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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】骨インプラント用工具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20220831BHJP
   B25B 23/142 20060101ALI20220831BHJP
   B25B 23/157 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A61B17/88
B25B23/142
B25B23/157 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020207893
(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公開番号】P2022094802
(43)【公開日】2022-06-27
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】511007967
【氏名又は名称】財團法人金屬工業研究發展中心
【氏名又は名称原語表記】METAL INDUSTRIES RESEARCH & DEVELOPMENT CENTRE
【住所又は居所原語表記】1001 KAONAN HIGHWAY, KAOHSIUNG 81160,TAIWAN,R.O.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100213746
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100221752
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 雅与
(72)【発明者】
【氏名】蔡 東霖
(72)【発明者】
【氏名】曾 俊傑
(72)【発明者】
【氏名】陳 俊銘
(72)【発明者】
【氏名】王 躍鈞
(72)【発明者】
【氏名】王 新斐
(72)【発明者】
【氏名】王 珮▲ホワ▼
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-136315(JP,A)
【文献】実開昭48-106589(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0323612(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1660497(KR,B1)
【文献】中国実用新案第202668417(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B17/88
A61C 8/00
B25B23/00-23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
桿体と、連結手段とを含み、前記桿体は貫孔を有する結合部を有し、前記桿体は結合部に連接される測定アーム及び加勢アームを有し、前記測定アームは第一指示部を有する第一延伸段を有し、前記加勢アームは第二指示部を有する第二延伸段を有し、第二延伸段を第一延伸段に対して相対移動させるように加勢アームが弾性変形可能で測定アームから離れ、前記連結手段は前記貫孔に結合され、前記連結手段は外輪及びその外輪に対して片方向に回転する内輪を有
前記結合部は拡径間隙を有し、前記拡径間隙の開口端が前記貫孔に連接され、前記拡径間隙は前記結合部内に延伸して閉鎖端を形成する、
ことを特徴とする骨インプラント用工具。
【請求項2】
前記桿体はチタン合金からなることを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【請求項3】
前記チタン合金はTi‐6Al‐4Vであることを特徴とする請求項2に記載の骨インプラント用工具。
【請求項4】
前記拡径間隙はリング状に形成するように結合部内に延在することを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【請求項5】
前記加勢アーム及び前記測定アームは相互に連接せずに、並列するように延伸して前記結合部に連接されることを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【請求項6】
前記測定アームは開口を有する枠を有し、前記第二延伸段は開口から前記枠に伸入する、ことを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【請求項7】
前記加勢アームと前記結合部とを連接する箇所の最小断面積は前記結合部における最小断面積の50%より小さいことを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【請求項8】
前記外輪の外周面或いは/及び前記内輪の内周面には歯状を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【請求項9】
前記外輪の内周面には少なくとも1つの片方向歯を有し、前記外輪を回転する際に内輪を片方向にしか回せないように前記内輪の外周面が複数の片方向爪歯を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の骨インプラント用工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術器具に関するものであり、特に、骨釘を植え込む手術に用いられる骨インプラント用工具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
骨が外力、病気或いは衰退による損傷の治療について、損傷した骨に骨釘を配置することによって、骨の強度を向上させ、或いは、骨に対する固定力を強化し、骨を有効的に癒合させる効果を達する。一般的に、骨釘を植え込む手術を行う際に、ドライバーのような手術器具で、骨に骨釘を螺入するので、骨釘は骨組織に対して押入する応力が発生する可能性があった。各国に発表された骨損傷についての文献によると、応力が大きすぎると骨壊死(Osteonecrosis)を発症するが、適当な応力を骨に与えると骨組織の生長を促進することができる。これにより、骨釘を植え込む手術を行う際に、骨釘を回転させるトルクの制御により骨組織に対する応力を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国公告第US7222559B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のトルクを測定する器具は精密機械であり、手術に用いられるように除菌や消毒などの処理を行うことができず、また、現在の手術器具では、手術者が骨釘を回転させるトルクを知ることができないため、手術者は骨組織に対して過大の力を付け加えてしまい、骨組織に悪い影響を齎す問題があった。これに鑑みて、従来の手術器具を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、骨釘を回転させるトルクを知るための骨インプラント用工具を提供することを目的とする。
【0006】
本発明はさらに、高温で除菌及び消毒の処理を行うことができる骨インプラント用工具を提供することを目的とする。
【0007】
本発明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上(頂)」、「下(底)」、「内」、「外」、「側面」等の方向に関する用語は、主に図面の方向を参照するものであり、上記の各方向に関する用語は、本発明の各実施例を説明する或いは理解できるように用いられるものであり、本発明を限定するものではない。
【0008】
本発明における部分或いは構造において、使用された「一」或いは「一個」等の助数詞は、都合のために使用し、本発明の特許請求の範囲について通常の意義を与えるもので、本発明において一個または少なくとも一個を解釈すべき、且つ、明確に別の意味を指していないかぎり、一つである意味は複数の場合も含まれている。
【0009】
本発明において、「結合」、「合成」、「組み立て」、「前」等の近似用語は、主に、連接しても破壊せずに分離することができ、或いは、連接して分離することが不可能という形を含み、当業者には、連接しようとする部分の材質または組み立ての形により選択することができるものを指す。
【0010】
本発明の骨インプラント用工具は、桿体と、連結手段とを含み、前記桿体は貫孔を有する結合部を有し、前記桿体は結合部に連接される測定アーム及び加勢アームを有し、前記測定アームは第一指示部を有する第一延伸段を有し、前記加勢アームは第二指示部を有する第二延伸段を有し、第二延伸段を第一延伸段に対して相対移動させるように加勢アームが弾性変形可能で測定アームから離れ、前記連結手段は前記貫孔に結合され、前記連結手段は外輪及びその外輪に対して片方向で回転する内輪を有する。
【0011】
本発明の骨インプラント用工具は、加勢アームに対して力を付け加えて桿体を回転させることにより、加勢アームが発生するトルクにより、第二延伸段が第一延伸段に対して相対移動を発生すると共に、第二指示部が第一指示部に対応する位置により、加勢アームによるトルク程度を表すことができる。これにより、使用者は骨釘ユニットを回転させて所定部位の骨組織に螺入する際に、発生されるトルク程度を知り、トルクが35Ncmを超えないように制御し、過大のトルクによる骨組織の損傷を防止すると共に、最適なトルクで桿体を回転させることができる。また、本発明の骨インプラント用工具は、桿体の加勢アームの弾性変形によりトルクを測定するので、桿体は高温で除菌及び消毒の処理を行うことができ、骨釘を植え込む手術に用いられることができ、手術のリスクを減少させ、医療品質を向上させる効果を達することができる。
【0012】
また、前記桿体はチタン合金からなることができる。これにより、桿体は可撓性及びある程度の剛性を有し、使用利便性を向上させる効果を有する。
【0013】
また、前記チタン合金はTi‐6Al‐4Vである。これにより、桿体は可撓性及びある程度の剛性を有し、使用利便性を向上させる効果を有する。
【0014】
また、前記結合部は拡径間隙を有し、前記拡径間隙の開口端が前記貫孔に連接され、前記拡径間隙は前記結合部内に延伸して閉鎖端を形成する。これにより、貫孔が僅かに拡径させるように弾性変形空間とし、貫孔が比較的に大きい連結手段を環装させることができ、結合部と連結手段との結合安定性を向上させる効果を有する。
【0015】
また、前記拡径間隙はリング状に形成するように結合部内に延在する。これにより、貫孔を拡径させる際に発生した応力を平均的に分散させる効果を有する。
【0016】
また、前記加勢アーム及び前記測定アームは相互に連接せずに、並列するように延伸して前記結合部に連接される。これにより、加勢アームと結合部とを連接する箇所は支点とし、加勢アームが弾性変形可能で測定アームから離れるようになり、加勢アームのトルクを測定する効果を有する。
【0017】
また、前記測定アームは開口を有する枠を有し、前記第二延伸段は開口から前記枠に伸入する。これにより、前記第二延伸段を枠に第一延伸段に対して相対移動させることができ、加勢アームのトルクを測定する効果を有する。
【0018】
また、前記加勢アームと前記結合部とを連接する箇所の最小断面積は前記結合部における最小断面積の50%より小さい。これにより、加勢アームが容易に支点により弾性変形を行うことができ、使用利便性を向上させる効果を有する。
【0019】
また、前記外輪の外周面或いは/及び前記内輪の内周面には歯状を形成する。これにより、外輪と貫孔との接触面積、或いは内輪と骨釘ユニットとの接触面積を減少し、連結手段及び骨釘ユニットを容易に結合させたり、取り外させたりすることができ、使用利便性を向上させる効果を有する。
【0020】
また、前記外輪の内周面には少なくとも1つの片方向歯を有し、前記外輪を回転する際に内輪を片方向にしか回せないように前記内輪の外周面が複数の片方向爪歯を有する。これにより、使用者は桿体を時計回りの方向及び反時計回りの方向に回転することを繰り返すことで、骨釘ユニットを回転させて所定部位の骨組織に螺入することができ、使用者は組織部位における狭い箇所に手術を行うことができ、使用利便性を向上させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施例の分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施例の連結手段の分解斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施例の組立図である。
図4図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。
図5図5は、本発明の一実施例の桿体を回転させる実施説明図である。
図6図6は、本発明の一実施例の骨釘ユニットを回転させ骨組織に螺入する実施説明図である。
図7図7は、骨釘ユニットを骨組織に螺入した後、本発明の一実施例を骨釘ユニットから分離させる実施説明図である。
図8図8は、骨釘ユニットの掴みヘッドを取り除く実施説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の一形態について、以下、図面を参照して説明する。図1、2に示されるように、本発明の骨インプラント用工具の第一実施例は、桿体1と連結手段2とを含み、連結手段2は桿体1に結合され、且つ連結手段2が従来の骨釘ユニットTを結合するのに用いられることができる。
【0023】
桿体1は使用者が付け加える力を耐えるように十分な強度を有するために、可撓性及びある程度の剛性を有する材質からなるものであり、例えば、桿体1の材質はステンレス鋼であり、好ましくはチタン合金からなり、本実施例において桿体1はTi‐6Al‐4Vからなるものである。桿体1は結合部11を有し、結合部11は前記の連結手段2が収容される貫孔12を有する。貫孔12の幾何中心には軸線Lを有し、桿体1が軸線Lを軸心をとして回転することができる。結合部11は桿体1の端部に位置することが好ましく、これにより、使用者は桿体1の他端に対して比較的に長いモーメントアームで力を付け加えることができるので、省力化の効果を有する。本実施例では、結合部11においてその相対的な二つの表面を貫通する拡径間隙13を有し、拡径間隙13の開口端13aが貫孔12に連接され、且つ拡径間隙13が結合部11内に延伸して閉鎖端13bを形成する。これにより、拡径隙間13は、貫孔12が僅かに拡径させるように弾性変形空間となり、貫孔12が比較的に大きい連結手段2を環装させることができ、結合部11と連結手段2との結合安定性を向上させる効果を有する。好ましくは、拡径隙間13は延伸する長さを延長させるために、リング状に形成するように結合部11内に延在し、これにより、貫孔12を拡径させる際に発生した応力を平均的に分散させる効果を有する。
【0024】
続いて、図1、3に示されるように、桿体1は測定アーム14を有し、好ましくは測定アーム14の一端が一体成型により結合部11に連接される。測定アーム14は側に突設する第一延伸段15を有し、測定アーム14は軸線L周りに回転する際に架空の円周方向Dを形成し、第一延伸段15が円周方向Dに延在することができる。本実施例では、測定アーム14は枠14aを有し、枠14aが長方形であり、且つ開口14bを有し、第一延伸段15が枠14aの1つの長辺に位置することができる。第一延伸段15は桿体1を回転させるトルク程度を表すのに用いられる第一指示部16を有し、例えば、第一指示部16は異なる色を表す色ブロック、グラデーション或いは数字の目盛りであってもよく、本発明では限定されず、本実施例では、第一指示部16は使用者に直観的に情報を提供するために、目盛りであることが好ましい。
【0025】
桿体1は加勢アーム17を有し、加勢アーム17の一端が一体成型により結合部11に連接され、且つ、加勢アーム17及び測定アーム14は相互に連接せずに、並列するように延伸して形成されることが好ましい。加勢アーム17と結合部11とが連接する箇所は支点とすることができ、これによって、加勢アーム17が弾性変形により測定アーム14から離れることができる。本実施例では、加勢アーム17と結合部11とが連接する箇所の最小断面積は結合部11における最小断面積の50%より小さいことが好ましく、それにより、加勢アーム17が容易に支点により弾性変形を行うことができる。加勢アーム17は第一延伸段15と同じ延伸方向を有する第二延伸段18を有し、即ち、第二延伸段18が円周方向Dに延在する。第二延伸段18は第一延伸段15に近接してもよく、これにより、加勢アーム17が測定アーム14から離れる際に、第二延伸段18を第一延伸段15に対して相対移動させることができる。本実施例では、第二延伸段18は開口14bから枠14aに伸入することができる。
【0026】
第二延伸段18は第二指示部19を有し、第二指示部19は桿体1を回転させるトルク程度を表すのに用いられるように第一指示部16に位置あわせる。詳しく言うと、第二指示部19は第一指示部16に対応する標識を有し、例えば、第二指示部19は色ブロック、グラデーション或いは数字の目盛りを指示するのに用いられる矢印或いは標線であってもよく、本実施例では、第二指示部19は第二延伸段18の側縁に突設する三角状突起であり、枠14aの開口14bには第二指示部19を阻止するための阻止ブロック14cを有する。これにより、第二指示部19が阻止ブロック14cに当接する際に、桿体1を回転させるトルクが過大になっていることを使用者に注意することができ、使用者の操作ミスを防止する効果を有する。また、第二指示部19は第一指示部16の矢印或いは標線に対応するためのブロック、グラデーション或いは数字の目盛りであってもよく、本発明では限定されない。
【0027】
図1、2に示されるように、連結手段2は外輪2a及びその外輪2aに対して片方向に回転する内輪2bを有し、外輪2aが貫孔12の内径より僅かに大きい外径を有し、連結手段2と貫孔12との結合安定性を向上させるために、連結手段2を貫孔12に圧入することで結合させることができる。外輪2aと貫孔12の内周面との接触面積を減少するために外輪2aの外周面に歯状を形成し、連結手段2を容易に貫孔12に結合したり、貫孔12から取り外したりすることができ、使用利便性を向上させる効果を有する。本実施例では、外輪2a内の部件の分離を防ぐために、外輪2aの上側と下側両方の開口端21にそれぞれリング状突出縁部22を有することができる。外輪2aの内周面には外輪2aの円心に向って突出する少なくとも1つの片方向歯23を有することができる。
【0028】
続いて、図3、4に示されるように、内輪2bは二つのリング状突出縁部22の間に位置し、内輪2bは片方向輪であってもよく、即ち、外輪2aを回転する際に内輪2bを片方向にしか回せないように内輪2bの外周面が複数の片方向爪歯24を有することができる。即ち、回転方向に力を付け加えて外輪2aを回転させることにより、少なくとも1つの片方向歯23が各個片方向爪歯24を乗り越え、また、外輪2aが逆方向に回転する際に少なくとも1つの片方向歯23が片方向爪歯24に係合されるので、内輪2bを一緒に回転させることができる。
【0029】
内輪2bの内径は従来の骨釘ユニットTの外径に合わせることができ、詳しく言うと、従来の骨釘ユニットTは分離自在な掴みヘッドT1及びネジ体T2を有し、掴みヘッドT1は、使用者がネジ体T2に接触してネジ体T2を汚染してしまうことがないように、使用者が持つ或いは、工具で接触するのに用いられ、内輪2bの内径は掴みヘッドT1の外径に合わせることができる。これにより、適する内径を有する連結手段2を取り替えることにより、本発明の骨インプラント用工具が異なる寸法の骨釘ユニットTに用いられることができる。骨釘ユニットTを内輪2bに容易に結合するために、内輪2bの内周面には歯状を形成してもよい。
【0030】
図5、6に示されるように、本発明の骨インプラント用工具を使用するとき、骨釘ユニットTを連結手段2の内輪2bに装入させ、使用者が時計回りの方向に加勢アーム17を回転して骨釘ユニットTを回転させて所定部位の骨組織に螺入する。その時に、使用者が加勢アーム17に対して力を付け加えて発生するトルクにより、加勢アーム17の第二延伸段18が測定アーム14の第一延伸段15に対して相対移動すると共に、第一指示部16及び第二指示部19により、第二延伸段18の移動量によるトルク程度を表すことができる。且つ、第一指示部16は桿体1の材質が有する剛性によって、加勢アーム17の弾性変形する程度に対応して相応しい目盛りの間隔に設定され、第一指示部16或いは第二指示部19に表示される。それにより、使用者がトルクを適当な範囲に維持するように第二延伸段18が第一延伸段15に対する相対移動量を観察しながら加勢アーム17を回転することができる。且つ、外輪2aを回転する際に内輪2bを片方向にしか回せないことで、使用者は桿体1を時計回りの方向及び反時計回りの方向に回転することを繰り返すことで、骨釘ユニットTを回転させて所定部位の骨組織に螺入することができる。これにより、使用者は組織部位における狭い箇所で手術を行うことができ、使用利便性を向上させる効果を有する。
【0031】
図7に示されるように、骨釘ユニットTのネジ体T2を回転させ骨組織に螺入した後、内輪2bを骨釘ユニットTの掴みヘッドT1から分離させ、掴みヘッドT1のみを骨組織上に暴露させる。
【0032】
図8に示されるように、使用者は掴みヘッドT1をネジ体T2から分離させるように掴みヘッドT1を取り除き、骨釘を植え込む手術を完成する。
【0033】
綜合すると、本発明の骨インプラント用工具は、加勢アームに対して力を付け加えて桿体を回転させることにより、加勢アームが発生するトルクにより、第二延伸段が第一延伸段に対して相対移動すると共に、第二指示部が第一指示部に対応する位置により、加勢アームによるトルク程度を表すことができる。これにより、使用者は骨釘ユニットを回転させて所定部位の骨組織に螺入する際に、発生するトルク程度を知り、トルクが35Ncmを超えないように制御し、過大のトルクによる骨組織の損傷を防止すると共に、最適なトルクで桿体を回転させることができる。また、本発明の骨インプラント用工具は、桿体の加勢アームの弾性変形によりトルクを測定するので、桿体は高温で除菌及び消毒の処理を行うことができ、骨釘を植え込む手術に用いられることができ、手術のリスクを減少させ、医療品質を向上させる効果を達することができる。
【0034】
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0035】
1 桿体
11 結合部
12 貫孔
13 拡径間隙
13a 開口端
13b 閉鎖端
14 測定アーム
14a 枠
14b 開口
14c 阻止ブロック
15 第一延伸段
16 第一指示部
17 加勢アーム
18 第二延伸段
19 第二指示部
2 連結手段
2a 外輪
2b 内輪
22 リング状突出縁部
23 片方向歯
24 片方向爪歯
T 骨釘ユニット
T1 掴みヘッド
T2 ネジ体
L 軸線
D 円周方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8