(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】四華花
(51)【国際特許分類】
A41G 1/00 20060101AFI20220831BHJP
A47G 7/02 20060101ALI20220831BHJP
A47G 33/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A41G1/00 B
A47G7/02 G
A41G1/00 Q
A41G1/00 C
A47G33/00 K
(21)【出願番号】P 2018206184
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518387929
【氏名又は名称】渥美 友宏
(74)【代理人】
【識別番号】100135448
【氏名又は名称】北川 泰隆
(72)【発明者】
【氏名】渥美 友宏
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3129424(JP,U)
【文献】登録実用新案第3079807(JP,U)
【文献】実開昭59-166773(JP,U)
【文献】登録実用新案第3150648(JP,U)
【文献】登録実用新案第3162444(JP,U)
【文献】特開2000-051032(JP,A)
【文献】特開2003-210295(JP,A)
【文献】登録実用新案第3124704(JP,U)
【文献】「紙華」とはどのようなものですか。,明順寺ひろば 真宗大谷派明順寺ホームページ朋の会読者ページ,日本,2016年10月26日,第1-2頁,https://hiroba.mjj.or.jp
【文献】四華花について,,https://www.osakaya-sousai.jp/staff_blog/スタッフブログ更新:四華花について/
【文献】四華花,,https://ameblo.jp/sougi-sakura/entry-11711316556.html
【文献】四華,,jodoshuzensho.jp/daijiten/index.php/四華
【文献】荘厳に用いるもの,,www.ysk-mito.com/mame/?p=21
【文献】四華花をつくってみる,,blog.livedoor.jp/oneheart174242/archives/4727031.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 1/00
A47G 7/02
A47G 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
造花と、
前記造花が立てられる、紙製の台座と、を備え、
前記造花は、
紙製、木製又は竹製で且つ棒状の芯材と、
短手方向の第一側端から第二側に延びる複数の切り込みが長手方向に所定の間隔で設けられ且つ前記短手方向の第二側の縁部分が長手方向に繋がった長尺の形状を有する、紙製の巻き付け材と、を含み、
前記巻き付け材は、
前記巻き付け材の裏面の前記縁部分に接着層を含み、
前記縁部分で、前記芯材の先端と、前記芯材の先端及び後端の間の位置と、の間となる前記芯材の軸方向の第一範囲に、前記巻き付け材の裏面が前記芯材の外周面の側となる状態で螺旋状に巻き付けら
れ、
前記台座は、
前記芯材が差し込まれる第一穴が設けられる第一支持材と、
前記芯材が差し込まれる第二穴が設けられる第二支持材と、
四角筒状の外周壁と、を含み、更に、
前記第一支持材を天井壁とし、前記第二支持材を底壁とする、四角形の平面形状を有する箱形の形状を有し、
前記第一穴は、前記第一支持材の厚さ方向に前記第一支持材を貫通し、
前記第二穴は、前記第一支持材の厚さ方向に一致する前記第二支持材の厚さ方向に前記第二支持材を貫通し、
前記第一支持材及び前記第二支持材は、前記第一範囲より後端側となる前記芯材の軸方向の第二範囲を前記第一穴の内周及び前記第二穴の内周で支持し、
前記第一支持材には、前記第一穴と同一方向に前記第一支持材を貫通し、前記第一穴より大きな開口面積を有し、前記第二穴より大きな開口面積を有する、第一開口及び第二開口が設けられ、
前記外周壁は、
第一側壁と、
前記第一側壁と前記第一支持材の厚さ方向に直交する第一方向に向かい合う第二側壁と、
前記第一側壁と隣接し、前記第二側壁と隣接する第三側壁と、
前記第一側壁と隣接し、前記第二側壁と隣接し、前記第三側壁と前記第一支持材の厚さ方向及び前記第一方向の両方向に直交する第二方向に向かい合う第四側壁と、を含み、
前記第一開口は、前記第一側壁と隣接する前記第一支持材の第一外縁の前記第二方向の両端を除く範囲に設けられ、
前記第二開口は、前記第二側壁と隣接する前記第一支持材の第二外縁の前記第二方向の両端を除く範囲に設けられ、
前記第一開口及び前記第二開口は、前記第一方向に並んで設けられ、
前記台座は、
前記台座の素材となる紙の前記第一支持材に対応する部分で前記第一開口が設けられる範囲を前記第一側壁の側に切り起こした第一切り起こし片と、
前記台座の素材となる紙の前記第一支持材に対応する部分で前記第二開口が設けられる範囲を前記第二側壁の側に切り起こした第二切り起こし片と、を含み、
前記第一切り起こし片は、前記第一支持材より前記第一支持材の厚さ方向の前記第二支持材の側である第四側とは反対の第三側に突き出し、
前記第二切り起こし片は、前記第一支持材より前記第一支持材の厚さ方向の第三側に突き出し、
前記第一切り起こし片及び前記第二切り起こし片は、前記第一方向に並んで設けられる、四華花。
【請求項2】
前記台座は、前記第二支持材を上げ底壁とする、請求項
1に記載の四華花。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、四華花に関する。
【背景技術】
【0002】
四華花に関する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、合成樹脂製葬祭用造花立てが開示されている。合成樹脂製葬祭用造花立ては、基台本体の上面部に造花を挿し立てることができる。合成樹脂製葬祭用造花立てでは、基台本体全体が合成樹脂材で形成される。上面部の各角部近傍には、造花を挿し立てるための挿込長孔が垂直に開設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
四華花は、造花を台座に立てた葬具である。四華花は、死花花とも称される。発明者は、葬具の製造に携わる中で、遺体と共に火葬可能な四華花について検討を行った。
【0005】
本発明は、遺体と共に火葬可能な四華花を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、造花と、前記造花が立てられる、紙製の台座と、を備え、前記造花は、紙製、木製又は竹製で且つ棒状の芯材と、短手方向の第一側端から第二側に延びる複数の切り込みが長手方向に所定の間隔で設けられ且つ前記短手方向の第二側の縁部分が長手方向に繋がった長尺の形状を有する、紙製の巻き付け材と、を含み、前記巻き付け材は、前記巻き付け材の裏面の前記縁部分に接着層を含み、前記縁部分で、前記芯材の先端と、前記芯材の先端及び後端の間の位置と、の間となる前記芯材の軸方向の第一範囲に、前記巻き付け材の裏面が前記芯材の外周面の側となる状態で螺旋状に巻き付けられ、前記台座は、前記芯材が差し込まれる第一穴が設けられる第一支持材と、前記芯材が差し込まれる第二穴が設けられる第二支持材と、四角筒状の外周壁と、を含み、更に、前記第一支持材を天井壁とし、前記第二支持材を底壁とする、四角形の平面形状を有する箱形の形状を有し、前記第一穴は、前記第一支持材の厚さ方向に前記第一支持材を貫通し、前記第二穴は、前記第一支持材の厚さ方向に一致する前記第二支持材の厚さ方向に前記第二支持材を貫通し、前記第一支持材及び前記第二支持材は、前記第一範囲より後端側となる前記芯材の軸方向の第二範囲を前記第一穴の内周及び前記第二穴の内周で支持し、前記第一支持材には、前記第一穴と同一方向に前記第一支持材を貫通し、前記第一穴より大きな開口面積を有し、前記第二穴より大きな開口面積を有する、第一開口及び第二開口が設けられ、前記外周壁は、第一側壁と、前記第一側壁と前記第一支持材の厚さ方向に直交する第一方向に向かい合う第二側壁と、前記第一側壁と隣接し、前記第二側壁と隣接する第三側壁と、前記第一側壁と隣接し、前記第二側壁と隣接し、前記第三側壁と前記第一支持材の厚さ方向及び前記第一方向の両方向に直交する第二方向に向かい合う第四側壁と、を含み、前記第一開口は、前記第一側壁と隣接する前記第一支持材の第一外縁の前記第二方向の両端を除く範囲に設けられ、前記第二開口は、前記第二側壁と隣接する前記第一支持材の第二外縁の前記第二方向の両端を除く範囲に設けられ、前記第一開口及び前記第二開口は、前記第一方向に並んで設けられ、前記台座は、前記台座の素材となる紙の前記第一支持材に対応する部分で前記第一開口が設けられる範囲を前記第一側壁の側に切り起こした第一切り起こし片と、前記台座の素材となる紙の前記第一支持材に対応する部分で前記第二開口が設けられる範囲を前記第二側壁の側に切り起こした第二切り起こし片と、を含み、前記第一切り起こし片は、前記第一支持材より前記第一支持材の厚さ方向の前記第二支持材の側である第四側とは反対の第三側に突き出し、前記第二切り起こし片は、前記第一支持材より前記第一支持材の厚さ方向の第三側に突き出し、前記第一切り起こし片及び前記第二切り起こし片は、前記第一方向に並んで設けられる、四華花である。
【0007】
また、四華花では、前記台座は、前記第二支持材を上げ底壁とする、ようにしてもよい。
【0008】
このような四華花によれば、四華花の燃焼に伴う環境負荷を低減することができる。造花を2箇所で台座に支持することができる。造花の倒れを防止することができる。第二穴への芯材の差し込みを目視で確認しつつ行うことができる。造花と台座の組み立てをスムーズに行うことができる。第一切り起こし片を第一側壁と連続した状態で第一支持材より第一支持材の厚さ方向の第三側に突き出させることができる。第一側壁を正視した場合、第一切り起こし片によって、第一開口を隠すことができる。第二切り起こし片を第二側壁と連続した状態で第一支持材より第一支持材の厚さ方向の第三側に突き出させることができる。第二側壁を正視した場合、第二切り起こし片によって、第二開口を隠すことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、遺体と共に火葬可能な四華花を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】四華花の一例を示す写真である。左側は、四華花の正面、左側面及び平面を示す。右側は、四華花の平面を示す。
【
図2】造花の芯材及び巻き付け材の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。巻き付け材は、芯材に巻き付ける前の状態を中間部を省略して示す。巻き付け材は、裏面から見た状態を示す。
【
図3】台座の概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図4】上段は、図
3に示すI1-I1線断面図である。下段は、図
3に示すI2-I2線断面図である。芯材の第二範囲を想像線で示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。図中、破線は、かくれ線であり、二点鎖線は、想像線である。また、ハッチングは、切断面を示す。
【0012】
<四華花>
四華花10について、
図1-4を参照して説明する。四華花10は、紙製の葬具である。実施形態では、四華花10は、全体が紙によって形成される。従って、四華花10は、紙製四華花ともいえる。四華花10は、紙製の造花20と、紙製の台座30を備える(
図1参照)。四華花10は、4本の造花20を備える。4本の造花20は、同一又は実質的に同一である。四華花10では、4本の造花20は、台座30に立てられる。
【0013】
造花20は、芯材21と、巻き付け材22を含む(
図2参照)。四華花10では、芯材21及び巻き付け材22は、共に紙製である。芯材21の素材となる紙としては、公知の紙を採用することができる。巻き付け材22の素材となる紙としては、公知の紙を採用することができる。巻き付け材22では、素材となる紙は、コート紙であってもよい。
【0014】
芯材21は、造花20の茎に対応する。従って、芯材21は、棒状の形状を有する。巻き付け材22は、次の態様の長尺の形状を有する。前述の態様は、短手方向の第一側端から第二側に延びる複数の切り込み23が長手方向に所定の間隔で設けられた態様である。更に、前述の態様は、短手方向の第二側の縁部分25が長手方向に繋がった態様である。巻き付け材22では、長手方向に隣り合う2個の切り込み23の間の紙片は、短冊片24となる。巻き付け材22では、複数の短冊片24は、造花20の花びら及び葉の一方又は両方に対応する。
【0015】
巻き付け材22は、巻き付け材22の裏面の縁部分25に接着層を含む。即ち、巻き付け材22は、巻き付け材22の裏面の縁部分25に糊を付着させたシール状のシート材である。
図2で、縁部分25に付した格子模様は、巻き付け材22の裏面の縁部分25に糊が付着されていることを示す。巻き付け材22をコート紙製とする場合、コート紙は、表面がコートされ、裏面がコートされていない態様のコート紙とするとよい。巻き付け材22は、縁部分25で、芯材21の第一範囲S1に螺旋状に巻き付けられる。この場合、巻き付け材22は、裏面が芯材21の外周面の側となる状態で巻き付けられる。
【0016】
第一範囲S1は、芯材21の先端T及び位置Pの間となる芯材21の軸方向の範囲である。芯材21の軸方向は、芯材21の軸心Lの方向である。
図2では、軸心Lを一点鎖線で示す。芯材21の位置Pは、芯材21の先端T及び後端Rの間の任意の位置である。例えば、芯材21への巻き付け材22の巻き付けが手作業で行われる場合、複数の造花20の間では、芯材21の位置Pにずれが生じることもある。実施形態では、第一範囲S1より芯材21の後端Rの側となる芯材21の軸方向の範囲を「第二範囲S2」という。
【0017】
図2で、芯材21の外周に示す螺旋状の矢印は、巻き付け材22の巻き付け方向を示す。
図2に示す螺旋状の矢印は、巻き付け材22を芯材21に巻き付ける場合のリードを正確に示していない。リードは、巻き付け材22を芯材21に1周巻き付けた場合に巻き付け材22が芯材21の軸心Lの方向に進む距離である。巻き付け材22の巻き付け方向は、
図2に示す方向とは反対回りであってもよい。巻き付け材22は、
図2とは異なり、芯材21の第一範囲S1で、芯材21の後端Rの側から先端Tに向けて螺旋状に巻き付けることもできる。但し、巻き付け材22は、
図2に示すように、芯材21の第一範囲S1で、芯材21の先端Tから後端Rの側に螺旋状に巻き付けるとよい。
【0018】
台座30は、第一支持材31を天井壁とし、第二支持材33を上げ底壁とする、箱形の形状を有する(
図3,4参照)。台座30は、所定の形状に裁断された厚紙を所定の位置で折り曲げることで、箱形に組み立てられる(
図1左側参照)。但し、
図3,4では、台座30の図示は簡略化され、前述のような組立構造では図示されていない。四華花10では、台座30は、四角形の平面形状を有する。この場合、箱形の台座30では、外周壁は、四角筒状となる(
図3参照)。台座30では、第一支持材31及び第二支持材33は、所定の方向に所定量だけ離間した平行な状態で設けられる。従って、台座30では、第一支持材31の厚さ方向及び第二支持材33の厚さ方向は、一致する。
【0019】
実施形態では、互いに一致した方向である第一支持材31の厚さ方向及び第二支持材33の厚さ方向を、単に「厚さ方向」という。第一支持材31及び第二支持材33が離間する上述の所定の方向は、厚さ方向に一致する。台座30で、第一支持材31が設けられる厚さ方向の一方側を「第三側」といい、第二支持材33が設けられる厚さ方向の他方側を「第四側」という。葬具として、例えば、四華花10が祭壇に供えられる場合、四華花10は、台座30が厚さ方向の第三側が鉛直方向の上側となり、厚さ方向の第四側が鉛直方向の下側となる状態で設けられる(
図1左側参照)。
【0020】
第一支持材31には、第一穴32が設けられる(
図3参照)。第一穴32は、厚さ方向(第一支持材31の厚さ方向)に第一支持材31を貫通する(
図4参照)。第一穴32には、芯材21が差し込まれる。芯材21の後端Rは、第一穴32を厚さ方向の第四側に通過する。第二支持材33には、第二穴34が設けられる(
図3参照)。第二穴34は、厚さ方向(第二支持材33の厚さ方向)に第二支持材33を貫通する(
図4参照)。第二穴34には、芯材21が差し込まれる。台座30では、第二支持材33を上げ底壁とすることで、芯材21の後端Rは、第二穴34を厚さ方向の第四側に通過する。
【0021】
上述した通り、四華花10は、4本の造花20を備える(
図1参照)。従って、台座30では、第一支持材31には、4個の第一穴32が設けられ、第二支持材33には、4個の第二穴34が設けられる(
図3,4参照)。4個の第一穴32及び4個の第二穴34は、第一支持材31及び第二支持材33上の厚さ方向に垂直な各平面内の位置が同様となる状態で、第一支持材31及び第二支持材33にそれぞれ配置される(
図3参照)。四華花10では、4個の第二穴34は、4個の第一穴32より、台座30の四角形平面の中心寄りの各位置に配置される(
図4参照)。この場合、4本の造花20は、台座30に立てられた状態で、台座30の外周壁側にそれぞれ同一又は同程度の角度で傾斜する(
図1参照)。但し、四華花では、4個の第一穴32及び4個の第二穴34は、第一支持材及び第二支持材上の厚さ方向に垂直な各平面内の位置が同一となる状態で、第一支持材及び第二支持材にそれぞれ配置されてもよい。この場合、4本の造花20は、台座に立てられた状態で、真っ直ぐ起立する。
【0022】
図3,4で「第一穴32」及び「第二穴34」にそれぞれ付した符号「A,B,C,D」の文字は、第一支持材31及び第二支持材33上の厚さ方向に垂直な各平面内の位置が同様となる状態で、第一支持材31及び第二支持材33にそれぞれ配置された1組の第一穴32及び第二穴34を明示する便宜上の符号である。実施形態では、第一穴32A,32B,32C,32Dを区別せず、又はこれらを総称する場合、「第一穴32」といい、第二穴34A,34B,34C,34Dを区別せず、又はこれらを総称する場合、「第二穴34」という。但し、1組の第一穴32及び第二穴34は、第一穴32A及び第二穴34A、第一穴32B及び第二穴34B、第一穴32C及び第二穴34C、及び第一穴32D及び第二穴34Dの各組み合わせのうちの何れかである。
【0023】
また、実施形態では、4本の造花20のうち、第一穴32A及び第二穴34Aに差し込まれる造花20の芯材21を「芯材21A」という。4本の造花20のうち、第一穴32B及び第二穴34Bに差し込まれる造花20の芯材21を「芯材21B」という。4本の造花20のうち、第一穴32C及び第二穴34Cに差し込まれる造花20の芯材21を「芯材21C」という。4本の造花20のうち、第一穴32D及び第二穴34Dに差し込まれる造花20の芯材21を「芯材21D」という。芯材21A,21B,21C,21Dを区別せず、又はこれらを総称する場合、「芯材21」という。
図4では、芯材21A,21B,21C,21Dの第二範囲S2を二点鎖線で示す。
【0024】
四華花10では、1本の芯材21の第二範囲S2が、1組の第一穴32及び第二穴34に差し込まれる。従って、第一支持材31及び第二支持材33は、4本の芯材21の第二範囲S2を、4組の第一穴32の内周及び第二穴34の内周でそれぞれ支持する。即ち、第一支持材31及び第二支持材33は、芯材21Aの第二範囲S2を第一穴32Aの内周及び第二穴34Aの内周で支持し、芯材21Bの第二範囲S2を第一穴32Bの内周及び第二穴34Bの内周で支持する(
図4上段参照)。更に、第一支持材31及び第二支持材33は、芯材21Cの第二範囲S2を第一穴32Cの内周及び第二穴34Cの内周で支持し、芯材21Dの第二範囲S2を第一穴32Dの内周及び第二穴34Dの内周で支持する(
図4下段参照)。
【0025】
第一支持材31には、第一穴32と同一方向に第一支持材31を貫通する開口35が設けられる(
図3,4参照)。換言すれば、第一支持材31には、厚さ方向に第一支持材31を貫通する開口35が設けられる。四華花10では、第一支持材31には、4個の開口35が第一支持材31の4個の外縁に各1個設けられている。開口35の形成に際し、台座30の素材となる紙の第一支持材31に対応する部分では、開口35が設けられる範囲がこの開口35と隣接する外周壁の側壁の側に切り起こされる。実施形態では、前述の切り起こされた部分を「切り起こし片36」という。台座30では、切り起こし片36は、前述の外周壁の側壁と連続した状態で、第一支持材31より厚さ方向の第
三側に突き出す。四華花10では、台座30の外周壁の各側壁を正視した場合、切り起こし片36によって、この切り起こし片36に対応する開口35を隠すことができる。
【0026】
開口35は、厚さ方向の第三側から台座30を見た場合、1個の開口35を通して4個の第二穴34の一部又は全部を視認できる大きさ(形状)とするとよい。四華花10では、台座30を厚さ方向の第三側から見た場合、1個の開口35から少なくとも次の2個の第二穴34を視認することができる。前述の2個の第二穴34は、前述の1個の開口35が設けられた外縁と同じ側となる第二支持材33の外縁に沿って設けられた2個の第二穴である。但し、四華花10では、4個の開口35を通して、台座30の厚さ方向の第三側から第二支持材33上の4個の第二穴34の全てを視認することができる。
【0027】
<本実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0028】
(1)四華花10は、紙製の造花20と、紙製の台座30を備える(
図1参照)。造花20は、台座30に立てられる。造花20は、紙製で且つ棒状の芯材21と、紙製の巻き付け材22を含む(
図2参照)。巻き付け材22は、複数の切り込み23が長手方向に所定の間隔で設けられる。切り込み23は、短手方向の第一側端から第二側に延びる。巻き付け材22は、短手方向の第二側の縁部分25が長手方向に繋がった長尺の形状を有する。巻き付け材22は、巻き付け材22の裏面の縁部分25に接着層を含む。巻き付け材22は、縁部分25で、芯材21の第一範囲S1に、巻き付け材22の裏面が芯材21の外周面の側となる状態で螺旋状に巻き付けられる。そのため、葬具としての四華花を紙製の四華花10とすることができる。四華花10の燃焼に伴う環境負荷を低減することができる。
【0029】
(2)台座30は、第一支持材31と、第二支持材33を含む(
図3,4参照)。第一支持材31には、芯材21が差し込まれる第一穴32が設けられる。第二支持材33には、芯材21が差し込まれる第二穴34が設けられる。台座30は、第一支持材31を天井壁とし、第二支持材33を上げ底壁とする、箱形の形状を有する。第一穴32は、厚さ方向に第一支持材31を貫通する。第二穴34は、厚さ方向に第二支持材33を貫通する。四華花10では、第一支持材31及び第二支持材33は、芯材21の第二範囲S2を第一穴32の内周及び第二穴34の内周で支持する。そのため、造花20を2箇所で台座30に支持することができる。造花20の倒れを防止することができる。
【0030】
(3)第一支持材31には、第一穴32と同一方向に第一支持材31を貫通する開口35が設けられる(
図3,4参照)。そのため、第二穴34への芯材21の差し込みを目視で確認しつつ行うことができる。造花20と台座30の組み立てをスムーズに行うことができる。
【0031】
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では、上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は、適宜省略する。
【0032】
(1)造花20では、芯材21を紙製とした。造花では、芯材は、紙とは異なる可燃材によって形成されてもよい。例えば、芯材は、木製又は竹製としてもよい。芯材が木製又は竹製である四華花でも、紙製の四華花10と同様、この四華花の燃焼に伴う環境負荷を低減することができる。なお、芯材が木製又は竹製である場合であっても、四華花では、巻き付け材22及び台座30は、紙製とされる。従って、このような四華花も、四華花10と同様、紙製四華花ということができる。
【0033】
(2)台座30は、第一支持材31を天井壁とし、第二支持材33を上げ底壁とする、箱形の形状を有する(
図3,4参照)。第二支持材は、上げ底壁ではない、底壁であってもよい。つまり、台座は、第一支持材31を天井壁とし、第二支持材を底壁とする、箱形の形状としてもよい。即ち、台座では、第二支持材は、第一支持材31とは反対側となる外周壁の端側に設けるようにしてもよい。換言すれば、第二支持材は、厚さ方向の第四側端に設けるようにしてもよい。
【0034】
この他、台座は、支持材を1枚又は3枚以上含む、箱形の形状としてもよい。例えば、台座は、第一支持材31に対応する1枚の支持材を含む、箱形の形状としてもよい。この場合、1枚の支持材は、肉厚の形状とするとよい。台座では、第一支持材31及び第二支持材33は、省略してもよい。この場合、台座は、例えば、柱状の形状としてもよい。柱状の台座は、例えば、厚紙又は段ボールを積層して形成することができる。柱状の台座には、芯材21が差し込まれる穴を台座30と同様の配置でこの台座の平面(上面)に設けるようにしてもよい。また、第一支持材では、第一穴32は、省略してもよい。第二支持材では、第二穴34は、省略してもよい。この場合、芯材は、後端を尖った形状とするとよい。造花は、例えば、第一支持材及び第二支持材に突き刺される。
【0035】
(3)台座30では、4個の開口35が第一支持材31の4個の外縁に各1個設けられる(
図3,4参照)。台座では、第一支持材に設けられる開口の数及び配置は、台座30とは異なる態様としてもよい。例えば、1個の開口を第一支持材の中央に設けるようにしてもよい。第一支持材に設ける開口の数及び配置は、諸条件を考慮して適宜決定される。台座では、開口35は、省略してもよい。この場合、切り起こし片36も、省略してもよい。
【0036】
この他、台座では、外周壁に開口を設けるようにしてもよい。外周壁に設けられた開口から、第二穴34への芯材21の差し込みを目視にて確認することができる。台座では、第一支持材に開口を設け、更に、外周壁に開口を設けるようにしてもよい。外周壁に対して開口を設ける位置は、諸条件を考慮して適宜決定される。例えば、外周壁が4個の側壁によって形成される場合(
図1,3参照)、開口は、4個の側壁のうちの一部の側壁又は全ての側壁に設けられる。
【符号の説明】
【0037】
10 四華花、 20 造花、 21,21A,21B,21C,21D 芯材
22 巻き付け材、 23 切り込み、 24 短冊片、 25 縁部分
30 台座、 31 第一支持材、 32,32A,32B,32C,32D 第一穴
33 第二支持材、 34,34A,34B,34C,34D 第二穴、 35 開口
36 切り起こし片、 L 軸心、 P 位置、 R 後端、 S1 第一範囲
S2 第二範囲、 T 先端