(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】レンズ駆動モジュール
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20220830BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20220830BHJP
G03B 17/17 20210101ALI20220830BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220830BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G03B17/17
G03B30/00
H04N5/225 100
(21)【出願番号】P 2021113452
(22)【出願日】2021-07-08
(62)【分割の表示】P 2017134659の分割
【原出願日】2017-07-10
【審査請求日】2021-07-08
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】201710343399.7
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505259022
【氏名又は名称】台湾東電化股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】游 証凱
(72)【発明者】
【氏名】范 振賢
(72)【発明者】
【氏名】胡 朝彰
(72)【発明者】
【氏名】陳 樹山
(72)【発明者】
【氏名】翁 智偉
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-243704(JP,A)
【文献】特開2007-156062(JP,A)
【文献】特開2012-198379(JP,A)
【文献】特開2014-149497(JP,A)
【文献】特開2012-230323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0044250(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105717725(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00-5/08
G02B 7/04
G03B 17/17
G03B 30/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、
前記ベースに連結されたフレーム、
光学レンズを保持し、前記ベースに対して移動するホルダ、
光入射方向から、当該光入射方向とは垂直であって前記光学レンズの光軸とは平行である第1の方向に、光を反射する反射素子、
前記ホルダを前記ベースに対して前記第1の方向に沿って移動させるように構成される第1の電磁駆動アセンブリ、
前記ベースに形成され前記第1の方向に沿って並ぶ複数の凹部、
前記凹部に配置された複数の転動体と、を有し、
前記ホルダは、前記転動体を介して前記ベースに対して移動するレンズ駆動モジュール。
【請求項2】
前記凹部は、前記ベースの上面に形成されており、前記ベースの前記上面は、前記光軸に平行である請求項1に記載のレンズ駆動モジュール。
【請求項3】
前記凹部は、それぞれ前記光軸に平行である方向に沿って延伸する細長構造を有する請求項2に記載のレンズ駆動モジュール。
【請求項4】
前記光軸に平行である方向に沿って見た場合、前記光入射方向に関する前記光学レンズの厚みは、第2の方向に関する前記光学レンズの厚みより小さく、前記第2の方向、前記光入射方向および前記光軸は、互いに垂直である請求項3に記載のレンズ駆動モジュール。
【請求項5】
前記第1の電磁駆動アセンブリは、2つの第1の磁気素子を有し、2つの前記第1の磁気素子は、前記光軸の左側と右側とに配置される請求項4に記載のレンズ駆動モジュール。
【請求項6】
前記光軸に平行である方向に沿って見た場合、2つの前記第1の磁気素子は、前記第2の方向に平行な方向に並べられる請求項5に記載のレンズ駆動素子。
【請求項7】
前記ベースの前記上面は、前記第2の方向に平行である請求項6に記載のレンズ駆動モジュール。
【請求項8】
第1の回路板と第2の回路板をさらに有し、
前記第1の電磁駆動アセンブリは2つの第1の駆動コイルをさらに有し、
2つの前記第1の駆動コイルは、それぞれ、前記第1の回路板と前記第2の回路板とに、電気的に接続する請求項7に記載のレンズ駆動モジュール。
【請求項9】
前記ホルダの一部は、前記第1の回路板と前記第2の回路板の間に配置される請求項8に記載のレンズ駆動モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年7月12日に出願された米国特許仮出願番号第62/361223号、および2017年5月16日に出願された中国特許出願番号第201710343399.7号についての優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、レンズ駆動モジュールに関し、特に、反射素子が光入射方向から、当該光入射方向とは垂直であって光学レンズの光軸とは平行である第1の方向に光を反射するレンズ駆動モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
技術の発展に伴い、近年多くの電子機器(例えば、タブレット型コンピュータまたはスマートフォン)がレンズモジュールを備えてカメラまたはビデオ機能を有している。レンズモジュールを備えた電子機器の使用者が、電子機器を振動させたとき、レンズモジュールを介してカメラで撮像された画像は、ぼやける可能性がある。画像品質の要求が高まっているため、防振のレンズモジュールを開発することがますます重要になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ホルダをベースに対して第1の方向に沿って移動させるように構成される電磁駆動アセンブリを有するレンズ駆動モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態は、反射素子、ベース、フレーム、ホルダ、光学レンズ、第1の電磁駆動アセンブリ、および第2の電磁駆動アセンブリを含むレンズ駆動モジュールを提供する。フレームは、ベースに連結される。ホルダは、光学レンズを保持し、ベースに移動可能に接続される。反射素子は、光入射方向に沿う外部から光線を、第1の方向に沿って光学レンズを通過するように反射し、光入射方向は、第1の方向に実質的に垂直である。第1と第2の電磁駆動アセンブリは、ホルダおよび光学レンズをベースに対して移動させるように構成され、第1と第2の電磁駆動アセンブリは、光入射方向の異なる位置に配置される。
【0006】
実施形態では、第1の電磁駆動アセンブリは、ホルダおよび光学レンズを第1の方向に移動させるようにし、第2の電磁駆動アセンブリは、ホルダおよび光学レンズを第2の方向に移動させるようにし、第1の方向は第2の方向に実質的に垂直である。
【0007】
実施形態では、光入射方向では、第1の電磁駆動アセンブリと第2の電磁駆動アセンブリとの間に距離が形成され、前記距離は、光学レンズの直径より小さい。
【0008】
実施形態では、第1の電磁駆動アセンブリは、ベースおよびホルダの上に配置され、第2の電磁駆動アセンブリは、フレームおよびホルダの上に配置される。
【0009】
実施形態では、第1の電磁駆動アセンブリは、第1の駆動コイルを有し、第2の電磁駆動アセンブリは、第2の駆動コイルを有し、第1の駆動コイルと第2の駆動コイルは、第2の方向と第1の方向にそれぞれ延伸した細長構造を有し、第1の方向は、第2の方向に実質的に垂直である。
【0010】
実施形態では、光学レンズは、光入射方向に垂直な面を有する。
【0011】
実施形態では、レンズ駆動モジュール1は、ホルダおよびベースに移動可能に接続された転動体を更に含む。
【0012】
実施形態では、レンズ駆動モジュールは、ベースおよびホルダの上にそれぞれ形成され、転動体を収容した2つの凹部を更に含む。
【0013】
実施形態では、凹部は、第1の方向と第2の方向に沿ってそれぞれ延伸した細長構造を有し、第1の方向は、第2の方向に実質的に垂直である。
【0014】
実施形態では、レンズ駆動モジュールは、ホルダおよびベースに移動可能に連結された弾性素子を更に含む。
【0015】
実施形態では、ホルダは、C字形の構造を有し、C字形の構造の2つの端部は、光入射方向に対応して傾斜した斜面をそれぞれ有する。
【0016】
実施形態では、3つの分離した接触領域がホルダと光学レンズとの間に形成される。
【0017】
実施形態では、レンズ駆動モジュールは、開口を有する回路板を更に含み、ベースは、開口を収容する凹構造を有する。
【0018】
実施形態では、レンズ駆動モジュールは、ベースに連結され、且つ互いに分離された複数の回路板を更に含み、ホルダの一部は、複数の回路板の間の空間に収容される。
【0019】
実施形態では、レンズ駆動モジュールは、ベースに埋設され、複数の回路板に電気的に接続された導体を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付の図面とともに以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解できる。
【
図1】本発明の実施形態のレンズ駆動モジュールを示す概略透視図である。
【
図2】
図1のレンズ駆動モジュールのレンズユニットを示す分解図である。
【
図3】組み立て後の
図2のレンズユニットを示す概略透視図である。
【
図4】
図3のラインA-Aに沿ったレンズユニットの断面図である。
【
図5】第1のユニットU1、第2のユニットU2、および転動体(rolling elements)Bを示す概略透視図である。
【
図6】
図5のベースおよび回路板を示す底面図である。
【
図7】本発明のもう1つの実施形態の光学レンズおよびホルダを示す概略図である。
【
図8】本発明のもう1つの実施形態のレンズユニットを示す分解図である。
【
図9】組み立て後の
図8のレンズユニットを示す概略透視図である。
【
図10】組み立て後の
図8のベース10’、回路板F1とF2、および転動体Bを示す底面図である。
【
図11】本発明のもう1つの実施形態のレンズユニットを示す分解図である。
【
図12】組み立て後の
図11のレンズユニットを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のいくつかの実施形態のレンズ駆動モジュールは、以下の説明で詳述される。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態の以下の詳述では、広くさまざまな特定背景において実行され得るさまざまな発明の概念を提供する。開示された特定の実施形態は、本発明の範囲を限定するものではなく、単にいくつかの特定の方法において、本発明を明瞭に説明するために提供されている。
【0022】
特に定義されなければ、本明細書で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、この発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。さらに理解されることであろうが、一般に使用される辞書で定義されているような用語は、関連した技術分野の文脈におけるその意味と一致した意味を持つものとして解釈されるべきであり、本明細書で明確にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0023】
図1は、本発明の実施形態のレンズ駆動モジュール1を示す概略透視図である。レンズ駆動モジュール1は、電子機器(例えば、カメラ、タブレット型コンピュータ、または携帯電話)の中に配置されることができる。レンズ駆動モジュール1は、レンズユニットULおよび反射素子Pを含む。光入射方向Q(Z軸)に沿った外部からの光線がレンズ駆動モジュール1に入射したとき、光線は、レンズ駆動モジュール1の反射素子P(例えば、プリズムまたは反射鏡)によって、光入射方向Qから、第1の方向D1(X軸)に沿ってレンズユニットULの光学レンズLを通過するように反射される。従って、光線は、光学レンズLから電子機器の感光素子(図示されていない)へ通過し、画像を撮像することができる。
【0024】
留意すべきことは、光学レンズLの光軸(X軸に実質的に平行である)は、光入射方向Qに実質的に垂直であることである。従って、レンズユニットULの各素子は、X軸に平行な方向に沿って配置されることができ、Z軸方向の電子機器の厚さは、大幅に減少されて小型化を達成することができる。
【0025】
レンズユニットULの光学レンズLは、電子機器の感光素子に対応して移動することができる。従って、光学レンズLの焦点距離は、適切に調整されてオートフォーカス(AF)の効果を達成することができる。従って、画像品質が向上されることができる。レンズ駆動ユニットULの構造は、以下のように詳述される。
【0026】
図2および
図3に示すように、
図2は、
図1のレンズユニットULを示す分解図であり、
図3は、組み立て後の
図2のレンズユニットULを示す概略透視図である。レンズユニットULは、第1のユニットU1、第2のユニットU2、および複数の転動体B(接続素子(connecting pieces))を含み、転動体Bは、第1と第2のユニットU1とU2に接続される。第1と第2のユニットU1とU2は、ベース10、回路板F、フレーム20、ホルダ30、第1の電磁駆動アセンブリMC1、第2の電磁駆動アセンブリMC2、および光学レンズLを主に含む。フレーム20は、ベース10の上に配置され、互いに固定される。ホルダ30もベース10の上に配置され、光学レンズLを保持するように転動体Bによって互いに接続される。
図2~
図3に示されるように、第1の電磁駆動アセンブリMC1は、ベース10およびホルダ30の上にそれぞれ配置された複数の第1の駆動コイルC1および複数の第1の磁気素子M1(例えば、磁石)を含み、ホルダ30および光学レンズLをフレーム20およびベース10に対して移動させるために、駆動信号(例えば、電流)が外部電源によって、第1の駆動コイルC1に印加されることができる。また、第2の電磁駆動アセンブリMC2は、フレーム20およびホルダ30の上にそれぞれ配置された複数の第2の駆動コイルC2および複数の第2の磁気素子M2(例えば、磁石)を含み、ホルダ30および光学レンズLをフレーム20およびベース10に対して移動させるように、駆動信号が外部電源によって、第2の駆動コイルC2に印加されることができる。第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2によって光学レンズLをフレーム20およびベース10に対して移動させることにより、光学式手ぶれ補正(OIS)の効果が達成されることができる。
【0027】
図3~
図4に示すように、第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2の詳細が示されており、
図4は、
図3のラインA-Aに沿った断面図である。第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2は、ホルダ30の底面と上面の上にそれぞれ配置(または埋設)される。第1と第2の駆動コイルC1とC2は、ベース10とフレーム20の上にそれぞれ配置される。ホルダ30および光学レンズLを移動させることができる第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2を形成するように、第1と第2の磁気素子M1とM2が第1と第2の駆動コイルC1とC2に面して対応して配置される。実施形態では、少なくとも各1つの第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2が光学レンズLの左と右側に配置され(
図4に示されている)、ホルダ30と光学レンズLがベース10とフレーム20に対して安定して移動することができるようにする。
【0028】
第1の駆動コイルC1、第1の磁気素子M1、第2の駆動コイルC2、および第2の磁気素子M2の配置および位置は、上述の実施形態に限定されるものではないことは理解されることであろう。例えば、いくつかの他の実施形態では、第1と第2の磁気素子M1とM2は、ベース10とフレーム20の上にそれぞれ配置されることができ、第1と第2の駆動コイルC1とC2は、ホルダ30の上に配置されることができる。
【0029】
また、
図4に示されるように、ホルダ30は、C字形の構造を有し、C字形の構造の2つの端部は斜面31(Z軸に対して傾斜)を有する。斜面31は、ホルダ30およびその他の素子と組み立て、連結、または接着の助けとなることができる。
【0030】
光学レンズLの移動モードが以下のように詳述される。適切な駆動信号が第1の電磁駆動アセンブリMC1に印加されたとき、第1の電磁駆動アセンブリMC1は、ベース10とフレーム20に対して第1の方向D1(X軸に実質的に平行である)に沿って、ホルダ30および光学レンズLが移動するようにさせることができる。同様に、適切な駆動信号が第2の電磁駆動アセンブリMC2に印加されたとき、第2の電磁駆動アセンブリMC2は、ベース10とフレーム20に対して第2の方向D2(Y軸に実質的に平行である)に沿って、ホルダ30および光学レンズLが移動するようにさせることができる。従って、ホルダ30および光学レンズLは、xy面上で2つの異なる方向、第1と第2の方向D1とD2に向かって移動することができる。従って、レンズ駆動モジュール1は、より良い手ぶれ補正の効果を有することができる。また、Z軸の方向(光入射方向Q)では、第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2を異なる高さに配置することで、同一面にあることによる電磁干渉の問題を減少または回避することができる。また、光学レンズLを駆動させるレンズユニットUL内の第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2によって発生された磁気駆動力を効果的に向上させることができる。また、Z軸方向の第1と第2の電磁駆動アセンブリMC1とMC2の間の距離Nが光学レンズLの直径より短いため、Z軸方向のレンズユニットULの高さを、減少させることができる。従って、レンズ駆動モジュールの全体的な体積を、縮小することができる。
【0031】
留意すべきことは、
図5に示されるように、複数の凹部RIは、ベース10の上面の上に形成され、複数の凹部RIIは、ホルダ30の底面301の上に形成される。複数の凹部RIとRIIは、複数の転動体Bの一部を対応するように収容し、転動体Bの転動を導くように用いられることができる。実施形態では、凹部RIとRIIは、細長構造を有する。凹部RIの長軸は、第1の方向D1(X軸に実質的に平行である)に延伸し、凹部RIIの長軸は、第2の方向D2(Y軸に実質的に平行である)に延伸し、第1の方向D1は、第2の方向D2に実質的に垂直である。従って、転動体Bは、xy面上の第1と第2の方向D1とD2に沿って順調に転動し、光学レンズLおよびホルダ30がベース10およびフレーム20に対して第1と第2の方向D1とD2に移動するように導くことができる。従って、レンズユニットULは、少なくとも二次元での手ぶれ補正の効果を有することができる。また、第1の駆動コイルC1および第2の駆動コイルC2もそれぞれ第2および第1の方向D2とD1に向かって延伸した細長構造を有する。
【0032】
図4および
図5に示すように、レンズユニットULは、2対の第1と第2の整合素子(aligning element)H1とH2を更に含む。第1と第2の整合素子H1とH2は、ベース10の上面およびホルダ30の底面301にそれぞれ配置される。いくつかの他の実施形態では、第1の整合素子H1は、永久磁石およびホール効果センサの中の1つであることができ、第2の整合素子H2は、前述の2つのもう1つであることができる。ホール効果センサは、永久磁石の磁場の変化を検出することによって永久磁石の位置を判定することができる。このように、振動により生じたホルダ30および光学レンズLの位置ずれを検出し補正することができる。
【0033】
図5および
図6に示すように、
図6は、ベース10および回路板を示す底面図である。回路板Fは、ベース10に連結され、開口F101は、回路板Fに形成される。凹構造101(
図5に図示されている)は、ベース10の上面に形成される。凹構造101は、開口F101に埋設される。従って、第1と第2のユニットU1とU2を組み立てるとき、Z軸(光入射方向Q)の回路板Fの厚さは減少され、効果的に空間を節約することができる。
【0034】
図7は、本発明のもう1つの実施形態の光学レンズL’およびホルダ30’を示す概略図である。図に示されるように、光学レンズL’と
図2の光学レンズLとの間の違いは、光学レンズL’がZ軸(光入射方向Q)に実質的に垂直である2つの面L’101とL’102を有することである。光学レンズLと比較すると、光学レンズL’は、Z軸の方向でより薄い厚さを有する。従って、レンズユニットの体積は、縮小されることができる。また、ホルダ30’および光学レンズL’は、互いに分離された3つの接触領域CA1、CA2、およびCA3のみ有する。このように、光学レンズL’とホルダ30’間の接触領域は、組み立ての精度と便利性を向上させるように、減少されることができる。
【0035】
図8~
図10は、本発明のもう1つの実施形態のレンズユニットUL2の概略図である。レンズユニットUL2は、第1のユニットU3、第2のユニットU4、および複数の転動体Bを含む。第2のユニットU4は、第1のユニットU3の上に配置され、転動体Bによって第1のユニットU3に連結される。第2のユニットU4は、4つの第1の磁気素子M1を含み、第2のユニットU4の他の素子は、上述の第2のユニットU2(
図2に図示)のそれらと同じまたは対応する。外観にわずかな違いがあるだけである。したがって、第2のユニットU4の他の素子は、ここでは再度詳述されない。
【0036】
図8および
図9に示されるように、本実施形態の第1のユニットU3と上述の第1のユニットU1(
図2に図示)との主な違いは、第1のユニットU3が4つの第1の駆動コイルC1および2つの分離した回路板F1とF2を含み、第1の駆動コイルC1と回路板F1とF2がレンズユニットUL2の中心軸(Z軸方向)に略対称となるようにベース10’の上に配置されることである。回路板F1とF2は、2つの第1の駆動コイルC1にそれぞれ連結される。4つの第1の磁気素子M1は、第1の電磁駆動アセンブリMC1を形成するように、第1の駆動コイルC1に面して対応して配置される。従って、ホルダ30と光学レンズLを、ベース10’とフレーム20に対して移動させるようにすることができる。
【0037】
図10は、組み立て後の
図8のベース10’、回路板F1とF2、および転動体Bを示す底面図であり、ベース10’は、素子が透視可能で示されるように点線で示されている。複数の導体(例えば、金属シート)E1~E4が、例えば、インサート成形または三次元成形回路部品(MID)技術の方法によってベース10’に埋設される。導体E1~E4は、回路板F1およびF2に電気的に接続される。電磁駆動アセンブリMC1によって、光学レンズLを移動させるように、外部電源は、導体E1~E4を介して駆動信号を回路板F1とF2および第1の駆動コイルC1に印加する。
図8に示されるように、留意すべきことは、2つの分離した回路板F1とF2が光学レンズLの左側と右側に、離間してそれぞれ配置されていることである。従って、第1と第2のユニットU3とU4を組み立てた後、ホルダ30の底部の一部は、回路板F1とF2との間の空間に収容される。従って、Z軸方向のレンズユニットUL2の全体の厚さが減少され、空間を節約することができる。
【0038】
図11は、本発明のもう1つの実施形態のレンズユニットUL3を示す分解図である。
図12は、レンズユニットUL3の断面図である。
図11および
図12に示されるように、本実施形態のレンズユニットUL3と上述のレンズユニットUL2(
図8に図示)との主な違いは、レンズユニットUL3の第2のユニットU6のホルダ30”の形状が上述のホルダ30の形状と異なることである。レンズユニットUL3は、複数の板バネSFおよび複数の弾性素子S(接続素子)を含み、板バネSFは、ホルダ30”の上面に配置され、各弾性素子Sの2つの端部は、板バネSFおよびベース10’にそれぞれ連結される。従って、ホルダ30”および光学レンズLは、ベース10’に移動可能に連結される。また、第2の磁気素子M2は、フレーム20の上に配置され、第2の駆動コイルC2は、ホルダ30”の上面に配置され、板バネSF(
図12に図示)に連結される。
【0039】
ホルダ30”は、光学レンズLを安定して保持するように用いられることができる。4つの弾性素子S(例えば、可撓性の金属線)は、板バネSF(例えば、金属含有板バネ)の角部にそれぞれ配置され、ホルダ30”とベース10’を連結する。ホルダ30”および光学レンズLは、オートフォーカス(AF)および光学式手ぶれ補正(OIS)の機能を達成するように、電磁駆動アセンブリMC1(磁気素子M1および駆動コイルC1を含む)および電磁駆動アセンブリMC2(磁気素子M2および駆動コイルC2を含む)を介してベース10’に対して移動することができる。
【0040】
要約すると、本実施形態は、電子機器内に配置されることができるレンズ駆動モジュールを提供する。レンズ駆動モジュールは、レンズユニットと、反射素子、および少なくとも1つの接続素子を含み、レンズユニットは、光学レンズ、ホルダ、フレーム、ベース、第1の電磁駆動アセンブリ、および第2の電磁駆動アセンブリを含む。反射素子は、画像を撮像するように、外部からの光線をレンズユニットから電子機器の感光素子まで通過するように反射させるように用いられる。フレームはベースの上に固定される。接続素子は、ホルダおよびベースに連結された転動体または可撓性の弾性素子であることができる。第1の電磁駆動アセンブリは、ベースおよびホルダの上に配置される。第2の電磁駆動アセンブリは、フレームおよびホルダの上に配置される。第1および第2の電磁駆動アセンブリは、ホルダおよび光学レンズをベースおよびフレームに対して移動させる。第1と第2の電磁駆動アセンブリは、光入射方向の異なる位置に配置され、レンズユニットの2つの電磁駆動アセンブリ間の干渉が減少されることができるようになる。従って、磁気駆動力が効果的に向上されることができる。また、ホルダおよび光学レンズは、良好な光学合焦または補償を達成するように、光入射方向に垂直である複数の方向に沿ってベースおよびフレームに対して移動するように導かれることができる。また、光学レンズをベースの回路板と重なり合わないようにすることによって、レンズ駆動モジュールの全体の体積が減少されることができる。
【0041】
「第1の」、「第2の」などの本明細書の記述および請求項の序数は、それ自体が順序を示唆するものではなく、同じの名前を有する2つの異なる要素を区別するためだけに用いられていることは理解されるべきである。
【0042】
上述の実施形態は、当業者が本開示の装置を行うように適切に詳述される。当業者は、本開示の精神および範囲を逸脱せずに、本発明に種々の変更および改変を行うことができることは理解されるべきである。従って、本開示の範囲は、以下の請求項に基づいて規定される。
【符号の説明】
【0043】
1 レンズ駆動モジュール
10、10’ ベース
101 凹構造
20 フレーム
30、30’、30” ホルダ
31 斜面
301 底面
A-A
図3のライン
B 転動体(接続素子)
C1 第1の駆動コイル
C2 第2の駆動コイル
CA1、CA2、CA3 接触領域
D1 第1の方向
D2 第2の方向
E1、E2、E3、E4 導電体
F、F1、F2 回路板
F101 開口
H1 第1の整合素子
H2 第2の整合素子
L、L’ 光学レンズ、
L’101、L’102 面
M1 第1の磁気素子
M2 第2の磁気素子
MC1 第1の電磁駆動アセンブリ
MC2 第2の電磁駆動アセンブリ
N 距離
P 反射素子
Q 光入射方向
RI、RII 凹部
S 弾性素子(接続素子)
SF 板バネ
UL、UL2、UL3 レンズユニット
U1、U3 第1のユニット
U2、U4、U6 第2のユニット