(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】車両識別手段
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/00 20060101AFI20220830BHJP
B60R 13/10 20060101ALI20220830BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20220830BHJP
H01Q 13/10 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H01Q7/00
B60R13/10
G06K19/077 220
H01Q13/10
(21)【出願番号】P 2020551261
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2019000094
(87)【国際公開番号】W WO2019185192
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】102018002585.4
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514241559
【氏名又は名称】テンイェス・アイエスアイ・パテント・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ベーンケン・ビェルン
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-507896(JP,A)
【文献】米国特許第06628209(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0170019(US,A1)
【文献】特開2018-011111(JP,A)
【文献】特表2017-530898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 7/00
B60R 13/10
G06K 19/077
H01Q 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの表示領域(13)を有する登録標識本体部(11,36)と、この登録標識本体部(11,36)の表示領域(13)に設けられた少なくとも一つのマーキング(14)とを備え、この登録標識本体部(11,36)には、少なくとも一つの非接触式に読み取り可能な近距離通信用のデータ記憶媒体(21,30,31)とアンテナ(20,26)とを有するNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が設けられて
いて、この登録標識本体部(11,36)が保護カバー(12,39)によって覆われている車両識別手段(10,34,41)
において、
前記登録標識本体部(11,36)は、一つの貫通孔(16,23)を有し、この貫通孔には、前記NFCトランスポンダー(19,25,35,42)のアンテナ(20,26)が少なくとも部分的に設けられていて、
前記アンテナ(20,26)は、四角形の、又は丸い又は円形の面を取り囲み、
この面の側辺(27)の長さ又はこの面の円周の直径が、高々前記貫通孔(16,23)の長さに等しいこと
、及び
前記アンテナ(20,26)が、前記の貫通孔(16,23)の任意の位置に配置されていて、このアンテナ(20,26)の少なくとも二つの互いに逆側の部分領域が、この貫通孔(16,23)の上方に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項2】
請求項1に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の前記のデータ記憶媒体(21,30,31)及び/又はアンテナ(20,26)の少なくとも一部が、貫通孔(16,23)に非導電性のシール剤
又はプラスチック又は樹脂を注入して接合されていること、
又は、前記の貫通孔(16,23)が
、シール剤で満たされていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項3】
請求項
1に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
アンテナ(20,26)の巻線、導体ループ若しくはコイル、四角形の面、丸い面又は円形の面が設けられている当該車両識別手段(10,34,41)であって、この面の側辺(27)の長さ又はこの面の円周の直径(29)が、高々前記の貫通孔(16,23)の長さ(17)に等しく、
又はそれによりも小さく、前記の貫通孔(16,23)の高さ(18)が、前記の面の幅(28)又は前記の面の直径(29)の少なくとも10%
又は少なくとも25%
又は少なくとも50%に等しいことを特徴とする車両識別手段。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、登録標識本体部(11,36)の表側(47)
の自己粘着性の支持材料(22,24,37)上に配置
されていて、少なくとも部分的に貫通孔(16,23)の上方に配置
されていて、前記の保護カバー(12,39)が、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の上に登録標識本体部(11,36)の上に被せられていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項5】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、直に登録標識本体部(11,36)の裏側(48)
の自己粘着性の支持材料(22,24,37)上に配置
されていて、少なくとも部分的に貫通孔(16,23)の上方に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項6】
少なくとも一つの表示領域(13)を有する登録標識本体部(11,36)と、この登録標識本体部(11,36)の表示領域(13)に設けられた少なくとも一つのマーキング(14)とを備え、この登録標識本体部(11,36)には、少なくとも一つの非接触式に読み取り可能な近距離通信用のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、データ記憶媒体(21,30,31)及びアンテナ(20,26)と共に設けられて
いて、この登録標識本体部(11,36)が保護カバー(12,39)によって覆われている車両識別手段(10,34,41)
において、
このNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、支持材料(22,24,37)上に、登録標識本体部(11,36)に対して設けられていて、
電気絶縁性の層(38)が、前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)の自己粘着性の前記支持材料(22,24,37)と前記登録標識本体部(11,36)との間に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項7】
請求項
6に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、直に登録標識本体部(11,36)の表側(47)に、
又は登録標識本体部(11,36)の表側(47)の保護カバー(12,39)上に、
又は窪み内に固定され、前記の保護カバー(12,39)又は保護フォイルが、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の上で登録標識本体部(11,36)上に被せられていて、
又はNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、この窪みにシール剤を用いて注入接合されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項8】
請求項
6に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、直に登録標識本体部(11,36)の裏側(47)に、
又は窪み内に固定されて
いて、このNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、この窪みにシール剤を用いて注入接合されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項9】
請求項
6~8のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
プラスチック又はラッカー層が、前記のNFCトランスポンダー(19,25,35)の自己粘着性の支持材料(22,24,37)と登録標識本体部(11,36)との間に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項10】
請求項
6~9のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記のNFCトランスポンダー(19,25,35)が、非導電性の筐体内に配置されて
いて、この筐体が直に登録標識本体部(11,36)の上に設置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項11】
少なくとも一つの表示領域(13)を有する登録標識本体部(11,36)と、この登録標識本体部(11,36)の表示領域(13)に設けられた少なくとも一つのマーキング(14)とを備え、この登録標識本体部(11,36)には、少なくとも一つの非接触式に読み取り可能な近距離通信用のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、データ記憶媒体(21,30,31)及びアンテナ(20,26)と共に設けられて
いて、この登録標識本体部(11,36)が保護カバー(12,39)によって覆われてい
る当該車両識別手段(10,34,41)
において、
前記登録標識本体部(11,36)が、スリット(43)により形成された
RFIDチップのUHFアンテナを有し、磁界を発生するデータ記憶媒体(45)が、このUHFアンテナに設けられて
いて、
前記NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の
前記アンテナ(20,26)が、少なくとも部分的に、
前記スリット(43)に対して設けられ
ているか、
又は、
前記NFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、
前記アンテナ(20,26)及び
前記データ記憶媒体(21,30,31)と共に、支持材料(22,24,37)上で
前記登録標識本体部(11,36)に設けられていて、
前記NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の
前記アンテナ(20,26)が、少なくとも部分的に、
前記スリット(43)又は貫通孔(16,23)の中又は上方に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項12】
請求項
11に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が
、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、登録標識本体部(11,36)の窪み内に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項13】
請求項1~
12のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)のアンテナ(20,26)が、完全に、スリット(43)又は貫通孔(16,23)の中又は上方に、
又は登録標識本体部(11,36)の表側(47)又は裏側(48)に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項14】
請求項
11~
13のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、スリット(43)に誘導式に結合
されていて、このデータ記憶媒体(45)が、チップと、このチップと通電接続された少なくとも一つのコイルと、絶縁性又は非導電性の材料から成る支持体とを有し、このチップが
、受動的な無線周波数識別チップ(RFIDチップ)(44)として構成されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項15】
請求項
11~14のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、電気的に絶縁された形でスリット(43)の一つの終端の領域に配置
されていて、前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、スリット(43)のそれに対向する終端領域に設けられて
いて、このスリット(43)は
、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)がスリット(43)を覆う長さだけ長くされていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項16】
請求項
11~15のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、絶縁された形でスリット(43)の内部又はスリット(43)の上方に配置されて
いて、データ記憶媒体(45)の導電性の構成部品が、スリット(43)の境界面から間隔を開けて配置されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項17】
請求項
11~16のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、登録標識本体部(11,36)に埋め込まれている
か、又は登録標識本体部(11,36)上の少なくとも一つのコーティングによっ
てスリット(43)内に固定されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項18】
請求項1~
17のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、 少なくとも一つの可視コーティングが
、自己粘着性の反射フォイルとして構成
されていて、データ記憶媒体(45)、スリット(43)及びNFCトランスポンダー(19,25,35,42)の中の一つ以上の領域内に、そのコーティングが導電性の構成部品を有しないように、
又はこのコーティングが非常に高いオーム抵抗を有するように構成されていることを特徴とする車両識別手段。
【請求項19】
請求項
11~18のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、登録標識本体部の収容窪み内に配置
されていて、この収容窪みが
、スリットの一つの終端に設けられて
いて、底部壁を有し、この底部壁内にまで、スリット(43)の一つの終端が延びているか、
又はこの底部壁が、データ記憶媒体(45)よりも小さい開口部を有することを特徴とする車両識別手段。
【請求項20】
請求項
14に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のRFIDチップとNFCトランスポンダーが、HF周波数帯域用とUHF周波数帯域用の互いに独立して読み取り可能な二つのアンテナを備えた一つの構造ユニットを構成することを特徴とする車両識別手段。
【請求項21】
請求項1~
20のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記の保護カバー(12,39)が
、マイクロガラスビーズを組み込んだ、
又は封入した形で、柔軟性
と自己粘着性
と逆反射性
とを有するフォイルとして、
又はプリズム型フォイルとして構成
されていて、このフォイルの少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子が含まれること、
又は
前記の保護カバーが、導電性の材料
又はアルミニウム又は金属薄板
から作製されているか、
又は非導電性の材料
又はプラスチック又はアクリルから作製され
ていること
を特徴とする車両識別手段。
【請求項22】
請求項1~
21のいずれか1項に記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記の登録標識本体部(11,36)が、導電性の材料
又はアルミニウム又は金属薄板から、
又は非導電性の材料
又はプラスチック又はアクリルから作製されて
いること、
又は
前記の登録標識本体部が
、マイクロガラスビーズを組み込んだ、
又は封入した形で、柔軟性
と自己粘着性
と逆反射性
とを有するフォイルとして、
又はプリズム型フォイルとして構成
されていて、このフォイルの少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子が含まれることを特徴とする車両識別手段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、請求項7及び請求項12の上位概念による車両識別手段に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで特許請求する車両識別手段は、一義的な登録標識を用いて車両を識別する役割を果たす。この登録標識は、有利には、数字及び/又は番号の組合せ、或いはそれ以外の一義的に割り当てられたデータを有する。車両に登録標識を一義的に割り当てるために、車両識別手段は、例えば、所謂ナンバープレートとして、車両の前側及び/又は後側の車体又はバンパーに固定される。それに代わって、或いはそれに加えて、車両識別手段は、例えば、ウインドウガラス又は風防ガラスに取り付ける、或いは貼り付けることもできる。更に、ここで述べる車両識別手段が、周知のナンバープレートに加えて、追加登録標識又は「第三の登録標識」としての役割を果たすことも考えられる。
【0003】
車両識別手段の偽造に対する安全性が特に問題であることが分かっている。そのような識別手段は、非常に頻繁に偽造されたり、不正に操作されたり、或いは不当な手法で車両から取り外されて、別の車両に使用されている。それを防止する措置は、非接触方式により読み取り可能なデータ記憶媒体を備えた車両識別手段を利用することである。そのために、そのデータ記憶媒体に車両の一義的な識別に必要な全てのデータを保存することができる。そのようにして、例えば、真正の登録標識の文字と数字の組合せ、車両の形式及び車両の登録所有者に関する情報をデータメモリに保存することができる。
【0004】
データ記録媒体の読み取りは、通常、車両の一部ではない読取機を用いて実施される。そのような読取機は、使用する波長帯域に応じて異なる到達範囲を有する周知の送受信ユニットであるとすることができる。読み取ったデータを車両のデータと比較することによって、場合によっては起こる偽造又は不正操作を推定することができる。特に、データの比較によって、識別手段又は登録標識が正しい車両に割り当てられているのかを確認することができる。
【0005】
非接触方式により読み取り可能なデータ記憶媒体を備えた従来から周知の登録標識は、別個のアンテナを有する。そのトランスポンダーを構成するアンテナ(又はアンテナ構造)は、データ記憶媒体と共に、大抵は金属製の登録標識本体部に配置されている。しかし、そのようにアンテナ構造を登録標識本体部に配置することは、特に、データ記憶媒体を読み取る際に、妨害され易さが大きくなることと関連する。そのような妨害され易さは、車両識別手段の負担のかかる複雑な構造によってしか防止できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、出来る限り簡単な構造を有するともに、妨害され易さを低減した、改善された車両識別手段を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題を解決する車両識別手段は、請求項1の特徴を有する。この車両識別手段、特に、車両登録標識は、少なくとも一つのマーキングを有する少なくとも一つの表示領域表示領域を備えた登録標識本体部を有する。この登録標識本体部には、少なくとも一つの非接触方式により読み取り可能な近距離通信用のNFCトランスポンダーが設けられている。このNFCトランスポンダーは、データ記憶媒体とアンテナを備える。保護カバーが、NFCトランスポンダーと共に登録標識本体部を覆っている。更に、登録標識本体部は一つの孔を有し、この孔には、NFCトランスポンダーのアンテナが少なくとも部分的に設けられている。ここで特許請求する登録標識本体部の孔は、ほぼ如何なる任意の形状を有することができる。この孔の有利な形状は、四角形、楕円形又は円、或いは任意の周縁形態である。この孔は、登録標識本体部を貫通する、自由空間又は空所とも呼ばれる開口部である。アンテナを孔に配備することによって、データ伝送とエネルギー供給のための外部電磁界が、特に効果的かつ確実にNFCトランスポンダーのアンテナに結合する。このような結合によって、トランスポンダーのデータ記憶媒体は、それが受動的な構成部品である場合に、読み取りも、書き込みも可能になるとともに、電気エネルギーの供給も可能になる。本発明では、アンテナが、孔と完全には、部分的には、或いは全体的には重なり合わないと規定することができる。NFCトランスポンダーのアンテナが孔の周縁部と重なり合わない場合、アンテナが、周縁部に対して僅かな、即ち、数ミリメートル又は数センチメートルの間隔を開けて登録標識本体部上に配置されて、その結果、間隔を開けているにも関わらず、依然としてNFCトランスポンダーのアンテナと孔の周縁部の間で十分な結合が得られる。
【0008】
孔の周縁部は、スリットアンテナを形成するか、或いは孔と共に登録標識本体部によって、スリットアンテナが実現される。スリットアンテナ又は孔の物理的な特性又はアンテナ特性は、ダイポールアンテナの特性と比較できるほどである。
【0009】
データ記憶媒体を孔に配置することは、特に平坦な登録標識構造を実現する。このようにデータ記憶媒体を孔の中、上方又は上に配置することによって、データ記憶媒体又はトランスポンダー自体が、保護カバーによって外部観察者からは最早ほとんど分からなくなる。特に、このようなデータ記憶媒体の光学的な保護は、データ記憶媒体又はNFCトランスポンダーを直ぐに見ることができなくなるので、場合によっては起こる不正操作の試みに対して特に有利である。
【0010】
有利には、本発明は、更に、データ記憶媒体及び/又は少なくともNFCトランスポンダーのアンテナの一部が非導電性シール剤、特に、プラスチック又は樹脂により孔に注入接合される、特に、孔がシール剤で満たされると規定することができる。このようにNFCトランスポンダーの基本的な構成部分を登録標識本体部に注入接合することによって、トランスポンダーが車両識別手段の一体的な構成部分となる。孔からトランスポンダーを取り外すことは、必然的に少なくともアンテナを破壊することとなる。更に、シール剤は、例えば、湿気、汚れ、そしてまた寒さと暑さなどの環境による影響から電気部品を、特に、アンテナとデータ記憶媒体を理想的に保護する機能を提供する。
【0011】
本発明の別の有利な実施例は、NFCトランスポンダーのアンテナ、特に、アンテナの巻線、導体ループ又はコイルが、四角形の、丸い、或いは円形の面を取り囲んで、この面の側辺の長さ又はこの面の円周の直径が高々孔の長さに等しい、有利には、それよりも小さく、孔の高さが、この面の幅又はこの面の直径の少なくとも10%、特に、少なくとも25%、有利には、少なくとも50%に等しいと規定することができる。このアンテナ及び孔の相対的なサイズ決定は、ここで述べる用途にとって、外部読取機との通信に関する重要な特性である。この外部読取機は、13.56MHzの周波数帯域における高周波の交番電磁界を発生して、NFCトランスポンダーのアンテナに結合させる。この交番電磁界は、アンテナ面又はコイル面及び孔を通り抜ける。それによって、受動的な集積回路としてのNFCトランスポンダーに必要な電気エネルギーを供給するための電圧がアンテナに誘導される。アンテナを少なくとも部分的に孔と重ね合わせることによって、外部電磁界が特に良好にアンテナと結合することができる。この場合、アンテナ面又は導体ループ又はコイルによって取り囲まれた面が、少なくとも登録標識本体部の面に対して平行な、x方向又はy方向を向いた一つの次元において、孔よりも小さいことが重要である。更に、登録標識本体部で隠された、即ち、孔に該当しないアンテナの部分が登録標識本体部から電気的又は静電気的に分離されているのが有利である。
【0012】
更に、本発明では、NFCトランスポンダー、特に、アンテナが孔の任意の位置に配置されて、アンテナの少なくとも二つの対向する部分領域が孔の上方に配置されると規定することができる。NFCトランスポンダーがスリットの上方の如何なる場所に配置されるのかは、外部電磁界の結合に、そのため、トランスポンダーの効率又は電力に何らの役割も果たさない。同じことが、トランスポンダーの放出特性にも言える。このようにして、NFCトランスポンダーを特に簡単かつ柔軟な手法で登録標識本体部又は識別手段に設けることができる。
【0013】
更に、NFCトランスポンダーが、アンテナ及びデータ記憶媒体と共に、支持材料に、有利には、自己粘着性の支持材料に接して、直に登録標識本体部の表側に、少なくとも部分的に孔の上方に配置され、保護カバーが、NFCトランスポンダーを介して登録標識本体部の上に被せられることは本発明の特に有利な改善構成である。このような登録標識本体部、支持材料、NFCトランスポンダー及び保護カバーから成る層構造を前提として、識別手段が、一方において、特に妨害無く読み取られるか、或いはデータを送信することができ、他方において、製造に関して、特に簡単に実現できるシステムとなる。更に、この層構造によって、NFCトランスポンダーが登録標識の一体的な構成部分となる。NFCトランスポンダーは、登録標識に組み込まれる。
【0014】
本発明の別の有利な実施例は、NFCトランスポンダーが、アンテナ及びデータ記憶媒体と共に、支持材料に、有利には、自己粘着性の支持材料に接して、直に登録標識本体部の裏側に、少なくとも部分的に孔の上方に配置されると規定することができる。裏側に配置することによって、トランスポンダーが、不正操作の試み及び環境による影響から特に効率的に保護される。
【0015】
冒頭で述べた課題を解決する車両識別手段は、請求項7の特徴を有する。それによると、NFCトランスポンダーが、アンテナ及びデータ記憶媒体と共に、支持材料に接して、登録標識本体部に設けられると規定される。このようにNFCトランスポンダーを支持材料と共に登録標識本体部の上に被せることは、車両識別手段にNFCトランスポンダーを配備するための特に簡単かつ安全な手法である。NFCトランスポンダーを登録標識本体部の上に被せるための支持材料によって、登録標識本体部からの十分な電磁的な絶縁又は減結合を行うことができ、その結果、データ記憶媒体を読み取るための電磁界の結合を確実な手法で行うことができる。更に、NFCトランスポンダーが直に、或いは保護カバーと接して、登録標識本体部の表側に、有利には、窪み内に固定されて、NFCトランスポンダーを介して、保護カバー又は保護フォイルが登録標識本体部の上に被せられ、その際、特に、シール剤を用いて、NFCトランスポンダーを窪みに注入接合させることが考えられる。この一体化によって、トランスポンダーが識別手段に組み込まれる。それによって、トランスポンダーが、識別手段の一体的な構成部分を形成して、損傷又は破壊によってしか車両識別手段から取り出せなくなる。従って、この一体化は、環境による影響に対してだけでなく、機械的な作用又は不正操作の試みに対しても向上された保護機能を実現する。
【0016】
更に、NFCトランスポンダーを登録標識本体部の裏側に、有利には、窪み内に直に固定することが考えられ、その際、特に、NFCトランスポンダーは、シール剤を用いて窪みに注入接合される。
【0017】
更に、本発明では、NFCトランスポンダーの支持材料、有利には、自己粘着性の支持材料と登録標識本体部の間に電気絶縁層、有利には、プラスチック又はラッカー層を配置すると規定することができる。この追加の絶縁層は、登録標識本体部からNFCトランスポンダーを更に電気的に減結合させる役割を果たす。NFCトランスポンダーが晒される電磁界は、ほぼNFCトランスポンダーのアンテナによってのみ吸収されて、情報伝送の外に、トランスポンダーにエネルギーを供給する役割も果たす。通常は受動的な構成部品であるトランスポンダーへのエネルギー供給は、電磁波の形で識別情報を放出するための必須事項である。ここで使用するスペクトル帯域(13.56MHz)の到達範囲は、僅かに数センチメートルから数デシメートルしかないので、登録標識本体部からNFCトランスポンダーを電気的に絶縁することが特に重要である。十分な電気絶縁によってのみ、十分なエネルギーをNFCトランスポンダーによって吸収して、相応の情報をトランスポンダーから再び放出することを保証できる。
【0018】
有利には、更に、NFCトランスポンダーが非導電性の筐体内に配置されて、この筐体が直に登録標識本体部の上に配置されると規定することができる。この筐体は、有利には、プラスチック、樹脂又はそれらと同等の物から成る筐体であるとすることができる。交番電磁界は、特筆すべき減衰又は損失無しに非導電性の筐体を通り抜けることができる。同時に、登録標識本体部に対するNFCトランスポンダーの電気的な減結合が、車両識別手段の特に効率的かつ確実な使用を保証するのに十分となる。このトランスポンダーを備えた筐体は、所謂ハードタグであるとすることもできる。
【0019】
冒頭で述べた課題を解決する車両識別手段は、請求項12の特徴を有する。それによると、車両識別手段の登録標識本体部がスリットにより形成されるUHFアンテナを備え、このUHFアンテナには、磁界を発生するデータ記憶媒体が設けられて、同じく登録標識本体部に設けられたNFCトランスポンダーのアンテナが、このスリットに設けられ、ここでUHFアンテナとしての役割を果たすスリットが、同様に前述した手法によりNFCトランスポンダーのための貫通孔として作用する。それによると、車両識別手段は、UHF周波数帯域においても、NFC又はHF周波数帯域においても読み取る、或いは送信することができる。このようにデータ記憶媒体を、両方ともその用途のために同じスリット又は貫通孔を利用するUHFアンテナ及びNFCトランスポンダーと組み合わせることによって、特に確実に機能する、車両識別手段の特に簡単な構造形態を実現することができる。
【0020】
特に、NFCトランスポンダーが、特に、アンテナ及びデータ記憶媒体と共に、登録標識本体部の窪み内に配置されることが本発明の有利な改善構成である。この窪みによって、登録標識本体部へのトランスポンダーの更なる一体化を行うことができ、それは、環境による影響と機械的な損傷に対する安全性を向上させる役割を果たす。
【0021】
有利には、本発明による車両識別手段に関して、更に、NFCトランスポンダーのアンテナが、少なくとも部分的に、有利には、完全に、特に、登録標識本体部の表側又は裏側における、スリット又は貫通孔の中又は上方に配置されると規定することができる。
【0022】
有利には、データ記憶媒体がスリットに(電磁)誘導式に結合され、このデータ記憶媒体がチップと、少なくとも、それと通電接続されたコイル及び絶縁性又は非導電性の材料から成る支持体とを有し、このチップが、特に、受動的な無線周波数識別チップ(RFIDチップ)として構成されると規定することができる。デシメートル波又はマイクロ波帯域とも呼ばれる、この超高周波帯域は、典型的には、0.3GHz~3GHzである。読み出しは、ここでは、典型的には、数メートルの間隔で行われるが、それより短い距離で行うこともできる。一つの周波数帯域でのデータ記憶媒体の読み取りは、別の周波数帯域での別のデータ記憶媒体の読み取りを妨害しない。それによって、複数の周波数帯域において、一つ又は異なるデータ記憶媒体の異なるデータを互いに独立して読み取ることができる。特に、それは、有利には、異なる周波数帯域で動作する複数の別個のデータ記憶媒体が設けられる場合に有効である。特に有利には、周波数帯域の各々に対して、独自のアンテナ又はアンテナ構造が形成されるか、別個の読み取りのために最適化されるか、或いはその両方である。
【0023】
本発明の有利な改善構成は、RFIDチップが電気的に絶縁された形でスリットの一つの終端領域に配置されるとともに、NFCトランスポンダーがスリットのそれに対向する終端領域に設けられて、このスリットは、有利には、NFCトランスポンダーがスリットを覆い隠す長さだけ長くされていると規定することができる。このように異なる周波数帯域で動作する二つのトランスポンダーを配置することによって、このスリットは、NFCトランスポンダー用の貫通孔としても、RFIDチップ用のスリットアンテナとしても使用することができる。そのため、単一の貫通孔又はスリットによって、確実及び効率的に動作するRFIDトランスポンダーとNFCトランスポンダーが、簡単な手法で登録標識本体部に設けられる。有利には、データ記憶媒体が、絶縁された形でスリット内に、或いはスリットの上方に配置されて、有利には、データ記憶媒体の導電性の構成部品が、このスリットの境界面から間隔を開けて配置されると規定することができる。データ記憶媒体又はRFIDチップをスリットに容量方式及び/又は(電磁)誘導方式により結合させることによって、それは、アンテナとして使用することができる。この場合、RFIDチップの別のアンテナ及びスリットアンテナは、送信電力又は受信電力を増大させるための増幅部品として使用することができる。
【0024】
更に、本発明は、データ記憶媒体が、登録標識本体部に埋め込まれて、特に、スリット内に、有利には、登録標識本体部上の少なくとも一つのコーティングによって固定されると規定することができる。例えば、プラスチック又は樹脂などのシール剤による、このようなデータ記憶媒体の埋め込みによって、RFIDチップ又はデータ記憶媒体が不正操作又は環境による影響から保護される。このようなスリット内部での固定によって、エンボス加工された標識フィールド及びエンボス加工された周縁領域を除いて、平らな面である車両識別手段が実現される。登録標識本体部が保護層を設けられている場合、識別手段がデータ記憶媒体を備えていることは、外から分からない。これは、特に、データ記憶媒体を不正操作及び破壊から保護する機能を提供する。
【0025】
また、少なくとも一つの可視コーティングが特に自己粘着性の反射フォイルとして構成され、このフォイルは、有利には、データ記憶媒体、スリット及びNFCトランスポンダーの一つ以上の領域に非導電性の構成部品を持たないように、特に、このコーティングが非常に大きなオーム抵抗を有するように形成されると規定することができる。この少なくともスリットの領域内の脱金属化されたコーティングは、その脱金属化された領域が少なくとも部分的にスリットと一致するように、登録標識上におけるスリットの上方に被せられる。それによって、スリットアンテナへの外部電磁界の特に効果的な結合を行うことができる。少なくとも部分的にスリットと重なり合う、NFCトランスポンダーのアンテナへの結合も、このようなコーティング、特に、反射フォイルの脱金属化によって改善することができる。
【0026】
特に、本発明は、データ記憶媒体が登録標識本体部の収容窪み内に配置され、この収容窪みが、有利には、スリットの一つの終端に設けられて、有利には、底部壁を有し、この底部壁内にまで、スリットの一つの終端が延びているか、或いはこの底部壁が、データ記憶媒体よりも小さい開口部を有すると規定することができる。開いた窪み内へのデータ記憶媒体又はRFIDチップの設置によって、データ記憶媒体を特に安全な手法で登録標識本体部に統合することができる。
【0027】
更に、本発明では、RFIDチップとNFCトランスポンダーが、HF周波数帯域とUHF周波数帯域用の二つのアンテナを備えた、互いに独立して読み取り可能な一つの構造ユニットを構成すると規定することができる。RFIDチップとNFCトランスポンダーを共通の筐体に収納することによって、登録標識は、特に簡単かつ有利で省スペースな手法で電子部品を備えることができる。RFIDチップとNFCトランスポンダーの周波数帯域は重なり合わないので、データの送信又は受信時の相互の妨害も小さくなる。むしろ、RFIDチップとNFCトランスポンダーが、メモリやそれ以外の配線などの構成部品を分かち合うことが考えられる。最後に、保護カバーが、有利には、マイクロガラスビーズを組み込んだ、或いは封入した形で、柔軟性、自己粘着性及び逆反射性を有するフォイルとして、或いはプリズム型フォイルとして構成され、有利には、このフォイルの少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子が含まれるか、或いは、保護カバーが、導電性の材料、特に、アルミニウム又は金属薄板から、或いは非導電性の材料、特に、プラスチック又はアクリルから構成されると規定することができる。
【0028】
本発明の追加の有利な実施例は、登録標識本体部が、導電性の材料、特に、アルミニウム又は金属薄板から、或いは非導電性の材料、ポリマー、特に、プラスチック又はアクリルから構成されるか、或いは、登録標識本体部が、有利には、マイクロガラスビーズを組み込んだ、或いは封入した形で、柔軟性、自己粘着性及び逆反射性の一つ以上を有するフォイルとして、或いはプリズム型フォイルとして構成され、有利には、このフォイルの少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子が含まれると規定することができる。
【0029】
以下において、本発明の有利な実施例を図面により詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明による一つの貫通孔を有する車両識別手段
【
図2】
図1の本発明による車両識別手段の貫通孔とデータ記憶媒体の領域の断面図
【
図3】NFCトランスポンダーと共に貫通孔を図示した模式図
【
図4】NFCトランスポンダーと共に貫通孔を図示した別の模式図
【
図5】本発明によるNFCトランスポンダーを備えた車両識別手段
【
図7】本発明によるRFIDチップとNFCトランスポンダーを備えた車両識別手段
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明による車両識別手段10又は車両登録標識は、表側47と裏側48を有する平坦な登録標識本体部11から構成され、この登録標識本体部11は、保護カバー12を備えている(
図1)。この場合は、車両識別手段10のほぼ四角形の実施例である。しかし、登録標識本体部11のそれ以外のほぼ任意の幾何学的な形状も可能である。それは、特に、相応の法律的な規制又はそれ以外の規制などの局所的、地域的又は国家的な規則に依存する。
【0032】
これらの図面に図示された車両識別手段10は、識別手段10の表側47に設けられた表示領域13を有する。この表示領域13には、識別する役割を果たすマーキング14が配設されている。この登録標識10のマーキング14は、例えば、印刷、貼付、打出し又はエンボス加工によって設けることができる。しかし、登録標識10のマーキング14は、増成方法又は3D印刷方法によっても塗布することができる。このマーキング14自体は、ここに図示された文字と数字に限定されない。むしろ、画像表示を含む、如何なる種類のマーキング及び符号又はそれと同等の物の組合せを含むことができる。しかし、多くの場合、この場所には、特に、少なくとも公式の登録標識又は番号が、車両を識別するためのナンバープレート上に設けられる。
【0033】
更に、ここに図示された車両識別手段10は、エンボス加工により作成された、周囲を巡る周縁部15を有する。ここに図示されたアルミニウム又は金属薄板から成る車両識別手段10の外に、識別手段又は登録標識本体部11をプラスチック又はアクリルから作成することが同様に考えられる。材料の使用形態も、通常は国家的な規則によって与えられる。
【0034】
図1に図示された車両識別手段10又は登録標識本体部11には、四角形の貫通孔16が設けられている。この貫通孔16は、登録標識本体部11内の切欠き又は自由空間として配設されて、登録標識本体部11の表面から後側にまで、或いは表側47から裏側48にまで延びる。
図1に図示された貫通孔16の実施例では、四角形の貫通孔16の長さ17は、貫通孔16の高さ18よりも大きい。ここに図示された貫通孔16の実施例では、その長さ17は、車両識別手段10の側辺に対して平行な方向を向いている。しかし、この長さ17又は貫通孔16は、車両識別手段10の側辺に対して任意の向きを有することができる。
【0035】
この貫通孔16の上方に、アンテナ20とデータ記憶媒体21又はチップとを備えたNFCトランスポンダー19が配置されている。本発明では、NFCトランスポンダー19は、アンテナ20が少なくとも部分的に貫通孔16の上方に延びるように、貫通孔16の上方に設置されている。
【0036】
ここに図示された実施例では、NFCトランスポンダー19は、アンテナ20及びデータ記憶媒体21と共に、支持材料22に接して配置されている。この支持材料22は、電気絶縁性であり、少なくとも部分的に、かつ片側又は両側を自己粘着性に構成することができる。
図2によると、この支持材料22は、NFCトランスポンダー19と共に登録標識本体部11上に被せられている、詳しくは、少なくとも部分的に貫通孔16を覆うように被せられている。支持材料22と登録標識本体部11の残りの自由な表面とは、保護カバー12によって覆われている。この保護カバー12は、有利には、マイクロガラスビーズを組み込んだ、或いは封入した、柔軟性、自己粘着性及び逆反射性の一つ以上を有するフォイルであるとするか、或いは、光を反射する役割を果たすプリズム型フォイル及びPVCフォイルであるとことができる。更に、この保護カバー12の少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子を含めることができる。NFCトランスポンダー19と共に支持材料22を平坦に配設するとともに、登録標識本体部11の保護カバー12により覆うことによって、車両識別手段10の表面上のNFCトランスポンダー19は、微かにしか分からなくなっている。更に、貫通孔16が常に材料で満たされ、この材料が電子部品(トランスポンダー、アンテナ、導体、メモリ)を固定するとともに保護する役割を果たすと規定することができる。
【0037】
ここに図示されていない別の実施例は、NFCトランスポンダー19が登録標識本体部11の裏側48に設けられると規定することができる。この場合、NFCトランスポンダー19は、表側47に関して前述したのと同じ手法で裏側48に固定すべきである。この設置形態によって、登録標識本体部11が機械的な影響に対する更なる保護シールドとしての役割を果たすので、NFCトランスポンダー19は、向上した安全性を獲得する。
【0038】
図3と4は、支持材料22又は24と共に貫通孔16,23の二つの考え得る実施例を図示しており、これらの支持材料22,24には、それぞれ異なるアンテナ構造20,26を有するNFCトランスポンダ-19,25が設けられている。NFCトランスポンダー19のアンテナ構造20が四角形に形成される一方、NFCトランスポンダー25のアンテナ構造26は一つのリングを示す。
【0039】
確実かつ効率的な手法でNFCトランスポンダー19,25に外部電磁界を結合できるようにするためには、貫通孔16,23が少なくとも一つのサイズにおいてアンテナ20,26よりも大きいことが必須である。そのように、例えば、
図3の実施例では、アンテナ20又はアンテナ構造20の側辺27が貫通孔16の高さ18よりも小さくなるように配設されている。それが与えられている限り、アンテナ20又はアンテナ構造の幅28を貫通孔16の高さ18よりも大きくすることができる。アンテナ20の少なくとも一つのサイズが貫通孔16の長さ17又は高さ18よりも小さいことが必須であり、その結果、電磁界が貫通孔16又はアンテナ20を通り抜けることができる。NFCトランスポンダー19,25,35,42のアンテナ20,26、特に、アンテナ20,26の巻線、導体ループ又はコイルが、四角形の、丸い、或いは円形の面を取り囲んで、この面の側辺27の長さ又はこの面の円周の直径29が高々貫通孔16,23の長さ17に等しいか、或いはそれよりも小さい。貫通孔16,23の高さ18は、この面の幅28又はこの面の直径29の少なくとも10%、特に、少なくとも25%、有利には、少なくとも50%に等しい。そのように通り抜ける場合にのみ、
図1及び2に図示された車両識別手段10の実施例において、NFCトランスポンダー19への電磁界の効果的な結合を行うことができる。
【0040】
同様に、アンテナ26の外径29は、貫通孔23の少なくとも一つのサイズ(長さ/高さ)よりも小さくなければならない(
図4)。アンテナが最終的に如何に構成されるのかは副次的なことである。
図3及び4に図示されたアンテナ20,26は、それぞれデータ記憶媒体30,31及び接続子32,33と接続されたコイル形態の導体ループとして構成されている。このデータ記憶媒体30,31は、同じく貫通孔16,23の中に有るか、或いは登録標識本体部11上に存在することができる。本発明では、更に、NFCトランスポンダー19,25を完全に貫通孔16,23内に設置することが考えられる。
【0041】
特に、機械的な保護のために、そして固定のためにも、NFCトランスポンダー19,25は、少なくとも部分的にシール剤によって貫通孔16,23に注入接合される。NFCトランスポンダー19,25が、支持材料22,24と共に、登録標識本体部11と保護カバー12の間に配置されることによっても、貫通孔16,23に鋳入されることによっても、NFCトランスポンダー19,25を破壊せずに車両識別手段10から取り外すことができなくなる。そのため、簡単な層構造によって、不正操作に対する安全性が向上した確実に機能する識別手段を実現することができる。
【0042】
図5に図示された車両識別手段34の実施例は、
図5に図示された車両識別手段34が貫通孔16,23を有さないことを除いて、前述した車両識別手段10と構造的に同じである。むしろ、ここに図示された実施例では、NFCトランスポンダー35が登録標識本体部36の表側47に設置されて、NFCトランスポンダー35の支持材料37と登録標識本体部36の間には、電気絶縁性の層38が配置されている。この電気絶縁性の層38は、両側が粘着性のプラスチック層又はラッカー層として構成することができる。更に、この層38の上のNFCトランスポンダー35の支持材料37は、保護カバー39によって覆われている。この保護カバー39は、前に
図1~4の実施例により説明したものと同様に構成されている。
【0043】
図5と6に図示された車両識別手段34の実施例では、特に、NFCトランスポンダー35のアンテナ40が層38によって登録標識本体部36から電気的に絶縁されている。これは、特に、登録標識本体部36が金属で構成されている場合に有利である。この層構造によって、同じく非常に確実な手法でNFCトランスポンダー35のアンテナ40に外部電磁界を結合させて、データ記憶媒体に保存されたデータを交換することも、受動的な構成部品として構成されたNFCトランスポンダーに十分な電気エネルギーを供給することもできる。この実施例では、NFCトランスポンダー35は、支持材料37と共に登録標識本体部36上のほぼ如何なる任意の位置にも配置することができる。更に、電気絶縁性の層38が支持材料37と登録標識本体部36の間にのみ配置されると規定することができる。
【0044】
ここに図示されていない別の実施例は、NFCトランスポンダー35が登録標識本体部36の裏側48に設けられると規定することができる。この場合、NFCトランスポンダー35は、前に表側47に関して説明したのと同じ手法で裏側48に固定すべきである。更に、登録標識本体部36の裏側48に配置されたNFCトランスポンダー35に対して、上述した手法により貫通孔が登録標識本体部36内に設けられている。この設置形態では、登録標識本体部36が機械的な影響からの更なる保護シールドの役割を果たすので、NFCトランスポンダー35は、向上した安全性を獲得する。
【0045】
図7に図示された車両識別手段41の実施例では、NFCトランスポンダー42のための貫通孔がスリット43として構成されている。NFCトランスポンダー42のためのスリットが前に
図1~4により説明したものと同じ機能を有する一方、このスリット43は、同時にRFIDチップ44に対してスリットアンテナとしての役割を果たす。このRFIDチップ44は、同じくデータ記憶媒体45を有し、この媒体は、別の導体路又はコイルを介してスリットアンテナ又はスリット43に(電磁)誘導結合される。このRFIDチップ44がスリット43の一つの終端に設けられる一方、
図7では、NFCトランスポンダー42が、細長い、有利には、四角形のスリット43の他方の終端に有る、詳しくは、登録標識本体部36の表側47に有る。NFCトランスポンダー42は、相応の外部電磁界をNFCトランスポンダー42に結合できるとともに、スリットアンテナ又はスリット43の電力をNFCトランスポンダー42によって阻害しないように、スリット43上に設置されている。
【0046】
この場合、RFIDチップ44は、スリット43の一つの終端におけるハブ46又は窪みに配置して、シール剤によって、このハブ46又は窪みに固定することができる。このシール剤は、NFCトランスポンダー42をもスリットに埋め込むためのものと同じペーストであるとすることができる。
【0047】
それ以外では、車両識別手段41は、
図1と2に図示された車両識別手段10と同様に構成されている。更に、車両識別手段10,34,41の形状及びサイズも、貫通孔16,23又はスリット43の形状及びサイズも、ここに図示されたものと相違できることに留意されたい。
【0048】
ここに図示されていない別の実施例は、NFCトランスポンダー42が登録標識本体部11の裏側48に設けることができると規定できる。この場合、NFCトランスポンダー42は、前に表側47に関して説明したものと同じ手法で裏側48に固定すべきである。更に、登録標識本体部36の裏側48に配置されたNFCトランスポンダー42に対して、上述した手法により貫通孔が登録標識本体部36内に設けられる。この設置形態では、登録標識本体部36が機械的な影響からの更なる保護シールドの役割を果たすので、NFCトランスポンダー42は、向上した安全性を獲得する。
【0049】
ここに図示されていない本発明による車両識別手段10,34,41の別の実施例は、NFCトランスポンダー19,35,42が登録標識本体部11,36内の窪みに配置されると規定することができる。この場合、窪みは、表側47にも、裏側48にも設けることができる。窪み内にNFCトランスポンダー19,35,42を設置することによって、それは、一方において環境による影響から保護され、他方において保護カバーの下で殆ど分からなくなり、そのため、更に不正操作の試みから保護される。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も達成される:
1.
少なくとも一つの表示領域(13)を有する登録標識本体部(11,36)と、この登録標識本体部(11,36)の表示領域(13)に設けられた少なくとも一つのマーキング(14)とを備え、この登録標識本体部(11,36)には、少なくとも一つの非接触式に読み取り可能な近距離通信用のデータ記憶媒体(21,30,31)とアンテナ(20,26)とを有するNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が設けられて、この登録標識本体部(11,36)が保護カバー(12,39)によって覆われている車両識別手段(10,34,41)、特に、車両登録標識において、
この登録標識本体部(11,36)が一つの貫通孔(16,23)を有し、この貫通孔には、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)のアンテナ(20,26)が少なくとも部分的に設けられていることを特徴とする車両識別手段。
2.
上記1に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の前記のデータ記憶媒体(21,30,31)及び/又はアンテナ(20,26)の少なくとも一部が、貫通孔(16,23)に非導電性のシール剤、特に、プラスチック又は樹脂を注入して接合されていること、特に、前記の貫通孔(16,23)がシール剤で満たされていることを特徴とする車両識別手段。
3.
上記1又は2に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)のアンテナ(20,26)、特に、アンテナ(20,26)の巻線、導体ループ又はコイルが、四角形の面、丸い面、或いは円形の面を取り囲んで、この面の側辺(27)の長さ又はこの面の円周の直径(29)が高々前記の貫通孔(16,23)の長さ(17)に等しく、有利には、それによりも小さく、前記の貫通孔(16,23)の高さ(18)が、前記の面の幅(28)又は前記の面の直径(29)の少なくとも10%、特に、少なくとも25%、有利には、少なくとも50%に等しいことを特徴とする車両識別手段。
4.
上記1~3のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)、特に、そのアンテナ(20,26)が、前記の貫通孔(16,23)の任意の位置に配置されており、このアンテナ(20,26)の少なくとも二つの互いに逆側の部分領域が、この貫通孔(16,23)の上方に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
5.
上記1~4のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、登録標識本体部(11,36)の表側(47)の、有利には自己粘着性の支持材料(22,24,37)上に配置されるともに、少なくとも部分的に貫通孔(16,23)の上方に配置され、前記の保護カバー(12,39)が、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の上に登録標識本体部(11,36)の上に被せられていることを特徴とする車両識別手段。
6.
上記1~5のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、直に登録標識本体部(11,36)の裏側(48)の、有利には自己粘着性の支持材料(22,24,37)上に配置されるともに、少なくとも部分的に貫通孔(16,23)の上方に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
7.
少なくとも一つの表示領域(13)を有する登録標識本体部(11,36)と、この登録標識本体部(11,36)の表示領域(13)に設けられた少なくとも一つのマーキング(14)とを備え、この登録標識本体部(11,36)には、少なくとも一つの非接触式に読み取り可能な近距離通信用のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、データ記憶媒体(21,30,31)及びアンテナ(20,26)と共に設けられて、この登録標識本体部(11,36)が保護カバー(12,39)によって覆われている車両識別手段(10,34,41)、特に、車両登録標識において、
このNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、支持材料(22,24,37)上に、登録標識本体部(11,36)に対して設けられていることを特徴とする車両識別手段。
8.
上記7に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、直に登録標識本体部(11,36)の表側(47)に、或いは登録標識本体部(11,36)の表側(47)の保護カバー(12,39)上に、有利には窪み内に固定され、前記の保護カバー(12,39)又は保護フォイルが、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)の上で登録標識本体部(11,36)上に被せられていて、特に、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、この窪みにシール剤を用いて注入接合されていることを特徴とする車両識別手段。
9.
上記7に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、直に登録標識本体部(11,36)の裏側(47)に、有利には、窪み内に固定されており、特に、このNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、この窪みにシール剤を用いて注入接合されていることを特徴とする車両識別手段。
10.
上記7~9のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35)の支持材料(22,24,37)、有利には、自己粘着性の支持材料(22,24,37)と登録標識本体部(11,36)の間に、電気絶縁性の層(38)、有利には、プラスチック又はラッカー層が配置されていることを特徴とする車両識別手段。
11.
上記7~10のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記のNFCトランスポンダー(19,25,35)が、非導電性の筐体内に配置されて、この筐体が直に登録標識本体部(11,36)の上に設置されていることを特徴とする車両識別手段。
12.
少なくとも一つの表示領域(13)を有する登録標識本体部(11,36)と、この登録標識本体部(11,36)の表示領域(13)に設けられた少なくとも一つのマーキング(14)とを備え、この登録標識本体部(11,36)には、少なくとも一つの非接触式に読み取り可能な近距離通信用のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、データ記憶媒体(21,30,31)及びアンテナ(20,26)と共に設けられて、この登録標識本体部(11,36)が保護カバー(12,39)によって覆われている、特に、上記1から11までのいずれか1つに記載された車両識別手段(10,34,41)、特に、車両登録標識において、
この登録標識本体部(11,36)が、スリット(43)により形成されたUHFアンテナを有し、磁界を発生するデータ記憶媒体(45)が、このUHFアンテナに設けられて、このNFCトランスポンダー(19,25,35,42)のアンテナ(20,26)が、少なくとも部分的に、このスリット(43)に対して設けられるか、或いは、このNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、支持材料(22,24,37)上で登録標識本体部(11,36)に設けられていることを特徴とする車両識別手段。
13.
上記12に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、特に、アンテナ(20,26)及びデータ記憶媒体(21,30,31)と共に、登録標識本体部(11,36)の窪み内に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
14.
上記1~13のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)のアンテナ(20,26)が、少なくとも部分的に、有利には、完全に、スリット(43)又は貫通孔(16,23)の中又は上方に、特に、登録標識本体部(11,36)の表側(47)又は裏側(48)に配置されていることを特徴とする車両識別手段。
15.
上記12~14のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、スリット(43)に誘導式に結合され、このデータ記憶媒体(45)が、チップと、このチップと通電接続された少なくとも一つのコイルと、絶縁性又は非導電性の材料から成る支持体とを有し、このチップが、特に、受動的な無線周波数識別チップ(RFIDチップ)(44)として構成されていることを特徴とする車両識別手段。
16.
上記12~15のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、電気的に絶縁された形でスリット(43)の一つの終端の領域に配置され、前記のNFCトランスポンダー(19,25,35,42)が、スリット(43)のそれに対向する終端領域に設けられて、このスリット(43)は、有利には、NFCトランスポンダー(19,25,35,42)がスリット(43)を覆う長さだけ長くされていることを特徴とする車両識別手段。
17.
上記12~16のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、絶縁された形でスリット(43)の内部又はスリット(43)の上方に配置されて、有利には、データ記憶媒体(45)の導電性の構成部品が、スリット(43)の境界面から間隔を開けて配置されていることを特徴とする車両識別手段。
18.
上記12~17のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、登録標識本体部(11,36)に埋め込まれている、有利には、登録標識本体部(11,36)上の少なくとも一つのコーティングによって、特に、スリット(43)内に固定されていることを特徴とする車両識別手段。
19.
上記1~18のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、 少なくとも一つの可視コーティングが、特に自己粘着性の反射フォイルとして構成されるともに、有利には、データ記憶媒体(45)、スリット(43)及びNFCトランスポンダー(19,25,35,42)の中の一つ以上の領域内に、そのコーティングが導電性の構成部品を有しないように、特に、このコーティングが非常に高いオーム抵抗を有するように構成されていることを特徴とする車両識別手段。
20
上記12~19のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のデータ記憶媒体(45)が、登録標識本体部の収容窪み内に配置され、この収容窪みが、有利には、スリットの一つの終端に設けられて、有利には、底部壁を有し、この底部壁内にまで、スリット(43)の一つの終端が延びているか、或いは、この底部壁が、データ記憶媒体(45)よりも小さい開口部を有することを特徴とする車両識別手段。
21.
上記15に記載の車両識別手段(10,34,41)において、
前記のRFIDチップとNFCトランスポンダーが、HF周波数帯域用とUHF周波数帯域用の互いに独立して読み取り可能な二つのアンテナを備えた一つの構造ユニットを構成することを特徴とする車両識別手段。
22.
上記1~21のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記の保護カバー(12,39)が、有利には、マイクロガラスビーズを組み込んだ、或いは封入した形で、柔軟性、自己粘着性及び逆反射性を有するフォイルとして、或いはプリズム型フォイルとして構成され、有利には、このフォイルの少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子が含まれること、或いは
前記の保護カバーが、導電性の材料、特に、アルミニウム又は金属薄板から、或いは非導電性の材料、特に、プラスチック又はアクリルから作製されること、
を特徴とする車両識別手段。
23.
上記1~22のいずれか1つに記載の車両識別手段(10,34,41)において、 前記の登録標識本体部(11,36)が、導電性の材料、特に、アルミニウム又は金属薄板から、或いは非導電性の材料、特に、プラスチック又はアクリルから作製されること、或いは
前記の登録標識本体部が、有利には、マイクロガラスビーズを組み込んだ、或いは封入した形で、柔軟性、自己粘着性及び逆反射性を有するフォイルとして、或いはプリズム型フォイルとして構成され、有利には、このフォイルの少なくとも一つの層に、導電性を有する金属粒子が含まれることを特徴とする車両識別手段。
【符号の説明】
【0050】
10 車両識別手段
11 登録標識本体部
12 保護カバー
13 表示領域
14 マーキング
15 周縁部
16 貫通孔
17 長さ
18 高さ
19 NFCトランスポンダー
20 アンテナ
21 データ記憶媒体
22 支持材料
23 貫通孔
24 支持材料
25 NFCトランスポンダー
26 アンテナ
27 側辺
28 幅
29 直径
30 データ記憶媒体
31 データ記憶媒体
32 接続子
33 接続子
34 車両識別手段
35 NFCトランスポンダー
36 登録標識本体部
37 支持材料
38 層
39 保護カバー
40 アンテナ
41 車両識別手段
42 NFCトランスポンダー
43 スリット
44 RFIDチップ
45 データ記憶媒体
46 ハブ
47 表側
48 裏側