(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】巻回型リチウムイオン電池の電極シート及び電池セル並びにその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0587 20100101AFI20220831BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20220831BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20220831BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20220831BHJP
【FI】
H01M10/0587
H01M4/13
H01M4/139
H01M50/538
(21)【出願番号】P 2020543688
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2019076424
(87)【国際公開番号】W WO2020015362
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】201821157398.X
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810806185.3
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821155582.0
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520145160
【氏名又は名称】レプト・バッテロ・エナジー・カンパニー・リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】520145171
【氏名又は名称】上▲海▼瑞浦青▲創▼新能源有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】曹 ▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】侯 ▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲嬋▼
(72)【発明者】
【氏名】余 招宇
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 思
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲微▼
(72)【発明者】
【氏名】姜 森
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106058137(CN,A)
【文献】国際公開第2016/076109(WO,A3)
【文献】中国特許出願公開第101714624(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102569721(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0124694(US,A1)
【文献】特開2016-139596(JP,A)
【文献】特開2014-167890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/05-10/0587
H01M4/00-4/62
H01M50/50-50/598
H01M10/00-10/04、
H01M10/06-10/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回型リチウムイオン電池の電極シートであって、電極シート本体と前記電極シート本体に設置された少なくとも1組のタブを備え、各組のタブは複数対のタブを備え、前記複数対のタブにおける各対のタブの2つのタブの幅は等しく、各対のタブにおける2つのタブの間の間隔は等しく、各対のタブの間の間隔は等しく且つタブの幅は順次にπΔtで増加し、Δtは前記リチウムイオン電池の電池セルの正極シートと、負極シートと、および2層のセパレータの厚さの和であることを特徴とする巻回型リチウムイオン電池の電極シート。
【請求項2】
各対のタブにおける2つのタブの間の間隔L1は5mm≦L1≦280mmを満たすことを特徴とする請求項
1に記載の電極シート。
【請求項3】
各対のタブの間の間隔L2は5mm≦L2≦280mmを満たすことを特徴とする請求項
1に記載の電極シート。
【請求項4】
前記電極シート本体の表面にすべて電極材料が塗布されることを特徴とする請求項
1に記載の電極シート。
【請求項5】
前記少なくとも1組のタブの最後ペアのタブにおける2つのタブの幅は等しくないことを特徴とする請求項
1に記載の電極シート。
【請求項6】
各組のタブの、次の組のタブに隣接する最後ペアのタブの幅は等しくないことを特徴とする請求項
1に記載の電極シート。
【請求項7】
請求項
1から
6のいずれか一項に記載の電極シートを巻回してなる電池セルであって、電池セル本体と2つの電極を備え、前記電池セル本体は前記電極シート本体を巻回してなり、各前記電極は前記少なくとも1組のタブを順に積層して形成されることを特徴とする電池セル。
【請求項8】
各前記電極は対向するように設置された2つの半電極を備え、各半電極は各対のタブのいずれか一対を積層してなり、各前記半電極におけるタブの幅は前記電池セルの内輪から外輪へ順次に増加し、各前記半電極は中心に関して対称となることを特徴とする請求項
7に記載の電池セル。
【請求項9】
請求項
1に記載の電極シートの製造方法であって、各組のタブに対して2つのカット金型を用いて前記電極シート本体に対してダイカットを行うことで前記複数対のタブを得て、1つのカット金型の長さは前記複数対のタブにおける2つのタブの間の間隔と等しく、もう一つのカット金型の長さは各対のタブの間の間隔と等しいことを特徴とする電極シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池の技術分野に属し、具体的には、巻回型リチウムイオン電池の電極シート及び電池セル並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池の分野において、従来技術から見れば、電池セルの製造方法として積層法と巻回法という2種類がある。そして、巻回法を用いると、より優れた電池性能とより速いタクトタイムを実現することができる。フルタブ構造に対しては、巻回型マルチタブ電池の電極シートの構造はより高いエネルギー密度と生産効率を有する。そのため、当業界では、巻回の製造方式と複数タブ端子の電極シートの構造を使用することが望ましい。しかし、電極シートを巻く過程に、各巻きごとに電極シートの周長がますます長くなり、タブの位置を揃えるために、巻き数に応じてそれぞれのタブ間の距離を拡大させる必要がある。タブ間の間隔は一般的にカット金型を用いてダイカットで形成され、1回のダイカットで形成した間隔はカット金型の長さと等しい。金属カッタダイスの長さは間隔の増加に応じて変化できないため、タブ及びその間の間隔を形成するために一般的に2回のダイカットが行われる。このように、タブ間の間隔が漸増する要求を満すが、新な問題をもたらしてしまう。1つの問題としては、2回でダイカットを行う時にカット金型の振れによって完全に揃うことができないため、電極シートには段差や鋭いバリが形成されることがあり、よって電池の自放電を増加させ、短絡までも引き起こし、安全上の危険がある。もう1つの問題としては、この影響を解消するために一般的にダイカットが行われた縁部には、絶縁するためのセラミックス材料を塗布するようにし、それでコストの増加を引き起こし、電池のエネルギー密度を低減させる。
【0003】
図1は従来技術における巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シート1の構成図である。
図1に示すように、電極シート1は電極シート本体10とその上における複数の突出するタブ11で構成される。2回のダイカットを行うことで、タブ11が電極シート本体10に接続される箇所に段差12が形成されてしまう。電極本体10には電極材料が塗布される。段差12による電池の自放電の影響を解消するために、タブ11が電極シート本体10に接続される箇所に絶縁するため、セラミックス材料13を塗布する必要があり、よってプロセスの複雑さを増やす。
【0004】
そのため、巻回法を用いるうえで、2回のダイカットでもたらす問題を解決できる電池の電極シートの構造、このような電極シートの構造を採用して形成した電池セルおよびリチウムイオン電池を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の方法における2回のダイカットで段差が形成されてしまうという問題を回避し、電池の自放電率を大幅に低減することができ、巻回型リチウムイオン電池の電極シート及び電池セル並びにその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明は、巻回型リチウムイオン電池の電極シートを提供し、前記電極シートは電極シート本体とそのうえに少なくとも2組のタブがあり、各組のタブは複数のタブを含み、前記複数のタブ間の間隔は同様であり、前記複数のタブの幅は順次に2πΔtで増加し、ここで、Δtは前記リチウムイオン電池の電池セルの正極シートと、負極シートと、及び2層のセパレータの厚さの和である。
【0007】
任意選択的に、前記少なくとも2組のタブのうちいずれかの第1組のタブにおいて隣接するタブ間の間隔と第2組のタブにおいて隣接するタブ間の間隔は同様である。
【0008】
任意選択的に、前記少なくとも2組のタブのうちいずれかの第1組のタブにおいて隣接するタブの間の間隔と第2組のタブにおいて隣接するタブの間の間隔は等しくない。
【0009】
任意選択的に、前記電極シート表面にすべて電極材料が塗布される。
【0010】
任意選択的に、前記少なくとも2組のタブにおける各組のタブ数は3~36個である。
【0011】
任意選択的に、前記少なくとも2組のタブにおける各組のうち、隣接するタブ間の間隔は10mm~400mmである。
【0012】
任意選択的に、前記少なくとも2組のタブの最後のタブの幅と最後から3番目のタブの幅は同様である。
【0013】
任意選択的に、各組のタブの、次の組のタブに隣接する最後のタブの幅と該組のタブの最後から3番目のタブの幅は同様である。
【0014】
本発明は、上記技術的課題を解決するために用いられる技術的解決手段は更に、上記電極シートが巻回された電池セルであってもよく、前記電池セルは、電池セル本体と2つの電極を備え、前記電池セル本体は前記電極シート本体を巻回してなり、各前記電極は各前記電極シートの前記少なくとも2組のタブを順に積層して形成されることを特徴とする。
【0015】
任意選択的に、各電極において各組のタブの各タブの幅が前記電池セル本体の内輪から外輪へ順次に増加する。
【0016】
任意選択的に、正極シートと負極シートを備え、前記電池セル本体は前記正極と前記負極の電極シート本体を備え、前記正極シートの少なくとも2組のタブと前記負極シートの少なくとも2組のタブはそれぞれ積層して1つの電極を形成する。
【0017】
任意選択的に、前記正極シートと負極シートの間に介在される2層のセパレータを更に備える。
【0018】
本発明は、上記技術的課題を解決するために用いられる技術的解決手段は更に、上記電極シートに基づく製造方法であってもよく、前記製造方法は、少なくとも2つのカット金型を用いて前記電極シート本体に対するダイカットを行い、前記少なくとも2組のタブを得て、各カット金型の長さは対応する組のタブにおける2つの隣接するタブの間の間隔と等しいことを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記技術的課題を解決するために用いられる技術的解決手段は更に、巻回型リチウムイオン電池の電極シートであってもよく、前記電極シートは電極シート本体と前記電極シート本体に設置された少なくとも1組のタブを備え、各組のタブは複数対のタブを備え、前記複数対のタブにおける各対のタブの2つのタブの幅は同様であり、各対のタブにおける2つのタブの間の間隔は同様であり、各対のタブの間の間隔は同様で且つタブの幅は順次にπΔtで増加し、ここで、Δtは前記リチウムイオン電池の電池セルの正極シートと、負極シートと、および2層のセパレータの厚さの和である。
【0020】
任意選択的に、各対のタブにおける2つのタブの間の間隔L1は5mm≦L1≦280mmを満たす。
【0021】
任意選択的に、各対のタブの間の間隔L2は5mm≦L2≦280mmを満たす。
【0022】
任意選択的に、前記電極シート本体表面にすべて電極材料が塗布される。
【0023】
任意選択的に、前記少なくとも1組のタブの最後ペアのタブにおける2つのタブの幅は等しくない。
【0024】
任意選択的に、各組のタブにおいて、次の組のタブに隣接する最後ペアのタブの幅は等しくない。
【0025】
本発明は、上記技術的課題を解決するために用いられる技術的解決手段は更に、上記電極シートが巻回された電池セルであってもよく、前記電池セルは、電池セル本体と2つの電極を備え、前記電池セル本体は前記電極シート本体を巻回してなり、各前記電極は前記少なくとも1組のタブを順に積層して形成されることを特徴とする。
【0026】
任意選択的に、各前記電極は対向するように設置された2つの半電極を備え、各半電極は各対のタブのいずれか一対を積層してなり、各前記半電極におけるタブの幅は前記電池セルの内輪から外輪へ順次に増加し、各前記半電極は中心に関して対称となる。
【0027】
任意選択的に、各組のタブに対して2つのカット金型を用いて前記電極シート本体に対するダイカットを行うことで前記複数対のタブを得て、ここでは、1つのカット金型の長さは前記複数対のタブにおける2つのタブの間の間隔と等しく、他のカット金型の長さは各対のタブの間の間隔と等しいことを特徴とする。
【0028】
本発明は、上記技術的課題を解決するために用いられる技術的解決手段は更に、上記電池セルを備えるリチウムイオン電池であってもよい。
【0029】
従来技術に比べて、本発明の利点は以下のとおりである。まず、本発明は、タブの間の間隔を一定させ、タブの幅を次第に変化させるという技術的解決手段を用いて、同じタブ及びその間の間隔に対して1回のダイカットを行うだけでよく、タブの間の間隔が漸増することによる2回のダイカットを回避し、よって2回のダイカットによる電極シートのバリ問題を回避し、電池の自放電の可能性を低下させる。次に、タブ本体に全体的に電極材料が塗布されるため、エネルギー密度が高く、鋭い段差が形成されることがなく、自放電率を低減させると共に安全性を向上させ、各組のタブにおいて隣接する組とのつなぎ部におけるタブの幅を微調整することで生産ラインの連続性を実現し、また、電極シートの厚さとセパレータの厚さが変わる時、従来のカット金型を依然として用いることができ、装置への投資コストを削減させる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下の実施例及びその図面によって本発明の特徴及び性能を更に説明する。
【
図1】従来技術における巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に基づく巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの構成図である。
【
図3】
図2に示す電極シートを製造する時の電極シートとカット金型との相対位置を示す図の一である。
【
図4】
図2に示す電極シートを製造する時の電極シートとカット金型との相対位置を示す図の二である。
【
図5】
図2に示す電極シートが巻回されたリチウムイオン電池の電池セルの構成図である。
【
図7】本発明の別の実施例に基づく、巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの構成図である。
【
図8】
図7に示す電極シートが巻回されたリチウムイオン電池の電池セルの構成図である。
【
図9】本発明の別の実施例に基づく、巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの構成図である。
【
図10】
図9に示す電極シートが巻回されたリチウムイオン電池の電池セルの構成図である。
【
図11】本発明の一実施例に基づく、巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの塗布構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の上記目的、特徴と利点を更に明確し且つ分かりやすくするために、以下、図面に合わせて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0032】
本発明を十分に理解するために、以下の記載において多くの詳細内容が説明されているが、本発明は、更にここでの説明と異なる別の態様によって実施することができるため、以下に開示された具体的な実施例に限定されるものではない。
【0033】
本願と特許請求の範囲に示すように、文脈によって明確に示さない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を特定するものではなく、複数形を含でもよい。一般的に、「備える」及び「含む」という用語は、明確に標示したステップ及び要素を含むことを示すためのものにすぎず、これらのステップと要素は、排他的な羅列を構成せず、方法又は装置は他のステップ又は要素も含でもよい。
【0034】
本発明の実施例を詳細に説明する際、説明の便宜上、部品構造を示す断面図は一般的な比例に従わず、局部拡大されており、前記概略図は例示的なものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するものではない。更に、実際の製造においては、長さ、幅及び深さの三次元空間寸法を含むべきである。
【0035】
説明の便宜上、ここでは、例えば「の下」、「下方」、「より低い」、「下」、「上方」、「上」などの空間関係用語を用いて、図面に示される1つの素子或いは特徴と他の素子或いは特徴との間の関係を説明する場合がある。理解すべきことは、これらの空間関係用語は、使用中又は操作中の部品の、図面に示される方向以外の他の方向を含むことを意図することである。例えば、図面における部品を反転させる場合、他の素子或いは特徴の「下方」又は「の下」又は「下」にある素子の方向は前記他の素子或いは特徴の「上方」に変更する。そのため、「下方」と「下」の例示的な用語は上と下という2つの方向を含んでもよい。部品は他の向き方向(90度回転し又は他の方向に位置する)を有するため、ここで使用される空間関係を説明する用語はそれに応じて解釈される。更に、理解すべきことは、1つの層が2層「の間」にあると説明する場合、それは前記2層の間にある唯一の層であってもよく、又はその間に介在する層が1つ又は複数存在してもよいことである。
【0036】
本願の文脈において、記載された第1特徴が第2特徴の「上」にある構造は第1特徴と第2特徴とが直接的に接触するように形成する実施例を含んでもよいし、別の特徴が第1特徴と第2特徴の間に形成する実施例を含んでもよく、このように第1特徴と第2特徴とが直接的に接触しない可能性がある。
【0037】
理解すべきことは、1つの部品が「他の部品の上にある」、「他の部品に接続される」、「他の部品に結合される」又は「他の部品と接触する」と説明する場合、それは直接的に該部品の上にあり、該他の部品に接続され又は結合され、該他の部品と接触してもよく、挿入部件が存在してもよいことである。これに対して、1つの部品が「直接的に他の部品の上にある」、他の部品「に直接的に接続される」、「に直接的に結合される」又は「と直接的に接触する」と説明する場合、挿入部件がない。同様に、第1の部品が第2の部品に「電気的に接続」又は「電気的に結合」されると説明する場合、該第1部品と該第2部品の間には電流を流す回路が存在する。該回路はコンデンサ、結合されるインダクタ及び/又は電流を流すことを許容するその他の部品を含んでもよく、ひいては導電部材の間に直接的な接触さえもない。
【0038】
図2は本発明の一実施例に基づく、巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの構成図である。
図2に示すように、本発明は、巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートを提供し、電極シート本体110と複数のタブ120を含み、複数のタブ120は少なくとも2組に分けられ、各組において各タブ120の幅は順次に2πΔtで増加し、隣接する2組のタブ120の幅が異なり、各組において隣接するタブ120の間の間隔は同様である。
【0039】
次の組において隣接するタブ120の間の間隔は前の組において隣接するタブ120の間の間隔は同様で又は同様ではない。
【0040】
各組におけるタブ120の数は3~36個である。
【0041】
各組において隣接するタブ120の間の間隔は120mm~400mmである。
【0042】
本実施例において、該電極シート本体110は長尺帯状であり、電極シート本体110と複数のタブ120を備える。電極シート本体110の1つの長辺において一定の間隔をおいて上方へ突出する長方形タブ120がある。該複数のタブ120は少なくとも2組に分けられることが可能であり、各組のタブ120は複数のタブ120を含み、各組における複数のタブ120の間の間隔は同様であり、該複数のタブ120の幅は順次に2πΔtで増加する。ここで、Δtは2層のセパレータと、正極シートと、および負極シートの厚さの和である。このように設置される理由は、本実施例の電極シート100を用いて巻回してリチウムイオン電池の電池セルを形成する場合、2層の電極シート100と2層のセパレータが交互に積層された後巻回されてもよく、形成された電池セルは正極シートと負極シートを備える。そのため、1巻きごとに巻回すると、電池セルの周長は2πΔtで増加し、タブ120の幅を2πΔtで増加させることによって1巻きごとのタブ120がその中心軸に沿って整列させることができ、タブの幅は電池セルの内輪から外輪へ順次に増加する。その中のセパレータは選択的な透過膜であり、リチウムイオンの通過を許容するが、電子の通過を許容せず、正負極シートの間に配置され、正負極シートが直接的に接触することによる短絡を防止する。また、外部が短絡し又は高温にある場合、セパレータが収縮し、リチウムイオンの通路を閉鎖し、更る反応を阻止し、リチウムイオン電池の安全性を保証する。
【0043】
いくつかの実施例において、該少なくとも2組のタブ120におけるいずれかの第1組のタブにおいて隣接するタブの間の間隔と第2組のタブにおいて隣接するタブの間の間隔は等しい。
【0044】
他の実施例において、該少なくとも2組のタブ120におけるいずれかの第1組のタブにおいて隣接するタブの間の間隔と第2組のタブにおいて隣接するタブの間の間隔は等しくない。
【0045】
いくつかの実施例において、電極シート100表面にすべて電極材料を塗布し、タブ120と電極シート本体110との接続部に追加的に絶縁材料を塗布する必要はない。
【0046】
いくつかの実施例において、各組におけるタブ120の数は3~36個であってもよい。
【0047】
いくつかの実施例において、各組において隣接するタブ120の間の間隔は10mm~400mmである。
【0048】
いくつかの実施例において、各組のタブ120において、それに含まれる複数のタブ120の幅が順次に2πΔtで増加する一方、各組のタブ120の最後のタブの幅は特別に設定される。すなわち、各組のタブ120における最後のタブの幅と該組のタブにおける最後から3番目のタブの幅は同様である。例を挙げて説明すると、仮に電極シート本体110に2組のタブが設置され、第1組のタブは5個のタブを備え、第2組のタブは3個のタブを備える。すると、第1組のタブにおける最初の4つのタブの幅は順次に2πΔtで増加し、第1組のタブにおける5番目のタブの幅と第1組のタブにおける3番目のタブの幅は同様である。すなわち、第1組のタブにおける5番目のタブの幅は4番目のタブの幅に比べて増加していないが、逆に減少している。同様に、第2組のタブにおける最初の2つのタブの幅は順次に2πΔtで増加し、第2組のタブにおける3番目のタブの幅と第2組のタブにおける1番目のタブの幅は同様である。すなわち、第2組のタブにおける3番目のタブの幅は2番目のタブの幅に比べて増加していないが、逆に減少している。理解すべきことは、これらの実施例では、各組における最後のタブの幅の設定を強調し、これらの組におけるタブ120はその前又はその後に隣接する他の組のタブ120があってよいことである。
【0049】
いくつかの実施例において、各組のタブ120において、それに含まれる複数のタブ120の幅が順次に2πΔtで増加する一方、各組のタブ120において次の組のタブ120に隣接する最後のタブの幅は特別に設定される。すなわち、各組のタブ120において次の組のタブ120に隣接する最後のタブの幅と該組のタブ120における最後から3番目のタブの幅は同様である。理解すべきことは、これらの実施例では次の組の隣接する組のタブ組がある状況を強調することである。
【0050】
各組における最後のタブの幅及び/又は各組において次の組のタブに隣接する最後のタブの幅を特別に設定する目的は電極シート100の製造の連続性を保証することである。具体的には、各組のタブ120において複数のタブ120の幅を順次に2πΔtで増加させ、及び該組のタブ120における最後のタブの幅と該組のタブにおける最後から3番目のタブの幅を等しくする方法は後述において説明する。
【0051】
好ましい実施例において、該複数のタブ120は2組に分けられ、すなわち、N=2である。
【0052】
図2に示すように、第1組のタブは5個、第2組のタブは3個、第1組のタブの幅は14.00mmから19.20mmまで順次に増加し、第2組のタブの幅は17.47mmから15.73mmまで順次に増加し、第1組のタブの間の間隔は160.09mmであり、1番目のカット金型の長さと等しく、第2組のタブの間の間隔は167.03mmであり、2番目のカット金型の長さと等しく、全ての距離はカット金型を用いて1回のみのダイカットで成形する。
【0053】
図2に示すタブ1215は、第1組121の最後のタブであるため、本来は19.20mmより大きくなるはずであるが、ここで17.47mmに微調整しており、このように2番目のカット金型が正確に接続できることを保証し、累積誤差をゼロにし、タブ1221は第2組122の1番目のタブであり、第1組の2番目のタブ1212と等しく、タブの変化規則は第1組と同様であり、タブ1223は第2組の最後のタブであり、本来は寸法が19.20mmであるはずであるが、現在15.73mmに微調整しており、このようにB1+B2=167.03mmとなるように保証する。
【0054】
そして、電極シートを連続生産する過程に、B1は前の電極シートにおける最後のタブと外端部との距離であり、B2は次の電極シートにおける1番目のタブと外端部との距離である。B1とB2は同じカット金型で切り出されたものである。本実施例において、B1とB2はいずれも2番目のカット金型で切り出されたものであるため、B1とB2の和は2番目のカット金型の長さと等しい。
【0055】
図2に示す好ましい実施例において、電極シート本体110には計8個のタブが設置され、この8個のタブ120は2組に分けられ、第1組121は5個のタブ(1211~1215)を備え、第2組122は3個のタブ(1221~1223)を備える。本実施例において、Δt=0.276mmである。第i組第j個のタブの幅をW
ijとし、第1組121における1番目のタブ1211の幅をW
11とし、第1組121における他のタブの幅は順次に2πΔtで増加し、第2組122における1番目のタブ1221の幅はW
21であり、第2組122における他のタブの幅は順次に2πΔtで増加する。
【0056】
電極シート100に対するダイカットを行う時、カット金型の位置は固定され、電極シート100を移動させることでカット金型を用いてそれに対するダイカットを行う。この好ましい実施例において、電極シート100の移動方向は
図2における第1方向D1に示される。該電極シート100に対するダイカットを行う過程に、2つの長さが異なるカット金型はそれぞれ2組のタブに対応し、ここで、1番目のカット金型の長さは第1組121における各タブの間の間隔S1と等しく、2番目のカット金型の長さは第2組122における各タブの間の間隔S2と等しい。
【0057】
図3は
図2に示す電極シート100を製造する時の電極シート100とカット金型との相対位置を示す図である。
図3に示すように、
図2に示す好ましい実施例における電極シート100を製造する時に2つのカット金型を用いる必要があり、それぞれ1番目のカット金型K1と2番目のカット金型K2であり、ここで、1番目のカット金型K1の長さは第1組121における各タブの間の間隔S1と等しく、2番目のカット金型K2の長さは第2組122における各タブの間の間隔S2と等しい。電極シート100に対するダイカットを行う時、1番目のカット金型K1と2番目のカット金型K2の位置は固定され、2つのカット金型の間の間隔はDである。ダイカットを行う過程において、電極シート100を第1方向D1に示される方向に沿って適切な位置に移動し、更に1番目のカット金型K1又は2番目のカット金型K2を用いて電極シート100に対するダイカットを行うことで必要なタブの幅及びタブの間の間隔を得る。
【0058】
電極シート100に対するダイカットの方式は2つのカット金型の間の間隔Dに関連する。
図3は該距離Dが第1組121における1番目のタブ1211の幅より小さい場合の模式図である。
図4は該距離Dが第1組121における1番目のタブ1211の幅より大きい場合の模式図である。以下、それぞれ
図3と
図4に合わせて
図2に示す電極シート100の製造方法を説明する。
【0059】
図3に示すように、この時2つのカット金型の間の間隔Dは第1組121における1番目のタブ1211の幅より小さい。理解すべきことは、
図3に示す電極シート100は既にダイカットを完了して2組のタブが形成された電極シート100であり、実際にダイカットを行う前、電極シート100にはこれらのタブが形成されていないことである。ここで、第i組第j個のタブの幅はW
ijとし、タブの組数はNとする。本実施例において、i≦2、j≦5、第1組は計5個のタブを有し、第2組は計3個のタブを有し、N=2である。具体的には、電極シート100の製造方法は、以下のステップS301~S317を含む。
S301、1番目のカット金型K1を用いて電極シート100の一端において長さがB2である間隔に切り出し、
ここで、B2は該電極シート100における1番目のタブと外端部との距離であり、電極シート100を第1方向Dに沿って移動するため、電極シート100において第1組121における1番目のタブ1211は該電極シート100における1番目のタブである。
なお、
図3は電極シート100の最右端において長さがB2である間隔に切り出すことを示し、別の実施例において電極シート100の最左端においてこの間隔に切り出してもよく、また電極シートの移動方向は第1方向D1に逆方向である。
S302、第1組121における1番目のタブ1211の右側を2番目のカット金型K2の左側に整列させる。
S303、i=1、j=1とする。
S304、電極シート100を第1方向D1に沿って前方へW
ij-Dの距離だけ移動させた後停止させる。
S305、1番目のカット金型K1を用いて電極シート100に対するダイカットを行い、幅がW
ijである第i組第j個のタブを得る。
S306、j=j+1とする。
S307、電極シート100を第1方向D1に沿って前方へW
ij+S1の距離だけ移動させた後停止させる。
S308、第i組の最後のタブの右側を切除するまで、ステップS305~S307を繰り返し、この時第1組121の最初の4つのタブが既に形成され、j=5である。
S309、電極シート100を第1方向D1に沿って前方へS1+S2+D+W
15の距離だけ移動させた後停止させる。
S310、2番目のカット金型K2を用いて電極シート100に対するダイカットを行い、幅がW
15である第1組の5番目のタブを得る。
S311、i=i+1、j=1とする。
S312、電極シート100を第1方向D1に沿って前方へW
ij+S2の距離だけ移動させた後停止させる。
S313、2番目のカット金型K2を用いて電極シート100に対するダイカットを行い、幅がW
ijである第i組第j個のタブを得る。
S314、j=j+1とする。
S315、第i組の最後のタブ1223の左側を切除するまで、ステップS313~S315を繰り返し、この時、最後のタブ1223の左側と該電極シート100の最も左端との距離はB1であり、
ここでB1は電極シート100における最後のタブと外端部との距離であり、本実施例において、該最後の組のタブは第2組122における最後のタブ1223である。
S316、電極シート100を分断する。
S317、ステップS301に戻って次の電極シート100に対するダイカットを開始する。
【0060】
図4に示すように、この時2つのカット金型の間の間隔Dは第1組121における1番目のタブ1211の幅より大きく、2番目のカット金型K2の幅S2と第1組121における1番目のタブ1211の幅の和より小さく、すなわち、W
11≦D<W
11+S2。具体的には、電極シート100の製造方法は、
1番目のカット金型K1を用いて電極シート100の一端において長さがB2である間隔に切り出すステップS401と、
i=1、j=1とするステップS402と、
電極シート100の最も右端を1番目のカット金型K1の右端からB2+W
ijの距離を離れた位置に移動させた後停止させるステップS403と、
1番目のカット金型K1を用いて電極シート100に対するダイカットを行い、幅がW
ijである第i組第j個のタブを得るステップS404と、
j=j+1とするステップS405と、
電極シート100を第1方向D1に沿って前方へW
ij+S1の距離だけ移動させた後停止させるステップS406と、
第i組の最後のタブの右側を切除するまで、ステップS404~S406を繰り返し、この時第1組121の最初の4つのタブが既に形成され、j=5であるステップS407と、
電極シート100を第1方向D1に沿って前方へS1+S2+D+W
ijの距離だけ移動させた後停止させるステップS408と、
2番目のカット金型K2を用いて電極シート100に対するダイカットを行い、幅がW
15である第1組の5番目のタブを得るステップS409と、
i=i+1、j=1とするステップS410と、
電極シート100を第1方向D1に沿って前方へW
ij+S2の距離だけ移動させた後停止させるステップS411と、
2番目のカット金型K2を用いて電極シート100に対するダイカットを行い、幅がW
ijである第i組第j個のタブを得るステップS412と、
j=j+1とするステップS413と、
第i組の最後のタブの右側を切除するまで、ステップS412~S413を繰り返し、本実施例において、本ステップを実行した後、第2組122の最初の2つのタブが既に形成され、j=3であるステップS414と、
電極シート100を第1方向D1に沿って前方へW
11+W
ij+S2-Dの距離だけ移動させるステップS415と、
1番目のカット金型K1を用いて電極シート100に対するダイカットを行うステップS416と、
電極シート100を第1方向D1に沿って前方へD-W
11の距離だけ移動させた後停止させるステップS417と、
2番目のカット金型K2を用いて電極シート100に対するダイカットを行うステップS418と、
電極シート100を分断し、電極シート100を第1方向D1に沿って前方へS1+W
11+W
12-Dの距離だけ移動させるステップS419と、
ステップS402に戻って次の電極シートに対するダイカットを開始するステップS420と、を含む。
【0061】
2つのカット金型の間の間隔Dが更に大きくなる場合、上記ステップS415~S418に応じて対応的な調整を行い、よって電極シート100の製造過程において巻き戻すような操作がないようにする。
【0062】
図3と
図4は本発明の例示的な模式図であり、
図2に示す好ましい実施例において、2つのカット金型の位置が変化する場合、例えば、1番目のカット金型K1と2番目のカット金型K2の位置が互いに交換され、又は2つのカット金型の間の間隔Dが変化するなどの場合、類似する方法で電極シート100に対するダイカットを行う。
【0063】
いくつかの実施例において、電極シートは2組以上のタブを有する場合、各組のタブは1つのカット金型に対応する。これらの実施例の電極シートに対するダイカットを行う方法は上記内容に記載された方法を参照して調整することができる。
【0064】
図2に示す好ましい実施例において、製造の連続性を保証するために、更に各組のタブ120における最後のタブの幅を微調整することができる。具体的には、
図2に示す電極シート100において、第1組121における2つの隣接するタブの間の間隔はS1=160.09mmであり、第1組121における1番目のタブ1211の幅はW
11=14.00mmである。第1組121における他のタブの幅は順次に2πΔtで増加し、Δt=0.276mm、すなわち、W
12=15.73mm、W
13=17.47mm、W
14=19.20mm、W
15=20.93mmである。製造の連続性を保証するために、第1組121における最後のタブ1215に対するダイカットの時、最後のタブ1215の幅と第1組121における最後から3番目のタブの幅を等しくし、すなわち、W
15=W
13=17.47mmである。そうすることで、第1組121における最後のタブ1215と第2組122における1番目のタブ1221の間の間隔と2番目のカット金型K2の長さS2を等しくすることができ、よって1番目のカット金型K1から2番目のカット金型K2への切替を実現する。
【0065】
類似的に、第2組122における2つの隣接するタブの間の間隔はS2=167.03mmであり、第2組122における1番目のタブ1221の幅はW21=15.73mmである。第2組122における他のタブの幅は順次に2πΔtで増加し、すなわち、W22=17.47mm、W23=19.20mmである。製造の連続性を保証するために、第2組122における最後のタブ1223に対するダイカットを行う時、最後のタブ1223の幅と第2組122における最後から3番目のタブの幅を等しくし、すなわち、W23=W21=15.73mmである。そうすることで、電極シート100における最後のタブ1223と外端部との距離B1と連続生産中のダイカットを行うべき次の電極シート100における1番目のタブ1211と外端部との距離B2の和と2番目のカット金型K2の長さS2を等しくすることができ、すなわち、B1+B2=S2である。その後、1番目のカット金型K1に切り替えて次の電極シート100における第1組の隣接するタブに対するダイカットを行う。同様に続いていく。
【0066】
理解すべきことは、外端部との距離B1及び外端部との距離B2に対するダイカットを行う時、1番目のカット金型K1を用いてもよく、このような実施例において、先ず2番目のカット金型K2から1番目のカット金型K1に切り替え、更に微調整によって電極シートの移動を制御し、B1+B2=S1とする必要があることである。
【0067】
タブの幅を微調整した後の電極シートは、加工と製造の過程に異なるカット金型の間のつなぎの正確性を保証することができる一方、更に該電極シートを用いて巻回してリチウムイオン電池の電池セルを形成する時、形成された各電極の複数のタブを中心に整列させることができ、2つの電極の間に一定の安全距離を保持する。
【0068】
図5は
図2に示す電極シート100が巻回されたリチウムイオン電池の電池セル200の構成図である。
図5に示すように、
図2に示す電極シートが巻回されたリチウムイオン電池の電池セルは電池セル本体210と2つの電極220を備え、電池セル本体210は電極シート本体110を巻回してなり、電極220は複数層のタブ120を積層してなり、複数層のタブ120の幅は中央から両側へ順に減少する。
【0069】
理解すべきことは、
図5における電池セル本体210は正極シートと負極シートを備え、その電極シートはいずれも
図2に示すものであることである。正極シートと負極シートを巻回した後それぞれ2つの電極220を形成する。
【0070】
図6A、6Bはそれぞれ
図5における領域Iと領域IIの部分拡大図であり、それぞれ該電池セル200の2つの電極220の構造を示し、ここで、1つは正極電極であり、もう1つは負極電極である。
図6Aと
図6Bに示すように、各電極220は各電極シートの少なくとも2組のタブ120を順に積層して形成される。各電極220において各組のタブ120の各タブの幅は該電池セル本体210の内輪から外輪へ順次に増加する。そのため、
図2に示す好ましい実施例における電極シート100を用いて巻回して電池セル200を形成する時、第1組121におけるタブは先ず順に積層され、タブの幅は該電池セル本体210の内輪から外輪へ順次に増加する。第1組のタブを巻回した後、続いて第2組のタブを巻回する時、第2組121における1番目のタブ1211の幅は第1組の122における最後のタブ1225の幅より小さいため、該電池セル200のタブの幅は先ず減少し、その後、電池セル本体210の外輪へ順次に増加する。このように設計する目的は、電池セル200の2つの電極220の間の間隔が安全距離の範囲にあるように保証するためである。
【0071】
理解すべきことは、電極シート100は2組以上のタブ120を有する場合、該電極シート100が巻回された電池セル200の2つの電極220において、各組のタブ120に対応して、タブの幅は電池セル本体210の内輪から外輪へ順次に増加することである。全ての電極シート100の巻回が終了するまで、1組のタブ120を巻回した後、次の組のタブ120の幅は先ず減少し、その後、電池セル本体210の外輪へ順次に増加する。
【0072】
いくつかの実施例において、1枚の電極シート100の表面に正極活物質を塗布することで正極シートを得ることができ、もう1枚の電極シート100の表面に負極活物質を塗布することで負極シートを得る。電池セル200の正極は正極シートの少なくとも2組のタブ120を積層して形成され、電池セル200の負極は負極シートの少なくとも2組のタブ120を積層して形成される。
図2に示す好ましい実施例に基づき作られた電極シート100、電池セル200の正極は正極シートにおける2組のタブ120を積層して形成され、電池セル200の負極は負極シートにおける2組のタブ120を積層して形成される。
【0073】
従来技術と比べてみると、本発明に係る充填領域はいずれも電極材料であるが、従来技術のプロセスにおいてセラミックス絶縁材料を塗布する領域を予備しなければならない。本発明は、エネルギー密度を向上させ、コストを削減することができ、従来のプロセスにおいてカット金型を用いて2回のダイカットが必要で、1つの鋭い段差が形成されることがあることに対して、本発明に係るタブの間の間隔はカット金型を用いて1回のダイカットで成形されるため、本発明は、この段差を回避し、電池の自放電率を低減させ、合格率を向上させることができる。
【0074】
従って、本発明を実施した後、隣接するタブの間に1回だけでダイカットするため、カット金型の摩耗を低減させ、電池の自放電率を低減させる。その上電極シートは全体的に電極材料によって塗布されることでプロセス複雑性を低下させるだけではなく、電池のエネルギー密度も向上させ、セラミックス塗布を不要することで製造コストを削減させる。N組のタブの方式では、組と組の間にプロセス誤差を本来の1/Nまで減らすことができ、プロセス精度を向上させ、装置に対する要求を低減させ、合格率を向上させ、また、タブの幅を微調整することで生産ラインの連続性を実現するとともに、電極シートの厚さとセパレータの厚さを変わった後でも、従来のカット金型を用いることができ、装置への投資コストを削減させる。
【0075】
図7は本発明の別の実施例に基づいて、巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シート300の構成図である。
図7に示すように、本実施例の電極シート300は電極シート本体310と電極シート本体310に設置された少なくとも1組のタブ320を備える。各組のタブ320は複数対のタブを備え、各対のタブの2つのタブの幅は同様であり、各対のタブにおける2つのタブの間の間隔L1は同様であり、各対のタブの間の間隔L2は同様で且つタブの幅は順次にπΔtで増加し、ここで、Δtはリチウムイオン電池の電池セルの正極シートと、負極シートと、および2層のセパレータの厚さの和である。各組においてタブの数は5~80個である。
【0076】
いくつかの実施例において、該少なくとも1組のタブ320における複数対のタブの幅は同様である以外、更に例外状況を含み、すなわち、該少なくとも1組のタブ320における最後ペアのタブにおける2つのタブの幅は等しくなくてもよい。
【0077】
いくつかの実施例において、該少なくとも1組のタブ320における複数対のタブの幅は同様である以外、更に例外状況を含み、すなわち、各組のタブ320において次の組のタブに隣接する最後ペアのタブの幅は等しくなくてもよい。
【0078】
理解すべきことは、これらの実施例において1組のタブにおける最後ペアのタブの幅を特別に設定する目的は電極シートの連続生産の過程に、次の組のタブに対するダイカットを行う時、異なるカット金型の間のスムーズなつなぎを保証するためであることである。
【0079】
いくつかの実施例において、電極シート本体310表面にすべて電極材料が塗布される。
【0080】
図7に示すように、好ましい実施例において、電極シート本体310には12個のタブ320が設けられ、12個のタブ320は1組に分けられ、該組には6対のタブを有し、各対における2個のタブの幅は同様であり、隣接する2対のタブのタブの幅は順に0.867mmで増加し、隣接する2対のタブの間の間隔はそれぞれ34.956mmであり、各対における2つのタブの間の間隔は8.522mmであり、生産ラインの連続性を保証するために、最後のタブの幅は該対における他のタブよりやや狭くなる。
【0081】
図7に示す電極シート300を製造する時、金属カット金型によるダイカットの方法を用いることができる。カット金型の位置は固定され、電極シート300を第1方向D1に沿って移動させ、電極シート100の移動距離は適切な距離に達した時、電極シート100の移動を停止させ、カット金型を用いて電極シート300に対するダイカットを行う。
【0082】
図7に示す電極シート300は1組のタブ320のみを備えるが、本方法は複数組のタブ320を有する電極シート300に用いることができる。この方法において、各組のタブ320に対して2つのカット金型を用いて電極シート本体310に対してダイカットを行うことで複数対のタブを得る。ここで、1番目のカット金型の長さは複数対のタブにおける2つのタブ320の間の間隔L1と等しく、2番目のカット金型の長さは各対のタブの間の間隔L2と等しい。
【0083】
以下、
図7に示す好ましい実施例の電極シート300の製造方法を詳細に説明し、該方法は、
W=4mmより小さいように2つのカット金型の距離をD=3mmに調整するステップS701と、
電極シートの一端を1番目のカット金型の先端に整列させるステップS702と、
プロセスカウントをcnt=0に設定するステップS703と、
電極シートを前へL1+L2+D=8.522+34.956+3=46.478mmだけ移動させるステップS704と、
2番目のカット金型を用いてダイカットを行うステップS705と、
電極シートを前へW+cnt×Δt-D=4+cnt×0.276-3の距離だけ移動させるステップS706と、
1番目のカット金型を用いてダイカットを行うステップS707と、
電極シートを前へW+cnt×Δtの距離だけ移動させるステップS708と、
プロセスカウントをcnt=cnt+1に設定するステップS709と、
終了するまでステップS704~S709過程を繰り返すステップS710と、を含む。
【0084】
ここで、Wは1番目のタブの幅であり、プロセスカウントはループカウンタの動作パラメータであり、L1は1番目のカット金型の長さであり、L2は2番目のカット金型の長さであり、L1≠L2である。
【0085】
上記方法において、1番目のカット金型の長さは、該組において各対のタブにおける2つのタブの間の間隔L1である。
図7に示す好ましい実施例において、L1=8.522mmである。いくつかの実施例において、各対のタブにおける2つのタブの間の間隔L1は5mm≦L1≦280mmを満たす。
【0086】
上記方法において、2番目のカット金型の長さは、該組において各対のタブの間の間隔L2である。
図7に示す好ましい実施例において、L2=34.956mmである。いくつかの実施例において、各対のタブの間の間隔L2は5mm≦L2≦280mmを満たす。
【0087】
図7に示す好ましい実施例において、Δt=0.276mmであり、
図2に示す好ましい実施例と同様である。
【0088】
理解すべきことは、2組以上のタブを有する電極シート300を製造する時、上記方法に類似する方法で各組のタブに対するダイカットを行い、相違点は1番目のカット金型と2番目のカット金型の長さが異なることであることである。異なる組のタブに対し、各組において各対のタブにおける2つのタブの間の間隔L1は1番目のカット金型の長さと等しく、各組において各対のタブの間の間隔L2は2番目のカット金型の長さと等しい。各組のタブに対して該組のタブに対応する1番目のカット金型と2番目のカット金型を用いて順にダイカットを行い、2組以上のタブを有する電極シートを得ることができる。
【0089】
図8は
図7に示す電極シート300が巻回されたリチウムイオン電池の電池セル400の構成図である。
図8に示すように、該電池セル400は電池セル本体410と2つの電極420を備え、各電極420はいずれも対向するように設置された2つの半電極421で構成され、2つの前記半電極421の間は間隔を有し、鏡面対称となる。各電極420は少なくとも1組のタブを順に積層して形成される。各半電極421は各対のタブのいずれか一対を積層してなる。
【0090】
電池セル本体410は電極シート本体310を巻回してなり、前記半電極421はタブ320を巻回してなる。前記半電極421において、タブの幅は電池セルの外輪から内輪へ順に減少し、中心に関して対称となる。
【0091】
具体的な巻回方法は以下のとおりである。
【0092】
まず、それぞれ2種類の電極シートを製造し、2種類の電極シートの表面にそれぞれ正極活物質と負極活物質を塗布した後、金属カット金型を用いてダイカットして複数のタブを得て、タブと間隔は電池セルの電力と動作に基づき柔軟に設計することができ、正極シートと負極シートを得て、正極シートのタブの幅が巻き数の増加に伴い順次に増加するように制御し、同じ巻きのタブの幅は同様であり、異なる巻きのタブの幅の差は等差数列であり、公差は0.867mm、公差=πΔtであり、ここで、Δtは正極シートの厚さ+負極シートの厚さ+2層のセパレータの厚さであり、負極シートのタブの幅の変化規則は正極と同様であり、同じ巻き数のタブの幅は同様であり、公差も正極と同様である。正負極の最初のタブの幅は電池セルの電流通過性能に基づき設計することができる。
【0093】
次に、正極シートと、負極シートとを2層のセパレータを介して交互に積層し、全ての電極シートのタブを同じ側に向けるように制御し、2回巻回した後成形し、巻回する時に以下のことに注意されたい。すなわち、タブの幅を決定した後、巻回の全体性を保証するために、1巻きごとに1対のタブを有する必要があり、1巻目の2つのタブの間の間隔と2巻目の2つのタブの間の間隔は同様であり、長さは34.956mmであり、同様に続いていく。1巻目の2番目のタブから2巻目の1番目のタブまでの距離と2巻目の2番目のタブから3巻目の1番目のタブまでの距離は同様であり、長さは8.522mmであり、同様に続いていき、各間隔は1回のダイカットで成形することができ、また、金属カット金型を用いてダイカットで成形する場合、2対のカット金型を必要とする。プロセスの連続性を保証する必要があるため、前の電池セルの電極シートと次の電池セルの電極シートが連続する必要がある。
【0094】
異なるタブと間隔の正負極シートを得た後、正負極シートは円形の巻回ピンにより、中間に2層のセパレータで仕切られて電池セルに巻回され、巻回した後タブは同じ側に位置する。電池セルの主な構造は
図8に示すように、第1層のセパレータと、負極シートと、第2層のセパレータと、正極シートとが巻回ピンを回って巻回された電池セルにおいて、正負極はそれぞれ2組のタブを有し、各組は複数のタブを有する。巻回された後、タブは巻回ピンに均一に分布し、ホットプレスを経た後に最終の電池セルを得る。電池は1巻きごとに2つの幅は同様であるタブを有するため、巻回された後に鏡面対称となり、従来の角形電池ABセルとは区画で若干の相違があり、このように巻回装置の機構配置を低減することができ、プロセスの簡便性を向上させる。
【0095】
図9は本発明の別の実施例に基づく巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シート500の構成図である。
図9に示すように、本実施例の電極シート500は電極シート本体510を含み、電極シート本体510には14個のタブ520が設けられ、2組に分けられる。第1組G1は10個のタブを有し、第2組G2は4個のタブを有する。第1組G1における10個のタブは5対に分けられ、各対における2個のタブの幅は同様であり、隣接する2対のタブのタブの幅は0.7mmで増加し、隣接する2対のタブの間の間隔はそれぞれ29.2mmであり、各対における2つのタブの間の間隔は5.6mmである。生産ラインの連続性を保証するために、第1組G1における最後のタブの幅は該対における他のタブより狭くなり、第2組G2における4個のタブは2対に分けられ、各対における2個のタブの幅は同様であり、隣接する2対のタブのタブの幅は0.7mmで増加し、隣接する2対のタブの間の間隔はそれぞれ32.7mmであり、各対における2つのタブの間の間隔は9mmである。生産ラインの連続性を保証するために、第2組G2における最後のタブの幅は該対における他のタブより狭くなる。
【0096】
図9に示すように、本実施例の電極シート500は電極シート本体510を備え、電極シート本体510には14個のタブ520が設けられ、2組に分けられる。第1組G1は10個のタブを有し、第2組G2は4個のタブを有する。
【0097】
第1組G1は5対、計10個のタブを備え、各対における2個のタブ520の幅は同様であり、隣接する2対のタブのタブの幅は順次にπΔt=0.7mmで増加し、ここで、Δt=0.223mmである。隣接する2対のタブの間の間隔G12は29.2mmであり、各対における2つのタブ520の間の間隔G11は5.6mmである。生産ラインの連続性を保証するために、第1組G1における最後のタブ520aの幅は該対における他のタブ520bより狭くなる。
【0098】
第2組G2は2対、計4個のタブを備え、各対における2個のタブ520の幅は同様であり、隣接する2対のタブのタブの幅は順次にπΔt=0.7mmで増加し、ここで、Δt=0.223mmである。隣接する2対のタブの間の間隔G22は32.7mmであり、各対における2つのタブ520の間の間隔G21は9mmである。生産ラインの連続性を保証するために、第2組G2における最後のタブ520cの幅は該対における他のタブ520dより狭くなる。
【0099】
図9に示す電極シート500を製造する時、
図7に示す好ましい実施例の製造方法を参照することができる。
図7に示す好ましい実施例の電極シート300との相違点は、電極シート500は2組のタブを有することである。そのため、該電極シート500を製造する時、2組のカット金型が必要であり、ここで、各組のカット金型は2つのカット金型を備える。第1組のカット金型における2つのカット金型の長さはそれぞれ第1組G1における2つのタブの間の間隔G11及び隣接する2対のタブの間の間隔G12に対応し、第2組のカット金型における2つのカット金型の長さはそれぞれ第2組G2における2つのタブの間の間隔G21及び隣接する2対のタブの間の間隔G22に対応する。電極シートに対するダイカットを行うことで
図9に示す電極シート500を得る時、順に該2組のカット金型を用いて電極シートに対するダイカットを行う。
【0100】
図10は
図9に示す電極シート500が巻回されたリチウムイオン電池の電池セル600の構成図である。
図10に示すように、本実施例の電池セル600は電池セル本体610と2つの電極620を備える。各電極620はいずれも対向するように設置された2つの半電極621で構成され、2つの前記半電極621の間は間隔を有し、鏡面対称となる。電池セル本体610は電極シート本体510を巻回してなり、前記半電極621はタブ520を巻回してなる。前記半電極621において、各組におけるタブの幅は外輪から内輪へ順に減少し、中心に関して対称であり、該組の巻回が終了した後、次の組のタブの幅は繰り返して外輪から内輪へ順に減少し、中心に関して対称となる。
【0101】
図10に示すように、本実施例の電池セル600は電池セル本体610と2つの電極620を備える。電池セル本体610は電極シート本体510を巻回してなる。理解すべきことは、該2つの電極620はそれぞれ正極電極と負極電極であることである。2つの電極620の間は一定の間隔距離を有し、よって該電池セル600の正負極が安全距離の外にあるように保証する。各電極620はいずれも対向するように設置された2つの半電極621で構成される。
【0102】
各半電極621はタブ520を巻回してなる。1組のタブが巻回された半電極621において、タブの幅は電池セル600の内輪から外輪へ順次に増加する。1組のタブを巻回した後、次の組のタブは第1組のタブに隣接するように巻回し続ける。次の組のタブにおける1番目のタブの幅は前の組における最後のタブの幅に比べて減少するため、該半電極621において、タブの幅は先ず減少し、その後、増加する。このように設計する目的は、電池セル600の2つの電極620の間の間隔が安全距離の範囲にあるように保証するためである。
【0103】
理解すべきことは、電極シート500は2組以上のタブ520を有する場合、該電極シート500が巻回された電池セル600の2つの電極620において、各組のタブ520に対応し、タブの幅は電池セル本体610の内輪から外輪へ順次に増加することである。全ての電極シート500の巻回が終了するまで、1組のタブ520を巻回した後、次の組のタブ520の幅は先ず減少し、その後、電池セル本体610の外輪へ順次に増加する。
【0104】
図11は本発明の一実施例に基づく巻回型リチウムイオン電池に用いられる電極シートの塗布構成の模式図である。
【0105】
図1に示す従来技術において、絶縁層13を塗布する必要があり、且つ鋭い段差12が形成されてしまう。本発明は、電極シートの塗布方式について、電極材料を全体的に塗布という方式を採用する。
図11は
図7に示す電極シート300を例として、電極シート本体310に全体的に電極材料を塗布できることを示し、エネルギー密度が高く、しかも鋭い段差がなく、自放電率を低減させ、安全性を向上させる。対応的に、別の実施例の電極シートに対して全体的に電極材料を塗布するという方式を用いてもよい。
【0106】
本願は、特定の用語で本願の実施例を説明する。例えば、「一つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも一つの実施例に関連する特徴、構造又は特性を意味する。そのため、強調して注意すべきことは、本明細書において2つ以上の異なる箇所で記載された「一実施例」又は「一つの実施例」又は「別の実施例」は必ずしも同じ実施例を指すとは限らないことである。更に、本願の1つ又は複数の実施例の幾つかの特徴、構造又は特性を適切に組み合わせることができる。
【0107】
本発明は、既に現在の具体的な実施例を参照しながら説明されているが、当業者にとって理解すべきことは、以上の実施例は本発明を説明するものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、様々な等価の変化又は変更を行うことができるため、本発明の実質的な趣旨範囲内における上記実施例の変化、変形はいずれも本願の特許請求の範囲に含まれるべきであることである。
【符号の説明】
【0108】
12 段差
13 絶縁層
100 電極シート
110 電極シート本体
120 タブ
200 電池セル
310 電極シート本体
320 タブ
410 電池セル本体
500 電極シート
510 電極シート本体
520 タブ
600 電池セル
610 電池セル本体
620 電極
621 半電極