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特許7132604ホテル予約システム、ホテル予約方法及びホテル予約プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】ホテル予約システム、ホテル予約方法及びホテル予約プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20220831BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20220831BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018165613
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020038515
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2020-11-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300010693
【氏名又は名称】パルハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003225
【氏名又は名称】弁理士法人豊栖特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手塚 勲
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-208527(JP,A)
【文献】特開2003-323505(JP,A)
【文献】開業まで1週間 多様化するゲストのスタイルやニーズに対応 「オークウッドホテル&アパートメンツ新大阪」8月1日開業,[online],2018年07月24日,[令和3年9月16日検索], インターネット<URL:https://www.atpress.ne.jp/news/161802>
【文献】福岡の築古共同住宅 小口化し販売,[online],2017年09月11日,[令和3年9月16日検索], インターネット<URL:https://www.zenchin.com/news/post-3499.php>
【文献】民泊 広がる選択肢とホテル化,月刊レジャー産業資料,綜合ユニコム株式会社,2017年06月01日,第50巻 第6号,p.36-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の客室数の客室を有するホテルの予約システムであって、
ホテルの総客室数の指定を促す総客室数指定部と、
前記総客室数指定部で指定された総客室数を保存する総客室数記憶部と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を設定するホテル客室数設定部と、
前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信するホテル客予約サイトリンク部と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する民泊客予約サイトリンク部と、
を備え、
前記ホテル客室数設定部は、前記ホテル客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としてなるホテル予約システム。
【請求項2】
所定の客室数の客室を有するホテルの予約システムであって、
ホテルの総客室数の指定を促す総客室数指定部と、
前記総客室数指定部で指定された総客室数を保存する総客室数記憶部と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を設定するホテル客室数設定部と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を設定する民泊客室数設定部と、
前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信するホテル客予約サイトリンク部と、
前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する民泊客予約サイトリンク部と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する賃貸客予約サイトリンク部と、
を備え、
前記ホテル客室数設定部及び民泊客室数設定部は、前記ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としてなるホテル予約システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客室数設定部は、
ホテルの繁忙期には、前記ホテル客一時的室数を多く、
ホテルの閑散期には、前記ホテル客一時的室数を少なく
するように、時期に応じて可変としてなるホテル予約システム。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載のホテル予約システムであって、さらに、
過去のホテル宿泊客数に関する情報を記録する履歴記録部を備え、
前記ホテル客室数設定部は、前記履歴記録部に記録されたホテルの過去の稼働率に基づいて、ホテル客一時的室数を設定するよう構成してなるホテル予約システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客室数設定部は、ホテルの将来の稼働率の予測に基づいて、ホテル客一時的室数を設定するよう構成してなるホテル予約システム。
【請求項6】
請求項又はに記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客室数設定部は、ホテル客一時的室数を自動的に演算してなるホテル予約システム。
【請求項7】
請求項に記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客室数設定部は、ホテルの過去の稼働率に基づいて、人工知能を用いてホテル客一時的室数を設定してなるホテル予約システム。
【請求項8】
請求項に記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客室数設定部は、ホテルの過去の稼働率から深層学習に基づいて、ホテル客一時的室数を設定してなるホテル予約システム。
【請求項9】
請求項又はに記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客室数設定部は、ホテルの過去の稼働率に基づいて、手動でホテル客一時的室数の設定を促すよう構成してなるホテル予約システム。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載のホテル予約システムであって、
前記ホテル客一時的室数に、有効期限が設定されており、随時更新可能とされてなるホテル予約システム。
【請求項11】
請求項に記載のホテル予約システムであって、さらに、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数から前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数と、賃貸客数を引いた店舗・オフィス一時的室数を、店舗・オフィスの契約を行う店舗・オフィス契約サイトに送信する店舗・オフィス契約サイトリンク部と、
を備えるホテル予約システム。
【請求項12】
所定の客室数の客室を有するホテルの予約方法であって、
ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す工程と、
前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する工程と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する工程と、
前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する工程と、
を含むホテル予約システム。
【請求項13】
所定の客室数の客室を有するホテルの予約方法であって、
ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す工程と、
前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する工程と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながら民泊客室数設定部に設定する工程と、
前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信し、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客予約サイトリンク部が、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する工程と、
を含むホテル予約システム。
【請求項14】
所定の客室数の客室を有するホテルの予約プログラムであって、
ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す機能と、
前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する機能と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する機能と、
前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する機能と、
をコンピュータに実現させるためのホテルの予約プログラム。
【請求項15】
所定の客室数の客室を有するホテルの予約プログラムであって、
ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す機能と、
前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する機能と、
前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながら民泊客室数設定部に設定する機能と、
前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信し、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客予約サイトリンク部が、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する機能と、
をコンピュータに実現させるためのホテルの予約プログラム。
【請求項16】
請求項14又は15に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体又は記録した機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテル予約システム、ホテル予約方法及びホテル予約プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル業は、稼働率を高めるため空室を少なくすることが求められる。ホテルを建設する際には、立地条件や需要予測などに応じて、部屋数を決定する。
【0003】
しかしながら、一旦建設されると、予測とは異なり思ったほどの集客ができないことがままある。かといって、一旦建設したホテルの、部屋数を削減するようなことは容易でない。また、新築のホテルに限らず、旧ホテルの購入や他の建物の転用などに際しても、同様の問題が生じる。
【0004】
このように従来のホテル運営では、当初見込みどおりの客室稼働率を達成できないというリスクがあり、このようなリスクを軽減することが難しいという状況であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-222582号公報
【文献】特開2003-323505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況に鑑みて、曜日やイベントなどに応じて料金の設定を柔軟に変更できるようにした予約受注方法が特許文献1に開示されている。この予約受注方法によれば、図14に示すような流れで宿泊予約の受注を行い、過去の宿泊状況及び現在の予約状況を取得し、取得された予約状況と過去の宿泊状況とに基づいて宿泊料金を予測し、宿泊料金を設定する。この予約受注方法によれば、宿泊料金の設定を効率良く行えるものの、ホテルの空き部屋を活用するという観点ではなく、空室率の改善にはつながらない。
【0007】
また特許文献2には、ホテルに宿泊契約と賃貸契約を混在させて利用者に提供するサービス提供システムが提案されている。このサービス提供システムによれば、図15に示すように、サーバ端末10が、宿泊施設に関する利用形態を規定する複数の利用契約情報のうち、利用者1が選択した利用契約情報をインターフェイス端末14から取り込み、前記利用契約情報を、利用者1の識別情報に対応付けてデータベースに記憶し、利用者の利用登録期間中に、利用者1の識別結果と、前記利用契約情報とをもとに、利用契約情報に応じたサービスを前記利用者1に提供するための処理を実行する。このサービス提供システムによれば、利用者の希望に応じたサービスをデータベースから自動的に読み出し、サービスに反映させたり、利用者に必要なサービスのみを選択できるようにする構成が開示される。しかしながら、あくまでも利用者がホテル内で宿泊契約向けと賃貸契約向けのサービスを選択できるに止まり、空室を埋めたり稼働率を向上させるものではない。
【0008】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、客室の稼働率を高めることが可能なホテル予約システム、ホテル予約方法及びホテル予約プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0009】
本発明の側面に係るホテル予約システムによれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約システムであって、ホテルの総客室数の指定を促す総客室数指定部と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を保存する総客室数記憶部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を設定するホテル客室数設定部と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信するホテル客予約サイトリンク部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する賃貸客予約サイトリンク部と、を備え、前記ホテル客室数設定部は、前記ホテル客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変とすることができる。上記構成により、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、残りを賃貸契約客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる賃貸客向けに振り向けることで、空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテル宿泊客の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0010】
また、本発明のの側面に係るホテル予約システムによれば、上記構成に加えて、前記賃貸客の平均賃貸期間を、前記ホテル宿泊客の平均宿泊日数よりも長くすることができる。上記構成により、滞在期間が短期で利益率の高いホテル宿泊客を優先して確保しつつも、空室を賃貸客に回すことで稼働率を高めることができる。
【0011】
さらに、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約システムであって、ホテルの総客室数の指定を促す総客室数指定部と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を保存する総客室数記憶部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を設定するホテル客室数設定部と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信するホテル客予約サイトリンク部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する民泊客予約サイトリンク部と、を備え、前記ホテル客室数設定部は、前記ホテル客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変とすることができる。上記構成により、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、他の一部を民泊客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる民泊客向けに振り向けることで空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテルや民泊の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0012】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約システムであって、ホテルの総客室数の指定を促す総客室数指定部と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を保存する総客室数記憶部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を設定するホテル客室数設定部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を設定する民泊客室数設定部と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信するホテル客予約サイトリンク部と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する民泊客予約サイトリンク部と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する賃貸客予約サイトリンク部と、を備え、前記ホテル客室数設定部及び民泊客室数設定部は、前記ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変とすることができる。上記構成により、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、他の一部を民泊客に、残りを賃貸契約客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる民泊客や賃貸客向けに振り向けることで空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテルや民泊の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0013】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客室数設定部は、ホテルの繁忙期には、前記ホテル客一時的室数を多く、ホテルの閑散期には、前記ホテル客一時的室数を少なくするように、時期に応じて可変とすることができる。上記構成により、ホテルの繁忙期にはホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を多く確保することで、利益率の高い宿泊客数を増やしつつ、閑散期にはこれらを少なくして賃貸契約客を増やすことで、ホテル経営の安定化を図ることが可能となる。
【0014】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、過去のホテル宿泊客数に関する情報を記録する履歴記録部を備え、前記ホテル客室数設定部は、前記履歴記録部に記録されたホテルの過去の稼働率に基づいて、ホテル客一時的室数を設定するよう構成できる。
【0015】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客室数設定部は、ホテルの将来の稼働率の予測に基づいて、ホテル客一時的室数を設定するよう構成できる。
【0016】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客室数設定部は、ホテル客一時的室数を自動的に演算することができる。
【0017】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客室数設定部は、ホテルの過去の稼働率に基づいて、人工知能を用いてホテル客一時的室数を設定することができる。上記構成により、人工知能を利用した需要予測に従ってホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を設定することにより、客室数の設定作業を簡素化しつつも安定的な動作が図られる。
【0018】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客室数設定部は、ホテルの過去の稼働率から深層学習に基づいて、ホテル客一時的室数を設定することができる。上記構成により、深層学習を用いた正確な需要予測が可能となる。
【0019】
さらにまた、本発明の第の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客室数設定部は、ホテルの過去の稼働率に基づいて、手動でホテル客一時的室数の設定を促すよう構成できる。上記構成により、経験者の経験を利用したホテル宿泊客や民泊客の需要予測を利用したホテル客一時的室数や民泊客一時的室数の設定を可能とすることで、機械に頼らない客室数の設定も可能となる。
【0020】
さらにまた、本発明の第10の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、前記ホテル客一時的室数に、有効期限が設定されており、随時更新可能とすることができる。
【0021】
さらにまた、本発明の第11の側面に係るホテル予約システムによれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数と、賃貸客数を引いた店舗・オフィス一時的室数を、店舗・オフィスの契約を行う店舗・オフィス契約サイトに送信する店舗・オフィス契約サイトリンク部を備えることができる。
【0022】
さらにまた、本発明のの側面に係るホテル予約方法によれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約方法であって、ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す工程と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する工程と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する工程と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客予約サイトリンク部が賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する工程とを含むことができる。これにより、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、残りを賃貸契約客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる賃貸客向けに振り向けることで、空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテル宿泊客の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0023】
さらにまた、本発明の第12の側面に係るホテル予約方法によれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約方法であって、ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す工程と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する工程と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する工程と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する工程とを含むことができる。これにより、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、他の一部を民泊客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる民泊客向けに振り向けることで空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテルや民泊の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0024】
さらにまた、本発明の第13の側面に係るホテル予約方法によれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約方法であって、ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す工程と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する工程と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながら民泊客室数設定部に設定する工程と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信し、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客予約サイトリンク部が、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する工程とを含むことができる。これにより、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、他の一部を民泊客に、残りを賃貸契約客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる民泊客や賃貸客向けに振り向けることで空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテルや民泊の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0025】
さらにまた、本発明のの側面に係るホテル予約プログラムによれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約プログラムであって、ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す機能と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する機能と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する機能と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客予約サイトリンク部が賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する機能と、をコンピュータに実現させることができる。これにより、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、残りを賃貸契約客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる賃貸客向けに振り向けることで、空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテル宿泊客の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0026】
さらにまた、本発明の第14の側面に係るホテル予約プログラムによれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約プログラムであって、ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す機能と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する機能と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する機能と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する機能とをコンピュータに実現させることができる。これにより、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、他の一部を民泊客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる民泊客向けに振り向けることで空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテルや民泊の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0027】
さらにまた、本発明の第15の側面に係るホテル予約プログラムによれば、所定の客室数の客室を有するホテルの予約プログラムであって、ホテルの総客室数を総客室数指定部に指定するよう促す機能と、前記総客室数指定部で指定された総客室数を総客室数記憶部に保存する機能と、前記総客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながらホテル客室数設定部に設定する一方、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を、ホテル開業後の運営時に時期に応じて可変としながら民泊客室数設定部に設定する機能と、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル客予約サイトリンク部が、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する一方、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を、民泊客予約サイトリンク部が、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信し、前記総客室数記憶部に保存された総客室数から、前記ホテル客室数設定部で設定されたホテル客一時的室数と、前記民泊客室数設定部で設定された民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、所定の賃貸期間の賃貸客用の賃貸客一時的室数を、賃貸客予約サイトリンク部が、賃貸客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する機能とをコンピュータに実現させることができる。これにより、ホテルの客室数の一部をホテル宿泊客に、他の一部を民泊客に、残りを賃貸契約客に、それぞれ割り当てることにより、ホテル宿泊客のみでは空室が生じる場合でも、この空室を客層の異なる民泊客や賃貸客向けに振り向けることで空室を埋めることが可能となり、ホテルの稼働率を全体として高めて経営を安定化させることができる。また、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を時期に応じて変化させることにより、ホテルや民泊の需要に応じた客室数の割り当てが可能となって、利益率を高めたホテル運営が可能となる。
【0028】
また第16の側面に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体又は記録した機器は、上記プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD-ROM、CD-R、CD-RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW、Blu-ray(登録商標)、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記録媒体にはプログラムを記録可能な機器、例えば上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC、DSP)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウエアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態1に係るホテル予約システムのネットワーク接続関係を示すシステム図である。
図2】ホテル宿泊客予約サイトの一例を示す模式図である。
図3】民泊客予約サイトの一例を示す模式図である。
図4】賃貸契約客契約サイトの一例を示す模式図である。
図5】実施形態1に係るホテル予約システムにおいて、ホテルの客室の一時的室数を変化させる様子を示す模式図である。
図6】実施形態1に係るホテル予約システムの構成者の相互関係を示すシステム図である。
図7】実施形態1に係るホテル予約システムのブロック図である。
図8】実施形態2に係るホテル予約システムのブロック図である。
図9】実施形態2に係るホテル予約システムにおいて、ホテルの客室の一時的室数を変化させる様子を示す模式図である。
図10】実施形態3に係るホテル予約システムにおいて、ホテルの客室の一時的室数を変化させる様子を示す模式図である。
図11】実施形態3に係るホテル予約システムのネットワーク接続関係を示すシステム図である。
図12】実施形態3に係るホテル予約システムのブロック図である。
図13】テナント契約客契約サイトの一例を示す模式図である。
図14】従来の宿泊予約受注方法の流れを説明する図である。
図15】従来のサービス提供システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一若しくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
【0031】
実施形態1に係るホテル予約システム1000のネットワーク接続関係を、図1に示す。この図に示すように、ホテル宿泊客や民泊客、あるいは短期滞在型の賃貸客といった利用者は、スマートフォンやタブレット、携帯電話、パソコン等の通信端末を用いて、インターネットなどのネットワーク回線を使ってホテル予約サイトや民泊予約サイト、あるいは賃貸物件案内・契約サイトにアクセスして、自分の好みの条件にあったホテルや民泊、賃貸物件の契約を行う。
【0032】
このような利用者からの要求に応えるため、ホテル側は、ホテル各社の予約サイトを自社で構築し、専用のホテル宿泊客予約サイトや民泊客予約サイトを、ネットワークを介して提供する。また、外部の統合ホテル予約サイト(例えば楽天トラベル(商標)、Yahoo!トラベル(商標)、じゃらん(商標)等)、統合民泊予約サイト(例えばAirbnb(商標))を介して、ホテル予約や民泊予約を提供する。図2にホテル宿泊客予約サイトの一例を、図3に民泊客予約サイトの一例を、それぞれ示す。
【0033】
利用者は必要に応じてこれらのサイトにアクセスして、比較考慮等を経て予約手続を行う。またホテルや民泊の宿泊客のみならず、ウィークリーマンションやマンスリーマンションといった短期滞在型の賃貸物件の検索も、同様にインターネットを介して行う。この場合、賃貸物件の提供者は、自社で構築した賃貸物件案内サイトや契約サイト、あるいは統合賃貸物件案内・契約サイトを通じて、賃貸物件の情報提供や契約を行う。なお賃貸の契約は、必ずもネットで完結する構成に限らず、必要に応じて対面契約を適宜組み合わせることもできる。例えばネットで契約の申請を受け付け、実際の契約は対面で行うようにしてもよい。図4に賃貸契約客契約サイトの一例を示す。
【0034】
上述の通り、ホテル宿泊予約、民泊予約や、賃貸契約などは、各ホテルの事業者が自社で構築したサイトを通じて提供する他、他のホテル予約サイトを利用することもできる。ここで他のホテル予約サイトとは、各社のホテル予約を集中的に行う統合ホテル予約サイト、例えば上述した楽天トラベル(商標)やYahoo!トラベル(商標)、あるいはエアーBandB(商標)等のサイトの他、自社系列の複数のホテルの予約を行うサイトや、公衆回線でなく専用回線を用いて行う予約など、ネットワークを介して予約可能なサイトを適宜利用できる。
【0035】
なお、本明細書において「自社で構築した」とは、必ずしもすべてを自社で行う場合に限定されず、必要に応じて他のリソースを適宜利用できる。例えば、サーバー構築業者に委託したり、レンタルサーバを利用したり、トータルサービスでサーバーの設定や管理運営を行う会社に依頼するなど、様々な利用態様が適宜利用できる。
(ホテルの稼働率の向上)
【0036】
ホテルの稼働率は、100%にすることが事実上不可能である。ホテルの建設前には立地条件や需要予測などに従って、客室数を計算するが、建設されたホテルの稼働率が目論みどおりになるとは限らず、様々な要因によって予想を下回る稼働率となることは珍しくない。そもそも、稼働率は一定せず、天候(台風や夏場、冬場の気温)、行事やイベント等の要因にも左右され、時期によって60%や80%等の変動が生じることもある。しかしながら、一旦ホテルを建設してしまうと、客室数は固定されてしまい、稼働率が80%だからといって20%の部屋を無くすことはできない。
【0037】
そこで本実施形態においては、ホテルとしての稼働率に応じて、空室をホテル宿泊客以外の用途に利用する。ここでは、ホテル一棟の年間の稼働率に応じて、空室を、民泊と、ウィークリーマンション等の短期賃貸に利用する。ホテルの年間の稼働率は、過去の稼働状況の履歴などから、概ね予測できる。
【0038】
またホテルの客室は一日ごとに部屋を貸すことになる。その一方で、例えば週単位、月単位、年単位といった短期賃貸の需要は、ホテルの需要とは別に存在する。さらに、その中間的な日数として、数日間~数週間の民泊が挙げられる。これら3つの客層に、図5に示すようにホテルの客室を割り当てる数を変動させる。
【0039】
まず、ホテル宿泊客向けの部屋数を決定する。過去のホテルの同時期における稼働状況の傾向に応じて、一定割合(例えばホテルの全室数の70%)を設定する。次に、残りの部屋数の内、一定割合(例えば30%の内、20%)を、短期賃貸に割り当てる。最後に残り(例えば10%)を、民泊に割り当てる。これにより、ホテル一棟が有する部屋の稼働率を向上できる。なお民泊の場合、年間180日しか貸せないという規制があるため、この範囲内での稼働とするように設定する。
【0040】
なお本明細書において短期賃貸契約とは、一般のマンションや賃貸などの長期賃貸契約との対比で短期と称しているにすぎず、特に契約日数を短期に限定する意味でない。例えば年単位での契約といった比較的長期間の賃貸契約も含む意味で使用する。さらに、短期滞在型のサービスとして、一般のホテル宿泊客と異なるサービスを付加してもよい。例えば家具や炊事用具などの電気器具の貸与、朝食や掃除の提供等が挙げられる。またビジネス客の場合は、ホテル内の貸会議室の利用などの相乗効果も期待できる。さらに後述する貸オフィスと連携させることでも、さらに利便性を高められる。すなわち、ホテル内の一部、例えば1階~3階を店舗やオフィスなどのテナント(貸店舗)として提供する際、テナントに入居している企業が、同じホテル内の貸会議室を、会議や商談、展示会等に利用したり、従業員(例えば社長や重役、あるいは短期契約のスペシャリスト)に対する居住スペースとして短期賃貸契約を利用するなど、貸店舗や短期賃貸契約の利用者に対してホテルの他の施設の利用の促進が図られ、連動性が高まる効果も期待できる。
(ホテル運営)
【0041】
ここで、実施形態1に係るホテル予約システム1000の構成者の相互関係の一例を、図6に示す。この例では、ホテル運営会社を中心に説明する。
【0042】
ホテル運営会社は、インターネット上のホームページを通じて、ホテル宿泊客の予約受付や、短期滞在型の利用客との賃貸契約を行う。例えば、自社のホテル予約サイトを通じてホテル宿泊者からのホテル予約を受け付ける。この場合はホテル宿泊客との予約、代金決済などの直接取引となる。また、自社の民泊予約サイトを別途用意してもよく、同様に宿泊客と直接取引することができる。
【0043】
あるいは、統合ホテル予約サイト(例えばトリバゴ(商標)、booking.com(商標)、楽天トラベル(商標))を介してホテル宿泊者からのホテル予約を受け付ける。これらは、組み合わせることが好ましい。また統合ホテル予約サイトは、一以上と契約、提携することもできる。同様に、統合民泊予約サイト(例えばAirbnb(商標)、途家(商標))を介して民泊予約を受け付けることもできる。この場合も、一以上の統合民泊予約サイトと契約、提携してもよい。
【0044】
さらに、短期滞在型の利用客との間で不動産賃貸契約を行う。この場合も、自社で賃貸物件案内・契約サイトを立ち上げたり、あるいは統合賃貸物件案内・契約サイト(例えばSUUMO(商標)、CHINTAI(商標))と業務提携や仲介契約を締結することもできる。また、賃貸契約はホームページ上で完結させてもよいが、例えばホームページから申込みを受け付けた後、実店舗での来店の日時を決定した上で、契約自体は対面で行うようにしてもよい。このようにして、ホテル宿泊客に加えて、民泊客との宿泊予約や短期滞在型の利用客との契約をインターネットを通じて効率良く行い、ホテル全体としての稼働率を向上できる。
(ホテル予約システム1000のブロック図)
【0045】
次に、ホテル予約システム1000のブロック図を図7に示す。このホテル予約システム1000は、所定の客室数の客室を有するホテルの客室の予約を管理する。すなわち、ホテル宿泊客や民泊予約客の予約や、短期滞在者の契約を管理する。また、必要に応じて貸店舗の契約の管理機能や貸会議室、貸ホール等の予約機能を追加してもよい(詳細は後述)。なお、短期滞在者や貸店舗利用のビジネス客との利用契約についても、本明細書においてはホテルの施設の利用という観点から、ホテル予約システムとして扱う。すなわち本明細書において「ホテルの予約」には、客室の予約に限らず、短期滞在や貸店舗の賃貸契約も含める意味で使用する。
【0046】
図7に示すホテル予約システム1000は、入力部10と、記憶部20と、演算部30と、通信部40を備える。このホテル予約システム1000は、ホテル予約プログラムをインストールしたコンピュータ等により構築できる。あるいは、専用のハードウェアで構成してもよい。
(入力部10)
【0047】
入力部10は、キーボードやマウス等の入力デバイス、あるいはタッチパネルや音声入力インターフェース等が利用できる。入力部10は、総客室数指定部12の機能を実現する。ホテル予約システムの管理者は、総客室数指定部12は、ホテルの総客室数を指定する。
(記憶部20)
【0048】
記憶部20は、半導体メモリやハードディスク等の記憶媒体が利用できる。この記憶部20は、総客室数記憶部21と、ホテル客室数記憶部22と、民泊客室数記憶部23と、賃貸客室数記憶部24と、履歴記録部26の機能を実現する。総客室数記憶部21は、総客室数指定部12で指定された総客室数を保存する。ホテル客室数記憶部22は、ホテル客室数設定部22で設定されたホテル客一時的室数を保存する。民泊客室数記憶部23は、民泊客室数設定部33で設定された民泊客一時的室数を保存する。賃貸客室数記憶部24は、賃貸客室数設定部34で設定された賃貸客一時的室数を保存する。
【0049】
なお、民泊客室数記憶部23や賃貸客室数記憶部24は、加減算等の演算によって民泊客一時的室数や賃貸客一時的室数を計算できる場合は、不要とできる。例えば、総客室数=ホテル客一時的室数+民泊客一時的室数+賃貸客一時的室数の場合は、ホテル客一時的室数と民泊客一時的室数が設定されている場合は、賃貸客一時的室数=総客室数-(ホテル客一時的室数+民泊客一時的室数)として賃貸客一時的室数を計算できるので、賃貸客室数記憶部を省略してもよい。
【0050】
履歴記録部26は、過去のホテル宿泊客数に関する情報を記録する。例えば、過去10年間や記録開始後のすべての年度について、月毎や週毎、日毎のホテルの稼働率、当日の天候、気温、イベントや行事、急な事件の有無などを記録する。これらの情報を参照することで、現在や将来の需要予測を立てて、ホテル客一時的室数を調整できる。
(演算部30)
【0051】
演算部30は、CPUやMPU、SoC、FPGA等で構成される。演算部30は、ホテル客室数設定部32と、民泊客室数設定部33と、賃貸客室数設定部34の機能を実現する。ホテル客室数設定部32は、客室数記憶部に保存された総客室数を上限として、ホテル宿泊客用に確保する一時的な客室数を設定する民泊客室数設定部33は、総客室数記憶部21に保存された総客室数から、ホテル客室数設定部32で設定されたホテル客一時的室数を引いた客室数を上限として、民泊用に確保する一時的な客室数である民泊客一時的室数を設定する。
【0052】
賃貸客室数設定部34は、総客室数記憶部21に保存された総客室数から、ホテル客室数設定部32で設定されたホテル客一時的室数と、民泊客一時的室数を引いた客室数を上限として、賃貸客用に確保する一時的な客室数である賃貸客一時的室数を設定する。なお、総客室数=ホテル客一時的室数+民泊客一時的室数+賃貸客一時的室数の場合は、賃貸客一時的室数=総客室数-(ホテル客一時的室数+民泊客一時的室数)となる。よってこの場合は、賃貸客室数設定部34は上記計算のみを行うか、あるいは上記計算を他の部材で行わせることにより賃貸客室数設定部を省略してもよい。
【0053】
賃貸客の平均的な賃貸期間は、ホテル宿泊客の平均的な宿泊日数よりも長くなるように設定する。例えば賃貸客用の最低賃貸期間として、1週間以上、あるいは1ヶ月以上等に設定する。また、賃貸期間を週単位や月単位で設定してもよい。一般にホテル宿泊客に対する宿泊の提供の方が、短期滞在型の賃貸利用よりも利益率が高い。そこで、ホテル内の客室をホテル宿泊客や民泊客に加えて、短期滞在型の利用客にも提供する場合は、利益率の高いホテル宿泊客により多くの客室を割り当てるように、言い換えると短期滞在型の利用客に割り当てる客室数を少なくするように設定することが、利益率の観点からは好ましいといえる。一方で、ホテル宿泊客数は変動が激しく、これに対して短期滞在型の利用客は利用日数が相対的に長い分、利用数は安定する傾向にある。
(ホテル客一時的室数の可変)
【0054】
そこで本実施形態において、ホテル客室数設定部32及び民泊客室数設定部33は、図5に示すように、ホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を、可変としている。例えば時期に応じて、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を変更させる。すなわちホテル客室数設定部32や民泊客室数設定部33は、ホテルの繁忙期には、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を多く、ホテルの閑散期には、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を少なくするように、時期に応じてホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を調整する。この結果、ホテルの閑散期には相対的に賃貸契約客を増やすことで、空室を埋めて稼働率を向上させながら、ホテルの繁忙期にはホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を多く確保することで利益率の高い宿泊客数を増やし、全体としてホテル経営の安定化を図ることができる。
【0055】
またホテル客室数設定部32は、過去のホテルの稼働状況を参照して、ホテル客一時的室数を調整する。具体的には、過去のホテル宿泊客数等の情報を予め履歴記録部26に記録しておき、この履歴記録部26に記録されたホテルの過去の稼働率に基づいて、ホテル客一時的室数を設定する。同様に民泊客室数設定部33も、過去のホテルの稼働状況を参照して、民泊客一時的室数を調整することができる。
【0056】
これらホテル客室数設定部32や民泊客室数設定部33は、ホテルの将来の稼働率の予測に基づいて、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を設定する。このような予測は、コンピュータを用いて自動的に行わせることが好ましい。例えばAIすなわち人工知能を用いて需要予測を行い、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を設定する。また需要予測に際しては、ディープラーニングすなわち深層学習を利用することが好ましい。これにより、人手によるよりも大幅に省力化しながら、正確な客室数の増減を行うことが可能となる。このように演算部30は、需要予測部として機能させることもできる。
【0057】
ただ、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数の設定は完全に自動化させる構成に限られず、人手による調整を組み合わせることもできる。例えば、需要予測に基づいて自動的に演算されたホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を、表示部に表示させて、ホテル予約システム1000の管理者がこの値を確認できるようにする。また管理者に、演算された数値をそのまま採用するか、あるいは多少増減するかを判断させることもできる。例えば経験のある管理者が、演算された値を候補値として、必要に応じて入力部10から多少の修正を加えた上で、最終的なホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を設定させてもよい。
【0058】
あるいは、管理者が履歴記録部26に記録された情報を表示部に表示させて、これを踏まえた上でホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を設定することもできる。このように手動でホテル客一時的室数や民泊客一時的室数を設定する場合であっても、ホテル宿泊客や民泊客、短期滞在型の利用客の需要に応じて部屋数の割り当てを図5に示すように調整しながら、ホテル全体としての稼働率を改善することもできる。
【0059】
なお、図5において示したホテルの客室を、ホテル宿泊客用A、民泊客用B、賃貸客用Cに分配する比率を変更する様子は、増減の閾値を変更する状態を説明するためのものであって、必ずしも境界線で明確に区分けできるように分配することを意味しない。例えば、ホテル宿泊客用A、民泊客用B、賃貸客用Cに割り当てる客室をランダムに分配してもよい。ただ、例えば短期滞在型の利用客同士の交流を促進することで、利用者間の業務提携といったビジネスチャンスの機会を提供するなどの観点からは、賃貸客用Cの客室は同じフロアや、同じフロアの隣接するブロックといったように、まとめて確保することが好ましい。同様に、ホテル宿泊客用Aや民泊客用Bについても、例えば日本人客同士、海外旅行客同士の交流などを図る等、同じ客層間で違和感のない滞在体験が得られるようにする観点から、まとめて確保することが好ましいといえる。
【0060】
以上のようにして、ホテルの客室を、通常のホテル宿泊客のみならず、民泊客や短期滞在型の利用客も組み合わせることで、ホテル宿泊客のみでは空室が生じるリスクを低減して、利益率を改善させてホテル経営の安定化が図られる。なお、客室の割り当ての優先順位は、以上の例ではホテル宿泊客、民泊客、短期滞在客の順で設定したが、これに限らず、例えばホテル宿泊客、短期滞在客、民泊客の順としてもよい。特に短期滞在型の利用客も、一定の需要が見込まれることから、ホテル宿泊客用に確保した後、次の優先順位として短期滞在客の需要分を確保し、最後に残った分を民泊客用に開放することで、ある程度の利用客を確保して稼働率が高められ、もって利益率を改善できる。
[実施形態2]
【0061】
以上の例では、ホテル客室数設定部32及び民泊客室数設定部33でもってホテル客一時的室数及び民泊客一時的室数を可変とした例を説明した。すなわちの実施形態1では、ホテルの客室を、図5に示すように通常のホテル宿泊客用A、民泊客用B、賃貸客用Cに分けて、これらの比率を変化させることで、すなわち2つのしきいを可変として、稼働率を上げている。ただ本発明は、ホテルの客室を3種類の客層に分ける方法に限定せず、2種類としたり、あるいは4種類以上としてもよい。一例として、実施形態2に係るホテル予約システム2000を図8図9に示す。図8に示すブロック図のように、図7のホテル予約システム1000から民泊客用の設定を省いて、ホテル予約客と短期滞在型の利用客のみについて、その客室数を可変としている。なお上述した図7と同じ部材について、同じ符号を付して詳細説明を省略している。
【0062】
実施形態2に係るホテル予約システム2000では、図9に示すように、ホテルの客室を大きく、通常のホテル宿泊客用A、賃貸客用Cの2種類に分けている。この構成ではしきいを1つとして、演算や管理を簡単に行える利点がある。
【0063】
また、本発明はこの構成に限らず、例えばホテル宿泊客用Aと民泊客用Bのみ、あるいは民泊客用Bと賃貸客用Cのみに分けて、これらの比率を変化させることでも、同様に需要に応じて1つのしきいを変更できる。
(通信部40)
【0064】
通信部40は、外部機器とネットワーク接続してネットワーク通信可能な通信モジュール(WiFi、Bluetooth(商標))等が利用できる。通信部40は、ホテル客予約サイトリンク部42と、民泊客予約サイトリンク部43と、賃貸客予約サイトリンク部44の機能を実現する。例えばAPIを用いて外部のサイトと連動させることができる。
【0065】
ホテル客予約サイトリンク部42は、ホテル客室数設定部32で設定されたホテル客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付けるホテル客予約サイトに送信する。これを受けてホテル客予約サイトは、現在予約受付中のホテル宿泊客の客室数の総数を、ホテル客一時的室数に変更して、ホテル宿泊客の受付を行う。
【0066】
同様に民泊客予約サイトリンク部43は、民泊客室数設定部33で設定された民泊客一時的室数を、民泊客の予約を受け付ける民泊客予約サイトに送信する。これを受けて民泊客予約サイトは、現在予約受付中の民泊客の客室数の総数を、民泊客一時的室数に変更して、民泊客の受付を行う。また賃貸客予約サイトリンク部44は、賃貸客室数設定部34で設定された賃貸客一時的室数を、ホテル宿泊客の予約を受け付ける賃貸客予約サイトに送信する。これを受けて賃貸客予約サイトは、現在予約受付中のホテル宿泊客の客室数の総数を、賃貸客一時的室数に変更して、賃貸客の受付を行う。
【0067】
なお、ホテル予約サイトや民泊予約サイト等が、複数のホテルの予約受付を行う統合ホテル予約サイトや統合民泊予約サイトの場合は、ホテル客予約サイトリンク部42や民泊客予約サイトリンク部43は、ホテル客一時的室数や民泊客一時的室数と共に、ホテル名の情報も送信する。これに応じて統合ホテル予約サイト等は、該当するホテルについて、ホテル宿泊客等の客室数の総数を更新することができる。一方で、ホテル各社の予約サイトのように、ホテルが一棟だけで他のホテルと区別する必要がない場合は、ホテル名の情報を省略できる。
【0068】
またホテル客予約サイトリンク部42は、複数のホテル予約サイトにホテル客一時的室数に関する情報を送信することもできる。例えばホテルの予約を自社のホテル予約サイトの他、一以上の統合ホテル予約サイトで受け付けている場合は、複数のホテル予約サイトに対してホテル客一時的室数の更新を行う。この際、上述の通り送信先のホテル予約サイトに応じて、適宜ホテル名の付加を行う。
【0069】
また複数のホテル予約サイトでホテル宿泊客の予約を受け付けている場合は、各ホテル予約サイトで受け付け可能な部屋数の割り当てを調整していることがある。この場合は、当該割り当ての比率に従ってホテル客一時的室数を調整した上でホテル客予約サイトリンク部42はホテル客一時的室数に関する情報を送信する。
(有効期限)
【0070】
さらに、送信するホテル客一時的室数について、有効期限を設定することもできる。例えば、設定したホテル客一時的室数の有効期限を一ヶ月間として、次の一ヶ月のホテル客一時的室数については、別途演算を行って適切なタイミングで送信する。すなわち、季節や行事、イベント等によってホテル宿泊客の需要は変動するので、ホテル客一時的室数をこれに応じて変動させることで、より適切なホテル客室の運営が見込まれ、稼働率を向上させることができる。有効期限は、予め設定しておくこともできる。例えば一ヶ月毎等、所定のタイミングで変更することとして、定期的にホテル客一時的室数をホテル客予約サイトリンク部42がホテル予約サイトに送信することで、ホテル予約サイトの客室数を随時更新できる。この場合は、有効期限が予め設定されているため、ホテル予約サイトに送信する情報に有効期限に関する情報を含める必要がない。
【0071】
また、突発的にホテル客一時的室数を変更したい場合も生じ得る。例えば地震や大きな事件の発生により、一時的にホテル利用者の増加が見込まれる状況が判明した場合に、ホテル客予約サイトリンク部42がホテル客一時的室数を変更するようホテル予約サイトに送信することで、客室数を随時更新できる。このように、ホテル予約サイトにおけるホテルの客室数の更新タイミングを、ホテル客予約サイトリンク部42がホテル客一時的室数をホテル予約サイトに送信するタイミングとすることでも、送信情報に有効期限に関する情報を含めることなく、適宜客室数を更新できる。
[実施形態3]
【0072】
以上の例では、一般の利用客による宿泊や短期滞在について説明したが、ホテルの利用という点において、店舗やオフィスといったテナント(貸店舗)の利用契約についても、同様に扱うこともできる。このような例を実施形態3に係るホテル予約システム3000として、図10図12に示す。これらの図に示すホテル予約システム3000は、図1図7と同じ部材については同じ符号を付して、詳細説明を省略する。
【0073】
図10図11に示すホテル予約システム3000は、一般の利用客に加えて、テナント物件の案内や契約も、ネットワーク回線を通じてテナント物件案内・契約サイト(自社で構築したサイト、あるいは複数の物件を扱う統合テナント物件案内・契約サイト)から行うことができる。図13にテナント契約客契約サイトの一例を示す。例えばホテルの1Fや高層階に設けられたレストランやショップ、銀行、オフィス等のテナントの利用者は、空き店舗の確認を、専用のテナント物件案内・契約サイトを通じて情報を取得することができる。また必要に応じて契約手続や事前説明、そのための面談日時の設定などを行うことができる。
【0074】
同様に、ホテルの貸会議室や貸ホール等の利用手続も、このテナント物件案内・契約サイトや、専用に構築した会議室予約サイトなどを通じて行うようにしてもよい。このようにテナントのスペースの提供のみならず、会議室やイベント会場の提供なども行うことで、ビジネス客の利用を取り込み易くなり、テナントの利用と会議室の利用の相乗効果も期待できる。
【0075】
図12に示すホテル予約システム3000のブロック図において、記憶部20は貸店舗情報記憶部25を備える。また通信部40は、テナント物件案内・契約サイトとの情報のやりとりを行う店舗契約サイトリンク部45を備える。貸店舗情報記憶部25は、貸店舗用のスペースの数や面積、現在契約中の貸店舗に関する情報、未契約で空店舗として利用可能なスペースの数や面積等の情報を記録している。この貸店舗情報記憶部25に基づいて、現在の空店舗情報を、店舗契約サイトリンク部45を通じてテナント物件案内・契約サイトに対して送信する。
【0076】
さらに貸店舗の成約や解約などにより空き店舗情報に変動が生じると、これに応じて貸店舗情報記憶部25に記録された情報を更新する。例えば店舗契約サイトリンク部45は、テナント物件案内・契約サイトからの情報に基づいて、あるいは利用者や管理者による入力部10からの入力に基づいて、貸店舗情報記憶部25に記録された情報の変更を反映させる。これにより、貸店舗情報記憶部25に保持された情報を最新版の情報にアップデートすることが可能となる。
(予約サイト)
【0077】
ホテル宿泊客や民泊客、短期滞在利用者などは、それぞれの利用者向けに開設されたホテル予約サイトや民泊予約サイト、賃貸物件案内・契約サイト等のホームページを通じて予約を行う。図2にホテル宿泊客予約サイトの一例、図3に民泊客予約サイトの一例、図4に賃貸契約客契約サイトの一例、図13にテナント契約客契約サイトの一例を、それぞれ示す。これらの図に示す予約サイトや契約サイトでは、利用客や利用者がスマートフォン等でアクセスし、必要事項を入力するなどして、予約を行う。なお、入力手段としては、タッチパネルやキーボードなどの入力デバイスの他、音声入力インターフェースを用いることもできる。
(音声入力インターフェース54)
【0078】
また、これら予約サイトは、利用者の言語に合わせて、異なる言語に切り替える言語切り替え手段52を設けることが好ましい。ここで言語切り替え手段52は、例えばメニューやアイコンなどからユーザの手動操作によって明示的に所望の言語の選択や切り替えを行わせる他、音声入力インターフェース54を用いてもよい。例えばユーザがスマートフォンのマイクから、自身の言語でしゃべりかけることで、スマートフォン側、あるいはこのスマートフォンにインストールしたアプリケーション側で、自動的に言語の種別を検出して、検出した言語に切り替えるようにしてもよい。例えば利用者が日本で「ホテル検索」等と話しかけると、この言語をスマートフォンのマイクで検出し、音声認識によって入力された言語が日本語であること、及びその内容が「ホテル検索」又はこれによく似た他の言葉であることを識別して、この識別された言語に従って動作を進める。この方法によれば、従来面倒であった所望の言語の切り替え作業を容易にできる。特にホテルの予約客は日本人以外も多く、この場合にデフォルトの初期言語を英語に設定することが行われているが、日本人が英語のサイトを見ても、どのようにして言語設定を切り替えればよいのか、判らなかったり、戸惑うことが少なからずある。そこで、アプリに対して単に話しかけるだけで、話しかけられた言語に切り替えると共に、切り替えられた言語でもって音声認識を行ってその意味を解析することで、面倒な言語切り替えや検索ワードの入力の手間を省いて極めて便利にホームページからの宿泊予約を操作できる利点が得られる。また、音声入力に加えて、音声対話によって予約を行うこともできる。
(自動チェックイン機能)
【0079】
加えて、ホテルや民泊施設のチェックインを、従来の対面で行う他、スマートフォンの位置検出機能を用いて、利用客の現在位置を検出することにより自動で行わせることもできる。例えばスマートフォンのBluetooth、特にBLE(Bluetooth Low Energy)を用いて、BLE通信機器であるビーコン(例えばi-Beacon(商標)やEddystone(商標))との通信によりスマートフォンの位置を特定できるので、これを利用してスマートフォンを持つ利用者がホテルの施設内に入ったことを自動で判定できる。この際、スマートフォンに対して例えば予めホテル予約アプリをインストールしておき、このホテル予約アプリを通じてホテル予約を行うことで、スマートフォンを持つユーザが予約日に該当するホテルの施設内に入ったことを検出すると、自動でチェックインを行う。また同様にチェックアウトの管理も可能であり、さらにチェックイン時やチェックアウト時に自動で代金決済を行うように管理してもよい。また宿泊用に指定された部屋の入口に利用客が近付いたことを検出して、自動で部屋のロックを解除したり、逆に部屋を離れる際にはロックしたりする等、位置検出に基づく操作を自動化させたり、あるいは自動で処理を行う前に利用客に対して、処理の実行の確認を促してもよい。例えば部屋の鍵の施錠、解錠について、利用者が部屋の入口の前に来ると、スマートフォンが振動やアラーム、画面表示、ポップアップなどの通知、音声案内等で、「部屋の鍵の解除を行います。宜しいですか?」等と確認を求める。これに従い利用者が「OK」ボタンを押したり、音声入力で「はい」等と指示すると、解錠が実行されるようにしてもよい。また入室後に、操作が判らない場合、ホテルのフロントに電話する他、音声入力インターフェースでスマートフォンに対して「フロントにつないで下さい。」、「ヘルプ」等と話しかけることで、自動で内線電話を起動させて、フロントやオペレータと接続し、会話できるようにすることもできる。
【0080】
さらにBLE通信機器がスマートフォンに対してBLEでプッシュ通知を行い、必要な情報をスマートフォンの画面に表示させることができる。例えば「○○様、ようこそ当ホテルにお越し下さいました。○○様のご宿泊は○○プランで夕食、朝食付きの、○月○日から○月○日までの○日間と伺っております。当ホテルのチェックアウト時間は○時です。ご夕食のご希望時間を次の画面から選択して下さい。また朝食券は、この画面を表示させてください。」等、必要な情報を表示させたり、また必要な選択を促すことができる。
【0081】
このようにしてスマートフォンのアプリを利用して、予約やチェックインを省力化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明に係るホテル予約システム、ホテル予約方法及びホテル予約プログラム並びにコンピュータで読み取り可能な記憶媒体は、ホテルの一般宿泊客、民泊客、賃貸利用客、テナントやオフィスなどのビジネス向け賃貸物件の効率的な予約や契約のために好適に利用できる。
【符号の説明】
【0083】
1000、2000、3000…ホテル予約システム
10…入力部
12…総客室数指定部
20…記憶部
21…総客室数記憶部
22…ホテル客室数記憶部
23…民泊客室数記憶部
24…賃貸客室数記憶部
25…貸店舗情報記憶部
26…履歴記録部
30…演算部
32…ホテル客室数設定部
33…民泊客室数設定部
34…賃貸客室数設定部
40…通信部
42…ホテル客予約サイトリンク部
43…民泊客予約サイトリンク部
44…賃貸客予約サイトリンク部
45…店舗契約サイトリンク部
52…言語切り替え手段
54…音声入力インターフェース
図1
図2
図3
図4
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図10
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