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特許7132462旋回式のふるいパネルを有するふるい装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】旋回式のふるいパネルを有するふるい装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/29 20060101AFI20220831BHJP
   B01D 33/333 20060101ALI20220831BHJP
   B01D 33/15 20060101ALI20220831BHJP
   B01D 24/46 20060101ALI20220831BHJP
   B01D 33/44 20060101ALI20220831BHJP
   B01D 33/58 20060101ALI20220831BHJP
   B03B 5/00 20060101ALI20220831BHJP
   B07B 1/06 20060101ALI20220831BHJP
   B07B 1/00 20060101ALN20220831BHJP
   B07B 1/08 20060101ALN20220831BHJP
【FI】
B01D33/32
B01D33/22
B01D33/36
B03B5/00 Z
B07B1/06
B07B1/00 B
B07B1/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019539982
(86)(22)【出願日】2018-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 EP2018050123
(87)【国際公開番号】W WO2018134047
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-28
(31)【優先権主張番号】102017100952.3
(32)【優先日】2017-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】522283099
【氏名又は名称】パッサヴァント‐ガイガー・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】PASSAVANT‐GEIGER GMBH
【住所又は居所原語表記】PASSAVANT‐GEIGER‐STRASSE 1, 65326 AARBERGEN, BUNDESREPUBLIK DEUTSCHLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ハイル,クラウス
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-505241(JP,A)
【文献】特表2011-527633(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299528(US,A1)
【文献】国際公開第2007/028209(WO,A1)
【文献】米国特許第04692242(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 24/00-37/08
B03B 1/00-13/06
B07B 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路(3)の中を流れる液体の液体流(2)から、固体成分、固体又は固形物を機械的に分離して運び出すためのふるい装置(1)、特に、プロセス流、冷却水流若しくは排水流のための又は浄水設備若しくは水力発電設備における、ふるい用レーキ又は濾過用レーキ、であって、
前記液体流(2)の流れ方向(4)に対して実質的に横断方向に方向付けられた、複数のふるい面穴(10)が備えられたそれぞれ一つのふるい面(9)を有する複数のふるいパネル(6)が備えられ、
前記ふるいパネル(6)は、部分的に前記液体流中に潜り込み得る一つの循環式のエンドレスふるいベルト(5)を形成すると共に、前記エンドレスふるいベルト(5)の運動方向に連続して、互いに隣り合って配置された複数のふるいパネル(6)が全体として、前記流路(3)内に一つの共通のふるい面を形成し、
当該ふるい装置に、前記エンドレスふるいベルト(5)を循環運動(7)させるための駆動装置が備えられ、
前記ふるいパネル(6)は、前記エンドレスふるいベルト(5)内に、前記エンドレスふるいベルト(5)の前記循環運動(7)が実質的に総じて単一の面内に保持されるようにして、互いに連続して配置されると共に、前記エンドレスふるいベルト(5)の方向転換点(12、13)における前記ふるいパネル(6)の旋回運動の中心となる旋回軸は前記共通のふるい面に対して垂直をなすように構成されたふるい装置において、
当該ふるい装置が、ふるいパネル(6)を含み、該ふるいパネルのふるい面(9)が当該ふるい面(9)全体に及んで互いに隣り合って延びる多数列の窪み(22)及び/又は隆起(23)を有し、
当該ふるい装置が、流入側にそれぞれ一つの再放流魚道溝を有するふるいパネル(6)を含み、その際、当該再放流魚道溝は、当該ふるいパネル(6)が上昇運動する際に下端に位置すると共に、当該ふるいパネル(6)が上昇運動する際に、前記それぞれのふるいパネル(6)内に存在する水生動物用の液体で満たされたそれぞれ一つの捕集窪みを形成するようにして、配置形成され、当該捕集窪みは、前記エンドレスふるいベルト(5)の運動に際し、前記エンドレスふるいベルト(5)の運動方向において、前記ふるいパネル(6)、当該捕集窪み内に含まれている液体及び当該液体中に捕集されている水生動物と共に前記液体流(2)から引き上げられて、当該エンドレスふるいベルト(5)の上部の方向転換領域における前記ふるい装置(1)の排出領域において、前記ふるいパネル(6)と当該捕集窪みの傾倒によって捕集収集溝に排出され、その際、前記ふるい面(9)から汚物を除去するための噴射装置を有する当該ふるい装置(1)の噴射浄化領域が、前記エンドレスふるいベルト(5)の運動方向において、当該排出領域のずっと後方に配置されているために、前記捕集窪みはそれが前記噴射浄化領域に達する前に排出されることを特徴とするふるい装置。
【請求項2】
当該ふるい装置が、ふるいパネル(6)を含み、該ふるいパネルのふるい面(9)が当該ふるい面(9)全体に及んで互いに隣り合って延びる多数列の窪み(22)及び隆起(23)を有し、その際、前記窪み(22)及び隆起(23)が当該ふるい面(9)上に互いに隣り合って交互に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のふるい装置(1)。
【請求項3】
前記ふるい面(9)上の前記窪み(22)及び隆起(23)の断面が、波形状、波状、鋸歯状又は台形状に折り曲げられて形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のふるい装置(1)。
【請求項4】
それぞれ一つのふるい面(9)上の前記窪み(22)又は隆起(23)の列数が、3~50、好ましくは4~40、特に好ましくは5~30であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項5】
それぞれ一つのふるい面(9)上の前記窪み(22)又は隆起(23)の列数が、前記ふるい面(9)の平坦な断面を基準として、前記窪み(22)ないし隆起(23)の長手方向に対して直角をなす方向で測定して、1メートル当たり2~20、好ましくは、1メートル当たり2.5~10、特に好ましくは、1メートル当たり3~5であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項6】
それぞれ一つのふるい面(9)上の前記窪み(22)と隆起(23)との間の間隔が、5cm~50cm、好ましくは10cm~40cm、特に好ましくは20cm~30cmであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項7】
それぞれ一つのふるい面(9)上の前記窪み(22)及び隆起(23)の高さが、前記ふるい面(9)の平坦な断面を基準として、2cm~20cm、好ましくは4cm~15cm、特に好ましくは6cm~10cmであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項8】
前記ふるい面(9)の平坦な断面を基準として、それぞれ一つのふるい面(9)上の前記窪み(22)及び隆起(23)の高さと、前記ふるい面(9)上の前記窪み(22)と隆起(23)との間の間隔との比が、0.1~2、好ましくは0.2~1.5、特に好ましくは0.3~1.0であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項9】
前記ふるい面(9)の前記窪み(22)及び隆起(23)の、前記窪み(22)及び隆起(23)の長手方向に対して横断方向に測定した側面角の、ふるいパネル(6)の前記ふるい面(9)全体にわたって平均した値が、当該ふるい面(9)の平坦な断面に対して傾斜せずに延びている当該ふるい面(9)の区域を無視し、当該ふるい面(9)の平坦な断面を基準にして、10°~80°、好ましくは20°~70°、特に好ましくは30°~60°であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項10】
ふるい面(9)の前記窪み(22)及び隆起(23)が直線状であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項11】
ふるい面(9)の前記窪み(22)及び隆起(23)がアーチ状に延びていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項12】
前記ふるいパネル(6)の前記循環運動(7)の面が、前記液体流(2)の前記流れ方向(4)に対して実質的に垂直に配置されていることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項13】
前記エンドレスふるいベルト(5)の上昇運動する部分及び前記エンドレスふるいベルト(5)の下降運動する部分がそれぞれ、液体流(2)の略右側半分ないし略左側半分を覆う、請求項1から12のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項14】
前記噴射浄化領域において、前記ふるい面(9)に付着して前記液体流(2)から取り出された汚物が、前記エンドレスふるいベルト(5)の前記液体流(2)から引き上げられた前記ふるいパネル(6)に水噴射ノズル又は圧縮空気噴射ノズルによる噴射が行われることにより、前記ふるいパネル(6)から噴射除去されて、前記エンドレスふるいベルト(5)の、当該噴射ノズルに対向する側に配置された汚物捕集溝によって収容され、かつ、噴射除去された当該汚物が、前記ふるい面(9)における前記隆起(23)及び/又は窪み(22)の当該傾斜側面によって、前記汚物捕集溝へ向かう方向に誘導されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のふるい装置(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のふるい装置(1)を、流路(3)の中を流れる液体の前記液体流(2)から、固体成分、固体又は固形物を機械的に分離して運び出すため、特に、プロセス流、冷却水流又は排水流のための又は浄水設備又は水力発電設備におけるふるい用レーキ若しくは濾過用レーキとして使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路の中を流れる液体の当該液体流から、固体成分、固体又は固形物を機械的に分離して運び出すためのふるい装置、特に、プロセス流、冷却水流又は排水流のための又は浄水設備又は水力発電設備におけるふるい用レーキ若しくは濾過用レーキに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のふるい装置は、通例、当該液体流の当該流れ方向に対して実質的に横断方向に方向付けられた、複数のふるい面穴が備えられたそれぞれ一つのふるい面を有する複数のふるいパネルが備えられ、その際、当該ふるいパネルは、部分的に当該液体流中に潜り込み得る一つの循環式のエンドレスふるいベルトを形成すると共に、該ベルトにおいて当該エンドレスふるいベルトの運動方向に連続して、互いに隣り合って配置された複数のふるいパネルは、当該流路内に一つの共通のふるい面を形成し、当該ふるい装置は、さらに、当該エンドレスふるいベルトを循環運動するための駆動装置が備えられ、これによって、当該液体流からの当該固形物の当該分離及び排出を、好ましくは、連続的に行うことが可能である。当該エンドレスふるいベルトは、いわゆる横方向流れ仕様において、通例、当該液体流の当該断面を完全に覆い又は少なくとも側方シーリングによって当該迂回流れが防止されており、その結果、当該固形物は、そのサイズが当該ふるいパネルの当該穴幅若しくは網目サイズよりも大きい限り、当該ふるい装置を通過することはできず、当該ふるいパネルの当該ふるい面に沈着する。
【0003】
当該エンドレスふるいベルトの当該循環運動により、当該液体流から当該ふるいパネルで分離された当該固形物は上方へ運ばれ、当該水位よりも高い箇所に位置する廃棄箇所で、当該ふるいパネルから投下、除去又は汚物除去される。当該ふるいパネルが再び当該液体流中に沈められる前に、当該廃棄箇所において当該ふるいパネルへ噴射することによって、当該ふるいパネルの完全な汚物除去浄化を行うことができる。
【0004】
この種のふるい装置については、“横方向流れふるい方式”、“内側から外側へのふるい方式”又は“外側から内側へのふるい方式”と称されるさまざまな態様の装置が知られている。横方向流れ仕様によるふるい装置の一例は、独国特許出願公開第19727354号明細書から公知である。該ふるい装置は、当該エンドレスふるいベルトに、当該エンドレスふるいベルトの当該循環運動が互いに離間した二つの平行な面で行われるようにして、連続して配置されたふるいパネルを有し、その際、当該ふるいパネルは上流側に位置する当該面において上方へ向かって当該流路から引き上げられるように運動させられ、下流側に位置する当該面において下方へ向かって当該流路内に沈められるように運動させられる。その際、当該ふるいパネルは、最高点と最低点において、当該水面と平行をなす一つの面内で当該流路に対して横向きをなす、つまり、当該ふるい面と平行をなす一つの面内で当該流れ方向に対して横向きをなす、当該エンドレスふるいベルトの旋回軸を中心にして旋回させられる。当該ふるいパネルの当該ふるい面は、中央の平坦なふるい面要素によって連結された、それぞれ、一つの傾斜した前方ふるい面要素と、一つの傾斜した後方ふるい面要素とを有する。こうした構造により、当該ふるいパネルの当該安定性は向上する。さらに、一つのふるいパネルの当該後方ふるい要素が、循環方向において後続する一つのふるいパネルの当該前方ふるい要素と共に形成する当該平坦な凹所内に、固形物が収容されて、排出され、これによって、当該ふるい装置の当該ふるい性能は全体として向上させられるが、ただし、当該個々のふるいパネル自体の当該ふるい性能には当てはまらない。
【0005】
独国特許出願公開第3928681号明細書から、流路内で液体流から汚物を運び出すためではなく、廃水安定化池のために設けられた、一つの共通のふるい面を形成する複数のふるいパネルではなく、単一のふるいパネルのみを有し、しかも、循環運動によって液体流中に沈められることも同所から引き上げられることもなく、当該廃水安定化池内に定置配置されている、冒頭に述べたタイプではないふるい装置が知られている。静的配置された当該ふるいパネルの当該ふるい面は、その実効表面積の増大を目的として、折曲げ形状に形成されている。
【0006】
本発明がその発展態様に向けられている一つのふるい装置の別実施形態が、国際公開01/08780号から公知である。該実施形態は、当該エンドレスふるいベルトに、当該エンドレスふるいベルトの当該循環運動が実質的に総じて単一の面内に保持されるようにして、連続して配置されたふるいパネルを有し、その際、当該ふるいパネルが当該エンドレスふるいベルトの方向転換点において旋回される中心をなす当該旋回軸は、当該共通のふるい面に対して垂直をなしている。当該液体流によって貫流される当該ふるいパネルは平坦である。当該ふるいパネルから落下する汚物又は固形物を共に当該液体から排出し、こうして、当該ふるい装置全体のふるい性能を向上させるべく、当該ふるいパネルは、運動方向においてその後端に、例えば、フレームの斜角化によって形成されていてよい―ただし、当該液体流によって貫流されないために当該ふるいパネルの当該ふるい効果に寄与することのない―汚物ポケットを有していてよい。
【0007】
上記国際公開01/08780号から公知の当該ふるい装置は、その他の公知の当該実施形態に比較して、数多くの利点を有している。とは言え、実際には、該装置の、特に、当該液体流における圧力損失をできるだけ低下させるという点で、さらなる改善を求める要求が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】独国特許出願公開第19727354号明細書
【文献】独国特許出願公開第3928681号明細書
【文献】国際公開01/08780号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来の技術から出発して、本発明の目的は、当該液体流における圧力損失ができるだけ僅かで、加えてさらに、当該液体流の流れ方向で見て、当該ふるい装置の全長が短くかつ当該エンドレスふるいベルトがシンプルな構造を有する冒頭に述べたタイプのふるい装置を創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、本発明により、添付の当該請求項1に記載の特徴を有するふるい装置によって達成される。本発明の好ましい態様及び発展態様は、従請求項及び付属の図面を参照した当該下記説明から判明する通りである。
【0011】
したがって、流路の中を流れる液体の当該液体流から、固体成分、固体又は固形物を機械的に分離して運び出すための本発明によるふるい装置、特に、プロセス流、冷却水流又は廃水流れのための又は浄水設備又は水力発電設備におけるふるい用レーキ若しくは濾過用レーキは、当該液体流の当該流れ方向に対して実質的に横断方向に方向付けられ、複数のふるい面穴を有する複数のふるいパネルを含み、その際、当該ふるいパネルは、部分的に当該液体流中に潜り込み得る一つの循環式のエンドレスふるいベルトを形成すると共に、該ベルトにおいて、当該エンドレスふるいベルトの運動方向に連続して、互いに隣り合って配置された複数のふるいパネルは、当該流路内に一つの共通のふるい面を形成し、当該ふるい装置はさらに、当該エンドレスふるいベルトを循環運動にて駆動するための駆動装置を含み、その際、当該ふるいパネルは当該エンドレスふるいベルトに、当該エンドレスふるいベルトの当該循環運動が実質的に総じて単一の面内に保持されるようにして、互いに連続して配置され、しかもその際、当該ふるいパネルが当該エンドレスふるいベルトの方向転換点において旋回される際の中心となる当該旋回軸が当該共通のふるい面に対して垂直をなし、かつ、当該ふるい装置は、そのふるい面が当該ふるい面全体に及んで互いに隣り合って延びる多数列の窪み及び/又は隆起を有するふるいパネルを含むという当該特徴を有している。
【0012】
本発明によるふるい装置の当該ふるいパネルは、上記国際公開01/08780号から公知の当該ふるい装置とは異なり、平滑ないし平坦なふるい面に代えて、当該ふるい面全体に及んで互いに隣り合って横方向に延びる多数列の窪み及び/又は隆起を有している。当該窪みはふるい面の谷と称することも可能であり、当該隆起はふるい面の稜又はふるい面の山と称することもできる。これらは、当該ふるい面の当該流入側(当該汚水面側)又は当該流出側(当該浄水面側)に形成されていてもあるいは両側に形成されていてもよい。本発明は、当該窪み及び/又は隆起の当該方向付け、すなわち、それらの長手延長方向が、当該流路内の当該液体からの当該エンドレスふるいベルトの上昇運動に際する当該ふるいパネルの当該姿勢を基準として、当該エンドレスふるいベルトの当該運動方向に対して横向き(水平)、平行(つまり垂直)又は斜めであってもよいという利点を有する。また、例えば、特別な魚類保護のため又は当該液体流から分離して排出される種々異なった成分の特別な捕集特性のために、種々異なった当該ふるいパネルによって特に最適化されたふるい装置を形成すべく、一つ又は複数のこれらの方向付けを組み合わせてふるいパネルの当該ふるい面を形成することも可能であり、同様にして、別実施形態において、種々異なった方向付けの窪み及び/又は隆起が備えられたふるいパネルを有する当該ふるい装置全体を形成することも可能である。したがって、本発明によるふるい装置は、それぞれの当該使用目的に合わせて、非常に多様に形成されていてよい。
【0013】
一つのふるい装置において、好適には、すべてのふるいパネルが窪み及び/又は隆起を具備していてよいが、ただし、別実施形態において、従来の技術による―つまり、平滑ないし平坦なふるい面を有する―個々の若しくは複数のふるいパネルが設けられていてもよい。したがって、本発明によるふるい装置は、この点でも、非常に多様な形で、それぞれの当該使用目的に適合させることが可能である。
【0014】
当該ふるい面全体に及んで延びる当該窪み及び/又は隆起は、当該ふるい面の一種の折曲げ形状を形成する。一つの利点は、当該折曲げ形状によって、同じ外形寸法の平滑ないし平坦なふるい面に比較して、当該ふるい面積が拡大されることである。当該ふるい面の当該造形によって、一つのふるいパネルの当該実効ふるい面積が増大される。当該ふるい装置を通過する流量は、当該液体流の流速と当該ふるい装置の全ふるい面積との積に等しいことから、それゆえ、本発明によるふるい装置にあっては、同一サイズの当該ふるい装置において当該流量が増加する。したがって、所定の流量を達成するには、当該ふるい装置と付属の当該流路内構造物は、従来の技術に比べて、小さく形成されていてよく、これにより、当該ユーザにとって当該製造コストが減少する。
【0015】
ただし、本発明によるふるい装置は、ふるいパネルの多様な形状デザインの可能性及び流量の増加という利点を有するだけでなく、冒頭に述べたふるい装置に比較して達成可能なさらにその他の特別な利点を有している。
【0016】
その一つは、当該液体流からの、固体成分、固体又は固形物の汚物排出量の高まりである。ふるい面上の当該隆起ないし窪みは、当該ふるい面上を下方に向かってずれ落ちずに当該ふるい面上に保持される汚物マットを形成する当該ふるい面で分離された汚物のための、複数の個々の汚物連行手段として機能する。これにより、当該ふるい面の汚物捕集率の向上がもたらされ、換言すれば、隆起ないし窪みを備えたふるい面によって、平坦ないし平滑なふるい面におけるよりも多くの汚物が分離されて、次いで、当該エンドレスふるいベルトの当該循環運動に際し、当該ふるいパネルによって当該液体流から排出されることが可能となる。この利点は、ただしそれに限られるわけではないが、とりわけ、当該窪み及び/又は隆起の方向付け、つまり、当該流路における当該液体から当該エンドレスふるいベルトが上昇運動する際の当該ふるいパネルの当該姿勢を基準にして、当該エンドレスベルトの当該運動方向に対して横向き(つまり、水平)の当該窪み及び/又は隆起の長手延長方向に際してもたらされる。
【0017】
さらに別の特別な利点は、当該液体流に対する当該ふるい装置の水圧抵抗の減少である。これは、上述したように、複数の汚物連行手段として機能する当該隆起ないし窪みによって、当該汚物部分が当該ふるい面上で下方に向かってずれ落ちるのではなく、当該ふるい面の下端に集積するために、ふるいパネルの当該ふるい面全体に及んで均等な汚物分布が生ずるからである。当該均等な汚物分布に起因して、当該ふるい面に局部的に高い又は局部的に非常に変動する流速が生ずることはなく、これによって、乱流の発生は減少する。これは、当該流路内における当該ふるい装置の水圧抵抗の減少という利点をもたらすと共に、乱流による当該ふるい面からの汚物剥離の低減という利点をもたらし、このことが翻って当該汚物排出を向上させることになる。
【0018】
別途の特別な利点は、当該ふるいパネル及びふるい面の当該安定性の向上である。本発明による当該造形によって当該ふるいパネルないしふるい面が補強されるため、非常に高い水圧に対しても十分な強度が達成される。したがって、本発明によるふるい装置は、冒頭に述べたふるい装置では高い水圧からして可能ではなかったような応用例にも使用することが可能である。当該ふるいパネル及びふるい面の当該安定性の向上によって、当該ふるいパネルないし当該ふるい面がそれほど強剛ないし強固な材料から形成されている必要はなく、そのため、材料節約ならびに当該流量の向上のいずれもが達成されるというさらに別な利点も得られる。当該ふるい面が、例えば、金網として形成されていれば、当該金網は本発明による当該造形によって補強される。その結果、相対的に細いワイヤを使用することができ、これによって、同一強度で、材料節約が達成されるだけでなく、当該貫流に供される、より大きな自由面が形成されることになる。
【0019】
同様に特別な利点は、当該ふるいパネルの実効汚物除去の点でも得られる。当該ふるい面に付着して、当該液体流から排出される汚物は、通例、当該液体流から引き上げられた当該エンドレスふるいベルトの当該ふるいパネルに水噴射ノズル又は圧縮空気噴射ノズルによる噴射が行われることにより、噴射除去されて、当該エンドレスふるいベルトの、当該噴射ノズルに対向する側に配置された汚物捕集溝によって収容される。噴射除去された当該汚物は、当該隆起及び/又は窪みの当該傾斜側面によって、当該汚物捕集溝に向かう方向へ誘導され、その際、当該側面が傾斜路の役割を果たして、当該汚物を当該汚物捕集溝へと導く。これによって、当該噴射除去された汚物の多くが当該汚物捕集溝によって捕集される。
【0020】
当該魚類保護に関しても、本発明は特別な利点を有している。つまり、この種のふるい装置にあっては、固体成分、固体又は固形物のみが当該ふるいパネルに沈着して、当該ふるい装置によって当該流路から分離され、排出されるだけでなく、水生動物、例えば、魚類、甲殻類、幼生等も、また、分離された固形物も当該ふるいパネルの当該ふるい面に捕集され、これらの固形物と一緒に当該流路から排出されるという問題が生ずる。本発明によるふるい装置にあっては、当該ふるいパネルへの当該魚類の衝突も、当該ふるいパネルの当該隆起ないし窪みの当該傾斜した側面によって緩和され、その結果、それらが傷ついたり、殺傷されたりすることが減少する。
【0021】
当該ふるい装置によって流路から引き出された水生動物をできるだけ保護すると共に、当該流路へのそれらの再放流を可能とするために、本発明によるふるい装置はさらに、その流入側にそれぞれ一つの再放流魚道溝を有するふるいパネルを含み、その際、当該再放流魚道溝は、当該ふるいパネルが上昇運動する際に下端に位置すると共に、当該ふるいパネルが上昇運動する際に、当該それぞれのふるいパネル内に存在する水生動物用の液体で満たされたそれぞれ一つの捕集窪みを形成するようにして、配置形成され、該捕集窪みは、当該エンドレスふるいベルトの当該運動に際し、当該ふるいパネル、当該捕集窪み内に含まれている当該液体及び当該液体中に捕集されている水生動物と共に、当該エンドレスふるいベルトの当該運動方向において当該液体から引き上げられ、当該エンドレスふるいベルトの当該上部の方向転換領域における当該ふるい装置の排出領域において、当該ふるいパネルと当該捕集窪みの傾倒によって、捕集収集溝に排出されるが、その際、当該汚物を除去するための当該噴射装置を有する当該噴射浄化領域が当該排出領域のずっと後方にされているために、当該捕集窪みは、それが当該噴射浄化領域に達する前に、排出される。これにより、当該ふるい装置によって当該流路から分離排出された魚類を当該流路に再放流することができる。
【0022】
この利点は、とりわけ、ただしそれに限られるわけではないが、当該窪み及び/又は隆起の当該方向付け、つまり、それらの長手延長方向が、当該流路の当該液体から当該エンドレスふるいベルトが上昇運動する際の当該ふるいパネルの当該姿勢を基準にして、当該エンドレスふるいベルトの当該運動方向と略平行(つまり、垂直)である場合に得られるが、それは、この場合、当該魚類が、当該ふるいパネルの当該上昇運動に際し、当該窪みないし隆起の当該長手延長方向に沿って、それぞれの当該捕集窪みに滑り誘導されることができ、その後、当該排出領域において、当該窪みないし隆起が略水平に配置されているために、同所において、当該隆起ないし窪みの当該側面が、当該魚類にとって、当該捕集収集溝に至る保護誘導傾斜路を形成するからである。
【0023】
以下、図面に示した実施例を参照して、本発明を詳細に説明する。同所に述べられた当該特性は、本発明の好ましい態様を創出するために、個別に又は互いに組み合わせて使用することが可能である。同一の部品又は同一機能を有する部品には同一の符号が付され、該部品が異なった実施形態において好適に使用可能であっても、説明は通例一回だけ行われる。各図は以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】ふるい装置の概略的な正面図である。
図2図1に示したエンドレスふるいベルトの第一の実施形態を示す図である。
図3図1に示したエンドレスふるいベルトの第二の実施形態を示す図である。
図4】上記エンドレスふるいベルトの直線状領域における、図2に示したエンドレスふるいベルトの詳細を示す図である。
図5】上記エンドレスふるいベルトの下部の方向転換領域における、図2に示したエンドレスふるいベルトの詳細を示す図である。
図6】上記エンドレスふるいベルトの直線状領域における、図3に示したエンドレスふるいベルトの詳細を示す図である。
図7】上記エンドレスふるいベルトの下部の方向転換領域における、図3に示したエンドレスふるいベルトの詳細を示す図である。
図8図2に示したエンドレスふるいベルトのふるいパネルを示す図である。
図9図8に示した上記ふるいパネルのふるい面を示す図である。
図10図3に示したエンドレスふるいベルトのふるいパネルを示す図である。
図11図10に示した上記ふるいパネルのふるい面を示す図である。
図12図6の詳細を示す図である。
図13】波形状に形成されたふるい面の断面を示す図である。
図14】波形状ないしインボリュート曲線状に形成されたふるい面の断面を示す図である。
図15】鋸歯状に形成されたふるい面の断面を示す図である。
図16】台形状に形成されたふるい面の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、国際公開01/08780号のプリアンブルに記載のふるい装置に依拠する、本発明によるふるい装置1を具体的に示している。同図は、流路3内を流れ方向4に向かって流れる液体の液体流2から、エンドレスふるいベルト5によって、固体成分、固体又は固形物を機械的に分離して運び出すための本発明によるふるい装置1の概略的な正面図を示しており、その際、図1の当該右側半分は、ふるい装置1のその他の要素又は該装置の周囲を省略して、エンドレスふるいベルト5自体を示している。エンドレスふるいベルト5は、流れ方向4に対して横断方向に配置され、液体流2によって、当該描図面に対して垂直方向に貫流される。該エンドレスふるいベルトは、液体流2の流れ方向4に対して実質的に横断方向に方向付けられた、部分的に液体流2内に沈められる循環式のエンドレスふるいベルト5を形成する複数のふるいパネル6を含んでいる。エンドレスふるいベルト5において、エンドレスふるいベルト5の運動方向に連続する、互いに隣り合って配置されたふるいパネル6は、流路3内において、一つの共通のふるい面を形成する。
【0026】
ふるい装置1の当該寸法形状は、好ましくは、循環式のエンドレスふるいベルト5の上昇運動する当該部分及び循環式のエンドレスふるいベルト5の下降運動する当該部分がそれぞれ、液体流2の略右側半分ないし略左側半分を覆うようにして、選択されている。液体流2は、流れ方向4において、ふるい装置1あるいは液体流2中に沈められたふるいパネル6を貫流し、その際、ふるいによって浄化される。
【0027】
ふるい装置1は、エンドレスふるいベルト5を当該矢印によってその方向が具体的に示された循環運動7するために、図中不図示の駆動装置を含んでいる。ふるいパネル6は、エンドレスふるいベルト5の循環運動7が実質的に総じて単一の面内に保持されるようにして、エンドレスふるいベルト5内に連続して配置されており、その際、ふるいパネル6がエンドレスふるいベルト5の方向転換点で旋回する際の中心をなす当該旋回軸は、当該共通のふるい面に対して垂直をなしている。ふるいパネル6の循環運動7の当該面は、好ましくは、液体流2の流れ方向4に対して実質的に垂直に配置されており、つまり、当該ふるいパネルが当該エンドレスふるいベルトの方向転換点で旋回する際の中心をなすと共に、当該共通のふるい面に対して垂直をなす当該旋回軸は、液体流2の流れ方向4と平行に方向付けられ、ふるい装置1又は、エンドレスふるいベルト5の循環運動7が保持される当該面及び当該共通のふるい面は、流路3内に垂直に配置されている。ただし、別実施形態において、ふるい装置1は、流路3内に好ましくは垂直に配置される代わりに、傾斜して配置されていてもよい。
【0028】
ふるいパネル6はそれぞれ、一つのふるいパネルフレーム8と、ふるいパネルフレーム8によって担持される、複数のふるい面穴10を有するふるい面9とを含んでいる。分かりやすさを優先させて、当該図示ふるいパネル6のうちの一つにのみ、該ふるいパネルのふるい面穴10が示されている。
【0029】
ふるいパネル6は、図1において、三日月形に形成されている。これは、実質的に、ふるいパネル6の循環運動7の方向で見て、一つのふるいパネル6の前端及び後端がそれぞれ円弧形状の輪郭を有する形であって、好ましくは、それぞれ当該前端及び当該後端の外側輪郭を産み出す当該円の当該半径は互いに等しいとの条件を満たす形として理解される。この実施形態は、ふるいパネル6が互いに連続して、円の切片によって形成される外側輪郭に沿って、互いに僅かな隙間間隔で又はシール要素によって互いに封止されて互いに永久的に接触して、直線運動も方向転換点を中心にして方向転換することも可能であり、しかも、ふるいパネル6の当該運動方向が変化する際に―例えば、当該方向転換に際し―隣り合うふるいパネル6との間に、液体がふるいされずに通過可能であるような隙間が形成されることがないという利点を有する。
【0030】
図1に示した第一の実施形態によれば、三日月形に形成されたふるいパネル6は、好ましくは、該ふるいパネルの外側輪郭がそれぞれ、同一の半径を有する二つの円の互いに重なり合う二つの区域によって形成され、その際、ふるいパネル6の当該外側輪郭の当該凸状区域を形成する当該第一の円の当該中心点は、ふるいパネル6の当該外側輪郭の当該凹状区域を形成する当該第二の円上に位置するように、形成されている。こうした寸法形状により、ふるいパネル6は、それらの間に空隙を生じたり、旋回時にふるいパネル6同士が互いに重なり合ったりすることなく、該ふるいパネルの作用面の当該面内で互いに旋回することが可能である。後者つまり互いの重なり合いは、当該圧力損失の当該最適化の観点から見て不適な、当該ふるい面の二重の重なり合いをもたらすこととなろう
【0031】
これらの利点は、三日月形に形成されたふるいパネル6の第二の実施形態によっても達成されるが、該実施形態において、当該三日月形のふるいパネル6の当該外側輪郭はそれぞれ、同一の半径を有する二つの円の互いに重なり合わない二つの区域と、当該二つの円区域を連結する直線状又は円弧状の二つの連結区域によって形成されている。この種のふるいパネル6は、当該連結区域によって、当該第一の実施形態に比較して長くなっており、したがって、長く伸びた三日月形を有しており、これによって、所定の長さのエンドレスふるいベルト5においてふるいパネル6の当該数を減少させることができるという利点をもたらす。
【0032】
ふるいパネル6は、連結手段11によって、該ふるいパネルが当該実施形態において、循環運動7に際し、当該図面において右側に配置された当該区域において液体流2から上方へ向かって引き上げられ、当該描図面内のエンドレスふるいベルト5の上部の方向転換点12で方向転換され、次いで、左側に配置された当該区域において下方へ向かって液体流2中に沈められ、最後に、引き続き同一の描図面において、エンドレスふるいベルト5の下部の方向転換点13で再び方向転換されて、閉じたエンドレスふるいベルト5を形成するように、連結されている。エンドレスふるいベルト5の当該寸法形状は、その循環運動のために、最もシンプルなケースにおいて、ふるいパネル6が、それぞれ直線状の運動によって、液体流2中に沈められると共に当該液体流から引き上げられ、その際、当該エンドレスふるいベルトは、上部の方向転換点12及び下部の方向転換点13で、実質的に円状の運動によって方向転換されるように、形成されている。したがって、当該連結手段11による個々のふるいパネル6の間の当該関節式の連結は次のように、つまり、個々のふるいパネル6がエンドレスふるいベルト5の当該作用面内で互いに相対旋回し得るように、形成されている。
【0033】
その際、ふるいパネル6は当該方向転換点12、13で、当該旋回軸が当該描図面に対して垂直をなすようにして、互いに相対旋回される。当該連結手段11は、エンドレスふるいベルト5の当該駆動に使用されるチェーンの一部であり、電動機によって駆動される上部のスプロケット14及び下部のスプロケット15で方向転換される。スプロケット14、15は、当該図示実施例において、それぞれ八個の歯を有しているが、ただし、その他の実施形態において、ふるいパネル6の当該寸法及び当該方向転換半径に応じ、それを上回る数又はそれを下回る数の歯が設けられていてもよい。
【0034】
一般に、エンドレスふるいベルト5の当該駆動装置は、チェーン駆動がエンドレスふるいベルト5を駆動するための好ましい実施形態であることから、エンドレスふるいベルト5の上部の方向転換点で上部のスプロケット14を周回し、下部の方向転換点で下部のスプロケット15を周回する一本の駆動チェーンを含んでいるのが好適である。その際、上部のスプロケット14は駆動モータによって駆動可能であるのが好適である。
【0035】
安定性を確保するために、ふるい装置1は、少なくとも若干のふるいパネル6が側方ガイドされるガイド装置を含んでいる。図1にあっては、そのため、当該図示エンドレスふるいベルト5の当該上昇直線状区域と当該下降直線状区域との間に、エンドレスふるいベルト5を内側に向かって限界付ける定置式の中央ガイド部16が配置されている。中央ガイド部16は、安定性を確保するため、その下端が定置固定されていてよく、そのため、該ガイド部は液体流2の当該水圧に降伏することはない。中央ガイド部16は、ふるいパネル6の少なくとも一部が同所にガイドされることができ、これによって、好適には、当該装置全体の当該安定性が高められるという利点を有する。中央ガイド部16においてふるいパネル6がガイドされていてよい。当該ガイドは、例えば、滑動式に行うことができ又は、ふるいパネル6又はそれらの連結手段11に配置された回転式の内側のガイド手段、例えば、ガイドローラ又はボールによって行うことができる。
【0036】
少なくとも若干のふるいパネル6が、好ましくは、液体流2を限界付ける外壁17に沿って側方に配置されたガイド装置内をガイドされることとなるために、エンドレスふるいベルト5と外壁17との間に、液体流2の当該水圧に起因して、当該液体が浄化効果なしにすり抜けてしまう隙間が発生することはない。好適には、このガイドは当該外壁自体の内部に埋設されている。このガイドは、例えば、滑動式に行うことができ又は、ふるいパネル6又は連結手段11に配された回転式の外側のガイド手段、例えば、ガイドローラ又はボールによって行うことができる。
【0037】
図1において、外部に対する液体流2の当該限界付けは外壁17によって形成される。この外壁17は、周辺に、溝状のガイド18を含んでいる。ふるいパネル6は、外壁17ないしガイド18の領域において外側のガイドローラ19により、中央ガイド部16の領域において内側のガイドローラ20によって側方ガイドされている。ガイド18は、エンドレスふるいベルト5の下部の方向転換領域において、流れを遮断するために広がって、ふるいパネル6を迂回する流れを防止する。当該エンドレスふるいベルト1ならびに当該付属の駆動及び汚物除去装置は上方へ向かってカバー21を具えている。
【0038】
図1から十分に看取し得るように、ふるいパネル6は、ガイド18内及び中央ガイド部16内へ、ふるいパネル6が三日月形であるためにエンドレスふるいベルト5に存在する当該端縁側隙間がガイド18及び中央ガイド部16によって覆われるまで、沈められる。ふるいパネル6の全体から生ずる、エンドレスふるいベルト5の当該共通のふるい面は、結果として、液体流2の当該自由断面積を実質的に完全に覆っている。
【0039】
別途の好適な特徴の基本は、安定性を確保するために、エンドレスふるいベルト5の浄水側の面に、好ましくは、ふるいパネル6の当該中心軸の領域に配置されたふるいベルト支持手段が設けられている点にある。該手段は、ふるいパネル6を圧迫する当該流れに起因する当該力を吸収して、ふるいパネル6を支持するために使用することができる。その際、エンドレスふるいベルト5の確実な支持を保証するために、好適には、当該支持手段の間又は流路3の当該壁面又は当該底部に補強材が設けられていてもよい。したがって、当該ふるいベルト支持手段及び当該補強材は、ふるい装置1の当該安定性を高めるために、好ましくは、定置固定されている。
【0040】
ふるいパネル6は、滑動式に、当該ふるいベルト支持手段上に支持されていてよい。好ましい実施形態において、当該転動によってエンドレスふるいベルト5の摩擦なし循環運動を可能とする、当該エンドレスふるいベルトないし当該ふるいパネルを支持するための回転式の支持手段、例えば支持ローラ又はボールがふるいベルト支持手段上に設けられていてよい。当該回転式の支持手段は、例えば、ふるいパネル6又はふるいパネル6間の連結手段に配されていてよい。
【0041】
本発明によるふるい装置1が冒頭に述べた当該ふるい装置と相違する点は、そのふるい面9がふるい面9全体に及んで互いに隣り合って延びる多数列の窪み及び/又は隆起を有するふるいパネル6を含んでいることである。本発明によるふるい装置1のその他の当該特徴は、その開示内容がその限りで本願明細書に引用されることとする国際公開01/08780号に準じて形成されていてよい。これらのその他の特徴とは、とりわけ、上記に図1を参照して説明した特徴又は、ふるいパネル6の当該輪郭、当該連鎖状の連結、当該ガイド、当該支持、当該駆動又は当該汚物除去である。
【0042】
図2は、連続して互いに連鎖状に連結されたふるいパネル6から形成された、図1のふるい装置1のエンドレスふるいベルト5の第一の実施例を示している。図示されているのは、ガイド又はふるい装置1のその他の部品を省略した、エンドレスふるいベルト5のみである。図1とは異なり、ふるいパネル6はこの場合、外側のガイド19も内側のガイド20も有しておらず、支持手段例えば支持ローラによって図中不図示のふるいベルト支持手段上に支持されている。該ふるい装置1は、必要に応じて、外側のガイド19、内側のガイド20、支持手段又はそれらの組み合わせが備えられていてよい。
【0043】
分かりやすさを優先させて、当該図示ふるいパネル6の一つについてのみ、ふるい面9の当該複数のふるい面穴10の一つのみが概略的に示されているが、それはこのスケールではふるい面穴10を十分に図示することができず、該穴は別途の詳細図で示されるからである。ふるいパネル6は、平滑ないし平坦なふるい面9に代えて、ふるい面9全体に及んで隣り合って横方向に延びる多数列の窪み22及び/又は隆起23を有するふるい面9を有している。窪み22はふるい面の谷と称することもでき、隆起23はふるい面の稜又はふるい面の山と称することもできる。これらは、ふるいパネル6の当該流入側(当該汚水面側)又は当該流出側(当該浄水面側)又は双方の側に形成されていてよい。
【0044】
窪み22及び/又は隆起23の方向付け、つまり、それらの当該長手延長方向は、流路3内の当該液体からのエンドレスふるいベルト5の上昇運動に際するふるいパネル6の当該姿勢を基準にして、エンドレスふるいベルト5の当該運動方向に対して、横向き(つまり、水平)、平行(つまり、垂直)又は斜めであってよい。図2において、窪み22及び/又は隆起23の当該方向付けは、エンドレスふるいベルト5の当該運動方向に対して横向きであり、つまり、当該窪み/隆起は、ふるいパネル6の当該上昇運動の間、水平に延びている。
【0045】
図3は、図1に示したエンドレスふるいベルト5の第二の実施形態を示しており、その際、図2とは異なり、窪み22及び/又は隆起23の当該方向付けはエンドレスふるいベルト5の当該運動方向に対して平行であり、つまり、それらは、ふるいパネル6の当該上昇運動の間、(エンドレスふるいベルト5が垂直に配置されている場合に)垂直に延び又は(エンドレスふるいベルト5が斜めに配置されて場合に)斜めに延びている。
【0046】
図4には、図2に示したエンドレスふるいベルト5の直線状領域、詳細には、ふるいパネル6が液体流2から該ふるいパネルに付着した汚物と共に引き上げられる当該上昇運動中にある領域、におけるエンドレスふるいベルト5の詳細が示されている。図示されているのは、ふるいパネルフレーム8とふるい面9とを有するふるいパネル6である。ふるいパネル6の好適な実施形態の基本は、それがふるいパネルフレーム8と該フレームによって保持されるふるい面9とから形成されている点にある。ふるい面9は、ふるい面穴10を有すると共に、ふるい面9全体に及んで互いに隣り合って延びる多数列の窪み22及び隆起23を有する。また、ふるいパネル6を連鎖状に連結するための連結手段11として使用されるチェーン側板24及びふるいパネル6を当該ガイドするためのローラ25も看取される。
【0047】
さらに別の好適な特徴の基本は、ふるいパネル6が運動方向においてその後端に、ふるいパネル6から落下する汚物又は固形物を共に当該液体から運び出すために、例えば、フレームの斜角化又は窪みによって形成されていてよい汚物ポケットを有している点にある。
【0048】
図5は、エンドレスふるいベルト5の当該下部の方向転換領域における、図2に示したエンドレスふるいベルト5の、図4と同様な詳細を示す図である。その際、同図から、隣り合うふるいパネル6の間に当該液体がふるいされずに通過し得る隙間が形成されることなく、三日月形のふるいパネル6がいかにして方向転換されるかが看取される。当該ふるい面6全体に及んで延びている窪み22及び隆起23は、当該方向転換時に、ふるいパネル6上における又は該ふるいパネルに対するそれらの相対位置を保持し続け、つまり、それらはふるいパネル6に対応してそれらの方向付けを変化させる。
【0049】
図6は、エンドレスふるいベルト5の直線状領域における、図3に示したエンドレスふるいベルト5の、図4と同様な詳細を示しており、その際、図4とは異なり、ふるいパネル6の当該上昇運動中における窪み22及び隆起23の当該方向付けは、エンドレスふるいベルト5の当該運動方向と平行をなしている。
【0050】
図7は、エンドレスふるいベルト5の当該下部の方向転換領域における、図3に示したエンドレスふるいベルト5の、図5と同様な詳細を示す図であり、その際、図5とは異なり、ふるいパネル6の当該上昇運動中における窪み22及び隆起23の当該方向付けは、エンドレスふるいベルト5の当該運動方向と平行をなしている。
【0051】
図8には、ふるいパネルフレーム8、ふるい面9、ふるい面穴10及び、ふるい面9全体に及んで互いに隣り合って延びる窪み22と隆起23とを有する、図2に示したエンドレスふるいベルト5のふるいパネル6が示されている。ここに図示した実施例においてのみならず、一般に好適な特徴に基づき、ふるい面9が多数列の隣り合った、ふるい面9全体に及んで延びる窪み22ならびに多数列の隣り合った、ふるい面9全体に及んで延びる隆起23の双方を有し、その際、窪み22及び隆起23は、ふるい面9上に、図8に示した当該実施例に具体的に示されているように、互いに隣り合って交互に配置されているようにすることが提案される。こうした交互配置によって、ふるい面9の波状若しくは波に類似した断面が生じ、これによって、ふるい面9によって収容される汚物の量、流路3からの当該汚物の排出及びふるい面9とふるいパネル6との当該安定性にとっての利点がもたらされる。
【0052】
図9は、ふるいパネルフレーム8を省略した、図8に示したふるいパネル6のふるい面9を示している。ここに図示した実施例においてのみならず、さらに別の、一般に好適な特徴に基づき、それぞれ一つのふるい面9における窪み22又は隆起23の当該列数は、3~50、好ましくは4~40、特に好ましくは5~30であることが提案される。これにより、当該実際のアプリケーションにおいて好適な、ふるい面9の断面が達成される。図9において、ふるい面9は四列の窪み22(ないし、それぞれ半分ずつの当該両端を数え入れれば五列)及び五列の隆起23を有している。多数列の窪み22及び隆起23を有する折曲げとしてふるい面9を形成することにより、シンプルな、つまり、波形状ではない湾曲面としてのふるい面9―その際、このシンプルな湾曲面(一次元若しくは二次元)が凹面状、凸面状若しくはその他の形例えばインボリュートふるい面として形成されているか否かは問わない―に比較して、ふるい面9によって収容される汚物の量、流路3からの当該汚物の排出、ふるい面9とふるいパネル6との当該安定性にとっての利点がもたらされると共に、ふるい面9に対して垂直なふるい面9及びふるいパネル6の全高の低下が達成される。
【0053】
同様な、同じく一般に好適な実施例の基本は、それぞれ一つのふるい面9における窪み22又は隆起23の当該列数が、ふるい面9の平坦な断面を基準とし、かつ、窪み22ないし隆起23の当該長手方向に対して直角をなす方向で測定して、1メートル当たり2~20、好ましくは、1メートル当たり2.5~10、特に好ましくは、1メートル当たり3~5である点にあってよい。
【0054】
同様な一つの特徴に基づき、それぞれ一つのふるい面9における窪み22と隆起23との間の当該間隔が、5cm~50cm、好ましくは10cm~40cm、特に好ましくは20cm~30cmであることが提案される。
【0055】
図9の実施例において示された、ふるい面9の窪み22及び隆起23は直線状であり、これは一般に好適な実施形態を表している。この種のふるい面9は、例えば、一つの平坦なふるい面に波形状の折曲げがもたらされることにより―したがって、ふるい面9に一つの面状湾曲を付することなく―特に容易に製造可能である。
【0056】
ただしまた、別実施形態において、ふるい面9の窪み22及び隆起23はアーチ状に延び、その際、窪み22及び隆起23が一つの平坦な基準面全体にわたって張り渡されているようにすることも可能である。これによって、折曲げ形のふるい面9がふるい面9全体に及んで隆起するドーム状の湾曲が生じ、その際、当該湾曲は、静力学的理由から、好ましくは流入側に向けられている。この種の形成に際し、ふるいパネル6の当該実効面積はさらに大幅に拡張されている。
【0057】
ふるい面9の当該材料、当該構造、当該保持手段及びふるい面穴10のデザインはそれぞれの使用目的に適合させることができる。したがって、例えば、ふるい面9は、穴あけ又は溝切り薄板製、プラスチック製又は金網製であってよい。ふるい面9は、実質的に自立型であるか及び/又はふるいパネルフレーム8に担持されているか及び/又はふるい面9に取付けられたキャリア構造物ないし支持構造物を有していてよい。この種のデザインの基本は、例えば、キャリア構造物ないし支持構造物、例えば、ふるいパネルフレーム8に支持される強固な線材に、メッシュ材料、例えば、金網若しくはメッシュ組織が、安定性を顧慮して、好ましくは、当該キャリア構造物ないし支持構造物の当該流入側に固定される点にあってよい。特に厳しい負荷に曝露される場合には、ふるい面9にさらに補強手段が備えられることが可能である。
【0058】
当該液体又は当該流路から分離されなかった小さな成分がそれを通ってふるい面9を流過し得る、好ましくは、網目状のふるい面穴10(貫流穴)の当該直径ないしサイズ又は内法幅はそれぞれの当該適用領域に適合されている。そのための好適な値の範囲は5mm~10cmである。当該ふるいパネルないし当該ふるい手段の当該メッシュ幅は、好ましくは、0.1mm~10mm、特に、2mm~4mmである。この種のふるいパネルの代表的な使用分野において、本発明によるふるい装置1は、従来の技術に比較して、きわめて有用な利点を供する。
【0059】
図10図8と同様な図であり、図8に比べて変化した、図3に示したエンドレスふるいベルト5用のふるいパネル6を示している。図11は、図10に示したふるいパネル6の、ふるいパネルフレーム8を除いたふるい面9を示している。
【0060】
図12は、図6に関する詳細を示した図であり、その際、少なからぬ数のふるいパネルフレーム8が該フレーム内に嵌め込まれたふるい面9を除いて示されているために、その下に位置する当該連鎖状の連結及び支持の当該構造が看取される。ここで看取されるのは、ふるい面9を担持するふるいパネルフレーム8の当該三日月形形成と、ふるいパネル6の連鎖状の連結ないしガイドに使用されるチェーン側板24とローラ25のみならず、ふるいパネルフレーム8の補強のため及び/又はふるい面9のキャリア構造物ないし支持構造物として使用され、好ましくは、ふるい面9の当該浄水側面に配置された、ふるいパネルフレーム8内に配されたふるいパネル補強材26も看取される。さらに同図において、図中不図示のふるいベルト支持手段上におけるエンドレスふるいベルト5ないしふるいパネル6を支持するための回転式の支持手段として使用される、チェーンジョイント27に配置された支持ローラ28も看取される。
【0061】
図12はふるいパネル6の当該関節式の連結を具体的に示している。好ましい実施形態において、ふるいパネル6は、連結手段例えば連接棒又はチェーン側板24によって、互いに連鎖状に連結されている。これは、エンドレスふるいベルト5を循環運動7で運動させるための力の伝動及びふるいパネル6のガイドに関して、利点を有する。当該連結手段がエンドレスふるいベルト5のための駆動チェーンの一部、特に、駆動チェーンの側板を形成していれば、特に好ましい。これにより、少ない数の所要部品を使用して好適な構造を形成することが可能である。図12に示した当該実施例において、当該三日月形のふるいパネル6はチェーン側板24を経て互いに連鎖状に連結されており、その際、好ましくは、当該チェーン側板24はその全体でエンドレスふるいベルト5のための一つの駆動チェーンを形成している。
【0062】
ふるい面9の窪み22及び/又は隆起23の当該形状の当該デザインは、ふるい装置1のそれぞれの当該使用目的に適合させることができる。好適な実施形態の基本は、当該ふるい面の窪み22及び隆起23の断面が、波形状、波状、鋸歯状又は台形状に折り曲げられて形成されている点にあってよい。図13~16は、例示的な実施形態の断面輪郭を示している。
【0063】
図13において、ふるい面9の当該断面は波形状に折り曲げられており、つまり、該断面は、実質的に、本来の波形又は正弦波形に等しい。
【0064】
図14において、ふるい面9の当該断面は波状に折り曲げられており、つまり、該断面は、近似的に、本来の波形又は正弦波形と同じである。図14は、インボリュート線状に折り曲げられたふるい面9を示している。
【0065】
図15において、ふるい面9の当該断面は鋸歯状に折り曲げられており、つまり、当該折曲げは、v字状、屋根状、ジグザグ状又は三角状に行われている。図15において、任意の窪み22ないし隆起23の両側側面の当該勾配角は同一であるが、ただし、それは異なっていてもよい。
【0066】
図16において、ふるい面9の当該断面は台形状に折り曲げられており、つまり、ふるい面9は段状に折り曲げられ、その際、互いに平行をなしかつ傾斜していない上側区域と下側区域とは、交互に、斜めの、双方の区域に対して垂直に方向付けられていない、側面を有している。
【0067】
すべての実施形態に共通しているのは、ふるい面9が平滑でも平坦でもなく、波状をなして連続する窪み22及び隆起23が形成されて折り曲げられている点である。これらの実施形態は、ふるい面9内に、場合により、汚物物質が強固に付着し得る鋭角領域を有していないという利点を有している。
【0068】
好適な特徴に基づき、ふるい面9の当該断面につき、ふるい面9の平坦な断面を基準にして、それぞれ一つのふるい面9における窪み22と隆起23の当該高さと、ふるい面9における窪み22と隆起23との間の当該間隔との比が、0.1~2、好ましくは0.2~1.5、特に好ましくは0.3~1.0とすることが提案される。これは、当該折り曲げられたふるい面9が相対的に“平坦”であり、したがって、当該折曲げが過大な“振幅”を有していないことを意味する。この種のふるい面9は、多くの汚物を収容するが、ただしそうした汚物が当該ふるい面に持続的に捕獲されることはなく、良好に除去されることが可能でありかつ安定している。
【0069】
さらに別の好適な特徴に基づき、窪み22及び隆起23の長手方向に対して横断方向に測定した、ふるい面9の窪み22及び隆起23の、ふるいパネル6のふるい面9全体にわたって平均した側面角の値が、ふるい面9の平坦な断面に対して傾斜せずに延びているふるい面9の区域を無視し、当該ふるい面の平坦な断面を基準にして、10°~80°、好ましくは20°~70°、特に好ましくは30°~60°であることが提案される。
【0070】
この特徴に基づいて、当該長手方向(つまり、当該折曲げ方向ないし当該折り目の方向に対して横向き方向)全体にわたって平均した、ふるい面9の窪み22及び隆起23の側面角(勾配/斜角)は、周期長T及び振幅Aを有する正弦波につき、アークタンジェント(4A/T)を生ずる。T=3.3及びA=0.5を有する図13に示した当該実施例につき、アークタンジェント(2/3.3)の値は31.2°である。図14に示した当該実施例において、この値は若干高いが、それは当該断面の折曲げがより強度だからである。図15及び図16に示した当該実施例において、この値つまり当該図示鋸歯形の側面勾配は45°であるが、ただしこれはより大きくてもより小さくてもよい。
【0071】
この好ましい特徴は、別の言い方をすれば、当該折曲げは直角をなしていてはならず、つまり、ステップ状又は階段状であってはならず、つまり、窪み22及び隆起23の当該側面角は90°であってならないことを意味している。直角をなすように形成すれば、非常に密な折曲げにて、所与の寸法のふるいパネル6にとって実効ふるい面積9が最大になるとの利点が得られることは確かであろうが、ただしこれは、当該垂直な側面が当該液体の貫流にとって良好ではなく、その結果、当該流れ抵抗が高まるという短所を有している。さらに、直角状断面を有するこの種の構造形態を以てしては、波状の形成に比較して、僅かな全高で30%~40%までに及ぶ当該実効ふるい面積の増加は、製造上及び安定性の点からして当該折曲げが過度なものであってはならないが故に、達成不能である。
【符号の説明】
【0072】
1 ふるい装置
2 液体流
3 流路
4 流れ方向
5 エンドレスふるいベルト
6 ふるいパネル
7 循環運動
8 ふるいパネルフレーム
9 ふるい面
10 ふるい面穴
11 連結手段
12 上部の方向転換点
13 下部の方向転換点
14 上部のスプロケット
15 下部のスプロケット
16 中央ガイド部
17 外壁
18 ガイド
19 外側のガイドローラ
20 内側のガイドローラ
21 カバー
22 窪み
23 隆起
24 チェーン側板
25 ローラ
26 ふるいパネル補強材
27 チェーンジョイント
28 支持ローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16