(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-30
(45)【発行日】2022-09-07
(54)【発明の名称】車両信号灯構造及び昼間走行灯
(51)【国際特許分類】
F21S 43/245 20180101AFI20220831BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20220831BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20220831BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20220831BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20220831BHJP
F21V 5/02 20060101ALI20220831BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20220831BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20220831BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20220831BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20220831BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20220831BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20220831BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20220831BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20220831BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220831BHJP
【FI】
F21S43/245
F21S43/237
F21S43/239
F21S43/249
F21V8/00 330
F21V5/02 100
F21W103:55
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:00
F21W103:35
F21W103:45
F21W104:00
F21W102:13
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2022008596
(22)【出願日】2022-01-24
【審査請求日】2022-01-25
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520066382
【氏名又は名称】坦徳科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】余俊賢
(72)【発明者】
【氏名】潘仲強
(72)【発明者】
【氏名】李昭霈
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-287696(JP,A)
【文献】特開2021-136123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/245
F21S 43/237
F21S 43/239
F21S 43/249
F21V 8/00
F21V 5/02
F21W 103/55
F21W 103/20
F21W 103/10
F21W 103/00
F21W 103/35
F21W 103/45
F21W 104/00
F21W 102/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両信号灯構造であって、
細長い光出力面(22)、前記光出力面(22)の両端に配設される光入射面(21)、及び前記光出力面(22)の下に配設される光導体面(25)を有する光導体(20)と、
前記光導体(20)の前記光入射面(21)の両端から離れて個々に配設される少なくとも2つの光源モジュール(30)と、
コリメータ(50)と、を備え、
前記光導体面(25)は、前記光入射面(21)の一方の側から前記光導体(20)の中心部分まで上方に傾斜し、
前記光導体面(25)は、光導体構造を画成する複数のV字形微細構造(251)を有し、
前記光導体(20)の前記光入射面(21)を通過する光(L1、L2、L4)は、前記光導体面(25)によって反射され、次に、前記光出力面(22)の方に向かい、
前記コリメータ(50)の延在方向は、前記光導体(20)の前記光出力面(22)の延在方向と同じであり、
前記コリメータ(50)の前記光入射面(51)は、前記光導体(20)の前記光出力面(22)に面し、
前記光導体(20)の前記光出力面(22)からの光は、前記コリメータ(50)によってコリメートされ、次に、前記コリメータ(50)の前記光出力面(52)の外側を照らすことを特徴とする、
車両信号灯構造。
【請求項2】
前記コリメータ(50)は、延在方向で同一の外形を有することを特徴とする、請求項1に記載の車両信号灯構造。
【請求項3】
前記光導体(20)の長尺断面は、2つの対称くさび状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両信号灯構造。
【請求項4】
前記光源モジュール(30)からの前記光(L1、L2、L4)は、前記光入射面(21)を直接通過することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両信号灯構造。
【請求項5】
前記光源モジュール(30)が放出する前記光(L1、L2、L4)の一部は、前記光導体(20)内で少なくとも2回反射されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両信号灯構造。
【請求項6】
前記光導体(20)の前記光入射面(21)は、複数の光源モジュール(301、302、303)を有し、前記複数の光源モジュール(301、302、303)は、前記光導体(20)の前記光出力面(22)から様々な距離で離間することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両信号灯構造。
【請求項7】
前記光導体面(25)は、様々な位置において、様々な分布密度を有する複数のV字形微細構造(251)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両信号灯構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の車両信号灯構造を備える、
昼間走行灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両信号灯構造に関し、車両信号灯構造は、細長い光パターンをもたらす側灯を展開する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている細長い車両灯は、特定の光度を維持するため、複数の光源が線状に配置され、様々な要件に合う細長い車両灯の各区分を保証しており、このことは、灯の長さに従って複数の光源が必要とされることも意味する。
【0003】
特許文献2に開示されている別の細長い車両灯では、側灯光源は、細長い光導体の一方の側に配設され、光は、光導体内で反射され、細長い光出力面に向かう。側灯を展開する利益は、光源の量を低減することである。しかし、光は、光導体内で全反射を受け、特定の角度にある光は、光導体の背後の微細構造によって反射され、前面の光出力面に向かい、各位置での細長い光源の分配を確保することができない。その上、光が構成される光源から遠く離れるほど、光が光出力面に到達する可能性が低くなり、それに応じて輝度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】TW202024522
【文献】CN102818203A
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、車両信号灯構造に関し、車両信号灯構造は、光導体と、少なくとも2つの光源モジュールと、コリメータとを備える。光導体は、細長い光出力面と、光出力面の両端に配設される光入射面と、光出力面の下に配設される光導体面とを有する。光導体面は、光入射面から光導体の中心部分まで上方に傾斜する。光導体面は、光導体構造を画成する複数のV字形微細構造を有する。光導体の光入射面を通過する光は、光導体面によって反射され、光出力面の方に向かう。2つの光源モジュールは、光導体の光入射面の両端から離れて個々に配設される。コリメータの延在方向は、光導体の光出力面の延在方向と同じである。コリメータの光入射面は、光導体の光出力面に面する。光導体の光出力面からの光は、コリメータによってコリメートされ、次に、コリメータの光出力面の外側を照らす。
【0006】
いくつかの実施形態では、車両灯は、側灯を展開し、様々な要件を満たすのに十分な光度をもたらし、このことに加えて、光量を低減させる。
【0007】
いくつかの実施形態では、コリメータは、延在方向で同一の外形を有する。光導体の長尺断面は、2つの対称くさび状である。
【0008】
いくつかの実施形態では、光源モジュールが放出する光の一部は、光導体内で少なくとも2回反射される。光導体の光入射面は、複数の光源モジュールを備え、複数の光源モジュールは、十分な光度をもたらすように、光導体の光出力面から様々な距離で離間する。
【0009】
いくつかの実施形態では、様々な位置における光導体面は、延在方向(Y方向)における様々な位置で光度を調節するように、様々な分布密度を有する複数のV字形微細構造を備える。
【0010】
本開示は、上述の車両信号灯構造を備える昼間走行灯を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】車両信号灯構造の側断面を示す部分拡大図である。
【
図3】車両信号灯構造の光導体の内部光路を示す概略図である。
【
図4】従来の細長い光導体の内部光路を示す概略図である。
【
図7】車両信号灯構造の観察方向の視覚効果を示す概略図である。
【
図8】
図7の視覚シミュレーション効果を示す概略図である。
【
図9】車両信号灯構造の様々な方向における光度のシミュレーションを示す概略図である。
【
図10】
図9の水平方向における光度分布のシミュレーションを示す概略図である。
【
図11】
図9の垂直方向における光度分布のシミュレーションを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、当業者の一般的な理解に従うものであり、線形車両灯の光出力方向を前と呼ぶ。
図2を参照されたい。Z方向の凸方向を前と呼び、Y方向を線形車両灯の延在方向と呼び、X方向を車両灯の幅と呼ぶ。
【0013】
本開示は、
図2に示す、側灯(光源モジュール30)を展開する細長い昼間走行灯の内部構造の一実施形態を提供する。側灯は、光導体20によって光源を細長い線形光源に変形させるものであり、光は、調整要件に合うようにコリメータ50によって合焦、集光される。この灯の構造は、様々な車両灯、例えば、ロービーム灯、方向指示灯、位置灯、尾灯、制動灯、後退灯又は装飾灯にも適用され、上述のものに限定されない。
【0014】
図1及び
図2を参照されたい。本開示は、灯構造を提供し、灯構造は、光導体20と、少なくとも2つの光源モジュール30と、コリメータ50とを備える。光導体20は、線形光パターンに対応し、線形光パターンをもたらすように、細長い形状で供給される。光導体20は、その上側に光出力面22を備える。光導体20は、その左右(Y方向)の側部に光入射面21を備える。光入射面21は、光出力面22に垂直である。
【0015】
光導体20は、その下側に光導体面25を備え、光導体面25は、光出力方向の平坦面に垂直な光出力面22に対応する。光導体面25は、傾斜面であり、一方で、光入射面21の下で外形部に接続し、もう一方で、光導体20の中心部分の上方に延在し、光導体20の長尺断面を2つの対称くさび状にし、くさびの先端は互いに接触している。
光導体面25は、光導体構造を画成するように、傾斜面と交差する複数のV字形微細構造251を備える。V字形微細構造251の先端は、上を向き、光導体20の前側及び後側(X方向)は、側方の光が漏出しないように、側板23に取り付けられる。
【0016】
光源モジュール30は、光導体20の光入射面21の両端から離れて個々に配設され、光源モジュールの光出力面22は、光入射面21に直接取り付けられ、光源が、光導体20を直接通過することを可能にする。光導体の断面が台形であり、光導体20の各光入射面21が複数のLEDチップ301、302、303を備えることは、言及する価値がある。複数のLEDチップ301、302、303は、十分な光源をもたらすように、様々な距離、即ち、Z方向の様々な距離で光導体の光出力面22から離間する。
【0017】
図3を参照されたい。光導体20の光入射面21を通過する光は、光導体面25によって反射され、光出力面22の方に向かい、光入射面21に近い光L1だけでなく、光導体20の中心部分に近い光L2も、V字形微細構造251によって反射され、光出力面22に向かう。V字形微細構造251によって反射することができるという前提の下、V字形微細構造251の先端が上向きであるか、下向きであるかは、任意である。
【0018】
図3~
図5を参照されたい。一様な形状の細長い光導体40及び側灯(光源モジュール30)は、
図4に示すように展開される。LEDは、点光源であり、光L3は、屈折の法則(スネルの法則)のために光入射面の側で光導体40を通過し、光は、光導体40内で全反射の実施を継続し、反対側42に光を放出し、Z方向で光を放出することがない。
本開示の光導体20を
図5で示すように展開する場合、(ZY断面における)光導体20のくさび構造により、光L4が底部で傾斜面に複数回接触して反射角度を徐々に変化させることを可能にし、又は光L4がZ方向で光を放出することができ、又は光L4がV字形微細構造251によって反射されるより良好な機会、若しくは光出力面22を通過するより良好な機会を有する。光導体20は
図5の左側により近いほど、光がZ方向で放射される可能性がより高い。Z方向で様々な位置に位置するLEDチップ301、302、303は、くさび構造により光を反射し、光を光出力面22に放出することができる。
【0019】
上記前提の下、V字形状微細構造の密度がより高いほど、対応する領域の光源はより多く反射される。したがって、微細構造の量を調節することにより、様々な位置での光の輝度の調節を可能にする。
【0020】
図1、
図2及び
図6を参照されたい。コリメータ50も細長い光導体である。コリメータ50の延在方向は、光導体20の延在方向と同じである。コリメータ50は、延在方向で同じ外形である、即ち、Y方向の様々な位置でのコリメータ50の断面形状が同じである。コリメータ50の光出力面52は、平坦面又は円弧面である。コリメータ50の光入射面51は、光導体20の光出力面22の線形光パターンに面する。光導体20の光出力面22からの光は、コリメータ50によってコリメートされ、次に、コリメータ50の光出力面52の外側を照らす。
【0021】
車両信号灯構造の観察方向の視覚効果を示す
図7を参照されたい。観察者の目は、灯構造の光出力面52の前に直接あり、観察者の目は、光出力面に垂直である。
図7の上部は、観察者の目の位置をシミュレートするように円錐体の先端を展開し、円錐体は、観察者の目が観察する輝度のシミュレーション範囲として働く範囲を含み、円錐体の底部の枠は、観察者の目が観察するシミュレーション領域を示す。結果は、
図8に示され、観察者の目の視覚効果は、一様な細長い光パターンである。
【0022】
Z方向を向く光度方向のシミュレーションの断面図を示す
図9を参照されたい。X方向の開き角は、±45度であり、Y方向の開き角は、±30度である。
図10及び
図11は、光度(単位cd)をシミュレーションする
図9の水平方向(Y方向)及び垂直方向(X方向)における光度分布を示す。本開示の昼間走行灯は、中心で約700cdの光度を有し、±10度以内の水平開き角及び垂直開き角で少なくとも500cdの光度を有し、±15度以内の水平方向で少なくとも500cdの光度を有する。光度、即ち、光によって覆われる範囲は、X方向で約±45度であり、Y方向で±30度である。
上記に示したように、中心部の光度は、より強力である。というのは、光は、光導体及びV字形構造を通過し、V字形構造が光をY方向からZ方向に向け、コリメータがX方向で光を収束するためである。2つの光学要素は、様々な光の調整要件に合うように展開される。
【符号の説明】
【0023】
20 光導体
21 光入射面
22 光出力面
25 光導体面
30 光源モジュール
50 コリメータ
251 V字形微細構造
301 光源モジュール
302 光源モジュール
303 光源モジュール
【要約】
【課題】車両信号灯構造及び昼間走行灯を提供すること。
【解決手段】車両信号灯構造は、光導体(20)と、2つの光源モジュール(30)と、コリメータ(50)とを含む。光導体(20)は、細長い光出力面(22)と、光出力面(22)の両側に配設される光入射面(21)と、光出力面(22)の下に配設される光導体面(25)とを含む。光導体面(25)は、光入射面(21)から光導体(20)の中心部分まで上方に傾斜する。光導体面(25)は、光導体構造を画成する複数のV字形微細構造(251)を有する。光源モジュール(30)は、光導体(20)の光入射面(21)に配設される。コリメータ(50)は、光導体(20)の光出力面(22)に配設される光入射面(51)を有する。光導体(20)の光入射面(21)を通過する光(L1、L2、L4)は、光導体面(25)によって反射され、光出力面(22)に向かい、次に、コリメータ(50)によってコリメートされる。
【選択図】
図1