特許 7132949 ワクシング装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-08-30

(45)【発行日】2022-09-07

(54)【発明の名称】ワクシング装置

(51)【国際特許分類】

   A45D 26/00 20060101AFI20220831BHJP

【ＦＩ】

A45D26/00 H

【請求項の数】 7

(21)【出願番号】P 2019563714

(86)(22)【出願日】2018-02-05

(65)【公表番号】

(43)【公表日】2020-04-30

(86)【国際出願番号】 IL2018050125

(87)【国際公開番号】W WO2018142412

(87)【国際公開日】2018-08-09

【審査請求日】2021-02-05

(73)【特許権者】

【識別番号】519287231

【氏名又は名称】ゴールドファーブ，シガリッド

(73)【特許権者】

【識別番号】519287253

【氏名又は名称】ハルホン，リラン イェヒル

(74)【代理人】

【識別番号】100108143

【弁理士】

【氏名又は名称】嶋崎 英一郎

(72)【発明者】

【氏名】ゴールドファーブ，シガリッド

【審査官】大内 康裕

(56)【参考文献】

【文献】特開昭５７－１２５７０４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭５９－０１４８４９（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１６／０２７０８９３（ＵＳ，Ａ１）

【文献】米国特許第０３８５８９８５（ＵＳ，Ａ）

【文献】特表２０１５－５０９００７（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ａ４５Ｄ ８／００～ ８／４０

Ａ４５Ｄ ２４／００～９７／００

Ａ４７Ｊ ２７／００～２９／０６

Ａ４７Ｊ ３３／００～３６／４２

Ｂ０５Ｃ ７／００～２１／００

Ａ６１Ｃ ５／２０～ ５／８８

Ａ６１Ｃ ８／００～１３／３８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ワクシング装置であって、該装置は： ワックスを収納するためのコンパートメントおよび利用者の皮膚にワックスを分注するための開口を備える先端、を有するディスペンサー、前記先端は前記開口に向かう方向において次第に減少する断面を含み； 前記コンパートメントと前記先端とに取り付けられ、および前記先端内部の温度は前記コンパートメント内部の温度より高いように構成された加熱エレメント、前記コンパートメントから前記ワックスを分注するための分注メカニズムを含み、
前記分注メカニズムは、前記コンパートメント内部に配置され、およびその中の前記ワックスを前記先端に向かって付勢する、ように構成されたプランジャーを含み、
前記分注メカニズムはさらに、モーターおよび前記モーターの回動運動を直線運動に変換する運動コンバーターを含み、
前記運動コンバーターは、その内表面に定義されたネジ山を有するスリーブ、およびその外表面に定義された対応するネジ山を有するボルト部材、を含み、そこにおいて前記ボルト部材は、前記スリーブの内部で回転し、その結果前記ネジ山の係合により、前記スリーブ内部での前記ボルト部材の回転が前記スリーブに対して前記ボルト部材の直線的変位を生み出す、ように構成され、
前記ボルト部材はその一端が前記モーターの回転シャフトに連結され、その結果前記シャフトの回転は、前記スリーブに対して前記ボルト部材の直線的変位を容易にし、
前記ボルト部材はその対向端が前記コンパートメント内部の前記プランジャーに連結され、その結果前記ボルト部材の直線的変位は前記プランジャーが前記ワックスを前記先端に向かって押すことを付勢する、ワクシング装置。

【請求項2】

筺体をさらに含み、およびそこにおいて前記ディスペンサーはそこにワックスを挿入するための挿入開孔を有するワックスコンパートメントを含み、およびそこにおいて前記ディスペンサーは前記筺体と取り外し可能に連結され、それによって前記ワックスの前記ワックスコンパートメントへの挿入を可能にする、請求項１に記載のワクシング装置。

【請求項3】

前記加熱エレメントは、前記コンパートメントと前記先端の内部に、前記コンパートメントから前記開口の方向に温度勾配を形成するように構成される、請求項１に記載のワクシング装置。

【請求項4】

前記加熱エレメントは、前記先端内の前記ワックスの温度が前記コンパートメント内にある前記ワックス部分の温度より高い、ように構成される、請求項１に記載のワクシング装置。

【請求項5】

前記ディスペンサーは、前記コンパートメントならびに前記加熱エレメントを覆うように構成された外被部材を含み、および前記装置の筺体の対応するフランジに取り外し可能に連結するように構成されたフランジを含む、請求項１に記載のワクシング装置。

【請求項6】

前記ボルト部材と前記スリーブは、前記ボルト部材の前記スリーブに対する最 外側位置が前記プランジャーの前記コンパートメントに対する最奥位置に対応するように、構成される、請求項１に記載のワクシング装置。

【請求項7】

前記モーターは、前記ボルト部材が前記スリーブ内部で前記コンパートメント に向かって変位するように第１方向に回転し、および前記ボルト部材が前記スリーブ内部で前記コンパートメントから離れるように変位する第２方向に回転する、ように構成される、請求項６に記載のワクシング装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示の主題は一般にワクシング装置に関し、特にむだ毛除去のワクシング装置に関する。

【背景技術】

【0002】

人は脚、顔、背中などにむだ毛があることも多い。一般にむだ毛の除去にはカミソリが用いられてきた。カミソリの場合、通常、人は毎日剃る必要がある。最近、ワクシングはより一般的になってきた。ワクシングはむだ毛除去に効果的であり、および通常１週間または２週間、またはそれ以上持続する。除毛ワックスおよび脱毛ワックスの実施／適用について広く行われている方法は、古くさく、不衛生／不安全であり、および不適切である。その方法は最も一般的に、手で操作して木べらを溶けたワックスまたは他の除毛製剤の共用バットに浸し、この木べらは次いで目指す領域に導かれるが、その精度／成功度はその都度変化する。

【0003】

ＵＳ２０１４０２３６１８２は、第１端部および第２端部を有する筺体を含む、むだ毛を除去する機器を開示する。第１端部は除毛製剤を収納し、および円形開孔の付属する円筒形状を有する。第２端部は、成形開孔の付属する円錐形状を有する。プランジャーは円形開孔に嵌合し、および筺体の第１端部の円筒形状にかみ合う。筺体は剛体ポリマーで作られており、およびマイクロウェーブの安全素材である。ＵＳ２０１４０２３６１８２は、むだ毛除去の方法を開示し、その方法はワックスを含んだシリンジをワックスが液体状になるまで加熱するステップを含む。シリンジの先端は、除去されるむだ毛の領域の隣りに置かれる。ワックスがむだ毛領域に塗布される。次いで、ワックスは固形状態の場合に、または布地／紙片を当てることで、手作業で除去される。

【0004】

ＵＳ２００９００８７２４７は、不要な体毛を迅速、安全、容易に除去するために使用される低電圧バッテリ駆動式ハンドヘルドワクシング除毛機器を開示し、除毛ワックススティックはバッテリドアの開孔に入ることができ、該ワックススティックはこの開孔を通ってアドバンスアセンブリレバーによって該バッテリ／ワックススティックの支持体によって運ばれ、このレバーはワックススティックを加熱エレメントガイドの方向に向け、そこを通って加熱エレメントまでガイドし、加熱エレメントではワックスは融点に達し、次にアドバンスアセンブリレバーによってそっと押されて、溶けたワックスは加熱エレメントの開孔を通過して表面に達し、そこでワックスは塗布される。

【発明の概要】

【0005】

本開示の主題の一態様によれば、ワックスを収納するコンパートメントおよび利用者の皮膚にワックスを分注する開口を備える先端を有するディスペンサーであって、該先端は、開口に向かう方向において次第に狭まる断面を含むところのディスペンサーと；および、該コンパートメントおよび該先端に取り付けられ、および先端内部の温度がコンパートメント内部の温度より高いように構成された加熱エレメントと、を含むワクシング装置。

【0006】

該ワクシング装置はさらに、ワックスを皮膚表面に塗布するためのアプリケーターを含み得る。該アプリケーターは、溶けたワックスが塗布される皮膚表面に合せたサイズおよび形状に構成される端部を含み得る。該アプリケーターは、種々の皮膚表面に対して種々のアプリケーターが使用され得るように、ディスペンサーに交換可能に取り付けられ得る。

【0007】

該ワクシング装置はさらに筺体を含み得、およびそこにおいて該ディスペンサーはそこにワックスを挿入するための挿入開孔を有するワックスコンパートメントを含み、およびそこにおいて該ディスペンサーは筺体に取り外し可能に連結され、それによってワックスのワックスコンパートメントへの挿入を可能にする。

【0008】

該加熱エレメントは、コンパートメントと先端の内部に、コンパートメントから開口の方向に温度勾配を形成するように構成され得る。

【0009】

該加熱エレメントは、先端内のワックスの温度がコンパートメント内にあるワックス部分の温度より高いように構成され得る。

【0010】

該加熱エレメントは、先端内部のワックスを５０～６５℃の温度に加熱し、およびコンパートメント中のワックスを４５～５０℃の温度に加熱するように構成され得る。

【0011】

該加熱エレメントは、コンパートメント内部のワックスが先端内部のワックスに対して相対的に固いように構成され得る。

【0012】

該ディスペンサーは、コンパートメントならびに加熱エレメントを覆うように構成された外被部材を含み得、および該装置の筺体の対応するフランジに取り外し可能に連結するように構成されたフランジを含む。

【0013】

該ワクシング装置はさらに、コンパートメントからワックスを分注する分注メカニズムを含み得る。該分注メカニズムは、コンパートメントに挿入され、およびその中のワックスを先端に向かって付勢するように構成されたプランジャーを含み得る。

【0014】

該プランジャーはさらに、先端の円錐状の頭部に対応する円錐状の頭部を含み得る。該分注メカニズムはさらに、モーターおよびモーターの回動運動を直線運動に変換する運動コンバーターを含み得；該運動コンバーターはプランジャーに連結され、およびコンパートメント内部のプランジャーを付勢するように構成される。

【0015】

該運動コンバーターは、その内表面に定義されたネジ山を有するスリーブ、およびその外表面に定義された対応するネジ山を有するボルト部材、を含み得、そこにおいて該ボルト部材はスリーブの内部で回転し、その結果ネジ山の係合により、スリーブ内部でのボルト部材の回転がボルト部材のスリーブに対して直線的変位を生み出すように構成される。

【0016】

該スリーブはモーターに連結され得、および該ボルト部材はモーターの回転シャフトに連結され、その結果シャフトの回転は、スリーブに対して該ボルト部材のライナー変位を容易にする。

【0017】

該ボルト部材と該スリーブは、ボルト部材のスリーブに対する最外側位置がプランジャーのコンパートメントに対する最奥位置に対応するように、構成され得る。該モーターは、ボルト部材がスリーブ内部でコンパートメントに向かって変位するように第１方向に回転し、およびボルト部材がスリーブ内部でコンパートメントから離れるように変位する第２方向に回転する、ように構成され得る。

【0018】

該モーターは、ボルト部材が最外側位置に達すると、回転方向を第１方向から第２方向に自動的に変更し、およびボルト部材がスリーブ内部に完全に配置されると、回転方向を第２方向から第１方向に変更するように構成され得る。

【0019】

該ワクシング装置はさらに、ディスペンサーから分注された溶けたワックスの量を制御するモーターの回転期間を制御するように構成されたアクチュエーターを含み得る。

【図面の簡単な説明】

【0020】

本開示を理解し、および実際に実施される様子を確認するために、ここで添付図面を参照して非限定的実施例のみにより実施形態が説明される：

【図1】本開示の主題の実施例に合致したワクシング装置の上面透視図である；

【図2】図１のワクシング装置の底面透視図である；

【図3】図１のワクシング装置の分解図である；

【図4】図１のワクシング装置の側面断面図である；

【図5】図１の組立て位置にあるワクシング装置の分注メカニズムの上面透視図である；および

【図6】図４の分解位置の分注メカニズムの上面透視図である。

【発明を実施するための形態】

【0021】

図１および図２は、本開示の主題の実施例によるワクシング装置１０の側面透視図である。該装置１０は、利用者の手のひらで握るように構成された人間工学的表面で構成された筺体１２を含む。該装置１０は、溶けたワックスを分注するためのディスペンサー１４、および利用者の皮膚表面などの表面にワックスを塗布するためのアプリケーター１６、を含む。

【0022】

該ディスペンサー１４は、筺体１２に取り外し可能に連結され、その結果以下に記述されているように、その中にワックスを挿入するために取り外され得る。

【0023】

図３と図４に示されたように、該ディスペンサー１４は、その中に固形棒などのワックスを挿入するための挿入開孔２８を有するワックスコンパートメント２０、およびコンパートメントに取り付けられ、およびその中でワックスを加熱するように構成された加熱エレメント２２、を含む。該コンパートメント２０は、コンパートメント２０から溶けたワックスを分注するための開口３２を有する先端３０を含む。該先端は、ここに円錐形状を有するとして図示され、開口３２に向かう方向において次第に減少する断面を含み、それによって溶けたワックスを適量抽出することが容易になる。加熱エレメント２２はコンパートメント２０ならびに先端３０に取り付けられ、その結果コンパートメント２０内のワックスおよび先端３０内のワックスは次第に溶ける。換言すれば、本発明の該ディスペンサーは、次第に溶けるワックスを提供する、すなわちコンパートメントに挿入されたワックス棒は加熱され、その結果挿入開孔２８の近くに配置された棒の一部分はわずかのみ溶け、およびコンパートメント２０の先端３０中に押され得る。該先端３０は次第に減少する断面を有するので、先端３０に取り付けられた加熱エレメントは、挿入開孔２８の近くに配置されたワックス部分の温度より高温にワックスを加熱する。すなわち、該加熱エレメント２２は、挿入開孔２８および開口３２の間で温度勾配を形成する。このようにコンパートメント２０の先端内部にないワックスは加熱されるが、ただし、いくらかの固さは保持しており、他方先端内のワックスは溶け、その結果開口３２を通じて分注され得、および利用者の皮膚に塗布され得る。先端３０外に配置されたワックス棒にある程度を保持することは、以下に説明するように、ワックスを機械的に先端の方向に押すことを容易にした。

【0024】

実施例によれば該加熱エレメントは、先端３０内部のワックスを５０～６５℃に加熱し、およびコンパートメント２０中のワックスを４５～５０℃に加熱するように構成される。このようにコンパートメント内部の該ワックスは、相対的に固くおよび押され得、他方先端３０内部のワックスは溶けおよび容易に分注され得る。

【0025】

該加熱エレメント２２は、コンパートメント２０内部または先端３０内部のワックスの温度を他の方法で変更するように構成され得る、ことが理解される。例えば、該加熱エレメントは、コンパートメント２０内に熱を放射するように構成されたコイルであり得、および幅が変化して先端のまわりで加熱エレメント２２がより多くの熱を放射するように構成され得る。同様に、該加熱エレメントは先端３０のまわりにより高い密度で配置されたスレッドを含み得、その結果先端３０のまわりでより多くの熱が放射される。

【0026】

加えてディスペンサー１４は、筺体１２に取り外し可能に連結されるように構成された外被部材２４を含む。該外被部材２４は、コンパートメント２０ならびに加熱エレメント２２、および筺体１２上の対応するフランジに連結するように構成されたフランジ３８、を覆うように構成される。例えば、該フランジはスナップカップリングとして構成され得、またはスレッドまたは筺体１２からディスペンサー１４を取り外し得る他の任意の周知のカップリングを含み得る。

【0027】

該ディスペンサー１４はさらに、表面にワックスを塗布するアプリケーター１６を含み、該アプリケーター１６は利用者の皮膚に溶けたワックスを伸ばすように構成された端部１５を含み得る。該端部のサイズおよび形状は、ワックスの塗布が望まれる皮膚表面に合せて構成され得ることが理解される。例えば、溶けたワックスを比較的に大きな皮膚表面領域に伸ばすことが望ましい場合、端部１５はより広い幅の表面を含み得、または溶けたワックスを比較的に小さな皮膚表面領域に伸ばすことが望ましい場合、狭い表面を含み得る。このように、該アプリケーター１６は的確な場所にワックスを広げるように構成され得、その結果例えばまゆからむだ毛を取り除くためにせまいアプリケーターが使用され得、または脚などのより広い領域にワックスを広げるために使用される。加えて該端部１５は、脚の皮膚または顎の領域の皮膚などの丸い皮膚表面に対応する丸い表面で構成され得る。実施例によれば該アプリケーター１６は外被部材２４に交換可能に取り付けられ得、その結果種々の皮膚表面に対して種々のアプリケーターが使用され得る。こうして該ワクシング装置１０は、特定の皮膚表面タイプを処理する各々のアプリケーター１６のキットを供給され得る。

【0028】

さて図５と図６を参照すると該装置１０は、コンパートメント２０からワックスを分注する分注メカニズム４０を含み得る。該分注メカニズム４０は、挿入開孔２８をへてコンパートメント２０に挿入され、およびその中のワックスを先端３０に向かって付勢するように構成されたプランジャー４２を含む。

【0029】

実施例によれば該プランジャー４２はさらに、先端３０に対応した円錐状の頭部４４を含み、その結果コンパートメント２０内のすべてのワックスが先端３０部分の内部にある場合、円錐状の頭部４４は先端３０の中に突出し、および先端３０の中から残りのワックスを付勢する。

【0030】

該分注メカニズム４０はさらにモーター４６を含み、このモーターは回転シャフト４７、およびモーターの回転運動をプランジャーの直線運動に変換するための運動コンバーター４８、を有する電動モーターであり得る。本実施例による該運動コンバーター４８は、その内表面に定義されたネジ山５４ａを有するスリーブ５２、およびその外表面に定義された対応するネジ山５４ｂを有するボルト部材５６、を含む。該ボルト部材５６はスリーブ５２内部で回転するように構成され、およびネジ山５４ａ、５４ｂの係合のゆえに、スリーブ内部でのボルト部材の回転は、スリーブ５２に対してボルト部材５６の直線的変位を引き起こす。

【0031】

該スリーブ５２はカプラー５８によってモーター４６の本体に連結され、およびボルト部材５６は回転シャフト４７に連結される。該ボルト部材５６の一端は回転シャフト４７に連結されているが、それの対向端は直接または回転カプラー６０によって、プランジャー４２に連結される。該回転カプラーは、ボルト部材５６の回転変位がプランジャー４２に伝送されず、その結果プランジャーのみがコンパートメント２０内部で直線的に変位するように構成され得る。

【0032】

実施例によれば該プランジャー４２は廃棄可能である、つまり新しいワックス棒がコンパートメント２０に挿入された時に置き換えられるという設計である。このようにワックスの残りを含み得る該プランジャー４２は清浄する必要がなく、むしろ新しいプランジャーによって置き換えられる。従って該回転カプラー６０は、スナップカップリングなどによってプランジャー４２をそれに取り外し可能に連結するように構成される。

【0033】

ボルト部材５６はスリーブ５２内部で回転するので、ボルト部材はスリーブ５２にそって直線的にも変位すると理解される。こうしてボルト部材５６はコンパートメント２０の方向に変位するので、ボルト部材はスリーブのネジ山５４ａの末端に到達し、ボルト部材５６はその地点でもう前進できない、および逆回転する必要があり、それでボルト部材５６はモーター４６とは逆の方向に直線的に変位する。該ボルト部材５６および該スリーブ５２は、ボルト部材５６のスリーブ５２に対する最外側位置がコンパートメント２０に対するプランジャー４２の最奥位置、つまりプランジャー４２はコンパートメント２０の中に完全に挿入されるに対応する、ように構成されると理解される。

【0034】

実施例によれば、該モーターは、ボルト部材５６がスリーブ５２内部でコンパートメント２０に向かって変位するように第１方向に回転し、およびボルト部材５６がスリーブ５２内部でコンパートメント２０から離れるように変位する第２方向に回転する、ように構成され得る。実施例によれば該モーター４６は、ボルト部材５６がスリーブ５２に対して最外側位置に達すると、回転方向を自動的に変更し、およびこの地点で、ボルト部材５６がスリーブ５２内部に完全に配置されるまでボルト部材５６は逆回転し、およびその結果プランジャー４２がコンパートメント２０から外れる、ように構成される。このように、ボルト部材５６が最外側位置に達し、およびプランジャー４２がコンパートメント２０内部の最深位置にある場合、ワックスはほぼコンパートメント２０の外にある。モーターが回転方向を切り替える場合、ボルト部材５６は、スリーブ５２内部に完全に配置されるまで逆方向に変位し、およびその結果プランジャー４２はコンパートメント２０から引っ張られ、利用者は新しいワックス棒をコンパートメント２０に挿入することが可能となる。

【0035】

該装置１０はさらに、筺体１２の外表面に取り付けられ、およびアクチュエーターを短く押すことでモーター４６をわずかに回転させ、およびその結果コンパートメント２０内部でプランジャー４２がわずかに前進移動するように構成されたアクチュエーター６５を含む。このように利用者は、アプリケーター１６で分注された溶けたワックスの量を制御し得る。

【0036】

本開示の主題に関係する当業者は、本発明のスコープから離れることなく必要な変更を加えて、数多くの変更および修正が実行され得ることを即座に理解するであろう。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】