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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】スクロール圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/02 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
F04C18/02 311Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021534785
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2020000815
(87)【国際公開番号】W WO2020153661
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0007316
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,キョン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ジョン キ
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0035748(KR,A)
【文献】特開2005-273501(JP,A)
【文献】特開2013-245555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0292517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングの内部で回転力を発生するモーターと、
前記モーターによって回転する回転軸と、
前記回転軸によって旋回運動する旋回スクロールと、
前記旋回スクロールに噛み合わされ、2つで1対の圧縮室を形成する固定スクロールと、
前記旋回スクロールを支持するメインフレームと、を含み、
前記固定スクロールは、固定スクロール鏡板、及び前記固定スクロール鏡板から突出する固定スクロールラップを含み、
前記メインフレームは、前記旋回スクロールを基準として前記固定スクロール鏡板の反対側に備えられるメインフレーム鏡板、及び前記メインフレーム鏡板の外周部から前記固定スクロール側に突出するメインフレーム側板を含み、
前記固定スクロールは、前記固定スクロール鏡板の外周面から半径方向に突出し、前記ケーシングに締結される固定スクロールフランジを含み、
前記メインフレームは、前記メインフレーム側板の外周面から半径方向に突出し、前記ケーシングに締結されるメインフレームフランジを含み、
前記固定スクロール鏡板、前記メインフレーム鏡板、及び前記メインフレーム側板が前記旋回スクロールの旋回空間を形成する、ことを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項2】
前記メインフレーム側板は、前記ケーシングと前記旋回スクロールとの間に介在され、
前記旋回スクロールは、半径方向上において前記メインフレーム側板に対向することを特徴とする、請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項3】
前記メインフレーム側板の厚さは、前記ケーシングの厚さよりも薄く形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
【請求項4】
前記ケーシングは、
前記モーター、前記回転軸、前記旋回スクロール、前記固定スクロール、及び前記メインフレームが収容される収容空間を有する第1ケーシングと、
前記第1ケーシングに締結され、前記収容空間を覆蓋する第2ケーシングと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項5】
前記第1ケーシングは、
前記回転軸の一端部を支持する第1ケーシング鏡板と、
前記第1ケーシング鏡板の外周部から前記第2ケーシング側に突出し、前記モーター、前記メインフレーム及び前記固定スクロールを支持する第1ケーシング側板と、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載のスクロール圧縮機。
【請求項6】
前記第1ケーシング側板は、前記固定スクロールフランジと前記メインフレームフランジとが挿入されるフランジ挿入溝を含む、ことを特徴とする請求項5に記載のスクロール圧縮機。
【請求項7】
前記フランジ挿入溝は、
前記第1ケーシング側板の内周面から折り曲げられた前記フランジ挿入溝の基底面、
前記フランジ挿入溝の基底面から折り曲げられ、前記第1ケーシング側板の先端面まで延びるフランジ挿入溝の内周面、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のスクロール圧縮機。
【請求項8】
前記メインフレームフランジは、
前記フランジ挿入溝の基底面に接触するメインフレームフランジの基底面と、
前記メインフレームフランジの基底面から折り曲げられ、前記フランジ挿入溝の内周面に対向するメインフレームフランジの外周面と、
前記メインフレームフランジの外周面から折り曲げられ、前記メインフレームフランジの基底面の背面をなすメインフレームフランジの上面と、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載のスクロール圧縮機。
【請求項9】
前記固定スクロールフランジは、
前記メインフレームフランジの上面に接触する前記固定スクロールフランジの基底面と、
前記固定スクロールフランジの基底面から折り曲げられ、前記フランジ挿入溝の内周面に対向する固定スクロールフランジの外周面と、
前記固定スクロールフランジの外周面から折り曲げられ、前記固定スクロールフランジの基底面の背面をなす固定スクロールフランジの上面と、を含む、ことを特徴とする請求項8に記載のスクロール圧縮機。
【請求項10】
前記固定スクロールフランジは、前記固定スクロールフランジの上面から前記固定スクロールフランジの基底面まで前記固定スクロールフランジを貫通する第1締結孔を含み、
前記メインフレームフランジは、前記メインフレームフランジの上面から前記メインフレームフランジの基底面まで前記メインフレームフランジを貫通する第2締結孔を含み、
前記フランジ挿入溝は、前記フランジ挿入溝の基底面から彫り込まれて形成される第3締結孔を含み、
前記メインフレームフランジと前記固定スクロールフランジとは、前記第1締結孔、前記第2締結孔、及び前記第3締結孔に挿入される締結部材によって前記第1ケーシング側板に締結される、ことを特徴とする請求項9に記載のスクロール圧縮機。
【請求項11】
前記モーター、前記回転軸、前記旋回スクロール、前記固定スクロール、及び前記メインフレームは、前記第2ケーシング側から前記第1ケーシング側に挿入されて前記収容空間に収容される、ことを特徴とする、請求項4に記載のスクロール圧縮機。
【請求項12】
前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとの間には、前記収容空間を前記ケーシングの外部から密封するシーリング部材が形成され、前記収容空間は、前記シーリング部材によってのみ密封される、ことを特徴とする、請求項4に記載のスクロール圧縮機。
【請求項13】
前記圧縮室で吐出される冷媒から分離されるオイルを回収するオイル回収流路をさらに含み、
前記オイル回収流路は、前記メインフレーム側板に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール圧縮機に係り、より詳しくは、固定スクロールと旋回スクロールで冷媒を圧縮できるようにしたスクロール圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車には室内の冷暖房のための空調装置(Air Conditioning;A/C)が設けられる。このような空調装置は、冷房システムの構成として、蒸発器から引き込まれた低温低圧の気相冷媒を高温高圧の気相冷媒に圧縮させて凝縮器に送る圧縮機を含んでいる。
圧縮機としては、ピストンの往復運動によって冷媒を圧縮する往復式と、回転運動をしながら圧縮を行う回転式とがある。往復式としては、駆動源の伝達方式によって、クランクを用いて複数のピストンに伝達するクランク式、斜板が設けられた回転軸に伝達する斜板式などがあり、回転式としては、回転するロータリー軸とベーンを用いるベーンロータリー式、旋回スクロールと固定スクロールを用いるスクロール式がある。
【0003】
スクロール圧縮機は、他の種類の圧縮機に比べて相対的に高い圧縮比が得られると共に、冷媒の吸入、圧縮、吐出の行程がスムーズに続いて安定したトルクを得ることができる長所のため、空調装置などで冷媒圧縮用として広く用いられている。
【0004】
図1は、従来のスクロール圧縮機を示した断面図である。
添付の図1を参照すると、従来のスクロール圧縮機は、ハウジング(10)、ハウジング(10)の内部で回転力を発生するモーター(20)、モーター(20)によって回転する回転軸(30)、回転軸(30)によって旋回運動する旋回スクロール(50)、及び旋回スクロール(50)に噛み合わされ、2つで1対の圧縮室(C)を形成する固定スクロール(60)を含む。
【0005】
ハウジング(10)は、センターハウジング(12)、センターハウジング(12)に締結され、モーター(20)が収容される第1空間(S1)を形成するフロントハウジング(14)、及びセンターハウジング鏡板(12a)を基準として、フロントハウジング(14)の反対側でセンターハウジング(12)に締結され、旋回スクロール(50)と固定スクロール(60)とが収容される第2空間(S2)を形成するリアハウジング(16)を含む。
【0006】
センターハウジング(12)は、旋回スクロール(50)を支持するセンターハウジング鏡板(12a)、及びセンターハウジング鏡板(12a)の外周部からフロントハウジング(14)側に突出するセンターハウジング側板(12b)を含む。
センターハウジング鏡板(12a)の中心側には回転軸(30)の一端部が貫通する。
【0007】
フロントハウジング(14)は、センターハウジング鏡板(12a)に対向し、回転軸(30)の他端部を支持するフロントハウジング鏡板(14a)、及びフロントハウジング鏡板(14a)の外周部から突出し、センターハウジング側板(12b)と締結され、モーター(20)を支持するフロントハウジング側板(14b)を含む。
【0008】
ここで、センターハウジング鏡板(12a)、センターハウジング側板(12b)、フロントハウジング鏡板(14a)及びフロントハウジング側板(14b)が第1空間(S1)を形成し、センターハウジング(12)とフロントハウジング(14)がそれぞれ別に形成されてから互いに締結されることは、モーター(20)を第1空間(S1)に挿入可能とするためである。このとき、センターハウジング(12)とフロントハウジング(14)との間で漏洩が発生し得るので、フロントハウジング側板(14b)とセンターハウジング側板(12b)との間には、第1空間(S1)をハウジング(10)の外部から密封する第1シーリング部材(70)が介在される。
【0009】
リアハウジング(16)は、センターハウジング鏡板(12a)に対向するリアハウジング鏡板(16a)、及びリアハウジング鏡板(16a)の外周部から突出し、センターハウジング鏡板(12a)の外周部に締結されるリアハウジング側板(16b)を含む。
また、リアハウジング(16)は、圧縮室(C)から吐出される冷媒を収容する吐出室(D)をさらに含む。
【0010】
ここで、センターハウジング鏡板(12a)、リアハウジング鏡板(16a)、及びリアハウジング側板(16b)は第2空間(S2)を形成し、センターハウジング(12)とリアハウジング(16)がそれぞれ別に形成されてから互いに締結されることは、旋回スクロール(50)と固定スクロール(60)を第2空間(S2)に挿入可能とするためである。このとき、センターハウジング(12)とリアハウジング(16)との間で漏洩が発生し得るので、センターハウジング鏡板(12a)とリアハウジング側板(16b)との間には、第2空間(S2)をハウジング(10)の外部から密封する第2シーリング部材(80)が介在される。
【0011】
モーター(20)は、フロントハウジング側板(14b)に固定される固定子、及び前記固定子の内部で前記固定子との相互作用で回転する回転子を含む。
【0012】
回転軸(30)は、前記回転子に締結されるものの前記回転子の中心部を貫通し、回転軸(30)の一端部がセンターハウジング鏡板(12a)を貫通して旋回スクロール(50)を旋回運動させるための偏心ブッシュ(40)と締結され、回転軸(30)の他端部がフロントハウジング鏡板(14a)に支持される。
【0013】
旋回スクロール(50)は、円板状の旋回スクロール鏡板(52)、旋回スクロール鏡板(52)の中心部から固定スクロール(60)側に突出する旋回スクロールラップ(54)、及び旋回スクロール鏡板(52)から旋回スクロールラップ(54)の反対側に突出し、偏心ブッシュ(40)と締結される旋回スクロールボス(530)を含む。
【0014】
固定スクロール(60)は、円板状の固定スクロール鏡板(62)、固定スクロール鏡板(62)の中心部から突出し、旋回スクロールラップ(54)と噛み合う固定スクロールラップ(64)、及び固定スクロール鏡板(62)の外周部から突出し、センターハウジング鏡板(12a)と締結される固定スクロール側板(66)を含む。
【0015】
ここで、圧縮室(C)で発生する騒音がハウジング(10)の外部に放射されることを防止するように、旋回スクロール(50)と固定スクロール(60)はハウジング(10)の内部に収容され、センターハウジング鏡板(12a)、固定スクロール鏡板(62)及び固定スクロール側板(66)は、旋回スクロール(50)の旋回空間を形成し、固定スクロール側板(66)は、リアハウジング側板(16b)と旋回スクロール(50)との間に介在される。
【0016】
しかし、このような従来のスクロール圧縮機は、旋回スクロール(50)と固定スクロール(60)がハウジング(10)の内部に収容される状態で冷媒吐出量を増加させることが困難であった。具体的に、冷媒吐出量の増加のためには、旋回スクロール(50)の旋回半径が増加するか、または圧縮室(C)の軸方向高さが増加されなければならない。しかし、リアハウジング側板(16b)と旋回スクロール(50)との間に固定スクロール側板(66)が形成されることで、予め定められた大きさを有するハウジング(10)の内部で旋回スクロール(50)の旋回半径が増加しにくい。特に、固定スクロール側板(66)は、固定スクロール(60)をセンターハウジング鏡板(12a)に締結させるための締結部材(図示せず)が貫通する締結孔(図示せず)を含み、前記締結孔による固定スクロール側板(66)の剛性の低下を防止するように、リアハウジング側板(16b)よりもさらに厚く形成されることで、旋回スクロール(50)の旋回半径がより増加しにくい。また、旋回スクロール鏡板(52)と固定スクロール鏡板(62)との間の距離が増加し、旋回スクロールラップ(54)の高さと固定スクロールラップ(64)の高さとが増加する場合、旋回スクロール(50)と固定スクロール(60)との耐久性が遥かに低下するため、圧縮室(C)の軸方向高さも増加しにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明は、旋回スクロールと固定スクロールがケーシングの内部に収容される状態で冷媒吐出量を増加させることができるスクロール圧縮機を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記のような目的を達成するために、ケーシングと、前記ケーシングの内部で回転力を発生するモーターと、前記モーターによって回転する回転軸と、前記回転軸によって旋回運動する旋回スクロールと、前記旋回スクロールに噛み合わされ、2つで1対の圧縮室を形成する固定スクロールと、前記旋回スクロールを支持するメインフレームと、を含み、前記固定スクロールは、固定スクロール鏡板、及び前記固定スクロール鏡板から突出する固定スクロールラップを含み、前記メインフレームは、前記旋回スクロールを基準として前記固定スクロール鏡板の反対側に備えられるメインフレーム鏡板、及び前記メインフレーム鏡板の外周部から前記固定スクロール側に突出するメインフレーム側板を含み、前記固定スクロール鏡板、前記メインフレーム鏡板、及び前記メインフレーム側板が前記旋回スクロールの旋回空間を形成するスクロール圧縮機を提供する。
【0019】
前記メインフレーム側板は、前記ケーシングと前記旋回スクロールとの間に介在され、前記旋回スクロールは、半径方向上において前記メインフレーム側板に対向して形成されてもよい。
【0020】
前記メインフレーム側板の厚さは、前記ケーシングの厚さよりも薄く形成されてもよい。
【0021】
前記固定スクロールは、前記固定スクロール鏡板の外周面から半径方向に突出し、前記ケーシングに締結される固定スクロールフランジをさらに含んでいてもよい。
【0022】
前記メインフレームは、前記メインフレーム側板の外周面から半径方向に突出し、前記ケーシングに締結されるメインフレームフランジをさらに含んでいてもよい。
【0023】
前記ケーシングは、前記モーター、前記回転軸、前記旋回スクロール、前記固定スクロール、及び前記メインフレームが収容される収容空間を有する第1ケーシングと、前記第1ケーシングに締結され、前記収容空間を覆蓋する第2ケーシングと、を含んでいてもよい。
【0024】
前記第1ケーシングは、前記回転軸の一端部を支持する第1ケーシング鏡板と、前記第1ケーシング鏡板の外周部から前記第2ケーシング側に突出し、前記モーター、前記メインフレーム及び前記固定スクロールを支持する第1ケーシング側板と、を含んでいてもよい。
【0025】
前記第1ケーシング側板は、前記固定スクロールフランジと前記メインフレームフランジが挿入されるフランジ挿入溝を含んでいてもよい。
【0026】
前記フランジ挿入溝は、前記第1ケーシング側板の内周面から折り曲げられたフランジ挿入溝の基底面、前記フランジ挿入溝の基底面から折り曲げられ、前記第1ケーシング側板の先端面まで延びるフランジ挿入溝の内周面、を含んでいてもよい。
【0027】
前記メインフレームフランジは、前記フランジ挿入溝の基底面に接触するメインフレームフランジの基底面と、前記メインフレームフランジの基底面から折り曲げられ、前記フランジ挿入溝の内周面に対向するメインフレームフランジの外周面と、前記メインフレームフランジの外周面から折り曲げられ、前記メインフレームフランジの基底面の背面をなすメインフレームフランジの上面と、を含んでいてもよい。
【0028】
前記固定スクロールフランジは、前記メインフレームフランジの上面に接触する固定スクロールフランジの基底面と、前記固定スクロールフランジの基底面から折り曲げられ、前記フランジ挿入溝の内周面に対向する固定スクロールフランジの外周面と、前記固定スクロールフランジの外周面から折り曲げられ、前記固定スクロールフランジの基底面の背面をなす固定スクロールフランジの上面と、を含んでいてもよい。
【0029】
前記固定スクロールフランジは、前記固定スクロールフランジの上面から前記固定スクロールフランジの基底面まで前記固定スクロールフランジを貫通する第1締結孔を含み、前記メインフレームフランジは、前記メインフレームフランジの上面から前記メインフレームフランジの基底面まで前記メインフレームフランジを貫通する第2締結孔を含み、前記フランジ挿入溝は、前記フランジ挿入溝の基底面から彫り込まれて形成される第3締結孔を含み、前記メインフレームフランジと前記固定スクロールフランジとは、前記第1締結孔、前記第2締結孔及び前記第3締結孔に挿入される締結部材によって前記第1ケーシング側板に締結されてもよい。
【0030】
前記モーター、前記回転軸、前記旋回スクロール、前記固定スクロール、及び前記メインフレームは、前記第2ケーシング側から前記第1ケーシング側に挿入されて前記収容空間に収容されていてもよい。
【0031】
前記第1ケーシングと前記第2ケーシングとの間には、前記収容空間を前記ケーシングの外部から密封するシーリング部材が形成され、前記収容空間は、前記シーリング部材によってのみ密封されてもよい。
【0032】
前記圧縮室から吐出される冷媒より分離されるオイルを回収するオイル回収流路をさらに含み、前記オイル回収流路は、前記メインフレーム側板に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によるスクロール圧縮機は、ケーシングと、前記ケーシングの内部で回転力を発生するモーターと、前記モーターによって回転する回転軸と、前記回転軸によって旋回運動する旋回スクロールと、前記旋回スクロールに噛み合わされ、2つで1対の圧縮室を形成する固定スクロールと、前記旋回スクロールを支持するメインフレームと、を含み、前記固定スクロールは、固定スクロール鏡板、及び前記固定スクロール鏡板から突出する固定スクロールラップを含み、前記メインフレームは、前記旋回スクロールを基準として前記固定スクロール鏡板の反対側に備えられるメインフレーム鏡板、及び前記メインフレーム鏡板の外周部から前記固定スクロール側に突出するメインフレーム側板を含み、前記固定スクロール鏡板、前記メインフレーム鏡板、及び前記メインフレーム側板が前記旋回スクロールの旋回空間を形成することにより、予め定められた大きさを有するケーシングの内部で前記旋回スクロールの旋回半径を増加させることで、旋回スクロールと固定スクロールがケーシングの内部に収容される状態で冷媒吐出量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来のスクロール圧縮機を示した断面図である。
図2】本発明の一実施例によるスクロール圧縮機を示した断面図である。
図3図2のA部分拡大図である。
図4図2のスクロール圧縮機を他の方向に切開して示した断面図である。
図5図2のスクロール圧縮機における第1ケーシングを示した斜視図である。
図6図2のスクロール圧縮機におけるメインフレームを示した斜視図である。
図7図2のスクロール圧縮機における固定スクロールを示した斜視図である。
図8図7の背面を示した斜視図である。
図9図6のメインフレームと図7の固定スクロールとが結合された様子を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明によるスクロール圧縮機を添付の図面を参照して詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施例によるスクロール圧縮機を示した断面図であり、図3は、図2のA部分拡大図であり、図4は、図2のスクロール圧縮機を他の方向に切開して示した断面図であり、図5は、図2のスクロール圧縮機における第1ケーシングを示した斜視図であり、図6は、図2のスクロール圧縮機におけるメインフレームを示した斜視図であり、図7は、図2のスクロール圧縮機における固定スクロールを示した斜視図であり、図8は、図7の背面を示した斜視図であり、図9は、図6のメインフレームと図7の固定スクロールとが結合された様子を示した斜視図である。
【0036】
添付の図2ないし図9を参照すると、本発明の一実施例によるスクロール圧縮機は、ケーシング(100)、ケーシング(100)の内部で回転力を発生するモーター(200)、モーター(200)によって回転する回転軸(300)、回転軸(300)によって旋回運動する旋回スクロール(500)、旋回スクロール(500)に噛み合わされ、2つで1対の圧縮室(C)を形成する固定スクロール(600)、及び旋回スクロール(500)を支持するメインフレーム(700)を含んでいてもよい。
【0037】
ケーシング(100)は、モーター(200)、回転軸(300)、旋回スクロール(500)、固定スクロール(600)及びメインフレーム(700)が収容される収容空間(S)を有する第1ケーシング(110)、及び第1ケーシング(110)に締結され、収容空間(S)を覆蓋する第2ケーシング(120)を含んでいてもよい。
【0038】
第1ケーシング(110)は、回転軸(300)の一端部を支持する第1ケーシング鏡板(112)、及び第1ケーシング鏡板(112)の外周部から第2ケーシング(120)側に突出し、モーター(200)、メインフレーム(700)及び固定スクロール(600)を支持する第1ケーシング側板(114)を含んでいてもよい。
【0039】
第1ケーシング鏡板(112)は略円板状に形成され、第1ケーシング鏡板(112)の中心側に回転軸(300)の一端部が挿入される回転軸支持溝を含んでいてもよい。
【0040】
第1ケーシング側板(114)は略環状に形成され、外部から収容空間(S)(より正確には、後述の第1空間(S1))に冷媒を案内する冷媒吸入管(図示せず)と連通する吸入ポート(図示せず)を含んでいてもよい。
【0041】
また、第1ケーシング側板(114)は、第1ケーシング側板(114)の先端部側に、後述の固定スクロールフランジ(630)とメインフレームフランジ(730)とが挿入されるように、第1ケーシング側板(114)の先端面及び第1ケーシング側板(114)の内周面から彫り込まれて形成されるフランジ挿入溝(116)を含んでいてもよい。
【0042】
フランジ挿入溝(116)は、第1ケーシング側板(114)の内周面から折り曲げられたフランジ挿入溝の基底面(116a)、及びフランジ挿入溝の基底面(116a)から折り曲げられ、第1ケーシング側板(114)の先端面まで延びるフランジ挿入溝の内周面(116b)を含んでいてもよい。
【0043】
また、フランジ挿入溝(116)は、後述の締結部材(800)が挿入されるように、フランジ挿入溝(116)の基底面(116a)から彫り込まれて形成される第3締結孔(H3)を含んでいてもよい。
【0044】
第2ケーシング(120)は、固定スクロール(600)に対向する第2ケーシング鏡板(122)、及び第2ケーシング鏡板(122)の外周部から突出し、第1ケーシング側板(114)に締結される第2ケーシング側板(124)を含んでいてもよい。
【0045】
第2ケーシング鏡板(122)は、圧縮室(C)から吐出される冷媒を収容する吐出室(D)を含んでいてもよい。
また、第2ケーシング鏡板(122)は、吐出室(D)の冷媒を外部に案内する冷媒吐出管(図示せず)と連通する吐出ポート(図示せず)を含んでいてもよい。
【0046】
第2ケーシング側板(124)は、第1ケーシング側板(114)に締結可能になるように、かつ後述の固定スクロールフランジ(630)がフランジ挿入溝(116)から離脱することを防止するように、第2ケーシング側板(124)の先端面が、第1ケーシング側板(114)の先端面及び後述の固定スクロールフランジの上面(636)に対向して形成されてもよい。すなわち、第2ケーシング側板(124)の外径が第1ケーシング側板(114)の外径と同等なレベルに形成され、第2ケーシング側板(124)の内径がフランジ挿入溝(116)の内径よりも小さく形成されてもよい。
【0047】
ここで、第1ケーシング(110)は一体に形成され、メインフレーム(700)が第1ケーシング(110)に脱着可能に形成されることで、第1ケーシング(110)が一体に形成されてもモーター(200)、回転軸(300)、旋回スクロール(500)及び固定スクロール(600)が、第2ケーシング(120)側から第1ハウジング(110)側に挿入されて収容空間(S)に収容され得る。すなわち、モーター(200)と回転軸(300)とが収容空間(S)に先に挿入され得る。次いで、メインフレーム(700)が収容空間(S)に挿入されることで、収容空間(S)を、前記モーター(200)が収容される第1空間(S1)と、旋回スクロール(500)及び固定スクロール(600)が収容される第2空間(S2)とに区画することができる。次いで、旋回スクロール(500)を旋回運動させるための偏心ブッシュ(400)が収容空間(S)(より正確には、第2空間(S2))に挿入されて回転軸(300)に締結され、旋回スクロール(500)が収容空間(S)(より正確には、第2空間(S2))に挿入されて偏心ブッシュ(400)に締結されてもよい。その後、固定スクロール(600)が収容空間(S)(より正確には、第2空間(S2))に挿入されてもよい。その後、第2ケーシング(120)が第1ケーシング(110)に締結され、収容空間(S)を覆蓋してもよい。
【0048】
一方、第1ケーシング側板(114)の先端面と第2ケーシング側板(124)の先端面との間で漏洩が発生し得るので、これを防止するために、第1ケーシング側板(114)の先端面と第2ケーシング側板(124)の先端面との間には、収容空間(S)をケーシング(100)の外部から密封するシーリング部材(900)が形成されてもよい。
【0049】
モーター(200)は、第1ケーシング側板(114)に固定される固定子、及び前記固定子の内部で前記固定子との相互作用で回転する回転子を含んでいてもよい。
【0050】
回転軸(300)は、前記回転子に締結されるものの前記回転子の中心部を貫通して回転軸(300)の一端部がメインフレーム(700)を貫通し、回転軸(300)の他端部が第1ケーシング鏡板(112)に支持されていてもよい。
【0051】
旋回スクロール(500)は、円板状の旋回スクロール鏡板(510)、旋回スクロール鏡板(510)の中心部から固定スクロール(600)側に突出する旋回スクロールラップ(520)、及び旋回スクロール鏡板(510)の中心部から旋回スクロールラップ(520)の反対側に突出し、偏心ブッシュ(400)と締結される旋回スクロールボス(530)を含んでいてもよい。
【0052】
固定スクロール(600)は、円板状の固定スクロール鏡板(610)、固定スクロール鏡板(610)の中心部から突出し、旋回スクロールラップ(520)と噛み合う固定スクロールラップ(620)、及び固定スクロール鏡板(610)の外周面から半径方向に突出し、第1ケーシング(110)のフランジ挿入溝(116)に挿入される固定スクロールフランジ(630)を含んでいてもよい。
【0053】
ここで、固定スクロール鏡板(610)、固定スクロールラップ(620)、及び固定スクロールフランジ(630)は、固定スクロール(600)の外観を形成することができる。
【0054】
固定スクロール鏡板(610)の中心側には、圧縮室(C)の冷媒を吐出室(D)に吐出する吐出孔(612)が形成されてもよい。
【0055】
固定スクロールフランジ(630)は、固定スクロール(600)を第1ケーシング(110)に締結させるためのものであり、後述のメインフレームフランジ(730)と共にフランジ挿入溝(116)に挿入された状態で第1ケーシング(110)に締結されるように形成されてもよい。
【0056】
具体的に、固定スクロールフランジ(630)は、後述のメインフレームフランジの上面(736)に接触する固定スクロールフランジの基底面(632)、固定スクロールフランジの基底面(632)から折り曲げられ、フランジ挿入溝の内周面(116b)に対向する固定スクロールフランジの外周面(634)、固定スクロールフランジの外周面(634)から折り曲げられ、固定スクロールフランジの基底面(632)の背面をなす固定スクロールフランジの上面(636)、及び固定スクロールフランジの上面(636)から固定スクロールフランジの基底面(632)まで固定スクロールフランジ(630)を貫通する第1締結孔(H1)を含んでいてもよい。
【0057】
メインフレーム(700)は、旋回スクロール(500)を基準として固定スクロール鏡板(610)の反対側に備えられるメインフレーム鏡板(710)、メインフレーム鏡板(710)の外周部から固定スクロール(600)側に突出するメインフレーム側板(720)、及びメインフレーム側板(720)の外周面から半径方向に突出し、第1ケーシング(110)のフランジ挿入溝(116)に挿入されるメインフレームフランジ(730)を含んでいてもよい。
【0058】
ここで、メインフレーム鏡板(710)、メインフレーム側板(720)、及びメインフレームフランジ(730)は、メインフレーム(700)の外観を形成することができる。
【0059】
メインフレーム鏡板(710)には、回転軸(300)の一端部が貫通する軸受孔(712)、及び回転軸(300)の一端部に締結される偏心ブッシュ(400)が回転できる空間を提供し、旋回スクロール(500)を固定スクロール(600)側に加圧する排圧室(714)が形成されてもよい。
【0060】
メインフレーム側板(720)には、冷媒吸入管(図示せず)を通じて第1空間(S1)に流入された冷媒を圧縮室(C)に案内するように、メインフレーム側板(720)を貫通して第1空間(S1)と第2空間(S2)とを連通する吸入孔(722)が形成されてもよい。
【0061】
メインフレームフランジ(730)は、メインフレーム(700)を第1ケーシング(110)に締結させるためのものであり、固定スクロールフランジ(630)と共にフランジ挿入溝(116)に挿入された状態で第1ケーシング(110)に締結されるように形成されてもよい。
【0062】
具体的に、メインフレームフランジ(730)は、フランジ挿入溝(116)の基底面(116a)に接触するメインフレームフランジ(730)の基底面(732)、メインフレームフランジ(730)の基底面(732)から折り曲げられ、フランジ挿入溝(116)の内周面(116b)に対向するメインフレームフランジ(730)の外周面(734)、メインフレームフランジ(730)の外周面(734)から折り曲げられ、メインフレームフランジ(730)の基底面(732)の背面をなすメインフレームフランジ(730)の上面(736)、及びメインフレームフランジ(730)の上面(736)からメインフレームフランジ(730)の基底面(732)までメインフレームフランジ(730)を貫通する第2締結孔(H2)を含んでいてもよい。
【0063】
ここで、メインフレームフランジ(730)と固定スクロールフランジ(630)とは、第1締結孔(H1)、第2締結孔(H2)、及び第3締結孔(H3)に挿入される締結部材(800)によって第1ケーシング側板(114)に締結されてもよい。
【0064】
以下、本実施例によるスクロール圧縮機の作用効果について説明する。
すなわち、モーター(200)に電源が印加されると回転軸(300)が前記回転子と共に回転することができる。
また、旋回スクロール(500)が、偏心ブッシュ(400)を通じて回転軸(300)から回転力を伝達されて旋回運動されることができる。
これによって、圧縮室(C)は、中心側に向かって持続して移動しながら体積が減少できる。
【0065】
また、冷媒は、冷媒吸入管(図示せず)、第1空間(S1)、吸入孔(722)を通じて第2空間(S2)に流入することができる。
また、第2空間(S2)に流入された冷媒は、圧縮室(C)に吸入されることができる。
【0066】
また、圧縮室(C)に吸入された冷媒は、圧縮室(C)の移動経路に沿って中心側に移動しながら圧縮され、吐出孔(612)を通じて吐出室(D)に吐出されることができる。
また、吐出室(D)に吐出された冷媒は、冷媒吐出管(図示せず)を通じて圧縮機の外部に排出されることができる。
【0067】
ここで、本実施例によるスクロール圧縮機は、旋回スクロール(500)と固定スクロール(600)とがケーシング(100)の内部に収容されることにより、圧縮室(C)で発生する騒音がケーシング(100)によって減少できる。これによって、圧縮室(C)で発生する騒音がケーシング(100)の外部に放射されることが防止できる。
【0068】
また、固定スクロール鏡板(610)、メインフレーム鏡板(710)、及びメインフレーム側板(720)が旋回スクロール(500)の旋回空間を形成し、メインフレーム側板(720)がケーシング(100)と旋回スクロール(500)との間に介在されることにより、圧縮室(C)で発生する騒音がメインフレーム側板(720)によっても減少できる。これによって、圧縮室(C)で発生する騒音がケーシング(100)の外部に放射されることがさらに防止できる。
【0069】
一方、固定スクロール鏡板(610)、メインフレーム鏡板(710)、及びメインフレーム側板(720)が旋回スクロール(500)の旋回空間を形成し、メインフレームフランジ(730)を通じて第1ケーシング(110)に締結されるメインフレーム側板(720)がケーシング(100)と旋回スクロール(500)との間に介在されることにより、旋回スクロール(500)の旋回半径が増加できる。
【0070】
具体的に、メインフレーム側板(720)は、第1ケーシング(110)に直接締結されることなく、メインフレームフランジ(730)を通じて第1ケーシング(110)に締結されてもよい。これによって、メインフレーム側板(720)には、締結部材(800)が挿入される締結孔が形成されず、メインフレーム側板(720)の半径方向厚さが薄く形成されてもメインフレーム側板(720)の剛性が確保できる。すなわち、例えば、メインフレーム側板(720)の半径方向厚さは、第1ケーシング側板(114)の半径方向厚さよりも薄く形成されてもよい。これによって、旋回スクロール(500)の旋回半径は、旋回スクロール(500)がメインフレーム側板(720)と干渉しない範囲内で最大に形成できる。
【0071】
これによって、圧縮室(C)の軸方向高さを予め定められたレベルに維持しながら冷媒吐出量が増加できる。すなわち、旋回スクロールラップ(520)と固定スクロールラップ(620)の剛性を予め定められたレベルに維持しながら冷媒吐出量が増加できる。
または、冷媒吐出量を予め定められたレベルに維持しながら第1ケーシング側板(114)の外径が減少できる。これによって、スクロール圧縮機の重量及び原価が節減でき、車量への搭載性が改善できる。
【0072】
一方、メインフレーム(700)がケーシング(100)に脱着可能に形成されることで、第1ケーシング(110)が一体に形成できる。これによって、収容空間(S)は、第1ケーシング(110)と第2ケーシング(120)との間に介在されるシーリング部材(900)によってのみ密封されると十分であるため、原価が節減され、漏洩のおそれが遥かに低くなる。
【0073】
一方、本実施例によるスクロール圧縮機は、ケーシング(100)の内部でオイルが冷媒と共に流動され、各種摺動部を潤滑させるように形成されてもよい。
具体的に、第1空間(S1)にオイルが貯油され、第1空間(S1)のオイルは、第1空間(S1)の冷媒と共に圧縮室(C)に流動され、圧縮室(C)から吐出室(D)に吐出される冷媒に含有されていたオイルは、吐出室(D)から分離し、吐出室(D)で冷媒から分離したオイルは、図4に示したオイル回収流路(W)を通じて第1空間(S1)及び排圧室(714)に流動できる。
【0074】
オイル回収流路(W)は、吐出室(D)のオイルが流入されるように、固定スクロール鏡板(610)を貫通して吐出室(D)と連通する第1流路孔(W1)、第1流路孔(W1)のオイルが流入されるように、メインフレーム側板(720)を貫通して第1流路孔(W1)と連通する第2流路孔(W2)、第2流路孔(W2)を通過するオイルの圧力を吐出圧から中間圧に減圧させるように第2流路孔(W2)の内部に備えられる第1減圧部材(R1)、第2流路孔(W2)を通過したオイルの一部を第1空間(S1)に案内するように、メインフレーム鏡板(710)を貫通して第2流路孔(W2)と第1空間(S1)とを連通する第3流路孔(W3)、第3流路孔(W3)を通過するオイルの圧力を中間圧から吸入圧に減圧させるように第3流路孔(W3)の内部に備えられる第2減圧部材(R2)、第2流路孔(W2)を通過したオイルの一部を排圧室(714)に案内するように、メインフレーム鏡板(710)を貫通して第2流路孔(W2)と排圧室(714)とを連通する第4流路孔(W4)を含んでいてもよい。
【0075】
ここで、本実施例の場合、メインフレーム(700)がメインフレーム側板(720)を含むことで、オイル回収流路(W)を容易に形成することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 ハウジング
12 センターハウジング
12a センターハウジング鏡板
12b センターハウジング側板
14 フロントハウジング
14a フロントハウジング鏡板
14b フロントハウジング側板
16 リアハウジング
16a リアハウジング鏡板
16b リアハウジング側板
20、200 モーター
30、300 回転軸
40、400 偏心ブッシュ
50、500 旋回スクロール
52 旋回スクロール鏡板
54 旋回スクロールラップ
60、600 固定スクロール
62 固定スクロール鏡板
64 固定スクロールラップ
66 固定スクロール側板
70 第1シーリング部材
80 第2シーリング部材
100 ケーシング
110 第1ケーシング
112 第1ケーシング鏡板
114 第1ケーシング側板
116 フランジ挿入溝
116a フランジ挿入溝の基底面
116b フランジ挿入溝の内周面
120 第2ケーシング
122 第2ケーシング鏡板
124 第2ケーシング側板
510 旋回スクロール鏡板
520 旋回スクロールラップ
530 旋回スクロールボス
610 固定スクロール鏡板
612 吐出孔
620 固定スクロールラップ
630 固定スクロールフランジ
632 固定スクロールフランジの基底面
634 固定スクロールフランジの外周面
636 固定スクロールフランジの上面
700 メインフレーム
710 メインフレーム鏡板
712 軸受孔
714 排圧室
720 メインフレーム側板
722 吸入孔
730 メインフレームフランジ
732 メインフレームフランジの基底面
734 メインフレームフランジの外周面
736 メインフレームフランジの上面
800 締結部材
900 シーリング部材


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9