(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】紙葉類取り出し方法、および、紙葉類取り出し処理システム
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20220831BHJP
B65H 3/08 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B65H3/48 320A
B65H3/08 310A
(21)【出願番号】P 2020159685
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2021-05-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000230858
【氏名又は名称】日本金銭機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(72)【発明者】
【氏名】上溝 順亮
(72)【発明者】
【氏名】上田 貴司
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-203536(JP,A)
【文献】特開平04-023747(JP,A)
【文献】実開平04-127744(JP,U)
【文献】特開平08-040585(JP,A)
【文献】特開2014-019511(JP,A)
【文献】実開昭56-013440(JP,U)
【文献】特開2001-301999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
G07D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を載置するための紙葉類載置台と、
前記紙葉類載置台の上面から突出するように設けられており、かつ、前記紙葉類載置台に紙葉類を載置したときに最下端にある紙葉類の下面と、前記紙葉類載置台の上面とに空間が確保されるように設けられて
おり、外部から流入されるエアーの流れの方向を規制する、2つの細長い平板状の部材から構成される流路規制部材
であって、外部からエアーを流入させるとき、前記2つの細長い平板状の部材が、前記紙葉類載置台の上面の中央付近への流量が多くなるような位置に互いに離間して配置されている、前記流路規制部材と、
を備える紙葉類収納容器に収納された紙葉類を取り出す紙葉類取り出し方法であって、
広げた状態の1枚または複数枚の紙葉類を前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置するステップ
であって、最下端にある紙葉類の下面と、前記流路規制部材の前記2つの平板状部材の上面とが当接している状態となるように、前記紙葉類を前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置するステップと、
前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置されている最上端の前記紙葉類の横又は下からエアーを吹き付けながら、吸着機構により前記紙葉類の上面を吸引して前記紙葉類を取り出すステップと、
を備える紙葉類取り出し方法。
【請求項2】
紙葉類を載置するための紙葉類載置台と、
前記紙葉類載置台の上面から突出するように設けられており、かつ、前記紙葉類載置台に紙葉類を載置したときに最下端にある紙葉類の下面と、前記紙葉類載置台の上面とに空間が確保されるように設けられて
おり、外部から流入されるエアーの流れの方向を規制する、2つの細長い平板状の部材から構成される流路規制部材
であって、外部からエアーを流入させるとき、前記2つの細長い平板状の部材が、前記紙葉類載置台の上面の中央付近への流量が多くなるような位置に互いに離間して配置されている、前記流路規制部材と、
を備える紙葉類収納容器に収納された紙葉類を取り出す紙葉類取り出し方法であって、
広げた状態の1枚または複数枚の紙葉類を前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置する第1ステップ
であって、最下端にある紙葉類の下面と、前記流路規制部材の前記2つの平板状部材の上面とが当接している状態となるように、前記紙葉類を前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置する前記第1ステップと、
紙葉類を広げた状態で、かつ、少なくとも端部の一部を挟持した状態で、前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置されている最上端の前記紙葉類の横または下からエアーを吹き付ける第2ステップと、
前記紙葉類の横からエアーを吹き付けられることで、前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置されている最上端の前記紙葉類の上面の浮き上がった部分を、吸着機構により吸引することで、前記紙葉類を取り出す第3ステップと、
を備える紙葉類取り出し方法。
【請求項3】
前記第3ステップにおいて、前記吸着機構を前記紙葉類の上面の上方から降下させ、前記紙葉類が吸着した後、前記吸着機構を上昇させることで、前記紙葉類を取り出す、
請求項2に記載の紙葉類取り出し方法。
【請求項4】
前記吸着機構の中の圧力が所定の値よりも低くなった場合、または、前記吸着機構の中の圧力の低下量が所定の値よりも大きくなった場合、前記吸着機構の下降を止め、前記吸着機構を上昇させる、
請求項3に記載の紙葉類取り出し方法。
【請求項5】
前記第3ステップにおいて、前記吸着機構の先端が前記紙葉類の上面よりも高い位置までしか下降させない、
請求項3または4に記載の紙葉類取り出し方法。
【請求項6】
紙葉類を取り出す処理を行う紙葉類取り出し処理システムであって、
紙葉類を収納する紙葉類収納容器と、
前記紙葉類収納容器の内部へエアーを流入させるポンプと、
吸着機構と、
を備え、
前記紙葉類収納容器は、
底部と、
紙葉類を載置するための紙葉類載置台と、
前記紙葉類載置台の上面から突出するように設けられており、かつ、前記紙葉類載置台に紙葉類を載置したときに最下端にある紙葉類の下面と、前記紙葉類載置台の上面とに空間が確保されるように設けられて
おり、外部から流入されるエアーの流れの方向を規制する、2つの細長い平板状の部材から構成される流路規制部材
であって、前記ポンプからエアーを流入させるとき、前記2つの細長い平板状の部材が、前記紙葉類載置台の上面の中央付近への流量が多くなるような位置に互いに離間して配置されている、前記流路規制部材と、
前記底部と前記紙葉類載置台との間に配置され、前記紙葉類載置台を上方に向かって付勢するための弾性部材と、
前記紙葉類載置台に載置される紙葉類を、前記紙葉類載置台とともに挟持するための挟持部材と、
前記紙葉類載置台を囲むように配置されており、前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に紙葉類を載置したときに、最上端の紙葉類の表面が位置する高さと略同一の高さ付近に前記ポンプからのエアーを流入させるための孔が設けられている側壁部と、
を備え、
前記吸着機構は、
前記ポンプにより、前記紙葉類収納容器の内部へエアーが流入されているときに、前記紙葉類載置台の前記流路規制部材上に載置された前記紙葉類の上方から下方へ向かって移動し、前記紙葉類が吸着された後、上方へ向かって移動することで、前記紙葉類を前記紙葉類収納容器から取り出す、
紙葉類取り出し処理システム。
【請求項7】
吸着機構の内部の圧力を検出する圧力検出部をさらに備え、
前記吸着機構は、
前記圧力検出部により、吸着機構の内部の圧力が所定の値よりも低くなった場合、上方へ向かって移動することで、前記紙葉類を前記紙葉類収納容器から取り出す、
請求項6に記載の紙葉類取り出し処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類が収納されている容器から紙葉類を取り出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、カジノのゲーム機等に脱着可能に装着されるキャッシュボックスに収納された紙幣を回収し、キャッシュボックスごとの売上金額と、実際にキャッシュボックスから回収された紙幣の合計金額とが一致しているか否かを確認するための紙幣処理システムが開発されている。
【0003】
紙幣処理システムにおいて、キャッシュボックスから回収された紙幣束ごとに紙幣計数処理を行っていては連続的に紙幣計数処理ができず効率が悪い。これに対処するため、紙幣処理システムでは、複数のキャッシュボックスから回収された紙幣束(例えば、
図39の紙幣束Bills(CB1)~Bills(CBN)、N:自然数、CBk:k番目(1≦k≦N)のキャッシュボックス、紙幣束Bills(CBk):k番目のキャッシュボックスから回収された紙幣束)をまとめて(積み重ねて)バッチ(紙幣束群)(例えば、
図39のバッチBatch1~BatchN)を作成し、さらに、複数のバッチをまとめてバッチ群(例えば、
図39のバッチ群Batch_G1)を作成し、当該バッチ群を自動紙幣計数機(ソーター)にかけて、紙幣計数処理を行う。これにより、紙幣処理システムでは、自動紙幣計数機(ソーター)を停止させることなく、連続的に紙幣計数処理を行うことができるため、効率良く紙幣の計数処理ができる。このとき、自動紙幣計数機(ソーター)が、キャッシュボックスごとに収納されていた紙幣の合計金額を取得できるように、各キャッシュボックスから取り出した紙幣束にセパレータカード(例えば、
図39のセパレータカードSep_card1~Sep_cardN)を挿入してバッチ(紙幣束群)(例えば、
図39のバッチBatch1~BatchN)が生成される(例えば、特許文献1を参照)。セパレータカードには、例えば、バーコードが印字されており、自動紙幣計数機(ソーター)が当該バーコードを読み取ることで、セパレータカードを特定できるようになっている。紙幣処理システムは、例えば、キャッシュボックスごとに付与されたタグ(例えば、RFタグ)の情報を読み取ることで、キャッシュボックスを特定し、当該キャッシュボックスから取り出した紙幣束に挿入したセパレータカードを特定する情報(例えば、セパレータカードの表面に印字されているバーコードにより特定される情報)を取得し、キャッシュボックスを特定する情報とセパレータカードを特定する情報とを紐付けたデータを生成する。そして、紙幣処理システムでは、自動紙幣計数機(ソーター)が、上記のキャッシュボックスを特定する情報とセパレータカードを特定する情報とを紐付けたデータから、セパレータカードで仕切られた紙幣束が、当該セパレータカードに紐付けられたキャッシュボックスから回収された紙幣束であると認識できるとともに、当該キャッシュボックスから回収された金額の合計を取得することができる。
【0004】
このように、紙幣処理システムでは、セパレータカードを用いることで、連続的な紙幣計数処理を実現できるとともに、各キャッシュボックスから回収された紙幣束の合計金額を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
紙幣処理システムでは、上記処理を行うため、セパレータカードを1枚ずつキャッシュボックスから回収した紙幣束に挿入する処理が必要となる。これを実現するために、例えば、複数のセパレータカードを収納した容器から、1枚ずつセパレータを取り出し、取り出したセパレータカードをキャッシュボックスから回収した紙幣束に挿入する(例えば、セパレータカードをキャッシュボックスから回収した紙幣束の上に載置する)ことが考えられる。つまり、複数のセパレータカードを収納した容器から、1枚ずつセパレータカードを取り出す紙葉類送出装置を用いることが考えられる。
【0007】
しかしながら、このような紙葉類送出装置は、複数のセパレータカードを収納した容器から、1枚ずつセパレータカードを取り出すために、複雑な送出機構(例えば、紙葉類を1枚ずつ取り出すための送出機構)が必要となり、さらに、送出されたセパレータカードが重複していないかを検出するセンサ等も必要となる。このため、上記のような紙葉類送出装置を用いて、複数のセパレータカードを収納した容器から、1枚ずつセパレータを取り出し、取り出したセパレータカードをキャッシュボックスから回収した紙幣束に挿入するとコストが高くなる。
【0008】
また、人手により、複数のセパレータカードを収納した容器から、1枚ずつセパレータを取り出し、取り出したセパレータカードをキャッシュボックスから回収した紙幣束に挿入することも考えられるが、この場合も人件費が必要となり、コストが高くなる。
【0009】
このため、低コストで、紙葉類(例えば、セパレータカード)を1枚ずつ確実に取り出すことができる技術が求められている。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、低コストで、紙葉類収納容器に収納された紙葉類(例えば、セパレータカード)を1枚ずつ精度良く取り出すことができる紙葉類取り出し方法、および、紙葉類取り出し処理システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、第1の発明は、広げた状態の紙葉類の横又は下からエアーを吹き付けながら、吸着機構により紙葉類の上面を吸引して紙葉類を取り出す、紙葉類取り出し方法である。
【0012】
この紙葉類取り出し方法では、広げた状態の紙葉類の横又は下からエアーを吹き付けことで、紙葉類の上面が浮き上がった状態となる。その状態で、吸着機構により紙葉類の上面を吸引することで、紙葉類を高精度(例えば、1枚ずつ高精度)に取り出すことができる。
【0013】
第2の発明は、紙葉類を広げた状態で、かつ、少なくとも端部の一部を挟持した状態で、紙葉類の横または下からエアーを吹き付ける第1ステップと、紙葉類の横からエアーを吹き付けられることで、紙葉類の上面の浮き上がった部分を、吸着機構により吸引することで、紙葉類を取り出す第2ステップと、を備える紙葉類取り出し方法である。
【0014】
この紙葉類取り出し方法では、広げた状態の紙葉類の横又は下からエアーを吹き付けことで、少なくとも端部の一部を挟持されている紙葉類(あるいは紙葉類の束の最上部の紙葉類)の上面が浮き上がった状態となる。その状態で、吸着機構により紙葉類の上面を吸引することで、紙葉類を高精度(例えば、1枚ずつ高精度)に取り出すことができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明であって、第2ステップにおいて、吸着機構を紙葉類の上面の上方から降下させ、紙葉類が吸着した後、吸着機構を上昇させることで、紙葉類を取り出す。
【0016】
これにより、この紙葉類取り出し方法では、吸着機構を下降、上昇させることで、紙葉類を高精度に取り出すことができる。
【0017】
第4の発明は、第3の発明であって、吸着機構の中の圧力が所定の値よりも低くなった場合、または、前記吸着機構の中の圧力の低下量が所定の値よりも大きくなった場合、吸着機構の下降を止め、吸着機構を上昇させる。
【0018】
これにより、この紙葉類取り出し処理方法では、吸着機構の中の圧力をモニタリングすることで、紙葉類が吸着された状態であるか否かを、簡易かつ高精度に検知できる。その結果、高精度に紙葉類を取り出す処理を実行できる。
【0019】
なお、この紙葉類取り出し処理方法において、吸着機構の中の圧力の減少量が所定の値よりも大きくなったときに、吸着機構の下降を止め、吸着機構を上昇させるようにしてもよい。
【0020】
第5の発明は、第2ステップにおいて、吸着機構の先端が紙葉類の上面よりも高い位置までしか下降させない。
【0021】
これにより、この紙葉類取り出し処理方法では、吸着機構を必要以上に降下させることがなくなり、その結果、高速に、紙葉類を取り出すことができる。
【0022】
第6の発明は、紙葉類を取り出す処理を行う紙葉類取り出し処理システムであって、紙葉類を収納する紙葉類収納容器と、紙葉類収納容器の内部へエアーを流入させるポンプと、
吸着機構と、を備える。
【0023】
紙葉類収納容器は、
底部と、
紙葉類を載置するための紙葉類載置台と、
底部と紙葉類載置台との間に配置され、紙葉類載置台を上方に向かって付勢するための弾性部材と、
紙葉類載置台に載置される紙葉類を、紙葉類載置台とともに挟持するための挟持部材と、
紙葉類載置台を囲むように配置されており、紙葉類載置台に紙葉類を載置したときに、最上端の紙葉類の表面が位置する高さと略同一の高さ付近に外部からエアーを流入させるための孔が設けられている側壁部と、
を備える。
【0024】
吸着機構は、ポンプにより、紙葉類収納容器の内部へエアーが流入されているときに、紙葉類載置台に載置された紙葉類の上方から下方へ向かって移動し、紙葉類が吸着された後、上方へ向かって移動することで、紙葉類を紙葉類収納容器から取り出す。
【0025】
この紙葉類取り出し処理システムでは、紙葉類収納容器の紙葉類載置台に置かれた紙葉類の横又は下からエアーを吹き付けことができ、紙葉類載置台に置かれた紙葉類の上面が浮き上がった状態とし、その状態で、吸着機構により紙葉類の上面を吸引することで、紙葉類を高精度(例えば、1枚ずつ高精度)に取り出すことができる。
【0026】
第7の発明は、第6の発明であって、吸着機構の内部の圧力を検出する圧力検出部をさらに備える。
【0027】
吸着機構は、圧力検出部により、吸着機構の内部の圧力が所定の値よりも低くなった場合、上方へ向かって移動することで、紙葉類を紙葉類収納容器から取り出す。
【0028】
これにより、この紙葉類取り出し処理システムでは、吸着機構の中の圧力をモニタリングすることで、紙葉類が吸着された状態であるか否かを、簡易かつ高精度に検知できる。その結果、高精度に紙葉類を取り出す処理を実行できる。
【0029】
なお、この紙葉類取り出し処理システムにおいて、吸着機構の中の圧力の減少量が所定の値よりも大きくなったときに、吸着機構の下降を止め、吸着機構を上昇させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、低コストで、紙葉類収納容器に収納された紙葉類(例えば、セパレータカード)を1枚ずつ精度良く取り出すことができる紙葉類取り出し方法、および、紙葉類取り出し処理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の概略構成を示す図。
【
図2】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の機能的構成を示す図。
【
図3】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の吸着機構1および紙葉類収納容器100の概略構成を示す図。
【
図4】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の吸着機構1の概略構成を示す図。
【
図5】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の外観を示す図(斜視図)。
【
図6】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図(上図)および断面図(A-A線による断面図)(下図)。
【
図7】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の外観を示す図(斜視図)である。
【
図8】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の斜視図であり、前方パネル部106の回転軸を示した図。
【
図9】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の斜視図であり、前方パネル部106の回転動作(開閉動作)を説明するための図。
【
図10】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の孔の位置関係を説明するための図であり、
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図。
【
図11】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図(上図)および外観を示す図(斜視図)(下図)であり、紙葉類収納容器100に流入するエアーの流路を模式的に示した図。
【
図12】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の外観を示す図(斜視図)であり、紙葉類の紙葉類載置台103への載置について説明するための図。
【
図13】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図であり、紙葉類の紙葉類載置台103への載置について説明するための図。
【
図14】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図であり、エアー流路規制について説明するための図。
【
図15】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図および
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bの構成について説明するための図。
【
図16】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bの構成について説明するための図。
【
図17】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の一部を拡大した斜視図であり、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bの構成について説明するための図。
【
図18】第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の前方パネル部106の外観を示す図(斜視図)である。
【
図19】紙葉類取り出し処理システム1000で実行される処理のフローチャート。
【
図20】紙葉類取り出し処理システム1000で実行される処理のフローチャート。
【
図21】紙葉類収納容器100の斜視図であり、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入するときの動作を説明するための図。
【
図22】紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入するときの動作を説明するための図。
【
図23】紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入するときの動作を説明するための図。
【
図24】紙葉類の束G_sep_cardsを挿入した状態の紙葉類収納容器100の外観を示す図。
【
図25】紙葉類の束G_sep_cardsを挿入した状態の紙葉類収納容器100を含む紙葉類取り出し処理システム1000の外観を示す図。
【
図26】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図27】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図28】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図29】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図30】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図31】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図32】吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図33】紙葉類収納容器100の平面図(上図)と、紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図34】紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図35】紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図。
【
図36】紙葉類収納容器100の斜視図であり、エアーを紙葉類収納容器100の内部に流入させるための管を安定して固定するための固定用部材Dev_fixA、Dev_fixBを説明するための図。
【
図37】紙葉類収納容器100Aの外観を示す図(斜視図)。
【
図38】紙葉類収納容器100および紙葉類収納容器100Aの配置の一例を示す図。
【
図39】紙幣束、セパレータカード、バッチ、バッチ群を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
【0033】
<1.1:紙葉類取り出し処理システムの構成>
図1は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の概略構成を示す図である。
【0034】
図2は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の機能的構成を示す図である。
【0035】
図3は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の吸着機構1および紙葉類収納容器100の概略構成を示す図である。
【0036】
図4は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の吸着機構1の概略構成を示す図である。
【0037】
図5は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の外観を示す図(斜視図)である。
【0038】
図6は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図(上図)および断面図(A-A線による断面図)(下図)である。
【0039】
図7は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の外観を示す図(斜視図)である。
【0040】
図8は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の斜視図であり、前方パネル部106の回転軸を示した図である。
【0041】
図9は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の斜視図であり、前方パネル部106の回転動作(開閉動作)を説明するための図である。
【0042】
図10は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の孔の位置関係を説明するための図であり、
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図である。
【0043】
図11は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図(上図)および外観を示す図(斜視図)(下図)であり、紙葉類収納容器100に流入するエアーの流路を模式的に示した図である。
【0044】
図12は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の外観を示す図(斜視図)であり、紙葉類の紙葉類載置台103への載置について説明するための図である。
【0045】
図13は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図であり、紙葉類の紙葉類載置台103への載置について説明するための図である。
【0046】
図14は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図であり、エアー流路規制について説明するための図である。
【0047】
図15は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の平面図および
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bの構成について説明するための図である。
【0048】
図16は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bの構成について説明するための図である。
【0049】
図17は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の一部を拡大した斜視図であり、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bの構成について説明するための図である。
【0050】
図18は、第1実施形態に係る紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類収納容器100の前方パネル部106の外観を示す図(斜視図)である。
【0051】
なお、
図1~
図18に示したように、x軸、y軸、z軸を設定するものとする。
【0052】
紙葉類取り出し処理システム1000は、例えば、紙幣処理システムにおいて、複数のキャッシュボックスから回収された紙幣束をまとめて(積み重ねて)バッチ(紙幣束群)を作成するときに用いられる紙葉類(例えば、セパレータカード(例えば、
図39のセパレータカードSep_card1~Sep_cardN))を収納した紙葉類収納容器100から紙葉類を1枚ずつ取り出す処理を実行するときに用いられる。
【0053】
紙葉類取り出し処理システム1000は、
図1、
図2に示すように、紙葉類を吸着して取り出すための吸着機構1と、吸着機構1を移動させるための移動機構Rbt1と、吸着用ポンプPump1と、吸着機構1と、圧力検出部2と、データ読取部L_scan1と、エアー送出用ポンプPump2と、制御部CPU1と、通信インターフェースIF1と、紙葉類収納容器100とを備える。
【0054】
吸着用ポンプPump1は、吸着機構1と(例えば、チューブを介して)接続されており、吸引を行うポンプである。また、吸着用ポンプPump1は、圧力検出部2と接続されている。また、吸着用ポンプPump1は、制御部CPU1に接続されており、制御部CPU1からの指令に従い動作する。
【0055】
吸着機構1は、紙葉類等を吸着するための機構である。吸着機構1は、
図1、
図3、
図4に示すように、第1吸着部11aと、第2吸着部11bと、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bを保持するための第1平板部材plt1と、第2平板部材plt2とを備える。
【0056】
第1吸着部11aは、
図4に示すように、チューブ接続部11a1と、連結部11a2と、蛇腹型パッド部11a3とを備える。第1吸着部11aは、中空構造を有しており、例えば、チューブを介して吸着用ポンプPump1と接続され、吸着用ポンプPump1により吸引することで、例えば、紙葉類等を吸着するための部材である。
【0057】
チューブ接続部11a1は、中空構造の部材であり、吸着用ポンプPump1に接続するためのチューブを接続するための部材である。第1吸着部11aは、チューブ接続部11a1に接続されたチューブを介して吸着用ポンプPump1に接続される。
【0058】
連結部11a2は、中空構造の部材であり、チューブ接続部11a1と蛇腹型パッド部11a3とを連結する部材である。また、連結部11a2は、
図4に示すように、第1平板部材plt1に設けられた穴に貫通するように設置され、さらに、第1平板部材plt1を挟むように、2つのネジによりネジ止めされることで、第1平板部材plt1に固定される。
【0059】
蛇腹型パッド部11a3は、中空構造の部材であり、連結部11a2に連結されている。蛇腹型パッド部11a3は、蛇腹構造を有しており、伸縮自在に形成されている。
【0060】
第2吸着部11bは、第1吸着部11aと同様の構造を有しており、
図4に示すように、チューブ接続部11b1と、連結部11b2と、蛇腹型パッド部11b3とを備える。第2吸着部11bは、中空構造を有しており、例えば、チューブを介して吸着用ポンプPump1と接続され、吸着用ポンプPump1により吸引することで、例えば、紙葉類等を吸着するための部材である。
【0061】
チューブ接続部11b1は、中空構造の部材であり、吸着用ポンプPump1に接続するためのチューブを接続するための部材である。第2吸着部11bは、チューブ接続部11b1に接続されたチューブを介して吸着用ポンプPump1に接続される。
【0062】
連結部11b2は、中空構造の部材であり、チューブ接続部11b1と蛇腹型パッド部11b3とを連結する部材である。また、連結部11b2は、
図4に示すように、第1平板部材plt1に設けられた穴に貫通するように設置され、さらに、第1平板部材plt1を挟むように、2つのネジによりネジ止めされることで、第1平板部材plt1に固定される。
【0063】
蛇腹型パッド部11b3は、中空構造の部材であり、連結部11b2に連結されている。蛇腹型パッド部11b3は、蛇腹構造を有しており、伸縮自在に形成されている。
【0064】
第1平板部材plt1は、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bを固定するための部材であり、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bを貫通させてネジ止めにより固定する。また、第1平板部材plt1は、
図3に示すように、スペーサsp1、sp2により、第2平板部材plt2に接続される。
【0065】
第2平板部材plt2は、
図3に示すように、接続部材bx1を介して、移動機構Rbt1の吸着機構移動用回転軸rot_ax1_Rbt1と接続される。また、第2平板部材plt2には、
図3に示すように、位置決め用部材gd1、gd2が接続されている。また、第2平板部材plt2には、
図3に示すように、スペーサsp1、sp2を介して、第1平板部材plt1が接続されている。これにより、移動機構Rbt1の吸着機構移動用回転軸rot_ax1_Rbt1を
図3に示す上下方向Dir1_up_down(z軸方向)に移動させることで、吸着機構1を上下方向(z軸方向)に移動することができる。さらに、移動機構Rbt1の吸着機構移動用回転軸rot_ax1_Rbt1を
図3に示す回転方向Dir1_rot(吸着機構移動用回転軸rot_ax1_Rbt1を回転軸とする回転方向)に回転させることで、吸着機構1を回転方向Dir1_rot周りに回転させることができる。
【0066】
移動機構Rbt1は、吸着機構1を所定の位置に移動させるための機構であり、例えば、多関節ロボットアーム等を用いて実現される。移動機構Rbt1は、
図2に示すように、制御部CPU1に接続されており、制御部CPU1の指令に基づいて、吸着機構1を所定の位置に移動させる。
【0067】
圧力検出部2は、吸着用ポンプPump1が吸引を行う対象の空間(吸着用ポンプPump1、吸着用ポンプPump1と第1吸着部11aおよび第2吸着部11bとを繋ぐチューブ、および、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bの中空構造部分により形成される空間)の圧力を検出する。また、圧力検出部2は、検出した圧力に関するデータを制御部CPU1に送信する。
【0068】
データ読取部L_scan1は、紙葉類(例えば、セパレータカード)上に印字されたバーコード等を読み取るための装置であり、例えば、レーザースキャナ方式のスキャナ装置により実現される。データ読取部L_scan1は、制御部CPU1に接続されており、制御部CPU1からの指令に従い動作する。
【0069】
エアー送出用ポンプPump2は、紙葉類収納容器100と(例えば、チューブを介して)接続されており、エアー送出を行うポンプである。また、エアー送出用ポンプPump2は、制御部CPU1に接続されており、制御部CPU1からの指令に従い動作する。
【0070】
制御部CPU1は、紙葉類取り出し処理システム1000の各機能部を制御するための機能部であり、例えば、CPU、ROM、RAM等を用いて実現される。また、制御部CPU1は、通信インターフェースIFと接続されており、通信インターフェースIFを介して、外部とデータ通信を行うことができる。
【0071】
通信インターフェースIF1は、紙葉類取り出し処理システム1000の外部とデータ通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェースIF1は、制御部CPU1に接続されており、制御部CPU1からのデータを外部に送信し、および/または、外部から受信したデータを制御部CPU1に送信する。
【0072】
紙葉類収納容器100は、
図5に示すように、底部101と、側壁部102と、紙葉類載置台103と、第1流路規制部104a(流路規制部材)と、第2流路規制部104b(流路規制部材)と、第1フラップ部105a(挟持部材)と、第2フラップ部105b(挟持部材)と、開閉自在に設置される前方パネル部106と、を備える。
【0073】
また、紙葉類収納容器100は、
図6に示すように、底部101と紙葉類載置台103との間に配置される弾性部材Spr1とを備える。
【0074】
底部101は、例えば、矩形の平板状部材であり、紙葉類収納容器100を平坦な床や机上に設置することを可能にするとともに、側壁部102を支持するための部材である。また、底部101は、その上面で弾性部材Spr1を支持するための部材である。そして、底部101は、側壁部102、前方パネル部106(閉じた状態の前方パネル部106)とともに、紙葉類を紙葉類載置台103に載置した状態で収納する空間を確保する。
【0075】
側壁部102は、例えば、矩形の平板状の部材により構成されている。側壁部102は、第1側壁部102a、第2側壁部102b、および、第3側壁部102cを含む。側壁部102(第1側壁部102a、第2側壁部102b、および、第3側壁部102c)は、
図5に示すように、底部101の周縁部において、鉛直方向(
図5のz軸正方向)に延びるように設置される。これにより、側壁部102は、底部101および前方パネル部106(閉じた状態の前方パネル部106)とともに、紙葉類を紙葉類載置台103に載置した状態で収納する空間を確保する。なお、
図8に示すように、第1側壁部102aは、前方パネル部106を回動して開閉させるための回転軸rot_ax_106を支持する回転軸支持部102a1を有しており、第2側壁部102bは、前方パネル部106を回動して開閉させるための回転軸rot_ax_106を支持する回転軸支持部102b1を有している。これにより、
図9に示すように、前方パネル部106を回転軸rot_ax_106周りに回動自在に設置することができ、前方パネルを開閉自在に設置することができる。なお、前方パネル部106を閉じた状態にする場合、所定のロック機構により、前方パネル部106を閉じた状態を維持できるものとする。例えば、側壁部102および前方パネル部106の対応する位置にそれぞれ設けた磁石と金属板とを吸引させて前方パネルが側壁部102に当接している状態(金属板が磁石に吸引されている状態)を維持させることで前方パネル部106を閉じた状態にする。
【0076】
また、側壁部102は、
図5、
図6、
図7に示すように、上部付近において、紙葉類収納容器100の外部から内部へのエアーを流入させるための孔が設けられている。具体的には、
図5、
図6、
図7に示すように、第2側壁部102bは、その上部付近において、3つの孔Hole1(102b)、Hole2(102b)およびHole3(102b)を有しており、第3側壁部102cは、その上部付近において、1つの孔Hole1(102c)を有している。
【0077】
3つの孔Hole1(102b)、Hole2(102b)およびHole3(102b)は、
図10に示すように、それぞれ、筒状の形状を有しており、その中心軸の高さ、すなわち、z座標値z_centerは、略同一であるように、第2側壁部102bに形成されている。そして、3つの孔Hole1(102b)、Hole2(102b)およびHole3(102b)は、
図10に示すように、その中心軸の位置(z座標値z_center)が、紙葉類載置台103に紙葉類が載置されていない状態における紙葉類載置台103の上面の位置と略同一(略同じ高さ)となるように形成されている。
【0078】
また、孔Hole1(102c)は、筒状の形状を有しており、その中心軸の高さ(z座標値z_center)は、孔Hole1(102b)、Hole2(102b)およびHole3(102b)と略同一の高さ(略同一のz座標値)であり、中心軸に直交する断面は、孔Hole1(102b)、Hole2(102b)およびHole3(102b)の中心軸に直交する断面と略同形となるように、第3側壁部102cに形成されている。そして、孔Hole1(102c)は、その中心軸の位置(z座標値z_center)が、紙葉類載置台103に紙葉類が載置されていない状態における紙葉類載置台103の上面の位置と略同一(略同じ高さ)となるように形成されている。
【0079】
なお、紙葉類載置台103に紙葉類が載置されていない状態における第2流路規制部104bの上面の位置(z座標値)と、第1流路規制部104aの上面の位置(z座標値)とは、略同一となるように、第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bは、紙葉類載置台103に設置される。
【0080】
また、例えば、
図11に示すように、側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)には、エアー(例えば、空気流)を紙葉類収納容器100の内部に流入させるための管(例えば、
図11の管Pipe1~Pipe4)が接続される。そして、当該管(例えば、
図11の管Pipe1~Pipe4)からのエアーが、側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)を介して、紙葉類収納容器100の内部に流入される。なお、紙葉類収納容器100の内部に流入させるための管(例えば、
図11の管Pipe1~Pipe4)は、例えば、
図11に示すように、管Pipe0を分配器Pdist1により分岐し、分岐した管Pipe1~Pipe4を、それぞれ、側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)に接続するようにしてもよい。そして、管Pipe0がエアー送出用ポンプPump2に接続され、エアー送出用ポンプPump2からエアーが管Pipe0に供給されるようにすればよい。
【0081】
また、第1側壁部102aは、
図15に示すように、第1フラップ部105aを回動可能に支持するための回転軸rot_ax_105aを支持するための回転軸支持部102a2、102a3を有している。
【0082】
また、第2側壁部102bは、
図15に示すように、第1フラップ部105aを回動可能に支持するための回転軸rot_ax_105aを支持するための回転軸支持部102b2、102b3を有している。
【0083】
紙葉類載置台103は、例えば、
図12、
図13に示すように、紙葉類(例えば、セパレータカード)を平積み状態(紙葉類を広げた状態)で載置する台である。紙葉類載置台103は、紙葉類を平積み状態で載置できるように、その形状が載置する対象の紙葉類と略同形または略相似形であり、そのサイズが当該紙葉類と略同一または当該紙葉類よりも大きい。紙葉類載置台103は、底部101、側壁部102および前方パネル部106(閉じた状態の前方パネル部106)により確保される空間内に配置される。そして、紙葉類載置台103は、その下面が、
図6の下図に示すように、一端が底部101に設置された弾性部材Spr1の他端に接続されている。紙葉類載置台103が弾性部材Spr1により上方(z軸正方向)に付勢されることで、紙葉類載置台103は、紙葉類載置台103に載置された物体(例えば、紙葉類)を、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bとともに挟持することができる(例えば、
図12、
図13を参照)。
【0084】
また、紙葉類載置台103には、
図14に示すように、紙葉類を載置する側の面上に、第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bが設置されている。
【0085】
第1流路規制部104aは、
図5~
図14に示すように、細長い平板状の部材であり、紙葉類載置台103の上面に設置される。第1流路規制部104aは、側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)により、外部から、紙葉類収納容器100の内部に流入されるエアー(例えば、空気流)の流れの方向を規制するための部材である。
【0086】
第2流路規制部104bは、
図5~
図14に示すように、細長い平板状の部材であり、紙葉類載置台103の上面に設置される。第2流路規制部104bは、側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)により、外部から、紙葉類収納容器100の内部に流入されるエアー(例えば、空気流)の流れの方向を規制するための部材である。
【0087】
なお、第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bは、外部から紙葉類収納容器100の内部にエアーを流入させるとき、紙葉類載置台103の上面の中央付近への流量が多くなるような位置に配置されることが好ましい。例えば、
図14に示すように、側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)が配置されている場合、第1流路規制部104aの位置が、x軸方向において、孔Hole1(102b)の位置よりも前方パネル部106側となるように、第1流路規制部104aが設置されることが好ましい。また、上記の場合、第2流路規制部104bの位置が、y軸方向において、孔Hole1(102c)の位置よりも第1側壁部102a側となるように、第2流路規制部104bが設置されることが好ましい。
【0088】
このように、第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bを配置することにより、紙葉類載置台103に載置されている紙葉類が残り1枚~数枚になったときでも、紙葉類収納容器100から紙葉類を1枚ずつ確実に取り出すことができる。紙葉類載置台103に載置されている紙葉類が残り1枚~数枚になったとき、紙葉類収納容器100の内部に流入されるエアーの流量が、第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bにより、紙葉類載置台103に載置されている残り1枚~数枚の紙葉類の下面の中央付近で多くなる。このため、紙葉類載置台103に載置されている残り1枚~数枚の紙葉類の中央付近が持ち上がった状態となる。
【0089】
そして、この状態において、例えば、吸着機構1により、当該紙葉類を吸着して、紙葉類収納容器100から1枚ずつ取り出すことが可能となる。
【0090】
つまり、紙葉類収納容器100において、上記のように第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bを配置することで、紙葉類載置台103に載置されている紙葉類が残り1枚~数枚になったときでも、1枚ずつ確実に紙葉類を取り出すことができる。
【0091】
第1フラップ部105aは、
図15に示すように、平面視において、略矩形の形状を有しており、第1側壁部102aの上端部において、第1側壁部102aの内壁に沿うように配置される。第1フラップ部105aは、
図15、
図16に示すように、第1側壁部102aの回転軸支持部102a2、102a3により支持される回転軸rot_ax_105aの周りを回動自在に設置される。第1フラップ部105aまたは回転軸rot_ax_105aには、例えば、つるまきバネ(不図示)が設置されており、当該つるまきバネにより、
図16の回転方向DirAに力を加えると、当該力に反発する方向(回転方向DirAの反対方向)に弾性力を発生させる。これにより、第1フラップ部105aは、回転方向DirAに力が加えられた後、当該力が解放されると、
図16の状態B1に戻る。なお、
図16に示すように、第1フラップ部105aの面105a_s1が、第1側壁部102aの面102a_s1に当接することで、第1フラップ部105aの回動(つるまきバネによる弾性力による回動)が規制され、第1フラップ部105aは、状態B1の状態で維持される。
【0092】
また、第1フラップ部105aは、
図17に示すように、前方パネル部106を閉じた状態で、第1フラップ部105aが回動しないようにロックするためのロック用突出部1051aを有している。
【0093】
第2フラップ部105bは、
図15に示すように、平面視において、略矩形の形状を有しており、第2側壁部102bの上端部において、第2側壁部102bの内壁に沿うように配置される。第2フラップ部105bは、
図15、
図16に示すように、第2側壁部102bの回転軸支持部102b2、102b3により支持される回転軸rot_ax_105bの周りを回動自在に設置される。第2フラップ部105bまたは回転軸rot_ax_105bには、例えば、つるまきバネ(不図示)が設置されており、当該つるまきバネにより、
図16の回転方向DirBに力を加えると、当該力に反発する方向(回転方向DirBの反対方向)に弾性力を発生させる。これにより、第2フラップ部105bは、回転方向DirBに力が加えられた後、当該力が解放されると、
図16の状態B1に戻る。なお、
図16に示すように、第2フラップ部105bの面105b_s1が、第2側壁部102bの面102b_s1に当接することで、第2フラップ部105bの回動(つるまきバネによる弾性力による回動)が規制され、第2フラップ部105bは、状態B1の状態で維持される。
【0094】
また、第2フラップ部105bは、
図17に示すように、前方パネル部106を閉じた状態で、第2フラップ部105bが回動しないようにロックするためのロック用突出部1051bを有している。
【0095】
前方パネル部106は、
図18に示すように、回転軸を貫通した状態で設置するための回転軸保持部1062と、前方パネル部106を閉じた状態において、第1フラップ部105aが回動しないようにロックするためのロック用凹部1061aと、前方パネル部106を閉じた状態において、第2フラップ部105bが回動しないようにロックするためのロック用凹部1061bと、を備える。
【0096】
ロック用凹部1061aは、前方パネル部106を閉じた状態において、第1フラップ部105aのロック用突出部1051aが収容される位置に設けられている。
【0097】
ロック用凹部1061bは、前方パネル部106を閉じた状態において、第2フラップ部105bのロック用突出部1051bが収容される位置に設けられている。
【0098】
弾性部材用固定部107は、底部101に設置され、その上面で弾性部材Spr1を支持するための部材である。
【0099】
弾性部材Spr1は、底部101の上面と、紙葉類載置台103の下面との間に配置され、紙葉類載置台103を上方(z軸正方向)へ付勢するための部材である。弾性部材Spr1は、例えば、バネにより実現される。なお、弾性部材Spr1は、弾性力を発生させるものであれば、バネ以外のものであってもよい。
【0100】
<1.2:紙葉類取り出し処理システムの動作>
上記のように構成された紙葉類取り出し処理システム1000の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0101】
図19、
図20は、紙葉類取り出し処理システム1000で実行される処理のフローチャートである。
【0102】
図21は、紙葉類収納容器100の斜視図であり、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入するときの動作を説明するための図である。
【0103】
図22、
図23は、紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入するときの動作を説明するための図である。
【0104】
図24は、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入した状態の紙葉類収納容器100の外観を示す図である。
【0105】
図25は、紙葉類の束G_sep_cardsを挿入した状態の紙葉類収納容器100を含む紙葉類取り出し処理システム1000の外観を示す図である。
【0106】
図26~
図32は、吸着機構1の第1吸着部11aおよび第2吸着部11bと、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に載置された紙葉類の束とを模式的に示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図である。
【0107】
図33は、紙葉類収納容器100の平面図(上図)と、紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類取り出し処理を説明するための図である。
【0108】
図34、
図35は、紙葉類収納容器100の
図6のA-A線による断面図の一部を拡大して示した図であり、紙葉類取り出し挿入処理を説明するための図である。
【0109】
以下では、
図19、
図20のフローチャートに基づいて、紙葉類取り出し処理システム1000の動作を説明する。
【0110】
(ステップS1):
ステップS1では、紙葉類(紙葉類の束)の紙葉類収納容器100への挿入処理が実行される。
【0111】
まず、紙葉類収納容器100において、前方パネル部106を、例えば、
図9に示した矢印と反対方向に回転させ、前方パネル部106を開いた状態とする。この状態において、第1フラップ部105aのロック用突出部1051aおよび第2フラップ部105bのロック用突出部1051bは、開放された状態であり、その結果、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bが、それぞれ、回転軸rot_ax_105aおよびrot_ax_105b周りに回動できる状態(非ロック状態)である。
【0112】
この状態(非ロック状態)で、紙葉類を紙葉類収納容器100に挿入し、紙葉類収納容器100に格納する。具体的には、
図21に示すように、前方パネル部106を開けて第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bが回動できる状態で、紙葉類の束(紙葉類群G_sep_cards)を、上方から、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bに押し当てて、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bを下方向に回動させ、紙葉類の束(紙葉類群G_sep_cards)を紙葉類載置台103に載置する。この様子を
図22、
図23に示す。
【0113】
図22に示すように、非ロック状態の紙葉類収納容器100の上方から紙葉類群G_sep_cardsを下方へ降下させると(
図22の状態C1)、最下部にある紙葉類の端部が第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bと当接し、下方向に加えられる力により、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bが、それぞれ、
図22の回転方向DirAおよびDirBの方向へ回転軸rot_ax_105aおよびrot_ax_105b周りに回転する(
図22の状態C2)。さらに、紙葉類群G_sep_cardsを下降させることで、紙葉類群G_sep_cardsを紙葉類載置台103に載置させることができる(
図22の状態C3)。なお、紙葉類群G_sep_cardsの最終部の紙葉類の下面が略同一の高さ(略同一のz座標値)を有する第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bの上面と当接する状態となり、紙葉類群G_sep_cardsが紙葉類載置台103の上面と略平行な状態で載置される。
【0114】
第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bは、紙葉類群G_sep_cardsの最終下面から加えられていた力が解放されると、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bに設置されているつるまきバネの弾性力により、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bは、
図23に示す方向DirA’、DirB’に回転する(
図23の状態C4)。
【0115】
そして、紙葉類群G_sep_cardsの最上部の紙葉類の上面が、第1フラップ部105aの下面および第2フラップ部105bの下面と当接し、かつ、紙葉類群G_sep_cardsの最下部の紙葉類の下面が、弾性部材Spr1により、紙葉類載置台103および第1流路規制部104a、第2流路規制部104bを介して、上方に付勢される。これにより、紙葉類群G_sep_cardsが、第1フラップ部105aの下面および第2フラップ部105bと、紙葉類載置台103との間で挟持された状態が保たれる(
図21、
図23の状態C5)。
【0116】
次に、紙葉類収納容器100において、
図21、
図23の状態C5の状態で、前方パネル部106を、例えば、
図5、
図21の右図に示した矢印に回転させ、前方パネル部106を閉じた状態とする。これにより、第1フラップ部105aのロック用突出部1051aおよび第2フラップ部105bのロック用突出部1051bが、それぞれ、前方パネル部106のロック用凹部1061a、1061bに収容された状態となり、その結果、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bが、それぞれ、回転軸rot_ax_105aおよびrot_ax_105b周りに回動できない状態(ロック状態)となる(
図24の状態C6)。このロック状態を検知センサ(不図示)で検知することも可能である。この場合、前方パネル部6の側に検知センサを付けることも可能である。これにより、前方パネル部6の閉め忘れを防止することができる。
【0117】
(ステップS2):
ステップS2では、紙葉類収納容器100へのエアー流入処理が実行される。
【0118】
具体的には、制御部CPU1は、エアー送出用ポンプPump2を作動させ、エアー送出用ポンプPump2から、紙葉類収納容器100の側壁部102の孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)を介して、紙葉類収納容器100にエアーを流入させる。
【0119】
(ステップS3):
ステップS3では、制御部CPU1は、吸着用ポンプPump1に対して、吸引動作の開始を指示する。吸着用ポンプPump1は、制御部CPU1の指示(指令)に従い、吸引動作を開始する。
【0120】
(ステップS4):
ステップS4では、紙葉類取り出し処理が実行される。
【0121】
(ステップS401):
ステップS401において、制御部CPU1が、移動機構Rbt1に対して、紙葉類収納容器100が設置されている場所の上方に、吸着機構1を移動させるための制御信号を送信する。移動機構Rbt1は、制御部CPU1から制御信号(指令)に従い、吸着機構1を紙葉類収納容器100が設置されている場所の上方に移動させる。なお、制御部CPU1は、紙葉類収納容器100が設置されている場所の情報を有しているものとする。また、
図25に示すように、位置決め用部材gd1、gd2と紙葉類収納容器100との位置関係に基づいて、吸着機構1を所定の位置に移動させるようにしてもよい。
図25の場合、位置決め用部材gd1、gd2と紙葉類収納容器100の第1側壁部102aとが接する状態としたときに、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bが、紙葉類収納容器100に収納されている最上部の紙葉類の略中央の位置の上方となるように設定されている。このようにすることで、吸着機構1の移動制御がスムーズに実行される。
【0122】
(ステップS402):
ステップS402では、吸着機構1を下降させる処理が実行される。制御部CPU1は、ステップS401の移動処理が完了し、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bが、紙葉類収納容器100に収納されている最上部の紙葉類の略中央の位置の上方に位置していることを認識すると、移動機構Rbt1に対して、吸着機構1を下降させる処理を実行するための制御信号を送信する。
【0123】
移動機構Rbt1は、制御部CPU1から制御信号(指令)に従い、吸着機構1を下降させる(
図26の状態α1)。
【0124】
(ステップS403、S404):
ステップS403では、制御部CPU1は、吸着機構1が所定の位置Pos_lowestまで下降していないかを検知するため、吸着機構1の垂直位置(高さ(z座標値))が所定の値Pos_lowest以下の値(高さ)になっていないかを判定する。(1)吸着機構1の垂直位置≦Pos_lowestである場合、処理をステップS404に進め、(2)吸着機構1の垂直位置≦Pos_lowestではない場合、処理をステップS405に進める。
【0125】
なお、吸着機構1の垂直位置(高さ(z座標値))を、蛇腹型パッド部11a3、11b3の蛇腹部分の上端部(連結部11a2の下端部)(
図4、
図32で、Pos_zで示した位置(高さ(z座標値)))で特定するとすると、値Pos_lowestは、蛇腹型パッド部11a3、11b3が、紙葉類収納容器100の最上部の紙葉類の表面を当該紙葉類が平坦な状態で吸着し、かつ、蛇腹部分が最も収縮したときの蛇腹型パッド部11a3、11b3の蛇腹部分の上端部(連結部11a2の下端部)(
図4、
図32で、Pos_zで示した位置(高さ(z座標値)))に設定される(
図32の状態α0を参照)。なお、値Pos_lowestの上記設定方法は、一例であり、これに限定されることはない。値Pos_lowestを、例えば、
図32の状態α0のときの第1吸着部11aおよび第2吸着部11bの所定の部分(例えば、先端部分や第1平板部材plt1と接続されている部分)の位置の高さ(z座標値)に設定し、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bの所定の部分の位置(値Pos_Lowestと比較する対象の位置(例えば、先端部分や第1平板部材plt1と接続されている部分))を「吸着機構1の垂直位置」として、吸着機構1の垂直位置≦Pos_lowestの判定処理を行うようにしてもよい。
【0126】
ステップS404では、吸着機構1の垂直位置(高さ(z軸座標値))が所定の値Pos_lowest以下の値(高さ)になっており、異常に低い位置まで、吸着機構1が下降されていると判断され、エラー処理が実行される。例えば、制御部CPU1は、吸着機構1に対して異常な下降処理が実行されたと判断し、吸着機構1を上昇させ、所定の位置に戻す移動制御を行うように、移動機構Rbt1に対して指示する。移動機構Rbt1は、制御部CPU1から指示(指令)に従い、吸着機構1を上昇させ、所定の位置に戻す。
【0127】
(ステップS405、ステップS406):
ステップS405では、吸着機構1の中の圧力が所定の閾値Th1よりも低い値であるか否かの判定処理が行われる。
【0128】
具体的には、圧力検出部2は、吸着用ポンプPump1が吸引を行う対象の空間(吸着用ポンプPump1、吸着用ポンプPump1と第1吸着部11aおよび第2吸着部11bとを繋ぐチューブ、および、第1吸着部11aおよび第2吸着部11bの中空構造部分により形成される空間)の圧力を検出する。そして、圧力検出部2は、検出した圧力のデータを制御部CPU1に送信する。そして、制御部CPU1は、圧力検出部2が検出した圧力の値が所定の閾値Th1よりも低い値であるか否かの判定処理を行う。
【0129】
そして、吸着機構1の中の圧力が所定の閾値Th1よりも低い値ではないと判定された場合、処理をステップS402に戻し、吸着機構1の下降処理を継続させる(
図27の状態α2、
図28の状態α3、および、
図29の状態α4)。なお、閾値Th1は、吸着機構1により物体(例えば、紙葉類)を吸着したとき(吸着状態)の圧力と、吸着していないとき(非吸着状態)の圧力とに基づいて、吸着状態と非吸着状態とを区別できるのに十分な値に設定すればよい。
【0130】
一方、吸着機構1の中の圧力が所定の閾値Th1よりも低い値であると判定された場合、吸着機構1が紙葉類を吸着した状態となっており、その結果、吸着機構1の中の圧力が低下している(
図30の状態α5)と判断できるので、制御部CPU1は、移動機構Rbt1に対して、吸着機構1の下降処理を止め、吸着機構1を上昇させる処理を行うよう指示する。移動機構Rbt1は、制御部CPU1の指示に従い、吸着機構1の下降処理を止め、吸着機構1を上昇させる処理を行う(ステップS406)(
図31の状態α6)。
【0131】
(ステップS407):
ステップS407では、制御部CPU1が、データ読取部L_scan1に対して、吸着機構1により吸着されている紙葉類(例えば、セパレータカード)の表面に印字されたバーコード等を読み取るように指示を出す。データ読取部L_scan1は、制御部CPU1からの指示に従い、吸着機構1により吸着されている紙葉類(例えば、セパレータカード)の表面に印字されたバーコード等を読み取り、読み取ったデータを、制御部CPU1に送信する。
【0132】
(ステップS408):
ステップS408において、制御部CPU1は、データ読取部L_scan1により読み取られたデータが正常なデータであるか否かの判定を行う。そして、データ読取部L_scan1により読み取られたデータが正常なデータではないと判定された場合、処理をステップS409に進め、一方、データ読取部L_scan1により読み取られたデータが正常なデータであると判定された場合、処理をステップS410に進める。
【0133】
(ステップS409):
ステップS409において、リジェクト処理が実行される。データ読取部L_scan1により読み取られたデータが正常なデータではなく、吸着機構1により吸着されている紙葉類(例えば、セパレータカード)が正規のものではないので、例えば、当該紙葉類を廃棄用ボックスに移動させる処理(廃棄処理)を行う。具体的には、制御部CPU1は、移動機構Rbt1に対して、吸着機構1により吸着されている紙葉類(例えば、セパレータカード)を、例えば、廃棄用ボックスに移動させるよう指示をする。移動機構Rbt1は、制御部CPU1からの指示に従い、廃棄用ボックス上に、吸着機構1により吸着されている紙葉類を移動させた後、吸着機構1を下降させ、さらに、吸着機構1により吸着されている紙葉類をリリースさせる(例えば、吸着機構1による外部からの空気の吸引を一時停止させる状態にすることで、吸着機構1の吸着状態を解放し、紙葉類をリリースする)。これにより、吸着機構1により吸着されている紙葉類は、廃棄用ボックスに投入される。ステップS409のリジェクト処理が終了すると、処理は、ステップS5に進められ、紙葉類収納容器100に紙葉類が残っている場合(ステップS5で「Yes」)、ステップS4の処理が実行される。
【0134】
(ステップS410、S411):
ステップS410において、吸着機構1により吸着されている紙葉類の所定の場所への移動処理が実行される。データ読取部L_scan1により読み取られたデータが正常なデータであり、吸着機構1により吸着されている紙葉類(例えば、セパレータカード)が正規のものであるので、例えば、当該紙葉類を、キャッシュボックスから回収した紙幣束が収納されている搬送用装置(紙幣束収納ボックス付き搬送用装置)に投入する処理が実行される。
【0135】
具体的には、制御部CPU1は、移動機構Rbt1に対して、吸着機構1により吸着されている紙葉類(例えば、セパレータカード)を、キャッシュボックスから回収した紙幣束が収納されている搬送用装置(紙幣束収納ボックス付き搬送用装置)に移動させるよう指示をする。移動機構Rbt1は、制御部CPU1からの指示に従い、搬送用装置の紙幣束が収納されているボックス(容器)上に、吸着機構1により吸着されている紙葉類を移動させた後、吸着機構1を下降させ、さらに、吸着機構1により吸着されている紙葉類をリリースさせる(例えば、吸着機構1による外部からの空気の吸引を一時停止させる状態にすることで、吸着機構1の吸着状態を解放し、紙葉類をリリースする)(ステップS411)。これにより、吸着機構1により吸着されている紙葉類は、搬送用装置(紙幣束収納ボックス付き搬送用装置)に投入される。つまり、搬送用装置(紙幣束収納ボックス付き搬送用装置)では、キャッシュボックスから回収された紙幣束の上に、紙葉類収納容器100から取り出した1枚の紙葉類(例えば、セパレータカード)が置かれた状態となる(
図39のバッチBatch1が作成された状態)。
【0136】
また、このとき、制御部CPU1は、搬送用装置(紙幣束収納ボックス付き搬送用装置)に収納されている紙幣束が格納されていたキャッシュボックスの情報と、当該紙幣束の上に置いた紙葉類(例えば、セパレータカード)を特定する情報(データ読取部L_scan1により読み取ったデータ)とを紐付けたデータを取得し、当該データを記憶管理する。そして、制御部CPU1は、当該データ(紐付けデータ)を、通信インターフェースIF1を介して、例えば、自動紙幣計数機(ソーター)に送信する。そして、自動紙幣計数機(ソーター)が、上記のキャッシュボックスを特定する情報とセパレータカードを特定する情報とを紐付けたデータから、セパレータカード(紙葉類収納容器100から取り出した紙葉類)で仕切られた紙幣束が、当該セパレータカードに紐付けられたキャッシュボックスから回収された紙幣束であると認識できるとともに、当該キャッシュボックスから回収された金額の合計を取得することができる。
【0137】
以上のように、紙葉類取り出し処理システム1000では、紙葉類取り出し処理が実行される。
【0138】
(ステップS5):
ステップS5において、紙葉類収納容器100に残っている紙葉類があるか否かが判定され、判定の結果、紙葉類収納容器100に残っている紙葉類がある場合、処理をステップS4に戻し、紙葉類収納容器100に残っている紙葉類がない場合、処理をステップS6に進める。
【0139】
なお、紙葉類収納容器100に残っている紙葉類があるか否かの判定処理は、例えば、データ読取部L_scan1により、読み取りエラーが発生することで、紙葉類収納容器100に残っている紙葉類がないと判断するようにしてもよいし、また、紙葉類収納容器100の紙葉類載置台103に特殊なバーコード(載置されている紙葉類がないことを示すバーコード)を印字したシールを添付し、当該特殊なバーコードのデータが、データ読取部L_scan1により読み取られた場合に、紙葉類収納容器100に残っている紙葉類がないと判断するようにしてもよい。
【0140】
(ステップS6):
ステップS6では、吸着用ポンプPump1の作動を停止させる。
【0141】
(ステップS7):
ステップS7では、エアー送出用ポンプPump2の作動を停止させて、紙葉類収納容器100へのエアーを流入させる処理を停止させる。
【0142】
以上のようにして、紙葉類取り出し処理システム1000では、紙葉類収納容器100から、紙葉類収納容器100に収納されている紙葉類を1枚ずつ取り出し、例えば、キャッシュボックスごとに回収された紙幣束が置かれている搬送用装置に投入する処理が実行される。なお、吸着用ポンプPump1の作動開始、および/または、作動停止が実行されるタイミングは、
図19のフローチャートの場合に限定されることはない。例えば、吸着用ポンプPump1の作動開始、および/または、作動停止は、紙葉類取り出し処理(ステップS4)の処理中に実行されるものであってもよい。例えば、吸着用ポンプPump1の作動開始をステップS403が実行される前の任意のタイミングで実行し、吸着用ポンプPump1の作動停止をステップS405より後の任意のタイミングで実行するようにしてもよい。
【0143】
ここで、紙葉類取り出し処理システム1000において、紙葉類収納容器100から、紙葉類収納容器100に収納されている紙葉類を1枚ずつ取り出す処理の詳細について、
図33~
図35を用いて説明する。
【0144】
紙葉類収納容器100をロック状態とした後、例えば、エアー送出用ポンプPump2から、管Pipe1~Pipe4、並びに、紙葉類収納容器100の第2側壁部102bの孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、第3側壁部102cの孔Hole1(102c)を介して、紙葉類収納容器100の内部へのエアー(例えば、空気流)を流入させる(
図33、
図34の状態D1)。
【0145】
第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bは、
図14に示すように、外部から紙葉類収納容器100の内部にエアーを流入させるとき、紙葉類載置台103の上面の中央付近への流量が多くなるように配置されている。
【0146】
さらに、側壁部102に形成されている孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)は、その中心軸の高さ(z座標値z_center)が、略同一であり、紙葉類載置台103に紙葉類が載置されていない状態における紙葉類載置台103の上面の位置と略同一(略同じ高さ)となるように形成されている。
【0147】
したがって、紙葉類収納容器100に、外部から、紙葉類収納容器100の第2側壁部102bの孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、第3側壁部102cの孔Hole1(102c)を介して、紙葉類収納容器100の内部へのエアー(例えば、空気流)を流入させると、紙葉類載置台103の最上部の紙葉類の上面の中央付近が持ち上がる。
【0148】
そして、移動機構Rbt1(例えば、ロボットアーム等)の吸着機構1により、上面の中央付近が持ち上がっている状態の紙葉類を吸着し、吸着した状態で紙葉類を上方に持ち上げることで、紙葉類収納容器100から、最上部の紙葉類を容易に取り出すことができる。
【0149】
【0150】
紙葉類収納容器100に、外部から、紙葉類収納容器100の第2側壁部102bの孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、第3側壁部102cの孔Hole1(102c)を介して、紙葉類収納容器100の内部へのエアー(例えば、空気流)を流入させると、孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)の中心軸の高さ(z座標値)が、紙葉類載置台103に載置された紙葉類群G_sep_cardsの最上部の紙葉類の位置(z座標値)と略同一であるため、紙葉類群G_sep_cardsの最上部の紙葉類に横から(水平方向から)エアーを吹き付けることになる。紙葉類載置台103に載置されている紙葉類群G_sep_cardsは、
図34に示すように、第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bと、紙葉類載置台103との間で挟持されているので、紙葉類載置台103に載置された紙葉類群G_sep_cardsの最上部の紙葉類に横(水平方向)からエアーを吹き付けると、最上部の紙葉類の下面に入り込んだエアーが中央付近に集中し、最上部の紙葉類の上面が上方に持ち上がったような状態となる(
図34の状態D2)。
【0151】
そして、この状態で、移動機構Rbt1の吸着機構1により、上面の中央付近が持ち上がっている状態の紙葉類を吸着し、吸着した状態で紙葉類を上方に持ち上げることで、紙葉類収納容器100から、最上部の紙葉類を容易に取り出すことができる(
図34の状態D3)。そして、上記のようにエアーを紙葉類収納容器100に流入させることで、最上部にある紙葉類の中央部分が持ち上がる状態となるので、上記のように処理することで、紙葉類を1枚ずつ確実に取り出すことが可能となる。
【0152】
そして、紙葉類載置台103の最上部の紙葉類が取り出された後、最上部の次の紙葉類が最上部となり、かつ、当該紙葉類の位置(z座標値(高さ))が、孔Hole1(102b)、Hole2(102b)、Hole3(102b)、および、Hole1(102c)の中心軸の高さ(z座標値)と略同一となる状態(状態D1の状態)となる。そして、上記と同様の処理を行うことで、最上部の次の紙葉類も確実に取り出すことができる。この操作を繰り返すことで、紙葉類載置台103に載置された紙葉類を1枚ずつ確実取り出すことができる。
【0153】
そして、
図35に示すように、紙葉類載置台103に載置されている紙葉類が最後の1枚となったとき、紙葉類収納容器100の内部に流入されるエアーは、その流量が第1流路規制部104aおよび第2流路規制部104bにより、最後の紙葉類の下面の中央付近で多くなる。このため、最後の1枚の紙葉類もその中央付近が持ち上がった状態となる(状態D5)。
【0154】
そして、この状態で、上記と同様に、移動機構Rbt1の吸着機構1により、上面の中央付近が持ち上がっている状態の最後の紙葉類を吸着し、吸着した状態で当該紙葉類を上方に持ち上げることで、紙葉類収納容器100から、最後の1枚の紙葉類も確実に取り出すことができる。
【0155】
上記のように、紙葉類収納容器100では、紙葉類載置台103に載置された紙葉類群の最上部の紙葉類の位置(高さ)が、エアーを流入させる孔と略同一の位置(高さ)となるように、紙葉類載置台103を弾性部材Spr1により上方に付勢しつつ、紙葉類載置台103と、回動をロックされた第1フラップ部105aおよび第2フラップ部105bとにより、紙葉類群を挟持する。そして、この状態で、紙葉類収納容器100では、エアーを横(水平方向)から、紙葉類載置台103に載置された紙葉類群の最上部の紙葉類に吹き付けることで、最上部の紙葉類を、その中央付近が持ち上がった状態とすることができ、また、最上部付近の紙葉類間をエアーで分離する(隙間を作る)ことができる。そして、この状態で、最上部の紙葉類の中央付近を吸着して、当該紙葉類を上方に持ち上げることで、容易かつ確実に、最上部の紙葉類を紙葉類収納容器100から取り出すことができる。
【0156】
つまり、紙葉類収納容器100では、簡単な機構により、紙葉類(例えば、セパレータカード)を1枚ずつ精度良く取り出すことができる。
【0157】
以上のように、紙葉類取り出し処理システム1000では、簡単な機構の紙葉類収納容器100を用いて、紙葉類収納容器100に収納されている紙葉類を1枚ずつ精度良く取り出すことができる。そして、紙葉類取り出し処理システム1000では、紙葉類取り出し処理を簡単な機構の紙葉類収納容器100を用いて行うことができるため、低コストで実現することができる。
【0158】
なお、紙葉類取り出し処理システム1000において、上記処理を実行することで、搬送用装置(紙幣束収納ボックス付き搬送用装置)において、キャッシュボックスから回収された紙幣束の上に、紙葉類収納容器100から取り出した1枚の紙葉類(例えば、セパレータカード)が置かれた状態とし、
図39のバッチを作成することができる。これを繰り返し実行し、作成されたバッチを、例えば、収納装置(不図示)でまとめる(例えば、積層する)ことで、
図39に示したバッチ群を作成することができる。そして、その作成したバッチ群(
図39のバッチ群Batch_G1)を自動紙幣計数機(ソーター)に搬送し、自動紙幣計数機(ソーター)で当該バッチ群に対して効率よく自動紙幣計数処理を実行できる。つまり、自動紙幣計数機(ソーター)は、各バッチの紙幣束が回収されたキャッシュボックスの情報を紙葉類取り出し処理システム1000から受信しているので、各バッチの先頭にあるセパレータカードのバーコードを読み取り、紙葉類取り出し処理システム1000から受信した、セパレータカードの情報と、それに紐付けられたキャッシュボックスを特定する情報とを参照することで、バッチごと(キャッシュボックスごと)の紙幣計数処理を行うことができる。
【0159】
[他の実施形態]
上記実施形態では、紙葉類取り出し処理システム1000において、紙葉類収納容器100を1つ含む場合について説明したが、これに限定されることはなく、紙葉類取り出し処理システム1000において、紙葉類収納容器100を2つ以上設けてもよい。この場合、紙葉類取り出し処理システム1000において、複数種類の紙葉類(例えば、セパレータカード)を扱うことが可能になる。あるいは、複数の紙葉類収納容器に、同種類の紙葉類(セパレータカード)を収納し、1つの紙葉類収納容器から連続的に収納されている紙葉類を取り出し、収容されている紙葉類がなくなった場合、他の紙葉類収納容器から連続的に収納されている紙葉類を取り出すようにしてもよい。このようにすることで、空になった紙葉類収納容器を補充している間も、別の紙葉類収納容器から紙葉類を取り出す処理を行うことができるため、紙葉類取り出し処理システム1000の紙葉類取り出し処理を停止させることなく連続的に行うことができる。
【0160】
また、上記実施形態において、紙葉類にバーコードが印字されている場合について説明したが、これに限定されることはなく、他のコード、数字、符号、模様等が紙葉類の表面に付されたものを使用してもよい。この場合、紙葉類の表面の表示からデータ取得できるデータ読取装置をデータ読取部L_scan1に置換して、紙葉類取り出し処理システム1000を実現すればよい。
【0161】
また、上記実施形態において、吸着機構内の圧力が所定の値Th1よりも低くなったときに(
図20のステップS405を参照)、吸着機構を上昇させる場合について説明したが、これに限定されることはない。例えば、紙葉類取り出し処理システム1000において、吸着機構の中の圧力の減少量が所定の値(この「所定の値」は、吸着機構の吸着状態と非吸着状態とを区別できる値に設定すればよい)よりも大きくなったときに、吸着機構の下降を止め、吸着機構を上昇させるようにしてもよい。
【0162】
また、上記実施形態では、紙葉類収納容器100の側壁部102に4つの孔が設けられている場合について説明したが、これに限定されず、紙葉類収納容器100の側壁部102に設ける孔(エアーの流入口)の数は、他の数であってもよい(1つであってもよい)。例えば、紙葉類収納容器100において、第1側壁部102a、第2側壁部102b、第3側壁部102c、および、前方パネル部106(平面視で4辺に相当)のうちの少なくとも2つに、1つ以上の孔が設けられていてもよい(平面視で4辺の内の少なくとも2辺に相当する部材に1つ以上の孔が設けられていてもよい)。
【0163】
また、側壁部102の孔の形状は、他の形状(例えば、中心軸に直交する断面が円以外の形状(例えば、矩形、楕円形))であってもよい。
【0164】
また、上記実施形態では、側壁部102の孔の設置の位置(高さ(z座標値))は、紙葉類載置台103の最上部の紙葉類に横からエアーを吹き付けることができる高さ(紙葉類載置台103の最上部の紙葉類と略同一の高さ)である場合について、説明したが、これに限定されることはなく、側壁部102の孔の設置の位置(高さ(z座標値))が紙葉類載置台103の最上部の紙葉類よりも低い位置(例えば、孔の中心軸の位置が紙葉類載置台103の最上部の紙葉類よりも低い位置)となるように、側壁部102に孔が設けられてもよい。
【0165】
また、
図36に示すように、紙葉類収納容器100において、エアー(例えば、空気流)を紙葉類収納容器100の内部に流入させるための管(例えば、
図36の管Pipe1~Pipe4)を安定して固定するための固定用部材Dev_fixA、Dev_fixBを設置するようにしてもよい。
【0166】
固定用部材Dev_fixA(102b)は、
図36に示すように、第2側壁部102bに設置されており、管Pipe1~Pipe3の先端を、第2側壁部102bに設けられた孔にガイドするとともに、管Pipe1~Pipe3を束ねるための固定用部材Dev_fixB(102b)と接続されている。
【0167】
固定用部材Dev_fixB(102b)は、管Pipe1~Pipe3を束ねるための部材であり、固定部部材Dev_fixA(102b)に接続される。
【0168】
固定用部材Dev_fixA(102c)は、
図36に示すように、第3側壁部102cに設置されており、管Pipe4の先端を、第3側壁部102cに設けられた孔にガイドするとともに、管Pipe4を固定するための固定用部材Dev_fixB(102c)と接続されている。
【0169】
固定用部材Dev_fixB(102c)は、管Pipe4を固定するための部材であり、固定部部材Dev_fixA(102c)に接続される。
【0170】
紙葉類収納容器100に、このような固定用部材Dev_fixA(102b)、Dev_fixB(102b)、Dev_fixA(102c)、Dev_fixB(102c)を設置することで、エアー(例えば、空気流)を紙葉類収納容器100の内部に流入させるための管を安定して配置させることができる。
【0171】
また、上記実施形態では、紙葉類収納容器100において、
図36に示すように、孔、第1流路規制部104a(流路規制部材)と、第2流路規制部104b(流路規制部材)が配置されている場合について説明したが、これに限定されることはなく、紙葉類収納容器100において、孔、第1流路規制部104a(流路規制部材)と、第2流路規制部104b(流路規制部材)の配置を他の配置としてもよい。
【0172】
図37に、孔、流路規制部材の配置を変更した紙葉類収納容器100Aの外観を示す。
図37に示すように、第2側壁部102aに3つの孔を設け、第3側壁部102cに1つの孔を配置し、さらに、
図37に示すように、第1流路規制部104a’、第2流路規制部104b’を配置してもよい。
【0173】
また、孔、流路規制部材の配置が互いに異なる、紙葉類収納容器100と、紙葉類収納容器100Aとを、例えば、
図38に示すように配置し、紙葉類収納容器100と、紙葉類収納容器100Aとから紙葉類を取り出すシステム(紙葉類取り出し処理システム)を構築してよい。すなわち、紙葉類取り出し処理システム1000において、孔、流路規制部材の配置が互いに異なる、紙葉類収納容器100と、紙葉類収納容器100Aとを含む構成を採用してもよい。なお、この場合において、紙葉類収納容器100および紙葉類収納容器100Aに、エアー送出用ポンプPump2からエアーを供給するようにしてもよいし、あるいは、エアー送出用ポンプPump2により、紙葉類収納容器100にエアーを供給し、エアー送出用ポンプPump2とは別のエアー送出用ポンプを追加し、その追加したエアー送出用ポンプにより紙葉類収納容器100Aにエアーを供給するようにしてもよい。
【0174】
図38では、台TB1に、紙葉類収納容器100と、紙葉類収納容器100Aと、廃棄用容器Bx_rejectとを示している。廃棄用容器Bx_rejectは、紙葉類収納容器100、および/または、紙葉類収納容器100Aに収納されている紙葉類が、例えば、不正規な使用類(例えば、不正規なセパレータカード)である場合、紙葉類収納容器100、および/または、紙葉類収納容器100Aから取り出した紙葉類を投入し廃棄するための紙葉類をためる容器である。
【0175】
また、上記実施形態において、「略同一」、「略平行」等の表現があるが、これらは、目標値(あるいは設計値)として「同一」に、あるいは「平行」となるように制御等を行ったときに生じる誤差や設計誤差、あるいは、分解能によって決まる誤差等を含むものであり、当業者が「同一」である、あるいは、「平行」と判断(認識)する範囲を含む概念である。
【0176】
また、上記実施形態において、構成部材のうち、上記実施形態に必要な主要部材のみを簡略化して示している。したがって、上記実施形態において明示されなかった任意の構成部材を備えうる。また、上記実施形態および図面において、各部材の寸法は、必ずしも実際の寸法および寸法比率等を忠実に表しているわけではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で寸法や寸法比率等の変更は可能である。
【0177】
上記実施形態で説明した紙葉類取り出し処理システム1000において、各ブロック(各機能部)は、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部または全部を含むように1チップ化されても良い。また、上記実施形態で説明した紙葉類取り出し処理システム1000の各ブロック(各機能部)は、複数のLSIなどの半導体装置により実現されるものであってもよい。
【0178】
なお、ここではLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0179】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0180】
また、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
【0181】
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
【0182】
上記実施形態の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、例えば、所定のハードウェア構成(例えばCPU(GPUであってもよい)、ROM、RAM、入力部、出力部、通信部、記憶部(例えば、HDD、SSD等により実現される記憶部)、外部メディア用ドライブ等をバスBusにより接続したハードウェア構成)を用いて各機能部をソフトウェア処理により実現するようにしてもよい。
【0183】
また、上記実施形態の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、当該ソフトウェアは、上記のハードウェア構成を有する単独のコンピュータを用いて実現されるものであってもよいし、複数のコンピュータを用いて分散処理により実現されるものであってもよい。
【0184】
また、上記実施形態における処理方法の実行順序は、必ずしも上記実施形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えることができるものである。また、上記実施形態における処理方法において、発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部のステップが、他のステップと並列に実行されるものであってもよい。
【0185】
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
【0186】
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限らず、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0187】
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0188】
1000 紙葉類取り出し処理システム
100、100A 紙葉類収納容器
101 底部
102 側壁部
103 紙葉類載置台
104a、104a’ 第1流路規制部(流路規制部材)
104b、104b’ 第2流路規制部(流路規制部材)
1051a、51b ロック用突出部(ロック機構)
1061a、61b ロック用凹部(ロック機構)
Spr1 弾性部材
1 吸着機構
2 圧力検出部
Pump エアー送出用ポンプ