(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】組み合わせ語式発案用ツール
(51)【国際特許分類】
B42D 15/00 20060101AFI20220901BHJP
【FI】
B42D15/00 331Z
B42D15/00 321Z
(21)【出願番号】P 2022043190
(22)【出願日】2022-03-01
【審査請求日】2022-03-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000171263
【氏名又は名称】今中 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】今中 俊雄
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3094871(JP,U)
【文献】特開2002-006741(JP,A)
【文献】実開平06-050063(JP,U)
【文献】実開昭52-059577(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/00
G09F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
商品の改良案や開発案を、組み合わせ語から発案するツールであって、商品の改良や開発を、何を対象に行うのかを示す対象語として、特定する次のカッコ内の対象語(形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる対象語群と、どのような手段を用いて行うのかを示す手段語として、特定する次のカッコ内の手段語(変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる手段語群との、2つの語群、又は、前記2つの語群に加え、例えば、簡便化、兼用化、差別化、実現化、魅了化、先進化、適時化、斬新化、など、商品の改良や開発の目的となるものを示す目的語を3語以上含んでなる目的語群を加えた3つの語群、の前記2つの語群又は3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして構成するために、個別に回転可能に配設した複数の回転体を用い、前記2つの語群又は前記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記回転体の表面に表示部を設けるとともに、該表示部を設ける回転体の数を前記語群の数に合わせたうえ、当該表示部に、前記語群別に各語を配置して表示したことを特徴とする組み合わせ語式発案用ツール。
【請求項4】
商品の改良案や開発案を、組み合わせ語から発案するツールであって、商品の改良や開発を、何を対象に行うのかを示す対象語として、特定する次のカッコ内の対象語(形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる対象語群と、どのような手段を用いて行うのかを示す手段語として、特定する次のカッコ内の手段語(変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる手段語群との、2つの語群、又は、前記2つの語群に加え、例えば、簡便化、兼用化、差別化、実現化、魅了化、先進化、適時化、斬新化、など、商品の改良や開発の目的となるものを示す目的語を3語以上含んでなる目的語群を加えた3つの語群、の前記2つの語群又は3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして構成するために、6面体のサイコロ、或いは、8面体のサイコロを用い、前記2つの語群又は前記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記サイコロの数を前記語群の数に合わせるとともに、前記語群の語数を前記サイコロの面数に合わせたうえ、該サイコロのそれぞれの6面又は8面を前記表示部とし、該表示部に、前記語群別に各語を配置して表示したことを特徴とする組み合わせ語式発案用ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、語を組み合わせて改良案や開発案を発案するツールに関する。
【背景技術】
【0002】
回転自在に設けた大径円盤と小径円盤からなる学習具を用い、それぞれの円盤面を表示部とし、メイン語句とサブ語句を配置して文例を表示し、円盤を回転してメイン語句とサブ語句の組み合わせを変化させることで、多数の文例をコンパクトに表示可能にした先行技術として「回転板式語学学習具」がある(特許文献1参照)。
また、商品サービスに関するマトリックスシートで、商品サービスの項目を中央に配置し、関連する項目として、ターゲット、チャネル、販売促進、など8項目を設けて周辺に配置し、商品サービスと各項目とを、検討の方向性を示す矢印で示すようにして、アイデアの創出に必要な項目欄を合理的に配置し、様々な観点から優れた発想が得られるようにした先行技術として、「イノベーションマトリックスシート」がある(特許文献2参照)。
【文献】実開平6-50063号公報(請求項1,
図1~5)
【文献】特開2018-12294号公報(請求項1~8,
図1~15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、組み合わせ語を「これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係になるように構成することで、その関係を具体化することが、改良案や開発案の発案につながるので、改良案や開発案の発案法を容易に習得できるツールとして提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の組み合わせ語式発案用ツールは、商品の改良案や開発案を、組み合わせ語から発案するツールであって、商品の改良や開発を、何を対象に行うのかを示す対象語として、特定する次のカッコ内の対象語(形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる対象語群と、どのような手段を用いて行うのかを示す手段語として、特定する次のカッコ内の手段語(変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる手段語群との、2つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして構成するために、適宜物品に表示部を設け、該表示部に、前記2つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記語群別に各語を配置して表示するとともに、前記語群別に、それぞれ選択した語の記入欄を設けたうえ、該記入欄に添え、前記選択した語の関係を示すための添付文言を付し、さらに、発案した改良案や開発案を記入する発案記録欄を設けたことを特徴とする。
【0005】
請求項2に記載の組み合わせ語式発案用ツールは、請求項1記載の組み合わせ語式発案用ツールにおいて、前記2つの語群に加え、例えば、簡便化、兼用化、差別化、実現化、魅了化、先進化、適時化、斬新化、など、商品の改良や開発の目的となるものを示す目的語を3語以上含んでなる目的語群を加えて3つの語群としたうえで、該3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するためのツールとして構成するために、適宜物品に表示部を設け、該表示部に、前記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記語群別に各語を配置して表示するとともに、前記語群別に、それぞれ選択した語の記入欄を設けたうえ、該記入欄に添え、前記選択した語の関係を示すための添付文言を付し、さらに、発案した改良案や開発案を記入する発案記録欄を設けたことを特徴とする。
【0006】
請求項3に記載の組み合わせ語式発案用ツールは、商品の改良案や開発案を、組み合わせ語から発案するツールであって、商品の改良や開発を、何を対象に行うのかを示す対象語として、特定する次のカッコ内の対象語(形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる対象語群と、どのような手段を用いて行うのかを示す手段語として、特定する次のカッコ内の手段語(変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる手段
語群との、2つの語群、又は、前記2つの語群に加え、例えば、簡便化、兼用化、差別化、実現化、魅了化、先進化、適時化、斬新化、など、商品の改良や開発の目的となるものを示す目的語を3語以上含んでなる目的語群を加えた3つの語群、の前記2つの語群又は3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして構成するために、個別に回転可能に配設した複数の回転体を用い、前記2つの語群又は前記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記回転体の表面に表示部を設けるとともに、該表示部を設ける回転体の数を前記語群の数に合わせたうえ、当該表示部に、前記語群別に各語を配置して表示したことを特徴とする。
【0007】
請求項4に記載の組み合わせ語式発案用ツールは、商品の改良案や開発案を、組み合わせ語から発案するツールであって、商品の改良や開発を、何を対象に行うのかを示す対象語として、特定する次のカッコ内の対象語(形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる対象語群と、どのような手段を用いて行うのかを示す手段語として、特定する次のカッコ内の手段語(変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、8語とも類似語及び略記、詳記、図案化表示を含む)を、3語以上含んでなる手段語群との、2つの語群、又は、前記2つの語群に加え、例えば、簡便化、兼用化、差別化、実現化、魅了化、先進化、適時化、斬新化、など、商品の改良や開発の目的となるものを示す目的語を3語以上含んでなる目的語群を加えた3つの語群、の前記2つの語群又は3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして構成するために、6面体のサイコロ、或いは、8面体のサイコロを用い、前記2つの語群又は前記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記サイコロの数を前記語群の数に合わせるとともに、前記語群の語数を前記サイコロの面数に合わせたうえ、該サイコロのそれぞれの6面又は8面を前記表示部とし、該表示部に、前記語群別に各語を配置して表示したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の組み合わせ語式発案用ツールは、対象語群と手段語群との、2つの語群の相互間で組み合わせた組み合わせ語が、「これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係になるように構成されており、その関係を具体化することが、改良案や開発案の発案につながるので、改良案や開発案の発案法を容易に習得できるツールとして有効に利用することができる。
【0009】
例えば、形状(対象語)と変換(手段語)を組み合わせた組み合わせ語では、「形状を変換する」という関係になり、その関係を、例えば、「円柱形を角柱形に変換する」というふうに具体化することで、角柱形に変えることによる有利性を生み出す商品の改良案や開発案となり得るので、合理的に思考範囲を絞れるとともに、発案の容易化が図れる。
【0010】
各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するように構成されているので、選んだ組み合わせ語から発案が得にくい場合、次から次へと組み合わせを変える手法で、「これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係の組み合わせ語の中から、発案に結び付きやすい組み合わせ語を効率的に探し出し、効率的に発案することができるという利点を有している。
【0011】
対象語群と手段語群は、それぞれ8語が特定されており、それぞれの8語が、対象や手段を全般的にカバーするように編成されているので、改良案や開発案の発案の範囲を全般的にカバーすることができる。
【0012】
請求項2による組み合わせ語式発案用ツールは、目的語群を加えることで、改良や開発の目的・指標が明確になり、発案をよりよく導く助けになるとともに、市場競争力を高めた改良案や開発案を導きだすのに有効である。
【0013】
請求項3による組み合わせ語式発案用ツールでは、連結紐で連結された数珠型のブレスレットなど、アクセサリー化に適しており、常時携行することで、利用法を習得する行為や発案する行為の日常化が図られるので、発案能力を高めたり、脳の活性化を図ったりすることに有効に利用することができる。
【0014】
請求項4による組み合わせ語式発案用ツールでは、サイコロの出目により語同士の組み合わせを決めるので、ゲーム感覚で楽しめ、ツールの普及拡大効果が期待できる。
また、アクセサリー化して、習得行為や発案行為の日常化を図ることも容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明による、組み合わせ語式発案用ツールに関する実施形態について以下に述べる。
本発明に用いる対象語は、特定する、形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観、の8語のうち、少なくとも3語以上を含めて対象語群として形成されるものであり、同様に、手段語も、特定する、変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、の8語のうち、少なくとも3語以上を含めて手段語群として形成される。
【0016】
本発明での類似語には、下記に例示する類似語のほか、特許文献、学術文献、辞書などで、同義語や均等語としての用例や記載のある語を含むものである。
また、上記3つの語群の各語や、各語に含まれる類似語などの表示は、漢字に限定されず、仮名文字やローマ字、外国語での表示のほか、ディスプレイなどでの電子的表示や音声表示、それらの併用表示など、上記した組み合わせ語が得られる表示であればよい。
類似語は、例えば、対象語の「形状」には、形、形式、形態、外形、輪郭、などを含み、「構造」には、仕組みや機構、仕様、構成、構成の状態や関係、装置、構造的品質などが含まれ、「素材」には、材料、原料、食材、などのほか、構成素材、素材に内在する成分、素材の品質、素材の性質、および質量などの各種物性を含み、「機能」には、構造や素材などに由来する、働き、作用、効能、効果、性能、特性、機能的品質、機能的物性などが含まれ、「用途」には、使い道、使い処、使い方、などを含み、「体感」には、使用感、食感、食味、匂い、肌触り、熱、振動、音、色、イメージ、など、体や脳に伝わる感覚に関わるものが含まれ、「部分」には、凹部、突起部、端部、接合部、などの部位のほか、部品、部材、機能部材、加飾物、付属物を含み、「外観」には、施したデザインやそれらから受ける見た目や見た目の質感、外観的品質を含む。
【0017】
手段語の「変換」には、変える、変更、変質、交換、置換、転換などのほか、変造、改造、などが含まれ、「結合」には、組み合わせ、寄せ集め、取り付け、接着、磁着、嵌め込み、引っ掛け、結束、包装、などによる結合、連結、着脱結合、分解結合、加工結合、付加結合、複数の工程や処理の合一、合体や異分野間の組み合わせ、或いは、技術的結合、機能的結合、物質的結合、物理的結合、化学的結合、など各種結合を含み、「加工」には、製造や生産に伴う加工、保存のための加工、性能や品質の向上や改良を図るための加工、加工や処理の方法、技術、手順、工程、などが含まれ、「加減」には、増加減少、加重減重、加圧減圧、増量減量など、加えたり減らしたりすることを含み、「拡縮」には、拡大縮小、拡幅縮幅、拡散収束、伸縮、拡面縮面、膨大化、圧縮化、など広げたり縮めたりすることを含む。
「利用」には、応用、転用、活用、起用、模倣、逆用、などの方法により、自然法則や既存の構造や機能などを利用することが含まれ、「創出」には、新規に創出することのほか、使用時や作動時に、新たな形状や構造、機能などが創り出されるようにすることを含み、「限定」には、特定、選択、などが含まれ、限定した条件下で新たな効果を発したり需要を生み出したりするようにすることをいう。
【0018】
本案での組み合わせ語は、2つの語群の相互間では、「これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係になり、3つの語群の相互間では、「(目的語)を図り、これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係になる。
組み合わせ語は、類似語で言い換えることで、発案が得やすくなることがある。
例えば、形状(対象語)と結合(手段語)との組み合わせ語は、「形状を結合する」とするより、類似語を使って「形を組み合わせる」と言い換えたほうが発案が得やすい。
従って、組み合わせ語は、類似語を用いて適宜に言い換えることが望ましい。
【0019】
本発明でいう略記とは、一部を省略した表記や略字などでの表記を指し、詳記とは、説明語句を付記したり、関連語句を併記したりして、詳しく表記したものを指し、図案化表示とは、上記各語群の各語やその類似語、およびそれらの略記や詳記の、文字や語意を図案化や符号化した表示を指す。
【0020】
適宜の物品に表示部を設ける実施形態としては、例えば、教科書や学習帳などの紙面を表示面として表示部を設ける実施形態、或いは、粘着シートや筆記用下敷きなどの表面を表示面として表示部を設ける実施形態など、多数の実施形態が存在する。
また、語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、語群別に適宜な方法で各語を配置して表示するための、適宜な方法としては、それぞれの語群の語を、語群別に、対向するように配置して表示する方法を例示することができる。
【0021】
なお、語群別に各語を配置して表示する実施形態では、語群別に文字の色や形などを変えたり背景の色柄を変えたりする実施形態も任意に選択することができる。
また、文字などの表示の実施形態は、印刷、転写、焼付、陽刻、陰刻、印刷シール貼付、などの実施形態を任意に選択することができる。
【0022】
また、電子機器の液晶画面を表示面として表示部を設ける実施形態も採用でき、関連するソフトウエアを必要とするが、従来技術で実施できるものである。
電子機器の液晶画面を表示面として表示部を設ける実施形態では、各語群の各語を一覧的に表示せず、語群別に1語ずつ表示して、組み合わせ語を指定する形で表示したり、ヒント的に類似語を併記表示したり、組み合わせ語に関連する改良事例を表示したりする実施形態など、任意に採用することができる。
【0023】
印刷物や電子機器の液晶画面など、表示面に余裕がある場合には、使用の容易化を図るため、例えば、各語群ごとに選んだ語を記入する記入欄を設けたり、該記入欄に添付文言などを添えたり、使用の理解を助けたりするための説明文や参考図又は補助符号などを表示したり、する実施形態を任意に採用することができる。
同様に、改良や開発を行う具体的な商品の名称を表示する記入欄を設けたり、これに添付文言を添えたりする実施形態も任意に採用することができる。
また、発案した事柄を記録するための、例えば、発案記録欄を設ける実施形態も任意に採用することができる。
さらに、各語の類似語を例示する実施形態を採用したり、各語の組み合わせごとに、例えば、「形状」と「変換」とを組み合わせた組み合わせ語では、形状を変換したことによって改良や開発をされた事例を表示する実施形態を採用したり、或いは、その事例を時代別、産業別、難易度別などに、表示する実施形態を採用したりすることも有益である。
さらには、対象語群や手段語群に「その他」という語を加え、語群の中に適切な語が見当たらないケースを補完する実施形態も任意に採用することができる。
【0024】
請求項2で例示した目的語について説明する。
「簡便化」とは、構造や操作性などを簡略にして、効率や利便性を向上させること、「兼用化」とは、複数の機能や用途を兼用できるようにし、携帯性や効率を向上させること、
「差別化」とは、機能、使用感、質感、素材、外観、食味、食感、或いは、希少性、意外性、コスパなどで、同種の物との差をつけ優位性を図ること、「実現化」とは、このような物があればいいのに・・・というような便利グッズや実現が困難視されていた物を実現させること、「魅了化」とは、イメージや品質などを魅力的にして、好奇心や欲求心の虜にしたり、プライドやステータスなどのアピールポイントになるような物を目指すこと、「先進化」とは、先進の素材や技術を利用した物を作り出すこと、「適時化」とは、時世に合わせた物や流行を取り入れた物を作り出すこと、「斬新化」とは、発案者自身が常識や固定観念に囚われていることを認識したうえで、常識や固定観念を打ち破る独創的な物を案出すること、を目的とする。
目的語も3語以上を含めて目的語群として形成されるが、上記のように、○○化と表記される語に限定されず、改良や開発の目的を示す語であればよく、産業別、業務別などで、独自な目的語を追加したり入れ替えたりすることが望ましい。
どのような目的語を用いるにしろ、最終的な目的としては、特許や意匠などの知的財産として権利化することを目指すことが望ましい。
【0025】
請求項3にいう、個別に回転可能に配設した複数の回転体としては、例えば、複数の数珠玉を連結紐で連結したブレスレットを挙げることができる。
その他、個別に回転可能に配設した複数の回転体としては、中心部を回転軸で連結した複数の円板や複数の部位を回転可能にした繰り出し容器などを挙げることができる。
なお、連結紐で連結された複数の数珠玉を用いるような実施形態では、ブレスレット兼祈願用お守りとする実施形態や、磁力を帯びた数珠玉を中に入れ健康グッズと兼用させる実施形態なども任意に選択することができる。
別例として、指や筆記具に装着可能にした複数のリングまたは複数の部位を回転可能にした筒状の筆記具カバーやキャップなどにする実施形態も任意に選択することができる。
【0026】
請求項4では、サイコロを収納する携帯ケースをセットにして、キーホルダー型のアクセサリーと兼用できるように構成する実施形態も任意に採用することができる。
また、展開図や折り紙から、サイコロを作る実施形態も任意に採用することができる。
【実施例1】
【0027】
以下図面に基づいて実施例を説明する。
図1は、本発明の請求項2の一実施例を示す平面図である。
請求項2の構成には、請求項1の構成も含まれるため、請求項1の実施例については省略している。
請求項2の一実施例では、組み合わせ語式発案用ツール1は、筆記用下敷き2として使用可能な印刷物3として形成されている。
また、目的語群4は、請求項2で例示された簡便化、兼用化、差別化、実現化、魅了化、先進化、適時化、斬新化の8語からなり、対象語群5は、請求項1で特定された、形状、構造、素材、機能、用途、体感、部分、外観の8語からなり、同じく、手段語群6も、請求項1で特定された、変換、結合、加工、加減、拡縮、利用、創出、限定、の8語からなるよう構成されている。(各語群とも各語の配置順序は任意である)
上記構成は、請求項2にいう、目的語群4は、商品の改良や開発の目的となるものを示す目的語を3語以上含んでなるものに適うものであり、同様に、請求項1にいう、対象語群5は、特定された対象語を3語以上含んでなるものに適い、手段語群6も、特定された手段語を3語以上含んでなるものに適うよう構成されている。
上記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、該3つの語群を、適宜物品として用いている合成樹脂シート製の筆記用下敷き2の表面を表示面として表示部を設け、語群別に対向させる方法で各8語を配置して表示している。
上記のようにして、組み合わせ語式発案用ツール1は、上記3つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように構成されており、それぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして利用することができる。
組み合わせ語式発案用ツール1の上部には、任意に採用できる実施形態を用い、改良案や開発案に関する商品名称を記入するための商品名称記入欄Aが、添付文言Eを添えて設けられている。
同様に、任意に採用できる実施形態を用い、目的語群4の下方には、選択した目的語を記入するための目的語記入欄Bが設けられ、同様に、対象語群5の下方には、対象語記入欄C、手段語群6の下方には、手段語記入欄Dが設けられている。
記入欄B、C、Dに添えられた添付文言Eは、該記入欄B、C、Dに記入される語と一体となって意味をなすよう構成されている。
上記のような実施形態では、上記3つの語群の組み合わせ語が「(目的語)を図り、これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係になることが明示されるので、その関係を具体化する手法で改良案や開発案を発案することができる。
上記記入欄B、C、Dを、複数段列に設け、発案の質を高める効果が期待できる実施形態も任意に選択することができる。
また、任意に採用できる実施形態を用い、発案した改良案や開発案を記入する発案記録欄Fが「発案内容の評価」や「期待できる効果」も記録できる形で設けられるとともに、組み合わせ語式発案用ツール1で用いられている語の、類似語を例示する類似語例示欄Gと、対象語と手段語との、組み合わせ語の関係に該当する改良事例や開発事例を例示する欄を、対象語と手段語の組み合わせ語での改良事例例示欄Hとして設けている。
なお、筆記用下敷き2を、合成樹脂製のシートで作ることで、消しゴムで消せるボールペンを用いて、繰り返し新たな語の組み合わせを試すことができる。
【実施例2】
【0028】
図2は、本発明の請求項3の一実施例の要部を示す模式図である。
実施例では、組み合わせ語式発案用ツール1は、前記3つの語群4、5、6の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なようにするため、個別に回転可能に配設した複数の回転体として、3つの数珠玉7を連結紐8で連ねることで、個別に回転可能に配設し、該3つの数珠玉7ごとにその表面を表示面として表示部を設け、該表示部に、前記語群別に、実施例では各8語を、それぞれの語が連結紐と略平行になるように配置する方法で配置して表示している(各語群の語の図示は省略して1語のみ表示)。
なお、前記表示部を設けた3つの数珠玉7の間に、任意の添付物(例えば、数珠玉やプレートなど)を介在させながら、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように配設する構成も任意に選択でき、この場合、該添付物に上記添付文言Eと同等の機能を付与する実施形態も任意に選択することができる。
同様に、前記3つの数珠玉7に隣接させて任意の添付物を配設し、該添付物の表面に、「効果、進歩性、需要、収益性などの文字を表示し、発案内容による効果や進歩性の有無、需要の有無や収益性などの面から検討させ、特許取得を目指す意識を高めたり、発案内容の質を高めたり、するための実施形態の採用も有益である。
前記3つの数珠玉7を、それぞれ任意に回転させ、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得た組み合わせ語から改良案や開発案を発案するように構成されている。
なお、実施例では、3つの数珠玉7を連結紐8で連ねたものは、ブレスレット兼祈願用お守りの一部Jを構成するものとして構成されている。
【実施例3】
【0029】
図3は、本発明の請求項4の一実施例を示す模式図である。
実施例では、組み合わせ語式発案用ツール1は、上記3つの語群4,5,6の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なようにするため、実施例では、6面体のサイコロ9を3つ用いて、サイコロ9の数を語群の数3つに合わせるとともに、上記語群の語数を6面体のサイコロ9の面数に合わせて前記各語群の各8語の中から、各語群ごとに任意の各6語を選択したうえで、6面体のサイコロ9のそれぞれの面を表示面として表示部を設け、該表示部に、前記語群別に、選択した各6語を配置して表示している(各語群の語の図示は各1語のみ表示)。
この3つの6面体のサイコロ9を、任意に振り、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なようにして、組み合わせた組み合わせ語から改良案や開発案を発案するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の請求項2の一実施例を示す平面図である。
【
図2】本発明の請求項3の一実施例の要部を示す模式図である。
【
図3】本発明の請求項4の一実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0031】
1 組み合わせ語式発案用ツール
2 筆記用下敷き
3 印刷物
4 目的語群
5 対象語群
6 手段語群
7 数珠玉
8 連結紐
9 6面体のサイコロ
A 商品名称記入欄
B 目的語記入欄
C 対象語記入欄
D 手段語記入欄
E 添付文言
F 発案記録欄
G 類似語例示欄
H 事例例示欄
J ブレスレット兼祈願用お守りの一部
【要約】
【課題】組み合わせ語を「これ(対象語)をこのように(手段語)する」という関係になるように構成することで、その関係を具体化することが、改良案や開発案の発案につながるので、改良案や開発案の発案法を容易に習得できるツールとして提供しようとするものである。
【解決手段】上記課題を解決するために、商品の改良や開発を、何を対象に行うのかを示す対象語を3語以上含んでなる対象語群と、どのような手段を用いて行うのかを示す手段語を3語以上含んでなる手段語群との、2つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語と組み合わせ、得たそれぞれの組み合わせ語からそれぞれの改良案や開発案を発案するツールとして構成するために、適宜物品に表示部を設け、該表示部に、前記2つの語群の相互間で、各語ごとに他群の各語との組み合わせが可能なように、前記語群別に各語を配置して表示する。
【選択図】
図1