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特許7132881噴霧内のひずみ硬化粘弾性流体の液滴を収集するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】噴霧内のひずみ硬化粘弾性流体の液滴を収集するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/04 20060101AFI20220831BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B05B17/04
B05D1/02 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019067028
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2019188392
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】15/962,580
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504407000
【氏名又は名称】パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】ハーウィン・ジェローム・ユニダッド
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ・ニーラカンタン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイミー・カルプ
(72)【発明者】
【氏名】エリフ・カラタイ
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-085323(JP,A)
【文献】特開2015-085324(JP,A)
【文献】特開2017-029978(JP,A)
【文献】特開平10-128199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B17/00-17/08
B05D 1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成システムであって、
第1のローラおよび第2のローラを含み、互いに隣接して配置され、互いの間にニップを画定するように構成された、一対の逆回転ローラであって、前記ニップが、上流と下流とを有する、一対の逆回転ローラと、
前記ニップの前記上流に流体を供給するように構成された流体源と、を備え、
前記一対の逆回転ローラは、互いに対して逆回転するように回転駆動させ、前記流体を、前記ニップの前記上流を通して前記ニップの前記下流に引き込ませ、前記ニップの前記下流を、液滴に分解するフィラメントとして残すように構成され、
前記一対の逆回転ローラの実質的に周りに配置されるように構成された収集シェルであって、前記収集シェルが、前記ニップの前記下流からの噴霧の通過を可能にするように構成されたノズルを有する、収集シェルと、
前記ノズルに対して互いに対向して配置された一対のエアナイフであって、前記一対は、両方とも前記収集シェルと一体化され、前記収集シェルの内面と前記一対の逆回転ローラとの間で実質的に画定されたチャンバ内に空気流を生成するように構成された第1のエアナイフ及び第2のエアナイフを含み、前記空気流は、前記ノズルを通して前記液滴を搬送し、前記空気流は、前記ニップの下流側に提供され、前記第1のエアナイフは、前記第1のローラの下流に配置され、前記収集シェルの内面の第1の部分及び前記第1のローラと同心円である第1の円の両方に実質的に接線方向の空気の第1の流れを生成し、さらに、前記第2のエアナイフは、前記第2のローラの下流に配置され、前記収集シェルの内面の第2の部分及び前記第2のローラと同心円である第2の円の両方に実質的に接線方向の空気の第2の流れを生成し、前記第1および第2の空気の流れのそれぞれは前記ノズルに向かって角度を有している、一対のエアナイフと、
を備える、エアロゾル生成システム。
【請求項2】
前記収集シェルが、前記逆回転ローラのサイズ、それらの回転速度、および前記ニップに分注されている前記流体の噴霧挙動によって画定される噴霧円錐に基づいて設計される、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項3】
前記収集シェルが、モジュール式であり、前記エアロゾル生成システムと一体化するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項4】
前記収集シェルが、前記システムからさらに取り外し可能である、請求項3に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項5】
前記空気流が、毎時3~30標準立方フィートの範囲内である、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項6】
前記第1および第2のエアナイフのそれぞれの位置付けおよび方向付けが、前記一対の逆回転ローラに対応し、前記逆回転ローラのサイズ、前記逆回転ローラの回転、および前記ニップに分注されている前記流体の噴霧挙動によって画定される噴霧円錐に基づく、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項7】
前記収集シェルが、三次元(3D)印刷、機械加工、および射出成形からなる群のうちの1つによって生成される、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項8】
前記ノズルが、前記一対の逆回転ローラに対応する噴霧円錐に基づいて選択可能である、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項9】
前記ノズルが、前記ニップの前記下流から前記ノズルの開口を通して、制限された領域に前記噴霧を向けるように構成される、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項10】
前記制限された領域が、患者の眼の表面である、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項11】
前記エアナイフのうちの少なくとも1つが、ファン、圧縮空気キャニスタ、および加圧空気ラインからなる群のうちの1つによって、それを通して駆動される空気を有する、請求項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項12】
前記システムが、ハンドヘルド装置である、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項13】
前記ノズルが、モジュール式であり、前記収集シェルと体化するように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項14】
前記収集シェルを取換えるように構成された、別の収集シェルをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された方法およびシステムは、一般的には、噴霧堆積システムおよび方法に関し、より具体的には、そのようなシステムにおけるそのような噴霧の制御された収集および方向付けに関する。
【0002】
多くの製造および工業用途、例えば燃焼用途で使用される燃料/空気混合物、噴霧塗装用の噴霧空気-塗料混合物、医薬品へのコーティングの塗布、接着剤用途等が、微細な蒸気ミストまたはエアロゾルを生成するために、流体噴霧から恩恵を受けている。いったん成分溶液をエアロゾルにすれば、それを容易に加工して、事実上あらゆる形状の表面をコーティングすることができる。あるいは、製薬業界では、エアロゾルは、「噴霧乾燥」と呼ばれるプロセスにおいて、活性医薬成分を作り出すための上流成分溶液として役立つ微粉末を作り出すために一般的に使用されている。
【0003】
粘弾性流体の噴霧処理のための従来技術に関しては、そのような流体は、多くの場合、従来の霧状化法において液滴形成を抑制するひずみ硬化挙動を示す。いくつかのシステムは、このひずみ硬化挙動を活かし、それを利用して、弾性毛細管不安定性によって液滴を生成する。図14は、互いに強く接触している2つの逆回転ローラ1402および1404を有する噴霧機構を含むそのようなシステム1400の一例を図示する。そのようなシステムは、一般的に、室温(例えば、ポリマー溶液および複雑な配合物)および高温(例えば、ポリマー溶融物)の両方での粘弾性流体の噴霧を可能にする。
【0004】
既存の技術は、大きなローラまたは小さなローラで機能させることができる。例えば、大きなローラはハイスループット用途(例えば、液滴または粉末を製造するための製造ラインの終端でのユニット動作として)に使用され得る一方で、小さなローラは、より小さな出力であるが、同等に小さな装置設置面積で(例えば、精密分配用のハンドヘルド装置として)使用し得る。
【0005】
製造された噴霧の収集は、一般的には、噴霧技術にとって不可欠である。噴霧液滴は、それらの初速度(例えば、フィラメント破壊時)および液滴サイズに基づいて、それら自体の軌跡に自然に従う傾向がある。これらの軌道線は、多くの場合噴霧円錐1410をたどる。ローラ直径、ローラ速度、接触力、および流体レオロジー等の異なるパラメータに依存して、この噴霧円錐1410は通常、制限された上への制御された堆積を行うのに十分に広い。
【0006】
図15は、噴霧源1502からの噴霧円錐1510の望ましくないわずかな噴霧を遮断するためのマスク1504(または、オリフィスを有するシート)の使用を含む、制限された領域上での制御された堆積を得るためのシステム1500、例えば一対の逆回転ローラを示す。このシステム1500は、送達領域を、表面1520上の制限されたスペース1512に制限し得るが、本システムはまた、不要な噴霧の大部分がマスク1504(またはシート)上に集まるという点で著しく非効率である。
【0007】
時間が経つにつれ、この収集された量は蓄積し、最終的には滴り落ちるものと思われ、これは特定の用途(例えば、薬物製剤および消費者製品用途)にとって不衛生である。このシステム1500は、特に限られた量でのみ入手可能である高付加価値の流体(例えば、μgスケールで製造された特殊薬品および生理活性物質)にとっても無駄である。
【0008】
したがって、無駄な噴霧量を減らす方法およびシステムが、当技術分野において有益であろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システムの一例を図示する機能図である。
図2】開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システムの第1の例を図示する。
図3】開示された技術の特定の実施形態による、広がり角に対して垂直である楕円形開口を有する収集シェルノズルの一例を図示する。
図4】開示された技術の特定の実施形態による、広がり角に平行な楕円形開口を有する収集シェルノズルの一例を図示する。
図5】開示された技術の特定の実施形態による、円形開口を有する収集シェルノズルの一例を図示する。
図6】開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システムの第2の例を図示する。
図7】開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システムの第3の例を図示する。
図8】開示された技術のいくつかの実施形態による、収集シェルと一体化されている2つのエアナイフの斜視断面図を図示する。
図9】開示された技術の特定の実施形態による、収集シェルと一体化された2つのエアナイフの側面断面図を示す。
図10】開示された技術の特定の実施形態による、その位置決めおよび地理が一対の逆回転ローラ、噴霧円錐、およびターゲットによって画定される2つのエアナイフの第1の例の断面図を示す。
図11】開示された技術の特定の実施形態による、一対の逆回転ローラ、噴霧円錐、ならびにターゲットによってその曲率が画定される収集シェルの第1の例の断面図を示す。
図12】開示された技術の特定の実施形態による、2つのエアナイフの第2の例の断面図を図示し、その位置決めおよび地理は、一対の逆回転ローラ、噴霧円錐、およびターゲットによって画定される。
図13】開示された技術の特定の実施形態による、一対の逆回転ローラ、噴霧円錐、およびターゲットによってその曲率が画定される収集シェルの第2の例の断面図を示す。
図14】粘弾性流体の噴霧処理用の従来のアトマイザの一例を図示する。
図15】マスクの使用を含む限られた領域上での制御された堆積を得るための従来のシステムの例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
開示された技術の実施形態は、一般的には、噴霧処理において生成された噴霧の効率的な収集のためのシステムおよび方法に向けられる。そのような実施形態は、ダウンスケールされたシステム、例えば5~50mmのローラを有するシステムを含み得、好適な形状寸法と、それを通る噴霧の収集を増加させるように位置付けられ、かつ方向付けられたエアナイフを使用して制御された空気流とを有するノズルを導く収集シェルを含み得る。
【0011】
開示された技術の実施形態は、有利には、システムに入力される液体の大部分、例えば最大85%以上の収集を可能にし得る。従来のシステムは、より大きなローラシステム(例えば、50mmより大きいローラ直径)では1%未満の効率を有し、より小さいローラシステム(例えば、50mm未満のローラ直径)では10%の効率を有する。開示された技術による一定の実施形態は、噴霧を画定および限定された領域、例えば、人間の眼の露出表面積に相当する1~2cm程度の領域にさらに集中させ得る。
【0012】
図1は、開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システム100の一例を図示する機能図である。この例では、システム100は、互いに接触している1対の逆回転ローラ102および104と、噴霧をその自然な方向に沿って効率的に収集するように構成された、ローラ102および104の周囲の収集シェルとを有する。収集シェルは、ニップ(例えば、ローラ接触点)で生成された噴霧を、収集シェルと一体化されているノズル112(例えば、出口ポート)の中へ、かつそれを通って案内するように設計された収束プロファイルを有する。
【0013】
この例では、システム100はまた、ノズル112内への噴霧の再方向付けを支援するように構成された一対のエアナイフ114および116を含む。エアナイフ114および116は、一般的に、ノズル112における噴霧の収集のために戦略的に設計および配置される。エアナイフ114および116によって誘発される空気流は、一般的に、収集シェルの表面に対して接線方向であるが、それから任意の適切な角度であってもよい。
【0014】
図2は、開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システム200の第1の例を図示する。この例では、システム200は、一対の逆回転ローラ202および204と、噴霧をその自然な方向に沿って効率的に収集するように構成された、ローラ202および204の周囲の収集シェル210とを有する。収集シェル210は、ニップ(例えば、ローラ接触点)で生成された噴霧を、収集シェル210と一体化されているノズル212(例えば、出口ポート)に案内するように設計された収束プロファイルを有する。
【0015】
この例では、システム200はまた、ノズル212内への噴霧の再方向付けを支援するように構成された一対のエアナイフ214および216を含む。本明細書で使用される場合、エアナイフという用語は、一般的には、例えば特定の種類のファンまたは送風機もしくは他の好適な装置によって空気が押し通され得る狭い開口を有する装置または構成要素を指す。
【0016】
エアナイフ214および216は、一般的に噴霧円錐に沿って設計および配置される。エアナイフ214および216への入口圧力は、ノズル212での噴霧の最大収集のために最適化され(例えば、曝露時間にわたって収集された質量として測定され)てもよい。エアナイフ214および216によって誘発される空気流は、一般に、収集シェル210の表面に対して接線方向である。
【0017】
システム内の空気流量の決定および維持は、噴霧を案内し、ノズルの近くのシェル表面における噴霧堆積を最小にするために不可欠である。エアナイフ214および216からの空気流は、収集シェル210の表面近くに高速で動く流線を作り出し、それによって粒子が表面に衝突して集まることを防ぐ。噴霧をノズル212に再度方向付けするために、通常は、エアナイフ214および216を通した臨界レベルの空気流が存在する。空気流がこの値を下回るかまたは上回る場合、噴霧収集効率は、通常は最適以下である。
【0018】
この例では、ノズル212は、モジュール式であり、システム200の残余の部分と容易に交換可能であり得る。例えば、ノズル212は、収集シェル210上に位置付けられ、任意の好適な固定機構によって固定されてもよい。ノズル212の形状寸法は、例えば初期の噴霧プロファイルに関して、意図された堆積領域に依存して修正されることができる。
【0019】
特定の用途(例えば、眼内沈着)については、ノズルの形状寸法は、眼の露出表面積とより厳密に一致するように選択され得る。そのような選択はまた、例えば噴霧円錐の自然な広がりを所与として、収集効率にわずかな影響を及ぼす場合がある。収集シェル210の設計と、エアナイフ214および216による空気流の集束とは、例えば、自然の噴霧円錐の輪郭に基づき得る。
【0020】
図3~5は、実装し得る3つの異なるタイプのノズル形状寸法を図示する。図3は、噴霧角に垂直な楕円形開口314を有するノズル312を図示し、図4は、噴霧角に平行な楕円形開口424を有するノズル422を図示し、図5は、円形開口534を有するノズル532を図示する。出口ポートの形状寸法間の因子差は、すでに大きな噴霧収集収率を所与として、一般に小さいことに留意すべきである。
【0021】
図6は、開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システム600の第2の例を図示する。図2に示されるシステム200と同様に、システム600は、一対の逆回転ローラ602および604と、ノズル612を有する収集シェル610と、それらに向けてノズル612を通して噴霧を方向付けるように構成された一対のエアナイフ614および616とを含む。図6の収集シェル610は、図2に示す収集シェル210とは異なる形状(例えば、曲率)を有することに留意されたい。
【0022】
特定の実施形態では、図2の収集シェル210のための最適空気流は、毎時約20~30標準立方フィートであってもよく、一方で、図6の収集シェル610のための最適空気流は、毎時約40~50標準立方フィートである。これらの空気流では、噴霧収集効率は、最大85%あるいはそれ以上にまで向上する可能性がある。
【0023】
図7は、開示された技術の特定の実施形態による、エアロゾル生成システム700の第3の例を図示する。この例では、ノズル712を有する収集シェル710は、例えば三次元(3D)印刷によって、ローラ702および704から生じる自然の噴霧円錐に基づく設計および形状寸法で作成される。
【0024】
この例では、収集シェル710は、ベンチトップテストベッド内にローラをはめ込んで包囲し、そして制限された領域に噴霧を方向付けるように構成される。収集シェル710は、エアナイフの中への入口圧力(例えば、有効体積流量)を調整するために使用されるニードル弁を有する外部の清浄空気源および流量計に接続されてもよい。
【0025】
特定の実施形態では、収集シェルは、ハンドヘルドシステムに統合されてもよい。収集シェルおよびノズルの曲率および設計ならびに最適化された空気流は、生成された噴霧が、例えば患者の人間の目の露出面等の所望の領域に方向付けられることを確実にし得る。他の実施は、患者の口または鼻の表面(例えば、口腔/鼻腔液の送達のため)、皮膚における特定のスポット(例えば、化粧品の適用のため)、またははるかに広い領域(例えば、コーティングを施すため)をコーティングすることを含み得るがこれらに限定されない。
【0026】
特定の実施態様は、異なる噴霧円錐プロファイル(例えば、平面または真の円錐形噴霧プロファイルの両方における広範な噴霧)を有する他の噴霧源から液滴を収集および運搬するための収集シェルを設計することを含み得る。また、ノズル形状は、例えば特定の種類のコーティングの適用において、異なる程度の方向転換が必要とされ得るような他の用途のために設計され得る。
【0027】
図8は、開示された技術のいくつかの実施形態による、収集シェル810と一体化されている2つのエアナイフ814および816の斜視断面図を図示する。この例では、2つの空気移動装置815および817は、それぞれエアナイフ814および816と一体化されて、矢印で示されるようにエアナイフ814および816を通って収集シェル810の内部に空気を供給する。
【0028】
図9は、開示された技術の特定の実施形態による、収集シェル910と一体化された2つのエアナイフ914および916の側面断面図を示す。この例では、空気は、矢印で示されるように、エアナイフ914および916を通って収集シェル910の内部に移動する。
【0029】
いくつかの実装形態では、エアナイフのそれぞれの位置/場所および方向付けは、多数の特定の要因のうちのいずれかに基づいて決定され得る。例えば、各エアナイフの場所/位置は、エアナイフがローラ表面からどれだけ離れていても、エアナイフが噴霧円錐に沿うように、噴霧円錐に基づき得る。各エアナイフの方向付けは、一般的にエアナイフによって誘発される空気流の方向を制御し、そして、例えば空気流がローラとの同心円に対して接線方向であると同時に、噴霧円錐の方向に抗するように選択される。この位置付け及び方向付けの効果は、噴霧円錐の広がりの低減である。
【0030】
図10は、開示された技術の特定の実施形態による、2つのエアナイフ1014および1016の第1の例1000の断面図を図示し、その位置決めおよび地理は、一対の逆回転ローラ1002および1004、噴霧円錐、ならびにターゲット1012(例えば、ノズル)によって規定される。この例では、エアナイフ1014および1016の場所および位置決めは、それぞれ対応する同心円1003および1005によって示されるような、逆回転ローラ1002および1004からの距離によって、かつ同様に、噴霧円錐に沿ったエアナイフ1014および1016の配列によって、少なくとも部分的に画定される。この例では、エアナイフ1014および1016は、噴霧円錐とローラからの同心円との交点に配置され、それらを通る空気流が、同心円1003および1005に対して接線方向となるようにそれぞれ方向付けられる。
【0031】
実施例1000では、エアナイフ1014および1016の各々の場所/位置は、逆回転ローラ1002および1004から発する噴霧円錐に基づいており、それによって、エアナイフ1014および1016は、その広がりを低減させる効果によって、空気を噴霧円錐に抗して方向付けるようにされる。さらに、エアナイフ1014および1016の各々の方向付けは、同心円1003および1005によってそれぞれ表されるように、直近の逆回転ローラ1002および1004からの距離にそれぞれ基づく。
【0032】
図11は、開示された技術の特定の実施形態による、一対の逆回転ローラ1102および1104、噴霧円錐、ならびにターゲット1112によってその曲率が画定される収集シェル1110の第1の例1100の断面図を示す。この例では、収集シェル1110の形状(例えば、曲率)と、エアナイフ1114および1116の場所/位置決めとは、対応する同心円1103および1105によってそれぞれ図示されるように、逆回転ローラ1102および1104からの距離によって少なくとも部分的に画定される。この例では、エアナイフ1114および1116は、噴霧円錐とローラからの同心円との交点に位置付けられ、それらを通って収集シェル1110の内部に流入する空気流が、同心円1103および1105に対して接線方向となるように方向付けられる。
【0033】
実施例1100では、エアナイフ1114および1116の各々の位置/場所は、逆回転ローラ1102および1104から発する噴霧円錐に基づいており、それによって、エアナイフ1114および1116は、その広がりを低減させる効果によって、空気を噴霧円錐に抗して方向付けるようにされる。さらに、エアナイフ1114および1116の各々の方向付けは、同心円1103および1105によってそれぞれ表されるように、直近の逆回転ローラ1102および1104からの距離にそれぞれ基づく。
【0034】
図12は、開示された技術の特定の実施形態による、2つのエアナイフ1214および1216の第2の例の断面図を図示し、その位置決めおよび地理は、一対の逆回転ローラ1202および1204、噴霧円錐、およびターゲット1212(例えば、ノズル)によって画定される。この例では、エアナイフ1214および1216の場所および位置決めは、それぞれ対応する同心円1203および1205によって示されるような、逆回転ローラ1202および1204からの距離によって、かつ同様に、噴霧円錐に沿ったエアナイフ1214および1216の配列によって、少なくとも部分的に画定される。この例では、エアナイフ1214および1216は、噴霧円錐とローラからの同心円との交点に位置付けられ、それらを通る空気流が、同心円1203および1205に対して接線方向となるようにそれぞれ方向付けられる。
【0035】
実施例1200では、エアナイフ1214および1216の各々の位置/場所は、逆回転ローラ1202および1204から発する噴霧円錐に基づいており、それによって、エアナイフ1214および1216は、その広がりを低減させる効果によって、空気を噴霧円錐に抗して方向付けるようにされる。さらに、エアナイフ1214および1216の各々の方向付けは、同心円1203および1205によってそれぞれ表されるように、直近の逆回転ローラ1202および1204からの距離にそれぞれ基づく。
【0036】
図13は、開示された技術の特定の実施形態による、一対の逆回転ローラ、噴霧円錐、およびターゲットによってその曲率が画定される収集シェルの第2の例の断面図を示す。この例では、収集シェル1310の形状(例えば、曲率)と、エアナイフ1314および1316の場所/位置決めとは、対応する同心円1303および1305によってそれぞれ図示されるように、逆回転ローラ1302および1304からの距離によって少なくとも部分的に画定される。この例では、エアナイフ1314および1316は、噴霧円錐とローラからの同心円との交点に位置付けられ、それらを通って収集シェル1310の内部に流入する空気流が、同心円1303および1305に対して接線方向となるようにそれぞれ方向付けられる。
【0037】
実施例1300では、エアナイフ1314および1316の各々の位置/場所は、逆回転ローラ1302および1304から発する噴霧円錐に基づいており、それによって、エアナイフ1314および1316は、その広がりを低減させる効果によって、空気を噴霧円錐に抗して方向付けるようにされる。さらに、エアナイフ1314および1316の各々の方向付けは、同心円1303および1305によってそれぞれ表されるように、直近の逆回転ローラ1302および1304からの距離にそれぞれ基づく。
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