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特許7132363セルフペイメントシステム、管理装置、端末管理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】セルフペイメントシステム、管理装置、端末管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
G07G1/12 321K
G07G1/12 321Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020569293
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2019003458
(87)【国際公開番号】W WO2020157932
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】秋田 重一
(72)【発明者】
【氏名】山本 一郎
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-119093(JP,A)
【文献】特許第6037079(JP,B2)
【文献】特開2011-076298(JP,A)
【文献】特開2016-189139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入商品の登録を行う商品登録端末と、顧客が精算を行う精算端末と、前記商品登録端末および前記精算端末を管理する管理装置と、を備えたセルフペイメントシステムにおいて、
前記精算端末は、
前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部と、
前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部と、を備え、
前記管理装置は、
前記精算端末内の現金量を判定する現金量判定部と、
前記現金量判定部により判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記入金受付部による入金の受け付けまたは前記出金受付部による出金の受け付けを制限する現金処理制限部と、
前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントするカウント部を備え
前記現金処理制限部は、前記精算端末の合計数に対する前記カウント部によりカウントされた管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する、
ことを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のセルフペイメントシステムにおいて、
前記現金処理制限部は、前記現金量判定部により判定された現金量が第1の閾値以下である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを制限することを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のセルフペイメントシステムにおいて、
前記現金処理制限部は、前記現金量判定部により判定された現金量が第2の閾値以上である場合には、前記入金受付部による入金の受け付けを制限することを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項4】
請求項1からのうちいずれかに記載のセルフペイメントシステムにおいて、
前記管理装置は、前記精算端末の運用時間を判定する運用時間判定部をさらに備え、
前記現金処理制限部は、前記運用時間判定部により前記精算端末の運用時間外であると判定された場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを制限することを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項5】
請求項1からのうちいずれかに記載のセルフペイメントシステムにおいて、
前記精算端末は、前記精算端末の内容を報知する報知部をさらに備え、
前記管理装置は、前記現金処理制限部により前記出金受付部による出金の受け付けが制限されている場合には、前記出金受付部による出金の受け付けが制限されていることを前記報知部で報知する制御を行う報知制御部をさらに備えることを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のセルフペイメントシステムにおいて、
前記現金量判定部は、前記精算端末内の紙幣の現金量を判定し、
前記現金処理制限部は、前記現金量判定部により判定された紙幣の現金量が第4の閾値以下である場合には、前記出金受付部による紙幣の出金の受け付けを制限することを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のセルフペイメントシステムにおいて、
前記現金量判定部は、前記精算端末内の硬貨の現金量を判定し、
前記現金処理制限部は、前記現金量判定部により判定された硬貨の現金量が第5の閾値以下である場合には、前記出金受付部による硬貨の出金の受け付けを制限することを特徴とするセルフペイメントシステム。
【請求項8】
購入商品の登録を行う商品登録端末および顧客が精算を行う精算端末を管理する管理装置において、
前記精算端末内の現金量を判定する現金量判定部と、
前記判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部による入金の受け付けまたは前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部による出金の受け付けを制限する現金処理制限部と、
前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントするカウント部を備え、
前記現金処理制限部は、前記精算端末の合計数に対する前記カウント部によりカウントされた管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項9】
購入商品の登録を行う商品登録端末および顧客が精算を行う精算端末を管理する管理装置の端末管理方法であって、
前記管理装置が、前記精算端末内の現金量を判定し、
前記判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部による入金の受け付けまたは前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部による出金の受け付けを制限し、
前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントし、
前記精算端末の合計数に対する管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する、
ことを特徴とする端末管理方法。
【請求項10】
購入商品の登録を行う商品登録端末および顧客が精算を行う精算端末を管理する管理装置のコンピュータに、
前記精算端末内の現金量を判定し、
前記判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部による入金の受け付けまたは前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部による出金の受け付けを制限し、
前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントし、
前記精算端末の合計数に対する管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルフペイメントシステム、管理装置、端末管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、銀行法改正に伴う規制緩和を受けて、銀行やコンビニエンスストア等に設けられた現金自動預払機(ATM;Automatic Teller Machine)の代わりに、スーパーマーケット等の店舗に設けられたPOS(Point of sale system)システムの精算端末を用いてキャッシュアウトを行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、通常の商品購入の場合と、キャッシュアウト利用の場合とを分けて決済処理を行なう技術が開示されている。
【0003】
また、POSシステムの一形態として、商品登録端末で購入する商品の登録を店員が行い、精算端末で顧客自身が精算を行うセミセルフレジが導入され始めている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-077481号公報
【文献】特開2012-003561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の精算端末でキャッシュアウトを行った場合には、精算端末から出金される現金量が多くなるため、店員は、精算端末内の現金量が不足しないようにこまめに現金を補充する現金運用を行う必要がある。
【0006】
また、特許文献2に記載のセミセルフレジの精算端末で精算処理を行った場合には、精算端末へ入金される現金量が多くなるため、店員は、精算端末内の現金量が過剰とならないようにこまめに現金を取り出す現金運用を行う必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、店員による現金運用の手間を減らし、店舗運営のコスト削減を図ることができる管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面であるセルフペイメントシステムは、購入商品の登録を行う商品登録端末と、顧客が精算を行う精算端末と、前記商品登録端末および前記精算端末を管理する管理装置と、を備える。前記精算端末は、前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部と、前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部と、を備える。前記管理装置は、前記精算端末内の現金量を判定する現金量判定部と、前記現金量判定部により判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記入金受付部による入金の受け付けまたは前記出金受付部による出金の受け付けを制限する現金処理制限部と、前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントするカウント部を備え、前記現金処理制限部は、前記精算端末の合計数に対する前記カウント部によりカウントされた管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する。
【0009】
本発明の第2の側面である購入商品の登録を行う商品登録端末および顧客が精算を行う精算端末を管理する管理装置は、前記精算端末内の現金量を判定する現金量判定部と、前記判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部による入金の受け付けまたは前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部による出金の受け付けを制限する現金処理制限部と、前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントするカウント部を備え、前記現金処理制限部は、前記精算端末の合計数に対する前記カウント部によりカウントされた管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する。
【0010】
本発明の第3の側面である管理装置の端末管理方法は、購入商品の登録を行う商品登録端末および顧客が精算を行う精算端末を管理する。管理装置の端末管理方法は、前記管理装置が、前記精算端末内の現金量を判定し、前記判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部による入金の受け付けまたは前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部による出金の受け付けを制限し、前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントし、前記精算端末の合計数に対する管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する。
【0011】
本発明の第4の側面であるプログラムは、購入商品の登録を行う商品登録端末および顧客が精算を行う精算端末を管理する管理装置のコンピュータに、前記精算端末内の現金量を判定し、前記判定された現金量に応じて、前記精算端末における前記商品登録端末に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける入金受付部による入金の受け付けまたは前記精算端末において顧客の操作に基づき現金の出金を受け付ける出金受付部による出金の受け付けを制限し、前記商品登録端末により商品登録が開始されてから前記精算端末により精算が終了するまでの数および前記精算端末により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントし、前記精算端末の合計数に対する管理カウンタの値の割合が第3の閾値以上である場合には、前記出金受付部による出金の受け付けを行う精算端末の数を制限する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、店員による現金運用の手間を減らし、店舗運営のコスト削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る管理装置を含むセルフペイメントシステム1の一例を示す図である。
図2】本実施形態のセルフペイメントシステム1の機能構成の一例を示す図である。
図3】PS(ペイメントステーション)管理テーブル100の一例を示す図である。
図4】閾値テーブル110の一例を示す図である。
図5】運用時間テーブル120の一例を示す図である。
図6】店舗内のセルフペイメントシステム1の構成例を示す図である。
図7】管理サーバ5により実行される現金制御処理の概要を示す図である。
図8】スキャニングステーション2の制御ユニットのハードウェア構成図である。
図9】ペイメントステーション3の制御ユニットのハードウェア構成図である。
図10】管理サーバ5の制御ユニットのハードウェア構成図である。
図11】フラグ管理処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図12】現金制御処理の一例を示すフローチャートである。
図13】ディスプレイ71に表示される精算/キャッシュアウト可案内画面の例を示す図である。
図14】ディスプレイ71に表示される精算不可案内画面の例を示す図である。
図15】ディスプレイ71に表示されるキャッシュアウト不可案内画面の例を示す図である。
図16】キャッシュアウト処理の一例を示すフローチャートである。
図17】ディスプレイ71に表示されるキャッシュアウト受付画面の一例を示す図である。
図18】ディスプレイ71に表示されるキャッシュアウト金額受付画面の一例を示す図である。
図19】精算処理の一例を示すフローチャートである。
図20】ディスプレイ71に表示される精算予約画面の一例を示す図である。
図21】精算時に行われる管理カウンタ制御処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図22】キャッシュアウト時に行われる管理カウンタ制御処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図23】端末数制限処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態について図面を参照して説明する。まず、本実施形態に係る管理装置を含むセルフペイメントシステム1の一例について図1を用いて説明する。セルフペイメントシステム1は、2台のスキャニングステーション(精算端末)2A,2B、4台のペイメントステーション(商品登録端末)3A,3B,3C,3D、POSサーバ4および管理サーバ(管理装置)5を含む。本実施形態に係るセルフペイメントシステム1は、セミセルフレジの一形態である。
【0015】
図1においては、スキャニングステーションは2台表示されているがこの限りではなく、n台(n≧1)備えていてもよい。スキャニングステーション2A,2Bを特に区別して説明しない場合には、以下「スキャニングステーション2」と称する。
【0016】
また、図1においては、ペイメントステーションは4台表示されているがこの限りではなく、m台(m≧1)備えていてもよい。ペイメントステーション3A,3B,3C,3Dを特に区別して説明しない場合には、以下「ペイメントステーション3」と称する。
【0017】
セルフペイメントシステム1は、スキャニングステーション2において購入する商品の登録を店員が行い、ペイメントステーション3において顧客自身が精算を行うシステムである。
【0018】
スキャニングステーション2、ペイメントステーション3、POSサーバ4および管理サーバ5はそれぞれネットワークNを通じて接続されている。スキャニングステーション2、ペイメントステーション3、POSサーバ4および管理サーバ5はそれぞれ専用線を通じて接続されていてもよい。
【0019】
図2は、本実施形態のセルフペイメントシステム1の機能構成の一例を示す図である。
スキャニングステーション2は、店員が購入商品に付されたバーコードをスキャニングして取引対象商品として商品登録を行う装置であって、スキャニングアプリケーション21を有している。スキャニングアプリケーション21は、POSサーバ4を通じて、ペイメントステーション3に対して精算処理を依頼するための精算情報を出力する機能を有している。スキャニングアプリケーション21は、商品登録部22および精算情報送信部23を有している。商品登録部22は、購入商品に付されたバーコードをスキャニングして取引対象商品として商品の登録を行う商品登録処理を行う。例えば、商品登録部22は、POSサーバ4に対しバーコード(例えば、JAN(Japanese Article Number)コード)の情報を通知し、バーコードに対応する商品名・価格を取得して、商品の登録を行う。精算情報送信部23は、ネットワークNを通じて、商品登録部22により商品登録が行われた精算情報をPOSサーバ4へ送信する。
【0020】
ペイメントステーション3は、顧客自身が精算を行う装置であって、ペイメントアプリケーション31を有している。ペイメントアプリケーション31は、スキャニングステーション2から送信された精算情報に基づいて精算処理を行うとともに、顧客の操作に基づき現金の出金を行うキャッシュアウト処理を行う。ペイメントアプリケーション31は、入金受付部32、出金受付部33、現金量検出部34および報知部35を有する。
【0021】
入金受付部32は、スキャニングステーション2に基づき登録が行われた購入商品の精算時に現金の入金を受け付ける。出金受付部33は、ペイメントステーション3において顧客の操作に基づき現金の出金を行うキャッシュアウトを受け付ける。
【0022】
現金量検出部34は、ペイメントステーション3内に入金または出金された現金量を検出する。現金量検出部34は、各紙幣(1万円、5千円、千円)と各硬貨(5百円、百円、50円、10円、5円、1円)毎にペイメントステーション3内の現金量(枚数)を検出することができる。なお、各紙幣に2千円を設けてもよい。
【0023】
現金量検出部34は、各ペイメントステーション3A,3B,3C,3Dを一意に識別するための識別番号(以下、「PS(ペイメントステーション)番号」と称する)と、検出したペイメントステーション3内の現金量の情報を管理サーバ5へ通知する。報知部35は、管理サーバ5からの報知指示に基づいて、出金の受け付けが制限されているペイメントステーション3を後述の案内画面やライトの表示態様で顧客に報知する。
【0024】
管理サーバ5は、スキャニングステーション2およびペイメントステーション3とネットワークNを通じて接続され、スキャニングステーション2およびペイメントステーション3を管理する。
【0025】
管理サーバ5は、現金量判定部51、カウント部52、運用時間判定部53、現金処理制限部54、報知制御部55および記憶部56を有する。
【0026】
現金量判定部51は、各ペイメントステーション3から送信されたPS番号および現金量を記憶部56に記憶されているPS(ペイメントステーション)管理テーブル100に記憶する。図3はPS管理テーブル100の一例を示す図である。PS番号「1」,「2」,「3」,「4」は、それぞれ、ペイメントステーション3A,3B,3C,3Dに対応する識別番号である。
【0027】
PS管理テーブル100には、PS番号毎に、各紙幣(1万円、5千円、千円)と各硬貨(5百円、百円、50円、10円、5円、1円)の現金量(枚数)、キャッシュアウトフラグ(CO)の値、精算フラグ(S)の値、運用時間フラグ(T)の値がそれぞれ記憶される。
【0028】
キャッシュアウトフラグ(CO)は、該当するPS番号のペイメントステーション3においてキャッシュアウトが可能か否かを示す情報である。現金量判定部51は、該当するPS番号の現金量がキャッシュアウト閾値(第1の閾値)以下であるか否かに応じて、キャッシュアウトフラグ(CO)を設定する。キャッシュアウト閾値については、後述の閾値テーブルにおいて説明する。
【0029】
精算フラグ(S)は、該当するPS番号のペイメントステーション3において精算処理が可能か否かを示す情報である。現金量判定部51は、該当するPS番号の現金量が精算閾値(第2の閾値)以上であるか否かに応じて、精算フラグ(S)を設定する。精算閾値については、後述の閾値テーブルにおいて説明する。
【0030】
運用時間フラグ(T)は、該当するPS番号のペイメントステーション3においてキャッシュアウトが可能な時間帯であるか否かを示す情報である。運用時間判定部53は、運用時間がキャッシュアウト可能な時間であるか否かに応じて、運用時間フラグ(T)を設定する。キャッシュアウト可能な時間帯については、後述の運用時間テーブルにおいて説明する。
【0031】
図4は閾値テーブル110の一例を示す図である。閾値テーブル110は、記憶部56に予め記憶されている。閾値テーブル110には、キャッシュアウト閾値および精算閾値毎に、各紙幣(1万円、5千円、千円)と各硬貨(5百円、百円、50円、10円、5円、1円)の現金量(枚数)の値がそれぞれ記憶される。
【0032】
現金量判定部51は、該当するPS番号の現金量がキャッシュアウト閾値のいずれの値よりも大きい場合、すなわち、キャッシュアウト可能の場合はキャッシュアウトフラグ(CO)に「1」(オン)を設定する。例えば、図3のPS管理テーブル100のPS番号「3」の現金量は、図4の閾値テーブル110のキャッシュアウト閾値のいずれの値よりも大きいため、現金量判定部51は、キャッシュアウト(CO)フラグに「1」を設定する。
【0033】
これに対し、現金量判定部51は、該当するPS番号の現金量がキャッシュアウト閾値以下の場合、すなわち、キャッシュアウト不可能の場合にはキャッシュアウトフラグ(CO)に「0」(オフ)を設定する。例えば、図3のPS管理テーブル100のPS番号「2」の現金量のうち「1万円」の現金量“2”は、図4の閾値テーブル110のキャッシュアウト閾値「1万円」の値“2”以下であるため、現金量判定部51は、キャッシュアウト(CO)フラグに「0」を設定する。
【0034】
現金量判定部51は、該当するPS番号の現金量が精算閾値のいずれの値よりも小さい場合、すなわち、精算可の場合は、精算フラグ(S)に「1」(オン)を設定する。例えば、図3のPS管理テーブル100のPS番号「3」の現金量は、図4の閾値テーブル110の精算閾値のいずれの値よりも小さいため、現金量判定部51は、精算閾値(S)フラグに「1」を設定する。
【0035】
これに対し、現金量判定部51は、該当するPS番号の現金量が精算閾値のいずれかの値以上である場合、すなわち、これ以上ペイメントステーション3内に現金を取り込むことができず、精算不可となった場合は、精算フラグ(S)に「0」(オフ)を設定する。例えば、図3のPS管理テーブル100のPS番号「1」の現金量はいずれも、図4の閾値テーブル110の精算閾値の値以上であるため、現金量判定部51は、精算フラグ(S)に「0」を設定する。
【0036】
図5は運用時間テーブル120の一例を示す図である。運用時間テーブル120は、記憶部56に予め記憶されている。
【0037】
運用時間テーブル120には、キャッシュアウト可能な時間帯として、キャッシュアウトの開始時間と、キャッシュアウトの終了時間の情報毎に、運用時間フラグ(T)の情報が記憶される。開始時間と終了時間の情報は任意に変更可能である。
【0038】
運用時間判定部53は、該当するPS番号の運用開始時間となった場合、すなわち、運用時間内の場合には、運用時間フラグ(T)に「1」(オン)を設定する。例えば、図5の運用時間テーブル120の開示時間は「10:00」であるため、現在時刻が「10:00」となった場合、すなわち、キャッシュアウト可能な運用時間内となった場合には、運用時間判定部53は、図3のPS管理テーブル100のPS番号の運用時間フラグ(T)に「1」(オン)を設定する。
【0039】
これに対し、該当するPS番号の運用終了時間となった場合、すなわち、運用時間外の場合には、運用時間フラグ(T)に「0」(オフ)を設定する。例えば、例えば、図5の運用時間テーブル120の終了時間は「20:30」であるため、現在時刻が「20:30」となった場合、すなわちキャッシュアウト可能な運用時間外となった場合には、運用時間判定部53は、図3のPS管理テーブル100の運用時間フラグ(T)に「0」(オフ)を設定する。
【0040】
現金処理制限部54は、現金量判定部51により判定された現金量に応じて、ペイメントステーション3における入金受付部32による入金の受け付けまたは出金受付部33による出金の受け付けを制限する。具体的には、現金処理制限部54は、現金量判定部51により判定された現金量がキャッシュアウト閾値以下である場合には、出金受付部33による出金の受け付けを制限する。すなわち、現金処理制限部54は、図3のPS管理テーブル100のキャッシュアウトフラグ(CO)が「0」(オフ)である場合、キャッシュフラグ(CO)「0」に対応するPS番号のペイメントステーション3によるキャッシュアウトを制限する。この場合、現金処理制限部54は、キャッシュフラグ(CO)「0」の情報をPS番号に対応するペイメントステーション3に送信することにより、該ペイメントステーション3を精算モードに移行することができる。
【0041】
これにより、現金量が少ないペイメントステーション3に精算処理を行わせることで、ペイメントステーション3へ入金される現金による現金補充が期待できる。
【0042】
また、現金処理制限部54は、現金量判定部51により判定された現金量が精算閾値以上である場合には、入金受付部32による入金の受け付けを制限する。すなわち、現金処理制限部54は、図3のPS管理テーブル100の精算フラグ(S)が「0」(オフ)である場合、精算フラグ(S)「0」に対応するPS番号のペイメントステーション3による精算を制限する。この場合、現金処理制限部54は、精算フラグ(S)「0」の情報をPS番号に対応するペイメントステーション3に送信することにより、該ペイメントステーション3をキャッシュアウトモードに移行することができる。
【0043】
これにより、現金量が多いペイメントステーション3にキャッシュアウト処理を行わせることで、ペイメントステーション3から出金される現金による現金放出が期待できる。
【0044】
また、現金処理制限部54は、運用時間判定部53によりペイメントステーション3の運用時間外であると判定された場合には、出金受付部33による出金の受け付けを制限する。すなわち、現金処理制限部54は、図3のPS管理テーブル100の運用時間フラグ(T)が「0」(オフ)である場合、運用時間フラグ(T)「0」に対応するPS番号のペイメントステーション3によるキャッシュアウトを制限する。
【0045】
このため、時間帯によりキャッシュアウトできるペイメントステーション3を制限することができる。例えば、夜間帯など店員が少ないときはキャッシュアウトができないようにすることで、効率的な店舗運用を図ることができる。
【0046】
また、現金処理制限部54は、ペイメントステーション3の合計数mに対するカウント部52によりカウントされた管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値以上である場合には、出金受付部33による出金の受け付けを制限する。すなわち、現金処理制限部54は、対応するPS番号のペイメントステーション3によるキャッシュアウトを制限する。これにより、顧客の利用状況に応じてキャッシュアウトできるペイメントステーション3の数を調整することができる。
【0047】
現金処理制限部54は、PS番号と、PS番号に対応するキャッシュアウトフラグ(CO)の情報、精算フラグ(S)、運用時間フラグ(T)の情報を全てのペイメントステーション3へ通知する。
【0048】
カウント部52は、スキャニングステーション2により商品登録が開始されてからペイメントステーション3により精算が終了するまでの数およびペイメントステーション3により出金の受け付けを開始してから出金が終了するまでの数を管理カウンタでカウントする。
【0049】
具体的には、カウント部52は、スキャニングステーション2により商品登録が開始されると、管理カウンタを1加算する。そして、ペイメントステーション3により精算が終了すると、管理カウンタを1減算する。また、カウント部52は、ペイメントステーション3によりキャッシュアウト処理が開始されると、管理カウンタを1加算する。そして、ペイメントステーション3によりキャッシュアウト処理が終了すると、管理カウンタを1減算する。カウント部52は、管理カウンタの値cを記憶部56に記憶する。
【0050】
現金処理制限部54は、ペイメントステーション3の合計数mに対するカウント部52によりカウントされた管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値(第3の閾値)以上であるか否かを判定する。ペイメントステーション3の合計数mに対するカウント部52によりカウントされた管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値以上である場合には、現金処理制限部54は、出金受付部33による出金の受け付けを行うペイメントステーション3の数を制限する。具体的には、現金処理制限部54は、図3のPS管理テーブル100を参照して、ペイメントステーション3の合計数mに対する管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値未満となるまで、キャッシュアウトフラグ(CO)が「1」(オン)のPS番号のキャッシュアウトフラグ(CO)を「0」(オフ)に設定する。
【0051】
ペイメントステーション3の合計数mが「4」であり、端末制限閾値が「0.5」である場合について説明する。例えば、スキャニングステーション2において商品登録が行われている数が「1」であり、ペイメントステーション3により精算中の数が「1」であり、ペイメントステーション3によりキャッシュアウト処理が行われている数が「1」である場合には、管理カウンタは「3」となる。
【0052】
この場合、ペイメントステーション3の合計数m=「4」に対するカウント部52によりカウントされた管理カウンタの値c=「3」の割合“c/m”=「0.75」は、端末制限閾値が「0.5」以上であるため、現金処理制限部54は、出金受付部33による出金の受け付けを行うペイメントステーション3の数を制限する。
【0053】
すなわち、ペイメントステーション3の合計数mに対するスキャニングステーション2において商品登録が行われている数、ペイメントステーション3により精算中の数、ペイメントステーション3によりキャッシュアウト処理が行われている数の割合“c/m”が端末制限閾値以上である場合には、本来ペイメントステーション3において精算処理を行う顧客の利便性を損なうおそれがある。
【0054】
そこで、本実施形態においては、キャッシュアウト処理を行うペイメントステーション3の数を制限することで、精算処理を行う顧客とキャッシュアウトを行う顧客とのバランスを保ち双方の顧客の利便性を向上することができる。
【0055】
報知制御部55は、現金処理制限部54により出金受付部33による出金の受け付けが制限されている場合には、出金受付部33による出金の受け付けが制限されていることを報知部35で報知する制御を行う。
【0056】
具体的には、報知制御部55は、出金の受け付けが制限されたペイメントステーション3に対し、報知指示を通知する。報知指示を受信したペイメントステーション3の報知部35は、出金の受け付けが制限されキャッシュアウトができないことを後述の案内画面やライトの表示態様で顧客に報知する。
【0057】
図6は店舗内のセルフペイメントシステム1の構成例を示す図である。セルフペイメントシステム1は、2台のスキャニングステーション2A,2B、4台のペイメントステーション3A,3B,3C,3D、POSサーバ4および管理サーバ5を備え、それぞれネットワークNによって通信可能に接続されている。
【0058】
スキャニングステーション2は、店舗の精算エリアに並んで配置されており、複数の顧客による取引を同時に処理することができる。それぞれのスキャニングステーション2では、顧客が買物かごに入れてきた購入商品のバーコードを、店員が個々にスキャニングして商品登録を行い、商品登録が終了すると、スキャニングステーション2は、その精算情報をPOSサーバ4に送信する。精算情報には精算合計額が含まれる。
【0059】
ペイメントステーション3は、スキャニングステーション2の近傍に設置されていて、顧客が商品登録の済んだ取引の精算を直ぐに行うことができるようにしている。ペイメントステーション3は、精算処理が開始されると、精算情報をPOSサーバ4から取得し、その精算情報を元に精算処理を行う。
【0060】
また、ペイメントステーション3は、精算処理の合間に、顧客の操作に基づき現金の出金を受け付けるキャッシュアウト処理を行う。ペイメントステーション3は、ペイメントステーション3内の現金量を検出し、検出した現金量をPS番号とともに管理サーバ5へ通知する。
【0061】
POSサーバ4は、スキャニングステーション2において、商品登録が行われる都度、その精算情報が送られて格納されるとともに、精算情報を元に在庫管理などの各種の処理が行われる。
【0062】
管理サーバ5は、ペイメントステーション3から通知されたペイメントステーション3内の現金量に応じて、ペイメントステーション3における入金の受け付け、または、出金の受け付けを制限する。
【0063】
次に、管理サーバ5により行われる現金制御処理の概要について説明する。図7は、管理サーバ5により実行される現金制御処理の概要を示す図である。はじめに、スキャニングステーション2Aは、商品登録を開始すると、管理サーバ5に問合せを行う(ステップS10)。
【0064】
管理サーバ5は、図3のPS管理テーブルを参照して、精算フラグ(S)が「1」であるPS番号「2」のペイメントステーション3Bを選択する。そして、管理サーバ5は、スキャニングステーション2Aに対し、選択したペイメントステーション3Bで精算するように応答する(ステップS11)。
【0065】
管理サーバ5は、ステップS11で選択したペイメントステーション3Bに対し、精算モードに入ったことを予約する予約通知を送信し、図3のPS管理テーブル100のキャッシュアウトフラグ(CO)=「0」とする(ステップS12)。予約通知を受け付けたペイメントステーション3Bは、精算モードに移行し、ディスプレイに後述の精算予約画面を表示する。ペイメントステーション3Bは、精算予約画面をディスプレイに表示することで、ペイメントステーション3Bが精算処理に使用される予定であるため使用中であることを顧客に報知する。スキャニングステーション2Aは、商品登録が終了すると、精算情報をPOSサーバ4を通じてペイメントステーション3Bへ送信する(ステップS13)。ペイメントステーション3Bは、精算処理が終了すると、管理サーバ5に対し精算終了通知を送信する(ステップS14)。
【0066】
図8はスキャニングステーション2の制御ユニットのハードウェア構成図である。スキャニングステーション2は、制御ユニット60と各種周辺装置とを備えている。スキャニングステーション2は、制御ユニット60が備えるCPU(Central Processing Unit)60aによって装置全体が制御されている。CPU60aには、RAM(Random Access Memory)60b、HDD(Hard Disk Drive)60c、通信インタフェース60d、グラフィック処理装置60e、および入出力インタフェース60fがバス60gを介して接続されている。
【0067】
RAM60bには、CPU60aに実行させるOS(Operating System)のプログラムやスキャニングアプリケーション21のプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM60bには、CPU60aによる処理に必要な各種データが格納される。HDD60cには、OSやスキャニングアプリケーション21を含むアプリケーションプログラムが格納されている。
【0068】
グラフィック処理装置60eには、ディスプレイ61、カスタマディスプレイ62が接続されている。ディスプレイ61は、店員が取引作業を行うための所定のGUI(Graphical User Interface)を表示し、カスタマディスプレイ62は、顧客に向けて取引金額などを表示する。グラフィック処理装置60eは、CPU60aからの命令に従って、画像をディスプレイ61、カスタマディスプレイ62の画面に表示させる。
【0069】
入出力インタフェース60fには、タッチパネル63、スピーカ64、固定スキャナ65および多項目キーボード66が接続されている。タッチパネル63は、バーコードの付されていない商品(例えば、ばら売りの野菜や魚などの生鮮食料品や、惣菜など)をディスプレイ61に表示される商品群から選択する入力装置である。スピーカ64は、商品登録が正常になされたときや、店員に注意喚起をする必要があるときなどに異なる態様の音声出力を行う。固定スキャナ65は、店員が商品に付されたバーコードを固定スキャナ65に向けてかざすことで、商品に付与されたバーコードを読み取るための装置である。多項目キーボード66は、例えば、スピーカ64からの音声出力で注意喚起されたときに、操作の誤りを認識した店員による訂正操作を受け付ける入力装置である。また、入出力インタフェース60fは、外部記憶媒体67への情報の書き込み、および外部記憶媒体67からの情報の読み出しが可能な外部記憶媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース60fは、固定スキャナ65、タッチパネル63、多項目キーボード66、外部記憶媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス60gを介してCPU60aに送信する。また、入出力インタフェース60fは、CPU60aからの命令に従ってスピーカ64を鳴動させる。
【0070】
通信インタフェース60dは、例えば、イーサネット(登録商標)規格のネットワークNを介してペイメントステーション3、POSサーバ4および管理サーバ5に接続されている。
【0071】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態のスキャニングステーション2における処理機能を実現することができる。
【0072】
図9はペイメントステーション3の制御ユニットのハードウェア構成図である。図8において、スキャニングステーション2の制御ユニット30と同様の内容については適宜省略する。
【0073】
ペイメントステーション3は、制御ユニット70を備え、この制御ユニット70は、各種周辺装置と接続される。ペイメントステーション3は、制御ユニット70が備えるCPU70aによって装置全体が制御されている。CPU70aには、RAM70b、HDD70c、通信インタフェース70d、グラフィック処理装置70eおよび入出力インタフェース70fがバス70gを介して接続されている。HDD70cは、ペイメントアプリケーション31のプログラムを格納している。
【0074】
グラフィック処理装置70eには、ディスプレイ71が接続されている。ディスプレイ71は、ペイメントステーション3の操作案内や操作メニューの表示、商品名、商品の単価、精算時の預かり金額、取引の精算金額、釣銭額などの情報を表示する。また、ディスプレイ71は、キャッシュアウト処理の受付画面や案内画面を表示する。入出力インタフェース70fには、タッチパネル72、磁気カードリーダ73、バーコードスキャナ74、タッチスキャナ75、プリンタ76、パトライト(登録商標)77、紙幣リサイクルユニット(以下、「BRU」と称する)78および硬貨リサイクルユニット(以下、「CRU」と称する)79が接続されている。タッチパネル72は、ディスプレイ71の表示に従った顧客のタッチ操作による精算指示やキャッシュアウト指示等、操作情報の入力を受け付ける。磁気カードリーダ73は、クレジットカードやポイントカードなどの磁気カードが有する磁気ストライプに記録された情報を読み取る。バーコードスキャナ74およびタッチスキャナ75は、精算券を使用した運用の場合に必要なものであって、精算券をカメラで撮影またはレーザ光線を走査することにより取引コードを読み取る入力装置である。プリンタ76は、精算内容を印字したレシートを発行する。パトライト77は、例えば、顧客が精算すべきペイメントステーション3をライトの表示態様で顧客に報知する。また、パトライト77は、管理サーバ5からの報知指示に基づいて、出金の受け付けが制限されていることをライトの表示態様で顧客に報知する。ディスプレイ71およびパトライト77は報知部35の一態様である。
【0075】
BRU78は、入出金の紙幣を取り扱う装置である。BRU78は、入出金される紙幣が格納される固定スタッカ(不図示)と、固定スタッカに補充するための紙幣を格納する紙幣カセット(不図示)と、顧客が取り忘れた紙幣を格納する取忘ボックス(不図示)と、支払取引や紙幣補充時に鑑別不良となった紙幣や、入金取引等で受け付けた紙幣を格納する運用RJ(リジェクト)ボックス(不図示)と、を備えている。なお、固定スタッカや紙幣カセットに格納された紙幣は、BRU78への紙幣カセットの装填等のタイミングで計数処理が行われ、計数された紙幣の枚数は、ペイメントステーション3のRAM70b等に記憶される。また、記憶された紙幣の枚数は、入出金取引等での紙幣の増減により随時更新される。
【0076】
CRU79は、入出金の硬貨を取り扱う装置である。CRU79は、BRU78と同様であり、入出金される硬貨が格納される固定スタッカと、固定スタッカに補充するための硬貨を格納する硬貨カセットと、顧客が取り忘れた硬貨を格納する取忘ボックスと、支払取引や硬貨補充時に鑑別不良となった硬貨を格納する運用RJ(リジェクト)ボックスと、を備えている。なお、固定スタッカや硬貨カセットに格納された硬貨は、CRU79への硬貨カセットの装填等のタイミングで計数処理が行われ、計数された硬貨の枚数は、ペイメントステーション3のRAM70b等に記憶される。また、記憶された硬貨の枚数は、入出金取引等での硬貨の増減により随時更新される。
【0077】
また、入出力インタフェース70fは、外部記憶媒体80への情報の書き込み、および外部記憶媒体80からの情報の読み出しが可能な外部記憶媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース70fは、タッチパネル72、磁気カードリーダ73、バーコードスキャナ74、タッチスキャナ75、BRU78、CRU79から送られてくる信号を、バス70gを介してCPU70aに送信する。通信インタフェース70dは、ネットワークNを介してスキャニングステーション2、POSサーバ4および管理サーバ5に接続されている。
【0078】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態のペイメントステーション3における処理機能を実現することができる。
【0079】
図10は管理サーバ5の制御ユニットのハードウェア構成図である。管理サーバ5は、制御ユニット90と各種周辺装置とを備えている。管理サーバ5は、制御ユニット90が備えるCPU90aによって装置全体が制御されている。CPU90aには、RAM90b、HDD90c、通信インタフェース90d、グラフィック処理装置90e、および入出力インタフェース90fがバス90gを介して接続されている。
【0080】
RAM90bには、CPU90aに実行させるOSのプログラムや現金管理処理のプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM90bには、CPU90aによる処理に必要な各種データが格納される。HDD90cには、OS、現金制御処理、フラグ管理処理、精算時に行われる管理カウンタ制御処理、キャッシュアウト処理時に行われる管理カウンタ制御処理、端末数制限処理等のプログラムを含むアプリケーションプログラムが格納されている。また、HDD90cには、図3のPS管理テーブル100、図4の閾値テーブル110、図5の運用時間テーブル120が格納されている。HDD90cは、管理サーバ5の記憶部56として機能する。
【0081】
グラフィック処理装置90eには、ディスプレイ91が接続されている。入出力インタフェース90fには、キーボード92が接続されている。また、入出力インタフェース90fは、外部記憶媒体93への情報の書き込み、および外部記憶媒体93からの情報の読み出しが可能な外部記憶媒体インタフェースと接続可能になっている。入出力インタフェース90fは、キーボード92、外部記憶媒体インタフェースから送られてくる信号を、バス90gを介してCPU90aに送信する。
【0082】
通信インタフェース90dは、例えば、ネットワークNを介してスキャニングステーション2、ペイメントステーション3およびPOSサーバ4に接続されている。
【0083】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の管理サーバ5における処理機能を実現することができる。なお、POSサーバ4においても管理サーバ5が備える制御ユニット90と同様の構成とすることができる。
【0084】
次に、ペイメントステーション3と管理サーバ5とが実行するフラグ管理処理について説明する。図11はフラグ管理処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0085】
まず、ペイメントステーション3では、その制御ユニット60のCPU70aは、ペイメントステーション3内に入金または出金された現金量を検出する(ステップS21)。CPU70aは、PS番号と検出したペイメントステーション3内の現金量の情報を管理サーバ5へ通知する(ステップS22)。
【0086】
管理サーバ5では、その制御ユニット90のCPU90aは、各ペイメントステーション3から通知されたPS番号および現金量をPS管理テーブル100に記憶し、各ペイメントステーション3の現金量を判定する(ステップS23)。
【0087】
CPU90aは、ペイメントステーション3の現金量がキャッシュアウト閾値以下であるか否かを判定する(ステップS24)。ペイメントステーション3の現金量がキャッシュアウト閾値以下の場合(ステップS24のYES)には、CPU90aは、該当するPS番号のキャッシュアウトフラグ(CO)に「0」を設定する(ステップS25)。ペイメントステーション3の現金量がキャッシュアウト閾値より大きい場合(ステップS24のNO)には、CPU90aは、該当するPS番号のキャッシュアウトフラグ(CO)に「1」を設定する(ステップS26)。
【0088】
CPU90aは、ペイメントステーション3の現金量が精算閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップS27)。ペイメントステーション3の現金量が精算閾値よりも小さい場合(ステップS27のYES)には、CPU90aは、該当するPS番号の精算フラグ(S)に「1」を設定する(ステップS28)。ペイメントステーション3の現金量が精算閾値以上である場合(ステップS27のNO)には、CPU90aは、該当するPS番号の精算フラグ(S)に「0」を設定する(ステップS29)。
【0089】
CPU90aは、運用時間が開始時間であるか終了時間であるかを判定する(ステップS30)。運用時間が開始時間である場合(ステップS30:開始)には、CPU90aは、該当するPS番号の運用時間フラグ(T)に「1」を設定する(ステップS31)。運用時間が終了時間である場合(ステップS30:終了)には、CPU90aは、該当するPS番号の運用時間フラグ(T)に「0」を設定する(ステップS32)。
【0090】
CPU90aは、全てのペイメントステーション3のPS番号に対し、ステップS23~S32の処理を実行した後、全てのペイメントステーション3に対し設定したキャッシュアウトフラグ(CO)、精算フラグ(S)および運用時間フラグ(T)の情報を通知する(ステップS33)。
【0091】
管理サーバ5からキャッシュアウトフラグ(CO)、精算フラグ(S)および運用時間フラグ(T)の情報の通知を受け取ったペイメントステーション3のCPU70aは、後述の現金制御処理を行う(ステップS34)。この処理が終了するとフラグ管理処理は終了となる。
【0092】
次に、ペイメントステーション3が実行する現金制御処理について説明する。図12は現金制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0093】
はじめに、ペイメントステーション3のCPU70aは、アイドル時に管理サーバ5から通知されたキャッシュアウトフラグ(CO)と精算フラグ(S)をチェックする(ステップS41)。キャッシュアウトフラグ(CO)=「1」、精算フラグ(S)=「1」の場合、すなわち、キャッシュアウト処理も精算処理も可能の場合には、CPU70aは、精算/キャッシュアウトモードに移行し、運用時間フラグ(T)=「1」であるか、すなわち、ペイメントステーション3の運用時間内であるか否かを判定する(ステップS42)。運用時間フラグ(T)=「0」、すなわち、ペイメントステーション3の運用時間外である場合(ステップS42のNO)には、処理はステップS50に進む。
【0094】
運用時間フラグ(T)=「1」、すなわち、ペイメントステーション3の運用時間内である場合(ステップS42のYES)には、CPU70aは、ディスプレイ71に、精算/キャッシュアウト可案内画面を表示する(ステップS43)。
【0095】
図13は、ディスプレイ71に表示される精算/キャッシュアウト可案内画面の例を示す図である。図13(A)に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71に精算/キャッシュアウト可案内画面として、精算可を示すアイコン201aと、キャッシュアウト可能を示すアイコン201bとを表示する。なお、図13(B)に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71に精算/キャッシュアウト可案内画面として、精算可とキャッシュアウト可能を示す1つのアイコン201cを表示することもできる。なお、CPU70aは、精算/キャッシュアウト可案内画面の表示と併せて、パトライト77を青色で点灯して精算とキャッシュアウトの両方ができる状態であることを顧客に報知してもよい。これにより、顧客は現在ペイメントステーション3が精算とキャッシュアウトの両方を行うことができる端末だということを容易に把握することができる。
【0096】
CPU70aは、顧客のタッチパネル72の操作に基づき、精算指示またはキャッシュアウト指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS44)。キャッシュアウト指示を受け付けた場合(ステップS44:キャッシュアウト指示)には、CPU70aは、後述のキャッシュアウト処理を行う(ステップS45)。その後、処理はステップS41に戻る。精算指示を受け付けた場合(ステップS44:精算指示)には、CPU70aは、後述の精算処理を行う(ステップS45)。その後、処理はステップS41に戻る。
【0097】
キャッシュアウトフラグ(CO)=「1」、精算フラグ(S)=「0」の場合、すなわち、キャッシュアウト処理は可能だが精算処理は不可能の場合には、CPU70aは、キャッシュアウトモードに移行し、運用時間フラグ(T)=「1」であるか、すなわち、ペイメントステーション3の運用時間内であるか否かを判定する(ステップS47)。運用時間フラグ(T)=「0」、すなわち、ペイメントステーション3の運用時間外である場合(ステップS47のNO)には、CPU70aは、ディスプレイ71に、精算/キャッシュアウト不可案内画面を表示する(ステップS48)。精算/キャッシュアウト不可案内画面には、精算処理もキャッシュアウト処理もできない旨のメッセージが表示される。なお、CPU70aは、キャッシュアウト不可案内画面の表示と併せて、パトライト77を赤色で点滅して精算もキャッシュアウトも制限されている状態であることを顧客に報知してもよい。従って、顧客はペイメントステーション3が精算もキャッシュアウトできない状態であることを容易に把握することができる。
【0098】
運用時間フラグ(T)=「1」、すなわち、ペイメントステーション3の運用時間内である場合(ステップS47のYES)には、CPU70aは、ディスプレイ71に、精算不可案内画面を表示する(ステップS49)。
【0099】
図14は、ディスプレイ71に表示される精算不可案内画面の例を示す図である。図14(A)に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71に精算不可案内画面として、キャッシュアウト可を示すアイコン202aと、精算不可を示すアイコン202bとを表示する。キャッシュアウト可を示すアイコン202aと、精算不可を示すアイコン202bとはそれぞれ異なる色で表示される。例えば、キャッシュアウト可を示すアイコン202aは、青で表示され、精算不可を示すアイコン202bは赤で表示される。なお、CPU70aは、精算不可案内画面の表示と併せて、パトライト77を赤色で点灯して精算が制限されている状態であることを顧客に報知してもよい。従って、顧客はペイメントステーション3が精算できない状態であることを容易に把握することができる。なお、図14(B)に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71に精算不可案内画面として、キャッシュアウト可を示す1つのアイコン202cを表示することもできる。この場合、CPU70aは、パトライト77を点灯してキャッシュアウトができる状態であることを顧客に報知してもよい。
【0100】
CPU70aは、顧客のタッチパネル72の操作に基づき、キャッシュアウト指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS50)。キャッシュアウト指示を受け付けていない場合(ステップS50のNO)には、キャッシュアウト指示を受け付けるまでの間処理は待機状態となる。キャッシュアウト指示を受け付けた場合(ステップS50のYES)には、CPU70aは、後述のキャッシュアウト処理(ステップS45)を行い、処理はステップS41に戻る。
【0101】
キャッシュアウトフラグ(CO)=「0」、精算フラグ(S)=「1」の場合、すなわち、精算処理は可能だがキャッシュアウト処理は不可能の場合には、CPU70aは、精算モードに移行し、ディスプレイ71に、キャッシュアウト不可案内画面を表示する(ステップS51)。
【0102】
図15は、ディスプレイ71に表示されるキャッシュアウト不可案内画面の例を示す図である。図15(A)に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71にキャッシュアウト不可案内画面として、精算可を示すアイコン203aと、キャッシュアウト不可を示すアイコン203bとを表示する。精算可を示すアイコン203aと、キャッシュアウト不可を示すアイコン203bとはそれぞれ異なる色で表示される。例えば、精算可を示すアイコン203aを示すアイコン203aは、青で表示され、キャッシュアウト不可を示すアイコン203bは赤で表示される。なお、CPU70aは、キャッシュアウト不可案内画面の表示と併せて、パトライト77を黄色で点灯してキャッシュアウトが制限されている状態であることを顧客に報知してもよい。従って、顧客はペイメントステーション3がキャッシュアウトできない状態であることを容易に把握することができる。なお、図15(B)に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71にキャッシュアウト不可案内画面として、精算可を示す1つのアイコン203cを表示することもできる。
【0103】
CPU70aは、顧客のタッチパネル72の操作に基づき、精算指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS52)。精算指示を受け付けていない場合(ステップS52のNO)には、精算指示を受け付けるまでの間処理は待機状態となる。精算指示を受け付けた場合(ステップS52のYES)には、CPU70aは、後述の精算処理(ステップS46)を行い、処理はステップS41に戻る。
【0104】
次に、ペイメントステーション3が実行するキャッシュアウト処理について説明する。図16はキャッシュアウト処理の一例を示すフローチャートである。
【0105】
はじめに、ペイメントステーション3のCPU70aは、ディスプレイ71にキャッシュアウト受付画面を表示する(ステップS61)。図17は、ディスプレイ71に表示されるキャッシュアウト受付画面の一例を示す図である。図17に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71にキャッシュアウト受付画面として、キャッシュアウト処理を進めることを示すアイコン204を表示する。
【0106】
CPU70aは、キャッシュアウトが受け付けられたか否かを判定する(ステップS62)。この処理では、CPU70aは、顧客のタッチパネル72の操作に基づき、ディスプレイ71に表示されているアイコン204がタッチされたか否かを判定する。キャッシュアウトが受け付けられていない場合、すなわち、アイコン204にタッチ操作が行われていない場合(ステップS62のNO)には、キャッシュアウトが受け付けられるまでの間処理は待機となる。キャッシュアウトが受け付けられた場合、すなわち、アイコン204に対するタッチ操作が行われた場合(ステップS62のYES)には、CPU70aは、管理サーバ5に対し、キャッシュアウト開始通知を送信する(ステップS63)。CPU70aは、顧客の操作に基づきキャッシュカードの受け付け(ステップS64)および暗証番号の入力の受け付けを行う(ステップS65)。
【0107】
CPU70aは、ディスプレイ71にキャッシュアウト金額受付画面を表示し、キャッシュアウト金額を受け付ける(ステップS66)。
【0108】
図18は、ディスプレイ71に表示されるキャッシュアウト金額受付画面の一例を示す図である。図18に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71にキャッシュアウト金額受付画面として、キャッシュアウト金額を選択するための複数種の金額のアイコンを含むアイコン群205を表示する。CPU70aは、顧客のタッチパネル72の操作に基づき、選択された金額のアイコンに対応する金額をキャッシュアウト金額として受け付ける。
【0109】
CPU70aは、キャッシュカードに含まれる口座番号の情報と、暗証番号の情報と、キャッシュアウト金額の情報とを含む認証情報を管理サーバ5に送信する(ステップS67)。そして、CPU70aは、管理サーバ5から送信された認証結果を受信する(ステップS68)。CPU70aは、受信した認証結果がOKか否かを判定する(ステップS69)。
【0110】
認証結果がOKの場合(ステップS69のYES)には、CPU70aは、ステップS66で受け付けたキャッシュアウト金額を出金する(ステップS70)。そして、CPU70aは、管理サーバ5に対しキャッシュアウト終了通知を送信する(ステップS71)。この処理が終了すると、キャッシュアウト処理は終了となる。認証結果がNGの場合(ステップS69のNO)には、CPU70aは、ステップS70およびステップS71の処理を省略して、キャッシュアウト処理は終了となる。
【0111】
次に、ペイメントステーション3が実行する精算処理について説明する。図19は精算処理の一例を示すフローチャートである。
【0112】
はじめに、ペイメントステーション3のCPU70aは、予約通知を受け付けたか否かを判定する(ステップS81)。管理サーバ5から予約通知を受け付けていない場合(ステップS81のNO)には、予約通知を受け付けるまでの間処理は待機となる。管理サーバ5から予約通知を受け付けた場合(ステップS81のYES)には、CPU70aは、精算モードに移行し、ディスプレイ71に精算予約画面を表示する(ステップS82)。
【0113】
図20は、ディスプレイ71に表示される精算予約画面の一例を示す図である。図20に示すように、CPU70aは、ディスプレイ71に精算予約画面として、このペイメントステーション3は、精算処理に使用される予定であるため、使用中または使用予定であることを示すメッセージを表示する。
【0114】
CPU70aは、顧客のタッチパネル72の操作に基づき、精算指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS83)。精算指示を受け付けていない場合(ステップS83のNO)には、精算指示を受け付けるまでの間処理は待機となる。精算指示を受け付けた場合(ステップS83のYES)には、CPU70aは、図19の精算処理を開始し、POSサーバ4に対し精算処理が開始されたことを通知する精算開始通知を送信し、POSサーバ4から通知された精算額を受け付ける(ステップS85)。CPU70aは、精算情報をPOSサーバ4へ送信し(ステップS86)、その精算結果を受信する(ステップS87)。
【0115】
CPU70aは、精算結果がOKか否かを判定する(ステップS88)。精算結果がOKの場合(ステップS88のYES)には、管理サーバ5に対し、精算終了通知を送信する(ステップS89)。この処理が終了すると精算処理は終了となる。精算結果がNGの場合(ステップS88のNO)には、CPU70aは、ステップS89の処理を省略して精算処理を終了する。この場合、精算は正しく終了しないため、エラーがPOSサーバ4へ通知される。
【0116】
次に、スキャニングステーション2、ペイメントステーション3、POSサーバ4および管理サーバ5が実行する精算時に行われる管理カウンタ制御処理について説明する。図21は精算時に行われる管理カウンタ制御処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0117】
はじめに、スキャニングステーション2のCPU60aは、店員の操作に基づき商品登録を開始する(ステップS101)と、商品登録開始通知を管理サーバ5へ送信する(ステップS102)。管理サーバ5のCPU90aは、管理カウンタを1加算する(ステップS103)。CPU90aは、ペイメントステーション3に対し、予約通知を送信する(ステップS104)。
【0118】
スキャニングステーション2のCPU60aは、購入商品に付されたバーコードをスキャニングして取引対象商品として商品の登録を行う商品登録処理を行い(ステップS106)、商品登録処理が終了すると(ステップS107)、CPU60aは、POSサーバ4に対し精算情報を送信する(ステップS108)。
【0119】
ペイメントステーション3のCPU70aは、精算処理を開始すると(ステップS109)、精算開始通知をPOSサーバ4へ送信し(ステップS110)、精算額通知を受信する(ステップS111)。CPU70aは、精算処理が終了すると(ステップS112)、精算処理終了通知を管理サーバ5へ送信する(ステップS113)。精算処理終了通知を受け付けた管理サーバ5のCPU90aは、管理カウンタを1減算する(ステップS114)。この処理が終了すると、精算時に行われる管理カウンタ制御処理は終了となる。
【0120】
次に、ペイメントステーション3および管理サーバ5が実行するキャッシュアウト時に行われる管理カウンタ制御処理について説明する。図22はキャッシュアウト時に行われる管理カウンタ制御処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0121】
はじめに、ペイメントステーション3のCPU70aは、顧客の操作に基づきキャッシュアウト処理を開始する(ステップS121)と、キャッシュアウト開始通知を管理サーバ5へ送信する(ステップS122)。管理サーバ5のCPU90aは、管理カウンタを1加算する(ステップS123)。
【0122】
ペイメントステーション3のCPU70aは、図16のキャッシュアウト処理を行い(ステップS124)、キャッシュアウトが終了すると(ステップS125)、キャッシュアウト終了通知を管理サーバ5へ送信する(ステップS126)。管理サーバ5のCPU90aは、キャッシュアウト終了通知を受け付けると、管理カウンタを1減算する(ステップS127)。この処理が終了すると、キャッシュアウト時に行われる管理カウンタ制御処理は終了となる。
【0123】
次に、管理サーバ5が実行する端末数制限処理について説明する。図23は端末数制限処理の一例を示すフローチャートである。図23の端末数制限処理と図12の現金制御処理とは互いに並行して実行される。
【0124】
はじめに、管理サーバ5のCPU90aは、POSサーバ4に対し、ペイメントステーション3の合計数mを要求し(ステップS141)、POSサーバ4から送信されたペイメントステーション3の合計数mを受信する(ステップS142)。
【0125】
CPU90aは、管理カウンタの値cを判定する(ステップS143)。CPU90aは、ペイメントステーション3の合計数mに対する管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値以上であるか否かを判定する(ステップS144)。ペイメントステーション3の合計数mに対する管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値以上である場合(ステップS144のYES)には、CPU90aは、図3のPS管理テーブル100を参照して、キャッシュアウトフラグ(CO)が「1」(オン)のPS番号のキャッシュアウトフラグ(CO)を「0」(オフ)に設定する(ステップS145)。ステップS145の処理は、ペイメントステーション3の合計数mに対する管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値未満となるまで繰り返し実行される。
【0126】
ペイメントステーション3の合計数mに対する管理カウンタの値cの割合“c/m”が端末制限閾値未満である場合(ステップS144のNO)には、CPU90aは、所定の時間が経過するまで処理を待機する(ステップS146)。所定の時間が経過した場合(ステップS146)には、処理はステップS143に戻り、ステップS143~ステップS146の処理が繰り返し実行される。
【0127】
以上のように、管理サーバ5の現金処理制限部54は、ペイメントステーション3内の現金量に応じてペイメントステーション3における精算時の入金の受け付け、および、キャッシュアウト時の出金の受け付けを制限するように構成した。これにより、店員によるペイメントステーション3の現金運用の手間を減らし、店舗運営のコスト削減を図ることができる。
【0128】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【0129】
上述の実施形態では、現金量判定部51は、紙幣と硬貨の両方を含んだキャッシュアウト閾値(第1の閾値)に基づき、PS番号に対応するペイメントステーション3内の現金量を判定しているがこの限りではない。
【0130】
例えば、現金量判定部51は、ペイメントステーション3内の現金量のうち紙幣の現金量を判定する。そして、現金処理制限部54は、現金量判定部51により判定された紙幣の現金量が紙幣のキャッシュアウト閾値(第4の閾値)以下である場合、すなわち、PS番号に対応する紙幣のキャッシュアウトフラグ(CO)が「0」(オフ)である場合には、出金受付部33による紙幣の出金の受け付けを制限してもよい。
【0131】
これにより、ペイメントステーション3内の紙幣が不足している場合であっても、両替用のお金など、少額の硬貨だけキャッシュアウトしたい顧客の要望に応えることができ、顧客の利便性を向上させることができる。
【0132】
また例えば、現金量判定部51は、ペイメントステーション3内の現金量のうち硬貨の現金量を判定する。そして、現金処理制限部54は、現金量判定部51により判定された硬貨の現金量が硬貨のキャッシュアウト閾値(第5の閾値)以下である場合、すなわち、PS番号に対応する硬貨のキャッシュアウトフラグ(CO)が「0」(オフ)である場合には、出金受付部33による硬貨の出金の受け付けを制限してもよい。
【0133】
これにより、ペイメントステーション3内の硬貨が不足している場合であっても、紙幣だけキャッシュアウトしたい顧客の要望に応えることができ、顧客の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 :セルフペイメントシステム
2,2A,2B:スキャニングステーション
3,3A,3B,3C,3D:ペイメントステーション
4 :POSサーバ
5 :管理サーバ
21 :スキャニングアプリケーション
22 :商品登録部
23 :精算情報送信部
30 :制御ユニット
31 :ペイメントアプリケーション
32 :入金受付部
33 :出金受付部
34 :現金量検出部
35 :報知部
51 :現金量判定部
52 :カウント部
53 :運用時間判定部
54 :現金処理制限部
55 :報知制御部
56 :記憶部
60 :制御ユニット
60a :CPU
60b :RAM
60c :HDD
60d :通信インタフェース
60e :グラフィック処理装置
60f :入出力インタフェース
60g :バス
61 :ディスプレイ
62 :カスタマディスプレイ
63 :タッチパネル
64 :スピーカ
65 :固定スキャナ
66 :多項目キーボード
67 :外部記憶媒体
70 :制御ユニット
70a :CPU
70b :RAM
70c :HDD
70d :通信インタフェース
70e :グラフィック処理装置
70f :入出力インタフェース
70g :バス
71 :ディスプレイ
72 :タッチパネル
73 :磁気カードリーダ
74 :バーコードスキャナ
75 :タッチスキャナ
76 :プリンタ
77 :パトライト
80 :外部記憶媒体
90 :制御ユニット
90a :CPU
90b :RAM
90c :HDD
90d :通信インタフェース
90e :グラフィック処理装置
90f :入出力インタフェース
90g :バス
91 :ディスプレイ
92 :キーボード
93 :外部記憶媒体
100 :PS管理テーブル
110 :閾値テーブル
120 :運用時間テーブル
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
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