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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】蓄電素子
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20220901BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20220901BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20220901BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20220901BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALN20220901BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/536
H01G11/76
H01M10/04 W
H01M10/0587
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017218193
(22)【出願日】2017-11-13
(65)【公開番号】P2019091563
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄太
【審査官】森 透
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/125271(WO,A1)
【文献】特開2015-069767(JP,A)
【文献】特開2016-192285(JP,A)
【文献】特開2015-099739(JP,A)
【文献】特開2007-149353(JP,A)
【文献】特開2016-126905(JP,A)
【文献】国際公開第2014/042005(WO,A1)
【文献】特開2017-143003(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0129479(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 10/04
H01M 10/0587
H01G 11/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔と該金属箔に重なる活物質層を有する被覆部と該被覆部の金属箔から延びると共に前記活物質層から露出した金属箔を有する非被覆部とを含む電極が厚み方向に積層されている電極体と、
前記非被覆部が積層された非被覆積層部に対し、前記電極の積層方向に重ねられる集電体と、
前記積層方向において、前記集電体の反対側から該集電体と共に前記非被覆積層部を挟み込む保護板と、を備え、
前記保護板は、
前記非被覆積層部に当接すると共に、前記被覆部が積層された被覆積層部と前記非被覆積層部との並び方向に延びる第一部位と、
前記第一部位から前記被覆積層部側に延びると共に、前記積層方向及び前記並び方向のいずれにも直交する方向における前記保護板の両端部を除いた第二部位であって、前記集電体から離れる方向に前記第一部位に対して曲がっている第二部位と、を有し、
前記保護板の第二部位における折れ曲がりの端縁は、略円弧状である、ことを特徴とする蓄電素子。
【請求項2】
前記積層方向及び前記並び方向のいずれにも直交する方向における前記第一部位及び前記第二部位の両側の部位は、弾性変形により生じている弾性回復力により、前記非被覆積層部の表面を前記積層方向における前記集電体側に押圧している、請求項に記載の蓄電素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体と集電体とが接合された蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電極体に電流取り出し端子を接合したリチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」と称する)が知られている(特許文献1参照)。具体的に、この電池は、図15に示すように、電極板が巻回して形成された巻回型電極体102と、巻回型電極体102から電流を取り出す電流取り出し端子105とを有する。巻回型電極体102の電極板は、セパレータを介して配置された正極板と負極板とからなる。電流取り出し端子105は、巻回型電極体102における活物質が塗布されていない未塗工部に接合されている。
【0003】
電流取り出し端子105は、超音波接合により、巻回型電極体102に接合される。この超音波接合は、超音波溶接機のアンビル181上に配置された電流取り出し端子105に、巻回型電極体102を重ね合わせた上に、さらに、緩衝板107を配置した状態で行われる。このように電流取り出し端子105、巻回型電極体102、及び、緩衝板107を重ね合わせた状態で、超音波溶接機のホーン180により超音波振動を付与することで、電流取り出し端子105は巻回型電極体102に接合される。
【0004】
このように巻回型電極体102を電流取り出し端子105と緩衝板107とで挟み込んだ状態で、電流取り出し端子105を巻回型電極体102に接合すると、緩衝板107が巻回型電極体102を押すことにより、巻回型電極体102は挟み込み方向の反対側に向かって曲がることがある。このとき、緩衝板107の角等の部位によって巻回型電極体102の曲がった部位等が大きな力で押されると、この角等の部位により電極板102が損傷するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-38475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本実施形態は、保護板と集電体とにより電極体が挟み込まれることでの保護板による電極体の損傷の発生を抑えた蓄電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の蓄電素子は、
金属箔と該金属箔に重なる活物質層を有する被覆部と該被覆部の金属箔から延びると共に前記活物質層から露出した金属箔を有する非被覆部とを含む電極が厚み方向に積層されている電極体と、
前記非被覆部が積層された非被覆積層部に対し、前記電極の積層方向に重ねられる集電体と、
前記積層方向において、前記集電体の反対側から該集電体と共に前記非被覆積層部を挟み込む保護板と、を備え、
前記保護板は、
前記非被覆積層部に当接すると共に、前記被覆部が積層された被覆積層部と前記非被覆積層部との並び方向に延びる第一部位と、
前記第一部位から前記被覆積層部側に延びると共に、前記積層方向及び前記並び方向のいずれにも直交する方向における前記保護板の両端部を除いた第二部位であって、前記集電体から離れる方向に前記第一部位に対して曲がっている第二部位と、を有する。
【0008】
かかる構成によれば、保護板における電極体の曲がっている部位(電極体のうち曲がった形状の保護板に押さえられることにより曲がっている部位)を覆う部分が、保護板の端縁よりも角張っていないため、保護板が非被覆積層部を押圧したとしても、非被覆積層部が損傷しにくい。また、第二部位が電極体に沿って曲がっていることにより、保護板が電極体に対して曲がっていない構成に比べて、第二部位の先端(第二部位の並び方向における被覆積層部側の先端)が非被覆積層部を強く押さえられないため、第二部位の先端による非被覆積層部の損傷の発生を抑えることができる。従って、保護板による電極体の損傷の発生を抑えることができる。
【0009】
前記蓄電素子では、
前記積層方向及び前記並び方向のいずれにも直交する方向における前記第一部位及び前記第二部位の両側の部位は、弾性変形により生じている弾性回復力により、前記非被覆積層部の表面を前記積層方向における前記集電体側に押圧していてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、保護板の弾性回復力により、例えば、保護板が非被覆積層部における集電体との接合部位周辺を押さえる事により、電極体に何らかの負荷(例えば、振動や衝撃)が発生した際、電極体における接合部部位にかかる負荷を低減させ、損傷の発生を抑えることができる。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態の蓄電素子によれば、保護板と集電体とにより電極体が挟み込まれることでの保護板による電極体の損傷の発生を抑えた蓄電素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る蓄電素子の斜視図である。
図2図2は、前記蓄電素子の分解斜視図である。
図3図3は、前記蓄電素子の電極体を説明するための図である。
図4図4は、図1のIV-IV位置における断面図である。
図5図5は、前記電極体と集電体との接合箇所周辺の断面図である。
図6図6は、図1のVI-VI位置における断面図の拡大図である。
図7図7は、前記電極体と前記集電体との接合方法を説明するための図である。
図8図8は、保護板が非被覆積層部に配置される前の状態の図7のVIII-VIII位置における断面模式図である。
図9図9は、保護板が非被覆積層部に配置された状態の図7のVIII-VIII位置における断面模式図である。
図10図10は、前記保護板の折り曲げを説明するための模式図である。
図11図11は、前記保護板の模式図である。
図12図12は、前記電極体と前記集電体との超音波接合を説明するための模式図である。
図13図13は、前記電極体と前記集電体との超音波接合を説明するための模式図である。
図14図14は、前記蓄電素子を含む蓄電装置の斜視図である。
図15図15は、従来の巻回型電極体と電流取り出し端子との接合方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る蓄電素子の一実施形態について、図1図13を参照しつつ説明する。本実施形態に係る蓄電素子には、一次電池、二次電池、キャパシタ等がある。本実施形態では、蓄電素子の一例として、充放電可能な二次電池について説明する。以下では、先ず、本実施形態に係る製造方法によって製造される蓄電素子の構成を説明し、その後、蓄電素子の製造方法について説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0014】
本実施形態に係る蓄電素子は、非水電解質二次電池である。より詳しくは、蓄電素子は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。この種の蓄電素子は、電気エネルギーを供給する。蓄電素子は、単一又は複数で使用される。具体的に、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧が小さいときには、単一で使用される。一方、蓄電素子は、要求される出力及び要求される電圧の少なくとも一方が大きいときには、他の蓄電素子と組み合わされて蓄電装置に用いられる。前記蓄電装置では、該蓄電装置に用いられる蓄電素子が電気エネルギーを供給する。
【0015】
蓄電素子は、図1図4に示すように、電極体2と、電極体2を収容するケース3と、少なくとも一部がケース3の外部に露出する外部端子4と、電極体2と外部端子4とを導通させる集電体5と、を備える。この蓄電素子1は、電極体2とケース3との間に配置される絶縁部材6等も、備える。本実施形態の蓄電素子1は、電極体2と集電体5との接合時に電極体2を保護する保護板7を備える。
【0016】
電極体2は、積層されている電極(正極23及び負極24)を有する。具体的に、電極体2は、捲芯21と、正極23と負極24とが互いに絶縁された状態で積層された積層体22であって、捲芯21の周囲に捲回された積層体22と、を備える(図3及び図4参照)。電極体2においてリチウムイオンが正極23と負極24との間を移動することにより、蓄電素子1が充放電する。
【0017】
捲芯21は、通常、絶縁材料によって形成される。本実施形態の捲芯21は、筒状、より詳しくは、偏平な筒状である。この捲芯21は、可撓性又は熱可塑性を有するシートを捲回することによって形成される。本実施形態の前記シートは、合成樹脂によって形成されている。
【0018】
正極23は、活物質層に被覆された被覆部232と、被覆部232から延び且つ活物質層に被覆されていない非被覆部231と、を有する。具体的に、正極23は、帯状の金属箔と、金属箔に重ねられる正極活物質層と、を有する。この正極23において、短手方向である幅方向の一方の端縁部に、金属箔が正極活物質層に被覆されていない非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)231が形成され、幅方向の残りの部位に、金属箔が正極活物質層に被覆されている被覆部232が形成されている。本実施形態の正極23を構成する金属箔は、例えば、アルミニウム箔である。
【0019】
負極24も、正極23と同様に、活物質層に被覆された被覆部242と、被覆部242から延び且つ活物質層に被覆されていない非被覆部241と、を有する。具体的に、負極24は、帯状の金属箔と、金属箔に重ねられる負極活物質層と、を有する。この負極24において、短手方向である幅方向の他方(正極23の非被覆部231と反対側)の端縁部に、金属箔が負極活物質層に被覆されていない非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)241が形成され、幅方向の残りの部位に、金属箔が負極活物質層に被覆されている被覆部242が形成されている。本実施形態の負極24を構成する金属箔は、例えば、銅箔である。
【0020】
この電極体2では、被覆部232、242は、金属箔とこの金属箔に重なる活物質層を有し、非被覆部231、241は、被覆部232、242の金属箔から延びると共に、活物質層から露出した金属箔を有する正極23や負極24が厚み方向に積層されている。本実施形態の電極体2では、以上のように構成される正極23と負極24とがセパレータ25によって絶縁された状態で捲回される。このように正極23と負極24とが捲回されている電極体2では、正極23の被覆部232同士が積層され、正極の非被覆部231同士が積層されている。また、負極24の被覆部242同士が積層され、負極24の非被覆部241同士が積層されている。尚、電極体2において、正極23の被覆部232と負極24の被覆部242とは、セパレータ25を介して交互に積層されている。
【0021】
セパレータ25は、絶縁性を有する部材であり、正極23と負極24との間に配置される。これにより、電極体2(詳しくは、積層体22)において、正極23と負極24とが互いに絶縁される。また、セパレータ25は、ケース3内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、セパレータ25を挟んで交互に積層される正極23と負極24との間を、リチウムイオンが移動可能となる。
【0022】
このセパレータ25は、帯状であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。本実施形態のセパレータ25は、SiO粒子、Al粒子、ベーマイト(アルミナ水和物)等の無機粒子を含んだ無機層を、多孔質膜によって形成された基材の上に設けることで形成されている。本実施形態のセパレータ25の基材は、例えば、ポリエチレンによって形成される。
【0023】
セパレータ25の幅方向の寸法は、負極活物質層の幅より大きい。セパレータ25は、正極23の被覆部232と負極24の被覆部242とが厚さ方向(積層方向)に重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極23と負極24との間に配置される。このとき、正極23の非被覆部231が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向(積層方向と直交する方向)に突出し、且つ、負極24の非被覆部241が、正極23と負極24との重なる領域から幅方向(正極23の非被覆部231の突出方向と反対の方向)に突出する。このような状態で積層された正極23、負極24、及びセパレータ25が捲回されることによって、電極体2が形成されている。
【0024】
本実施形態の電極体2では、正極23の被覆部232と負極24の被覆部242とがセパレータ25を介して積層された部位によって、電極体2の被覆積層部26が構成される。また、この電極体2では、正極23の非被覆部231又は負極24の非被覆部241のみが積層された部位によって、電極体2の非被覆積層部27が構成される。
【0025】
非被覆積層部27は、電極体2における集電体5と導通する部位である。本実施形態の非被覆積層部27は、捲回された正極23、負極24、及びセパレータ25の捲回中心軸C方向から見て、中空部28(図3参照)を挟んで二つの部位(分割非被覆積層部)271に区分けされる。
【0026】
以上のように構成される非被覆積層部27は、電極体2の各極に設けられる。即ち、正極23の非被覆部231のみが積層された部位が電極体2における正極の非被覆積層部27を構成し、負極24の非被覆部241のみが積層された部位が電極体2における負極の非被覆積層部27を構成する。
【0027】
本実施形態の電極体2では、各非被覆積層部27における電極体2の積層方向における保護板7側の端面29は、被覆部232と非被覆部231との並び方向、及び、被覆部242及び非被覆部241との並び方向(以下、第一方向)に沿って延びる第一面291と、第一面291の先端290から延びる第二面292と、を有する(図4及び図5参照)。尚、第一面291が第一方向に延びるとは、電極の積層方向及び第一方向を含む平面での断面において、第一面291が第一方向に延びることである。
【0028】
第二面292は、第一面291に対して被覆積層部26側に位置している。また、第二面292は、第一方向において先端290から離れるほど、積層方向における集電体5から遠ざかる。換言すると、第二面292は、第一面291の延びる方向(第一方向)に対して積層方向における保護板7側に傾斜している。また、本実施形態の端面29は、積層方向及び第一方向(被覆部232と非被覆部231との並び方向)のいずれにも直交する第二方向(電極の幅方向である第二方向)において第一面291の両側に位置する第三面293も有する(図6参照)。尚、本実施形態の非被覆積層部27では、第一面291の接合部位を除く部位、第二面292、及び第三面293は、それぞれ、滑らかな面である。
【0029】
以下では、第一方向を直交座標系のX軸とし、電極の積層方向を直交座標系のY軸とし、第二方向を直交座標系のZ軸とする。
【0030】
ケース3は、開口を有するケース本体31と、ケース本体31の開口を塞ぐ(閉じる)蓋板32と、を有する(図1及び図2参照)。ケース3は、電極体2及び集電体5等と共に、電解液を内部空間に収容する。ケース3は、電解液に耐性を有する金属によって形成される。本実施形態のケース3は、例えば、アルミニウム、又は、アルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料によって形成される。
【0031】
ケース3は、ケース本体31の開口周縁部34と、蓋板32の周縁部とを重ね合わせた状態で接合することによって形成される。また、ケース3では、ケース本体31と蓋板32とによって内部空間が画定されている。
【0032】
ケース本体31は、板状の閉塞部311と、閉塞部311の周縁に接続される筒状の胴部(周壁)312と、を備える。
【0033】
閉塞部311は、ケース本体31が開口を上に向けた姿勢で配置されたときにケース本体31の下端に位置する(即ち、前記開口が上を向いたときのケース本体31の底壁となる)部位である。閉塞部311は、該閉塞部311の法線方向から見て、矩形状である。
【0034】
胴部312は、角筒形状、より詳しくは、偏平な角筒形状を有する。胴部312は、閉塞部311の周縁における長辺から延びる一対の長壁部313と、閉塞部311の周縁における短辺から延びる一対の短壁部314とを有する。短壁部314が一対の長壁部313の対応(詳しくは、Y軸方向に対向)する端部同士をそれぞれ接続することによって、角筒状の胴部312が形成される。
【0035】
以上のように、ケース本体31は、開口方向(Z軸方向)における一方の端部が塞がれた角筒形状(即ち、有底角筒形状)を有する。このケース本体31には、捲回中心軸CをX軸方向に向けた状態で電極体2が収容される(図2参照)。
【0036】
蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐ板状の部材である。具体的に、蓋板32の輪郭は、ケース本体31の開口周縁部34に対応した形状である。本実施形態の蓋板32は、X軸方向に長い矩形状の板状である。この蓋板32は、ケース本体31の開口を塞ぐように該ケース本体31に当接する。より具体的には、蓋板32が開口を塞ぐように、蓋板32の周縁部がケース本体31の開口周縁部34に重ねられる。開口周縁部34と蓋板32とが重ねられた状態で、蓋板32とケース本体31との境界部が溶接される。これにより、ケース3が構成される。
【0037】
外部端子4は、他の蓄電素子の外部端子又は外部機器等と電気的に接続される部位である。外部端子4は、導電性を有する部材によって形成される。例えば、外部端子4は、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム系金属材料、銅又は銅合金等の銅系金属材料等の溶接性の高い金属材料によって形成される。本実施形態の外部端子4は、蓋板32に取り付けられる。
【0038】
集電体5は、ケース3内に配置され、Y軸方向において電極体2(例えば、非被覆積層部27)に重ねられた状態で、電極体2と通電可能に直接又は間接に接続される。具体的に、集電体5は、超音波接合により電極体2と接続される。本実施形態の集電体5は、ケース3の内面に沿って配置される。この集電体5は、導電性を有する部材によって形成されている。
【0039】
具体的に、集電体5は、図2に示すように、外部端子4と通電可能に接続される第一接続部51と、電極体2と通電可能に接続される第二接続部52と、第一接続部51と第二接続部52とを接続する屈曲部53と、を有する。ケース3内において、屈曲部53が蓋板32と短壁部314との境界近傍に配置され、第一接続部51が屈曲部53から蓋板32に沿って延び、第二接続部52が屈曲部53から短壁部314に沿って延びる。
【0040】
第一接続部51は、ケース3(詳しくは蓋板32)と絶縁された状態でケース3(蓋板32)の内面に沿って屈曲部53から延びる板状の部位である。
【0041】
第二接続部52は、電極体2の非被覆積層部27に重ねられる(例えば、面接触する)接合片522を有する。具体的に、第二接続部52は、ケース3に沿って屈曲部53から延びる本体521と、本体521から延び且つ電極体2と接合される少なくとも一つの接合片522と、を有する。本実施形態の第二接続部52は、二つの接合片522を有する。
【0042】
本体521は、短壁部314と絶縁された状態で屈曲部53から閉塞部311又は閉塞部311の近傍まで短壁部314に沿って延びる。
【0043】
二つの接合片522のそれぞれは、電極体2の非被覆積層部27に非被覆部231、241の積層方向(図4におけるX軸方向)の一方側から重ねられている(例えば、面接触している)。本実施形態の二つの接合片522のそれぞれは、電極体2の中空部28側、即ち、扁平筒状の電極体2の内周面側から非被覆積層部27(詳しくは、分割非被覆積層部271)に面接触している。具体的に、接合片522は、本体521から電極体2(非被覆積層部27)に向けて延びると共に本体521と同方向(Z軸方向)に延びる板状の部位である。この接合片522は、本体521のZ軸方向の略中央に配置されている。
【0044】
二つの接合片522は、本体521のY軸方向の中央に設けられた開口56を画定するように、該開口56の両側(Y軸方向の両側)においてZ軸方向に延びる(図2参照)。即ち、本実施形態の第二接続部52は、各非被覆積層部27における二つの分割非被覆積層部271のうちの一方の分割非被覆積層部271に接合される接合片522と、前記二つの分割非被覆積層部271のうちの他方の分割非被覆積層部271に接続される接合片522と、を有する。本実施形態の集電体5において、開口56及び二つの接合片522は、例えば、Z軸方向に延びる帯状の板にZ軸方向(長手方向)の切れ込みを入れ、前記切れ込みの両側を捻ることによって形成される。
【0045】
以上のように構成される集電体5は、蓄電素子1の正極と負極とにそれぞれ配置される。本実施形態の蓄電素子1では、ケース3内において、電極体2の正極の非被覆積層部27と、負極の非被覆積層部27とにそれぞれ配置される。正極の集電体5と負極の集電体5とは、異なる素材によって形成される。具体的に、正極の集電体5は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金によって形成され、負極の集電体5は、例えば、銅又は銅合金によって形成される。
【0046】
保護板7は、電極体2に集電体5を接続(例えば、超音波接合により接続)するときに、電極体(詳しくは、非被覆積層部27を構成する非被覆部231、241)を保護する部材である。また、保護板7は、Y軸方向において集電体5の反対側から集電体5と共に電極体2を挟み込んでいる。
【0047】
さらに、保護板7は、例えば、電極体2の非被覆積層部27に、Y軸方向における接合片522が配置されている側と反対側から面接触している(図4参照)。本実施形態の例では電極体2の外側、即ち、扁平筒状の電極体2の外周面側から非被覆積層部27(詳しくは、分割非被覆積層部271)に面接触している。具体的に、保護板7は、接合片522との間に分割非被覆積層部271を挟み込む位置に配置されている。
【0048】
本実施形態の保護板7は、板状の部材であり、且つ、Z軸方向に長尺な略矩形状である。この保護板7は、分割非被覆積層部271に当接すると共に、X軸方向に延びる第一部位71と、第一部位71から被覆積層部26側に延びると共に、Z軸方向における保護板7の両端部を除いた第二部位72と、を有する(図4及び図5参照)。この保護板7は、Z軸方向における第一部位71及び第二部位72の両側の部位である第三部位73も有する(図6参照)。
【0049】
この保護板7の境界部β(第一部位71と第二部位72との境界部β)は、第一面291と第二面292との境界部αに重なると共に、例えば、湾曲した形状をしている(図5参照)。さらに、保護板7は、電極体2と集電体5との接合(例えば、超音波接合)により、第一面291及び第二面292における境界部αを含む領域をY軸方向における集電体5側に押圧する。以上の構成の保護板7では、電極体2のX軸方向における両端(非被覆積層部27における外側)において、Z軸方向における中央に第一部位71が配置されると共にZ軸方向における両側に第三部位73が配置されている。また、電極体2のX軸方向における内側(非被覆積層部27における内側)において、Z軸方向における中央に第二部位72が配置されると共にZ軸方向における両側に第三部位73が配置されている(図6参照)。
【0050】
第一部位71は、電極体2の第一面291に沿って第一面291と同方向(例えば、X軸方向)に延びている。尚、端部710が第一部位71から延びるとは、X-Y平面での断面において、端部710が第一部位71から延びることである(図4及び図5参照)。また、第一部位71は、例えば、超音波接合により電極体2と接続されていることにより、第二部位72や第三部位73のような他の部位と比べて電極体2の端面290に対して低い(図4図6参照)。本実施形態の第一部位71は、電極体2の第一面291に面接触している。この第一部位71の第一面291と接触する面のうち接合部位を除く部分は、例えば、第一面291と同様に滑らかな形状をしている。さらに、第一部位71のX軸方向における長さは、保護板7における折れ曲がる部位のX軸方向における長さ(第二部位72のX軸方向における長さ)により定まる。第一部位71のZ軸方向における長さは、電極体2と集電体5との接合部位(例えば、超音波接合による接合部位)のX軸方向における長さにより定まる。また、この第一部位71のX軸方向における外側の端縁は、第一面291のX軸方向における外側の端縁に重なっている。さらに、この第一部位71のY軸方向における厚みは、第一部位71のX-Z面方向の各位置において略均一である。
【0051】
本実施形態の第二部位72は、集電体5から離れる方向に第一部位71に対して曲がっている。換言すると、この第二部位72は、第一部位71の先端から延びると共に、端部710のうちZ軸方向における両端部を除いた部位がY軸方向における集電体5側と反対側に折れ曲がることで形成されている。具体的に、この第二部位72は、Z軸方向に長尺な略矩形状の保護板7のX軸方向における端部710のうちZ軸方向における中央部分の折り曲げられている部位である(図11参照)。具体的に、第二部位72は、X軸方向において湾曲すると共に、Z軸方向においても湾曲している。第二部位72における折れ曲がりの端縁(折れ曲がりの開始位置)72Rは、Z軸方向において伸びる略円弧状(例えば、曲率の小さい略円弧状)をしている。尚、第二部位72における折れ曲がりの端縁72RのZ軸方向における両端を除く部分(Z軸方向における中央部分)が、境界部βである。また、第二部位72は、X軸方向において第一部位71から離れるほど、集電体5から離れている(図5参照)。本実施形態の第二部位72は、電極体2の第二面292に面接触している。この第二部位72の第二面292と接触する面は、例えば、第二面292と同様に滑らかな形状をしている。また、第一部位71の電極体2に接触する面と第二部位72の電極体2に接触する面とのなす角度θ1は、第二面292の第一面291に対する折り曲げに沿った角度となっている。具体的に、角度θ1は、第一面291と第二面292とのなす角度θ2と同じ角度、あるいは、角度θ2よりも小さな角度となっているため、保護板7により電極体2が破れにくくなっている。
【0052】
第二部位72が第二面292に面接触した状態で、第一部位71が電極体2と集電体5との接続(例えば、超音波接合)により沈み込むことで、第三部位73のY軸方向における内側の部位が、第一部位71と電極体2との接合の際にY軸方向の内側に向かって引っ張られることにより、本実施形態の第三部位73は、Z軸方向において傾斜するよう弾性変形する(図6参照)。この第三部位73は、Z軸方向において外側に位置するほど、Y軸方向において集電体5から離れている。この第三部位73は、弾性変形により生じている弾性回復力(弾性変形した部位が、初期位置(変形前の位置)に戻ろうとする力)により、第二面292(非被覆積層部27)をY軸方向における集電体5側に押圧している。第三部位73のうち第一部位71の両側に位置する部位のZ軸方向における長さは、超音波接合による接合部位のZ軸方向における長さにより定まる。第三部位73のうち第二部位72の両側に位置する部位のZ軸方向における長さは、保護板7における折れ曲がる部位のZ軸方向における長さ(第二部位72のZ軸方向における長さ)により定まる。
【0053】
尚、第三部位73は、端部710に含まれると共に、湾曲した形状(角のない形状、以下「R形状」とする)を有する角部73Rを含む(図11参照)。角部73Rは、略矩形状の保護板7のうちZ軸方向において隣り合う二つの角部である。
【0054】
また、電極体2の端面290における第一部位71が重ねられる面は第一面291であり、電極体2の端面290における第二部位72が重ねられる面は第二面292であり、電極体2の端面290における第三部位73が重ねられる面は第三面293である。
【0055】
絶縁部材6は、ケース3(詳しくはケース本体31)と電極体2との間に配置される。この絶縁部材6は、絶縁性を有する樹脂によって形成されている。本実施形態の絶縁部材6は、所定の形状に裁断された絶縁性を有するシート状の部材を折り曲げることによって袋状に形成されている(図2参照)。
【0056】
次に、蓄電素子1の製造方法について、図7図11も参照しつつ説明する。
【0057】
まず、外部端子4と集電体5とが蓋板32に組付けられる。続いて、電極体2が、蓋板32に組付けられた状態の集電体5に接合される。本実施形態の例では、電極体2の非被覆積層部27(詳しくは、分割非被覆積層部271)と集電体5の接合片522とが超音波接合される。また、本実施形態の例では、この超音波接合は、保護板7と集電体5とにより電極体2を挟んだ状態で行われる。この保護板7では、第二部位72が予め折り曲げられている。また、保護板7は、電極体2(非被覆積層部27)のうち接合により折れ曲がる部位に重なる部分において予め折り曲げられている。詳しくは、以下の通りである。
【0058】
図7及び図8に示すように、集電体5の接合片522が、分割非被覆積層部271に対し、Y軸方向において扁平筒状の電極体2の内周面側から面接触するように配置される。また、保護板7が、分割非被覆積層部271に対し、Y軸方向において筒状の電極体2の外周面側に配置される(図9参照)。
【0059】
保護板7は、例えば、略矩形状の板を四つの角部のうち隣り合う二つの角部73RをR形状に加工し、この二つの角部73Rを含む端部710のうち、二つの角部73Rに挟まれる中央部分を折り曲げることにより形成される(図10参照)。このように形成された保護板7は、X軸方向に沿って延びる第一部位71と、第一部位71から延びると共にZ軸方向における両端部を除いた部位が折り曲げられて形成される第二部位72と、を有する(図11参照)。第二部位72における折れ曲がりの端縁(折れ曲がりの開始位置)72Rは、第一部位71と第二部位72との境界部βを含む。第二部位72における折れ曲がりの端縁72Rは、略円弧状(例えば、曲率の小さい略円弧状)をしている。また、第一部位71と第二部位72との境界部βも同様に、略円弧状(例えば、曲率の小さい略円弧状)をしている。
【0060】
また、電極体2と集電体5とが接続(例えば、超音波接合)されるときに、後述するホーン80とアンビル81とに挟み込まれることで、第一部位71がY軸方向において沈み込む。これにより、保護板7のうちこの沈み込んだ部位のZ軸方向における両側に位置し且つY軸方向において外側に傾斜する部位が、第三部位73となる。第三部位73は、例えば、第一部位71及び第二部位72のZ軸方向における両側に位置する。尚、超音波接合を行う以前の第三部位73は、第一部位71と同様にX軸方向に沿って延びている。また、第三部位73のX軸方向における端に位置する角部73RはR形状である。
【0061】
このように、分割非被覆積層部271が接合片522と保護板7との間に位置するように接合片522、分割非被覆積層部271、及び保護板7が重ねられると、図12及び図13に示すように、重ねられた接合片522、分割非被覆積層部271、及び保護板7が、ホーン80とアンビル81とによって挟み込まれ、ホーン80がアンビル81に向けて加圧された状態で超音波振動することにより、超音波接合される。このとき、ホーン80又はアンビル81が、非被覆積層部27に直接接触しない、即ち、ホーン80又はアンビル81と非被覆積層部27との間に保護板7又は接合片522があるため、超音波振動が付与されたときの非被覆部231、241の損傷(破れ)が防がれる。
【0062】
この接合の際に、非被覆積層部27における第一部位71と重なる領域は圧縮されて薄くなり、第一部位71は第二部位72や第三部位73と比べて電極体2の端面290に対して低くなる。また、非被覆積層部27における第二部位72と重なる領域は、第二部位72における折れ曲がりの形状に沿った形状となる。このような非被覆積層部27の変形により、電極体2の端面290には、第一面291と第二面292との境界部αが生じることになる(図5参照)。
【0063】
尚、この接合の際に、第三部位73は、Y軸方向において傾斜するよう弾性変形し、弾性変形により生じている弾性回復力により、第三面293をY軸方向における集電体5側に押圧することになる(図6参照)。
【0064】
以上の接合片522、分割非被覆積層部271、及び保護板7の超音波接合が繰り返され、若しくは、複数個所で同時に行われることで、電極体2の正極側の二つの分割非被覆積層部(正極側において中空部28を挟んで並ぶ二つの分割非被覆積層部)271と、正極の集電体5の二つの接合片522とがそれぞれ接合され、電極体2の負極側の二つの分割非被覆積層部271と、負極の集電体5の二つの接合片522とがそれぞれ接合される。これにより、電極体2が蓋板32に組付けられる。
【0065】
電極体2、集電体5、及び外部端子4等が蓋板32に組付けられると、蓋板32がケース本体31の開口周縁部34に当接するまで、該蓋板32に組付けられた状態の電極体2がケース本体31に挿入される。このとき、電極体2の周囲は、絶縁部材6によって覆われている。
【0066】
続いて、蓋板32とケース本体31の開口周縁部34との境界部が溶接(レーザ溶接等)され、その後、電界液がケース3に設けられた注液孔から注入(注液)され、前記注液孔が封止されることで、蓄電素子1が完成する。
【0067】
以上の蓄電素子1によれば、保護板7における電極体2の折れ曲がりの境界(電極体2のうち曲がった形状の保護板7に押さえられることにより曲がっている部位、第一面291と第二面292との境界部α)を覆う部分が、曲げられていることにより湾曲した形状となっている、即ち、保護板における角よりも角張っていない(保護板における角よりも折れ曲がりの角度が大きくなっている)ため、保護板7からの圧力が電極体2の境界部αに集中することが抑えられ、保護板7が非被覆積層部27を押圧しても、非被覆積層部27が損傷しにくい。また、第二部位72が第二面292に沿って曲がっていることにより、保護板7が電極体2に対して曲がっていない構成に比べて、第二部位72の先端(X軸方向において第一部位71と反対側に位置する第二部位72の端縁)が非被覆積層部27を強く押さえられないため、この先端による損傷も抑えられる。従って、保護板7による電極体2の損傷の発生を抑えることができる。
【0068】
また、このような構成では、例えば、被覆積層部26のX軸方向における幅(被覆部232や被覆部242のX軸方向における幅)を広げることで、第二面292の第一面291に対する角度が大きくなるように電極体2が折れ曲がっても、保護板7による電極体2の損傷の発生を抑えることができる。そのため、被覆積層部26のX軸方向における幅を広げて(活物質層を増大させて)、蓄電素子1の高容量化を図ることが容易である。さらに、このような構成では、例えば、電極体2に含まれる電極の枚数を増やすことで、第二面292の第一面291に対する角度が大きくなるように電極体2が折れ曲がっても、保護板7による電極体2の損傷の発生を抑えることができる。そのため、電極体2に含まれる電極の枚数を増やして、蓄電素子1の高容量化を図ることが容易である。
【0069】
本実施形態の蓄電素子1の製造方法では、保護板7の端部710において、折れ曲がっている第二部位72の両側(Z軸方向における両側)に、折り曲げられていない部位(第三部位73の一部)が設けられている。そのため、端部710全体が折り曲げられている構成と比べて、端部710のZ軸方向における両端に剛性の高い角部が生じることを防ぐことができる。これにより、第二部位72における折り曲げを保持した状態で、保護板7が電極体2に重ねられることが可能である。
【0070】
また、本実施形態の蓄電素子1では、保護板7の弾性回復力により、保護板7が電極体2と集電体5との接合部位周辺を押さえる事により、電極体2に何らかの負荷(例えば、振動や衝撃)が発生した際、接合部位にかかる負荷を低減させ、損傷の発生を抑えることができる。
【0071】
さらに、本実施形態の蓄電素子1では、保護板7の端部710の角部73RはR形状であるため、この角部が角張っている場合よりも、角部73Rによる電極体2の損傷の発生がさらに抑えられる。
【0072】
尚、本発明の蓄電素子は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0073】
上記実施形態の保護板7では、第二部位72における折れ曲がりの端縁(折れ曲がりの開始位置)72Rは、略円弧状(例えば、曲率の小さい略円弧状)をしていたが、台形状であったり、三角形状であったりしてもよい。尚、保護板7の折り曲げは、工具や、絞り加工等の従来から知られている工程を用いて行うことができる。
【0074】
また、上記実施形態の保護板7の第二部位72は、電極体2の第二面292と面接触していたが、少なくとも保護板7が境界部βを含む領域を押圧していれば、第二部位72の少なくとも一部が第二面292と面接触していなくてもよい。
【0075】
上記実施形態の電極体2では、第一面291の接合部位を除く部位や第二面292が滑らかな形状であったが、凹凸形状を有していてもよい。この場合においても、第一面291や第二面292を、保護板7の第一部位71や第二部位72に沿った形状とすることができる。
【0076】
このような構成であっても、保護板7における電極体2の折れ曲がりの境界(第一面291と第二面292との境界部α)を覆う境界部βが、折り曲げられていることにより湾曲した形状となっていれば、保護板7による電極体2の損傷の発生を抑えることができる。
【0077】
上記実施形態の電極体2は、長尺な電極23、24が捲回された、いわゆる捲回型であるが、この構成に限定されない。電極体2は、枚葉状の電極23、24が積層された、いわゆる積層型でもよく、正極23又は負極24の少なくとも一方が長尺で且つつづら折りされた(蛇行するように折り返された)ものでもよい。
【0078】
上記実施形態の蓄電素子1では、超音波接合により電極体2と集電体5とを接合していたが、抵抗溶接等他の方法でこれらを接合してもよい。
【0079】
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
【0080】
蓄電素子(例えば電池)1は、図14に示すような蓄電装置(蓄電素子が電池の場合は電池モジュール)11に用いられてもよい。蓄電装置11は、少なくとも二つの蓄電素子1と、二つの(異なる)蓄電素子1同士を電気的に接続するバスバ部材12と、を有する。この場合、本発明の技術が少なくとも一つの蓄電素子1に適用されていればよい。
【符号の説明】
【0081】
1…蓄電素子、2…電極体、21…捲芯、22…積層体、23…正極(電極)、231…非被覆部、232…被覆部、24…負極(電極)、241…非被覆部、242…被覆部、25…セパレータ、26…被覆積層部、27…非被覆積層部、271…分割非被覆積層部、28…中空部、29…端面、291…第一面、292…第二面、3…ケース、31…ケース本体、311…閉塞部、312…胴部、313…長壁部、314…短壁部、32…蓋板、34…開口周縁部、4…外部端子、5…集電体、51…第一接続部、52…第二接続部、521…本体、522…接合片、53…屈曲部、56…開口、6…絶縁部材、7…保護板、71…第一部位、710…端部、72…第二部位、72R…端縁、73…第三部位(両端部)、73R…角部、80…ホーン、81…アンビル、11…蓄電装置、12…バスバ部材、102…巻回型電極体、105…電流取り出し端子、107…緩衝板、180…ホーン、181…アンビル、α、β…境界部、C…捲回中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15