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特許7132960運転経路の計画方法、装置、車両、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】運転経路の計画方法、装置、車両、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/095 20120101AFI20220831BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B60W30/095
G08G1/16 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020027726
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2020132154
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】201910133965.0
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シアオシヌ フゥ
(72)【発明者】
【氏名】ダヤン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】ジェヌグアン ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジユアン チェヌ
(72)【発明者】
【氏名】ファヌ ジュ
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-087856(JP,A)
【文献】特開2018-138404(JP,A)
【文献】特開2014-044141(JP,A)
【文献】国際公開第2017/014012(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/235159(WO,A1)
【文献】特開2018-197048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
G08G 1/00 - 99/00
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定し、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定することであって、前記目標参照曲線は少なくとも前記第1の長さ範囲における障害物を回避できる曲線である、選定することと、
前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、前記第1の長さ範囲よりも小さいく且つ前記第1の長さ範囲の開始位置と同じ開始位置を有する第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出することと、
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得ることと、
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定することと、を含み、
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定することは、
前記調整曲線の終点と、前記目標参照曲線における第2の長さ範囲の以外の部分の始点とをスティッチングして、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得ることを含む、
ことを特徴とする運転経路の計画方法。
【請求項2】
第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定することは、
現在位置に基づいて、初期の運転参照線から、現在位置から前記第1の長さ範囲をカバーする運転参照線分を選定することと、
前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定することと、
決定された少なくとも1つのサンプル点に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成することとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運転経路の計画方法。
【請求項3】
前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定することは、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得することと、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定することとを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の運転経路の計画方法。
【請求項4】
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得ることは、
車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲の安全性パラメータを決定することと、
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して前記調整曲線を得ることとを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の運転経路の計画方法。
【請求項5】
前記計画方法は、
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づき前記調整対象曲線に対する処理が失敗した場合、前記目標参照曲線を、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路とすることをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の運転経路の計画方法。
【請求項6】
第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定し、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定する動的計画ユニットであって、前記目標参照曲線は少なくとも前記第1の長さ範囲における障害物を回避できる曲線である、動的計画ユニットと、
前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、前記第1の長さ範囲よりも且つ前記第1の長さ範囲の開始位置と同じ開始位置を有する第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出し、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得る2次計画ユニットと、
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定する経路処理ユニットと、を含み、
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定することは、
前記調整曲線の終点と、前記目標参照曲線における第2の長さ範囲の以外の部分の始点とをスティッチングして、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得ることを含む、
ことを特徴とする運転経路の計画装置。
【請求項7】
前記動的計画ユニットは、
現在位置に基づいて、初期の運転参照線から、現在位置から前記第1の長さ範囲をカバーする運転参照線分を選定し、前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定し、決定された少なくとも1つのサンプル点に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成する、
ことを特徴とする請求項6に記載の運転経路の計画装置。
【請求項8】
前記動的計画ユニットは、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得し、前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の運転経路の計画装置。
【請求項9】
前記2次計画ユニットは、
車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータを決定し、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得る、
ことを特徴とする請求項6に記載の運転経路の計画装置。
【請求項10】
前記経路処理ユニットは、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づき前記調整対象曲線に対する処理が失敗した場合、前記目標参照曲線を、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路とする、
ことを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載の運転経路の計画装置。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数のプログラムを実行する場合、請求項1~5のいずれか1項に記載の運転経路の計画方法を実施させる、
ことを特徴とする車両。
【請求項12】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行される場合、請求項1~5のいずれか1項に記載の運転経路の計画方法を実施することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人運転制御技術の分野に関し、特に運転経路の計画方法、装置、車両、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動運転軌跡の計画方法は、通常、動的計画法を事後評価として用いて、失敗のないよう離散最適化問題を解くが、解の精度がサンプリング精度により大きく影響されるという問題があり、他の方式として、2次計画法を用いるが、実際の交通シーンの複雑さを表すことが困難であるという問題がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、実際の交通シーンの複雑さを表すことが困難であるという問題及び経路がサンプリング精度により大きく影響されるという問題を解決するための運転経路の計画方法、装置及び車両を提供する。
【0004】
本発明の第1態様は、運転経路の計画方法を提供する。当該運転経路の計画方法は、
第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定し、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定することであって、前記目標参照曲線は少なくとも前記第1の長さ範囲における障害物を回避できる曲線である、選定することと、
前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、前記第1の長さ範囲よりも小さく且つ前記第1の長さ範囲の開始位置と同じ開始位置を有する第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出することと、
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得ることと、
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定することと、を含む。
【0005】
1つの実施形態において、第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定することは、
現在位置に基づいて、初期の運転参照線から、現在位置から前記第1の長さ範囲をカバーする運転参照線分を選定することと、
前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定することと、
決定された少なくとも1つのサンプル点に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成することとを含む。
【0006】
1つの実施形態において、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定することは、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得することと、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定することとを含む。
【0007】
1つの実施形態において、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得ることは、
車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲の安全性パラメータを決定することと、
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して前記調整曲線を得ることとを含む。
【0008】
1つの実施形態において、前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定することは、
前記調整曲線と、前記目標参照曲線における第2の長さ範囲の以外の部分とをスティッチングして、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得ることを含む。
【0009】
1つの実施形態において、前記計画方法は、
前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づき前記調整対象曲線に対する処理が失敗した場合、前記目標参照曲線を、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路とすることをさらに含む。
【0010】
本発明の第2態様は、運転経路の計画装置を提供する。前記装置は、
第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定し、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定する動的計画ユニットであって、前記目標参照曲線は少なくとも前記第1の長さ範囲における障害物を回避できる曲線である、動的計画ユニットと、
前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、前記第1の長さ範囲よりも小さく且つ前記第1の長さ範囲の開始位置と同じ開始位置を有する第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出し、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得る2次計画ユニットと、
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定する経路処理ユニットと、を含む。
【0011】
1つの実施形態において、前記動的計画ユニットは、現在位置に基づいて、初期の運転参照線から、現在位置から前記第1の長さ範囲をカバーする運転参照線分を選定し、前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定し、決定された少なくとも1つのサンプル点に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成するように構成される。
【0012】
1つの実施形態において、前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得し、前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定するように構成される。
【0013】
1つの実施形態において、前記2次計画ユニットは、車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータを決定し、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得るように構成される。
【0014】
1つの実施形態において、前記経路処理ユニットは、前記調整曲線と、前記目標参照曲線における第2の長さ範囲の以外の部分とをスティッチングして、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得るように構成される。
【0015】
1つの実施形態において、前記経路処理ユニットは、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づき前記調整対象曲線に対する処理が失敗した場合、前記目標参照曲線を、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路とするように構成される。
【0016】
本発明の第3態様は、車両を提供する。前記車両の機能は、ソフトウェア又は、ハードウェアがソフトウェアを実行することにより実現される。前記ハードウェア又はソフトウェアは、1つ又は複数の上記に記載された機能に対応するモジュールを含む。
【0017】
1つの可能な実施形態において、前記車両は、上記の運転制御方法を実行する装置を支援するプログラムを記憶するためのメモリと、メモリに記憶されたプログラムを実行するように構成されたプロセッサを含む。前記装置は、他のデバイス又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェースも含み得る。
【0018】
本発明の第4態様は、プロセッサによって実行されると、上記実施形態のいずれかに記載された方法を実施するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0019】
本発明によれば、障害物を回避可能な目標参照曲線となるように運転参照線を広い範囲に亘って調整した上で、安全性パラメータに基づいて調整を狭いカバー範囲に亘って行い、最終的に運転経路を得ることにより、運転参照線について、実際の交通の複雑さを考慮しつつ、安全性の調整を行うことができ、最終的に得られる運転経路がサンプリング点の精度に影響されることを回避しつつ、運転経路の信頼性及び精度を向上させることができる、という利点や効果がある。
【0020】
上記の概要は、単に説明のために過ぎず、いかなる限定をも目的としない。上記に記載されている例示的な様態、実施形態、及び特徴以外に、図面及び下記の詳細説明を参照することによって、本発明のさらなる様態、実施形態、及び特徴の理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態における運転経路の計画方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態における運転参照線の一部を選定する模式図である。
図3】本発明の実施形態における少なくとも1つの曲線を生成する模式図である。
図4】本発明の実施形態における目標参照曲線を選定する模式図である。
図5】本発明の実施形態における目標参照曲線から第2の長さ範囲の調整対象曲線を選定する模式図である。
図6】本発明の他の実施形態における運転経路の計画方法のフローチャートである。
図7】本発明の実施形態における運転経路の計画装置の構成図である。
図8】本発明の実施形態における車両の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面において特に規定されない限り、複数の図面において同様の図面符号は、同様又は類似的な部材又はエレメントを示す。これらの図面は必ずしも実際の縮尺に従って製図されたものではない。これらの図面は本発明に基づいて開示された幾つかの実施形態を描いたものに過ぎず、本発明の範囲に対する制限としてはならないことを理解すべきである。
【0023】
下記において、幾つかの例示的実施形態を簡単に説明する。当業者が把握出来るよう、本発明の主旨又は範囲を逸脱しない限り、様々な方式により説明された実施形態に変更可能である。従って、図面と説明は制限を加えるものでなく、本質的には例示的なものである。
【0024】
本発明は運転経路の計画方法を提供する。1つの実施形態において、図1示すように、前記方法は、下記のステップ101~ステップ104を含む。
ステップ101において、第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定し、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定することであって、前記目標参照曲線は少なくとも前記第1の長さ範囲における障害物を回避できる曲線である、前記目標参照曲線を選定する。
ステップ102において、前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、前記第1の長さ範囲よりも小さく且つ前記第1の長さ範囲の開始位置と同じ開始位置を有する第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出する。
ステップ103において、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得る。
ステップ104において、前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定する。
【0025】
本実施形態では、長距離の計画は動的計画に依存し、短距離の計画は二次計画に依存する処理方式を提案する。動的計画は、主に、長期間の計画を担当し、サンプリングによって、複雑な交通シーンを容易に表現しモデル化することができ、無人車両の十分な回避能力を確保することができる。
【0026】
本実施形態では、まず、動的計画について説明する。
ステップ101において、第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定することは、
現在位置に基づいて、初期の運転参照線から、現在位置から前記第1の長さ範囲をカバーする運転参照線分を選定することと、
前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定することと、
決定された少なくとも1つのサンプル点に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成することとを含む。
【0027】
初期の運転参照線は、開始点から終点まで生成された運転参照線であってもよく、ユーザによって必要に応じて再生された運転参照線であってもよい。
ここで、現在位置とは車両が現在位置する位置を指す。車両は常に運転参照線に沿って走行しているため、車両の現在位置は、初期の運転参照線上のある位置である。例えば、図2を参照すると、この図2は、ある距離の間の初期の運転参照線を示したものであり、車両の現在位置も示している。第1の長さ範囲をカバーすることができる運転参照線分を選択することも示している。
なお、第1の長さ範囲及び第2の長さ範囲は、実際の状況に応じて設定されてもよく、例えば、第1の長さ範囲は200mであり、第2の長さ範囲は20mであってもよく、また、第1の長さ範囲と第2の長さ範囲の開始点は同じであり、図2に示すように、第2の長さ範囲は第1の長さ範囲と同じ開始位置を有し、第2の長さ範囲は第1の長さ範囲よりも小さい。
【0028】
前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定する。サンプリング点は、車線範囲内の縦方向および横方向に選定された複数のサンプリング点であり、初期の運転参照線上に少なくとも1つのサンプリング点を選定した後、対応する車線範囲内で再拡張された横方向(車両走行に沿う方向)、縦方向(車線走行方向と直交する方向)にそれぞれ少なくとも1つのサンプリング点が決定され、第1の長さ範囲内の全てのサンプリング点が得られる。
決定された少なくとも1つのサンプリング点に基づいて、第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成することは、車両の走行方向に沿って、少なくとも1つのサンプリング点からサンプリング点の一部を選択した後、これらのサンプリング点を通る少なくとも1つの参照曲線を生成することができる。ここで、異なるサンプリング点の組み合わせを毎回選択しても良いが、毎回選択されたサンプリング点の少なくとも一部は異なるようにすべきである。サンプリング点を選択する度、走行方向と直交する方向に1つのサンプリング点のみを選択するという原則を採用することができる。例えば、図3を参照すると、曲線を一度生成した場合、サンプリング点1、4、6を選択することができ、曲線を再度生成する場合、サンプリング点1、3、6を選択することができ、他の組み合わせは同様である。図3にも示されるように、毎回選択されたサンプリング点により、少なくとも1つの参照曲線を生成することができる。なお、図においていくつかの曲線は一部が重なり、且つ各曲線の伸びる向きを明確に示していないが、同じサンプリング点を通る曲線は複数存在することを理解するべきである。
【0029】
さらに、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定することは、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得することと、
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定することとを含む。
【0030】
なお、本実施形態において、前記障害物は、車線範囲内に位置する障害物であればよく、例えば、車、人、動物などであってもよく、いずれの車線範囲内に位置する障害物であってもよい。
前記第1の長さ範囲は、第1の長さ範囲に含まれる車線がカバーする範囲であってもよい。
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報は、リアルタイムで取得することができる。リアルタイム取得とは、車両に設けられた赤外線検出ユニット、カメラのような取得ユニットによりリアルタイムに取得することができる。あるいは、ネットワーク側のサーバから障害物の位置情報を取得することができる。ネットワーク側のサーバが障害物の位置情報を取得するのは、路側ユニットが、道路に設置されたカメラ等の機器によって取得した障害物の情報を取得し、さらにサーバ側処理に基づいて最終的に障害物の位置情報を取得する。サーバは、第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得した後、車両がさらに処理を行うように車両に送信してもよいし、あるいは、全ての道路に現在存在する障害物の位置情報を区別することなく車両に送信し、車両が第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を抽出してもよい。
【0031】
上記実施形態において、車両の位置や障害物の位置情報に関わらず同じ座標系で表されており、例えばワールド座標系であってもよく、あるいは、高精細地図に用いられる座標系であってもよく、これに限定されるものではない。
前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定する。具体的な処理方法として、動的計画法による処理を行うことができる。例えば、C ( i,j )はi番目の層のj番目の曲線を表し、動的計画法を用いて{ ( i,j ) }の組を決定することにより、コストが最小である連続経路を見出すことができる。
【0032】
図4を参照すると、無人運転車両は、図中左側の車両であり、第1の長さ範囲内に1つの車両、すなわち障害物が存在し、このとき、動的計画法に基づき、目標参照曲線を選定する。
次に、ステップ102を実行し、前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、前記第1の長さ範囲よりも小さく且つ前記第1の長さ範囲の開始位置と同じ開始位置を有する第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出する。例えば、図5を参照すると、第1の長さ範囲の目標参照曲線において、同じ開始点から第2の長さ範囲の曲線が調整対象曲線として選定される。
【0033】
1つの実施形態において、2次計画で目標参照曲線を処理し、具体的に、前記のステップ101、102に基づいて、図6に示すように、ステップ1031及びステップ1032を含む。
ステップ1031において、車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータを決定する。
ステップ1032において、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して前記調整曲線を得る。
【0034】
ここで、車両パラメータは、車両の長さ、幅、高さなどのような車両の寸法パラメータであってもよく、前記環境パラメータは、例えば、上述した車線内に存在する障害物の位置情報、路肩、柵などの車線外に存在する静止物の位置情報など、様々な種類を含むことができる。
さらに、車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータを決定し、すなわち、上記の車両パラメータおよび環境パラメータを総合して、車両が対応する静的および動的な障害物または物体を回避できる安全距離を安全性パラメータとして決定する。
【0035】
具体的に、2次計画において、調整対象曲線は、Frenet Frame座標系における多項式関数l = f ( w,s )として表され、wは多項式の係数であり、x = wを設定し、以下の2つの計算によって処理する。
minimize(最小化) J (x) = x H x;
subject to (仮定) Ax ≦ b。
ここで、曲線の良否及びスコアはJによって計算され、Minimizeは、コストが最小となるJ値を選んだことを示し、xは曲線パラメータを示し、上記計算式において、H,A,bは予め設定されたパラメータであり、bは安全性パラメータであり、Aは、障害物や路肩等の静的又は動的な物体と調整される曲線との距離である。最終的に上記計算を経て得られたxが調整後の結果であり、l = f ( w,s )にxを代入して調整後の調整曲線を得る。
前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定することは、前記調整曲線と、前記目標参照曲線における第2の長さ範囲の以外の部分とをスティッチングして、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得ることを含む。
すなわち、第2の長さ範囲の調整曲線と、目標参照曲線における、当該第2の長さ範囲の長さを除いた残りの部分をスティッチングし、第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得る。
【0036】
なお、上記フローは周期的に実行されるものであってもよく、その周期の長さは実際の状況に応じて設定されるものであり、例えば1分毎に1回、5分毎に1回設定されるものであってもよい。なお、周期的に実行される処理は、現在の第1の長さ範囲の運転経路が既に走行したものか否かに関わらず、ステップ101から本実施形態に提供される処理ステップを再実行することを示し、この時、前記未完了の運転経路は削除され、その後、初期の運転基準線及び車両の現在位置に基づき、対応する運転経路の計画結果が再び取得され、ここではその説明を省略する。
最後に、前記計画方法は、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づき前記調整対象曲線に対する処理が失敗した場合、前記目標参照曲線を、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路とすることをさらに含む。すなわち、ステップ103またはステップ1031の実行中に前記調整対象曲線を得ることができなかった場合には、ステップ101で求めた目標参照曲線をそのまま最終の運転経路とする。
このように、上記技術案を採用することにより、広い範囲に亘って運転参照線を調整して障害物を回避可能な目標参照曲線を取得した上で、狭いカバー範囲に亘って安全性パラメータに基づく調整を行い、最終的に運転経路を得ることができ、これにより、運転参照線について、実際の交通量の複雑さを考慮しつつ、安全性の調整を行うことができ、最終的に得られる運転経路がサンプリング点の精度に影響される問題を回避しつつ、運転経路の信頼性及び精度を向上させることができる。
【0037】
1つの実施形態において、図7に示すように、運転経路の計画装置を提供する。前記装置は、動的計画ユニット71、2次計画ユニット72及び経路処理ユニット73を含む
動的計画ユニット71は、第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を決定し、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線を選定するように構成され、ここで、前記目標参照曲線は、前記第1の長さ範囲における障害物を回避できる曲線である。
2次計画ユニット72は、前記第1の長さ範囲をカバーする目標参照曲線から、第2の長さ範囲をカバーする調整対象曲線を抽出し、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得るように構成され、ここで、前記第2の長さ範囲は前記第1の長さ範囲よりも短い長さを有し、且つ前記第2の長さ範囲の開始位置と前記第1の長さ範囲の開始位置は同じである。
経路処理ユニット73は、前記調整曲線及び前記目標参照曲線に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を決定するように構成される。
【0038】
動的計画ユニット71は、現在位置に基づいて、初期の運転参照線から、現在位置から前記第1の長さ範囲をカバーする運転参照線分を選定し、前記運転参照線分に基づいて、少なくとも1つのサンプル点を決定し、決定された少なくとも1つのサンプル点に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線を生成するように構成される。
動的計画ユニット71は、前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報を取得し、前記第1の長さ範囲内の少なくとも1つの障害物の位置情報に基づいて、前記第1の長さ範囲をカバーする少なくとも1つの参照曲線から、前記少なくとも1つの障害物を回避でき、かつ最小の経路コストを有する1つの参照曲線を前記目標参照曲線として選定するように構成される。
【0039】
2次計画ユニット72は、車両パラメータ及び前記第2の長さ範囲内の環境パラメータに基づいて、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータを決定し、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づいて、前記調整対象曲線を処理して調整曲線を得るように構成される。
【0040】
経路処理ユニット73は、前記調整曲線と、前記目標参照曲線における第2の長さ範囲の以外の部分とをスティッチングして、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路を得るように構成される。
経路処理ユニット73は、前記第2の長さ範囲内の安全性パラメータに基づき前記調整対象曲線に対する処理が失敗した場合、前記目標参照曲線を、前記第1の長さ範囲をカバーする運転経路とするように構成される。
【0041】
本発明の実施形態に係る装置における各モジュールの機能は、具体的には、上述した方法に対応する説明を参照することができ、ここではその説明を省略する。
このように、上記技術案を採用することにより、広い範囲に亘って運転参照線を調整して障害物を回避可能な目標参照曲線を取得した上で、狭いカバー範囲に亘って安全性パラメータに基づく調整を行い、最終的に運転経路を得ることができ、これにより、運転参照線について、実際の交通量の複雑さを考慮しつつ、安全性の調整を行うことができ、最終的に得られる運転経路がサンプリング点の精度に影響される問題を回避しつつ、運転経路の信頼性及び精度を向上させることができる。
【0042】
図8は、本発明の実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。図8に示すように、この車両は、メモリ810とプロセッサ820とを備え、メモリ810には、プロセッサ820で実行可能なコンピュータプログラムが記憶されている。プロセッサ820は、コンピュータプログラムを実行すると、上記実施形態に係る運転制御方法を実施させる。メモリ810及びプロセッサ820の数は、1つ又は複数であってもよい。
【0043】
当該車両は、さらに、通信インターフェース830を含み、
通信インターフェース830は、外部機器と通信を行い、データのやり取りを行うためのものである。
【0044】
メモリ810は、高速度RAMメモリを含んでもよく、少なくとも1つのディスクメモリなどの不揮発性メモリ( non-volatile memory )をさらに含んでもよい。
メモリ810、プロセッサ820、及び通信インターフェース830が互いに独立して具現される場合、メモリ810、プロセッサ820、及び通信インターフェース830は、バスによって相互接続して相互通信を行うことができる。前記バスは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA、Industry Standard Architecture)バス、外部デバイス相互接続(PCI、Peripheral ComponentInterconnect)バス、又は拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(EISA、Extended Industry Standard Component)バス等であってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等として分けられることが可能である。表示の便宜上、図8に1本の太線のみで表示するが、バスが1つ又は1種類のみであることを意味しない。
【0045】
任意選択で、具体的な実現において、メモリ810、プロセッサ820及び通信インターフェース830が1つのチップに集積した場合、メモリ810、プロセッサ820、及び通信インターフェース830は、内部インターフェースによって相互通信を行うことができる。
【0046】
本発明の実施形態は、プロセッサによって実行されると、上記の実施形態のいずれかに記載の方法を実施するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0047】
本明細書において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」或いは「一部の例」などの用語とは、当該実施形態或いは例で説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点を結合して、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含まれることを意味する。また、説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点は、いずれか1つ或いは複数の実施形態または例において適切に結合することが可能である。また、矛盾しない限り、当業者は、本明細書の異なる実施形態または例、および、異なる実施形態または例における特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。
また、用語「第1」、「第2」とは比較的重要性を示している又は暗示しているわけではなく、単に説明のためのものであり、示される技術的特徴の数を暗示するわけでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗示的に含むことが可能である。本出願の記載の中において、「複数」の意味とは、明確的に限定される以外に、2つ又は2つ以上を意味する。
【0048】
フローチャート又はその他の方式で説明された、いかなるプロセス又は方法に対する説明は、特定な論理的機能又はプロセスのステップを実現するための命令のコードを実行可能な1つ又はそれ以上のモジュール、断片若しくはセグメントとして理解することが可能であり、さらに、本発明の好ましい実施形態の範囲はその他の実現を含み、示された、又は、記載の順番に従うことなく、係る機能に基づいてほぼ同時にまたは逆の順序に従って機能を実行することを含み、これは当業者が理解すべきことである。
フローチャートに示された、又はその他の方式で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現させるための実行可能な命令のシーケンスリストとして見なされることが可能であり、命令実行システム、装置、又はデバイス(プロセッサのシステム、又は命令実行システム、装置、デバイスから命令を取得して実行することが可能なその他のシステムを含むコンピュータによるシステム)が使用できるように提供し、又はこれらの命令を組み合わせて使用する命令実行システム、装置、又はデバイスに使用されるために、いかなるコンピュータ読取可能媒体にも具体的に実現されることが可能である。本明細書において、「コンピュータ読取可能媒体」は、命令実行システム、装置、デバイス、又はこれらの命令を組み合わせて実行するシステム、装置又はデバイスが使用できるように提供するため、プログラムを格納、記憶、通信、伝搬又は伝送する装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の布配線を含む電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスク(磁気装置)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去書き込み可能リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を少なくとも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、そのうえで前記プログラムを印字できる紙又はその他の適切な媒体であってもよく、例えば紙又はその他の媒体に対して光学的スキャンを行い、そして編集、解釈又は必要に応じてその他の適切の方式で処理して電子的方式で前記プログラムを得、その後コンピュータメモリに記憶することができるためである。
【0049】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された、適当な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実施されることができる。例えば、ハードウェアによって実現するとした場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な混合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(GPA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などといった本技術分野において公知である技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現される。
当業者は、上記の実施形態における方法に含まれるステップの全部又は一部を実現するのは、プログラムによって対応するハードウェアを指示することによって可能であることを理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、方法の実施形態に係るステップのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0050】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてよく、別個の物理的な個体であってもよく、2つ又は3つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールで実現されてもよい。上記の統合モジュールが、ソフトウェア機能モジュールで実現され、しかも独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。前記記憶媒体は読取専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0051】
上記の記載は、単なる本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されることなく、当業者が本発明に開示されている範囲内において、容易に想到し得る変形又は置換は、全て本発明の範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の範囲は、記載されている特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8