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特許7132893自動運転車両の遠隔制御方法、遠隔制御装置、サーバ、遠隔制御システム、コンピュータプログラムおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】自動運転車両の遠隔制御方法、遠隔制御装置、サーバ、遠隔制御システム、コンピュータプログラムおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/00 20060101AFI20220831BHJP
   B60T 7/16 20060101ALI20220831BHJP
   B60T 8/17 20060101ALI20220831BHJP
   B60W 50/00 20060101ALI20220831BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220831BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20220831BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220831BHJP
【FI】
G05D1/00 B
B60T7/16
B60T8/17 B
B60W50/00
G08G1/09 V
G08G1/16 A
B60W60/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019140430
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2020038633
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2019-07-31
(31)【優先権主張番号】201811008192.5
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ジャリン
【審査官】藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/064202(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0147721(US,A1)
【文献】特開2014-109940(JP,A)
【文献】特開2013-162377(JP,A)
【文献】特開2008-205765(JP,A)
【文献】特開2012-134753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0125344(US,A1)
【文献】米国特許第09626874(US,B1)
【文献】特表2017-523651(JP,A)
【文献】特表2018-514834(JP,A)
【文献】特開2018-005880(JP,A)
【文献】特開2018-018284(JP,A)
【文献】特開2018-011284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00
B60T 7/16
B60T 8/17
B60W 50/00
G08G 1/09
G08G 1/16
B60W 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信するステップと、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定するステップと、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得するステップと、
サーバによって受信された前記遠隔制御要求の受信時刻を取得するステップであって、前記サーバは、無線ネットワークを介して自動運転車両と通信するステップと、
複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップとを含み、
複数の前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップの前に、
前記現在の地理位置情報および前記受信時刻に基づいて、各前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを決定するステップをさらに含む自動運転車両の遠隔制御方法。
【請求項2】
前記現在の地理位置情報に基づいて、複数の前記無線ネットワークを選別して、前記現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得するステップをさらに含み、
複数の前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップは、
前記目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップを含む請求項1に記載の自動運転車両の遠隔制御方法。
【請求項3】
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、前記目標無線ネットワークの目標通信チャネルを決定するステップをさらに含み、
前記目標無線ネットワークに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップは、
前記目標無線ネットワークに対応する目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップを含む請求項2に記載の自動運転車両の遠隔制御方法。
【請求項4】
複数の前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップの前に、
前記現在の地理位置情報に基づいて、各前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを決定するステップをさらに含む請求項1に記載の自動運転車両の遠隔制御方法。
【請求項5】
自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する受信モジュールと、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定する第1決定モジュールと、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する第5取得モジュールと、
サーバによって受信された前記遠隔制御要求の受信時刻を取得する第6取得モジュールであって、前記サーバは、無線ネットワークを介して自動運転車両と通信する第6取得モジュールと、
複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する送信モジュールと、
該送信モジュールが複数の前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する前に、前記現在の地理位置情報および前記受信時刻に基づいて、各前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを決定する第4決定モジュールとを備える自動運転車両の遠隔制御装置。
【請求項6】
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する第1取得モジュールと、
前記現在の地理位置情報に基づいて、複数の前記無線ネットワークを選別して、前記現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得する第2取得モジュールとをさらに備え、
前記送信モジュールが、前記目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する請求項5に記載の自動運転車両の遠隔制御装置。
【請求項7】
前記遠隔制御要求の受信時刻を取得する第3取得モジュールと、
前記受信時刻および前記現在の地理位置情報に基づいて、前記目標無線ネットワークの目標通信チャネルを決定する第2決定モジュールとをさらに備え、
前記送信モジュールが、前記目標無線ネットワークに対応する目標無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する請求項6に記載の自動運転車両の遠隔制御装置。
【請求項8】
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する第4取得モジュールと、
前記送信モジュールが複数の前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する前に、前記現在の地理位置情報に基づいて、各前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを決定する第3決定モジュールとをさらに備える請求項5に記載の自動運転車両の遠隔制御装置。
【請求項9】
プロセッサと、メモリとを備えるサーバであって、
前記プロセッサが、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、実行可能な前記プログラムコードに対応するプログラムを実行して、請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動運転車両の遠隔制御方法を実現するサーバ。
【請求項10】
自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信し、該遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するサーバと、
該サーバに前記遠隔制御要求を送信し、前記サーバから送信された前記制御命令を受信する前記自動運転車両とを備え、
前記サーバは、さらに、
前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、前記自動運転車両の現在の地理位置情報を取得し、
前記サーバによって受信された前記遠隔制御要求の受信時刻を取得し、前記サーバは無線ネットワークを介して自動運転車両と通信し、
複数の前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する前に、前記現在の地理位置情報および前記受信時刻に基づいて、各前記無線ネットワークのそれぞれに対応する前記無線チャネルを決定する自動運転車両の遠隔制御システム。
【請求項11】
コンピュータプログラムであって、
該コンピュータプログラムにおける命令がプロセッサによって実行される場合に、請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実現されるコンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転技術の分野に関し、特に、自動運転車両の遠隔制御方法、遠隔制御装置、サーバ、遠隔制御システム、コンピュータプログラム製品および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転の分野において、自動運転車両が、技術的な故障、原因不明の突然の加速または減速、障害物に近づきすぎるなどの極端の状況に遭遇する場合、遠隔手動運転の方式でそれらの状況から脱出する必要がある。
【0003】
関連技術において、遠隔制御側は、一般的に、単一の固定ネットワークの無線チャネルを用いて自動運転車両と遠隔でやり取りを行って自動運転車両の手動制御を行う。しかし、ネットワーク環境が様々な要因によるに影響を受けるため、遠隔制御側と自動運転車両との間の無線通信の遅延が不安定であり、遠隔制御側の制御命令が自動運転車両にタイムリーに伝達できず、自動運転車両の応答動作が制約され、車両運転の安全性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、関連技術における技術的課題の少なくとも1つをある程度解決することを目的とする。
【0005】
本発明の第1の目的として、自動運転車両の遠隔制御方法を提供する。遠隔制御方法は、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことが避けられ、自動運転車両との通信の通信安定性が向上し、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、そして自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0006】
本発明の第2の目的として、自動運転車両の遠隔制御装置を提供する。
【0007】
本発明の第3の目的として、サーバを提供する。
【0008】
本発明の第4の目的として、自動運転車両の遠隔制御システムを提供する。
【0009】
本発明の第5の目的として、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0010】
本発明の第6の目的として、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の第1態様は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信するステップと、前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定するステップと、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するステップとを含む自動運転車両の遠隔制御方法を提供する。
【0012】
本態様において、自動運転車両の遠隔制御方法は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことが避けられ、自動運転車両との通信の通信安定性が向上し、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、そして自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の第2態様は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する受信モジュールと、前記遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定する第1決定モジュールと、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信する送信モジュールとを備える自動運転車両の遠隔制御装置を提供する。
【0014】
本態様において、自動運転車両の遠隔制御装置は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことが避けられ、自動運転車両との通信の通信安定性が向上し、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、そして自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の第3態様は、プロセッサと、メモリとを備えるサーバを提供する。サーバは、前記プロセッサが、前記メモリに記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、実行可能な前記プログラムコードに対応するプログラムを実行して、上記の自動運転車両の遠隔制御方法を実現する。
【0016】
本態様において、サーバは、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことが避けられ、自動運転車両との通信の通信安定性が向上し、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、そして自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明の第4態様は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信し、該遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して前記自動運転車両に前記制御命令を送信するサーバと、該サーバに前記遠隔制御要求を送信し、前記サーバから送信された前記制御命令を受信する自動運転車両とを備える自動運転車両の遠隔制御システムを提供する。
【0018】
本態様において、自動運転車両の遠隔制御システムは、サーバが自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことが避けられ、自動運転車両との通信の通信安定性が向上し、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、そして自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明の第5態様は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、該コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行される場合に、上記の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される。
【0020】
上記の目的を達成するために、本発明の第6態様は、コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。記憶媒体は、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される場合に、上記の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される。
【0021】
本発明の付加的な特徴および利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになり、または本発明の実践によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の上記の付加的な特徴および利点は、下記の図面を参照して実施形態を説明することにより、明らかになり、理解しやすくなる。
図1】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第1変形例のフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第2変形例のフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第3実施例のフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第4変形例のフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置の概略構成図である。
図7】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置の第1変形例の概略構成図である。
図8】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置の第2変形例の概略構成図である。
図9】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置の第3変形例の概略構成図である。
図10】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置の第4変形例の概略構成図である。
図11】本発明の一実施形態に係るサーバの概略構成図である。
図12】本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明し、実施形態の一例が図面に示されている。同一または類似の符号は常に同一または類似の要素を表す。以下に図面を参照しながら説明された実施形態は、例示するものであり、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものであると理解されるものではない。
【0024】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法、遠隔制御装置、サーバおよび遠隔制御システムを図面を参照しながら以下に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法のフローチャートである。
【0026】
図1に示されるように、自動運転車両の遠隔制御方法は、以下のステップ101~ステップ103を含んでいる。
【0027】
ステップ101は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0028】
なお、本実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法は、サーバに位置する自動運転車両の遠隔制御装置に適用される。
【0029】
具体的には、自動運転車両が遠隔制御を必要とすることを決定した場合、自動運転車両は、遠隔制御に対応するサーバに遠隔制御要求を送信してもよい。
【0030】
ここで、自動運転車両が遠隔制御を必要とすることは、自動運転車両が既存運転条件範囲外の状況に遭遇したこと、自動運転車両の突然の加速または減速、自動運転車両の自動運転制御ストラテジーが故障したことなどを含むが、それらに限定されない。本実施形態においては、これについて限定しない。
【0031】
例えば、自動運転車両の前方に変わった形状の障害物がある場合、自動運転車両は、前方へ引き続き進むことを停止し、サーバに遠隔制御要求を送信して、サーバによって自動運転車両が制御されて、前方へ引き続き進むかまたは車線を変更する。
【0032】
ステップ102は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0033】
ここで、制御命令は、車線変更命令、前方へ引き続き進む命令、運転モード調整命令などであってもよい。
【0034】
なお、異なる使用シーンにおいて、自動運転車両の実際状況が異なり、その対応する遠隔制御要求に含まれる情報が異なり、または、送信される遠隔制御要求のタイプが異なる。したがって、遠隔制御要求に基づいて決定される制御命令も異なる。したがって、実際の使用において、自動運転車両から送信された遠隔制御要求に含まれる情報の実際の状況に合わせた制御命令を決定してもよいが、本実施形態は、これについて限定しない。
【0035】
なお、サーバが自動運転車両の周辺環境情報および車両状態情報に基づいて、対応する制御命令を決定するように、遠隔制御要求に含まれる情報は、自動運転車両の周辺環境情報および車両状態情報などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0036】
ステップ103は、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0037】
ここで、無線ネットワークは、モバイル通信ネットワークであってもよい。例えば、複数の無線ネットワークは、複数の異なるモバイル通信サービスプロバイダによって提供される無線ネットワークであってもよい。
【0038】
なお、自動運転車両が任意の無線ネットワークから送信された制御命令を受信した後、自動運転車両は、制御命令に基づいた動作を実行する。
【0039】
自動運転車両がさらに他の無線ネットワークから送信された制御命令を受信した後、自動運転車両は、車両状態を取得し、車両状態に基づいて制御命令を実行するか否かを決定する。例えば、制御命令が、車線を変更するように自動運転車両を制御するが、車両状態に基づいて自動運転車両が既に車線変更動作を完成した場合、自動運転車両は、制御命令に基づく車線変更をしない。
【0040】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法において、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことを避けることができ、自動運転車両との通信の通信安定性を向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第1変形例を示すフローチャートである。
【0042】
図2に示されるように、自動運転車両の遠隔制御方法の第1変形例は、以下のステップ201~ステップ205を含んでいる。
【0043】
ステップ201は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0044】
ステップ202は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
【0045】
なお、適用シーンが異なると、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する方式も異なる。以下、一例を挙げて説明する。
【0046】
一例として、遠隔制御要求に自動運転車両の車両識別情報が含まれる場合、サーバは、位置に基づく位置決めサーバに、車両識別情報が含まれる位置決め要求を送信する。それに応じて、位置決めサーバは、車両識別情報に対応する地理位置情報を取得し、サーバに地理位置情報をフィードバックする。位置決めサーバによってフィードバックされた地理位置情報は、自動運転車両の現在の地理位置情報である。
【0047】
他の一例として、遠隔制御要求に自動運転車両の車両識別情報が含まれる場合、サーバは、車両識別情報に対応する地理位置情報を取得し、取得された地理位置情報は、自動運転車両の現在の地理位置情報である。
【0048】
他の一例として、遠隔制御要求に自動運転車両の全地球測位情報が含まれる場合、サーバは、全地球測位情報に対応する地理位置情報を取得し、取得された地理位置情報は、自動運転車両の現在の地理位置情報である。
【0049】
ステップ203は、現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0050】
なお、異なる地理位置では、異なる移動通信プロバイダから提供されるネットワーク信号のカバレッジが異なるため、現在の地理位置に位置する自動運転車両が制御命令を迅速に取得できるように、変形例として、自動運転車両の現在の地理位置情報に合わせて複数の無線ネットワークを選別して目標無線ネットワークを取得してもよい。
【0051】
具体的には、予め記憶された地理位置と無線ネットワークとの対応関係に基づいて、複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置に対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0052】
なお、目標無線ネットワークの数は、少なくとも1つである。
【0053】
ステップ204は、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0054】
ステップ205は、目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0055】
ここで、無線ネットワークは、モバイル通信ネットワークであってもよい。例えば、複数の無線ネットワークは、複数の異なるモバイル通信サービスプロバイダから提供される無線ネットワークであってもよい。
【0056】
なお、自動運転車両が任意の無線ネットワークから送信された制御命令を受信した後、自動運転車両は、制御命令に基づいて、対応する動作を実行する。
【0057】
自動運転車両が、さらに他の無線ネットワークから送信された制御命令を受信した後、自動運転車両は、車両状態を取得し、車両状態に基づいて、制御命令を実行するか否かを決定する。例えば、制御命令が、車線を変更するように自動運転車両を制御するが、車両状態に基づいて自動運転車両が既に車線変更作業を完成した場合、自動運転車両は、制御命令に基づく車線変更をしない。
【0058】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第1変形例において、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得し、現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得する。その後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、自動運転車両の現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置に対応する目標無線ネットワークを取得し、目標無線ネットワークの無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。よって、自動運転車両との通信の通信安定性がさらに向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0059】
図3は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第2変形例のフローチャートである。
【0060】
図3に示されるように、自動運転車両の遠隔制御方法の第2変形例は、以下のステップ301~ステップ307を含んでいる。
【0061】
ステップ301は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0062】
ステップ302は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
【0063】
ステップ303は、現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0064】
なお、異なる地理位置では、異なる移動通信プロバイダによって提供されるネットワーク信号のカバレッジが異なるため、現在の地理位置に位置する自動運転車両が制御命令を迅速に取得できるように、変形例として、自動運転車両の現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、目標無線ネットワークを取得してもよい。
【0065】
具体的には、予め記憶された地理位置と無線ネットワークとの対応関係に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置に対応する目標無線ネットワークを取得する。
【0066】
なお、目標無線ネットワークの数は、少なくとも1つである。
【0067】
ステップ304は、遠隔制御要求の受信時刻を取得する。
【0068】
ステップ305は、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、目標無線ネットワークの目標通信チャネルを決定する。
【0069】
なお、ある無線ネットワークのある地理位置について、無線ネットワークの異なる時間帯で使用される無線チャネルが異なる場合がある。したがって、変形例として、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、目標無線ネットワークの目標通信チャネルを決定してもよい。
【0070】
ステップ306は、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0071】
ステップ307は、目標無線ネットワークに対応する目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0072】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第2変形例において、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置情報に基づいて、複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得する。そして、受信時刻に基づいて、目標無線ネットワークが使用する無線チャネルを選別して、受信時刻および現在の地理位置情報に適する無線チャネルを取得し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。これにより、自動運転車両との通信の通信安定性をさらに向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第3変形例のフローチャートである。
【0074】
図4に示されるように、自動運転車両の遠隔制御方法の第3変形例は、以下のステップ401~ステップ405を含んでいる。
【0075】
ステップ401は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0076】
ステップ402は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0077】
ステップ403は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
【0078】
ステップ404は、現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを決定する。
【0079】
なお、各無線ネットワークについて、地理位置に位置するユーザに高速ネットワークサービスを提供できるように、各無線ネットワークが異なる地理位置で使用する無線チャネルが異なる場合がある。したがって、変形例として、現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを決定してもよい。よって、各無線ネットワークについて、現在の地理位置情報では現在の無線ネットワークに適する無線チャネルを取得する。
【0080】
ステップ405は、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0081】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第3変形例は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に含まれる情報基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得し、現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワークが使用する無線チャネルを選別して、現在の地理位置情報に対応する無線チャネルを取得し、その後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。よって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得することができないことを避けることができ、自動運転車両との通信の通信安定性を向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0082】
図5は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第4変形例のフローチャートである。
【0083】
図5に示されるように、自動運転車両の遠隔制御方法の第4変形例は、以下のステップ501~ステップ506を含んでいる。
【0084】
ステップ501は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
【0085】
ステップ502は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定する。
【0086】
ステップ503は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
【0087】
ステップ504は、遠隔制御要求の受信時刻を取得する。
【0088】
ステップ505は、現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを決定する。
【0089】
なお、各無線ネットワークについて、地理位置に位置するユーザに高速なネットワークサービスを提供できるように、各無線ネットワークの異なる地理位置情報および異なる時間帯で使用される無線チャネルが異なる場合がある。したがって、変形例として、現在の地理位置および受信時刻に基づいて、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを決定する。よって、各無線ネットワークについて、現在の地理位置情報および受信時刻が位置する時間帯における、現在の無線ネットワークによる使用に適する無線チャネルが取得される。
【0090】
ステップ506は、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0091】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御方法の第4変形例は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置情報および遠隔制御要求を受信した受信時刻に基づいて、各無線ネットワークが使用する無線チャネルを決定し、その後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、現在の地理位置情報および受信時刻に対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、自動運転車両との通信安定性がさらに向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0092】
上記の一実施形態を実現するために、本発明は、自動運転車両の遠隔制御装置をさらに提供する。
【0093】
図6は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置の概略構成図である。
【0094】
図6に示されるように、自動運転車両の遠隔制御装置は、受信モジュール110と、第1決定モジュール120と、送信モジュール130とを備えている。
受信モジュール110は、自動運転車両から送信された遠隔制御要求を受信する。
第1決定モジュール120は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定する。
送信モジュール130は、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0095】
ここで、無線ネットワークは、モバイル通信ネットワークであってもよい。例えば、複数の無線ネットワークは、複数の異なるモバイル通信プロバイダによって提供される無線ネットワークであってもよい。
【0096】
なお、自動運転車両の遠隔制御方法に関する上記の解釈や説明は、本実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置にも適用するため、ここでは説明を省略する。
【0097】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御装置は、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことが避けられ、自動運転車両との通信の通信安定性が向上し、制御命令が自動運転車両にタイムリーに到達することができ、そして自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性が向上する。
【0098】
本発明の一実施形態においては、図6に示す構成に加えて、第1変形例として、自動運転車両の遠隔制御装置は、図7に示されるように、第1取得モジュール140と、第2取得モジュール150とをさらに備えていてもよい。
第1取得モジュール140は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
第2取得モジュール150は、現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得する。
送信モジュール130は、具体的には、目標無線ネットワークに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0099】
第1変形例において、自動運転車両の現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置に対応する目標無線ネットワークを取得し、目標無線ネットワークの無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。よって、自動運転車両との通信の通信安定性をさらに向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0100】
本発明の一実施形態においては、図7に示す構成に加えて、第2変形例として、自動運転車両の遠隔制御装置は、図8に示されるように、第3取得モジュール160と、第2決定モジュール170とをさらに備えていてもよい。
第3取得モジュール160は、遠隔制御要求の受信時刻を取得する。
第2決定モジュール170は、受信時刻および現在の地理位置情報に基づいて、目標無線ネットワークの目標通信チャネルを決定する。
送信モジュール130は、具体的には、目標無線ネットワークに対応する目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。
【0101】
この例において、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置情報に基づいて複数の無線ネットワークを選別して、現在の地理位置情報に対応する目標無線ネットワークを取得し、受信時刻に基づいて、目標無線ネットワークが使用する無線チャネルを選別して、受信時刻および現在の地理位置情報に適する無線チャネルを取得し、目標無線ネットワークの目標無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する。よって、自動運転車両との通信の通信安定性をさらに向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0102】
本発明の一実施形態において、図6に示す構成に加えて、第3変形例として、自動運転車両の遠隔制御装置は、図9に示されるように、第4取得モジュール180と、第3決定モジュール190とをさらに備えていてもよい。
第4取得モジュール180は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
第3決定モジュール190は、送信モジュールが複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する前に、現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを決定する。
【0103】
第3変形例において、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に含まれる情報基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得し、現在の地理位置情報に基づいて、各無線ネットワークが使用する無線チャネルを選別して、現在の地理位置情報に対応する無線チャネルを取得する。その後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。これにより、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことを避けることができ、自動運転車両との通信安定性を向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0104】
本発明の一実施形態において、図6に示す構成に加えて、第4変形例として、自動運転車両の遠隔制御装置は、図10に示されるように、第5取得モジュール200と、第6取得モジュール210と、第4決定モジュール220とをさらに備えていてもよい。
第5取得モジュール200は、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、自動運転車両の現在の地理位置情報を取得する。
第6取得モジュール210は、遠隔制御要求の受信時刻を取得する。
第4決定モジュール220は、送信モジュールが複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両に制御命令を送信する前に、現在の地理位置および受信時刻に基づいて、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを決定する。
【0105】
第4変形例において、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、自動運転車両の現在の地理位置情報および遠隔制御要求を受信する受信時刻に基づいて、各無線ネットワークが使用する無線チャネルを決定する。その後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、各無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、現在の地理位置情報および受信時刻に対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、自動運転車両との通信安定性をさらに向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0106】
上記の一実施形態を実現するために、本発明は、サーバをさらに提供する。
【0107】
図11は、本発明の一実施形態に係るサーバの概略構成図である。
【0108】
図11に示されるように、サーバは、プロセッサ71と、メモリ72と、通信インターフェース73と、バス74とを備えている。
プロセッサ71、メモリ72および通信インターフェース73は、バス74によって接続されて互いに通信する。
メモリ72には、実行可能なプログラムコードが記憶されている。
プロセッサ71は、メモリ72に記憶されている実行可能なプログラムコードを読み出して、実行可能なプログラムコードに対応するプログラムを実行して、上記の自動運転車両の遠隔制御方法を実行する。
【0109】
本発明の一実施形態に係るサーバは、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した後、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことを避けることができ、自動運転車両との通信安定性を向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0110】
図12は、本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御システムの概略構成図である。
【0111】
図12に示されるように、自動運転車両の遠隔制御システムは、サーバ10と、自動運転車両20とを備えている。
サーバ10は、自動運転車両20から送信された遠隔制御要求を受信し、遠隔制御要求に含まれる情報に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して自動運転車両20に制御命令を送信する。
自動運転車両20は、サーバ10に遠隔制御要求を送信し、サーバ10から送信された制御命令を受信する。
【0112】
なお、自動運転車両の遠隔制御方法および遠隔制御装置に関する上記の解釈や説明は、本実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御システムにも適用するため、本実施形態は、これについて限定しない。
【0113】
本発明の一実施形態に係る自動運転車両の遠隔制御システムは、自動運転車両の遠隔制御要求を受信した場合、遠隔制御要求に基づいて、対応する制御命令を決定し、複数の無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信する。したがって、複数の異なる無線ネットワークのそれぞれに対応する無線チャネルを介して制御命令を送信することによって、制御命令の冗長バックアップが実現され、単一のネットワークの不安定によって自動運転車両が制御命令をタイムリーに取得できないことを避けることができ、自動運転車両との通信安定性を向上し、制御命令を自動運転車両にタイムリーに到達させることができ、自動運転車両が制御命令に基づいて迅速に応答することができ、自動運転車両の運転安全性を向上することができる。
【0114】
上記の一実施形態を実現するために、本発明は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、記憶媒体における命令がプロセッサによって実行される場合に、上記の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される。
【0115】
上記の一実施形態を実現するために、本発明は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。
コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム製品における命令がプロセッサによって実行される場合に、上記の自動運転車両の遠隔制御方法が実現される。
【0116】
本発明の説明において、「一実施形態」、「他の実施形態」、「一例」、「具体的例」、或いは「変形例」などの用語を参考した説明とは、実施形態或いは実施例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施形態或いは実施例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、少なくとも1つの実施形態または実施例において適切に結合することができる。なお、相互に矛盾しない限り、当業者は、本明細書において説明された異なる実施形態または実施例、および異なる実施形態または実施例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0117】
なお、「第1」、「第2」の用語は、単に目的を説明するためのものであり、比較的な重要性を指示または暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。よって、「第1」、「第2」が限定されている特徴は少なくとも1つの上記特徴を含むことを明示または暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、少なくとも2つ、例えば、2つ、3つなどを意味する。
【0118】
フローチャートにおける、またはここで他の形態で記載された任意のプロセスまたは方法は、特定ロジック機能またはプロセスのステップを実現するための少なくとも1つの実行可能な命令コードを含むモジュール、セグメントまたは一部を表すと理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、ここで、示されたまたは論議された順番ではなく、係る機能に応じてほぼ同時の形態または逆の順番で機能を実行することができる他の実現を含むことができる。これは、当業者であれば理解すべきものである。
【0119】
フローチャートで示されたまたはここで他の形態で説明されたロジックおよび/またはステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順番付けられたリストと見なすことができ、任意のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に具体的に実装されて、命令実行システム、装置、またはデバイス(例えば、コンピュータに基づいたシステム、プロセッサを含むシステム、または他の命令実行システム、装置またはデバイスから命令を獲得して命令を実行するシステム)に利用されるか、またはこれらの命令実行システム、装置またはデバイスと組み合わせて利用される。本願明細書において、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」は、命令実行システム、装置またはデバイスによって、または、命令実行システム、装置またはデバイスと組み合わせて使用するためのプログラムを含む、格納する、通信する、伝播する、または伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非限定的なリスト)として、少なくとも1つの配線を備える電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバデバイスおよびポータブルコンパクトディスク読み出し専用リメモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、前記プログラムが印刷される紙または他の適切な媒体であってもよく、これは、例えば、紙や他の媒体を光学的スキャンし、次に編集し、解釈し、または必要な場合に他の適切な形態で処理してプログラムを電子的に取得して、そしてコンピュータメモリに格納するためである。
【0120】
なお、本出願の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって実現することができる。上記実施形態において、複数のステップまたは方法は、メモリに記憶された且つ適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェアまたはファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアで実現される場合に、他の実施形態と同様に、本分野において周知である、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を備える離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を備える特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの当分野の周知技術のうちいずれか1つまたはこれらの組み合わせによって実現することができる。
【0121】
普通の当業者であれば、上記の実施形態に係る方法に含まれる少なくとも一部のステップは、プログラムによってハードウェアを命令することで実行することができると理解することができる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納することができ、プログラムが実行される場合に、方法におけるステップの1つまたはそれらの組み合わせが実行される。
【0122】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに集積されてもよいし、それぞれが個別の物理的存在であってもよいし、2つ以上のユニットが1つのモジュールに集積されてもよい。集積モジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。集積モジュールがソフト機能モジュールの形態で実現されるとともに、独立した製品として販売または使用される場合に、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよい。
【0123】
上記の記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどであってもよい。なお、以上、本発明の一実施形態を示して説明したが、本発明の一実施形態は例示するものであって、本発明を制限するためのものであると理解されるものではない。普通の当業者であれば、本発明の範囲内で上記実施形態に対して変更、修正、置き換えまたは変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12