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特許7133019オルガノシリカ材料の製造方法及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】オルガノシリカ材料の製造方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/30 20060101AFI20220831BHJP
   B01J 35/10 20060101ALI20220831BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20220831BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20220831BHJP
   B01J 20/26 20060101ALI20220831BHJP
   B01D 53/02 20060101ALI20220831BHJP
   C08G 77/50 20060101ALI20220831BHJP
   B01J 29/03 20060101ALN20220831BHJP
   B01J 32/00 20060101ALN20220831BHJP
   B01J 31/06 20060101ALN20220831BHJP
【FI】
B01J20/30
B01J35/10 301A
B01J20/28 Z
B01D15/00 J
B01J20/26 A
B01J20/26 B
B01D53/02
C08G77/50
B01J29/03 M
B01J32/00
B01J31/06 M
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020534342
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2018060925
(87)【国際公開番号】W WO2019125656
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/608,709
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023630
【氏名又は名称】エクソンモービル・テクノロジー・アンド・エンジニアリング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ExxonMobil Technology and Engineering Company
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156085
【弁理士】
【氏名又は名称】新免 勝利
(72)【発明者】
【氏名】ホアシン・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】リ・チュエンチャン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・シー・カラブロ
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02573802(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/094861(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0059181(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 20/00-20/28、20/30-20/34、
21/00-38/74
B01D 15/00-15/42、53/02-53/12
C08G 77/00-77/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルガノシリカ材料の調製方法であって、
(a)少なくとも1種の式[(RO)SiCH(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式[R’ROSiCH(Ib)の化合物(式中、各R’は独立してRO-基、R基又は(RO)Si-CH-基を表し、少なくとも1個のR’は(RO)Si-CH-であり;且つRはC~Cアルキル基、好ましくはメチル又はエチル基、より好ましくはエチル基を表す)を含む出発材料混合物を準備することと;
(b)得られる溶液が構造指向剤を本質的に含有しないように、酸性又は塩基性水性混合物中に前記出発材料混合物を添加することと;
(c)前記溶液を硬化して、プレ製品を製造することと;
(d)式[RSiCH(I)(式中、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基、又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す)の独立シロキサン単位を含むポリマーであり、1.0nmより大きい平均細孔直径を有するオルガノシリカ材料を得るために、前記プレ製品を乾燥させることと
を含み、
前記オルガノシリカ材料が単相である、方法。
【請求項2】
式(Ia)及び式(Ib)の間の比率が、1:10~20:1、好ましくは1:1~20:1、より好ましくは1:1~10:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1種の式(Ia)の化合物が、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンであり、且つ/又は前記少なくとも1種の式(Ib)の化合物が、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各Rが、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rが、ヒドロキシル基、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表す、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
(i)式(Ia)のさらなる化合物;
(ii)式(Ib)のさらなる化合物;
(iii)式
【化1】
(式中、各Zは、独立して、XOXSiX基であり、各Xは、C~Cアルキル基を表し;X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基を表し;且つ各Xは、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基を表す)の環式化合物;
(iv)式ZOZSi(IIIa)(式中、各Zは、C~Cアルキル基を表し、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有ヘテロアラルキル基、及び窒素を含有する任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基からなる群から選択される)の化合物;
(v)式Z101112Si-Z-SiZ 10 1112(IVa)(式中、各Z10は、独立して、C~Cアルコキシ基を表し;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基を表し;且つ各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、任意選択的に置換されたC~C20アラルキル基及び任意選択的に置換されたC~C20ヘテロシクロアルキル基である)の化合物;
(vi)三価金属酸化物の供給源;
(vii)シリカ含有材料;並びに
(viii)それらの組合せ
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を前記酸性又は塩基性水性混合物に添加することをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種の化合物が、各Xが、C~Cアルキル基を表し;X及びXが、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基を表し;且つ各Xが、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基を表す、式(IIa)の化合物であり、好ましくは式(IIa)の前記少なくとも1種の化合物が、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1種の化合物が、各Zが、C~Cアルキル基を表し、且つZ、Z及びZが、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有C~C10ヘテロアラルキル基又は窒素を含有する任意選択的に置換されたC~C10ヘテロシクロアルキル基である、式(IIIa)の化合物であり、好ましくは、前記式(IIIa)の化合物が、テトラエチルオルトシリケート、メチルトリエトキシシラン、(N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-メチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-ピペラジン、4-(2-(トリエトキシシリル)エチル)ピリジン、1-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール及び(3-アミノプロピル)トリエトキシシランからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1種の化合物が、各Z10が、独立して、C~Cアルコキシ基を表し;Z11及びZ12が、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基を表し;且つ各Zが、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、及び窒素含有C~C10アルキレン基からなる群から選択される、式(IVa)の化合物であり、好ましくは、前記式(IVa)の化合物が、1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン、N,N’-ビス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[(メチルジエトキシシリル)プロピル]アミン、及びビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]-N-メチルアミンからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1種の化合物が、三価金属酸化物の供給源であって、前記三価金属酸化物の供給源が、
式M(OZ13(Va)(式中、Mは、第13族金属を表し、且つ各Z13が、独立して、C~Cアルキル基を表す)の化合物;又は
式(Z14O)-O-Si(OZ15(VIa)(式中、Mは、第13族金属を表し、且つZ14及びZ15は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基を表す)の化合物
の少なくとも1種である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記三価金属酸化物の供給源が、Mが、Al又はBであり、且つ各Z13が、独立して、C~Cアルキル基を表す、式(Va)の化合物であり、好ましくは、前記三価金属酸化物の供給源が、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド及びアルミニウムトリ-sec-ブトキシドからなる群から選択される、請求項6又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記三価金属酸化物の供給源が、Mが、Al又はBであり;且つZ14及びZ15が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基を表す、式(VIa)の化合物である、請求項6又は10に記載の方法。
【請求項13】
記塩基性水性混合物が塩基を含み、且つ8~14のpHを有し、好ましくは前記塩基が水酸化アンモニウム又は水酸化金属である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
記酸水性混合物が酸を含み、且つ0.01~6.0のpHを有し、好ましくは前記酸が無機酸であり、好ましくは前記無機酸が塩酸である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記プレ製品を70℃~200℃の温度で乾燥する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記オルガノシリカ材料が、以下:
(i)2.0nm~25.0nmの平均細孔直径;
(ii)50m/g~2500m/gの全表面積;及び
(iii)0.1cm/g~3.0cm/gの細孔体積
の1つ以上を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
式(Ia)対式(Ib)の比率が1:1~5:1であり、且つ前記オルガノシリカ材料が、平均細孔直径の二峰性分布を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ステップa)において準備される前記出発材料混合物が、Xが塩化物又は臭化物から選択される式(RO)Si-CH-MgXの化合物を溶媒中で加熱し、前記少なくとも1種の式(Ia)の化合物及び前記少なくとも1種の式(Ib)の化合物を含む前記出発材料混合物を準備するグリニャール反応によって得られる、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記グリニャール反応によって得られる前記出発材料混合物が、それから前記少なくとも1種の式(Ib)の化合物をいずれも分離することなく、ステップb)において使用される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オルガノシリカ材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔性無機固体は、工業的応用のための触媒及び分離媒体として大いに有益であることが見出されている。特に、メソ細孔の周期的配列を有するシリカ及びアルミナなどのメソポーラス材料は、それらの均一且つ調整可能な細孔、高い表面積及び大きい細孔体積のため、吸着、分離及び触媒プロセスでの使用に魅力的な材料である。そのようなメソポーラス材料の細孔構造は、大きい分子を吸収するために十分大きく、且つ細孔壁構造は約1nm程度の薄さであることが可能である。さらに、これらのメソポーラス材料は、大きい比表面積(例えば、1000m/g)及び大きい細孔体積(例えば、1cm/g)を有することが知られている。これらの理由のため、これらのメソポーラス材料は、反応性触媒、官能性有機化合物から構成される吸着剤及び他の分子が細孔中に急速に拡散することを可能にし、したがって、より小さい細孔径を有するゼオライト以上に有利となる可能性がある。したがって、そのようなメソポーラス材料は、高速触媒反応の触媒作用のためだけではなく、大容量吸着剤としても有用となる可能性がある。
【0003】
メソポーラスフレームワーク中にいくつかの有機基を含むことによって、調節可能な反応性表面を準備することができ、そして材料の細孔径の均一性、より高い機械的強度及び水熱安定性の要因になることがさらに見出された。したがって、メソポーラスオルガノシリカ材料は、強化された熱水安定性、化学安定性及び機械的特性など、メソポーラスシリカと比較してユニークな特性を示すことができる。有機基は、メソポーラスオルガノシリカを形成するためのSi-Z-Si(式中、Zは有機基である)の形態の架橋されたシルセスキオキサン前駆体を使用して含ませることができる。
【0004】
メソポーラスオルガノシリカは、慣例的に、構造指向剤、ポロゲン及び/又はフレームワーク要素の存在下でのシルセキオキサン前駆体の自己集合によって形成される。この前駆体は、加水分解性であり、且つ構造指向剤の周囲で凝縮する。これらの材料は、平行配列されたメソスケールチャネルの周期的配列の存在のため、周期的メソポーラスオルガノシリケート(Periodic Mesoporous Organosilicate)(PMO)と呼ばれている。例えば、Landskron,K.,et al.[Science,302:266-269(2003)]は、Zが架橋性有機基であるSiOZ又はSiOビルディングブロックからなる周期的メソポーラスフレームワークを有する、架橋されたオルガノシリカであるPMOを形成するための、塩基及び構造指向剤、セチルトリメチルアンモニウムブロミドの存在下での1,3,5-トリス[ジエトキシシラ]シルコヘキサン[(EtO)SiCHの自己集合を報告する。PMO中、有機基は、細孔壁中に均一に分配されることが可能である。米国特許公報第2012/0059181号は、NaAlO及び塩基の存在下、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシリルシクロヘキサンから形成された結晶質ハイブリッド有機-無機シリケートの調製を報告する。米国特許出願公報第2007/003492号は、プロピレングリコールモノメチルエーテルの存在下、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシリルシクロヘキサンから形成された組成物の調製を報告する。
【0005】
オルガノシリカ材料(例えばPMO)の調製において構造指向剤を使用する場合、調製プロセスの終了時に構造指向剤を排除するための複雑でエネルギー集約的なプロセスが必要となる。これによって、プロセスを工業的応用までスケールアップする能力は制限される。さらに、オルガノシリカ材料を調製するために、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの出発材料化合物は、典型的に実質的に純粋な形態で使用される(例えば、出発材料化合物は、出発材料化合物の重量に基づき、少なくとも約99重量パーセント(重量%)、少なくとも約99.5重量%又は100重量%の1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを含む)。しかしながら、純粋な形態は、使用するために費用がかかる。1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの出発材料化合物の調製では、典型的に、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンの実質的に純粋な形態とは対照的に、化合物、例えば、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び不純物の混合物が生じる。Brondani,D.et al.Tetrahedron Letters,34(13):2111-2114を参照のこと。したがって、そのような混合物から実質的に純粋な出発材料化合物を得るために、追加費用でのさらなる処理が必要とされる。そのため、構造指向剤を用いることなく、且つ実質的に純粋な形態の出発材料化合物を使用することなく、オルガノシリカ材料を調製するための方法が必要とされている。さらに、これらの特徴を有し、且つ所望の細孔直径、細孔体積及び表面積を有するオルガノシリカ材料をもたらす方法が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの単一化合物を含む出発材料の代わりに、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの少なくとも2種の化合物を含む出発材料混合物が、構造指向剤、ポロゲン又は界面活性剤を必要とすることなく、所望の細孔直径、細孔体積及び表面積を有するオルガノシリカ材料を好結果で調製するために使用可能であることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、一態様において、本開示は、オルガノシリカ材料の調製方法であって、(a)少なくとも1種の式[(RO)SiCH(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式[R’ROSiCH(Ib)の化合物(式中、各R’は独立してRO-基、R基又は(RO)Si-CH-基を表し、少なくとも1個のR’は(RO)Si-CH-であり;且つRはC~Cアルキル基を表す)を含む出発材料混合物を準備することと;(b)得られる溶液が構造指向剤を本質的に含有しないように、酸性又は塩基性水性混合物中に出発材料混合物を添加することと;(c)溶液を硬化して、プレ製品を製造することと;(c)式[RSiCH(I)(式中、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基、又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す)の独立シロキサン単位を含むポリマーであり、約1.0nmより大きい平均細孔直径を有するオルガノシリカ材料を得るために、プレ製品を乾燥させることと
を含む方法を提供する。
【0008】
さらに別の態様において、本開示は、本明細書に記載された方法に従って製造されたオルガノシリカ材料を提供する。
【0009】
さらに別の態様において、本開示は、液状炭化水素製品中で不純物を減少させるため;ディーゼル燃料製品の色を改善するため;気体分離のため;或いは芳香族水素化プロセス、オレフィン重合、炭化水素分解、異性化又はアルキル化において使用するための触媒支持体材料としての本明細書に記載の方法に従って製造されたオルガノシリカ材料の使用を提供する。
【0010】
上記において要約された実施形態の特定の態様を含む他の実施形態は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】試料1、試料2及び比較試料1のX線回折(XRD)スペクトルを示す。
図2】試料1、試料2及び比較試料1の窒素吸着/脱着分析を示す。
図3】試料1、試料2及び比較試料1のBET細孔直径分布を示す。
図4】試料1の29Si MAS NMRスペクトルを示す。
図5】出発混合物1のガスクロマトグラフィートレースを示す。
図6】試料9及び試料10のBET細孔直径分布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の種々の態様において、オルガノシリカ材料、オルガノシリカ材料の調製方法及びオルガノシリカ材料を使用する気液分離プロセスが提供される。
【0013】
I.定義
本開示及びそれに対する請求の範囲の目的のため、周期表の命番方式は、IUPAC元素周期表による。
【0014】
本明細書中、「A及び/又はB」などの句で使用される「及び/又は」という用語は、「A及びB」、「A又はB」、「A」及び「B」を含むように意図される。
【0015】
「置換基」、「ラジカル」、「基」及び「部分」という用語は、互換的に使用され得る。
【0016】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「C」という用語は、1分子あたりn個の炭素原子を有する炭化水素を意味し、nは正整数である。
【0017】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「炭化水素」という用語は、炭素に結合した水素を含有する化合物の種類を意味して、且つ(i)飽和炭化水素化合物、(ii)不飽和炭化水素化合物、並びに(iii)異なるn値を有する炭化水素化合物の混合物を含む、(飽和及び/又は不飽和の)炭化水素化合物の混合物が包括される。
【0018】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルキル」という用語は、1~12個の炭素原子(すなわち、C~C12アルキル)、特に1~8個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキル)、特に1~6個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキル)、特に1~4個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキル)を有する飽和炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシルなどが含まれる。アルキル基は、直鎖、分岐鎖又は環式であってよい。「アルキル」は、アルキル基の全ての構造異性体の形態を包含するように意図される。例えば、本明細書で使用される場合、プロピルは、n-プロピル及びイソプロプルの両方を含み、ブチルは、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル及びtert-ブチルなどを含む。本明細書で使用される場合、「Cアルキル」はメチル(-CH)を指し、「Cアルキル」はエチル(-CHCH)を指し、「Cアルキル」はプロピル(-CHCHCH)を指し、そして「Cアルキル」はブチル(例えば、-CHCHCHCH、-(CH)CHCHCH、-CHCH(CHなど)を指す。さらに、本明細書で使用される場合、「Me」はメチルを指し、そして「Et」はエチルを指し、「i-Pr」はイソプロプルを指し、「t-Bu」はtert-ブチルを指し、そして「Np」はネオペンチルを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルキレン」という用語は、長さにおいて1~12個の炭素原子を含有する二価アルキル部分(すなわち、C~C12アルキレン)を指し、且つアルキレン部分が、アルキル単位の両端において分子の残基に結合することを意味する。例えば、アルキレンとしては、限定されないが、-CH-、-CHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCHCH-などが含まれる。アルキレン基は、直鎖又は分岐鎖であってよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「窒素含有アルキル」という用語は、アルキル基中の1個以上の炭素原子が、窒素原子、又は2~10個の炭素原子を有する窒素含有環式炭化水素(すなわち、窒素含有環式C~C10炭化水素)、特に2~5個の炭素原子を有する窒素含有環式炭化水素(すなわち、窒素含有環式C~C炭化水素)、特に2~5個の炭素原子を有する窒素含有環式炭化水素(すなわち、窒素含有環式C~C炭化水素)によって置換されている、本明細書に定義されたアルキル基を指す。窒素含有環式炭化水素は、1個以上の窒素原子を有していてもよい。窒素原子は、任意選択的に、1個又は2個のC~Cアルキル基によって置換されていてもよい。窒素含有アルキルは、1~12個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C12窒素含有アルキル)、特に1~10個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C10窒素含有アルキル)、特に2~10個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C10窒素含有アルキル)、特に3~10個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C10窒素含有アルキル)、特に3~8個の炭素原子を有することが可能である(すなわち、C~C10窒素含有アルキル)。窒素含有アルキルの例としては、限定されないが、
【化1】
が含まれる。
【0021】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「窒素含有アルキレン」という用語は、アルキル基中の1個以上の炭素原子が、窒素原子によって置換されている、本明細書に定義されたアルキレン基を指す。窒素原子は、任意選択的に、1個又は2個のC~Cアルキル基によって置換されていてもよい。窒素含有アルキレンは、1~12個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C12窒素含有アルキレン)、特に2~10個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C10窒素含有アルキレン)、特に3~10個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C10窒素含有アルキレン)、特に4~10個の炭素原子を有することが可能であるか(すなわち、C~C10窒素含有アルキレン)、特に3~8個の炭素原子を有することが可能である(すなわち、C~C窒素含有アルキル)。窒素含有アルキレンの例としては、限定されないが、
【化2】
が含まれる。
【0022】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルケニル」という用語は、2~12個の炭素原子(すなわち、C~C12アルケニル)、特に2~8個の炭素原子(すなわち、C~Cアルケニル)、特に2~6個の炭素原子(すなわち、C~Cアルケニル)を有し、且つ1個以上(例えば、2個、3個など)の炭素-炭素二重結合を有する不飽和炭化水素基を指す。アルケニル基は、直鎖、分岐鎖又は環式であってよい。アルケニルの例としては、限定されないが、エテニル(ビニル)、2-プロペニル、3-プロペニル、1,4-ペンタジエニル、1,4-ブタジエニル、1-ブテニル、2-ブテニル及び3-ブテニルが含まれる。「アルケニル」は、アルケニルの全ての構造異性体の形態を包含するように意図される。例えば、ブテニルには、1,4-ブタジエニル、1-ブテニル、2-ブテニル及び3-ブテニルなどが含まれる。
【0023】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルケニレン」という用語は、長さにおいて2~約12個の炭素原子を含有する二価アルケニル部分(すなわち、C~C12アルケニレン)を指し、且つアルキレン部分が、アルキル単位の両端において分子の残基に結合することを意味する。例えば、アルケニレンとしては、限定されないが、-CH=CH-、-CH=CHCH-、-CH=CH=CH-、-CHCHCH=CHCH-など、-CHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCHCH-などが含まれる。アルケニレン基は、直鎖又は分岐鎖であってよい。
【0024】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルキニル」という用語は、2~12個の炭素原子(すなわち、C~C12アルキニル)、特に2~8個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキニル)、特に2~6個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキニル)を有し、且つ1個以上(例えば、2個、3個など)の炭素-炭素三重結合を有する不飽和炭化水素基を指す。アルキニル基は、直鎖、分岐鎖又は環式であってよい。アルキニルの例としては、限定されないが、エチニル、1-プロピニル、2-ブチニル及び1,3-ブタジイニルが含まれる。「アルキニル」は、アルキニルの全ての構造異性体の形態を包含するように意図される。例えば、ブチニルは、2-ブチニル及び1,3-ブタジイニルを包含し、且つプロピニルは、1-プロピニル及び2-プロピニル(プロパルギル)を包含する。
【0025】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルキニレン」という用語は、長さにおいて2~約12個の炭素原子を含有する二価アルキニル部分(すなわち、C~C12アルキニレン)を指し、且つアルキレン部分が、アルキル単位の両端において分子の残基に結合することを意味する。例えば、アルケニレンとしては、限定されないが、-C≡C-、-C≡CCH-、-C≡CCHC≡C-、-CHCHC≡CCH-など、-CHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCHCH-などが含まれる。アルキニレン基は、直鎖又は分岐鎖であってよい。
【0026】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アルコキシ」という用語は、1~約10個の炭素原子を含有する-O-アルキルを指す。アルコキシは、直鎖又は分枝鎖であってよい。非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ及びヘキソキシが含まれる。「Cアルコキシ」はメトキシを指し、「Cアルコキシ」はエトキシを指し、「Cアルコキシ」はプロポキシを指し、そして「Cアルコキシ」はブトキシを指す。さらに、本明細書で使用される場合、「OMe」はメトキシを指し、そして「OEt」はエトキシを指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「芳香族」という用語は、非局在化共役π系を有し、且つ5~20個の炭素原子(芳香族C~C20炭素原子)、特に5~12個の炭素原子(芳香族C~C12炭化水素)、特に5~10個の炭素原子(芳香族C~C12炭化水素)を有する、不飽和環式炭化水素を指す。代表的な芳香族としては、限定されないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、クメン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、アセナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラフェン、ナフタセン、ベンズアントラセン、フルオラントレン、ピレン、クリセン、トリフェニレンなど、及びそれらの組合せが含まれる。加えて、芳香族は、1個以上のヘテロ原子を含んでもよい。ヘテロ原子の例としては、限定されないが、窒素、酸素及び/又は硫黄が含まれる。1個以上のヘテロ原子を有する芳香族としては、限定されないが、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサゾール、チアゾールなど、及びそれらの組合せが含まれる。芳香族は、単環式、二環式、三環式及び/又は多環式環(いくつかの実施形態において、少なくとも単環式環、単環式及び二環式環のみ、又は単環式環のみ)を含んでもよく、且つ縮合環であってもよい。
【0028】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アリール」という用語は、少なくとも1個の環が芳香族炭化水素である、6~14個の炭素環原子を含有する、いずれかの単環式又は多環式環化炭素基を指す。アリールの例としては、限定されないが、フェニル、ナフチル、ピリジニル及びインドリルが含まれる。
【0029】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。アルキル基は、C~C10アルキル基、特にC~C、特にC~Cアルキル基、特にC~Cアルキル基であってよい。アラルキル基の例としては、限定されないが、フェニルメチル、フェニルエチル及びナフチルメチルが含まれる。アラルキルは、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、且つ「ヘテロアルキル」と呼ばれてもよい。ヘテロ原子の例としては、限定されないが、窒素(すなわち、窒素含有ヘテロアラルキル)、酸素(すなわち、酸素含有ヘテロアラルキル)及び/又は硫黄(すなわち、硫黄含有ヘテロアラルキル)が含まれる。ヘテロアラルキル基の例としては、限定されないが、ピリジニルエチル、インドリルメチル、フリルエチル及びキノリニルプロピルが含まれる。
【0030】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「ヘテロシクロ」という用語は、4~20個の炭素環原子を含有し、且つ1個以上のヘテロ原子を含有する、完全飽和、部分的飽和又は不飽和、或いは多環式環化炭素基を指す。ヘテロ原子の例としては、限定されないが、窒素(すなわち、窒素含有ヘテロシクロ)、酸素(すなわち、酸素含有ヘテロシクロ)及び/又は硫黄(すなわち、硫黄含有ヘテロシクロ)が含まれる。ヘテロシクロの例としては、限定されないが、チエニル、フリル、ピロリル、ピペラジニル、ピリジル、ベンゾキサゾリル、キノリニル、イミダゾリル、ピロリジニル及びピペリジニルが含まれる。
【0031】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、ヘテロシクロ基で置換されたアルキル基を指す。アルキル基は、C~C10アルキル基、特にC~C、特にC~Cアルキル基、特にC~Cアルキル基であってよい。ヘテロシクロアルキル基の例としては、限定されないが、チエニルメチル、フリルエチル、ピロリルメチル、ピペラジニルエチル、ピリジルメチル、ベンゾキサゾリルエチル、キノリニルプロピル及びイミダゾリルプロピルが含まれる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシル」という用語は-OH基を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「メソポーラス」という用語は、約2nm~約50nmの範囲の直径を有する細孔を有する固体材料を指す。
【0034】
本明細書で使用される場合、「オルガノシリカ」という用語は、2個以上のケイ素原子に結合した1個以上の有機基を含むオルガノシロキサン化合物を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「シラノール」という用語は、Si-OH基を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「シラノール含有量」という用語は、化合物中のSi-OH基のパーセントを指し、そしてNMRなどの標準法によって算出することが可能である。
【0037】
本明細書で使用される場合、「構造指向剤」、「SDA」、「界面活性剤」及び/又は「ポロゲン」という用語は、オルガノシリカ材料のフレームワークを形成するビルディングブロックの重合及び/又は重縮合及び/又は組織化を補助及び/又は誘導するために合成媒体に添加される1種以上の化合物を指す。さらに、「ポロゲン」は、得られるオルガノシリカ材料フレームワーク中に空隙又は細孔を形成することが可能な化合物であると理解される。本明細書で使用される場合、「構造指向剤」は、「鋳型剤」及び「テンプレート」という用語を包括し、且つそれらと同意語であり、且つそれらと交換可能である。
【0038】
本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「吸着」という用語には、物理収着、化学吸着及び固体材料への凝縮、並びにそれらの組合せが含まれる。
【0039】
II.オルガノシリカ材料の製造方法
本開示は、オルガノシリカ材料の製造方法に関する。第1の実施形態において、本方法は、
(a)少なくとも1種の式[(RO)SiCH(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式[R’ROSiCH(Ib)の化合物(式中、各R’は、独立して、RO-、R基又は(RO)Si-CH-基を表し、少なくとも1個のR’は、(RO)Si-CH-であり;且つRは、C~Cアルキル基を表す)を含む出発材料混合物を準備することと;
(b)得られる溶液が構造指向剤を本質的に含有しないように、酸性又は塩基性水性混合物中に出発混合物を添加することと;
(c)溶液を硬化して、プレ製品を製造することと;
(d)式[RSiCH(I)(式中、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基、又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す)の独立シロキサン単位を含むポリマーであるオルガノシリカ材料を得るために、プレ製品を乾燥させることと
を含む。
【0040】
本明細書で使用される場合、及び別途指定されない限り、「別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子」とは、酸素原子が有利に、存在する場合、別のシロキサンのケイ素原子上の一部分(特に、ヒドロキシル、アルコキシなどの酸素含有部分)と置き換わることができ、酸素原子は別のシロキサンのケイ素原子と直接結合し得、それによって、2つのシロキサンが、例えば、Si-O-Si結合によって連結し得ることを意味する。明快にするために、この結合の状況で、「別のシロキサン」は同一種類のシロキサン又は異なる種類のシロキサンであることが可能である。
【0041】
II.A.酸性又は塩基性水性混合物
酸性又は塩基性水性混合物は、添加された構造指向剤及び/又は添加されたポロゲンを本質的に含有しない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「構造指向剤が本質的に添加されない」及び「ポロゲンが本質的に添加されない」とは、(i)オルガノシリカ材料の合成において使用される反応混合物に意図的に添加されたそのような成分が存在しないこと、或いは(ii)そのような成分が、オルガノシリカ材料のフレームワークを形成するビルディングブロックの重合及び/又は重縮合及び/又は組織化を補助及び/又は誘導するとは言うことができないように、少量又は非実質的な量又は無視できる量で(例えば、そのような成分は、反応混合物の重量に基づき、1.0重量%未満、0.10重量%以下、又は0.010重量%以下の量で存在する)、そのような成分がオルガノシリカ材料の合成において存在することのいずれかを意味する。さらに、「構造指向剤が本質的に添加されない」は、「テンプレートが本質的に添加されない」及び「テンプレート剤が本質的に添加されない」と類語である。
【0043】
酸性又は塩基性混合物は、本明細書中、添加された構造指向剤及び/又は添加されたポロゲンを本質的に含有しないものとして記載されるが、別の実施形態において、酸性又は塩基性水性混合物は、構造指向剤及び/又はポロゲンを含んでもよい。
【0044】
1.構造指向剤
構造指向剤の例としては、限定されないが、非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ケイ素界面活性剤、両性界面活性剤、ポリアルキレンオキシド界面活性剤、フルオロ界面活性剤、コロイド性結晶、ポリマー、ハイパー分枝状分子、星型分子、巨大分子、デンドリマー及びそれらの組合せを含むことが可能である。追加的に、又は代わりに、表面指向剤は、ポロキサマー、トリブロックポリマー、テトラアルキルアンモニウム塩、非イオン性ポリオキシエチレンアルキル、ジェミニ界面活性剤、又はそれらの混合物を含むことが可能であるか、或いはそれらであることが可能である。テトラアルキルアンモニウム塩の例としては、限定されないが、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)及びオクタデシルトリメチルアンモニウムクロリドなどの、セチルトリメチルアンモニウムハライドを含むことが可能である。他の代表的な表面指向剤は、追加的に、又は代わりに、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び/又はセチルピリジニウムブロミドを含むことが可能である。
【0045】
ポロキサマーは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、より特に、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2個の親水性鎖によって挾まれた、ポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマーである。特に、「ポロキサマー」という用語は、「a」及び「b」が、それぞれ、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレン単位の数を意味する、式HO(C))(CO)(CO)Hを有するポリマーを指す。ポロキサマーは、商標名Pluronic(登録商標)、例えば、Pluronic(登録商標)123及びPluronic(登録商標)F127によっても既知である。追加的なトリブロックポリマーは、B50-6600である。
【0046】
非イオン性ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、商標名Brij(登録商標)、例えば、Brij(登録商標)56、Brij(登録商標)58、Brij(登録商標)76、Brij(登録商標)78によっても既知である。ジェミニ界面活性剤は、1分子あたり、少なくとも2個の疎水基を有し、且つ少なくとも1個、又は任意選択的に2個の親水基が導入された化合物である。
【0047】
2.ポロゲン
ポロゲン材料は、オルガノシリカ材料において、ドメイン、離散的領域、空隙及び/又は細孔を形成することが可能である。本明細書で使用される場合、ポロゲンとしては水を含まない。ポロゲンの例は、ブロックコポリマー(例えば、ジブロックポリマー)である。ポリマーポロゲンの例としては、限定されないが、ポリビニル芳香族、例えば、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、水素化ポリビニル芳香族、ポリアクリロニトリル、ポリアルキレンオキシド、例えば、ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリメタクリレート、例えば、ポリメチルメタクリレート又はポリメタクリル酸、ポリアクリレート、例えば、ポリメタクリレート及びポリアクリル酸、ポリジエン、例えば、ポリブタジエン及びポリイソプレン、ポリビニルクロリド、ポリアセタール及びアミンキャップアルキレンオキシド、並びにそれらの組合せを含むことができる。
【0048】
追加的に、又は代わりに、ポロゲンは、熱可塑性ホモポリマー及びランダム(ブロックとは対照的な)コポリマーであることが可能である。本明細書で使用される場合、「ホモポリマー」は、単一モノマーから繰返単位を含む化合物を意味する。適切な熱可塑性材料としては、限定されないが、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリテトラヒドロフラン、ポリエチレン、ポリシクロヘキシルエチレン、ポリエチルオキサゾリン、ポリビニルピリジン、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマー、これらの材料のコポリマー及びこれらの材料の混合物を含むことが可能である。ポリスチレンの例としては、限定されないが、アニオン重合ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、未置換及び置換ポリスチレン(例えば、ポリ(α-メチルスチレン))が含まれる。熱可塑性材料は、天然で、線形、分岐状、超分岐状、樹状又は星形であり得る。
【0049】
追加的に、又は代わりにポロゲンは、溶媒であることが可能である。溶媒の例としては、限定されないが、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロヘキシルピロリジノン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン)、カーボネート化合物(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート)、複素環式化合物(例えば、3-メチル-2-オキサゾリジノン、ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルピロリドン、ピリジン)、環式エーテル(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン)、鎖エーテル(例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール)、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール)、ニトリル化合物(例えば、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル)、エステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、メチルピルベート、エチルピルベート、プロピルピルベート、2-メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ブチロラクトン、リン酸エステル、ホスホン酸エステル)、非プロトン性極性物質(例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、非極性溶媒(例えば、トルエン、キシレン、メシチレン)、塩素ベースの溶媒(例えば、メチレンジクロリド、エチレンジクロリド)、ベンゼン、ジクロロベンゼン、ナフタレン、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルベンゼン、トリエチルアミン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、モノメチルエーテルアセテートヒドロキシエーテル、例えば、ジベンジルエーテル、ダイグライム、トリグライム及びそれらの混合物を含むことが可能である。
【0050】
3.塩基/酸
種々の実施形態において、本明細書で提供される方法で使用される酸性又は塩基性水性混合物は、塩基及び/又は酸を含むことが可能である。
【0051】
塩基性水性混合物が塩基を含む特定の実施形態において、水性混合物は、約8~約15、約8~約14.5、約8~約14、約8~約13.5、約8~約13、約8~約12.5、約8~約12、約8~約11.5、約8~約11、約8~約10.5、約8~約10、約8~約9.5、約8~約9、約8~約8.5、約8.5~約15、約8.5~約14.5、約8.5~約14、約8.5~約13.5、約8.5~約13、約8.5~約12.5、約8.5~約12、約8.5~約11.5、約8.5~約11、約8.5~約10.5、約8.5~約10、約8.5~約9.5、約8.5~約9、約9~約15、約9~約14.5、約9~約14、約9~約13.5、約9~約13、約9~約12.5、約9~約12、約9~約11.5、約9~約11、約9~約10.5、約9~約10、約9~約9.5、約9.5~約15、約9.5~約14.5、約9.5~約14、約9.5~約13.5、約9.5~約13、約9.5~約12.5、約9.5~約12、約9.5~約11.5、約9.5~約11、約9.5~約10.5、約9.5~約10、約10~約15、約10~約14.5、約10~約14、約10~約13.5、約10~約13、約10~約12.5、約10~約12、約10~約11.5、約10~約11、約10~約10.5、約10.5~約15、約10.5~約14.5、約10.5~約14、約10.5~約13.5、約10.5~約13、約10.5~約12.5、約10.5~約12、約10.5~約11.5、約10.5~約11、約11~約15、約11~約14.5、約11~約14、約11~約13.5、約11~約13、約11~約12.5、約11~約12、約11~約11.5、約11.5~約15、約11.5~約14.5、約11.5~約14、約11.5~約13.5、約11.5~約13、約11.5~約12.5、約11.5~約12、約12~約15、約12~約14.5、約12~約14、約12~約13.5、約12~約13、約12~約12.5、約12.5~約15、約12.5~約14.5、約12.5~約14、約12.5~約13.5、約12.5~約13、約12.5~約15、約12.5~約14.5、約12.5~約14、約12.5~約13.5、約12.5~約13、約13~約15、約13~約14.5、約13~約14、約13~約13.5、約13.5~約15、約13.5~約14.5、約13.5~約14、約14~約15、約14~約14.5及び約14.5~約15のpHを有することが可能である。
【0052】
塩基を含む実施形態において、pHは、約9~約15、約9~約14又は約8~約14であることが可能である。
【0053】
代表的な塩基としては、限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデカン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、アンモニウムヒドロキシド、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、N,N-ジメチルアミン、N,N-ジエチルアミン、N,N-ジプロピルアミン、N,N-ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルアミン、トリメチルイミジン、1-アミノ-3-メチルブタン、ジメチルグリシン、3-アミノ-3-メチルアミンなどを含むことができる。これらの塩基は、単一で、又は組み合わせてのいずれかで使用されてよい。一実施形態において、塩基は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化アンモニウムを含むことが可能であるか、又はそれらであることが可能である。
【0054】
酸性水性混合物が酸を含む一実施形態において、水性混合物は、約0.01~約6.0、約0.01~約5、約0.01~約4、約0.01~約3、約0.01~約2、約0.01~約1、約0.1~約6.0、約0.1~約5.5、約0.1~約5.0、約0.1~約4.5、約0.1~約4.0、約0.1~約3.5、約0.1~約3.0、約0.1~約2.5、約0.1~約2.0、約0.1~約1.5、約0.1~約1.0、約0.1~約0.5、約0.1~約0.2、約0.2~約6.0、約0.2~約5.5、約0.2~約5.0、約0.2~約4.5、約0.2~約4.0、約0.2~約3.5、約0.2~約3.0、約0.2~約2.5、約0.2~約2.0、約0.2~約1.5、約0.2~約1.0、約0.2~約0.5、約0.5~約6.0、約0.5~約5.5、約0.5~約5.0、約0.5~約4.5、約0.5~約4.0、約0.5~約3.5、約0.5~約3.0、約0.5~約2.5、約0.5~約2.0、約0.5~約1.5、約0.5~約1.0、約0.8~約6.0、約0.8~約5.5、約0.8~約5.0、約0.8~約4.5、約0.8~約4.0、約0.8~約3.5、約0.8~約3.0、約0.8~約2.5、約0.8~約2.0、約0.8~約1.5、約0.8~約1.0、約1.0~約6.0、約1.0~約5.5、約1.0~約5.0、約1.0~約4.5、約1.0~約4.0、約1.0~約3.5、約1.0~約3.0、約1.0~約2.5、約1.0~約2.0、約1.0~約1.5、約1.5~約6.0、約1.5~約5.5、約1.5~約5.0、約1.5~約4.5、約1.5~約4.0、約1.5~約3.5、約1.5~約3.0、約1.5~約2.5、約1.5~約2.0、約2.0~約6.0、約2.0~約5.5、約2.0~約5.0、約2.0~約4.5、約2.0~約4.0、約2.0~約3.5、約2.0~約3.0、約2.0~約2.5、約2.5~約6.0、約2.5~約5.5、約2.5~約5.0、約2.5~約4.5、約2.5~約4.0、約2.5~約3.5、約2.5~約3.0、約3.0~約6.0、約3.5~約5.5、約3.0~約5.0、約3.0~約4.5、約3.0~約4.0、約3.0~約3.5、約3.5~約6.0、約3.5~約5.5、約3.5~約5、約3.5~約4.5、約3.5~約4.0、約4.0~約6.0、約4.0~約5.5、約4.0~約5.0、約4.0~約4.5、約4.2~約5.0又は約4.5~約5.0のpHを有することが可能である。
【0055】
酸を含む一実施形態において、pHは、約0.01~約6.0、約0.2~約6.0、約0.2~約5.0又は約0.2~約4.5であることが可能である。
【0056】
代表的な酸としては、限定されないが、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、リン酸、ホウ酸及びシュウ酸などの無機酸;並びに酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリト酸、アラキドン酸、シキミ酸、2-エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、サリチル酸、安息香酸、p-アミノ-安息香酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸の加水分解物、無水マレイン酸の加水分解物、無水フタル酸の加水分解物などの有機酸などを含むことが可能である。これらの酸は、単一で、又は組み合わせてのいずれかで使用されてよい。一実施形態において、酸は、塩酸を含むことが可能であるか、又はそれらであることが可能である。
【0057】
種々の態様において、水性混合物のpHを調節することは、製造されたオルガノシリカ材料の全表面積、ミクロポーラス表面積及び細孔体積に影響を与える可能性がある。したがって、オルガノシリカ材料の空隙率は、水性混合物のpHを調節することによって調節され得る。
【0058】
II.B.式(Ia)及び式(Ib)の化合物
本明細書に提供される方法は、少なくとも1種の式[(RO)SiCH(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式[R’ROSiCH(Ib)の化合物(式中、各R’は、独立して、RO-基、R基又は(RO)Si-CH-基を表し、少なくとも1個のR’は、(RO)Si-CH-であり;且つRは、C~Cアルキル基を表す)を含む出発材料混合物を準備するステップを含む。次いで、出発材料混合物を酸性又は塩基性水性混合物に添加して、溶液を形成する。
【0059】
種々の実施形態において、各Rは、独立してC~Cアルキル基、メチル若しくはエチル基、又はエチル基であることが可能である。
【0060】
各R’がRO-基であることが可能である種々の実施形態において、各Rは、C~Cアルキル基、メチル若しくはエチル基、又はエチル基であることが可能である。
【0061】
各R’がR基であることが可能である種々の実施形態において、各Rは、C~Cアルキル基、メチル若しくはエチル基、又はエチル基であることが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態において、少なくとも1個、2個又は3個のRは、(RO)Si-CH-基であることが可能である。特に、少なくとも1個のR’が(RO)Si-CH-基であることが可能である。
【0063】
R’が(RO)Si-CH-基であることが可能である種々の実施形態において、各Rは、C~Cアルキル基、メチル若しくはエチル基、又はエチル基であることが可能である。
【0064】
一実施形態において、式(Ia)に対応する化合物は、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン、[(EtO)SiCHであることが可能であり、且つ式(Ib)に対応する化合物は、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンであることが可能である。
【0065】
別の実施形態において、式(Ia)に対応する化合物は、1,3,5-トリメチル-1,3,5-トリエトキシー1,3,5-トリシラシクロヘキサン、[EtOCHSiCHであることが可能である。
【0066】
いくつかの実施形態において、1種より多くの式(Ia)の化合物(例えば、少なくとも2種の異なる式(Ia)の化合物)、1種より多くの式(Ib)の化合物(例えば、少なくとも2種の異なる式(Ib)の化合物)、及び/又は他の化合物を酸性又は塩基性水性混合物に添加して、溶液を形成してもよい。例えば、[EtOCHSiCHなどの、各ZがC~Cアルコキシ基であり、且つ各ZがC~Cアルキル基である、さらなる式(Ia)の化合物を添加することができる。例えば、[(EtO)SiCH及び[EtOCHSiCHを両方とも酸性又は塩基性水性混合物に添加して、溶液を形成してもよい。
【0067】
種々の実施形態において、式(Ia)化合物及び式(Ib)化合物の間の比率は、少なくとも約1:20、少なくとも約1:10、少なくとも約1:5、少なくとも約1:1、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、少なくとも約4:1、少なくとも約6:1又は少なくとも約7:1であり得る。追加的に、又は代わりに、式(Ia)化合物及び式(Ib)化合物の間の比率は、約1:10~約20:1、約1:5~約20:1、約1:1~約20:1、約1:1~約16:1、約1:1~約10:1、約1:1~約8:1、約2:1~約10:1又は約2:1~約8:1であり得る。
【0068】
II.C.式(IIa)の化合物
追加的な実施形態において、本明細書に提供される方法は、酸性又は塩基性水性混合物に、次式
【化3】
(式中、各Zは、独立して、XOXSiX基であることが可能であり、各Xは、C~Cアルキル基であることが可能であり;X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基であることが可能であり;且つ各Xは、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基であることが可能である)の少なくとも1種の環式化合物を添加することをさらに含むことが可能である。
【0069】
種々の実施形態において、各Xは、C~Cアルキル、C~Cアルキル、C~Cアルキル又はメチル基であることが可能である。
【0070】
追加的に、又は代わりに、各X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチル基であることが可能である。
【0071】
追加的に、又は代わりに、各X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基又はメトキシ基であることが可能である。
【0072】
追加的に、又は代わりに、各X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基であることが可能である。
【0073】
追加的に、又は代わりに、各Xは、C~Cアルキル基であることが可能であり;且つX及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基であることが可能である。
【0074】
追加的に、又は代わりに、各Xは、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基又は環式化合物の窒素原子に結合した-CH-であることが可能である。
【0075】
追加的に、又は代わりに、各Xは、C~Cアルキル基であることが可能であり;X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基であることが可能であり;且つXは、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基であることが可能である。
【0076】
一実施形態において、式(IIa)に対応する化合物は、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートであることが可能である。
【0077】
II.D.式(IIIa)の化合物
追加的な実施形態において、本明細書に提供される方法は、酸性又は塩基性水性混合物に、式ZOZSi(IIIa)(式中、各Zは、水素原子又はC~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、水素原子、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有ヘテロアラルキル基、及び窒素を含有する任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されることが可能である)の化合物を添加することをさらに含むことが可能である。
【0078】
一実施形態において、各Zは、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチルであることが可能である。特に、各Zは、メチル又はエチル基であることが可能である。
【0079】
追加的に、又は代わりに、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチル基であることが可能である。
【0080】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基であることが可能である。
【0081】
追加的に、又は代わりに、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基又はメトキシ基であることが可能である。
【0082】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基であることが可能である。
【0083】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基であることが可能である。
【0084】
追加的に、又は代わりに、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有C~Cアルキル基又はメチルアミンであることが可能である。特に、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有C~Cアルキル基又は窒素含有C~Cアルキル基であることが可能である。上記窒素含有アルキル基は、1個以上の窒素原子(例えば、2個、3個など)を有してよい。窒素含有C~C10アルキル基の例としては、限定されないが、
【化4】
が含まれる。
【0085】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素含有C~Cアルキル基であることが可能である。
【0086】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基又は窒素含有C~Cアルキル基であることが可能である。
【0087】
追加的に、又は代わりに、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素含有ヘテロアラルキル基であることが可能である。窒素含有ヘテロアラルキル基は、窒素含有C~C12ヘテロアラルキル基、窒素含有C~C10ヘテロアラルキル基又は窒素含有C~Cヘテロアラルキル基であることが可能である。窒素含有ヘテロアラルキル基の例としては、限定されないが、ピリジニルエチル、ピリジニルプロピル、ピリジニルメチル、インドリルメチル、ピラジニルエチル及びピラジニルプロピルが含まれる。上記窒素含有ヘテロアラルキル基は、1個以上の窒素原子(例えば、2個、3個など)を有してよい。
【0088】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素含有ヘテロアラルキル基であることが可能である。
【0089】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~Cアルキル基又は窒素含有ヘテロアラルキル基であることが可能である。
【0090】
追加的に、又は代わりに、Z、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素含有ヘテロシクロアルキル基であることが可能であり、ヘテロシクロアルキル基は、任意選択的に、C~Cアルキル基、特にC~Cアルキル基で置換されていてもよい。窒素含有ヘテロシクロアルキル基は、窒素含有C~C12ヘテロシクロアルキル基、窒素含有C~C10ヘテロシクロアルキル基又は窒素含有C~Cヘテロシクロアルキル基であることが可能である。窒素含有ヘテロシクロアルキル基の例としては、限定されないが、ピペラジニルエチル、ピペラジニルプロピル、ピペリジニルエチル、ピペリジニルプロピルが含まれる。上記窒素含有ヘテロシクロアルキル基は、1個以上の窒素原子(例えば、2個、3個など)を有してよい。
【0091】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、窒素を含有する任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基であることが可能である。
【0092】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~Cアルキル基、窒素含有ヘテロアラルキル基又は窒素を含有し、任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基であることが可能である。
【0093】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキル基であることが可能であり、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有C~C10ヘテロアラルキル基又は窒素を含有し、任意選択的に置換されたC~C10ヘテロシクロアルキル基であることが可能である。
【0094】
一実施形態において、式(IIIa)に対応する化合物は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)((EtO)Si)、メチルトリエトキシシラン(MTES)((EtO)CHSi)、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(HN(CH(EtO)Si)、(N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(((CHN(CH)(MeO)Si)、(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン((HN(CHNH(CH)(EtO)Si)、4-メチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-ピペラジン、4-(2-(トリエトキシシリル)エチル)ピリジン及び1-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾールからなる群から選択されることが可能である。
【0095】
II.E.式(IVa)の化合物
追加的な実施形態において、本明細書において提供される方法は、各Z10が、独立して、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12が、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zが、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、任意選択的に置換されたC~C20アラルキル基、及び任意選択的に置換されたC~C20ヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されることが可能である、式Z101112Si-Z-SiZ101112(IVa)の化合物を酸性又は塩基性水性混合物に添加することをさらに含むことが可能である。
【0096】
一実施形態において、各Z10は、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基又はメトキシ基であることが可能である。
【0097】
追加的に、又は代わりに、Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、又はメトキシ基であることが可能である。
【0098】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり、且つZ11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基であることが可能である。
【0099】
追加的に、又は代わりに、Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチル基であることが可能である。
【0100】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり、且つZ11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基であることが可能である。
【0101】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり、且つZ11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能である。
【0102】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルキレン基、C~Cアルキレン基、C~Cアルキレン基、C~Cアルキレン基、C~Cアルキレン基又は-CH-であることが可能である。
【0103】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキレン基であることが可能である。
【0104】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルケニレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルケニレン基又は-CH=CH-であることが可能である。
【0105】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルケニレン基であることが可能である。
【0106】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキレン基又はC~Cアルケニレン基であることが可能である。
【0107】
追加的に、又は代わりに、各Zは、C~Cアルキニレン基、C~Cアルキニレン基、C~Cアルキニレン基、C~Cアルキニレン基、C~Cアルキニレン基又は-C≡C-であることが可能である。
【0108】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキニレン基であることが可能である。
【0109】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基又はC~Cアルキニレン基であることが可能である。
【0110】
追加的に、又は代わりに、各Zは、窒素含有C~C10アルキレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、窒素含有C~Cアルキレン基、窒素含有C~Cアルキレン基又は窒素含有C~Cアルキレン基であることが可能である。上記窒素含有アルキレン基は、1個以上の窒素原子(例えば、2個、3個など)を有してよい。窒素含有アルキレン基の例としては、限定されないが、
【化5】
が含まれる。
【0111】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、窒素含有C~C10アルキレン基であることが可能である。
【0112】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基又は窒素含有C~C10アルキレン基であることが可能である。
【0113】
追加的に、又は代わりに、各Zは、任意選択的に置換されたC~C20アラルキル、任意選択的に置換されたC~C14アラルキル又は任意選択的に置換されたC~C10アラルキルであることが可能である。C~C20アラルキルの例としては、限定されないが、フェニルメチル、フェニルエチル、及びナフチルメチルが含まれる。アラルキルは、任意選択的に、C~Cアルキル基、特にC~Cアルキル基で置換されていてもよい。
【0114】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、任意選択的に置換されたC~C10アラルキルであることが可能である。
【0115】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、窒素含有C~C10アルキレン基又は任意選択的に置換されたC~C10アラルキルであることが可能である。
【0116】
追加的に、又は代わりに、各Zは、任意選択的に置換されたC~C20ヘテロシクロアルキル基、任意選択的に置換されたC~C16ヘテロシクロアルキル基、任意選択的に置換されたC~C12ヘテロシクロアルキル基又は任意選択的に置換されたC~C10ヘテロシクロアルキル基であることが可能である。C~C20ヘテロシクロアルキル基の例としては、限定されないが、チエニルメチル、フリルエチル、ピロリルメチル、ピペラジニルエチル、ピリジルメチル、ベンゾキサゾリルエチル、キノリニルプロピル、及びイミダゾリルプロピルが含まれる。ヘテロシクロアルキルは、任意選択的に、C~Cアルキル基、特にC~Cアルキル基で置換されていてもよい。
【0117】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、任意選択的に置換されたC~C12ヘテロシクロアルキル基であることが可能である。
【0118】
追加的に、又は代わりに、各Z10は、C~Cアルコキシ基であることが可能であり;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基であることが可能であり;且つ各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、任意選択的に置換されたC~C10アラルキル、又は任意選択的に置換されたC~C12ヘテロシクロアルキル基であることが可能である。
【0119】
一実施形態において、式(IVa)に対応する化合物は、1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エタン(CH(EtO)Si-CHCH-Si(EtO)CH)、ビス(トリエトキシシリル)メタン((EtO)Si-CH-Si(EtO))、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン((EtO)Si-HC=CH-Si(EtO))、N,N’-ビス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[(メチルジエトキシシリル)プロピル]アミン及びビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]-N-メチルアミンからなる群から選択されることが可能である。
【0120】
II.F.三価金属酸化物の供給源
追加的な実施形態において、本明細書において提供される方法は、三価金属酸化物の供給源を酸性又は塩基性水性混合物に添加することをさらに含むことが可能である。
【0121】
三価金属酸化物の供給源としては、限定されないが、三価金属の相当する塩、アルコキシド、オキシド及び/又はヒドロキシド、例えば、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、コロイド性アルミナ、アルミニウムトリヒドロキシド、ヒドロキシル化アルミナ、Al、ハロゲン化アルミニウム(例えば、AlCl)、NaAlO、窒化ホウ素、B及び/又はHBOを含むことが可能である。
【0122】
種々の実施形態において、三価金属酸化物の供給源は、Mが、第13族金属であることが可能であり、且つ各Z13が、独立して、C~Cアルキル基であることが可能である式M(OZ13(Va)の化合物であってよい。
【0123】
一実施形態において、Mは、B、Al、Ga、In、Il又はUutであることが可能である。特に、Mは、Al又はBであることが可能である。
【0124】
追加的に、又は代わりに、各Z13は、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチル基であることが可能である。特に、各Zは、メチル、エチル、プロピル又はブチル基であることが可能である。
【0125】
追加的に、又は代わりに、Mは、Al又はBであることが可能であり、且つ各Z13は、メチル、エチル、プロピル又はブチル基であることが可能である。
【0126】
特定の実施形態において、式(Va)に相当する化合物が、アルミニウムトリメトキシドであることが可能であるように、Mは、Alであることが可能であり、且つ各Z13は、メチルであることが可能である。
【0127】
特定の実施形態において、式(Va)に相当する化合物が、アルミニウムトリエトキシドであることが可能であるように、Mは、Alであることが可能であり、且つ各Z13は、エチルであることが可能である。
【0128】
特定の実施形態において、式(Va)に相当する化合物が、アルミニウムイソプロポキシドであることが可能であるように、Mは、Alであることが可能であり、且つ各Z13は、プロピルであることが可能である。
【0129】
特定の実施形態において、式(Va)に相当する化合物が、アルミニウムトリ-sec-ブトキシドであることが可能であるように、Mは、Alであることが可能であり、且つ各Z13は、ブチルであることが可能である。
【0130】
追加的に、又は代わりに、三価金属酸化物の供給源は、Mが、第13族金属であることが可能であり、且つ各Z14及び各Z15が、独立して、C~Cアルキル基であることが可能である式(Z14O)-O-Si(OZ15(VIa)の化合物であってよい。
【0131】
一実施形態において、Mは、B、Al、Ga、In、Il又はUutであることが可能である。特に、Mは、Al又はBであることが可能である。
【0132】
追加的に、又は代わりに、各Z14及び各Z15は、独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチル基であることが可能である。特に、Z14及び各Z15は、独立して、メチル、エチル、プロピル又はブチル基であることが可能である。
【0133】
追加的に、又は代わりに、M23は、Al又はBであることが可能であり、且つ各Z14及び各Z15は、独立して、メチル、エチル、プロピル又はブチル基であることが可能である。
【0134】
追加的に、又は代わりに、三価金属酸化物の供給源は、式(Va)の化合物の供給源(例えば、AlCl)及び/又は式(VIa)の化合物の供給源であってよい。
【0135】
II.G.シリカ含有材料
追加的な実施形態において、本明細書に提供される方法は、酸性又は塩基性水性混合物に、シリカ含有材料を添加することをさらに含むことが可能である。
【0136】
シリカ含有材料としては、限定されないが、いずれかのLUDOX(登録商標)コロイド性シリカ(例えば、LUDOX(登録商標)HS-40、LUDOX(登録商標)AS-30、LUDOX(登録商標)AS-40など)などのいずれかの商業的に入手可能なコロイド性シリカを含むことが可能である。
【0137】
II.H.金属キレート供給源
追加的な実施形態において、本明細書に提供される方法は、酸性又は塩基性水性混合物に、金属キレート化合物の供給源を添加することをさらに含むことが可能である。
【0138】
存在する場合、金属キレート化合物の例としては、トリエトキシ.モノ(アセチルアセトナト)チタン、トリ-n-プロポキシ.モノ(アセチルアセトナト)チタン、トリ-i-プロポキシ.モノ(アセチルアセトナト)チタン、トリ-n-ブトキシ.モノ(アセチルアセトナト)チタン、トリ-sec-ブトキシ.モノ(アセチルアセトナト)チタン、トリ-t-ブトキシ.モノ(アセチルアセトナト)チタン、ジエトキシ.ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-n-プロポキシ.ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-i-プロポキシ.ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-n-ブトキシ.ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-sec-ブトキシ.ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-t-ブトキシ.ビス(アセチルアセトナト)チタン、モノエトキシ.トリス(アセチルアセトナト)チタン、モノ-n-プロポキシ.トリス(アセチルアセトナト)チタン、モノ-i-プロポキシ.トリス(アセチルアセトナト)チタン、モノ-n-ブトキシ.トリス(アセチルアセトナト)チタン、モノ-sec-ブトキシ.トリス(アセチルアセトナト)チタン、モノ-t-ブトキシ-トリス(アセチルアセトナト)チタン、テトラキス(アセチルアセトナト)チタン、トリエトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)チタン、トリ-n-プロポキシ.モノ(エチルアセトアセタト)チタン、トリ-i-プロポキシ.モノ(エチルアセトアセタト)チタン、トリ-n-ブトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)チタン、トリ-sec-ブトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)チタン、トリ-t-ブトキシ-モノ(エチルアセトアセタト)チタン、ジエトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)チタン、ジ-n-プロポキシ.ビス(エチルアセトアセタト)チタン、ジ-i-プロポキシ.ビス(エチルアセトアセタト)チタン、ジ-n-ブトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)チタン、ジ-sec-ブトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)チタン、ジ-t-ブトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)チタン、モノエトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)チタン、モノ-n-プロポキシ.トリス(エチルアセトアセタト)チタン、モノ-i-プロポキシ.トリス(エチルアセトアセタト)チタン、モノ-n-ブトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)チタン、モノ-sec-ブトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)チタン、モノ-t-ブトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)チタン、テトラキス(エチルアセトアセタト)チタン、モノ(アセチルアセトナト)トリス(エチルアセトアセタト)チタン、ビス(アセチルアセトナト)ビス(エチルアセトアセタト)チタン及びトリス(アセチルアセトナト)モノ(エチルアセトアセタト)チタンなどのチタンキレート化合物;トリエトキシ.モノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ-n-プロポキシ.モノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ-i-プロポキシ.モノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ-n-ブトキシ.モノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ-sec-ブトキシ.モノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ-t-ブトキシ.モノ(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジエトキシ.ビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジ-n-プロポキシ.ビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジ-i-プロポキシ.ビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジ-n-ブトキシ.ビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジ-sec-ブトキシ.ビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、ジ-t-ブトキシ.ビス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、モノエトキシ.トリス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、モノ-n-プロポキシ.トリス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、モノ-i-プロポキシ.トリス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、モノ-n-ブトキシ.トリス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、モノ-sec-ブトキシ.トリス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、モノ-t-ブトキシ.トリス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリエトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、トリ-n-プロポキシ.モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、トリ-i-プロポキシ.モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、トリ-n-ブトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、トリ-sec-ブトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、トリ-t-ブトキシ.モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ジエトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ジ-n-プロポキシ.ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ジ-i-プロポキシ.ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ジ-n-ブトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ジ-sec-ブトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ジ-t-ブトキシ.ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノエトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノ-n-プロポキシ.トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノ-i-プロポキシ.トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノ-n-ブトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノ-sec-ブトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノ-t-ブトキシ.トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナト)トリス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナト)ビス(エチルアセトアセタト)ジルコニウム及びトリス(アセチルアセトナト)モノ(エチルアセトアセタト)ジルコニウムなどのジルコニウムキレート化合物;トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム及びトリス(エチルアセトアセタト)アルミニウムなどのアルミニウムキレート化合物を含むことができる。これらの中で、チタン又はアルミニウムのキレート化合物が注目に値することが可能であり、その中でもチタンのキレート化合物が特に注目に値することが可能である。これらの金属キレート化合物は、単独又は組合せのいずれでも使用されてよい。
【0139】
II.I.溶液の撹拌
種々の態様において、本明細書に記載の方法において形成された溶液を、いずれかの適切な手段、例えば、機械的撹拌、混合器、超音波処理器などによって、例えば溶液のpH及び/又は存在する酸若しくは塩基の量など次第で、当業者に理解されるように、適切な時間の長さ及び適切な温度で混合(又は撹拌)することが可能である。例えば、溶液を、約17℃~約25℃又は約20℃~約25℃の温度で、約1時間以上、約4時間以上、約6時間以上、約12時間以上、約18時間以上、約24時間(1日)以上、約2日以上、約4日以上、約6日以上、約7日以上、約8日以上、約10日以上、約12日以上、約14日以上、約16日以上、約18日以上又は約21日以上の間混合してもよい。追加的に、又は代わりに、溶液を、約1時間~約21日、約1時間~約16日、約4時間~14日、約6時間~約10日、約6時間~約6日、約6時間~約2日、約6時間~約24時間又は約12時間~約24時間の間混合してもよい。好ましくは、溶液を、約24時間(1日)以上、例えば、約24時間(1日)~21日、約24時間(1日)~16日、約24時間(1日)~12日、約24時間(1日)~10日又は約24時間(1日)~7日の間混合してもよい。
【0140】
II.J.溶液の硬化
さらに、本明細書に記載の方法において形成された溶液を、例えば、オーブン又はオートクレーブ中で、適切な温度、適切な時間で硬化又は老化させて、ゲル形態であり得るプレ製品を形成する。種々の実施形態において、溶液を、約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約24時間(1日)、少なくとも約30時間、少なくとも約36時間、少なくとも約42時間、少なくとも約48時間(2日)、少なくとも約54時間、少なくとも約60時間、少なくとも約66時間、少なくとも約72時間(3日)、少なくとも約96時間(4日)、少なくとも約120時間(5日)又は少なくとも約144時間(6日)の間硬化させてもよい。
【0141】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載の方法において形成された溶液を、約4時間~約144時間(6日)、約4時間~約120時間(5日)、約4時間~約96時間(4日)、約4時間~約72時間(3日)、約4時間~約66時間、約4時間~約60時間、約4時間~約54時間、約4時間~約48時間(2日)、約4時間~約42時間、約4時間~約36時間、約4時間~約30時間、約4時間~約24時間(1日)、約4時間~約18時間、約4時間~約12時間、約4時間~約6時間、約12時間~約144時間(6日)、約12時間~約120時間(5日)、約12時間~約96時間(4日)、約12時間~約72時間(3日)、約12時間~約66時間、約12時間~約60時間、約12時間~約54時間、約12時間~約48時間(2日)、約12時間~約42時間、約12時間~約36時間、約12時間~約30時間、約12時間~約24時間(1日)、約12時間~約18時間、約18時間~約144時間(6日)、約18時間~約120時間(5日)、約18時間~約96時間(4日)、約18時間~約72時間(3日)、約18時間~約66時間、約18時間~約60時間、約18時間~約54時間、約18時間~約48時間(2日)、約18時間~約42時間、約18時間~約36時間、約18時間~約30時間、約18時間~約24時間(1日)、約24時間(1日)~約144時間(6日)、約24(1日)時間(1日)~約120時間(5日)、約24時間(1日)~約96時間(4日)、約24時間(1日)~約72時間(3日)、約24時間(1日)~約66時間、約24時間(1日)~約60時間、約24時間(1日)~約54時間、約24時間(1日)~約48時間(2日)、約24時間(1日)~約42時間、約24時間(1日)~約36時間、約24時間(1日)~約30時間、約30時間~約144時間(6日)、約42時間~約120時間(5日)、約54時間~約96時間(4日)、約60時間~約72時間(3日)、約96時間(4日)~約120時間(5日)又は約120時間(5日)~約144時間(6日)の間硬化又は老化させることが可能である。
【0142】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載の方法において形成された溶液を、少なくとも約10℃、少なくとも約20℃、少なくとも約30℃、少なくとも約40℃、少なくとも約50℃、少なくとも約60℃、少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、少なくとも約90℃、少なくとも約100℃、少なくとも約110℃、少なくとも約120℃少なくとも約130℃、少なくとも約140℃、少なくとも約150℃、少なくとも約175℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃又は約300℃の温度で硬化又は老化させることが可能である。
【0143】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載の方法において形成された溶液を、約10℃~約300℃、約10℃~約250℃、約10℃~約200℃、約10℃~約175℃、約10℃~約150℃、約10℃~約120℃、約10℃~約100℃、約10℃~約90℃、約10℃~約80℃、約10℃~約70℃、約10℃~約60℃、約10℃~約50℃、約30℃~約300℃、約30℃~約250℃、約30℃~約200℃、約30℃~約175℃、約30℃~約150℃、約30℃~約120℃、約30℃~約100℃、約30℃~約90℃、約50℃~約300℃、約50℃~約250℃、約50℃~約200℃、約50℃~約175℃、約50℃~約150℃、約50℃~約120℃、約50℃~約100℃、約50℃~約90℃、約50℃~約80℃、約70℃~約300℃、約70℃~約250℃、約70℃~約200℃、約70℃~約175℃、約70℃~約150℃、約70℃~約120℃、約70℃~約100℃、約70℃~約90℃、約70℃~約80℃、約80℃~約300℃、約80℃~約250℃、約80℃~約200℃、約80℃~約175℃、約80℃~約150℃,約80℃~約120℃、約80℃~約100℃、約80℃~約90℃、約90℃~約300℃、約90℃~約250℃、約90℃~約200℃、約90℃~約175℃、約90℃~約150℃、約90℃~約120℃、約90℃~約100℃、約100℃~約300℃、約100℃~約250℃、約100℃~約200℃、約100℃~約175℃、約100℃~約150℃、約100℃~約120℃、約120℃~約200℃、約120℃~約175℃、約120℃~約150℃、約130℃~約300℃、約130℃~約250℃、約130℃~約200℃、約130℃~約175℃又は約130℃~約150℃の温度で硬化又は老化させることが可能である。
【0144】
一実施形態において、溶液を144時間までの間、約50℃~約200℃の温度で硬化又は老化させてもよい。
【0145】
種々の態様において、本明細書に記載の方法において形成された溶液の硬化時間及び/又は硬化温度を調節することは、製造されたオルガノシリカ材料の全表面積、ミクロポーラス表面積、細孔体積、細孔半径及び細孔直径に影響を与える可能性がある。したがって、オルガノシリカ材料の空隙率は、老化時間及び/又は温度を調節することによって調節され得る。
【0146】
II.K.プレ製品の乾燥
本明細書に記載の方法は、オルガノシリカ材料を製造するためにプレ製品(例えばゲル)を乾燥させることを含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、本方法において形成されたプレ製品(例えばゲル)は、約50℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約110℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、約250℃以上、約300℃以上、約350℃以上、約400℃以上、約450℃以上、約500℃以上、約550℃以上又は約600℃以上の温度において乾燥させることが可能である。
【0148】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載の方法において形成されたプレ製品(例えばゲル)は、約50℃~約600℃、約50℃~約550℃、約50℃~約500℃、約50℃~約450℃、約50℃~約400℃、約50℃~約350℃、約50℃~約300℃、約50℃~約250℃、約50℃~約200℃、約50℃~約150℃、約50℃~約120℃、約50℃~約110℃、約50℃~約100℃、約50℃~約80℃、約50℃~約70℃、約70℃~約600℃、約70℃~約550℃、約70℃~約500℃、約70℃~約450℃、約70℃~約400℃、約70℃~約350℃、約70℃~約300℃、約70℃~約250℃、約70℃~約200℃、約70℃~約150℃、約70℃~約120℃、約70℃~約110℃、約70℃~約100℃、約70℃~約80℃、約80℃~約600℃、約70℃~約550℃、約80℃~約500℃、約80℃~約450℃、約80℃~約400℃、約80℃~約350℃、約80℃~約300℃、約80℃~約250℃、約80℃~約200℃、約80℃~約150℃、約80℃~約120℃、約80℃~約110℃又は約80℃~約100℃の温度において乾燥させることが可能である。
【0149】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載の方法において形成されたプレ製品(例えばゲル)は、上記の温度において、約6時間以上、約12時間以上、約18時間以上、約24時間(1日)以上、約30時間以上、約36時間以上、約42時間以上、約48時間(2日)以上、3日以上、5日以上、7日以上又は約10日の間乾燥させてもよい。例えば、本明細書に記載の方法において形成されたプレ製品(例えばゲル)は、上記の温度において、約6時間~約10日、約6時間~7日、約6時間~5日、約6時間~約日、約6時間~約48時間(2日)、約6時間~約42時間、約12時間~約36時間又は約18時間~約30時間の間乾燥させてもよい。
【0150】
一実施形態において、本明細書に記載の方法において形成されたプレ製品(例えばゲル)は、約70℃~約200℃の温度において乾燥させることが可能である。
【0151】
追加的に、又は代わりに、本方法において形成されたプレ製品(例えばゲル)は、N及び/又は空気雰囲気中、及び/又は減圧下で乾燥させることが可能である。
【0152】
II.L.任意選択的なさらなるステップ
いくつかの実施形態において、上記方法は、オルガノシリカ材料を焼成して、シリカ材料を得ることをさらに含むことが可能である。焼成は、空気、又は窒素若しくは窒素が豊富な空気などの不活性気体中で実行可能である。焼成は、少なくとも約300℃、少なくとも約350℃、少なくとも約400℃、少なくとも約450℃、少なくとも約500℃、少なくとも約550℃、少なくとも約600℃又は少なくとも約650℃、例えば、少なくとも約400℃の温度で実行可能である。追加的に、又は代わりに、焼成は、約300℃~約650℃、約300℃~約600℃、約300℃~約550℃、約300℃~約400℃、約300℃~約450℃、約300℃~約400℃、約300℃~約350℃、約350℃~約650℃、約350℃~約600℃、約350℃~約550℃、約350℃~約400℃、約350℃~約450℃、約350℃~約400℃、約400℃~約650℃、約400℃~約600℃、約400℃~約550℃、約400℃~約500℃、約400℃~約450℃、約450℃~約650℃、約450℃~約600℃、約450℃~約550℃、約450℃~約500℃、約500℃~約650℃、約500℃~約600℃、約500℃~約550℃、約550℃~約650℃、約550℃~約600℃又は約600℃~約650℃の温度で実行可能である。
【0153】
いくつかの実施形態において、本方法は、オルガノシリカ材料(又はそのシリカ形態)の細孔内に触媒金属を組み込むことをさらに含むことが可能である。例示的な触媒金属としては、限定されないが、第6族元素、第8族元素、第9族元素、第10族元素又はそれらの組合せが含まれることが可能である。例示的な第6族元素としては、限定されないが、クロム、モリブデン及び/又はタングステンが含まれることが可能であり、特に、モリブデン及び/又はタングステンが含まれる。例示的な第8族元素としては、限定されないが、鉄、ルテニウム及び/又はオスミウムが含まれることが可能である。例示的な第9族元素としては、限定されないが、コバルト、ロジウム及び/又はイリジウムが含まれることが可能であり、特に、コバルトが含まれる。例示的な第10族元素としては、限定されないが、ニッケル、パラジウム及び/又はプラチナが含まれることが可能である。
【0154】
触媒金属は、含浸、イオン交換又は表面部位への錯化などのいずれかの都合のよい方法によって、オルガノシリカ材料(又はそのシリカ形態)中に組み込まれることが可能である。そのように組み込まれた触媒金属は、石油精製又は石油化学製品製造において一般に実行される多くの触媒的変換のいずれか1つを促進するために利用されてよい。そのような触媒的プロセスの例としては、限定されないが、水素化、脱水素、芳香族化、芳香族飽和、水素化脱硫、オレフィンオリゴマー形成、重合、水素化脱窒素、水素化分解、ナフサ改質、パラフィン異性化、芳香族アルキル交換、二重/三重結合の飽和など、並びにそれらの組合せが含まれることが可能である。
【0155】
したがって、別の実施形態において、本明細書に記載のオルガノシリカ材料(又はそのシリカ形態)を含む触媒材料が準備される。触媒材料は、任意選択的に結合剤を含んでもよく、又は自己結合してもよい。適切な結合剤としては、限定されないが、活性及び不活性材料、合成又は天然由来ゼオライト、並びに無機材料、例えば、クレー及び/又は酸化物、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ-アルミナ、酸化セリウム、酸化マグネシウム又はそれらの組合せが含まれる。特に、結合剤は、シリカ-アルミナ、アルミナ及び/又はゼオライト、特にアルミナであってよい。シリカ-アルミナは、天然由来であり得るか、又はシリカ及び酸化金属の混合物を含む、ゼラチン状沈殿物又はゲルの形態のいずれかであり得る。本明細書において、ゼオライト結合剤材料と関連する、すなわち、それと組み合わせて、又はその合成の間に存在する、それ自体が触媒的に活性である材料の使用は、最終触媒の変換及び/又は選択性を変更し得ることが認識されることは留意すべきである。本明細書において、不活性材料は、本開示のオルガノシリカ材料(又はそのシリカ形態)がアルキル化プロセスに利用され、そして反応速度を制御するための他の手段を利用せずに経済的に、且つ秩序的にアルキル化製品を得ることができる場合、変換の量を制御するための希釈剤として適切に役立つことが可能であることも認識される。これらの不活性材料は、商業的な作動条件下での触媒の粉砕強度を改善するため、そして触媒のための結合剤又はマトリックスとして機能するために、天然由来のクレー、例えば、ベントナイト及びカオリン中に組み込まれてよい。本明細書に記載の触媒は、典型的に約ゼロ部の結合剤材料に対して約100部の支持体材料;約1部の結合剤材料に対して約99部の支持体材料;約5部の結合剤材料に対して約95部の支持体材料の結合剤材料に対する支持体材料の比率を複合形態で含むことが可能である。追加的に、又は代わりに、本明細書に記載の触媒は、全て重量による比率で、典型的に、約10部の結合剤材料に対して約90部の支持体材料~約90部の結合剤材料に対して約10部の支持体材料;約15部の結合剤材料に対して約85部の支持体材料~約85部の結合剤材料に対して約15部の支持体材料;20部の結合剤材料に対して約80部の支持体材料~80部の結合剤材料に対して20部の支持体材料、典型的に80:20~50:50、好ましくは65:35~35:65の支持体材料:結合剤材料の範囲の結合剤材料に対する支持体材料の比率を複合形態で含むことが可能である。複合化は、材料を一緒にムーリング(mulling)することと、それに続く、所望の最終触媒粒子へのペレット化の押出成形を含む従来の手段によって実行されてよい。
【0156】
いくつかの実施形態において、本方法は、含浸又は有機前駆体による表面への錯化などのいずれかの都合のよい方法によって、或いはいずれかの他の方法によって、網目構造中にカチオン性金属部位を組み込むことをさらに含むことが可能である。このようなオルガノ金属材料は、石油精製又は石油化学製品製造において実行される多くの炭化水素分離において使用され得る。石油化学製品/燃料から望ましく分離される、そのような化合物の例としては、オレフィン、パラフィン、芳香族などを含むことができる。
【0157】
追加的に、又は代わりに、本方法は、オルガノシリカ材料(又はそのシリカ形態)の細孔内に表面金属を組み込むことをさらに含むことが可能である。表面金属は、第1族元素、第2族元素、第13族元素及びそれらの組合せから選択されることが可能である。第1族元素が存在する場合、それは、好ましくは、ナトリウム及び/又はカリウムを含むことが可能であるか、或いはそれらであることが可能である。第2族元素が存在する場合、それは、限定されないが、マグネシウム及び/又はカルシウムを含むことが可能である。第13族元素が存在する場合、それは、限定されないが、ホウ素及び/又はアルミニウムを含むことが可能である。
【0158】
第1、2、6、8~10及び/又は13族元素の1種以上は、オルガノシリカ材料(又はそのシリカ形態)の外部及び/又は内部表面上に存在し得る。例えば、第1、2及び/又は13族元素の1種以上は、オルガノシリカ材料上の第1の層に存在し得、且つ第6、8、9及び/又は10族元素の1種以上は、第2の層に、例えば、少なくとも部分的に、第1、2及び/又は13族元素の上部に存在し得る。追加的に、又は代わりに、第6、8、9及び/又は10族元素の1種以上のみが、オルガノシリカ材料の外部及び/又は内部表面上に存在し得る。表面金属は、含浸、析出、グラフト化、共縮合、イオン交換などの、いずれかの都合のよい方法によって、オルガノシリカ材料中/上に組み込まれることが可能である。
【0159】
III.式(Ia)及び式(Ib)の化合物の調製方法
式(Ia)及び(Ib)の化合物の混合物は、当該技術分野において既知のいずれかの方法によって調製することが可能である。例えば、Brondani,D.et al.Tetrahedron Letters,34(13):2111-2114に記載の通り、且つ以下の反応スキーム(I)に示すように、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(A)及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(B)を含む混合物などの式(Ia)及び(Ib)の化合物の混合物はグリニャール反応によって調製可能である。
【化6】
【0160】
式(Ia)化合物(例えば化合物A)及び式(Ib)化合物(例えば化合物B)の収率、並びに式(Ib)化合物(例えば化合物B)に対する式(Ia)化合物(例えば化合物A)の比率は、例えば反応スキーム(I)のステップ(ii)の間の反応時間、反応温度及び化合物1の濃度に基づき、有利に調節及び/又は調整可能であることが見出された。例えば、より長い反応時間及びより高い反応温度は、式(Ib)化合物(例えば化合物B)の生成に有利に働く可能性がある。追加的に、又は代わりに、化合物1の濃度を増加させることも式(Ib)化合物(例えば化合物B)の生成に有利に働く可能性がある。以下にさらに説明される通り、式(Ib)化合物(例えば化合物B)に対する式(Ia)化合物(例えば化合物A)の比率は、式(Ia)化合物及び式(Ib)化合物の出発混合物を使用して得られるオルガノシリカ材料の特性(例えば平均細孔直径、全表面積など)に影響を与える可能性がある。
【0161】
本明細書中、化合物1がいずれかの適切なトリアルコキシ(クロロメチル)シラン、例えばトリメトキシ(クロロメチル)シランでもあり得ることが考えられる。本明細書中、ステップ(i)の間に、テトラヒドロフラン(THF)以外に使用されてもよい適切な溶媒としては、限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、エーテル、例えばジオキサン、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)などが含まれることも考えられる。追加的に、又は代わりに、FeClの代わりにいずれかの適切なグリニャール反応開始剤も使用可能であり、例えば、ジクロロエタン又はヨウ素をグリニャール反応開始剤として使用することができる。
【0162】
種々の態様において、例えば、反応スキーム(I)のステップ(ii)の間の反応温度は、約0.0℃以上、約5.0℃以上、約10℃以上、約15℃以上、約20℃以上、約25℃以上、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約55℃以上、約60℃以上、約65℃以上又は約70℃であることが可能である。さらに、例えば、反応スキーム(I)のステップ(ii)の間の反応温度は、約0.0℃~約70℃、5.0℃~約65℃、15℃~約60℃、約15℃~約55℃、約15℃~約50℃、約20℃~約55℃又は約20℃~約50℃であることが可能である。
【0163】
追加的に、又は代わりに、例えば、反応スキーム(I)のステップ(ii)の間の反応時間は、約12時間以上、約24時間以上、約36時間以上、約48時間以上又は約60時間以上であることが可能である。さらに、例えば、反応スキーム(I)のステップ(ii)の間の反応時間は、約12時間~約60時間、約12時間~約48時間、約24時間~約60時間、約24時間~約48時間、約24時間~約36時間、約36時間~約60時間、約36時間~約48時間又は約48時間~約60時間であることが可能である。
【0164】
追加的に、又は代わりに、グリニャール試薬(例えば化合物2)の濃度は、約0.050mol/L以上、約0.10mol/L以上、約0.50mol/L以上、約1.0mol/L以上、約2.5mol/L以上、約5.0mol/L以上、約7.5mol/L以上、約10mol/L以上、約12.5mol/L以上又は約15mol/L以上であることが可能である。さらに、グリニャール試薬(例えば化合物2)の濃度は、約0.050mol/L~約15mol/L、約0.050mol/L~約12.5mol/L、約0.10mol/L~約15mol/L、約0.10mol/L~約12.5mol/L、約0.10mol/L~約10mol/L、約0.10mol/L~約7.5mol/L、約0.10mol/L~約5.0mol/L、約1.0mol/L~約15mol/L、約1.0mol/L~約12.5mol/L、約1.0mol/L~約10mol/L、約1.0mol/L~約7.5mol/L、約1.0mol/L~約5.0mol/L、約2.5mol/L~約15.0mol/L、約2.5mol/L~約12.5mol/L、約2.5mol/L~約10mol/L、約5.0mol/L~約12.5mol/L又は約7.5mol/L~約12.5mol/Lであることが可能である。
【0165】
種々の実施形態において、ステップa)において準備される出発材料混合物は、Xが塩化物又は臭化物から選択される式(RO)Si-CH-MgXの化合物を溶媒中で加熱し、少なくとも1種の式(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式(Ib)の化合物を含む出発材料混合物を準備するグリニャール反応によって得られる。いくつかの実施形態において、グリニャール反応によって得られる出発材料混合物は、それから少なくとも1種の式(Ib)の化合物をいずれも分離することなく、酸性又は塩基性水性混合物に添加される。
【0166】
IV.オルガノシリカ材料
本明細書に記載の方法によって、オルガノシリカ材料を製造することができる。種々の実施形態において、本明細書に記載の方法によって製造されたオルガノシリカ材料は、実質的に単相又は一相の多孔性材料であることが可能であり、これは、オルガノシリカ材料が、2層を有する材料ではなく、平均細孔直径を有する1層を有することを意味する。2層材料は、多孔性の第1の層及び(例えば測定可能な細孔直径を有さない)非気孔性/非多孔性である第2の層を有してもよい。好ましくは、本明細書に記載の方法によって製造されたオルガノシリカ材料は実質的に単相であることが可能である。
【0167】
本明細書に記載の方法によって製造されたオルガノシリカ材料は式[RSiCH(I)(式中、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す)の独立シロキサン単位を含むポリマーであることが可能である。
【0168】
一実施形態において、各Rは、ヒドロキシル基であることが可能である。
【0169】
追加的に、又は代わりに、各Rは、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基又はメトキシ基であることが可能である。
【0170】
追加的に、又は代わりに、各Rは、別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0171】
追加的に、又は代わりに、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0172】
追加的に、又は代わりに、各Rは、ヒドロキシル基であることが可能である。
【0173】
追加的に、又は代わりに、各Rは、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基又はメトキシ基であることが可能である。
【0174】
追加的に、又は代わりに、各Rは、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基、C~Cアルキル基又はメチル基であることが可能である。
【0175】
追加的に、又は代わりに、各Rは、別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0176】
追加的に、又は代わりに、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0177】
追加的に、又は代わりに、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0178】
追加的に、又は代わりに、各Rは、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rは、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0179】
追加的に、又は代わりに、各Rは、ヒドロキシル基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rは、ヒドロキシル基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0180】
種々の実施形態において、R及び/又はRの少なくとも1つ、2つ又は3つは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルコキシ基又はメトキシ若しくはエトキシ基、特にエトキシ基であることが可能であるが、ただし、R及び/又はRの少なくとも1つは、別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子である。
【0181】
種々の実施形態において、R及び/又はRの少なくとも1つ、2つ又は3つは、別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である。
【0182】
本明細書に記載の方法から製造されたオルガノシリカ材料は、式Iの独立単位を含むホモポリマーである。
【0183】
一実施形態において、本明細書に記載の方法において、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを含むか、又はそれである式(Ia)の化合物及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを含むか、又はそれである式(Ib)の化合物を使用してよく、得られるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位を含むホモポリマーである。
【0184】
別の特定の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物及び[EtOCHSiCHなどのさらなる化合物、並びに1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物を使用してよく、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rがメチル基であることが可能である式(I)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0185】
本明細書に記載の方法において、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物及び式(IIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、式Iの独立単位と、次式
【化7】
(式中、各Rは、独立して、XOXSiX10基であることが可能であり、各Xは、水素原子、C~Cアルキル基又は別のモノマー単位のケイ素原子への結合であることが可能であり;X及びXは、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基又は別のモノマー単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;且つ各X10は、環式ポリ尿素の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基であることが可能である)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0186】
本明細書で使用される場合、及び別途指定されない限り、「別のモノマーのケイ素原子への結合」とは、結合が有利に、存在する場合、別のモノマーのケイ素原子上の一部分(特に、ヒドロキシル、アルコキシなどの酸素含有部分)と置き換わることができ、別のモノマーのケイ素原子への直接結合が存在し得、それによって、2つのモノマーが、例えば、Si-O-Si結合によって連結し得ることを意味する。明快にするために、この結合の状況で、「別のモノマー」は同一種類のモノマー又は異なる種類のモノマーであることが可能である。
【0187】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びトリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどの式(IIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Xが、水素原子、メチル基又は別のモノマー単位のケイ素原子への結合であることが可能であり;X及びXは、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、メトキシ基又は別のモノマー単位のケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;且つX10は、環式ポリ尿素の窒素原子に結合した-CHCHCH-であることが可能である、式(II)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0188】
本明細書に記載の方法において、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物及び式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、式Iの独立単位と;各Z16が、水素原子若しくはC~Cアルキル基、又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;且つZ17、Z18及びZ19が、独立して、ヒドロキシル基、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有ヘテロアルキル基、窒素を含有する任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能である、式Z16OZ171819(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0189】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びテトラエチルオルトシリケート(TEOS)などの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;且つZ17、Z18及びZ19は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0190】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びメチルトリエトキシシラン(MTES)などの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17及びZ18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Z18はメチル基であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0191】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び(N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシランなどの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、メチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17、Z18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、メトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つZ19は、
【化8】
であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0192】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランなどの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17及びZ18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Z19は、
【化9】
であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0193】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び4-メチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-ピペラジンなどの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17及びZ18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Z19は、
【化10】
であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0194】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び4-(2-(トリエトキシシリル)エチル)ピリジンなどの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17及びZ18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Z19は、
【化11】
であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0195】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び1-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾールなどの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17及びZ18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Z19は、
【化12】
であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0196】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び(3-アミノプロピル)トリエトキシシランなどの式(IIIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z16が、水素原子、エチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能であり;Z17及びZ18は、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基及び別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Z19は、
【化13】
であることが可能である、式(III)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0197】
本明細書に記載の方法において、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物及び式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、式Iの独立単位と、各Z20が、独立して、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;Z21及びZ22が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;且つ各Rが、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、任意選択的に置換されたC~C20アラルキル基及び任意選択的に置換されたC~C20ヘテロシクロアルキル基からなる群から選択されることが可能である、式Z202122Si-R-SiZ202122(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0198】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び(1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エタンなどの式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z20が、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;各Z21が、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;各Z22がメチルであることは可能であり;且つ各Rが-CHCH-であることが可能である、式(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0199】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びビス(トリエトキシシリル)メタンなどの式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z20が、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;Z21及びZ22が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Rが-CH-であることが可能である、式(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0200】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレンなどの式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z20が、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;Z21及びZ22が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各Rが-HC=CH-であることが可能である、式(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0201】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びN,N’-ビス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどの式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z20が、ヒドロキシル基、メトキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;各Z21及びZ22が、それぞれ独立して、ヒドロキシル基、メトキシ基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子からなる群から選択されることが可能であり;且つ各R
【化14】
であることが可能である、式(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0202】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びビス[(メチルジエトキシシリル)プロピル]アミンなどの式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z20が、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;各Z21が、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;Z22がメチル基であることは可能であり;且つ各R
【化15】
であることが可能である、式(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0203】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及び[(メチルジメトキシシリル)プロピル]-N-メチルアミンなどの式(IVa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;各Z20が、ヒドロキシル基、メトキシ基又は別のコモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;各Z21が、ヒドロキシル基、メトキシ基又は別のモノマーのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり;Z22はメチル基であることは可能であり;且つ各R
【化16】
であることが可能である、式(IV)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0204】
本明細書に記載の方法において、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物及び式(Va)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、式Iの独立単位と、Mが第13族金属であることが可能であり、且つ各Z23が、独立して、水素原子、C~Cアルキル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能である、式M(OZ23(V)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0205】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法において、[(EtO)SiCHなどの式(Ia)の化合物、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンなどの式(Ib)の化合物及びアルミニウムトリ-sec-ブトキシドなどの式(Va)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能であり、且つRが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子であることが可能である、式(I)の独立単位と;M13が第13族金属であることが可能であり、且つZ23が、水素原子、sec-ブチル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合であることが可能である、式(V)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0206】
本明細書に記載の方法において、式(Ia)の化合物、式(Ib)の化合物及び式(VIa)の化合物を使用する場合、製造されるオルガノシリカ材料は、式Iの独立単位と、Mが第13族金属を表し、且つZ24及びZ25が、それぞれ独立して、水素原子、C~Cアルキル基又は別のモノマーのケイ素原子への結合を表す、式(Z24O)-M-O-Si(OZ25(VI)の独立単位とを含むコポリマーであることが可能である。
【0207】
本明細書に記載の方法によって製造されるオルガノシリカ材料は、次の項目で説明される通り特徴決定することが可能である。
【0208】
IV.A.X線回折ピーク
本明細書に記載の方法によって製造されるオルガノシリカ材料は、約1~約4度2θの1つの幅広いピーク、特に約1~約3度2θの1つの幅広いピークを有する粉末X線回折パターンを示すことができる。追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、約0.5~約10度2θ、約0.5~約12度2θ、約0.5~約15度2θ、約0.5~約20度2θ、約0.5~約30度2θ、約0.5~約40度2θ、約0.5~約50度2θ、約0.5~約60度2θ、約0.5~約70度2θ、約2~約10度2θ、約2~約12度2θ、約2~約15度2θ、約2~約20度2θ、約2~約30度2θ、約2~約40度2θ、約2~約50度2θ、約2~約60度2θ、約2~約70度2θ、約3~約10度2θ、約3~約12度2θ、約3~約15度2θ、約3~約20度2θ、約3~約30度2θ、約3~約40度2θ、約3~約50度2θ、約3~約60度2θ又は約3~約70度2θの範囲に実質的にピークを示さないことが可能である。
【0209】
IV.B.シラノール含有量
本開示の方法によって入手可能なオルガノシリカ材料は、合成溶液の組成次第で、広い範囲内で変動するシラノール含有量を有することが可能である。シラノール含有量は、ソリッドステートケイ素NMRによって都合よく決定することができる。
【0210】
IV.C.細孔径
本明細書に記載の方法によって製造されたオルガノシリカ材料は、有利にメソポーラス形態であり得る。上記の通り、メソポーラスという用語は、約2nm~約50nmの範囲の直径を有する細孔を有する固体材料を指す。オルガノシリカ材料の平均細孔直径は、例えば、BET(Brunauer Emmet Teller)法などの当業者の専門知識の範囲内の窒素吸着-脱着等温線技術を使用して決定することが可能である。
【0211】
オルガノシリカ材料は、約0.2nm以上、約0.4nm以上、約0.5nm以上、約0.6nm以上、約0.8nm以上、約1.0nm以上、約1.5nm以上、約1.8nm以上又は約2.0nm未満の平均細孔直径を有することが可能である。一実施形態において、オルガノシリカ材料は、約1.0nmより大きい平均細孔直径を有することが可能である。
【0212】
追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、約2.0nm以上、約2.5nm以上、約3.0nm以上、約3.5nm以上、約4.0nm以上、約4.5nm以上、約5.0nm以上、約6.0nm以上、約7.0nm以上、約8nm以上、約9nm以上、約10nm以上、約15nm以上、約20nm以上、約25nm以上、約30nm以上、約40nm以上、約45nm以上又は約50nm以上のメソ細孔範囲内の平均細孔直径を有利に有することが可能である。
【0213】
追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、約0.2nm~約50nm、約0.2nm~約40nm、約0.2nm~約30nm、約0.2nm~約25nm、約0.2nm~約20nm、約0.2nm~約15nm、約0.2nm~約10nm、約0.2nm~約7.0nm、約0.2nm~約5.0nm、約0.2nm~約3.0nm、約0.2nm~約1.0nm、約1.0nm~約50nm、約1.0nm~約40nm、約1.0nm~約30nm、約1.0nm~約25nm、約1.0nm~約20nm、約1.0nm~約17nm、約1.0nm~約15nm、約1.0nm~約10nm、約1.0nm~約7.0nm、約1.0nm~約6.0nm、又は約1.0nm~約5.0nm、約1.0nm~約3.0nm又は約1.0nm~約2.5nmの平均細孔直径を有することが可能である。
【0214】
特に、オルガノシリカ材料は、約2.0nm~約50nm、約2.0nm~約40nm、約2.0nm~約30nm、約2.0nm~約25nm、約2.0nm~約20nm、約2.0nm~約15nm、約2.0nm~約10nm、約2.0nm~約7.0nm、約2.0nm~約5.0nm、約2.0nm~約4.0nm、約2.0nm~約3.0nm、約2.5nm~約50nm、約2.5nm~約40nm、約2.5nm~約30nm、約2.5nm~約25nm、約2.5nm~約20nm、約2.5nm~約15nm、約2.5nm~約10nm、約2.5nm~約7.0nm、約2.5nm~約5.0nm、約2.5nm~約4.0nm、約2.5nm~約3.0nm、約3.0nm~約50nm、約3.0nm~約40nm、約3.0nm~約30nm、約3.0nm~約25nm、約3.0nm~約20nm、約3.0nm~約18nm、約3.0nm~約15nm、約3.0nm~約10nm、約3.0nm~約7.0nm、約3.0nm~約5.0nm、又は約3.0nm~約4.0nmのメソ細孔範囲内の平均細孔直径を有利に有することが可能である。
【0215】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法によって製造されたオルガノシリカ材料は、約1.0nm~約30.0nm、特に約1.0nm~約25.0nm、特に約1.5nm~約25.0nm、特に約2.0nm~約25.0nm、特に約2.0nm~約20.0nm、特に約2.0nm~約15.0nm、又は特に約2.0nm~約10.0nmの平均細孔直径を有することが可能である。
【0216】
いくつかの実施形態において、本明細書において製造されたオルガノシリカ材料は、平均細孔直径の二峰性分布を有してもよい。すなわち、オルガノシリカ材料は、測定された平均細孔直径に沿って、1つのピークの代わりに2つのピークを有してもよい。例えば、式(Ia)化合物対式(Ib)化合物の比率が約1:1~約5:1(例えば、約2:1~約5:1、約2:1~約4:1、約3:1~約5:1、約3:1~約4:1)である場合、本明細書において製造されたオルガノシリカ材料は、限定されないが、約2.5~約5.0nm及び約12nm~約18nmの平均細孔直径などの平均細孔直径の二峰性分布を有してもよい。
【0217】
メソポーラス材料を合成するためのテンプレートとして界面活性剤を使用することによって、高度に規則的な構造、例えば、輪郭のはっきりした(well-defined)円柱形様細孔チャネルを生成することが可能である。いくつかの場合、N吸着等温線から履歴ループが観察されない。他の場合、構造指向剤が使用されない本明細書で提供される方法が使用される場合、メソポーラス材料は規則性の低い細孔構造を有することが可能であり、且つN吸着等温線実験から履歴ループが観察され得る。そのような場合、理論によって拘束されないが、履歴は、細孔形状/サイズの規則性の欠如及び/又はそのような不規則な細孔のボトルネック収縮に起因する可能性がある。
【0218】
IV.D.表面積
オルガノシリカ材料の表面積は、例えば、BET(Brunauer Emmet Teller)法などの当業者の専門知識の範囲内の窒素吸着-脱着等温線技術を使用して決定することが可能である。この方法によって、全表面積、外部表面積及びミクロポーラス表面積が決定され得る。本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「全表面積」は、BET法によって決定される全表面積を指す。本明細書で使用される場合、及び他に明示されない限り、「ミクロポーラス表面積」は、BET法によって決定されるミクロポーラス表面積を指す。
【0219】
種々の実施形態において、オルガノシリカ材料は、約50m/g以上、約75m/g以上、約100m/g以上、約200m/g以上、約300m/g以上、約400m/g以上、約500m/g以上、約600m/g以上、約700m/g以上、約800m/g以上、約900m/g以上、約1,000m/g以上、約1,100m/g以上、約1,200m/g以上、約1,300m/g以上、約1,400m/g以上、約1,500m/g以上、約1,600m/g以上、約1,700m/g以上、約1,800m/g以上、約1,900m/g以上、約2,000m/g以上、約2,100m/g以上、約2,200m/g以上、約2,300m/g又は約2,500m/gの全表面積を有することが可能である。
【0220】
追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、約50m/g~約2,500m/g、約50m/g~約2,000m/g、約50m/g~約1,500m/g、約50m/g~約1,200m/g、約50m/g~約1,000m/g、約75m/g~約2,500m/g、約75m/g~約2,000m/g、約75m/g~約1,500m/g、約75m/g~約1,200m/g、約75m/g~約1,000m/g、約100m/g~約2,500m/g、約100m/g~約2,200m/g、約100m/g~約2,000m/g、約100m/g~約1,500m/g、約100m/g~約1,200m/g、約100m/g~約1,000m/g、約100m/g~約700m/g、約100m/g~約500m/g、約100m/g~約400m/g、約100m/g~約300m/g、約200m/g~約2,500m/g、約200m/g~約2,200m/g、約200m/g~約2,000m/g、約200m/g~約1,700m/g、約200m/g~約1,500m/g、約200m/g~約1,200m/g、約200m/g~約1,000m/g、約200m/g~約700m/g、約200m/g~約500m/g、約200m/g~約400m/g、約500m/g~約2,500m/g、約500m/g~約2,200m/g、約500m/g~約2,000m/g、約500m/g~約1,700m/g、約500m/g~約1,500m/g、約500m/g~約1,200m/g、約500m/g~約1,000m/g、又は約500m/g~約700m/gの全表面積を有し得る。
【0221】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のオルガノシリカ材料は、約50m/g~約2,500mg、特に約75m/g~約2,500mg、特に約75m/g~約2,000m/g、特に約75m/g~約1,500m/g、又は特に約100m/g~約1,500m/gの全表面積を有し得る。
【0222】
IV.E.細孔体積
本明細書に記載の方法によって製造されたオルガノシリカ材料の細孔体積は、例えば、BET(Brunauer Emmet Teller)法などの当業者の専門知識の範囲内の窒素吸着-脱着等温線技術を使用して、決定することが可能である。
【0223】
種々の実施形態において、オルガノシリカ材料は、約0.1cm/g以上、約0.2cm/g以上、約0.3cm/g以上、約0.4cm/g以上、約0.5cm/g以上、約0.6cm/g以上、約0.7cm/g以上、約0.8cm/g以上、約0.9cm/g以上、約1.0cm/g以上、約1.1cm/g以上、約1.2cm/g以上、約1.3cm/g以上、約1.4cm/g以上、約1.5cm/g以上、約1.6cm/g以上、約1.7cm/g以上、約1.8cm/g以上、約1.9cm/g以上、約2.0cm/g以上、約2.5cm/g以上、約3.0cm/g以上、約3.5cm/g以上、約4.0cm/g以上、約5.0cm/g以上、約6.0cm/g以上、約7.0cm/g以上又は約10.0cm/gの細孔体積を有することが可能である。
【0224】
追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、約0.1cm/g~約10.0cm/g、約0.1cm/g~約7.0cm/g、約0.1cm/g~約6.0cm/g、約0.1cm/g~約5.0cm/g、約0.1cm/g~約4.0cm/g、約0.1cm/g~約3.0cm/g、約0.1cm/g~約2.0cm/g、約0.1cm/g~約1.5cm/g、約0.1cm/g~約1.2cm/g、約0.1cm/g~約1.0cm/g、約0.1cm/g~約0.5cm/g、約0.1cm/g~約0.3cm/g、約0.2cm/g~約10.0cm/g、約0.2cm/g~約7.0cm/g、約0.2cm/g~約6.0cm/g、約0.2cm/g~約5.0cm/g、約0.2cm/g~約4.0cm/g、約0.2cm/g~約3.0cm/g、約0.2cm/g~約2.0cm/g、約0.2cm/g~約1.5cm/g、約0.2cm/g~約1.2、約0.2cm/g~約1.0cm/g、約0.5cm/g~約10.0cm/g、約0.5cm/g~約7.0cm/g、約0.5cm/g~約6.0cm/g、約0.5cm/g~約5.0cm/g、約0.5cm/g~約4.0cm/g、約0.5cm/g~約3.0cm/g、約0.5cm/g~約2.0cm/g、約0.5cm/g~約1.5cm/g、約0.5cm/g~約1.2cm/g又は約0.5cm/g~約1.0cm/gの細孔体積を有することが可能である。
【0225】
V.オルガノシリカ材料の使用
本開示の方法によって入手可能なオルガノシリカ材料は、いくつかの分野での使用が見出される。
【0226】
特定の実施形態において、本明細書に記載のオルガノシリカ材料は、分離及び/又は触媒反応プロセスのための吸着剤又は支持体マトリックスとして使用されることが可能である。
【0227】
V.A.気体分離プロセス
いくつかの場合、気体分離プロセスにおいて、本明細書に提供されるオルガノシリカ材料を使用することができる。気体分離プロセスは、少なくとも1種の汚染物質を含有する気体混合物を、本明細書に記載の方法に従って調製された本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させることを含むことが可能である。
【0228】
種々の実施形態において、気体分離プロセスは、圧力スイング吸着(PSA)及び温度スイング吸着(TSA)などのスイング吸着プロセスによって達成可能である。全てのスイング吸着プロセスは、典型的に、供給原料混合物(典型的に気相)を吸着剤上に流し、容易に吸着されない成分と比較して、より容易に吸着される成分を優先的に吸着する吸着ステップを有する。ある成分は、吸着剤の動態学的又は平衡状態特性のために、より容易に吸着され得る。吸着剤は、典型的に、スイング吸着ユニットの一部である接触装置に含まれることができる。接触装置は、典型的に工学的に設計された構造化吸着剤床又は微粒子吸着剤床を含有することが可能である。吸着床は、吸着剤、並びに他の吸着剤、メソ細孔充てん材料、及び/又は吸着及び脱着の熱から温度可動域を緩和するために使用される不活性材料などの他の材料を含有することができる。スイング吸着ユニットの他の構成要素としては、限定されないが、バルブ、パイプ、タンク及び他の接触装置を含むことができる。スイング吸着プロセスは、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第8,784,533号明細書;同第8,784,534号明細書;同第8,858,683号明細書;及び同第8,784,535号明細書に記載される。本明細書中で、別個に、又は組合せで使用可能であるプロセスの例は、PSA、TSA、圧力温度スイング吸着(PTSA)、部分パージ変位スイング吸着(PPSA)、PPTSA、急速サイクルPSA(RCPSA)、RCTSA、RCPPSA及びRCPTSAである。
【0229】
スイング吸着プロセスは、多種多様の気体混合物から「汚染物質気体」とも呼ばれる種々の標的気体を除去するために応用可能である。典型的に、二成分分離システムにおいて、本明細書において利用されるように、「軽質成分」は、プロセスの吸着ステップにおいて吸着剤によって優先的に吸着されない種又は分子成分として考えられる。逆にそのような二成分システムにおいて、本明細書において利用されるように、「重質成分」は、典型的に、プロセスの吸着ステップにおいて吸着剤によって優先的に吸着される種又は分子成分として考えられる。しかしながら、優先的に吸着される成分が、優先的に吸着されない成分よりも低い分子量を有する二成分分離システムにおいて、それらの記載は必ずしも上記で開示された通りに相互関係し得ない。
【0230】
本明細書に記載の方法において分離することが可能である気体混合物の例は、天然ガス流などのCHを含む気体混合物である。CHを含む気体混合物は、HO、HS、CO、N、メルカプタン及び/又は重質炭化水素などの有意レベルの汚染物質を含有する可能性がある。追加的に、又は代わりに、気体混合物は、排ガス流、燃焼ガス流及び湿性ガス流などの汚染物質としてのNO及び/又はSO種を含む可能性がある。本明細書で使用される場合、「NO」及び「NO」種という用語は、燃焼プロセスからの排ガスなどの排ガスに存在し得る窒素の種々の酸化物を意味する。この用語は、限定されないが、酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)、過酸化窒素(NO)、五酸化窒素(N)及びその混合物を含む窒素の種々の酸化物の全てを意味する。本明細書で使用される場合、「SO」及び「SO種」という用語は、燃焼プロセスからの排ガスなどの排ガスに存在し得る硫黄の種々の酸化物を意味する。この用語は、限定されないが、SO、SO、SO、SO、S及びSを含む硫黄の種々の酸化物の全てを意味する。したがって、汚染物質の例としては、限定されないが、HO、HS、CO、N、メルカプタン、重質炭化水素、NO及び/又はSO種が含まれる。
【0231】
V.B.触媒支持体
本明細書に記載の方法に従って製造されたオルガノシリカ材料は、種々の触媒中の支持体材料として使用することができる。特に、触媒は、オルガノシリカ材料が、細孔表面上に組み込まれた少なくとも1種の触媒金属を有する支持体材料としてオルガノシリカ材料を含むことが可能である。少なくとも1種の触媒金属は、第8族金属、第9族金属、第10族金属、例えば、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru又はそれらの組合せであってよい。触媒は、限定されないが、活性及び不活性材料、無機材料、クレー、セラミックス、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカ-アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、酸化タンタル又はそれらの組合せ、特にシリカ-アルミナ、アルミナ、チタニア又はジルコニアなどの結合剤をさらに含むことができる。これらの触媒は、供給原料流の水素化及び芳香族飽和の両方のために使用可能である。
【0232】
種々の実施形態において、水素化プロセスは、芳香族含有量の減少した反応生成物を製造するために有効な芳香族水素化条件下で操作される第1の反応段階において、水素含有処理気体の存在下、芳香族を含有する炭化水素供給流と、本明細書に記載の水素化触媒とを接触させることによって達成可能である。
【0233】
水素化プロセスでの使用に適切な水素含有処理気体は、実質的に純粋な水素から構成されることが可能であるか、又は典型的に精製所水素流で見出される他の成分の混合物であることが可能である。水素含有処理気体流が、少量のみの硫化水素を含有する、より好ましくは、硫化水素を含有しないことが好ましい。水素含有処理気体流の純度は、最良の結果のために、少なくとも約50体積%の水素、好ましくは少なくとも約75体積%の水素、より好ましくは少なくとも約90体積%の水素であるべきである。水素含有流が、実質的に純粋な水素であることが最も好ましい。
【0234】
本明細書に記載の水素化触媒による水素化に適切な供給流は、水素化又は芳香族飽和が望ましい、いずれの従来の炭化水素供給流も含む。そのような供給流としては、炭化水素流体、ディーゼル、灯油、潤滑油供給流、重コーカー気体油(HKGO)、脱アスファルト化油(DAO)、FCCメインカラムボトム(MCB)、蒸気クラッカータールを含むことができる。そのような供給流としては、他の凝縮物供給流、例えば、ワックス含有供給流、例えば、粗製油、シェール油及びタールサンドから誘導された供給物を含むことが可能である。フィッシャー-トロプシュ法から誘導されたものなどの合成供給物も、本明細書に記載の水素化触媒を使用して、芳香族飽和が可能である。潤滑剤ベース油の調製のための典型的なワックス含有供給原料は、約315℃以上の初期沸点を有し、且つ減少原油、水素化分解生成物、ラフィネート、水素化処理された油、大気気体油、減圧気体油、コーカー気体油、大気及び減圧残留物、脱アスファルト化油、スラックワックス及びフィッシャー-トロプシュワックスなどの供給物を含む。そのような供給物は、蒸留塔(大気及び減圧)、水素化分解装置、水素化処理装置及び溶媒抽出ユニットから誘導されてよく、且つ50%以上までのワックス含有量を有してもよい。好ましい潤滑油沸騰範囲供給流は、570~760°Fの範囲で沸騰する供給流を含む。ディーゼル沸騰範囲供給流は、480~660°Fの範囲で沸騰する供給流を含む。灯油沸騰範囲供給流は、350~617°Fの範囲で沸騰する供給流を含む。
【0235】
本明細書での使用に適切な炭化水素供給流は、芳香族並びに窒素及び硫黄汚染物質を含有する。供給流に基づき、0.2重量%までの窒素、3.0重量%までの硫黄及び50重量%までの芳香族を含有する供給流を本プロセスにおいて使用することができる。種々の実施形態において、供給流の硫黄含有量は、約500wppm未満、又は約300wppm未満、又は約200wppm未満、又は約100wppm未満、又は約20wppm未満であることが可能である。芳香族水素化プロセスの間に使用される圧力は、供給流の予想される硫黄含有量に基づいて変動可能である。高いワックス含有量を有する供給物は、典型的に、200以上までの高い粘度指数を有する。硫黄及び窒素含有量は、それぞれ、標準的なASTM法D5453及びD4629によって測定されてよい。
【0236】
有効水素化条件は、その条件下で、炭化水素供給流に存在する芳香族の少なくとも一部が飽和され、好ましくは芳香族の少なくとも約50重量%が飽和され、より好ましくは約75重量%が飽和される条件であると考えられてよい。有効水素化条件は、150℃~400℃の温度、740~20786kPa(100~3000psig)の水素分圧、0.1~10液体毎時空間速度(LHSV)の空間速度及び89~1780m/m(500~10000scf/B)の水素対供給物比を含むことが可能である。
【0237】
追加的に、又は代わりとして、有効水素化条件は、窒素及び有機的に結合した硫黄の汚染物質の少なくとも一部を除去すること、並びに上記芳香族の少なくとも一部を水素化すること、したがって、潤滑油沸騰範囲供給流よりも低濃度の芳香族及び窒素及び有機的に結合した硫黄の汚染物質を有する少なくとも液体潤滑油沸騰範囲生成物を製造することにおいて有効である条件であってもよい。
【0238】
追加的に、又は代わりとして、有効水素化条件は、窒素及び有機的に結合した硫黄の汚染物質の少なくとも一部を除去すること、並びに上記芳香族の少なくとも一部を水素化すること、したがって、ディーゼル沸騰範囲供給流よりも低濃度の芳香族及び窒素及び有機的に結合した硫黄の汚染物質を有する少なくとも液体ディーゼル沸騰範囲生成物を製造することにおいて有効である条件であってもよい。
【0239】
上記の通り、いくつかの場合、炭化水素供給流(例えば、潤滑油沸騰範囲)は、硫黄汚染物質を約500wppm未満、特に約300wppm未満、特に約200wppm未満又は特に約100wppm未満まで低下させるために水素化処理されてもよい。そのような実施形態において、プロセスは、少なくとも2つの反応段階を含んでよく、有効水素化処理条件下で操作される水素化処理触媒を含有する第1の反応状態及び本明細書に記載された水素化触媒を含有する第2の反応状態は、上記の有効水素化条件下で操作される。したがって、そのような実施形態において、炭化水素供給流を、最初に、供給流の硫黄含有量を上記範囲内まで低下させるために有効な水素化処理条件下で操作される第1の反応段階において、水素含有処理気体の存在下、水素化処理触媒と接触させることができる。したがって、「水素化処理」という用語は、本明細書で使用される場合、硫黄及び窒素などのヘテロ原子の除去のために活性である適切な触媒の存在下で、水素含有処理気体が使用されるプロセスを示す。本開示の実施形態での使用のために適切な水素化処理触媒は、いずれかの従来の水素化処理触媒であり、且つ少なくとも1種の第8族金属、好ましくは、Fe、Co及びNi、より好ましくは、Co及び/又はNi、最も好ましくは、Ni、並びに少なくとも1種の第6族金属、好ましくは、Mo及びW、より好ましくは、Moを高表面積支持体材料、好ましくはアルミナ上で含むものが含まれる。追加的に、又は代わりとして、同反応容器中で2種以上の水素化処理触媒が使用されることが可能である。第8族金属は、典型的に、約2~20重量%、好ましくは、約4~12重量%の範囲の量で存在してよい。第6族金属は、典型的に、約5~50重量%、好ましくは、約10~40重量%、より好ましくは、約20~30重量%の範囲の量で存在してよい。全ての金属の重量パーセントは、上記の通り、「支持体上」である。
【0240】
有効水素化処理条件は、供給流の硫黄含有量(例えば、潤滑油沸騰範囲)を、上記された範囲内まで有効に低下させることが可能であるそれらの条件であると考えられてよい。典型的な有効水素化処理条件としては、約150℃~約425℃、好ましくは、約200℃~約370℃、より好ましくは、約230℃~約350℃の範囲の温度を含むことが可能である。典型的な重量毎時空間速度(「WHSV」)は、約0.1~約20時間-1、好ましくは、約0.5~約5時間-1の範囲であってよい。いずれかの有効圧力も利用可能であり、且つ圧力は、典型的に、約4~約70気圧(405~7093kPa)、好ましくは10~40気圧(1013~4053kPa)の範囲であることが可能である。一実施形態において、上記有効水素化処理条件は、上記有機的に結合した硫黄の汚染物質の少なくとも一部を除去すること、及び上記芳香族の少なくとも一部を水素化すること、したがって、潤滑油沸騰範囲供給流よりも低濃度の芳香族及び有機的に結合した硫黄の汚染物質を有する少なくとも反応生成物(例えば、液体潤滑油沸騰範囲生成物)を製造することにおいて有効である条件であってもよい。
【0241】
炭化水素供給流を水素化処理触媒と接触させることによって、少なくとも1種の蒸気生成物及び液体生成物を含む反応生成物が製造され得る。蒸気生成物は、典型的に、HSなどの気体状反応生成物を含んでよく、そして液体反応生成物は、典型的に、窒素及び硫黄汚染物質の減少した濃度を有する液体炭化水素を含んでよい。全ての反応生成物は、第2の反応段階へと直接通すことが可能であるが、気体状及び液体反応生成物が分離され、そして液体反応生成物が第2の反応段階に導入されることが好ましくなり得る。したがって、一実施形態において、蒸気生成物及び液体生成物は、分離されてもよく、そして液体生成物は、第2の反応段階に導入されてよい。液体生成物から蒸気生成物を分離する方法は、気体状及び液体反応生成物を分離することにおいて有効であることが既知であるいずれかの手段によって達成可能である。例えば、ストリッピングタワー又は反応ゾーンを使用して、蒸気生成物を液体生成物(例えば、液体潤滑油沸騰範囲生成物)から分離することができる。そのようにして第2の反応段階に導入される液体生成物は、約500wppm範囲内、特に約300wppm未満、又は特に約200wppm未満又は特に約100wppm未満の硫黄濃度を有することができる。
【0242】
なお他の実施形態において、本明細書に記載の水素化触媒は、統合された水素化処理法において使用可能である。本明細書に記載の水素化触媒に関する水素化仕上及び/又は芳香族水素化/飽和プロセスに加えて、統合された水素化処理法は、水素化処理、水素化分解、触媒脱蝋(例えば、水素化脱蝋)及び/又は溶媒脱蝋の種々の組合せを含むことができる。上記の水素化処理と、それに続く水素化仕上のスキームは、総合プロセスフローの1種を表す。別の統合されたプロセス例は、触媒脱蝋又は溶媒脱蝋のいずれかによる脱蝋ステップと、それに続く本明細書に記載の水素化触媒による水素化処理を有するものである。なお別の例は、水素化処理、(触媒又は溶媒)脱蝋、次いで、本明細書に記載の水素化触媒による水素化処理に関係するプロセススキームである。なお別の例は、本明細書に記載の水素化触媒による水素化処理と、それに続く(触媒又は溶媒)脱蝋である。代わりに、複数の水素化仕上及び/又は芳香族水素化ステップが、水素化処理、水素化分解又は脱蝋ステップとともに利用されることが可能である。そのようなプロセスフローの例は、水素化仕上、(触媒又は溶媒)脱蝋、次いで再び水素化仕上であり、そしてそこで、水素化仕上ステップの少なくとも1回は、本明細書に記載の水素化触媒を使用するものであってよい。触媒脱蝋が関係するプロセスに関して、有効触媒脱蝋条件は、150℃~400℃、好ましくは、250℃~350℃の温度、791~20786kPa(100~3000psig)、好ましくは、1480~17338kPa(200~2500psig)の圧力、0.1~10時間-1、好ましくは、0.1~5時間-1の液体毎時空間速度、及び45~1780m/m(250~10000scf/B)、好ましくは、89~890m/m(500~5000scf/B)の水素処理気体速度を含むことができる。いずれの適切な脱蝋触媒も使用されてよい。
【0243】
芳香族飽和プロセスの生成物が潤滑剤ベース油であろう実施形態において、インプット供給物も適切な潤滑剤ベース油特性を有するべきである。例えば、第I族又は第II族ベース油として使用するために意図されたインプット供給物は、少なくとも約80、好ましくは少なくとも約90又は好ましくは少なくとも約95の粘度指数(VI)を有することが可能である。第I+族ベース油として使用するために意図されたインプット供給物は、少なくとも約100のVIを有することが可能であるが、第II+族ベース油として使用するために意図されたインプット供給物は、少なくとも110のVIを有することが可能である。インプット供給物の粘度は、100℃において少なくとも2cSt、又は100℃において少なくとも4cSt、又は100℃において少なくとも6cStであることが可能である。
【0244】
追加的に、又は代わりに、これらの触媒をオレフィン重合、炭化水素分解、異性化及び/又はアルキル化のために使用することができる。
【0245】
V.C.色の除去
いくつかの場合、液状炭化水素製品中の不純物を減少させる方法においてオルガノシリカ材料を使用することができる。本方法は、液状炭化水素製品を、本明細書に記載の方法に従って調製された本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させることを含むことが可能である。
【0246】
種々の態様において、不純物は、極性化合物及び/又は芳香族化合物であることが可能である。極性化合物及び/又は芳香族化合物は液状炭化水素の変色を引き起こし得る。本明細書で使用される場合、「極性化合物」は、陰極及び/又は陽極を形成する陰電荷及び/又は陽電荷の部分を有する化合物を意味する。極性化合物は正味の電荷を有さないが、電子は核の間で不均等に共有される。水は、本開示において極性化合物であると考えられる。極性化合物の例としては、限定されないが、窒素含有化合物(例えば、N、NH、NO、ピロール、ピリジン、キノリン、インダゾールなど)及び硫黄含有化合物(例えば、SO、HS、チオフェン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェンなど)が含まれる。追加的に、又は代わりに、芳香族化合物は、単環式芳香族、二環式芳香族及び/又は多環式芳香族(例えば、3環以上)であることが可能である。単環式芳香族化合物の例としては、限定されないが、ベンゼン、トルエン、フラン、ピロール、チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン及びトリアジンが含まれる。二環式芳香族化合物の例としては、限定されないが、ベンゾチオフェン、プリン、ベンズイミダゾール、インダゾール、ナフタレン、キノリン及びキノキサリンが含まれる。多環式芳香族化合物の例としては、限定されないが、アントラセン、アクリジン、フェナントレン、ナフタセン、クリセン、トリフェニレン、ピレン、ペンタセン、コロネン及びコランヌレンが含まれる。特に、多環式芳香族が液状炭化水素から除去される。追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、単環式芳香族に比較して、少なくとも約1.1、少なくとも約1.2、少なくとも約1.4、少なくとも約1.5、少なくとも約1.6、少なくとも約1.8、少なくとも約2.0、少なくとも約2.5、少なくとも約3.0又は少なくとも約4.0の多環式芳香族に対する選択性を有することが可能である。追加的に、又は代わりに、オルガノシリカ材料は、単環式芳香族に比較して、少なくとも約1.1~約4.0、少なくとも約1.1~約3.0、少なくとも約1.2~約2.5、少なくとも約1.1~少なくとも約2.0又は少なくとも約1.1~少なくとも約1.8の多環式芳香族に対する選択性を有することが可能である。
【0247】
追加的に、又は代わりに、液状炭化水素は、ディーゼル燃料、ジェット燃料及び/又はガソリンを含んでもよい。特に、液状炭化水素はディーゼル燃料を含んでもよい。ディーゼル燃料に関して、色は最終製品に対する規格の1つである。液状炭化水素製品(例えばディーゼル燃料)の色レベルは、D6045 ASTMに従って測定されてよい。
【0248】
したがって、種々の態様において、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触後の液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)は、約4.0以下、約3.50以下、約3.0以下、約2.50以下、約2.0以下、約1.50以下、約1.0以下又は約0.1以下若しくは約0.0のD6045 ASTMに従って測定される色レベルを有し得る。特に、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触後の液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)は、約3.0以下又は約2.50以下のD6045 ASTMに従って測定される色レベルを有し得る。
【0249】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触後の液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)は、約0.0~約4.0、約0.0~約3.0、約0.0~約2.0、約0.0~約1.0、約0.1~約4.0、約0.1~約3.0、約0.1~約2.0、約0.0~約1.0、約0.5~約4.0、約0.5~約3.50、約0.5~約3.0、約0.5~約2.50、約0.5~約2.0、約0.5~約1.50、約0.5~約1.0、約1.0~約4.0、約1.0~約3.50、約1.0~約3.0、約1.0~約2.50、約1.0~約2.0、約1.0~約1.50、約1.50~約4.0、約1.50~約3.50、約1.50~約3.0、約1.50~約2.50、約1.50~約2.0、約2.0~約4.0、約2.0~約3.50、約2.0~約3.0又は約2.0~約2.50のD6045 ASTMに従って測定される色レベルを有し得る。
【0250】
いくつかの場合、液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)における変色は、様々な硫黄レベルでの液状炭化水素製品中に存在する芳香族化合物(例えば、多環式芳香族)及び/又は極性化合物によるものであり得る。したがって、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触前の液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)は、約50ppm以下の硫黄、約45ppm以下の硫黄、約40ppm以下の硫黄、約35ppm以下の硫黄、約30ppm以下の硫黄、約25ppm以下の硫黄、約20ppm以下の硫黄、約8ppm以下の硫黄、約15ppm以下の硫黄、約10ppm以下の硫黄、約8ppm以下の硫黄、約5ppm以下の硫黄、約3ppm以下の硫黄、約2ppm以下の硫黄、約1ppm以下の硫黄又は約0.1ppm以下の硫黄を含み得る。特に、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触前の液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)は、約20ppm以下の硫黄又は約10ppm以下の硫黄を含み得る。
【0251】
追加的に、又は代わりに、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触前の液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)は、約0.1ppm~約50ppmの硫黄、約0.1ppm~約40ppmの硫黄、約0.1ppm~約30ppmの硫黄、約0.1ppm~約25ppmの硫黄、約0.1ppm~約20ppmの硫黄、約0.1ppm~約16ppmの硫黄、約0.1ppm~約12ppmの硫黄、約0.1ppm~約10ppmの硫黄、約0.1ppm~約5ppmの硫黄、約0.1ppm~約3ppmの硫黄、約0.1ppm~約1ppmの硫黄、約1ppm~約50ppmの硫黄、約1ppm~約40ppmの硫黄、約1ppm~約30ppmの硫黄、約1ppm~約25ppmの硫黄、約1ppm~約20ppmの硫黄、約1ppm~約16ppmの硫黄、約1ppm~約12ppmの硫黄、約1ppm~約10ppmの硫黄、約1ppm~約5ppmの硫黄、約1ppm~約3ppmの硫黄、約5ppm~約50ppmの硫黄、約5ppm~約40ppmの硫黄、約5ppm~約30ppmの硫黄、約5ppm~約25ppmの硫黄、約5ppm~約20ppmの硫黄、約5ppm~約16ppmの硫黄、約5ppm~約12ppmの硫黄、約5ppm~約10ppmの硫黄又は約5ppm~約7ppmの硫黄を含み得る。
【0252】
追加的に、又は代わりに、単環式芳香族、二環式芳香族又は多環式芳香族は、別個に又は一緒に、約1重量%未満、約2重量%未満、約4重量%未満、約5重量%未満、約6重量%未満、約8重量%未満又は約10重量%未満の量で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)から除去され得、特に、多環式芳香族は、約1重量%未満の量で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)から除去され得る。
【0253】
追加的に、又は代わりに、単環式芳香族、二環式芳香族又は多環式芳香族は、別個に又は一緒に、約1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約2.5重量%、約2重量%~約10重量%、約2重量%~約7.5重量%、約2重量%~約5重量%、約3重量%~約10重量%、約3重量%~約7.5重量%、約3重量%~約5重量%、約4重量%~約10重量%、約4重量%~約7.5重量%、約4重量%~約5重量%、約5重量%~約10重量%、約5重量%~約7.5重量%、約6重量%~約10重量%、約6重量%~約87.5重量%又は約7.5重量%~約10重量%の量で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)から除去され得る。
【0254】
種々の態様において、約10℃以上、約12℃以上、約14℃以上、約16℃以上、約18℃以上、約20℃以上、約22℃以上、約24℃以上、約26℃以上、約28℃以上、約30℃以上、約32℃以上、約34℃以上、約36℃以上、約38℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約55℃以上、約60℃以上、約65℃以上、約70℃以上、約75℃以上又は約80℃以上の温度で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)を本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させてよい。特に、約10℃~約80℃、特に約12℃~約40℃、特に約14℃~約36℃、特に約18℃~約28℃又は特に約20℃~約28℃の温度で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)を本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させてよい。
【0255】
追加的に、又は代わりに、上記温度で、且つ約2psi以上、約4psi以上、約5psi以上、約6psi以上、約8psi以上、約10psi以上、約12psi以上、約14psi以上、約16psi以上、約18psi以上、約20psi以上、約25psi以上又は約30psi以上の圧力で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)を本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させてよい。特に、上記温度で、且つ約2psi~約30psi、特に約4psi~約25psi、特に約5psi~約16psi又は特に約6psi~約14psiの圧力で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)を本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させてよい。
【0256】
種々の態様において、オルガノシリカ材料をカラム中に詰めてもよく、その中で液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)を接触させてもよい。追加的に、又は代わりに、液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)の水素処理に続いて、液状炭化水素製品(例えば、ディーゼル燃料)をオルガノシリカ材料と接触させてよい。
【0257】
別の実施形態において、ディーゼル燃料製品の色を改善する方法が本明細書において提供される。本方法は、ディーゼル燃料製品を本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させて、改善された色のディーゼル燃料製品を生じることを含む。「改善された色のディーゼル燃料製品」とは、本明細書に記載のオルガノシリカ材料との接触後にD6045 ASTMに従って測定した場合に、より低い色レベルを有するディーゼル燃料製品を意味する。例えば、ディーゼル燃料製品が、オルガノシリカ材料との接触前にD6045 ASTMに従って測定した場合に最初は5の色レベルを有する場合、改善された色のディーゼル燃料製品は、オルガノシリカ材料との接触後にD6045 ASTMに従って測定した場合に5未満の色レベルを有するであろう。特に、オルガノシリカ材料は、式(I)の単位、並びに任意選択的に式(II)及び/又は式(III)の単位を含み得る。
【0258】
種々の態様において、本明細書に記載の温度(例えば約18℃~約28℃)及び/又は本明細書に記載の圧力(例えば、約5psi~約16psi)でディーゼル燃料製品を本明細書に記載のオルガノシリカ材料と接触させてよい。追加的に、又は代わりに、ディーゼル燃料の水素処理後にディーゼル燃料製品をオルガノシリカ材料と接触させてよい。オルガノシリカ材料はカラム中に詰め込まれていてもよい。
【0259】
ディーゼル燃料製品は、オルガノシリカ材料との接触の前に、D6045 ASTMに従って測定した場合に約3.0以上、約3.5以上、約4.0以上、約4.5以上、約5.0以上、約5.5以上、約6.0以上、約6.5以上、約7.0以上、約7.5以上、約8.0以上、約9.0以上又は約10.0以上の色レベルを有し得る。特に、ディーゼル燃料製品は、オルガノシリカ材料との接触の前に、D6045 ASTMに従って測定した場合に約5.0以上の色レベルを有し得る。追加的に、又は代わりに、ディーゼル燃料製品は、オルガノシリカ材料との接触の前に、D6045 ASTMに従って測定した場合に約3.0~約10.0、約3.5~約10.0、約4.0~約10又は約5.0~約10の色レベルを有し得る。
【0260】
追加的に、又は代わりに、改善された色のディーゼル燃料製品は、上記の通りオルガノシリカ材料との接触後に、D6045 ASTMに従って測定される色、例えば、約3.0以下又は約2.50以下のD6045 ASTMに従って測定される色レベルを有し得る。
【0261】
VI.さらなる実施形態
本開示は、次の実施形態の1つ以上を追加的に、又は代わりに含むことができる。
【0262】
実施形態1.オルガノシリカ材料の調製方法であって、
(a)少なくとも1種の式[(RO)SiCH(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式[R’ROSiCH(Ib)の化合物(式中、各R’は独立してRO-基、R基又は(RO)Si-CH-基を表し、少なくとも1個のR’は(RO)Si-CH-であり;且つRはC~Cアルキル基、好ましくはメチル又はエチル基、より好ましくはエチル基を表す)を含む出発材料混合物を準備することと;
(b)得られる溶液が構造指向剤を本質的に含有しないように、酸性又は塩基性水性混合物中に出発材料混合物を添加することと;
(c)例えば約50℃~約200℃の温度において144時間まで、溶液を硬化して、プレ製品を製造することと;
(d)式[RSiCH(I)(式中、各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rは、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基、C~Cアルキル基、又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す)の独立シロキサン単位を含むポリマーであり、約1.0nmより大きい、例えば2.0nm~約25nmの平均細孔直径を有するオルガノシリカ材料を得るために、プレ製品を乾燥させることと
を含む方法。
【0263】
実施形態2.式(Ia)及び式(Ib)の間の比率が、約1:10~約20:1、好ましくは1:1~20:1、より好ましくは1:1~10:1である、実施形態1の方法。
【0264】
実施形態3.少なくとも1種の式(Ia)の化合物が、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンであり、且つ/又は少なくとも1種の式(Ib)の化合物が、1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンである、実施形態1又は2の方法。
【0265】
実施形態4.各Rが、ヒドロキシル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rが、ヒドロキシル基、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基又は別のシロキサン単位のケイ素原子に結合した酸素原子を表す、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0266】
実施形態5.各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表し、且つ各Rが、ヒドロキシル基、エトキシ基又は別のシロキサンのケイ素原子に結合した酸素原子を表す、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0267】
実施形態6.
(i)式(Ia)のさらなる化合物;
(ii)式(Ib)のさらなる化合物;
(iii)式
【化17】
(式中、各Zは、独立して、XOXSiX基であり、各Xは、C~Cアルキル基を表し;X及びXは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基を表し;且つ各Xは、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基を表す)の環式化合物;
(iv)式ZOZSi(IIIa)(式中、各Zは、C~Cアルキル基を表し、且つZ、Z及びZは、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有ヘテロアラルキル基、及び窒素を含有する任意選択的に置換されたヘテロシクロアルキル基からなる群から選択される)の化合物;
(v)式Z101112Si-Z-SiZ1011112(IVa)(式中、各Z10は、独立して、C~Cアルコキシ基を表し;Z11及びZ12は、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基を表し;且つ各Zは、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、窒素含有C~C10アルキレン基、任意選択的に置換されたC~C20アラルキル基及び任意選択的に置換されたC~C20ヘテロシクロアルキル基である)の化合物;
(vi)三価金属酸化物の供給源;
(vii)シリカ含有材料;並びに
(viii)それらの組合せ
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を酸性又は塩基性水性混合物に添加することをさらに含む、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0268】
実施形態7.少なくとも1種の化合物が、各Xが、C~Cアルキル基を表し;X及びXが、それぞれ独立して、C~Cアルキル基又はC~Cアルコキシ基を表し;且つ各Xが、環式化合物の窒素原子に結合したC~Cアルキレン基を表す、式(IIa)の化合物であり、好ましくは式(IIa)の少なくとも1種の化合物が、トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートである、実施形態6の方法。
【0269】
実施形態8.少なくとも1種の化合物が、各Zが、C~Cアルキル基を表し、且つZ、Z及びZが、それぞれ独立して、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、窒素含有C~C10アルキル基、窒素含有C~C10ヘテロアラルキル基又は窒素を含有する任意選択的に置換されたC~C10ヘテロシクロアルキル基である、式(IIIa)の化合物であり、好ましくは、式(IIIa)の化合物が、テトラエチルオルトシリケート、メチルトリエトキシシラン、(N,N-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、4-メチル-1-(3-トリエトキシシリルプロピル)-ピペラジン、4-(2-(トリエトキシシリル)エチル)ピリジン、1-(3-(トリエトキシシリル)プロピル)-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール及び(3-アミノプロピル)トリエトキシシランからなる群から選択される、実施形態6の方法。
【0270】
実施形態9.少なくとも1種の化合物が、各Z10が、独立して、C~Cアルコキシ基を表し;Z11及びZ12が、それぞれ独立して、C~Cアルコキシ基又はC~Cアルキル基を表し;且つ各Zが、C~Cアルキレン基、C~Cアルケニレン基、C~Cアルキニレン基、及び窒素含有C~C10アルキレン基からなる群から選択される、式(IVa)の化合物であり、好ましくは、式(IVa)の化合物が、1,2-ビス(メチルジエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2-ビス(トリエトキシシリル)エチレン、N,N’-ビス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[(メチルジエトキシシリル)プロピル]アミン、及びビス[(メチルジメトキシシリル)プロピル]-N-メチルアミンからなる群から選択される、実施形態6の方法。
【0271】
実施形態10.少なくとも1種の化合物が、三価金属酸化物の供給源であって、三価金属酸化物の供給源が、
(i)式M(OZ13(Va)(式中、Mは、第13族金属を表し、且つ各Z13が、独立して、C~Cアルキル基を表す)の化合物;又は
(ii)式(Z14O)-O-Si(OZ15(VIa)(式中、Mは、第13族金属を表し、且つZ14及びZ15は、それぞれ独立して、C~Cアルキル基を表す)の化合物
の少なくとも1種である、実施形態6の方法。
【0272】
実施形態11.三価金属酸化物の供給源が、Mが、Al又はBであり、且つ各Z13が、独立して、C~Cアルキル基を表す、式(Va)の化合物であり、好ましくは、三価金属酸化物の供給源が、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド及びアルミニウム-トリ-sec-ブトキシドからなる群から選択される、実施形態6又は10の方法。
【0273】
実施形態12.三価金属酸化物の供給源が、Mが、Al又はBであり;且つZ14及びZ15が、それぞれ独立して、C~Cアルキル基を表す、式(VIa)の化合物である、実施形態6又は10の方法。
【0274】
実施形態13.水性塩基性混合物が塩基を含み、且つ約8~約14のpHを有し、好ましくは塩基が水酸化アンモニウム又は水酸化金属である、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0275】
実施形態14.水性酸性混合物が酸を含み、且つ約0.01~約6.0のpHを有し、好ましくは酸が無機酸であり、好ましくは無機酸が塩酸である、実施形態1~12のいずれか一項の方法。
【0276】
実施形態15.プレ製品が約70℃~約200℃の温度で乾燥される、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0277】
実施形態16.オルガノシリカ材料が、以下:
(i)約2.0nm~約25.0nmの平均細孔直径;
(ii)約50m/g~約2500m/gの全表面積;及び
(iii)約0.1cm/g~約3.0cm/gの細孔体積
の1つ以上を有する、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0278】
実施形態17.式(Ia)対式(Ib)の比率が約1:1~約5:1であり、且つオルガノシリカ材料が、平均細孔直径の二峰性分布を有する、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0279】
実施形態18.オルガノシリカ材料が単相である、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0280】
実施形態19.ステップa)において準備される出発材料混合物が、Xが塩化物又は臭化物から選択される式(RO)Si-CH-MgXの化合物を溶媒中で加熱し、少なくとも1種の式(Ia)の化合物及び少なくとも1種の式(Ib)の化合物を含む出発材料混合物を準備するグリニャール反応によって得られる、上記実施形態のいずれか一項の方法。
【0281】
実施形態20.グリニャール反応によって得られる出発材料混合物が、それから少なくとも1種の式(Ib)の化合物をいずれも分離することなく、ステップb)において使用される、実施形態19の方法。
【0282】
実施形態21.上記実施形態のいずれか一項の方法によって調製されるオルガノシリカ材料。
【0283】
実施形態22.液状炭化水素製品中で不純物を減少させるため;ディーゼル燃料製品の色を改善するため;気体分離のため;或いは芳香族水素化プロセス、オレフィン重合、炭化水素分解、異性化又はアルキル化において使用するための触媒支持体材料としての、実施形態21のオルガノシリカ材料の使用。
【実施例
【0284】
以下の実施例は単に例示的なものであり、且ついずれかの様式で本開示を限定するものではない。
【0285】
一般方法
小角X線回折分析
X線粉末回折(XRD)パターンは、低角測定用の付属品を備えたPANalytical X’pert回折計上で収集した。XRD分析は、0.0167°のステップサイズ及び1.2秒の計数時間を用いて、0.5~10°の2θ範囲におけるCuKα(=1.5405980Å)線を使用して記録された。
【0286】
ソリッドステート(SS)NMR測定
データ取得間にプロトン非干渉化を用いて、5kHzスピニング、4.0μs 90°パルス及び少なくとも60秒のリサイクル遅延(recycle delay)を使用して、7.5mm MASプローブヘッドを用い、それぞれ79.4MHz及び99.2MHzの29Siラーモア周波数に相当するVarian InfinityPlus(商標)-400分光計(9.4Tで運転)及びVarian InfinityPlus(商標)-500分光計(11.74Tで運転)上で29Si MAS NMRスペクトルを記録した。29Si化学シフトは外部テトラメチルシラン(δSi=0.0ppm)に対して参照される。データ取得間にプロトン非干渉化を用いて、40kHzスピニング、少なくとも1ミリ秒のH-13C交差分極(CP)接触時間、少なくとも1秒のリサイクル遅延を使用して、1.6mm MASプローブヘッドを用い、125MHzの13Cラーモア周波数に相当するVarian InfinityPlus(商標)-500分光計上で13C CPMAS NMRスペクトルを記録した。13C化学シフトは外部テトラメチルシラン(δ=0.0ppm)に対して参照される。データ取得間にプロトン非干渉化及び0.3秒のリサイクル遅延を用いて、π/12ラジアンパルス幅で、12kHzスピニングを使用して、4mm MASプローブヘッドを使用し、130.1MHzの27Alラーモア周波数に相当するVarian InfinityPlus(商標)-500分光計上で27Al MAS NMRスペクトルを記録した。化学シフトは、Al(HO) 3+の外部溶液(δAl=0.0ppm)に対して参照される。全てのNMRスペクトルは、スピニング用の空気を使用して室温で記録された。
【0287】
窒素空孔率測定
窒素吸着/脱着分析は、種々の道具、例えば、Micromeritics(商標)TriStar 3000、Micromeritics(商標)TriStar II 3020及びQuantachrome Instruments Autosorb(商標)-1で実行した。N等温線を収集する前、全ての試料は、4時間、減圧下で120℃において前処理した。分析プログラムによって実験データを計算し、そしてBET表面積(全表面積)、ミクロポーラス表面積(S)、全細孔体積、ミクロ細孔の細孔体積、平均細孔直径(又は半径)などを報告する。
【0288】
実施例1-塩基性水性媒体中で式(Ia)及び式(Ib)化合物の混合物を使用するオルガノシリカ材料合成
1A.界面活性剤を用いずに、塩基性水性媒体中で1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを使用する合成
1.5gの30%NHOH及び2.0gの脱イオン水(DI)水を用いて溶液を製造した。溶液のpHは12.5であった。溶液に、7:1のA:B比を有する1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(A)及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(B)を含有する、1.0gの出発混合物1(詳細に関しては、実施例2を参照のこと)を添加し、溶液を製造し、これを室温(20~25℃)において7日間撹拌した。溶液をオーブンに移し、そして90℃で1日間硬化し、ゲルを製造した。ゲルを減圧下で1日間、120℃において乾燥させた。これによって固体ゲルとして試料1を製造した。これは粉砕後、白色粉末へと変換された。本調製において、表面指向剤又はプロゲンは使用されなかった。
【0289】
XRD分析
試料1においてXRDを実行した。試料1のXRDパターンを図1に示す。
【0290】
窒素吸着/脱着分析
試料1において窒素吸着/脱着分析を実行した。試料1に対する窒素吸着/脱着分析によって得られた表面積及び平均細孔直径を以下の表1、並びに図2及び3に示す。
【0291】
SS-NMR-分析
29Si MAS NMRによって試料1の特徴決定を行い、結果を図4に示す。
【0292】
1B.界面活性剤を用いた、塩基性水性媒体中で1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを使用する合成(別の実施形態)
6.21gのNHOH(30重量%)及び7.92gのDI水の混合物中に臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTMABr、0.64g、Aldrich)を溶解した。溶液に、7:1のA:B比を有する1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(A)及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(B)を含有する、1.0gの出発混合物1を添加し、溶液を製造し、これを20~25℃において1日間撹拌した。その後、溶液をオーブン中90℃で1日間硬化し、次いで減圧下で1日間、120℃において乾燥させた。界面活性剤、CTMABrを抽出によって除去した。24gの塩酸(HCl)(36重量%)及び180gのメタノール中、固体を添加し、そして3日間撹拌した。次いで、固体をろ過によって回収し、メタノール及びDI水で洗浄し、そして減圧下120℃において乾燥させ、試料2を得た。
【0293】
XRD分析
試料2においてXRDを実行した。試料2のXRDパターンを図1に示す。
【0294】
窒素吸着/脱着分析
試料2において窒素吸着/脱着分析を実行した。試料2に対する窒素吸着/脱着分析によって得られた表面積及び平均細孔直径を以下の表1、並びに図2及び3に示す。
【0295】
1C.界面活性剤を用いずに、塩基性水性媒体中で純粋な1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを使用する比較合成
18.6gの30%NHOH及び23.76gの脱イオン水(DI)水を用いて溶液を製造した。溶液のpHは12.55であった。溶液に、3.0gの1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン([(EtO)SiCH)を添加し、
1.0 [(EtO)SiCH:21 OH:270 H
のモル組成を有する混合物を製造し、これを室温(20~25℃)において1日間撹拌した。溶液をオートクレーブに移し、そして80℃~90℃で1日間老化し、ゲルを製造した。ゲルを減圧下80℃で乾燥させて、ほとんどの水分を除去し、次いで3時間、110℃において完全に乾燥させた。これによって透明固体として比較試料1を製造した。これは粉砕後、白色粉末へと変換された。本調製において、表面指向剤又はプロゲンは使用されなかった。
【0296】
XRD分析
比較試料1においてXRDを実行した。比較試料1のXRDパターンを図1に示す。
【0297】
窒素吸着/脱着分析
比較試料1において窒素吸着/脱着分析を実行した。比較試料1に対する窒素吸着/脱着分析によって得られた表面積及び平均細孔直径を以下の表1、並びに図2及び3に示す。
【0298】
1D.界面活性剤を用いずに、塩基性水性媒体中で1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを使用する合成
1.5gの30%NHOH及び2.0gの脱イオン水(DI)水を用いて溶液を製造した。溶液のpHは12.5であった。溶液に、7:1のA:B比を有する1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(A)及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(B)を含有する、1.0gの出発混合物1を添加し、溶液を製造し、これを室温(20~25℃)において12時間撹拌した。溶液をオーブンに移し、そして90℃で1日間硬化し、ゲルを製造した。ゲルを減圧下で1日間、120℃において乾燥させた。これによって2つの別個の層を有する固体ゲルとして試料2aを製造した。2つの層を分離し、そして粉砕後、白色粉末へと変換された。本調製において、表面指向剤又はプロゲンは使用されなかった。
【0299】
窒素吸着/脱着分析
試料2aにおいて窒素吸着/脱着分析を実行し、それによって、試料2aの上部又は上層が1165m/gの表面積及び3.9nmの平均細孔直径を有するのに対して、底部又は下層はBET表面を有さないことが明らかとなった。このことは、底部又は下層において非多孔性材料が形成されたことが示された。
【0300】
試料1、試料2、試料2a及び比較試料1に対する窒素吸着/脱着分析によって得られた表面積及び平均細孔直径を以下の表1に示す。
【0301】
【表1】
【0302】
これらの結果は、式(Ia)及び式(Ib)化合物の混合物から出発することによって、純粋な1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサンで製造されたもの(比較試料1)に類似するオルガノシリカ材料(試料1及び2)が得られることを示す。
【0303】
実施例2-塩基性水性媒体中1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンの様々な比率を使用するオルガノシリカ材料合成
実施例2a:1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンの様々な比率の出発混合物の調製
70mlの乾燥テトラヒドロフラン(THF)中0.5重量%FeClの溶液を7gのMgターニングに添加し、次いで、灰色の混合物が可視化するまで撹拌し、そしてこの混合物を不活性雰囲気下で保持した。乾燥テトラヒドロフラン(THF)中の様々な濃度のクロロメチルトリエトキシシランの溶液を混合物にゆっくり添加してグリニャール試薬((トリエトキシシリル)メチル)塩化マグネシウムを形成し、そして以下の表1に示されるように、様々な時間及び様々な温度で撹拌した。減圧下でTHFを除去し、そして残渣に乾燥ヘキサンを添加した。また残渣をろ過し、そして減圧下でヘキサンを除去して、表2に示す通り様々な比率及び収率で1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(A)及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(B)の出発混合物1~7を得た。A:Bの比率は標準ガスクロマトグラフィー法によって算出された。
【0304】
【表2】
【0305】
表2に示す通り、グリニャール試薬の濃度が増加すると、A及びBの合計収率が低下する結果となり;したがって、A:Bの比率は、グリニャール試薬の濃度が増加すると減少する。出発混合物2で示される通り、温度が低下すると反応が遅くなり、したがって、反応を完了させるためにより長い反応時間が必要となったが、A及びBの全体収率は増加した。出発混合物1において製造された得られたA及びB混合物のガスクロマトグラフィートレースを図5に示す。
【0306】
実施例2a:界面活性剤を用いずに、塩基性水性媒体中で出発混合物2~7を使用するオルガノシリカ材料合成
オルガノシリカ材料は、以下の表3に示すように試料3~6及び8~10を得るために、上記表2からの1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(A)及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサン(B)の出発混合物2~7を用いたことを除き、実施例1aに記載の通り調製された。試料7は、以下の表3に示すように出発混合物4及び純粋な[(EtO)SiCHを使用することを除き、実施例1aに記載の通り調製された。
【0307】
窒素吸着/脱着分析
試料3~10において窒素吸着/脱着分析を実行した。試料3~10に対する窒素吸着/脱着分析によって得られた表面積及び平均細孔直径を以下の表3及び図6(試料9及び10のみ)に示す。図6に示す通り、試料9及び10は、細孔直径の二峰性分布を示した。
【0308】
【表3】
【0309】
試料7の熱水安定性研究
試料7に140℃において3日間、水を用いて蒸気処理を受けさせ、蒸気処理試料7を得た。試料7及び蒸気処理試料7において窒素吸着/脱着分析を実行した。試料7及び蒸気処理試料7に対する窒素吸着/脱着分析によって得られた表面積、細孔体積及び平均細孔直径を以下の表4に示す。
【0310】
【表4】
【0311】
実施例3-界面活性剤を用いずに、塩基性水性媒体中でシリカと一緒に1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを使用するオルガノシリカ材料合成
4.0gの30%NHOH、4.0gのDI水及び4.0gのLUDOX(登録商標)HS-40を用いて溶液を製造した。溶液のpHは12.4であった。溶液に、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンからなる、2.0gの出発混合物4を添加し、溶液を製造し、これを室温(20~25℃)において1日間撹拌した。溶液をオートクレーブに移し、そして90℃で1日間老化し、ゲルを製造した。ゲルを減圧下で1日間、120℃において乾燥させた。これによって固体ゲルとして試料11を製造した。これは粉砕後、白色粉末へと変換された。本調製において、表面指向剤又はプロゲンは使用されなかった。
【0312】
窒素吸着/脱着分析
試料11において窒素吸着/脱着分析を実行した。以下の表5に示される通り、より大きい細孔サイズを有するメソポーラスオルガノシリカ材料が示される。
【0313】
【表5】
【0314】
実施例4-界面活性剤を用いずに、塩基性水性媒体中でトリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートと一緒に1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンを使用するオルガノシリカ材料合成
3.11gの30%NHOH及び3.96gのDI水を用いて溶液を製造した。溶液に、1.0gのトリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、1,1,3,3,5,5-ヘキサエトキシ-1,3,5-トリシラシクロヘキサン及び1,1,3,3,5-ペンタエトキシ-5-((トリエトキシシリル)メチル)-1,3,5-トリシラシクロヘキサンからなる、1.0gの出発混合物4を添加し、溶液を製造し、これを室温(20~25℃)において1日間撹拌した。溶液をオーブンに移し、そして90℃で1日間硬化し、ゲルを製造した。ゲルを減圧下で1日間、120℃において乾燥させた。これによって固体ゲルとして試料12を製造した。これは粉砕後、白色粉末へと変換された。本調製において、表面指向剤又はプロゲンは使用されなかった。
【0315】
窒素吸着/脱着分析
試料12において窒素吸着/脱着分析を実行した。以下の表6に示される通り、より大きい細孔サイズを有するメソポーラスオルガノシリカ材料が示される。
【0316】
【表6】
図1
図2
図3
図4
図5
図6