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特許7132586ナビゲーション方法、プログラム、および情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】ナビゲーション方法、プログラム、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20220831BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220831BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20220831BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220831BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 P
G08G1/005
G09B29/00 A
G09B29/10 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018010034
(22)【出願日】2018-01-24
(65)【公開番号】P2019128258
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】518027999
【氏名又は名称】VRワイバオ・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】樽谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】趙 智賢
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-010563(JP,A)
【文献】特開2003-227722(JP,A)
【文献】特開2016-197264(JP,A)
【文献】特開2012-194058(JP,A)
【文献】特開2017-116440(JP,A)
【文献】特開2015-224985(JP,A)
【文献】国際公開第02/023128(WO,A1)
【文献】特開2016-070737(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0033032(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0800746(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26 ~ 21/36
G08G 1/00 ~ 1/16
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置および表示装置を備えた携帯端末が、所定のエリアにおける所定の位置に対応して設けられた識別子を前記撮像装置によって読み取る読み取りステップと、
前記携帯端末が、前記読み取りステップで読み取った前記識別子に基づいて、前記所定の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記携帯端末が、前記所定のエリアにおける前記の位置から目的地までの経路を決定する経路決定ステップと、
前記携帯端末が、前記位置情報取得ステップで取得した前記位置情報に対応する位置のパノラマ画像を前記表示装置に表示するステップと、
前記携帯端末が、前記経路決定ステップで決定した前記経路に基づいて、前記目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコンを、前記表示装置に表示された前記パノラマ画像中に表示するステップと、
前記携帯端末が前記識別子を複数回読み取った場合において、前記携帯端末が、前記表示装置に表示している前記パノラマ画像を、最後に読み取った前記識別子から取得した前記位置情報に対応する位置の前記パノラマ画像に更新するステップと、を含む
ナビゲーション方法。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション方法において、
前記携帯端末が、前記進行方向アイコンが選択された場合に、前記表示装置に表示している前記パノラマ画像を、そのパノラマ画像に対応する位置に対して前記進行方向アイコンが示す方向に隣接する別の位置の前記パノラマ画像に切り替えるステップをさらに含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション方法において、
前記携帯端末が、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像中に、ユーザが利用可能な設備を示す設備アイコンを表示するステップをさらに含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項4】
請求項1乃至の何れか一項に記載のナビゲーション方法において、
前記携帯端末が、目的地の候補地を前記表示装置に表示するステップをさらに含み、
前記経路決定ステップは、前記携帯端末が、前記位置情報取得ステップによって取得した前記位置情報に対応する位置を出発地とし、前記表示装置に表示された前記候補地の中から選択された前記候補地を前記目的地として前記経路を決定するステップを含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項5】
請求項2に記載のナビゲーション方法において、
前記携帯端末が、前記表示装置に表示する前記パノラマ画像が前記目的地の前記パノラマ画像である場合に、前記目的地に到達したことを示す画像を前記表示装置に表示するステップをさらに含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項6】
請求項に記載のナビゲーション方法において、
前記携帯端末は、傾きを検出するセンサ部を更に備え、
前記携帯端末が、前記センサ部の検出結果に応じて、前記表示装置に表示すべき前記全方位画像の表示範囲を切り替えるステップをさらに含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項7】
請求項1乃至の何れか一項に記載のナビゲーション方法の各ステップを、前記携帯端末に実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
撮像装置および表示装置を備えた携帯端末と通信ネットワークを介して接続され、前記携帯端末に所定のエリアにおけるナビゲーション情報を提供する情報処理装置であって、
前記所定のエリアにおける所定の位置のパノラマ画像を記憶する記憶部と、
前記携帯端末の前記撮像装置が前記所定のエリアにおける前記所定の位置に対応して設けられた識別子を読み取った場合に、前記携帯端末から送信される、前記識別子から読み取られた前記所定の位置を示す位置情報を取得するデータ取得部と、
前記記憶部に記憶されている前記パノラマ画像を前記携帯端末の前記表示装置に表示させる表示制御部と、
前記携帯端末において前記所定のエリアにおける目的地が指定された場合に、前記携帯端末が読み取った前記識別子に対応する前記所定の位置から前記目的地までの経路を決定する経路決定部と、を備え、
前記表示制御部は、前記データ取得部によって取得した前記位置情報に対応する前記パノラマ画像を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示させるとともに、前記経路決定部によって決定した前記経路に基づいて、前記目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコンを、前記表示装置に表示された前記パノラマ画像中に表示させ、
前記携帯端末の前記撮像装置が前記識別子を複数回読み取った場合において、前記表示制御部は、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像を、前記携帯端末が最後に読み取った前記識別子に基づく前記位置情報に対応する位置の前記パノラマ画像に更新する
情報処理装置。
【請求項9】
請求項に記載の情報処理装置において、
前記表示制御部は、前記携帯端末において前記進行方向アイコンが選択された場合に、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像を、前記進行方向アイコンが示す方向に存在する別の位置の前記パノラマ画像に更新する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の情報処理装置において、
前記表示制御部は、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像中に、ユーザが利用可能な設備を示す設備アイコンを表示させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
請求項乃至10の何れか一項に記載の情報処理装置において、
前記表示制御部は、目的地の候補地を前記表示装置に表示させ、
前記経路決定部は、前記データ取得部が取得した前記位置情報に対応する位置を出発地とし、前記表示装置に表示された前記候補地の中から選択された前記候補地を前記目的地として、前記経路を決定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
請求項乃至11の何れか一項に記載の情報処理装置において、
前記表示制御部は、前記表示装置に表示する前記パノラマ画像が前記目的地の前記パノラマ画像である場合に、前記目的地に到達したことを示す画像を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション方法、プログラム、および情報処理装置に関し、例えば、施設等の所定のエリアにおいてパノラマ画像を用いて目的地までのナビゲーション情報を携帯端末に提供するナビゲーション方法、当該ナビゲーション方法を携帯端末に実行させるプログラム、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンに代表される携帯端末の高性能化および通信速度の向上に伴い、カーナビゲーション装置等の専用端末を用いなくても、携帯端末のアプリケーションによってナビゲーションサービスを利用することが可能になっている。
【0003】
例えば、スマートフォン等の携帯端末の地図アプリケーションは、GPS(Global Positioning System)や無線LAN、モバイルネットワーク等を利用してスマートフォンの位置情報を推定し、その位置情報と地図情報等を用いて、ナビゲーションサービスを実現している(下記特許文献1参照)。
【0004】
また、近年のナビゲーションサービスでは、2次元の地図を用いたナビゲーションのみならず、道路沿いの風景をパノラマ画像で表示するサービスも提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-173802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のGPSを利用して推定した位置情報を用いるナビゲーション技術は、屋外におけるナビゲーションサービスを実現する場合には有効であるが、GPS信号の受信が困難な屋内におけるナビゲーションサービスを行う場合には、必ずしも有効な技術とは言えない。
【0007】
例えば、駅および空港等の公共施設、テーマパーク、および観光地等の限定されたエリアにおいてナビゲーションサービスを提供する場合、スマートフォンなどの携帯端末を所持しているユーザの上記エリア内の正確な位置情報を取得しなければ、目的地までの適切なナビゲーションを行うことができない。
【0008】
屋内における正確な位置を検出するための従来技術としては、ビーコンやIMES(Indoor MEssaging System)等が知られているが、これらの技術を適用する場合、送信器などの専用機器をエリア内に設置する必要があり、システムの導入費用および維持費用等のコストが大きい。
【0009】
また、仮にユーザの正確な位置情報を取得できたとしても、現在地から目的地までの経路を2次元の地図上に表示するだけでは、進むべき方向等をユーザが直感的に理解し難い場合がある。
【0010】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、コストを抑えつつ、ユーザが直感的に理解し易いナビゲーションサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の代表的な実施の形態に係るナビゲーション方法は、撮像装置および表示装置を備えた携帯端末が、所定のエリアにおける所定の位置に対応して設けられた識別子を前記撮像装置によって読み取る読み取りステップと、前記携帯端末が、前記読み取りステップで読み取った前記識別子に基づいて、前記所定の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記携帯端末が、前記所定のエリアにおける所要の位置から目的地までの経路を決定する経路決定ステップと、前記携帯端末が、前記位置情報取得ステップで取得した前記位置情報に対応する位置のパノラマ画像を前記表示装置に表示するステップと、前記携帯端末が、前記経路決定ステップで決定した前記経路に基づいて、前記目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコンを、前記表示装置に表示された前記パノラマ画像中に表示するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るプログラムによれば、コストを抑えつつ、ユーザが直感的に理解し易いナビゲーションサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
図2】携帯端末の構成を示す図である。
図3】二次元コードの設置場所の一例を示す図である。
図4】ナビゲーションシステムによるナビゲーション方法をネイティブアプリケーションによって実現する場合の携帯端末のデータ処理装置の機能ブロック構成を示す図である。
図5】位置情報を説明するための図である。
図6】実施の形態1に係るナビゲーション方法の全体的な流れを示すフローチャートである。
図7】言語設定用メニュー画面の一例を示す図である。
図8】実施の形態1に係るナビゲーション方法の表示初期化処理(ステップS6)の流れを示す図である。
図9】自由閲覧モードにおいて携帯端末に表示される画面の一例を示す図である。
図10】実施の形態1に係るナビゲーション方法の自由閲覧モード(ステップS7)における処理の流れを示すフローチャートである。
図11】ミニマップの表示例を示す図である。
図12】VR形式で表示したパノラマ画像の一例を示す図である。
図13】目的地の候補地の表示例を示す図である。
図14】実施の形態1に係るナビゲーション方法のナビゲーションモード(ステップS8)における処理の流れを示すフローチャートである。
図15】ナビゲーションモードにおいて携帯端末に表示される画面の一例を示す図である。
図16】ナビゲーションモードにおける携帯端末の画面表示の切り替わりの一例を示す図である。
図17】ナビゲーションシステムによるナビゲーション方法をウェブアプリケーションによって実現する場合のサーバの機能ブロック構成を示す図である。
図18】実施の形態2に係るナビゲーション方法の全体的な流れを示すフローチャートである。
図19】実施の形態2に係るナビゲーション方法の表示初期化処理(ステップS5A)の流れを示す図である。
図20】実施の形態2に係るナビゲーション方法の自由閲覧モード(ステップS6A)における処理の流れを示すフローチャートである。
図21】実施の形態2に係る実施の形態2に係るナビゲーション方法のナビゲーションモード(ステップS7A)における処理の流れを示すフローチャートである。
図22】パノラマ画像中に動画を表示する場合の一例を示す図である。
図23】本発明の一実施の形態に係るナビゲーションシステムの別の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0015】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るナビゲーション方法は、撮像装置(21)および表示装置(24)を備えた携帯端末(2)が、所定のエリア(5)における所定の位置に対応して設けられた識別子(6)を前記撮像装置によって読み取る読み取りステップ(S5)と、前記携帯端末が、前記読み取りステップで読み取った前記識別子に基づいて、前記所定の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップ(S6,S63,S64)と、前記携帯端末が、前記所定のエリアにおける所要の位置から目的地までの経路を決定する経路決定ステップ(S7,S79)と、前記携帯端末が、前記位置情報取得ステップで取得した前記位置情報に対応する位置のパノラマ画像を前記表示装置に表示するステップ(S6,S66)と、前記携帯端末が、前記経路決定ステップで決定した前記経路に基づいて、前記目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコンを、前記表示装置に表示された前記パノラマ画像中に表示するステップ(S8,S84)と、を含むことを特徴とする。
【0016】
〔2〕上記ナビゲーション方法において、前記携帯端末が、前記進行方向アイコンが選択された場合に、前記表示装置に表示している前記パノラマ画像を、そのパノラマ画像に対応する位置に対して前記進行方向アイコンが示す方向に隣接する別の位置の前記パノラマ画像に切り替えるステップ(S85、S86)をさらに含んでもよい。
【0017】
〔3〕上記ナビゲーション方法において、前記携帯端末が前記識別子を複数回読み取った場合において、前記携帯端末が、前記表示装置に表示している前記パノラマ画像を、最後に読み取った前記識別子から取得した前記位置情報に対応する位置の前記パノラマ画像に更新するステップをさらに含んでもよい。
【0018】
〔4〕上記ナビゲーション方法において、前記携帯端末が、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像中に、ユーザが利用可能な設備を示す設備アイコン(316)を表示するステップ(S67)をさらに含んでもよい。
【0019】
〔5〕上記ナビゲーション方法において、前記携帯端末が、目的地の候補地を前記表示装置に表示するステップ(S67)を含み、前記経路決定ステップは、前記携帯端末が、前記位置情報取得ステップによって取得した前記位置情報に対応する位置を出発地とし、前記表示装置に表示された前記候補地の中から選択された前記候補地を前記目的地として前記経路を決定するステップ(S81)を含んでもよい。
【0020】
〔6〕上記ナビゲーション方法において、前記携帯端末が、前記表示装置に表示する前記パノラマ画像が前記目的地の前記パノラマ画像である場合に、前記目的地に到達したことを示す画像(336)を前記表示装置に表示するステップ(S88)をさらに含んでもよい。
【0021】
〔7〕上記ナビゲーション方法において、前記パノラマ画像は、全方位画像であってもよい。
【0022】
〔8〕上記ナビゲーション方法において、前記携帯端末は、傾きを検出するセンサ部(25)を更に備え、前記携帯端末が、前記センサ部の検出結果に応じて、前記表示装置に表示すべき前記全方位画像の表示範囲を切り替えるステップ(S75)をさらに含んでもよい。
【0023】
〔9〕本発明の代表的な実施の形態に係るプログラムは、上記ナビゲーション方法における各ステップを携帯端末に実行させることを特徴とする。
【0024】
〔10〕本発明の代表的な実施の形態に係る情報処理装置(1)は、撮像装置(21)および表示装置(24)を備えた携帯端末(2)と通信ネットワーク(3)を介して接続され、前記携帯端末に所定のエリア(5)におけるナビゲーション情報を提供する情報処理装置であって、前記所定のエリアにおける所定の位置のパノラマ画像(301)を記憶する記憶部(10)と、前記携帯端末の前記撮像装置が前記所定の位置に対応して設けられた識別子(6)を読み取った場合に、前記携帯端末から送信される、前記識別子から読み取られた前記所定の位置を示す位置情報を取得するデータ取得部(11)と、前記記憶部に記憶されている前記パノラマ画像を前記携帯端末の前記表示装置に表示させる表示制御部(12)と、前記携帯端末において前記所定のエリアにおける目的地が指定された場合に、前記携帯端末が読み取った前記識別子に対応する前記所定の位置から前記目的地までの経路を決定する経路決定部(13)と、を備え、前記表示制御部は、前記データ取得部によって取得した前記位置情報に対応する前記パノラマ画像を前記記憶部から読み出して前記表示装置に表示させるとともに、前記経路決定部によって決定した前記経路に基づいて、前記目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコンを、前記表示装置に表示された前記パノラマ画像中に表示させることを特徴とする。
【0025】
〔11〕上記情報処理装置において、前記表示制御部は、前記携帯端末において前記進行方向アイコンが選択された場合に、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像を、前記進行方向アイコンが示す方向に存在する別の位置の前記パノラマ画像に更新してもよい。
【0026】
〔12〕上記情報処理装置において、前記携帯端末の前記撮像装置が前記識別子を複数回読み取った場合において、前記表示制御部は、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像を、前記携帯端末が最後に読み取った前記識別子に基づく前記位置情報に対応する位置の前記パノラマ画像に更新してもよい。
【0027】
〔13〕上記情報処理装置において、前記表示制御部は、前記表示装置に表示されている前記パノラマ画像中に、ユーザが利用可能な設備を示す設備アイコン(316)を表示させてもよい。
【0028】
〔14〕上記プログラムにおいて、前記表示制御部は、目的地の候補地を前記表示装置に表示させ、前記経路決定部は、前記データ取得部が取得した前記位置情報に対応する位置を出発地とし、前記表示装置に表示された前記候補地の中から選択された前記候補地を前記目的地として、前記経路を決定してもよい。
【0029】
〔15〕上記情報処理装置において、前記表示制御部は、前記表示装置に表示する前記パノラマ画像が前記目的地の前記パノラマ画像である場合に、前記目的地に到達したことを示す画像(336)を前記表示装置に表示させてもよい。
【0030】
〔16〕上記情報処理装置において、前記パノラマ画像は、全方位画像であってもよい。
【0031】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0032】
≪ナビゲーションシステムの概要≫
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
同図に示されるナビゲーションシステム100は、携帯端末2を所持しているユーザに対して、例えば駅および空港等の公共施設、テーマパーク、および観光地等のエリア5_1~5_m(mは1以上の整数)毎に、ナビゲーションサービスを提供するシステムである。
以下の説明において、エリア5_1~5_mを特に区別しない場合には、単に「エリア5」と表記する。
【0033】
具体的に、ナビゲーションシステム100は、撮像装置を搭載した携帯端末2がエリア5に所定の位置に対応して設置された識別子6を撮像装置で読み取った場合に、その携帯端末2に対して、エリア5において撮影されたパノラマ画像を含むナビゲーション情報を提供する。
【0034】
ナビゲーションシステム100は、サーバ1と携帯端末2とを含む。
サーバ1は、ナビゲーションサービスを携帯端末2に提供する情報処理装置である。具体的に、サーバ1は、携帯端末2からの要求に応じて、ナビゲーションサービスに係る各種の演算処理を実行するとともにナビゲーションサービスに係る各種データを携帯端末2に送信する。
【0035】
携帯端末2は、ナビゲーションサービスを受けるユーザが操作するコンピュータである。携帯端末2としては、無線通信が可能なスマートフォンやタブレット端末等を例示することができる。
【0036】
携帯端末2とサーバ1とは、通信ネットワーク3で接続されており、例えばクライアントサーバシステムを構成している。通信ネットワーク3としては、携帯電話等の移動通信や無線LAN等の各種無線通信ネットワーク等を例示することができる。
【0037】
図2は、携帯端末2の構成を示す図である。
同図に示すように、携帯端末2は、撮像装置21、通信装置22、操作入力装置23、表示装置24、センサ部25、およびデータ処理装置20を有している。撮像装置21、通信装置22、操作入力装置23、表示装置24、センサ部25、およびデータ処理装置20は、例えばバス26または専用線(図示せず)を介して互いに通信が可能である。
【0038】
撮像装置21は、例えばスマートフォン等に搭載されるカメラである。本発明に係るナビゲーションシステム100において、撮像装置21は、図1に示すようにナビゲーションサービスの対象となるエリア5に設置された識別子6を、光学的に読み取るためのコード読取装置として機能する。
【0039】
ここで、識別子6は、エリア5_1~エリア5_mにおける位置を示す位置情報と、サーバ1内のナビゲーションサービスに係るリソース(HTMLやパノラマ画像等)の場所を示すURL(Uniform Resource Locator)等を含むURL情報と、が書き込まれたコードである。識別子6は、例えば、二次元コードである。二次元コードとしては、QRコード(登録商標)を例示することができる。
【0040】
本実施の形態では、一例として、識別子6が二次元コードであるとして説明し、識別子6を「二次元コード6」とも称する。
【0041】
二次元コード6は、ナビゲーションサービスが提供されるエリア5に設置されている。
図3は、二次元コード6の設置場所の一例を示す図である。
同図に示されるように、二次元コード6は、例えば、エリア5の所定の位置における壁や柱、床等に設けられる。例えば、エリア5が駅構内の場合、改札口、駅構内の出入口、および通路が分岐する場所等における壁や柱、床等に設けられる。図3では、一例として、二次元コード6を、駅構内の改札口の傍の柱に設置した場合が示されている。
撮像装置21によって撮影された二次元コード6の画像データは、例えば後述するデータ処理装置20の記憶部30に一時的に記憶される。
【0042】
通信装置22は、通信ネットワーク3を介してサーバ1等の外部機器と無線通信を行うための装置であり、例えば、RF回路やアンテナ等を含む。
【0043】
操作入力装置23は、ユーザによる携帯端末2の操作を検出するための装置であり、例えば、タッチパネルやキーボード等である。本実施の形態では、操作入力装置23が表示装置24とともに一体に設けられたタッチパネルであるとして説明する。
【0044】
表示装置24は、ナビゲーションサービスに係る情報を表示する装置であり、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。
【0045】
センサ部25は、携帯端末2の状態(例えば、携帯端末2の傾き)を検出するための機能部であり、例えば、角速度センサ、加速度センサ、および磁気センサ等を含む。
【0046】
データ処理装置20は、携帯端末2の各機能部を統括的に制御するための装置である。データ処理装置20は、通信装置22を介したサーバ1との間の通信や表示装置24を介したユーザへの情報の提供等を実現するための各種のデータ処理を行う。
【0047】
データ処理装置20は、例えば、プログラム処理装置であって、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random access memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、各種の周辺回路とを含んで構成されている。
【0048】
本発明の一実施の形態に係るナビゲーション方法は、例えば、主に携帯端末2にインストールされるプログラムによって実現される所謂ネイティブアプリケーション、または、クライアントとしての携帯端末2のウェブ(web)ブラウザによって動作するプログラムとサーバ側のプログラムとの協働によって実現されるウェブアプリケーションによって実現することができる。
【0049】
本明細書では、ネイティブアプリケーションによってナビゲーション方法を実現する場合を実施の形態1とし、ウェブアプリケーションによってナビゲーション方法を実現する場合を実施の形態2として、夫々の実施の形態について説明する。
【0050】
≪実施の形態1≫
図4は、ナビゲーションシステム100によるナビゲーション方法をネイティブアプリケーションによって実現する場合の携帯端末のデータ処理装置の機能ブロック構成を示す図である。
【0051】
図4に示すように、ナビゲーションシステム100によるナビゲーション方法をネイティブアプリケーションによって実現する場合、携帯端末2のデータ処理装置20は、ナビゲーションサービスを実現するための機能部として、コード解析部27、データ取得部28、表示制御部29、経路決定部31、および記憶部30を有する。
これらの機能部は、CPU等のプロセッサがRAMやROM等の記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行して各種の周辺回路等を制御することにより、実現される。
【0052】
上記プログラムは、実施の形態1に係るナビゲーション方法(ネイティブアプリケーション)を実現するためのプログラムであって、例えば、予め外部機器(例えばサーバ1)からダウンロードされて、携帯端末2内の上記記憶装置(例えば記憶部30)に記憶されている。
【0053】
なお、上記プログラムは、ネットワークを介して流通可能であってもよいし、CD-ROM等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)に書き込まれて流通可能であってもよい。
【0054】
コード解析部27は、撮像装置21によって撮影された二次元コード6の画像データに基づいて、二次元コード6に書き込まれた情報を読み取る機能部である。コード解析部27は、例えば、記憶部30に一時的に記憶された二次元コード6の画像データに基づいて二次元コード6を解析し、二次元コード6に書き込まれたURL情報および位置情報を読み取る。
【0055】
ここで、二次元コード6に書き込まれる位置情報について説明する。
図5は、位置情報を説明するための図である。同図には、エリア5_1の一部の範囲を示す二次元の地図情報が示されている。
【0056】
図5に示されるエリア5_1の地図情報において、白色の領域401は、人が移動可能な領域(例えば通路等)を表している。また、点線で示される領域402_1~402_n(nは2以上の整数)は、領域401を区分けした区分領域である。
【0057】
例えば、二次元コード6に書き込まれる位置情報は、ナビゲーションサービスの対象エリアであるエリア5_1~5_mを特定するエリア情報と、エリア情報によって特定されるエリア5(例えば、図5の場合、エリア5_1)の区分領域402_1~402_n毎に付与された座標情報とを含む。
【0058】
なお、以下の説明において、各区分領域402_1~402_nを区別しない場合には、単に、「区分領域402」と表記する。
【0059】
上述した二次元コード6は、例えば、各エリア5の区分領域402毎に対応して設けられる。一つのエリア5に設置される二次元コード6の個数は、一つであってもよいし複数であってもよい。好ましくは、一つのエリア5における複数の区分領域402に二次元コード6を設ける。例えば、駅地下構内の場合、地上への各出口や改札付近に、それぞれの位置情報に対応する二次元コードを設置することが好ましい。
【0060】
データ取得部28は、通信装置22を制御することにより、通信ネットワーク3を介してサーバ1からデータを取得する機能部である。データ取得部28は、コード解析部27によって読み取った二次元コード6のURL情報で指定されたサーバ1のアドレスにアクセスすることにより、サーバ1から種々のデータをダウンロードし、記憶部30に記憶する。
【0061】
記憶部30は、ナビゲーションサービスに必要な各種データを記憶する機能部である。
記憶部30に記憶されるデータとしては、パノラマ画像301、初期位置情報302、設備情報303、目的地リスト304、経路情報305、アイコン画像306、および地図情報307等を例示することができる。
【0062】
初期位置情報302は、エリア5におけるナビゲーションの初期位置を示す位置情報である。例えば、初期位置情報302は、後述する経路探索機能を実行した場合に、ナビゲーションの出発地の情報となる。
【0063】
コード解析部27は、二次元コード6の画像データから読み取った位置情報を、初期位置情報302として記憶部30に記憶する。例えば、撮像装置21によって二次元コード6が複数回読み取られた場合、最後に読み取った二次元コード6から取得した位置情報が初期位置情報302として記憶部30に記憶される。すなわち、初期位置情報302は、撮像装置21によって二次元コード6が読み取られる度に更新される。
【0064】
パノラマ画像301、設備情報303、目的地リスト304、経路情報305、アイコン画像306、および地図情報307は、例えば、データ取得部28が通信ネットワーク3を介してサーバ1からダウンロードすることによって、記憶部30に記憶されるデータである。
【0065】
パノラマ画像301は、エリア5の所定の位置において実際に撮影された画像に基づくデータである。例えば、パノラマ画像301は、図5に示すエリア5_1の区分領域402毎に、全天球カメラによって撮影された全方位画像(360度パノラマ画像)のデータである。
【0066】
例えば、各パノラマ画像301は、そのパノラマ画像301の撮影場所である区分領域402を示す位置情報とそれぞれ対応付けられている。パノラマ画像301は、例えば、ナビゲーションサービスの対象のエリア5毎に作成され、予めサーバ1内に記憶されている。
【0067】
設備情報303は、エリア5に実際に設置されている設備の情報である。設備情報303は、例えば、階段、エスカレータ、エレベータ、スロープ、およびトイレ等の設備の種類を特定する情報と、その設備が設置されているエリア5内の位置(区分領域402)を示す位置情報とが対応づけられたデータである。設備情報303は、例えば、ナビゲーションサービスの対象のエリア毎に作成され、予めサーバ1内に記憶されている。
【0068】
目的地リスト304は、ナビゲーションの目的地の候補地のリストを含むデータである。例えば、目的地リスト304は、エリア5においてユーザが移動可能な目的地(行き先)の候補地の名称と、その候補地の位置情報とが対応づけられたデータである。目的地リスト304は、例えば、ナビゲーション情報が提供可能なエリア5毎に予め作成され、サーバ1内の記憶装置に記憶されている。
【0069】
経路情報305は、エリア5における所要の位置から目的地までの経路の情報を含むデータである。経路情報305の詳細については、後述する。
【0070】
アイコン画像306は、ナビゲーション情報として携帯端末2の表示装置24に表示される各種アイコンの画像を含むデータである。具体的に、アイコン画像306は、ユーザが利用可能な設備を示す画像(以下、「設備アイコン」とも称する。)316、目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコン326、および目的地に到達したことを示す画像(以下、「目的地アイコン」とも称する。)336、およびナビゲーションシステム100で利用可能な機能の一覧を示すメニューアイコン346等を含む。
【0071】
地図情報307は、ナビゲーションシステム100によるナビゲーションサービスの対象であるエリア5の二次元の地図情報である。例えば、地図情報307には、図5に示すように、エリア5の各区分領域402_1~402_nの座標情報や、各区分領域402_1~402_nに設置されている設備の情報等が含まれる。
【0072】
表示制御部29は、表示装置24を制御する機能部である。表示制御部29は、各種のナビゲーション情報を表示装置24に表示させる。
【0073】
具体的に、表示制御部29は、サーバ1から取得したパノラマ画像301を表示装置24に表示させるとともに、操作入力装置23を介したユーザ操作およびセンサ部25の検出結果に応じて、表示装置24に表示させるパノラマ画像301の切り替えや表示すべきパノラマ画像301の範囲の切り替えを行う。また、表示制御部29は、サーバ1から取得したアイコン画像306に基づいて、各種アイコンを表示装置24に表示させる。
【0074】
経路決定部31は、エリア5における所要の位置から目的地までの経路を決定する機能部である。具体的に、経路決定部31は、ユーザから操作入力装置23を介して経路探索の指示が入力された場合、サーバ1に対して、エリア5における出発地および目的地の情報を送信して経路探索処理を要求する。サーバ1は、携帯端末2からの要求に応じて、受信した出発地および目的地の情報に基づいて出発地から目的地までの最短経路を算出し、その算出結果を携帯端末2に送信する。携帯端末2のデータ取得部28は、サーバ1から受信した最短経路の算出結果を経路情報305として記憶部30に記憶する。
【0075】
次に、ナビゲーションシステム100による、実施の形態1に係るナビゲーション方法について説明する。
図6は、実施の形態1に係るナビゲーション方法の全体的な流れを示すフローチャートである。
【0076】
先ず、携帯端末2が、ナビゲーションサービスに係るアプリケーションを起動する(ステップS1)。例えば、ユーザが携帯端末2の操作入力装置23としてのタッチパネルを操作して、表示装置24に表示された、ナビゲーションサービスに係るアプリケーションを示すアイコンを選択すると、携帯端末2が当該アプリケーションを起動する。
【0077】
次に、携帯端末2が、ナビゲーションサービスで使用する言語が設定されているか否かを判定する(ステップS2)。使用する言語が設定されていない場合には、携帯端末2の表示制御部29が、図7に示すような言語設定用メニュー画面500を表示装置24に表示し、操作入力装置23を介してユーザから指定された言語を使用言語として設定する(ステップS3)。例えば、ナビゲーションサービスに係るアプリケーションプログラムの携帯端末2へのインストール後、最初に当該アプリケーションを起動した場合には、言語の設定が行われていないので、ステップS3に進むことになる。
【0078】
一方、ステップS2において使用する言語が既に設定されていた場合、およびステップS3において使用言語が設定された場合には、携帯端末2が、撮像装置21を起動する(ステップS4)。
【0079】
次に、携帯端末2のコード解析部27が、撮像装置21によって二次元コード6が読み取られたか否かを判定する(ステップS5)。撮像装置21によって撮影された画像データ中に二次元コード6がない場合には、撮像装置21を起動した状態を維持する。一方、撮像装置21によって撮影された画像データ中に二次元コード6が存在する場合には、携帯端末2が、表示初期化処理を実行する(ステップS6)。
【0080】
図8は、実施の形態1に係る表示初期化処理(ステップS6)の流れを示す図である。
同図に示すように、表示初期化処理において、先ず、携帯端末2のコード解析部27が、撮像装置21によって撮影された画像データに含まれる二次元コード6を解析し、二次元コード6に含まれるURL情報と位置情報とを読み取る(ステップS61)。例えば、図5に示すエリア5_1における区分領域402_1に設置された二次元コード6を携帯端末2の撮像装置21によって読み込んだ場合、エリア5_1の区分領域402_1を示す位置情報とURL情報とを二次元コード6から読み取る。
【0081】
次に、携帯端末2が、読み込んだ二次元コード6が設置されているエリア5のナビゲーションに必要なデータセットを、サーバ1から取得済みか否かを判定する(ステップS62)。上記データセットには、上述したエリア5の各区分領域402_1~402_nのパノラマ画像301、設備情報303、目的地リスト304、アイコン画像306、および地図情報307等が含まれる。
【0082】
携帯端末2がエリア5の上記データセットを取得していない場合には、携帯端末2のデータ取得部28が、通信装置22を介してステップS61で読み込んだURL情報に基づいてサーバ1にアクセスし、サーバ1からエリア5に関する上記データセットをダウンロードして記憶部30に記憶する(ステップS63)。
【0083】
次に、コード解析部27が、ステップS61で取得した位置情報を、初期位置情報302として記憶部30に設定する(ステップS64)。上述の例の場合、コード解析部27は、二次元コード6から取得したエリア5_1の区分領域402_1を示す位置情報を、初期位置情報302として記憶部30に設定する。
【0084】
一方、ステップS62において、携帯端末2がエリア5のデータセットを既に取得している場合には、コード解析部27が、記憶部30に記憶されている初期位置情報302を、ステップS61で取得した位置情報に更新する(ステップS65)。上述の例の場合、コード解析部27は、初期位置情報302を、エリア5_1の区分領域402_1を示す位置情報に更新する。
【0085】
ステップS64またはステップS65の後、携帯端末2が、パノラマ画像301を表示装置24に表示する(ステップS66)。具体的には、携帯端末2の表示制御部29が、ステップS64またはステップS65で設定された初期位置情報302に対応するパノラマ画像301を記憶部30から読み出して、表示装置24に表示させる。
【0086】
上述の例の場合、表示制御部29は、初期位置情報302で指定された位置であるエリア5_1の区分領域402_1のパノラマ画像301を記憶部30から読み出して表示装置24に表示させる。
【0087】
また、表示制御部29が、パノラマ画像301とともに、記憶部30から読み出したアイコン画像306を適宜、表示装置24に表示させる(ステップS67)。例えば、表示制御部29が、メニューアイコン346をパノラマ画像301中に表示するともに、初期位置情報302および設備情報303に基づいて、適切な設備アイコン316をパノラマ画像301中の適切な位置に表示させる。なお、後述するナビゲーションモードの場合には、表示制御部29は、進行方向アイコン326も表示装置24に表示させる。
【0088】
以上の手順により、携帯端末2による表示初期化処理(ステップS6)が行われる。
【0089】
図6において、表示初期化処理(ステップS6)が終了すると、携帯端末2が、ナビゲーションサービスに係る自由閲覧モードに移行する(ステップS7)。
【0090】
ここで、自由閲覧モードとは、ユーザが携帯端末2で読み込んだ二次元コード6が設置されたエリア5の、パノラマ画像301で表現されたバーチャル空間を、携帯端末2の画面上で自由に閲覧できる動作モードである。
【0091】
図9は、自由閲覧モードにおいて携帯端末2に表示される画面の一例を示す図である。
同図に示されるように、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2の表示制御部29は、エリア5における所望の位置(例えば、エリア5_1の区分領域402)のパノラマ画像301を表示装置24に表示させる。例えば、二次元コード6を読み込んだ直後の自由閲覧モードでは、読み込んだ二次元コード6の位置情報に対応する位置のパノラマ画像301が表示装置24に最初に表示される。
【0092】
また、自由閲覧モードにおいて、表示制御部29が、記憶部30に記憶されている設備情報303に基づいて、表示装置24に表示しているパノラマ画像301に対応する位置(例えば、エリア5_1の区分領域402_1)に設置された設備の設備アイコン316を、表示装置24に表示させる。例えば、図9には、エレベータを示す設備アイコン316がパノラマ画像301上に表示されている場合が示されている。
【0093】
更に、自由閲覧モードにおいて、表示制御部29が、メニューアイコン346を表示装置24に表示させる。例えば、ナビゲーションシステム100は、使用可能な機能として、目的地までのナビゲーションを行う経路探索機能と、エリア5の二次元の地図(以下、「ミニマップ」とも称する。)を表示装置24に表示するマップ表示機能と、パノラマ画像301をVR(Virtual Reality)ゴーグル等の専用機器で視聴可能な表示形式で表示装置24に表示するVR表示モード機能とを有している。図9に示すように、表示制御部29は、これらの機能を示すメニューアイコン346を表示装置24に表示させる。
【0094】
なお、メニューアイコン346および設備アイコン316を表示する位置や表示形式は、図9等の表示例に限定されない。また、メニューアイコン346によって表示される機能としては、上述の機能に加えて、言語設定(ステップS3)の機能や後述するナビゲーションモードを停止する機能等のその他の機能を含んでもよい。
【0095】
ここで、実施の形態1に係る自由閲覧モード(ステップS7)における処理の流れについて説明する。
図10は、実施の形態1に係るナビゲーション方法の自由閲覧モード(ステップS7)における処理の流れを示すフローチャートである。
【0096】
実施の形態1に係る自由閲覧モードにおいて、携帯端末2は、メニューアイコン346に示された機能の選択の有無および画像切り替えの指示の有無を判定する。
【0097】
具体的に、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、メニューアイコン346からマップ表示機能が選択されたか否かを判定する(ステップS71)。マップ表示機能が選択された場合、図11に示すように、携帯端末2の表示制御部29が、表示装置24に表示されているパノラマ画像301中にミニマップ350を表示させる(ステップS72)。
【0098】
なお、ミニマップ350を表示する場合には、図11に示すように、エリア5のバーチャル空間におけるユーザが見ている方向、すなわち表示装置24に表示されているパノラマ画像301の表示範囲を、所定のアイコン351によって表示してもよい。
【0099】
また、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、メニューアイコン346を介してVR表示モード機能が選択されたか否かを判定する(ステップS73)。VR表示モード機能が選択された場合、表示制御部29が、パノラマ画像301を、VRゴーグル等の専用機器で視聴可能な表示形式(VR形式)に変換して、表示装置201に表示させる(ステップS74)。
【0100】
図12は、VR形式で表示したパノラマ画像の一例を示す図である。
同図に示すように、表示制御部29は、例えば、パノラマ画像301を2つのパノラマ画像301A、301Bに分割したVR形式の画像を、表示装置24に表示させる。
【0101】
VR表示モード機能が選択されている場合には、携帯端末2の表示制御部29が、センサ部25による携帯端末2の傾きの検出結果に基づいて、表示装置24に表示するパノラマ画像301の表示範囲を切り替える(ステップS75)。例えば、携帯端末2をユーザから見て右方向に動かした場合、表示制御部29が、センサ部25の検出結果に基づいて、パノラマ画像301の表示範囲が右方向に移動するように、表示装置24の表示を切り替える。
【0102】
一方、VR表示モード機能が選択されていない場合には、携帯端末2の表示制御部29が、操作入力装置23を介して入力されたユーザ操作に応じて、表示装置24に表示するパノラマ画像301の表示範囲を切り替える(ステップS76)。
【0103】
また、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、表示装置24に表示されるパノラマ画像301の切り替えが指示されたか否かを判定する(ステップS77)。例えば、ユーザによる携帯端末2のタッチ操作によって、表示装置24に表示されているパノラマ画像301の所定の領域が選択されたか否かを判定する。
【0104】
ステップS77において、例えば、ユーザのタッチ操作によって表示装置24に表示されているパノラマ画像301の所定の領域が選択された場合、携帯端末2が、表示装置24に表示すべきパノラマ画像301を更新する(ステップS78)。
具体的には、携帯端末2の表示制御部29が、表示装置24に表示されているパノラマ画像301を、選択された所定の領域の方向に存在する別の位置のパノラマ画像301に切り替える。
【0105】
例えば、図5において、エリア5_1の区分領域402_1のパノラマ画像301が表示装置24に表示されている場合を考える。この場合に、エリア5_1の区分領域402_1のパノラマ画像301内の区分領域402_2側の所定の領域(例えば、図9における領域360_1)がユーザのタッチ操作によって選択されたとき、携帯端末2の表示制御部29は、表示装置24に表示しているエリア5_1の区分領域402_1のパノラマ画像301を、エリア5_1の区分領域402_2のパノラマ画像301に切り替える。同様に、エリア5_1の区分領域402_1のパノラマ画像301内の区分領域402_3側の所定の領域(例えば、図9における領域360_2)がユーザのタッチ操作によって選択されたとき、携帯端末2の表示制御部29は、表示装置24に表示しているエリア5_1の区分領域402_1のパノラマ画像301を、エリア5_1の区分領域402_3のパノラマ画像301に切り替える。
【0106】
このように、表示装置24に表示されているパノラマ画像301の所定の領域をユーザがタッチ操作によって選択することにより、表示装置24に表示するパノラマ画像301を、タッチされた所定の領域の方向に存在する別の位置のパノラマ画像301に切り替えることができる。
【0107】
また、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、二次元コード6の再読み込みが行われたか否かを判定する(ステップS79)。二次元コード6の再読み込みが行われた場合、上述した表示初期化処理(ステップS6)が実行される。これにより、表示装置24の表示画面が更新され、再読み込みされた二次元コード6に対応する位置のパノラマ画像301が表示装置24に表示されるとともに、記憶部30に記憶されている初期位置情報302が、再読み込みされた二次元コード6に対応する位置の位置情報に更新される。
【0108】
また、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、メニューアイコン346を介して経路探索機能が選択されたか否かを判定する(ステップS80)。経路探索機能が選択されていない場合には、ステップS71に戻り、携帯端末2は、引き続き自由閲覧モードで動作する。一方、経路探索機能が選択された場合には、携帯端末2は、自由閲覧モードからナビゲーションモードに移行する(ステップS8)。
【0109】
ここで、ナビゲーションモードとは、読み込んだ二次元コード6が設置されたエリア5における所要の位置から目的地までのナビゲーション情報をユーザに提示する動作モードである。
【0110】
例えば、図9に示した自由閲覧モードの表示画面において、ユーザのタッチ操作によって、メニューアイコン346から「経路探索」が選択された場合、携帯端末2の表示制御部29が目的地の候補地を表示装置24に表示させる。
【0111】
図13は、目的地の候補地の表示例を示す図である。
例えば図13に示すように、携帯端末2の表示制御部29は、記憶部30に記憶されている目的地リスト304に基づいて、目的地の候補地をプルダウンメニューによって表示装置24に表示する。ユーザのタッチ操作によって、図13に示すプルダウンメニューから目的地の候補地が選択された場合、携帯端末2は、自由閲覧モードからナビゲーションモードに移行する。
【0112】
目標地の候補地としては、例えば、駅の改札や駅地下構内の出入口等の多くの人が利用する場所の他に、災害が発生したときに避難すべき避難場所の情報も含まれる。
【0113】
図14は、実施の形態1に係るナビゲーション方法のナビゲーションモード(ステップS8)における処理の流れを示すフローチャートである。
ナビゲーションモードにおいて、先ず、携帯端末2が、ユーザ操作によって選択された目的地の情報と、出発地の情報とをサーバ1に送信して、経路探索処理を要求する。(ステップS81)。具体的には、携帯端末2の経路決定部31が、目的地リスト304に含まれる目的地の候補地のうちステップS79でユーザ操作によって選択された候補地の位置情報を、目的地の情報としてサーバ1に送信する。また、経路決定部31が、記憶部30に記憶されている初期位置情報302を、出発地の情報としてサーバ1に送信する。
【0114】
次に、サーバ1が、携帯端末2からの要求に応じて、受信した出発地および目的地の情報に基づいて出発地から目的地までの最短経路を算出し、その算出結果を携帯端末2に送信する(ステップS82)。ここで、出発地から目的地までの最短経路は、例えば、公知の最短経路問題に関するアルゴリズムを用いて算出することができる。
【0115】
次に、携帯端末2の経路決定部31が、サーバ1から受信した、出発地から目的地までの最短経路の算出結果を、経路情報305として記憶部30に記憶する(ステップS83)。
【0116】
次に、携帯端末2が、記憶部30に記憶されている経路情報305に基づいて、進行方向アイコン326を、表示装置24に表示されているパノラマ画像301中に表示させる(ステップS84)。
【0117】
図15は、ナビゲーションモードにおいて携帯端末に表示される画面の一例を示す図である。
図15に示すように、携帯端末2の表示制御部29は、進行方向アイコン326を、パノラマ画像301中の適切な位置に表示させる。ここで、適切な位置とは、表示装置24に表示されているパノラマ画像301で示されるバーチャル空間において、ユーザが移動すべき方向が直感的に理解可能なパノラマ画像301中の位置である。例えば、図15に示されるパノラマ画像301において、パノラマ画像301の手前の方向にユーザをナビゲートする場合、進行方向アイコン326をパノラマ画像301内の領域360_2に表示することが好ましい。
【0118】
次に、携帯端末2が、表示装置24に表示されている進行方向アイコン326がユーザのタッチ操作によって選択されたか否かを判定する(ステップS85)。
ステップS85において、進行方向アイコン326が選択された場合、携帯端末2が、表示装置24に表示すべきパノラマ画像301を更新する(ステップS86)。具体的には、上述したように、携帯端末2の表示制御部29が、表示装置24に表示しているパノラマ画像301を、そのパノラマ画像301に対応する位置に対して進行方向アイコン326が示す方向に隣接する位置のパノラマ画像301に切り替える。
【0119】
ステップS86においてパノラマ画像301が更新された場合、またはステップS85において進行方向アイコン326が選択されていない場合には、携帯端末2の表示制御部29が、表示装置24に表示されているパノラマ画像301が目的地のパノラマ画像301であるか否かを判定する(ステップS87)。
【0120】
表示装置24に表示しているパノラマ画像301が目的地のパノラマ画像301でない場合、携帯端末2の表示制御部29が、引き続き、パノラマ画像301中に進行方向アイコン326を表示する。
【0121】
一方、表示装置24に表示しているパノラマ画像301に対応する位置が目的地である場合には、携帯端末2は、目的地に到達したことを表示装置24に表示する(ステップS88)。具体的には、携帯端末2の表示制御部29が、目的地アイコン336を、表示装置24に表示されているパノラマ画像301中に表示する。これにより、ナビゲーションモードが終了する。
【0122】
図16は、ナビゲーションモード(ステップS8)における携帯端末2の画面表示の切り替わりの一例を示す図である。
例えば、図16の(a)、(b)に示すように、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301_1中の進行方向アイコン326がユーザのタッチ操作によって選択された場合、携帯端末2の表示制御部29が、表示装置24に表示されているパノラマ画像301_1を、パノラマ画像301_1に対応する位置に対して進行方向アイコン326が示す方向に隣接する位置のパノラマ画像301_2に切り替える。
【0123】
その後、同様に、表示装置24に表示されているパノラマ画像301_2~301_4中の進行方向アイコン326がユーザのタッチ操作によってそれぞれ選択されることにより、図16の(b)~(e)に示すように、表示装置24に表示されるパノラマ画像301_2~301_5が順次切り替わる。
【0124】
そして、図16の(e)に示すように、切り替わったパノラマ画像301_5が目的地のパノラマ画像301である場合には、表示制御部29が、目的地アイコン336をパノラマ画像301_5中に表示する。
【0125】
図6において、ナビゲーションモード(ステップS8)の終了後、携帯端末2が、ユーザからアプリケーションの終了の指示があるか否かを判定する(ステップS9)。アプリケーションの終了の指示がなかった場合、携帯端末2は、例えばステップS7に移行し、再び自由閲覧モードで動作する。一方、アプリケーションの終了の指示があった場合には、携帯端末2は当該アプリケーションを終了する。
【0126】
以上の手順により、ナビゲーションシステム100による、実施の形態1に係るナビゲーション方法が実現される。
【0127】
なお、ナビゲーションモード中は、自由閲覧モードと同様に、ユーザ操作によるパノラマ画像の表示範囲の切り替えや、マップ表示機能およびVR表示モード機能の選択が可能である。
【0128】
また、ナビゲーションモードにおいて、自由閲覧モードと同様に、二次元コード6の再読み込みが可能である。二次元コード6の再読み込みが行われた場合、上述した表示初期化処理(ステップS6)が実行される。これにより、表示装置24の表示画面が更新され、再読み込みされた二次元コード6に対応する位置のパノラマ画像301が表示装置24に表示されるとともに、記憶部30に記憶されている初期位置情報302が、再読み込みされた二次元コード6に対応する位置の位置情報に更新される。
【0129】
この場合、ナビゲーションシステム100は、ナビゲーションモードにおいて、ナビゲーション情報の提供を停止して進行方向アイコン326の表示を停止してもよいし、経路情報305を更新せずに引き続きナビゲーション情報の提供を行ってもよい。あるいは、経路情報305を更新して新たなナビゲーション情報を提供してもよい。
【0130】
新たなナビゲーション情報の提供を行う場合、ナビゲーションシステム100は、以下に示すような処理を行えばよい。
【0131】
先ず、携帯端末2が、二次元コード6の再読み込みにより更新された初期位置情報302を新たな出発地の情報としてサーバ1に送信する。次に、サーバ1は、受信した最新の出発地の情報に基づいて、新たな出発地から目的地までの最短経路を算出し、その算出結果を携帯端末2に送信する。次に、携帯端末2のデータ取得部28は、記憶部30に記憶されている経路情報305を、サーバ1から新たに受信した最短経路の算出結果に基づいて更新する。そして、携帯端末2の表示制御部29は、更新された経路情報305に基づいて、進行方向アイコン326等のナビゲーション情報の再表示を行う。
【0132】
≪実施の形態2≫
実施の形態1では、ナビゲーションシステム100によるナビゲーション方法がネイティブアプリケーションによって実現される場合について説明したが、実施の形態2では、ナビゲーションシステム100によるナビゲーション方法が、Webアプリケーションによって実現される場合について説明する。
【0133】
図17は、ナビゲーションシステム100によるナビゲーション方法をウェブアプリケーションによって実現する場合のサーバ1の機能ブロック構成を示す図である。
【0134】
同図に示すように、サーバ1は、データ取得部11、表示制御部12、経路決定部13、および記憶部10を有している。サーバ1は、ハードウェア構成として、例えば、ウェブサーバと、アプリケーションサーバと、データベースサーバ(バックエンドサーバ)とから成る所謂ウェブ3層構成によって実現されている。
【0135】
データ取得部11は、通信ネットワーク3を介して携帯端末2等の外部機器と通信を行うための装置である。データ取得部11は、例えばウェブサーバによって実現することができる。
【0136】
表示制御部12は、携帯端末2側の画面表示を切り替えるための制御を行う機能部であり、例えばウェブサーバまたはアプリケーションサーバによって実現することができる。
【0137】
経路決定部13は、携帯端末2から指定された出発地および目的地の情報に基づいて、出発地から目的地までの経路を決定する機能部であり、例えばアプリケーションサーバによって実現することができる。
【0138】
記憶部10は、ナビゲーションサービスに必要な各種データを記憶する機能部である。記憶部10は、例えばアプリケーションサーバまたはデータベースサーバ(バックエンドサーバ)によって実現することができる。
【0139】
記憶部10に記憶されるデータとしては、実施の形態1に係る携帯端末2の記憶部30に記憶されるデータと同様に、パノラマ画像301、初期位置情報302、設備情報303、目的地リスト304、経路情報305、アイコン画像306、および地図情報307等を例示することができる。
【0140】
次に、ナビゲーションシステム100による、実施の形態2に係るナビゲーション方法について説明する。
図18は、実施の形態2に係るナビゲーション方法の全体的な流れを示すフローチャートである。
【0141】
先ず、ユーザが携帯端末2の撮像装置21を起動して、エリア5内に設置された二次元コード6を読み取る(ステップS1A)。次に、携帯端末2が、撮影した画像データに含まれる二次元コード6を解析して、二次元コード6に書き込まれたURL情報および位置情報を取得する(ステップS2A)。
【0142】
次に、携帯端末2が、webブラウザのアプリケーションを起動する(ステップS3A)。例えば、携帯端末2が、二次元コード6から取得したURL情報を表示装置24に表示し、そのURL情報がユーザのタッチ操作によって選択された場合に、携帯端末2が、webブラウザのアプリケーションを起動する。以下、実施の形態2に係るナビゲーション方法では、パノラマ画像301を含むナビゲーション情報の表示は、携帯端末2で実行されるwebブラウザによって行われる。
【0143】
また、携帯端末2が、ユーザのタッチ操作によって選択されたURL情報に基づいて、サーバ1にアクセスする(ステップS4A)。これにより、ナビゲーションシステム100が、携帯端末2に対するナビゲーションサービスの提供を開始する。具体的には、先ず、ナビゲーションシステム100は、携帯端末2の表示装置24にエリア5のパノラマ画像301を表示させるために、表示初期化処理を行う(ステップS5A)。
【0144】
図19は、実施の形態2に係るナビゲーション方法の表示初期化処理(ステップS5A)の流れを示す図である。
【0145】
図19に示すように、実施の形態2に係るナビゲーション方法における表示初期化処理では、先ず、携帯端末2がステップS2Aで二次元コード6から取得した位置情報をサーバ1に送信する(ステップS51A)。
【0146】
次に、サーバ1のデータ取得部11が、ステップS51Aで携帯端末2から送信された位置情報を、初期位置情報302として記憶部10に記憶する(ステップS52A)。
【0147】
次に、サーバ1が、パノラマ画像301を携帯端末2に送信して、携帯端末2の表示装置24に表示させる(ステップS53S)。具体的には、サーバ1の表示制御部12が、ステップS52Aで記憶部10に記憶された初期位置情報302によって特定されるエリア5内の位置のパノラマ画像301を記憶部10から読み出す。そして、表示制御部12が、読み出したパノラマ画像301を携帯端末2に送信し、携帯端末2の表示装置24に表示させる。
【0148】
また、サーバ1の表示制御部12が、目的地リスト304やメニューアイコン346等のデータを携帯端末2に送信して、携帯端末2の表示装置24に表示させる(ステップS54A)。このとき、表示制御部12は、記憶部10に記憶されている設備情報303を参照して、初期位置情報302で特定されるエリア5内の位置に設置されている設備の設備アイコン316も併せて送信し、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301中に合わせて表示させる。
【0149】
以上の手順により、実施の形態2に係るナビゲーション方法における表示初期化処理(ステップS5A)が行われ、上述した図9に示す画面が携帯端末2に表示される。
【0150】
図18において、ステップS5Aの後、ナビゲーションシステム100は、自由閲覧モードに移行する(ステップS6A)。
【0151】
図20は、実施の形態2に係るナビゲーション方法の自由閲覧モード(ステップS6A)における処理の流れを示すフローチャートである。
【0152】
実施の形態2に係る自由閲覧モードにおいて、ナビゲーションシステム100は、メニューアイコン346に示された機能の選択の有無および携帯端末2における画像切り替えの指示の有無を判定する。
【0153】
具体的に、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、メニューアイコン346を介してマップ表示機能が選択されたか否かを判定する(ステップS61A)。マップ表示機能が選択された場合、携帯端末2が地図情報307をサーバ1に要求する(ステップS62A)。サーバ1の表示制御部12は、携帯端末2からの要求に応じて記憶部30から読み出したエリア5の地図情報307を携帯端末2に送信して、図11に示すように、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301中にミニマップ350を表示させる(ステップS63A)。
【0154】
また、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2が、メニューアイコン346を介してVR表示モード機能が選択されたか否かを判定する(ステップS64A)。VR表示モード機能が選択された場合、携帯端末2がVRゴーグル等の専用機器で視聴可能な形式の画像データ(上述したパノラマ画像301A、301B)をサーバ1に要求する(ステップS65A)。
【0155】
次に、サーバ1の表示制御部12が、携帯端末2からの要求に応じて、VRゴーグル等の専用機器で視聴可能なVR形式のパノラマ画像301A,301Bを携帯端末2に送信して、図12に示すように携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301をVR形式のパノラマ画像301A,301Bに切り替える(ステップS66A)。
【0156】
また、VR表示モード機能が選択された場合、携帯端末2が、実施の形態1に係るステップS75と同様に、センサ部25による検出結果に基づいて、表示装置24に表示するパノラマ画像301A,301Bの表示範囲を切り替える(ステップS67A)。
【0157】
一方、VR表示モード機能が選択されていない場合、携帯端末2が、実施の形態1に係るステップS76と同様に、ユーザによるタッチ操作に応じて、表示装置24に表示するパノラマ画像301の表示範囲を切り替える(ステップS68A)。
【0158】
また、携帯端末2が、自由閲覧モードにおいて、携帯端末2に表示するパノラマ画像301の切り替えが指示されたか否かを判定する(ステップS69A)。具体的には、携帯端末2が、ユーザによるタッチ操作によって表示装置24に表示されているパノラマ画像301内の所定の領域(例えば、図9における領域360_1または360_2)が選択されたか否かを判定する。
【0159】
ステップS69Aにおいて、パノラマ画像301の切り替えが指示された場合には、携帯端末2が、別のパノラマ画像301をサーバ1に要求する(ステップS70A)。例えば、実施の形態1で説明したように、区分領域402_1のパノラマ画像301内の区分領域402_2側の領域360_1をユーザがタッチ操作によって選択した場合、携帯端末2が、表示装置24に表示している区分領域402_2に対応するパノラマ画像301をサーバ1に要求する。
【0160】
次に、サーバ1の表示制御部12が、携帯端末2から指定された位置のパノラマ画像301を記憶部10から読み出して携帯端末2に送信し、携帯端末2の表示装置24に表示させる(ステップS71A)。これにより、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301が、選択された領域の方向に存在する別の位置のパノラマ画像301に切り替わる。
【0161】
また、携帯端末2が、自由閲覧モードにおいて、メニューアイコン346を介して経路探索機能が選択されたか否かを判定する(ステップS72A)。経路探索機能が選択されていない場合には、ステップS61Aに戻り、ナビゲーションシステム100は、引き続き自由閲覧モードで動作する。一方、経路探索機能が選択された場合、すなわち、図13に示すプルダウンメニューから目的地の候補地が選択された場合、ナビゲーションシステム100は、自由閲覧モードからナビゲーションモードに移行する(ステップS7A)。
【0162】
図21は、実施の形態2に係るナビゲーション方法のナビゲーションモード(ステップS7A)における処理の流れを示すフローチャートである。
ナビゲーションモードにおいて、先ず、携帯端末2が、選択された目的地の情報をサーバ1に送信する(ステップS81A)。具体的には、携帯端末2が、目的地リスト304に含まれる目的地の候補地のうちステップS72Aでユーザによって選択された候補地の位置情報を目的地の情報としてサーバ1に送信し、サーバ1に経路探索処理を要求する。
【0163】
次に、サーバ1の経路決定部13が、携帯端末2からの要求に応じて、出発地から目的地までの最短経路を算出する(ステップS82A)。具体的には、サーバ1の経路決定部13が、記憶部10に記憶されている初期位置情報302で特定される位置を出発地とし、ステップS81Aで携帯端末2から送信された位置情報で特定される位置を目的地として、出発地から目的地までの最短経路を前述のアルゴリズムに基づいて算出し、その算出結果を経路情報305として記憶部30に記憶する。
【0164】
次に、サーバ1が、進行方向アイコン326を携帯端末2の表示装置24に表示させる(ステップS83A)。例えば、サーバ1の表示制御部12が、記憶部10に記憶されている経路情報305に基づいて、進行方向アイコン326を表示させるパノラマ画像301内の領域(例えば、図15の領域360_2)を決定し、その領域を指定する情報と進行方向アイコン326の画像データとを携帯端末2に送信する。そして、それらの情報を受信した携帯端末2は、進行方向アイコン326を、表示装置24に表示されているパノラマ画像301内の指定された領域に表示する。
【0165】
次に、携帯端末2は、表示装置24に表示されている進行方向アイコン326がユーザによって選択されたか否かを判定する(ステップS84A)。
ステップS84Aにおいて、進行方向アイコン326が選択された場合、携帯端末2が、サーバ1に対して別のパノラマ画像301を要求する(ステップS85A)。具体的には、携帯端末2が、表示装置24に表示しているパノラマ画像301に対応するエリア5内の位置に対して進行方向アイコン326が示す方向に隣接するエリア5内の別の位置のパノラマ画像301を、サーバ1に対して要求する。
【0166】
サーバ1は、ステップS85Aにおける携帯端末2からの要求に応じて、新たなパノラマ画像301を携帯端末2に送信して、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301を更新させる(ステップS86A)。例えば、サーバ1の表示制御部12が、ステップS85Aで携帯端末2から指定された位置のパノラマ画像301を記憶部10から読み出して携帯端末2に送信し、携帯端末2の表示装置24に表示させる。
【0167】
ステップS86Aにおいてパノラマ画像301が更新された場合、またはステップS84Aにおいて進行方向アイコン326が選択されていない場合には、サーバ1が、携帯端末2の表示装置24に表示しているパノラマ画像301が目的地のパノラマ画像301であるか否かを判定する(ステップS87A)。
【0168】
携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301が目的地のパノラマ画像301でない場合、サーバ1が、引き続き、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301中に進行方向アイコン326を表示させる(ステップS83A)。
【0169】
一方、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301に対応する位置が目的地である場合には、サーバ1が、目的地アイコン336を、携帯端末2の表示装置24に表示させる(ステップS88A)。具体的には、サーバ1の表示制御部12が、記憶部10に記憶されている目的地アイコン336を読み出して携帯端末2に送信し、携帯端末2の表示装置24に表示されているパノラマ画像301中に目的地アイコン336を表示させる。これにより、ナビゲーションモードが終了する。
【0170】
図18において、ナビゲーションモード(ステップS7A)の終了後、ナビゲーションシステム100は、携帯端末2においてユーザ操作によりwebブラウザの終了が指示されたか否かを判定する(ステップS8A)。webブラウザの終了の指示がなかった場合、携帯端末2は自由閲覧モードに移行する(ステップS6A)。一方、webブラウザの終了の指示があった場合、携帯端末2がwebブラウザを終了し、ナビゲーションシステム100によるエリア5のナビゲーションサービスが終了する。
【0171】
以上の手順により、ナビゲーションシステム100による、実施の形態2に係るナビゲーション方法が実現される。
【0172】
なお、実施の形態2に係るナビゲーションモード中は、実施の形態1と同様に、パノラマ画像の表示範囲の切り替えやマップ表示機能およびVR表示モード機能の実行が可能である。
【0173】
また、実施の形態1と同様に、ナビゲーションモードおよび自由閲覧モードにおいて、二次元コード6の再読み込みも可能である。二次元コード6の再読み込みが行われた場合、上述した表示初期化処理(ステップS5A)が実行される。これにより、携帯端末2の表示装置24の表示画面が更新され、再読み込みされた二次元コード6に対応する位置のパノラマ画像301が携帯端末2の表示装置24に表示されるとともに、サーバ1の記憶部10に記憶されている初期位置情報302が、再読み込みされた二次元コード6に対応する位置の位置情報に更新される。
【0174】
また、ナビゲーションモードにおいて二次元コード6の再読み込みが行われた場合、ナビゲーションシステム100は、実施の形態1と同様に、ナビゲーション情報の提供を停止して進行方向アイコン326の表示を停止してもよいし、経路情報305を更新せずに引き続きナビゲーション情報の提供を行ってもよい。あるいは、経路情報305を更新して新たなナビゲーション情報を提供してもよい。
【0175】
新たなナビゲーション情報の提供を行う場合、ナビゲーションシステム100は、以下に示すような処理を行えばよい。
【0176】
先ず、携帯端末2による二次元コード6の再読み込みにより、表示初期化処理(ステップS5A)が実行されて、サーバ1の記憶部10に記憶された初期位置情報302が更新される。サーバ1は、更新された初期位置情報302によって特定される位置を新たな出発地として目的地までの最短経路を算出し、その算出結果に基づいて記憶部10に記憶されている経路情報305を更新する。そして、サーバ1の表示制御部12は、更新された経路情報305に基づいて、進行方向アイコン326等の再表示を携帯端末2に指示する。
【0177】
≪本発明に係るナビゲーション方法による効果≫
本発明に係るナビゲーション方法によれば、携帯端末2の撮像装置21によって、所定のエリア5における所定の位置に対応して設置された識別子(二次元コード)6が読み取られた場合に、その所定の位置に対応するパノラマ画像301が携帯端末2の表示装置24に表示されるとともに、読み取った識別子6に対応する所定の位置から目的地に到達するために進むべき方向を示す進行方向アイコン326が、表示装置24に表示されたパノラマ画像301中に表示される。
【0178】
これによれば、携帯端末2を所持するユーザがエリア5を訪れた際に、エリア5内に設置された二次元コード6を携帯端末2の撮像装置21で読み取ることにより、その携帯端末2の画面に、読み取った二次元コード6が設置された場所の360度パノラマ画像を表示することができる。すなわち、その時点でユーザがいる場所の画像がユーザが所持する携帯端末2の画面に表示されるので、ユーザは自身が立っているその場所とナビゲーションの出発地点とが一致していることを直感的に理解することができる。
【0179】
また、ナビゲーションの出発地である携帯端末2の画面に表示されているパノラマ画像301に対応する位置から目的地へ到達するために進むべき方向が、パノラマ画像301中の進行方向アイコン326によって示されるので、目的地に到達するために、どちらの方向に進むべきかをユーザが直感的に理解することができる。
【0180】
このように、本発明に係るナビゲーション方法によれば、二次元地図上にナビゲーション情報を示す従来のナビゲーションサービスに比べて、ユーザに対して、目的地に到達するために進むべき方向を直感的に理解させることが可能となる。
【0181】
また、本発明に係るナビゲーション方法によれば、GPS、ビーコン、またはIMES(Indoor MEssaging System)等の技術を用いてユーザの正確な位置を特定する必要がないので、ナビゲーションサービスの対象とするエリア内に送信器などの専用機器を設置するためのシステムの導入費用および維持費用等が不要となり、コストを抑えることが可能となる。
【0182】
また、本発明に係るナビゲーション方法によれば、二次元コード6の再読み込みを行った場合に、携帯端末2に表示されているパノラマ画像301を、再読み込みを行った二次元コード6に対応する位置のパノラマ画像301に更新する。
【0183】
これによれば、例えばナビゲーション中にユーザが道に迷った場合であっても、ユーザが近くにある二次元コード6を再度読み込むことにより、その場所を出発地とした新たなナビゲーション情報をユーザに提供することができる。
【0184】
また、本発明に係るナビゲーションシステムによれば、携帯端末2に表示されたパノラマ画像301中の進行方向アイコン326が選択された場合に、携帯端末2に表示されているパノラマ画像301を、そのパノラマ画像301に対応する位置に対して進行方向アイコン326が示す方向に隣接する別の位置のパノラマ画像301に切り替える。
【0185】
これによれば、ユーザは、進行方向アイコン326の示す方向に移動した場合にユーザから見える周辺環境の変化を直感的に理解することができるので、ユーザは、ユーザが実際に見ている周辺環境と携帯端末2に表示されているパノラマ画像301とを見比べながら、目的に向かって進むことができる。これにより、従来の二次元の地図情報を用いたナビゲーションサービスに比べて、ナビゲーション中にユーザが道を見失うことを防ぐことが可能となる。
【0186】
また、本発明に係るナビゲーション方法によれば、ユーザによる携帯端末2の操作に応じて、携帯端末2に表示される360度パノラマ画像の表示範囲が切り替わるので、ユーザの現在の位置や進むべき方向についての、ユーザのより正確な理解を助けることができる。
【0187】
また、本発明に係るナビゲーションシステム100によれば、携帯端末2に表示されているパノラマ画像中に階段やエレベータ等の設備を示す設備アイコン316を表示するので、携帯端末2に表示されているパノラマ画像301に対応する位置において、どのような設備を利用することができるのかを、ユーザが明確に理解することが可能となる。
【0188】
本発明に係るナビゲーションシステム100によれば、目的地の候補地を示す目的地リスト304を携帯端末2に表示させ、その目的地リストの中から選択された候補地を目的地としてナビゲーション情報を携帯端末2に表示するので、ユーザは目的地を決定するために、文字入力を行う必要がない。
【0189】
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0190】
例えば、上記実施の形態において説明したナビゲーション方法において、携帯端末2によって実行される処理の一部がサーバ1によって実行されてもよいし、サーバ1によって実行される処理の一部が携帯端末2によって実行されてもよい。例えば、実施の形態1において、サーバ1が出発地から目的地までの最短経路を算出するための演算処理(ステップS82)は、携帯端末2の経路決定部31が行ってもよい。
【0191】
また、上記実施の形態では、サーバ1が携帯端末2から経路探索処理の要求が行われる度に、サーバ1が出発地から目的地までの最短経路を算出する処理を行う場合を例示したが、これに限られない。
例えば、ナビゲーションサービスの対象のエリア5が駅構内や空港等の限定されたエリアである場合、出発地および目的地となり得る主要な場所は限定されている。そこで、出発地および目的地になり得る位置のそれぞれの組み合わせ毎に最短経路を算出しておき、それらの最短経路の算出結果を予めサーバ1の記憶部10に格納しておく。そして、携帯端末2から出発地および目的地の情報とともに経路探索処理の要求がサーバ1に送信された場合に、サーバ1がその出発地と目的地との組み合わせによって特定される最短経路の情報を記憶部10から読み出して、その最短経路の情報に基づくナビゲーション情報を携帯端末2に送信する。
【0192】
これによれば、サーバ1は、携帯端末2から経路探索の要求を受ける度に経路探索に係る演算を実行する必要がないので、サーバ1の処理負荷を軽減することができるとともに、携帯端末2からの経路探索の要求に対するサーバ1からの応答を早めることが可能となる。
【0193】
また、上記実施の形態において、自由閲覧モードおよびナビゲーションモードにおいてパノラマ画像を携帯端末2に表示する場合に、そのパノラマ画像に対応する位置に関連する情報をパノラマ画像中に表示してもよい。この場合にパノラマ画像中に表示される情報は、静止画であってもよいし動画であってもよい。
【0194】
図22は、パノラマ画像301中に動画を表示する場合の一例を示す図である。
図22に示すように、パノラマ画像301中に存在する仮想のモニタ(スクリーン)600に動画が再生されているように表示してもよい。また、パノラマ画像中の動画が再生されているモニタ600をユーザがタッチ操作によって選択した場合に、パノラマ画像を含むナビゲーション情報の表示を一時的に停止して、携帯端末2の画面全体を用いて動画を再生してもよい。
【0195】
また、上述のフローチャートは、動作を説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、フローチャートの各図に示したステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。具体的には、一部の処理の順番が変更されてもよいし、各処理間に他の処理が挿入されてもよいし、一部の処理が並列に行われてもよい。
【0196】
例えば、図10に示した自由閲覧モードのフローチャートにおいて、マップ表示機能に係る処理(S71、S72)、VR表示モード機能に係る処理(S73~S76)、パノラマ画像の更新に係る処理(S77、S78)、二次元コード6の再読み込み処理(S79、S6)、および目的地の選択に係る処理(S80)は、図10に示した順番に限定されない。例えば、これらの処理は、並列的に実行されてもよい。
【0197】
また、上記実施の形態では、図1に示すように、ナビゲーションシステム100が、各エリア5_1~5_mに存在する携帯端末2と一つのサーバ1とが一つの通信ネットワーク3を介して接続される構成を有する場合を例示したが、これに限られない。
【0198】
例えば、図23に示すナビゲーションシステム100Aのように、エリア5_1~5_m毎に専用のサーバ1_1~1_mを設け、各エリア5_1~5_mに存在する携帯端末2が対応するサーバ1_1~1_mとの間で通信を行うことによって、上述したナビゲーション方法が実行されるようにしてもよい。この場合、サーバ1_1~1_mは、対応するエリア5_1~5_m内に設置してもよいし、エリア5_1~5_mとは別の場所に配置してもよい。
【符号の説明】
【0199】
1,1_1~1_m…情報処理装置(サーバ)、2…携帯端末、3…通信ネットワーク、5,5_1~5_m…エリア、6…識別子(二次元コード)、10…記憶部、11…データ取得部、12…表示制御部、13…経路決定部、20…データ処理装置、21…撮像装置、22…通信装置、23…操作入力装置、24…表示装置、25…センサ部、26…バス、27…コード解析部、28…データ取得部、29…表示制御部、30…記憶部、31…経路決定部、32…パノラマ画像取得部、100,100A…ナビゲーションシステム、201…表示装置、301,301_1~301_5,301A,301B…パノラマ画像、302…初期位置情報、303…設備情報、304…目的地リスト、305…経路情報、306…アイコン画像、307…地図情報、316…設備アイコン、326…進行方向アイコン、336…目的地アイコン、346…メニューアイコン、350…ミニマップ、351…アイコン、360_1,360_2…領域、401…人が移動可能な領域、402,402_1~402_n…区分領域、500…言語設定用メニュー画面、600…モニタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23