(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】頭皮頭髪化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20220831BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20220831BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20220831BHJP
A61K 8/9767 20170101ALI20220831BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q5/06
A61Q7/00
A61K8/19
A61K8/25
A61K8/9794
A61K8/9767
A61K8/81
(21)【出願番号】P 2018174106
(22)【出願日】2018-09-18
【審査請求日】2020-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】516121958
【氏名又は名称】株式会社トリコロール
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【氏名又は名称】茂木 康彦
(74)【代理人】
【識別番号】100158377
【氏名又は名称】三谷 祥子
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 太志
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-239626(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2007-0099223(KR,A)
【文献】特開2009-073782(JP,A)
【文献】特開2010-280642(JP,A)
【文献】特開2004-026769(JP,A)
【文献】特開2018-009041(JP,A)
【文献】特開2015-030669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 36/00-36/05
A61K 36/07-36/9068
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料、植物抽出物、ポリマー、多孔質粒子
、水を含み、上記顔料は頭髪色である、さらに上記顔料の量は頭皮頭髪化粧料の全量に対して30.5重量%以上80重量%以下の範囲である、
クリーム・ローションタイプの頭皮頭髪化粧料。
【請求項2】
顔料が、黒、赤、黄、群青系の無機顔料を含む、請求項1に記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項3】
植物抽出物が、根菜抽出物、葉菜抽出物、果菜抽出物、果実抽出物、花抽出物、ハーブ抽出物から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項4】
ポリマーが、天然ポリマー、半合成ポリマー、合成ポリマーから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項5】
多孔質粒子が、粘土質鉱物及び炭素材料から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の頭皮頭髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は頭皮および頭髪に塗布する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
頭髪と頭皮のケアは多くの人々の関心事である。フケやかゆみの抑制、発毛、育毛、髪の手触りや外観の向上などの様々な効果を狙った化粧料がこれまで多数開発されている。
【0003】
近年は男性化粧品の普及や高齢者の美容意識の高まりによって、特に薄毛対策のための化粧料が注目されている。さらにいわゆるナチュラル志向の高まりにより、ハーブや果実を原料とした自然派化粧料の人気が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-206539号公報
【文献】特開2009-263250号公報
【文献】特開2015-030670号公報
【文献】特開2006-104645号公報
【文献】特開2009-035852号公報
【文献】特開2018-090935号公報
【0005】
植物抽出物を配合した頭髪および頭皮に適用する化粧料は例えば特許文献1,2,3に記載されている。
【0006】
特許文献1には、ユーカリエキスを含む頭皮頭髪化粧料が記載されている。この頭皮頭髪化粧料は、頭皮の水分を保ち、また炎症を抑えて頭皮を健常な状態に保つ効果に優れ、かつ製剤の経時安定性に優れる。
【0007】
特許文献2には、メシマコブ抽出物を含む頭皮頭髪化粧料が記載されている。この頭皮頭髪化粧は、育毛促進、養毛促進、薄毛の予防、毛生促進、又は発毛促進に有用である。
特許文献3には、シロキクラゲ多糖類あるいは海藻抽出物を含む頭皮頭髪化粧料が記載されている。この頭皮頭髪化粧料は頭髪に適用した時に手触りがよく、毛髪のツヤを増し、頭皮の弾力を向上し、さらに頭皮の保湿効果を有する。
【0008】
上記先行技術文献に開示された頭皮頭髪化粧料の主要な効果は、頭皮の清涼感と頭髪の手触りの良さであり、薄毛に悩む使用者が最も要求する増毛・育毛効果を短期間で実感することはほぼ不可能であった。
【0009】
これに対して、短時間で薄毛を目立たなくする、あるいは増毛する手段が考案されてきた。そのような手段としてはいわゆる付け毛が一般的であり、各種の付け毛が例えば特許文献4,5,6に記載されている。しかしながら、これらの付け毛は頭皮の不快感を伴うことがあった。また、これらの付け毛の取り付けには高度な技術を必要とする。さらに付け毛自体が高価であるという問題点がある。このため、薄毛に悩む人にとって、簡単で快適な薄毛対策が望まれている。
【0010】
また、急に薄毛対策が必要になった人(例えば、重要顧客や大勢の聴衆を前にした明日のプレゼンだけは完璧な姿にしたい人、今晩のパーティで気分を上げたい人)にとっては、従来の頭皮頭髪化粧料の効果や付け毛の扱い慣れを待つ余裕はなく、「とりあえず」「その時だけ」頭髪をボリュームアップする手軽な手段が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
例えば毎朝洗面所で身なりを整える時間内で、頭皮に快適な手段で、薄毛を目立たなくする手段があれば、このような需要に応えることができる。本発明はこのような短時間で簡単に行える薄毛対策を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、薄毛に悩む消費者が、簡単な方法でしかも短時間で、頭皮頭髪化粧料の持つ清涼感や快適感に加えて増毛効果も実感できる方法を求めた。その結果、本発明者はこのような要求に応える頭皮頭髪化粧料の製造に成功した。すなわち本発明は以下のものである。
(発明1)顔料、植物抽出物、ポリマー、多孔質粒子を含み、上記顔料は頭髪色である、頭皮頭髪化粧料。
(発明2)顔料が、黒、赤、黄、群青系の無機顔料を含む、発明1の頭皮頭髪化粧料。
(発明3)植物抽出物が、根菜抽出物、葉菜抽出物、果菜抽出物、果実抽出物、花抽出物、ハーブ抽出物から選ばれる1種以上である、発明1の頭皮頭髪化粧料。
(発明4)ポリマーが、天然ポリマー、半合成ポリマー、合成ポリマーから選ばれる1種以上である、発明1の頭皮頭髪化粧料。
(発明5)多孔質粒子が、粘土質鉱物及び炭素材料から選ばれる1種以上である、発明1の頭皮頭髪化粧料。
【発明の効果】
【0013】
本発明の頭皮頭髪化粧料が頭皮や頭髪に塗布することにより、頭髪と同系色で頭髪と頭皮を着色し、頭髪を太くすることができる。また本発明の頭皮頭髪化粧料には、血行促進、保湿、消炎、抗菌などの頭皮に有用な機能を示す。さらに、本発明の頭皮頭髪化粧料は頭皮の汚れを吸着することができる。
【0014】
このため、本発明の頭皮頭髪化粧料を薄毛と感じる頭皮あるいは毛髪の部分に塗布することにより、薄毛が目立たなくなると同時に、頭皮の清涼感と頭髪の質向上ももたらされる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の頭皮頭髪化粧料は、顔料、植物抽出物、水溶性ポリマー、多孔質粒子を含む。以下、本発明の頭皮頭髪化粧料の有効成分について詳述する。
【0016】
(1)顔料(頭髪色顔料)
本発明の頭皮頭髪化粧料に必須に含まれる顔料は、使用者の頭髪の色に合致する発色が可能なものである。このような顔料として、黒色、茶色、黄色、あるいはこれらの中間色を示す無機顔料が、典型的な頭髪の色に対応でき、比較的少量で発色し、人体に対する毒性が低い点で好ましい。このような無機顔料としては、酸化鉄、カーボンブラックが典型的である。
【0017】
酸化鉄顔料として、黒酸化鉄(Fe3O4)、赤酸化鉄系顔料(Fe2O3,別名「ベンガラ」)、黄酸化鉄(FeOOH,別名「オーカー」)が用いられる。本発明ではこれらの酸化鉄顔料を様々な頭髪の色調に合致するように選択・混合する。
【0018】
カーボンブラックとしては、化粧品用グレードを制限なく使用することができる。
【0019】
本発明では、無機顔料として群青(ウルトラマリン)を配合することもできる。群青はアルミニウムとナトリウムのケイ素塩を主成分とする青色系顔料である。紫色、赤紫色、ピンク色の変性群青も使用することができる。
【0020】
上記無機顔料は上記頭髪色顔料にその他の顔料を被覆した改質顔料であってもよい。このような各種無機顔料を組み合わせることによって、より広範な頭髪様色調を再現することができる。
【0021】
本発明の頭皮頭髪化粧料に含まれる上記顔料の量は、頭皮及び/又は頭髪への十分な着色効果が得られれば制限されない。一般的には、上記顔料の量は頭皮頭髪化粧料の全量に対して1重量%以上80重量%以下の範囲である。
【0022】
(2)植物抽出物
本発明で使用する植物抽出物としては、頭皮に快適感を与えるもの、あるいは、頭皮に生理学的に貢献できるものであれば、制限されない。この様な植物抽出物としては、化粧品、健康食品、医薬品に用いられている根菜抽出物、葉菜抽出物、果菜抽出物、果実抽出物、花抽出物、ハーブ抽出物を用いることができる。
【0023】
本発明では例えば、ニンニク、ゴボウ根、玉葱外皮、人参根、ウコン、生姜、月桂樹、甘草、ステビア、ブドウ種子、センナ、イチョウ、アルニカ花、カモミール(カミツレ)、サラシア、クチナシ、クローブ、セイヨウキズタ葉、紫蘇、オドリコソウ花、クレソン(オランダガラシ)、西洋赤松球根、ローズマリー、マカ、クランベリー、ノコギリヤシ、ブラックカラント、薔薇、踊子草、グリーンコーヒー豆、ギムネマ等の抽出物を配合することができる。
【0024】
本発明では特に以下の植物抽出物とその効果に注目することができる。
【0025】
ニンニク抽出物には、血行促進、新陳代謝向上、抗酸化、殺菌、頭皮コンディショニングなどの効果が期待される。
【0026】
ゴボウ根抽出物には、血行促進、保湿、収斂などの効果が期待される。
【0027】
アルニカ花根抽出物には、血行促進、消炎、抗酸化、保湿、収斂などの効果が期待される。
【0028】
セイヨウキズタ葉抽出物には、血行促進、消炎、収斂、抗菌、殺菌などの効果が期待される。
【0029】
踊子草葉抽出物には、消炎、収斂などの効果が期待される。
【0030】
クレソン(オランダガラシ)抽出物には、血行促進、新陳代謝向上などの効果が期待される。
【0031】
西洋赤松球根抽出物には、血行促進、消炎、保湿、収斂などの効果が期待される。
【0032】
ローズマリー抽出物には、抗菌、抗酸化、頭皮コンディショニングなどの効果が期待される。
【0033】
また、カモミール(カミツレ)抽出物には、頭皮コンディショニング効果の他に、頭髪の艶出し、育毛、フケや痒みの防止などの効果が期待される。
【0034】
本発明の頭皮頭髪化粧料に含まれる上記植物抽出物の量は、頭皮及び/又は頭髪への十分な効果が得られれば制限されない。一般的には、上記植物抽出物の量は頭皮頭髪化粧料の全量に対して0.1重量%以上15重量%以下の範囲である。
【0035】
(3)ポリマー
本発明の頭皮頭髪化粧料には、増粘剤、皮膜形成剤、乳化剤、安定剤として各種ポリマーを配合する。このようなポリマー成分として化粧品成分として一般的なものを制限なく使用することができ、天然ポリマー、半合成ポリマー、合成ポリマーのいずれをも使用することができる。
【0036】
使用可能な天然ポリマーは、例えば、アラビアゴム、カラギーナン、キサンタンガム、ゼラチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどのである。
【0037】
使用可能な半合成ポリマーは、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの変性セルロース類、デンプン、アルギン酸ナトリウムなどである。
【0038】
使用可能な合成ポリマーは、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニルなどのビニル系ポリマー、ポリアクリル酸塩、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、アクリル樹脂アルカノールアミン、アルキル変性カルボキシビニルポリマーなどのアクリル系ポリマー、メチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサンなどのシリコーン類、ポリエチレングリコールやポリオキシエチレン-ポリオキシプリピレンコポリマーなどのポリアルキレングリコール類である。
【0039】
中でもアクリル系ポリマーは、頭髪に柔軟性、セット保持力、コシやハリと呼ばれる適度な弾力性、滑り性を与えるために、あるいは、頭髪のボリュームアップ効果のために、化粧品でよく用いられている。カチオン系アクリル系ポリマーをはじめとする水溶性アクリルポリマーは、頭髪のボリュームアップ効果が期待できるので、本発明で使用する水溶性ポリマーとして好ましい。水溶性アクリルポリマーは「カルボマー」の別名で化粧品原料として知られている。アルキル変性カルボキシビニルポリマーは両親媒性であるため、本発明の頭皮頭髪化粧料中で、油性成分を吸着する一方で水性成分と水和ゲルを形成し、その結果、少ない添加量で高い乳化安定効果を示す。ポリエーテル変性ポリシロキサンは乳化剤として機能する一方で、頭髪の滑りを改善する効果も有する。
【0040】
本発明の頭皮頭髪化粧料には、目的とする頭皮頭髪化粧料の性状によって適当なポリマーが配合される。化粧水タイプの頭皮頭髪化粧料には水溶性あるいは親水性のポリマーが好適である。クリーム・ローションタイプの頭皮頭髪化粧料には両親媒性あるいは乳化剤用のポリマーが好適である。オイルタイプの頭皮頭髪化粧料には油性あるいは親油性のポリマーが好適である。
【0041】
ポリマーを添加することによって本発明の頭皮頭髪化粧料に粘性が付与され、本発明の頭皮頭髪化粧料中で配合成分が均一に分散し、携帯が安定した頭皮頭髪化粧料が得られる。
【0042】
いずれのタイプの頭皮頭髪化粧料であっても、ポリマー成分は頭皮を保護し、頭髪に好ましい触感を与え、頭髪を太く見せる・頭髪量を多く見せる効果を発揮する。また水溶性ポリマーは頭髪に柔軟性、セット保持力、あるいはハリ、コシを与え、頭髪を太く見せる効果を有する。
【0043】
本発明の頭皮頭髪化粧料に含まれる上記ポリマーの量は、頭皮頭髪化粧料の増粘、皮膜形成、乳化、安定化に十分な量で、かつ、頭皮及び/又は頭髪に好ましい効果が期待できる量であれば制限されない。一般的には、上記ポリマーの量は頭皮頭髪化粧料の全量に対して0.1重量%以上20重量%以下の範囲である。
【0044】
(4)多孔質粒子
本発明の頭皮頭髪化粧料には、頭皮表面や頭皮毛穴の皮脂や汚れを吸着するための多孔質粒子が配合される。このような多孔質粒子としては、頭皮頭髪化粧料全体に良好に分散するものであれば制限されない。例えば、粘土質鉱物や炭素材料などの多孔質性微粒子が用いられる。
【0045】
粘土質鉱物としては、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイト、イライト、バーミキュライト、クロライト、クロライト、アロフェン、セピオライト、ゼオライトなどを使用することができる。また、粒径が比較的大きいシルト類や、各種鉱物の混合物である泥岩や海泥も使用することができる。
【0046】
炭素材料としては、活性炭が一般的である。特に竹炭や桐炭などの天然炭粉は吸着効果が高く、しかも前述の頭髪色顔料と同様の着色機能を兼ね備えるため好ましい。
【0047】
本発明の頭皮頭髪化粧料に含まれる上記多孔質粒子の量は、頭皮及び/又は頭髪に好ましい効果が期待できる量であれば制限されない。一般的には上記多孔質粒子の量は頭皮頭髪化粧料の全量に対して0.1重量%以上70重量%以下の範囲である。
【0048】
(5)その他の成分
本発明ではさらに頭髪色を示さない他の顔料を配合することができる。酸化チタン、天然マイカ(天然雲母)、合成マイカ(合成雲母)、酸化ケイ素、タルクなどを主成分とするパール顔料、光沢顔料、光輝顔料と呼ばれる顔料は、本発明の頭皮頭髪化粧料にファッション性を付与することができる。
【0049】
中でも酸化チタンは白色顔料として知られており、脱臭・消臭機能、紫外線遮蔽機能有するファイングレードも普及している。本発明の頭皮頭髪化粧料に適当な酸化チタン微粒子を配合することにより、頭髪の艶出しや頭皮保護機能の強化を期待できる。
【0050】
この他に化粧料添加剤として一般的な乳化剤、界面活性剤、分散剤、防腐剤、香料、油脂類、発泡剤、増粘剤、pH調節剤や水を添加することができる。
【0051】
本発明の頭皮頭髪化粧料の性状は頭皮及び/又は頭髪に問題なく塗布できる限り、制限はない。比較的粘度の低いローションタイプの性状は、本発明の頭皮頭髪化粧料を広範囲の頭皮及び/又は頭髪に均一に塗布するために好適である。
【0052】
本発明の頭皮頭髪化粧料における上述の各成分の濃度は、各成分の効果と機能が損なわれない限り制限されない。通常は、本発明の頭皮頭髪化粧料の全量:100重量%中に(1)顔料(頭髪色顔料)が1重量%以上80重量%以下、(2)植物抽出物が0.1重量%以上15重量%以下、(3)ポリマーが0.1重量%以上20重量%以下、(4)多孔質粒子が1重量%以上70重量%以下、(5)その他の成分が残余を占めるように各成分を調合する。
【0053】
上述の成分を均一に混合して所望の性状とすることで、本発明の頭皮頭髪化粧料が得られる。混合に用いられるミキサーに制限はないが、高せん断力ミキサーと呼ばれるものが好適である。
【実施例】
【0054】
本発明の頭皮頭髪化粧料の1例として、表1に示す配合でローションタイプの頭皮頭髪化粧料を作製した。
【0055】
【0056】
アンケートで薄毛が気になると回答した30歳代から50歳代の男女10人をモニターとして選んだ。秘密保持契約を結んだ上で、内容物について一切知らせずにモニターにこの頭皮頭髪ローションを使用してもらった。モニターはこの頭皮頭髪ローションを1日当たり1.5グラムから4グラム程度を毎日、2週間連続で、気になる部分に塗布した。
【0057】
使用感をモニターにインタビューしたところ、8人から以下のような肯定的な評価が得られた。
・薄毛が目立たなくなった。
・他の人からいつもより年齢を下に見られ、自分でも見かけがいつもより若いと感じた。
・鏡を見るのが楽しくなった。
・外出時に自信が持てた。
・写真映りが良くなった。
・生え際の白髪も隠すことができ若返ったと感じた。
【0058】
このように、本発明の頭皮頭髪化粧料は頭皮と頭髪を使用者の違和感なく自然な色調で着色することができるので、使用者の満足感が高い。
【0059】
またこの頭皮頭髪ローションと市販の育毛剤を併用した3人のモニターは、以下のように回答した。
・シャンプー後、地肌がいつもより綺麗になっていると思った。
・育毛剤がいつもよりよく肌に馴染んだ。
・育毛剤による育毛効果を実感した。
本発明の頭皮頭髪化粧料による育毛剤の効果促進の仕組みは定かではないが、本発明の頭皮頭髪化粧料の血行促進効果や皮脂吸着効果によって頭皮の状態が改善し、育毛剤の効果が高まったと推測できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の頭皮頭髪化粧料は、薄毛に悩む人が簡単に効果を実感できる手段として期待される。本発明の頭皮頭髪化粧料は有用性の高い化粧品を市場に提供することができる。