(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】位置情報に基づくプッシュ通知、および複数種のユーザー部類に亘る紹介
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20220830BHJP
【FI】
G06Q50/16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021080557
(22)【出願日】2021-05-11
(62)【分割の表示】P 2018536087の分割
【原出願日】2016-09-28
【審査請求日】2021-05-11
(32)【優先日】2015-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518105770
【氏名又は名称】デベロッピング・ソフトウェア・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】DEVELOPING SOFTWARE LLC
【住所又は居所原語表記】1004 W.13th Street,Suite 240,Vancouver,Washington 98660 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】トロイ・ジョンズ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・コーリー
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-271720(JP,A)
【文献】特開2010-198375(JP,A)
【文献】特開2009-282932(JP,A)
【文献】特開2014-219727(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0235332(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、下記のステップを含む方法を実行する手段として機能させるためのプログラムであって、
前記方法が、
前記コンピュータの有するプロセッサによって、第一のモバイル装置の有するGPSセンサーからの現在の位置情報データに基づいて、第一の部類に属する第一のユーザーが、売りたし物件の第一の所定の近傍内に居るかどうかを判断し、前記売りたし物件は、前記第一の部類に属する前記第一のユーザーのユーザープロファイル中で指定される一種以上のパラメータを有するステップと、
前記プロセッサによって、第二のモバイル装置の有するGPSセンサーからの現在の位置情報データに基づいて、第二の部類に属する第二のユーザーが、前記売りたし物件の第二の所定の近傍に居るかどうかを判断するステップと、
前記プロセッサによって、前記売りたし物件および少なくとも前記第二の部類に属する前記第二のユーザーを指定する通知を、前記第一のモバイル装置へと伝送するステップと、
前記プロセッサによって、前記第一のモバイル装置から、前記第二の部類に属する前記第二のユーザーに対する選択を示したメッセージを受信するステップと、
前記プロセッサによって、前記第二のモバイル装置へ、前記第一のモバイル装置と前記第二のモバイル装置とを通信により繋げるための要求を送信するステップと
を含む
ことを特徴とする、
プログラム。
【請求項2】
前記第一の部類が顧客に関連づけられ、前記第二の部類が業者に関連づけられる、請求項1に記載の
プログラム。
【請求項3】
前記一種以上のパラメータが、位置、価格帯、部屋数、浴室・便所の数、土地坪数、面積、学区格付け、および犯罪統計のいずれかを含む、請求項1に記載の
プログラム。
【請求項4】
前記第二のモバイル装置へ、前記第一のモバイル装置と前記第二のモバイル装置とを通信により繋げるための要求を送信するステップが、前記第一のモバイル装置と前記第二のモバイル装置とを仲立つデータストリームサービスとしてアプリケーションサーバを動作させることを含む、請求項1に記載の
プログラム。
【請求項5】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、前記第二の部類に関連づけられる複数の第二のモバイル装置に対して照会することにより、選択された売りたし物件に関連づけられる複数の第二のユーザーの現況を特定し、前記第二のモバイル装置からのメッセージを前記アプリケーションサーバが受信した場合に、前記第二のユーザーの前記現況を受付可能であると指定するステップと、
前記プロセッサによって、複数の第二のユーザーのうちから受付可能である旨の現況を有していると判断された前記第二のユーザーおよびその他の第二のユーザーを含んだ第二のユーザーの一覧を、前記第一のモバイル装置に対して送るステップと
を含む、請求項4に記載の
プログラム。
【請求項6】
前記複数の第二のユーザーが、内覧の通知を受付可能である旨の通知に関する現況を有する、請求項5に記載の
プログラム。
【請求項7】
前記売りたし物件の前記第一の所定の近傍が、前記第一のモバイル装置の前記第一のユーザーによって設定可能である、請求項1に記載の
プログラム。
【請求項8】
コンピュータを、下記のステップを含む方法を実行する手段として機能させるためのプログラムであって、
前記方法が、
第一の部類に属する第一のユーザーに関連づけられる第一のモバイル装置
が有するプロセッサにより、GPSセンサーに基づいて、前記第一のモバイル装置の決定された現在の位置から或る距離内に在ることが知られている複数の物件を特定するステップと、
前記
プロセッサにより、前記複数の物件のうちから物件を選択し、選択された物件は前記第一のモバイル装置の座標に関連づけられるステップと、
前記
プロセッサにより、選択された物件に関連づけられる第二のユーザーの一覧を、前記第一のモバイル装置上で表示するために生成し、前記第二のユーザーの一覧は、選択された物件の内覧を受付可能である旨を前記第二のユーザーの一覧中の現況に基づいて指定したものであるステップと、
前記
プロセッサにより、前記第一のユーザーによる入力かまたは最近傍である第二のユーザーの自動選択かに基づいて、前記第二のユーザーの一覧のうちから第二のユーザーを選択し、ここで最近傍であることは、物件と最近傍となる第二のユーザーの有する装置との相対的GPS位置に基づいて決定されるステップと、
前記
プロセッサにより
、前記第一のモバイル装置上
にインストールされた通信機能によって、前記第一のモバイル装置を選択された第二のユーザーに繋ぐステップと
を含む
ことを特徴とする、
プログラム。
【請求項9】
複数の第二のユーザーのうちの第二のユーザーに関連づけられる第二のモバイル装置からメッセージを受信した場合に、前記第二のユーザーの現況を受付可能である旨に指定し、
前記第二のユーザーの一覧が、受付可能であると指定された複数の第二のユーザーのうちから第二のユーザーをまとめたものである
ことを特徴とする、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項10】
前記第一のモバイル装置の座標が、前記複数の物件のうちの物件の近傍内に在る前記第一のモバイル装置の位置情報を含む、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項11】
前記第一のモバイル装置の座標が、前記第一のユーザーに関連づけられた前記第一のモバイル装置で、前記第一のユーザーが物件を指している際の前記第一のモバイル装置の向きを含む、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項12】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、前記第一のモバイル装置の決定された位置から前記距離内に在る複数の物件についての地図を表示するステップと、
前記プロセッサによって、前記地図上に前記第一のモバイル装置の位置を表示するステップと
を含み、
前記第一のモバイル装置の座標が、位置と、前記第一のモバイル装置が指している向きとを含む
ことを特徴とする、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項13】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、前記第一のモバイル装置上に前記第二のユーザーの一覧を表示するステップ
を含み、
前記第二のユーザーの一覧のうちの第二のユーザーに関連づけられる要素が、選択された際に前記第二のユーザーに関するプロファイルを提供するように構成された仮想ボタンを含む
ことを特徴とする、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項14】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、選択された第二のユーザーに関する情報を表示し、かつ、地図上で選択された物件に関連させて、選択された第二のユーザーの位置を表示するステップ
を含む、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項15】
前記第一のモバイル装置の決定された位置からの距離が
、距離の加減に関する入力を受信することに応じて、
前記プロセッサにより調整可能である
ことを特徴とする、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項16】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、交通情報データに基づいて、選択された第二のユーザーが、選択された物件へ到着する時間を見積るステップと、
前記プロセッサによって、前記第一のユーザーに、見積った到着時間を提供するステップと
を含む、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項17】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、選択された物件に関する前記第二のユーザーの一覧を前記第一のモバイル装置上に表示するために生成するのに先立って、顧客用アプリケーションが促進した以前の内覧について、別の第二のユーザーをレビューするよう前記第一のユーザーに促すステップ
を含む、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項18】
さらに
前記方法が、
前記プロセッサによって、名称、画像、および物件に関する興味のいずれかを含んだプロファイルを、前記第一のモバイル装置の前記第一のユーザーについて確立するステップと、
前記プロセッサによって、前記第一のユーザーに対して、前記モバイルアプリケーションを操作するに際して、前記プロファイルへのサインインを求めるステップと
を含む、請求項8に記載の
プログラム。
【請求項19】
顧客用アプリケーションと業者用アプリケーションとのあいだの通信を管理するための方法
を実行する手段として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記方法が、
アプリケーションサーバ
が有するプロセッサによって、顧客用装置からの照会に応じて、GPSセンサーに基づいて前記顧客用装置の決定された現在の位置から或る距離内に在る複数の物件に関するデータを、前記顧客用装置へと与えるステップと、
前記アプリケーションサーバ
が有する前記プロセッサにより、前記顧客用装置から、前記複数の物件のうちから選択された物件を受信するステップと、
前記アプリケーションサーバ
が有する前記プロセッサにより、複数の業者プロファイルに関する業者用装置へ照会を送ることで、選択された物件に関する前記複数の業者プロファイルの現況を特定し、ここで前記複数の業者プロファイルのうちの業者プロファイルの現況は、前記アプリケーションサーバが業者プロファイルに関する業者用装置からメッセージを受信した際に、受付可能である旨に指定されるステップと、
前記アプリケーションサーバ
が有する前記プロセッサにより、前記複数の業者プロファイルのうちから、受付可能である旨の現況を有する業者プロファイルの一覧を、前記顧客用装置に対して送信するステップと、
前記アプリケーションサーバ
が有する前記プロセッサにより、前記顧客用装置から、前記業者プロファイルの一覧のうちから選択された業者プロファイルを受信するステップと、
前記アプリケーションサーバ
が有する前記プロセッサにより、前記顧客用装置と前記業者用装置とのあいだのデータストリームサービスを仲介す
ることで、前記顧客用装置を前記業者用装置に繋げるステップと
を含む
ことを特徴とする、
プログラム。
【請求項20】
さらに
前記方法が、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、以前の内覧に基づいた別の業者のレビューを求めるプロンプトを、前記顧客用装置に生成させるメッセージを送信するステップと、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、前記顧客用装置に業者の一覧を送信するのに先立って、前記顧客用装置からの前記別の業者のレビューを含んだ応答を受信するステップと
を含む、請求項19に記載の
プログラム。
【請求項21】
さらに
前記方法が、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、前記顧客用装置を前記業者用装置に繋げた後に、前記業者プロファイルの現況を受付不能である旨に更新するステップと、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、前記業者用装置から、内覧が終わったことを示すメッセージを受信するステップと、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、前記メッセージの受信に応じ、前記業者プロファイルの現況を、受付可能である旨に更新するステップと
を含む、請求項19に記載の
プログラム。
【請求項22】
さらに
前記方法が、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、前記顧客用装置を前記業者用装置に繋げた後に、前記業者プロファイルの現況を受付不能である旨に更新するステップと、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、移動時間と、少なくとも一種の内覧時間履歴とに基づいて、内覧時間を見積もるステップと、
前記アプリケーションサーバが有する前記プロセッサにより、見積った内覧時間が経過したことに応じて、前記業者プロファイルの現況を、受付可能である旨に更新するステップと
を含む、請求項19に記載の
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、この参照により全容がここに含まれる米国特許仮出願第62/233,953号(2015年09月28日出願)の優先権を請求する。
【0002】
本出願は、この参照により全容がここに含まれる米国特許出願第15/277,818号(2016年09月27日出願)の優先権を請求する。
【0003】
[技術分野]
本出願は概して、近接していることに基づいたコンテンツ共有に関し、特には、ユーザー同士が接近していることに基づいて第一のプロファイル部類に属するユーザーを第二のプロファイル部類に属するユーザーに繋げることに関する。
【背景技術】
【0004】
従来の不動産業者(エージェント)は、顧客の方から接触してくるのを待って、不動産業者が関知している物件群から顧客が物件選びをしたいというのに対応してきた。だがこのような過程においては、顧客が関心を持っている物件からは離れた場所で(例えば不動産業者のオフィスでリモートコンピュータを介して)、その物件を特定しなくてはならない。また不動産仲介業者とは電話や面談で連絡を簡単に取ることはできるが、彼らは特定の物件だけを対象にしているわけではない。
【発明の概要】
【0005】
ここに開示する技術の或る態様ではアプリケーションサーバを用いる。当該アプリケーションサーバでは、第一のプロファイル部類に属するユーザーと第二のプロファイル部類に属するユーザーとが接近したことに基づき、そのユーザー同士を繋げるように管理する。すなわち当該アプリケーションサーバは、第一のモバイル装置からの位置情報データに基づいて、第一の部類に属する第一のユーザーが、売りたし物件の所定の第一の近傍内に居るかどうかを判断する。この売りたし物件が、第一の部類に属する第一のユーザーについてのユーザープロファイル中で指定される一種以上のパラメータを有していてもよい。またアプリケーションサーバは、第二のモバイル装置からの位置情報データに基づいて、第二の部類に属する第二のユーザーが、売りたし物件の所定の第二の近傍内に居るかどうかを判断する。そしてアプリケーションサーバは、売りたし物件および少なくとも第二の部類に属する第二のユーザーを示す通知を、第一のモバイル装置へと送る。するとアプリケーションサーバは、第一のモバイル装置から、第二の部類に属する第二のユーザーの選択についてのメッセージを受け取ることになる。このようにしてアプリケーションサーバは、第一のモバイル装置と第二のモバイル装置との繋がりを促せるわけである。
【0006】
本開示に係る技術の或る態様ではモバイルアプリケーションを用い、第一のプロファイル部類に属するユーザーと第二のプロファイル部類に属するユーザーとが接近したことに基づいて、そのユーザー同士を繋げるように管理する。第一のモバイル装置上で稼動するモバイルアプリケーションは、定めた第一のモバイル装置の位置から、或る距離内に在ることが知られている複数の物件を特定できる。第一のモバイル装置は、第一の部類に属するユーザーに関連づけられる。当該モバイルアプリケーションは、その複数の物件のうちから或る物件を選択できる。そうして選ばれた物件は、第一のモバイル装置の座標(position)と関連づけられることになる。当該モバイルアプリケーションは、選択された物件に関連する第二のユーザー一覧を生成し、第一のモバイル装置上で表示できるようにする。この第二のユーザー一覧中の第二のユーザーについては、現況に基づき、選択された物件の内覧を受付可能な状態にあればその旨が表示される。また当該モバイルアプリケーションは、第一のユーザーによる入力か、もしくは最近接の第二のユーザーを自動選択することかのいずれかによって、第二のユーザー一覧の裡から第二のユーザーを選択できる。そして当該モバイルアプリケーションは、そのモバイルアプリケーション固有の通信機能を用いるか、もしくは第一のモバイル装置がデフォルトで有する通信アプリケーションを介した通信を指示することによって、第一のモバイル装置を、選択された第二のユーザーの持つ第二のモバイル装置へと繋げる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】種々の実施形態に係る、直近物件購入ネットワークを示すブロック図である。
【
図2】種々の実施形態に係る、直近物件購入アプリケーションの動作を示したフローチャートである。
【
図3】種々の実施形態に係る、業者引き合わせアプリケーションの動作を示したフローチャートである。
【
図4】種々の実施形態に係る、直近物件購入ネットワークを示すブロック図である。
【
図5】種々の実施形態に係る、直近物件購入アプリケーションの動作を示したフローチャートである。
【
図6A】種々の実施形態に係る、モバイルアプリケーションが生成したグラフィカル要素を表示しているモバイル装置のGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)である。
【
図6B】種々の実施形態に係る、モバイルアプリケーションが生成したグラフィカル要素を表示しているモバイル装置のGUIである。
【
図6C】種々の実施形態に係る、モバイルアプリケーションが生成したグラフィカル要素を表示しているモバイル装置のGUIである。
【
図7A】種々の実施形態に係る、顧客(クライアント)に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図7B】種々の実施形態に係る、顧客に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図7C】種々の実施形態に係る、顧客に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図7D】種々の実施形態に係る、顧客に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図7E】種々の実施形態に係る、顧客に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図8A】種々の実施形態に係る、業者に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図8B】種々の実施形態に係る、業者に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーションを表すフローチャートである。
【
図9A】種々の実施形態に係る、顧客用装置と業者用装置とにおける通信を管理する様を描いた図である。
【
図9B】種々の実施形態に係る、顧客用装置と業者用装置とにおける通信を管理する様を描いた図である。
【
図9C】種々の実施形態に係る、顧客用装置と業者用装置とにおける通信を管理する様を描いた図である。
【
図10】
図10は、上述した装置を実施可能であり且つ本開示に係る方法もしくはモジュールの一種以上を機械に行わせるための命令の組を実行可能であるような、コンピュータシステムを模式的に描いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここに開示する技術に係る或る態様では、第一の部類に属するユーザー(物件の買い手など)と第二の部類に属するユーザー(不動産業者)との双方が特には売りたし不動産物件の近傍に居ることに基づいて、前者のユーザーを後者のユーザーに繋げる。
【0009】
顧客が一件以上の物件を評価するべく或る拠点へと移動しているとしよう。その顧客は通りすがりにいたく興味をそそられる物件を見つけてしまう。そこでモバイル装置を使ってモバイルアプリケーションにアクセスする。このモバイルアプリケーションは、装置に搭載されている位置情報検出サービスを使って顧客の位置を割り出し、さらに位置情報データを物件一覧データと相互参照することで、顧客の近傍に在る物件を識別する。
【0010】
またモバイルアプリケーションは、顧客の近傍に在る物件に関連する一名以上の不動産業者を識別することで、不動産業者の一覧を生成できる。例えば或る物件について、登録されているかおよび/もしくは近くに居る業者を、当該物件と関連づけてよい。そうした不動産業者一覧には付加的な情報を含めてもよく、例えば顧客による採点評価、レビュー、販売履歴などを含めてもよい。顧客には、不動産業者の一覧(目録)が与えられるようにしてもよい。顧客はモバイルアプリケーションを使い、一名以上の不動産業者と連絡を取ることで、その顧客の直近に在る物件の閲覧をすぐにでも行えるよう調整できる。位置情報に基づいたシステムを活用して顧客と不動産業者の連絡を取り持つことによって、不動産業者を受付可能な住宅の傍へと誘引することができ、しかも顧客が売りたし物件を渡り歩きやすくもなる。
【0011】
[術語]
本出願全般を通して使用する用語、略語、および字句について以下簡潔に定義する。
【0012】
本明細書において「或る実施形態」(one embodiment, an embodiment)を参照するときには、その実施形態に関して記載する特定の特徴、構造、もしくは特性が、本開示が有している一個以上の実施形態群に含まれている旨を意味している。本明細書中で頻出する「或る実施形態においては」(in one embodiment)なる語句は、いつも同じ実施形態を指しているとは限らないし、またその全てがその他の実施形態と排他な別々の実施形態である必要もない。さらには、種々の特徴は或る実施形態では呈示されてもよいがその他の実施形態では呈示されないというようにも記載されている。同様に、種々の要件は或る実施形態については必要であるがその他の実施形態では不要であるというようにも記載されている。
【0013】
別段の定めがないかぎりは、本明細書と特許請求の範囲全般に亘り、「含む」(comprise, comprising)という語およびその類は、包括的な意味合いで解釈されるべきであって、排他的もしくは消尽的な意味合いのものではない。要するに、「含むがそれらに限定はされない」(including, but not limited to)という意味であるということである。本明細書においては、「接続した」(connected)、「結合した」(coupled)という語もしくはその類は、二個以上の要素の間における任意の接続もしくは結合のことを指し、直接であるか間接であるかは問わないものとする。そうした要素間の結合もしくは接続は、物理的なものであってもよいし、論理的なものであってもよいし、またはその組み合わせであってもよい。例えば二個の装置が、直接結合していてもよいし、あるいは一個以上の中間チャネルもしくは中間装置を挟んで結合していてもよい。別の例として、装置同士が物理的な接続を互いに共有してはいないものの、情報がその間を行き来できるようなやりかたで結合を行ってもよい。また本願において使用された場合の「ここで」(herein)、「上述」(above)、「後述」(below)といった語、および類似の意味の語は、本願の全体を指していると解釈すべきであって、本願の特定の箇所のみを指しているというわけではない。文脈が許す場合には、本願の発明の詳細な説明における単数形もしくは複数形の語はそれぞれ、複数形もしくは単数形をも包含していてもよい。二種以上の項目を掲げる一覧を参照する際に用いる「または」「もしくは」(or)という語は、「一覧中の項目のいずれかひとつ」(any of the items in the list)、「一覧中のすべての項目」(all of the items in the list)、および「一覧中の項目同士の任意の組み合わせ」(any combination of the items in the list)のいずれの解釈をも包括する。
【0014】
本明細書においては、或る部品や特徴が含まれることもしくは特性を有することが「可能」(may、can、could、might)であるという場合、そうした特定の部品もしくは特徴は必ずしも含まれていなくてもよいしその特性を有していなくてもよい。
【0015】
「モジュール」(module)という語は広汎に、ソフトウェア、ハードウェア、もしくはファームウェアのコンポーネント(またはそれらの任意の組み合わせ)のことを指す。モジュールは典型的には機能的コンポーネントであり、指定された入力を用いて有益なデータその他の出力を生成できる。モジュールは独立式であってもよいしそうでなくてもよい。アプリケーションプログラム(単に「アプリケーション」とも呼ぶ)には一種以上のモジュールを含めてよいし、あるいは、モジュールが一種以上のアプリケーションプログラムを含んでいてもよい。
【0016】
本願の発明の詳細な説明で使用される術語は、たとえ実施例に関して使われているものであったとしても、最も広く合理的な意味合いで解釈されるべき旨を企図している。本明細書において使用される用語は一般的に、当該技術分野での通常の意味、本開示の文脈における通常の意味、および各用語が使われる特定の文脈における通常の意味を有している。便宜上、いくつかの用語については(大文字、斜体、および/もしくは引用符などを用いて)強調していることがある。なお強調を用いていたとしても、用語の範囲と意味に影響しているわけではない。強調があろうとなかろうと、同じ文脈においては用語の範囲と意味は同じままである。なお同じ要素について、複数のやりかたで記載する場合があることも理解されたい。
【0017】
したがって、本明細書で論じる用語のうちの一種以上について、別の文言と類義語を使うこともある。しかしながら用語が本明細書で詳述か議論されているか否かによって、特別な意義が出てくるというわけではない。一種以上の類義語について説明していたとしても、その他の類義語を用いることを排除しているわけではない。本明細書のどこで例(本明細書で論じる用語の例示を含む)を用いていたとしても、それはあくまで解説のためであり、本開示もしくは例示された用語の範囲および意味をさらに限定することを企図するものではない。同様に本開示は、本明細書に示される種々の実施形態群に限定されるものではない。
【0018】
図1は、種々の実施形態に係る直近物件購入ネットワークを示すブロック図である。このサービスでは、顧客と不動産業者(単に「業者」とも言う)が別々のモバイル装置(買い手用モバイル装置 132 と業者用モバイル装置 152 など)を使っている。この買い手用モバイル装置 132 および業者用モバイル装置 152 は、プロセッサ(プロセッサ 142 およびプロセッサ 162 など)を含むことで、近接に基づくモバイルアプリケーション(買い手用モバイルアプリケーション 130 および業者用モバイルアプリケーション 150 など)の命令を実行できる。またこれらの装置は、UI(ユーザーインターフェイス、UI 138 およびUI 158 など)を含み、さらにメモリ(メモリ 134 およびメモリ 154 など)とそれに伴うインスタンス化されたオペレーティングシステム(OS 140 およびOS 160 など)ならびにアプリケーションソフトウェア(買い手用モバイルアプリケーション 130 および業者用モバイルアプリケーション 150 など)も含む。或る実施形態では、そうしたアプリケーションソフトウェアが二種の別の版を含んでいて、うち一種が顧客用(買い手用モバイルアプリケーション 130 など)であり他方が業者用(業者用モバイルアプリケーション 150 など)であってもよい。別の実施形態では、そうしたアプリケーションが単独の版だけを有し、そのアプリケーションの実行により生成されるグラフィック要素が、ログインクレデンシャル情報に基づいて変化するようになっていてもよい。例えば顧客に関連するユーザーと、業者に関連するユーザーとでは、タッチスクリーンディスプレイ上に表示されるグラフィック要素が異なっているようにできる。そうしたログインクレデンシャル情報では、ユーザーアカウント作成時に行った査定結果に基づいて、そのユーザーが顧客であるのか業者であるのかを示せる。
【0019】
各装置はさらに、ネットワーク送受信機(ネットワーク送受信機 146 およびネットワーク送受信機 166 など)を有することで、一種以上のネットワークへ接続できる。そうしたネットワークとしては例えば、携帯電話通信網、インターネット 108 、VPN(仮想閉域網)などが挙げられる。各モバイル装置は、位置情報サービス装置(位置情報サービス 136 および位置情報サービス 156 など)を介して、自身の位置情報を取得できるように構成されている。位置情報の取得にあたっては、GPS(汎地球測位システム)、携帯電波塔を用いた三角測量法、IP(インターネットプロトコル)アドレス位置情報、またはその他の位置決定サービスのうちの一種以上を使うことで、モバイル装置の位置を決定できる。或る実施形態に係るモバイル装置は他の装置(車輌など)と接続し、そのモバイル装置が接続している装置の有する一種以上の位置情報サービス装置(車輌の有するGPSや方位磁針など)を使って、位置情報の取得を行える。或る実施形態では、モバイル装置の有する位置情報サービス装置を、接続先の装置の有するモバイルサービス装置と組み合わせて使用してもよい。例えば携帯電話の有するGPSを、乗用車の有する方位磁針と組み合わせて使うことで、ユーザーの位置をGPSによって決定できると共に、ユーザーの方角(進行方向および/もしくはユーザーが向いている方向など)を、モバイル装置が接続している乗用車の有する方位磁針により決定できる。
【0020】
またアプリケーションソフトウェアは、物件目録についての一種以上のデータベース(目録データベース 104 など)を参照するように構成されている。物件目録についての一種以上のデータベースとしては、the Multiple Listing Service(MLS)、その他の目録サービス、または目録サービスの任意の組み合わせといったものが挙げられる。そうした一種以上のデータベースでは標準化データ形式を使用でき、例えばthe Real Estate Transaction Standard(RETS)などを使用できる。アプリケーションソフトウェアが各データベースにアクセスするにあたっては、外部ブラウザとして行ってもよいし、もしくは組込み式検索器としてでもよい。組込み式検索器としてのアプリケーションソフトウェアは、顧客か業者のいずれかの周囲の近傍区域に在る受付可能な売りたし物件についてのデータベース記録を直接に検索できる。
【0021】
ここで言う「近傍区域」(tight area)の大きさは、ユーザーの属する部類によって変化する。業者用アプリケーションにより検索される区域は、顧客用アプリケーションにより検索されるそれよりも大きくできる。例えば顧客用アプリケーションがユーザーの位置から1マイル(約1.6km)以内を検索するようにし、一方業者用アプリケーションが30マイル(約48.3km)以内を検索するようにできる。別の実施形態では、顧客にとっての近傍区域が100フィート(約30.5m)からなり、業者にとっての近傍区域が15マイル(約24.1km)からなるようにしてもよい。
【0022】
近傍区域は方角に基づいたものであってよく、つまり特定の方角に在る物件を検索するようにできる。例えばモバイル装置に組み込まれたモーションセンサー(ジャイロスコープや方位磁針など)を使って、ユーザーが向いている方角を予測し、それに関連する方角に在る物件を呈示するようにできる。別の例として、別の装置(乗用車など)に組み込まれたモーションセンサーを使ってユーザーの向きを予測して、それと関連する方角に在る物件を呈示してもよい。なおユーザーの向きに基づいた近傍区域内の物件を呈示する手法に関しては、
図6Aにからめて後で詳述する。
【0023】
こうした大きさを持つ区域内での検索を設定するにあたっては、顧客が物件目録を検索して顧客がその直近に居る物件を見出だし、かつその近くに現在居る業者を探し出すというアプリケーションの機能を考慮して行う。またユーザーの予測される向きに基づいて近傍区域を用意することで、例えばユーザーに関心ある物件の方角に向けてモバイル装置を持たせるようにさせたり、その物件の受付が可能な業者がどれなのかをすみやかに決定できたりといったことができる。
【0024】
記録一覧のデータベースに直接照会する代わりとして、商用目録サービス(Zillow(商標)やTrulia(商標)など)、独立系業者の目録ページ、または当該技術分野で知られる他の適切な商用サービスを、或る実施形態に係るアプリケーションソフトウェアにスクレイピングまたはクロールさせて結果を得るように構成してもよい。つまりはアプリケーションソフトウェアが、商用サービスwebページにアクセスし、検索を行いたいユーザーに関連する近傍区域に基づいて照会し、目録から結果をスクレイピングし、その結果をさらにフィルタリングして関連する近傍区域に絞り(商用サービスが区域検索を本明細書の記載に合わせて提供できるとは考えにくいので)、そしてその結果を当該アプリケーションソフトウェア内部で妥当なものとして取り扱う、という流れである。
【0025】
商用サービスwebサイトが検索結果を呈示するにあたっては、テキスト形式の目録に代えて地図上のノードとして示すような例があってもよい。この場合にはアプリケーションソフトウェアが、それぞれの「ノード」に関する埋込ページコードからデータをスクレイピングする。関連データを取得できるように商用サービスからのノードを付した地図については、顧客用モバイル装置もしくは業者用モバイル装置の上での実際の表示は行わないようにしてもよい。その場合でもページ表示の関連コードは、検索結果を得るために解析されることになる。
【0026】
モバイル装置(買い手用モバイル装置 132 および業者用モバイル装置 152 など)は、アプリケーションソフトウェアを介して、アプリケーションサーバ 102 上の一種以上の業者データベース 106 とさらに通信できる。アプリケーションサーバ 102 には、アプリケーションソフトウェア 122 のサーバ側コンポーネントを含み、さらには一種以上のアカウント管理データベース 112 も含む。アカウント管理データベース 112 には、必要に応じてログインクレデンシャル情報に関するデータを格納し、さらには顧客と業者のアカウントの区別に関するデータも格納する。業者データベース 106 には、アプリケーションソフトウェアに登録された業者についての顧客による評価(カスタマーレビュー)が格納される。或る実施形態では、上述したデータベースのそれぞれが、単独のサーバ上に存在していてもよいし、あるいは複数のサーバ上に存在していてもよい。
【0027】
図2は、種々の実施形態に係る、直近物件購入アプリケーション(買い手用モバイルアプリケーション 130 など)を実行することで行われる方法を表したフローチャートである。顧客がこのアプリケーションソフトウェアに繋ぐと、アプリケーションはその顧客の位置を割り出す(ステップ 202 )。そしてアプリケーションは近傍区域内に在る受付可能な物件を特定する(ステップ 204 )。上述したように位置情報と売りたし物件の在る近傍区域が定まると、これらのデータを相互参照して、どの物件が顧客の傍に在るか(例えば顧客のすぐ隣や目の前に在るなど)を判断する(ステップ 206 )。
【0028】
顧客の直近に在る売りたし物件を割り出すにあたっては、上述した相互参照の結果に基づいて何らかの計算を行う。或る実施形態に係るモバイルアプリケーションでは、売りたし物件の識別と選択を行って、その売りたし物件の受付が可能な業者の一覧を提供できる。例えば近傍区域内に一件のみ売りたし物件があるという場合には、モバイルアプリケーションはその唯一の売りたし物件を選択できる。あるいは別の手法として、近傍区域内の売りたし物件が一件のみ選択されるようになるまで、近傍区域を狭く絞っていくフィルタリングを行ってもよい。さらに別の手法として、顧客の持つモバイル装置の位置に最も近い売りたし物件を、選択するようにしてもよい。なおも別の手法として、(モバイル装置が有する方位磁針などを使って)顧客が向いている方角に在る売りたし物件を選択するようにしてもよい。
【0029】
位置情報サービスが十分に正確でない場合には、上述したようなフィルタリングに付加的な要素を適用することで、単独のエントリへ辿りつけるようにしてもよい。そうした要素としては、顧客用アプリケーションのアカウントプロファイルにて適用される、物件に関する設定が挙げられる。そした設定としては例えば、位置、希望価格、物件の大きさ、物件の設備(部屋、浴室、便所、プールなど)、またはその他の適切な設定が含まれる。あるいは別の手法として、顧客が大型の分譲地内に居てそこには複数件の売りたし物件があるという場合には、アプリケーションがその分譲地全体を選択しておいて、顧客が居るおおよその住所を記録し、その後に使えるようにしてもよい。或る実施形態では、こうしたフィルタリング方法のうちの一部もしくは全部を組み合わせて用い、関連する選択物件を決定するようにもできる。
【0030】
別の実施形態に係るモバイルアプリケーションでは、複数件の売りたし物件を指定し、ユーザーからの入力を受けるように構成されたタッチスクリーン装置上のGUIにエレメント(要素)を生成することで、それら複数件の売りたし物件から売りたし物件を選択できるようにする。アプリケーションは、相互参照結果を表示し、それらの売りたし物件のうちから、番地、写真、地図、距離、もしくはモバイル装置の向きを考慮して、ユーザーが物件を選択できるようにする。例えば地図上に複数件の売りたし物件を表示して、ユーザーがそのうちのいずれかの売りたし物件の方へモバイル装置の上部を向けるように持つと、そのモバイル装置が指している売りたし物件のことをユーザーが選択した、とアプリケーションが判断するようにしてもよい。
【0031】
選択された物件(もしくは物件群)をアプリケーションが決定すると、メッセージが複数の業者用装置へと送られる。その選択物件の内覧を受付可能な業者は、現況が「受付可能」になるよう設定される。現況が「受付可能」である業者の一覧は、顧客用装置(クライアント装置)へと送られる。顧客用装置上で動いているアプリケーションは、受付可能であり且つ選択物件の業者対象近傍区域内に現在居る業者の一覧を、顧客に与える(ステップ 208 )。顧客は、そうした業者一覧に加え、受付可能な業者ごとの顧客/業者評価もディスプレイ上で見ることができる。また、付加的な情報も表示するようにしてもよく、例えば業者の経歴、信用斡旋業者へのリンク、業者が選択物件の内覧を用意できるまでの目安(見積もり)時間、および業者のwebサイトへのリンク、といったものを表示できる。
【0032】
そして顧客は、業者のうちの一名を選択して連絡を取る相手とし、アプリケーションは顧客とその選択された業者とのあいだの通信を促す(ステップ 210 )。選択された業者へと、アプリケーションはデフォルトの通信手法もしくはユーザーが選んだ通信手法を介して連絡を取る(ステップ 210 )。その後に業者は、その物件の内覧ができるようになるまでどれくらい時間がかかるかを顧客へ呈示する。業者の到着までにかかる目安時間を既に示してあった場合には、その目安時間を更新して顧客に見せることもできる。顧客はそれを了承してもよいし、あるいは別の業者に乗り換えてもよい。例えば更新された到着時間が、目安の到着時間よりも実質的に長かった場合には、顧客は別の業者に乗り換えることができる。また或る実施形態では、選択した業者により顧客が物件の内覧をした場合、その顧客はその業者を使うべしなる旨、顧客の同意を取るようにしてもよい。
【0033】
そうこうした後に、顧客はアプリケーションを使って業者を評価でき、その評価は業者データベースに格納される(ステップ 214 )。顧客から受信した評価を使って、その業者の総合評価を更新するようにもできる。また同様に業者も顧客を評価できるし、特定の顧客に不義理をされた旨をコメントしてもよい。顧客への評価は顧客データベースに格納され、顧客データベースはアプリケーションサーバ 102 の一部であってもよいしもしくは別のサーバに在ってもよい。業者から受信した評価を使って、顧客の総合評価を更新するようにしてもよい。
【0034】
図3は、種々の実施形態に係る業者引き合わせアプリケーションの動作を示したフローチャートである。このアプリケーションを業者が起動させると、従前に入力してあったプロファイルデータが読み込まれる(ステップ 302 )。このプロファイルデータに含まれるデータとしては例えば、業者の名前、画像、顧客からの評価、顧客からのコメント、対応可能地域、内覧可能な物件、およびこれまで販売した物件に関するデータが挙げられる。
【0035】
またプロファイルデータには、業者に関連づけられる位置情報の履歴データが含まれてよく、例えば、業者に関連づけられたモバイル装置が所定の期間を超える期間に亘って検出されていた位置、および/もしくは、業者に関連づけられたモバイル装置が所定の回数を超える回数を以って検出された位置などが含まれてよい。期間閾値は分単位から時間単位の範囲で設定してもよく、またデフォルトの期間閾値および/もしくは設定可能な期間閾値を有していてもよい。回数閾値は2以上であってよく、デフォルトの回数閾値(3回などに設定)を有していてもよいし、および/または、設定可能な回数閾値(業者が、デフォルトである3回から5回までの範囲で閾値を変更できるなど)を有していてもよい。また例えば位置情報サービスが(GPSの不調などによって)落ちていたりする場合に、アプリケーションが位置情報履歴データを使って、業者の位置を予測してもよい。あるいはアプリケーションが位置情報履歴データを用いて、位置情報サービスの精度を高めてもよい。例えば或る売りたし物件の傍で業者が先週に4回検知されていて、且つ現在その業者がその売りたし物件の半径約200フィート(約61m)以内に居るとGPSで判断できたという場合には、アプリケーションがその業者がその売りたし物件の傍に居ると判断してもよい。
【0036】
そして業者は「アクティブモード」に入り、この特定の業者が手隙であり物件の内覧を用意できる旨を、アプリケーションソフトウェアがアプリケーションサーバへと伝える(ステップ 304 )。アプリケーションは引き続き、その業者の位置情報を管理する。或る実施形態では、業者用装置の各々が業者の位置情報をアプリケーションサーバに申告するに際して、所定の時間間隔ごとにしてもよいし、あるいは最終更新時から或る距離を超えて移動した時点で行ってもよい。そうしてアプリケーションサーバは、顧客用装置のために業者一覧を作成するにあたり、どの業者の位置を調べればよいかをおおまかに掴めるようになる。
【0037】
このアプリケーションは、業者プロファイルに関するモバイル装置の位置を判断し、その業者に関するモバイル装置の近傍内で売りたし物件の検索を行うことによって、業者プロファイルとローカルの顧客プロファイルとの引き合わせを行う(ステップ 310 )。アプリケーションはその位置情報データを使うことで、業者対象近傍区域フィルタリングを行って近くに在る売りたし物件を割り出す。売りたし物件の検索は、顧客用アプリケーションと同様に進むことにはなるが、ただしこのアプリケーションの場合には、業者対象近傍区域内の売りたし物件の一覧を取得すると、任意の顧客検索においてその業者対象近傍区域フィルター内で選択された物件を、業者が見られるようになっていてもよい。或る実施形態では、業者対象近傍区域内の物件のいずれかを内覧できる旨の意思表示を、業者は所定の期間内(5分間など)に行わなくてはならない。こうした所定の期間は、業者のプロファイルデータに応じて調整可能である。つまり業者対象近傍区域(半径2マイルなど)も、業者のプロファイルデータに応じて調整できるわけである。或る実施形態では、業者が選択した近傍区域に基づいて、所定の期間をアプリケーションが調節するようにしてもよい。例えば目安の移動時間に基づいて、所定の期間を指定するようにしてもよい。
【0038】
顧客が所与の業者を選び、選択物件の内覧を手配できたら、業者用アプリケーションはアクティブモードをオフにする。そして業者が物件に向かい、顧客に内覧させる。アプリケーションは、業者から内覧が終わった旨の入力を受けて、アクティブモードに復帰できる。アクティブモードへの復帰がなされると、顧客用装置のために作成される業者一覧の中で、その業者が再び受付可能な状態であるとして設定される。
【0039】
或る実施形態では、アクティブモードがオフになることが無く、業者が立て続けに内覧を手配できるようにしてもよい。また複数名の業者が協働する場合には、業者用アプリケーションも協働させて、一名の業者に対してアクティブモードがオフになっても、その業者のグループ全体としてはアクティブなままとなるようにしてもよい。
【0040】
図4は、種々の実施形態に係る直近物件購入システムを示すブロック図であって、
図1のシステムと類似しており特定の相違点を具えている。この直近物件購入システムには、アプリケーションサーバ 402 (アプリケーションサーバ 102 など)と、一種以上の目録データベース 404 (目録データベース 104 など)と、一種以上の業者データベース 406 (業者データベース 106 など)と、交通情報サービス 410 とを含めることができる。アプリケーションサーバ 402 には、サーバ側アプリケーション 412 とアカウントデータベース 422 とが含まれる。目録データベース 404 には、物件一覧アプリケーション 424 が含まれる。サーバ側装置(アプリケーションサーバ 402 など)は、ユーザー装置 432 および業者用モバイル装置 452 と通信するよう構成されている。
【0041】
ユーザー装置 432 は、ネットワーク送受信機 446 を介してサーバ側装置(アプリケーションサーバ 402 など)と通信する。ユーザー装置 432 の有するプロセッサ 442 は、メモリ 434 に格納されたモバイルアプリケーション 430 を実行するように構成されている。モバイルアプリケーション 430 が、ローカルOS 440 上で動くようにしてもよい。ユーザー装置 432 は、IP位置情報サービス 436 を含むことで、ユーザー装置 436 の位置を(GPSなどを介して)知ることができる。ディスプレイ 444 (タッチスクリーンディスプレイなど)により視覚情報がユーザー装置 432 のユーザー(顧客など)へと与えられ、またUI 438 によりユーザーからの入力を受け付ける。
【0042】
業者用モバイル装置 452 は、サーバ側装置(アプリケーションサーバ 402 など)と、ネットワーク送受信機 466 を介して通信する。業者用装置 452 の有するプロセッサ 462 は、メモリ 454 に格納されたモバイルアプリケーション 450 を実行するように構成されている。モバイルアプリケーション 450 は、業者用モバイル装置 452 のローカルOS 460 上で動くようにしてもよい。業者用モバイル装置 452 は、IP位置情報サービス 456 を含むことで、業者用モバイル装置 456 の位置を(GPSなどを介して)知ることができる。ディスプレイ 464 (タッチスクリーンディスプレイなど)により視覚情報が業者用モバイル装置 452 のユーザー(業者など)へと与えられ、またUI 458 によりユーザーからの入力を受け付ける。
【0043】
ユーザー装置 432 (デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイル装置など)を操作する顧客は、外部webサイトにて売りたし物件を閲覧でき、モバイルアプリケーション 430 へと誘導されるようになっていてもよい。或る実施形態では、インターネット 408 を介してアクセスする外部商用物件目録サービスのwebサイト上に、プラグインボタンを設けてもよい。このプラグインボタンによって、ユーザー装置 432 において商用物件目録サービスのwebサイトからモバイルアプリケーション 430 への遷移が可能になり、顧客が売りたし物件をすぐに内覧したいと希望を出せるようになる。別の実施形態では、ユーザーが外部商用物件目録サービスのwebサイトに付されたリンクを選択することで、直近物件購入システムが管理するwebページへと転送されるようにしてもよい。こうした手法の変形例については
図5にて述べる。
【0044】
図5は、種々の実施形態に係る、直近物件内覧アプリケーション(以下単に『内覧アプリケーション』とも称する)の動作を示したフローチャートである。顧客は、物件一覧アプリケーション 424 から内覧アプリケーション(サーバ側アプリケーション 412 など)を通じて物件を選択する。物件一覧アプリケーション 424 は、外部の商用物件目録サービスのwebサイトから目録データを取得し、目録データベース 404 を更新するように構成されている。内覧アプリケーションは、物件一覧アプリケーション 424 から売りたし物件を受け入れる(ステップ 502 )。
【0045】
内覧アプリケーションは、(IP位置情報サービス 436 から取得したデータに基づくなどして)ユーザーの位置を決定する(ステップ 504 )。位置の決定にあたっては、顧客がアプリケーションにアドレスを入力することに依ってもよいし、あるいは上述した位置検出手法のいずれかに依ってもよい。位置が定まった後、内覧アプリケーションは交通サービス(交通情報サービス 410 など)を用い、顧客が選択した物件に(運転、徒歩、自転車、公共機関などで)辿りつくまでにかかる目安時間を算出できる。内覧アプリケーションは算出した時間を使い、アクティブモードである業者のうちのいずれが選択物件に向かうことができるか、また算出した時間内に物件を内覧させられるかを判断できる(ステップ 506 )。また、算出した時間および/もしくは移動距離を使って、どの業者が特定の物件について受付可能な状態となるかを予想するようにしてもよい。また交通サービスを用いて、一個以上の業者用モバイル装置(業者用モバイル装置 452 など)の位置情報と、交通情報サービス 410 からの交通データとに基づいて、一名以上の業者の到着時間を見積るようにしてもよい(ステップ 508 )。その後、到着時間が所定の期間内(プラスマイナス5分の範囲など)になる業者を、(
図6Bに示したやりかたなどで)顧客に呈示する。
【0046】
業者(もしくは複数名の業者)が受付可能な状態にあるかどうかを判断するにあたっては、その業者(もしくは複数名の業者)に関連づけられた装置(もしくは複数の装置)へとメッセージを送る。このメッセージを業者用装置上の業者用アプリケーションに照会し、業者用アプリケーション中で指定される現況(受付可能や受付不能など)を決定するようにしてもよい。またこのメッセージを受けたときに、業者用アプリケーションが業者用装置上にプロンプトを出して、内覧希望に関する情報(物件の位置、内覧時刻など)と、業者からの要求情報(内覧を承諾するためのボタンや内覧を断わるためのボタンなど)とを呈示してもよい。
【0047】
受付可能と判断された業者たちを、業者一覧にまとめてもよい。そうした業者一覧は内覧アプリケーションが定めてもよいし、あるいは(アプリケーションサーバなどから)内覧アプリケーションへと送られてもよい。内覧アプリケーションは、ユーザー装置上で業者一覧を表示できる。
【0048】
内覧アプリケーションは、ユーザーからの入力を承けて、複数名の適格な業者から或る業者を選択するようにしてもよい。あるいは内覧アプリケーションが、適格な業者を自動的に選択することもできる。内覧アプリケーションがユーザーの選択を受けるにあたっては例えば、業者を選択する操作に関するタッチスクリーン上の領域に、ユーザーが触れた(もしくは触れそうになった)ことを検出してもよい。例えば、複数名の適格な業者のうちの或る業者の傍に設定された「Request Agent」(この業者を呼ぶ)と書かれた仮想ボタンに触れてもよい。別の実施形態では、内覧アプリケーションが業者を自動的に選択でき、例えば適格な業者のうちで最も近くに居る者や最も評価の高い者を選択できる。内覧アプリケーションに一種以上の設定をつけて、ユーザーが自動選択の手法を選べるようにしてもよい(最も近くに居る業者を選ぶ、最高評価を持つ業者を選ぶ、など)。こうした自動選択の手法を使うことで内覧アプリケーションは、ユーザーの手動入力に依るよりも素早く業者の選択を受けられる。
【0049】
アプリケーションは選択された業者に対し、デフォルトの通信手法もしくはユーザーが選ぶ通信手法を介して連絡を取る(ステップ 512 )。そして業者は、その物件の内覧をできるまでにどれくらい時間がかかるかを顧客へ伝える。あらかじめ業者の目安の到着時間が示されていた場合には、目安の時間を更新して顧客に伝え直してもよい。顧客は承諾をしてもよいし、あるいは別の業者に乗り換えてもよい。例えば更新された到着時間が、目安の到着時間よりも実質的に長かった場合、顧客は別の業者に乗り換える選択を行える。また或る実施形態では、選択した業者により顧客が物件の内覧をした場合、その顧客はその業者を使うべしなる旨、顧客の同意を取るようにしてもよい。
【0050】
そうこうした後に、顧客はアプリケーションを使って業者を評価でき、その評価は業者データベースに格納される(ステップ 514 )。顧客から受信した評価を使って、その業者の総合評価を更新するようにもできる。また同様に業者も顧客を評価できるし、特定の顧客に不義理をされた旨をコメントしてもよい。顧客への評価は顧客データベースに格納され、顧客データベースはアプリケーションサーバ 402 の一部であってもよいしもしくは別のサーバに在ってもよい。業者から受信した評価を使って、顧客の総合評価を更新するようにしてもよい。
【0051】
図6A~6Cは、種々の実施形態に係る、モバイルアプリケーションが生成したグラフィカル要素を表示しているモバイル装置のGUIを描いたものである。
図6A~6Cは、モバイルアプリケーション(買い手用モバイルアプリケーション 130 および/もしくはモバイルアプリケーション 430 など)で実装でき、モバイル装置の有するタッチスクリーンディスプレイによって、例えば複数件の売りたし物件(
図6A)や、複数名の適格な業者(
図6B)、選択した業者は選択した物件へ向かってくるさま(
図6C)といったものを表示可能である。
【0052】
図6Aは、或る実施形態に係るモバイル装置が地図上に、そのモバイル装置の近傍に在る複数件の売りたし物件を表示している様子である。ユーザー(顧客など)は、売りたし物件の検索範囲(近傍区域など)を調整できる。例えばモバイルアプリケーションが、検索範囲の下に在る下向き矢印に関する入力を受けた場合には、モバイルアプリケーションは検索範囲を狭める反応を返してもよい(例えば検索範囲を1マイル(約1.6km)から2000フィート(約610m)に狭めるなど)。別の例として、モバイルアプリケーションが検索範囲の上に在る上向き矢印に関する入力を受けた場合には、モバイルアプリケーションは検索範囲を拡げる反応を返してもよい(例えば検索範囲を1マイル(約1.6km)から2マイル(約3.2km)に拡げるなど)。
【0053】
モバイルアプリケーションは、以下のいずれかを検出することで物件の選択を受信できる。すなわち、(1) 特定の物件(12 Main St.(Main通り12番地)など)に関するタッチスクリーン上の領域における入力(ユーザーが触れるか触れそうになるなど)、あるいは(2) 物件の選択に関するモバイル装置の姿勢。モバイルアプリケーションは、モバイル装置の姿勢(位置および/もしくは向きなど)を使って、物件を選択できる。或る実施形態では、売りたし物件の近傍(500フィート(約152m)以内)にモバイル装置が位置しているときに、モバイルアプリケーションがその売りたし物件を選択するとしてもよい。別の実施形態では、ユーザーがモバイル装置を売りたし物件に向けたとき(モバイル装置の向きを変えてモバイル装置の上部が売りたし物件を指したときなど)に、モバイルアプリケーションがその売りたし物件を選択するとしてもよい。そうこうして売りたし物件が選択されると、
図6Bに示したように、そのモバイル装置の近傍内に居る適格な複数名の業者を特定してモバイル装置上で表示できる。別の実施形態では、モバイル装置の近傍に居る業者の数を特定してモバイル装置上で表示してもよい。例えばタッチスクリーンディスプレイ上に、「この家から2マイル(約3.2km)以内に6名の業者が居て受付可能です」、「この家から5分間以内に対応できる業者が6名居ます」といった文章を表示できる。
【0054】
図6Bは、或る実施形態に係る、モバイル装置がその近傍に居る適格な複数名の業者を表示しているさまである。適格な複数名の業者を表示するにあたっては例えば、一覧(リスト)として表示してもよいし、あるいは要素の配列(アレイ)として表示してもよい。ユーザーは画面を任意の方向にスクロールして、さらなる適格な業者を閲覧できる。適格な業者を並べる順序は、例えばモバイル装置からの距離(近い順に並べるなど)、対象物件からの距離、評価(高評価順など)、売りたし物件に業者が居たことが検出された回数、またはそれらの組み合わせ、といったものに基づいて定められる。
【0055】
業者のプロファイルに関する情報を、適格な業者に対して生成される業者要素の中に表示してもよい。例えば業者要素には、業者の名前、画像、評価、レビュー、業者に関するwebサイトへのリンク、モバイル装置からの距離、売りたし物件からの距離、モバイル装置の場所に着くまでの目安時間、売りたし物件に着くまでの目安時間、連絡先情報、またはそれらの組み合わせ、といったものが含められる。そうした業者の情報は、業者要素に添えて自動的に表示されるようにしてもよいし、あるいは業者要素に設けられた一個以上の仮想ボタンを介してアクセス可能にしてもよい。例えば、「Reviews」ボタンを選択するとレビューにアクセスできる。
【0056】
モバイルアプリケーションは、適格な業者のうちからの或る業者に関する選択入力を受信できる。こうした選択入力としては、モバイル装置の有するタッチスクリーン上の、選ぶ業者に関する領域(「Request Agent」ボタンなど)に、ユーザーが触れる(か触れそうになる)といったものが挙げられる。選択入力の受信に応じて、モバイルアプリケーションは、業者が持つモバイル装置へとメッセージを送信できる。メッセージは、業者に向けて直接送られてもよいし、あるいはサーバ側アプリケーションを介して間接的に送られてもよい。そうしたメッセージには、売りたし物件と顧客に関する情報(売りたし物件と顧客の位置情報など)が含まれ、この顧客からの要求を受理するか拒絶するかを業者に尋ねる。業者が拒絶する場合には、別の業者を選択してほしい旨のメッセージが顧客の持つモバイル装置へ送られる。この時点で業者が拒絶をした場合には、業者が選ばれてから拒絶をした旨を示す否定的フィードバックを、システムが自動的に生成するようにしてもよい。モバイルアプリケーションは、拒絶をした業者を省いた上で、別の適格な業者の一覧を表示できる。また業者が受理をした場合には、受理した旨を示すメッセージが顧客のモバイル装置へと送られ、そのメッセージには追加情報を含めてもよい。その追加情報としては例えば、業者の位置情報と目安の到着時間などがある。
【0057】
図6Cには、或る実施形態に係る、選択した業者と物件とを表示するモバイル装置を示してある。選択した業者と物件の位置情報は、地図上に表示できる。選択した業者の表示には、業者のプロファイルに関する情報を添えてもよい。
【0058】
或る実施形態では、モバイル装置が、選択した業者の位置情報を追跡して地図上で表示してもよい。ユーザー(顧客など)は、選択した業者が(売りたし物件などへと)移動しているさまを閲覧可能である。モバイルアプリケーションは、地図を継続的に更新し、業者に関するモバイル装置のリアルタイムの位置を呈示可能である。またモバイルアプリケーションは、業者の目安到着時間を算出し、モバイル装置上に表示してもよい。
【0059】
或る実施形態では、アプリケーションサーバが、業者と顧客が連絡を取ったかを判断してもよい。例えばアプリケーションサーバは、業者の持つモバイル装置と顧客の持つモバイル装置とがほぼ同じ位置(50フィート(約15m)程度)に在ることで判断してもよいし、あるいは、いずれかのモバイル装置から連絡がついた旨のメッセージを受け取ることで判断してもよい。業者の持つモバイル装置および/または顧客の持つモバイル装置とが連絡を取るにあたっては、例えばNFC(近距離無線通信)、携帯電話同士をぶつけること、および/もしくは、業者の持つモバイル装置と顧客の持つモバイル装置とがほぼ同じ位置(50フィート(約15m)程度)に在ることの判断、といったことにより行える。モバイル装置同士がほぼ同じ位置に在るとモバイルアプリケーションが判断すると、モバイルアプリケーションは、アプリケーションサーバに対して業者と顧客とが連絡を取った旨のメッセージを送ることになる。
【0060】
或る実施形態では、モバイルアプリケーションが、ユーザー(顧客など)に情報を見せないようにしてもよい。例えば業者の連絡先情報を、顧客には見せないようにしてもよい。そのように顧客が連絡先情報(電話番号や電子メールアドレスなど)を見ることができない場合であっても、モバイルアプリケーションは、顧客に連絡先情報を渡さないままに顧客と業者とを繋ぐことができる。モバイル装置のタッチスクリーンでは、業者との連絡に関する領域(「Call」(通話)ボタンや「Message」(メッセージ)ボタンなど)への入力を検出できる。業者との連絡に関する入力を受けると、モバイルアプリケーションは、顧客の持つモバイル装置を、業者の持つモバイル装置に(通話やメッセージングなどで)繋ぐことができる。顧客のモバイル装置が業者のモバイル装置に繋がるにあたっては、アプリケーションサーバを通してでもよいし、あるいは別の通信手法(携帯電話のデフォルトの通話やSMSサービスでの通信など)を介してでもかまわない。
【0061】
図7A~7Eは、種々の実施形態に係る、顧客に関連づけられた装置における直近物件内覧アプリケーション(以下「顧客用アプリケーション」とも称する)の流れを示すフローチャートである。
【0062】
図7Aは、種々の実施形態に応じ、顧客用装置と、複数の業者用装置のうちの近傍の業者用装置とのあいだの通信を、顧客用アプリケーションが管理することで、その顧客用装置の近傍に在る売りたし物件の内覧を促すさまを示すフローチャートである。
【0063】
顧客用アプリケーションの起動は、モバイルアプリケーションに関するアイコンをユーザーが選択することに応じて行える。顧客用アプリケーションは、顧客用装置の近傍に在る売りたし物件を呈示する(ステップ 702 )。ここで言う近傍は、約0フィートから数マイルまでの範囲で変えられる。検索する近傍区域は顧客が設定可能である。例えば顧客用アプリケーションには、顧客が検索する近傍区域を拡大縮小するための矢印を設けてもよい。
【0064】
顧客用アプリケーションは、顧客用装置上にて売りたし物件を呈示(表示したり、もしくはスピーカーを通じて読み上げたりなど)できる。例えば売りたし物件の一覧を表示してもよいし、あるいは売りたし物件を示した地図を表示してもよい。そうして呈示した売りたし物件に対し、顧客が関心を持ったかどうかを、顧客用アプリケーションが判断する(判断 704 )。その呈示された売りたし物件に対して、顧客が関心を持たないと顧客用アプリケーションが判断した場合(判断 704 においてNo)には、顧客用アプリケーションが、顧客からのアドレス入力を受け付けるよう構成された検索バーを提供するようにしてもよいし、あるいは顧客からアドレスを聞き取るように構成されたマイクロフォンを有効化するようにしてもよい(ステップ 706 )。また、呈示された売りたし物件のうちで顧客が関心を持ったものがあると顧客用アプリケーションが判断した場合(判断 704 においてYes)には、顧客用アプリケーションがその売りたし物件の情報を提供する(ステップ 708 )。そうした情報としては例えば、位置、価格、土地坪数、面積、部屋数、浴室・便所の数、売買履歴、地元の学校についての情報、地元の犯罪統計などが挙げられる。
【0065】
顧客用アプリケーションは、顧客が売りたし物件の内覧に関心を持っているかを判断する(判断 710 )。顧客が物件の内覧には興味が無い旨の入力を受けた場合(判断 710 においてNo)には、顧客用アプリケーションはステップ 702 に戻る。一方、顧客が物件の内覧に興味がある旨の入力を受けた場合(判断 710 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、顧客が既存の顧客プロファイルを持っているかどうかを判断する(判断 712 )。
【0066】
顧客プロファイルを顧客が持っていないと顧客用アプリケーションが判断した場合(判断 712 においてNo)には、登録プロセスを起動して(ステップ 714 )、顧客に顧客用アプリケーションへとサインインさせる(ステップ 718 )。一方、顧客プロファイルが存在していると判断した場合(判断 712 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、顧客が顧客用アプリケーションにサインインしているかを判断する(判断 716 )。顧客がまだ顧客用アプリケーションにサインインしていなければ(判断 716 においてNo)、サインインプロセスを起動する(ステップ 718 )。顧客が既に顧客用アプリケーションにサインインしていれば(判断 716 においてYes)、顧客用アプリケーションは、顧客プロファイルにおいて、以前の内覧に関する業者プロファイルのうちでまだレビューをしていないものがあるかどうかを判断する(判断 720 )。
【0067】
顧客プロファイルに、以前の内覧に関してまだレビューをしていない業者プロファイルがあった場合(判断 720 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、以前の内覧に関する業者プロファイルをレビューするためのプロセスを起動する(ステップ 722 )。そして以前の内覧に関する業者プロファイルを顧客がレビュー完了したら、顧客用アプリケーションは現在の内覧に関する動作へと移る。
【0068】
顧客用アプリケーションは、売りたし物件を内覧したい旨の要求を受け取る(ステップ 724 )。顧客用アプリケーションは、アプリケーションサーバへその要求を送り、アプリケーションサーバはその要求を複数名の業者へと送る。その複数名の業者のうちで受付可能な業者は、受付可能である旨のメッセージをアプリケーションサーバへと送ることで応答する。業者の持つモバイル装置上で動作している業者用アプリケーションが、その業者が既に内覧を始めているか否かに基づいて、受付可能または受付不能である旨を自動的に応答するようにしてもよい。別の実施形態では、アプリケーションサーバが、複数名の業者の活動(売りたし物件の内覧を今やっているかどうかを含む)を追跡することで、どの業者が受付可能なのかを判断できる。モバイルアプリケーションは、近隣の業者(そのモバイル装置から、調整可能な或る距離内に居るか、もしくは調整可能な或る移動時間内のところに居るかする業者など)の一覧を受信して、その顧客へと(表示したりスピーカーを介して読み上げたりするなどして)提供する(ステップ 726 )。顧客は、その近隣業者一覧から業者を選択し、その業者に関する詳細情報が載った業者プロファイルを閲覧する(ステップ 728 )。そうした詳細情報としては例えば、名称、画像、売買履歴、離れている距離、業者のwebサイトなどが挙げられる。
【0069】
顧客用アプリケーションは、顧客が他の業者の関与を放棄するかどうかを判断する(判断 730 )。他者関与の放棄についての同意を顧客に求めることで、その顧客と別の業者との間に既存の契約関係が無いかどうかを確認できる。例えば顧客用アプリケーションが、「現在、他の不動産業者と契約関係にありますか?」という文章を含んだプロンプトを出すようにしてもよい。また顧客用アプリケーションが、一連のプロンプトを出して(例えば「その契約関係は、あなたが選ばれた物件にかかわっていますか?」)、回答が「Yes」であれば顧客からさらに情報を引き出し、「No」であれば次の段階に進むようにしてもよい。顧客から得た情報を踏まえ、顧客が別の業者と契約関係にあって競合していると判断した場合(判断 730 においてNo)、顧客用アプリケーションはステップ 708 に戻る。一方、競合するような別の業者との契約関係を顧客が持っていないと判断した場合(判断 730 においてYes)、顧客用アプリケーションは、業者が選択されたことを確認し、モバイル装置に(アプリケーションサーバなどを介して)業者への要求を送信させるようにする(ステップ 732 )。
【0070】
図7Bは、種々の実施形態に係る、顧客用装置と業者用装置とのあいだの通信を促すための顧客用アプリケーションの動作を表したフローチャートであって、顧客用装置に売りたし物件の通知を提供することに拠るものである。
【0071】
顧客用アプリケーションには、顧客のアカウントでログインでき、その顧客および/もしくは顧客用装置に関する情報が含まれており、例えば位置、設定、および/もしくは検索履歴などが含まれていてもよい。顧客用アプリケーションにおける通知設定のオン/オフを切り替えると、顧客用アプリケーションからの通知を有効化または無効化できる。通知設定をオンにすると、顧客用装置の近傍内に在る売りたし物件に関する通知が提供されるようにできる(ステップ 738 )。つまり、顧客が能動的に顧客用アプリケーションを使用していなくとも、顧客用装置の近傍内に在る売りたし物件を、顧客用装置上に表示できるというわけである。
【0072】
そうした通知では、顧客用装置の有するタッチスクリーン上に表示する仮想ボタンを含めることで、顧客に一種以上の選択肢を与えるようにしてもよい。そうした選択肢としては例えば、物件の詳細情報を閲覧すること、適格な業者を探すこと、通知を閉じること、通知を無効化すること、などが挙げられる。物件の詳細情報を閲覧することを選んだ場合には、顧客用アプリケーションは物件に関する詳細情報を表示し、例えば位置、土地坪数、屋内面積、部屋数、浴室・便所の数といったものを表示できる(ステップ 740 )。
【0073】
顧客用アプリケーションは、売りたし物件の内覧に顧客が関心を持っているかを判断する(判断 742 )。物件の内覧に顧客は興味が無い旨の入力を受け取った場合(判断 742 においてNo)には、顧客用アプリケーションは、近隣の売りたし物件に関する情報を提供する(ステップ 744 )。また物件の内覧に顧客が興味を持っている旨の入力を受け取った場合(判断 742 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、顧客プロファイルにおいて、以前の内覧に関する業者プロファイルのうちでまだレビューをしていないものがあるかどうかを判断する(判断 746 )。
【0074】
顧客プロファイルに、以前の内覧に関してまだレビューをしていない業者プロファイルがあった場合(判断 746 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、以前の内覧に関する業者プロファイルをレビューするためのプロセスを起動する(ステップ 748 )。そして以前の内覧に関する業者プロファイルを顧客がレビュー完了したら、顧客用アプリケーションは現在の内覧に関する動作へと移る。
【0075】
顧客用アプリケーションは、売りたし物件を内覧したい旨の要求を受信する(ステップ 750 )。顧客用アプリケーションは、アプリケーションサーバへその要求を送り、アプリケーションサーバはその要求を複数名の業者へと送る。その複数名の業者のうちで受付可能な業者は、受付可能である旨のメッセージをアプリケーションサーバへと送ることで応答する。業者の持つモバイル装置上で動作している業者用アプリケーションが、その業者が既に内覧を始めているか否かに基づいて、受付可能または受付不能である旨を自動的に応答するようにしてもよい。別の実施形態では、アプリケーションサーバが、複数名の業者の活動(売りたし物件の内覧を今やっているかどうかを含む)を追跡することで、どの業者が受付可能なのかを判断できる。モバイルアプリケーションは、近隣の業者(そのモバイル装置から、調整可能な或る距離内に居るか、もしくは調整可能な或る移動時間内のところに居るかする業者など)の一覧を受信して、その顧客へと(表示したりスピーカーを介して読み上げたりするなどして)提供する(ステップ 752 )。顧客は、その近隣業者一覧から業者を選択し、その業者に関する詳細情報が載った業者プロファイルを閲覧する(ステップ 754 )。そうした詳細情報としては例えば、名称、画像、売買履歴、離れている距離、業者のwebサイトなどが挙げられる。
【0076】
顧客用アプリケーションは、競合している契約関係の存在を、顧客が示しているかどうかを判断する(判断 756 )。他者関与の放棄についての同意を顧客に求めることで、その顧客と別の業者との間に既存の契約関係が無いかどうかを確認できる。例えば顧客用アプリケーションが、「現在、他の不動産業者と契約関係にありますか?」という文章を含んだプロンプトを出すようにしてもよい。また顧客用アプリケーションが、一連のプロンプトを出して(例えば「その契約関係は、あなたが選ばれた物件にかかわっていますか?」)、回答が「Yes」であれば顧客からさらに情報を引き出し、「No」であれば次の段階に進むようにしてもよい。他の業者の関与を顧客が放棄しない旨を確認した場合(判断 756 においてNo)には、顧客用アプリケーションはステップ 740 に戻る。他の業者の関与を顧客が放棄する旨を確認した場合(判断 756 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、業者が選択されたことを確認し、モバイル装置に(アプリケーションサーバなどを介して)業者への要求を送信させるようにする(ステップ 758 )。
【0077】
図7Cは、種々の実施形態に係る、顧客用装置と業者用装置とのあいだの通信を促すための顧客用アプリケーションの動作を表したフローチャートであって、売りたし物件の内覧要求を連携アプリケーションから受信することに拠るものである。
【0078】
この顧客用アプリケーション以外の、顧客用装置(携帯電話、デスクトップ、ラップトップなど)上で動いている連携アプリケーションは、顧客用アプリケーションに(ハイパーリンクなどで)接続する。連携アプリケーションが、内覧要求の入力を受け付けると、その要求を顧客用アプリケーションへと転送する(ステップ 759 )。
【0079】
連携アプリケーションから内覧要求を受け取ると、顧客用アプリケーションは、顧客プロファイルにおいて、以前の内覧に関する業者プロファイルのうちでまだレビューをしていないものがあるかどうかを判断する(判断 760 )。顧客プロファイルに、以前の内覧に関してまだレビューをしていない業者プロファイルがあった場合(判断 760 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、以前の内覧に関する業者プロファイルをレビューするためのプロセスを起動する(ステップ 762 )。そして以前の内覧に関する業者プロファイルを顧客がレビュー完了したら、顧客用アプリケーションは現在の内覧に関する動作へと移る。
【0080】
顧客用アプリケーションは、売りたし物件を内覧したい旨の要求を受信する(ステップ 764 )。顧客用アプリケーションは、アプリケーションサーバへその要求を送り、アプリケーションサーバはその要求を複数名の業者へと送る。その複数名の業者のうちで受付可能な業者は、受付可能である旨のメッセージをアプリケーションサーバへと送ることで応答する。業者の持つモバイル装置上で動作している業者用アプリケーションが、その業者が既に内覧を始めているか否かに基づいて、受付可能または受付不能である旨を自動的に応答するようにしてもよい。別の実施形態では、アプリケーションサーバが、複数名の業者の活動(売りたし物件の内覧を今やっているかどうかを含む)を追跡することで、どの業者が受付可能なのかを判断できる。モバイルアプリケーションは、近隣の業者(そのモバイル装置から、調整可能な或る距離内に居るか、もしくは調整可能な或る移動時間内のところに居るかする業者など)の一覧を受信して、その顧客へと(表示したりスピーカーを介して読み上げたりするなどして)提供する(ステップ 766 )。顧客は、その近隣業者一覧から業者を選択し、その業者に関する詳細情報が載った業者プロファイルを閲覧する(ステップ 768 )。そうした詳細情報としては例えば、名称、画像、売買履歴、離れている距離、業者のwebサイトなどが挙げられる。
【0081】
顧客用アプリケーションは、他の業者の関与を放棄する旨を以って、顧客が業者を選択しているのかどうかを判断する(判断 770 )。顧客が他の業者の関与を放棄する意思無くして業者を選んでいるのだと判断した場合(判断 770 においてNo)には、顧客用アプリケーションは、連携アプリケーションへと差し戻す。顧客が他の業者の関与を放棄する意思を以って業者を選んでいるのだと判断した場合(判断 770 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、業者が選択されたことを確認し、モバイル装置に(アプリケーションサーバなどを介して)業者への要求を送信させるようにする(ステップ 772 )。
【0082】
図7Dは、顧客用装置と業者用装置とのあいだの通信を促すための顧客用アプリケーションの動作を表したフローチャートである。
【0083】
顧客用アプリケーションは、(例えばステップ 732, 758, 772 に示すようにして)顧客用装置に要求を業者用装置へと送らせると、業者用装置からの応答を受信したかどうかを判断する(判断 774 )。デフォルトの期間(1分間など)を最長待ち時間として設定して、業者用装置からの応答を待つようにしてもよい。デフォルトの期間内に業者用装置の応答があった場合(判断 774 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、(in-appメッセージングサービスを有効化するなどして)顧客に対して通信機構を開放し、業者用装置との通信ができるようにする(ステップ 786 )。
【0084】
デフォルトの期間内に業者用装置からの応答が無かった場合には、業者用装置は応答しなかったと顧客用アプリケーションが判断して(判断 774 においてNo)、顧客に対して別の業者を探すよう促す(ステップ 776 )。顧客用アプリケーションは、近隣の業者(そのモバイル装置から、調整可能な或る距離内に居るか、もしくは調整可能な或る移動時間内のところに居るかする業者など)の一覧を受信して、その顧客へと(表示したりスピーカーを介して読み上げたりするなどして)提供する(ステップ 778 )。顧客は、その近隣業者一覧から業者を選択し、その業者に関する詳細情報が載った業者プロファイルを閲覧する(ステップ 780 )。そうした詳細情報としては例えば、名称、画像、売買履歴、離れている距離などが挙げられる。顧客用アプリケーションは、他の業者の関与を放棄する旨を以って、顧客が業者を選択しているのかどうかを判断する(判断 782 )。顧客が他の業者の関与を放棄する意思無くして業者を選んでいるのだと判断した場合(判断 782 においてNo)には、顧客用アプリケーションは、物件の詳細情報(顧客用アプリケーション内で進めていた場合)か、または連携アプリケーション(連携アプリケーションから来ていた場合)かに戻る。顧客が他の業者の関与を放棄する意思を以って業者を選んでいるのだと判断した場合(判断 782 においてYes)には、顧客用アプリケーションは、業者が選択されたことを確認し、モバイル装置に(アプリケーションサーバなどを介して)業者への要求を送信させるようにする(ステップ 784 )。
【0085】
図7Eは、種々の実施形態に係る、売りたし物件の内覧が終わった後に、業者プロファイルのレビューを促すための顧客用アプリケーションの動作を示すフローチャートである。顧客用アプリケーションは、(例えばステップ 722, 748, 762 に示すようにして)業者レビューのためのプロセスを起動する。顧客用アプリケーションは、業者プロファイルに関連するレビューを提供するよう、顧客を促す。そうして、その顧客が以前に顧客用アプリケーションを介して内覧を計画した業者を、顧客がレビューできるようにする。顧客用装置のインターフェイス(
図1のUI 138 など)を介して、顧客用アプリケーションは評価および/もしくはレビューを受け取る(ステップ 794 )。顧客用アプリケーションは、業者レビューの受領確認をする(ステップ 796 )。この確認には、顧客に対するレビューおよび/もしくは評価への御礼のほか、受信したレビューの全体もしくは一部の引用、別のレビューや評価の引用、といったものを含めてもよい。
【0086】
図8A~8Bは、種々の実施形態に係る、業者に関連づけられた装置のための、直近物件内覧アプリケーション(以下、単に『業者用アプリケーション』とも称する)を表すフローチャートである。
【0087】
図8Aは、種々の実施形態に係る、業者用装置と顧客用装置とのあいだの通信を促すための、業者用アプリケーションの動作を表したフローチャートである。業者は、業者用アプリケーション中にて現況をアクティブであると定めることで、顧客用装置からの内覧要求を受け取ることができる。
【0088】
業者用アプリケーションは、以前の内覧に関してまだレビューされていない顧客プロファイルおよび/もしくは一覧があるかどうかを判断する(判断 802 )。まだレビューされていない顧客プロファイルもしくは一覧があった場合(判断 802 においてYes)には、業者用アプリケーションは、顧客および/もしくは一覧をレビューするためのプロセスを起動する(ステップ 804 )。また、レビューされていない顧客プロファイルもしくは一覧がなかった場合(判断 802 においてNo)には、業者用アプリケーションは、顧客からの内覧要求を受け付けるようになる。
【0089】
さて業者用アプリケーションが、顧客用アプリケーションからの内覧要求を受け取る(ステップ 806 )。業者用アプリケーションは、要求が来た旨を(要求を表示するなどして)業者へと通知する(ステップ 808 )。業者が通知を選択すると、業者用アプリケーションは、業者からの入力を承けて、顧客および/もしくは一覧に関する詳細情報(顧客の位置、一覧の位置、顧客の名称、顧客の画像など)を含んだ顧客プロファイルを呈示する(ステップ 810 )。或る実施形態では、業者が内覧要求を承認するまでは、顧客プロファイルを業者に見せないようにしてもよい。別の実施形態では、顧客が業者を選ぶまでは、顧客プロファイルをその業者に見せないようにしてもよい。業者用アプリケーションが顧客情報へのアクセスを制限することにより、業者が顧客との通信を許可される前に顧客情報を勝手に使う(顧客の候補に連絡を取る)ような可能性を減らせる。
【0090】
業者用アプリケーションは、業者からの入力(「承認」ボタンや「拒絶」ボタンを選んで押すことや、何もしないことなど)を承けて、その業者が内覧要求に関心を持っているのかどうかを判断する(判断 812 )。業者が(「拒絶」ボタンを押したり所定期間内に何もしなかったなどして)その要求に関心が無いと判断した場合(判断 812 においてNo)には、業者用アプリケーションは、業者が拒絶をした旨のメッセージを、アプリケーションサーバおよび/もしくは顧客用アプリケーションへと送る(ステップ 814 )。一方、業者が内覧要求に関心を持ったと判断した場合(判断 812 においてYes)には、業者用アプリケーションは、その業者プロファイルに関する現況を、売りたし物件の内覧を受付可能である旨に設定する(ステップ 816 )。
【0091】
複数の業者プロファイルのうちから、特定の業者プロファイルを顧客用アプリケーションに与えることができる。顧客が、複数の業者プロファイルのうちから特定の業者プロファイルを選択した場合には、顧客用アプリケーションは、その業者プロファイルが選択された旨のメッセージを、業者用アプリケーションへと送る。業者用アプリケーションは、顧客用アプリケーションからその選択の確認を(アプリケーションサーバを介してなどして)受信する(ステップ 818 )。
【0092】
業者用アプリケーションは、顧客用アプリケーションとの通信を有効化できる(ステップ 820 )。有効化される通信は、業者用アプリケーション内部のものでもよいし、外部のものでもよい。例えば、in-appメッセージングやin-app通話サービスを介して、通信を有効化してもよい。別の例としては、業者用アプリケーションが連絡先情報を提供し、それが業者用装置上のデフォルトのメッセージングアプリケーションもしくは通話アプリケーションにリンクしているようにしてもよい。
【0093】
図8Bは、種々の実施形態に係る、売りたし物件を内覧した後に、顧客プロファイルおよび/もしくは一覧のレビューを促すための業者用アプリケーションの動作を示したフローチャートである。業者用アプリケーションは、(ステップ 804 として示したような)レビュープロセスを起動できる。業者用アプリケーションは、顧客および/もしくは一覧の評価および/またはレビューをするよう、業者に促す(ステップ 830 )。業者は評価および/またはレビューを送信し、業者用アプリケーションが受信して保存する。業者用アプリケーションは、その評価および/もしくはレビューの受領確認を業者へ与える(ステップ 832 )。
【0094】
図9A~9Cは、種々の実施形態に係る、顧客用装置と業者用装置とにおける通信を管理する様を描いた図である。顧客用装置は、不動産の買い手となる見込みのある者によって操作されてよく、また業者用装置は、不動産業者によって操作されてよい。顧客用アプリケーションは、顧客用装置上で動作可能であり、顧客プロファイルにログインできる。業者用アプリケーションは、業者用装置上で動作可能であり、業者プロファイルにログインできる。タッチスクリーンディスプレイ上で表示するための、GUIが生成する要素例を示してある。示している装置とグラフィカル要素は、あくまで一例であって限定を企図したものではないことに留意されたい。多様な顧客用装置、業者用装置、および出力機構(タッチスクリーンディスプレイ、スピーカー、触覚デバイスなど)を想定できる。
【0095】
図9Aには、種々の実施形態に係る、物件を選択する方法を示す。顧客用アプリケーションは、顧客用装置の近傍内に受付可能な物件がある旨を示すプロンプト(通知など)を出すことができる。顧客用アプリケーションは、(通知が表示されているタッチスクリーンディスプレイ内の或る領域への接触を検出するなどして)プロンプトの選択をする入力を受信すると、近傍物件の一覧を提供できる。顧客用アプリケーションは、(物件のアイコンが表示されているタッチスクリーンディスプレイ内の或る領域への接触を検出するなどして)物件の選択をする入力を受信すると、選択された物件についての詳細情報を提供できる。内覧要求に関する入力を受信すると、顧客用アプリケーションは、一台以上の業者用装置へと(アプリケーションサーバを介してなどして)メッセージを送信する。
【0096】
(顧客用アプリケーションからのメッセージに応じて生成されるなどした)通知を受け取るためには、業者用装置のプロファイルでは、内覧通知を受理可能である旨を示していなくてはならない。そうした通知では、近傍に居る買い手が物件を内覧したい旨が示されていてよい。業者用装置上の業者用アプリケーションは、業者がその物件の内覧を承る旨の入力を受信できる。業者用装置は、その物件の内覧を業者が受付可能である旨のメッセージを、顧客用装置へと送信できる。業者用装置は、顧客プロファイルの詳細情報を表示できる。
【0097】
図9Bには、或る実施形態に係る、複数の業者プロファイルの裡から或る業者プロファイルを選択する方法を示してある。顧客用アプリケーションは、物件に関して業者が受付可能である旨を示す通知を生成できる。顧客用装置は、選択された物件の内覧を受付可能な一名以上の業者を表示できる。業者についての詳細情報を閲覧するための入力を受けることもでき、また選択された業者のプロファイルを提供することもできる。また、業者の選択結果を示す別の入力を受けることもできるし、選択された業者の持つ業者用装置へとメッセージを(アプリケーションサーバを介するなどして)送信することも可能である。
【0098】
業者用装置が業者選択結果を示すメッセージを受信すると、業者用アプリケーションが、その業者が選択された旨を示す通知を生成できる。その通知を選択すると、業者用装置と顧客用装置とのあいだの通信が(アプリケーションサーバを介するなどして)確立される。
【0099】
図9Cには、或る実施形態に係る、アプリケーション内での通信を有効化してプロファイル(業者プロファイルおよび顧客プロファイルなど)のレビューを促すための方法を描いてある。顧客用装置は、業者用装置からのメッセージを(アプリケーションサーバを介するなどして)受信できる。顧客用アプリケーションは、顧客用装置上に表示するためのグラフィカル要素を生成することで、業者用装置から受信した情報(テキストメッセージや音声記録など)を顧客へ提供できる。顧客用アプリケーションおよび業者用アプリケーションが促すメッセージングサービスを介しての情報交換により、顧客と業者が協働して、例えば関心ある物件に関する内覧時間その他の詳細について調整できるようになる。
【0100】
顧客用アプリケーションおよび業者用アプリケーションは内覧が完了した旨を判断できる。そうした判断は例えば、顧客と業者のいずれかが内覧を完了した旨を示す入力があったことや、業者用装置および/もしくは顧客用装置の位置(一方もしくは双方の装置が物件から離れたなど)によってや、ならびに/または、見積った内覧時間が経過したことなどに依ってよい。内覧が完了したと判断すると、顧客用アプリケーションおよび業者用アプリケーションはそれぞれ、業者プロファイルおよび顧客プロファイルのレビューを求めるプロンプト(通知など)を生成できる。レビュー用ページには、評価フィールド(数字による評価や五つ星式の評価など)、コメントフィールド、および推薦フィールド(「この業者を友達に勧める?」とか「Janeに別の物件を見せる?」とか)を含めてよい。レビューから得られるデータをユーザープロファイルに保存して、将来のやりとりを促すために使ってもよい。
【0101】
[コンピュータ]
図9は、コンピュータシステム 900 の例示的形態を、機械の模式図として描いたものであって、その中にて命令の組を実行することで、本開示にて述べる一種以上の方法もしくはモジュールを機械が実施可能となる。
【0102】
図9の例では、コンピュータシステム 900 が、プロセッサと、メモリと、不揮発性メモリと、インターフェイス装置を含む。多様な一般的部品(キャッシュメモリなど)については説明をわかりやすくするため省略してある。コンピュータシステム 900 はハードウェア装置を企図しており、その上で
図1~8の例に示したコンポーネント(および本明細書に開示した別のコンポーネント)のいずれかを実施可能である。コンピュータシステム 900 は、適切な既知のものでもよいし使いやすいものでもかまわない。コンピュータシステム 900 のコンポーネント群は、バスを介して結合してもよく、別の適切な装置を介して結合してもかまわない。
【0103】
本開示では、任意の適切な物理的形態を採れるコンピュータシステム 900 を想定している。限定を意図しないあくまで例示として、コンピュータシステム 900 としては、組み込み型コンピュータシステム、system-on-chip(SOC)、single-board computer system(SBC;例えばcomputer-on-module(COM)やsystem-on-module(SOM)など)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ/ノートブックコンピュータシステム、キオスク端末(interactive kiosk)、メインフレーム、コンピュータシステム群からなるメッシュ、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、サーバ、またはそれら二種以上の組み合わせといったものが挙げられる。適切であれば、コンピュータシステム 900 には一種以上のコンピュータシステム 900 が含まれていてもよいし、コンピュータシステム 900 は一元式でも分散型でもよいし、複数の場所に亘っていてもよく、複数の機械に亘っていてもよいし、あるいはクラウド上に存していてもよい。そうしたクラウドには、一種以上のネットワーク中の一種以上のクラウドコンポーネントが含まれていてもよい。また適切であれば一種以上のコンピュータシステム 900 が、空間的・時間的な制約を実質的にされることなく、本明細書に示した一種以上の方法の有する一種以上の工程を実施するようにしてもよい。あくまで非限定的な例示として、一種以上のコンピュータシステム 900 が、本明細書に示した一種以上の方法の有する一種以上の工程を、リアルタイムに実施してもよいし、またはバッチモードで実施してもよい。また適切であれば一種以上のコンピュータシステム 900 が、本明細書に示した一種以上の方法の有する一種以上の工程を、別々の時間に行ってもよいし、別々の場所で行ってもよい。
【0104】
プロセッサは例えば従来技術に係るマイクロプロセッサであってよく、Intel PentiumマイクロプロセッサやMotorola PowerPCマイクロプロセッサなどであってよい。当業者は、「機械可読(保存)媒体」または「コンピュータ可読(保存)媒体」という語には、プロセッサがアクセス可能な任意の種類の装置が含まれることを理解できる。
【0105】
メモリは、例えばバスを介してプロセッサと結合する。そうしたメモリのあくまで一例としてはRAM(ランダムアクセスメモリ)があり、例えばDRAM(dynamic RAM)やSRAM(static RAM)が挙げられるがこれらに限定はされない。メモリはローカルでもよく、リモートでもよく、あるいは分散されているものでもよい。
【0106】
またバスは、プロセッサを不揮発性メモリおよびドライブユニットに結合する。不揮発性メモリとしては、磁気フロッピーディスクやハードディスク、磁気-光学ディスク、光学ディスク、CD-ROM、EPROM、もしくはEEPROMなどの読取専用メモリ(ROM)、磁気もしくは光学カード、または多量のデータを保存できる別の形態といったものであることが多い。こうしたデータの一部を、直接メモリアクセス工程によって、コンピュータシステム 900 中のソフトウェアの実行中にメモリに書き込むことが多い。こうした不揮発性ストレージは、ローカルでもよく、リモートでもよく、または分散されていてもよい。なお、すべての適切なデータをメモリ中に利用可能に置くようにしてシステムを製作することも可能であるから、不揮発性メモリは必須というわけでもない。典型的なコンピュータシステムでは、プロセッサ、メモリ、およびメモリをプロセッサに結合する装置(バスなど)が少なくとも含まれているのが普通である。
【0107】
ソフトウェアは典型的には、不揮発性メモリおよび/もしくはドライブユニット内に格納される。実際のところは、大型のプログラムの全体をメモリに収めるのは現実的なことではない。ともあれ、走らせるソフトウェアを、必要であれば、処理に適するコンピュータ可読な場所(あくまで例示として、本文書ではこうした場所がメモリを指すとする)へと移してもよいことを理解されたい。ソフトウェアを実行するためにメモリへ移すときであっても、通常はプロセッサが、ハードウェアレジスタを使ってそのソフトウェアに関する値を格納し、ローカルキャッシュを使って(理想的には)実行速度を速める。本明細書においては、ソフトウェアプログラムを「コンピュータ可読媒体中で実施する」と称しているときには、ソフトウェアプログラムを、(不揮発性ストレージからハードウェアレジスタへと)任意の既知もしくは便利な場所に格納することを想定している。また、プログラムに関する一種以上の値が、プロセッサが可読なレジスタに格納されたときには、そのプロセッサが「そのプログラムを実行するように構成された」とみなせる。
【0108】
またバスは、プロセッサをネットワークインターフェイス装置に結合する役割も担う。そうしたインターフェイスとしては一種以上のモデムやネットワークインターフェイスが挙げられる。モデムやネットワークインターフェイスを、コンピュータシステム 900 の一部と考えてもよいことも理解できるであろう。そうしたインターフェイスとしては例えば、アナログモデム、ISDNモデム、ケーブルモデム、トークンリングインターフェイス、衛星通信インターフェイス(direct PCなど)、またはコンピュータシステムを他のコンピュータシステムに結合するためのその他のインターフェイスといったものが挙げられる。そうしたインターフェイスには、一種以上の入出力装置を含めてもよい。そうした入出力(I/O)装置としては、キーボード、マウスその他のポインティングデバイス、ディスクドライブ、プリンター、スキャナー、および他の入出力装置(ディスプレイ装置など)が挙げられるが、これらに限定はされない。こうしたディスプレイ装置としては、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、または他の適切な既知もしくは便利な表示装置が挙げられるが、これらに限定はされない。わかりやすくするため、
図9に示した例では、インターフェイスが備える任意の装置の制御手段は図示していないと想定できる。
【0109】
コンピュータシステム 900 は稼動時には、オペレーティングシステム(OS)ソフトウェアにより制御可能であり、そうしたOSはファイル管理システム(ディスク操作システムなど)を含む。ファイル管理システムソフトウェアを備えたOSソフトウェアの例としては、ワシントン州レドモンドのMicrosoft Corporationが販売するWindows(登録商標)として知られるOSファミリ、ならびにそれに関連するファイル管理システムが挙げられる。ファイル管理システムソフトウェアを備えたOSソフトウェアの別の例としては、Linux(商標)OSとそれに関連するファイル管理システムが挙げられる。こうしたファイル管理システムは、通常は不揮発性メモリおよび/もしくはドライブユニットに格納され、OSが要求する種々の動作をプロセッサに実行させることで、データの入出力とメモリへのデータの保存(不揮発性メモリおよび/もしくはドライブユニットへのファイルの保存を含む)を行う。
【0110】
本発明の詳細な説明の一部については、コンピュータメモリ中のデータビット上の動作に関するアルゴリズムとシンボリック表現の見地から提示可能である。このようなアルゴリズム的な記載・表現は、データ処理分野の当業者が使う手段であって、その仕事の実体を、別の当業者に伝える上で最も効率的なやりかたである。本明細書において、そして一般的にも、アルゴリズムとは、所望の結果を導く自己矛盾のない一連の動作であると考えられる。その動作は、物理量を物理的に操作することを要するものである。必須とまでは言えないが通常は、そうした物理量は電子信号もしくは磁気信号の形態を取っており、格納、転送、組み合わせ、比較その他の操作が可能である。こうした信号のことを、ビット、値、エレメント、シンボル、キャラクタ、ターム、数などと称することは、一般的でもあるし便利なことでもある。
【0111】
しかしながら、これらすべての用語とその類義語は、適切な物理量に関連すべきものであって、かつそうした量にあてはめて使われる単なる簡便な符丁であることには留意されたい。別段に定めるかさもなくば後に議論するところから明らかである場合を除き、本明細書を通じて「処理する」processing、「演算する」computing、「計算する」calculating、「決定/判断する」determining、「表示する」displaying、「生成する」generatingなどといった用語を使った議論は、コンピュータシステムもしくは類似の電子演算装置の動作および処理を指すものであって、これはコンピュータシステムの有するレジスタおよびメモリ中の物理(電子)量として表わされるデータを、コンピュータシステムの有するメモリもしくはレジスタまたは他の情報保存装置、情報伝達装置、もしくは情報表示装置などの中の物理量で同様に表される別のデータへと、操作し変換するものである。
【0112】
本開示におけるアルゴリズムおよび表示は、特定のコンピュータ他の装置のいずれかに固有に関連するわけではない。本明細書の教示するところに従ってプログラムを種々の汎用システムで使うこともできるし、あるいは或る実施形態に係る方法を実施するために専用性の高い装置を構築するのもまた便利であると言える。こうしたシステムが有する種々のストラクチャに要するものについては、後述するところから理解できるであろう。さらに本技術は特定のプログラミング言語を参照して記載したものではないから、種々の実施形態は多様なプログラミング言語を使って実施可能であるわけである。
【0113】
別の実施形態においては、機械がスタンドアロン装置として動作してもよいし、あるいは機械が別の機械に接続(ネットワーク接続など)していてもよい。ネットワークを用いたデプロイメントとしては、クライアント-サーバネットワーク環境下でのサーバもしくはクライアントマシンの容量内で機械を動作させてもよいし、あるいは、P2Pネットワーク環境下でピアマシンとして機械を動作させてもよい。
【0114】
そうした機械としては、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス(STB)、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、携帯電話、iPhone(登録商標)、Blackberry、プロセッサ、電話、webアプライアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、または機械が取るべき動作を指定する命令の組(シーケンシャルでもその他の形式でもよい)を実行可能な任意の機械、といったものが挙げられる。
【0115】
実施形態例では機械可読媒体もしくは機械可読保存媒体は単独の媒体として示してあるが、「機械可読媒体」「機械可読保存媒体」という語には、一種以上の命令の組を格納できるような、単独の媒体または複数の媒体(集約型データベースもしくは分散型データベース、および/または関連するキャッシュとサーバなど)をも含むと解釈されるべきである。また「機械可読媒体」「機械可読保存媒体」という語には、命令の組を格納、符号化、もしくは搬送して機械に実行させることができ、本開示に示す技術と考案に係る一種以上の方法もしくはモジュールを機械に実施させることができるような任意の媒体も含まれると解釈されるべきである。
【0116】
一般に、本開示に係る実施形態を為すために実行されるルーチンは、OSの一部としてか、または特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、もしくは「コンピュータプログラム」と称する一連の命令として実施できる。そうしたコンピュータプログラムには通常、種々のメモリとコンピュータ内の保存装置の中において種々の時間に設定される一種以上の命令を含んでおり、コンピュータが有する一種以上の処理ユニットもしくはプロセッサにより読み込まれ実行されると、コンピュータに動作を行わせ、本開示の種々の態様を伴う要素を実行できる。
【0117】
さらには、これまで実施形態を記載するにあたり、完全に機能しているコンピュータおよびコンピュータシステムに関する文脈を用いてきたが、種々の実施形態がさまざまな形態のプログラム製品として分散できるものであること、および、本開示は、特定種類の機械であるか、実際に頒布に際して使われるコンピュータ可読媒体であるかを問わずに同様に適用できることは、当業者であれば理解するところである。
【0118】
機械可読保存媒体、機械可読媒体、またはコンピュータ可読(保存)媒体のさらなる例としては、記録可能な媒体が含まれ、例えば揮発性メモリ装置、不揮発性メモリ装置、フロッピーディスクその他のリムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、光学ディスク(コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)やDVDなど)といったものが挙げられ、さらにはデジタル通信リンクやアナログ通信リンクといった通信型媒体も含まれてよいが、これらに限定はされない。
【0119】
或る環境では、メモリ装置の動作(例えばバイナリの1からバイナリの0への状態変化、またはその逆)には、変形(物理的な変形など)が含まれてもよい。特定種類のメモリ装置に関しては、そうした物理的変形として、物品が異なる状態もしくは異なる物へと物理的に変形することが含まれていてよい。非限定的な例としては、或る種のメモリ装置についての状態変化には、電荷蓄積と保存または保存した電荷の放出が伴っていてもよい。同様に他のメモリ装置における状態変化として、磁気的配向の物理的変化もしくは変形、または分子構造の物理的変化もしくは変形といったものが含まれてよく、例えば結晶から非晶質への変化またはその逆などが挙げられる。前述の記載は、メモリ装置バイナリの1からバイナリの0への状態変化またはその逆のみに限られる消尽的な一覧であることを企図しているわけではなく、物理的変形などの変形をも含んでよい。むしろ、前述の記載はあくまで例示である。
【0120】
保存媒体は典型的には、非一過性であるか、または非一過性装置を含むものである。この文脈での非一過性保存媒体には、有体である装置(つまりその装置は実体のある物理的な形態を取っているのであり、その物理的状態は変わってもよい)を含んでよい。したがって例えば、非一過性と言うときには、状態が変化したとしても有体でありつづける装置のことを指してもよい。
【0121】
[備考]
請求の範囲に関する種々の実施形態を上述してきたが、それらはあくまで例示と説明のためのものであって、そこに開示された正確な態様に、請求の範囲を消尽もしくは限定することを企図しているわけではない。多種多様な変形例が可能なことは当業者には理解できるであろう。実施形態群は、本発明の原理と実践的な用途を最良に記述するために選ばれ記載されているものであって、すなわち関連分野の当業者が、請求主題、種々の実施形態、および特定の用途を想定する上で適切な種々の変形例を理解できるようになっている。
【0122】
これまで実施形態を記載するにあたり、完全に機能しているコンピュータおよびコンピュータシステムに関する文脈を用いてきたが、種々の実施形態がさまざまな形態のプログラム製品として分散できるものであること、および、本開示は、特定種類の機械であるか、実際に頒布に際して使われるコンピュータ可読媒体であるかを問わずに同様に適用できることは、当業者であれば理解するところである。
【0123】
上述した発明の詳細な説明は、実施形態群と想定される最良の形態とを記載したものであり、上記の文章中でどれほど詳細に説明していたとしても、それら実施形態群はさまざまな手法で実施可能であることに留意されたい。システムと方法に関する詳細は、その実施の詳細に応じてかなり変化するものではあるが、それでも依然として本明細書の記載の範囲内である。上述したように、種々の実施形態に係る特定の特徴もしくは態様を記載する際に使われる特定の専門用語については、本明細書でそれらの専門用語を再定義し、その専門用語が関係する本発明に係る具体的な特性、特徴、もしくは態様のいずれかへと限定することを企図しているわけではない。一般に、後述する特許請求の範囲において使われる用語は、別段の明示が無いかぎりは、本発明を本明細書に開示する特定の実施形態に限定することを企図しているわけではない。したがって本発明の実際の範囲は、ここに開示する実施形態のみならず、請求項の元で実施形態を実践もしくは実施できる均等な手法のすべてをも包摂するものである。
【0124】
本明細書で用いた文言は、原則として読みやすさと説明を目的として選ばれているものであって、本発明内容の境界を定めたり制限したりするために選ばれているわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明によって限定されるのではなく、本明細書に基づく出願にて公布する請求項により限定されることを企図している。したがって種々の実施形態についての開示は、あくまでそれらを説明するものであって、それらの範囲を限定するものではない。あくまでそれら実施形態の範囲は後述の請求項にて定められるものである。