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特許7132403メディアシステムにおけるマルチチャンネルペアリング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】メディアシステムにおけるマルチチャンネルペアリング
(51)【国際特許分類】
   H04S 7/00 20060101AFI20220830BHJP
   H04R 3/12 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H04S7/00 300
H04R3/12 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021113667
(22)【出願日】2021-07-08
(62)【分割の表示】P 2021008108の分割
【原出願日】2012-04-26
(65)【公開番号】P2021170801
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2021-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・カライ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ダレル・アンドリュー・エリクソン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・エイ・ランボーン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・レイマン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・トリプレット
【審査官】大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-11159(JP,A)
【文献】特開2010-258604(JP,A)
【文献】特開2008-211602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04S 7/00
H04R 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャンネルリスニング環境にオーディオを提供する第1再生デバイスのための方法であって、
複数のオーディオチャンネルを含むマルチチャンネルオーディオデータを受信するステップ、
第1再生デバイスが複数のオーディオチャンネルを出力するように構成される第1タイプのペアリングであるとき、
第1のタイプのペアリングに応じて複数のスピーカードライバを通って出力されるオーディオデータを処理するステップ、
少なくとも第2再生デバイスとのペアリングであって、第1再生デバイスがオーディオデータのチャンネルの第1サブセットを出力するように構成され、且つ第2再生デバイスがオーディオデータのチャンネルの第2サブセットを出力するように構成される第2タイプのペアリングであるとき、
オーディオデータを複数のオーディオチャンネルに分けるステップ、
第1再生デバイスのネットワークインターフェースを介して第2再生デバイスに、オーディオデータのチャンネルの第2サブセットを送信するステップ、
第2再生デバイスによって出力されるチャンネルの第2サブセットと同期して、複数のスピーカードライバからオーディオデータのチャンネルの第1サブセットを出力するステップ、
を含む、方法。
【請求項2】
更に、
第1タイプのペアリングに応じて複数のスピーカードライバから出力される複数のオーディオチャンネルの第1イコライゼーションを構成するステップ、
第2タイプのペアリングに応じて複数のスピーカードライバから出力される複数のオーディオチャンネルの第1サブセットの第2イコライゼーションを構成するステップ、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1タイプのペアリングは、他の再生デバイスとのペアリングを含まず、第2タイプのペアリングは、1つ以上の別の再生デバイスとのペアリングを含む、
請求項1又は2に記載の方法
【請求項4】
第2タイプのペアリングは、統合モード、シアターモード及びステレオモードのうちの1つを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第1タイプのペアリングは、第2再生デバイスとのペアリングを含み、第2タイプのペアリングは、第2再生デバイスを含む複数の再生デバイスとのペアリングを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1タイプのペアリングは、複数のスピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドを再現することを含み、第2タイプのペアリングは、複数のスピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドの1つ以下のチャンネルを再現することを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
第1タイプのペアリングは、複数のスピーカードライバを介して第1オーディオチャンネル及び第2オーディオチャンネルを再現することを含み、第2タイプのペアリングは、複数のスピーカードライバを介して第2オーディオチャンネルを再現することを含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
更に、
第2タイプのペアリングに入る前に、第2タイプのペアリングに入るコマンドをコントローラから受信するステップ、を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
更に、
第2タイプのペアリングに入った後、第1タイプのペアリングに入るコマンドをコントローラから受信するステップ、を含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
第2タイプのペアリングは、制御インターフェースコマンド、オーディオコンテンツの変化、時間、およびオーディオコンテンツのタイプのうち少なくとも1つによってトリガーされる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
マルチチャンネルオーディオデータを受信するステップは、インターネットを介してオーディオソース(816)からマルチチャンネルオーディオデータを受信すること、を有する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
マルチチャンネルオーディオデータは、更に、ビデオコンテンツを有し、
第2再生デバイスによって出力されるチャンネルの第2サブセットと同期して複数のスピーカードライバからオーディオデータのチャンネルの第1サブセットを出力することは、更に、ビデオコンテンツと同期してオーディオデータを出力すること、を有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
第1再生デバイスは、選択されると、第1再生デバイスのチャンネルを選択するボタンを有する、
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第1再生デバイス及び第2再生デバイスは、無線ネットワークを介して通信する、
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
マルチチャンネルリスニング環境にオーディオを提供する第1再生デバイスであって、
ネットワーク上での通信を可能にし、ネットワーク上のオーディオデータを受信するネットワークインターフェース、
複数のスピーカードライバ、
複数のスピーカードライバに電力を供給するアンプ、
請求項1~14のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたプロセッサ、
を備える、第1再生デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に記載される技術は、家庭用電化製品の分野で使用するための技術に向けられる。特に、特定の実施形態では、メディアシステムのペアリングマルチチャンネルに向けられる。
【0002】
音楽は、広く私たちの日常生活の一部となっている。そして、技術の進歩のおかげで、音楽コンテンツは、現在これまで以上にアクセスしやすいものになっている。同じことが、テレビ、映画などの他のタイプのメディアと、他のオーディオおよびビデオコンテンツとにも言うことができる。実際には、現在、ユーザーは、オーディオとビデオコンテンツとにアクセスする従来の手段に加えて、オンラインストア、インターネットラジオステーション、オンライン音楽サービス、オンライン映画サービス等を通してインターネット上のコンテンツにアクセスすることができる。
【0003】
このようなオーディオおよびビデオコンテンツの需要は、急増し続けている。長年にわたって高い需要を考えると、そのようなコンテンツにアクセスして再生するために使用される技術は、同様に向上している。それでもまだ、コンテンツへのアクセスおよびそのようなコンテンツの再生に使用される技術は、市場やエンドユーザーが予期し得ない方法で、大幅に向上する、または開発することができる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載される実施形態は、これらに限定されるものではないが、種々の装置、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品を含む。このセクションでは、特定の実施形態のいくつかの態様を要約することを目的としている。このセクションの目的、要約、およびタイトルを不明瞭にすることを避けるために、このセクションと同様に、要約またはこの記載のタイトルの単純化または省略を行ってもよい。そのような単純化または省略は、本明細書に記載された様々な本発明の範囲を限定するものではない。
【0005】
概要では、本明細書に記載される実施形態は、個々の再生デバイスをグルーピングする、統合する、ペアリングする技術を提供し、マルチチャンネルリスニング環境を創る又は強化している。特に、本明細書の実施形態は、2つ以上の再生デバイスをペアリングすることができ、それによりマルチチャンネルオーディオが実現される、または強化される。そのような実施形態では、ステレオサウンド、または、例えば、ある種のテレビ、映画、および音楽などの2つのチャンネル以上でエンコードされたオーディオコンテンツに適した他のオーディオ環境を作ることに使用されてもよい。
【0006】
例えば、実施形態に係る装置は、ネットワークインターフェース、複数のスピーカードライバ、アンプ、およびプロセッサを備える。ネットワークインターフェースは、ネットワーク上のオーディオデータを受信する。アンプは、複数のスピーカードライバに電力を供給する。プロセッサは、出力されるオーディオデータを複数のスピーカードライバを通して処理する。プロセッサは、第1のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第1のイコライゼーションを設定し、さらに第2のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第2のイコライゼーションを設定する。
【0007】
別の例では、実施形態に係る方法は、ネットワーク上のオーディオデータを受信すること、出力されるオーディオデータを複数のスピーカードライバを通して処理することを含む。方法は、第1のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第1のイコライゼーションを設定すること、第2のタイプのペアリングに応じて複数のスピーカードライバからの出力の第2のイコライゼーションを設定することをさらに含む。
【0008】
本発明の目的、特徴、および利点の一つは、マルチチャンネルリスニング環境を実現すること、または強化することである。本発明の他の多くの目的、特徴、および利点は、添付図面と併せて実施形態の以下のそれらの詳細な記載を検討することにより明らかにされるであろう。
【0009】
本明細書に記載される技術のこれらおよび他の特徴、態様、及び利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関する技術における当業者にとってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は特定の実施形態が実施され得る構成の例を示す。
図2A図2Aは特定の実施形態に係るプレーヤーの例示的な機能ブロック図を示す。
図2B図2B図2Aの1つ以上のプレーヤーを遠隔制御するために使用され得るコントローラの一例を示す。
図2C図2C図2Aの1つ以上のプレーヤーを遠隔制御するために使用され得るコントローラの一例を示す。
図2D図2Dは特定の実施形態に係るコントローラの内部の機能ブロック図の一例である。
図3A図3Aはゾーンシーン設定の図を提供する。
図3B図3Bはユーザーが同時に収集される複数のグループを定義することを示す。
図4図4はコントローラまたは図1のコンピュータに表示され得るユーザーインターフェースの例を示す。
図5A図5Aはユーザーがシーンを形成することを可能にするユーザーインターフェースの例を示す。
図5B図5Bはユーザーがシーンを形成することを可能にするユーザーインターフェースの別の例を示す。
図5C図5Cはユーザーが個別にまたは集合的に、ゾーンシーン内のゾーンプレーヤーの音量レベルを調整することを可能にするユーザーインターフェースの例を示す。
図6図6は複数のプレーヤーのプレーヤーテーマまたはゾーンシーンを提供するフローチャートまたはプロセスを示し、1つ以上のプレーヤーがゾーンに配置される。
図7図7はオーディオソースが実施形態に係る2つのプレーヤーで再生される構成の例を示す。
図8図8は実施形態に係る複数のプレーヤーの間でのペアリングの構成の例を示す。
図9図9は複数のオーディオ製品をグルーピングするフローチャートまたは工程を示し、別々のサウンドトラックを同期して再生し、マルチチャンネルリスニング環境をシミュレートする。
図10A図10Aは特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10B図10Bは特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10C図10Cは特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10D図10Dは特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10E図10Eは特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10F図10Fは特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
さらに、図面は特定の実施形態を説明することを目的としているが、本発明は、図面に示した配置や手段に限定されるものではないことを理解されたい。
I.概要
【0012】
本明細書に記載された実施形態は、メディアシステムにおけるマルチチャンネルペアリングに関する。実施形態は、ステレオ、サラウンドサウンド、またはいくつかの他のマルチチャンネル環境のように、マルチチャンネルオーディオ再現を作るまたは強化するために2つ以上の再生デバイスを共にペアリングするのに特に有用である。実施形態はまた、マルチチャンネルペアリングが望まれる任意のシステムに関連して有用性を見つけられるであろう。
【0013】
実施形態では、互いに独立した複数のオーディオチャンネルを出力することができる再生デバイスが2つ選択され、ペアが組まれる。そのようにペアになった後、1つの再生デバイスが、複数のオーディオチャンネルの第1のサブセットを出力するように設定され、他の再生デバイスが、複数のオーディオチャンネルの第2のサブセットを出力するように設定される。第1と第2のサブセットは、互いに異なる。例えば、各再生デバイスは、ペアリングされる前に2つのチャンネルモードまたはステレオモードにおいて動作するように設定される(例えば、各再生デバイスは、右と左のチャンネルオーディオの両方で再生される)。ペアリングの後、1つの再生デバイスは、第1のチャンネルを出力するように再設定され(例えば、右のチャンネルオーディオであり、左のチャンネルオーディオではない)、他の再生デバイスは、第1のチャンネルとは異なる、第2のチャンネルを出力するように再設定される(例えば、左のチャンネルオーディオであり、右のチャンネルオーディオではない)。
【0014】
別の実施形態では、コレクション内の別の再生デバイスから独立した複数のオーディオチャンネルを出力可能な再生デバイスが3つ以上選択され、ペアが組まれる。そのようにペアになった後、再生デバイスのそれぞれは、コレクションから異なるオーディオチャンネルを出力するように設定される。この実施形態は、テレビまたは映画館のタイプの設定に特に有用である。複数の再生デバイスのうち特定の再生デバイスは、一度に(例えば、曲を再生するとき)2つのチャンネルまたはステレオモードで出力するように設定され、そして、ペアリングの後で、フロント右チャンネル、フロントセンターチャンネル、フロント左チャンネル、リア右チャンネル、リア左チャンネル、サブウーファーチャンネルなど(例えば、テレビまたは映画を見たりするとき、若しくは2つのチャンネルより多くを含む音楽を聞くとき)として出力されるように設定される、
【0015】
別の実施形態では、ペアになった再生デバイスの1つは、例えば、データをオーディオ項目のデータを処理し、シングルサウンドトラックを表示するそれぞれのチャンネルに分ける。再生デバイスは、分けられたチャンネルを他のそれぞれの再生デバイスに送信する。再生デバイスは、それらの特徴的なチャンネルを同期して再生し、マルチチャンネルリスニング環境を創る。あるいは、ペアになった再生デバイスのそれぞれは、オーディオ項目のデータ、またはデータの一部を処理して、それらのみ、またはそれぞれの再生デバイスのために設計された1つ以上のチャンネルを再生する。
【0016】
別の実施形態では、2つ以上の再生デバイスは、単一の、または統合された再生デバイスにグループ化することができ、統合された再生デバイスは、1つ以上の再生デバイスとペアにすることができる。例えば、2つの再生デバイスが、第1の統合再生デバイスにグループ化されてもよく、2つの別の再生デバイスが、第2の統合再生デバイスにグループ化されてもよい。第1と第2の統合再生デバイスは、例えば、ペアになってもよい。特定の実施形態では、統合再生デバイスのそれぞれの再生デバイスは、統合モードに切り替えられ、任意の特定の再生デバイスの1つ以上のスピーカードライバのイコライゼーションを変更することができる。さらに、1つ以上の別の再生デバイスが統合再生デバイスに追加されてもよい。
【0017】
特定の実施形態では、再生デバイスは、オーディオチャンネルを出力するように設定され、1つ以上の別の再生デバイスとペアになっている。そのようにして、再生デバイスは、異なるオーディオチャンネルを出力するように再設定される。例えば、再生デバイスは、ステレオモードの右チャンネルを出力してもよいが、1つ以上の別の再生デバイスとペアにされた後、シアターモードのリア、右チャンネルを出力するように再設定されてもよい。再生デバイスは、1つ以上の他の再生デバイスとペアにされてもよい。
【0018】
特定の実施形態では、再生デバイスは、複数のオーディオチャンネルを出力するように設定され、1つ以上の別の再生デバイスとペアになっている。そのようにして、再生デバイスは、1つ以上の別の再生デバイスに関連する複数のオーディオチャンネルのサブセットを出力するよう設定される。例えば、再生デバイスは、2チャンネルまたはステレオモードで出力するように設定されていてもよいが、1つ以上の再生デバイスとペアにされた後、右または左チャンネルを出力するように設定されてもよい。再生デバイスは、1つ以上の他の再生デバイスとペアにされてもよい。
【0019】
特定の実施形態では、再生デバイスは、ネットワークインターフェース、1つ以上のスピーカーデバイス、アンプ、およびプロセッサを備える。ネットワークインターフェースは、ネットワーク上のオーディオデータを受信する。アンプは、スピーカードライバに電力を供給する。プロセッサは、スピーカードライバを通して出力されるオーディオデータを処理する。プロセッサは、第1のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第1のイコライゼーションを設定し、さらに第2のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第2のイコライゼーションを設定する。再生デバイスは、非ペアモード、ペアモード、統合モード、およびグループモードのいずれかで動作できる。
【0020】
特定の実施形態では、コントローラは、特に、2つ以上の再生デバイスをペアにするように設定され、マルチチャンネルオーディオ環境を作っている。即ち、コントローラを通して、ユーザーは、どの再生デバイスとペアにするかを選択することができる。一度プログラムされると、再生デバイスは、例えば、離されるまでペアモードで動作することができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、1つ以上の再生デバイスと無線で接続される。他の実施形態では、コントローラは、1つ以上の再生デバイスと有線接続されている。
【0021】
特定の実施形態によれば、2つ以上の再生デバイスのペアリングの動作は、制御インターフェースを介してユーザーからのコマンドに基づいてトリガーされる(例えば、手動コマンドがペアを創る)またはイベントに応答してトリガーされる(例えば、自動コマンドがペアを創る)。サンプルイベントは、オーディオコンテンツの変化の検出(例えば、オーディオコンテンツが2つのチャンネルコンテンツを有していることから3つ以上のチャンネルコンテンツを有していることになる、およびその逆も同様)、特定の期間の検出、特定の種類のエンターテインメントの検出(例えば、ユーザーがテレビを見ているか音楽を聞いているかを検出する)、または再生デバイスとの間でペアを創るようにプログラムされた任意の他のイベントを含む。イベントの検出は、例えば、コントローラ、再生デバイスの1つ、またはいくつかの他のデバイスによって行われてもよい。
【0022】
特定の実施形態によれば、マルチチャンネルペアリングを最適化する試みにおいて、再生デバイスの設定は、1つ以上の特定のスピーカードライバのイコライゼーションを変化させることによって再生デバイスのイコライザーションを変化させること、ペアのデバイス間での同期を最適化することのいずれかを含んでもよい。イコライゼーションを変化させる例は、以下でさらに記載される。
【0023】
これらの実施形態及びいくつかの別の実施形態が、以下により多く記載される。さらに、詳細な説明は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、及びネットワークに接続されたデータ処理デバイスの動作に直接的又は間接的に似ている他の記号表現に関して主として提示される。これらのプロセス説明および表現は、他の当業者にそれらの仕事の内容を最も効果的に伝えるために当業者によって一般的に使用されている。多数の特定の詳細が本発明の完全な理解を提供するために説明される。しかし、本発明の特定の実施形態は、ある特定の詳細なしに実施できることは、当業者に理解される。他の例において、周知の方法、手順、構成要素、および回路は、実施形態の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために詳細には説明していない。
【0024】
「実施形態」への本明細書での言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書における様々な部分でのこのフレーズの出現は、全てが同じ実施形態を指すとは限らず、他の実施形態を互いに除いた別個のまたは代替的な実施形態ではない。本明細書に記載された実施形態は、明示的および暗黙的に、当業者によって理解されるように、他の実施形態と組み合わせることができる。
II.環境の例
【0025】
図を参照すると、その中の同様の数字は、いくつかの図を通して同様の部品を表すことができる。図1は、特定の実施形態が実施され得る構成100の例を示す。構成100は、限定されるものではないが、住宅、家庭、ビジネスビルディングの一部、または複数のゾーンとの複合体を表すことができる。オーディオデバイスとして3つの例102、104、および106の多数のマルチメディアプレーヤーが示されている。オーディオデバイスのそれぞれは、1つの特定の領域またはゾーンに設置されてもよく、または提供されてもよく、それ故に本明細書では、ゾーンプレーヤーと呼ばれる。
【0026】
本明細書で使用されるように、特に明記しない限り、1つのオーディオソースまたは複数のオーディオソースは、通常、デジタル形式であって、データネットワーク上で送信さする、または流すことができる。図1の例示の環境の理解を容易にするため、構成100はホームを表すと仮定する。しかし、この技術は、アプリケーションのその環境に限定されないことが理解される。図1に戻って、ゾーンプレーヤー102と104が、寝室に1つまたは2つ配置されてもよく、ゾーンプレーヤー106が、リビングルームに設置または配置されてもよい。ゾーンプレーヤー102、104、および106は、直接的または間接的にネットワーク108に接続される。さらに、コンピュータデバイス110は、ネットワーク108上で接続されるように示されている。実際には、このようなホームゲートウェイデバイス、ストレージデバイス、またはMP3プレーヤーなどの任意の他のデバイスも同様にネットワーク108に接続することができる。
【0027】
ネットワーク108は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたは両方の組み合わせであってもよい。1つの例において、ゾーンプレーヤー102、104、および106を含むすべてのデバイスは、IEEE802.11などの工業規格に基づく無線手段によってネットワーク108と接続される。さらに別の例では、ゾーンプレーヤー102、104、および106を含むすべてのデバイスは、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)と通信するローカルエリアネットワークの一部である。また別の例では、ゾーンプレーヤー102、104、106とコントローラ142を含むすべてのデバイスは、アドホックネットワークを形成し、例えば、家族識別:カーライ家族を具体的に名付けられ、例えば、スミス家族などの家族識別と同様の近隣の設定と区別される。
【0028】
ネットワーク108上の多くのデバイスは、オーディオソースをダウンロードおよび保存するように構成されている。例えば、コンピュータデバイス110は、インターネット(例えば、「クラウド」)またはいくつかの他のソースから、音楽またはビデオに関連するオーディオなどのオーディオソースをダウンロードでき、ダウンロードされたオーディオソースを保存し、インターネットまたはネットワーク108上で他のデバイスとローカルに共有することができる。コンピュータデバイス110またはゾーンプレーヤー102、104および106のいずれかは、ストリーミングオーディオを受信するように構成することもできる。ステレオシステムとして示されるように、デバイス112は、(例えば、ブロードキャスティングから)アナログオーディオソースを受信する、または(例えば、コンパクトディスクから)デジタルオーディオソースを取り出すように構成される。アナログオーディオソースをデジタルオーディオソースに変換することもできる。特定の実施形態によれば、様々なオーディオソースがネットワーク108上のデバイス間で共有されてもよい。
【0029】
2つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、任意の2つ以上のゾーンプレーヤー102、104、および106)は、共にグループ化され、新しいゾーングループを形成してもよい。ゾーンプレーヤーと既存のゾーングループのいくつかの組み合わせが共にグループ化されてもよい。1つの例において、別のゾーンプレーヤーまたは既存のゾーングループに1つのゾーンプレーヤーを加えることによって、新しいゾーングループが形成される。
【0030】
特定の実施形態では、1つの環境(例えば、家のリビングルーム)に2つ以上のゾーンプレーヤーがある。これらのゾーンプレーヤーをグルーピングし、同じオーディオソースを同期して再生する代わりに、これらの2つのゾーンプレーヤーが、左と右のチャンネルで2つの異なるサウンドを再生するように設定されてもよい。言い換えれば、サウンドのステレオ効果が、一方の左のサウンドと他方の右のサウンドの、これらの2つのゾーンプレーヤーを通して、再現される、または強化される。同様に、3チャンネル(または2.1サウンドエフェクト)サウンドでは、3つのそのようなゾーンプレーヤーが、3つのスピーカーがあるように再構成され、左右のスピーカーとサブウーファーがステレオサウンドを形成してもよい。ゾーンプレーヤーの再構成とこれらのオーディオ製品の操作との詳細は、さらに以下に記載される。複数のチャンネル(3より多い、例えば、4、5、6、7、9チャンネルなど)を備える同様の構成が適用されてもよい。例えば、2チャンネル以上を使用する構成は、テレビおよび映画館タイプの設定において有用であって、それによってテレビおよび映画の形式などのビデオコンテンツが2チャンネル以上含むオーディオコンテンツと共に再生される。さらに、特定の音楽が2つ以上のチャンネルサウンドで同様にエンコードされてもよい。
【0031】
特定の実施形態では、2つ以上のゾーンプレーヤーが統合され、単一の統合されたゾーンプレーヤーを形成してもよい。統合されたゾーンプレーヤーは、単一のゾーンプレーヤーまたはさらにもう1つの統合されたゾーンプレーヤーとさらにペアになってもよい。統合されたゾーンプレーヤーは、1つ以上の個々の再生デバイスを備えてもよい。統合された再生デバイスのうちそれぞれの再生デバイスは、好ましくは統合モードに設定される。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、所望の設定が完成するまでグループ化する、統合する、およびペアにする、のいずれかを実行し続けることができる。グルーピング、統合、ペアリングの動作は、好ましくは制御インターフェースを通して実行され、スピーカーワイヤーを、例えば、個々の別々のスピーカーに物理的に接続する及び再接続して異なる構成を作るのではない。そのような場合、本明細書に記載される特定の実施形態は、音響再現をエンドユーザーに提供することが可能な、より柔軟で動的なプラットフォームを提供する。
【0033】
本明細書に記載された技術は、アプリケーションのその環境に限定されないことが理解される。例えば、ゾーンとゾーンプレーヤー、本明細書に記載された実施形態は、車、水上オートバイ、飛行機、円形劇場、屋外、村または都市の街路に沿ってなどに加えて、家庭、オフィス、ジム、学校、病院、ホテル、映画館、ショッピングモール、店、カジノ、美術館、テーマパーク、またはオーディオコンテンツが再生される任意の他の場所などに使用されてもよい。このように、当然のことながら、本明細書に記載された実施形態は、マルチチャンネルペアリングが望まれる任意のシステムまたはアプリケーションと関連して使用されてもよい。
III.再生デバイスの例
【0034】
図2Aを参照すると、実施形態に係るゾーンプレーヤー200の例示的な機能ブロック図が示されている。ゾーンプレーヤー200は、ネットワークインターフェース202、プロセッサ204、メモリ206、オーディオ処理回路210、モジュール212を含みさらに、任意で、内蔵又は外付けのオーディオアンプ214、およびオーディオアンプ214と接続される任意のスピーカーユニット218を含む。ネットワークインターフェース202は、データネットワーク(即ち、図1のデータネットワーク108)とゾーンプレーヤー200との間のデータフローを可能にし、特別のルール(即ち、プロトコル)を一般的に実行し、データを相互に通信する。インターネットで使用される一般的なプロトコルの一つは、TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)である。一般的に、ネットワークインターフェース202は、オーディオソースまたはファイルをより小さいパケットへの圧縮を管理し、そのパケットはデータネットワーク上で送信され、または受信したパケットを元のソースまたはファイルに展開する。さらに、ネットワークインターフェース202は、各パケットが正しい宛先に到達する、またはゾーンプレーヤー200に向かうパケットを傍受するように各パケットのアドレス部を扱う。したがって、特定の実施形態では、パケットのそれぞれは、IPベースのソースアドレスだけでなくIPベースの宛先アドレスも含む。
【0035】
ネットワークインターフェース202は、無線インターフェース216と有線インターフェース217の一方または両方を含んでもよい。無線インターフェース216は、RFインターフェースとも呼ばれ、ゾーンプレーヤー200の無線手段によってネットワークインターフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、または802.15.1)に応じて他のデバイスと通信する。有線インターフェース217は、有線手段(例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル)によってネットワークインターフェース機能を提供する。一実施形態では、ゾーンプレーヤーは、インターフェース216と217の両方を含み、他のゾーンプレーヤーは、RFまたは有線インターフェースのみを含む。したがって、これらの他のゾーンプレーヤーは、ネットワーク上の他のデバイスと通信する、またはゾーンプレーヤーを介してオーディオソースを読み出す。プロセッサ204は、ゾーンプレーヤー200で他の部品の動作を制御するように設定されている。メモリ206は、所望のタスクを達成するためにプロセッサ204によって実行可能な1つ以上のソフトウェアモジュールをロードすることができる。一実施形態によれば、例えば、本明細書に記載される実施形態を実現するソフトウェアモジュールが実行されると、プロセッサ204は、ユーザーによって創られたゾーングループを特徴付ける保存されたゾーングループ設定を参照してソフトウェアモジュールに応じて動作し、ゾーンプレーヤー200がネットワーク上の別のゾーンプレーヤーまたはデバイスからオーディオソースを読み出し、ゾーングループ内のプレーヤーを同期させ、要望通りにオーディオソースを再生する。別の実施形態によれば、本明細書に記載される実施形態を実現するソフトウェアモジュールは、2つ以上のゾーンプレーヤーとの間でペアを創り、所望のマルチチャンネルオーディオ環境を創る。
【0036】
一実施形態によれば、メモリ206は、1つ以上の保存されたゾーン設定ファイルを保存するように使用され、いつでも修正のために読み出すことができる。一般的に、保存されたゾーングループ設定ファイルは、ユーザーが制御デバイスを操作するとき、コントローラ(例えば、図1の制御デバイス140または142、コンピュータ、ポータブルデバイス、またはテレビ)に送信される。ゾーングループ設定は、対話型ユーザーインターフェースを提供し、ゾーンプレーヤーの様々な操作または制御が実行され得る。
【0037】
特定の実施形態では、オーディオ処理回路210は、オーディオ再生デバイスの回路のようなものであり、1つ以上のデジタル-アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理部、オーディオ強化部またはデジタル信号プロセッサなどを含む。動作中、ネットワークインターフェース202を介して読み出されたとき、オーディオソースは、オーディオ処理回路210で処理され、アナログオーディオ信号を生成する。処理されたアナログオーディオ信号は、次にオーディオアンプ214に送信され、スピーカーで再生される。さらに、オーディオ処理回路210は、入力としてアナログ信号を処理するのに必要な回路を含んでもよく、回路は、ネットワーク上の他のデバイスと共有するためのデジタル信号を生成する。
【0038】
正確な実装次第で、モジュール212は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実行されてもよい。一実施形態では、モジュール212は、シーンを保存するために使用される。オーディオアンプ214は、一般的に1つ以上のスピーカーを駆動するため、提供されたアナログオーディオ信号を供給するアナログ回路である。
【0039】
ゾーンプレーヤー200は、再生デバイスの一例であることが理解される。再生デバイスの例としては、カリフォルニア州のサンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって商業的に販売される、それらのゾーンプレーヤーが含まれる。それらは現在、ゾーンプレーヤー90、ゾーンプレーヤー120、およびソノズS5を含む。ゾーンプレーヤー90は、アンプを内蔵しないゾーンプレーヤーの例である、一方、ゾーンプレーヤー120は、アンプを内蔵するゾーンプレーヤーの例である。S5は、アンプとスピーカーを内蔵するゾーンプレーヤーの例である。特に、S5は、2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバ、および1つのサブウーファーを含む5つの駆動スピーカーシステムである。S5を介してオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左のオーディオデータは、左のツイーターと左のミッドレンジドライバから送信され、トラックの右のオーディオデータは、右ツイーターと右ミッドレンジドライバから送信され、そしてモノラルバスは、サブウーファーから送信される。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターは、同じイコライゼーション(または実質的に同一のイコライゼーション)を有する。即ち、それらは両方の、オーディオの異なるチャンネルからのみ、同じ周波数で送信される。S5は、スピーカーを備えるゾーンプレーヤーの例であるが、スピーカーを備えるゾーンプレーヤーは、特定の数のスピーカー(例えば、S5のように5つのスピーカー)を備えるものに限定されるものではなく、むしろ1つ以上のスピーカーを含むことができることが理解される。さらに、ゾーンプレーヤーは、別のデバイスの部分であってもよく、それによってオーディオとは異なる主目的を果たすこともできる。
IV.コントローラの例
【0040】
図2Bを参照して、図1の制御デバイス140または142に対応し得る、コントローラ240の例を示す。コントローラ240は、マルチメディアアプリケーション、自動化、および複雑な他のものなどの制御を可能にするために使用することができる。特に、コントローラ240は、ネットワーク上で入手可能な複数のオーディオソースを選択すること、図2Aの無線インターフェース216に対応するRFインターフェースを通して1つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー200)の動作を制御することを可能にするように設定される。一実施形態によれば、無線手段は、工業規格(例えば、赤外線、無線通信、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、または802.15.1)に基づいている。特定のオーディオソースがゾーンプレーヤー200で再生される場合、もしあれば、オーディオソースに関連する、イメージがゾーンプレーヤー200からコントローラ240のディスプレイに送信されてもよい。一実施形態では、コントローラ240は、グループ内のゾーンプレーヤーをグルーピングすることによって1つ以上のゾーンプレーヤーのオーディオ再生を同期するように使用される。別の実施形態では、コントローラ240は、ゾーングループ内のそれぞれのゾーンプレーヤーのボリュームを個別にまたは一緒に制御するように使用される。
【0041】
一実施形態では、コントローラ240は、2つ以上の再生デバイスとの間でペアリングを創るために使用され、マルチチャンネルリスニング環境を創る、または強化する。例えば、コントローラ240は、2つ以上の再生デバイスを選択し、ペアにするように使用されてもよい。さらに、コントローラ240は、ペアリングをオンまたはオフするように使用されてもよい。コントローラ240は、再生デバイスを統合し、さらに特定の再生デバイスを統合モードに設定するために使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、コントローラ240は、動的なマルチチャンネルオーディオ環境を構成するためのフレキシブルなメカニズムを提供する。いくつかの例では、ペアリングは、マルチチャンネルリスニング環境を創る。いくつかの例では、ペアリングは、デバイス間の距離を増大させることによってマルチチャンネルリスニング環境を向上させる。例えば、互いに距離を置いて配置されている2つの個々の再生デバイスは、単一のデバイスからのオーディオよりもリスナーに複数のチャンネル分離を提供することができる。
【0042】
コントローラ240のユーザーインターフェースは、スクリーン242(例えば、液晶ディスプレイ画面)と、次のような機能ボタンのセット:「ゾーン」ボタン244、「戻る」ボタン246、「音楽」ボタン248、スクロールホイール250、「ok」ボタン252、トランスポートコントロールボタン254のセット、ミュートボタン256、ボリュームアップ/ダウンボタン264、スクリーン242に表示されたラベル268に対応するソフトボタン266のセットを含む。
【0043】
スクリーン242は、ユーザーの選択に応じて、様々な画面メニューを表示する。一実施形態では、「ゾーン」ボタン244は、以下でより詳細に説明されているゾーン管理画面、即ち「ゾーンメニュー」をアクティブにする。「戻る」ボタン246は、現在の画面に応じて異なる動作を行わせてもよい。一実施形態では、「戻る」ボタンで前の画面に戻るように、現在の画面表示をトリガーする。別の実施形態では、「戻る」ボタンが、ユーザーの誤選択を否定する。「音楽」ボタン248は、音楽メニューをアクティブにし、オーディオソース(例えば、曲)の選択を、再生するゾーンプレーヤーの音楽キューに追加することができる。
【0044】
スクロールホイール250は、スクリーン242上に常に表示されているリスト内の項目を選択するために使用される。リストの項目が多すぎて、1つの画面表示に収まらない場合、スクロールバーまたはスクロール矢印などのスクロールインジケータがリストの横に表示される。スクロールインジケータが表示される場合、ユーザーは表示された項目を選択するか、それともリスト内の隠れた項目を表示するためにスクロールホイール250を回してもよい。「OK」ボタン252は、スクリーン242上のユーザー選択を確認するために使用される。
【0045】
トランスポートボタン254が3つあり、現在の再生している曲のエフェクトを制御するために使用される。例えば、トランスポートボタンの機能は、曲の再生/一時停止、早送り/巻き戻し、次の曲のトラックに進む、または前のトラックに戻ることを含む。一実施形態によれば、例えば、ミュートボタン262またはボリュームアップ/ダウンボタン264などのボリューム制御ボタンの1つを押すことは、ボリュームパネルをアクティブにする。さらに、ソフトボタン266が3つあり、スクリーン242上のラベル268に応じてアクティブにされ得る。マルチゾーンシステムにおいて、1つ以上のゾーンプレーヤーでそれぞれ再生される複数のオーディオソースがあってもよいことが理解される。本明細書で記載される音楽トランスポート機能は、ゾーンプレーヤーまたはゾーングループの1つに対応するものが選択された場合、ソースの1つに選択的にあてはめられるべきである。
【0046】
図2Cは、図1の制御デバイス140または142に対応し得るコントローラ260の例を示す。コントローラ260は、タッチスクリーンを備えており、例えば、ユーザーがコントローラと対話する、1つまたは複数のプレーヤーの動作を制御する、多くの項目のプレイリストをナビゲートすることができる。図10Aから図10Fにさらに示されるような一実施形態では、ユーザーがコントローラと対話して、例えば、ステレオペアを創るなどのマルチチャンネルオーディオ環境を創ってもよく、ステレオペアを外すなどのマルチチャンネルオーディオ環境を分けるように使用されてもよい。iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、任意の他のスマートフォンまたはネットワーク対応デバイスなどの他のネットワーク対応の携帯デバイスが、コントローラとして使用されてもよく、環境における複数のゾーンプレーヤーと対話する、または制御する(例えば、PCまたはMacなどのネットワークコンピュータがコントローラとして使用されてもよい)。一実施形態によれば、アプリケーションがネットワーク対応デバイスにダウンロードされてもよい。そのようなアプリケーションは、デバイス内のナビゲーションメカニズムまたはタッチスクリーンを使用してコントローラ240に上述した機能のほとんどを実装することができる。当業者には、アプリケーションの柔軟性と本明細書の詳細な説明を前提とする特定のポータブルデバイスの新しいタイプに移植できることを理解する。
【0047】
図2Dは、図2Bのコントローラ240、コンピュータデバイス、スマートフォン、または任意の他の通信デバイスに対応し得るコントローラ270の例の内部機能ブロック図を示す。コントローラ270のスクリーン272は、液晶ディスプレイ画面であってもよい。スクリーン272は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)276によって制御されるスクリーンドライバ274と通信し、コマンドが出される。メモリ282は、ユーザーインターフェース278を介してユーザーの入力の有無にかかわらず、マイクロコントローラ276によって実行可能な1つ以上のアプリケーションモジュール284をロードして、所望のタスクを達成してもよい。一実施形態では、アプリケーションモジュールは、選択されたゾーンプレーヤーをゾーングループにグルーピングすること、1つのオーディオソースに対してゾーンプレーヤーを同期することを可能にするように構成される。別の実施形態では、アプリケーションモジュールは、ゾーングループのゾーンプレーヤーのオーディオソース(例えば、ボリューム)を一緒に制御するように設定されている。動作中、マイクロコントローラ276がアプリケーションモジュール284のうちの1つまたは複数を実行する場合、スクリーンドライバ274は、スクリーン272を駆動するための制御信号を生成し、それに応じて、以下に説明されるうちの多くで、アプリケーション特有のユーザーインターフェースを表示する。
【0048】
コントローラ270は、RFインターフェース280と呼ばれるネットワークインターフェース280を含み、その対応するRFインターフェースを介してゾーンプレーヤーと無線通信することを可能にする。一実施形態では、例えば、ボリュームコントロールまたはオーディオ再生の同期などのコマンドは、RFインターフェースを介して送られる。別の実施形態では、保存されたゾーングループの設定は、RFインターフェースを介してゾーンプレーヤーとコントローラとの間で送信される。コントローラ270は、1つ以上のゾーンプレーヤー、例えば、図1の102、104、及び106などを制御してもよい。それでもなお、そこにそれぞれの好ましいゾーン(例えば、部屋または互いに近い部屋)に複数のコントローラがあってもよく、ゾーンプレーヤーのいずれか1つとすべてを制御するように構成されていてもよい。
【0049】
一実施形態では、ユーザーは、ゾーンプレーヤーの1つに信号またはデータを送信するコントローラ240から、少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループを創る。すべてのゾーンプレーヤーがネットワーク上で接続されるように、1つのゾーンプレーヤーで受信した信号は、グループ内の他のゾーンプレーヤーを同期させられ、そのようなタイムリーな同期の方法で、グループ内のすべてのゾーンプレーヤーが同一のオーディオソースまたは同一のオーディオソースのリストを再生し、音ずれまたは音飛びが聞こえない(またはほぼ聞こえない)。同様に、ユーザーがコントローラからオーディオボリュームを大きくした場合、グループのオーディオボリュームを大きくする信号またはデータは、ゾーンプレーヤーの1つに送信され、グループ内の他のゾーンプレーヤーを同じ程度のボリュームに一緒に大きくする。
【0050】
一実施例によると、アプリケーションモジュールがゾーングループの管理のためにメモリ282にロードされる。所定のキー(例えば、「ゾーン」ボタン244)がコントローラ240上でアクティブにされた場合、アプリケーションモジュールがマイクロコントローラ276において実行される。マイクロコントローラ272に接続され、制御される入力インターフェース278は、ユーザーから入力を受信する。「ゾーンメニュー」は、スクリーン272上に表示される。ユーザーは、「リンクゾーン」または「追加ゾーン」ソフトボタンをアクティブにすることによってゾーンプレーヤーをゾーングループにグルーピングすること、もしくは「リンク解除ゾーン」または「ドロップゾーン」ボタンをアクティブにすることによってゾーングループを非グルーピングすることを開始してもよい。ゾーングループの操作の詳細は、さらに以下に説明される。
【0051】
上述したように、入力インターフェース278は、複数の機能ボタンだけでなくスクリーングラフィカルユーザーインターフェースを含む。図2Bのコントローラ240は、実施形態を実施し得る制御デバイスだけではないことが指摘されるべきである。同等の制御機能を提供する他のデバイス(例えば、コンピュータデバイス、ハンドヘルドデバイス)が本発明を実施するように構成されてもよい。上記説明では、他に特に記載のない限り、キーまたはボタンは、通常、物理的ボタンまたはソフトボタンと称されることは明白であり、ユーザーがコマンドまたはデータを入力できる。
【0052】
音楽再生のために一緒に「接続している」ゾーンプレーヤーの1つのメカニズムは、複数のゾーンプレーヤーを一緒にリンクし、グループを形成する。複数のゾーンプレーヤーを一緒にリンクするために、ユーザーは、それぞれのゾーンプレーヤーまたは部屋を互いに手動でリンクしてもよい。例えば、以下のゾーンを含むマルチゾーンシステムがある。
浴室
寝室
書斎
ダイニングルーム
ファミリールーム
玄関
【0053】
ユーザーが現在のメカニズムを使用する6つのうち5つのゾーンプレーヤーをリンクしたい場合、ユーザーは、単一のゾーンで開始し、その後、手動でそのゾーンに各ゾーンをリンクしてもよい。このメカニズムは、かなりの時間がかかる場合があり得る。一実施形態によれば、ゾーンのセットがコマンドを使用して一緒に動的にリンクすることができる。テーマまたはゾーンシーンと本明細書で呼ばれるものを使用して、ゾーンは、特定のシーン(例えば、モーニング、アフタヌーン、または庭)に設定し、所定のゾーングルーピングとグルーピングのための属性の設定が自動的に達成することができる。
【0054】
例えば、「モーニング」ゾーンシーン/設定コマンドは、1つの動作で寝室、書斎及びダイニングルームを一緒にリンクすることになる。このシングルコマンドがない場合、ユーザーは、手動で個別に各ゾーンをリンクさせる必要がある。図3Aは、1つのゾーンシーンの例を提供しており、左の列は、ゾーングルーピングの開始-すべてのゾーンが分かれているのを示し、右の列は、「モーニング」にちなんで名づけられた3つのゾーンのグループを作るため、ゾーンのグルーピングの結果を示している。
【0055】
さらにこのアイディアを拡大し、ゾーンシーンは、リンクされた複数のゾーンを創るように設定することができる。例えば、シーンは、3つの別々のゾーンのグループを創り、階下のゾーンは一緒にリンクされ、上階のゾーンはそれら自身のグループ内で一緒にリンクされ、外側のゾーン(この場合、パティオ)はそれ自身のグループの中に移動する。
【0056】
図3に示されるような一実施形態では、ユーザーは同時に集められるべき複数のグループを定義する。例えば、「イブニングシーン」は、以下のゾーンをリンクするように望まれる。
-グループ1
○寝室
○書斎
○ダイニングルーム
-グループ2
○ガレージ
○庭
ここで、浴室、ファミリールーム、および玄関は、ゾーンシーンが呼び出される前に、それらがグループの一部であるならば、いずれのグループからも分けられるべきである。
【0057】
特定の実施形態の特徴は、そのゾーンがゾーンシーンを呼び出す前に分けられる必要がないことである。一実施形態では、呼び出された場合、コマンドが提供され、1つのステップですべてのゾーンとリンクする。コマンドは、ゾーンシーンの形式である。適切なゾーンにリンクした後、ゾーンシーンコマンドは、以下の属性を適用できる。
各ゾーンにおけるボリュームレベルを設定する(各ゾーンは異なるボリュームを有する)
ゾーンをミュートする/ミュート解除する
ゾーン内の特定の音楽を選択して再生する
音楽の再生モードを設定する(シャッフル、リピート、シャッフル―リピート)
各ゾーンの音楽再生イコライゼーションを設定する(例えば、低音高音)
【0058】
本実施形態のさらなる拡張は、アラーム時計機能としてゾーンシーンコマンドをトリガーすることである。例えば、ゾーンシーンが午前8:00に適用されるように設定される。それは、自動的に適切なゾーンにリンクし、特定の音楽を再生し、所定の期間の後に停止するように設定することができる。単一のゾーンがアラームに割り当てられてもよいが、アラーム時計としてのシーン設定は、シーン内のリンクされたいくつかのゾーンが予め定められたオーディオ(例えば、好きな曲、予め定義されたプレイリスト)を特定の時間または特定の期間再生することが可能である、同期されたアラームを提供する。何らかの理由で、スケジュールされた音楽が再生することに失敗した場合(例えば、空のプレイリスト、共有への接続なし、UPnPの失敗、インターネットラジオステーションのインターネット接続なし)、バックアップブザーが鳴るであろう。このブザーは、ゾーンプレーヤーに保存されているサウンドファイルである。
【0059】
図4は、図1のコントローラ142またはコンピュータ110に表示され得るユーザーインターフェース400の例を示す。インターフェース400は、ユーザーによって設定可能な項目のリストを表示し、特定の時間にシーンを機能させる。図4に示される実施形態において、項目のリストは、「アラーム」、「時間」、「ゾーン」、「音楽」、「頻度」、および「アラームの長さ」を含む。「アラーム」は、オンまたはオフが設定できる。「アラーム」がオンに設定されている場合、「時間」は、アラームをオフに設定するための特定の時間である。「ゾーン」は、ゾーンプレーヤーが特定の時間に指定されたオーディオを再生するように設定されていることを表示する。「音楽」は、特定の時間になったときに何が再生されているのかを表示する。「頻度」は、ユーザーがアラームの頻度を定義することを可能にする。「アラームの長さ」は、どれくらい長くオーディオが再生されるかを定義する。ユーザーインターフェース400は、アラームの設定に関連する機能のいくつかを示すために本明細書に提供されることに留意されるべきである。正確な実装次第で、例えば、表示のためのタイムゾーン、夏時間調整、時間同期、および時間/日付形式などの他の機能も提供されてもよい。
【0060】
一実施形態では、シーン内の各ゾーンは、異なるアラームに設定されてもよい。例えば、「モーニング」シーンは、3つのゾーンプレーヤーを、それぞれ寝室、書斎、ダイニングルームを含む。シーンの選択の後、ユーザーは、全体としてシーンのためのアラームを設定してもよい。結果として、ゾーンプレーヤーのそれぞれが特定の時間にアクティブにされるであろう。
【0061】
図5Aは、ユーザーがシーンを形成することを可能にするユーザーインターフェース500を示す。左のパネルは、家庭で使用できるゾーンを示す。右のパネルは、選択され、このシーンの一部としてグループ化されたゾーンを示す。ユーザーインターフェースの正確な実装次第で、追加/削除ボタンがパネル間でゾーンを移動させるように提供されてもよく、またはゾーンがパネルに沿ってドラッグされてもよい。
【0062】
図5Bは、ユーザーがシーンを形成することを可能にする別のユーザーインターフェース520を示す。コントローラまたはコンピュータデバイスに表示され得るユーザーインターフェース520は、システム内の利用可能なゾーンを示す。チェックボックスは、ユーザーがシーンと関連するゾーンをチェックすることができるようにゾーンのそれぞれの隣に提供されている。
【0063】
図5Cは、ユーザーが個別にまたは一括して、ゾーンシーン内のゾーンプレーヤーのボリュームレベルを調整できるユーザーインターフェース510を示している。ユーザーインターフェース510に示されるように、「ボリューム...」ボタン(スライダー、他の可能な形態で示される)は、ゾーンシーンが呼び出された場合、ユーザーが関連するゾーンプレーヤーのボリュームに影響を与えることができる。一実施形態では、シーンが呼び出された場合、ゾーンプレーヤーは、それらが現在有しているボリュームがなんであろうと維持するように設定することができる。さらに、ユーザーは、シーンが呼び出されたときにボリュームをミュート解除する、またはミュートするかどうかを決定することができる。
V.プレーヤーテーマまたはゾーンシーンの例を提供する
【0064】
図6は、複数のプレーヤーのためのプレーヤーテーマまたはゾーンシーンを提供するフローチャートまたはプロセス600を示し、ここで1つ以上のプレーヤーは、ゾーン内に配置されている。プロセス600は、本発明の一実施形態に従って示されており、図2Cのメモリ282にロケートされるモジュールで実行されてもよい。
【0065】
プロセス600は、ユーザーが602でゾーンシーンを続行することを決定したときに開始される。プロセス600は、次に、ユーザーがどのゾーンプレーヤーをシーンと関連付けるかを決定することができる604に移動する。例えば、家庭で10個のプレーヤーがあり、そしてシーンが「モーニング」にちなんで名付けられる。ユーザーは、シーンに関連付けられる10個のプレーヤーのうち4個を選択するためのインターフェースを与えられてもよい。606では、シーンが保存される。シーンは、シーンにおけるメンバーのいずれかに保存することができる。図1の例において、シーンは、ゾーンプレーヤーの1つに保存されてもよく、コントローラ142に表示されてもよい。動作中、シーンに関連するデータは、複数のパラメータを含む。一実施形態では、パラメータは、限定されるものではないが、関連付けられたプレーヤーとプレイリストの識別子(例えば、IPアドレス)を含む。パラメータは、シーンにおいて関連付けられたボリューム/トーン設定を含んでもよい。ユーザーは、602に戻って好みで別のシーンを設定してもよい。
【0066】
保存したシーンを考えると、ユーザーはいつでもシーンをアクティブにする、または610でタイマーを設定してシーンをアクティブにすることができる。プロセス600は、保存されたシーンが610でアクティブにされた場合に継続することができる。612で、保存されたシーンをアクティブにする際に、プロセス600は、シーンと関連付けられたプレーヤーの状態をチェックする。プレーヤーの状態は、プレーヤーのそれぞれが同期された方法において、反応する状態でなければならないことを意味する。一実施形態では、プレーヤーの相互接続は、チェックされ、シーン内にそのようなコントローラがある場合、プレーヤーがそれら自体の間でおよび/またはコントローラと通信することを必ず確認する。
【0067】
シーンに関連付けられているすべてのプレーヤーが良い状態であると仮定する。614で、コマンドが、パラメータ(例えば、関連するプレイリストおよびボリューム)とともに実行される。一実施形態では、パラメータを含むデータは、メンバー(例えば、コントローラ)からシーン内の他のメンバーに送信され、プレーヤーがシーンにおいて設定された動作と同期させられる。動作は、すべてのプレーヤーが同一または異なるボリュームで曲を再生する、または予め保存されたファイルを再生することを可能にする。
VI.マルチチャンネル環境の例
【0068】
図7は、例示の実施形態に係る、オーディオソースが2つのプレーヤー702と704で再生される構成の例を示す。これらの2つのプレーヤー702と704は、1つの場所(例えば、ホール、部屋、または近くの部屋)とその周辺に配置されてもよいし、それぞれ2つのサウンドトラックを再生するために指定されてもよい。例えば、オーディオソースは、左と右のサウンドチャンネルまたはトラック(例えば、ステレオサウンド)を有していてもよい。プレーヤー702と704をグルーピングしてオーディオソースを一緒に同期して再生する代わりに、それぞれのプレーヤー702と704がほぼ同時に同じオーディオコンテンツを再生する場合、プレーヤー702と704をペアにして、オーディオソースの異なるサウンドを同期して再生することができる。ペアリングの結果、ステレオサウンドエフェクトは、例えば、1つのプレーヤーまたはプレーヤーなしに対して、2つのプレーヤー702と704を介してシミュレートまたは向上させることができる。
【0069】
特定の実施形態では、プレーヤー702と704のそれぞれのプレーヤーは、図2Aなどに示される、ネットワークインターフェース、1つ以上のスピーカードライバ(例えば、プレーヤーがペアリングなしのステレオモードで再生できる場合などのいくつかの例における2つ以上のスピーカー)、アンプ、およびプロセッサを含む。ネットワークインターフェースは、ネットワーク上のオーディオデータを受信する。1つ以上のアンプは、スピーカードライバに電力を供給する。プロセッサは、オーディオソースがスピーカードライバを通して出力されるように処理する。プロセッサは、第1のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第1のイコライゼーションを設定し、さらに第2のタイプのペアリングに応じてスピーカーからの出力の第2のイコライゼーションを設定してもよい。
【0070】
一実施形態では、2つのプレーヤー702と704は、互いに独立した複数のオーディオチャンネルを出力するように設定される。例えば、それぞれのプレーヤー702と704は、互いに独立したステレオでオーディオコンテンツを出力するように設定されてもよい。ペアリングの後で、1つの再生デバイス(例えば、プレーヤー702)は、複数のオーディオチャンネルの第1のサブセットを出力するように設定され、他の再生デバイス(例えば、プレーヤー704)は、複数のオーディオチャンネルの第2のサブセットを出力するように設定される。第1と第2のサブセットは、互いに異なる。この例において、プレーヤー702と704のペアリングの後、プレーヤー702は、右チャンネルを再生し、プレーヤー704は、左チャンネルを再生できる。別の例では、プレーヤー702は、右チャンネルに加えてセンターチャンネルを再生でき(例えば、テレビまたはシアターモード)、プレーヤー704は、左チャンネルに加えてセンターチャンネルを再生することができる。さらに後の例では、第1と第2のサブセットは、プレーヤー702がチャンネル右+センターを再生し、プレーヤー704がチャンネル左+センターを再生している点で異なる。さらに別の実施形態では、ペアリングの後、プレーヤー702は、サブウーファーとしてプレーヤー704を使用することによって、プレーヤー704を介して再生され得る、特定のバス周波数を除いて、すべてのチャンネルを再生することができる。
【0071】
別の実施形態では、3つ以上の再生デバイス(例えば、プレーヤー702、704および1つ以上の別のプレーヤー)のコレクションは、コレクションにおける別の再生デバイスの独立した複数のオーディオチャンネルを出力するようにそれぞれ設定される。ペアリングの後で、再生デバイスのそれぞれは、コレクションから、通常、異なるオーディオチャンネルを出力するように設定される。この実施形態は、複数の再生デバイスのうち特定の再生デバイスが一度に(例えば、曲を再生しているとき)2つのチャンネルまたはステレオモードで出力されるように設定され、ペアリングの後、フロント右チャンネル、フロントセンターチャンネル、フロント左チャンネル、リア右チャンネル、リア左チャンネルなどで出力するように設定されている(例えば、映画またはテレビを見ているとき)場合、テレビまたは映画館の設定において特に有用である。
【0072】
別の実施形態では、ペアになった再生デバイスの1つ(例えば、プレーヤー702またはプレーヤー704)は、オーディオ項目のデータを処理し、例えば、データをチャンネルに実質的に分け、チャンネルのそれぞれが単一のサウンドトラックを表し、そして再生デバイスのうち1つで再生され、次にマルチチャンネルリスニング環境を創る、または強化する。別の実施形態では、両方の再生デバイス(例えば、プレーヤー702と704)は、オーディオ項目のデータを受信および処理してもよく、各再生デバイスは、それぞれのプレーヤーに指定されたオーディオコンテンツのみを出力してもよい。例えば、プレーヤー702は、左チャンネルのみを再生するが、左と右の両方のチャンネルオーディオを受信してもよく、一方でプレーヤー704は、右のチャンネルのみを再生するが、左と右のチャンネルオーディオを受信してもよい。
【0073】
別の実施形態では、2つ以上の再生デバイス(例えば、プレーヤー702または704)は単一のまたは統合された再生デバイスにグループ化され、統合された再生デバイス(例えば、統合されたプレーヤー702+704)は、1つ以上の再生デバイスとペアにされてもよい。例えば、2つの再生デバイスは、第1の統合再生デバイスにグループ化される可能性があり、2つの別の再生デバイスは、第2の統合再生デバイスにグループ化される可能性がある。次に、第1と第2の統合再生デバイスは、ペアにされて、マルチチャンネルリスニング環境を創ってもよく、または強化してもよい。
【0074】
特定の実施形態では、オーディオチャンネルを出力するよう設定された再生デバイス(プレーヤー702または704のどちらか)は、1つ以上の別の再生デバイスとペアになって、再生デバイスが以前に設定したものと異なるオーディオチャンネルを出力するように設定される。例えば、再生デバイスは、1つ以上の別の再生デバイスとペアになった後であっても、ステレオモードで右チャンネルを出力するように設定されてもよく、シアターモードでリア、右チャンネルを出力するように設定されてもよい。再生デバイスは、1つ以上の他の再生デバイスとペアになってもよい。
【0075】
特定の実施形態では、複数のオーディオチャンネルを出力するように設定された再生デバイス(例えば、プレーヤー702または704のどちらか)は、1つ以上の別の再生デバイスとペアになって、再生デバイスが1つ以上の別の再生デバイスと関連する複数のオーディオチャンネルのサブセットを出力するように設定される。例えば、再生デバイスは、2つのチャンネルまたはステレオモードで出力されるように設定されてもよいが、ペアになった後の1つ以上の別の再生デバイスが右または左のチャンネルを出力するように設定されてもよい。再生デバイスは、1つ以上の他の再生デバイスとペアになってもよい。
【0076】
特定の実施形態によれば、2つ以上の再生デバイスのペアリングの動作は、制御インターフェースを介するユーザーからのコマンド(例えば、手動のコマンド)に基づいて、またはイベント(例えば、自動のコマンド)に応答してトリガーされる。例えば、コントローラを使用して、ユーザーは、2つ以上の再生デバイスとの間でペアリングを創る、または2つ以上の再生デバイスとの間でペアリングを解除することができる。別の例では、ペアリングは、オーディオコンテンツそれ自体、ソースデバイスから受信された信号、またはいくつかの他の所定のイベントによってトリガーされ、例えば、イベントがコントローラまたは再生デバイスによって検知されたときにペアリングが生じてもよい。さらに、別のデバイスが、イベントを検出し、そしてペアリング信号をコントローラおよび/または再生デバイスに提供するようにプログラムされてもよい。
【0077】
さらに、ノーペアリング(ペアになっていないまたは非ペア)設定からペアリングの設定へ、または1つの種類のペアリング(例えば、ステレオモードまたはシアターモードのタイプで使用されるペアリング)から異なる種類のペアリング(例えば、ステレオモードまたはシアターモードのタイプで使用される別のペアリング)へ移行することは、特定の実施形態によって生じ得るすべての様々なタイプの「ペアリング」であることは、理解される。さらに、複数の再生デバイスとの間でペアリングを解除することは、例えば、ペアリングからノーペアリングへ、または最初の種類のペアリングから前の種類のペアリングに戻ることであってもよい。
【0078】
第1の例では、第1のタイプのペアリングは、別の再生デバイスとの「ノーペアリング」を含んでいてもよく、第2のタイプのペアリングは、1つ以上の別の再生デバイスとのペアリングを含んでいてもよい。第2の例では、第1のタイプのペアリングは、第2の再生デバイスとのペアリングを含んでいてもよく、第2のタイプのペアリングは、複数の再生デバイスとのペアリングを含んでいてもよい。第3の例では、第1のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドを再現することを含んでもよく、第2のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドのうち1つしか再現しないことを備える。第4の例では、第1のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して第1のオーディオチャンネルを再現することを備えてもよく、第2のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して第2のオーディオチャンネルを再現することを含んでもよい。第5の例では、第1のタイプのペアリングは、ステレオモードでスピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを含んでもよく、第2のタイプのペアリングは、シアターモードでスピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを含んでもよい。第6の例では、統合モードの場合において、第1のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを含んでいてもよく、第2のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを備えてもよい。様々な変更または修正が本明細書に記載された技術の一部または全ての利点の達成と共に先ほど上述した実施例に対してなされ得ることが理解される
【0079】
特定の実施形態によれば、再生デバイスの設定は、1つ以上の特定のスピーカードライバのイコライゼーションを変更することによって再生デバイスのイコライゼーションを変更すること、ペアとなったデバイスとの間での同期を最適化することのいずれかを含む。再生デバイスのイコライゼーションを変更することは、1つ以上の特定のスピーカードライバのオンまたはオフ(または効果的なミューティング)を切り替えること、1つ以上のスピーカードライバのチャンネル出力を変更すること、1つ以上の特定のスピーカードライバの周波数応答を変更すること、任意の特定のスピーカードライバのアンプゲインを変更すること、全体として再生デバイスのアンプゲインを変更すること、のいずれかを含んでもよい。
【0080】
特定の実施形態では、再生デバイスのイコライゼーションを変更すること(例えば、再生デバイスの1つ以上のスピーカードライバのイコライゼーションを変更すること)は、周波数依存パラメータに影響を与えることができる。実施例は、オーディオデータ内の周波数の強度の調整、位相調整、および時間遅延調整を含んでもよい。さらに、特定のイコライゼーションは、例えば、他の周波数がフィルタなしで(または実質的にフィルタなしで)通過することを可能にしながら、高、中、または低の周波数を減衰させるものなどの、第1のタイプのパスフィルタを使用することができる。フィルタは、異なる種類または異なる順序(例えば、1次フィルタ、2次フィルタ、3次フィルタ、4次フィルタなど)であってもよい。例えば、再生デバイスの第1のイコライゼーションは、第1のタイプのペアリングに基づいて出力を変更させる第1のタイプのパスフィルタを使用することを含んでもよく、再生デバイスの第2のイコライゼーションは、第2のタイプのペアリングに基づいて出力を変更させる第2のタイプのパスフィルタを使用することを含んでもよい。この例では、第1と第2のタイプのパスフィルタは、1つまたは異なる性質および/または動作を有し、デバイスのイコライゼーションおよび音の挙動を変更している。
【0081】
例示の目的として、2つのS5デバイスがペアにされ、ステレオペアを創る場合、例えば、1つのS5デバイスは、「左」として設定されてもよく、他のS5デバイスは、「右」として設定されてもよい。一実施形態では、ユーザーは、どちらが左か右かを決定してもよい。この設定において、例えば、左と右のオーディオデータは、両方のS5デバイスに送信されてもよいが、トラックの左オーディオデータは、左として設定されたS5デバイスから再生され、トラックの右オーディオデータは、右として設定されたS5デバイスから再生される。さらに、それぞれのS5デバイスのイコライゼーションは、特定の構造的なまたは破壊的な干渉を低減する、または除去する目的で変更される。例えば、それぞれのS5デバイスの1つのツイーターは、オフまたはほぼミュートに切り替えられてもよい。特定の実施形態では、それぞれのドライバに対するクロスオーバー周波数は、前回の設定からさらに変更してもよく、それによって2つ以上のドライバが必ずしも正確に同じオーディオデータを出力せず、他の点で構造的および/または破壊的干渉が生じてもよい。特定の実施形態では、アンプゲインは、特定のスピーカードライバおよび/または全体として再生デバイスを調整する。
【0082】
動作において、特定の実施形態によれば、コントローラ706(例えば、図1のコントローラ142または図2Bの240またはポータブルデバイス)が動作を開始するために使用される。ユーザーインターフェースを通して、コントローラ706は、オーディオソースがネットワーク708(例えば、インターネットまたはローカルエリアネットワーク)上にあるならば、プレーヤー702にオーディオソースを読み出させる。同様に、コントローラ706はまた、指定されたデバイス(例えば、別のネットワークデバイス)に、要求されたオーディオソースを送信するためプレーヤー702との通信セッションを確立させてもよい。いくつかの場合、プレーヤー702と704のいずれか1つまたは両方は、オーディオソースを示すデータにアクセスすることができる。
【0083】
特定の実施形態では、プレーヤー702のモジュールは、アクティブにされ、データを処理する。一実施形態によれば、右と左のサウンドトラックに分けられる。1つのサウンドトラックは、1つのプレーヤーでローカルに保持され、他のサウンドトラックは、(例えば、アドホックネットワークを介して)他のデバイスにプッシュされる、またはアップロードされる。右と左のサウンドトラックが同時に、またはほぼ同時に再生される場合、ステレオサウンドエフェクトが得られる。
【0084】
別の実施形態では、いくつかのトラックが、例えば、テレビまたはシアターモードに分けられる。例えば、トラックは、センターチャンネル、右フロントチャンネル、左フロントチャンネル、左フロントチャンネル、右リアチャンネル、左リアチャンネルなどに分けられてもよい。したがって、1つ以上のサウンドトラックが1つのプレーヤーにローカルに保持されてもよく、他のサウンドトラックが他のデバイスにプッシュされる、またはアップロードされる。
【0085】
さらに別の実施形態では、1つのプレーヤーは、残りのデータが別のプレーヤーに送信されている間、データを処理してもよく、1つ以上のトラックをローカルに保持してもよい。次に、受信するプレーヤーは、データを処理してもよく、1つ以上のトラックをローカルに保持してもよく、いくつかの残りのデータを別のプレーヤーに送信してもよい。このプロセス、またはそのようなものは、すべてのトラックが対応するプレーヤーのデバイスによってローカルに保持されるまで、継続してもよい。
【0086】
さらに別の実施形態において、それぞれのプレーヤーは、データを受信し、そして処理し、プレーヤーのために指定されているチャンネルまたは複数のチャンネルのみを再生してもよい。
【0087】
特定の実施形態では、良好な同期を維持することが重要であり、特に、独立してクロックされた2つ以上の再生デバイスをペアリングする場合に、マルチチャンネルオーディオコンテンツが最初に意図されたように再生される。実施の形態によれば、メッセージが、1つのデバイスからアクティブにされる別のデバイスへ開始され、確認応答を送り返してもよい。確認応答を受信する際に、1つのデバイスから他のデバイスへ送信されるデータの時間遅延を測定することができる。時間遅延は、2つの分かれたサウンドトラックを再生するために2つのプレーヤーを同期する場合に考慮される。特定の実施形態では、パケット(例えば、SNTPプロトコルに係るパケット)を再生デバイスに送信し、応答を受信することが、例えば、15ミリ秒以上かかる場合、クロック情報などの、パケット内に含まれるタイミング情報が破棄される。パケットを送信することと受信することが15ミリ秒以内である場合、その必要に応じて、次にパケットからの情報が再生を調整するように使用される。
【0088】
独立してクロックされた2つ以上のプレーヤーの動作を同期するさらなる詳細は、同一出願によって2004年4月1日に出願された、「複数の独立したクロックされたデジタルデータ処理デバイス間での動作を同期するシステムおよび方法」で表題づけられる、本明細書に参照によって組み込まれた米国出願番号10/816,217に提供される。
【0089】
図8は、実施の形態に係るシアターのような環境での複数のプレーヤー802、804、806、808、810、および812との間でのペアリングの構成の例を示す。プレーヤー802は、フロント左チャンネルとして動作してもよく、プレーヤー804は、センターチャンネルとして動作してもよく、プレーヤー806は、フロント右チャンネルとして動作してもよく、プレーヤー808は、サブウーファーとして動作してもよく、プレーヤー810は、リア、右チャンネルとして動作してもよく、プレーヤー812は、リア、右チャンネルとして動作してもよい。この例では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、ネットワーク815上で無線接続され、ワイヤレスネットワーク上のデータを受信および送信し、壁においてまたは他の電源(例えば、バッテリー)を通してパワーアウトレットから電力を得られる。プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、別の実施形態でそのように構成されている場合、配線してもよい。コントローラ814は、例として、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、またはテレビを含む、ネットワーク対応デバイスであってもよい。
【0090】
一実施形態では、プレーヤー804などの指定されたプレーヤーは、ソース816からマルチチャンネルオーディオコンテンツを受信する。ソース816は、インターネット、DVDまたはブルーレイディスクから、もしくはオーディオおよび/またはビデオコンテンツのいくつかの他のソースからダウンロードもしくはストリーミングされたオーディオおよび/またはビデオコンテンツを含んでもよい。プレーヤー804は、マルチチャンネルオーディオに分け、それぞれのオーディオチャンネルをその再生オーナーに送信する。例えば、特定のオーディオチャンネルがフロント、リアスピーカーに指定されている場合、そのコンテンツは、無線でプレーヤー804からプレーヤー802などに向かう。プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、マルチチャンネルリスニング環境を創るためにオーディオコンテンツを同期して再生する。さらに、ソース816がオーディオコンテンツとともにビデオコンテンツを提供する場合、オーディオコンテンツは、好ましくはビデオコンテンツと同期して再生される。
【0091】
別の実施形態では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812のそれぞれのプレーヤーは、再生のための独自の1つ以上のチャンネルに分けることができる。即ち、すべてのオーディオコンテンツ、またはそれらの一部が、(例えば、ソース816または別の再生デバイスから)それぞれのプレーヤーに送信され、プレーヤー自体が再生のための独自のデータを取得する。
【0092】
さらに、プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、上述したように再設定され、多くの異なる設定で動作してもよい。例えば、プレーヤー802と806は、ペアにされてステレオモードで動作してもよく、一方で他のプレーヤーは、スリープモードで維持されるまたはオフに切り替えられる(プレーヤー808が、そう望まれて設定される場合、それがサブウーファーとして動作しているため、任意の特定の設定のままであってもよい)。別の例では、プレーヤー802と810が統合され、左チャンネルオーディオを出力し、一方でプレーヤー806と812が統合され、右チャンネルオーディオを出力する。さらに別の例では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812のいくつかは、例えば、隣の部屋などで、単一のプレーヤーに統合され、別の再生デバイスとペアにされる。さらなる例では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、(例えば、ムービーコンテンツに対して)オーディオコンテンツが音楽である場合、グループ化され、ペアにされない。これらはほんの一部の設定の例である。多くの他の設定が本明細書に記載された教示を使用して可能となる。
【0093】
図9は、複数のオーディオ製品をグルーピングするフローチャートまたはプロセス900を示し、分けられたサウンドトラックを同期して再生し、マルチチャンネルリスニング環境をシミュレートする。プロセス900は、特定の実施形態に従って示されており、図2Dのメモリ282にロケートされるモジュールで実施されてもよい。プロセス900の説明を可能にするために、左と右チャンネルでのステレオサウンドのリスニング環境が記載されている。当業者は、その説明がマルチチャンネルリスニング環境の他の形態(例えば、3、5、7チャンネル環境)に同様に適用され得ることは理解できる。
【0094】
一般的に、1つ以上のコントローラによって制御される複数のプレーヤーがあり、これらのプレーヤーは、様々な位置に配置されている。例えば、家に5つのプレーヤーがあって、それらのうち3つが3つの部屋にそれぞれ配置され、一方で2つのプレーヤーは、より大きい部屋に配置される。したがって、これらの2つのプレーヤーは、グループ化された方法で両方から同期されたオーディオを単に再生する代わりに、ステレオリスニング環境をシミュレートするためにペアとされる候補となるであろう。別の例では、大きいスペースと隣接したスペースに4つのプレーヤーがあって、プレーヤーの2つのペアがペアになってステレオリスニング環境をシミュレートでき、一方の統合されたペアの2つのプレーヤーは、グループ化して1つの(左)サウンドトラックを再生でき、他方の統合されたペアの他の2つは、グループ化して1つの(右)サウンドトラックを再生できる。
【0095】
いずれの場合も、プレーヤーの2つのグループまたは2つのプレーヤーが902でペアにされるか決定される。プレーヤーがペアにされない場合、プロセス900は、アクティブにされない。コントローラによって制御されるプレーヤーのグループからの2つのプレーヤーが902で選択され、ペアになっているものとする。プロセス900が進む。
【0096】
904で、ユーザーは、どのプレーヤーがどのサウンドトラックを再生するかを決定してもよい。選択されたプレーヤーに対するユーザーまたはリスナーの位置に応じて、プレーヤーまたはユニットAが選択され、左サウンドトラックを再生し、そして別のプレーヤーまたはユニットBが選択され、右サウンドトラックを再生する。別の実施形態では、プレーヤー自体(またはコントローラ)は、ユーザーからの入力なしで、どのユニットが右チャンネルを再生するように設定されているのか、そしてどのユニットが左チャンネルを再生するように設定されているのかを自動的に決定してもよい。
【0097】
一実施形態によれば、2つのユニットAとBとの間でのデータを送信する時間遅延は、906で測定される。この時間遅延は、2つのユニットとの間でサウンドの同期を可能にすることができ、ユニットの1つが他から処理されたサウンドトラックを受信する。ユーザーは、コントローラの操作を継続し、910でタイトル(例えば、オーディオソースまたはプレイリストからの項目)を選択して2つのユニット上で再生してもよい。
【0098】
一度912でタイトルが決定すると、タイトルのデータがアクセスされる。データがどこにロケートされるかに応じて、コントローラは、2つのユニットのうちの1つがデータを取得するように、またはストリームするように設定されてもよい。一実施形態では、コントローラまたはユニットAは、データを提供する、または保存するリモートネットワークデバイスへの要求を開始する。認証手続きが正常に完了したと仮定すれば、リモートデバイスは、ユニットAにデータをアップロードすることを開始する。同様に、データがユニットAにローカルに保存される場合、データは、ネットワークから同じ要求をすることなくローカルにアクセスされ得る。ユニットAにおいてデータが受信される、またはアクセスされるように、処理モジュールは、ユニットAにおいてアクティブになり、データを処理し、914でサウンドトラックの2つのストリームにデータを実質的に分ける。別の実施形態では、各ユニットは、データを受信して処理し、それぞれのユニットによって再生されるストリームにデータを実質的に分ける。
【0099】
916で、ストリームの1つがローカルネットワーク(例えば、コントローラによって制御されるすべてのプレーヤーにより形成されるアドホックネットワーク)を介して、ユニットAからユニットBにアップロードされる。ストリームが配信されるように、2つのユニットは、それぞれストリームを再生するように設定されており、918での単一のサウンドトラックのサウンドをそれぞれ再現する。同時に、同期中に、2つのユニットがステレオサウンドリスニング環境を創る。
【0100】
顕著な場合、遅延時間がユニットAに組み込まれ、遅延時間までストリームの消費を遅らせ、ユニットBと同期してもよいことに留意すべきである。あるいは、選択されていないプレーヤーは、タイトルのストリーミングデータを処理するように使用されてもよく、プレーヤーのペアに2つのストリームを供給するように設定され、そしてそうでないならば、ユニットBによって経験される遅延時間を均一化する。
【0101】
図10A-10Fは、特定の実施形態に係るステレオペアを創るためのコントローラのスクリーンショットの例を示す。スクリーンショットは、コントローラとして使用されるコンピュータデバイス(例えば、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはデスクトップ)からである。当業者は、図10A-10Fが、例えば、iPhoneまたはiTouchもしくは他のスマートフォンまたは他のネットワーク対応デバイスなどのネットワーク機能を備えたポータブルデバイスに使用されるように容易に変更されてもよいことは理解できる。さらに、コントローラは、プレーヤーの一部として存在する、または直接的に/間接的にプレーヤーに接続されてもよく、したがって、そのようなスクリーンショットは、それに応じて変更されてもよく―そのようなコントローラは、ネットワーク機能を有しておらず、プレーヤーがネットワーク接続を有する。
【0102】
図10Aは、ユーザーがストリームにおいて2つのプレーヤーでステレオペアを創るように所望された場合、コントローラに表示され得るグラフィックインターフェース1000を示す。システムが2つ以上のプレーヤーを含んでもよいことが理解される。ステレオペアが所望される場合、図10A-10Fの例に関して説明されるように、次にシステム内の任意の2つのプレーヤー(片方または両方の統合できるプレーヤー)がペアになってもよい。しかしながら、2つ以上のプレーヤーのペアリングが所望される場合、例えば、2つ以上のチャンネルオーディオデータを再生することが可能である環境を創る場合、グラフィックインターフェース1000が、別のオプションまたは複数のオプションを含んでもよい。例えば、オプションは、「ムービー・サラウンド・サウンド・ペアリングの作成」、「ミュージック・サラウンド・サウンド・ペアリングの作成」、または「ドルビー・プロ・ロジック・ペアリングの作成」を含んでもよい。任意の記述の言語が作成され得るペアリングのタイプをユーザーに適切に示すように使用されてもよい。オプションを選択する際に、コントローラ上の設定ウィザードは、ユーザーがシステムを適切に設定することを助け、マルチチャンネルディスクリートオーディオがシステムによって効果的に実現されてもよい。
【0103】
図10Aに戻って、インターフェース1000は、ユーザーが「ZPS5-Black」と名付けられたゾーンプレーヤーとステレオペアを開始することができる。特定の実施形態では、システムは、ZPS5-Blackが特定のゾーン(例えば、台所、ファミリールーム、寝室など)の部分であることを認識する。システムは、ユーザーが同じゾーンのみで他のプレーヤーとZPS5-Blackとをペアにしてもよく、あるいは、システムは、ユーザーが異なるゾーン(例えば、隣接するゾーンなど)で他のプレーヤーとZPS5-Blackとをペアにしてもよい。異なるゾーンでのプレーヤーのペアリングは、オープンスペースが2つ以上のゾーン(例えば、オープンスペースが台所とファミリールームを含む)に分けられた場合、特に有用であり得る。
【0104】
さらに、システムは、異なるゾーンからのプレーヤーのペアリングが、別のゾーンを創るようにプログラムされ、プレーヤーをペアリングモードに反映させてもよい(例えば、ペア動作期間の単一の台所-ファミリールームゾーンが、非ペア動作期間の台所ゾーンおよびファミリーゾーンから作られてもよい)。そのような実施形態では、ユーザーは、ゾーン間で切り替えること、または新しいゾーンを動的に創ることが可能であってもよい。
【0105】
特定の実施形態では、他の同じようなプレーヤーをペアにすることができる場合、図10Bのスクリーンショットを表示できる。ユーザーがペアを創ることを継続したい場合、ユーザーは「OK」を選択できる。そうでない場合、ユーザーは「キャンセル」を選択できる。別の実施形態では、異なるプレーヤー(例えば、S5ではないプレーヤー)が一緒にペアにされる。即ち、プレーヤーがペアになるように設計されている場合、異なるタイプのプレーヤーがペアになる。プレーヤータイプの違いに対応するために、1つ以上のプレーヤーのイコライゼーションが、状況に応じて調整され、他のプレーヤーに対して1つのプレーヤーに使用されるスピーカードライバの数とサイズなどを補償してもよい。さらに別の実施形態では、システムにおけるプレーヤーのリスト(図示なし)が表示されてもよく、ユーザーは、2つ以上のプレーヤーを選択してステレオペアを作る。プレーヤーのリストは、例えば、家、部屋の中のプレーヤーの特定の位置、または部屋の中の他のプレーヤーとの設定に基づいて、システムによって自動的に決定されてもよい。
【0106】
図10Cに戻って、この例では、ユーザーは、「ZPS5-Black」とペアになる「ZPS5-White」と名付けられたゾーンプレーヤーを選択し、ステレオペアを創るものとする。そう望む場合、ユーザーは、「OK」を選択してペアリングを進めることができる。そうでないならば、ユーザーは、「キャンセル」を選択できる。特定の実施形態では、ZPS5-Whiteは、ZPS5-Blackと同じゾーンにあってもよい。他の実施形態では、ZPS5-Whiteは、ZPS5-Blackと異なるゾーンにあってもよい。
【0107】
図10Cにおいて「OK」を選択すると、図10Dのようなスクリーンショットがユーザーに表示され、それによって指示して、ユーザーがステレオペアの「LEFT」プレーヤー上のミュートボタン(またはいくつかの他の指定されたボタン)を押してもよい。さらに、プレーヤーのライトは、点滅であって、プレーヤーのそれぞれが左チャンネルペアリングの可能性があることをさらに示してもよい。左プレーヤーの選択の際に、そう望む場合、図10Eが表示され、ペアがペアの名前とともに創られたことをユーザーに知らせてもよい。応答可能なように、システムは、ユーザーが指定したプレーヤーから左チャンネルオーディオを再生し、他のプレーヤーから右チャンネルオーディオを自動的に再生する。図10Fは、そう望む場合、ユーザーがステレオペアを分けることを可能にするスクリーンショットの例を提供する。
【0108】
別の実施形態では、ステレオペアの作成は、特定のゾーンまたはゾーンの数(例えば、ゾーンの家庭)のためのオプションであってもよい。例えば、「ステレオペア」を作るオプションがあってもよく、例えば、選択する際、設定ウィザードがユーザーに、ゾーン、ゾーンの一部、またはゾーン全てにおいて、ユーザーが左スピーカーにしたいいずれかのスピーカー上で点滅するミュートボタン(またはいくつかの他の指定されたボタン)を押すことを要求して起動してもよい。一実施形態では、点滅は、すべての同じスピーカータイプで起こる。別の実施形態では、点滅は、ペアとすることができるすべてのスピーカータイプで起こる。左スピーカーを選択した後、ウィザード画面は、右スピーカーに同じことを行うようにユーザーに求める。好ましくは、右のスピーカーとしてペアとなることが可能であるスピーカーのみが適切にユーザーの選択肢を狭めるように点滅している。
【0109】
さらに、一実施形態では、図3A図3Bに示されるように、画面表示は、ユーザーにシステムにおけるすべてのプレーヤーとそれらがどのようにグループ化され、名付けられるかを示すために提供される。ステレオペアが完了した後に図3Aが変更される場合、ディスプレイ1040のステレオペアのニックネームが強調表示され、さらに図3Aに表示される。
【0110】
同様のグラフィックインターフェースが2つ以上のチャンネルを有する環境にペアを創るために使用されてもよい。例えば、ホームシアター環境において、システムは、ユーザーがフロント右、センター、フロント左、リア右およびリア左として動作するようになっているプレーヤーを選択することによりペアリングを創ることから、2つ以上の別個のプレーヤーをリストアップしてもよい。サブウーファーはまた、リストに追加され、ユーザーによってマルチチャンネルペアリングに組み込まれ得る。
【0111】
例として、ステレオペアを創ることに関連して上記の様々な実施形態の記載と同様に、システムは、関連するすべてのプレーヤーでインジケータライトを点滅させてもよく、設定ウィザードは、すべてのスピーカーが適切なペアになるまで、ユーザーに「フロント左」、次に「フロント右」、次に「フロントセンター」、次に「リア左」、次に「リア右」などを選択するように求めてもよい。好ましくは、次のスピーカーとしてペアとなることが可能であるスピーカーのみが点滅し、ユーザーの選択肢を適切に狭めている。
VII.結論
【0112】
上述したシステムの部品、要素、および/または機能は、例えば、ハードウェア、ファームウェアにおいておよび/またはソフトウェアの命令のセットとして様々な形態で、単独または組み合わせて実装することができる。特定の実施形態は、コントローラおよび/または再生デバイスなどの処理デバイス上で実行されるための、メモリ、ハードディスク、CD-ROM、DVD、および/またはEPROMなどのコンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐する命令のセットとして提供されてもよい。
【0113】
様々な発明が、ある程度の具体性を持って十分に詳細に記載されている。本開示の実施形態は、例示の目的のみで作られており、部品の変更および組み合わせにおいて多くの変更が、特許請求の範囲として本発明の精神および範囲から逸脱せずに行われてもよい。本明細書に記載された実施形態は、情報単位の提示に関していくつかの制限を含むように見えるかもしれないが、形式または配置の点で、実施形態は、そのような実施形態をはるかに超えて適用可能であり、当業者によって理解され得る。したがって、本発明の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された請求項によって定義される。
【0114】
例えば、以下は、上記で提供された記載に基づいて、多くの装置、方法、およびシステムの組み合わせのほんの一部を示している。これらは、非限定的な例示の目的のために提供され、より多くの組み合わせが本明細書に基づいて記載され、クレームにされ得ることが理解される。
【0115】
1.マルチチャンネルリスニング環境にオーディオを提供する装置であって、
ネットワークとの通信を可能にするネットワークインターフェース、ここで前記ネットワークインターフェースは、前記ネットワーク上のオーディオデータを受信する、
複数のスピーカードライバ、
前記複数のスピーカードライバに電力を供給するアンプ、および
前記複数のスピーカードライバを通って出力される前記オーディオデータを処理し、第1のタイプのペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの出力の第1のイコライゼーションを設定し、さらに第2のペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの出力の第2のイコライゼーションを設定するプロセッサ、
を備える、装置。
【0116】
2.前記第1のイコライゼーションは、前記第1のタイプのペアリングに基づいて出力を変更させる第1のタイプのパスフィルタの使用を含み、前記第2のイコライゼーションは、前記第2のタイプのペアリングに基づいて出力を変更させる第2のタイプのパスフィルタの使用を含み、前記第1のタイプのパスフィルタと前記第2のタイプのパスフィルタは、互いに異なる、1に記載の装置。
【0117】
3.前記装置は、再生デバイスを備え、前記第1のタイプのペアリングは、他の再生デバイスとのペアリングを含まず、前記第2のタイプのペアリングは、1つ以上の別の再生デバイスとのペアリングを含む、1の装置。
【0118】
4.前記装置は、再生デバイスを備え、前記第1のタイプのペアリングは、第2の再生デバイスとのペアリングを含み、前記第2のタイプのペアリングは、複数の再生デバイスとのペアリングを含む、1の装置。
【0119】
5.前記第1のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介しての2つのチャンネルサウンドの再現を含み、前記第2のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介しての前記2つのチャンネルサウンドの1つ以下のチャンネルの再現を含む、1に記載の装置。
【0120】
6.前記第1のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介しての第1のオーディオチャンネルの再現を含み、前記第2のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介しての第2のオーディオチャンネルの再現を含み、前記第1のオーディオチャンネルと前記第2のオーディオチャンネルは、互いに異なる、1に記載の装置。
【0121】
7.前記第1のタイプのペアリングは、ステレオモードにおいて前記複数のスピーカードライバを介してのオーディオコンテンツの再現を含み、前記第2のタイプのペアリングは、シアターモードにおいて前記複数のスピーカードライバを介しての前記オーディオコンテンツの再現を含む、1に記載の装置。
【0122】
8.統合モードの場合、前記第1のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介してのオーディオコンテンツの再現を含み、前記第2のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介しての前記オーディオコンテンツの再現を含む、1に記載の装置。
【0123】
9.前記プロセッサは、前記オーディオデータを複数のオーディオチャンネルに分けるように設定され、分けられた少なくとも1つのオーディオチャンネルは、前記複数のスピーカードライバから出力され、分けられた少なくとも1つの別のオーディオチャンネルは、前記ネットワーク上の前記ネットワークデバイスによって送信される、1に記載の装置。
【0124】
10.前記装置は、再生デバイスであり、前記ネットワークインターフェースは、ネットワーク上でコントローラからの信号を受信し、1つ以上の再生デバイスをペアにする、1の装置。
【0125】
11.前記装置は、再生デバイスであり、前記ネットワークインターフェースは、ネットワーク上でコントローラからの信号を受信し、再生デバイスを統合モードに設定する、1の装置。
【0126】
12.前記装置は、再生デバイスであって、前記再生デバイスが選択されれば、前記再生デバイスのチャンネルを選択するボタンを備える、1の装置。
【0127】
13.前記ネットワークは、ワイヤレスネットワークである、1の装置。
【0128】
14.マルチチャンネルリスニング環境にオーディオを提供する方法であって、
ネットワーク上のオーディオデータを受信するステップ、
複数のスピーカードライバを通って出力される前記オーディオデータを処理するステップ、および
第1のタイプのペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの前記出力の第1のイコライゼーションを設定し、さらに第2のタイプのペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの前記出力の第2のイコライゼーションを設定するステップ、
を含む、方法。
【0129】
15.前記第1のイコライゼーションは、前記第1のタイプのペアリングに基づいてコンテンツを変更させる第1のパスフィルタを使用することを含み、前記第2のイコライゼーションは、前記第2のペアリングに基づいて前記コンテンツを変更させる第2のパスフィルタを使用することを含み、前記第1のパスフィルタと前記第2のパスフィルタは、互いに異なる、14の方法。
【0130】
16.前記第1のタイプのペアリングは、他の再生デバイスとのペアリングを含まず、前記第2のタイプのペアリングは、1つ以上の別の再生デバイスとのペアリングを含む、14の方法。
【0131】
17.前記第1のタイプのペアリングは、第2の再生デバイスとのペアリングを含み、前記第2のタイプのペアリングは、複数の再生デバイスとのペアリングを含む、14の方法。
【0132】
18.前記第1のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドを再現することを含み、前記第2のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介して前記2つのチャンネルサウンドの1つ以下のチャンネルを再現することを含む、14の方法。
【0133】
19.前記第1のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介して第1のオーディオチャンネルを再現することを含み、前記第2のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介して第2のオーディオチャンネルを再現することを含み、前記第1のオーディオチャンネルと前記第2のオーディオチャンネルは異なる、14の方法。
【0134】
20.統合モードの場合、前記第1のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現し、前記第2のタイプのペアリングは、前記複数のスピーカードライバを介して前記オーディオコンテンツを再現することを含む、14の方法。
【0135】
21.前記プロセッサは、前記オーディオデータを複数のオーディオチャンネルに分けるように設定され、分けられた少なくとも1つのオーディオチャンネルは、前記複数のスピーカードライバから出力され、分けられた少なくとも1つの別のオーディオチャンネルは、前記ネットワーク上の前記ネットワークデバイスによって送信される、14の方法。
【0136】
22.前記複数のスピーカードライバから出力される前記オーディオデータのチャンネルを選択するコントローラに前記ネットワーク上で信号を送信することをさらに含む、14の方法。
【0137】
23.マルチチャンネルオーディオ再生を提供するためのシステムであって、
独立して複数のオーディオチャンネルを出力するようにそれぞれ設定された少なくとも3つの再生デバイスのコレクション、各再生デバイスは、ネットワークインターフェース、スピーカードライバ、およびアンプを含む、および
前記再生デバイスのコレクションのうちの少なくとも1つにおいて、前記少なくとも3つの再生デバイスを選択してペアにするプロセッサ、前記少なくとも3つの再生デバイスのそれぞれは、ペアリングの後、前記少なくとも3つの再生デバイスの他のデバイスから異なるオーディオチャンネルを出力するように設定される、
を備える、システム。
【0138】
24.前記少なくとも3つの再生デバイスは、それらのそれぞれのオーディオチャンネルを同期して出力する、23のシステム。
【0139】
25.前記プロセッサは、前記少なくとも3つの再生デバイスの1つに収容され、前記プロセッサは、入ってくるオーディオデータを処理し、前記オーディオデータをオーディオチャンネルに分け、少なくとも3つの再生デバイスの他のものに提供され、それらのそれぞれのオーディオチャンネルと同期して出力する、23のシステム。
【0140】
26.前記プロセッサは、入ってきたデータを処理し、1つ以上のオーディオチャンネルに対応する1つ以上のオーディオトラックをローカルに保持し、すべての入ってくるオーディオトラックが再生デバイスによってローカルに保持されるまで、残りのオーディオトラックを少なくとも3つの再生デバイスと別のものに送信する、25のシステム。
【0141】
27.前記選択的ペアリングは、コントローラインターフェースを介するコマンドに基づいてトリガーされる、23のシステム。
【0142】
28.前記選択的ペアリングは、イベントに応答してトリガーされる、23のシステム。
【0143】
29.前記イベントは、前記複数のオーディオチャンネルに関連するオーディオコンテンツの変化、時間、およびオーディオコンテンツのタイプの少なくとも1つを含む、28のシステム。
【0144】
30.前記プロセッサは、1つ以上の特定のスピーカードライバのイコライゼーションの変更、および前記ペアとなった再生デバイスとの間での同期の調整によって前記少なくとも3つの再生デバイスのイコライゼーションを変更する、23のシステム。
【0145】
31.前記イコライゼーションは、第1のタイプのペアリングに基づいて前記少なくとも3つの再生デバイスの1番目の前記出力を変更させる第1のタイプのパスフィルタを使用する第1のイコライゼーション、第2のタイプのペアリングに基づいて前記少なくとも3つの再生デバイスの2番目の前記出力を変更させる第2のタイプのパスフィルタを使用する第2のイコライゼーション、第3のタイプのペアリングに基づいて前記少なくとも3つの再生デバイスの3番目の前記出力を変更させる第3のタイプのパスフィルタを使用する第3のイコライゼーション、を含む、30のシステム。
【0146】
32.前記第1のタイプのペアリングは、第1のオーディオチャンネルの再現を含み、前記第2のタイプのペアリングは、第2のオーディオチャンネルの再現を含み、および前記第3のタイプのペアリングは、前記複数のオーディオチャンネルから第3のオーディオチャンネルの再現を含む、31のシステム。
【0147】
33.前記イコライゼーションは、非ペアモード、ペアモード、統合モード、および前記少なくとも3つの再生デバイスの選択的ペアリングのためのグループモードのうち少なくとも1つに基づく、30のシステム。
【0148】
34.前記少なくとも3つの再生デバイスのコレクションの少なくとも2つは、統合された再生デバイスにグループ化され、前記統合された再生デバイスは、1つ以上の別の再生デバイスとペアになることができる、23のシステム。
【0149】
35.マルチチャンネルオーディオ再生を提供するための方法であって、
少なくとも3つの再生デバイスのコレクションで複数のオーディオチャンネルを含むオーディオデータを受信するステップ、
再生デバイスの前記コレクションの少なくとも1つに収容されたプロセッサを使用し、選択してペアリングするステップ、ここで前記少なくとも3つの再生デバイスは、前記少なくとも3つの再生デバイスのそれぞれが前記少なくとも3つの再生デバイスの他のものから異なるオーディオチャンネルを出力するように設定される、
を含む、方法。
【0150】
36.前記少なくとも3つの再生デバイスは、それらのそれぞれのオーディオチャンネルを同期して出力する、35の方法。
【0151】
37.前記プロセッサは、少なくとも3つの再生デバイスの1つに収容され、前記プロセッサは、入ってくるオーディオデータを処理し、前記オーディオデータをオーディオチャンネルに分け、少なくとも3つの再生デバイスの他のものに提供され、それらのそれぞれのオーディオチャンネルと同期して出力する、35の方法。
【0152】
38.前記プロセッサは、入ってくるオーディオデータを処理し、1つ以上のオーディオチャンネルに対応する1つ以上のオーディオトラックをローカルに保持し、すべての入ってくるオーディオデータが再生デバイスによってローカルに保持されるまで、残りのオーディオトラックを前記少なくとも3つの再生デバイスの他のものに送信する、37の方法。
【0153】
39.前記選択的ペアリングは、コントローラインターフェース介するコマンドに基づいてトリガーされる、35の方法。
【0154】
40.前記選択的ペアリングは、イベントに応答してトリガーされる、35の方法。
【0155】
41.前記イベントは、オーディオコンテンツの変化を含む、39の方法。
【0156】
42.1つ以上の特定のスピーカードライバのイコライゼーションを変更すること、および前記ペアになった再生デバイスとの間での同期を調整することによって前記少なくとも3つの再生デバイスのイコライゼーションを変更すること、をさらに含む、35の方法。
【0157】
43.前記イコライゼーションは、第1のタイプのペアリングに基づいて前記少なくとも3つの再生デバイスの1番目の前記出力を変更させる第1のタイプのパスフィルタを使用する第1のイコライゼーション、第2のタイプのペアリングに基づいて前記少なくとも3つの再生デバイスの2番目の前記出力を変更させる第2のタイプのパスフィルタを使用する第2のイコライゼーション、第3のタイプのペアリングに基づいて前記少なくとも3つの再生デバイスの3番目の前記出力を変更させる第3のタイプのパスフィルタを使用する第3のイコライゼーション、を含む、42の方法。
【0158】
44.前記第1のタイプのペアリングは、第1のオーディオチャンネルを再現することを含み、前記第2のタイプのペアリングは、第2のオーディオチャンネルを再現することを含み、および前記第3のタイプのペアリングは、前記複数のオーディオチャンネルから第3のオーディオチャンネルを再現することを含む、43の方法。
【0159】
45.前記イコライゼーションは、非ペアモード、ペアモード、統合モード、および前記少なくとも3つの再生デバイスの選択的ペアリングのためのグループモードのうち少なくとも1つに基づく、42の方法。
【0160】
46.少なくとも3つの再生デバイスの前記コレクションの少なくとも2つを統合された再生デバイスにグルーピングすることを含み、前記統合された再生デバイスは、1つ以上の別の再生デバイスとペアになることが可能である、35の方法。
【0161】
47.マルチチャンネルリスニング環境にオーディオを提供するための装置であって、
ネットワークとの通信を可能にするネットワークインターフェース、ここで前記ネットワークインターフェースは、前記ネットワーク上のオーディオデータを受信する、
複数のスピーカードライバ、
前記複数のスピーカードライバに電力を供給するアンプ、および
前記複数のスピーカードライバを介して出力される前記オーディオデータを処理するプロセッサ、ここで前記プロセッサは、前記装置と少なくとも第2の装置との間の第1のペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの前記出力の第1のイコライゼーションを適用し、前記第1のイコライゼーションに対応しない前記オーディオデータの部分を無視する、プロセッサ、
を備える、装置。
【0162】
48.前記第1のイコライゼーションは、第1のフィルタを使用して、前記装置を介して出力される前記オーディオデータからの1つ以上のオーディオチャンネルの最初の番号を選択し、前記オーディオデータからの前記残りの1つ以上のチャンネルを無視して前記第2の装置による出力を独立して処理する、47の装置。
【0163】
49.前記プロセッサは、トリガーに応答して前記装置と前記第2の装置とを選択してペアにする、47の装置。
【0164】
50.前記トリガーは、制御インターフェースコマンド、オーディオコンテンツの変化、時間、およびオーディオコンテンツのタイプの少なくとも1つを含む、49の装置。
【0165】
51.マルチチャンネルリスニング環境にオーディオを提供するための装置であって、
ネットワークとの通信を可能にするネットワークインターフェース、ここで前記ネットワークインターフェースは、前記ネットワーク上のオーディオデータを受信する、
複数のスピーカードライバ、
前記複数のスピーカードライバに電力を供給するアンプ、および
前記複数のスピーカードライバを介して出力される前記オーディオデータを処理し、外部トリガーに基づいて、第1のペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの前記出力の第1のイコライゼーションを設定し、さらに第2のペアリングに応じて前記複数のスピーカードライバからの前記出力の第2のイコライゼーションを設定するプロセッサ、
を備える、装置。
【0166】
52.前記トリガーは、制御インターフェースコマンド、オーディオコンテンツの変化、時間、およびオーディオコンテンツのタイプの少なくとも1つを含む、51の装置。
【0167】
53.統合された再生デバイスにグループ化された複数の再生デバイスを備える、装置。
【0168】
54.前記複数の再生デバイスの少なくとも1つのイコライゼーションは、前記統合の結果として変更される、請求項54の装置。
【0169】
55.前記統合された再生デバイスは、1つ以上の再生デバイスとさらにペアにされる、請求項53の装置。
【0170】
56.前記複数の再生デバイスは、互いにワイヤレスでグループ化される、請求項53の装置。
【0171】
57.ネットワークとの通信を可能にするためのネットワークインターフェース、ここで前記ネットワークインターフェースは、前記ネットワーク上でオーディオデータを受信する、少なくとも1つのスピーカードライバ、前記少なくとも1つのスピーカードライバに電力を供給するアンプと、2つ以上のチャンネルオーディオデータのうち単一のチャンネルが前記2つ以上のチャンネルオーディオデータを処理し、前記少なくとも1つのスピーカードライバを介して出力されるプロセッサ、を備え、前記2つ以上のチャンネルオーディオデータのうち前記残りのチャンネルは、複数の再生デバイスを通して出力される前記ネットワークインターフェースを介して送信される、装置。
【0172】
58.3つ以上の再生デバイスをワイヤレスでペアリングすることを含む、方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F