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  • -時計の脱進機機構 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】時計の脱進機機構
(51)【国際特許分類】
   G04B 15/14 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
G04B15/14 Z
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021041072
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2021173752
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】20171015.9
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】イバン・ビジャール
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00018796(EP,A2)
【文献】特公昭29-001078(JP,B1)
【文献】特公昭28-002146(JP,B1)
【文献】特開2019-219249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 15/00-15/14,17/00-17/34
G04C 3/04-3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(1)の脱進機機構(4)であって、
- 同じ軸(X1)の上に取り付けられる第1の脱進機車(14)、衝撃ピニオンと呼ばれる第2の脱進機車(18)および駆動ピニオン(16)と、
- 前記駆動ピニオン(16)とかみ合う中間車(8)と、
- 第1の脱進機車(14)と協同するようになされた板くぎおよび直接衝撃パレット石を支えるテンプ板と、
- 前記板くぎと協同するパレット入口(24)、前記衝撃ピニオン(18)と協同するようになされた衝撃パレット石(26)、および前記第1の脱進機車(14)と協同するようになされた第1および第2の支持パレット石(28a、28b)を含むパレット(12)
を備え、
前記第1の脱進機車(14)、前記駆動ピニオン(16)および前記衝撃ピニオン(18)は、この順序で取り付けられ
前記パレット(12)は前記駆動ピニオン(16)と共面であることを特徴とする脱進機機構(4)。
【請求項2】
時計(1)の脱進機機構(4)であって、
- 同じ軸(X1)の上に取り付けられる第1の脱進機車(14)、衝撃ピニオンと呼ばれる第2の脱進機車(18)および駆動ピニオン(16)と、
- 前記駆動ピニオン(16)とかみ合う中間車(8)と、
- 第1の脱進機車(14)と協同するようになされた板くぎおよび直接衝撃パレット石を支えるテンプ板と、
- 回動軸(30)が形成されたサポート(23)、前記板くぎと協同するパレット入口(24)、前記衝撃ピニオン(18)と協同するようになされた衝撃パレット石(26)、および前記第1の脱進機車(14)と協同するようになされた第1および第2の支持パレット石(28a、28b)を含むパレット(12)と
を備え、
前記第1の脱進機車(14)、前記駆動ピニオン(16)および前記衝撃ピニオン(18)は、この順序で取り付けられ、
前記衝撃パレット石(26)は、前記サポート(23)から前記軸(X1)と平行な一方向へ突出するように形成され、
前記第1および第2の支持パレット石(28a、28b)は、前記サポート(23)から前記一方向と反対方向へ突出するように形成されることを特徴とする脱進機機構(4)。
【請求項3】
前記パレット(12)の前記衝撃パレット石(26)は、前記衝撃パレット石(26)が前記衝撃ピニオン(18)の歯と同じ高さに展開する高さ(h1)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の脱進機機構(4)。
【請求項4】
前記テンプ板の前記直接衝撃パレット石、前記パレット(12)の前記衝撃パレット石(26)、および前記パレット(12)の前記支持パレット石(28a、28b)のうちの少なくとも1つはルビー・リフトからなることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の脱進機機構(4)。
【請求項5】
前記板くぎはルビーでできていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の脱進機機構(4)。
【請求項6】
前記駆動ピニオン(16)および前記軸(X1)は単一片の要素を形成することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の脱進機機構(4)。
【請求項7】
前記脱進機機構は同軸脱進機であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の脱進機機構(4)。
【請求項8】
脱進機機構(4)と、ひげぜんまいとを備える時計ムーブメント(2)であって、前記脱進機機構(4)は、請求項1~7のいずれか一項に記載の脱進機機構(4)であり、前記同軸脱進機機構(4)の前記テンプ板は前記ひげぜんまいに固着されることを特徴とする時計ムーブメント(2)。
【請求項9】
時計ムーブメント(2)を備える時計(1)であって、前記時計ムーブメント(2)は、請求項8に記載の時計ムーブメント(2)であることを特徴とする時計(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時計のための脱進機機構に関する。
【0002】
また、本発明は、このような脱進機機構を備える時計ムーブメントに同じく関する。
【0003】
最後に、本発明は、このような時計ムーブメントを備える時計に関する。時計は、例えば小型時計または非携帯用時計である。
【背景技術】
【0004】
時計ムーブメントの分野では、脱進機機能を実行するシステムが知られている。脱進機は、従来、時計ムーブメントのエネルギー源とひげぜんまいタイプの振動子の間に置かれている。脱進機の目的は、ひげぜんまいの振動を計数し、かつ、維持することである。典型的には、特定の機械式小型時計におけるSwissパレット・タイプの脱進機の使用が知られている。Swissパレットを有するこのような脱進機は、脱進機車(パレット車とも呼ばれる)、入口リフトおよび出口リフトを備えたパレット、および二重板を備えている。Swiss-パレット脱進機は、てこ効果およびパレット上のパレット車の摺動傾斜平面を介して力をパレット車からテンプ輪へ伝達する。したがってパレット車の歯は、パレット・リフト上の衝撃の機能を実行する。しかしながらこのような力伝達原理は、このタイプの脱進機の弱点でもある。摺動平面上の摩擦状態を維持するためには、実際、経年変化に敏感である極めて巧妙な潤滑システムが必要である。これは、走行の変化における重大な要因を構成しており、したがって所定の位置において不安定な走行をもたらしている。さらに、Swissパレット・タイプのこのような脱進機は、新しいときは必然的に極めて大きい振幅を有している。
【0005】
これらの欠点を除去するために、知られている一解決法は、パレットを時計機構の中に有する同軸脱進機システムを提供することからなっている。パレットに加えて、システムは、典型的には、第1の脱進機車、第2の脱進機車(衝撃ピニオンとも呼ばれる)および駆動ピニオンを含む三重同軸車を備えており、第1の脱進機車、第2の脱進機車および駆動ピニオンは、この順序で同軸で取り付けられている。また、システムは、駆動ピニオンとかみ合う中間車、およびひげぜんまいに固着されたテンプ板を同じく備えている。テンプ板は、第1の脱進機車と協同するようになされた板くぎおよび直接衝撃パレット石を支えている。パレットは、板くぎと協同するパレット入口、衝撃ピニオンと協同するようになされた衝撃パレット石、および第1の脱進機車と協同するようになされた支持パレット石を含む。パレットを有する同軸脱進機システムは、ひげぜんまいにテンプ輪の振動の時計方向および反時計方向にエネルギーを伝達する。衝撃は、第1の脱進機車の歯から板に時計方向に直接伝達される。反時計方向では、衝撃は、パレットを介して、より正確にはパレットの衝撃パレット石上の衝撃ピニオンの歯の作用、次に、板くぎ上のパレット入口の作用を介して板に引き渡される。衝撃の後、第1の脱進機車は支持パレット石によって支えられ、また、テンプ輪は、妨害されることなくその振動を自由に実施する。
【0006】
力の接線伝達のそのシステムにより、このような同軸脱進機機構は、機構の動作状態を維持するための潤滑に依存していない。このシステムは、実際、歯車として機能し、また、力を伝達するための潤滑は一切不要である。したがって重大な変化要因が除去され、また、ムーブメントにおける比較的安定した走行に寄与している。このような同軸脱進機機構によれば、さらに、常に一定であるひげぜんまい維持力を伝達することができ、また、維持力の振幅を一定に維持することができる。したがってSwissパレット・タイプの脱進機とは異なり、もはや、新しいときに極めて大きい振幅を有する必要はない。したがって走行中における位置の誤りが低減される。最後に、この同軸脱進機構によれば、Swissパレット脱進機と比較すると、テンプ輪のリフトの角度を有利に小さくすることができる。リフトの角度は、実際、Swissパレット脱進機の場合の52度から同軸脱進機の場合の37度まで低減される。これは、Swissパレット脱進機と比較すると、同軸脱進機の個々の振動におけるテンプ輪の妨害がより小さいことを保証している。結果は、小型時計のセッティングの品質およびセッティングの精度の一貫性である。したがってこのような同軸脱進機機構は、とりわけ、高精度クロノメータを製造するためのものであることが意図されている。
【0007】
しかしながらこのタイプの同軸脱進機機構は比較的大きく、これは、全体のコンパクト性に対して不利である。この問題に対処するために、特許文書欧州特許第1045297(A1)号明細書は、二重同軸車を有する同軸脱進機システムを提案している。パレットとは別に、この文書で記述されているシステムは、実際、第1の脱進機車および第2の脱進機車を含む二重同軸車を備えている。また、システムは、第2の脱進機車とかみ合う中間車を同じく備えている。パレットは、板くぎと協同するパレット入口、第2の脱進機車と協同するようになされた衝撃パレット石、および第1の脱進機車と協同するようになされた支持パレット石を含む。第2の脱進機車は、中間車とかみ合う駆動ピニオンの機能、およびパレットの衝撃パレット石と協同する脱進機車の機能の二重機能を実施している。したがって同軸車における構成要素の存在を節約することにより、アセンブリの高さを低くすることができ、したがってそのコンパクト性を改善することができる。しかしながらこの解決法の1つの欠点は、駆動ピニオン上の歯の数を第2の脱進機車上の歯の数と全く同じにしなければならないことである。さらに、第2の脱進機車の2つの歯の輪郭、すなわち駆動ピニオン上の歯とかみ合う歯の輪郭、および衝撃パレット石と共に動作する歯の輪郭が互いに干渉しないことを保証する必要がある。したがって2つの輪郭の最適化が制約条件である。さらに、三重同軸車を有する同軸脱進機は、その構成により、テンプ輪の体積に関する制約条件、したがってテンプ輪の慣性に関する制約条件を余儀なくしている。しかしながらテンプ輪の慣性を制限しても、時計ムーブメントのための等時性の最適品質を得ることはできず、また、ムーブメントにおける走行の変化を完全に除去することもできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第1045297(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって本発明の目的は、テンプ輪を備えた時計ムーブメントを含む時計のための脱進機機構であって、ムーブメントの空間要求事項および全体の体積を制限する一方で、また、歯の数および駆動ピニオンの輪郭に関する最適化の全許容自由を維持する一方で、テンプ輪の慣性を大きくすることができる脱進機機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、時計の脱進機機構に関しており、脱進機機構は、独立請求項1で言及されている特徴を備える。
【0011】
脱進機機構の特定の形態は、従属請求項2~5で定義されている。
【0012】
第1の脱進機車、駆動ピニオンおよび衝撃ピニオンの間の特定の構成により、より正確にはこれらの要素がこの順序で同軸で取り付けられているため、本発明による脱進機機構によれば、時計ムーブメントにおける中間車(典型的には小型時計のための秒車である)の円板を低くすることができる。これは、ムーブメントにおける空間を有利に解放し、それにより体積を大きくすることができ、したがってテンプ輪の慣性を大きくすることができる。したがって時計ムーブメントにおける等時性の品質が改善され、また、走行の変化が小さくなり、その一方で脱進機機構のための極めてコンパクトなセッティングが得られる。
【0013】
有利には、パレットの衝撃パレット石は、前記衝撃パレット石が衝撃ピニオンの歯と同じ高さに展開する高さを有している。したがってパレットと衝撃ピニオンの間でかみ合わせることができる。
【0014】
この目的のために、本発明は、脱進機機構を含む時計ムーブメントに同じく関しており、時計ムーブメントは、独立請求項8で言及されている特徴を備える。
【0015】
この目的のために、本発明は、上で説明した時計ムーブメントを含む時計に同じく関しており、時計は、独立請求項9で言及されている特徴を備える。
【0016】
本発明による時計のための同軸脱進機機構の目的、利点および特徴は、図面によって例証されている少なくとも1つの非制限の実施形態に基づく以下の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による脱進機機構を備える小型時計の時計ムーブメントの部分の下方の斜視図である。
図2図1の同軸脱進機機構の部分の下方の斜視図であり、同軸脱進機機構は、三重同軸車およびパレットを備えている。
図3a図2の三重同軸車の下方の斜視図である。
図3b図2のパレットの下方の斜視図である。
図4a図1の脱進機機構の平面図である。
図4b図1の脱進機機構の下方の図である。
図5】別の実施形態による脱進機機構の下方の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、ひげぜんまいタイプの振動子のための、同軸であることが好ましい脱進機機構を備えた時計ムーブメントが参照されている。当業者にはよく知られている時計ムーブメントの通常の構成要素については、簡略化された方法でのみ説明されているか、あるいは全く説明されていない。実際、当業者は、これらの様々な構成要素を適合させることができ、また、それらを協同させて時計ムーブメントを機能させることができる。詳細には、ひげぜんまいタイプの振動子に関連するすべてが以下で説明されるわけではないが、このようなひげぜんまいは、本発明による同軸脱進機機構と有利に協同させることができる。
【0019】
図1図4a、図4bおよび図5は、時計ムーブメント2を備える時計1の一部を示したものである。時計1は、典型的には小型時計または非携帯用時計である。
【0020】
時計ムーブメント2は、テンプ輪およびひげぜんまい(図示せず)を備えた振動子、エネルギー源(図示せず)、およびエネルギー源と振動子の間に置かれた脱進機機構4を含む。
【0021】
図1乃至図4bに例証されている脱進機機構は同軸脱進機4であり、三重同軸車6、中間車8、テンプ板(図示せず)およびパレット12を備えている。図5に例証されている脱進機機構は、パレット12、脱進機車およびテンプ輪との2つのレベルを含む従来の脱進機である。
【0022】
三重同軸車6は、第1の脱進機車14、駆動ピニオン16、および衝撃ピニオンと呼ばれる第2の脱進機車18を含む。図1乃至図3aから分かるように(これらの図では、脱進機機構4は、ムーブメント2におけるその正規の配置に対して下方から見られる)、第1の脱進機車14、駆動ピニオン16および衝撃ピニオン18は、同じ軸X1の上に取り付けられている。より正確には、第1の脱進機車14、駆動ピニオン16および衝撃ピニオン18は、軸X1の上にこの順序で同軸で取り付けられている。言い換えると、駆動ピニオン16は、第1の脱進機車14の上に同軸で取り付けられ、また、衝撃ピニオン18は、駆動ピニオン16の上に同軸で取り付けられている。したがって、本発明による同軸脱進機機構4によれば、第1の脱進機車14、駆動ピニオン16および衝撃ピニオン18の間のこの特定の配置により、時計ムーブメント2における中間車8の円板(図示せず)を駆動ピニオン16と同じ高さに有利に低くすることができることが理解されよう。これは、時計ムーブメント2における空間を有利に解放し、それにより体積を大きくすることができ、したがってテンプ輪の慣性を大きくすることができる。したがって時計ムーブメント2における等時性の品質が改善され、また、走行の変化が小さくなり、その一方で脱進機機構4のための極めてコンパクトなセッティングが得られる。
【0023】
中間車8は駆動ピニオン16とかみ合い、また、駆動ピニオン16に原動力を伝達する。中間車8は、時計ムーブメント2のバレルによって駆動される最終列における最後の車、典型的には秒車であってもよい。
【0024】
テンプ板(図には示されていない)は、テンプ輪およびひげぜんまいによって形成される振動子に固着されている。テンプ板は、板くぎおよび直接衝撃パレット石(いずれも示されていない)を支えている。板くぎはルビーでできていることが好ましい。直接衝撃パレット石は、第1の脱進機車14の歯と協同するようになされている。直接衝撃パレット石は、ルビーでできたリフトからなっていることが好ましい。
【0025】
図1図2および図3bに例証されているように、パレット12は、サポート23、パレット入口24、衝撃パレット石26、および第1の支持パレット石28aおよび第2の支持パレット石28bを含む。パレット12は、時計ムーブメント2の中にピボットで取り付けられている。より正確にはパレット12のサポート23は、優先的に潤滑されるピボット32を備えた軸30を含む。図1および図2から分かるように、パレットは駆動ピニオン16と共面であることが好ましい。パレット入口24は板くぎと協同している。そのために、パレット入口24は、例えば、板くぎと協同するように構成されたフォーク34を備えている。衝撃パレット石26は、衝撃ピニオン18の歯と協同するようになされている。図1および図2に例証されているように、衝撃パレット石26は、衝撃パレット石26が、サポート23に対して支持パレット石28a、28bとは反対側に、衝撃ピニオン18の歯と同じ高さに展開する高さh1を有することが好ましく、その高さは軸X1に沿って測定される。
【0026】
第1の支持パレット石28aおよび第2の支持パレット石28bは、第1の脱進機車14と並んで展開しており、それぞれ第1の脱進機車14上の歯と協同するようになされている。衝撃パレット石26および/または第1の支持パレット石28aおよび第2の支持パレット石28bは、それぞれルビー・リフトからなっていることが好ましい。より正確には、図1乃至図4bに例証されているように、パレット石26、28a、28bの各々は、パレット12の厚さの中に形成された溝36の中に係合した単一片のルビー石でできている。
【0027】
また、本発明は、既に説明した脱進機機構4、およびひげぜんまいを備える時計ムーブメント2に同じく関しており、同軸脱進機機構4のテンプ板はひげぜんまいに固着されている。
【0028】
また、本発明は、このような時計ムーブメント2を備える時計1に同じく関している。
【符号の説明】
【0029】
1 時計
2 時計ムーブメント
4 脱進機機構(同軸脱進機)
6 三重同軸車
8 中間車
12 パレット
14 第1の脱進機車
16 駆動ピニオン
18 第2の脱進機車(衝撃ピニオン)
23 サポート
24 パレット入口
26 衝撃パレット石
28a 第1の支持パレット石
28b 第2の支持パレット石
30 軸
32 ピボット
34 フォーク
36 溝
X1 軸
h1 衝撃パレット石の高さ
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5