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▶ 有限会社フジイハードの特許一覧

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  • 特許-ドアクローザーの取換え方法 図1
  • 特許-ドアクローザーの取換え方法 図2
  • 特許-ドアクローザーの取換え方法 図3
  • 特許-ドアクローザーの取換え方法 図4
  • 特許-ドアクローザーの取換え方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】ドアクローザーの取換え方法
(51)【国際特許分類】
   E05F 3/00 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
E05F3/00 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019110751
(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公開番号】P2020204150
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519215810
【氏名又は名称】有限会社フジイハード
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】藤井 陽一
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-008684(JP,U)
【文献】特開2009-041235(JP,A)
【文献】特開2019-011659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付けねじが枠体及びドアに対して固有の位置に取り付けられる第1のドアクローザーを、取付けねじが枠体及びドアに対して同一の位置に取り付けられる第2のドアクローザーの群から選択される1つの第2のドアクローザーに取り換えるようにしたドアクローザーの取換え方法であって、
上記第1のドアクローザーの取付けねじの取付け位置を含む位置に長穴(31、41)が形成されるとともに、上記第2のドアクローザーの取付けねじの取付け位置にねじ穴(32、42)が形成された取換え用ブラケット(30)及び取換え用プレート(40)を用い、
上記出入り口の枠体(10)から上記第1のドアクローザーのアームの取付けブラケットを取り外し、該アームの取付けブラケットを取り外した後の枠体(10)に上記取換え用ブラケット(30)を重ね、上記枠体(10)の上記第1のドアクローザーのアームの取付けブラケットのねじ穴に上記長穴(31)を介して固定用ねじを螺合させて上記取換え用ブラケット(30)を固定し、該取換え用ブラケット(30)のねじ穴(32)と取付けねじ(22)とによって第2のドアクローザー(20)のアーム(26)の取付けブラケット(21)を枠体(10)に取り付ける一方、
上記ドア(11)から上記第1のドアクローザーの本体を取り外し、該第1のドアクローザーの本体を取り外した後のドア(11)に上記取換え用プレート(40)を重ね、上記ドア(11)の第1のドアクローザーの本体取付け用のねじ穴に長穴(41)を介して固定用ねじを螺合させて上記取換え用プレート(40)を上記ドア(11)に固定し、該取換え用プレート(40)のねじ穴(42)に取付けねじ(24)を螺合させて上記第2のドアクローザー(20)の本体(23)を取り付けるようにしたことを特徴とするドアクローザーの取換え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドアクローザーの取換え方法に関し、特に故障時に迅速に取り換えることができるようにしたドアクローザーの取換え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、部屋の出入り口にはドアが設けられることが多い。この場合、出入り口に設けた枠体にドアをヒンジで開閉自在に連結した構造が広く採用されているが、かかる構造ではドアを激しく閉じると、大きな衝撃音が発生して周囲の人を驚かせることがある。
【0003】
そこで、出入り口の枠体とドアとの間にドアクローザー(「ドアチェッカー」と称されることもある)を設け、ドアの開閉速度を制限し、衝撃音を抑制することが行われている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-151818号公報
【文献】特開2014-218775号公報
【文献】実開平06-001675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ドアクローザーには市販されている汎用型のドアクローザー以外に、取付け状況に対応させた形状・構造のドアクローザー(「万能型ドアクローザー」と称されている)がある。
【0006】
汎用型ドアクローザーでは全種類を通して取付けねじの位置が同一であるので、故障が発生したときにも市販のドアクローザーを購入して容易に取り換えることができる。しかし、万能型ドアクローザーでは取付ねじの位置が汎用型のものと異なり、固有の位置に設けられているので、故障した場合には同一の万能型ドアクローザーを取り寄せる必要があり、取換えが完了するまでに長い時間がかかってしまう。
【0007】
本発明はかかる問題点にに鑑み、故障時に迅速に取り換えることができるようにしたドアクローザーの取換え方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明に係るドアクローザーの取換え方法は、取付けねじが枠体及びドアに対して固有の位置に取り付けられる第1のドアクローザーを、取付けねじが枠体及びドアに対して同一の位置に取り付けられる第2のドアクローザーの群から選択される1つの第2のドアクローザーに取り換えるようにしたドアクローザーの取換え方法であって、上記第1のドアクローザーの取付けねじの取付け位置を含む位置に長穴が形成されるとともに、上記第2のドアクローザーの取付けねじの取付け位置にねじ穴が形成された取換え用ブラケット及び取換え用プレートを用い、上記出入り口の枠体から上記第1のドアクローザーのアームの取付けブラケットを取り外し、該アームの取付けブラケットを取り外した後の枠体に上記取換え用ブラケットを重ね、上記枠体の上記第1のドアクローザーのアームの取付けブラケットのねじ穴に上記長穴を介して固定用ねじを螺合させて上記取換え用ブラケットを固定し、該取換え用ブラケットのねじ穴と取付けねじとによって第2のドアクローザーのアームの取付けブラケットを枠体に取り付ける一方、上記ドアから上記第1のドアクローザーの本体を取り外し、該第1のドアクローザーの本体を取り外した後のドアに上記取換え用プレートを重ね、上記ドアの第1のドアクローザーの本体取付け用のねじ穴に長穴を介して固定用ねじを螺合させて上記取換え用プレートを上記ドアに固定し、該取換え用プレートのねじ穴に取付けねじを螺合させて上記第2のドアクローザーの本体を取り付けるようにしたことを特徴とするドアクローザーの取換え方法。
【0009】
本発明の特徴の1つは第1のドアクローザーのねじ穴の位置に長穴を有するとともに第2のドアクローザーのねじ穴の位置にねじ穴を有する取換え用ブラケット及び取換え用プレートを用い、第1のドアクローザーをドア及び出入り口の枠体から取り外し、その後に長穴及び第2のドアクローザーの取付けねじのねじ穴が形成された取換え用ブラケット及び取換え用プレートを長穴を介して枠体及びドアに固定し、取換え用ブラケット及び取換え用プレートのねじ穴に第2のドアクローザーを取り付けるようにした点にある。
【0010】
これにより、万能型ドアクローザーに故障が発生したときには市販されている汎用型のドアクローザーを取り付けることができ、故障時に迅速に取り換えることができる。
【0011】
ドアクローザーの形式は特に限定されず、例えばパラレル型ドアクローザーに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るドアクローザーの取換え方法の好ましい実施形態における取換え用ブラケットの1例を示す図である。
図2】上記実施形態における取換え用プレートの1例を示す図である。
図3】上記実施形態の取換え後の状態を示す側面図である。
図4】上記実施形態の枠体を取り除いた取換え後の状態を示す平面図である。
図5】第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図4は本発明に係るドアクローザーの取換え方法の好ましい実施形態を示す。図において、部屋の出入り口には枠体10が設けられ、枠体10にはドア11がヒンジによって開閉自在に枢支されている。
【0014】
また、枠体10の上辺部分には万能型ドアクローザー(第1のドアクローザー)の取付けブラケットが取付けねじによって取り付けられ、取付けブラケットにはアームの一端部が回転自在に連結され、ドア11の上端部には万能型ドアクローザーの本体が取り付けられ、万能型ドアクローザーにはリンクが連結され、リンクとアームとは連結ピンによって回転自在に連結され、万能型ドアクローザーの本体内には圧油及びばね部材が内蔵されてドア11の開閉速度を制限するようになっている。
【0015】
汎用型ドアクローザー(第2のドアクローザー)20は取付けねじが他の汎用型ドアクローザーと同一である以外、万能型ドアクローザーと同様の構造に構成されている。
【0016】
即ち、汎用型ドアクローザー20では取付けブラケット21が取付けねじ22によって枠体10に取り付けられるように設けられるとともに、本体23が取付けねじ24によってドア11に取り付けられ、取付けブラケット21にはアーム26の一端部が回転自在に取り付けられ、本体23にはリンク25の一端部が回転自在に取り付けられ、リンク25とアーム26とは相互に回転自在に連結されている。
【0017】
なお、万能型ドアクローザーの本体及び汎用型ドアクローザー20の本体23内には圧油及びばね部材が内蔵されてドア11の開閉速度を制限するようになっているが、その構造は公知のものと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0018】
万能型ドアクローザーが故障した場合、万能型ドアクローザーの本体をドア11から取り外すとともに、アームの取付けブラケットを枠体10から取り外す。
【0019】
他方、取換え用ブラケット30及び取換え用プレート40は予め製作しておく。取換え用ブラケット30及び取換え用プレート40は第1のドアクローザーの取付けねじの取付け位置を含む位置に長穴31、41が形成されるとともに、汎用型ドアクローザー20の取付けねじ22、24の取付け位置にねじ穴32、42が形成されている。
【0020】
まず、取換え用ブラケット30を万能型ドアクローザーのアームの取付けブラケットを取り外した後の枠体10に重ね、枠体10の万能型ドアクローザーのアームの取付けブラケットのねじ穴に長穴32を介して固定用ねじ35を螺合させて取換え用ブラケット30を枠体10に固定し、取換え用ブラケット30のねじ穴32と取付けねじ22とによって汎用型ドアクローザー20のアーム26の取付けブラケット21を枠体11に取り付ける。
【0021】
他方、万能型ドアクローザーの本体を取り外した後のドア11には取換え用プレート40を重ね、ドア11の万能型ドアクローザーの本体取付け用のねじ穴に長穴41を介して固定用ねじ36を螺合させて取換え用プレート40をドア11に固定した後、取換え用プレート40のねじ穴42に取付けねじ24を螺合させて汎用型ドアクローザー20の本体23をドア11に取り付けると、故障した万能型ドアクローザーを、市販の汎用型ドアクローザー20に取り換えることができる。
【0022】
図5は第2の実施形態を示し、図において図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では取換え用ブラケット30及び取付けブラケット21のねじやねじ穴を覆う断面凹状のカバー50が磁石によって取換え用ブラケット30及び取付けブラケット21に取り付けられており、ドアクローザー20の外観の見栄えを向上できるようにしている。
【符号の説明】
【0023】
10 枠体
11 ドア
20 汎用型ドアクローザー(第2のドアクローザー)
30 取換え用ブラケット
40 取換え用プレート
図1
図2
図3
図4
図5