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特許7133159TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての使用方法
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  • 特許-TGFb  RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/574 20060101AFI20220901BHJP
【FI】
G01N33/574 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022031344
(22)【出願日】2022-03-01
【審査請求日】2022-03-02
(31)【優先権主張番号】202210143790.3
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522081152
【氏名又は名称】温州医科大学附属第二医院、温州医科大学附属育英儿童医院
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】孫維建
(72)【発明者】
【氏名】沈賢
(72)【発明者】
【氏名】南如斌
(72)【発明者】
【氏名】呉昊
(72)【発明者】
【氏名】劉帥
(72)【発明者】
【氏名】王旭輝
(72)【発明者】
【氏名】梁丹娜
(72)【発明者】
【氏名】易永東
(72)【発明者】
【氏名】陳江楠
(72)【発明者】
【氏名】盧建華
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111996257(CN,A)
【文献】特表2012-521769(JP,A)
【文献】特表2008-535853(JP,A)
【文献】特開2005-304497(JP,A)
【文献】Ming Bai et al.,Identification of miR-135b as a novel regulator of TGFβ pathway in gastric cancer,Journal of Physiology and Biochemistry,2020年,Vol.76,pp.549-560
【文献】湯浅保仁,TGF-βシグナルの異常と消化管悪性腫瘍,現代医療,1999年,Vol.31, No.6,pp.75(1497)-80(1502)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃癌血清バイオマーカー診断製品の調製におけるTGFb RIIIタンパク質の免疫グ
ロブリンG抗体の使用方法
【請求項2】
前記TGFb RIIIタンパク質はヒトTGFb RIIIタンパク質である、ことを
特徴とする請求項1に記載の胃癌血清バイオマーカー診断製品の調製におけるTGFb
RIIIタンパク質の免疫グロブリンG抗体の使用方法
【請求項3】
前記診断製品は検出キットである、ことを特徴とする請求項1に記載の胃癌血清バイオマ
ーカー診断製品の調製におけるTGFb RIIIタンパク質の免疫グロブリンG抗体の
使用方法
【請求項4】
TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての応用
に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、胃癌のスクリーニング検査の方式には主に上部消化管内視鏡検査などがある。しか
し、上部消化管内視鏡検査は先進的な機器設備と専門の操作人員を備える必要があり、技
術要求が高く、費用が高い。また,被験者は比較的苦痛で,依存性が悪く,反復検査や集団
一般検査には適用されなかった。また、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori,Hp)
検出、血清ペプシンプロテアーゼ原(Pepsinogen,PG)検出、胃ペプチド(gastrin-17,G-17)
検出など、胃癌またはその前期病変をスクリーニングする方法もある。しかし、偽陽性率
が高く、感度が低いため、さらなる研究が必要である。
【0003】
バイオマーカーとは、疾患診断、リスク評価および予後判断に用いられる生体分子を指す
。異なるタイプの癌患者の血漿/血清および尿タンパク質群学分析により、腫瘍の発生と
発展に関連する一連のタンパク質マーカーが発見された。これらのマーカーは、癌のスク
リーニング、診断、および予後モニタリングに用いることができる。臨床的に胃癌診断に
用いられるバイオマーカーの欠乏、特に非侵入性バイオマーカーの発見は意義が大きい。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、胃癌血清バイオマーカー診断製品の調製におけるTGFb RIIIタンパク
質の免疫グロブリンG抗体の応用を提供する。
さらに、前記TGFb RIIIタンパク質はヒトTGFb RIIIタンパク質である

さらに、TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての応用である。
胃癌血清バイオマーカーは、TGFb RIIIタンパク質を含む。
本願の選択案は、独立した案としても、相互に組み合わせてもよい。本願のいずれかの態
様における構成は、独立した態様としてもよいし、他の態様と組み合わせてもよい。
さらに、非診断目的の胃癌診断における胃癌血清バイオマーカーとするTGFb RII
Iタンパク質の応用である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】各種のサンプルにおけるTGFb RIIIタンパク質の含有量および差異を示す図である。
図2】健康-進行胃癌患者TGFb RIIIタンパク質のROC曲線を示す図である。
図3】TGFb RIIIタンパク質の含有量およびグループ間差異を示す図である。
図4】健康-胃癌患者TGFb RIIIタンパク質のROC曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
「ROC曲線」または「ROCプロット」とは、判別閾値に応じる二項分類器システムの
性能変化を示すグラフ曲線である。この曲線は、個々の閾値の設定で真陽性率対偽陽性率
のグラフをプロットすることによって作成される。真陽性率は感度とも呼ばれる。偽陽性
率は1特異性として算出した。このため、ROC曲線は、一連の切捨値の範囲内における
真陽性率対偽陽性率(感度vs(1特異性))をグラフィカルに表示し、臨床的に使用す
る最適な切捨値を選択する方法である。精度をROC曲線下面積(AUC)として表すと
、テスト性能を比較するための有用なパラメータが提供される。1に近いAUCは、テス
トが高感度で非常に特異的であることを示し、AUCが0.5に近い場合、テストは敏感
でも特異的でもないことを示す。
【0007】
「統計学的差異」または「統計学的意義」という用語は、試験試料と対照試料または参照
試料との差異に関し、適切な統計分析を用いる場合、各群の同じ確率が5%未満(例えばp<0
.05)の場合を指す。すなわち,完全ランダムに基づいて同じ結果を得る確率は100回の試み
で5回未満である。当業者は適切な統計分析をどのように選択するかを知っている。典型
的には、研究された変数が正規分布を有するか否かに基づいて(例えば、Kolmogorov-Smir
nov検査を用いる)と同分散性が存在するかどうか(例えばLevene検査を用いる)は、適切な
統計分析を決定する。好ましくは、t検査またはANOVA検査のようなパラメータモデルは、
正規分布および同分散が存在する場合に使用される。また、この2つの要件のうちの少な
くとも1つの要件が満たされていない場合、非パラメータモデルが一般的に使用される。
例えばMannWhitney UチェックやKruskal-Wallis検査である。
【0008】
本願におけるTGFb RIIIタンパク質は、ヒトタンパク質TGFb RIII(t
ype III Transforming growth factor β rec
eptor(III型形質転換成長因子-β受容体)、ベータグリーカンとも呼ばれる)
であり、染色体1の1p31-32上のTGFb RIII遺伝子によってコードされ、
TGFb RIII遺伝子は16個のエクソンからなり、2つのプロモーター、近位プロ
モーター、および遠位プロモーターを有する。それらは2つのmRNAを生成する。TG
Fb RIIIは、851アミノ酸膜貫通タンパク質ポリ糖であり、大きい766アミノ
酸細胞外ドメイン、疎水性膜貫通ドメイン、および短い42アミノ酸細胞質ドメインを含
む。TGFb RIIIは、非共有結合ホモダイマーとして細胞表面に発現する。
【0009】
以下、図面を参照して、本願の好ましい態様について詳細に説明する。以下、本発明の実
施の形態における技術的態様について、本発明の実施の形態における図面と併せて、本発
明の実施の形態における技術的態様を明確かつ完全に説明する。以下の実施形態は、本発
明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するためには使用されない。実施
例において、特定の条件が記載されていない実験方法は、通常、従来の条件、または製造
業者が提案した条件に従う。
【実施例1】
【0010】
一 血清サンプル取得
募集により、被験者の血清サンプルの合計330例が得られ、そのうち39例が健常者、
128例が早期癌、80例が進行胃癌、13例が胃炎、22例が肝臓癌、32例が結腸直
腸癌、19例が乳癌であった。
二 血清検測
本実施例では、各被験者の血清試料をQAH-CUSTキットを用いて検出し、各血清試
料中のTGFb RIIIタンパク質含有量を求め、このQAH-CUSTキットは、定
量チップ(Quantibody Arxax Glass Chip:クォティボディ
・アルキマックス・ガラスチップ)、サンプル希釈液(Sample Diluent)
、20×洗浄液I(20×Wash Buffer I:ウォッシュバッファI)、20
×洗浄液II(20×Wash Buffer II:ウォッシュバッファII)、標準
品混合物(Lyophilized cytokine standard mix*:
凍結乾燥サイトカイン・スタンダードミックス))、検出抗体混合物(Detectio
n antibody cocktail:検出抗体カクテル)、Cy3-ストレプトア
ビジン(Cy3equivalent dye-conjugated Strepta
vidin:Cy3等価色素共役ストレプトアビジン)、スライド洗浄および乾燥機(S
lide washer/Dryer)、およびシールバーを含む。具体的な検出方法は
、次の手順で構成される。
ステップ1:定量チップ乾燥
定量チップをケースから取り出し、室温で20~30min放置した後、包装袋を開け、
シールストリップを外し、その後、定量チップを乾燥器または室温で1~2時間乾燥した

ステップ2:標準品調製
ステップ21:500μLのサンプル希釈液を標準混合物のチューブレットに添加し、標
準混合物を再溶解した。チューブレットを開く前に、最初に迅速に遠心分離し、溶解粉末
を上下に軽く吹き、このチューブレットをStd1とマークした。
ステップ22:6つのきれいな遠心管をそれぞれStd2、Std3、Std4、Std
5、Std6、Std7とマークし、各遠心管に200μLのサンプル希釈液を添加した

ステップ23:Std1とマークした遠心管から抽出した100μLのサンプル希釈液を
Std2とマークした遠心管に軽く混合し、次いでStd2とマークした遠心管から抽出
した100μLのサンプル希釈液をStd3とマークした遠心管に添加し、順次類推し、
このようにStd7とマークしたた遠心管まで勾配希釈し、標準液を得た。
ステップ24:Std7とマークした遠心管から100μLの標準液を別の新しい遠心管
に抽出し、CNTRLとマークし陰性対照とした。
ステップ3:定量チップの操作手順
ステップ31:定量チップの各ウェルに100μLのサンプル希釈液を加え、室温でシェ
ーカー上で1hインキュベートし、定量チップを封止した。
ステップ32:各ウェルからサンプル希釈液を吸引し、CNTRLとマークした遠心管か
ら80μLの標準液を採取し、血清サンプル(サンプル2倍希釈)とともにウェルに添加
し、4°Cで一晩インキュベートした。
ステップ33:定量チップ(スライド)を洗浄した。本実施例ではチップウェルウォッシ
ャーThermo Scientific Wellwash Versa(セモス・チ
ェンティフィッチ・ヴェルヴァシュヴェーザ)を用いて、2段階に分けるとした。まず、
1×洗浄液Iで洗浄し、1ウェルあたり250μLの1×洗浄液Iで10回洗浄し、毎回
10sシェーク10し、シェーク強度がハイレベルとし、脱イオン水で20×洗浄液I希
釈した。次いで、流路を1×洗浄液IIで洗浄し、1ウェルあたり250μLの1×洗浄
液IIで6回洗浄し、毎回10sシェーク10し、シェーク強度がハイレベルとし、脱イ
オン水で20×洗浄液II希釈した。
ステップ34:検出抗体混合物の孵育
検出抗体混合物を充填したチューブレットを遠心分離し、次いで1.4mlのサンプル希
釈液を添加し、混合後再度速やかに遠心分離し、次いで各ウェルに検出抗体混合物を80
μL添加し、RTシェーカーで2時間インキュベートした。
ステップ35:洗浄。ステップ33と同様。
ステップ36:Cy3-ストレプトアビジンのインキュベーション
Cy3-ストレプトアビジンを充填したチューブレットを遠心分離し、その後、サンプル
希釈液1.4mlを加え、再度速遠心分離後、Cy3-ストレプトアビジン80μLを各
ウェルに添加し、定量チップ(スライド)をアルミ箔紙で包み込み、光を避けてRTシェ
ーカーで1時間インキュベートした。
ステップ37:洗浄。ステップ33と同様。
ステップ38:蛍光検出
レーザースキャナで信号をスキャンし、Cy3またはグリーンチャンネル(励起周波数=
532nm)を用いた。
本実施例では、InnoScan 300、機器型番:InnoScan 300 MicroarrayScanner;メーカー:In
nopsys;産地:Parc d'Activites Activestre;31 390 Carbonne - France;スキャンパラメ
ータ:WaveLengh:532 nm;Resolution:10μmを採用する。
ステップ39:QAH-CUSTのデータ解析ソフトウェアを用いてデータ解析を行い、
各血清サンプル中のTGFb RIIIタンパク質の含有量を求めた。
三 実験結果
図1に示すように、進行胃癌グループにおけるTGFb RIIIタンパク質のレベルが
上昇し、他グループとの統計的意義を有する(ここで、図1の健常グループと胃癌進行グ
ループとの***は、統計的差異P値が0.001未満であることを示す)をさらにデー
タ解析し、ROC曲線(receiver operating characteri
stic curve:受信者操作特性曲線)は、図2に示すように、進行患者のTGF
b RIIIタンパク質のAUC(Area under the curve(曲線下面
積)、AUC値はROC曲線で覆われた領域面積であり、AUCが大きいほど、2つのグ
ループ区別効果がよりよい)値は0.797であった。
【実施例2】
【0011】
結果の信頼性をさらに証明するために、さらに健常10例、早期癌10例、後期癌40例
の60人の被験者が採用された。被験者の血清を採取した後、Elisa(エリサ)検査
を行った。
本実施例では、各被験者の血清サンプルをTGFb RIII検出キットを用いて検出し
、各血清サンプル中のTGFb RIIIタンパク質含量を求め、このキットは、以下の
成分を含む。
・ TGFb RIII Microplate (Item A): anti-Human(抗ヒト)TGFb RII
I抗体で包まれた96ウェルプレート
・ Wash Buffer Concentrate (20x) (Item B): 25ml,20×濃縮洗浄液
・ Standards (Item C): 再編成Human(ヒト)TGFb RIII標準品
・ Assay Diluent (Item E2): 標準およびサンプルの希釈に使用される15ml,5×濃
縮物
・ Detection Antibody TGFb RIII (Item F): ビオチン標識抗TGFb RIII抗体
・ HRP-Streptavidin concentrate (Item G): 200μLの200×濃縮HRP-ストレ
プトマイシン
・ TMB One-Step Substrate Reagent (Item H): 12 ml of 3,3’,5,5’-tetramethylbenz
idine (TMB)
・ Stop Solution (Item I): 8mlの0.2M硫酸
一 試薬の準備
1 キットと血清サンプルを室温(18~25°C)にバランスさせた。
2予実験血清サンプルに基づいて2倍に希釈しローディングした。
3 希釈液(Item(イタム)E2)を脱イオン水で5倍に希釈した。
4 標準品(Item C)調製:標準品(Item C)を充填したチューブレットを
遠心分離し、その後、400μL,1×希釈液(Item E2)を標準品(Item
C)を充填したチューブレットに添加し、均一に混合した後、50000pg/mlの標
準貯蔵液となった。標準貯蔵液100μLを吸引し、400μL,1×希釈液(Item
E2)を充填した遠心管に添加し、混合し、STD1とマークした。7つの1.5ml小
遠心管を準備し、7つのチューブに300μL,1×希釈液(ItemE2)を加えて緩
衝液とした。その後、7つの1.5mlの小遠心管を順次STD2、STD3、STD4
、STD5、STD6、STD7、STD8とマークした。そして、STD1の1000
0pg/mlの標準貯蔵液を勾配希釈した。200μL,10000pg/mlの標準貯
蔵液(即ちSTD1)をSTD2チューブレットに添加し、均一に混合した後、STD2
チューブレットの200μL溶液を抽出し、STD3チューブレットに添加し、均一に混
合した。このように順次にSTD7、STD8が300μL,1x希釈液(ItemE2
)となったまで進んで、標準品0pg/mlを調製した。
5 濃縮洗浄液(ItemB)希釈:濃縮洗浄液(ItemB)を脱イオン水で20倍希
釈し、洗浄バッファーに予備した。
6 遠心TGFb RIIIの抗体(ItemF)検出:100μL,1×希釈液(It
emE2)を加えて十分に溶解し、ピペットで上下に軽く吹き、その後、1×希釈液(I
temE2)で80倍希釈した後、予備にした。
7 HRP―ストレプトアビジン(ItemG)を遠心分離し、1×希釈液(ItemE
2)で200倍希釈した後、予備した。
二 操作手順
1 抗体で包んだELISAプレート(ItemA)を室温まで平衡化した後、100μ
Lの標準貯蔵液(STD7)と血清サンプルを対応するウェルに添加し、プレート全体を
シーソーで密封し、4°Cで一晩インキュベートした。
2 調製した1×洗浄バッファーをウェルウォッシャーに添加し、ウェルウォッシャーに
よりプレートを4回洗浄した。洗浄時に各ウェルに300μLの洗浄バッファーを加えた

3 プレートを洗浄した後、各ウェルに100μLの調製したTGFb RIII検出抗
体(ItemF)を添加し、室温で1時間インキュベートした。
4 洗浄。ステップ2と同様。
5 1ウェルあたり100μLのHRPストレプトアビジン(イテムG)を室温で45分
インキュベートした。
6 洗浄。ステップ2と同様。
7 100μLのTMB発色液(イテムH)を各ウェルに添加し、室温で30minの避
光インキュベートを行った。
8 ターミネーター(イテムI)50μLを各ウェルに添加した後、酵素マーカー(45
0nm)で直ちに結果を読み取った。
9 ソフトウェアsigmaplot12.0により濃度値を算出した。
得た結果が、図3に示すようになった。TGFb RIIIタンパク質の発現レベルが統
計的に異なることが分かった(図3の健常グループと胃癌初期グループとの間の**は統
計的差異P値が0.01未満を示し、胃癌早期群と胃癌後期群との間の**は統計的差異
P値が0.01未満を示し、健常群と胃癌後期群との間の***は統計的差異P値が0.
001未満であることを示した)。さらに胃癌集団と健常集団とのROCプロット図をプ
ロットし、その胃癌と健常集団を区別するためのAUC値は0.984に達してなった。
血清値が5752.909pg/mlを超える血清タンパク質濃度は、2つの集団を区別
するための閾値として使用することができ、すなわち、このElisaキットが血清を検
出するとき、TGFb RIII発現量が5752.909pg/mlを超える集団は胃
癌集団であった。
【0012】
本願の任意の実施形態は、独立した技術案としてもよいし、他の実施形態と組み合わせて
もよい。本願明細書に記載されたすべての特許及び出版物は、これらが当業者の開示技術
であることを示しており、本願は使用することができる。ここで引用されるすべての特許
および出版物は、それぞれの出版物が具体的に単独で参照されるのと同様に、参照文献に
同様に列挙される。本明細書の本願は、任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の
制限が欠けている場合に実施することができ、ここでは特に説明しない。ここで用いられ
る用語および表現は、それらに限定されるものではなく、記述されたこれらの用語および
解釈を示す意図もなく、いかなる同等の特徴も排除されるものではない。しかし、本願お
よび請求項の範囲内で任意の適切な変更または修正が可能であることが分かる。本明細書
に記載された実施形態は、いくつかの実施形態におけるいくつかの実施形態および特徴で
あることが理解される。当業者は、本明細書の説明の真髄に従って、変更および変更を行
うことができる。これらの変更および変更は、本願の範囲および独立請求項および従属請
求項によって制限される範囲内に属するものとみなされる。
【要約】      (修正有)
【課題】TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての応用に関する。
【解決手段】胃癌血清バイオマーカー診断製品の調製におけるTGFb RIIIタンパク質の免疫グロブリンG抗体の応用。前記TGFb RIIIタンパク質はヒトTGFb RIIIタンパク質である、ことを特徴とする胃癌血清バイオマーカー診断製品の調製におけるTGFbRIIIタンパク質の免疫グロブリンG抗体の応用。前記診断製品は検出キットである、ことを特徴とする胃癌血清バイオマーカー診断製品の調製におけるTGFb RIIIタンパク質の免疫グロブリンG抗体の応用。TGFb RIIIタンパク質の胃癌血清バイオマーカーとしての応用。非診断目的の胃癌診断における胃癌血清バイオマーカーとするTGFb RIIIタンパク質の応用。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4