(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】触媒およびこの触媒を用いるフッ素化炭化水素の製造プロセス
(51)【国際特許分類】
B01J 23/26 20060101AFI20220830BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20220830BHJP
B01J 23/28 20060101ALI20220830BHJP
B01J 23/86 20060101ALI20220830BHJP
C07C 17/21 20060101ALI20220830BHJP
C07C 19/08 20060101ALI20220830BHJP
C07C 21/18 20060101ALI20220830BHJP
C07C 17/20 20060101ALI20220830BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220830BHJP
【FI】
B01J23/26 Z
B01J35/10 301G
B01J23/28 Z
B01J23/86 Z
C07C17/21
C07C19/08
C07C21/18
C07C17/20
C07B61/00 300
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021024682
(22)【出願日】2021-02-18
(62)【分割の表示】P 2019513031の分割
【原出願日】2017-09-07
【審査請求日】2021-03-18
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516030797
【氏名又は名称】メキシケム フロー エセ・ア・デ・セ・ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100113365
【氏名又は名称】高村 雅晴
(74)【代理人】
【識別番号】100209336
【氏名又は名称】長谷川 悠
(72)【発明者】
【氏名】クレア・ニコラ・リース
(72)【発明者】
【氏名】クレア・エリザベス・マクギネス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ポール・シャラット
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-501826(JP,A)
【文献】特開2006-111611(JP,A)
【文献】特開昭54-116004(JP,A)
【文献】特開平02-280837(JP,A)
【文献】特表2013-525487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C07C 1/00-409/44
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
C
3
ヒドロハロカーボン種のフッ素化及び/又は脱ハロゲン化水素化のためのプロセスであって、前記C
3
ヒドロハロカーボン種と触媒とを接触させることを含み、前記触媒が、少なくとも80重量%のクロミアおよび少なくとも1種の追加の金属またはその化合物を含
み、前記触媒が0.3cm
3/gを超える全細孔容積を有し、平均細孔直径が90Å以上であり、前記全細孔容積がN
2吸着圧入法によって測定され、前記平均細孔直径がN
2BET吸着圧入法によって測定され、前記少なくとも1種の追加の金属
がZr
、Nb
、Mo
、Ni
、In
、Zn
、およびそれらの混合物から選択される
プロセス。
【請求項2】
前記触媒の前記細孔容積が0.4cm
3/g以上、
または0.5cm
3/g以上である、請求項1に記載の
プロセス。
【請求項3】
N
2BET吸着圧入法によって測定される場合、前記触媒の前記
平均細孔直径が100Å以
上である、請求項1または2に記載の
プロセス。
【請求項4】
N
2
BET吸着圧入法によって測定される場合、前記触媒の前記平均細孔直径が110Å以上または120Å以上である、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
N
2BJH吸着圧入法によって測定される場合、前記触媒の前記
平均細孔直径が130Å以
上である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の
プロセス。
【請求項6】
N
2
BJH吸着圧入法によって測定される場合、前記触媒の前記平均細孔直径が140Å以上、150Å以上、または170Å以上である、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
N
2BJH脱着圧入法によって測定される場合、前記触媒の前記
平均細孔直径が90Å以
上である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の
プロセス。
【請求項8】
N
2
BJH脱着圧入法によって測定される場合、前記触媒の前記平均細孔直径が100Å以上、110Å以上、または120Å以上である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記触媒が、複数の触媒粒子を含む1つまたは複数のペレットの形態で提供される、請求項1~
8のいずれか一項に記載の
プロセス。
【請求項10】
前記
触媒ペレットがグラファイトを
、0.5重量%
~10重量
%の量で含む、請求項
9に記載の
プロセス。
【請求項11】
前記触媒ペレットがグラファイトを、1重量%~5重量%の量で含む、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記
触媒ペレット
が1mm
~100mmの最長寸法を有する、請求項
9~11のいずれか一項に記載の
プロセス。
【請求項13】
前記触媒中の前記金属が遷移金属である、請求項1~
12のいずれか一項に記載の
プロセス。
【請求項14】
前記触媒が亜鉛を含む、請求項
13に記載の
プロセス。
【請求項15】
前記触媒が未使用物である、請求項1~
14のいずれか一項に記載の
プロセス。
【請求項16】
ヒドロ(ハロ)フルオロプロパンと前記触媒とを接触させて、フルオロプロペンを生成することを含む、請求項
1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記フルオロプロペンが、テトラフルオロプロペン(1234)である、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記ヒドロ(ハロ)
フルオロプロパンが、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン、および/または1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパンから選択される化合物を含む、請求項
17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記テトラフルオロプロ
ペンが、1,3,3,3-テトラフルオロプロペンおよび/または2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを含む、請求項
17または請求項
18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記方法が気相中で行われる、請求項
16~19のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒、前記触媒の調製方法、および前記触媒を使用するプロセスに関する。より具体的には、本発明は、クロミアおよび追加の金属を含む触媒、ならびに2~3個の炭素原子を含有する化合物への/化合物からのハロゲンおよびハロゲン化水素化物の添加または除去における前記触媒の使用プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書内の以前に公開された文献の列挙または考察は、文献が技術水準の一部であるか、または技術常識であることの認識として必ずしも解釈されるべきではない。
【0003】
ハロカーボン系化合物、特にフルオロカーボン系化合物は、現在、例えば推進剤、発泡剤、および伝熱流体の多くの商業および工業用途において使用されている。新たな冷媒が求められているため、伝熱流体としてのフッ素系化合物、特に(ヒドロ)フルオロオレフィンへの関心およびその使用が増加している。
【0004】
ヒドロフルオロプロペンなどの(ヒドロ)ハロアルケンは、対応するヒドロ(ハロ)フルオロアルカンから脱ハロゲン化水素化によって簡便に調製することができる。転化は、熱的すなわち熱分解によって、触媒的に、ヒドロ(ハロ)フルオロアルカンと触媒とを好適な条件下で接触させることによって、または化学的に、典型的にはヒドロ(ハロ)フルオロアルカンとアルカリ金属水酸化物などの強塩基と接触させることによって行うことができる。商業的操作のためには、触媒作用脱ハロゲン化水素化が好ましいと考えられる。
【0005】
ヒドロフルオロプロペン1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye)は、例えば、気体状態の1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパンと、三価酸化クロムまたは部分フッ素化三価酸化クロムとを、任意に酸素の存在下で(米国特許第5,679,875号を参照されたい)、接触させることおよび脱フッ化水素化によって調製することができる。
【0006】
同様に、フッ素化および/またはフッ化水素化工程はまた、(ヒドロ)フルオロアルケンの製造プロセスにおいても一般的である。そのようなプロセスは、HFと1種以上の(ヒドロ)ハロアルケンまたは(ヒドロ)ハロアルカンとを、好ましくは触媒の存在下で、接触させることによって行うことができる。
【0007】
上記プロセスにもかかわらず、ハロカーボンを含む触媒反応は、使用に際して多くの問題を有し、そのうちの1つは、工業規模プロセスが触媒を極端な温度および圧力、非常に多くの再生および腐食性試薬にさらすことである。当業者は、工業用触媒の寿命にわたって、活性が着実に低減し、触媒が最終的に高価な手順で交換する必要があることを知ることになる。
【発明の開示】
【0008】
したがって、既存の触媒に対して向上した安定性、ならびに同程度または向上した活性および選択性を有する触媒の必要性が存在する。
【0009】
第1の態様では、本発明は、クロミアおよび少なくとも1種の追加の金属またはその化合物を含む触媒を提供し、触媒は、0.3cm3/gを超える全細孔容積を有し、平均細孔直径は、90Å以上であり、全細孔容積は、N2吸着圧入法によって測定され、平均細孔直径は、N2BET圧入法によって測定され、少なくとも1種の追加の金属は、Li、Na、K、Ca、Mg、Cs、Sc、Al、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、In、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、La、Ce、およびそれらの混合物から選択される。
【0010】
第2の態様では、上で定義されたような触媒の存在下で、飽和前駆体から2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)を生成する方法が提供される。
【0011】
この追加の金属またはその化合物は、助触媒とも呼ばれ得る。好ましくは、少なくとも1種の追加の金属は、Li、Na、K、Ca、Mg、Cs、Cr、Zr、Nb、Pd、Ta、Zn、V、Mo、Ni、Co、In、Fe、Cu、およびそれらの混合物から選択され、さらにより好ましくは、追加の金属は亜鉛である。
【0012】
当業者は、一般的に触媒において、触媒活性は、触媒の利用可能な表面積に比例すると理解されることを理解するであろう。試薬が触媒の表面と相互作用する機会が増えると、転化速度が向上することが予想される。
【0013】
しかしながら、確立された教示とは対照的に、本発明者らは、意外にも、触媒の表面積を本質的に低減させ得る細孔容積および平均細孔直径の増加が、触媒の安定性および活性の両方を高めることを見出した。
【0014】
理論に拘束されることを望むものではないが、これは触媒を介した物質移動の増加の結果であり、この効果はC2化合物よりもC3化合物についてより顕著であると考えられる。また理論に拘束されることを望むものではないが、本発明のより広い細孔直径は、使用中の触媒がヒドロフルオロプロペンなどの(ヒドロ)ハロアルケンを生成するために、より迅速に有効な細孔構造をとることを可能にする。
【0015】
固体多孔質材料の細孔構造は、いくつかの方法によって決定することができ、最も一般的に使用されているものの1つは、固体表面上への凝縮ガスの多層の吸着のBET理論(Brunauer、EmmettおよびTeller)に基づくN2の吸着および脱着、ならびに脱着中の吸着ガスの蒸発(脱着)である。窒素は、ミクロおよびメソポーラス領域を精査するための一般的な吸着質である。吸着および脱着等温線から、以下が計算され得る:N2の単層の吸着からBET表面積、P/PO=0.99で吸着された窒素の量から得られる全細孔容積、および吸着または脱着データから、BET理論またはBJH(Barrett、Joyner、およびHalenda)理論に基づく、異なる計算を用いて決定され得る平均細孔直径。
【0016】
好ましくは、触媒の全細孔容積は、N2吸着圧入法によって測定される場合、0.35ccm3/gまたは0.4cm3/g以上、例えば0.45cm3/g、0.5cm3/g、0.55cm3/g、またはさらに0.6cm3/gである。
【0017】
好ましくは、N2BET吸着圧入法によって測定される場合、触媒の平均細孔幅は、100Å以上、例えば110Å以上、または120Å以上である。
【0018】
好ましくは、N2BJH吸着圧入法によって測定される場合、触媒の平均細孔幅は、130Å以上、例えば140Å以上、150Å以上、または170Å以上である。
【0019】
好ましくは、N2BJH脱着圧入法によって測定される場合、触媒の平均細孔幅は、90Å以上、例えば100Å以上、110Å以上、または120Å以上である。
【0020】
好ましくは、触媒は、複数の触媒粒子を含む1つまたは複数のペレットの形態で提供される。そのような触媒粒子は、例えば荷重下で一緒に押圧されてペレットを形成することができる。
【0021】
ペレットは、1種以上のさらなる材料を含むことができる。例えば、ペレットは、グラファイトを、好ましくは約0.5重量%~約10重量%、例えば約1重量%~約5重量%の量で含むことができる。
【0022】
好ましくは、ペレットは、約1mm~約100mmの最長寸法を有する。いくつかの実施形態では、ペレットは、約1mm~約10mm、例えば約3mm~約5mmの最長寸法を有し得る。
【0023】
好ましくは、触媒は、少なくとも80重量%(例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも96重量%)のクロミアを含む。
【0024】
有利なことには、触媒は、亜鉛/クロミア触媒であってもよい。「亜鉛/クロミア触媒」という用語は、金属酸化物触媒が、クロム、またはクロムと亜鉛の化合物、または亜鉛の化合物を含むことを意味する。
【0025】
本発明の亜鉛/クロミア触媒中に存在する亜鉛または亜鉛化合物の総量は、典型的には約0.01%~約25、好ましくは0.1%~約25%、好都合には触媒の0.01%~6%であり、いくつかの実施形態では、好ましくは触媒の0.5重量%~約25重量%、好ましくは触媒の約1~10重量%、より好ましくは触媒の約2~8重量%、例えば触媒の約4~6重量%である。
【0026】
さらなる好ましい実施形態では、追加の金属化合物は、インジウム(例えば、In2O3の形態)および/またはジルコニウム(例えば、ZrO2の形態)を含むことができる。
【0027】
追加の金属またはその化合物は、典型的には、触媒の約0.01~約25、好ましくは0.1%~約25、好都合には0.01~6重量%存在し、いくつかの実施形態では、好ましくは触媒の0.5重量%~約25重量%、好ましくは触媒の約1~10重量%、より好ましくは触媒の約2~8重量%、例えば触媒の約4~6重量%である。
【0028】
他の実施形態では、触媒は、白金、鉄、クロム、および亜鉛から選択される1種以上の助触媒を有するアルミナ触媒であってもよい。助触媒の総量は、典型的には触媒の約0.1~約60重量%、好ましくは触媒の約0.5~約50重量%、例えば触媒の0.5重量%~約25重量%、または触媒の約1~10重量%である。
【0029】
そのような実施形態では、触媒が少なくとも80重量%(例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも96重量%)のクロミアを含むことが好ましい。
【0030】
いくつかの実施形態では、触媒は、フッ素化形態であってもよい。例えば、触媒は、高温でHFを用いて処理することによってフッ素化されていてもよい。
【0031】
有利なことには、本発明の触媒は、未使用、すなわち新規である。「未使用」とは、触媒が任意の試薬と接触する前、または任意の予備反応条件下に置かれる前、および/または触媒が反応を触媒するために事前に使用されたことも、もしくは再生されたこともない前に、触媒が上記の通り全細孔容積および平均細孔直径を有することを意味する。
【0032】
本発明はまた、触媒の調製方法も提供し、前記方法は、
a)金属塩溶液および水酸化物溶液を調製する工程と、
b)7.5を超えるpHで溶液を混合して、金属水酸化物(複数可)を沈殿させる工程と、
c)沈殿した金属水酸化物を乾燥させる工程と、
d)金属水酸化物(複数可)を焼成して金属酸化物(複数可)を形成する工程と、を含む。
【0033】
好ましくは、金属塩は、水酸化物硝酸塩などの硝酸塩を含む。好ましい実施形態では、金属塩は、クロムを含み、Cr(OH)(NO3)2などの硝酸クロム塩を含むことができる。水酸化物溶液は、水酸化アンモニウム(NH4OH)を含むことができる。有利なことには、工程b)は、8を超えるpHで行われる。好ましくは、工程b)は、8.1、8.2、8.3、8.4、または8.5以上のpHで行われる。
【0034】
いくつかの実施形態では、金属塩溶液は、約1mol/l~約10mol/l、例えば約2mol/l~約8mol/l、例えば約3mol/l~約7mol/lまたは約4mol/l~約6mol/lの濃度で提供される。
【0035】
いくつかの実施形態では、水酸化物溶液は、1mol/l~約10mol/l、例えば約2mol/l~約8mol/l、例えば約3mol/l~約7mol/lまたは約4mol/l~約6mol/lの濃度で提供される。
【0036】
好ましくは、工程(b)は、水などの溶媒体中で溶液を混合することによって行われる。代替溶媒は、アルコール、グリコール、水混合物、および他の極性溶媒を含むことができる。
【0037】
好ましくは、工程b)は、実質的に一定の温度、例えば0~50°C、好ましくは10~30°Cで行われる。
【0038】
好ましくは、工程(b)は、混合溶液を撹拌しながら行われる。そのような撹拌は、例えばインペラ、ジェットミキサー、再循環ポンプなどの既知の好適な手段によって提供することができる。
【0039】
工程(b)中に形成された沈殿物は、好ましくは約5μm~約20μm、例えば約7μm~約15μmまたは約8μm~約13μm、例えば約10μmの平均最長寸法を有する粒子を含む。そのような寸法は、集束ビーム反射率測定による測定に従う。
【0040】
好ましくは、工程(c)は、例えば濾過または遠心作用によって、金属水酸化物沈殿物(複数可)のスラリーから液体を除去して、湿潤ケーキを生成することを含む。そのような濾過は、濾過膜全域にわたっての圧力差の適用を含むことができる。ケーキは、任意の乾燥または焼成の前に、好ましくは水(例えば、脱イオン水)またはアルカリ水溶液(例えば、水酸化アンモニウム)への曝露によって洗浄され得る。
【0041】
好ましくは、工程(c)は、ケーキを高温に曝露することによって、湿潤金属水酸化物(複数可)ケーキから液体、例えば残留液体を除去することを含む。そのような高温は、例えば50℃~200℃であってもよく、より好ましくは80℃~150℃、例えば約90℃~約120℃であってもよい。沈殿物は、好ましくは、少なくとも15分間、例えば少なくとも30分間または少なくとも1時間にわたって高温に曝露される。特定の実施形態では、沈殿物は、6時間を超えてまたは12時間を超えて高温にさらすことができる。
【0042】
工程(d)が好ましくは液体の除去および/または乾燥後に、金属水酸化物を焼成する工程を含むことも好ましい。そのような焼成工程は、金属水酸化物を約200℃~約550℃、例えば約250℃~約500℃、例えば約300℃~約400℃の温度に加熱することを含むことができる。そのような焼成工程は、約5分~約12時間の持続時間を有することができる。400℃に加熱される場合、約15%未満、例えば約12%未満または約10%未満、例えば約8%の400℃でのTGA強熱減量(LOI)を有する触媒を生成するのに十分な時間にわたって焼成を行うことは特に好ましい。
【0043】
本方法は、好ましくは、焼成金属酸化物とグラファイトとを混合して、約0.1重量%~約10重量%のグラファイトを含む触媒組成物を提供することを含む。好ましい実施形態では、そのように形成された組成物は、約0.5重量%~約5重量%のグラファイトを含むことができる。そのように形成された組成物が約1重量%~約3重量%のグラファイトを含むことが最も好ましい。
【0044】
好ましい実施形態では、金属酸化物および/または触媒組成物が押圧されて触媒ペレットを形成することができる。押圧は、約1~10トン、例えば約5トンの荷重下で行われてもよい。そのように形成されるペレットは、約1mm~約100mmの最長寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、ペレットは、約1mm~約10mm、例えば約3mm~約5mmの最長寸法を有することができる。
【0045】
本発明のさらなる態様の実施形態では、C2~3ヒドロハロカーボン種のフッ素化プロセスが提供され、このプロセスは、種と本発明による触媒とを接触させることを含む。これは、典型的にはHFの存在下で行われる。誤解を避けるために、C2~3ヒドロハロカーボンという用語は、2個または3個の炭素による鎖を有し、1個以上の水素原子およびハロゲン(F、Cl、Br、I)を含有する飽和または不飽和化合物を含む。好ましい実施形態では、ヒドロハロカーボン種は、C3ヒドロハロカーボン種を含む。
【0046】
そのようなプロセスの例としては、トリクロロエチレンと触媒とをHFの存在下で接触させて、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)を生成すること、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(240db)の2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233xf)への転化、1233xfの2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)および/もしくは1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(245cb)への転化、1,1,1,3-テトラクロロプロパン(250fb)の3,3,3-トリフルオロプロペン(1243zf)への転化、または2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(243db)の1233xfおよび/または1234yfへの転化を含む。
【0047】
本発明の別の態様では、C2~3ヒドロハロカーボン種(好ましくはC3ヒドロハロカーボン種)の脱ハロゲン化水素化のプロセスが提供され、このプロセスは、種と触媒とを接触、例えばヒドロ(ハロ)フルオロプロパンと触媒とを接触させて、フルオロプロペン、好ましくは1234ze((E)または(Z))または1234yfなどのテトラフルオロプロペン(1234)を生成することを含む。有利なことには、これは、245cbおよび/もしくは1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン(245eb)の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234yf)および/もしくは1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(1234ze)への転化、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(245fa)の1234zeへの転化、または1-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロパンの1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(1233zd)もしくは1234zeへの転化を含むことができる。
【0048】
本発明のさらなる態様では、HFを除去する、または飽和C2~3ヒドロハロカーボン種(好ましくはC3ヒドロハロカーボン種)から除去するプロセスが提供され、このプロセスは、種と本発明による触媒とを接触させることを含む。
【0049】
本発明の別の態様では、HFを不飽和C2~3ヒドロハロカーボン種(好ましくはC3ヒドロハロカーボン種)に添加するプロセスが提供され、このプロセスは、種と本発明による触媒とを接触させることを含む。
【0050】
特許請求の範囲に記載のプロセスは、液相または気相で行うことができるが、好ましくは気相で行われる。このプロセスは、大気圧、準大気圧、または超大気圧、典型的には0~約30bara、好ましくは約1~約20bara、例えば15baraで行うことができる。
【0051】
典型的には、本発明の気相プロセスは、約100℃~約500℃(例えば、約150℃~約500℃または約100℃~約450℃)の温度で行われる。好ましくは、本プロセスは、約150℃~約450℃、例えば約150℃~約400℃、例えば約175℃~約300℃の温度で行われる。より低い温度、例えば約150℃~約350℃、例えば約150℃~約300℃または約150℃~約250℃もまた、250fbから1243zfへの転化において使用することができる。
【0052】
本プロセスは、典型的には、約1:1~約100:1、例えば約3:1~約50:1、例えば約4:1~約30:1、または約5:1もしくは6:1~約20:1もしくは30:1のHF:有機物のモル比を使用する。
【0053】
本プロセスの反応時間は、一般に、約1秒~約100時間、好ましくは約10秒~約50時間、例えば約1分~約10または20時間である。連続プロセスでは、触媒と試薬との典型的な接触時間は、約1~約1000秒、例えば約1~約500秒、または約1~約300秒、または約1~約50、100、もしくは200秒である。
【0054】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示され、以下の図によって例示される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】比較例8の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、小さい粒子を強調するために加重値は与えられていない。
【
図2】比較例8の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、大きい粒子を強調するために加重値が与えられている。
【
図3】比較例9の反応中の時間的な点における粒径分布のプロットしたグラフであり、小さい粒子を強調するために加重値は与えられていない。
【
図4】比較例9の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、大きい粒子を強調するために加重値が与えられている。
【
図5】比較例10の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、小さい粒子を強調するために加重値は与えられていない。
【
図6】比較例10の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、大きい粒子を強調するために加重値が与えられている。
【
図7】実施例11の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、小さい粒子を強調するために加重値は与えられていない。
【
図8】実施例11の反応中の時間的な点における粒径分布をプロットしたグラフであり、大きい粒子を強調するために加重値が与えられている。
【
図9】実施例および比較例8~11の反応中の微粒子の存在をプロットしたグラフである。
【
図10】実施例および比較例8~11の反応終了時における粒径分布をプロットしたグラフであり、小さい粒子を強調するために加重値は与えられていない。
【
図11】実施例および比較例8~11の反応終了時における粒径分布をプロットしたグラフであり、大きい粒子を強調するために加重値が与えられている。
【実施例】
【0056】
実施例1~7の触媒を以下の方法によって生成した:
500mLの脱イオン水ヒールを、オーバーフロー、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ、および熱電対を装着した1.7Lのジャケット付きガラス容器に添加し、15°Cに冷却した。撹拌機を500rpmで作動させ、実施例5に保存し、250rpmで回転させた。
【0057】
600mLビーカー中で、Zn(NO3)2.6H2O(19.03g)をCr(NO3)2(OH)(水溶液)(500g)の溶液に溶解した。別のビーカーに、500gの17%NH4OH溶液を用意した。
【0058】
金属およびアンモニア溶液を5ml/分で冷却水にポンプ輸送した。緑色/青色の固体の沈殿がすぐに起こる。以下の表1に示されるように、混合物のpHを監視し、反応物の流量を各実施例の目標pHを維持するように調整した。すべての金属溶液が添加されるまで反応を続けた。
【0059】
スラリーを濾過ケーキが形成されるまで真空下で濾過し、次いで脱イオン水(例「a」)または希アンモニア水溶液(例「b」)で4回洗浄した。
【0060】
次いで、濾過ケーキを標準オーブン中105℃で一晩乾燥させ、続いて流動窒素下(200ml/分)300℃で12時間焼成して、6.5%のZnO/Cr2O3を生成した。室炉の加熱速度は2℃/分に設定されていた。焼成時の質量損失率を記録した。
【0061】
ワーリングブレンダー中で、2重量%のグラファイトを冷却された焼成触媒前駆体とブレンドし、得られた混合物を<250μmに篩い分けした。篩い分けされた混合物を32mmペレットダイ中で5トンの荷重下でペレット(1ペレット当たり3g)に成形した。
【0062】
次いでペレットを触媒試験のためにメッシュサイズ0.5~1.4mmに粉砕した。表面積、細孔容積、およびサイズを、N
2吸着/脱着圧入法によって測定した。Zn含有量を蛍光X線分光法によって測定した。結果を比較例1についての結果と共に表1に示す。クロミア触媒は、160~200m
2/gの比表面積、および0.22cm
3/gを超える細孔容積を有していた。
【表1】
【0063】
データは、沈殿のpHが上昇すると、沈殿触媒の細孔容積の有意な上昇がもたらされることを明確に示している。
【0064】
ペレット化された触媒を、トリクロロエチレンを134aに転化することにおける触媒の有効性について試験した。大気圧スクリーニング装置には、それぞれ独立したHF、有機物、および窒素供給物を有する4つの反応管が装備されていた。有機物供給システムにトリクロロエチレンを充填した。各反応器に、0.5~1.4mmの範囲の粒径を有する2gの触媒を充填した。最初に窒素流(60ml/分)を反応器入口に向け、触媒を250℃で1時間乾燥させた。
【0065】
触媒乾燥操作に次いで、HF蒸気を30ml/分の流量で、窒素(60ml/分)で希釈して各反応器に供給し、HFが反応器中にオフガスが観察されるまで、触媒上を250℃で約30分間通過させた。この時点で、窒素流(30ml/分に低減した)を反応器出口に向け直した。次いで、触媒を、温度を毎時40℃で450℃まで上昇させる前に、250℃でさらに1時間HF:N2(30:5-ml/分)流に曝露した。これらの温度を10時間保持した。
【0066】
反応器を最初に350℃に冷却し、トリクロロエチレンを10℃で液体トリクロロエチレンを介して散布窒素(8ml/分)によって触媒上に供給した。これにより0.5ml/分の流量のトリクロロエチレンガスが得られた。触媒を、反応器温度を300℃に低減させる前に、HF:トリクロロエチレン:N2(30:0.5:10-ml/分)ガス流内約2時間で平衡化させた。それぞれからの133aおよび134aの生成を測定する前に、触媒を再び約1時間平衡化させた。反応器全域にわたって温度および収率を監視した。
【0067】
次いで、有機物供給を止め、触媒上に30ml/分のHFを流しながら、反応器温度を40℃/時で490℃に上昇させ、これを10時間保持し、350℃に冷却した。次いで、トリクロロエチレンを上記のように用意した。このプロセスを514℃のストレス温度、いくつかの実施例については522℃で繰り返した。
【0068】
活性および安定性の結果は、同じ条件下で試験される市販の触媒である比較例1の結果との比較として示される。
【0069】
活性を計算に従って決定する。
活性=50-(S2-RT)
式中、S2は、ストレス温度2で10%の134aの収率を得るための予測反応温度であり、RTは、287.5℃である。
【0070】
安定性を計算に従って決定する。
安定性=50-(S3-RT)
式中、S3は、ストレス温度3で10%の134aの収率を得るための予測反応温度であり、RTは、287.5℃である。
【0071】
【0072】
結果は、先行技術の触媒に比べて、細孔容積および細孔幅の増大と、安定性および活性の増大との間の明確な相関関係を示している。この活性は、市販の触媒と比較して表面積が減少した場合でも持続されるようである。
【0073】
比較例8、9、および10、ならびに実施例11
表3を参照して以下に記載されるように適合される、実施例1~8の方法に実質的に従って触媒を調製した。
【0074】
Mettler Toledo Optimax自動化実験室反応器に、オーバーヘッド撹拌を備えた集束ビーム反射測定(FBRM)G400 14mmプローブを装着し、500mlの脱イオン水ヒールを充填した。
【0075】
金属溶液を5ml/分で反応器にポンプ輸送した。17%の水酸化アンモニウム溶液も5ml/分で添加した。pHを注意して監視し、反応物の流速を目標pHを維持するように変更した。300gの金属溶液が添加されるまで反応を続けた。FBRM G400プローブを用いて、反応中に沈殿物の粒径を監視した。
【表3】
【0076】
得られたスラリーを真空濾過し、脱イオン水で3回洗浄した。濾過ケーキを110℃で乾燥させ、次いで流動窒素下(200ml/分)、300℃で12時間焼成して、Cr2O3および6.5%のZnO/Cr2O3を生成した。これを5トンでペレット化する前に、粉砕し2%グラファイトと混合した。
【0077】
比較例8
図1および2、ならびに表4は、投与の開始から2、6、および15分後、ならびに投与が完了した後の測定粒径分布を示す。開始から2分後には、非常に小さな粒子がほとんどであるが、いくつかの大きな粒子も存在する。これらの大きな粒子は、投与開始から6分後には存在しなくなり、その時点までに小さな粒子の総数は最大となる。その後、分布は大きなサイズへの段階的なシフトを示す。
【表4】
【0078】
比較例9
図3および4、ならびに表5は、投与の開始から2、6、および15分後、ならびに投与が完了した後の測定粒径分布を示す。開始から2分後には、大きな粒子の存在がほとんどである。しかし6分で、大きな粒子の数は低減し、小さな粒子の数は有意に増加した。粒子システムは、投与の最後の15分間ではほとんど変化を示さない。
【表5】
【0079】
比較例10
図5および6、ならびに表6は、投与の開始から2、6、および15分後、ならびに投与が完了した後の測定粒径分布を示す。開始から2分後には、小さな粒子の存在がほとんどであり、それは6分に達すると数が増加する。その後、それらの小さな粒子の総数は徐々に減少し、大きな粒子の数は増加する。
【表6】
【0080】
実施例11
図7および8、ならびに表7は、投与の開始から2、6、および15分後、ならびに投与が完了した後の測定粒径分布を示す。分布は、投与のプロセスにわたって、より小さい粒子の数が徐々に増加することを示す。投与の最後の15分間では、より大きな粒子の数が減少する。
【表7】
【0081】
図9は、比較例8および9についての微粒子総数(5μm未満および8μm~25μmの両方)についてのリアルタイムデータ収集を示す。これから、流れの乱れまたはpH変動の影響を即座に見ることができた。それはまた、最終スラリーを長時間撹拌したままにしても粒子サイズまたは分布に影響を及ぼさなかったことを実証している。
【0082】
スラリーの最終粒径分布の比較を、
図10および11、ならびに表8に示す。結果は、沈殿物のpHを増加させることが、粒子総数および粒径に有意な影響を与えることを明確に示している。pH8.5での両方の実験は、pH7.0でのものよりも小さい平均サイズ、およびより小さな粒子を有する。金属の組成を変えることも効果があるが、規模はずっと小さくなる。亜鉛を用いた両方の実験は、クロムのみの対応品と比較してわずかに小さい平均サイズを示す。
【0083】
得られた乾燥した焼成ペレット化触媒をN
2吸着/脱着圧入法によって試験して、表面積、全細孔容積、および平均細孔直径を決定した。結果を以下の表8に示す。
【表8】
【0084】
比較例8および10の(pH7で調整された)触媒は、スラリー中でより大きい粒径、およびより大きいBET表面積、およびより小さい細孔直径、およびより小さい容積を有することが明らかである。対照的に、比較例9および実施例11の(pH8.5調整された)触媒は、スラリー中でより小さい粒径を有し、より小さいBET表面積、およびより大きい細孔直径、およびより大きい容積をもたらした。
【0085】
比較例8、9、および10、ならびに実施例11の触媒を実施例1~7と同じ性能試験に供した。結果を以下の表9に示す。
【表9】
【0086】
これらの結果は、比較例8および10に比べ比較例9および実施例11の触媒の安定性の向上を示す。これは、BET表面積を超えた沈殿の際に、より大きい細孔径、より大きい細孔容積、および/またはより小さい沈殿粒子直径を支持することが、触媒における性能の向上をもたらすことを実証する。これらのパラメータは、沈殿物のpHの制御によって制御することができる。
【0087】
本発明の所与の態様、特徴、またはパラメータにおける選好および選択肢は、特に文脈に示されない限り、本発明のすべての他の態様、特徴、およびパラメータにおける任意のおよびすべての選好および選択肢と組み合わせて開示されているようみなされるべきである。
【0088】
実施例、および比較例12~23
比較例の触媒を以下の方法に従って作製した。20 500mLの脱イオン水ヒールを、オーバーフロー、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ、および熱電対を装着した1.7Lのジャケット付きガラス容器に添加し、15°Cに冷却した。撹拌機を500rpmで作動させた。
【0089】
Cr(NO3)2(OH)(水溶液)の溶液(1036g)を2000mLビーカーに量り取った。別のビーカーに、599gの17%NH4OH溶液を用意した。
【0090】
金属およびアンモニア溶液を5ml/分で冷却水にポンプ輸送した。緑色/青色の固体の沈殿がすぐに起こる。混合物のpHを監視し、反応物の流量を目標pH8.5を維持するように調整した。すべての金属溶液が添加されるまで反応を続けた。
【0091】
水酸化クロムスラリーを2つの部分に分け、濾過ケーキが形成されるまで真空下で別々に濾過し、次いでそれぞれを脱イオン水(3×500mL)で3回洗浄した。得られた濾過ケーキを混合して、次いで4つに分けた。次いで、ケーキの一部を標準オーブン中80℃で3日間乾燥させ、比較例20の触媒を形成した。残りの3つを、マグネチック撹拌バーを備えた200mLの脱イオン水を含む別個のビーカー(600ml)に入れ、濾過ケーキが再スラリー化されるまで混合した。
【0092】
実施例21について、MoCl5(1.08g)を20mlの脱イオン水に添加し、得られた溶液を水酸化クロムスラリーを含むビーカーのうちの1つに添加し、室温で2時間撹拌した。
【0093】
実施例22について、NiCl2.6H2O(1.53g)を20mlの脱イオン水に添加し、得られた溶液を水酸化クロムスラリーを含むビーカーのうちの1つに添加し、室温で2時間撹拌した。
【0094】
実施例23について、NbCl5(1.10g)を20mlのメタノールに添加し、得られた溶液を水酸化クロムスラリーを含むビーカーのうちの1つに添加し、室温で2時間撹拌した。
【0095】
次いで、上記スラリーのそれぞれを標準オーブン中80°Cで3日間乾燥させ、続いて流動窒素下(200ml/分)300℃で12時間焼成して、金属酸化物/Cr2O3(金属=Ni、Nb、またはMo)を生成した。室炉の加熱速度は2℃/分に設定されていた。焼成時の質量損失率を記録した。
【0096】
ワーリングブレンダー中で、2重量%のグラファイトを冷却された焼成触媒前駆体とブレンドし、得られた混合物を<250μmに篩い分けした。篩い分けされた混合物を32mmペレットダイ中で5トンの荷重下でペレット(1ペレット当たり3g)に成形した。
【0097】
次いでペレットを触媒試験のためにメッシュサイズ0.5~1.4mmに粉砕した。表面積、細孔容積、およびサイズを、N2吸着/脱着圧入法によって測定した。Ni、Mo、およびNb含有量を蛍光X線分光法によって測定した。
【0098】
これらの触媒の性能を、243dbのフッ素化からの1234yfの生成について試験し、様々な量の助触媒を含有する市販のクロミア触媒(CE12~CE19)についての性能と比較した。各触媒の細孔容積および直径も試験した。
【0099】
大気圧スクリーニング装置には、それぞれ独立したHF、有機物、および窒素供給物を有する4つの反応管が装備されていた。有機物供給システムに243dbを充填した。各反応器に、0.5~1.4mmの範囲の粒径を有する2mlの触媒を充填した。最初に窒素流(60ml/分)を反応器入口に向け、触媒を200°Cで2時間乾燥させた。
【0100】
触媒乾燥操作に次いで、HF蒸気を30ml/分の流量で、窒素(60ml/分)で希釈して各反応器に供給し、HFが反応器中にオフガスが観察されるまで、触媒上を300°Cで約60分間通過させた。この時点で、窒素流(30ml/分に低減した)を反応器出口に向け直した。反応器温度を、毎時40℃で360°Cに上昇させた。これらの温度を10時間保持した。
【0101】
反応器を350℃に冷却し、243dbを10℃で液体243dbを介して散布窒素(4~6ml/分)によって触媒上に供給した。これにより0.5~1ml/分の流量の243dbガスが得られた。GC分析のためにDI水を用いて反応器オフガスをガラスビュレットに試料抽出する前に、触媒を約1時間HF:243db:N
2(30:0.5~1.0:4~6ml/分)ガス流中で平衡化させた。結果を以下の表10に示す。
【表10】
【0102】
結果は、本発明の触媒を利用した場合、1234yfに対する選択性の明確な向上を示している。さらに、結果は、本発明の触媒が一度使用されると有意な細孔拡大を示し、いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、それは未使用触媒において高い細孔容積および平均細孔直径を提供する効果を増幅することができる。
【0103】
実施例24
500mLの脱イオン水ヒールを、オーバーフロー、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ、および熱電対を装着した1.7Lのジャケット付きガラス容器に添加し、15°Cに冷却した。撹拌機を500rpmで作動させ、実施例5に保存し、250rpmで回転させた。
【0104】
600mLビーカー中で、Zn(NO3)2.6H2O(19.03g)をCr(NO3)2(OH)(水溶液)(500g)の溶液に溶解した。別のビーカーに、500gの17%NH4OH溶液を用意した。
【0105】
金属およびアンモニア溶液を5ml/分で冷却水にポンプ輸送した。緑色/青色の固体の沈殿がすぐに起こる。以下の表1に示されるように、混合物のpHを監視し、反応物の流量を各実施例の目標pHを維持するように調整した。すべての金属溶液が添加されるまで反応を続けた。
【0106】
スラリーを濾過ケーキが形成されるまで真空下で濾過し、次いで脱イオン水(例「a」)または希アンモニア水溶液(例「b」)で4回洗浄した。
【0107】
次いで、濾過ケーキを標準オーブン中105℃で一晩乾燥させ、続いて流動窒素下(200ml/分)300℃で12時間焼成して、6.5%のZnO/Cr2O3を生成した。室炉の加熱速度は2℃/分に設定されていた。焼成時の質量損失率を記録した。
【0108】
ワーリングブレンダー中で、2重量%のグラファイトを冷却された焼成触媒前駆体とブレンドし、得られた混合物を<250μmに篩い分けした。篩い分けされた混合物を32mmペレットダイ中で5トンの荷重下でペレット(1ペレット当たり3g)に成形した。
【0109】
次いでペレットを触媒試験のためにメッシュサイズ0.5~1.4mmに粉砕した。表面積、細孔容積、およびサイズを、N2吸着/脱着圧入法によって測定した。Zn含有量を蛍光X線分光法によって測定した。
【0110】
実施例25
500mLの脱イオン水ヒールを、オーバーフロー、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ、および熱電対を装着した1.7Lのジャケット付きガラス容器に添加し、15°Cに冷却した。撹拌機を411rpmで作動させた。Cr(NO3)2(OH)(水溶液)の溶液(500g)を600mLビーカーに量り取り、In(NO3)3.3H2O (13.3g)および17%のNH4OH溶液(318g)を別のビーカーに量り取った。次いで、触媒を、目標pH8.5で、実施例24と同じ手順によって調製し、スラリーを脱イオン水(3×600mL)で洗浄した。
【0111】
実施例26
500mLの脱イオン水ヒールを、オーバーフロー、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ、および熱電対を装着した1.7Lのジャケット付きガラス容器に添加し、15°Cに冷却した。撹拌機を406rpmで作動させた。Cr(NO3)2(OH)(水溶液)の溶液(500g)を600mLビーカーに量り取り、ZrOCl2.8H2O(13.6g)のメタノール(50mL)溶液および17%のNH4OH溶液(350g)を別のビーカーに量り取った。次いで、触媒を、目標pH8.5で、実施例24と同じ手順によって調製し、スラリーを脱イオン水(3×600mL)で洗浄した。
【0112】
1233xfから1234yfおよび245cbの生成
実施例24~26の触媒の性能を、HFとの接触による1233xfのフッ素化からの1234yfおよび245cbの生成について試験した。結果を市販のクロミア触媒(比較例27)および市販のZnドープクロミア触媒(比較例28)の結果と比較した。
【0113】
各触媒(3mL、0.5~1.4mm)を、インコネルメッシュによって支持された0.5インチのODインコネル625反応器に充填した。触媒を、予備フッ素化の前に少なくとも2時間、60mL/分の流動窒素下で250℃で乾燥した。次いで、30ml/分で流動するHF蒸気を250℃で1時間、30ml/分の窒素と共に触媒上を通過させた。次いで、窒素を、純HFが触媒上を通過して出て行く反応器出口に向けた。温度を徐々に380℃に上げ、10時間保持した。次いで、温度を350℃に下げ、HF流を25mL/分に下げた。1233xf(2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)の共供給物をそれ自身の蒸気圧によって供給し、流れをオリフィスプレートを通して1mL/分に制御した。反応器オフガスを0.5~7時間の連続運転から脱イオン水中に定期的に試料抽出し、GCによって分析して反応の進行を決定した。結果を以下の表11に示す。
【表11】
【0114】
表11のデータから、助触媒をベースのクロミア触媒に添加することによって、比較例27の助触媒なしの参照触媒と比較して、それらの活性を増大させたことが明らかである。細孔容積と細孔直径の両方を増大させ、亜鉛助触媒を添加することによって、比較例28の触媒と活性の点では同等であるが、より選択的で安定である(実施例24)のような触媒を生成することができた。
【0115】
245cbから1234yfの生成
実施例24および25の触媒の性能を、245cbの脱フッ化水素化からの1234yfの生成について試験した。結果を市販のクロミア触媒(比較例29)および市販の亜鉛促進クロミア触媒(比較例30)の結果と比較した。
【0116】
各触媒(3mL、0.5~1.4mm)を、インコネルメッシュによって支持された0.5インチのODインコネル625反応器に充填した。触媒を、予備フッ素化の前に少なくとも2時間、60mL/分の流動窒素下で250℃で乾燥した。次いで、30mL/分で流動するHF蒸気を250℃で1時間、30mL/分の窒素と共に触媒上を通過させた。次いで、窒素を、純HFが触媒上を通過して出て行く反応器出口に向けた。温度を徐々に380℃に上げ、10時間保持した。次いで、温度を250℃に下げ、HF流を25mL/分に下げた。245cb(1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン)の共供給物蒸気を9℃で液体を介して散布窒素(1mL/分)によって供給し、1mL/分の245eb流が得られた。反応器オフガスを0.5~7時間の連続運転から脱イオン水中に定期的に試料抽出し、GCによって分析して反応の進行を決定した。結果を以下の表12に示す。
【表12】
【0117】
表12に示された結果から、ZnおよびInでクロミアを促進することによって触媒活性が増大することが明らかである。Zn促進クロミアの細孔容積および平均細孔直径を増大させると、1234yfの収率も増大した。
【0118】
245ebから1234yfの生成
実施例24~26の触媒の性能を、245ebの脱フッ化水素化からの1234yfおよび245cbの生成について試験した。結果を市販のクロミア触媒(比較例31)および市販の亜鉛促進クロミア触媒(比較例32)の結果と比較した。
【0119】
各触媒(3mL、0.5~1.4mm)を、インコネルメッシュによって支持された0.5インチのODインコネル625反応器に充填した。触媒を、予備フッ素化の前に少なくとも2時間、60mL/分の流動窒素下で250℃で乾燥した。次いで、30mL/分で流動するHF蒸気を250℃で1時間、30mL/分の窒素と共に触媒上を通過させた。次いで、窒素を、純HFが触媒上を通過して出て行く反応器出口に向けた。温度を徐々に380℃に上げ、10時間保持した。次いで、温度を250℃に下げ、HF流を25mL/分に下げた。245eb(1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン)の共供給物蒸気を9℃で液体を介して散布窒素(1mL/分)によって供給し、1mL/分の245eb流が得られた。反応器オフガスを0.5~7時間の連続運転から脱イオン水中に定期的に試料抽出し、GCによって分析して反応の進行を決定した。結果を表13に示す。
【表13】
【0120】
表13の結果によって示されるように、Zn促進クロミアの細孔容積および平均細孔直径を増大させると(実施例24)、1234yfへの選択性が増大した。InおよびZrを用いた同様の促進、ならびに細孔容積および平均細孔直径の増大もまた、1234yfへの選択性を増大させた。
【0121】
本発明の所与の態様、特徴、またはパラメータにおける選好および選択肢は、特に文脈に示されない限り、本発明のすべての他の態様、特徴、およびパラメータにおける任意のおよびすべての選好および選択肢と組み合わせて開示されているようみなされるべきである。