(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20220831BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220831BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220831BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 624B
G09G3/20 680H
G09G3/20 631B
G09G3/20 631C
G09G3/20 631D
G09G3/20 631M
G09G3/20 660V
G09G3/20 624C
G09G3/20 623D
G09G3/20 622Q
G09G3/20 621M
G02F1/1368
G02F1/133 550
(21)【出願番号】P 2021029899
(22)【出願日】2021-02-26
(62)【分割の表示】P 2017082851の分割
【原出願日】2017-04-19
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】光澤 穣
(72)【発明者】
【氏名】仲尾 貴之
(72)【発明者】
【氏名】玉置 昌哉
(72)【発明者】
【氏名】小澤 裕
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-278498(JP,A)
【文献】特開2007-147932(JP,A)
【文献】特開2015-145919(JP,A)
【文献】国際公開第2012/090803(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0139335(US,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0611700(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0089496(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1365093(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0091579(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101317211(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G09G 3/20
G02F 1/1368
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極と、該画素電極による表示を制御する副画素データを格納する第1メモリと第2メモリと、当該第1メモリと画素電極との間に設けられる第1メモリスイッチと、第2メモリと画素電極との間に設けられる第2メモリスイッチと、をそれぞれ備える複数の副画素と、
各副画素の前記第1メモリスイッチに接続されている第1メモリ選択線と、第2メモリスイッチに接続されている第2メモリ選択線と、
前記第1メモリ選択線と前記第2メモリ選択線に接続され、いずれか一方のメモリ選択線にメモリ選択信号を供給するメモリ選択回路と、
前記複数の副画素に共通なコモン電位が供給される共通電極と、
前記コモン電位を基準信号に同期して反転させて、前記共通電極に出力する、共通電極駆動回路と、
を備え、
前記複数の副画素は、
前記メモリ選択回路から前記メモリ選択信号が供給された前記メモリ選択線に応じて、前記第1メモリと第2メモリのいずれかに格納されている前記副画素データに基づいて画像を表示し、
前記メモリ選択回路は、
動画像を表示する場合に前記基準信号を通過させ、静止画像を表示する場合に前記基準信号を遮断するスイッチを有し、動画像を表示する場合に、前記第1メモリ選択線及び前記第2メモリ選択線のいずれか一方のメモリ選択線に前記メモリ選択信号を前記基準信号の1周期供給し、静止画像を表示する場合に、前記第1メモリ選択線及び前記第2メモリ選択線のいずれか一方のメモリ選択線に前記メモリ選択信号を供給し続け、
動画像を表示する場合に、前記メモリ選択回路による第1メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さと前記第2メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さは、前記基準信号の1周期であり
、互いに同じである、
表示装置。
【請求項2】
前記メモリ選択回路は、
動画像を表示する場合に、前記第1メモリ選択線に前記メモリ選択信号を供給した後、前記第2メモリ選択線に前記メモリ選択信号を供給し、その直後に再度前記第1メモリ選択線に前記メモリ選択信号を供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
動画像を表示する場合に、前記メモリ選択回路が各メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さは、前記基準信号の1周期でありすべて同じである
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記画素電極で表示される副画素データを格納する第3メモリと、当該第3メモリと画素電極との間に設けられる第3メモリスイッチと、が各副画素にさらに設けられると共に、
当該第3メモリスイッチと前記メモリ選択回路に接続される第3メモリ選択線をさらに備え、
前記複数の副画素は、
前記メモリ選択回路から前記メモリ選択信号が供給された前記メモリ選択線に応じて、前記第1メモリ、第2メモリ及び第3メモリのいずれかに格納されている前記副画素データに基づいて画像を表示し、
動画像を表示する場合に、前記メモリ選択回路による第1メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さと、前記第2メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さと、前記第3メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さは、前記基準信号の1周期であり
、すべて同じである、
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記コモン電位と同相の表示信号を供給する第1表示信号線と、前記コモン電位と逆相の表示信号を供給する第2表示信号線と、
を更に備え、
前記各副画素は、
いずれかのメモリから出力される前記副画素データに基づいて、前記第1表示信号線と第2表示信号線のいずれかを副画素電極に接続するスイッチ回路を更に備えており、
前記メモリ選択回路は、
動画像を表示する場合に、前記基準信号に基づいて前記共通電極駆動回路と同期しており、各メモリ選択線に供給されるメモリ選択信号を供給する期間における前記コモン電位の反転駆動期間の長さは、前記基準信号の1周期であり
、すべて同じである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を表示する表示装置は、複数の画素を備える。下記の特許文献1には、複数の画素の各々がメモリを含む、いわゆるMIP(Memory In Pixel)型の表示装置が記載されている。特許文献1記載の表示装置では、複数の画素の各々が、複数のメモリとこれらのメモリの切替え回路とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の表示装置では、各画素のメモリの切り替えは、切り替え回路を走査信号により操作する線順次走査によって行われる。従って、特許文献1記載の表示装置では、全部の画素のメモリの切り替えには、1フレーム時間が必要である。つまり、特許文献1記載の表示装置では、画像(フレーム)を変化させるために、1フレーム時間が必要である。
【0005】
本発明は、画像を短時間で変化させることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の表示装置は、画素電極と、該画素電極による表示を制御する副画素データを格納する第1メモリと第2メモリと、当該第1メモリと画素電極との間に設けられる第1メモリスイッチと、第2メモリと画素電極との間に設けられる第2メモリスイッチと、をそれぞれ備える複数の副画素と、各副画素の第1メモリスイッチに接続されている第1メモリ選択線と、第2メモリスイッチに接続されている第2メモリ選択線と、第1メモリ選択線と第2メモリ選択線に接続され、いずれか一方のメモリ選択線にメモリ選択信号を供給するメモリ選択回路と、を備える。複数の副画素は、メモリ選択回路からメモリ選択信号が供給されたメモリ選択線に応じて、第1メモリと第2メモリのいずれかに格納されている副画素データに基づいて画像を表示し、メモリ選択回路による第1メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さと第2メモリ選択線にメモリ選択信号を供給する期間の長さは同じである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態の表示装置の全体構成の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態の表示装置の断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態の表示装置の画素内での副画素の配置を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態の表示装置の回路構成を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態の表示装置の副画素の回路構成を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態の表示装置の副画素のメモリの回路構成を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態の表示装置の副画素の反転スイッチの回路構成を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態の表示装置の副画素のレイアウトの概要を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態の表示装置の動作タイミングを示すタイミング図である。
【
図10】
図10は、実施形態の表示装置の適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態)
[全体構成]
図1は、実施形態の表示装置の全体構成の概要を示す図である。表示装置1は、第1パネル2と、第1パネル2に対向配置された第2パネル3と、を含む。表示装置1は、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの外側の額縁領域GDと、を有する。表示領域DAにおいて、第1パネル2と第2パネル3との間には、液晶層が封入されている。
【0010】
なお、実施形態では、表示装置1は、液晶層を使用した液晶表示装置としたが、本開示はこれに限定されない。表示装置1は、液晶層に代えて有機EL(Electro-Luminescence)素子を使用した有機EL表示装置であっても良い。
【0011】
表示領域DA内には、複数の画素Pixが、第1パネル2及び第2パネル3の主面と平行なX方向にN列(Nは、自然数)、第1パネル2及び第2パネル3の主面と平行且つX方向と交差するY方向にM行(Mは、自然数)のマトリクス状に配置されている。額縁領域GD内には、インタフェース回路4と、ソース線駆動回路5と、共通電極駆動回路6と、反転駆動回路7と、メモリ選択回路8と、ゲート線駆動回路9と、ゲート線選択回路10とが、配置されている。なお、これら複数の回路のうち、インタフェース回路4と、ソース線駆動回路5と、共通電極駆動回路6と、反転駆動回路7と、メモリ選択回路8とをICチップに組み込み、ゲート線駆動回路9と、ゲート線選択回路10とを第1パネル上に形成した構成を採用することも可能である。或いは、ICチップに組み込まれる回路群を表示装置外のプロセッサに形成し、それらと表示装置とを接続する構成も採用可能である。
【0012】
M×N個の画素Pixの各々は、複数の副画素SPixを含む。実施形態では、複数の副画素SPixは、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3個とするが、本開示はこれに限定されない。複数の副画素SPixは、R(赤)、G(緑)及びB(青)にW(白)を加えた4個であっても良い。或いは、複数の副画素SPixは、色が異なる5個以上であっても良い。
【0013】
実施形態では、複数の副画素SPixが3個であるので、表示領域DA内には、M×N×3個の副画素SPixが配置されていることになる。また、実施形態では、M×N個の画素Pixの各々の3個の副画素SPixがX方向に配置されているので、M×N個の画素Pixの1つの行には、N×3個の副画素SPixが配置されていることになる。
【0014】
各副画素SPixは、複数のメモリを含む。実施形態では、複数のメモリは、第1メモリから第3メモリまでの3個とするが、本開示はこれに限定されない。複数のメモリは、2個であっても良いし、4個以上であっても良い。
【0015】
実施形態では、複数のメモリが3個であるので、表示領域DA内には、M×N×3×3個のメモリが配置されていることになる。また、実施形態では、各副画素SPixが3個のメモリを含んでいるので、M×N個の画素Pixの1つの行には、N×3×3個のメモリが配置されていることになる。
【0016】
各副画素SPixは、各々が含む第1のメモリから第3のメモリまでの内の選択された1個のメモリに格納されている副画素データに基づいて、当該副画素SPixの表示が実施される。つまり、M×N×3個の副画素SPixに含まれるM×N×3×3個のメモリの集合は、3個のフレームメモリと同等である。
【0017】
インタフェース回路4は、シリアル-パラレル変換回路4aと、タイミングコントローラ4bと、を含む。タイミングコントローラ4bは、設定レジスタ4cを含む。シリアル-パラレル変換回路4aには、コマンドデータCMD及び画像データIDが、外部回路からシリアルに供給される。外部回路は、ホストCPU(Central Processing Unit)又はアプリケーションプロセッサが例示されるが、本開示はこれらに限定されない。
【0018】
シリアル-パラレル変換回路4aは、供給されたコマンドデータCMDをパラレルに変換して、設定レジスタ4cに出力する。設定レジスタ4cには、ソース線駆動回路5、反転駆動回路7、メモリ選択回路8、ゲート線駆動回路9及びゲート線選択回路10を制御するための値がコマンドデータCMDに基づいて設定される。
【0019】
シリアル-パラレル変換回路4aは、供給された画像データIDをパラレルに変換して、タイミングコントローラ4bに出力する。タイミングコントローラ4bは、設定レジスタ4cに設定された値に基づいて、画像データIDをソース線駆動回路5に出力する。また、タイミングコントローラ4bは、設定レジスタ4cに設定された値に基づいて、反転駆動回路7、メモリ選択回路8、ゲート線駆動回路9及びゲート線選択回路10を制御する。
【0020】
共通電極駆動回路6、反転駆動回路7及びメモリ選択回路8には、基準クロック信号CLKが、外部回路から供給される。外部回路は、クロックジェネレータが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0021】
液晶表示装置の画面の焼き付きを抑制するための駆動方式として、コモン反転、カラム反転、ライン反転、ドット反転、フレーム反転などの駆動方式が知られている。
【0022】
表示装置1は、上記の各駆動方式のいずれを採用することも可能である。実施形態では、表示装置1は、コモン反転駆動方式を採用する。表示装置1がコモン反転駆動方式を採用するので、共通電極駆動回路6は、基準クロック信号CLKに同期して、共通電極の電位(コモン電位)を反転する。反転駆動回路7は、タイミングコントローラ4bの制御下で、基準クロック信号CLKに同期して、副画素電極の電位を反転させる。これにより、表示装置1は、コモン反転駆動方式を実現することができる。実施形態では、表示装置1は、液晶に電圧が印加されていない場合に黒色を表示し、液晶に電圧が印加されている場合に白色を表示する、いわゆるノーマリーブラック液晶表示装置とする。ノーマリーブラック液晶表示装置では、副画素電極の電位とコモン電位とが同相の場合には、黒色が表示され、副画素電極の電位とコモン電位とが異相の場合には、白色が表示される。
【0023】
基準クロック信号CLKが、本発明の基準信号に対応する。
【0024】
表示装置にて画像を表示させるべく、各副画素SPixの第1メモリから第3メモリまでに副画素データを格納する必要がある。各メモリに副画素データを格納するために、ゲート線駆動回路9は、タイミングコントローラ4bの制御下で、M×N個の画素Pixの内の1つの行を選択するためのゲート信号を出力する。
【0025】
各副画素が1個のメモリを有するMIP型液晶表示装置では、1つの行(画素行(副画素行))当たり1本のゲート線が配置される。しかしながら、実施形態では、各副画素SPixが、第1メモリから第3メモリまでの3個のメモリを含んでいる。そこで、実施形態では、1つの行当たり、3本のゲート線が配置されている。3本のゲート線は、1つの行に含まれる副画素SPixの各々の第1メモリから第3メモリまでに夫々電気的に接続されている。なお、副画素SPixが、ゲート信号に加えて、ゲート信号を反転した反転ゲート信号とで動作する場合には、1つの行当たり、6本のゲート線が配置される。
【0026】
1つの行当たりに配置されている3本又は6本のゲート線が、本発明のゲート線群に対応する。実施形態では、表示装置1は、M行の画素Pixを有するので、M群のゲート線群が配置されている。
【0027】
ゲート線駆動回路9は、M行の画素Pixに対応して、M個の出力端子を有している。ゲート線駆動回路9は、タイミングコントローラ4bの制御下で、M行の内の1つの行を選択するためのゲート信号を、M個の出力端子から順次出力する。
【0028】
ゲート線選択回路10は、タイミングコントローラ4bの制御下で、1つの行に配置された3本のゲート線の内の1本を選択する。これにより、ゲート線駆動回路9から出力されたゲート信号は、1つの行に配置された3本のゲート線の内の選択された1本に、供給される。
【0029】
ソース線駆動回路5は、タイミングコントローラ4bの制御下で、ゲート信号によって選択されているメモリに副画素データを夫々出力する。これにより、各副画素の第1メモリ~第3メモリに順次副画素データが夫々格納される。
【0030】
表示装置1は、M行の画素Pixを線順次走査することによって、1個のフレームデータの副画素データが各副画素SPixの第1メモリにされる。そして、表示装置1は、線順次走査を3回実行することによって、各副画素SPixの第1メモリから第3メモリに3個のフレームデータが格納される。
これに際し、表示装置1は、1つの行の走査ごとに第1のメモリへの書き込み、第2のメモリへの書き込み、第3のメモリへの書き込みを行う手順を採用することも可能である。かかる走査を第1列から第M列まで実施することにより、一度の線順次走査で各副画素SPixの第1メモリから第3メモリまでに副画素データを格納することができる。
【0031】
実施形態では、1つの行当たり、3本のメモリ選択線が配置されている。3本のメモリ選択線は、1つの行に含まれるN×3個の副画素SPixの各々の第1メモリから第3メモリまでに夫々電気的に接続されている。なお、副画素SPixが、メモリ選択信号に加えて、メモリ選択信号を反転した反転メモリ選択信号とで動作する場合には、1つの行当たり、6本のメモリ選択線が配置される。
【0032】
1つの行当たりに配置されている3本又は6本のメモリ選択線が、本発明のメモリ選択線群に対応する。実施形態では、表示装置1は、M行の画素Pixを有するので、M群のメモリ選択線群が配置されている。
【0033】
メモリ選択回路8は、タイミングコントローラ4bの制御下で、基準クロック信号CLKに同期して、各副画素SPixの第1メモリから第3メモリまでの内の1個を、同時に選択する。より詳細には、全ての副画素SPixの第1メモリが同時に選択される。或いは、全ての副画素SPixの第2メモリが同時に選択される。全ての副画素SPixの第3メモリが同時に選択される。従って、表示装置1は、各副画素SPixの第1メモリから第3メモリまでの選択を切り替えることによって、3つの画像の内の1つの画像を表示させることができる。これにより、表示装置1は、画像を一斉に変化させることができ、画像を短時間で変化させることができる。また、表示装置1は、各副画素SPixの第1メモリから第3メモリまでの選択を順次切り替えることによって、アニメーション表示(動画像表示)を行うことができる。
【0034】
[断面構造]
図2は、実施形態の表示装置の断面図である。
図2に示すように、表示装置1は、第1パネル2と、第2パネル3と、液晶層30とを含む。第2パネル3は、第1パネル2と対向して配置される。液晶層30は、第1パネル2と第2パネル3との間に設けられる。第2パネル3の一主面たる表面が、画像を表示させるための表示面1aである。
【0035】
表示面1a側の外部から入射した光は、第1パネル2の反射電極15によって反射されて表示面1aから出射する。実施形態の表示装置1は、この反射光を利用して、表示面1aに画像を表示する反射型液晶表示装置である。なお、本明細書において、表示面1aと平行な方向をX方向とし、表示面1aと平行な面においてX方向と交差する方向をY方向とする。また、表示面1aに垂直な方向をZ方向とする。
【0036】
第1パネル2は、第1基板11と、絶縁層12と、反射電極15と、配向膜18とを有する。第1基板11は、ガラス基板又は樹脂基板が例示される。第1基板11の表面には、図示しない回路素子や、ゲート線、データ線等の各種配線が設けられる。回路素子は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子や、容量素子を含む。
【0037】
絶縁層12は、第1基板11の上に設けられ、回路素子や各種配線等の表面を全体として平坦化している。反射電極15は、絶縁層12の上に複数設けられる。配向膜18は、反射電極15と液晶層30との間に設けられる。反射電極15は、各副画素SPixごとに矩形状に設けられている。反射電極15は、アルミニウム(Al)又は銀(Ag)で例示される金属で形成されている。また、反射電極15は、これらの金属材料と、ITO(Indium Tin Oxide)で例示される透光性導電材料と、を積層した構成としても良い。反射電極15は、良好な反射率を有する材料が用いられ、外部から入射する光を拡散反射させる反射板として機能する。
【0038】
反射電極15によって反射された光は、拡散反射によって散乱されるものの、表示面1a側に向かって一様な方向に進む。また、反射電極15に印加される電圧レベルが変化することにより、当該反射電極上の液晶層30における光の透過状態、すなわち副画素ごとの光の透過状態が変化する。すなわち、反射電極15は、副画素電極としての機能も有する。
【0039】
第2パネル3は、第2基板21と、カラーフィルタ22と、共通電極23と、配向膜28と、1/4波長板24と、1/2波長板25と、偏光板26とを含む。第2基板21の両面のうち、第1パネル2と対向する面に、カラーフィルタ22及び共通電極23が、この順で設けられる。共通電極23と液晶層30との間に配向膜28が設けられる。第2基板21の、表示面1a側の面に、1/4波長板24、1/2波長板25及び偏光板26が、この順で積層されている。
【0040】
第2基板21は、ガラス基板又は樹脂基板が例示される。共通電極23は、ITOで例示される透光性導電材料で形成されている。共通電極23は、複数の反射電極15と対向して配置され、各副画素SPixに対する共通の電位を供給する。カラーフィルタ22は、R(赤)、G(緑)、及び、B(青)の3色のフィルタを有することが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0041】
液晶層30は、ネマティック(Nematic)液晶を含んでいることが例示される。液晶層30は、共通電極23と反射電極15との間の電圧レベルが変更されることにより、液晶分子の配向状態が変化する。これによって、液晶層30を透過する光を副画素SPix毎に変調する。
【0042】
外光等が表示装置1の表示面1a側から入射する入射光となり、第2パネル3及び液晶層30を透過して反射電極15に到達する。そして、入射光は各副画素SPixの反射電極15で反射される。かかる反射光は、副画素SPix毎に変調されて表示面1aから出射される。これにより、画像の表示が行われる。
【0043】
[回路構成]
図3は、実施形態の表示装置の画素内での副画素の配置を示す図である。画素Pixは、R(赤)の副画素SPix
Rと、G(緑)の副画素SPix
Gと、B(青)の副画素SPix
Bと、を含む。副画素SPix
R、SPix
G及びSPix
Bは、X方向に配列されている。
【0044】
副画素SPixRは、メモリブロック50と、反転スイッチ61と、を含む。メモリブロック50は、第1メモリ51と、第2メモリ52と、第3メモリ53と、を含む。反転スイッチ61、第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53は、Y方向に配列されている。
【0045】
第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53の各々は、1ビットのデータを格納するメモリセルとするが、本開示はこれに限定されない。第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53の各々は、2ビット以上のデータを格納するメモリセルであっても良い。
【0046】
反転スイッチ61は、第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53と、副画素電極(反射電極)15(
図2参照)との間に電気的に接続されている。反転スイッチ61は、反転駆動回路7から供給される、基準クロック信号CLKに同期して反転する表示信号に基づいて、第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53の内の選択された1個のメモリから出力される副画素データを一定周期毎に反転して、副画素電極15に出力する。
【0047】
表示信号が反転する周期は、共通電極23の電位(コモン電位)が反転する周期と同じである。
【0048】
反転スイッチ61が、本発明のスイッチ回路に対応する。
【0049】
図4は、実施形態の表示装置の回路構成を示す図である。
図4では、各副画素SPixの内の2×2個の副画素SPixを示している。
【0050】
副画素SPixは、メモリブロック50及び反転スイッチ61に加えて、液晶LQと、保持容量Cと、副画素電極15(
図2参照)と、を含む。
【0051】
共通電極駆動回路6は、各副画素SPixに共通するコモン電位VCOMを、基準クロック信号CLKに同期して反転させて、共通電極23(
図2参照)に出力する。共通電極駆動回路6は、基準クロック信号CLKを共通電極23にそのままコモン電位VCOMとして出力しても良いし、電流駆動能力を増幅するバッファ回路を介して共通電極23にコモン電位VCOMとして出力しても良い。
【0052】
ゲート線駆動回路9は、M行の画素Pixに対応して、M個の出力端子を有している。ゲート線駆動回路9は、タイミングコントローラ4bから供給される制御信号Sig4に基づいて、M行の内の1つの行を選択するためのゲート信号を、M個の出力端子から順次出力する。
【0053】
ゲート線駆動回路9は、制御信号Sig4(スキャン開始信号及びクロックパルス信号)に基づいて、ゲート信号をM個の出力端子から順次出力するスキャナ回路であっても良い。或いは、ゲート線駆動回路9は、符号化された制御信号Sig4を復号化し、該制御信号Sig4で指定された出力端子にゲート信号を出力するデコーダ回路であっても良い。
【0054】
ゲート線選択回路10は、M行の画素Pixに対応して、M個のスイッチSW4_1、SW4_2、・・・を含む。M個のスイッチSW4_1、SW4_2、・・・は、タイミングコントローラ4bから供給される制御信号Sig5によって共通に制御される。
【0055】
第1パネル2上には、M行の画素Pixに対応して、M群のゲート線群GL
1、GL
2、・・・が配置されている。M群のゲート線群GL
1、GL
2、・・・の各々は、当該行の第1メモリ51(
図3参照)に電気的に接続された第1ゲート線GCL
aと、第2メモリ52(
図3参照)に電気的に接続された第2ゲート線GCL
bと、第3メモリ53(
図3参照)に電気的に接続された第3ゲート線GCL
cと、を含む。M群のゲート線群GL
1、GL
2、・・・の各々は、表示領域DA(
図1参照)内において、X方向に沿う。
【0056】
M個のスイッチSW4_1、SW4_2、・・・の各々は、制御信号Sig5が第1の値の場合には、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第1ゲート線GCLaと、を電気的に接続する。M個のスイッチSW4_1、SW4_2、・・・の各々は、制御信号Sig5が第2の値の場合には、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第2ゲート線GCLbと、を電気的に接続する。M個のスイッチSW4_1、SW4_2、・・・の各々は、制御信号Sig5が第3の値の場合には、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第3ゲート線GCLcと、を電気的に接続する。
【0057】
ゲート線駆動回路9の出力端子と、第1ゲート線GCLaと、が電気的に接続された場合には、ゲート信号が、各副画素SPixの第1メモリ51に供給される。ゲート線駆動回路9の出力端子と、第2ゲート線GCLbと、が電気的に接続された場合には、ゲート信号が、各副画素SPixの第2メモリ52に供給される。ゲート線駆動回路9の出力端子と、第3ゲート線GCLcと、が電気的に接続された場合には、ゲート信号が、各副画素SPixの第3メモリ53に供給される。
【0058】
第1パネル2上には、N×3列の副画素SPixに対応して、N×3本のソース線SGL
1、SGL
2、・・・が配置されている。各ソース線SGL
1、SGL
2、・・・の各々は、表示領域DA(
図1参照)内において、Y方向に沿う。ソース線駆動回路5は、ゲート信号によって選択されている各副画素SPixの3個のメモリに対して、ソース線SGL
1、SGL
2、・・・を介して、副画素データを夫々出力する。
【0059】
ゲート信号が供給された行の副画素SPixは、ゲート信号が供給されたゲート線GCLに応じて、ソース線SGLに供給されている副画素データを、第1メモリ51から第3メモリ53までの内の1つのメモリに格納する。
【0060】
メモリ選択回路8は、スイッチSW2と、ラッチ71と、スイッチSW3と、を含む。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される制御信号Sig2によって制御される。
【0061】
画像を表示する場合、つまり、M×N×3個の第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53の内のいずれかから画像データを読み出す場合について説明する。この場合には、タイミングコントローラ4bは、第1の値の制御信号Sig2をスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第1の値の制御信号Sig2に基づいて、オン状態になる。これにより、基準クロック信号CLKがラッチ71に供給される。
【0062】
画像を表示しない場合、つまり、M×N×3個の第1メモリ51、M×N×3個の第2メモリ52及びM×N×3個の第3メモリ53の内のいずれからも画像データを読み出さない場合について説明する。この場合には、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig2をスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第2の値の制御信号Sig2に基づいて、オフ状態になる。これにより、基準クロック信号CLKがラッチ71に供給されない。
【0063】
ラッチ71は、スイッチSW2がオン状態で基準クロック信号CLKが供給される場合には、基準クロック信号CLKのハイレベルを基準クロック信号CLKの1周期保持する。ラッチ71は、スイッチSW2がオフ状態で基準クロック信号CLKが供給されない場合には、ハイレベルを保持する。
【0064】
第1パネル2上には、M行の画素Pixに対応して、M群のメモリ選択線群SL
1、SL
2、・・・が配置されている。M群のメモリ選択線群SL
1、SL
2、・・・の各々は、当該行の第1メモリ51に電気的に接続された第1メモリ選択線SEL
aと、第2メモリ52に電気的に接続された第2メモリ選択線SEL
bと、第3メモリ53に電気的に接続された第3メモリ選択線SEL
cと、を含む。M群のメモリ選択線群SL
1、SL
2、・・・の各々は、表示領域DA(
図1参照)内において、X方向に沿う。
【0065】
スイッチSW3は、タイミングコントローラ4bから供給される制御信号Sig3によって制御される。スイッチSW3は、制御信号Sig3が第1の値の場合には、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第1メモリ選択線SELaと、を電気的に接続する。スイッチSW3は、制御信号Sig3が第2の値の場合には、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第2メモリ選択線SELbと、を電気的に接続する。スイッチSW3は、制御信号Sig3が第3の値の場合には、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第3メモリ選択線SELcとを電気的に接続する。
【0066】
各副画素SPixは、メモリ選択信号が供給されたメモリ選択線SELに応じて、第1メモリ51から第3メモリ53までの内の1つのメモリに格納されている副画素データに基づいて、液晶層を変調する。その結果、表示面に画像(フレーム)が表示される。
【0067】
第1パネル2上には、M行の画素Pixに対応して、M本の表示信号線FRP
1、FRP
2、・・・が配置されている。M本の表示信号線FRP
1、FRP
2、・・・の各々は、表示領域DA(
図1参照)内において、X方向に延在している。なお、反転スイッチ61が、表示信号に加えて、表示信号を反転した反転表示信号とで動作する場合には、1つの行当たり、表示信号線FRP及び第2表示信号線xFRPが設けられる。
【0068】
1つの行当たりに配置されている1本又は2本の表示信号線が、本発明の表示信号線に対応する。
【0069】
反転駆動回路7は、スイッチSW1を含む。スイッチSW1は、タイミングコントローラ4bから供給される制御信号Sig1によって制御される。スイッチSW1は、制御信号Sig1が第1の値の場合には、基準クロック信号CLKを各表示信号線FRP1、FRP2、・・・に供給する。これにより、基準クロック信号CLKに同期して、副画素電極15の電位が反転する。スイッチSW1は、制御信号Sig1が第2の値の場合には、基準電位(接地電位)GNDを各表示信号線FRP1、FRP2、・・・に供給する。
【0070】
図5は、実施形態の表示装置の副画素の回路構成を示す図である。
図5では、1個の副画素SPixを示している。
【0071】
副画素SPixは、メモリブロック50を含む。メモリブロック50は、第1メモリ51と、第2メモリ52と、第3メモリ53と、スイッチGsw1からGsw3までと、スイッチMsw1からMsw3までと、を含む。
【0072】
スイッチGsw1の制御入力端子は、第1ゲート線GCLaに電気的に接続されている。スイッチGsw1は、第1ゲート線GCLaにハイレベルのゲート信号が供給されたらオン状態になり、ソース線SGL1と、第1メモリ51の入力端子と、の間を電気的に接続する。これにより、第1メモリ51に、ソース線SGL1に供給される副画素データが格納される。
【0073】
スイッチGsw2の制御入力端子は、第2ゲート線GCLbに電気的に接続されている。スイッチGsw2は、第2ゲート線GCLbにハイレベルのゲート信号が供給されたらオン状態になり、ソース線SGL1と、第2メモリ52の入力端子と、の間を電気的に接続する。これにより、第2メモリ52に、ソース線SGL1に供給される副画素データが格納される。
【0074】
スイッチGsw3の制御入力端子は、第3ゲート線GCLcに電気的に接続されている。スイッチGsw3は、第3ゲート線GCLcにハイレベルのゲート信号が供給されたらオン状態になり、ソース線SGL1と、第3メモリ53の入力端子と、の間を電気的に接続する。これにより、第3メモリ53に、ソース線SGL1に供給される副画素データが格納される。
【0075】
なお、スイッチGsw
1からGsw
3までがハイレベルのゲート信号で動作する場合には、
図5に示すように、ゲート線群GL
1は、第1ゲート線GCL
aから第3ゲート線GCL
cまでを含む。ハイレベルのゲート信号で動作するスイッチは、Nチャネルトランジスタが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0076】
一方、スイッチGsw1からGsw3までが、ゲート信号に加えて、ゲート信号を反転した反転ゲート信号とで動作する場合には、ゲート線群GL1は、第1ゲート線GCLaから第3ゲート線GCLcまでに加えて、反転ゲート信号が供給される第4ゲート線xGCLaから第6ゲート線xGCLcまでを更に含む。ゲート信号と、反転ゲート信号と、で動作するスイッチは、トランスファーゲートが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0077】
入力端子が第1ゲート線GCLaに電気的に接続され、出力端子が第4ゲート線xGCLaに電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転ゲート信号を第4ゲート線xGCLaに供給することが可能である。同様に、入力端子が第2ゲート線GCLbに電気的に接続され、出力端子が第5ゲート線に電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転ゲート信号を第5ゲート線xGCLbに供給することが可能である。同様に、入力端子が第3ゲート線GCLcに電気的に接続され、出力端子が第6ゲート線に電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転ゲート信号を第6ゲート線xGCLcに供給することが可能である。
【0078】
スイッチMsw1の制御入力端子は、第1メモリ選択線SELaに電気的に接続されている。スイッチMsw1は、第1メモリ選択線SELaにハイレベルのメモリ選択信号が供給されたらオン状態になり、第1メモリ51の出力端子と、反転スイッチ61の入力端子と、の間を電気的に接続する。これにより、第1メモリ51に格納されている副画素データが、反転スイッチ61に供給される。
【0079】
スイッチMsw2の制御入力端子は、第2メモリ選択線SELbに電気的に接続されている。スイッチMsw2は、第2メモリ選択線SELbにハイレベルのメモリ選択信号が供給されたらオン状態になり、第2メモリ52の出力端子と、反転スイッチ61の入力端子と、の間を電気的に接続する。これにより、第2メモリ52に格納されている副画素データが、反転スイッチ61に供給される。
【0080】
スイッチMsw3の制御入力端子は、第3メモリ選択線SELcに電気的に接続されている。スイッチMsw3は、第3メモリ選択線SELcにハイレベルのメモリ選択信号が供給されたらオン状態になり、第3メモリ53の出力端子と、反転スイッチ61の入力端子と、の間を電気的に接続する。これにより、第3メモリ53に格納されている副画素データが、反転スイッチ61に供給される。
【0081】
なお、スイッチMsw
1からMsw
3までがハイレベルのメモリ選択信号で動作する場合には、
図5に示すように、メモリ選択線群SL
1は、第1メモリ選択線SEL
aから第3メモリ選択線SEL
cまでを含む。ハイレベルのゲート信号で動作するスイッチは、Nチャネルトランジスタが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0082】
一方、スイッチMsw1からMsw3までが、メモリ選択信号に加えて、メモリ選択信号を反転した反転メモリ選択信号とで動作する場合には、メモリ選択線群SL1は、第1メモリ選択線SELaから第3メモリ選択線SELcまでに加えて、反転メモリ選択信号が供給される第4メモリ選択線xSELaから第6メモリ選択線xSELcまでを更に含む。メモリ選択信号と、反転メモリ選択信号と、で動作するスイッチは、トランスファーゲートが例示されるが、本開示はこれに限定されない。
【0083】
入力端子が第1メモリ選択線SELaに電気的に接続され、出力端子が第4メモリ選択線xSELaに電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転メモリ選択信号を第4メモリ選択線xSELaに供給することが可能である。同様に、入力端子が第2メモリ選択線SELbに電気的に接続され、出力端子が第5メモリ選択線xSELbに電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転メモリ選択信号を第5メモリ選択線xSELbに供給することが可能である。同様に、入力端子が第3メモリ選択線SELcに電気的に接続され、出力端子が第6メモリ選択線xSELcに電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転メモリ選択信号を第6メモリ選択線xSELcに供給することが可能である。
【0084】
反転スイッチ61には、基準クロック信号CLKに同期して反転する表示信号が、表示信号線FRP1から供給される。反転スイッチ61は、表示信号に基づいて、第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53に格納されている副画素データをそのまま又は反転して、副画素電極15に供給する。副画素電極15と共通電極23との間には、液晶LQ及び保持容量Cが、設けられている。保持容量Cは、副画素電極15と共通電極23との間の電圧を保持する。液晶LQは、副画素電極15と共通電極23との間の電圧に基づいて分子の方向が変化し、副画素画像を表示する。
【0085】
なお、反転スイッチ61が表示信号で動作する場合には、
図5に示すように、1本の表示信号線FRP
1が、設けられる。一方、反転スイッチ61が、表示信号に加えて、表示信号を反転した反転表示信号とで動作する場合には、表示信号線FRP
1に加えて、第2表示信号線xFRP
1が更に設けられる。そして、入力端子が表示信号線FRP
1に電気的に接続され、出力端子が第2表示信号線xFRP
1に電気的に接続されたインバータ回路を設けることで、反転表示信号を第2表示信号線xFRP
1に供給することが可能である。
【0086】
図6は、実施形態の表示装置の副画素のメモリの回路構成を示す図である。
図6は、第1メモリ51の回路構成を示す図である。なお、第2メモリ52及び第3メモリ53の回路構成は、第1メモリ51の回路構成と同様であるので、図示及び説明を省略する。
【0087】
第1メモリ51は、インバータ回路81と、インバータ回路81に逆方向に電気的に並列接続されたインバータ回路82と、を含むSRAM(Static Random Access Memory)セル構造を有する。インバータ回路81の入力端子及びインバータ回路82の出力端子が、ノードN1を構成し、インバータ回路81の出力端子及びインバータ回路82の入力端子が、ノードN2を構成する。インバータ回路81及び82は、高電位側の電源供給線VDD及び低電位側の電源供給線VSSから供給される電力を使用して、動作する。
【0088】
ノードN1は、スイッチGsw1の出力端子に電気的に接続されている。ノードN2は、スイッチMsw1の入力端子に電気的に接続されている。
【0089】
図6では、スイッチGsw
1として、トランスファーゲートが用いられている例を示している。スイッチGsw
1の一方の制御入力端子は、第1ゲート線GCL
aに電気的に接続されている。スイッチGsw
1の他方の制御入力端子は、第4ゲート線xGCL
aに電気的に接続されている。第4ゲート線xGCL
aには、第1ゲート線GCL
aに供給されるゲート信号を反転した、反転ゲート信号が供給される。
【0090】
スイッチGsw1の入力端子は、ソース線SGL1に電気的に接続されている。スイッチGsw1の出力端子は、ノードN1に電気的に接続されている。スイッチGsw1は、第1ゲート線GCLaに供給されるゲート信号がハイレベル且つ第4ゲート線xGCLaに供給される反転ゲート信号がローレベルになると、オン状態になり、ソース線SGL1と、ノードN1と、の間を電気的に接続する。これにより、ソース線SGL1に供給される副画素データが、第1メモリ51に格納される。
【0091】
図6では、スイッチMsw
1として、トランスファーゲートが用いられている例を示している。スイッチMsw
1の一方の制御入力端子は、第1メモリ選択線SEL
aに電気的に接続されている。スイッチMsw
1の他方の制御入力端子は、第4メモリ選択線xSEL
aに電気的に接続されている。第4メモリ選択線xSEL
aには、第1メモリ選択線SEL
aに供給されるメモリ選択信号を反転した、反転メモリ選択信号が供給される。
【0092】
スイッチMsw
1の入力端子は、ノードN2に電気的に接続されている。スイッチMsw
1の出力端子は、ノードN3に接続されている。ノードN3は、第1メモリ51の出力ノードであり、反転スイッチ61(
図5参照)に電気的に接続されている。スイッチMsw
1は、第1メモリ選択線SEL
aに供給されるメモリ選択信号がハイレベル且つ第4メモリ選択線xSEL
aに供給される反転メモリ選択信号がローレベルになると、オン状態になる。これにより、ノードN2が、スイッチMsw
1及びノードN3を経由して、反転スイッチ61の入力端子に、電気的に接続される。これにより、第1メモリ51に格納されている副画素データが、反転スイッチ61に供給される。
なお、スイッチGsw
1及びMsw
1の両方がオフ状態の場合には、副画素データが、インバータ回路81及び82で構成されるループを循環する。従って、第1メモリ51は、副画素データを保持し続ける。
【0093】
なお、実施形態では、第1メモリ51がSRAMである場合を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。第1メモリ51の他の例は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が例示される。
【0094】
図7は、実施形態の表示装置の副画素の反転スイッチの回路構成を示す図である。反転スイッチ61は、インバータ回路91と、Nチャネルトランジスタ92及び95と、Pチャネルトランジスタ93及び94と、を含む。
【0095】
インバータ回路91の入力端子、Pチャネルトランジスタ94のゲート端子及びNチャネルトランジスタ95のゲート端子は、ノードN4に接続されている。ノードN4は、反転スイッチ61の入力ノードであり、第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53のノードN3に電気的に接続されている。ノードN4には、第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から副画素データが供給される。インバータ回路91は、高電位側の電源供給線VDD及び低電位側の電源供給線VSSから供給される電力を使用して、動作する。
【0096】
Nチャネルトランジスタ92のソース及びドレインの内の一方は、第2表示信号線xFRP1に電気的に接続されている。Nチャネルトランジスタ92のソース及びドレインの内の他方は、ノードN5に電気的に接続されている。
【0097】
Pチャネルトランジスタ93のソース及びドレインの内の一方は、表示信号線FRP1に電気的に接続されている。Pチャネルトランジスタ93のソース及びドレインの内の他方は、ノードN5に電気的に接続されている。
【0098】
Pチャネルトランジスタ94のソース及びドレインの内の一方は、第2表示信号線xFRP1に電気的に接続されている。Pチャネルトランジスタ94のソース及びドレインの内の他方は、ノードN5に電気的に接続されている。
【0099】
Nチャネルトランジスタ95のソース及びドレインの内の一方は、表示信号線FRP1に電気的に接続されている。Nチャネルトランジスタ95のソース及びドレインの内の他方は、ノードN5に電気的に接続されている。
【0100】
ノードN5は、反転スイッチ61の出力ノードであり、反射電極(副画素電極)15に電気的に接続されている。
【0101】
第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から供給される副画素データがハイレベルである場合には、インバータ回路91の出力信号は、ローレベルになる。インバータ回路91の出力信号がローレベルであると、Nチャネルトランジスタ92はオフ状態になり、Pチャネルトランジスタ93はオン状態になる。
【0102】
また、第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から供給される副画素データがハイレベルである場合には、Pチャネルトランジスタ94はオフ状態になり、Nチャネルトランジスタ95はオン状態になる。
【0103】
従って、第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から供給される副画素データがハイレベルである場合には、表示信号線FRP1に供給される表示信号が、Pチャネルトランジスタ93及びNチャネルトランジスタ95を介して、副画素電極15に供給される。
【0104】
表示信号線FRP1に供給される表示信号は、基準クロック信号CLKに同期して、反転する。共通電極23に供給されるコモン電位も、基準クロック信号CLKに同期して、表示信号と同相で、反転する。表示信号とコモン電位とが同相である場合、液晶LQは、電圧が印加されないので、分子の方向が変化しない。これにより、副画素は、黒表示(反射光を透過させない状態。反射光がカラーフィルタを透過せず、色が表示されない状態)となる。これにより、表示装置1は、コモン反転駆動方式を実現することができる。
【0105】
第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から供給される副画素データがローレベルである場合には、インバータ回路91の出力信号は、ハイレベルになる。インバータ回路91の出力信号がハイレベルであると、Nチャネルトランジスタ92はオン状態になり、Pチャネルトランジスタ93はオフ状態になる。
【0106】
また、第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から供給される副画素データがローレベルである場合には、Pチャネルトランジスタ94はオン状態になり、Nチャネルトランジスタ95はオフ状態になる。
【0107】
従って、第1メモリ51、第2メモリ52又は第3メモリ53から供給される副画素データがローレベルである場合には、第2表示信号線xFRP1に供給される反転表示信号が、Nチャネルトランジスタ92及びPチャネルトランジスタ94を介して、副画素電極15に供給される。
【0108】
第2表示信号線xFRP1に供給される反転表示信号は、基準クロック信号CLKに同期して、反転する。共通電極23に供給されるコモン電位は、基準クロック信号CLKに同期して、表示信号と異相で、反転する。表示信号とコモン電位とが異相である場合、液晶LQは、電圧が印加されるので、分子の方向が変化する。これにより、副画素は、白表示(反射光を透過させる状態。反射光がカラーフィルタを透過して色が表示される状態)となる。これにより、表示装置1は、コモン反転駆動方式を実現することができる。
【0109】
図8は、実施形態の表示装置の副画素のレイアウトの概要を示す図である。反転スイッチ61、第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53は、Y方向に配列されている。第1メモリ51、第2メモリ52及び第3メモリ53の出力ノードであるノードN3は、反転スイッチ61の入力ノードであるノードN4に電気的に接続されている。反転スイッチ61の出力ノードであるノードN5は、副画素電極15に電気的に接続されている。
【0110】
第1メモリ51は、第1ゲート線GCLaと、第4ゲート線xGCLaと、第1メモリ選択線SELaと、第4メモリ選択線xSELaと、ソース線SGL1と、高電位側の電源供給線VDDと、低電位側の電源供給線VSSと、に電気的に接続されている。
【0111】
第2メモリ52は、第2ゲート線GCLbと、第5ゲート線xGCLbと、第2メモリ選択線SELbと、第5メモリ選択線xSELbと、ソース線SGL1と、高電位側の電源供給線VDDと、低電位側の電源供給線VSSと、に電気的に接続されている。
【0112】
第3メモリ53は、第3ゲート線GCLcと、第6ゲート線xGCLcと、第3メモリ選択線SELcと、第6メモリ選択線xSELcと、ソース線SGL1と、高電位側の電源供給線VDDと、低電位側の電源供給線VSSと、に電気的に接続されている。
【0113】
反転スイッチ61は、表示信号線FRP1と、第2表示信号線xFRP1と、高電位側の電源供給線VDDと、低電位側の電源供給線VSSと、に電気的に接続されている。
【0114】
[動作]
図9は、実施形態の表示装置の動作タイミングを示すタイミング図である。
図9の全体にわたって、共通電極駆動回路6は、基準クロック信号CLKに同期して反転するコモン電位を、共通電極23に供給する。
【0115】
タイミングt0からタイミングt3までは、1つの行のN×3個の副画素SPixの各々に含まれる第1メモリ51から第3メモリ53までへの副画素データの書き込み期間である。
【0116】
タイミングt0において、タイミングコントローラ4bは、第1の値の制御信号Sig5を、ゲート線選択回路10内のスイッチSW4に出力する。スイッチSW4は、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第1ゲート線GCLaと、を電気的に接続する。ゲート線駆動回路9は、ゲート信号を、各行の第1ゲート線GCLaに出力する。第1ゲート線GCLaにハイレベルのゲート信号が供給されると、当該行に属する副画素SPixの各々の第1メモリ51が、副画素データの書き込み先として選択される。
【0117】
また、タイミングt0において、ソース線駆動回路5は、「A」という画像(フレーム)を表示するための副画素データを、ソース線SGLに出力する。これにより、各行に属する副画素SPixの各々の第1メモリ51には、「A」という画像を表示するための副画素データが、夫々書き込まれる。
また、タイミングt0~t1に亘って、かかる動作が第1行から第M行まで線順次により実施される。これにより、全副画素SPixの第1メモリには、画像「A」を形成するための信号が書き込まれ、保存される。
【0118】
タイミングt1において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig5を、ゲート線選択回路10内のスイッチSW4に出力する。スイッチSW4は、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第2ゲート線GCLbと、を電気的に接続する。ゲート線駆動回路9は、ゲート信号を、各行の第2ゲート線GCLbに出力する。第2ゲート線GCLbにハイレベルのゲート信号が供給されると、当該行に属する副画素SPixの各々の第2メモリ52が、副画素データの書き込み先として選択される。
【0119】
また、タイミングt1において、ソース線駆動回路5は、「B」という画像(フレーム)を表示するための副画素データを、ソース線SGLに出力する。これにより、各行に属する副画素SPixの各々の第2メモリ52には、「B」という画像を表示するための副画素データが、夫々書き込まれる。
また、タイミングt1~t2に亘って、かかる動作が第1行から第M行まで線順次により実施される。これにより、全副画素SPixの第2メモリには、画像「B」を形成するための信号が書き込まれ、保存される。
【0120】
タイミングt2において、タイミングコントローラ4bは、第3の値の制御信号Sig5を、ゲート線選択回路10内のスイッチSW4に出力する。スイッチSW4は、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第3ゲート線GCLcと、を電気的に接続する。ゲート線駆動回路9は、ゲート信号を、各行の第3ゲート線GCLcに出力する。第3ゲート線GCLcにハイレベルのゲート信号が供給されると、当該行に属する副画素SPixの各々の第3メモリ53が、副画素データの書き込み先として選択される。
【0121】
また、タイミングt2において、ソース線駆動回路5は、「C」という画像(フレーム)を表示するための副画素データを、ソース線SGLに出力する。これにより、各行に属する副画素SPixの各々第3メモリ53には、「C」という画像を表示するための副画素データが、夫々書き込まれる。
また、タイミングt2~t3に亘って、かかる動作が第1行から第M行まで線順次により実施される。これにより、全副画素SPixの第3メモリには、画像「C」を形成するための信号が書き込まれ、保存される。
【0122】
表示装置1は、タイミングt0からタイミングt3までと同様の動作をM回繰り返すことにより、各副画素SPixに含まれる第1メモリ51から第3メモリ53までに、「A」、「B」及び「C」という3つの画像を表示するための副画素データを書き込むことができる。
【0123】
タイミングt4からタイミングt10までは、「A」、「B」及び「C」という3つの画像(3つのフレーム)を順次切り替えて表示するアニメーション表示(動画像表示)期間である。
【0124】
タイミングt4において、タイミングコントローラ4bは、第1の値の制御信号Sig2を、メモリ選択回路8内のスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第1の値の制御信号Sig2に基づいて、オン状態になる。これにより、基準クロック信号CLKが、ラッチ71に供給される。
【0125】
また、タイミングt4において、タイミングコントローラ4bは、第1の値の制御信号Sig3を、メモリ選択回路8内のスイッチSW3に出力する。スイッチSW3は、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第1メモリ選択線SELaと、を電気的に接続する。これにより、メモリ選択信号が、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第1メモリ選択線SELaに供給される。
【0126】
各々の第1メモリ選択線SELaに接続されている各第1メモリ51は、「A」という画像を表示するための副画素データを、反転スイッチ61に出力する。これにより、タイミングt4において、表示装置1は、「A」という画像を表示する。
【0127】
タイミングt5において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig2を、メモリ選択回路8内のスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第1の値の制御信号Sig2に基づいて、オン状態になる。これにより、基準クロック信号CLKが、ラッチ71に供給される。
【0128】
また、タイミングt5において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig3を、メモリ選択回路8内のスイッチSW3に出力する。スイッチSW3は、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第2メモリ選択線SELbと、を電気的に接続する。これにより、メモリ選択信号が、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第2メモリ選択線SELbに供給される。
【0129】
各々の第2メモリ選択線SELbに接続されている各第2メモリ52は、「B」という画像を表示するための副画素データを、反転スイッチ61に出力する。これにより、タイミングt5において、表示装置1は、「B」という画像を表示する。
【0130】
タイミングt6において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig2を、メモリ選択回路8内のスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第1の値の制御信号Sig2に基づいて、オン状態になる。これにより、基準クロック信号CLKが、ラッチ71に供給される。
【0131】
また、タイミングt6において、タイミングコントローラ4bは、第3の値の制御信号Sig3を、メモリ選択回路8内のスイッチSW3に出力する。スイッチSW3は、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第3メモリ選択線SELcと、を電気的に接続する。これにより、メモリ選択信号が、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第3メモリ選択線SELcに供給される。
【0132】
第3メモリ選択線SELcに接続されている各第3メモリ53は、「C」という画像を表示するための副画素データを、反転スイッチ61に出力する。これにより、タイミングt6において、表示装置1は、「C」という画像を表示する。
【0133】
タイミングt7からタイミングt9までの各部の動作は、タイミングt4からタイミングt6までの各部の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0134】
上記したように、表示装置1は、タイミングt4からタイミングt10までの期間において、「A」、「B」及び「C」という3つの画像(3つのフレーム)を順次切り替えて表示するアニメーション表示(動画像表示)を行うことができる。
【0135】
タイミングt10からタイミングt12までは、「A」という画像を表示する静止画表示期間である。
【0136】
タイミングt10において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig2を、メモリ選択回路8内のスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第2の値の制御信号Sig2に基づいて、オフ状態になる。これにより、基準クロック信号CLKが、ラッチ71に供給されない。ラッチ71は、ハイレベルを保持する。
【0137】
また、タイミングt10において、タイミングコントローラ4bは、第1の値の制御信号Sig3を、メモリ選択回路8内のスイッチSW3に出力する。スイッチSW3は、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第1メモリ選択線SELaと、を電気的に接続する。上記と同様の駆動により、タイミングt10からタイミングt12までにおいて、表示装置1は、「A」という画像を静止画表示する。
【0138】
なお、「A」という画像を静止画表示している静止画表示期間内のタイミングt11において、各副画素SPixに含まれる第2メモリ52に、「X」という画像(フレーム)を表示するための副画素データを書き込むことができる。
【0139】
タイミングt11において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig5を、ゲート線選択回路10内のスイッチSW4に出力する。スイッチSW4は、ゲート線駆動回路9の出力端子と、第2ゲート線GCLbと、を電気的に接続する。ゲート線駆動回路9は、ゲート信号を、各行の第2ゲート線GCLbに出力する。第2ゲート線GCLbにハイレベルのゲート信号が供給されると、当該行に属する副画素SPixの各々の第2メモリ52が、副画素データの書き込み先として選択される。
【0140】
また、タイミングt11において、ソース線駆動回路5は、「X」という画像を表示するための副画素データを、ソース線SGLに出力する。これにより、各行に属する副画素SPixの各々の第2メモリ52には、「X」という画像を表示するための副画素データが、夫々書き込まれる。
【0141】
表示装置1は、タイミングt11と同様の動作をM回繰り返すことにより、各副画素SPixに含まれる第2メモリ52に、「X」という画像(フレーム)を表示するための副画素データを書き込むことができる。
【0142】
なお、
図9では、「A」という画像を静止画表示している静止画表示期間内のタイミングt
11において、各副画素SPixに含まれる第2メモリ52に、「X」という画像を表示するための副画素データを書き込む場合について説明した。しかしながら、例えば、アニメーション表示(動画像表示)期間内の、「C」及び「A」という画像をアニメーション表示(動画像表示)しているタイミングt
6からタイミングt
8までにおいて、各副画素SPixに含まれる第2メモリ52に、「X」という画像を表示するための副画素データを書き込むことも可能である。
【0143】
タイミングt12以降は、「X」、「C」及び「A」という3つの画像(3つのフレーム)を順次切り替えて表示するアニメーション表示(動画像表示)期間である。
【0144】
タイミングt12において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig2を、メモリ選択回路8内のスイッチSW2に出力する。スイッチSW2は、タイミングコントローラ4bから供給される第1の値の制御信号Sig2に基づいて、オン状態になる。これにより、基準クロック信号CLKが、ラッチ71に供給される。
【0145】
また、タイミングt12において、タイミングコントローラ4bは、第2の値の制御信号Sig3を、メモリ選択回路8内のスイッチSW3に出力する。スイッチSW3は、ラッチ71の出力端子と、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第2メモリ選択線SELbと、を電気的に接続する。これにより、メモリ選択信号が、M群のメモリ選択線群SL1、SL2、・・・の各々の第2メモリ選択線SELbに供給される。
【0146】
各々の第2メモリ選択線SELbに接続されている各第2メモリ52は、「X」という画像を表示するための副画素データを、反転スイッチ61に出力する。これにより、タイミングt12において、表示装置1は、「X」という画像を表示する。
【0147】
タイミングt13からタイミングt14までの各部の動作は、タイミングt6からタイミングt7までの各部の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0148】
タイミングt15以降の各部の動作は、タイミングt12からタイミングt14までの各部の動作と同様であるので、説明を省略する。
【0149】
特許文献1記載の表示装置では、複数の画素の各々が含む複数のメモリの切り替えは、走査信号を使用した線順次走査によって行われる。従って、特許文献1記載の表示装置では、全部の画素の複数のメモリの切り替えには、1フレーム時間が必要である。つまり、特許文献1記載の表示装置では、画像(フレーム)を変化させるために、1フレーム時間が必要である。
【0150】
一方、実施形態の表示装置1では、表示領域DA外に設けられるメモリ選択回路8が、各副画素SPixの第1メモリ51から第3メモリ53までの内の1個を、同時に選択する。従って、表示装置1は、各副画素SPixの第1メモリ51から第3メモリ53までの選択を切り替えることによって、3つの画像(3つのフレーム)の内の1つの画像(フレーム)を表示することができる。これにより、表示装置1は、画像を一斉に変化させることができ、画像を短時間で変化させることができる。また、表示装置1は、各副画素SPixの第1メモリ51から第3メモリ53までの選択を順次切り替えることによって、アニメーション表示(動画像表示)を行うことができる。
【0151】
また、特許文献1記載の表示装置では、各画素が、メモリを切り替えるために、メモリ選択制御回路及び書換指示回路を含む。従って、特許文献1記載の表示装置は、画像表示パネルの微細化及び高精細化の要請に応えることができない。
【0152】
一方、実施形態の表示装置1では、副画素データの書き込み時には、額縁領域GDに配置されたゲート線選択回路10が、第1メモリ51から第3メモリ53までのいずれかを選択する。また、副画素データの読み出し時には、額縁領域GDに配置されたメモリ選択回路8が、第1メモリ51から第3メモリ53までのいずれかを選択する。従って、各画素Pixが、メモリを切り替えるための回路を含む必要がない。これにより、表示装置1は、上記の如き効果に加えて、さらに画像表示パネルの微細化及び高精細化の要請に応えることが可能である。
【0153】
さらに、実施形態の表示装置1では、第1メモリ51から第3メモリ53までのいずれか1つに格納されている副画素データに基づいて画像を表示している期間に、第1メモリ51から第3メモリ53までの他のいずれか1つに、副画素データを書き込むこともできる。これにより、表示装置1は、画像を表示しながら、他の画像の副画素データを書き込むことも可能である。
【0154】
[適用例]
図10は、実施形態の表示装置の適用例を示す図である。
図10は、表示装置1を電子棚札に適用した例を示す図である。
【0155】
図10に示すように、表示装置1A、1B及び1Cは、それぞれ棚102に取り付けられている。表示装置1A、1B及び1Cの各々は、上述した表示装置1と同様の構成を有する。表示装置1A、1B及び1Cは、床面103からの高さが互いに異なって設置され、且つ、パネル傾斜角度が互いに異なるように設置されている。ここで、パネル傾斜角度は、表示面1aの法線と水平方向とがなす角度である。表示装置1A、1B及び1Cは、光源としての照明器具100からの入射光110を反射することにより、画像120を観察者105側に出射する。
【0156】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0157】
1、1A、1B、1C 表示装置
1a 表示面
2 第1パネル
3 第2パネル
4 インタフェース回路
4a シリアル-パラレル変換回路
4b タイミングコントローラ
4c 設定レジスタ
5 ソース線駆動回路
6 共通電極駆動回路
7 反転駆動回路
8 メモリ選択回路
9 ゲート線駆動回路
10 ゲート線選択回路
11 第1基板
15 副画素電極(反射電極)
21 第2基板
23 共通電極
30 液晶層
50 メモリブロック
51 第1メモリ
52 第2メモリ
53 第3メモリ
61 反転スイッチ
FRP 表示信号線
GL ゲート線群
GCL ゲート線
Pix 画素
SPix 副画素
SL メモリ選択線群
SEL メモリ選択線