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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】セラミック構成要素およびその形成方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/577 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
C04B35/577
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021055740
(22)【出願日】2021-03-29
(62)【分割の表示】P 2019516468の分割
【原出願日】2016-09-30
(65)【公開番号】P2021104928
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】522302585
【氏名又は名称】フィブン ノルゲ エーエス
【氏名又は名称原語表記】Fiven Norge AS
【住所又は居所原語表記】Nordheim, 4790 Lillesand, Norway
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ボッティリエーリ
(72)【発明者】
【氏名】ビダル・ヨハネセン
(72)【発明者】
【氏名】ナビル・ナハス
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ディー・ハートライン
【審査官】浅野 昭
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-227968(JP,A)
【文献】特開昭60-195057(JP,A)
【文献】特開昭57-160970(JP,A)
【文献】特開昭61-117159(JP,A)
【文献】特開2006-232659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/565-35/577
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体であって、
炭化ケイ素を含む第1の相と、
金属酸化物を含む第2の相であって、前記第2の相が、前記第1の相の粒境界に位置する離散粒間相である、第2の相と、を含み、
前記基体が、少なくとも700MPaの平均強度を含み
前記第1の相が、10ミクロン以下の最大粒径を含み、
前記第2の相、アルミニウム酸化物およびケイ素酸化物からなり
前記基体が、前記基体の総重量に対して少なくとも1重量%かつ10重量%以下の前記第2の相を含む、基体。
【請求項2】
前記基体が、前記基体の総重量に対して少なくとも70重量%かつ99重量%以下の前記第1の相を含み、前記第1の相が、アルファ相炭化ケイ素を含む、請求項1記載の基体。
【請求項3】
前記第1の相が、2ミクロン以下の平均粒径を有する、請求項1記載の基体。
【請求項4】
前記基体が、少なくとも700MPaかつ1200MPa以下の平均強度を含む、請求項1記載の基体。
【請求項5】
前記基体が、少なくとも0.0001ccかつ0.1cc以下を含む範囲内の平均摩耗値を含み、さらに前記基体が、少なくとも3.7MPa m1/2かつ7MPa m1/2以下の平均破壊靱性を含み、さらに前記基体が、少なくとも20GPaかつ40GPa以下の平均硬度(HV0.1kg)を含む、請求項1記載の基体。
【請求項6】
基体を形成する方法であって、
炭化ケイ素を含む第1の粉末材料、および
金属酸化物を含む第2の粉末材料、を含む粉末材料のブレンドを得ることと、
炭化ケイ素を含む第1の相と、
金属酸化物を含む第2の相であって、前記第2の相が、前記第1の相の粒境界に位置する離散粒間相である、第2の相と、を含む体を形成するために前記粉末材料のブレンドを焼結することと、を含み、
前記基体が、少なくとも700MPaの平均強度を含み
前記第1の相が、10ミクロン以下の最大粒径を含み、
前記第2の相、アルミニウム酸化物およびケイ素酸化物からなり
前記基体が、前記基体の総重量に対して少なくとも1重量%かつ10重量%以下の前記第2の相を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、炭化ケイ素を含む基体、かかる基体を形成するために使用される粉末材料のブ
レンド、およびかかる基体を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素を組み込んだある特定のセラミック複合基体を含む、様々な複合材料が市販
されている。炭化ケイ素系セラミック材料は、それらの耐火特性および/または機械的特
性のために多くの用途に利用されてきた。利用可能な炭化ケイ素系セラミックのタイプの
中には、例えば焼結炭化ケイ素、ホットプレス炭化ケイ素、および再結晶炭化ケイ素を含
む、特定の形成プロセスに基づく様々なタイプが存在する。様々なタイプの炭化ケイ素基
体の各々は、異なる特徴を有し得る。例えば、(Hexoloy(登録商標)などの)焼
結炭化ケイ素は、非常に高密度の材料であり得るが、一般に高価で製造が複雑である。他
方では、窒化物結合炭化ケイ素(NBSCおよびNSICなどの頭字語で知られている)
などのより費用効果が高いが比較的多孔質の炭化ケイ素材料は、耐火用途での実用性が見
出されている。かかる耐火性構成要素としては、焼成作業中に被加工物を保持または支持
することに関連して利用される炉または窯道具、ならびに耐火性ライニング材料が挙げら
れる。窒化物結合炭化ケイ素は、比較的多孔質の材料である傾向があり、多くの場合、約
10~約15体積%の範囲内の多孔度を有する。これらの構成要素は、炭化ケイ素および
ケイ素を含有する未焼成の基体から製造され、この未焼成の基体を窒素含有雰囲気中で1
,500℃程度の温度で焼結することから製造される。窒化物結合炭化ケイ素は望ましい
高温特性を有するが、残念ながら、その本来の多孔性にある程度起因して、酸化条件で使
用されると不良な酸化耐性の影響を被る。
【0003】
炭化ケイ素系材料の技術水準を考慮すると、当該技術分野において改善された材料が必
要である。
【発明の概要】
【0004】
一態様によれば、基体は、炭化ケイ素を含む第1の相と、金属酸化物を含む第2の相と
を含み、第2の相が、第1の相の結晶粒境界に位置する離散結晶粒間相であり、基体が、
少なくとも700MPaの平均強度を含む。
【0005】
別の態様では、基体は、炭化ケイ素を含み、2ミクロン以下の平均結晶粒径を有する第
1の相と、金属酸化物を含む第2の相とを含み、第2の相が、第1の相の結晶粒境界に位
置する離散結晶粒間相であり、基体が、(i)少なくとも1000/100ミクロンの画
像幅の第2の相の計数指数、(ii)少なくとも2000ピクセル//100ミクロンの
画像幅の第2の相の平均面積指数、(iii)少なくとも3.00ピクセルの第2の相
の平均サイズ指数、(iv)またはそれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つ
を含む。
【0006】
別の態様では、基体は、炭化ケイ素を含み、2ミクロン以下の平均結晶粒径を有する第
1の相と、金属酸化物を含む第2の相とを含み、第2の相が、離散結晶粒間相であり、第
2の相の大部分が、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重境界領域に位置する。
【0007】
なお別の態様では、基体を形成する方法は、(i)炭化ケイ素を含む第1の粉末材料お
よび(ii)金属酸化物を含む第2の粉末材料を含む粉末材料のブレンドを得ることを含
み、方法が、粉末材料のブレンドを焼結して、(i)炭化ケイ素を含む第1の相および(
ii)金属酸化物を含む第2の相を含む基体を形成することをさらに含み、第2の相が、
第1の相の結晶粒境界に位置する離散結晶粒間相であり、基体が、少なくとも700MP
aの平均強度を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に従った炭化ケイ素を含む基体を形成するためのフローチャートを含む。
図2】一実施形態に従った基体のおよそ一部分を拡大した走査型電子顕微鏡(SEM)画像を含む。
図3】一実施形態に従った基体の一部分のSEM画像を含む。
図4】一実施形態に従った基体の一部のSEM画像を含む。
図5A】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5B】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5C】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5D】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5E】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5F】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5G】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図5H】実施例に従って形成された試料から撮影した断面SEM画像を含む。
図6】実施例に従って形成された試料の、強度に対する第2の相の計数指数のプロットを含む。
図7】実施例に従って形成された試料の、強度に対する第2の相の平均面積指数のプロットを含む。
図8】一実施形態に従った平均結晶粒径を測定するために使用される6本の水平線を有するSEM顕微鏡写真を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下は、粉末材料のブレンド、炭化ケイ素を含む基体を形成する方法、および炭化ケイ
素を含む基体に関する。基体は、例えば、これらに限定されないが、耐火物、摺動構成要
素または耐摩耗構成要素(例えば、ベアリング、シール、バルブ)、機械的構成要素、耐
食構成要素などを含む、多様な用途で使用され得る、例えば炭化ケイ素を含むセラミック
材料を含み得る。
【0010】
図1は、一実施形態に従った炭化ケイ素を含む基体を形成するためのフローチャートを
含む。図に示されるように、プロセスは、粉末材料のブレンドを得ることを含むステップ
101で開始される。一態様によれば、粉末材料のブレンドは、炭化ケイ素を含む第1の
粉末材料と、金属酸化物を含む第2の粉末材料とを含み得る。ブレンドを得ることは、ブ
レンドを形成すること、または供給者からブレンドを調達することを含み得る。
【0011】
炭化ケイ素を含む第1の粉末材料は、本明細書の実施形態に記載のように、ある特定の
特徴を有する基体の形成を容易にする特定の平均粒径を有し得る。例えば、第1の粉末材
料は、1.3ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.8ミクロン以下、または
0.5ミクロン以下、または0.3ミクロン以下、または0.2ミクロン以下、または0
.1ミクロン以下などの、1.5ミクロン以下の平均粒径を有し得る。なお、非限定的な
一実施形態では、第1の粉末材料は、少なくとも0.05ミクロン、または少なくとも0
.08ミクロン、または少なくとも0.1ミクロン、または少なくとも0.2ミクロン、
または少なくとも0.3ミクロン、または少なくとも0.4ミクロン、または少なくとも
0.5ミクロンなどの、少なくとも0.01ミクロンの平均粒径を有し得る。第1の粉末
材料の平均粒径が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが
理解されるであろう。
【0012】
一実施形態によれば、第1の粉末材料はまた、基体の好適な加工および形成を容易にす
るように制御することができる特定の最大粒径を有し得る。最大粒径は、一般に、レーザ
ー光散乱粒径分析器を介して測定され、分析器からのデータを使用して、最大粒径である
粒径分布のD100値を同定する。一実施形態では、第1の粉末材料は、4.5ミクロン
以下、または4ミクロン以下、または3.5ミクロン以下、または3ミクロン以下、また
は2.5ミクロン以下、または2ミクロン以下、または1.5ミクロン以下、または1ミ
クロン以下、または0.8ミクロン以下、または0.5ミクロン以下、または0.2ミク
ロン以下などの、5ミクロン以下の最大粒径を有し得る。なお、非限定的な一実施形態で
は、第1の粉末材料は、少なくとも0.05ミクロン、または少なくとも0.08ミクロ
ン、または少なくとも0.1ミクロン、または少なくとも0.2ミクロン、または少なく
とも0.5ミクロン、または少なくとも0.8ミクロン、または少なくとも1ミクロン、
または少なくとも1.5ミクロン、または少なくとも2ミクロン、または少なくとも2.
5ミクロン、または少なくとも3ミクロン、または少なくとも3.5ミクロンなどの、少
なくとも0.01ミクロンの最大粒径を有し得る。第1の粉末材料の最大粒径が、上記の
最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0013】
一実施形態によれば、第1の粉末材料は、基体の好適な加工および形成を容易にするよ
うに制御することができる特定の組成物を有し得る。例えば、第1の粉末材料は、アルフ
ァ相炭化ケイ素を含み得る。より具体的には、少なくとも一実施形態では、第1の粉末材
料は、少なくとも82重量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも87重量
%、または少なくとも90重量%、または少なくとも92重量%、または少なくとも95
重量%、または少なくとも97重量%、または少なくとも99重量%のアルファ相炭化ケ
イ素などの、少なくとも80重量%のアルファ相炭化ケイ素を含み得る。少なくとも一実
施形態では、第1の粉末材料は、アルファ相炭化ケイ素から本質的になり得る。所与の材
料から本質的になる組成物への本明細書での言及は、組成物の特性に物質的に影響を及ぼ
さない、微量のまたは不純物としての含有量で他の材料を含み得る。例えば、材料の不純
物としての含有量の非限定的な例としては、組成物の総重量に対して0.08重量%以下
、または0.06重量%以下、または0.04重量%以下、またはさらには0.02重量
%以下などの、組成物の総重量に対して0.1重量%以下が挙げられる。
【0014】
さらに、一実施形態によれば、第1の粉末材料は、第1の粉末材料の総重量に対して2
0重量%以下、または第1の粉末材料の総重量の18重量%以下、または16重量%以下
、または14重量%以下、または12重量%以下、または10重量%以下、または8重量
%以下、または6重量%以下、または4重量%以下、または2重量%以下、または1重量
%以下、または0.5重量%以下、または0.1重量%以下などの、限定された含有量の
ベータ相炭化ケイ素を含み得る。一実施形態によれば、第1の粉末材料は、ベータ相炭化
ケイ素を本質的に含まない場合がある。所与の材料を本質的に含まない組成物への本明細
書での言及は、いくらかの微量なまたは不純物としての含有量の所与の材料を含み得る組
成物に対する言及であると理解されるであろう。
【0015】
特定の一実施形態では、第1の粉末材料は粒子で作製され、粒子の少なくとも一部分は
、粒子の外面の少なくとも一部分の上に重なっている酸化層を含み得る。特定の理論に束
縛されることを望まないが、第1の粉末材料の粒子上の酸化層の存在によって、本明細書
の実施形態に従った基体の好適な加工および形成を容易にし得ると思われる。酸化層は、
酸化物化合物を含み得る。一実施形態では、酸化層は、ケイ素を含み得る。例えば、酸化
層は、「x」が1~3の範囲内の値を有するSiOxなどの酸化ケイ素を含み得る。
【0016】
一実施形態によれば、酸化層は、第1の粉末材料の総重量に対して特定の含有量で存在
し得る。例えば、少なくとも一例では、酸化層は、少なくとも0.05重量%、または少
なくとも0.08重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.15重
量%、または少なくとも0.2重量%、または少なくとも0.3重量%、または少なくと
も0.5重量%などの、少なくとも0.01重量%の平均量で存在し得る。なお、別の非
限定的な例では、酸化層は、第1の粉末材料の総重量に対して、4重量%以下、または3
重量%以下、または2重量%以下、または1.5重量%以下、または1重量%以下などの
、5重量%以下の量で存在し得る。第1の粉末材料の総重量に対する酸化層の含有量は、
上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう
【0017】
少なくとも一実施形態では、酸化層を含む粒子の部分は、第1の粉末材料の粒子の総重
量の少なくとも10重量%を含み得る。なお他の例では、酸化層を含む粒子の百分率は、
第1の粉末材料の粒子の総重量に対して、少なくとも20重量%、または少なくとも30
重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも
60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なく
とも90重量%など、より高くてもよい。特定の一実施形態では、第1の粉末材料の本質
的にすべての粒子は、酸化層を含む。
【0018】
本明細書に記載のように、粉末材料のブレンドは、第1の粉末とは異なる第2の粉末材
料を含み得る。ある特定の例では、第2の粉末材料は、本明細書の実施形態に従った基体
の好適な加工および形成を容易にするように制御することができる特定の平均粒径を有し
得る。例えば、第2の粉末材料は、0.9ミクロン以下、または0.8ミクロン以下、ま
たは0.7ミクロン以下、または0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下、また
は0.4ミクロン以下、または0.3ミクロン以下、または0.2ミクロン以下、または
0.1ミクロン以下などの、1ミクロン以下の平均粒径を有し得る。なお、非限定的な一
実施形態では、第2の粉末材料は、少なくとも0.05ミクロン、または少なくとも0.
08ミクロン、または少なくとも0.1ミクロンなどの、少なくとも0.01ミクロンの
平均粒径を有し得る。第2の粉末材料が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範
囲内の平均粒径を有し得ることが理解されるであろう。
【0019】
別の実施形態によれば、第2の粉末材料は、本明細書の実施形態に記載の特徴を有する
基体の好適な形成を容易にするように制御することができる特定の最大粒径を有し得る。
例えば、第2の粉末材料は、4.8ミクロン以下、または4.5ミクロン以下、または4
.2ミクロン以下、または4ミクロン以下、または3.8ミクロン以下、または3.5ミ
クロン以下、または3.2ミクロン以下、または3ミクロン以下、または2.8ミクロン
以下、または2.5ミクロン以下、または2.2ミクロン以下、または2ミクロン以下、
または1.8ミクロン以下、または1.5ミクロン以下、または1.2ミクロン以下、ま
たは1ミクロン以下、または0.9ミクロン以下、または0.8ミクロン以下、または0
.7ミクロン以下、または0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下などの、5ミ
クロン以下の最大粒径を有し得る。なお、非限定的な一実施形態では、第2の粉末材料は
、少なくとも0.1ミクロン、または少なくとも0.2ミクロン、または少なくとも0.
3ミクロン、または少なくとも0.4ミクロン、または少なくとも0.5ミクロン、また
は少なくとも0.6ミクロン、または少なくとも0.7ミクロン、または少なくとも0.
8ミクロン、または少なくとも0.9ミクロン、または少なくとも1ミクロンの最大粒径
を有し得る。第2の粉末材料が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内の最
大粒径を有し得ることが理解されるであろう。第2の粉末材料の最大粒径は、第1の粉末
材料の最大粒径を測定するために使用されるのと同じ様式で測定することができる。
【0020】
一態様によれば、第2の粉末材料は、アルミニウム、希土類元素、アルカリ土類元素、
遷移金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせの群のうちの少なくとも1つの材料を
含み得る。なお他の例では、第2の粉末材料の金属酸化物は、ケイ素を含み得る。例えば
、第2の粉末材料の金属酸化物は、シリカを含み得る。特定の一実施形態によれば、第2
の粉末材料の金属酸化物は、アルミノケイ酸塩を含み得る。第2の粉末材料の組成は、本
明細書の実施形態に記載の特徴を有する基体の好適な形成を容易にするように制御され得
る。
【0021】
なお、より特定の実施形態では、第2の粉末材料の金属酸化物は、アルミナを含み得る
。例えば、第2の粉末材料の金属酸化物は、第2の粉末材料の総重量に対して少なくとも
60重量%のアルミナ、または少なくとも70重量%のアルミナ、または少なくとも80
重量%のアルミナ、または少なくとも90重量%のアルミナ、または少なくとも95重量
%のアルミナ、または少なくとも99重量%のアルミナなどの、第2の粉末材料の総重量
に対して少なくとも50重量%のアルミナを含み得る。少なくとも一実施形態では、第2
の粉末材料の金属酸化物は、金属酸化物がアルミナから本質的になり得るように、アルミ
ナのみを含み得る。
【0022】
粉末材料のブレンドは、本明細書の実施形態の特徴を有する基体の好適な形成を容易に
することができる特定の含有量の、第1の粉末材料および第2の粉末材料を含むように形
成され得る。ある特定の例では、ブレンドは、第1の粉末材料の含有量(C1)(重量%
)と第2の粉末材料の含有量(C2)(重量%)の比である、特定の(C1/C2)を含
み得る。例えば、ブレンドは、少なくとも9、または少なくとも12、または少なくとも
14、または少なくとも16、または少なくとも18、または少なくとも20、または少
なくとも22、または少なくとも24、または少なくとも26、または少なくとも28の
比(C1/C2)を有し得る。なお、別の非限定的な実施形態では、比(C1/C2)は
、97以下、または95以下、または93以下、または90以下、または88以下、85
以下、または82以下、または80以下、または75以下、または70以下、または65
以下、または60以下、または55以下、または50以下、または45以下、または40
以下、または35以下、または30以下、または28以下、または26以下、または24
以下、または22以下などの、99以下であり得る。比(C1/C2)が、上記の最小値
および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0023】
粉末材料のブレンドは、本明細書の実施形態の特徴を有する基体の好適な形成を容易に
することができる特定の含有量の、第1の粉末材料を含むように形成され得る。例えば、
ブレンドは、ブレンドの総重量に対して少なくとも75重量%、または少なくとも80重
量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも9
2重量%、または少なくとも93重量%、または少なくとも94重量%、または少なくと
も95重量%、または少なくとも96重量%、または少なくとも98重量%の第1の粉末
材料などの、ブレンドの総重量に対して少なくとも70重量%の第1の粉末材料を含み得
る。なお非限定的な一実施形態では、ブレンドは、ブレンドの総重量に対して98重量%
以下、または97重量%以下、または96重量%以下、または95重量%以下、または9
4重量%以下、または93重量%以下、または92重量%以下、または91重量%以下の
第1の粉末材料などの、ブレンドの総重量に対して99重量%以下の第1の粉末材料を含
み得る。第1の粉末材料の含有量が、上記の最小百分率および最大百分率のいずれをも含
む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0024】
ブレンドは、本明細書の実施形態に従って基体の形成を容易にすることができる特定の
含有量の、第2の粉末材料を含み得る。例えば、ブレンドは、ブレンドの総重量に対して
少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも4重量%、または少
なくとも5重量%、または少なくとも6重量%、または少なくとも7重量%、または少な
くとも8重量%、または少なくとも9重量%の第2の粉末材料などの、ブレンドの総重量
に対して少なくとも1重量%の第2の粉末材料を含み得る。さらに別の非限定的な実施形
態では、ブレンドは、ブレンドの総重量に対して9重量%以下、または8重量%以下、ま
たは7重量%以下、または6重量%以下、または5重量%以下、または4重量%以下、ま
たは3重量%以下、または2重量%以下の第2の粉末材料などの、ブレンドの総重量に対
して10重量%以下の第2粉末材料を含み得る。第1の粉末材料の含有量が、上記の最小
百分率および最大百分率のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0025】
ステップ101でブレンドを得た後、プロセスは、ブレンドされた未焼成の粒子を形成
することを含むステップ103へ進めることができる。未焼成の粒子の各々が、第1およ
び第2の粉末材料を含む実質的に均質な混合物を含む、ブレンドされた未焼成の粒子を形
成するプロセスは、粉末材料のブレンドから凝集粒子を形成することを含み得る。ブレン
ドされた未焼成の粒子の各々における第1および第2の粉末材料の含有量は、ブレンド中
の第1および第2の粉末材料の含有量に相当し得る。ブレンドされた未焼成の粒子を形成
するための1つの好適な方法は、粉末材料と担体材料とのブレンドを含むスラリーを作製
することを含み得る。担体材料は、有機または無機材料であってもよい液体であり得る。
一実施形態では、担体材料は、水性材料または有機系材料であってもよい。例えば、1つ
の好適な担体材料としては、水が挙げられ得る。
【0026】
例えば結合剤、安定剤、界面活性剤、レオロジー調整剤、分散剤などを含むある特定の
添加剤が、スラリーに添加されてもよい。典型的な結合剤としては、ポリビニルアルコー
ル(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ラテックス、またはそれらの任意の
組み合わせなどの有機材料が挙げられ得る。かかる添加剤は、典型的には、乾燥粉末混合
物(すなわち、担体材料を含まない材料)の総重量に対して20重量%未満などの、少量
で存在する。
【0027】
特定の一実施形態によれば、いくつかの好適な分散剤としては、アンモニア、アンモニ
ア誘導体、メタクリレートおよびカルボキシレートのアンモニウム化合物、アルカリ水酸
化物、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。
【0028】
スラリーを形成した後、プロセスは、スラリー全体に第1および第2の粉末材料の均質
な分布の形成を容易にするようにスラリーを混合することを含み得る。一実施形態によれ
ば、混合としては、磨砕またはボールミル粉砕などの粉砕が挙げられ得る。
【0029】
スラリーを十分に混合した後、スラリーをブレンドされた未焼成の粒子へと形成するこ
とによって、プロセスを進めることができる。ブレンドされた未焼成の粒子へとスラリー
を変換するための1つの特に好適なプロセスとしては、噴霧乾燥が挙げられ得る。噴霧乾
燥プロセスは、微細に制御された粒径分布を有するブレンドされた未焼成の粒子を形成す
るのに好適な条件下で行われ得る。制御された粒径分布を有する粒子を製造するために、
ブレンドされた未焼成の粒子に対して、いくらかのスクリーニングまたはふるい分けが行
われてもよい。特に、ある特定のサイズの凝集体などの大きな粒子を除去することが好適
であり得る。
【0030】
一実施形態によれば、ブレンドされた未焼成の粒子は、少なくとも20ミクロンかつ2
00ミクロン以下の平均粒径を有し得る。例えば、ブレンドされた未焼成の粒子の平均粒
径は、160ミクロン以下、または150ミクロン以下、または140ミクロン以下、ま
たは120ミクロン以下、または100ミクロン以下、または80ミクロン以下、または
60ミクロン以下、または40ミクロン以下などの、180ミクロン以下であり得る。な
お、非限定的な一実施形態では、ブレンドされた未焼成の粒子の平均粒径は、少なくとも
40ミクロン、または少なくとも60ミクロン、または少なくとも80ミクロン、または
少なくとも100ミクロン、または少なくとも120ミクロンであり得る。ブレンドされ
た未焼成の粒子の平均粒径が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり
得ることが理解されるであろう。ブレンドされた未焼成の粒子の平均粒径は、本明細書に
記載の他の粉末材料の平均粒径を測定するために使用されるのと同じ様式で測定すること
ができる。例えば、平均粒径は、レーザー光散乱粒径分析器を介した粒子の好適なサンプ
リングおよび分析によって生成されたD50値であり得る。
【0031】
さらに、ブレンドされた未焼成の粒子は、180ミクロン以下などの、または160ミ
クロン以下、または150ミクロン以下、または140ミクロン以下、または120ミク
ロン以下、または100ミクロン以下、または80ミクロン以下などの、200ミクロン
以下の最大粒径を有し得る。なお、非限定的な一実施形態では、ブレンドされた未焼成の
粒子の最大粒径は、少なくとも60ミクロン、または少なくとも80ミクロン、または少
なくとも100ミクロン、または少なくとも120ミクロンであり得る。ブレンドされた
未焼成の粒子の最大粒径が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内の最大粒
径を有し得ることが理解されるであろう。ブレンドされた未焼成の粒子の最大粒径は、本
明細書に記載の他の粉末材料の平均粒径を測定するために使用されるのと同じ様式で測定
することができる。
【0032】
ブレンドされた未焼成の粒子を形成するためのプロセスは、ブレンドされた未焼成の粒
子を形成した後、かかる粒子はいくらか乾燥を施されて過剰の液体および望ましくない揮
発性種を除去する乾燥プロセスをさらに含み得る。
【0033】
ステップ103でブレンドされた未焼成の粒子を形成した後、ブレンドされた未焼成の
粒子を組み合わせて未焼成の基体を形成することによって、プロセスをステップ105へ
進めることができる。本明細書での未焼成の基体への言及は、未高密度化のまたは未焼結
の部分への言及である。未焼成の基体を形成するためのいくつかの好適なプロセスとして
は、プレス、パンチング、成形、キャスティング、押し出し、硬化、またはそれらの任意
の組み合わせが挙げられ得る。
【0034】
ステップ105で未焼成の基体を形成した後、熱処理を使用して未焼成の基体を焼結し
て、最終基体を高密度化し形成してもよい。ある特定の例では、未焼成の基体を形成する
ためのプロセスおよび焼結プロセスは、組み合わせられ得る。例えば、少なくとも一実施
形態では、焼結された最終形成基体が単一の工程で形成されるように、未焼成の粒子のブ
レンドを所望の形状の型に入れ、プレスおよび焼結用の容器に入れてもよい。なお、他の
プロセスは、まず未焼成の基体を形成し、未焼成の基体を形成した後に別個の焼結プロセ
スを行ってもよい。ある特定の例では、焼結プロセスとしては、ホットプレス(すなわち
一軸プレス)、放電プラズマ焼結、フラッシュ焼結、熱間等静圧加圧法などの圧力によっ
て補助される焼結プロセスが挙げられ得る。なお、他の例では、焼結プロセスは、焼結が
追加の圧力または外部圧力なしで行われる常圧プロセスであり得る。
【0035】
一実施形態によれば、焼結プロセスとしては、常圧焼結または圧力によって補助される
焼結が挙げられ得る。特定の一実施形態では、焼結プロセスとしては、高密度化を容易に
するために高温で力を印加することを含む一軸プレス作業であり得るホットプレスが挙げ
られ得る。あるいは、未焼成の基体が、焼結作業中に基体に大気圧よりも高い圧力も生じ
る密閉容器内での焼結に好適な高温を施す熱間等静圧圧縮成形(HIPing)を使用し
てもよい。
【0036】
ある特定の例では、ホットプレス作業は、最高焼結温度の間に基体に印加される最大圧
力である、特定の焼結圧力を印加することを含み得る。焼結圧力の制御は、本明細書の実
施形態の特徴を有する基体の形成を容易にすることができる。例えば、焼結圧力は、少な
くとも2500psi、または少なくとも3000psiなどの、少なくとも2000p
siであり得る。なお、少なくとも1つの非限定的な実施形態では、焼結圧力は、400
0psi以下、または3000psi以下などの、5000psi以下であり得る。焼結
圧力が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解される
であろう。
【0037】
焼結圧力を制御することに加えて、印加される圧力の持続時間もまた、本明細書の実施
形態の特徴を有する基体の形成を容易にするように制御され得る。例えば、一実施形態に
よれば、ホットプレスは、少なくとも0.5時間の持続期間の間焼結圧力を印加すること
を含み得る。焼結圧力の持続時間は、ホットプレス中の最高焼結温度での最大印加圧力の
持続時間であると理解されるであろう。別の実施形態では、焼結圧力が印加される持続時
間は、少なくとも1時間、または少なくとも2時間、または少なくとも3時間、または少
なくとも4時間であり得る。なお、少なくとも1つの非限定的な実施形態では、焼結圧力
が印加される持続時間は、4時間以下、または3時間以下などの5時間以下であり得る。
焼結圧力の持続時間が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得るこ
とが理解されるであろう。
【0038】
一実施形態によれば、ホットプレスのプロセスは、最終形成基体を形成するために使用
される最高焼結温度であり得る特定の焼結温度で行われ得る。少なくとも一実施形態では
、焼結温度は、少なくとも1920℃、または少なくとも1950℃などの、少なくとも
1900℃であり得る。非限定的な一実施形態では、焼結温度は、2080℃以下、また
は2050℃以下などの、2100℃以下であり得る。焼結温度が、上記の最小値および
最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0039】
焼結中の雰囲気は、本明細書の実施形態の特徴を有する基体の好適な形成を容易にする
ように制御され得る。例えば、焼結は、希ガスなどの不活性雰囲気中で行われ得る。一実
施形態では、焼結は、アルゴンから本質的になり得るようにアルゴンを含む雰囲気中で行
われ得る。他の例では、焼結は、通常の雰囲気ガスを含有する雰囲気中で行われ得る。な
お別の実施形態では、焼結中の雰囲気は、還元雰囲気であり得る。
【0040】
焼結作業を行った後、未焼成の基体は、最終形成基体に変換される。基体は、標準的な
技術を使用して焼結温度から冷却され得る。最終形成基体は、以下に記載のように、本明
細書の実施形態の1つ以上の特徴を有し得る。
【0041】
基体は、意図した最終使用に好適な任意の形状へと形成され得る。例えば、基体は、耐
摩耗構成要素との関連で、環状または円筒状の形態に成形され得る。基体は、長さ≧幅≧
高さである長さ、幅、および高さを有し得る。基体は、正多角形、不規則な多角形、不規
則な形状、直線部分と曲線部分の組み合わせを含む複雑な形状などであり得る、長さおよ
び幅の平面によって定義されるような二次元形状を有し得る。同様に、基体は、正多角形
、不規則な多角形、不規則な形状、直線部分と曲線部分の組み合わせを含む複雑な形状な
どであり得る、長さおよび高さの平面によって定義されるような二次元形状を有し得る。
さらに、基体は、正多角形、不規則な多角形、不規則な形状、直線部分と曲線部分の組み
合わせを含む複雑な形状などであり得る、幅および高さの平面によって定義されるような
二次元形状を有し得る。基体は、自動車部品または本体部品、コーン(ブラスティングコ
ーン)などの形態であり得る保護構成要素での使用に好適な任意の形状を有し得る。
【0042】
一態様によれば、基体は、炭化ケイ素を含む第1の相と、金属酸化物を含む第2の相と
を含み得る。少なくとも一実施形態では、第1の相は、6Hアルファ相炭化ケイ素などの
アルファ相炭化ケイ素を含み得る。少なくとも一実施形態では、第1の相の少なくとも9
8%は、アルファ相炭化ケイ素を含み得る。より特定の実施形態では、基体の第1の相は
、アルファ相炭化ケイ素から本質的になり得る。ある特定の例では、第1の相は、ベータ
相炭化ケイ素を本質的に含まない場合がある。少なくとも一実施形態では、基体は、基体
の総重量に対して0.1重量%以下のベータ相炭化ケイ素を含み得る。
【0043】
ある特定の実施形態は、基体のある特定の特性および/または性能を促進し得る特定の
含有量の第1の相を有する基体を含み得る。例えば、基体は、基体の総重量に対して少な
くとも70重量%の第1の相を含み得る。他の例では、基体内の第1の相の量は、基体の
総重量に対して、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%、または少なくと
も85重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも92重量%、または少な
くとも93重量%、または少なくとも94重量%、または少なくとも95重量%、または
少なくとも96重量%など、より高くてもよい。非限定的な一実施形態では、基体は、基
体の総重量に対して98重量%以下、または97重量%以下、または96重量%以下、ま
たは95重量%以下、または94重量%以下、または93重量%以下、または92重量%
以下、または91重量%以下の第1の相などの、基体の総重量に対して99重量%以下の
第1の相を含み得る。基体内の第1の相の量が、上記の最小値および最大値のいずれをも
含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0044】
別の実施形態によると、基体は、基体のある特定の特性および/または性能を促進し得
る、第1の相の特定の平均結晶粒径を有するように形成され得る。例えば、第1の相は、
切片法に従って測定した場合、2ミクロン以下の平均結晶粒径を有し得る。他の実施形態
では、第1の相の平均結晶粒径は、1.8ミクロン以下、または1.5ミクロン以下、ま
たは1.3ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.8ミクロン以下、または0
.5ミクロン以下など、より小さくてもよい。なお、非限定的な一実施形態では、第1の
相は、少なくとも0.2ミクロン、または少なくとも0.4ミクロン、または少なくとも
0.6ミクロン、または少なくとも0.8ミクロン、または少なくとも1ミクロンなどの
、少なくとも0.1ミクロンの平均結晶粒径を有し得る。第1の相の平均結晶粒径が、上
記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0045】
平均粒径(すなわち平均結晶子サイズ)は、走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写
真を使用した切片法に基づいて測定される。試料をエポキシ樹脂中に載せ、次いで研磨ユ
ニットを使用してダイヤモンド研磨スラリーで研磨する。研磨した試料をSEMマウント
上に載せ、次いでSEM準備のために金コートする。
【0046】
3つ以上の個々の試料のSEM顕微鏡写真を妥当な倍率で撮影して、試料の各々の微細
構造および結晶粒をはっきりと解像する。各SEM顕微鏡写真を以下の技術に従って分析
する:1)顕微鏡写真の下部の黒いデータバンドを除いて、画像を横切って6本の水平線
を引く(図8参照)2)6本の水平線の各々に対して、点802のように、各線が結晶粒
801の結晶粒境界を横切る点に印をつけ、2つの直接隣接する点802が水平線の線分
を画定する;3)撮像プログラムまたはImageJなどの撮像ソフトウェア内のプログ
ラムを使用して、6本の水平線の各々の線分の各々の線分長を測定する;4)細孔または
他の欠陥の場合、かかる特徴を測定から除外する;5)次いで、データを表にしてスプレ
ッドシートまたは他のプログラムに入れて、評価するすべての試料の平均線分長である平
均結晶粒径(D50)を分析する。かかる測定値を使用して、分析から、D100または
最大の測定された結晶粒径であり得る最大結晶粒径を決定してもよいことが、理解される
であろう。
【0047】
加えて、基体は、基体のある特定の特性および/または性能を促進することができる特
定の最大結晶粒径を有するように形成され得る。例えば、第1の相は、9ミクロン以下、
または8ミクロン以下、または7ミクロン以下、または6ミクロン以下、または5ミクロ
ン以下、または4ミクロン以下、または3ミクロン以下、または2.5ミクロン以下、ま
たは2ミクロン以下、または1.5ミクロン以下、または1ミクロン以下などの、10ミ
クロン以下の最大結晶粒径を有し得る。非限定的な一実施形態では、第1の相は、少なく
とも0.51ミクロン、または少なくとも0.6ミクロン、または少なくとも0.7ミク
ロン、または少なくとも0.8ミクロン、または少なくとも0.9ミクロン、または少な
くとも1ミクロン、または少なくとも1.2ミクロン、または少なくとも1.4ミクロン
、または少なくとも1.5ミクロン、または少なくとも1.6ミクロン、または少なくと
も1.8ミクロン、または少なくとも2ミクロンの、最大結晶粒径を有し得る。第1の相
の最大結晶粒径が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが
理解されるであろう。最大結晶粒径は、平均結晶粒径を測定するために使用する同じ技術
を使用して測定することができるが、その値は測定された最大の線分長に基づく。
【0048】
本明細書に記載のように、基体は、第1の相とは異なる第2の相を含み得る。第2の相
は、異なる材料を含み得、第1の相と比較して基体の異なる領域に位置され得る。特定の
一実施形態では、第2の相は金属酸化物を含み、より詳細には、アルミニウム、希土類元
素、アルカリ土類元素、遷移金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせなどの少なく
とも1つの組成物を含み得る。ある特定の例では、金属酸化物材料の含有量および組成に
よって、好適な加工(例えば、焼結)、および基体内のある特定の領域に位置する第2の
相の形成を容易にすることができる。少なくとも一実施形態では、第2の相の金属酸化物
は、アルミナを含み得る。一実施形態では、第2の相は、アルミナから本質的になり得る
【0049】
第2の相の金属酸化物は、基体のある特定の特性および/または性能を促進することが
できる特定の構造を有し得る。例えば、第1の相は、結晶質相のうちの少なくとも1つ(
例えば、多結晶質)、またはそれらの組み合わせであり得る。少なくとも一実施形態では
、第1の相は、結晶質相から本質的になり得る。別の実施形態では、第1の相は、非晶質
相から本質的になり得る。さらに別の態様では、第1の相は、非晶質相および結晶質相を
いくらか含み得る。
【0050】
非晶質相および結晶質相は、アルミニウムおよびケイ素などの同じ組成の金属酸化物、
またはより具体的にはアルミナ系の相を含み得る。例えば、ある特定の例では、第2の相
の金属酸化物は、アルミニウムおよびケイ素を含み、第2の相は、両方がアルミニウムお
よびケイ素を含む、結晶質相を含む第1の部分および非晶質相を含む第2の部分を含む。
少なくとも一実施形態では、第2の相は、不純物としての含有量のみ任意の他の材料を含
む、結晶質(例えば多結晶質)アルミナから本質的になる。微量または不純物としての含
有量は、材料の特性に物質的に影響を及ぼさず、材料の総重量に対して0.1重量%以下
、または0.05重量%以下、または0.01重量%以下の含有量で存在し得る。対象物
がその材料のみ、かつ微量または不純物としての含有量のみの他の種を含有するように、
ある材料から本質的になるものとして、本明細書に記載の任意の他の材料に同じ定義が適
用される。
【0051】
少なくとも一態様では、第2の相の金属酸化物は、特定の含有量のアルミナ(Al
)を含み得る。例えば、第2の相の金属酸化物は、少なくとも60重量%のアルミナ、
または少なくとも70重量%のアルミナ、または少なくとも80重量%のアルミナ、また
は少なくとも90重量%のアルミナ、または少なくとも95重量%のアルミナ、またはさ
らには少なくとも99重量%のアルミナなどの、少なくとも50重量%のアルミナを含み
得る。少なくとも一実施形態では、第2の相の金属酸化物は、アルミナから本質的になり
得る。なお、非限定的な一実施形態では、第2の相の金属酸化物は、99重量%以下、ま
たは98重量%以下、またはさらには97重量%以下などの、99.5重量%以下のアル
ミナを含み得る。第2の相の金属酸化物中のアルミナ含有量が、上記の最小百分率および
最大百分率のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0052】
ある特定の例では、いくらかの材料が、意図的に第2の相から除外される場合がある。
したがって、第2の相の金属酸化物が、アルカリ元素、アルカリ土類元素、遷移金属元素
、希土類元素(イットリウムおよびランタンを含む)、またはそれらの任意の組み合わせ
を本質的に含まない基体を形成することは、少なくとも1つの実施形態の範囲内である。
【0053】
基体は、改善された特性および/または性能を促進することができるある特定の含有量
の第2の相を含むように形成され得る。例えば、基体は、基体の総重量に対して少なくと
も2重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも4重量%、または少なくとも
5重量%、または少なくとも6重量%、または少なくとも7重量%、または少なくとも8
重量%、または少なくとも9重量%の第2の相などの、基体の総重量に対して少なくとも
1重量%の第2の相を含み得る。非限定的な一実施形態では、基体は、基体の総重量に対
して9重量%以下、または8重量%以下、または7重量%以下、または6重量%以下、ま
たは5重量%以下、または4重量%以下、または3重量%以下、または2重量%以下の第
2の相などの、基体の総重量に対して10重量%以下の第2の相を含み得る。基体内の第
2の相の含有量が、上記の最小百分率および最大百分率のいずれをも含む範囲内であり得
ることが理解されるであろう。
【0054】
特定の一実施形態によれば、第2の相は、基体の特定の領域内に位置し、特定の微細構
造および形態を定義し得る。図2は、一実施形態に従った基体のおよそ一部分を拡大した
走査型電子顕微鏡(SEM)画像を含む。図2に示されるように、基体201は、第1の
相202および第2の相203を含み得る。第2の相203は、第1の相202の領域間
の不連続な白い領域によって示され、第1の相202が、灰色を有するマトリックス材料
として示されている。一実施形態によれば、第2の相は、第1の相の粒境界に位置する離散粒間相であり得る。より特定の例では、基体201内の第2の相203の大部分は、第1の相202の3つ以上の粒間の三重境界領域に位置し得る。例えば、一実施形態によれば、第2の相203の少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%が、第1の相202の3つ以上の粒間の三重境界領域に位置し得るなど、第2の相203の少なくとも55%が、第1の相202の3つ以上の粒間の三重境界領域に位置し得る。なおより特定の例では、本質的にすべての第2の相203は、第1の相202の3つ以上の粒間の三重境界領域に位置し得る。なお、非限定的な一実施形態では、第2の相203の99%以下が、第1の相202の3つ以上の結晶粒間の三重境界領域に位置し得る。
【0055】
さらに、別の実施形態によれば、基体は、本明細書の実施形態に記載のように基体のあ
る特定の特性を促進する特定の微細構造を有するように形成され得る。特に、微細構造は
、本明細書の実施形態の特性を促進することができる、第2の相に関連する特定の含有量
、分布および/またはサイズを有し得る。例えば、少なくとも一実施形態では、基体は、
合計100ミクロンを有するSEM画像に基づいて、少なくとも1000/100ミクロ
ンの画像幅の第2の相の計数指数を有し得る。なお別の場合では、少なくとも1100/
100ミクロンの画像幅、または少なくとも1200/100ミクロンの画像幅、または
少なくとも1300/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1400/100ミク
ロンの画像幅、または少なくとも1500/100ミクロンの画像幅、または少なくとも
1600/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1700/100ミクロンの画像
幅、または少なくとも1800/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1900/
100ミクロンの画像幅、または少なくとも2000/100ミクロンの画像幅、または
少なくとも2100/100ミクロンの画像幅、または少なくとも2200/100ミク
ロンの画像幅、または少なくとも2300/100ミクロンの画像幅、または少なくとも
2400/100ミクロンの画像幅など。なお、別の非限定的な実施形態では、基体は、
3900/100ミクロン以下の画像幅、または3800/100ミクロン以下の画像幅
、または3700/100ミクロン以下の画像幅、または3600/100ミクロン以下
の画像幅、または3500/100ミクロン以下の画像幅、または3400/100ミク
ロン以下の画像幅、または3300/100ミクロン以下の画像幅、または3200/1
00ミクロン以下の画像幅、または3100/100ミクロン以下の画像幅、または30
00/100ミクロン以下の画像幅、または2900/100ミクロン以下の画像幅、ま
たは2800/100ミクロン以下の画像幅、または2700/100ミクロン以下の画
像幅、または2600/100ミクロン以下の画像幅、または2500/100ミクロン
以下の画像幅などの、4000/100ミクロン以下の画像幅の第2の相の計数指数を有
し得る。基体は、例えば、少なくとも1500/100ミクロンの画像幅かつ3000/
100ミクロン以下の画像幅を含む範囲内などの、少なくとも2000/100ミクロン
の画像幅かつ2500/100ミクロン以下の画像幅を含む範囲内などの、少なくとも1
000/100ミクロンの画像幅かつ4000/100ミクロン以下の画像幅の範囲内を
含む、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内の第2の相の計数指数を有し得
ることが理解されるであろう。
【0056】
第2の相の計数指数は、分析用の微細構造の画像を作成するために、材料の試料を切断
し、2.0kVの電圧でZeiss社のMerlin SEMを使用して、3~7mmの
作動距離で試料を観察することによって測定することができる。画像特色は、100ミク
ロンの画像幅、および1024ピクセル×768ピクセルの解像度を含む。画像は、第1
の相の結晶粒が第2の相よりも暗くなるように、第1の相(例えば、SiC含有結晶粒)
と第2の相の材料(例えば、アルミナ)との間のコントラストを最大にする様式で撮影さ
れる。図3は、好適なSEM顕微鏡写真のグレースケール画像を提供する。NIH社から
入手可能なImageJ1.48vなどの好適な画像分析ソフトウェアを使用して、画像
を切り取ってすべてのラベルを除去し、第2の相の輝度が増すように画像を調整して、第
2の相に関連する白い材料のみの選択を容易にする。画像分析ソフトウェアを使用して、
画像を二価画像(白黒)に変更する。例えば、図4を参照されたい。ImageJなどの
分析ソフトウェアを使用して、以下のアプローチを使用して画像統計を定量化する:ステ
ップ1)ImageJの分析プロセスを使用する;ステップ2)ImageJの「粒子分
析」を使用し、サイズ(pizel^2):0~無限大および円形度:0~1としての設
定を使用する;ステップ3)出力から計算された面積を比較する。微細構造の無作為に選
択された部分の複数の画像が分析され得ることが理解されるであろう。例えば、本明細書
に提供される微細構造の値は、試料の無作為に選択された部分の少なくとも3つの異なる
SEM画像から計算することができる。
【0057】
さらに別の実施形態では、基体は、全幅100ミクロンのSEM画像に基づき、かつ上
記の解像度を使用して、少なくとも2000ピクセル/100ミクロンの画像幅の第2の
相の平均面積指数を有し得る。第2の相の平均面積指数は、上で提供された詳細に従って
撮影された1つ以上のSEM画像を使用するのと同じ様式で分析することができる。別の
実施形態では、第2の相の平均面積指数は、少なくとも2500ピクセル/100ミクロ
ンの画像幅、または少なくとも3000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少な
くとも3500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも4000ピクセル
/100ミクロンの画像幅、または少なくとも4500ピクセル/100ミクロンの画像
幅、または少なくとも5000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも5
500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも6000ピクセル/100
ミクロンの画像幅、または少なくとも6500ピクセル/100ミクロンの画像幅、また
は少なくとも3000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも3500ピ
クセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも4000ピクセル/100ミクロン
の画像幅、または少なくとも4500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なく
とも5000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも5500ピクセル/
100ミクロンの画像幅、または少なくとも6000ピクセル/100ミクロンの画像幅
、または少なくとも6500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも70
00ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも7500ピクセル/100ミ
クロンの画像幅、または少なくとも8000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または
少なくとも8500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも9000ピク
セル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも9500ピクセル/100ミクロンの
画像幅、または少なくとも10000ピクセル/100ミクロンの画像幅であり得る。な
お、非限定的な実施形態では、基体は、28000ピクセル/100ミクロン以下の画像
幅、または25000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または22000ピクセ
ル/100ミクロン以下の画像幅、または20000ピクセル/100ミクロン以下の画
像幅、または18000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または15000ピク
セル/100ミクロン以下の画像幅、または14000ピクセル/100ミクロン以下の
画像幅、または13000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または12000ピ
クセル/100ミクロン以下の画像幅、または11000ピクセル/100ミクロン以下
の画像幅などの、30000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅の第2の相の平均面
積指数を有し得る。第2の相の平均面積指数は、例えば、少なくとも7000ピクセル/
100ミクロンの画像幅かつ20000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅を含む範
囲内、または少なくとも9000ピクセル/100ミクロンの画像幅かつ15000ピク
セル/100ミクロン以下の画像幅を含む範囲内などの、少なくとも2000ピクセル/
100ミクロンの画像幅かつ30000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅を含む範
囲内を含む、上述の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解さ
れるであろう。
【0058】
なお別の実施形態では、基体の微細構造は、ImageJを使用して画像が分析される
ことを除き、前の2つのパラメータについて上述したのと同じプロセスを使用して、第2
の相の計数指数を評価するために撮影されたSEM画像に基づいて、第2の相の領域の平
均サイズを定義する、第2の相の平均サイズ指数(ピクセル)によって定義され得る。
特定の第2の相の平均サイズ指数は、基体のある特定の特性を促進し得る。一実施形態で
は、基体は、3.10ピクセル、または少なくともまたは少なくとも3.20ピクセル
、または少なくとも3.25ピクセル、または少なくとも3.30ピクセル、また
は少なくとも3.35ピクセル、または少なくとも3.40ピクセル、または少なく
とも3.45ピクセル、または少なくとも3.50ピクセル、または少なくとも3.
55ピクセル、または少なくとも3.60ピクセル、または少なくとも3.65ピク
セル、または少なくとも3.70ピクセル、または少なくとも3.75ピクセル
または少なくとも3.80ピクセル、または少なくとも3.85ピクセル、または少
なくとも3.90ピクセル、または少なくとも3.95ピクセル、または少なくとも
4.00ピクセル、または少なくとも4.05ピクセル、または少なくとも4.10
ピクセル、または少なくとも4.15ピクセル、または少なくとも4.20ピクセル
、または少なくとも4.25ピクセル、または少なくとも4.30ピクセル、また
は少なくとも4.35ピクセルなどの、少なくとも3.00ピクセルの第2の相の平
均サイズ指数を有し得る。なお、非限定的な一実施形態では、第2の平均サイズ指数は、
9.00ピクセル以下、または8.00ピクセル以下、または7.00ピクセル
下、または6.00ピクセル以下、または5.75ピクセル以下、または5.50ピ
クセル以下、または5.25ピクセル以下、または5.00ピクセル以下、または
4.95ピクセル以下、または4.90ピクセル以下、または4.85ピクセル
下、または4.80ピクセル以下、または4.75ピクセル以下、または4.70ピ
クセル以下などの、10.00ピクセル以下であり得る。第2の相の平均面積指数は
、例えば、少なくとも3.50ピクセルかつ8.00ピクセル以下を含む範囲内、ま
たは少なくとも4.00ピクセルかつ7.00ピクセル以下を含む範囲内などの、少
なくとも3.00ピクセルかつ10.00ピクセル以下を含む範囲内を含む、上述の
最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得ることが理解されるであろう。
【0059】
基体は、ある特定の特性および/または性能を促進することができる、特に高密度の基
体であるように形成され得る。例えば、基体は、少なくとも95%の理論密度、または少
なくとも96%の理論密度、または少なくとも97%の理論密度、または少なくとも98
%の理論密度、または少なくとも99%の理論密度などの、少なくとも90%の理論密度
を有するように形成され得る。
【0060】
より具体的な条件では、基体は、少なくとも2.8g/cm、または少なくとも2.
9g/cm、または少なくとも3.0g/cm、または少なくとも3.1g/cm
、または少なくとも3.2g/cm、または少なくとも3.3g/cmなどの、特定
の密度の値を有するように形成され得る。非限定的な一実施形態では、基体は、3.5g
/cm以下、または3.4g/cm以下、または3.3g/cm以下、または3.
2g/cm以下、または3.1g/cm以下、または3.0g/cm以下の密度を
有し得る。基体の密度が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内であり得る
ことが理解されるであろう。さらに、基体の密度は、第2の相の形態の何らかの指標とな
り得る。例えば、相互接続された第2の相を有する基体は、本明細書の実施形態に記載の
、基体のある特定の領域に位置する離散した第2の相を有する基体と比較して、より高い
密度を有し得る。
【0061】
基体は、従来の炭化ケイ素含有基体に対して、特に改善された強度を有するように形成
され得る。例えば、基体は、少なくとも725MPa、または少なくとも750MPa、
または少なくとも775MPa、または少なくとも800MPa、または少なくとも82
5MPa、または少なくとも850MPa、または少なくとも875MPa、または少な
くとも900MPa、または少なくとも925MPa、または少なくとも950MPa、
または少なくとも975MPa、または少なくとも1000MPa、または少なくとも1
025MPa、または少なくとも1050MPa、または少なくとも1075MPa、ま
たは少なくとも1100MPa、または少なくとも1125MPa、または少なくとも1
150MPa、または少なくとも1175MPa、または少なくとも1200MPaなど
の、少なくとも700MPaの平均強度を有し得る。なお別の非限定的な実施形態では、
基体は、1175MPa以下、または1150MPa以下、または1125MPa以下、
または1100MPa以下、1075MPa以下、または1050MPa以下、または1
025MPa以下、または1000MPa以下、または975MPa以下、または950
MPa以下、または925MPa以下、または900MPa以下、または875MPa以
下、または850MPa以下、または825MPa以下、または800MPa以下、また
は775MPa以下、または750MPa以下、または725MPa以下などの、120
0MPa以下の平均強度を有し得る。基体が、上記の最小値および最大値のいずれをも含
む範囲内の平均強度を有し得ることが理解されるであろう。基体の強度は、ASTM C
1161-02Cに定義されているように、構成Bを使用する4点曲げ試験に従った曲げ
強度であり得る。平均値は、統計的に関連のある試料サイズから基体を無作為にサンプリ
ングすることによって生成されてもよい。
【0062】
さらに別の態様では、基体は、耐摩耗用途における基体の使用を容易にする特定の摩耗
値を有し得る。例えば、基体は、0.8cc以下、または0.6cc以下、または0.4
cc以下、または0.2cc以下、または0.1cc以下、または0.08cc以下、ま
たは0.06cc以下、または0.05cc以下、または0.04cc以下などの、1.
0cc以下の平均摩耗値を有し得る。なお、少なくとも1つの非限定的な実施形態では、
基体は、少なくとも0.0001cc、または少なくとも0.0005cc、または少な
くとも0.001cc、または少なくとも0.005ccの平均摩耗値を有し得る。基体
が、上記の最小値および最大値のいずれをも含む範囲内の平均摩耗値を有し得ることが理
解されるであろう。磨耗値は、ASTM CO74/C704M-15に従って決定され
る。平均値は、統計的に関連のある試料サイズから基体を無作為にサンプリングすること
によって生成されてもよい。
【0063】
さらに別の実施形態では、基体は、ある特定の用途における基体の使用を容易にする特
定の破壊靭性を有し得る。例えば、基体は、少なくとも3.8MPa m1/2、または
少なくとも3.9MPa m1/2、または少なくとも4.0MPa m1/2、または
少なくとも4.1MPa m1/2、または少なくとも4.2MPa m1/2、または
少なくとも4.3MPa m1/2、または少なくとも4.4MPa m1/2、または
少なくとも4.5MPa m1/2、または少なくとも4.6MPa m1/2、または
少なくとも4.7MPa m1/2、または少なくとも4.8MPa m1/2、または
少なくとも4.9MPa m1/2、または少なくとも5MPa m1/2などの、少な
くとも3.7MPa m1/2の平均破壊靭性を有し得る。なお、非限定的な一実施形態
では、基体の平均破壊靭性は、6.7MPa m1/2以下、または6.3MPa m
/2以下、または6.0MPa m1/2以下、または5.8MPa m1/2以下、ま
たは5.5MPa m1/2以下などの、7MPa m1/2以下であり得る。破壊靭性
は、1kgの負荷を使用するビッカース押込み試験によって測定することができる。平均
値は、統計的に関連のある試料サイズから基体を無作為にサンプリングすることによって
生成されてもよい。破壊靭性は、室温で、1kgの負荷を使用して、破壊靭性の測定のた
めの標準試験方法2008、およびASTM C1327-99を使用して測定される。
【0064】
基体は、従来の炭化ケイ素含有基体に対して、特定の硬度を有するように形成され得る
。例えば、基体は、少なくとも22GPa、または少なくとも23GPa、または少なく
とも24GPa、または少なくとも25GPa、または少なくとも26GPa、または少
なくとも27GPa、または少なくとも28GPa、または少なくとも29GPa、また
は少なくとも30GPaなどの、少なくとも20GPaの平均硬度(HV0.1kg)を
有し得る。なお別の非限定的な実施形態では、基体は、38GPa以下、または36GP
a以下、または34GPa以下、または32GPa以下、または30GPa以下などの、
40GPa以下の平均硬度を有し得る。基体が、上記の最小値および最大値のいずれをも
含む範囲内の平均硬度を有し得ることが理解されるであろう。基体の硬度は、1kgの負
荷を使用するビッカース硬度試験に従って測定することができる。平均値は、統計的に関
連のある試料サイズから基体を無作為にサンプリングすることによって生成されてもよい
。硬度は、規格化されている標準硬度試験ASTM E1820-09e1に従って測定
される。
【0065】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のうちの
いくつかが本明細書に記載されている。本明細書を読了後、当業者は、それらの態様およ
び実施形態が単に例証的なものであり、本発明の範囲を限定しないことを理解する。実施
形態は、下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従い得る。
【0066】
実施形態
実施形態1.基体であって、
炭化ケイ素を含む第1の相と、
金属酸化物を含む第2の相であって、第2の相が、第1の相の結晶粒境界に位置する離
散結晶粒間相である、第2の相と、を含み、
基体が、少なくとも700MPaの平均強度を含む、基体。
【0067】
実施形態2.基体であって、
炭化ケイ素を含み、2ミクロン以下の平均結晶粒径を有する第1の相と、
金属酸化物を含む第2の相であって、第2の相が、第1の相の結晶粒境界に位置する離
散結晶粒間相である、第2の相と、を含み、
基体が、
少なくとも1000/100ミクロンの画像幅の第2の相の計数指数、
少なくとも2000ピクセル//100ミクロンの画像幅の第2の相の平均面積指数、
少なくとも3.00ピクセル2の第2の相の平均サイズ指数、
またはそれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、基体。
【0068】
実施形態3.基体であって、
炭化ケイ素を含み、2ミクロン以下の平均結晶粒径を有する第1の相と、
金属酸化物を含む第2の相であって、第2の相が離散結晶粒間相であり、第2の相の大
部分が、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重境界領域に位置している、第2の相と、を
含む、基体。
【0069】
実施形態4.第1の相が、アルファ相炭化ケイ素を含む、実施形態1、2および3のい
ずれか一項に記載の基体。
【0070】
実施形態5.第1の相が、アルファ相炭化ケイ素から本質的になる、実施形態1、2お
よび3のいずれか一項に記載の基体。
【0071】
実施形態6.第1の相の少なくとも98%が、アルファ相炭化ケイ素を含む、実施形態
1、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0072】
実施形態7.第1の相が、ベータ相炭化ケイ素を含まない、実施形態1、2および3の
いずれか一項に記載の基体。
【0073】
実施形態8.基体が、少なくとも70重量%、または少なくとも75重量%、または少
なくとも80重量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%、また
は少なくとも92重量%、または少なくとも93重量%、または少なくとも94重量%、
または少なくとも95重量%、または少なくとも96重量%の第1の相を含む、実施形態
1、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0074】
実施形態9.基体が、99重量%以下、または98重量%以下、または97重量%以下
、または96重量%以下、または95重量%以下、または94重量%以下、または93重
量%以下、または92重量%以下、または91重量%以下の第1の相を含む、実施形態1
、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0075】
実施形態10.第1の相が、2ミクロン以下の平均結晶粒径を有する、実施形態1に記
載の基体。
【0076】
実施形態11.第1の相が、1.5ミクロン以下、または1ミクロン以下、または0.
8ミクロン以下、または0.5ミクロン以下、または0.3ミクロン以下、または0.2
ミクロン以下、または0.1ミクロン以下の平均結晶粒径を含む、実施形態2、3および
10のいずれか一項に記載の基体。
【0077】
実施形態12.第1の相が、少なくとも0.1ミクロン、または少なくとも0.2ミク
ロン、または少なくとも0.4ミクロン、または少なくとも0.6ミクロン、または少な
くとも0.8ミクロン、または少なくとも1ミクロンの平均結晶粒径を含む、実施形態1
0に記載の基体。
【0078】
実施形態13.第1の相が、10ミクロン以下、または9ミクロン以下、または8ミク
ロン以下、または7ミクロン以下、または6ミクロン以下、または5ミクロン以下、また
は4ミクロン以下、または3ミクロン以下、または2ミクロン以下、または1ミクロン以
下の最大結晶粒径を含む、実施形態1、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0079】
実施形態14.第1の相が、少なくとも0.5ミクロン、または少なくとも0.6ミク
ロン、または少なくとも0.7ミクロン、または少なくとも0.8ミクロン、または少な
くとも0.9ミクロン、または少なくとも1ミクロン、または少なくとも1.2ミクロン
、または少なくとも1.4ミクロン、または少なくとも1.5ミクロン、または少なくと
も1.8ミクロン、または少なくとも2ミクロンの最大結晶粒径を含む、実施形態1、2
および3のいずれか一項に記載の基体。
【0080】
実施形態15.第2の相の金属酸化物が、アルミニウム、希土類元素、アルカリ土類元
素、遷移金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
実施形態1、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0081】
実施形態16.第2の相の金属酸化物が、アルミナを含む、実施形態1、2、および3
のいずれか一項に記載の基体。
【0082】
実施形態17.第2の相の金属酸化物が、ケイ素を含む、実施形態1、2、および3の
いずれか一項に記載の基体。
【0083】
実施形態18.第2の相の金属酸化物が、シリカを含む、実施形態1、2、および3の
いずれか一項に記載の基体。
【0084】
実施形態19.第2の相の金属酸化物が、アルミナ系の相を含む、実施形態1、2、お
よび3のいずれか一項に記載の基体。
【0085】
実施形態20.第2の相の金属酸化物が、多結晶質相、非晶質相、またはそれらの組み
合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1、2および3のいずれか一項に記載の
基体。
【0086】
実施形態21.第2の相の金属酸化物が、アルミニウムおよびケイ素を含み、第2の相
が、多結晶質相を含む第1の部分、および非晶質相を含む第2の部分を含む、実施形態1
、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0087】
実施形態22.第2の相の金属酸化物が、少なくとも50重量%のアルミナ、または少
なくとも60重量%のアルミナ、または少なくとも70重量%のアルミナ、または少なく
とも80重量%のアルミナ、または少なくとも90重量%のアルミナ、または少なくとも
95重量%のアルミナ、または少なくとも99重量%のアルミナを含む、実施形態1、2
および3のいずれか一項に記載の基体。
【0088】
実施形態23.第2の相の金属酸化物が、アルミナから本質的になる、実施形態1、2
、および3のいずれか一項に記載の基体。
【0089】
実施形態24.第2の相の金属酸化物が、アルカリ元素、アルカリ土類元素、遷移金属
元素、希土類元素、またはそれらの任意の組み合わせを本質的に含まない、実施形態1、
2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0090】
実施形態25.基体が、少なくとも1重量%の第2の相、または少なくとも2重量%、
または少なくとも3重量%、または少なくとも4重量%、または少なくとも5重量%、ま
たは少なくとも6重量%、または少なくとも7重量%、または少なくとも8重量%、また
は少なくとも9重量%の第2の相を含む、実施形態1、2および3のいずれか一項に記載
の基体。
【0091】
実施形態26.基体が、10重量%以下の第2の相、または9重量%以下、または8重
量%以下、または7重量%以下、または6重量%以下、または5重量%以下、または4重
量%以下、または3重量%以下、または2重量%以下の第2の相を含む、実施形態1、2
および3のいずれか一項に記載の基体。
【0092】
実施形態27.基体が、少なくとも90%の理論密度、または少なくとも95%の理論
密度、または少なくとも96%の理論密度、または少なくとも97%の理論密度、または
少なくとも98%の理論密度、または少なくとも99%の理論密度を含む、実施形態1、
2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0093】
実施形態28.基体が、少なくとも2.8g/cm、または少なくとも2.9g/c
、または少なくとも3.0g/cm、または少なくとも3.1g/cm、または
少なくとも3.2g/cm、または少なくとも3.3g/cmの密度を含む、実施形
態1、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0094】
実施形態29.基体が、3.5g/cm以下、または3.4g/cm以下、または
3.3g/cm以下、または3.2g/cm以下、または3.1g/cm以下、ま
たは3.0g/cm以下の密度を含む、実施形態1、2および3のいずれか一項に記載
の基体。
【0095】
実施形態30.基体が、少なくとも700MPa、または少なくとも725MPa、ま
たは少なくとも750MPa、または少なくとも775MPa、または少なくとも800
MPa、または少なくとも825MPa、または少なくとも850MPa、または少なく
とも875MPa、または少なくとも900MPa、または少なくとも925MPa、ま
たは少なくとも950MPa、または少なくとも975MPa、または少なくとも100
0MPa、または少なくとも1025MPa、または少なくとも1050MPa、または
少なくとも1075MPa、または少なくとも1100MPa、または少なくとも112
5MPa、または少なくとも1150MPa、または少なくとも1175MPa、または
少なくとも1200MPaの平均強度を含む、実施形態2および3のいずれか一項に記載
の基体。
【0096】
実施形態31.基体の平均強度が、1200MPa以下、または1175MPa以下、
または1150MPa以下、または1125MPa以下、または1100MPa以下、ま
たは1075MPa以下、または1050MPa以下、または1025MPa以下、また
は1000MPa以下、または975MPa以下、または950MPa以下、または92
5MPa以下、または900MPa以下、または875MPa以下、または850MPa
以下、または825MPa以下、または800MPa以下、または775MPa以下、ま
たは750MPa以下、または725MPa以下である、実施形態1、2および3のいず
れか一項に記載の基体。
【0097】
実施形態32.第2の相が、第1の相の結晶粒境界に位置する離散結晶粒間相であり、
基体が、少なくとも1000の第2の相の計数指数を含む、実施形態1および3のいずれ
か一項に記載の基体。
【0098】
実施形態33.第2の相の計数指数が、少なくとも1100/100ミクロンの画像幅
、または少なくとも1200/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1300/1
00ミクロンの画像幅、または少なくとも1400/100ミクロンの画像幅、または少
なくとも1500/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1600/100ミクロ
ンの画像幅、または少なくとも1700/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1
800/100ミクロンの画像幅、または少なくとも1900/100ミクロンの画像幅
、または少なくとも2000/100ミクロンの画像幅、または少なくとも2100/1
00ミクロンの画像幅、または少なくとも2200/100ミクロンの画像幅、または少
なくとも2300/100ミクロンの画像幅、または少なくとも2400/100ミクロ
ンの画像幅である、実施形態2および32のいずれか一項に記載の基体。
【0099】
実施形態34.第2の相の計数指数が、4000/100ミクロン以下の画像幅、また
は3900/100ミクロン以下の画像幅、または3800/100ミクロン以下の画像
幅、または3700/100ミクロン以下の画像幅、または3600/100ミクロン以
下の画像幅、または3500/100ミクロン以下の画像幅、または3400/100ミ
クロン以下の画像幅、または3300/100ミクロン以下の画像幅、または3200/
100ミクロン以下の画像幅、または3100/100ミクロン以下の画像幅、または3
000/100ミクロン以下の画像幅、または2900/100ミクロン以下の画像幅、
または2800/100ミクロン以下の画像幅、または2700/100ミクロン以下の
画像幅、または2600/100ミクロン以下の画像幅、または2500/100ミクロ
ン以下の画像幅である、実施形態2および32のいずれか一項に記載の基体。
【0100】
実施形態35.基体が、少なくとも2000ピクセル/100ミクロンの画像幅の第2
の相の平均面積指数を含む、実施形態1および3のいずれか一項に記載の基体。
【0101】
実施形態36.第2の相の平均面積指数が、少なくとも2500ピクセル/100ミク
ロンの画像幅、または少なくとも3000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少
なくとも3500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも4000ピクセ
ル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも4500ピクセル/100ミクロンの画
像幅、または少なくとも5000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも
5500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも6000ピクセル/10
0ミクロンの画像幅、または少なくとも6500ピクセル/100ミクロンの画像幅、ま
たは少なくとも3000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも3500
ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも4000ピクセル/100ミクロ
ンの画像幅、または少なくとも4500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少な
くとも5000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも5500ピクセル
/100ミクロンの画像幅、または少なくとも6000ピクセル/100ミクロンの画像
幅、または少なくとも6500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも7
000ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも7500ピクセル/100
ミクロンの画像幅、または少なくとも8000ピクセル/100ミクロンの画像幅、また
は少なくとも8500ピクセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも9000ピ
クセル/100ミクロンの画像幅、または少なくとも9500ピクセル/100ミクロン
の画像幅、または少なくとも10000ピクセル/100ミクロンの画像幅である、実施
形態2および35のいずれか一項に記載の基体。
【0102】
実施形態37.第2の相の平均面積指数が、30000ピクセル/100ミクロン以下
の画像幅、または28000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または25000
ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または22000ピクセル/100ミクロン以
下の画像幅、または20000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または1800
0ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または15000ピクセル/100ミクロン
以下の画像幅、または14000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または130
00ピクセル/100ミクロン以下の画像幅、または12000ピクセル/100ミクロ
ン以下の画像幅、または11000ピクセル/100ミクロン以下の画像幅である、実施
形態2および35のいずれか一項に記載の基体。
【0103】
実施形態38.第2の相の平均サイズ指数が、少なくとも3.00ピクセル2である、
実施形態1および3のいずれか一項に記載の基体。
【0104】
実施形態39.第2の相の平均サイズ指数が、少なくとも3.10ピクセル2、または
少なくともまたは少なくとも3.20ピクセル2、または少なくとも3.25ピクセル2
、または少なくとも3.30ピクセル2、または少なくとも3.35ピクセル2、または
少なくとも3.40ピクセル2、または少なくとも3.45ピクセル2、または少なくと
も3.50ピクセル2、または少なくとも3.55ピクセル2、または少なくとも3.6
0ピクセル2、または少なくとも3.65ピクセル2、または少なくとも3.70ピクセ
ル2、または少なくとも3.75ピクセル2、または少なくとも3.80ピクセル2、ま
たは少なくとも3.85ピクセル2、または少なくとも3.90ピクセル2、または少な
くとも3.95ピクセル2、または少なくとも4.00ピクセル2、または少なくとも4
.05ピクセル2、または少なくとも4.10ピクセル2、または少なくとも4.15ピ
クセル2、または少なくとも4.20ピクセル2、または少なくとも4.25ピクセル2
、または少なくとも4.30ピクセル2、または少なくとも4.35ピクセル2である、
実施形態2および38のいずれか一項に記載の基体。
【0105】
実施形態40.第2の平均サイズ指数が、10.00ピクセル2以下、または9.00
ピクセル2以下、または8.00ピクセル2以下、または7.00ピクセル2以下、また
は6.00ピクセル2以下、または5.75ピクセル2以下、または5.50ピクセル2
以下、または5.25ピクセル2以下、または5.00ピクセル2以下、または4.95
ピクセル2以下、または4.90ピクセル2以下、または4.85ピクセル2以下、また
は4.80ピクセル2以下、または4.75ピクセル2以下、または4.70ピクセル2
以下である、実施形態2および38のいずれか一項に記載の基体。
【0106】
実施形態41.基体が、
少なくとも1000/100ミクロンの画像幅の第2の相の計数指数、
少なくとも2000ピクセル/100ミクロンの画像幅の第2の相の平均面積指数、
少なくとも3.00ピクセル2の第2の相の平均サイズ指数、
またはそれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1および
3のいずれか一項に記載の基体。
【0107】
実施形態42.基体が、
少なくとも1000/100ミクロンの画像幅かつ4000/100ミクロン以下の画
像幅の範囲内の第2の相の計数指数、
少なくとも2000ピクセル/100ミクロンの画像幅かつ30000ピクセル/10
0ミクロン以下の画像幅の範囲内の第2の相の平均面積指数、
少なくとも3.00ピクセル2かつ10.00ピクセル2以下の範囲内の第2の相の平
均サイズ指数、
またはそれらの任意の組み合わせ、のうちの少なくとも1つを含む、実施形態2および
41のいずれか一項に記載の基体。
【0108】
実施形態43.基体が、
少なくとも1000/100ミクロンの画像幅かつ4000/100ミクロン以下の画
像幅の範囲内の第2の相の計数指数、
少なくとも2000ピクセル/100ミクロンの画像幅かつ30000ピクセル/10
0ミクロン以下の画像幅の範囲内の第2の相の平均面積指数、
少なくとも3.00ピクセル2かつ10.00ピクセル2以下の範囲内の第2の相の平
均サイズ指数、
またはそれらの任意の組み合わせ、を含む、実施形態2および41のいずれか一項に記
載の基体。
【0109】
実施形態44.第2の相の大部分が、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重境界領域に
位置する、実施形態1および2のいずれか一項に記載の基体。
【0110】
実施形態45.第2の相の少なくとも55%が、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重
境界領域に位置するか、または第2の相の少なくとも60%、もしくは少なくとも70%
、もしくは少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、もしくは少なくとも95%が
、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重境界領域に位置する、実施形態3および44のい
ずれか一項に記載の基体。
【0111】
実施形態46.第2の相の本質的にすべてが、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重境
界領域に位置する、実施形態44に記載の基体。
【0112】
実施形態47.第2の相の99%以下が、第1の相の3つ以上の結晶粒間の三重境界領
域に位置する、実施形態44に記載の基体。
【0113】
実施形態48.基体が、1.0cc以下の平均摩耗値を含む、実施形態1、2、および
3のいずれか一項に記載の基体。
【0114】
実施形態49.基体が、少なくとも0.0001ccかつ0.1cc以下を含む範囲内
の平均摩耗値を含む、実施形態1、2、および3のいずれか一項に記載の基体。
【0115】
実施形態50.基体が、少なくとも3.7MPa m1/2かつ7MPa m1/2以
下である平均破壊靱性を含む、実施形態1、2および3のいずれか一項に記載の基体。
【0116】
実施形態51.基体が、少なくとも20GPaかつ40GPa以下の平均硬度(HV0
.1kg)を含む、実施形態1、2、および3のいずれか一項に記載の基体。
【0117】
実施形態52.基体を形成する方法であって、
炭化ケイ素を含む第1の粉末材料、および
金属酸化物を含む第2の粉末材料、を含む粉末材料のブレンドを得ることと、
粉末材料のブレンドを焼結して、
炭化ケイ素を含む第1の相、
金属酸化物を含む第2の相、を含む基体を形成することであって、第2の相が、第1の
相の結晶粒境界に位置する離散結晶粒間相であり、
基体が、少なくとも700MPaの平均強度を含む、形成することと、を含む、方法。
【0118】
実施形態53.粉末材料のブレンドからブレンドされた未焼成の粒子を形成することを
さらに含み、ブレンドされた未焼成の粒子の各々が、第1の粉末材料および第2の粉末材
料を含む、実施形態52に記載の方法。
【0119】
実施形態54.ブレンドされた未焼成の粒子を形成することが、
粉末材料と担体材料とのブレンドのスラリーを作製することと、
スラリーを混合することと、
粒子を乾燥させて、
少なくとも20ミクロンかつ200ミクロン以下を含む範囲内の平均粒径を有する、ブ
レンドされた未焼成の粒子を形成することと、を含む、実施形態53に記載の方法。
【0120】
実施形態55.スラリーを混合することが、粉砕を含む、実施形態54に記載の方法。
【0121】
実施形態56.乾燥することが、噴霧乾燥を含む、実施形態54に記載の方法。
【0122】
実施形態57.ブレンドされた未焼成の粒子を組み合わせて、未焼成の基体を形成する
ことをさらに含む、実施形態54に記載の方法。
【0123】
実施形態58.組み合わせることが、プレス、パンチング、成形、キャスティング、押
し出し、硬化、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択された少なくとも1
つのプロセスを含み得る、実施形態57に記載の方法。
【0124】
実施形態59.焼結することが、常圧焼結を含む、実施形態52に記載の方法。
【0125】
実施形態60.焼結することが、圧力によって補助される焼結を含む、実施形態52に
記載の方法。
【0126】
実施形態61.焼結することが、ホットプレスを含む、実施形態52に記載の方法。
【0127】
実施形態62.ホットプレスが、焼結温度での焼結中に少なくとも2000psiかつ
5000psi以下の焼結圧力を印加することを含む、実施形態61に記載の方法。
【0128】
実施形態63.ホットプレスが、焼結温度で少なくとも0.5時間かつ5時間以下の持
続時間の間、焼結圧力を印加することを含む、実施形態61に記載の方法。
【0129】
実施形態64.焼結することが、少なくとも1900℃かつ2100℃以下の焼結温度
で行われる、実施形態52に記載の方法。
【0130】
実施形態65.
少なくとも1900℃かつ2100℃以下の焼結温度、
焼結温度での焼結の間、少なくとも2000psiかつ5000psi以下の焼結圧力
、および
焼結温度で少なくとも0.5時間かつ5時間以下の持続時間、を含む条件を使用するホ
ットプレスを介して焼結が行われる、実施形態52に記載の方法。
【0131】
実施形態66.第1の粉末材料が、1.3ミクロン以下、または1ミクロン以下、また
は0.8ミクロン以下、または0.5ミクロン以下、または0.3ミクロン以下、または
0.2ミクロン以下、または0.1ミクロン以下の平均粒径を含む、実施形態52に記載
の方法。
【0132】
実施形態67.第1の粉末材料が、少なくとも0.01ミクロン、または少なくとも0
.05ミクロン、または少なくとも0.08ミクロン、または少なくとも0.1ミクロン
、または少なくとも0.2ミクロン、または少なくとも0.3ミクロン、または少なくと
も0.4ミクロン、または少なくとも0.5ミクロンの平均粒径を含む、実施形態52に
記載の方法。
【0133】
実施形態68.第2の粉末材料が、0.9ミクロン以下、または0.8ミクロン以下、
または0.7ミクロン以下、または0.6ミクロン以下、または0.5ミクロン以下、ま
たは0.4ミクロン以下、または0.3ミクロン以下、または0.2ミクロン以下、また
は0.1ミクロン以下の平均粒径を含む、実施形態52に記載の方法。
【0134】
実施形態69.第2の粉末材料が、少なくとも0.01ミクロン、または少なくとも0
.05ミクロン、または少なくとも0.08ミクロン、または少なくとも0.1ミクロン
の平均粒径を含む、実施形態52に記載の方法。
【0135】
実施形態70.第1の粉末材料が、5ミクロン以下、または4.5ミクロン以下、また
は4ミクロン以下、または3.5ミクロン以下、または3ミクロン以下、または2.5ミ
クロン以下、または2ミクロン以下、または1.5ミクロン以下、または1ミクロン以下
、または0.8ミクロン以下、または0.5ミクロン以下、または0.2ミクロン以下の
最大粒径を含む、実施形態52に記載の方法。
【0136】
実施形態71.第1の粉末材料が、少なくとも0.01ミクロン、または少なくとも0
.05ミクロン、または少なくとも0.08ミクロン、または少なくとも0.1ミクロン
、または少なくとも0.2ミクロン、または少なくとも0.5ミクロン、または少なくと
も0.8ミクロン、または少なくとも1ミクロン、または少なくとも1.5ミクロン、ま
たは少なくとも2ミクロン、または少なくとも2.5ミクロン、または少なくとも3ミク
ロン、または少なくとも3.5ミクロンの最大粒径を含む、実施形態52に記載の方法。
【0137】
実施形態72.第2の粉末材料が、5ミクロン以下、または1ミクロン以下の最大粒径
を含む、実施形態52に記載の方法。
【0138】
実施形態73.第2の粉末材料が、少なくとも0.1ミクロン、または少なくとも0.
5ミクロン、または少なくとも1ミクロンの最大粒径を含む、実施形態52に記載の方法
【0139】
実施形態74.第1の粉末材料が、アルファ相炭化ケイ素を含む、実施形態52に記載
の方法。
【0140】
実施形態75.第1の粉末材料が、少なくとも80重量%、または少なくとも82重量
%、または少なくとも85重量%、または少なくとも87重量%、または少なくとも90
重量%、または少なくとも92重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも
97重量%、または少なくとも99重量%のアルファ相炭化ケイ素を含む、実施形態52
に記載の方法。
【0141】
実施形態76.第1の粉末材料が、アルファ相炭化ケイ素を本質的に含む、実施形態5
2に記載の方法。
【0142】
実施形態77.第1の粉末材料が、ベータ相炭化ケイ素を本質的に含まない、実施形態
52に記載の方法。
【0143】
実施形態78.第1の粉末材料が、粒子を含み、粒子の一部分が、外面の少なくとも一
部分の上に重なっている酸化層を含む、実施形態52に記載の方法。
【0144】
実施形態79.酸化層が、酸化化合物を含む、実施形態78に記載の方法。
【0145】
実施形態80.酸化層がケイ素を含む、実施形態78に記載の方法。
【0146】
実施形態81.酸化層が、Xが1~3の範囲内の値を有するSiOxを含む、実施形態
78に記載の方法。
【0147】
実施形態82.部分が、少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または
少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、ま
たは少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%
、または少なくとも90重量%の第1の粉末材料の全粒子を含む、実施形態78に記載の
方法。
【0148】
実施形態83.第1の粉末材料の粒子の本質的にすべてが、酸化層を含む、実施形態7
8に記載の方法。
【0149】
実施形態84.第1の粉末材料が、20重量%以下、または18重量%以下、または1
6重量%以下、または14重量%以下、または12重量%以下、または10重量%以下、
または8重量%以下、または6重量%以下、または4重量%以下、または2重量%以下、
または1重量%以下、または0.5重量%以下、または0.1重量%以下のベータ相炭化
ケイ素を含む、実施形態52に記載の方法。
【0150】
実施形態85.ブレンドが、少なくとも70重量%、または少なくとも75重量%、ま
たは少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%
、または少なくとも92重量%、または少なくとも93重量%、または少なくとも94重
量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも96重量%、または少なくとも9
8重量%の第1の粉末材料を含む、実施形態52に記載の方法。
【0151】
実施形態86.ブレンドが、99重量%以下、または98重量%以下、または97重量
%以下、または96重量%以下、または95重量%以下、または94重量%以下、または
93重量%以下、または92重量%以下、または91重量%以下の第1の粉末材料を含む
、実施形態52に記載の方法。
【0152】
実施形態87.ブレンドが、少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または
少なくとも3重量%、または少なくとも4重量%、または少なくとも5重量%、または少
なくとも6重量%、または少なくとも7重量%、または少なくとも8重量%、または少な
くとも9重量%の第2の粉末材料を含む実施形態52に記載の方法。
【0153】
実施形態88.ブレンドが、10重量%以下、または9重量%以下、または8重量%以
下、または7重量%以下、または6重量%以下、または5重量%以下、または4重量%以
下、または3重量%以下、または2重量%以下の第2の粉末材料を含む、実施形態52に
記載の方法。
【0154】
実施形態89.ブレンドが、重量パーセントで測定した場合の第2の粉末材料の含有量
(C2)と比較した、重量パーセントで測定した場合の第1の粉末材料の含有量(C1)
の比(C1/C2)を含み、比(C1/C2)が、少なくとも9、または少なくとも12
、または少なくとも14、または少なくとも16、または少なくとも18、または少なく
とも20、または少なくとも22、または少なくとも24、または少なくとも26、また
は少なくとも28である、実施形態52に記載の方法。
【0155】
実施形態90.ブレンドが、重量パーセントで測定した場合の第2の粉末材料の含有量
(C2)と比較した、重量パーセントで測定した場合の第1の粉末材料の含有量(C1)
の比(C1/C2)を含み、比(C1/C2)が、55以下、または50以下、または4
5以下、または40以下、または35以下、または30以下、または28以下、または2
6以下、または24以下、または22以下である、実施形態52に記載の方法。
【0156】
実施形態91.第2の粉末材料が、アルミニウム、希土類元素、アルカリ土類元素、遷
移金属酸化物、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、実施形
態52に記載の方法。
【0157】
実施形態92.第2の粉末材料の金属酸化物が、アルミナを含む、実施形態52に記載
の方法。
【0158】
実施形態93.第2の粉末材料の金属酸化物が、ケイ素を含む、実施形態52に記載の
方法。
【0159】
実施形態94.第2の粉末材料の金属酸化物が、シリカを含む、実施形態52に記載の
方法。
【0160】
実施形態95.第2の粉末材料の金属酸化物が、アルミナから本質的になる、実施形態
79に記載の方法。
【0161】
実施形態96.第2の粉末材料の金属酸化物が、少なくとも50重量%のアルミナ、ま
たは少なくとも60重量%のアルミナ、または少なくとも70重量%のアルミナ、または
少なくとも80重量%のアルミナ、または少なくとも90重量%のアルミナ、または少な
くとも95重量%のアルミナ、または少なくとも99重量%のアルミナを含む、実施形態
52に記載の方法。
【実施例
【0162】
以下のプロセスを使用して一連の試料を作製した。Saint-Gobain社からS
intex13として市販の、0.6μmの平均粒径を有する、主にアルファ炭化ケイ素
である第1の粉末材料を得た。炭化ケイ素粉末は、第1の粉末材料の表面の少なくとも一
部に存在するケイ素および酸素を含む酸化膜をある程度含んでいた。第2の粉末材料を、
第1の粉末材料とブレンドした。第2の粉末材料は、Sumitomo Corpora
tionからAKP53として市販の100~200nmの平均粒径を有するアルファア
ルミナであった。ブレンドは、96重量%の第1の粉末材料と、4重量%の第2の粉末材
料を含んでいた。
【0163】
82重量%のDI水、SiC媒体、3.33重量%のPVA(21%ゾル)、1重量%
のPEG400(Carbowax400)、および0.7重量%のTEA(すべての百
分率はSiCに対するものである)を使用したブレンドを、音響ミキサー中で混合した。
【0164】
ブレンドを混合した後、材料をYamatoDL410噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。ブ
レンドした未焼成の粒子が、およそ50~60ミクロンの平均粒径およびおよそ100ミ
クロンの最大粒径を有するように、100ミクロンメッシュを通して噴霧乾燥粒子をスク
リーニングした。
【0165】
ブレンドした未焼成の粒子を形成し、ふるい分けした後、粒子を所望のサイズおよび形
状の型に入れ、ホットプレス作業を施した。ホットプレスは、試料に応じて0.5時間ま
たは1時間の持続時間の間、1950℃~2050℃の焼結温度で、4インチの試料に
対しておよそ3000psiの焼結圧力で行う。焼結を不活性雰囲気中で行って、最終形
成基体を形成する。ホットプレスは、TFS Technologies社から市販のG
CA機で行われる一軸プレス作業である。表1は、試料(S1~S8)についての焼結温
度、焼結持続時間、平均強度、および強度値の標準偏差を提供する。
【0166】
【表1】
【0167】
図5A図5Hは、それぞれ試料S1~S8を撮影した断面SEM画像を含む。
【0168】
図6は、試料S1~S8についての強度に対する第2の相の計数指数因子のプロットを
含む。図7は、試料S1~S8についての強度に対する第2の相の平均面積指数のプロッ
トを含む。
【0169】
試料S1は、およそ1.10ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ3.86ミクロン
の最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、およ
びおよそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であ
った。
【0170】
試料S2は、およそ1.15ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ4.4ミクロンの
最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、および
およそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であっ
た。
【0171】
試料S3は、およそ1.15ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ4.4ミクロンの
最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、および
およそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であっ
た。
【0172】
試料S4は、およそ1.27ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ4.71ミクロン
の最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、およ
びおよそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であ
った。
【0173】
試料S5は、およそ1.41ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ5.84ミクロン
の最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、およ
びおよそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であ
った。
【0174】
試料S6は、およそ1.10ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ4ミクロンの最大
結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、およびおよ
そ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度、およそ4
40MPaの平均強度、0.04ccの平均摩耗値、およびおよそ4.6MPa m1/
の平均靱性であった。
【0175】
試料S7は、およそ1.09ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ4.35ミクロン
の最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、およ
びおよそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であ
った。
【0176】
試料S8は、およそ1.29ミクロンの平均結晶粒径、およびおよそ7.79ミクロン
の最大結晶粒径を有した。基体は、炭化ケイ素を含むおよそ96重量%の第1の相、およ
びおよそ4重量%の第2の相を含んでいた。基体の密度は、98~99%の理論密度であ
った。
【0177】
ある特定の先行技術は、金属酸化物のいくらかの含有量を有する炭化ケイ素の基体が、
従来技術を使用して形成されて、従来の微細構造を有する基体が形成され得ることを開示
している。例えば、SinghalおよびLangeの、「Effect of Alu
mina Content on the Oxidation of Hot-Pre
ssed Silicon Carbide」、Metallurgy and Met
als Processing.Pp.433-435を参照されたい。Langeの、
「Hot-pressing behavior of Silicon Carbid
e powders with additions of Aluminum Oxi
de.」、Journal of Materials Science.Vol.10
,1975も、参照されたい。Suzuki「Improvement in the
oxidation resistance of liquid phase sin
tered silicon carbide with aluminum oxid
e additions.」、Ceramics International.Vol
.31,2005も参照されたい。しかしながら、前述の実施形態は、かかる従来のプロ
セスおよび物品とは異なると考えられる。まず、注目すべき、かつ驚くべきことに、本実
施形態の基体は、従来技術と比較して、焼結持続時間で顕著に低い焼結圧力を使用して特
定の微細構造を有するように形成されることが可能である。さらに、特定の理論に束縛さ
れることを望まないが、加工パラメータの組み合わせが、本明細書の実施形態の特徴の組
み合わせを有する基体の形成を容易にすると思われる。とりわけ、本明細書の実施形態の
基体は、基体の1つ以上の固有の特性をも促進し得る、固有の微細構造を作製するような
特定の様式で加工されることができる。
【0178】
上に開示の主題は、例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、添付の特
許請求の範囲は、本発明の真の範囲内に入るかかる修正、拡張、および他の実施形態のす
べてを網羅することを意図する。したがって、本発明の範囲は、法律で許容される最大限
度まで、以下の特許請求の範囲およびそれら均等物の最も広い許容可能な解釈によって決
定されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限または限定されるものではない。
【0179】
開示の概要は、特許法を遵守するために提供され、特許請求の範囲または意味を解釈ま
たは限定するために使用されないことを理解して提出される。加えて、前述の詳細な説明
では、本開示を合理化する目的で、様々な特徴をまとめてグループ化するか、単一の実施
形態で記載されている場合がある。この開示は、請求された実施形態が各請求項に明示的
に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべ
きではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、開示さ
れた実施形態のうちのいずれかに記載のすべての特徴に満たないものに関し得る。したが
って、以下の特許請求の範囲は、詳細な説明に組み込まれ、各特許請求の範囲は、別々に
請求される主題を定義するものとして独立している。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6
図7
図8