラクタの名前を示す情報を意味する。
【0114】
タグ1~タグ8は、キャラクタの短期記憶領域に格納されたタグを意味する。タグは、タグ1から格納された順番が新しい。タグ8は、短期記憶領域に格納されているタグの中で最も早く格納されたタグである。本例では、利用が許可されたタグがタグ1~タグ8にそれぞれに格納されている。
【0115】
図14(B)はキャラクタの第4格納領域に対応する長期記憶領域に関する情報の格納状態の例について説明するための説明図である。図14(B)に示すように、記憶部は、キャラクタの長期記憶に関するキャラクタ長期記憶関連情報として、キャラクタ名と、長期記憶領域に格納されたタグに関する情報とを対応付けて記憶する。
【0116】
キャラクタ名は、キャラクタの名前を示す情報を意味する。
【0117】
タグ1~タグNは、キャラクタの長期記憶領域に格納されたタグ及び各タグが許可された回数を示す情報を意味する。本例では、ビデオゲームで用いられる全てのタグ(タグ1~タグN)それぞれについてキャラクタに利用が許可された回数を示す数字情報が記憶されている。
【0118】
次に、システム100(図1参照)の例であるビデオゲーム処理システム100Z(システム100Z。図示せず。)の動作について説明する。システム100Zは、サーバ10Zを備える。以下、説明を簡単にするため、サーバ10Zおよび端末により実行される処理について、システム100Zが実行するものとして説明する。
【0119】
図15は、システム100Zが実行するビデオゲーム処理の例を示すフローチャートである。本例におけるゲーム処理では、ユーザの操作に応じて端末20の位置情報を用いたビデオゲームの進行を制御することに関連する処理が行われる。以下、各処理について説明する。なお、各処理の順序は、処理内容に矛盾等が生じない範囲で順不同である。
【0120】
ゲーム処理は、例えばサーバ10Zにアクセスしたユーザ端末20にユーザから条件の入力が行われたことを契機に開始される。
【0121】
システム100Zは、ゲーム処理において、先ず、オブジェクト性質情報の利用が許可される条件が充足されたことを判定する(ステップS301)。本例では、システム100Zは、キャラクタがオブジェクトを認識するという条件が充足されたことを判定する。
【0122】
システム100Zは、条件が充足されたことを判定すると、オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(第1格納領域)に格納されたオブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報のキャラクタの制御のための利用を許可する(ステップS302)。本例では、システム100Zは、オブジェクトのスロットに格納されたタグをキャラクタによるオブジェクトの認識や意思決定等の制御に用いることを許可する。
【0123】
システム100Zは、条件が充足されたことを判定すると、キャラクタの制御に利用するオブジェクト性質情報を特定する(ステップS303)。本例では、システム100Zは、認識条件が満たされたオブジェクトに対応付けされた第1格納領域に格納されたオブジェクト性質情報と同一のオブジェクト性質情報を特定対象とする。
【0124】
システム100Zは、オブジェクト性質情報を特定すると、特定したオブジェクト性質情報をキャラクタの制御に利用する(ステップS304)。本例では、システム100Zは、特定したタグをキャラクタの行動の決定に利用する。
【0125】
システム100Zは、オブジェクト性質情報を利用すると、当該オブジェクト性質情報に基づいてキャラクタを制御する(ステップS305)。本例では、システム100Zは、タグに基づくキャラクタのオブジェクトに対する行動を制御する。
【0126】
本例では、システム100Zは、キャラクタを制御すると、ここでの処理を終了する。
【0127】
図16は、オブジェクト性質情報を第2格納領域に格納する例について説明するための説明図である。図16(A)は、キャラクタがこれからタグを記憶しようとする場合の図である。図16(A)に示すように、キャラクタには、第3格納領域に対応する短期記憶領域と、第4格納領域に対応する長期記憶領域とが対応付けされている。ここで、短期記憶領域ではタグがキュー(FIFO方式)で格納されている。また、長期記憶領域では、全てのタグについて、利用が許可された回数が格納されている。
【0128】
図16(B)は、キャラクタがタグを記憶した結果の図である。ここで、短期記憶領域においては、tagFが格納され、tagXが削除される。一方、長期記憶領域では、tagFの利用が許可された回数が1増加する。このように、短期記憶領域では新しくタグが格納される際に古いタグは削除されていく一方で、長期記憶領域では利用が許可された全てのタグについて許可回数が増加していく。
【0129】
図17は、行動内容関連情報に基づいてキャラクタに実行させる行動の内容を特定する例について説明するための説明図である。具体的には、図17(A)(B)を参照して、キャラクタに話させる話題を特定する例について説明する。図17(A)には、オブジェクト「リンゴ」が有するタグが示されている。ここでの専用タグは「リンゴ」である。図17(B)には、キャラクタが話す話題リストが示されている。ここで、オブジェクト「リンゴ」のタグの利用が許可された場合について説明する。例えば、オブジェクト「リンゴ」が有する専用タグ「リンゴ」を含む話題「収穫祭」がキャラクタに話させる話題として特定されてもよい。また、例えばオブジェクト「リンゴ」が有する通常タグを有する話題がキャラクタに話させる話題として特定されてもよい。なお、図17に示す例では、通常タグを有する話題が複数存在するため、話題毎に算出される評価値を用いてキャラクタに話させる話題が特定される。また、図17に示す例において、オブジェクト「リンゴ」が有する通常タグを有する他のオブジェクトが特定され、当該他のオブジェクトが有するタグを有する話題がキャラクタに話させる話題として特定されてもよい。
【0130】
図18は、行動内容関連情報に基づいて特定された内容でキャラクタに行動させた場合のゲーム画面の例を示す説明図である。具体的には、図18では、話題が有するタグに基づいて特定された話題「キャッチボール」についてキャラクタが話している場合(二次連想の場合)についてのゲーム画面が示されている。図18には、キャラクタ1801と、リンゴオブジェクト1802と、メッセージ1803とが示されている。ここで、キャラクタ1801は、自律的にオブジェクトを認識し行動するキャラクタである。キャラクタ1801は、リンゴオブジェクト1802を認識し、キャッチボールの話題を連想している。そして、キャラクタ1801は、連想したキャッチボールの話題で話している(メッセージ1803が表示されている)。なお、一次連想の場合は話題「収穫祭」が特定され、話題「収穫祭」でキャラクタが話をする。また、三次連想の場合は、上述したようにさらに連想が行われ、話題「キャッチボール」及び話題「収穫祭」以外の話題でキャラクタが話をし得る。
【0131】
以上に説明したように、第5の実施形態の一側面として、ユーザの操作に応じてビデオゲームの進行を制御するサーバ10Zが、利用許可部11Zと、情報利用部12Zとを備える構成としているので、オブジェクト(例えばアイテム)に対応付けされた特定の格納領域(第1格納領域、例えばスロット)に格納されたオブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報(例えばタグ)のキャラクタの制御のための利用を許可し、利用が許可されたオブジェクト性質情報をキャラクタの制御(例えばキャラクタによる特定方法でのアイテムの使用)のために利用し、ビデオゲームにおけるオブジェクトの性質に関する情報の設定や利用をする際の開発者の負担を軽減することが可能となる。
【0132】
すなわち、開発者によって、オブジェクト毎に各性質を(属性)有するか否かをフラグ等の形態で事前に設定しておく必要がなくなり、オブジェクトの性質に関し設定や管理を容易とすることが可能となる。また、新しく性質を追加する場合に当該性質を有するオブジェクトについてオブジェクト性質情報の設定作業を行うだけで済むようになる。さらに、オブジェクトが関係するビデオゲームの進行の仕方が、開発者の想定を超えたもの(開発者が管理可能な数を超えたビデオゲームの進行の結果になるもの)とすることが可能となる。すなわち、開発者が管理しきれない数のゲーム状態を実現させることが可能となる。
【0133】
また、上述した第5の実施形態の例では、サーバ10Zが、キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(第2格納領域、例えば記憶スロット)に、利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納し、第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報からキャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定し、人間の記憶のメカニズムを再現し、より趣向性の高いキャラクタ制御を実現させることが可能となる。
【0134】
また、上述した第5の実施形態の例では、サーバ10Zが、キャラクタの行動内容(例えば話題)を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の行動内容のうち、利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索し、検索された行動内容をキャラクタに実行させる行動の内容として特定し、キャラクタが実行する行動の内容に多様性を持たせることによるビデオゲームの趣向性の向上が可能となる。
【0135】
また、上述した第5の実施形態の例では、サーバ10Zが、キャラクタの制御によるビデオゲームの進行の状況(例えばシナリオ進行の状況)が表現された進行状況情報を進行状況に対応付けられた特定の格納領域(第5格納領域)に格納し、第5格納領域に格納された進行状況情報に基づいてビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定し、キャラクタが実行する行動の内容に多様性を持たせることでビデオゲームの趣向性の向上が可能となる。
【0136】
以上に説明したように、本願の各実施形態により1または2以上の不足が解決される。なお、夫々の実施形態による効果は、非限定的な効果または効果の一例である。
【0137】
なお、上述した各実施形態では、複数のユーザ端末20,201~20Nとサーバ10は、自己が備える記憶装置に記憶されている各種制御プログラム(例えば、ビデオゲーム処理プログラム)に従って、上述した各種の処理を実行する。
【0138】
また、システム100の構成は上述した各実施形態の例として説明した構成に限定されず、例えばユーザ端末が実行する処理として説明した処理の一部または全部をサーバ10が実行する構成としてもよいし、サーバ10が実行する処理として説明した処理の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れか(例えば、ユーザ端末20)が実行する構成としてもよい。また、サーバ10が備える記憶部の一部または全部を複数のユーザ端末20,201~20Nの何れかが備える構成としてもよい。すなわち、システム100におけるユーザ端末20とサーバ10のどちらか一方が備える機能の一部または全部を、他の一方が備える構成とされていてもよい。
【0139】
また、プログラムが、上述した各実施形態の例として説明した機能の一部または全部を、通信ネットワークを含まない装置単体に実現させる構成としてもよい。
【0140】
[付記]
上述した実施形態の説明は、少なくとも下記発明を、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができるように記載した。
[1]
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をサーバに実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記サーバに、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可機能と、
前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[2]
前記サーバに、
前記キャラクタに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第2格納領域」という。)に、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を格納する第1情報格納機能と、
前記第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する情報特定機能とを
実現させるための[1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[2-1]
前記サーバに、所定の評価規則に従って、前記第2格納領域に格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報それぞれに対応付けされた評価値を算出する評価値算出機能を実現させ、
前記情報特定機能では、算出された評価値に基づいて、前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する機能を
実現させるための[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[2-2]
前記第2格納領域は、オブジェクト性質情報をFIFO方式で格納する格納可能数の上限が定められた特定の格納領域(以下、「第3格納領域」という。)、及び、当該第3格納領域とは異なり、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた許可情報を格納する特定の格納領域(以下、「第4格納領域」という。)を含み、
前記第1情報格納機能では、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記第3格納領域に格納し、さらに前記第4格納領域に格納した当該オブジェクト性質情報に対応付けられた許可情報を更新する機能を実現させ、
前記情報特定機能では、前記第3格納領域及び前記第4格納領域の少なくとも何れかにおいて、格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する機能を
実現させるための[2]又は[2-1]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[2-3]
前記許可情報は、前記利用が許可された回数に応じた許可値を示す情報であり、
前記第1情報格納機能では、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報の許可値を示す情報を前記利用が許可された回数に応じて更新する機能を実現させ、
前記情報特定機能では、
前記第3格納領域においては、格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報の格納順に基づいて、当該複数のオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定し、
前記第4格納領域においては、格納された少なくとも1つのオブジェクト性質情報それぞれの前記許可値に基づいて、当該少なくとも1つのオブジェクト性質情報から前記キャラクタの制御のために利用するオブジェクト性質情報を特定する機能を
実現させるための[2-2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[2-4]
前記サーバに、
1つ以上のオブジェクト性質情報を有する対象を選択する機能であって、
前記対象が有するオブジェクト性質情報と、前記第2格納領域に格納されたオブジェクト性質情報との一致度合いに基づいて、前記対象を選択する機能を
実現させるための[2]から[2-3]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3]
前記サーバに、
前記キャラクタの行動内容 を示す情報と、オブジェクト性質情報とが対応付けられた行動内容関連情報に基づいて、複数の前記行動内容のうち、前記利用が許可されたオブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索する検索機能と、
検索された前記行動内容を前記キャラクタに実行させる行動の内容として特定する行動特定機能とを
実現させるための[1]又は[2]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3-1]
前記検索機能では、所定の前記オブジェクト性質情報に対応付けられた行動内容を検索する機能を
実現させるための[3]記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3-2]
前記検索機能では、前記オブジェクトに対応付けられた複数のオブジェクト性質情報にさらに基づいて、前記複数の行動内容のうち、前記複数のオブジェクト性質情報のうちの少なくとも何れかに対応付けられた行動内容を少なくとも1つ検索する機能を実現させ、
前記行動特定機能では、前記検索された少なくとも1つの行動内容のうち、当該行動内容に対応付けられたオブジェクト性質情報から算出される評価値に基づいて、前記キャラクタに実行させる行動内容を特定する機能を
実現させるための[3]又は[3-1]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[3-3]
前記検索機能では、前記オブジェクトに対応付けられた複数のオブジェクト性質情報を含む他のオブジェクトに対応付けられたオブジェクト性質情報のうち少なくとも何れかに対応付けられた行動内容を少なくとも1つ検索する機能を実現させ、
前記行動特定機能では、前記検索された少なくとも1つの行動内容のうち、当該行動内容に対応付けられたオブジェクト性質情報から算出される評価値に基づいて、前記キャラクタに実行させる行動内容を特定する機能を
実現させるための[3]から[3-2]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[4]
前記サーバに、
前記キャラクタの制御による前記ビデオゲームの進行の状況が表現された進行状況情報を前記進行状況に対応付けられた特定の格納領域(以下、「第5格納領域」という。)に格納する第2情報格納機能と、
前記第5格納領域に格納された前記進行状況情報に基づいて前記ビデオゲームの進行に関する進行条件が満たされたか否かを判定する条件判定機能とを
実現させるための[1]から[3]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[5]
前記第1格納領域は、前記オブジェクト性質情報の格納数の上限が定められている
[1]から[4]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[6]
前記第1格納領域は、対応付けられたオブジェクトを識別可能なオブジェクト性質情報を少なくとも格納する
[1]から[5]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[7]
前記第1格納領域は、同様のオブジェクト性質情報を複数個格納可能である
[1]から[6]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
[8]
[1]から[7]のうち何れかに記載のビデオゲーム処理プログラムが前記サーバに実現させる機能のうち少なくとも1つの機能を、当該サーバと通信可能なユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[9]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備え、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理システムであって、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可手段と、
前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理システム。
[10]
前記サーバが、前記利用許可手段と、前記情報利用手段とを含み、
前記ユーザ端末が、前記表示手段により前記キャラクタの様子を表すゲーム画面を表示装置の表示画面に出力する出力手段を含む
[9]記載のビデオゲーム処理システム。
[11]
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御する機能をユーザ端末に実現させるためのビデオゲーム処理プログラムであって、
前記ユーザ端末に、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可機能と、
前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用機能とを
実現させるためのビデオゲーム処理プログラム。
[12]
ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理方法であって、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可処理と、
前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
[13]
通信ネットワークと、サーバと、ユーザ端末とを備えるビデオゲーム処理システムが、ビデオゲームの進行においてキャラクタを制御するビデオゲーム処理方法であって、
オブジェクトに対応付けされた特定の格納領域(以下、「第1格納領域」という。)に格納された前記オブジェクトの性質が表現されたオブジェクト性質情報の前記キャラクタの制御のための利用を許可する利用許可処理と、
前記利用が許可されたオブジェクト性質情報を前記キャラクタの制御のために利用する情報利用処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明の実施形態の一つによれば、ビデオゲームにおけるオブジェクトの性質に関する情報の設定や利用をする際の開発者の負担を軽減することを可能にするのに有用である。
【符号の説明】
【0142】
10 ビデオゲーム処理サーバ
20,201~20N ユーザ端末
11 利用許可部
12 情報利用部
13 第1情報格納部
14 情報特定部
15 検索部
16 行動特定部
17 第2情報格納部
18 条件判定部
30 通信ネットワーク
100 ビデオゲーム処理システム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18