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  • 特許-分光法を用いる識別 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】分光法を用いる識別
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20220831BHJP
   G01N 21/35 20140101ALI20220831BHJP
   G01J 3/42 20060101ALI20220831BHJP
   G01J 3/44 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
G01N21/27 F
G01N21/35
G01J3/42 U
G01J3/44
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018126862
(22)【出願日】2018-07-03
(62)【分割の表示】P 2016163856の分割
【原出願日】2016-08-24
(65)【公開番号】P2018185328
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2019-08-20
(31)【優先権主張番号】62/210,198
(32)【優先日】2015-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】チャンメン ション
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジー ピーダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ペン ゾー
(72)【発明者】
【氏名】ラン スン
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522249(JP,A)
【文献】国際公開第2014/136327(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0220853(US,A1)
【文献】特表2015-516570(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0036795(US,A1)
【文献】特表2010-527017(JP,A)
【文献】国際公開第2009/078096(WO,A1)
【文献】特開2011-094982(JP,A)
【文献】MA, C.Y. and WANG, X.Z.,Simultaneous characterization of multiple properties of solid and liquid phases in crystallization processes using NIR,Particuology,2011年08月20日,Vol. 9,pp. 589-597,doi:10.1016/j.partic.2011.03.010
【文献】GUODONG, Z. et al.,Hierarchical learning strategy in semantic relation extraction,Information Processing and Management,2007年08月29日,Vol. 44,pp. 1008-1021,doi:10.1016/j.ipm.2007.07.007
【文献】GOWEN, A.A. et al.,Recent applications of Chemical Imaging to pharmaceutical process monitoring and quality control,European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics,2007年11月01日,Vol. 69,pp. 10-22,doi:10.1016/j.ejpb.2007.10.013
【文献】MA, C.Y. and WANG, X.Z.,Simultaneous characterization of multiple properties of solid and liquid phases in crystallization processes using NIR,Particuology,2011年08月20日,Vol. 9,pp. 589-597,doi:10.1016/j.partic.2011.03.010
【文献】GUODONG, Z. et al.,Hierarchical learning strategy in semantic relation extraction,Information Processing and Management,2007年08月29日,Vol. 44,pp. 1008-1021,doi:10.1016/j.ipm.2007.07.007
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/01
G01N 21/17-G01N 21/61
G01J 3/00-G01J 3/52
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置によって、グローバル分類モデルを生成するステップであって、前記グローバル分類モデルは、サポートベクトルマシン(SVM)クラシフィア技術を利用して、試料の分光測定結果に基づいて生成され、化合物の種類を識別するために用いられる、ステップと、
前記第1装置によって、グローバル分類モデルの精度を検証するための検証試料の分光測定結果に基づいて、前記グローバル分類モデルが検証閾値を満足し、所定の分類精度を有することを決定するステップと、
前記第1装置が、前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することの決定に基づいて、前記グローバル分類モデルを、第1スペクトロメータで実行される分光測定にRMID(原料識別)を実行するとき利用するために、第1スペクトロメータと関連する第2装置に提供するステップと、
前記第1装置が、前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することの決定に基づいて、前記グローバル分類モデルを、第2スペクトロメータで実行される分光測定にRMIDを実行するとき利用するために、第2スペクトロメータと関連する第3装置に提供するステップと、
前記第1装置が、記第1装置と関連するスペクトロメータにより特定の試料の分光測定を実行し、前記第1装置により生成された前記グローバル分類モデルのクラスのサブセットに基づいてローカル分類モデルを生成し、前記グローバル分類モデル及び前記ローカル分類モデルを用いて前記特定の試料を分類するステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1装置が、前記グローバル分類モデルを生成するために、複数のクラシファイア(分類技術)から、hier-サポートベクトルマシン(SVM)-リニアクラシファイア技術を選択するステップを、更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1装置が、一以上の他のクラシファイアに対して前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を試験するステップを更に含み、
複数のクラシファイア(分類技術)から前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を選択するステップは、一以上の他のクラシファイアに対する前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術の試験に基づいて、前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を選択するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することを決定するステップは、
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を超える分類精度を有することを決定するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記グローバル分類モデルは、前記第1スペクトロメータで実行される分光測定に原料識別(RMID)を実行するときに利用される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
一組の分光測定の結果を識別する情報を受信するステップを更に含み、
前記グローバル分類モデルを生成するステップは、前記一組の分光測定の結果を識別する情報に基づいて前記グローバル分類モデルを生成するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記一組の分光測定の結果を識別する情報は、複数のスペクトロメータから受信する
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
一以上のメモリと、
前記一以上のメモリと通信可能に結合された一以上のプロセッサであって、
サポートベクトルマシン(SVM)クラシフィア技術を利用して、試料の分光測定結果に基づいて生成され、化合物の種類を識別するために用いられるグローバル分類モデルを生成し、
グローバル分類モデルの精度を検証するための検証試料の分光測定結果に基づいて、前記グローバル分類モデルが検証閾値を満足し、所定の分類精度を有することを決定し、
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することの決定に基づいて、前記グローバル分類モデルを、第1スペクトロメータで実行される分光測定にRMID(原料識別)を実行するとき利用するために、第1スペクトロメータと関連する第2装置に提供し、
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することの決定に基づいて、前記グローバル分類モデルを、第2スペクトロメータで実行される分光測定にRMIDを実行するとき利用するために、第2スペクトロメータと関連する第3装置に提供し、
記プロセッサと関連するスペクトロメータにより特定の試料の分光測定を実行し、前記プロセッサにより生成された前記グローバル分類モデルのクラスのサブセットに基づいてローカル分類モデルを生成し、前記グローバル分類モデル及び前記ローカル分類モデルを用いて前記特定の試料を分類するように、構成されている一以上のプロセッサと、
を備えることを特徴とする第1装置。
【請求項9】
前記一以上のプロセッサは更に、
前記グローバル分類モデルを生成するために、複数のクラシファイア(分類技術)から、hier-サポートベクトルマシン(SVM)-リニアクラシファイア技術を選択するように構成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の第1装置。
【請求項10】
前記一以上のプロセッサは更に、
一以上の他のクラシファイアに対して前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を試験するように構成されており、
複数のクラシファイア(分類技術)から前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を選択することは、一以上の他のクラシファイアに対する前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術の試験に基づいて、前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を選択することを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の第1装置。
【請求項11】
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することを決定するとき、前記一以上のプロセッサは更に、前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を超える分類精度を有することを決定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の第1装置。
【請求項12】
前記グローバル分類モデルは、前記第1スペクトロメータで実行される光学測定に原料識別(RMID)を実行するときに利用される、
ことを特徴とする請求項8に記載の第1装置。
【請求項13】
前記一以上のプロセッサは更に、
一組の分光測定の結果を識別する情報を受信し、
前記グローバル分類モデルを生成するとき、前記一以上のプロセッサは、前記一組の分光測定の結果を識別する情報に基づいて、前記グローバル分類モデルを生成するように構成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の第1装置。
【請求項14】
前記一組の分光測定の結果を識別する情報は、複数のスペクトロメータから受信する、
ことを特徴とする請求項13に記載の第1装置。
【請求項15】
命令を格納する非トランジトリコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、第1装置の一以上のプロセッサにより実行されるとき、前記一以上のプロセッサに、
サポートベクトルマシン(SVM)クラシフィア技術を利用して、試料の分光測定結果に基づいて生成され、化合物の種類を識別するために用いられるグローバル分類モデルを生成させ、
グローバル分類モデルの精度を検証するための検証試料の分光測定結果に基づいて、前記グローバル分類モデルが検証閾値を満足し、所定の分類精度を有することを決定させ、
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することの決定に基づいて、前記グローバル分類モデルを、第1スペクトロメータで実行される分光測定にRMID(原料識別)を実行するとき利用するために、第1スペクトロメータと関連する第2装置に提供させ、
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することの決定に基づいて、前記グローバル分類モデルを、第2スペクトロメータで実行される分光測定にRMIDを実行するとき利用するために、第2スペクトロメータと関連する第3装置に提供させ、
記第1装置と関連するスペクトロメータにより特定の試料の分光測定を実行させ、前記プロセッサにより生成された前記グローバル分類モデルのクラスのサブセットに基づいてローカル分類モデルを生成させ、前記グローバル分類モデル及び前記ローカル分類モデルを用いて前記特定の試料を分類させる、
一以上の命令を含む、
ことを特徴とする非トランジトリコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサによって実行されるとき、更に前記一以上のプロセッサに、
グローバル分類モデルを生成するために、複数のクラシファイア(分類技術)から、hier-サポートベクトルマシン(SVM)-リニアクラシファイア技術を選択させる、
ことを特徴とする請求項15に記載の非トランジトリコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサによって実行されるとき、更に前記一以上のプロセッサに、
一以上の他のクラシファイアに対して前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を試験させ、
複数のクラシファイア(分類技術)から前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を選択させることは、一以上の他のクラシファイアに対する前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術の試験に基づいて、前記hier-SVM-リニアクラシファイア技術を選択させることを含む、
ことを特徴とする請求項16に記載の非トランジトリコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を満足することを決定させる前記一以上の命令は、
前記グローバル分類モデルが前記検証閾値を超える分類精度を有することを決定させる一以上の命令を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の非トランジトリコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記グローバル分類モデルは、前記第1スペクトロメータで実行される光学測定に原料識別(RMID)を実行するときに利用される、
ことを特徴とする請求項15に記載の非トランジトリコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサによって実行されるとき、更に前記一以上のプロセッサに、
一組の分光測定の結果を識別する情報を受信させ、
前記グローバル分類モデルを生成させる一以上の命令は、前記一組の分光測定の結果を識別する情報に基づいて前記グローバル分類モデルを生成させる一以上の命令を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の非トランジトリコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
原料識別は医薬品の品質制御に利用することができる。例えば、原料識別は合剤に実行
してその合剤の含有成分がその合剤と関連するパッケージラベルに一致するかどうかを決
定することができる。分光法は他の化学的技法と比較して少ない準備及び短いデータ収集
時間で非破壊原料識別を容易にする。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの可能な実施形態によれば、装置は一以上のプロセッサを含み得る。前記一以
上のプロセッサは未知試料の分光測定の結果を識別する情報を受信し得る。前記一以上の
プロセッサは前記分光測定の結果及びグローバル分類モデルに基づいて前記未知試料の第
1分類を実行し得る。前記グローバル分類モデルはサポートベクトルマシン(SVM)ク
ラシフィア技術を利用し得る。前記グローバル分類モデルはグローバルセットのクラスを
含み得る。前記一以上のプロセッサは前記第1分類に基づいてローカル分類モデルを生成
し得る。前記ローカル分類モデルは前記SVM分類技術を利用し得る。前記ローカル分類
モデルはグローバルセットのクラスのサブセットを含み得る。一以上のプロセッサは前記
分光測定の結果及び前記ローカル分類モデルに基づいて前記未知試料の第2分類を実行し
得る。前記一以上のプロセッサは、前記第2分類の実行に基づいて前記未知試料と関連す
る前記サブセットのうちの一つのクラスを識別する情報を出力し得る。
【0003】
いくつかの可能な実施形態によれば、コンピュー可読媒体は一以上の命令を格納し、前
記一以上の命令は、一以上のプロセッサにより実行されるとき、前記一以上のプロセッサ
に、未知セットの一組の分光測定の結果を識別する情報を受信させることができる。前記
未知セットは一組の未知試料を含み得る。前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサ
により実行されるとき、前記一以上のプロセッサに、一組の分光測定の結果及びグローバ
ル分類モデルに基づいて未知試料のセットの第1分類を実行させることができる。前記グ
ローバル分類モデルはサポートベクトルマシン(SVM)リニアクラシファイア技術を利
用し得る。前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサにより実行されるとき、前記一
以上のプロセッサに、前記第1分類に基づいて前記一組の未知試料に対して一組のローカ
ル分類モデルを生成させることができる。前記一組のローカル分類モデルはSVMリニア
クラシフィア技術を利用し得る。前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサにより実
行されるとき、前記一以上のプロセッサに、前記一組の分光測定の結果及び前記一組のロ
ーカル分類モデルに基づいて前記一組の未知試料の第2分類を実行させることができる。
前記一以上の命令は、前記一以上のプロセッサにより実行されるとき、前記一以上のプロ
セッサに、前記第2分類の実行に基づいて前記一組の未知試料の分類を識別する情報を出
力させることができる。
【0004】
いくつかの可能な実施形態によれば、方法は、装置によって、第1スペクトロメータに
より実行された未知試料の分光測定結果を識別する情報を受信するステップを含み得る。
本方法は、前記装置によって、前記分光測定の結果及びグローバル分類モデルに基づいて
前記未知試料の第1分類を実行するステップを含み得る。前記グローバル分類モデルはサ
ポートベクトルマシン(SVM)クラシフィア技術と第2スペクトロメータにより実行さ
れた一組の分光測定を利用して生成することができる。本方法は、前記装置によって、前
記第1分類に基づいてローカル分類モデルを生成するステップを含み得る。前記ローカル
分類モデルは前記SVMクラシフィア技術を利用し得る。前記ローカル分類モデルは前記
グローバル分類モデルの一組のクラス(グローバルセット)のサブセットを含み得る。本
方法は、前記装置によって、前記分光測定の結果及び前記ローカル分類モデルに基づいて
前記未知試料の第2分類を実行するステップを含み得る。本方法は、前記装置によって、
前記第2分類の実行に基づいて前記未知試料と関連する前記サブセットの一つのクラスを
識別する情報を出力するステップを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本明細書に記載する例示的な実施形態の概略図である。
図1B】本明細書に記載する例示的な実施形態の概略図である。
図2】本明細書に記載するシステム及び/又は方法を実装し得る例示的な環境を示す図である。
図3図2の一以上の装置のコンポーネントを例示する図である。
図4】サポートベクトルマシンクラシフィアに基づいて原料識別用のグローバル分類モデルを生成する例示的なプロセスのフローチャートである。
図5図4に示す例示的なプロセスに関する例示的な実施形態を示す図である。
図6】多段分類技術を用いて原料識別を実行する例示的なプロセスのフローチャートである。
図7A図6に示す例示的なプロセスと関連する予測成功率に関する例示的な実施結果を示す図である。
図7B図6に示す例示的なプロセスと関連する予測成功率に関する例示的な実施結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明は添付図面に関する。異なる図面中の同じ参照番
号は同じ又は類似の要素を示す。
【0007】
原料識別(RMID)は、識別、検証等のために特定の試料の成分(例えば含有成分)
を識別するために使用される技術である。例えば、RMIDは、医薬品の含有成分がラベ
ルで確認される一組の含有成分に一致するかを確認するために利用される。試料(例えば
、医薬品)の成分を決定するためにスペクトロメータを用いて試料の分光測定を実行する
ことができる。スペクトロメータは試料の一組の測定を実行し、その一組の測定を分類の
ために出力することができる。計量化学分類技術(例えばクラシファイア)は試料の一組
の測定に基づく試料の成分の決定を容易にする。しかしながら、いくつかの計量化学分類
技術は他の技術と比較して、低いトラスファビリティ、大規模分類を実行するのに不十分
な粒度、などと関連し得る。本明細書に記載する実施形態はRMIDを容易にするために
階層的サポートベクトルマシンクラシファイアを利用することができる。こうして、スペ
クトロメータの制御装置は他のRMID技術に比べて改善された分類精度を容易にする。
【0008】
図1A及び図1Bは本明細書に記載する例示的な実施形態100の全体図である。図1
Aに示すように、例示的な実施形態100は第1制御装置及び第1スペクトロメータを含
み得る。第1制御装置は、訓練セット(例えば、分類モデルを訓練するために使用される
未知試料のセット)に対して一組の分光測定を第1スペクトロメータに実行させ得る。訓
練セットは分類モデルの各クラスに対して閾量の試料を含むように選択され得る。分類モ
デルのクラスは、一般に一以上の特性を共有する類似の化合物、例えば(医薬分野におい
て)ラクトース化合物、フラクトース化合物、アセトアミノフェン化合物、イブプロフェ
ン化合物、アスピリン化合物等のグループ化を指す。
【0009】
図1Aに更に示すように、第1スペクトロメータは第1制御装置からの命令の受信に基
づいて訓練セットに一組の分光測定を実行することができる。例えば、第1スペクトロメ
ータは訓練セットの各試料のスペクトルを測定することができる。第1スペクトロメータ
は一組の分光測定結果を第1制御装置に供給することができる。第1制御装置は特定の分
類技術を用い、一組の分光測定結果に基づいて、グローバル分類モデルを生成することが
できる。例えば、第1制御装置はサポートベクトルマシン(SVM)技術(例えば、情報
分類のためのマシン学習技術)を用いてグローバル分類モデルを生成することができる。
グローバル分類モデルは特定のスペクトルの特定のクラスへの割り当てと関連する情報を
含むことができ、且つ特定のクラスと関連する化合物の種類を識別する情報を含むことが
できる。こうして、制御装置は未知試料のスペクトルの特定クラスへの割り当てに基づい
て未知試料の化合物の種類を識別する情報を出力することができる。グローバル分類モデ
ルはデータ構造で格納し、一以上の他の制御装置又は同種の装置に供給することができる
【0010】
図1Bに示すように、第2制御装置は(例えば、第1制御装置から)グローバル分類モ
デルを受信し、そのグローバル分類モデルをデータ構造で格納し得る。第2制御装置は、
未知セット(例えば、RMIDを実行すべき未知試料のセット)に対して一組の分光測定
を第2スペクトロメータに実行させることができる。第2スペクトロメータは第2制御装
置からの命令の受信に基づいて一組の分光測定を実行することができる。例えば、第2ス
ペクトロメータは未知セットの各試料のスペクトルを測定することができる。第2スペク
トロメータは一組の分光測定結果を第2制御装置に供給することができる。第2制御装置
は、グローバル分類モデルに基づいて、多段分類技術を用いて、未知セットに対してRM
IDを実行することができる。
【0011】
図1Bに関して、第2制御装置はグローバル分類モデルを用いて未知セットの特定の試
料の第1分類を実行し得る。第2制御装置は特定の試料及びグローバル分類モデルと関連
する一組の信頼メトリックを決定し得る。信頼メトリックは特定の試料の特定のクラスへ
の割り当てと関連する信頼性を示す。例えば、第2制御装置は特定の試料及びグローバル
分類モデルの各クラスと関連する信頼メトリックを決定し得る。第2制御装置は、一以上
のそれぞれの信頼メトリックに基づいてグローバル分類モデルのクラスのサブセットを選
択し、そのサブセットのクラスに基づいてローカル分類モデルを生成し得る。ローカル分
類モデルはSVM技術及びサブセットのクラスを用いて生成されるin situ分類モ
デルと言うことができる。第2制御装置は特定の試料を特定のクラスに割り当てるために
ローカル分類モデルに基づいて第2分類を実行することができる。こうして、第2制御装
置は、他の分類モデル及び/又は一段分類技術に比べて、RMIDを未知セットの特定の
試料に対して向上した精度で実行することができる。第2制御装置は未知セットの各試料
に対して第1分類及び第2分類を実行して未知セットの各試料を識別することができる。
別の例では、第1制御装置はグローバル分類モデル及び第1スペクトロメータにより実行
された分光測定に基づくローカル分類モデルを用いて特定の試料を分類してもよい。
【0012】
図2は、本明細書に記載するシステム及び/又は方法を実施し得る例示的環境200を
示す。図2に示すように、環境200は制御装置210、スペクトロメータ220、及び
ネットワーク230を含み得る。環境200の装置は、有線接続、無線接続、又は有線及
び無線接続の組み合わせを介して相互接続し得る。
【0013】
制御装置210はRMIDと関連する情報を格納し、処理し、及び/又はルーティング
し得る一以上の装置を含み得る。例えば、制御装置210は、クラシファイア及び訓練セ
ットの一組の測定値に基づいてモデルを生成し、そのモデルを利用し、未知セットの一組
の測定に基づいてRMIDを実行する、サーバ、コンピュータ、ウェアラブルデバイス、
クラウドコンピューティングデバイス等を含み得る。いくつかの実施形態では、制御装置
210は特定のスペクトロメータ220と関連し得る。いくつかの実施形態では、制御装
置210は複数のスペクトロメータ220と関連し得る。いくつかの実施形態では、制御
装置210は情報を環境200内の別の装置、例えばスペクトロメータ220、から受信
及び/又はへ送信し得る。
【0014】
スペクトロメータ220は試料に分光測定を実行し得る一以上の装置を含んでよい。例
えば、スペクトロメータ220は、スペクトロスコピー(例えば、振動スペクトロスコピ
ー、例えば近赤外(NIR)スペクトロメータ、中赤外スペクトロスコピー(mid-I
R)、ラマンスペクトロスコピー等)を実行するスペクトロメータ装置を含んでよい。い
くつかの実施形態では、スペクトロメータ220はウェアラブル装置、例えばウェアラブ
ルスペクトロメータ等に組み込んでよい。いくつかの実施形態では、スペクトロメータ2
20は情報を環境200内の別の装置、例えば制御装置210から受信及び/又はへ送信
してもよい。
【0015】
ネットワーク230は一以上の有線及び/又は無線ネットワークを含んでよい。例えば
、ネットワーク230は、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューショ
ン(LTE)ネットワーク、3Gネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワ
ーク等)、地上波公共移動通信ネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク
(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク
(MAN)、電話網(例えば、公衆交換電話網(PSTN))、プライベートネットワー
ク、アドホックネットワーク、イントラネット、インターネット。光ファイバネットワー
ク、クラウドコンピューティングネットワーク等及び/又はこれらの又は他のタイプのネ
ットワークの組み合わせを含んでよい。
【0016】
図2に示す装置及びネットワークの数及び配置は一例として与えられている。実際には
、もっと多くの装置及び/又はネットワークにしても、もっと少数の装置及び/又はネッ
トワークにしても、異なるデバイス及び/又はネットワークにしても、図2に示す例と異
なる配置のデバイス及び/又はネットワークにしてもよい。更に、図2に示す2つ以上の
装置を単一装置に実装しても、あるいは図2に示す単一装置を複数の分散された装置とし
て実装してもよい。例えば、制御装置210とスペクトロメータ220はここでは2つの
別個の装置として記載されているが、制御装置210とスペクトロメータ220は単一装
置に実装してもよい。加えて、又は代わりに、環境200の一組の装置(例えば、一以上
の装置)は環境200の別の組の装置により実行される旨記載されている一以上の機能を
実行してもよい。
【0017】
図3は、装置300の例示的なコンポーネントの図である。装置300は制御装置21
0及び/又はスペクトロメータ230に相当し得る。いくつかの実施形態では、制御装置
及び/又はスペクトロメータ230は一以上の装置300及び/又は装置300の一以上の
コンポーネントを含み得る。図3に示すように、装置300はバス310、プロセッサ3
20、メモリ330、記憶コンポーネント340、入力コンポーネント350、出力コン
ポーネント360、及び通信インタフェース370を含み得る。
【0018】
バス310は装置300のコンポーネントの間の通信を可能にするコンポーネントを含
み得る。プロセッサ320はハードウェア、ファームウェア、又はハードウェアとソフト
ウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ320は、命令を解釈及び/又は実行する
プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、アク
セラレーテッド処理装置(APU)等)、マイクロプロセッサ、及び/又は任意の処理コ
ンポーネント(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途
向け集積回路(ASIC)等)を含み得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ320
は機能を実行するようにプログラムすることができる一以上のプロセッサを含み得る。メ
モリ330は、プロセッサ320で使用する情報及び/又は命令を記憶するランダムアク
セスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及び/又は別のタイプのダイナ
ミック又はスタティック記憶装置(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、光メモリ等
)を含み得る。
【0019】
記憶コンポーネント340は装置300の動作及び使用に関する情報及び/又はソフト
ウェアを記憶し得る。例えば、記憶コンポーネント340は、ハードディスク(例えば、
磁気ディスク、光ディスク、磁気光学ディスク、ソリッドステートディスク等)、コンパ
クトディスク(CD)、ディジタルヴァーサタイルディスク(DVD)、フロッピーディ
スク、カートリッジ、磁気テープ、及び/又は別のタイプのコンピュータ可読媒体(対応
するドライバとともに)を含み得る。
【0020】
入力コンポーネント350は、装置300が例えばユーザ入力(例えば、タッチスクリ
ーンディスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、マイクロフォ
ン等)による情報を受信可能にするコンポーネントを含み得る。加えて、又は代わりに、
入力コンポーネント350は情報を検出するセンサ(例えば、グローバルポジショニング
システム(GPS)コンポーネント、加速度計、ジャイロスコープ、アクチュエータ等)
を含んでもよい。出力コンポーネント360は装置300からの出力情報を出力するコン
ポーネント(例えば、ディスプレイ、スピーカ、一以上の発光ダイオード(LED)等)
を含んでもよい。
【0021】
通信インタフェース370は、装置300が他の装置と、例えば有線接続、無線接続又
は有線接続と無線接続の組み合わせを介して、通信することを可能にするトランシーバの
ようなコンポーネント(例えば、トランシーバ、別々の受信機及び送信機等)を含み得る
。通信インタフェース370は装置300が別の装置からの情報を受信すること及び/又
は別の装置へ情報を送信することを可能にし得る。例えば、通信インタフェース370は
、イーサネット(登録商標)インタフェース、光インタフェース、同軸インタフェース、赤外インタフェース、無線周波数(RF)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、Wi-Fiインタフェース、セルラーネットワークインタフェース等を含み得る。
【0022】
装置300は本明細書に記載する一以上のプロセスを実行し得る。装置300は、メモ
リ330及び/又は記憶コンポーネント340等のコンピュータ可読媒体により記憶され
たソフトウェア命令を実行するプロセッサ320に応答してこれらのプロセスを実行し得
る。コンピュータ可読媒体は本明細書では非トランジトリメモリ装置として定義される。
メモリ装置は単一の物理記憶装置内のメモリ空間又は複数の物理記憶装置に亘って広がる
メモリ空間を含む。
【0023】
ソフトウェア命令は別のコンピュータ可読媒体又は別の装置から通信インタフェース3
70を介してメモリ330及び/又は記憶コンポーネント340に読み込んでよい。メモ
リ330及び/又は記憶コンポーネント340に記憶されたソフトウェア命令は、実行時
に、プロセッサ320に本明細書に記載する一以上のプロセスを実行させることができる
。加えて、又は代わりに、本明細書に記載する一以上のプロセスを実行するためにソフト
ウェア命令の代わりに又はそれと組み合わせてハードウェア回路を使用してもよい。従っ
て、本明細書に記載する実施形態はハードウェア回路とソフトウェアの特定の組み合わせ
に限定されない。
【0024】
図3に示すコンポーネントの数及び配置は一例にすぎない。実際には、装置300は、
追加のコンポーネント、もっと少数のコンポーネント、異なるコンポーネント、又は図3
に示す例と異なる配置のコンポーネントを含んでもよい。加えて、又は代わりに、装置3
00の一組のコンポーネント(例えば一以上のコンポーネント)は装置300の別の組の
コンポーネントにより実行される旨記載される一以上の機能を実行してもよい。
【0025】
図4は、サポートベクトルマシンクラシファイアに基づいて原料分類のためのグローバ
ル分類モデルを生成する例示的プロセス400のフローチャートである。いくつかの実施
形態では、図4の一以上のプロセスブロックは制御装置210によって実行され得る。い
くつかの実施形態では、図4の一以上のプロセスブロックは、制御装置210とは別の装
置又は接続装置210を含む一群の装置、例えばスペクトロメータ220によって実行さ
れ得る。
【0026】
図4に示すように、プロセス400は一組の分光測定を訓練セットに実行させるステッ
プを含み得る(ブロック410)。例えば、制御装置210は、訓練セットの各試料に対
してペクトルを決定するために、スペクトロメータ220に一組の分光測定を訓練セット
の試料に実行させることができる。訓練セットはグローバル分類モデルを生成するために
利用される一以上の既知の化合物の一組の試料ということができる。例えば、訓練セット
は一組の化合物の一以上のバージョン(例えば、製造差を制御するために様々な製造業者
により製造される一以上のバージョン)を含み得る。いくつかの実施形態では、訓練セッ
トはRMIDが実行される化合物の予想セットに基づいて選択され得る。例えば、RMI
Dが医薬品に対して実行されるとき、訓練セットは薬剤有効成分(API)、添加剤、等
の一組の試料を含み得る。いくつかの実施形態では、訓練セットは、各種の化合物に対し
て特定量の試料を含むように選択されることができる。例えば、訓練セットは、特定の化
合物の複数の試料(例えば、5試料、10試料、15試料、50試料等)を含むように選
択されることができる。こうして、制御装置210に特定の種類の化合物と関連するスペ
クトルの閾量を与ることができ、それによって未知試料を正確に割り当てることができる
分類モデル(例えば、グローバル分類モデル、又はローカル分類モデル等)のクラスの生
成が容易になる。
【0027】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、一以上の物理的条件を考慮するために複
数のスペクトロメータ220に一組の分光測定を実行させ得る。例えば、制御装置210
は、第1スペクトロメータ220及び第2スペクトロメータ220に、NIRスペクトロ
メータを用いて一組の振動分光測定を実行させ得る。加えて、又は代わりに、制御装置2
10は、一組の分光測定を複数回、複数の位置で、複数の異なる実験室条件下等で実行さ
せてもよい。こうすると、制御装置210は、一組の分光測定を単一のスペクトロメータ
220で実行させる場合に比較して、物理的条件の結果として分光測定が不正確になる可
能性を低減する。
【0028】
図4に更に示すように、プロセス400は一組の分光測定の結果を識別する情報を受信
するステップを含み得る(ブロック420)。例えば、制御装置210は一組の分光測定
の結果を識別する情報を受信することができる。いくつかの実施形態では、制御装置21
0は、スペクトロメータ220が訓練セットに分光測定を実行したとき観測された特定の
スペクトルを識別する情報を受信することができる。加えて、又は代わりに、制御装置2
10は一組の分光測定の結果として他の情報を受信してもよい。例えば、制御装置210
は、エネルギーの吸収、エネルギーの放出、エネルギーの散乱等の識別と関連する情報を
受信してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、制御装置210は複数のスペクトロメータ230からの一組
の分光測定の結果を識別する情報を受信し得る。例えば、制御装置210は、複数のスペ
クトロメータ220によって複数の異なる時間、異なる位置等で実行された分光測定を受
信することによって物理的状態、例えば複数のスペクトロメータ220間の差、実験室条
件の潜在的な差を制御し得る。
【0030】
図4に更に示すように、プロセス400は、一組の分光測定の結果を識別する情報に基
づいて特定のクラシファイアと関連するグローバル分類モデルを生成するステップを含み
得る(ブロック430)。例えば、制御装置210は、一組の分光測定の結果を識別する
情報に基づいてSVMクラシファイア技術と関連するグローバル分類モデルを生成し得る
。いくつかの実施形態では、制御装置210は、グローバル識別モデルを生成するために
一組の分類を実行し得る。例えば、制御装置210は、一組の分光測定の結果により識別
された一組のスペクトルをSVM技術に基づいて一組のクラスに割り当て得る。
【0031】
SVMは分類用パターン認識を実行する監視学習モデルを指す。いくつかの実施形態で
は、制御装置210は、SVM技術を用いてグローバル分類モデルを生成する際に特定の
タイプのカーネル関数を利用し得る。例えば、制御装置210は、ラジアル基底関数(R
BF)型(例えば、いわゆるSVM-rbf)のカーネル関数、線形関数(例えば、多段
分類技術に利用される、いわゆるSVM-linear及びいわゆるhier-SVM-
linear)型のカーネル関数、シグモイド関数型のカーネル関数、多項式関数型のカ
ーネル関数、指数関数型のカーネル関数等を利用し得る。いくつかの実施形態では、制御
装置210は特定のタイプのSVM、例えば確率値ベースのSVM(例えば、試料が一組
のクラスのあるクラスのメンバーである確率の決定に基づく分類)、決定値ベースのSV
M(例えば、決定関数を利用して試料が一組のクラスのどのクラスのメンバーであるか得
票で決定する分類)等を利用し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、制御装置210はグローバル分類モデルを生成するために利
用する特定のクラシファイアを一組の分類技術から選択し得る。例えば、制御装置210
は、複数のクラシファイアに対応する複数の分類モデルを生成し、例えば各モデルのトラ
ンスフェラビリティ(例えば、第1スペクトロメータ20で実行された分光測定に基づい
て生成された分類モデルが第2スペクトロメータ220で実行された分光測定に適用され
る際に正確である程度)、大規模分類精度(例えば、閾値を満足する試料の量を同時に分
類するために分類モデルを使用できる精度)等を決定することによって、複数の生成モデ
ルを試験することができる。この場合には、制御装置210はSVMクラシファイ(例え
ば、hier-SVM-linear)を、そのSVMクラシファイが他のクラシファイ
に比較して優れたトランスフェラビリティ及び/又は大規模分類精度と関連するという決
定に基づいて、選択することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、制御装置210は訓練セットの試料を識別する情報に基づい
てグローバル分類モデルを生成し得る。例えば、制御装置210は、スペクトルのクラス
を化合物の種類で識別するために、訓練セットの試料で表される化合物の種類を識別する
情報を利用し得る。いくつかの実施形態では、制御装置210はグローバル分類モデルを
生成する際にグローバル分類モデルを訓練し得る。例えば、制御装置210は一組の分光
測定の一部分を用いてモデルを訓練させることができる。加えて、又は代わりに、制御装
置210はグローバル分類モデルの評価を実行してもよい。例えば、制御装置210は一
組の分光測定の別の部分を用いてグローバル分類モデルを(例えば、予測強度について)
評価することができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は多段分類技術を用い
てグローバル分類モデルを評価することができる。例えば、制御装置210はグローバル
分類モデルが図6と関連して本明細書に記載される一以上のローカル分類モデルと関連し
て利用される際に正確であることを決定することができる。こうして、制御装置210は
、グローバル分類モデルを他のスペクトロメータ220と関連する他の制御装置210の
利用のために供給する前に、閾値精度で生成することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、グローバル分類モデルの生成後、そのグ
ローバル分類モデルを他のスペクトロメータ220と関連する他の制御装置210に供給
し得る。例えば、第1制御装置210はグローバル分類モデルを生成し、そのグローバル
分類モデルを第2制御装置210に利用のために供給し得る。この場合には、第2制御装
置210はそのグローバル分類モデルを格納し、そのグローバル分類モデルを、図6に関
して本明細書に記載すされるように、一以上のローカル分類モデルを生成し、未知セット
の一以上の試料を分類するのに利用することができる。加えて、又は代わりに、制御装置
210はグローバル分類モデルを、制御装置210で一以上のローカル分類モデルを生成
し、一以上の試料を分類するために、格納してもよい。このように、制御装置210は未
知の試料のRMIDで利用するグローバル分類モデルを提供する。
【0035】
図4はプロセス400の例示的ブロックを示し、いくつかの実施形態では、プロセス40
0は追加のブロック、もっと少数のブロック、異なるブロック、又は図4に示す例と異な
る配置のブロックを含んでもよい。加えて、又は代わりに、プロセス400の2以上のブ
ロックは並列に実行してもよい。
【0036】
図5は、図4に示す例示的プロセス400に関連する例示的な実施形態500の図であ
る。図5は原料識別のためのグローバル分類モデルをサポートベクトルマシンクラシファ
イアに基づいて生成する一例を示す。
【0037】
図5に示すように、制御装置210-1は命令をスペクトロメータ220-1に送信し
、スペクトロメータ220-1に一組の分光測定を訓練セット510に実行するよう命令
する。訓練セット510は第1セットの訓練試料(例えば、それらの測定はグローバル分
類モデルを訓練するために利用される)と、第2セットの検証試料(例えば、それらの測
定はグローバル分類モデルの精度を検証するために利用される)とを含むと仮定する。参
照番号515で示すように、スペクトロメータ220-1は、受信した命令に基づいて、
一組の分光測定を訓練セットに実行する。参照番号520で示すように、制御装置210
-1は訓練試料に関する第1セットのスペクトルと、検証試料に関する第2セットのスペ
クトルとを受信する。制御装置210-1は訓練セット510の各試料を識別する情報を
格納すると仮定する。
【0038】
図5に関して、制御装置210-1はグローバル分類モデルを生成するためにhier
-SVM-linearクラシファイアを利用するように選択していると仮定する(例え
ば、一以上の他のクラシファイアに対するhier-SVM-linearクラシファイ
アの試験に基づく)。参照番号525で示すように、制御装置210-1はhier-S
VM-linearクラシファイア及び第1セットのスペクトルを用いてグローバル分類
モデルを訓練し、hier-SVM-linearクラシファイア及び第2セットのスペ
クトルを用いてグローバル分類モデルを検証する。制御装置210-1は、グローバル分
類モデルが検証閾値を満足する(例えば検証閾値を超える精度を有する)ことを決定する
と仮定する。参照番号530で示すように、制御装置210-1はグローバル分類モデル
を制御装置210-2に(例えば、スペクトロメータ220-2で実行される分光測定に
RMIDを実行するとき利用するために)及び制御装置210-3に(例えば、スペクト
ロメータ220-3で実行される分光測定にRMIDを実行するとき利用するために)供
給する。
【0039】
上述したように、図5は単なる一例にすぎない。他の例も可能であり、図5に関して記
載した形態とは異なるものとし得る。
【0040】
このように、制御装置210は、選択された(例えば、モデルトランスフェラビリティ
、大規模分類精度等に基づいて選択された)分類技術及び一以上のスペクトロメータ22
0と関連する一以上の制御装置210で利用するためのグローバル分類モデルの分配に基
づくグローバル分類モデルの生成を容易にする。更に、制御装置210はRMIDを実行
する各制御装置210でグローバル分類モデルを生成するのに比べてコスト及び時間要件
を低減する。
【0041】
図6は、多段分類技術を用いて原料識別を実行する例示的なプロセス600のフローチ
ャートである。いくつかの実施形態では、図6の一以上のプロセスブロックは制御装置2
10により実行され得る。いくつかの実施形態では、図の一以上のプロセスブロックは、
制御装置210とは別の装置又は制御装置210を含む一群の装置、例えばスペクトロメ
ータ220によって実行されてもよい。
【0042】
図6に示すように、プロセス600は、未知セットに実行された一組の分光測定の結果
を識別する情報を受信するステップを含み得る(ブロック610)。例えば、制御装置2
10はスペクトロメータ220によって未知セットに実行された一組の分光測定の結果を
識別する情報を受信することができる。未知セットはRMIDを実行すべき一組の試料(
例えば、未知試料)を含み得る。例えば、制御装置210はスペクトロメータ220に、
一組の試料に分光測定を実行させ、一組の試料に対応する一組のスペクトルを識別する情
報を受信することができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は複数のスペクト
ロメータ220からの結果を識別する情報を受信することができる。例えば、制御装置2
10は複数のスペクトロメータ220に、未知セット(例えば、同じセットの試料)に一
組の分光測定を実行させ、未知セットの試料に対応する一組のスペクトルを識別する情報
を受信することができる。加えて、又は代わりに、制御装置210は、複数回又は複数の
位置等で実行された一組の分光測定の結果を識別する情報を受信し、複数の時間に複数の
位置等で実行された一組の分光測定に基づいて(例えば、一組の分光測定の平均化又は別
の技術に基づいて)特定の試料を分類することができる。こうして、制御装置210は一
組の分光測定の結果に影響を与え得る物理的状態を考慮することができる。
【0043】
加えて、又は代わりに、制御装置210は第1スペクトロメータ220に、未知セット
の第1部分に一組の分光測定の第1部分を実行させ、第2のスペクトロメータ220に、
未知セットの第2部分に一組の分光測定の第2部分を実行させてもよい。こうすると、制
御装置210は一組の分光測定を実行するのに要する時間量を単一のスペクトロメータ2
20ですべての分光分析を実行するのに要する時間量に比べて短縮することができる。
【0044】
図6に更に示すように、プロセス600は一組の分光測定の結果及びグローバル分類モ
デルに基づいて第1分類を実行するステップを含み得る(ブロック620)。例えば、制
御装置210は分光測定の結果及びグローバル分類モデルに基づいて第1分類を実行する
ことができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は第1分類の実行に利用するグ
ローバル分類モデルを受信してもよい。例えば、第1制御装置210は、(例えば、図4
に関して本明細書に記載したように、SVM-linearクラシファイアを用い、訓練
セットに実行された一組の分光測定に基づいて)グローバル分類モデルを生成し、そのグ
ローバル分類モデルを未知セットの第1分類を実行するために第2制御装置210に供給
することができる。加えて、又は代わりに、制御装置210は(例えば、図4に関して本
明細書に記載したように、SVM-linearクラシファイアを用い、訓練セットに実
行された一組の分光測定に基づいて)グローバル分類モデルを生成し、そのグローバル分
類モデルを利用して未知セットの第1分類を実行してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、第1分類の実行時に、未知セットの特定
の試料をグローバル分類モデルの一組のクラスの特定のクラスに割り当てることができる
。例えば、制御装置210は、グローバル分類モデルに基づいて、特定の試料と関連する
特定のスペクトルが化合物のあるクラス(例えば、セルロース化合物、ラクトース化合物
、カフェイン化合等)に対応することを決定し、特定の試料を特定のクラスに割り当てる
ことができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は信頼メトリックに基づいて特
定の試料を割り当てることができる。例えば、制御装置210は、グローバル分類モデル
に基づいて、特定のスペクトルがグローバル分類モデルの各クラスと関連する確率を決定
することができる。この場合には、制御装置210は、特定のクラスに対する特定の確率
が他のクラスと関連する他の確率より大きいことに基づいて特定の試料を特定のクラスに
割り当てることができる。こうして、制御装置210は試料が関連する化合物の種類を決
定し、試料を識別することができる。
【0046】
加えて、又は代わりに、制御装置210は第1分類と関連する別の信頼メトリックを決
定してもよい。例えば、制御装置210が第1分類の実行時に特定の試料を特定のクラス
に分類するとき、制御装置210は、特定の試料が特定のクラスと関連する確率(例えば
、最大確率という)と、特定の試料が次に可能性の高いクラスと関連する別の確率(例え
ば、第2最大確率という)との差を決定することができる。こうすると、制御装置210
は特定の試料を次に可能性の高いクラスではなく特定のクラスに割り当てるという、割り
当てに関する信頼性を高めることができる。最大確率と第2最大確率がともに高く、比較
的類似するとき(例えば、最大確率が48%で、第2最大確率が47%であり、最大確率
が48%で、第2最大確率が4%でないとき)、制御装置210は最大確率と第2最大確
率との差を提供することによって割り当て精度のより良い目安を提供する。言い換えれば
、最大確率が48%で第2最大確率が47%である第1の場合には、最も可能性の高いク
ラスへの割り当て精度は、最大確率が48%で第2最大確率が4%である第2の場合より
も、最大確率は両場合で同じであるが、相当低い。最大確率と第2最大確率との差のメト
リックを提供することで両場合を区別することができる。
【0047】
図6に更に示すように、プロセス600は第1分類に基づいてローカル分類モデルを生
成するステップを含み得る(ブロック630)。例えば、制御装置210は第1分類に基
づいてローカル分類モデルを生成することができる。ローカル分類モデルは、SVM分類
技術(例えば、SVM-rbf、SVM-linear等;確率値ベースSVM、決定値
ベースSVM等;又は同様のもの)を用い、第1分類と関連する信頼メトリックに基づい
て生成されるin-situ分類モデルということができる。例えば、ある試料のスペク
トルに対して一組の信頼メトリックがグローバル分類モデルに基づいて決定されるとき、
制御装置210は、そのスペクトルがグローバル分類モデルの各クラスと関連するそれぞ
れの確率に基づいてグローバル分類モデルのクラスのサブセットを選択することができる
。この場合には、制御装置210はSVM分類技術を用い、選択したクラスのサブセット
に基づいて、ローカル分類モデルを生成することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、オートスケーリング前処理プロシージャを実行することがで
きる。例えば、ローカル分類モデルを生成するために、制御装置210はローカル分類モ
デルに対して選択されたグローバル分類モデルのクラスのサブセットと関連するスペクト
ルに対してオートスケーリング前処理プロシージャを実行することができる。いくつかの
実施形態では、オートスケーリング前処理プロシージャは別の分類、例えばグローバル分
類モデルを用いる第1分類に対して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、別のタ
イプの前処理プロシージャ、例えばセンタリングプロシージャ、変換プロシージャ等を実
行してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、クラスのサブセットは最も高いそれぞれの信頼メトリックと
関連するクラスの閾値量を含むことができる。例えば、制御装置210は、グローバル分
類モデルの10個のクラスを、その10個のクラスはグローバル分類モデルの他のクラス
より高い確率で試料のスペクトルとそれぞれ関連するということに基づいて選択し、その
10個のクラスに基づいてローカルモデルを生成することができる。いくつかの実施形態
では、制御装置210はクラスのサブセットを、そのクラスのサブセットが閾量を満足す
ることに基づいて選択することができる。例えば、制御装置210は閾値を満足する確率
と関連する各クラスを選択することができる。加えて、又は代わりに、制御装置210は
各クラスが閾値を満足する複数のクラスの閾値量を選択してもよい。例えば、制御装置2
10は、10クラスの各々が最小閾値確率を満足するならば10クラスまで選択すること
ができる。加えて、又は代わりに、制御装置210は別の数のクラス(例えば、2クラス
、5クラス、20クラス等)を選択してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、制御装置210は複数のローカル分類モデルを生成すること
ができる。例えば、制御装置210は未知セットの第1の試料の第1のスペクトルに対し
て第1のローカル分類モデルを生成し、未知セットの第2の試料の第2のスペクトルに対
して第2のローカル分類モデルを生成することができる。こうして、制御装置210は複
数のローカル分類モデルを用いて複数の未知試料を同時に処理することによって複数の未
知試料の同時分類を容易にすることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、制御装置210は、グローバル分類モデルを用いて第1分類
を実行することに基づいて定量化モデルを生成することができる。例えば、制御装置21
0が未知試料内の物質の濃度を決定するために利用される場合で、複数の未知試料が物質
の濃度を決定するために異なる定量化モデルと関連する場合には、制御装置210は未知
試料のクラスを選択するために第1分類を利用し、未知試料のクラスと関連するローカル
分類モデルを選択することができる。こうして、制御装置210は原料識別及び/又はそ
の定量化を向上させるために階層的分類及び量子化モデルを利用することができる。
【0052】
図6に更に示すように、プロセス600は一組の分光測定の結果とローカル分類モデル
に基づいて第2分類を実行するステップを含み得る(ブロック640)。例えば、制御装
置210は分光測定結果とローカル分類モデルに基づいて第2分類を実行することができ
る。いくつかの実施形態では、制御装置210は特定のスペクトルに対して第2分類を実
行することができる。例えば、制御装置210はローカル分類モデルに基づいて特定のス
ペクトルを特定のクラスに割り当てることができる。いくつかの実施形態では、制御装置
210は特定のスペクトル及びローカル分類モデルと関連する一組の信頼メトリックを決
定することができる。例えば、制御装置210は特定のスペクトルがローカル分類モデル
の各クラスと関連する確率を決定し、特定のスペクトル(例えば、特定のスペクトルと関
連する特定の試料)をローカル分類モデルの他のクラスより高い確率を有するクラスに割
り当てることができる。こうして、制御装置210は未知セットの試料を識別する。
【0053】
加えて、又は代わりに、制御装置210は特定のスペクトル及びローカル分類モデルと
関連する別の信頼メトリックを決定してもよい。例えば、第2分類の実行時に制御装置2
10が特定の試料を特定のクラスに割り当てるとき、制御装置210は特定の試料が特定
のクラスと関連する確率(例えば、最大確率)と特定の試料が次に可能性の高いクラスと
関連する別の確率(例えば第2最大確率)との差を決定することができる。こうして、制
御装置210は、ローカル分類モデルに基づいて第2分類を実行する際に、特定の試料を
次に可能性の高いクラスではなく特定のクラスに割り当てるという、割り当てに関する信
頼性を高めることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、制御装置210は複数の第2分類を実行してよい。例えば、
制御装置210は第1試料と関連する第1スペクトルに対する第2分類を第1ローカル分
類モデルに基づいて実行し、第2試料と関連する第2スペクトルに対する別の第2分類を
第2ローカル分類モデルに基づいて実行してよい。こうして、制御装置210は未知セッ
トの複数の試料の同時分類を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、制御装
置210は未知セットの試料の一部分を第2分類から省略してもよい。例えば、制御装置
210がグローバル分類モデルに基づいて特定の試料を特定のクラスに割り当てるために
信頼メトリックを決定する際に、信頼メトリックが閾値を満たすとき、制御装置210は
この特定の試料を第2分類から省略してよい。こうすると、制御装置210は未知セット
のすべての試料に対して第2分類を実行するのと比べてリソース利用を低減することがで
きる。
【0055】
いくつかの実施形態では、制御装置210は第1分類の実行後(及び/又は第2分類の
実行後)に定量化を実行してもよい。例えば、制御装置210は一以上の分類の実行に基
づいてローカル定量化を選択し、ローカル量子化モデルの選択に基づいて特定の試料に関
して定量化を実行することができる。一例として、植物材料中の特定の化学物質の濃度を
決定するために原料識別を実行するとき、植物材料が複数の定量化モデルと関連する場合
(例えば、植物が屋内又は屋外で、冬又は夏等に成長するものであるかどうかに関する場
合)、制御装置210は特定の定量化モデルを識別するために一組の分類を実行すること
ができる。この場合には、制御装置210は一組の分類の実行に基づいて植物は冬に屋内
で成長するものであると決定することが可能であり、特定の化学物質の濃度を決定するた
めに、冬に屋内で成長する植物に関する定量化モデルを選択することができる。
【0056】
図6に更に示すように、プロセス600は第2分類の実行に基づく未知セットの分類を
識別する情報を提供するステップを含み得る(ブロック650)。例えば、制御装置21
0は第2分類の実行に基づく未知セットの試料の分類を識別する情報を提供することがで
きる。いくつかの実施形態では、制御装置210は特定の試料に対する特定のクラスを識
別する情報を提供することができる。例えば、制御装置210は、特定の試料と関連する
特定のスペクトルが特定のクラスと関連するという決定を示す情報を提供し、それによっ
て試料を識別することができる。いくつかの実施形態では、制御装置210は、特定の試
料を特定のクラスに割り当てるのと関連して信頼メトリックを示す情報を提供してもよい
。例えば、制御装置210は、特定の試料が特定のクラスと関連する確率、特定の試料に
対する最大確率と第2最大確率との差等を識別する情報を提供することができる。こうす
ると、制御装置210は、特定のスペクトルが特定にクラスに正確に割り当てられた可能
性を示す情報を提供することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、制御装置210は複数の試料のクラスを識別する情報を提供
する。例えば、制御装置210は、未知セットの第1の試料が第1のクラスと関連し、未
知セットの第2の試料が第2のクラスと関連することを示す情報を提供することができる
。こうして、制御装置210は複数試料の同時識別を提供することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、制御装置210は一組の分類と定量化の実行に基づく定量化
を提供してよい。例えば、ローカル定量化モデルの識別に基づいて、制御装置210は物
質の濃度を決定する定量化モデルを選択するために一組の分類が利用された未知試料内の
物質の濃度を識別する情報を提供することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、制御装置210は試料のクラスに関する出力を提供すること
ができる。例えば、制御装置210は未知試料の分類に関してバイナリ出力(例えば、イ
エス/ノー)を提供することができる。このバイナリ出力において、未知試料を第1セッ
トのクラス又は第2セットのクラスの一つに分類することに基づいて、第1セットのクラ
スが第1バイナリ出力(例えばイエス)に対応し、第2セットのクラスが第2バイナリ出
力(例えば、ノー)に対応する。一例として、第1セットのクラス(例えば、コーシャミ
ート、例えばコーシャビーフストリップステーキ、コーシャビーフリブ、コーシャチキン
腿肉、コーシャチキン胸肉等)及び第2セットのクラス(例えば、非コーシャミート、例
えば非コーシャビーフリブ、非コーシャポーク、非コーシャチキン手羽等)に対して、制
御装置210は未知試料を第1セットのクラス又は第2セットのクラスの特定のクラスに
分類するのに基づいてコーシャ又は非コーシャの出力を提供することができる。別の例で
は、制御装置210はハラール又は非ハラールとして分類される食品に関する一組のクラ
スを用いてもよく、試料がハラール分類に対応するのか非ハラール分類に対応するのか(
即ち、ハラール分類の他の基準、例えば宗教的証明、食肉処理中の祈り等が満足されてい
るかどうかにかかわらず、試料が採取された動物はハラール式に食肉処理されているか)
を示す出力を提供することができる。こうして、制御装置210は、特定のクラスの識別
が制御装置210のユーザ(肉の種類を決定しようとするよりむしろ肉の品目がコーシャ
であるかどうかを決定しようとする人)にとって重要でないとき、特定のクラスの識別を
提供するよりも高い可能性の正確さを有する分類を提供することができる。
【0060】
図6はプロセッサ600の例示的ブロックを示すが、いくつかの実施形態では、プロセ
ス600は追加のブロック、もっと少数のブロック、異なるブロック、又は図6とは異な
る配置のブロックを含んでよい。
【0061】
図7A及び7Bは図6に示す例示的プロセス600と関連する予測成功率に関する例示
的な実施形態700を示す。図7A及び図7Bは階層的サポートベクトルマシン(hie
r-SVM-linear)ベースの技術を用いた原料識別の例示的な結果を示す。
【0062】
図7Aに参照番号710で示すように、一組の信頼メトリックが未知セットに対して得
られる。この未知セットの各試料に対して、制御装置210はその試料がグローバル分類
モデルの各クラスと関連する確率を決定する。この未知セットの各試料に対して、最大確
率が第2最大(次の最大)確率と比較される。参照番号712で示すように、この未知セ
ットに対する最大確率は約5%から約20%の間である。参照番号714で示すように、
この未知セットに対する第2最大確率は約0%から約5%の間である。参照番号716で
示すように、制御装置210がグローバル分類モデルに基づいて誤って分類したこの未知
セットの試料は強調表示されている(例えば、この未知セットの2645サンプルのうち
84サンプルが誤って分類されている)。
【0063】
図7Aに更に参照番号720で示すように、一組の信頼メトリックがこの未知セットに
対して得られる。この未知セットの各試料に対して、制御装置210はその試料が対応す
るローカル分類モデルの各クラスと関連する確率を決定する。この未知セットの各試料に
対して、最大確率が第2最大(次の最大)確率と比較される。参照番号722で示すよう
に、この未知セットに対する最大確率は約50%から約98%の間である。参照番号72
4で示すように、この未知セットに対する第2最大確率は約2%から約45%の間である
。更に、この未知セットの各試料に対する最大確率と第2最大確率との差は、一つの試料
(その試料の確率の差は約8%であり、それでも正しい分類は行われない)を除いて、約
0.33(33%)より大きい。一組の分類の実行に基づいて、制御装置は未知セットの
すべての試料を正しく分類することができる。
【0064】
図7Bに関して、分類モデル(例えば、グローバル分類モデル、ローカル分類モデル等
)の各クラス内の試料の量が閾値を満足しないとき、制御装置210は、未知セットの試
料をクラスに割り当てる際に、低い信頼メトリック及び関連予測精度を決定してよい。参
照番号730で示すように、各クラス内の試料の量が閾値を満足しないとき、制御装置2
10は、この未知セットに対してグローバル分類モデルに基づく第1の分類及び一組のロ
ーカル分類モデル(例えば、確率ベースSVMクラシファイアローカル分類モデル)に基
づく第2の分類を実行した後に、4451サンプルのうち128サンプルを誤分類する。
参照番号740で示すように、制御装置210がグローバル分類モデルに基づく別の第1
分類及び別の一対のローカル分類モデル(例えば、決定値ベースSVMクラシファイアロ
ーカル分類モデル)に基づく別の第2分類を実行するとき、制御装置210は4451サ
ンプルのうち1サンプルを誤分類する。このように、制御装置210は決定値ベースSV
Mクラシファイアを利用することによって、確率ベースSVMクラシファイアを利用する
場合に比べて、分類精度を向上させることができる。
【0065】
上述したように、図7A及び図7Bは単なる一例にすぎない。他の例も可能であり、図
7A及び図7Bに関して記載したものと相違させてもよい。
【0066】
このように、制御装置210はRMIDを実行するためにグローバル分類モデルと、グ
ローバル分類モデルに基づいて生成されたローカル分類モデルとを利用する。
【0067】
以上の開示は詳細な説明及び記述を提供するが、網羅的であって、実施形態を開示の正
確な形態に限定することを意図するものではない。以上の開示に照らせば多くの修正及び
変更が可能であり、実施形態の実施から得ることができる。
【0068】
いくつかの実施形態が本明細書において閾値と関連して記載されている。本明細書にお
いて、閾値を満足するとは、閾値より大きい、閾値より多い、閾値より高い、閾値より大
きい又は等しい、閾値より小さい、閾値より少ない、閾値よい低い、閾値より小さい又は
等しい、閾値に等しい等を意味する。
【0069】
本明細書に記載のシステム及び/又は方法はハードウェア、ファームウェア、又はハー
ドウェアとソフトウェアの組み合わせの異なる形態で実装してよい。これらのシステム及
び/又は方法を実施するために使用される実際の専用制御ハードウェア又はソフトウェア
コードは実施形態を限定するものではない。従って、システム及び/又は方法の動作及び
挙動は本明細書においてソフトウェアコードと無関係に記載されているが、これらのシス
テム及び/又は方法を実施するソフトウェア及びハードウェアは本明細書の記載に基づい
て設計することができることは当たり前である。
【0070】
特徴の特定の組み合わせが請求の範囲及び/又は明細書に記載されているが、これらの
組み合わせは可能な実施形態の開示を限定することを意図するものでない。実際上、これ
らの特徴の多くは請求の範囲及び/又は明細書に明確に記載されない形で組み合わせるこ
とができる。以下に列記される各従属請求項は一つの請求項にのみ直接従属するが、可能
な実施形態の開示はクレームセットの他のすべての請求項と組み合わせた各従属請求項を
含む。
【0071】
本明細書で用いられる素子、動作、又は命令はいずれも、そのように明記されない限り重
要なものとも必須なものと解釈すべきでない。また、本明細書で用いられる、冠詞「a」
及び「an」は、1つ又は複数の項目を含むことが意図され、「1つ又は複数」と交換可能
に用いられ得る。さらに、本明細書で用いられる、用語「組」は、1つ又は複数の項目(
例えば、関連項目、非関連項目、関連項目及び非関連項目の組み合わせ等)を含むことが
意図され、「1つ又は複数」と交換可能に用いられ得る。1つの項目のみが意図される場
合、用語「1つ」又は同様の文言が用いられる。また、本明細書で用いられる、用語「有
する」等は、オープンエンドな用語であることが意図される。さらに、語句「に基づく」
は、別段の明記がない限り、「少なくとも部分的に基づく」を意味するとことが意図され
る。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B