(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】コネクタポートキャップ、コネクタポート保護構造、およびコネクタポートキャップ取り外し治具
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
H01R13/52 302E
(21)【出願番号】P 2021104961
(22)【出願日】2021-06-24
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】本間 恭幸
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-161294(JP,A)
【文献】特開平11-260461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端面に凹部を有する基板と、前記基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートに、
コネクタポートキャップ取り外し治具により取り外せるように取り付けられるコネクタポートキャップであって、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルの端面を覆う蓋部と、
前記シェルの端面が露出されない位置に前記蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記一対の切り欠き部の内側に配置されるように前記蓋部に設けられた一対の第1のアームと、
前記一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルと前記基板の側面との間に挿入されて前記凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、
を備え
、
前記コネクタポートキャップ取り外し治具に一対の第2のアームが設けられ、前記一対の切り欠き部は、前記コネクタポートキャップを前記コネクタポートから取り外す時に、前記一対の第2のアームが前記筐体の内部に挿入可能に形成された
ことを特徴とするコネクタポートキャップ。
【請求項2】
前記切り欠き部の切り欠き幅が0.1~1.0mmの範囲である
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクタポートキャップ。
【請求項3】
前記一対の第1のアームと前記蓋部とが一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタポートキャップ。
【請求項4】
前記一対の第1のアームが樹脂で形成されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコネクタポートキャップ。
【請求項5】
前記蓋部の厚さが、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記蓋部の表面が前記筐体の表面と面一になる厚さである
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコネクタポートキャップ。
【請求項6】
両端面に凹部を有する基板と、前記基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートと、
前記コネクタポートに
、コネクタポートキャップ取り外し治具により取り外せるように取り付けられるコネクタポートキャップとを有するコネクタポート保護構造であって、
前記コネクタポートキャップは、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルの端面を覆う蓋部と、
前記シェルの端面が露出されない位置に前記蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、
前記一対の切り欠き部の内側に配置されるように前記蓋部に設けられた一対の第1のアームと、
前記一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルと前記基板の側面との間に挿入されて前記凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、
を備え、
前記コネクタポートキャップ取り外し治具に一対の第2のアームが設けられ、前記一対の切り欠き部は、前記コネクタポートキャップを前記コネクタポートから取り外す時に、前記一対の第2のアームが前記筐体の内部に挿入可能に形成された
ことを特徴とするコネクタポート保護構造。
【請求項7】
前記切り欠き部の切り欠き幅が0.1~1.0mmの範囲である
ことを特徴とする請求項6に記載のコネクタポート保護構造。
【請求項8】
前記一対の第1のアームと前記蓋部とが一体に形成されている
ことを特徴とする請求項6または7に記載のコネクタポート保護構造。
【請求項9】
前記蓋部の表面が、
前記筐体の表面と面一になるように配置されている
ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のコネクタポート保護構造。
【請求項10】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコネクタポートキャップを前記コネクタポートから取り外す際に使用されるコネクタポートキャップ取り外し治具であって、
前記コネクタポートキャップ
を前記コネクタポート
から取り外す時に
、前記一対の切り欠き部を介して前記筐体の内部に挿入されることが可能な一対の第2のアームと、
前記一対の第2のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップ
を前記コネクタポート
から取り外す時に
、前記一対の切り欠き部を介して前記筐体の内部に挿入されると前記切り欠き部に係止する第2の係止部と、
を有することを特徴とするコネクタポートキャップ取り外し治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタポートキャップ等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器と他の電子機器との接続に使用されるコネクタとして、USB(登録商標)、HDMI(登録商標)等の規格に基づくものが知られている。ここでUSB(登録商標)は、Universal Serial Busの略である。またHDMIは、High Definition Multimedia Interface(登録商標)の略である。電子機器の筐体には、開口部の中に端子が配置されたポート(メス端子)が設けられていることが一般的である。このポートにデバイスやケーブルのプラグ(オス端子)を接続することにより、筐体内部の基板(電子機器の本体)へのアクセスが可能となる。一方、屋外など塵や埃の多い環境では、ポートを開放していると開口部から塵や埃が侵入するという問題がある。また、ユーザが不在の場合、ポートが開放されていると不正にデバイスを接続して電子機器にアクセスされる恐れがある。
【0003】
そこで、上記のコネクタポートを保護し、不正なアクセスを防ぐために、簡単に外すことができないキャップをする方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ポートの開口部に嵌合する前側部(蓋部)と、ポートの中の上側棚状部に係合する係止アームとを有する閉止カバーの技術が開示されている。この閉止カバーは、前側部の中央に、取り外し工具を挿入するためのアクセス窓を有している。アクセス窓から取り外し工具の二又部が挿入されると、二又部先端に設けられた傾斜路形状のカムが係止アームを撓ませる。これにより、係止アームと上側棚状部との係合が外れる。この時、取り外し工具のフック部が、前側部に設けられた接続部材に係合するので、取り外し工具を引き抜くことで、閉止カバーを取り外すことができる。このように、特許文献1の閉止カバーでは、特殊な工具がないと外すことができない構造で閉止カバーを形成することで、コネクタポートを保護することができる。
【0005】
また特許文献2には、USBポートに嵌合する開口のない端部(蓋部)を備えたUSBロック機構の技術が開示されている。USBロック機構は、USBポートの奥側に延伸する2本のガイド部を有し、ガイド部の先端にはUSBポートの切り込みに噛み合う爪部が設けられている。また、USBロック機構は、爪部より手前に配置されガイド部を連結するロック解除受け部と、端部とロック解除受け部との間に配置された空洞と、端部の空洞に対応する部分に設けられた薄膜とを有している。USBロック機構を取り外す場合は、棒状又は板状のロック解除部材を持つロック解除機構(取り外し治具)のロック解除部材を端部の薄膜を破って挿入する。すると、ロック解除部材の先端が、USBロック機構のロック解除受け部を押し下げ、これに連結されたガイド部も押し下げられ、ガイド部に連結された爪部も押し下げられ、爪部と切り込みとの噛み合いが外れる。一方で、ロック解除機構のロック解除用凹部が、USBロック機構のロック解除受け部に引っ掛かる。このため、ロック解除機構を引き抜くことで、USBロック機構をUSBポートから取り外すことができる。このように、特許文献2のUSBロック機構では、特殊な工具がないと外すことができない構造でUSBロック機構を形成することで、USBロック機構でコネクタポートを保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2008-511106号公報
【文献】実用新案登録3135047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記に示した特許文献1に記載の技術では、閉止カバーの前側部にアクセス窓が設けられており、アクセス窓を通してUSBポート内部に塵や埃が侵入しやすいという問題があった。また特許文献2に記載の技術では、USBロック機構を取り外す際に、端部に設けた薄膜を破るため、一度取り外したUSBロック機構には、特許文献1のアクセス窓と同様の開口部が端部に形成される。この開口部から塵や埃が侵入するため、取り外し前の防塵性を保つためには、USBロック機構を使い捨てにしなければならないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、防塵性を保ちながら繰り返し使用することが可能なコネクタポートキャップ等を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のコネクタポートキャップは、両端面に凹部を有する基板と、前記基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートに、着脱可能に取り付けられるコネクタポートキャップであって、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルの端面を覆う蓋部と、前記シェルの端面が露出されない位置に前記蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記 一対の切り欠き部の内側に配置されるように前記蓋部に設けられた一対の第1のアームと、前記一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルと前記基板の側面との間に挿入されて前記凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、を備えている。
【0010】
また、本発明のコネクタポート保護構造は、両端面に凹部を有する基板と、前記基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートと、前記コネクタポートに着脱可能に取り付けられるコネクタポートキャップとを有するコネクタポート保護構造であって、前記コネクタポートキャップは、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルの端面を覆う蓋部と、前記シェルの端面が露出されない位置に前記蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、前記一対の切り欠き部の内側に配置されるように前記蓋部に設けられた一対の第1のアームと、前記一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルと前記基板の側面との間に挿入されて前記凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、を備えたコネクタポートキャップと、を有する。
【0011】
また、本発明のコネクタポートキャップ取り外し治具は、上記のコネクタポートキャップを上記のコネクタポートから取り外す際に使用されるコネクタポートキャップ取り外し治具であって、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記一対の切り欠き部を介して前記筐体の内部に挿入されることが可能な一対の第2のアームと、前記一対の第2のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記一対の切り欠き部を介して前記筐体の内部に挿入されると前記切り欠き部に係止する第2の係止部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果は、防塵性を保ちながら繰り返し使用することが可能なコネクタポートキャップ等を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態のコネクタポート保護構造を示す斜視分解図である。
【
図2】第1の実施形態のコネクタポート保護構造を示す斜視図である。
【
図3】第1の実施形態のコネクタポート保護構造に用いるコネクタポートキャップを示す三面図である。
【
図4】第1の実施形態のコネクタポート保護構造のコネクタポートキャップを装着する前の状態を示す側面図と断面図である。
【
図5】第1の実施形態のコネクタポート保護構造のコネクタポートキャップを装着する途中の状態を示す側面図と断面図である。
【
図6】第1の実施形態のコネクタポート保護構造のコネクタポートキャップを装着した状態を示す側面図と断面図である。
【
図7】第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具をコネクタポート保護構造に挿入する前の状態を示す斜視図である。
【
図8】第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具をコネクタポート保護構造に挿入する前の状態を示す断面図である。
【
図9】第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具をコネクタポート保護構造に挿入する途中の状態を示す断面図である。
【
図10】第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具がコネクタポートキャップに係合した状態を示す断面図である。
【
図11】第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具でコネクタポートキャップを取り外した状態を示す断面図である。
【
図12】第3の実施形態のコネクタポートキャップを示す上面図である。
【
図13】第3の実施形態のコネクタポートキャップがコネクタポートを保護するプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態のコネクタポート保護構造100を示す斜視分解図である。コネクタポート保護構造100は、コネクタポート10と、コネクタポート10に嵌合するコネクタポートキャップ20とを有する。
【0016】
コネクタポート10は、電子機器の筐体200の開口部210の内側に配置され、シェル11と、基板12と、を有する。基板12は、両端面に凹部13(後述の
図4を参照)を有している。シェル11は、基板12を囲うように設けられている。
【0017】
コネクタポートキャップ20は、開口部210に着脱可能に取り付けられる。コネクタポートキャップ20は、蓋部21と、一対の切り欠き部23とを有する。蓋部21は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11の端面を覆う。一対の切り欠き部23は、シェル11の端面が露出されない位置に蓋部21の両端面に形成されている。また、コネクタポートキャップ20は、一対の第1のアーム22と、第1の係止部24と、を有する。一対の第1のアーム22は、一対の切り欠き部23の内側に配置されるように蓋部21に設けられている。第1の係止部24は、一対の第1のアーム22の各々の先端部に形成されている。一対の第1の係止部24は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11と基板12の側面との間に挿入されて凹部13(後述の
図4を参照)に嵌合するように形成されている。なお「コネクタポート」は、レセプタクル、ソケット、メス端子などとも称されるが、本実施形態では、「コネクタポート」が、これらの別称のものも含むこととする。
【0018】
図2は、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100を示す斜視図である。
図2では、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた状態が示されている。コネクタポートキャップ20が、筐体200の開口部210に嵌入され、蓋部21が開口部210を筐体200の表面と面一になるように配置される。このように、コネクタポートキャップ20が開口部210を塞いでいる。このように面一とするためには、蓋部21の厚さを、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時に蓋部21の表面が筐体200の表面と面一になる厚さにしておけば良い。ここで、切り欠き部23では、開口部210が塞がれていない。しかしながら、切り欠き部23の位置は、シェル11の外側であるため、蓋部21がシェル11の端面を覆う構成は保たれている。
【0019】
図2に示す状態では、コネクタポートキャップ20をつかむところがなく、コネクタポートキャップ20を簡単に取り外すことができない。なお、切り欠き部23は、コネクタポートキャップ20を取り外すために使用されるが、取り外す方法については後述する。第三者が、コネクタポートキャップ20を取り外すことができないという心理を抱くように、切り欠き部23の切り欠き幅は小さいほど良いが、取り外すための治具(例えば、後述の
図7のコネクタポートキャップ取り外し治具30)を挿入できる幅が必要である。このため、切り欠き部23の切り欠き幅は、治具の入る大きさを確保しつつ、心理的な小ささを演出できるように設定することが望ましい。具体的には、例えば、0.1~1.0mmの範囲に設定することができる。
【0020】
図3は、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100に用いるコネクタポートキャップ20を示す三面図である。
図3(a)は、コネクタポートキャップ20の上面図である。
図3(b)は、コネクタポートキャップ20の正面図である。
図3(c)は、コネクタポートキャップ20の側面図である。
【0021】
図3(a)~(c)を参照して、一対の第1のアーム22は、板状の蓋部21の一主面に設けられており、この主面に対して垂直方向に延伸するように設けられている。一対の切り欠き部23は、蓋部21の両端部に形成されている。より具体的には、一対の切り欠き部23は、一対の第1のアーム22の各々の外側に配置されるように、蓋部21に形成されている。このとき、一対の切り欠き部23は、一対の第1のアーム22各々から所定距離隔てた位置に配置されている。後述の
図6(b)に示されるように、一対の第1のアーム22は、シェル11と基板12との隙間に進入することが可能な形状を有している。また、一対の第1のアーム22は、基板12の側面を挟む位置に配置されている。一対の第1のアーム22の各々は、第1の係止部24を有する。第1の係止部24は、一対の第1のアーム22の各々の先端に形成されており、基板12の凹部13に嵌合する。第1の係止部24は、ユーザがコネクタポートキャップ20をコネクタポート10に挿入した時に、基板12の側面に設けられた凹部13に嵌合する形状に形成されている。このため、一対の第1の係止部24は互いに向き合う方向に凸状に形成されている。なお、コネクタポートキャップ20は、例えばプラスチックなどの樹脂で形成することができるが、金属など他の材料で形成されていても良い。コストや成形の容易さの観点からは、蓋部21と第1のアーム22を樹脂で一体に形成するのが便利である。
【0022】
図4は、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100のコネクタポートキャップを装着する前の状態を示す側面図と断面図である。
図4(a)は側面図であり、
図4(b)は
図4(a)のA-A´における断面図である。
【0023】
コネクタポート10のシェル11は、例えば、金属製の筒状の部材である。基板12は、板状の部材で、側面に所定形状の凹部13を有している。凹部13の底部と基板12の側面との間の部分は、側面に対して直角よりもなだらかな傾斜面となっている。基板12は、シール部14によって、シェル11と所定の間隔を持つようにシェル11内に保持されている。なお、図示はしていないが、基板12の主面には、端子が形成され、端子はシール部後方の配線と電気的に接続されている。
【0024】
コネクタポート10は、例えば、USB_Type-Cの規格に則ったものである。USB_Type-Cでは、端子の配列や、凹部13を含む基板12の形状が規格で定められている。本実施形態のコネクタポートキャップ20は、USB_Type-Cのコネクタポート10に好適であるが、同様の構成を持つコネクタポートであれば、同様に適用することができる。
【0025】
図5は、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100のコネクタポートキャップ20を装着する途中の状態を示す側面図と断面図である。
図5(a)は側面図であり、
図5(b)は
図5(a)のB-B´における断面図である。一対の第1のアーム22が基板12を挟むようにシェル11と基板12の隙間に押し込んでいくと、
図5(b)に示すように、第1のアーム22が外側に撓みながらシェル11に進入していく。
【0026】
図6は、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100のコネクタポートキャップを装着した状態を示す側面図と断面図である。
図6(a)は側面図であり、
図6(b)は
図6(a)のC-C´における断面図である。
図6(a)~(c)を参照して、一対の第1のアーム22が基板12を挟んでいる。このとき、第1のアーム22の先端の第1の係止部24が、基板12の側面の凹部13に嵌合している。この状態では、蓋部21が、シェル11の端部を塞いでいる。このため、シェル11の中への塵や埃の侵入を防ぐ防塵性を確保することができる。この状態は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時に対応し、
図2のコネクタポート保護構造100に対応する。
【0027】
以上、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100およびコネクタポートキャップ20について説明した。
【0028】
本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20は、コネクタポート10に、着脱可能に取り付けられる。コネクタポート10は、基板12と、シェル11とを備えている。基板12は、両端面に凹部13を有する。シェル11は、基板12を囲うように設けられている。また、コネクタポート10は、電子機器の筐体200の開口部210の内側に配置されている。コネクタポートキャップ20は、蓋部21と、一対の切り欠き部23と、一対の第1のアーム22と、一対の第1の係止部24とを備えている。蓋部21は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11の端面を覆う。一対の切り欠き部23は、シェル11の端面が露出されない位置に蓋部21の両端面に形成されている。一対の第1のアーム22は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時に一対の切り欠き部23の内側に配置されるように蓋部に設けられている。一対の第1の係止部24は、一対の第1のアーム22の各々の先端部に形成されている。また、一対の第1の係止部24は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11と基板12の側面との間に挿入されて凹部13に嵌合するように形成されている。
【0029】
このように、蓋部21は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11の端面を覆っているため、シェル11の内部に塵や埃が侵入することを防ぐ防塵性を確保することができる。また、一対の切り欠き部23は、シェル11の端面が露出されない位置に蓋部21の両端面に形成されている。一対の第1のアーム22は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時に一対の切り欠き部23の内側に配置されるように蓋部に設けられている。これにより、ユーザはコネクタポートキャップ取り外し治具(例えば、後述のコネクタポートキャップ取り外し治具30の一対の第2のアーム31)を、一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入することができる。この時、一対の切り欠き部23は一対の第1のアーム22の外側に配置されているため、コネクタポートキャップ取り外し治具30の一対の第2のアーム31は一対の第1のアーム22と干渉することがない。
【0030】
また、一対の第1の係止部24は、一対の第1のアーム22の各々の先端部に形成されている。この一対の第1の係止部24は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11と基板12の側面との間に挿入されて凹部13に嵌合するように形成されている。ここで、上述の通り、コネクタポートキャップ取り外し治具は、一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入される。このコネクタポートキャップ取り外し治具の筐体200の内部への挿入によって、一対の第1の係止部24を凹部13から取り外すことができる。これにより、一対 の切り欠き部23からコネクタポートキャップ取り外し治具30を差し込んでコネクタポートキャップ20を取り外すことができる。このとき、コネクタポートキャップ取り外し治具は、一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入される。このため、コネクタポートキャップ取り外し治具によってコネクタポートキャップ20を破損することなく、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外すことができる。
【0031】
よって、本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20によれば、一対の切り欠き部23からコネクタポートキャップ取り外し治具30を差し込んでコネクタポートキャップ20を取り外すことができる。このため、コネクタポートキャップ20を繰り返し使用することができる。
【0032】
本発明の第1の実施形態におけるコネクタポート保護構造100は、コネクタポート10と、コネクタポート10に嵌合するコネクタポートキャップ20とを有する。コネクタポート10は、電子機器の筐体200の開口部210の内側に配置され、シェル11と、基板12と、を有する。基板12は、両端面に凹部を有している。シェル11は、基板12を囲うように設けられている。コネクタポートキャップ20は、開口部210に着脱可能に取り付けられる。
【0033】
コネクタポートキャップ20は、蓋部21と、一対の切り欠き部23と、一対の第1のアーム22と、一対の第1の係止部24とを備えている。覆う蓋部21は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11の端面を覆う。一対の切り欠き部23は、シェル11の端面が露出されない位置に蓋部21の両端面に形成されている。一対の第1のアーム22は、一対の切り欠き部23の内側に配置されるように蓋部21に設けられている。第1の係止部24は、一対の第1のアーム22の各々の先端部に形成されている。一対の第1の係止部24は、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時にシェル11と基板12の側面との間に挿入されて凹部13に嵌合するように形成されている。
【0034】
本発明の第1の実施形態におけるコネクタポート保護構造100においても、コネクタポートキャップ20を含んでいるので、本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
また、本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20およびコネクタポート保護構造100において、切り欠き部23の切り欠き幅を0.1~1.0mmの範囲にしてもよい。
【0036】
このように、切り欠き部23の切り欠き幅を0.1~1.0mmの範囲することで、コネクタポートキャップ20と筐体の開口部210との隙間が目立たなくなるため、第三者がコネクタポートキャップ20を取り外すことを断念させやすくできる。
【0037】
また、本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20およびコネクタポート保護構造100において、一対の第1のアーム22と蓋部21とが一体に形成されてもよい。これにより、部品数をより少なくしコネクタポートキャップ20の作製を容易にすることができる。
【0038】
また、本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20およびコネクタポート保護構造100において、一対の第1のアーム22が樹脂で形成されてもよい。
【0039】
これにより、一対の第1のアーム22に弾性を持たせることができる。また、安価に作製することができる。
【0040】
また、本発明の第1の実施形態におけるコネクタポートキャップ20およびコネクタポート保護構造100において、コネクタポートキャップ20がコネクタポート10に取り付けられた時に蓋部21の表面が筐体200の表面と面一にすることができる。このような構成とするためには、蓋部21の厚さを筐体200の厚さに合わせて設定すれば良い。これにより、指でコネクタポートキャップ20を取り外すことを難しくすることができる。
【0041】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態のコネクタポート保護構造100において、コネクタポートキャップ20を取り外す方法について説明する。コネクタポートキャップ20は、切り欠き部23からコネクタポートキャップ取り外し治具を挿入することによって取り外すことができる。
【0042】
図7は、第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具30をコネクタポート保護構造100に挿入する前の状態を示す斜視図である。コネクタポート保護構造100は、第1の実施形態の
図2の構成と同じものである。
【0043】
コネクタポートキャップ取り外し治具30は、板材をU字型に曲げた形状を有しており、一対の第2のアーム31がU字型の板材の直線部に配置されている。第2のアーム31の先端の内側には、U字型の内側に凸となる段差を利用した第2の係止部32が設けられている。第2の係止部32の段差は、例えば、直角あるいはオーバーハング形状になっていることが望ましい。これは、後述するコネクタポートキャップ20の係止において係止する力を強くするためである。
【0044】
第2のアーム31を含むコネクタポートキャップ取り外し治具30は、例えば、弾性を有する金属の板材を曲げて形成することができる。この場合、第2の係止部32は板状の部材を内側に折り返して、部材の先端部で段差を作ることで形成しても良い。第2の係止部32を含む一対の第2のアーム31は、コネクタポートキャップ20の切り欠き部23を通過して、筐体200の内側(蓋部21の裏側)に進入することができる形状になっている。このため、第2の係止部32および第2のアーム31の厚みは、切り欠き部23の切り欠き幅よりも小さくなければならない。例えば、切り欠き幅が0.1~1.0mmであれば、それに合わせて、板材を選定することができる。なお、切り欠き幅を上記のような範囲に設定するのは、既述の通り、第三者が、コネクタポートキャップ20の取り外しを断念する効果を期待するためである。
【0045】
図8は、第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具30をコネクタポート保護構造100に挿入する前の状態を示す断面図である。コネクタポート10にコネクタポートキャップ20が装着されており、第1のアーム22の先端の第1の係止部24が、基板12の側面の凹部13に嵌合し、固定されている。コネクタポートキャップ取り外し治具30の2つの第2の係止部32の間隔は、コネクタポートキャップ20の2つの切り欠き部23の間隔より少し狭くなっている。具体的は、例えば、第2の係止部32の段差分だけ狭くしておくことができる。
【0046】
図9は、第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具30をコネクタポート保護構造100に挿入する途中の状態を示す断面図である。2つの第2のアーム31の先端が、それぞれ対応する切り欠き部23に進入している。この時、2つの第2の係止部32の間隔が2つの切り欠き部23の間隔より少し狭いため、2つの第2のアーム31の先端の間隔は少し広げられている。
【0047】
図10は、第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具30がコネクタポートキャップに係合した状態を示す断面図である。
図9の状態からコネクタポートキャップ取り外し治具30をさらにコネクタポート10側に押し込むと、第2の係止部32の段差が切り欠き部23を通過し、第2の係止部32が蓋部21の第1のアーム22側の主面に係止される。この時、第2のアーム31の弾性によって、2つの第2の係止部32の間隔が元に戻ろうとするため、係止がより確実に行われる。
【0048】
図11は、第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具30でコネクタポートキャップを取り外した状態を示す断面図である。
図10の状態から、コネクタポートキャップ取り外し治具30をコネクタポート10から離す方向に引っ張ることで、コネクタポートキャップ20を取り外した
図11の状態にすることができる。ここで、上述したように、基板12の凹部の段差部分は直角より角度の小さな傾斜面となっている。また、コネクタポートキャップ取り外し治具30の第2の係止部32の段差は、直角またはオーバーハング形状となっている。このため、コネクタポートキャップ20の第1の係止部24が基板12の凹部13に嵌合する力より、コネクタポートキャップ取り外し治具30の第2の係止部32が蓋部21に係止する力の方が強くなっている。それゆえ、第1の係止部24が凹部13に嵌合する力に抗って、コネクタポートキャップ20を取り外すことができる。
【0049】
以上、本発明の第2の実施形態のコネクタポートキャップ取り外し治具30とコネクタポートキャップ20の取り外し方法について説明した。
【0050】
本発明の第2の実施形態におけるコネクタポートキャップ取り外し治具30は、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外す際に使用される。コネクタポートキャップ取り外し治具30は、一対の第2のアーム31と、第2の係止部32と有する。一対の第2のアーム31は、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外す時に一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入されることが可能である。第2の係止部32は、一対の第2のアーム31の各々の先端部に形成されている。第2の係止部32は、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外す時に一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入されると切り欠き部23に係止する。
【0051】
このように、一対の第2のアーム31は、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外す時に一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入されることが可能である。このため、一対の第2のアーム31を筐体200の内部であって一対の切り欠き部23の内側にコネクタポートキャップ取り外し治具30の先端部を配置することができる。また、第2の係止部32は、一対の第2のアーム31の各々の先端部に形成されている。第2の係止部32は、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外す時に一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入されると切り欠き部23に係止する。すなわち、一対の第2のアーム31の各々の先端部に形成された第2の係止部32は、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外す時に一対の切り欠き部23を介して筐体200の内部に挿入されると切り欠き部23に係止する。したがって、第2のアーム31が筐体200の内部に挿入されると、一対の第2の係止部32が一対の切り欠き部23に係止する。そして、一対の第2の係止部32が一対の切り欠き部23に係止した状態で、コネクタポートキャップ取り外し治具30を筐体200から離れる方向に移動させることで、一対の第1の係止部24を凹部13から取り外すことができる。このとき、一対の第2の係止部32が一対の切り欠き部23に係止することによって、コネクタポートキャップ20がコネクタポートキャップ取り外し治具30に連動して動く。このため、コネクタポートキャップ取り外し治具30を引き抜くことで、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10(コネクタポート保護構造100)から取り外すことが可能になる。このように、コネクタポートキャップ取り外し治具30を用いて、コネクタポートキャップ20を取り外すことができるため、コネクタポートキャップ20を繰り返し使用することができる。
【0052】
なお、本発明の第2の実施形態におけるコネクタポートキャップ取り外し治具30において、コネクタポートキャップ取り外し治具30は、板材をU字型に曲げた形状を有しており、一対の第2のアーム31がU字型の板材の直線部に配置されてもよい。
【0053】
これにより、一対の第2のアーム31をコネクタポートキャップ20の切り欠き部23に挿入することが容易になる。
【0054】
本発明の第2の実施形態におけるコネクタポートキャップ取り外し治具30において、第2のアーム31の先端部の内側には、U字型の内側に凸となる段差を利用した第2の係止部32が形成されてもよい。
【0055】
これにより、第2の係止部32をコネクタポートキャップ20の切り欠き部23に係止して、コネクタポートキャップ20の動きをコネクタポートキャップ取り外し治具30の動きに連動させることができる。これにより、コネクタポートキャップ取り外し治具30を筐体200から離れる方向に移動させることで、コネクタポートキャップ20をコネクタポート10から取り外すことができる。
【0056】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態のコネクタポートキャップ1について説明する。コネクタポートキャップ1の具体的な例が、上述した第1、2の実施形態のコネクタポートキャップ20である。
【0057】
図12は、第3の実施形態のコネクタポートキャップ1を示す上面図である。コネクタポートキャップ1は、電子機器の筐体200の開口部210の内側に配置されたコネクタポート90に装着されて、コネクタポート90の内部を保護する。コネクタポート90の具体的な例が、上述した第1、2の実施形態のコネクタポート10である。コネクタポート90は、シェル91と、シェル内に所定の隙間を持って配置され2つの側面に所定形状の凹部93を有する基板92とを備えている。
【0058】
コネクタポートキャップ1は、両端面に凹部93を有する基板92と基板を囲うように設けられたシェル91とを備え電子機器の筐体200の開口部210の内側に配置されたコネクタポート90に、着脱可能に取り付けられる。
【0059】
コネクタポートキャップ1は、コネクタポートキャップ1がコネクタポート90に取り付けられた時にシェル91の端面を覆う蓋部2と、シェル91の端面が露出されない位置に蓋部2の両端面に形成された一対の切り欠き部4を有する。また、コネクタポートキャップ1は、一対の切り欠き部4の内側に配置されるように蓋部2に設けられた一対の第1のアーム3を有する。一対の第1のアーム3の各々の先端部には、コネクタポートキャップ1がコネクタポート90に取り付けられた時にシェル91と基板92の側面との間に挿入されて凹部93に嵌合するように一対の第1の係止部5が形成されている。
【0060】
図13は、第3の実施形態のコネクタポートキャップがコネクタポートを保護するプロセスを示すフローチャートである。まず、一対の第1のアーム3の先端を基板92の先端の両端に位置合わせする(S1)。次に、コネクタポートキャップ1をコネクタポート90側に押し込む(S2)。この押し込みにより、第1のアーム3の第1の係止部5を、基板92の側面の凹部93に嵌合させる(S3)。以上のようにして、コネクタポート90の開口端を閉塞し、塵や埃の侵入を防ぐことができる。
【0061】
以上、本発明の第3の実施形態のコネクタポートキャップ1について説明した。
【0062】
本発明の第3の実施形態におけるコネクタポートキャップ1は、電子機器の筐体200の開口部の内側に配置されたコネクタポート90に着脱可能に取り付けられる。コネクタポート90は、両端面に凹部93を有する基板92と基板を囲うように設けられたシェル91とを備え、電子機器の筐体200の開口部210の内側に配置されている。
【0063】
コネクタポートキャップ1は、コネクタポートキャップ1がコネクタポート90に取り付けられた時にシェル91の端面を覆う蓋部2と、シェル91の端面が露出されない位置に蓋部2の両端面に形成された一対の切り欠き部4を有する。また、コネクタポートキャップ1は、一対の切り欠き部4の内側に配置されるように蓋部2に設けられた一対の第1のアーム3を有する。一対の第1のアーム3の各々の先端部には、コネクタポートキャップ1がコネクタポート90に取り付けられた時にシェル91と基板92の側面との間に挿入されて凹部93に嵌合するように一対の第1の係止部5が形成されている。
【0064】
上記の構成では、蓋部2がコネクタポート90のシェル91の端部を閉塞しているので、コネクタポート90に塵や埃が侵入することを防ぐ防塵性を確保することができる。また、コネクタポートキャップ1の第1の係止部5が、基板92の側面の凹部93に嵌合しているため、コネクタポートキャップ1がコネクタポート90に固定されている。このため、コネクタポートキャップ1が簡単に取り外せない構造となっており、コネクタポート90に不正にデバイスが接続されることを防止することができる。特に、蓋部2を筐体200の表面と面一にしておくと、より取り外しにくい構成とすることができる。また、蓋部2が第1のアーム3の外側に切り欠き部4を有している。この切り欠き部4から、蓋部2の第1のアーム3側の主面に係止する第2の係止部を備えたコネクタポートキャップ取り外し治具を進入させることにより、コネクタポートキャップ取り外し治具でコネクタポートキャップ1を係止して取り外すことができる。こうして、コネクタポートキャップ1を取り外すことができるため、コネクタポートキャップ1を繰り返し使用することができる。
【0065】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限
られない。
(付記1)
両端面に凹部を有する基板と、前記基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートに、着脱可能に取り付けられるコネクタポートキャップであって、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルの端面を覆う蓋部と、
前記シェルの端面が露出されない位置に前記蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記一対の切り欠き部の内側に配置されるように前記蓋部に設けられた一対の第1のアームと、
前記一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルと前記基板の側面との間に挿入されて前記凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、
を備えたことを特徴とするコネクタポートキャップ。
(付記2)
前記切り欠き部の切り欠き幅が0.1~1.0mmの範囲である
ことを特徴とする付記1に記載のコネクタポートキャップ。
(付記3)
前記一対の第1のアームと前記蓋部とが一体に形成されている
ことを特徴とする付記1または2に記載のコネクタポートキャップ。
(付記4)
前記一対の第1のアームが樹脂で形成されている
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一つに記載のコネクタポートキャップ。
(付記5)
前記蓋部の厚さが、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記蓋部の表面が前記筐体の表面と面一になる厚さである
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一つに記載のコネクタポートキャップ。
(付記6)
両端面に凹部を有する基板と、前記基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートと、
前記コネクタポートに着脱可能に取り付けられるコネクタポートキャップとを有するコネクタポート保護構造であって、
前記コネクタポートキャップは、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルの端面を覆う蓋部と、
前記シェルの端面が露出されない位置に前記蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、
前記一対の切り欠き部の内側に配置されるように前記蓋部に設けられた一対の第1のアームと、
前記一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記シェルと前記基板の側面との間に挿入されて前記凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、
を備えたことを特徴とするコネクタポート保護構造。
(付記7)
前記切り欠き部の切り欠き幅が0.1~1.0mmの範囲である
ことを特徴とする付記6に記載のコネクタポート保護構造。
(付記8)
前記一対の第1のアームと前記蓋部とが一体に形成されている
ことを特徴とする付記6または7に記載のコネクタポート保護構造。
(付記9)
前記一対の第1のアームが樹脂で形成されている
ことを特徴とする付記6乃至8のいずれか一つに記載のコネクタポート保護構造。
(付記10)
前記蓋部の表面が、
前記筐体の表面と面一になるように配置されている
ことを特徴とする付記6乃至9のいずれか一つに記載のコネクタポート保護構造。
(付記11)
付記1乃至4のいずれか一項に記載のコネクタポートキャップを前記コネクタポートから取り外す際に使用されるコネクタポートキャップ取り外し治具であって、
前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記一対の切り欠き部を介して前記筐体の内部に挿入されることが可能な一対の第2のアームと、
前記一対の第2のアームの各々の先端部に形成され、前記コネクタポートキャップが前記コネクタポートに取り付けられた時に前記一対の切り欠き部を介して前記筐体の内部に挿入されると前記切り欠き部に係止する第2の係止部と、
を有することを特徴とするコネクタポートキャップ取り外し治具。
(付記12)
前記一対の第2のアームがU字型の板材の直線部に配置されている、
ことを特徴とする付記11に記載のコネクタポートキャップ取り外し治具。
(付記13)
前記一対の第2のアームが弾性を有する金属で形成されている
ことを特徴とする付記11または12に記載のコネクタポートキャップ取り外し治具。
【符号の説明】
【0067】
1、20 コネクタポートキャップ
2、21 蓋部
3、22 第1のアーム
4、23 切り欠き部
5、24 第1の係止部
10、90 コネクタポート
11、91 シェル
12、92 基板
13、93 凹部
14 シール部
30 コネクタポートキャップ取り外し治具
31 第2のアーム
32 第2の係止部
200 筐体
210 開口部
【要約】
【課題】防塵性を保ちながら繰り返し使用することが可能なコネクタポートキャップ等を提供する。
【解決手段】コネクタポートキャップは、両端面に凹部を有する基板と、基板を囲うように設けられたシェルとを備え、電子機器の筐体の開口部の内側に配置されたコネクタポートに、開口部に着脱可能に取り付けられるコネクタポートキャップであって、コネクタポートキャップがコネクタポートに取り付けられた時にシェルの端面を覆う蓋部と、シェルの端面が露出されない位置に蓋部の両端面に形成された一対の切り欠き部と、コネクタポートキャップがコネクタポートに取り付けられた時に一対の切り欠き部の内側に配置されるように蓋部に設けられた一対の第1のアームと、一対の第1のアームの各々の先端部に形成され、シェルと基板の側面との間に挿入されて凹部に嵌合するように形成された一対の第1の係止部と、を備えている。
【選択図】
図1